JP4629202B2 - ラチェットレンチ - Google Patents
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Details Of Spanners, Wrenches, And Screw Drivers And Accessories (AREA)
- Portable Nailing Machines And Staplers (AREA)
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラチェットレンチ、特にヘッドを傾けることができるチルトヘッド型のラチェットレンチに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、回転自在なヘッドを有するラチェットレンチは、例えば特開平１０−２１７１４０号公報に開示されている。
このラチェットレンチは、力を加えてレバーを動作すると圧力空気がモータに流れて当該モータが回転する。モータは駆動部材を回転し、この駆動部材が第１のべベルギヤを回転する。第１のベベルギヤは第２のベベルギヤを介して第３のベベルギヤを動作させる。第３のベベルギヤは駆動軸を駆動し、この駆動軸がその軸回りを回転して、駆動軸に取り付けたソケットを回転して締め具を締め付けるか緩める。レバーを解放すると、モータへの空気供給が遮断されて、駆動軸が回転を停止する。ハンドルに対するヘッドの位置を変更するためには、ピンが解除位置に移動されると共に、ヘッドがその選択された位置に回転される。このように、従来のラチェットレンチは、ヘッドの面に関して前方及び後方に向けて、ハンドルに対してヘッドを回転移動させるようにヘッドとハンドルが複数のベベルギヤを介して構成されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
アクセスするのが困難な場所で締め具にアクセスしてこれを締めたり緩めたりできるラチェットレンチに対する要請が徐々に強まっている。そして、従来に比べてより狭い場所へラチェットレンチがアクセスできることが、要求されつつある。
【０００４】
そのためには、回転又は傾く部分であるヘッドの長さが短いほど良いが、前記従来のラチェットレンチは、ヘッドとハンドルの間にベベルギヤを介在させる方式で構成されているため、ヘッドの長さをさらに短くすることは困難であった。
【０００５】
本発明は、従来のラチェットレンチの前記問題点に鑑み、より狭い場所へのアクセスが可能となるようにヘッドの長さを短くすることができるラチェットレンチを提供することを課題とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明のラチェットレンチにおいては、内部にモーターが内蔵されたハンドルと、前記モーターに連結されたクランクシャフトからの動力により作動する回動締付部を有するラチェット機構を備えるヘッドと、前記ハンドルと前記ヘッド連結すると共に横断方向に伸びるピンを有するラチェットレンチであって、
前記クランクシャフトのクランクピンを回転可能に嵌挿する第１ドライバブシュと、
前記第１ドライバブシュを上下に摺動可能に嵌挿すると共に前記ピンに回転可能かつ横方向に摺動可能に連結された第１ドライバと、
前記ピンに回動可能かつ前記第１ドライバと共に横方向に摺動可能に連結された第２ドライバと、
前記第２ドライバを前後に摺動可能に嵌挿する第２ドライバブシュと、
前記第２ドライバブシュに揺動可能に連結されるとともに、前記ラチェット機構を介して前記回動締付部に接続されるヨークと、を備えている。
【０００７】
本発明の他のラチェットレンチにおいては、さらに前記ヘッドは、前記ハンドルに対して前記ピンの軸を中心として複数の角度方向のうち選択された方向に前記ヘッドと前記ハンドルをロックするチルト機構を備えている。
【０００８】
本発明のさらに他のラチェットレンチにおいては、さらに前記チルト機構は、前記ピンに回動自在に連結され、歯形部が形成されたチルトカバーと、
前記ハンドルの前部に埋設され、前記歯形部をロックするロックピンとを備えている。
【０００９】
本発明のさらに他のラチェットレンチにおいては、さらに前記クランクシャフトは、減速ギア機構を介して前記モーターに連結している。
【００１０】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図１は本発明の実施の形態におけるラチェットレンチの正面図であり、内部構造を示すために一部を断面図としてあり、図２は図１のＩ−Ｉ矢視断面図、図３は図２のラチェットレンチにおいて、ヘッドがハンドルに対して上方向に４５°の角度方向にロックされた状態を示す断面図である。
