JP4379026B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録装置に関し、詳しくは、高品位な画像を高速で記録可能なインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録においては、画像を形成するインクのドット径が小さい程、画像の解像度が向上する。ドット径はノズル径の大きさで決まるので、最近ではインクジェットヘッドのノズル径が微細化している。しかし、ノズル径を余り微細化するとノズル詰まりが起こり易くなるため、ノズル径は余り小さくせずに吐出時のインクメニスカスの位置と吐出圧力を微細に制御して、吐出するノズルの径よりも小さなインク滴を吐出することが行われる。更に、一つのノズルから、大、中、小滴を分けて吐出したり、一つのノズルから小滴を連続して吐出して飛翔中に合体させ、大、中、小滴を作ったりすることで、階調のある画像を形成できる。また、インクも進歩し、顔料インクを使用することで、染料に比べ、耐水性や耐光性が著しく向上した。更に、インクにラテックス等のポリマーを添加することで、インクを吸収できない媒体、例えば、PETベース上に、滲みや混色の無い高画質な画像が形成できるようになった。また、顔料分散にポリマー分散剤を使用することで、超微粒子インクを安定に分散でき、染料のように鮮やかな色彩を持つ顔料インクが出現した。これらの技術を組み合わせて、写真を越える画像がインクジェット記録装置で得られるようになった。
【0003】
しかし、インク滴を小径化したりインクに顔料やポリマーを加えたりすると、インク非吐出時にノズル開口付近のインクが増粘し易くなり、極めて短い時間インクの吐出を中断しただけで、吐出再開時に吐出できなくなったり、吐出インク滴の重量、吐出速度や飛翔方向が変化したりして、画質が著しく低下する現象が発生する。ノズル開口は20〜40μm程度と極めて小さく、インクが流動拡散しにくいため、ごく少量の水分や溶剤がノズル開口から蒸発しただけで、ノズル開口付近では局所的にインクの粘度が上昇する。この吐出の中断は、ヘッドが印刷待機位置にある時、キャリッジの加減速時、そして、画像パターンに依っては印刷中にも起こる。ラテックスやポリマーを含むインクは、吐出をごく短時間、例えば秒のオーダー停止しただけで、ノズル開口から極微量の水分や溶剤が蒸発し被膜を形成するため粘度が急上昇する。また、顔料を含むインクは、中断中にノズル開口から水分や溶剤が蒸発すると、局所的に凝集が起こり、粘度が上昇する恐れもある。吐出インク滴を微小化すると、ノズル開口で局所的に増粘したインクが吐出により持ち去られる速度は遅くなり、粘度の低いバルクのインクと置換されにくくなるので、吐出不良が簡単に解消しない。インク滴の小径化とインクへの顔料やポリマー添加により、高画質、高耐久性の画像が得られるようになったが、反対に、ごく短時間の吐出中断時にもノズル詰まりが起こり易くなり、この対策が必要となった。
【0004】
インクジェットヘッドのノズル開口からの水の蒸発に関しては、既に詳しい研究が行われており、例えば、Mehmet Z.Sengun IS&T 13,1997,P681によると、水95%+エチレングリコール5%の単純なインクでは、15%RH環境に10秒放置すると、ノズル開口面の水の濃度が95%から20%に低下する。60%RHでは40%に低下するが、いずれも粘度が急上昇する。インクに顔料やポリマーが含まれていると、ごく短時間で固体の析出や被膜の形成が起こり、粘度が急上昇し兼ねない。このように、ごく短時間吐出を停止しても、ノズル開口のインク粘度が局所的に急上昇するので、粘度を低下させてから吐出しないと吐出不能や画像劣化が起こる。
【0005】
長期間の印刷休止時には、ノズル面全体をキャップで覆ってノズル開口からのインク成分の蒸発を防止できる。しかし、印刷待機中や印刷中の吐出中断期間にはキャッピングができないので、対策の一つとして、インクを吐出しない程度に圧電材料を駆動してノズル内のインクメニスカスを微振動させることで、ノズル開口付近の増粘したインクをチャネル内のバルクのインクと攪拌し、ノズル開口面のインク粘度を低下させるという方法がある。例えば、ヘッドが印刷領域外の待機ポジションにある時に全ノズルに微振動を掛けてノズル開口面のインク粘度を下げてやると、どのノズルも第1滴からインク滴の吐出が可能となる。また、印刷領域内において、印刷中には吐出しないチャネルの圧電材料に、吐出信号の代わりに微振動駆動信号を掛けて、吐出しないノズルの開口面にあるインクの増粘を防止できる。このように、微振動には印刷領域外微振動と印刷領域内微振動がある。なお、大判の記録メディアで、走査の後端部だけを印刷する場合などには、待機ポジションでインクメニスカスを微振動させてインク粘度を低下させても、その後の吐出までに時間間隔があるため、吐出開始迄に再びノズル開口のインク粘度が上昇してしまう。このため、吐出直前にもう一度微振動を掛け直す必要がある。しかし、微振動を掛けた後、残留振動が収まるのを待たないと安定出射できないので、そのタイミングの取り方が難しい。
【0006】
増粘挙動は、顔料インクと染料インクの違い、環境の温湿度などにより異なる。更に、ヘッドの発熱状況によっても異なるので、これらの色々な状況に応じて、微振動の振幅、周波数、繰り返し回数等を変化させて、最適な微振動を掛ける必要がある。例えば、増粘し易いインクや、低温・低湿の環境では、微振動が十分掛からず、インクが良く攪拌されない。また、増粘しにくいインクや、高温・高湿の環境では、微振動が掛かり過ぎて、インクがあふれ出ることによりノズル面を汚し、次に吐出するインク滴の飛翔方向が曲がる。従って、各種センサーを使用して、環境の温湿度、インクの種類、ヘッドの温度等を監視したり、ヘッドに送られてくる印刷データを解析してインク滴を吐出する頻度を求め、微振動条件を細かく制御したりするなど、最適の微振動を掛ける必要がある。しかし、これは、極めて面倒である。
【0007】
一方、印刷領域外で微振動を掛けてから、増粘したインクを吐き捨てする方法がある。これは、増粘したごく微量のインクを捨てるので、開口部の粘度が上昇しにくく、走査中に微振動をかけなくてもすむ。
【0008】
メニスカスを微振動させて増粘したインク粘度を低下させる技術は、インクジェット記録装置では公知となっている。例えば、特許文献1では非記録時、ノズル先端よりインク滴が吐出しないような振幅又はパルス幅の信号電圧を印加する技術が公開されている。特許文献2〜5には、積層型圧電材料を使用するインクジェットヘッドのインクメニスカスを微振動させる技術が公開されている。これらは片方の矩形波または台形波を使用して(波形の立ち上がりと立下りの傾斜をインク室のヘルムホルツ共振周波数の1/2以下にして)、メニスカスの微振動をおこなっている。しかし、これらの先行技術では、増粘したインクを効果的に攪拌することができない。このため、微振動印加回数を多く設定しなければならない。また、微振動用、吐出用、描画前のインク吐き捨て用にそれぞれ電圧レベルを調整する必要があり駆動回路構成が複雑になる。また、駆動波形に傾斜波を利用すると矩形波に比べて電圧感度が低下するため、必要な駆動電圧は上昇して消費電力が大きくなるという問題もある。また、微振動駆動信号の印加回数を増やさなければ十分な効果が得られず、結果的に印刷速度の低下などにつながる。従って、キャリッジ走査の折り返し時などを利用して、短期間に大きな効果の得られる効率的な印加方法が求められる。
【0009】
特許文献6は、長時間吐出を停止した後、駆動信号を80〜100パルス印加してメニスカスをノズル外に押し出し、その後パルスを停止してメニスカスをノズル内に引き込み、吐出させる技術が公開されているが、駆動信号を80〜100パルス印加してメニスカスを徐々にノズル外に押し出しているので、メニスカスが横方向に広がり、ノズルプレートの表面にまで濡れ広がっており、このメニスカスがノズルプレート内に引き込まれるまでにかなりの時間がかかってしまう。また押し出した後は、パルスを停止して、最初のメニスカスが形成されている状態まで戻すだけであり、十分な攪拌効果は得られない。また具体的なパルス形状についても何ら開示はない。
