JP4628088B2 - 歯車の歯面形状の設計方法および歯車 - Google Patents

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この発明は、一般的には、歯車の歯面形状の設計方法および歯車に関し、より特定的には、歯すじが、つる巻き線で与えられるはすば歯車の歯面形状の設計方法およびはすば歯車に関する。
従来の歯車の設計方法に関して、たとえば、特開平10−315050号公報には、噛み合いトルクの相違に起因する噛み合い伝達誤差の変動を抑制し、広い噛み合いトルク領域で、噛み合い伝達誤差を小さくすることを目的とした歯車の歯面修正方法が開示されている(特許文献1)。特許文献1に開示された歯面修正方法では、噛み合いトルクが小さい軽負荷域における接触点の軌跡部分で、歯面の凸形状の曲率が小さくなり、噛み合いトルクが大きい高負荷域における接触点の軌跡部分で、歯面の凸形状の曲率が大きくなるように歯面を修正する。
また、実開昭61−157748号公報には、歯車振動および歯車騒音を低減させることを目的としたはすば歯車が開示されている(特許文献2)。特許文献2に開示されたはすば歯車では、歯の噛み合い始めの部分に、接触線に沿った面取り加工が施されている。また、特開平10−89442号公報には、振動や騒音の発生を防止することを目的とした3次元歯面修正はすば/やまば歯車が開示されている(特許文献3)。特許文献3に開示された歯車では、歯面に、歯幅方向の接触線ピッチの整数倍の幅の完全接触線領域を設定し、この完全接触線領域以外の領域に、噛み合い時に接触が起こらない3次元的なバイアス歯面修正が施されている。
また、特開平3−28565号公報には、騒音の低減を目的とした歯車が開示されている(特許文献4)。特許文献4に開示された歯車では、同時接触線の一部を除去するように面取り部が形成されている。
特開平10−315050号公報 実開昭61−157748号公報 特開平10−89442号公報 特開平3−28565号公報
従来、はすば歯車の歯面形状設計は、歯すじ方向および歯形方向に沿った2次元的な歯面形状をそれぞれ設定し、その形状を組み合わせて3次元的な歯面形状を決定する方法で行なわれてきた。しかしながら、歯すじ方向および歯形方向に沿った歯面形状は、騒音や振動の抑制と言った歯車の噛み合い性能に直結していない。このため、所望の噛み合い性能に到達するためには、これら2方向に沿った歯面形状について、膨大な組み合わせのシミュレーションを行なう必要があった。
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、所望の噛み合い性能を発揮する歯面形状が、効率的に求められる歯車の歯面形状の設計方法、および噛み合い性能の低下を抑制しつつ、軽量化が図られる歯車を提供することである。
この発明に従った歯車の歯面形状の設計方法は、歯面上に複数の同時接触線を設定し、複数の同時接触線のそれぞれに沿った歯面形状を決定するステップと、複数の同時接触線上のそれぞれで最も高くなる位置を互いに結んだ噛み合い進行線を、歯面上に設定するステップと、噛み合い進行線に沿った歯面形状を決定するステップとを備える。なお、同時接触線とは、その瞬間瞬間で、歯車同士の接触により歯面上に形成される線であり、各歯のねじれ角など、歯車緒元に基づいて、固定的に決定される。
このように構成された歯車の歯面形状の設計方法によれば、同時接触線に沿った歯面形状に、歯車の噛み合い性能に直結する噛み合い進行線に沿った歯面形状を合わせて、歯面の3次元的な形状を決定している。このため、騒音や振動を抑制するのに最適な歯面形状を、容易かつ効率的に設計することができる。
また好ましくは、歯車の歯面形状の設計方法は、噛み合いトルクの変動に起因して生じる噛み合い進行線のばらつきを求めるステップをさらに備える。同時接触線に沿った歯面形状を決定するステップは、噛み合い進行線を設定するステップで、噛み合い進行線のばらつく領域が、歯すじ方向に向い合う歯面の対辺に交差せず、歯形方向に向い合う歯面の対辺に交差するように、歯面形状を決定するステップを含む。このように構成された歯車の歯面形状の設計方法によれば、噛み合い進行線のばらつく領域が、歯すじ方向に向い合う歯面の対辺に交差する場合と比較して、優れた噛み合い性能を実現することができる。