【００１１】
図において、Ｇは内部にモーター１が内蔵されたハンドルであり、ラチェットレンチは、前記モータ１からの動力により作動する回転締付部２２を有するラチェット機構２１を備えるヘッドＨと、前記ハンドルＧと前記ヘッドＨを連結すると共に横断方向に伸びるピンＰを有する。なお、以下ではモーター１がエアモーターである空気式ラチェットレンチについて説明するが、本発明は、空気式に限らず、電動式ラチェットレンチにも適用可能である。
【００１２】
開閉レバー２の操作により、空気導入部３から開閉弁４を介して導入する加圧空気によって、モーターハウジング５内で回転し、そのシャフト９が回転する。なお、モーターハウジング５は、その外周を本体カバー２３に覆われ、この本体カバー２３の部分がラチェットレンチの握り部分となる。前記本体カバー２３は、樹脂製とするのが好ましい。
【００１３】
前記モーター１は、そのローター本体６がモーターハウジング５に固定されたベアリング７，８に回転自在に軸支される。前記ローター本体６はシャフト９を備え、このシャフト９は、前記ベアリング８に軸支されるとともに、その先端部は減速ギア機構１０に噛合される。
【００１４】
減速ギア機構１０は、前記シャフト９に噛合されるアイドルギア１２と、ロックリング２４により前記モーターハウジング５に結合されたドライバハウジング１７に固定されるとともに前記アイドルギア１２に噛合されるインターナルギア１３と、前記アイドルギア１２にアイドルピン２５を介して連結されクランクシャフト１５に噛合されたケージ１４とからなる。
【００１５】
図２の実施の形態では、アイドルギア１２は、前記シャフト９を中心に３個配置され、シャフト９の回りを公転する。なお、アイドルギア１２はアイドルピン２５に対して回転自在に取り付けられる。そして、各アイドルピン２５（図２の実施の形態では３個のアイドルピン）に固定されたケージ１４はアイドルギア１２の公転とともに自転し、クランクシャフト１５を回転させる。
【００１６】
前記クランクシャフト１５は前記ドライバハウジング内１７で、減速ギア機構１０側はブッシュ２５により、また後述するラチェット機構２１側は、ニードルベアリング１６により回転自在に軸支される。
【００１７】
このクランクシャフト１５は、軸芯から偏心した位置の先端面１５ａにクランクピン１８が突出して形成され、このクランクピン１８は第１ドライバブシュ３０に回転可能に嵌挿される。そして、前記第１ドライバブシュ３０は、第１ドライバ３１の割溝３１ａに対して上下（図１の紙面の垂直方向）に摺動可能に嵌挿される。この第１ドライバ３１は、前記ハンドルＧと前記ヘッドＨを連結するピンＰに回転自在かつ横方向に摺動可能に連結される。
【００１８】
前記第１ドライバ３１の前記ピンＰとの連結部３１ａ，３１ａは二股に分かれて形成され、その二股に分かれた連結部３１ａ，３１ａの間に第２ドライバ３２が前記ピンＰに回転可能かつ前記ドライバ３１と共に横方向に摺動可能に連結される。
【００１９】
前記第２ドライバ３２のドライバピン３２ａは第２ドライバブシュ３３に対して前後に摺動可能に嵌挿され、ヨーク２０の割溝２０ａに揺動可能に連結される。ヨーク２０は、ラチェット機構２１を備え、このラチェット機構２１を介して回動締付部２２に接続される。
【００２０】
また、前記ヘッドＨは、前記ハンドルＧに対して前記ピンＰの軸を中心として複数の角度方向のうち選択された方向に前記ヘッドＨと前記ハンドルＧをロックするチルト機構Ｔを備える。
前記チルト機構Ｔは、前記ピンＰに回動自在に連結され、歯形部３４ａが形成されたチルトカバー３４と、前記ハンドルＧの前部に左右一つずつ埋設され、前記歯形部３４ａをロックするロックピン３５を備える。なお、ロックピン３５はコイルバネにより前記歯形部３４ａに押し付けられる方向に付勢される。
【００２１】
図２に示す実施の形態では、チルトカバー３４の後部に形成された左右一対の歯形部３４ａは、９個の歯が前記ピンＰの軸に対して１１.２５°の角度間隔で形成されている。したがって、ヘッドＨはハンドルＧに対して前記ピンＰの軸を中心に水平の状態（０°とする）から下方向に１１.２５°，２２.５°，３３.７５°，４５°、上方向に１１.２５°，２２.５°，３３.７５°，４５°という９つの角度（θ）方向に傾けることができる。
図３は、上方向にθ＝４５°の角度方向にヘッドＨを傾けた状態を示す。