【0010】
【特許文献1】
特開昭55−139271号公報
【特許文献2】
特開平9−29996号公報
【特許文献3】
特開平10−81012号公報
【特許文献4】
特開平11−300966号公報
【特許文献5】
特開2000−94669号公報
【特許文献6】
特開2000−168103号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、インク滴の吐出に先立って、ノズル内のインクを効率良く攪拌することにより、デキャップ特性の改善効果が高く、インク滴を安定して吐出させることのできるインクジェット記録装置を提供することを課題とする。ここでデキャップ特性とは、ノズル面開放状態の場合にメニスカス乾燥によってインクが増粘する、いわゆるデキャップ現象による初発速度の低下量を示す。
【0012】
また、微振動用、吐出用、描画前のインク吐き捨て用にそれぞれ電圧レベルを調整する場合、さらに電圧の調整を容易にすることを更なる課題とする。
【0013】
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の各発明のいずれかによって解決される。
【0015】
1.記録ヘッドのノズルよりインク滴を吐出させて画像記録を行うインクジェット記録装置であって、前記記録ヘッドのインクチャネルの容積を変化させる電気・機械変換手段を有し、前記電気・機械変換手段を駆動することにより、インク滴の吐出に先立って、前記ノズル内のインクメニスカスをノズル先端からの最大押し出し量がノズル半径以上となるように押し出す動作と、静止位置よりもインクチャンネル側に引き込ませる動作を複数回繰り返すことにより、ノズルからインク滴を吐出させずにインクメニスカスを微振動させるものであり、且つ、前記インクチャネルの音響的共振周期の1/2をALとした時、前記電気・機械変換手段に対して、インクチャネルの容積を拡大させるための(N1)ALのパルス幅である電圧パルスと、(N2)ALの幅の第1の休止期間と、容積を縮小させるための(N3)ALのパルス幅である電圧パルスと、(N4)ALの幅の第2の休止期間(N1、N3は2以上の整数、N2、N4は1以上の実数)とを有する駆動信号を複数回繰り返し印加することにより微振動させることを特徴とするインクジェット記録装置。
【0016】
2.記録ヘッドのノズルよりインク滴を吐出させて画像記録を行うインクジェット記録装置であって、前記記録ヘッドのインクチャネルの容積を変化させる電気・機械変換手段を有し、前記電気・機械変換手段を駆動することにより、インク滴の吐出に先立って、前記ノズル内のインクメニスカスをノズル先端からの最大押し出し量がノズル半径以上となるように押し出す動作と、静止位置よりもインクチャンネル側に引き込ませる動作を複数回繰り返すことにより、ノズルからインク滴を吐出させずにインクメニスカスを微振動させるものであり、且つ、前記インクチャネルの音響的共振周期の1/2をALとした時、前記電気・機械変換手段に対して、インクチャネルの容積を拡大させるための(N1)ALのパルス幅である矩形波の電圧パルスと、(N2)ALの幅の第1の休止期間と、容積を縮小させるための(N3)ALのパルス幅である矩形波の電圧パルスと、(N4)ALの幅の第2の休止期間(N1、N3は2以上の整数、N2、N4は1以上の実数)とを有する駆動信号を複数回繰り返し印加することにより微振動させることを特徴とするインクジェット記録装置。
【0017】
3.N2、N4は1以上の整数であることを特徴とする1又は2に記載のインクジェット記録装置。
【0018】
4.N1、N2、N3、N4がいずれも4であることを特徴とする1又は2に記載のインクジェット記録装置。
【0019】
5.前記記録ヘッドが画像記録領域外に存在する時のインクメニスカスの微振動の最大押し出し量が画像記録領域内の非記録画素に存在する時のインクメニスカスの微振動の最大押し出し量より大きいことを特徴とする1〜のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【0020】
6.記録ヘッドのノズルよりインク滴を吐出させて画像記録を行うインクジェット記録装置であって、インク滴の吐出に先立って、前記ノズル内のインクメニスカスをノズル先端からの最大押し出し量がノズル半径以上となるように押し出す動作と、静止位置よりもインクチャンネル側に引き込ませる動作を複数回繰り返すことにより、ノズルからインク滴を吐出させずにインクメニスカスを微振動させるものであり、且つ、前記記録ヘッドが画像記録領域外に存在する時のインクメニスカスの微振動の最大押し出し量が画像記録領域内の非記録画素に存在する時のインクメニスカスの微振動の最大押し出し量より大きいことを特徴とするインクジェット記録装置。
【0021】
7.前記記録ヘッドのインクチャネルの容積を変化させる電気・機械変換手段を有し、前記電気・機械変換手段を駆動することにより、前記押し出す動作と前記引き込ませる動作とを行うことを特徴とするに記載のインクジェット記録装置。
【0022】
8.記録ヘッドのインクチャネルの容積を変化させる電気・機械変換手段を駆動し、ノズルよりインク滴を吐出させて画像記録を行うインクジェット記録装置であって、インク滴の吐出に先立って、前記ノズル内のインクメニスカスをノズル先端からの最大押し出し量がノズル半径以上となるように押し出す動作と、静止位置よりもインクチャンネル側に引き込ませる動作を複数回繰り返すことにより、ノズルからインク滴を吐出させずにインクメニスカスを微振動させるものであり、且つ、前記記録ヘッドにおいて、ノズルからインク滴を吐出させ、画像記録を行う時の吐出駆動電圧とノズルからインク滴を吐出させずにインクメニスカスを微振動させる微振動駆動電圧とが同電圧であることを特徴とするインクジェット記録装置。
【0023】
9.記録ヘッドのインクチャネルの容積を変化させる電気・機械変換手段を駆動し、ノズルよりインク滴を吐出させて画像記録を行うインクジェット記録装置であって、インク滴の吐出に先立って、前記ノズル内のインクメニスカスをノズル先端からの最大押し出し量がノズル半径以上となるように押し出す動作と、静止位置よりもインクチャンネル側に引き込ませる動作を複数回繰り返すことにより、ノズルからインク滴を吐出させずにインクメニスカスを微振動させるものであり、且つ、前記記録ヘッドが画像記録領域外に存在する時に、前記電気・機械変換手段を駆動することにより、インク吐き捨てをさせるインクリフレッシュ駆動を行い、前記画像記録を行う時の吐出駆動電圧と前記インクメニスカスを微振動させる微振動駆動電圧と前記インクリフレッシュ駆動電圧とがいずれも同電圧であることを特徴とするインクジェット記録装置。
【0024】
10.記録ヘッドのインクチャネルの容積を変化させる電気・機械変換手段を駆動し、ノズルよりインク滴を吐出させて画像記録を行うインクジェット記録装置であって、インク滴の吐出に先立って、前記ノズル内のインクメニスカスをノズル先端からの最大押し出し量がノズル半径以上となるように押し出す動作と、静止位置よりもインクチャンネル側に引き込ませる動作を複数回繰り返すことにより、ノズルからインク滴を吐出させずにインクメニスカスを微振動させるものであり、且つ、前記記録ヘッドが画像記録領域外に存在する時のインクメニスカスの微振動の最大押し出し量が画像記録領域内の非記録画素に存在する時のインクメニスカスの微振動の最大押し出し量より大きいことを特徴とするインクジェット記録装置。
【0025】
11.記録ヘッドのインクチャネルの容積を変化させる電気・機械変換手段を駆動し、ノズルよりインク滴を吐出させて画像記録を行うインクジェット記録装置であって、インク滴の吐出に先立って、前記ノズル内のインクメニスカスをノズル先端からの最大押し出し量がノズル半径以上となるように押し出す動作と、静止位置よりもインクチャンネル側に引き込ませる動作を複数回繰り返すことにより、ノズルからインク滴を吐出させずにインクメニスカスを微振動させるものであり、且つ、インクチャネルの音響的共振周期の1/2をALとした時、前記電気・機械変換手段に対して、インクチャネルの容積を拡大させるための(N1)ALのパルス幅である電圧パルスと、(N2)ALの幅の第1の休止期間と、容積を縮小させるための(N3)ALのパルス幅である電圧パルスと、(N4)ALの幅の第2の休止期間(N1、N3は2以上の整数、N2、N4は1以上の実数)とを有する駆動信号を複数回繰り返し印加することにより、ノズルからインク滴を吐出させずにノズル内のインクメニスカスを微振動させることを特徴とするインクジェット記録装置。
