JP4627902B2 - 電動機制御装置および電気車電動機の制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電動機制御装置および電気車電動機の制御方法に係り、詳細には電力回生時における電気車電動機の制御に関する。
【0002】
【発明の背景】
省エネルギーや省メンテナンスを目的として、電気車のブレーキに回生ブレーキを使用するのが一般的になりつつある。しかし、回生ブレーキの使用には、回生負荷が十分にあることが前提となる。即ち、例えば、直流電気鉄道における主な回生負荷は、他の力行車であることから、他の力行車が少ない時間帯や閑散線区、或いは他の力行車が遠方に存在する場合等においては、十分な回生ブレーキ力を得ることができない。
【0003】
図1を参照してより具体的に説明する。図1は電気車の主回路モデルを示す図である。図1において、電気車100が回生ブレーキをかけている場合、電気車200が回生負荷となる。しかし、電気車200が力行していない場合等、回生電力に対する回生負荷が不足する軽負荷回生時には、インバータ110の直流側電圧に相当するフィルタコンデンサCfのフィルタコンデンサ電圧Vfが上昇する。そして、フィルタコンデンサ電圧Vfが規定値を超えると、インバータ110の過電圧保護動作によりインバータ110の運転が停止され、回生ブレーキを中断する回生失効に至る。
【0004】
このため、軽負荷回生時においても、フィルタコンデンサ電圧Vfが、過電圧保護動作の規定値を超えないように、回生ブレーキを継続する軽負荷回生制御の実現が望まれており、その技術が種々開発されている。
【0005】
本件発明者は、上記軽負荷回生制御時において、ある特異な事象が発生することを発見し、この事象を抑制すべく本発明を考案したものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
その特異な事象とは、軽負荷回生制御時に電気系の持続振動現象が生じることである。図15(a)は、その現象が発生した際のフィルタコンデンサ電圧Vfを示す図であり、同図(b)は、d−q軸座標系における電動機のq軸電流を示す図である。
【0007】
尚、軽負荷回生制御を行った場合と行わない場合とにおけるフィルタコンデンサ電圧Vfの推移を図16に示す。同図(a)は、軽負荷回生制御を行わなかった場合、同図(b)は軽負荷回生制御を行った場合のフィルタコンデンサ電圧Vfの推移を示す図である。同図により、軽負荷回生制御時に上記事象が生じることが分かる。
【0008】
本発明の課題は、回生制御時に生じる電気系の持続振動現象を抑制することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、フィルタコンデンサ電圧(例えば、図3のVf)が閾値電圧以下の領域を最大トルク領域、前記閾値電圧を超えた領域を絞込み領域として、前記フィルタコンデンサ電圧が前記最大トルク領域にあれば、電動機制御電流(例えば、q軸電流そのものであってもよいし、q軸電流指令値であってもよい。)を前記フィルタコンデンサ電圧に関わらずに一定となる定常値(例えば、図3の定常値)とする、電力回生時の電気車電動機を制御する電動機制御装置であって、前記フィルタコンデンサ電圧が前記最大トルク領域にあるか前記絞込み領域にあるかを判定する判定手段と、前記判定手段により前記フィルタコンデンサ電圧が前記絞込み領域にあると判定された場合に、前記閾値電圧を高い方へ、前記電動機制御電流の前記定常値を絶対値が小さくなる方へ変更する変更手段(例えば、図8の振動抑制制御部114)とを備えることを特徴としている。
【0010】
また、請求項3記載の発明は、 フィルタコンデンサ電圧が閾値電圧以下の領域を最大トルク領域、前記閾値電圧を超えた領域を絞込み領域として、前記フィルタコンデンサ電圧が前記最大トルク領域にあれば、電動機制御電流を前記フィルタコンデンサ電圧に関わらずに一定となる定常値とする、電力回生時の電気車電動機の制御方法であって、前記フィルタコンデンサ電圧が前記最大トルク領域にあるか前記絞込み領域にあるかを判定する判定工程と、前記判定手段により前記フィルタコンデンサ電圧が前記絞込み領域にあると判定された場合に、前記閾値電圧を高い方へ、前記電動機制御電流の前記定常値を絶対値が小さくなる方へ変更する変更工程とを含むことを特徴としている。
【0011】
この請求項1または4記載の発明によれば、発明の実施の形態や実施例に記載の通り、電力回生時の制御動作が動的に安定な範囲で最大トルクを発生する領域を拡大せしめ、電力回生時に発生する電気系の持続振動現象を抑制することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明を適用した電気車の軽負荷回生制御について詳細に説明する。
【0021】
まず、本件発明者が発見・究明した、軽負荷回生制御において生じる電気系の持続振動現象の原因について説明し、その上で、当該現象を抑制するための実施例について説明する。また、本実施の形態において想定する主回路のモデルは、上記発明の背景等において用いたものと同じであるため、同一の図面(図1)を用いるとともに、他の図面においても同一部分には同一符号を用いて説明する。
【0022】