【００２２】
ラチェットレンチは上記構成であるので、回動締付部２２に目的のボルト，ナット等に接続し締め付け作業を行うには、ヘッドＨをハンドルＧに対して所望の角度方向に傾けてから、開閉レバー２を操作してエアモーター１を作動させれば、ローター本体６とともにシャフト９が回転する。
【００２３】
シャフト９の回転は、減速ギア機構１０で減速され、その回転はクランクシャフト１５を介して第１ドライバ３１及び第２ドライバ３２に伝達され、ピンＰに沿った横方向の往復動に変換されてヨーク２０に伝達され、ヨーク２０を連続的に首振り運動させ、この首振り運動を、ラチェット機構２１によって、回動締付部２２の回転運動に変換して、締め付けを行う。
【００２４】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明のラチェットレンチによれば、内部にモーターが内蔵されたハンドルと、前記モーターに連結されたクランクシャフトからの動力により作動する回動締付部を有するラチェット機構を備えるヘッドと、前記ハンドルと前記ヘッド連結すると共に横断方向に伸びるピンを有するラチェットレンチであって、前記クランクシャフトのクランクピンを回転可能に嵌挿する第１ドライバブシュと、前記第１ドライバブシュを上下に摺動可能に嵌挿すると共に前記ピンに回転可能かつ横方向に摺動可能に連結された第１ドライバと、前記ピンに回動可能かつ前記第１ドライバと共に横方向に摺動可能に連結された第２ドライバと、前記第２ドライバを前後に摺動可能に嵌挿する第２ドライバブシュと、前記第２ドライバブシュに揺動可能に連結されるとともに、前記ラチェット機構を介して前記回動締付部に接続されるヨークと、を備えたので、ヘッドをピンに対して所望の角度方向に傾けた状態で、ボルトやナット等の締め付け作業や緩め作業を行うことができる。
【００２５】
本発明の他のラチェットレンチは、さらに前記ヘッドは、前記ハンドルに対して前記ピンの軸を中心として複数の角度方向のうち選択された方向に前記ヘッドと前記ハンドルをロックするチルト機構を備えたので、ヘッドがハンドルに対して確実にロックされ、狭い場所での締め付け作業等を確実かつ容易に行うことができる。
【００２６】
本発明のさらに他のラチェットレンチは、さらに前記チルト機構は、前記ピンに回動自在に連結され、歯形部が形成されたチルトカバーと、前記ハンドルの前部に埋設され、前記歯形部をロックするロックピンとを備えるので、作業者はハンドルを一方の手で握り、他方の手でヘッドを握ってピンの軸を中心にラチェットレンチを折り曲げることにより、所望の角度方向にヘッドを容易に傾けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態におけるラチェットレンチの正面図である。
【図２】図１のＩ−Ｉ矢視断面図である。
【図３】ヘッドがハンドルに対して上方向にθ＝４５°の角度方向にロックされた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
Ｇ ハンドル Ｈ ヘッド
Ｐ ピン Ｔ チルト機構
１ モーター 10 減速ギア
15 クランクシャフト 18 クランクピン
20 ヨーク 21 ラチェット機構
22 回動締付部 30 第１ドライバブシュ
31 第１ドライバ 32 第２ドライバ
33 第２ドライバブシュ 34 チルトカバー
35 ロックピン
22 回動締付部
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラチェットレンチ、特にヘッドを傾けることができるチルトヘッド型のラチェットレンチに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、回転自在なヘッドを有するラチェットレンチは、例えば特開平１０−２１７１４０号公報に開示されている。
このラチェットレンチは、力を加えてレバーを動作すると圧力空気がモータに流れて当該モータが回転する。モータは駆動部材を回転し、この駆動部材が第１のべベルギヤを回転する。第１のベベルギヤは第２のベベルギヤを介して第３のベベルギヤを動作させる。第３のベベルギヤは駆動軸を駆動し、この駆動軸がその軸回りを回転して、駆動軸に取り付けたソケットを回転して締め具を締め付けるか緩める。レバーを解放すると、モータへの空気供給が遮断されて、駆動軸が回転を停止する。ハンドルに対するヘッドの位置を変更するためには、ピンが解除位置に移動されると共に、ヘッドがその選択された位置に回転される。このように、従来のラチェットレンチは、ヘッドの面に関して前方及び後方に向けて、ハンドルに対してヘッドを回転移動させるようにヘッドとハンドルが複数のベベルギヤを介して構成されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