【0026】
12.記録ヘッドのインクチャネルの容積を変化させる電気・機械変換手段を駆動し、ノズルよりインク滴を吐出させて画像記録を行うインクジェット記録装置であって、インク滴の吐出に先立って、前記ノズル内のインクメニスカスをノズル先端からの最大押し出し量がノズル半径以上となるように押し出す動作と、静止位置よりもインクチャンネル側に引き込ませる動作を複数回繰り返すことにより、ノズルからインク滴を吐出させずにインクメニスカスを微振動させるものであり、且つ、インクチャネルの音響的共振周期の1/2をALとした時、前記電気・機械変換手段に対して、インクチャネルの容積を拡大させるための(N1)ALのパルス幅である矩形波の電圧パルスと、(N2)ALの幅の第1の休止期間と、容積を縮小させるための(N3)ALのパルス幅である矩形波の電圧パルスと、(N4)ALの幅の第2の休止期間(N1、N3は2以上の整数、N2、N4は1以上の実数)とを有する駆動信号を複数回繰り返し印加することにより、ノズルからインク滴を吐出させずにノズル内のインクメニスカスを微振動させることを特徴とするインクジェット記録装置。
【0027】
13.N2、N4は1以上の整数であることを特徴とする11又は12に記載のインクジェット記録装置。
【0028】
14.N1、N2、N3、N4がいずれも4であることを特徴とする11又は12に記載のインクジェット記録装置。
【0029】
15.前記記録ヘッドにおいて、ノズルからインク滴を吐出させ、画像記録を行う時の吐出駆動電圧とノズルからインク滴を吐出させずにインクメニスカスを微振動させる微振動駆動電圧とが同電圧であることを特徴とする10〜14のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【0030】
16.前記記録ヘッドが画像記録領域外に存在する時に、電気機械変換手段を駆動することによりインク吐き捨てをさせるインクリフレッシュ駆動を行い、前記画像記録を行う時の吐出駆動電圧と前記インクメニスカスを微振動させる微振動駆動電圧と前記インクリフレッシュ駆動電圧とがいずれも同電圧であることを特徴とする10〜14のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【0031】
17.前記電気・機械変換手段が前記インクチャンネル同士の隔壁を形成し、且つせん断モードで変形する圧電材料であることを特徴とする8〜16のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【0032】
18.記録ヘッドのインクチャネルの容積を変化させる電気・機械変換手段を駆動し、ノズルよりインク滴を吐出させて画像記録を行うインクジェット記録装置であって、インク滴の吐出に先立って、前記ノズル内のインクメニスカスをノズル先端からノズル半径以上押し出させることにより、ノズルからインク滴を吐出させずにインクメニスカスを微振動させるものであり、且つ、前記インクチャネルの音響的共振周期の1/2をALとした時、前記電気・機械変換手段に対して、インクチャネルの容積を拡大させるための(N1)ALのパルス幅である矩形波の電圧パルスと、(N2)ALの幅の休止期間と、容積を縮小させるための(N3)ALのパルス幅である矩形波の電圧パルス(N1、N2、N3は2以上の整数)とを有する駆動信号を印加することを特徴とするインクジェット記録装置。
【0033】
19.記録ヘッドのインクチャネルの容積を変化させる電気・機械変換手段を駆動し、ノズルよりインク滴を吐出させて画像記録を行うインクジェット記録装置であって、インク滴の吐出に先立って、前記ノズル内のインクメニスカスをノズル先端からノズル半径以上押し出させることにより、ノズルからインク滴を吐出させずにインクメニスカスを微振動させるものであり、且つ、前記記録ヘッドにおいて、ノズルからインク滴を吐出させる吐出駆動電圧とノズルからインク滴を吐出させずにインクメニスカスを微振動させる微振動駆動電圧と画像記録領域外でインク吐き捨てをさせるインクリフレッシュ駆動電圧とが同電圧であることを特徴とするインクジェット記録装置。
【0034】
20.記録ヘッドのインクチャネルの容積を変化させる電気・機械変換手段を駆動し、ノズルよりインク滴を吐出させて画像記録を行うインクジェット記録装置であって、インク滴の吐出に先立って、前記ノズル内のインクメニスカスをノズル先端からノズル半径以上押し出させることにより、ノズルからインク滴を吐出させずにインクメニスカスを微振動させるものであり、且つ、前記記録ヘッドが画像記録領域外に存在する時のインクメニスカスの微振動の最大押し出し量が画像記録領域内の非記録画素に存在する時のインクメニスカスの微振動の最大押し出し量より大きいことを特徴とするインクジェット記録装置。
【0036】
21.前記ノズル先端から押し出させるインクメニスカスの最大押し出し量がノズル半径の3倍以下であることを特徴とする18、19又は20に記載のインクジェット記録装置。
【0037】
22.前記電気・機械変換手段が前記インクチャンネル同士の隔壁を形成し、且つせん断モードで変形する圧電材料であることを特徴とする18〜21のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。ここでは、電気・機械変換手段が、隣接するインクチャンネル同士の隔壁を形成し、この隔壁を駆動することによりインクチャネル内のインクを吐出するせん断モードタイプの記録ヘッドを用い、これに矩形波を印加する例を挙げて説明する。
【0043】
図1は、インクジェット記録装置におけるせん断モード(シェアモード)タイプの記録ヘッドの概略構成を示す図であり、(a)は外観斜視図、(b)は断面図、図2はその作動を示す図である。同図において、1はインクチューブ、2はノズル形成部材、3はノズル、Sは電気・機械変換手段としての隔壁、6はカバープレート、7はインク供給口、8は基板である。そして、図2に示すようにインクチャネルAが隔壁Sとカバープレート6及び基板8によって形成されている。
【0044】
図1(b)には1個のノズル3を有する1個のインクチャネルAの断面図が示されているが、実際のせん断モードで動作する記録ヘッドHでは、図2(a)に示すようにカバープレート6と基板8との間には複数の電気・機械変換手段としての隔壁S、即ち、S1、S2、…Sn+1で隔てられたインクチャネルA、即ち、A1、A2、…Anが多数構成されている。インクチャネルA1、A2、…Anの一端(以下、これをノズル端という場合がある)はノズル形成部材2に形成されたノズル3につながり、他端(以下、これをマニホールド端という場合がある)はインク供給部を構成する供給口7及びインクチューブ1によって図示されていないインクタンクに接続されていて、ノズル3にはインクによるインクメニスカスを形成している。
【0045】
各隔壁S1、S2、…は、図2の矢印で示すように分極方向が異なる2個の圧電材料からなる隔壁S1a、S2a、…とS1b、S2b、…とから構成されており、隔壁S1には密着形成された電極Q1、Q2が、隔壁S2には密着形成された電極Q3、Q4が設けてある。同様に各隔壁にそれぞれ電極が密着形成されており、各電極Q1、Q2、…は駆動パルス発生回路に接続している。
【0046】