また好ましくは、噛み合い進行線のばらつきを求めるステップで、ばらつきが生じないと判断された場合、同時接触線に沿った歯面形状を決定するステップは、噛み合い進行線を設定するステップで、噛み合い進行線が歯面の対角線上に設定されるように、歯面形状を決定するステップを含む。このように構成された歯車の歯面形状の設計方法によれば、噛み合い進行線にばらつきが生じない場合、噛み合い進行線を歯面の対角線上に設定することで、歯面同士の実噛み合い率を効果的に増大させることができる。これにより、より優れた噛み合い性能を実現することができる。
この発明に従った歯車は、複数の同時接触線上のそれぞれで最も高くなる位置を互いに結んだ噛み合い進行線が形成される第1の領域と、第1の領域から外れた第2の領域とが、歯面上に規定された歯車である。歯車には、第2の領域を含み、かつ、第1の領域からずれた位置で、切欠きが形成されている。
このように構成された歯車によれば、歯車の噛み合い性能と直結する噛み合い進行線と重ならない位置に、切欠きが形成されている。このため、噛み合い性能の低下を最小限に抑えつつ、歯車の軽量化を図ることができる。
以上説明したように、この発明に従えば、所望の噛み合い性能を発揮する歯面形状が、効率的に求められる歯車の歯面形状の設計方法、および噛み合い性能の低下を抑制しつつ、軽量化が図られる歯車を提供することができる。
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1における設計方法を用いて作製されたはすば歯車を示す模式図である。本実施の形態におけるはすば歯車は、たとえば、車両の自動変速機に組み込まれて用いられる。図1を参照して、はすば歯車10および15は、それぞれ駆動側(エンジン側)および被駆動側(ドライブシャフト側)の歯車を構成している。はすば歯車10および15は、ねじれ角がβとなる複数の歯20を有し、互いに噛み合って配置されている。エンジンの動力を受けたはすば歯車10が、中心軸101を中心に回転することによって、はすば歯車15が、中心軸101と平行に延びる中心軸102を中心に回転する。はすば歯車10および15は、同様の設計方法で設計されるため、以下、はすば歯車10について説明を行なう。
図2は、図1中のはすば歯車の一部を拡大して示す斜視図である。図中には、はすば歯車10の1つの歯20が示されている。図2を参照して、はすば歯車10は、歯20に形成された歯面21を有する。歯面21は、矢印112に示す歯形方向に延びる端辺24および25と、歯先側および歯元側のそれぞれで、矢印111に示す歯すじ方向に延びる端辺22および23とに囲まれた略矩形形状に形成されている。端辺24と端辺25とは、歯すじ方向に向い合って互いに平行に延びている。端辺22と端辺23とは、歯形方向に向い合って互いに平行に延びている。
歯面21には、歯すじ方向および歯形方向の双方に対して斜めに延びる同時接触線121aから121dが示されている。同時接触線121aから121dは、歯面21が、図1中のはすば歯車15の歯面と接触する線を表わしており、時間の経過とともに、歯面同士が接触する線が、同時接触線121aから121dへと変化する。歯面21には、さらに、噛み合い進行線122が示されている。噛み合い進行線122は、同時接触線121aから121dのそれぞれの線上において、歯面21が最も高くなる位置を結んで得られる線である。なお、歯面21の高さとは、はすば歯車10の設計基準歯面、たとえば、インボリュート歯形の基準歯面から歯面21までの距離を指す。
図3は、図1中に示すはすば歯車の歯面形状の設計方法を表わすフローチャートである。なお、本実施の形態における歯面形状の設計方法は、各設計のステップを順次実行させるためのプログラムを記録した機械読み取り可能な媒体、たとえば、ハードディスクやROM(read-only memory)を有するコンピュータにより自動的に行なわれる。
図2および図3を参照して、本実施の形態における設計方法では、まず、はすば歯車10のモジュールやねじれ角βなどの歯車緒元と、はすば歯車10に負荷する噛み合いトルクの変動値とを、キーボード等の入力装置を用いてコンピュータに入力する(S101)。次に、入力した情報に基づいて、歯面21上に、同時接触線121aから121dを設定し、各同時接触線上の歯面形状を決定する(S102)。
次に、歯面21上に噛み合い進行線122を設定する(S103)。図4は、図2中のはすば歯車の歯面を示す正面図である。図5は、ねじれ角にミスアライメントが生じる場合に設定される噛み合い進行線を示す斜視図である。