アクセスするのが困難な場所で締め具にアクセスしてこれを締めたり緩めたりできるラチェットレンチに対する要請が徐々に強まっている。そして、従来に比べてより狭い場所へラチェットレンチがアクセスできることが、要求されつつある。
【０００４】
そのためには、回転又は傾く部分であるヘッドの長さが短いほど良いが、前記従来のラチェットレンチは、ヘッドとハンドルの間にベベルギヤを介在させる方式で構成されているため、ヘッドの長さをさらに短くすることは困難であった。
【０００５】
本発明は、従来のラチェットレンチの前記問題点に鑑み、より狭い場所へのアクセスが可能となるようにヘッドの長さを短くすることができるラチェットレンチを提供することを課題とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明のラチェットレンチにおいては、内部にモーターが内蔵されたハンドルと、前記モーターに連結されたクランクシャフトからの動力により作動する回動締付部を有するラチェット機構を備えるヘッドと、前記ハンドルと前記ヘッド連結すると共に横断方向に伸びるピンを有するラチェットレンチであって、
前記クランクシャフトのクランクピンを回転可能に嵌挿する第１ドライバブシュと、
前記第１ドライバブシュを上下に摺動可能に嵌挿すると共に前記ピンに回転可能かつ横方向に摺動可能に連結された第１ドライバと、
前記ピンに回動可能かつ前記第１ドライバと共に横方向に摺動可能に連結された第２ドライバと、
前記第２ドライバを前後に摺動可能に嵌挿する第２ドライバブシュと、
前記第２ドライバブシュに揺動可能に連結されるとともに、前記ラチェット機構を介して前記回動締付部に接続されるヨークと、を備えている。
【０００７】
本発明の他のラチェットレンチにおいては、さらに前記ヘッドは、前記ハンドルに対して前記ピンの軸を中心として複数の角度方向のうち選択された方向に前記ヘッドと前記ハンドルをロックするチルト機構を備えている。
【０００８】
本発明のさらに他のラチェットレンチにおいては、さらに前記チルト機構は、前記ピンに回動自在に連結され、歯形部が形成されたチルトカバーと、
前記ハンドルの前部に埋設され、前記歯形部をロックするロックピンとを備えている。
【０００９】
本発明のさらに他のラチェットレンチにおいては、さらに前記クランクシャフトは、減速ギア機構を介して前記モーターに連結している。
【００１０】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図１は本発明の実施の形態におけるラチェットレンチの正面図であり、内部構造を示すために一部を断面図としてあり、図２は図１のＩ−Ｉ矢視断面図、図３は図２のラチェットレンチにおいて、ヘッドがハンドルに対して上方向に４５°の角度方向にロックされた状態を示す断面図である。
【００１１】
図において、Ｇは内部にモーター１が内蔵されたハンドルであり、ラチェットレンチは、前記モータ１からの動力により作動する回転締付部２２を有するラチェット機構２１を備えるヘッドＨと、前記ハンドルＧと前記ヘッドＨを連結すると共に横断方向に伸びるピンＰを有する。なお、以下ではモーター１がエアモーターである空気式ラチェットレンチについて説明するが、本発明は、空気式に限らず、電動式ラチェットレンチにも適用可能である。
【００１２】
開閉レバー２の操作により、空気導入部３から開閉弁４を介して導入する加圧空気によって、モーターハウジング５内で回転し、そのシャフト９が回転する。なお、モーターハウジング５は、その外周を本体カバー２３に覆われ、この本体カバー２３の部分がラチェットレンチの握り部分となる。前記本体カバー２３は、樹脂製とするのが好ましい。
【００１３】
前記モーター１は、そのローター本体６がモーターハウジング５に固定されたベアリング７，８に回転自在に軸支される。前記ローター本体６はシャフト９を備え、このシャフト９は、前記ベアリング８に軸支されるとともに、その先端部は減速ギア機構１０に噛合される。
【００１４】
減速ギア機構１０は、前記シャフト９に噛合されるアイドルギア１２と、ロックリング２４により前記モーターハウジング５に結合されたドライバハウジング１７に固定されるとともに前記アイドルギア１２に噛合されるインターナルギア１３と、前記アイドルギア１２にアイドルピン２５を介して連結されクランクシャフト１５に噛合されたケージ１４とからなる。