かかる記録ヘッドHにおいては、図2(a)に示す状態において、例えば、電極Q1及びQ4をアースに接続すると共に電極Q2及びQ3に駆動パルスを印加すると、隔壁S1、S2を構成する圧電材料の分極方向に直角な方向の電界が生じ、隔壁S1a、S1bともに隔壁の接合面にズリ変形を生じ、また隔壁S2a、S2bも同様に反対方向にズリ変形を生じて、図2(b)に示すように隔壁S1a、S1b及び隔壁S2a、S2bは互いに外側に向けて変形し、インクチャネルA1の容積を拡大してインクチャネルA1内に負の圧力が生じてインクが流れ込む。同時にマニホールド端とノズル端から圧力が上がり始め、音響波がインクチャネル中央に向かって伝わり、1AL経過すると、その音響波が反対端に達し、インクチャネル内が正圧となる。
【0047】
なお、ALとは、インクチャネルの音響的共振周期の1/2である。またパルス幅とは、電圧の立ち上がり始めから10%と立ち下がり始めから10%との間の時間と定義する。このALは、電気・機械変換手段である隔壁Sに矩形波の電圧パルスを印加して吐出するインク滴の速度を測定し、矩形波の電圧値を一定にして矩形波のパルス幅を変化させたときに、インク滴の飛翔速度が最大になるパルス幅として求められる。さらにここで矩形波は、電圧の10%と90%との間の立ち上がり時間、立ち下がり時間のいずれもが好ましくはALの1/2以内、さらに好ましくは1/4以内であるような波形である。
【0048】
ノズル端とマニホールド端に達した音響波は、それぞれ反射して、位相が180°反転した負の圧力波となって、インクチャネルの中央に向かって伝搬する。
【0049】
更に、1AL経過すると、負の圧力波がそれぞれ他端に達して、インクチャネル内部が負圧となる。このように、隔壁を移動させて発生した圧力波は、AL時間毎に圧力の反転を繰り返す。ノズル端は、音響インピーダンスの小さい空気と接しているので、ほぼ100%反射されるが、マニホールド端は、インクチャネルの断面積とマニホールドの断面積の比率により、部分的に反射されるので、次第に圧力が減衰してゆく。
【0050】
最初の駆動パルスの印加から1AL経過後に電位を0に戻すと、隔壁S1、S2は膨張位置から図2(a)に示す中立位置に戻り、インクに高い圧力が掛かる。次いで、図2(c)に示すように、隔壁S1a、S1b及びS2a、S2bを互いに逆方向に変形するように駆動パルスを印加して、インクチャネルA1の容積を縮小すると、インクチャネルA1内に正の圧力が生じる。これによりインクチャネルA1を満たしているインクの一部によるノズル3内のインクメニスカスがノズル3から押し出される方向に変化する。この正の圧力がインク滴をノズル3から吐出する程に大きくなると、インク滴はノズル3から吐出する。この状態を2AL保持した後、電位を0に戻し、隔壁S1、S2を収縮位置から中立位置に戻すと、残留する圧力波がキャンセルされるので、次のインク滴の吐出が可能になる。0から7滴までの小液滴を連続的に吐出して、飛翔中あるいは記録媒体上で合体させ、8階調を形成する場合には、画像データに応じて0〜7回これを繰り返す。また、各インクチャネルも同様に駆動パルスの印加によって上記と同様に動作する。
【0051】
前記のようにインクチャネルA1の隔壁S1及びS2が変形の動作をすると、隣のインクチャネルA2が影響を受けるため、通常、インクチャネルを3チャネル毎に3群に分けて吐出するいわゆる3サイクル吐出が行われる。例えば、A1、A4、A7…を同一周期のパルスで駆動し、次の周期でA2、A5、A8…を駆動する方法が行われる。
【0052】
かかる記録ヘッドHにおいて、本発明では、インク滴の吐出に先立って前記ノズル3内のインクメニスカスをノズル3先端からの最大押し出し量がノズル半径以上となるように押し出す動作と、静止位置よりもインクチャンネル側に引き込ませる動作を複数回繰り返すことにより、ノズル3からインク滴を吐出させずにインクメニスカスを微振動させることを特徴とする。
【0053】
ここでインク滴の吐出に先立ってとは、微振動させた後のインク滴の吐出において、デキャップ特性の改善に効果がみられる範囲の時間を指す。
【0054】
また、インク滴の吐出とは、画像記録のための吐出やインクリフレッシュのための画像記録領域外での吐き捨て等が挙げられる。
【0055】
最大押し出し量とは、1回のメニスカス押し出し動作におけるノズル先端からのインクメニスカスの押し出し量の最大値である。
【0056】
インクメニスカスをノズル3の半径以上に押し出すと、ラプラースの法則から明らかなように、圧力を取り去っても、インクはノズル3内に吸い込まれないので、負圧を掛けて引き込む必要がある。従って、吐出中にノズル半径以上押し出すと、インクメニスカスを静止位置に戻すのに時間が掛かるので、普通、ノズル半径以上には押し出さない。本発明では、インクメニスカスをノズル半径以上押し出し、次にインクメニスカスを静止位置より引き込むので、確実にノズル3内のインクを攪拌することができる。
【0057】
なお、単にデキャップ特性を改善するだけであれば、増粘したインクを吐き捨てするだけでも効果はあるが、増粘したインクは吐き捨て時の飛翔速度が小さいため、インクの一部がノズル3の表面側に残り、ノズル形成部材2を汚してしまう恐れがある。これを防ぐために、上記のように微振動を掛けて粘度を低下させてから吐き捨てすると、飛翔速度が大きくなり、ノズル形成部材2にインクが残るような問題はない。
【0058】
図3(a)〜(d)にそのときのインクメニスカスMの動きを示す。図3(a)は記録ヘッドに駆動パルスが印加されていない静止位置にある状態を示しており、この状態から隔壁に駆動パルスを印加することで、図2(b)のように隔壁を外側へ向けて変形させ、その間のインクチャネルの容積を拡大すると、該インクチャネル内に発生した負の圧力により、図3(b)に示すようにインクがインクチャネル内に引き戻され、インクメニスカスMがノズル3の静止位置から後退する。なお、ここで静止位置とは、駆動パルスが印加されていない状態でのメニスカス形成位置のことであり、通常はインクチャネル内が定常的に負の圧力に設定されているため、ノズル内にやや引き込まれた位置となる。
【0059】
更に、図2(c)に示すように、隔壁を上記とは逆方向に変形するように駆動パルスを印加することでインクチャネルの容積を縮小させると、インクチャネル内に発生した正の圧力により、図3(c)に示すように、インクはノズル3から外部に押し出される。このとき本発明では、ノズル3からインク滴を吐出させない程度にインクメニスカスMを、該インクメニスカスMのノズル3先端からの最大押し出し量dがノズル3の半径以上となるように前進させる。この際、インクメニスカスが実質的にノズル形成部材2のインク吐出側表面に濡れ広がることはない。
【0060】
なお、ノズルの開口形状は真円に限らず楕円形等様々であるが、本発明においてノズルの半径とは、ノズル3の先端(ノズル形成部材2の表面)側の最長径の1/2のことである。
【0061】
その後、駆動パルスの印加を停止すると、隔壁は図2(a)の状態に戻る。このとき、インクメニスカスMは、再びインクチャネル内に引き戻され、図3(d)に示すように静止位置に復帰する。
【0062】
以上のように、インク滴の吐出に先立って、ノズル3内のインクメニスカスMをノズル3先端からの最大押し出し量がノズル半径以上となるように押し出す動作と、静止位置よりも更にインクチャンネル側に引き込ませる動作を複数回繰り返すことによりノズル3付近とインクチャネル内とのインクの交流が促進されてインクを確実に攪拌することができ、両者のインクの粘度の差が抑制され、デキャップ特性の改善が図られる。複数回繰り返す回数は、10回以上が好ましい。少なすぎるとデキャップ特性の改善に対する効果が小さくなる。
【0063】
なお、ノズル3先端から押し出されるインクメニスカスMの最大押し出し量dは、ノズル半径の3倍以下とする。インクメニスカスMの最大押し出し量dがノズル半径の3倍を越えるようになると、インク滴がノズル3から吐出してしまい、誤吐出発生の原因となる。
【0064】
また、記録ヘッドHが画像記録領域外に存在する時のインクメニスカスMの微振動の最大押し出し量は、画像記録領域内の非記録画素に存在する時のインクメニスカスMの微振動の最大押し出し量よりも大きいことが好ましい。これは、画像記録領域内ではインクメニスカスMの微振動の最大押し出し量を大きくさせると、画像記録のためのインク滴の吐出に影響するため、インクメニスカスMの微振動の最大押し出し量を抑えなければならないが、画像記録領域外では、前記インク滴の吐出への影響は関係がないので、インクメニスカスMの微振動の最大押し出し量をより大きくさせることにより、ノズル3内のインクを効率良く攪拌し、より高いデキャップ特性の改善効果を得ることができるようになる。
