JP4630320B2 - 液体種菌接種機 - Google Patents
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Description
また、栽培容器内の培地に接種する種菌としては、種菌容器内のコーンコブやおがくず等の培地に繁殖させた種菌(以下、種菌培地という)が用いられることが一般的である。栽培容器内の培地に種菌培地を接種する場合には、種菌容器内の種菌培地を掻き出し、掻き出した種菌培地を栽培容器内の培地に落下させることにより接種作業を行っている。
そこで、種菌培地を種菌容器から掻き出して栽培容器内の培地に接種するのではなく、液体状の種菌を栽培容器内の培地に接種する液体種菌接種機が提案されている(例えば、特許文献1)。
すなわち、きのこ栽培用の培地が充てんされ、キャップが装着されている栽培容器が複数本、縦横に整列して収納されたトレイの全ての栽培容器内に液体種菌を同時に接種する液体種菌接種機であって、前記栽培容器が収納されたトレイを搬送する搬送機構と、該搬送機構の上方に配設され、搬送機構上の所定位置で停止された前記トレイに接離動して前記栽培容器の口部から前記キャップを脱着するキャップ脱着機構と、前記搬送機構上の前記所定位置に前記トレイを停止させるストッパと、前記栽培容器の口部から取り外された前記キャップが、前記栽培容器の口部上方の位置と口部上方位置から外れた位置との間にわたって移動するように、取り外した前記キャップを保持したまま前記キャップ脱着機構を、前記トレイの搬送方向に対して斜め方向に往復動させるスライド機構と、前記キャップ脱着機構の上方に位置して上下動し、前記栽培容器内に液体種菌を同時に接種する複数本のノズルを有するノズル機構と、該ノズル機構を上下動させる上下動機構と、前記ノズルに液体種菌を供給する送液機構と、前記スライド機構により前記キャップが前記栽培容器の口部上方位置から外れた位置に移動した際に、前記上下動機構により前記ノズル機構を下降させ、前記栽培容器内の培地に前記液体種菌を接種するように、少なくとも前記上下動機構、前記ノズル機構をそれぞれ制御する制御部とを具備することを特徴とする液体種菌接種機である。
また、前記スライド機構は、前記キャップ脱着機構を、前記トレイの搬送方向に対して水平面内に45度斜め方向に移動させることを特徴とする。
これらの構成を採用することにより、キャップ脱着機構の移動量を栽培容器への液体種菌の接種効率をさらに向上させることが可能である。
図1は種菌接種機10の側面図、図2は正面図(搬出路の出口側から臨んだ図)である。
種菌接種機10は、培地が充填され、キャップ11が装着された栽培容器12が複数本(図では16本)縦横(縦4列、横4列)に整列された状態で収容されたトレイ14を、搬送機構16で搬送し、搬送経路上の所定位置でキャップ脱着機構18によってキャップ11を外し、キャップ11が外された16本の栽培容器12内に、ノズル機構20により、液体種菌を一斉に接種できるように構成されている。
搬送機構16は4連のチェーンコンベアよりなる。すなわち、基台22に設けられたスプロケット23,23にチェーン24が掛け渡され、モータ25によって駆動される。
図1、図2において、符号26はストッパであり、常時はチェーンコンベア上から突出していて、チェーンコンベア上を搬送されてくるトレイ14を所定位置(キャップ脱着機構18の直下位置)で停止させる。後記するように、栽培容器12内の培地への一連の液体種菌の接種が終了し、キャップ11が再度栽培容器12の口部に装着されると、電磁ソレノイド27が駆動されてストッパ26がチェーンコンベアの下方に突入するので、トレイ14は出口方向に搬送される。
トレイ14が搬出されるとストッパ26が再度チェーンコンベア上に突出される。
図3は栽培容器12の肩部押さえ機構30を示す概略図である。
符号31は支持バーであり、トレイ14の搬送方向と直角となるように両端側で基台22に固定されている。この支持バー31は、ストッパ26によって停止しているトレイ14の前方および後方に各1本ずつ配置されている。すなわち、トレイ14上からは外れた位置に配置されている。