【００１５】
図２の実施の形態では、アイドルギア１２は、前記シャフト９を中心に３個配置され、シャフト９の回りを公転する。なお、アイドルギア１２はアイドルピン２５に対して回転自在に取り付けられる。そして、各アイドルピン２５（図２の実施の形態では３個のアイドルピン）に固定されたケージ１４はアイドルギア１２の公転とともに自転し、クランクシャフト１５を回転させる。
【００１６】
前記クランクシャフト１５は前記ドライバハウジング内１７で、減速ギア機構１０側はブッシュ２５により、また後述するラチェット機構２１側は、ニードルベアリング１６により回転自在に軸支される。
【００１７】
このクランクシャフト１５は、軸芯から偏心した位置の先端面１５ａにクランクピン１８が突出して形成され、このクランクピン１８は第１ドライバブシュ３０に回転可能に嵌挿される。そして、前記第１ドライバブシュ３０は、第１ドライバ３１の割溝３１ａに対して上下（図１の紙面の垂直方向）に摺動可能に嵌挿される。この第１ドライバ３１は、前記ハンドルＧと前記ヘッドＨを連結するピンＰに回転自在かつ横方向に摺動可能に連結される。
【００１８】
前記第１ドライバ３１の前記ピンＰとの連結部３１ａ，３１ａは二股に分かれて形成され、その二股に分かれた連結部３１ａ，３１ａの間に第２ドライバ３２が前記ピンＰに回転可能かつ前記ドライバ３１と共に横方向に摺動可能に連結される。
【００１９】
前記第２ドライバ３２のドライバピン３２ａは第２ドライバブシュ３３に対して前後に摺動可能に嵌挿され、ヨーク２０の割溝２０ａに揺動可能に連結される。ヨーク２０は、ラチェット機構２１を備え、このラチェット機構２１を介して回動締付部２２に接続される。
【００２０】
また、前記ヘッドＨは、前記ハンドルＧに対して前記ピンＰの軸を中心として複数の角度方向のうち選択された方向に前記ヘッドＨと前記ハンドルＧをロックするチルト機構Ｔを備える。
前記チルト機構Ｔは、前記ピンＰに回動自在に連結され、歯形部３４ａが形成されたチルトカバー３４と、前記ハンドルＧの前部に左右一つずつ埋設され、前記歯形部３４ａをロックするロックピン３５を備える。なお、ロックピン３５はコイルバネにより前記歯形部３４ａに押し付けられる方向に付勢される。
【００２１】
図２に示す実施の形態では、チルトカバー３４の後部に形成された左右一対の歯形部３４ａは、９個の歯が前記ピンＰの軸に対して１１.２５°の角度間隔で形成されている。したがって、ヘッドＨはハンドルＧに対して前記ピンＰの軸を中心に水平の状態（０°とする）から下方向に１１.２５°，２２.５°，３３.７５°，４５°、上方向に１１.２５°，２２.５°，３３.７５°，４５°という９つの角度（θ）方向に傾けることができる。
図３は、上方向にθ＝４５°の角度方向にヘッドＨを傾けた状態を示す。
【００２２】
ラチェットレンチは上記構成であるので、回動締付部２２に目的のボルト，ナット等に接続し締め付け作業を行うには、ヘッドＨをハンドルＧに対して所望の角度方向に傾けてから、開閉レバー２を操作してエアモーター１を作動させれば、ローター本体６とともにシャフト９が回転する。
【００２３】
シャフト９の回転は、減速ギア機構１０で減速され、その回転はクランクシャフト１５を介して第１ドライバ３１及び第２ドライバ３２に伝達され、ピンＰに沿った横方向の往復動に変換されてヨーク２０に伝達され、ヨーク２０を連続的に首振り運動させ、この首振り運動を、ラチェット機構２１によって、回動締付部２２の回転運動に変換して、締め付けを行う。
【００２４】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明のラチェットレンチによれば、内部にモーターが内蔵されたハンドルと、前記モーターに連結されたクランクシャフトからの動力により作動する回動締付部を有するラチェット機構を備えるヘッドと、前記ハンドルと前記ヘッド連結すると共に横断方向に伸びるピンを有するラチェットレンチであって、前記クランクシャフトのクランクピンを回転可能に嵌挿する第１ドライバブシュと、前記第１ドライバブシュを上下に摺動可能に嵌挿すると共に前記ピンに回転可能かつ横方向に摺動可能に連結された第１ドライバと、前記ピンに回動可能かつ前記第１ドライバと共に横方向に摺動可能に連結された第２ドライバと、前記第２ドライバを前後に摺動可能に嵌挿する第２ドライバブシュと、前記第２ドライバブシュに揺動可能に連結されるとともに、前記ラチェット機構を介して前記回動締付部に接続されるヨークと、を備えたので、ヘッドをピンに対して所望の角度方向に傾けた状態で、ボルトやナット等の締め付け作業や緩め作業を行うことができる。