【0065】
ここで画像記録領域内とは、画像データが記録ヘッドに供給され、画像データに基づいて記録ヘッドのノズルからインク滴を吐出して記録が行われる領域であり、例えば記録媒体としてA4の大きさの紙の全面に記録する場合等は、A4の大きさの紙全面が画像記録領域となる。
【0066】
また、画像記録領域外とは、画像記録領域以外の領域であり、基本的には画像データが記録ヘッドには供給されず、すべてのノズルからの画像データに基づいてのインク滴の吐出は行わない。また、非記録画素とは画像記録領域内において、インク滴の吐出を行わない画素を指す。
【0067】
ノズル3先端から押し出されるインクメニスカスMの最大押し出し量は、隔壁Sに印加される駆動信号の電圧の大きさ、休止期間の長さやパルス幅を変えることによって調整されるが、ここで、かかるインクメニスカスMを微振動させるために記録ヘッドHに印加する駆動信号の好ましい一例を図4に示す。同図に示すように、駆動信号は、インクチャネルの音響的共振周期の1/2をAL(単位:μs)とした時、電気・機械変換手段である隔壁に対して、インクチャネルの容積を拡大させるため(N1)ALのパルス幅である矩形波の電圧パルスと、(N2)ALの幅の第1の休止期間と、インクチャネルの容積を縮小させるための(N3)ALのパルス幅である矩形波の電圧パルスと、(N4)ALの幅の第2の休止期間を有する。
【0068】
なお、N1、N3は2以上の整数、N2、N4は1以上の実数である。N1、N2、N3、N4は、20以下が好ましく、6以下がさらに好ましい。あまり長すぎると駆動周期が長くなってしまうため好ましくない。また、N2、N4は1以上の整数であることが好ましい。
【0069】
まず、図2(a)に示す状態から図2(b)に示すようにインクチャネルAの容積を拡大し、該インクチャネルA内に負の圧力を発生させる正電圧+VD(以下、これをVonという場合がある)のパルスを電極Q2、Q3に印加する。ここでは正電圧+VDをN1=4として4ALのパルス幅で印加している。次いで、この4ALの後、上記電極Q2、Q3に印加するパルスを0Vとすることにより図2(a)の状態に戻し、第1の休止期間とする。ここではN2=4として4ALの幅の休止期間を設けている。更に、この第1の休止期間の後、上記電極Q2、Q3に、図2(c)に示すようにインクチャネルA内に正の圧力を発生させる負電圧のパルスを印加する。本実施形態において、図5に示す吐出駆動波形に対応して、この負電圧(以下、これをVoffという場合がある)は絶対値が上記正電圧+VDの1/2である−VD/2のパルスとしている。また、ここで、この負電圧−VD/2はN3=4として4ALのパルス幅で印加している。さらに図2(a)の状態に戻し、第2の休止期間とする。ここではN4=4として4AL幅の第2の休止期間を設けている。
【0070】
このように(N1)AL、(N2)AL、(N3)AL、(N4)ALからなる矩形波のパルスを駆動信号として、この駆動信号を複数回繰り返し印加することで、図3に示すようにインクメニスカスMを効率的に微振動させることができる。
【0071】
N1、N3は2以上の整数、N2、N4は1以上の実数であれば任意であり、また、N1、N2、N3、N4は全て同一である必要はなく、それぞれ異なる値としてもよいが、上記実施形態の様にN1=N2=N3=N4=4とするとデキャップ特性の改善効果が高く好ましい。
【0072】
本発明においては、微振動の駆動波形として、このような矩形波以外の波形を使用することもできるが、このように微振動の駆動波形に矩形波を使用すると、台形波をはじめとする傾斜波を使用する方法に比べてインクメニスカスMを微振動させる効率が良く、より短周期で大きくインクメニスカスを微振動させることができるので好ましい。更に、パルス幅であるN1、N3を2AL以上の長さに、第1の休止期間N2、第2の休止期間N4を1AL以上の長さにとるので、各パルスエッジで発生する圧力波同士の重畳が抑えられ、この微振動によりノズル3からインク滴が吐出されることがない。
【0073】
なお、正負の2電源を使用するのは、駆動回路コストを上げるので、正電源だけ使用し、負電圧が必要な時は、吐出するインクチャネルの隣のインクチャネルに正電圧を掛けても、同じ効果を得ることができる。吐出する時、図2に示すように、吐出チャネルの両隣チャネルはゼロ電位として、吐出チャネルの両側壁に1AL幅の正電圧パルスとそれに続く2AL幅の負電圧パルスを掛けるが、この2AL幅の負電圧パルスを掛ける代わりに、両隣のチャネルに2AL幅の正電圧パルスを掛ければよい。即ち、吐出するチャネルに1AL幅の正電圧パルスを掛け、吐出しないチャネルに1ALだけ遅れた2AL幅の正電圧パルスを掛けることになる。
【0074】
シェアモードヘッドは、インクチャネルの両側壁を膨張/収縮してインクを吐出するので、一つのインクチャネルから吐出するとその両側のインクチャネルからは同時に吐出できない。このため、インクチャネルを3チャネル毎に3群に分けて吐出するいわゆる3サイクル吐出が行われる。例えば、A、B、Cの3チャネルに分けて吐出する時、Bチャネルから吐出する時は、A、Cチャネルは吐出しないので、Bチャネルに2ALの負電圧パルスを印加する代わりに、非吐出のA、Cチャネルに2AL幅の正電圧パルスを印加する。
【0075】
正電圧(Von)と負電圧(Voff)との比は、2:1に限らず1:1でもよい。前者の場合は、インク吐出時の小液滴化及び吐出安定化の効果があり、吐出最適電圧に設定した場合、後者の方が微振動させたときのインクメニスカス押し出し量が大きくなる効果がある。
【0076】
本実施形態において、記録ヘッドHに印加される駆動信号には、ノズル3からインク滴を吐出させるための吐出駆動信号と、上記のようにノズル3からインク滴を吐出させずにインクメニスカスを微振動させる微振動駆動信号の他に、インクリフレッシュ駆動信号がある。このインクリフレッシュ駆動信号は、上記の通りインクメニスカスを微振動させることにより、ノズル3付近とインクチャネル内とのインクの交流を促進しても、継続してインク吐出が行われないことによりノズル3付近及びインクチャネルA内のインクの粘度が吐出不良を起こすまでに上昇する前に、ノズル3付近のインクを強制的に吐き捨てさせるリフレッシュ動作を行うための信号である。このリフレッシュ動作は、画像記録領域外において行われる。
【0077】
図5に、インクメニスカスを微振動させる微振動駆動信号と、ノズル3からインク滴を吐出させるための吐出駆動信号及びインクリフレッシュ駆動信号とを併記して示す。ここで、上記微振動駆動信号は図4に示す駆動信号と同一の信号を例示しており、また、吐出駆動信号とインクリフレッシュ駆動信号とは同一の駆動信号としている。通常、インクリフレッシュ駆動信号は、インクが増粘しているため、吐出駆動信号より高い電圧を用いるが、インクリフレッシュの直前に微振動信号を印加することにより、インクリフレッシュ駆動信号を吐出信号と同電圧に設定することができる。微振動駆動信号に上記信号を用いることにより、吐出駆動信号と同電位で、誤吐出を起こさせることもなく、効果的にインクメニスカスを微振動させることができる。
【0078】
ここでは、吐出駆動信号及びインクリフレッシュ駆動信号を、正電圧(Von)を1ALのパルス幅で印加した後、続いて2ALのパルス幅の負電圧(Voff)を印加し、続いて4ALの幅の0Vの休止期間を設けることにより、7AL周期の駆動信号としているが、同図に示すように、微振動駆動電圧、吐出駆動電圧及びインクリフレッシュ駆動電圧はいずれも同電圧としている。これにより、駆動用の電源電圧数が少なく回路コストを下げることができ、また、矩形パルスのみで全駆動波形が構成されるため、簡単なデジタル回路で駆動回路を設計できるようになる。
【0079】