ストッパ26によってトレイ14が停止した際、各固定押え板32は、各列4本の栽培容器12の右肩部に対応位置している。
キャップ11が脱着される際は、可動ロッド35が電磁ソレノイド40によってスプリング39の付勢力に抗して引かれる。これにより可動押え板34が図3中において右方に移動し、固定押え板32との間で栽培容器12の肩部を押さえ込むことが理解される。
図4において、符号45は枠状をなす(ハッチング部)可動台であり、ストッパ26によって停止しているトレイ14の上方の水平面内で、トレイ14の搬送方向に対して45度の斜め方向に往復移動可能となっている。符号47はそのガイドポールである。ガイドポール47は、その軸線をトレイ14の搬送方向に対して水平面内で45度の角度をなすようにして基台22上に取り付けられている。可動台45は、その両側に位置する取り付けステー48の下面側に取付けられたガイドブッシュ49にガイドポール47が摺入することによって斜め方向に移動自在にガイドされる。
ガイドポール47、ガイドブッシュ49、レバー51、カム52、モータ54等によってスライド機構が構成される。
このカムシャフト55は、取り付けステー48上に配置されたモータ56によって回転駆動される。
また、可動台45の両端側には、図5、図6に示すように、ガイドブッシュ58が固定され、このガイドブッシュ58を挿通して上下動可能にロッド59が設けられている。
ロッド59は、可動台の各両端側に2本ずつ、計4本配設される。両端側の各2本のロッド59の上端部は連結板80によって連結されている。
各支持板64は、ガイドブッシュ66を介して、ロッド59により上下動自在にガイドされている。
キャップ押え板60は、各取付板61に4個ずつ設けられ、16本すべての栽培容器12のキャップ11に対応している。
また、支持板64の下端には、一端が可動台45に固定されたスプリング70(図6)の他端が取付けられ、このスプリング70に付勢されて、カムフォロワ67はカム68に圧接される。
キャップ11の非脱着時には、図5に示すように、キャップ押え板60はキャップ11の上方に位置している。
トレイ14に収容されてチェーンコンベア上を搬送されてくる栽培容器12は、そのキャップ11が、隣接する掛止板72の間を通過可能になっている。
また、ロッド59の上端側にはカムフォロワ75が設けられ、このカムフォロワ75の下面側に、カムシャフト55に設けられたカム76が下方から当接している。
符号77は液体種菌を供給するノズルであり、各栽培容器12の上方に位置するようにして、合計16本設けられている。
トレイ14が搬送機構により搬送されてストッパ26によって停止された際、制御部(図示せず)は、まず前記のように電磁ソレノイド40を作動させ、平行四辺形をなすリンク機構により固定押え板32と可動押え板34を作動させて栽培容器12の肩部を両側から押さえ込む。
このときカム76も同時に回転するが、キャップ押え板60がキャップ11を押さえ込むまでは、カム76はカムフォロワ75を上昇させるようには作用しない(この部分のカム76は円形に形成されている)。
次いで制御部によりモータ54が駆動され、カム52が回転してレバー51が揺動し、可動台45を、トレイ14の搬送方向に対して45度斜め方向に、トレイ14内における栽培容器12の配設ピッチの半ピッチ分スライド移動させる。この状態で制御部がモータ54を一時停止させる。
キャップ脱着機構は可動台45上に載っているので、キャップ11は、キャップ押え板60と掛止板74とで挟みこまれ、保持された状態で斜め方向にスライド移動する。
図8に示すように、キャップ11がトレイ14の上空を斜め方向にスライド移動した際、キャップ11は栽培容器12の口部からは外れた位置となる。またそのとき、ノズル進入用の孔82が栽培容器12の口部上方の位置となり、栽培容器12の口部が開放される。
次いで、後記するようにノズル77が栽培容器12の口部に向かって下降して栽培容器12内に所要量の液体種菌を接種するのである。