図4および図5を参照して、コンピュータに入力された噛み合いトルクの変動値が大きく、はすば歯車10のねじれ角βにミスアライメント(図1中の角度γ)が生じる場合、歯面21と、はすば歯車15の歯面との接触状態が変化する。このため、噛み合い進行線122が歯すじ方向にばらつく領域31が、コンピュータによって算出される。その噛み合い進行線122がばらつく領域31は、ミスアライメントが生じない場合に得られる噛み合い進行線122に対して、歯すじ方向の両側にそれぞれ幅dを有して形成される。
この場合、噛み合い進行線122がばらつく領域31が、歯面21の端辺25および24に交差することなく、端辺22および23に交差するように、歯すじ方向に対する噛み合い進行線122の傾きθを設定する。このとき、噛み合い進行線122は、端辺23と端辺24との角部36から所定の距離だけ隔てた位置で端辺23に交わり、端辺22と端辺25との角部37から所定の距離だけ隔てた位置で端辺22に交わる。
なお、算出される領域31が歯面21の端辺25および24に交差する場合には、S102のステップに戻り、同時接触線121aから121d上に沿った歯面形状を微調整する。続いて、S103のステップで、その微調整した歯面形状に基づいて噛み合い進行線122を設定しなおし、再び領域31を求める。領域31が、歯面21の端辺25および24に交差しないと確認されれば、続くステップに移る。
このように、領域31が端辺22および23にのみ交差するように噛み合い進行線122を設定することによって、領域31が、歯面21の端辺25および24に交差する場合と比較して、噛み合い伝達誤差を低減させることができる。この効果は、はすば歯車10によって伝達されるトルクが、たとえば30(Nm)以下の比較的、低トルク側の使用に際して、より効果的に得ることができる。
なお、噛み合い伝達誤差とは、互いに噛み合う一対の歯車の回転誤差であり、たとえば、駆動歯車を一定速度で回転させた場合の被駆動歯車の最大進み遅れ量(ラジアン)で表わされる。噛み合い伝達誤差は、歯車で生じる音および振動の双方に相関があり、噛み合い伝達誤差が0になれば、音および振動とも0になる傾向を示す。
図6は、ねじれ角にミスアライメントが生じない場合に設定される噛み合い進行線を示す斜視図である。一方、噛み合いトルクの変動が小さく、はすば歯車10のねじれ角βにミスアライメントが生じない場合には、噛み合い進行線122を、端辺23と端辺24との角部36と、端辺22と端辺25との角部37とを結ぶように、歯面21の対角線上に設定する。
ねじれ角にミスアライメントが生じない場合、噛み合い進行線122がばらつくということがない。このため、噛み合い進行線122を歯面21の対角線上に設定することで、はすば歯車10とはすば歯車15との実噛み合い率を大きく増大させることができる。これにより、噛み合い伝達誤差をより効果的に低減させることができる。
図3を参照して、次に、S103のステップで設定した噛み合い進行線122上に沿った歯面21の形状を決定する(S104)。
図7は、噛み合い進行線に沿った歯面の丸み量と、噛み合い伝達誤差との関係を示すグラフである。歯面の丸み量とは、インボリュート歯形の基準歯面から歯面までの距離のうち最も大きくなる距離を指す。図7を参照して、S104のステップでは、噛み合い伝達誤差が最も小さくなるように、噛み合い進行線122に沿った歯面21の丸み量hを決定する。この際、歯面21が寸法公差内の最も小さい値で形成された場合であっても、歯面21が、凹形状に形成されない程度の丸み量hの大きさを確保する。歯面21が凹形状に形成された場合、歯面21と相手歯面との間で片当たりが生じ、騒音や振動が発生しやすくなる。以上のステップにより、はすば歯車10の最終的な歯面形状を決定する。
続いて、噛み合い進行線122の設定位置と、噛み合い伝達誤差との関係を確認するための実施例について、説明を行なう。図2を参照して、本実施例では、歯すじ方向に対する傾きθが異なる複数の噛み合い進行線122を歯面21上に設定し、各噛み合い進行線122に沿った歯面の丸み量を変化させながら、噛み合い伝達誤差を求めるシミュレーションを行なった。傾きθが40°以上の場合に、噛み合い進行線122が、歯面21の端辺22および23に交差し、傾きθが40°よりも小さい場合に、噛み合い進行線122が、歯面21の対辺24および25に交差するように各種条件を設定した。また、歯車の伝達トルクを、30(Nm)に設定した。
図8は、本実施例において、噛み合い進行線に沿った歯面の丸み量と、噛み合い伝達誤差との関係を示すグラフである。図中では、噛み合い進行線122の傾きθを、40°から60°までの範囲とした場合の結果が、「○」で表わされており、40°以上とした場合の結果が「△」で表わされている。また、シミュレーションした全ての傾きθの結果が、「×」で表わされている。つまり、「○」および「△」が示されておらず、「×」のみが示された位置では、傾きθを40°より小さい値とした場合の結果が表わされている。