以上のインクジェット記録装置は、記録ヘッドHのインクチャネルの容積を変化させる電気・機械変換手段を駆動することで、画像記録のためのインク滴の吐出、ノズル内のインクメニスカスの微振動及びインクリフレッシュ動作の各動作を行うことにより、同じ電気・機械変換手段で上記の全ての動作を行う機能を有する本発明における好適例を用いて説明した。この態様では、この電気・機械変換手段とこれに印加する駆動パルスを生成する駆動パルス発生回路、及び生成した駆動パルスを選択的に電気・機械変換手段に印加する回路によって、ノズルからインク滴を吐出させずにインクメニスカスを微振動させるための手段を構成する。
【0080】
特に、電気・機械変換手段が、インクチャネル同士の隔壁を形成し、かつせん断モードで変形する圧電材料である場合には、上記した矩形波の駆動波形をより効果的に利用することができ、駆動電圧が下げられ、より効率的な駆動が可能になるため、より好ましい態様である。
【0081】
但し、本発明は、インク滴の吐出に先立って、前記ノズル内のインクメニスカスをノズル先端からの最大押し出し量がノズル半径以上となるように押し出す動作と、静止位置よりもインクチャンネル側に引き込ませる動作を複数回繰り返すことにより、ノズルからインク滴を吐出させずにインクメニスカスを微振動させるように機能するものであればよく、必ずしも記録ヘッドのインクチャネルの容積を電気・機械変換手段からなる隔壁を駆動させることによってノズルよりインク滴を吐出させるものに限らない。例えば、インクチャネル内の容積をインクチャネルの外側に設けた圧電材料からなる電気・機械変換手段によって変化させることによってノズルよりインク滴を吐出させるタイプの記録ヘッドや、インクチャネル内にヒータを配置し、このヒータを熱源としてインクチャネル内のインクを加熱させ、加熱時に発生する気泡のエネルギーを利用してインク滴を吐出させるタイプの記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置であってもよい。前者の態様では、インクチャネルの外側に設けた圧電材料からなる電気・機械変換手段とこれに印加する駆動パルスを生成する駆動パルス発生回路によって、また、後者の態様では、インクチャネル内に配置されたヒータとこれに印加する駆動パルスを生成する駆動パルス発生回路によって、それぞれノズルからインク滴を吐出させずにインクメニスカスを微振動させるための手段を構成する。
【0082】
また、以上の各態様は、ノズルからインク滴を吐出させるための手段とノズルからインク滴を吐出させずにインクメニスカスを微振動させるための手段とが共通する場合であるが、これに限らず、ノズルからインク滴を吐出させずにインクメニスカスを微振動させるための構成を、ノズルからインク滴を吐出させるための構成とは別の構成として付加的に設けるようにしてもよい。例えば上記のように、インク滴の吐出を、インクの加熱時に発生する気泡のエネルギーを利用して行うインクジェット記録装置の記録ヘッドにおいて、ノズルからインク滴を吐出させずにインクメニスカスを微振動させるために、記録ヘッドのインクチャネルの容積を変化させるように例えばインクチャネルの外側に設けられる電気・機械変換手段と、この電気・機械変換手段に駆動パルスを印加する駆動パルス発生回路とを、インク滴の吐出とは別に付加的に設けるようにしてもよい。このような電気・機械変換手段としては圧電材料が挙げられる。
【0083】
【実施例】
以下、本発明の効果を実施例に基づいて例証する。
【0084】
(最大押し出し量の評価)
図1に示すシェアモードタイプの記録ヘッド(ノズル数:256、ノズル径23μm)の各インクチャネルを3群に分け、図4に示す駆動信号を用いて、以下の条件で3サイクル駆動を行った。ノズルからのインクメニスカスの押し出し量を、KEYENCE社製デジタルマイクロスコープ「VH−6300」を用いてストロボ同期により測定し、その結果を図6に示す。押し出し量は、インクメニスカスの略ノズル中央部におけるノズル先端からの突出量を、ノズル形成部材と略垂直方向に測定した(図3(c)のd)。
【0085】
なお、図中下段のグラフは、上段に記載の駆動信号印加時に対応する自チャネルのインクメニスカス押し出し量を表している。
【0086】
条件
インク:水性インク(粘度4.1mPa・s 表面張力35mN/m at25℃)
印加電圧:Von=14.5V(Von/Voff=2/1)
環境:温度25℃ 湿度50%RH
駆動パルス幅:N1=N3=4
休止期間:N2=N4=4
【0087】
同図に示すように、図4に示すインクメニスカス微振動波形の印加により、インクメニスカスはノズル先端からの最大押し出し量がノズル半径以上となるように押し出されていることがわかる。また、図には示していないが、自チャンネルにインクチャンネルの容積を拡大する(N1)ALのパルス幅の電圧パルスを印加した時は、インクメニスカスが静止位置より引き込まれていた。微振動波形を3サイクル駆動で繰り返し印加すると、図6に示すようにメニスカスの微振動を48AL周期で繰り返す。
【0088】
また、駆動パルス幅:N1=N3=2、休止期間N2=N4=2とした場合も、図7に示すように、インクメニスカスはノズル先端からの最大押し出し量がノズル半径以上となるように押し出されていることがわかる。また、図には示していないが、自チャンネルにインクチャンネルの容積を拡大する(N1)ALのパルス幅の電圧パルスを印加した時は、インクメニスカスが静止位置より引き込まれていた。
【0089】
(デキャップ特性の評価1)
最大押し出し量の評価と同様のシェアモードタイプの記録ヘッドの各インクチャネルを3群に分け、図5に示す駆動信号を用いて、以下の条件で3サイクル駆動を行った。メニスカス微振動波形の印加電圧を表1に示す通りに変化させ、そのときのノズルからのインクメニスカスの押し出し量を、KEYENCE社製デジタルマイクロスコープ「VH−6300」を用いてストロボ同期により測定し、デキャップ特性改善効果を評価した。
【0090】
デキャップ特性改善効果の評価は、任意の1ノズルについて、吐出間隔を広げながらインクを吐出した時の初発速度の低下率を以下の方法により測定し、それを以下の基準により評価した。その結果を表1に示す。
【0091】
条件
メニスカス微振動波形の駆動パルス幅:N1=N3=4
メニスカス微振動波形の休止期間:N2=N4=4
なお、表1の比較例1については、メニスカス微振動波形としてVonのみを印加した。
メニスカス微振動波形電圧:Von/Voff=1/1、
吐出電圧:12V(Von/Voff=1/1)
メニスカス微振動波形周期:16AL(76.8μs)/cycle
インク:水性インク(粘度4.1mPa・s 表面張力35mN/m at25℃)
【0092】
測定方法
インク吐出開始前220msから50ms間、表1中の電圧値に対応するメニスカス微振動波形を217回繰り返し印加し、初発の吐出速度(初発速度)を測定した。吐出間隔を2sとしたときの吐出速度が、吐出間隔16.7msでの条件の状態での速度に比べて低下した率を求めた。なお、吐出電圧は12Vに固定した。
【0093】
評価基準
◎:低下率10%未満
○:低下率10%以上30%未満
△:低下率30%以上50%未満
×:低下率50%以上
−:誤吐出により未評価
【0094】
表1に示す実施例1〜実施例5の結果から、インクメニスカスをノズル先端からの最大押し出し量がノズル半径(11.5μm)以上となるように押し出すと、デキャップ特性の改善に効果的であることがわかる。また、比較例1では、最大押し出し量がノズル半径未満であるのでデキャップ特性が悪く、比較例2は、最大押し出し量がノズル半径の3倍を超えているので、インク滴の誤吐出が発生した。なお、ここでの最適なメニスカス微振動波形電圧は12Vであった。
【0095】
【表1】
Figure 0004379026
【0096】
(デキャップ特性の評価2)
最大押し出し量の評価と同様の記録ヘッドを用いて、図5に示す矩形波の駆動信号を用いて、以下の条件で3サイクル駆動を行った。N1=N2=N3=N4を表2に示す通りに変化させ、そのときのノズルからのインクメニスカスの最大押し出し量を、デキャップ特性の評価1と同様に測定し、デキャップ特性の評価1と同様の基準によりデキャップ特性の改善効果を評価した。評価結果を表2に示す。