次いで、制御部によりモータ56が再駆動され、カムシャフト55が回転し、カム76、68がさらに半回転することにより、キャップ11が栽培容器12の口部に嵌着される。
すなわち、カム76が回転されることによって、キャップ押え板60と掛止板74とでキャップ11が保持されたままキャップ11が下降し、キャップ押え板60によってキャップ11が押圧され、掛止板74がキャップ11のフランジ部の下方に移動してキャップ11が栽培容器12の口部に嵌められる。さらにカム68が回転することにより、キャップ押え板60が待機位置まで上昇するのである。
ノズル機構20はキャップ脱着機構18の上方に位置して設けられ、前記のように、トレイ14に収容された栽培容器12内の培地に一斉に液体種菌を接種するように、本実施形態においては16本のノズル77を有している。
ノズル77は内周面の径寸法が上側から下側に徐々に拡径するラッパ型に形成されている(図示せず)。ノズル77の内周面には、内壁面に沿って螺旋状の溝(図示せず)が形成されている。後述するように、送液機構であるチューブポンプにより液体種菌のみをノズル77に送液する場合においても、ノズル77の内周面に設けた螺旋状の溝に沿って液体種菌がノズル77の内周面を円滑に流下するので、液体種菌を栽培容器11内の培地に適切に滴下することができるのである。
分配管93は図11に示すように2本設けられ、各分配管93から8本のチューブ94が分岐され、各チューブ94の各々がノズル77に接続されている。
チューブポンプは、液体種菌が充填されているチューブをローラによって順次押しつぶすことにより送液する公知の機構が採用され、液体種菌に非接触の状態で送液できるので、雑菌を嫌うきのこの種菌を供給するのに最適である。
液体種菌を定量供給するために、チューブ94の中途位置に電磁バルブやボールバルブ等の各種バルブを配設することももちろん可能ではあるが、本実施の形態では、液体種菌にできるだけ非接触とするために、図9に示すバルブ装置96を採用している。
このような形態を採用することにより、当板102の上下2箇所でシリコンチューブ94を挟持することができるため、ノズル77への余分な液体種菌の流入を好適に防止することができる。
種菌の接種動作は次のようになされる。
栽培容器12を収容したトレイ14が搬送機構16によって搬送される。トレイ14はオペレータによりチェーンコンベア上に載置されるが、別途コンベアを介して自動搬入されるようにしてもよい。
トレイ14がキャップ脱着機構18の直下に位置すると、ストッパ26により停止される。
上記一連の動作は、図示しない制御部によって制御される。
例えば、実施形態においては、縦横にそれぞれ4本ずつ整列させた栽培容器12をトレイ14に収容した状態で、トレイ14内の全ての栽培容器12に同時に液体種菌を接種する形態について説明しているが、トレイ14に収容されている栽培容器12に対して一本ずつ又は複数本ずつ接種する形態とすることもできるし、栽培容器12をトレイ14に収容することなく、栽培容器12単体を搬送する途中において液体種菌を接種する形態とすることももちろん可能である。
また、本実施形態における可動台45(キャップ11)のスライド方向は、トレイ14の搬送方向に対し、その水平面内方向に45度傾斜させた方向としているが、可動台45を他の角度方向にスライド移動させることももちろん可能である。要は、栽培容器12から離脱させたキャップ11と栽培容器12の口部との間にノズル77を進入させることができるような状態にすることができればよいのである。
また、バルブ装置96を構成する当板102を押圧板97よりも板厚となるように形成すると共に、当板102に凹部102Aを形成し、押圧板97を当板102の凹部102Aに進入させることでシリコンチューブ94の流路を閉塞する形態を示しているが、押圧板97を当板102よりも板厚に形成し、押圧板97の当板102が当接する部分に凹部を形成し、押圧板97に形成された凹部と当板102の隙間部分でシリコンチューブ94を挟持することもできる。