【００２５】
本発明の他のラチェットレンチは、さらに前記ヘッドは、前記ハンドルに対して前記ピンの軸を中心として複数の角度方向のうち選択された方向に前記ヘッドと前記ハンドルをロックするチルト機構を備えたので、ヘッドがハンドルに対して確実にロックされ、狭い場所での締め付け作業等を確実かつ容易に行うことができる。
【００２６】
本発明のさらに他のラチェットレンチは、さらに前記チルト機構は、前記ピンに回動自在に連結され、歯形部が形成されたチルトカバーと、前記ハンドルの前部に埋設され、前記歯形部をロックするロックピンとを備えるので、作業者はハンドルを一方の手で握り、他方の手でヘッドを握ってピンの軸を中心にラチェットレンチを折り曲げることにより、所望の角度方向にヘッドを容易に傾けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態におけるラチェットレンチの正面図である。
【図２】図１のＩ−Ｉ矢視断面図である。
【図３】ヘッドがハンドルに対して上方向にθ＝４５°の角度方向にロックされた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
Ｇ ハンドル Ｈ ヘッド
Ｐ ピン Ｔ チルト機構
１ モーター 10 減速ギア
15 クランクシャフト 18 クランクピン
20 ヨーク 21 ラチェット機構
22 回動締付部 30 第１ドライバブシュ
31 第１ドライバ 32 第２ドライバ
33 第２ドライバブシュ 34 チルトカバー
35 ロックピン
22 回動締付部
Claims (4)
- 内部にモーターが内蔵されたハンドルと、前記モーターに連結されたクランクシャフトからの動力により作動する回動締付部を有するラチェット機構を備えるヘッドと、前記ハンドルと前記ヘッド連結すると共に横断方向に伸びるピンを有するラチェットレンチであって、
前記クランクシャフトのクランクピンを回転可能に嵌挿する第１ドライバブシュと、
前記第１ドライバブシュを上下に摺動可能に嵌挿すると共に前記ピンに回転可能かつ横方向に摺動可能に連結された第１ドライバと、
前記ピンに回動可能かつ前記第１ドライバと共に横方向に摺動可能に連結された第２ドライバと、
前記第２ドライバを前後に摺動可能に嵌挿する第２ドライバブシュと、
前記第２ドライバブシュに揺動可能に連結されるとともに、前記ラチェット機構を介して前記回動締付部に接続されるヨークと、
を備えたラチェットレンチ。 - 前記ヘッドは、前記ハンドルに対して前記ピンの軸を中心として複数の角度方向のうち選択された方向に前記ヘッドと前記ハンドルをロックするチルト機構を備えた請求項１記載のラチェトレンチ。
- 前記チルト機構は、前記ピンに回動自在に連結され、歯形部が形成されたチルトカバーと、
前記ハンドルの前部に埋設され、前記歯形部をロックするロックピンとを備える請求項２記載のラチェットレンチ。 - 前記クランクシャフトは、減速ギア機構を介して前記モーターに連結されている請求項１記載のラチェットレンチ。
Priority Applications (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000271053A JP4629202B2 (ja) | 2000-09-07 | 2000-09-07 | ラチェットレンチ |
| US09/691,559 US6435060B1 (en) | 2000-09-07 | 2000-10-18 | Ratchet wrench |
| TW089121790A TW446605B (en) | 2000-09-07 | 2000-10-18 | Ratchet wrench |
| EP00122901A EP1186381B1 (en) | 2000-09-07 | 2000-10-20 | Ratchet wrench |
| DE2000607628 DE60007628T2 (de) | 2000-09-07 | 2000-10-20 | Ratschenschlüssel |
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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