【0097】
条件
駆動パルス幅、休止期間:N1=N2=N3=N4
印加電圧:12V(Von/Voff=1/1)
印加周期:(微振動パルス幅×4)/cycle
インク:水性インク(粘度4.1mPa・s 表面張力35mN/m at25℃)
【0098】
【表2】
Figure 0004379026
【0099】
表2から、微振動波形のパルス幅N1、N3を2AL以上にすることで、適切なインクメニスカス振動の最大押し出し量が得られ、デキャップ特性の改善に効果的であることがわかる。
【0100】
(デキャップ特性の評価3)
最大押し出し量の評価と同様のシェアモードタイプの記録ヘッドの各インクチャネルを3群に分け、インクメニスカス微振動波形を印加した場合としない場合とで、以下の条件で3サイクル駆動を行った。微振動波形はインク吐出開始前220msから50ms間、217回繰り返し印加した。
【0101】
条件
吐出駆動信号:DRR波形(Von/Voff=2/1)、Von=17.8V、Voff=8.9V
インク:水性顔料インク(粘度7.2mPa・s 表面張力34mN/m at25℃)
吐出駆動:4.8μsパルス幅×7AL周期 3cycle駆動
環境:温度12℃ 湿度32%RH
【0102】
なお、メニスカス微振動波形パルスは、図4に示す駆動信号を用い、パルス幅をN1=N3=4、休止期間N2=N4=4、印加電圧を上記吐出駆動信号と同電圧とした。その結果を図8に示す。
【0103】
図から明らかなように、インクメニスカス微振動波形を印加しない場合には、初発速度(6m/s)が2s経過後には2m/sまで大きく落ち込んでしまうのに対し、インクメニスカス微振動波形を印加した場合には、2s経過後でも4.5m/sを維持しており、低湿環境下でもデキャップ特性の改善に大きな効果がみられ、初発のインク滴が安定吐出することが確認された。
【0104】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、インク滴の吐出に先立って、ノズル内のインクを効率良く攪拌することにより、デキャップ特性の改善効果が高く、インク滴を安定に吐出させることのできるインクジェット記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はインクジェット記録装置におけるせん断モード(シェアモード)タイプの記録ヘッドの概略構成を示す外観斜視図、(b)はその断面図
【図2】記録ヘッドの作動を示す図
【図3】(a)〜(d)はインクメニスカスの動きを示す説明図
【図4】記録ヘッドに印加するインクメニスカス微振動の駆動信号の好ましい一例を示す図
【図5】メニスカス微振動波形と吐出駆動波形及びインクリフレッシュ駆動波形との一例を示す図
【図6】メニスカス微振動波形による押し出し量を示すグラフ
【図7】メニスカス微振動波形による押し出し量を示すグラフ
【図8】デキャップ特性の測定を示すグラフ
【符号の説明】
1:インクチューブ
2:ノズル形成部材
3:ノズル
6:カバープレート
7:インク供給口
8:基板
H:記録ヘッド
A1、…:インクチャネル
S1、…:隔壁(電気・機械変換手段)
Q1、…:電極
M:インクメニスカス

Claims (22)

  1. 記録ヘッドのノズルよりインク滴を吐出させて画像記録を行うインクジェット記録装置であって、前記記録ヘッドのインクチャネルの容積を変化させる電気・機械変換手段を有し、前記電気・機械変換手段を駆動することにより、インク滴の吐出に先立って、前記ノズル内のインクメニスカスをノズル先端からの最大押し出し量がノズル半径以上となるように押し出す動作と、静止位置よりもインクチャンネル側に引き込ませる動作を複数回繰り返すことにより、ノズルからインク滴を吐出させずにインクメニスカスを微振動させるものであり、且つ、前記インクチャネルの音響的共振周期の1/2をALとした時、前記電気・機械変換手段に対して、インクチャネルの容積を拡大させるための(N1)ALのパルス幅である電圧パルスと、(N2)ALの幅の第1の休止期間と、容積を縮小させるための(N3)ALのパルス幅である電圧パルスと、(N4)ALの幅の第2の休止期間(N1、N3は2以上の整数、N2、N4は1以上の実数)とを有する駆動信号を複数回繰り返し印加することにより微振動させることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 記録ヘッドのノズルよりインク滴を吐出させて画像記録を行うインクジェット記録装置であって、前記記録ヘッドのインクチャネルの容積を変化させる電気・機械変換手段を有し、前記電気・機械変換手段を駆動することにより、インク滴の吐出に先立って、前記ノズル内のインクメニスカスをノズル先端からの最大押し出し量がノズル半径以上となるように押し出す動作と、静止位置よりもインクチャンネル側に引き込ませる動作を複数回繰り返すことにより、ノズルからインク滴を吐出させずにインクメニスカスを微振動させるものであり、且つ、前記インクチャネルの音響的共振周期の1/2をALとした時、前記電気・機械変換手段に対して、インクチャネルの容積を拡大させるための(N1)ALのパルス幅である矩形波の電圧パルスと、(N2)ALの幅の第1の休止期間と、容積を縮小させるための(N3)ALのパルス幅である矩形波の電圧パルスと、(N4)ALの幅の第2の休止期間(N1、N3は2以上の整数、N2、N4は1以上の実数)とを有する駆動信号を複数回繰り返し印加することにより微振動させることを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. N2、N4は1以上の整数であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
  4. N1、N2、N3、N4がいずれも4であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記記録ヘッドが画像記録領域外に存在する時のインクメニスカスの微振動の最大押し出し量が画像記録領域内の非記録画素に存在する時のインクメニスカスの微振動の最大押し出し量より大きいことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  6. 記録ヘッドのノズルよりインク滴を吐出させて画像記録を行うインクジェット記録装置であって、インク滴の吐出に先立って、前記ノズル内のインクメニスカスをノズル先端からの最大押し出し量がノズル半径以上となるように押し出す動作と、静止位置よりもインクチャンネル側に引き込ませる動作を複数回繰り返すことにより、ノズルからインク滴を吐出させずにインクメニスカスを微振動させるものであり、且つ、前記記録ヘッドが画像記録領域外に存在する時のインクメニスカスの微振動の最大押し出し量が画像記録領域内の非記録画素に存在する時のインクメニスカスの微振動の最大押し出し量より大きいことを特徴とするインクジェット記録装置。
  7. 前記記録ヘッドのインクチャネルの容積を変化させる電気・機械変換手段を有し、前記電気・機械変換手段を駆動することにより、前記押し出す動作と前記引き込ませる動作とを行うことを特徴とする請求項に記載のインクジェット記録装置。
  8. 記録ヘッドのインクチャネルの容積を変化させる電気・機械変換手段を駆動し、ノズルよりインク滴を吐出させて画像記録を行うインクジェット記録装置であって、インク滴の吐出に先立って、前記ノズル内のインクメニスカスをノズル先端からの最大押し出し量がノズル半径以上となるように押し出す動作と、静止位置よりもインクチャンネル側に引き込ませる動作を複数回繰り返すことにより、ノズルからインク滴を吐出させずにインクメニスカスを微振動させるものであり、且つ、前記記録ヘッドにおいて、ノズルからインク滴を吐出させ、画像記録を行う時の吐出駆動電圧とノズルからインク滴を吐出させずにインクメニスカスを微振動させる微振動駆動電圧とが同電圧であることを特徴とするインクジェット記録装置。