さらに、当板102または押圧板97において、互いに対向する面シリコンチューブ94を配設し、当板102に押圧板97を単純に当接させてシリコンチューブ94の流路の開閉を制御するバルブ装置96とすることももちろん可能である。
11 キャップ
12 栽培容器
14 トレイ
16 搬送機構
18 キャップ脱着機構
20 ノズル機構
22 基台
26 ストッパ
30 肩部押え機構
31 支持バー
32 固定押え板
34 可動押え板
35 可動ロッド
36 リンク板
39 スプリング
40 モータ
45 可動板
47 ガイドポール
48 取り付けステー
49 ガイドブッシュ
49a スプリング
51 レバー
52 カム
53 ピン
54 モータ
55 カムシャフト
56 モータ
58 ガイドブッシュ
59 ロッド
60 キャップ押え板
61 取付板
62 スプリング
64 支持板
67 カムフォロワ
68 カム
70 スプリング
72 掛止板
73 取付板
74 支持板
75 カムフォロワ
76 カム
77 ノズル
83 ローラ
84 ローラ装置
85 ロッド
87 ガイド
89 クランク機構
90 モータ
92、94 チューブ
93 分配管
96 バルブ装置
97 押圧板
99 スプリング
100 モータ
101 カム
102 当板
102A 凹部
Claims (5)
- きのこ栽培用の培地が充てんされ、キャップが装着されている栽培容器が複数本、縦横に整列して収納されたトレイの全ての栽培容器内に液体種菌を同時に接種する液体種菌接種機であって、
前記栽培容器が収納されたトレイを搬送する搬送機構と、
該搬送機構の上方に配設され、搬送機構上の所定位置で停止された前記トレイに接離動して前記栽培容器の口部から前記キャップを脱着するキャップ脱着機構と、
前記搬送機構上の前記所定位置に前記トレイを停止させるストッパと、
前記栽培容器の口部から取り外された前記キャップが、前記栽培容器の口部上方の位置と口部上方位置から外れた位置との間にわたって移動するように、取り外した前記キャップを保持したまま前記キャップ脱着機構を、前記トレイの搬送方向に対して斜め方向に往復動させるスライド機構と、
前記キャップ脱着機構の上方に位置して上下動し、前記栽培容器内に液体種菌を同時に接種する複数本のノズルを有するノズル機構と、
該ノズル機構を上下動させる上下動機構と、
前記ノズルに液体種菌を供給する送液機構と、
前記スライド機構により前記キャップが前記栽培容器の口部上方位置から外れた位置に移動した際に、前記上下動機構により前記ノズル機構を下降させ、前記栽培容器内の培地に前記液体種菌を接種するように、少なくとも前記上下動機構、前記ノズル機構をそれぞれ制御する制御部とを具備することを特徴とする液体種菌接種機。 - 前記スライド機構は、前記トレイに整列された栽培容器の配設間隔の半分に相当する距離だけ、前記キャップ脱着機構を前記栽培容器の口部上方位置から外れた位置に移動させることを特徴とする請求項1記載の液体種菌接種機。
- 前記スライド機構は、前記キャップ脱着機構を、前記トレイの搬送方向に対して水平面内に45度斜め方向に移動させることを特徴とする請求項1または2記載の液体種菌接種機。
- 前記キャップ脱着機構には、前記スライド機構により前記キャップが前記栽培容器の口部上方位置から外れた位置に移動した際に、前記ノズルが前記栽培容器の内部に進入可能なノズル進入部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の液体種菌接種機。
- 前記ノズルはチューブポンプからなる前記送液機構とシリコンチューブにより接続されていて、前記シリコンチューブの流路の開閉を制御するバルブ装置が前記シリコンチューブの外部に配設されていることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の液体種菌接種機。
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