図8を参照して、「×」のみが示された位置の結果から分かるように、噛み合い進行線122が歯面21の対辺24および25に交差する条件では、噛み合い伝達誤差が比較的大きくなった。これに対して、「○」および「△」が示された位置では、噛み合い進行誤差を小さく抑えることができた。このことから、噛み合い進行線122が歯面21の端辺22および23に交差する条件では、噛み合い伝達誤差の低減が図られることを確認できた。
この発明の実施の形態1における歯車としてのはすば歯車10の歯面形状の設計方法は、歯面21上に複数の同時接触線121aから121dを設定し、同時接触線121aから121dのそれぞれに沿った歯面形状を決定するステップ(S102)と、同時接触線121aから121d上のそれぞれで最も高くなる位置を互いに結んだ噛み合い進行線122を、歯面21上に設定するステップ(S103)と、噛み合い進行線122に沿った歯面形状を決定するステップ(S104)とを備える。
はすば歯車10の歯面形状の設計方法は、噛み合いトルクの変動に起因して生じる噛み合い進行線122のばらつきを求めるステップをさらに備える。同時接触線121aから121dに沿った歯面形状を決定するステップ(S102)は、噛み合い進行線122を設定するステップ(S103)で、噛み合い進行線122のばらつく領域31が、歯すじ方向に向い合う歯面21の対辺としての端辺24および25に交差せず、歯形方向に向い合う歯面21の対辺としての端辺22および23に交差するように、歯面形状を決定するステップを含む。
なお、本実施の形態では、歯面21上に4本の同時接触線121aから121dを設定したが、実際には、さらに多数本の同時接触線が設定され、歯面形状が決定される。
このように構成された、この発明の実施の形態1におけるはすば歯車10の歯面形状の設計方法によれば、S104のステップで、噛み合い進行線122に沿った歯面21の形状を決定し、その歯面形状と、同時接触線121aから121dに沿った歯面形状とを合わせて最終的な歯面形状を決定している。この噛み合い進行線122に沿った歯面21の形状は、はすば歯車10の噛み合い特性に直結する。このため、トライアンドエラーの煩雑なシミュレーションを行なうことなく、噛み合い伝達誤差が十分に低減された歯面形状を得ることができる。このように設計されたはすば歯車10を車両の自動変速機に組み込んだ場合、歯車同士の噛み合いによるギヤノイズや振動が低減され、変速機内で生じる騒音を十分に低減させることができる。
(実施の形態2)
図9は、この発明の実施の形態2におけるはすば歯車を拡大して示す斜視図である。以下、実施の形態1における図2中のはすば歯車と比較して、重複する構造については説明を繰り返さない。
図9を参照して、本実施の形態におけるはすば歯車50は、たとえば、車両の自動変速機に組み込まれ、加減速の双方の条件下で使用される。はすば歯車50は、歯20に形成され、歯先29の両側から歯元に向けてそれぞれ延在する一対の歯面21aおよび21bを有する。歯先29側には、歯面21aから歯面21bにまで達する三角形状の切欠き41が形成されている。
図10は、加速時および減速時のそれぞれで、歯面に形成される噛み合い進行線を説明するためのはすば歯車の斜視図である。図11は、図10中のはすば歯車を歯先側から見た上面図である。
図10および図11を参照して、はすば歯車が、加減速の双方の条件下で使用される場合、同時接触線が形成される歯面は、加速時と減速時とで異なる。たとえば、加速時に、歯面21aと、相手歯車の歯面とが接触し、歯面21aに同時接触線が形成されるとすれば、減速時には、歯面21bと、相手歯車の歯面とが接触し、歯面21bに同時接触線が形成される。このとき、歯面21aには、歯元側の端辺23から歯先側の端辺22に向けて延びる噛み合い進行線122が形成され、歯面21bには、歯先側の端辺22から歯元側の端辺23に向けて延びる噛み合い進行線133が形成される。
図9を参照して、歯面21aには、噛み合いトルクの変動によって図10中の噛み合い進行線122がばらつく領域が、領域31mによって表わされており、歯面21bには、噛み合いトルクの変動によって図10中の噛み合い進行線133がばらつく領域が、領域31nによって表わされている。領域31mおよび31nを除いた歯面21aおよび21b上の範囲を、領域32とすると、切欠き41は、領域32を含み、かつ、領域31mおよび31nからはずれた位置で、歯面21aおよび21bに開口している。