  9. 記録ヘッドのインクチャネルの容積を変化させる電気・機械変換手段を駆動し、ノズルよりインク滴を吐出させて画像記録を行うインクジェット記録装置であって、インク滴の吐出に先立って、前記ノズル内のインクメニスカスをノズル先端からの最大押し出し量がノズル半径以上となるように押し出す動作と、静止位置よりもインクチャンネル側に引き込ませる動作を複数回繰り返すことにより、ノズルからインク滴を吐出させずにインクメニスカスを微振動させるものであり、且つ、前記記録ヘッドが画像記録領域外に存在する時に、前記電気・機械変換手段を駆動することにより、インク吐き捨てをさせるインクリフレッシュ駆動を行い、前記画像記録を行う時の吐出駆動電圧と前記インクメニスカスを微振動させる微振動駆動電圧と前記インクリフレッシュ駆動電圧とがいずれも同電圧であることを特徴とするインクジェット記録装置。
  10. 記録ヘッドのインクチャネルの容積を変化させる電気・機械変換手段を駆動し、ノズルよりインク滴を吐出させて画像記録を行うインクジェット記録装置であって、インク滴の吐出に先立って、前記ノズル内のインクメニスカスをノズル先端からの最大押し出し量がノズル半径以上となるように押し出す動作と、静止位置よりもインクチャンネル側に引き込ませる動作を複数回繰り返すことにより、ノズルからインク滴を吐出させずにインクメニスカスを微振動させるものであり、且つ、前記記録ヘッドが画像記録領域外に存在する時のインクメニスカスの微振動の最大押し出し量が画像記録領域内の非記録画素に存在する時のインクメニスカスの微振動の最大押し出し量より大きいことを特徴とするインクジェット記録装置。
  11. 記録ヘッドのインクチャネルの容積を変化させる電気・機械変換手段を駆動し、ノズルよりインク滴を吐出させて画像記録を行うインクジェット記録装置であって、インク滴の吐出に先立って、前記ノズル内のインクメニスカスをノズル先端からの最大押し出し量がノズル半径以上となるように押し出す動作と、静止位置よりもインクチャンネル側に引き込ませる動作を複数回繰り返すことにより、ノズルからインク滴を吐出させずにインクメニスカスを微振動させるものであり、且つ、インクチャネルの音響的共振周期の1/2をALとした時、前記電気・機械変換手段に対して、インクチャネルの容積を拡大させるための(N1)ALのパルス幅である電圧パルスと、(N2)ALの幅の第1の休止期間と、容積を縮小させるための(N3)ALのパルス幅である電圧パルスと、(N4)ALの幅の第2の休止期間(N1、N3は2以上の整数、N2、N4は1以上の実数)とを有する駆動信号を複数回繰り返し印加することにより、ノズルからインク滴を吐出させずにノズル内のインクメニスカスを微振動させることを特徴とするインクジェット記録装置。
  12. 記録ヘッドのインクチャネルの容積を変化させる電気・機械変換手段を駆動し、ノズルよりインク滴を吐出させて画像記録を行うインクジェット記録装置であって、インク滴の吐出に先立って、前記ノズル内のインクメニスカスをノズル先端からの最大押し出し量がノズル半径以上となるように押し出す動作と、静止位置よりもインクチャンネル側に引き込ませる動作を複数回繰り返すことにより、ノズルからインク滴を吐出させずにインクメニスカスを微振動させるものであり、且つ、インクチャネルの音響的共振周期の1/2をALとした時、前記電気・機械変換手段に対して、インクチャネルの容積を拡大させるための(N1)ALのパルス幅である矩形波の電圧パルスと、(N2)ALの幅の第1の休止期間と、容積を縮小させるための(N3)ALのパルス幅である矩形波の電圧パルスと、(N4)ALの幅の第2の休止期間(N1、N3は2以上の整数、N2、N4は1以上の実数)とを有する駆動信号を複数回繰り返し印加することにより、ノズルからインク滴を吐出させずにノズル内のインクメニスカスを微振動させることを特徴とするインクジェット記録装置。
  13. N2、N4は1以上の整数であることを特徴とする請求項11又は12に記載のインクジェット記録装置。
  14. N1、N2、N3、N4がいずれも4であることを特徴とする請求項11又は12に記載のインクジェット記録装置。
  15. 前記記録ヘッドにおいて、ノズルからインク滴を吐出させ、画像記録を行う時の吐出駆動電圧とノズルからインク滴を吐出させずにインクメニスカスを微振動させる微振動駆動電圧とが同電圧であることを特徴とする請求項10〜14のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  16. 前記記録ヘッドが画像記録領域外に存在する時に、電気機械変換手段を駆動することによりインク吐き捨てをさせるインクリフレッシュ駆動を行い、前記画像記録を行う時の吐出駆動電圧と前記インクメニスカスを微振動させる微振動駆動電圧と前記インクリフレッシュ駆動電圧とがいずれも同電圧であることを特徴とする請求項10〜14のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  17. 前記電気・機械変換手段が前記インクチャンネル同士の隔壁を形成し、且つせん断モードで変形する圧電材料であることを特徴とする請求項8〜16のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  18. 記録ヘッドのインクチャネルの容積を変化させる電気・機械変換手段を駆動し、ノズルよりインク滴を吐出させて画像記録を行うインクジェット記録装置であって、インク滴の吐出に先立って、前記ノズル内のインクメニスカスをノズル先端からノズル半径以上押し出させることにより、ノズルからインク滴を吐出させずにインクメニスカスを微振動させるものであり、且つ、前記インクチャネルの音響的共振周期の1/2をALとした時、前記電気・機械変換手段に対して、インクチャネルの容積を拡大させるための(N1)ALのパルス幅である矩形波の電圧パルスと、(N2)ALの幅の休止期間と、容積を縮小させるための(N3)ALのパルス幅である矩形波の電圧パルス(N1、N2、N3は2以上の整数)とを有する駆動信号を印加することを特徴とするインクジェット記録装置。
  19. 記録ヘッドのインクチャネルの容積を変化させる電気・機械変換手段を駆動し、ノズルよりインク滴を吐出させて画像記録を行うインクジェット記録装置であって、インク滴の吐出に先立って、前記ノズル内のインクメニスカスをノズル先端からノズル半径以上押し出させることにより、ノズルからインク滴を吐出させずにインクメニスカスを微振動させるものであり、且つ、前記記録ヘッドにおいて、ノズルからインク滴を吐出させる吐出駆動電圧とノズルからインク滴を吐出させずにインクメニスカスを微振動させる微振動駆動電圧と画像記録領域外でインク吐き捨てをさせるインクリフレッシュ駆動電圧とが同電圧であることを特徴とするインクジェット記録装置。
  20. 記録ヘッドのインクチャネルの容積を変化させる電気・機械変換手段を駆動し、ノズルよりインク滴を吐出させて画像記録を行うインクジェット記録装置であって、インク滴の吐出に先立って、前記ノズル内のインクメニスカスをノズル先端からノズル半径以上押し出させることにより、ノズルからインク滴を吐出させずにインクメニスカスを微振動させるものであり、且つ、前記記録ヘッドが画像記録領域外に存在する時のインクメニスカスの微振動の最大押し出し量が画像記録領域内の非記録画素に存在する時のインクメニスカスの微振動の最大押し出し量より大きいことを特徴とするインクジェット記録装置。
  21. 前記ノズル先端から押し出させるインクメニスカスの最大押し出し量がノズル半径の3倍以下であることを特徴とする請求項18、19又は20に記載のインクジェット記録装置。
  22. 前記電気・機械変換手段が前記インクチャンネル同士の隔壁を形成し、且つせん断モードで変形する圧電材料であることを特徴とする請求項18〜21のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
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