この発明の実施の形態2における歯車としてのはすば歯車50は、複数の同時接触線121aから121d上のそれぞれで最も高くなる位置を互いに結んだ噛み合い進行線122および133が形成される第1の領域としての領域31mおよび31nと、領域31mおよび31nから外れた第2の領域としての領域32とが、歯面21aおよび21b上に規定された歯車である。はすば歯車50には、領域32を含み、かつ、領域31mおよび31nからずれた位置で、切欠き41が形成されている。
なお、本実施の形態では、はすば歯車50の歯先29にのみ切欠き41を形成したが、歯車に対する負荷トルクが小さく、はすば歯車50の強度を十分に確保できる場合には、歯すじ方向に向い合う歯20の両側面に、さらに切欠きを形成しても良い。この場合、領域32を含み、かつ、領域31mおよび31nからはずれる位置で、歯面21aおよび21bに開口するように、たとえば、斜線部42に示す部分を切欠くと良い。また、はすば歯車50が、加速および減速のいずれか一方の条件でのみ使用される場合には、たとえば、領域31mを挟んで、片側の全ての領域を面取りすることも可能である。
また、本実施の形態におけるはすば歯車50の設計に、実施の形態1におけるはすば歯車10の歯面形状の設計方法を利用しても良い。
このように構成された、この発明の実施の形態2におけるはすば歯車50によれば、切欠き41が、歯車の噛み合い特性に直結しない領域32に形成されている。このため、騒音や振動を増大させることなく、はすば歯車50の軽量化を図ることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明の実施の形態1における設計方法を用いて作製されたはすば歯車を示す模式図である。 図1中のはすば歯車の一部を拡大して示す斜視図である。 図1中に示すはすば歯車の歯面形状の設計方法を表わすフローチャートである。 図2中のはすば歯車の歯面を示す正面図である。 ねじれ角にミスアライメントが生じる場合に設定される噛み合い進行線を示す斜視図である。 ねじれ角にミスアライメントが生じない場合に設定される噛み合い進行線を示す斜視図である。 噛み合い進行線に沿った歯面の丸み量と、噛み合い伝達誤差との関係を示すグラフである。 本実施例において、噛み合い進行線に沿った歯面の丸み量と、噛み合い伝達誤差との関係を示すグラフである。 この発明の実施の形態2におけるはすば歯車を拡大して示す斜視図である。 加速時および減速時のそれぞれで、歯面に形成される噛み合い進行線を説明するためのはすば歯車の斜視図である。 図10中のはすば歯車を歯先側から見た上面図である。
符号の説明
10,50 はすば歯車、21 歯面、22,23,24,25 端辺、31,31m,31n,32 領域、41 切欠き、121a〜121d 同時接触線、122,133 噛み合い進行線。

Claims (4)

  1. 歯面上に複数の同時接触線を設定し、前記複数の同時接触線のそれぞれに沿った歯面形状を決定するステップと、
    前記複数の同時接触線上のそれぞれで最も高くなる位置を互いに結んだ噛み合い進行線を、前記歯面上に設定するステップと、
    前記噛み合い進行線に沿った歯面形状を決定するステップとを備える、歯車の歯面形状の設計方法。
  2. 噛み合いトルクの変動に起因して生じる前記噛み合い進行線のばらつきを求めるステップをさらに備え、
    前記同時接触線に沿った歯面形状を決定するステップは、前記噛み合い進行線を設定するステップで、噛み合い進行線のばらつく領域が、歯すじ方向に向い合う歯面の対辺に交差せず、歯形方向に向い合う歯面の対辺に交差するように、歯面形状を決定するステップを含む、請求項1に記載の歯車の歯面形状の設計方法。
  3. 前記噛み合い進行線のばらつきを求めるステップで、ばらつきが生じないと判断された場合に、
    前記同時接触線に沿った歯面形状を決定するステップは、前記噛み合い進行線を設定するステップで、噛み合い進行線が前記歯面の対角線上に設定されるように、歯面形状を決定するステップを含む、請求項2に記載の歯車の歯面形状の設計方法。
  4. 複数の同時接触線上のそれぞれで最も高くなる位置を互いに結んだ噛み合い進行線が形成される第1の領域と、前記第1の領域から外れた第2の領域とが、歯面上に規定された歯車であって、
    前記第2の領域を含み、かつ、前記第1の領域からずれた位置で、切欠きが形成されている、歯車。
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