図1の主回路モデルにおいて、軽負荷回生制御を行う電気車は電気車100であり、回生負荷に相当するのが電気車200である。電気車100は、電動機120と、電動機120を駆動・制御するインバータ110と、インバータ110に並列に接続されたフィルタコンデンサCfと、インバータ110に直列に接続されたフィルタリアクトルLf及びフィルタ抵抗Rfと、を有している。電気車100と電気車200は、共に架線300に接続されており、整流器Dを含む変電所400から電力が給電されている。尚、電気車100が回生ブレーキをかけている際には、電気車100の回生電力が、架線300を介して電気車200に給電されることとなる。また、架線300には、電気車100と電気車200間のき電系の抵抗として、抵抗RlとインダクタンスLlが生じる。
【0023】
図2は、電気系の持続振動現象を解析するために用いた解析モデルを示す回路図である。図2における各部は、図1における同一符号の各部に対応している。
尚、変電所400は整流器Dと電圧源Vdcで、力行車200は抵抗Rbとした。
【0024】
更に、この解析モデルに用いた回路方程式について説明する。
【0025】
電動機120の回路方程式は次式の通りである。
【数1】
【0026】
但し、負荷は十分大きいものとし、回転子速度は一定であることとした。また、Rsは巻線抵抗、Lsd、Lsqはd軸、q軸のインダクタンス、ωm0は回転子速度、ΨFは速度起電力定数、Nは極対数である。
【0027】
インバータ110の回路方程式は次式の通りである。
【数2】
【0028】
但し、電動機120を永久磁石同期電動機と想定したため、インバータ110は電圧形3レベルPWMインバータとし、理想的な電力変換器とした。また、ηはインバータ効率である。
【0029】
図2の内、電気車100を除いた直流側の回路モデルの回路方程式は、整流器DがONの状態とOFFの状態とで異なる。即ち、電気車100の回生電力量等に応じて、整流器DがON/OFF切り替わるため、異なる回路方程式となる。
【0030】
整流器DがONの状態の、直流側の回路モデルの回路方程式は次式の通りである。
【数3】
【0031】
また、整流器DがOFFの状態の、直流側の回路モデルの回路方程式は次式の通りである。
【数4】
【0032】
尚、Rtはフィルタリアクトル抵抗Rfとき電系の抵抗Rlを合成したもの、LtはフィルタリアクトルのインダクタンスLfとき電系のインダクタンスLlを合成したもの、Cfはフィルタコンデンサ容量、Rbは力行車200を表す等価負荷抵抗である。
【0033】
インバータ110の電流制御に係る回路方程式は次式の通りである。
【数5】
【0034】
但し、両式とも、右辺第1項及び第2項は通常のPI制御器とし、右辺第3項はd−q軸成分相互干渉の補償成分を表している。また、(9)式の右辺第4項は界磁磁束による誘起電圧の補償成分を表している。また、PI制御器のゲインはそれぞれ以下のように定めた。
【数6】
【0035】
ここで、軽負荷回生制御について説明する。軽負荷回生制御とは、フィルタコンデンサ電圧Vfの上昇に応じて図3に示すようにq軸電流Iqの指令値Isq *を絞り込む制御である。図3は、軽負荷回生制御におけるq軸電流指令値Isq *と、フィルタコンデンサ電圧Vfとの関係について示す図である。同図において、Vflimは絞り込みを開始する閾値となる電圧であり、以下、フィルタコンデンサ電圧VfがVflim以下の領域を「最大トルク領域」、Vflimを超える領域を「絞り込み領域」という。
【0036】
回生ブレーキをかけている間は、電気車の速度に応じたトルク(起電力)が電動機120にかかり、これが回生電力となって架線300に戻される。最大トルク領域とは、その速度において電動機120に生じ得る最大トルクを、回生電力として架線300に戻すことができる領域であり、この領域においては、q軸電流指令値Isq *は定常値となる(同図においては、便宜的に“−1”として示している)。しかし、回生負荷が小さい(抵抗Rbが大きい)場合には、回生電力が消費されないため、その電力がフィルタコンデンサに蓄えられることとなる。そのため、フィルタコンデンサ電圧Vfに応じて、q軸電流指令値Isq *を絞り込む必要が生じる。即ち、回生失効に至らしめるインバータ110の過電圧保護動作を行わせないように、その判断基準となる閾値Vflimは定められ、このVflimを超えた場合には、徐々にq軸電流指令値Isq *を絞り込むのが絞り込み領域である。
【0037】
軽負荷回生制御における回路方程式は次式の通りである。
【数7】
【0038】
但し、Irは絞り込みが行われていない時の電流指令値、Vfmaxは絞り込み終了電圧である。解析においてはVf>Vfmax領域(絞り込み領域)の振動現象への寄与は小さいものと仮定し、Vflim<Vf≦Vfmax領域と併せてVf>Vflim領域(絞り込み領域)とした。
【0039】
また、解析対象のシステムには、非線形要素であるインバータ110が含まれ、更に整流器Dや軽負荷回生制御のON/OFFによって回路構成が変化する非線形・時変系のシステムであるため、以下に示すような4つのモードに分割して解析した。
モード1:絞り込み領域 & 整流器D“ON”
モード2:絞り込み領域 & 整流器D“OFF”
モード3:最大トルク領域 & 整流器D“ON”
モード4:最大トルク領域 & 整流器D“OFF”
【0040】
更に、テイラー展開を用いて線形化することによって、(12)式を状態ベクトルとした状態方程式で表し、各モードにおける定常解と極を求めた。
【数8】
【0041】
図4は、各モードと、各モードの定常解とを示す図であり、図5は、各モードにおけるフィルタコンデンサ電圧Vfと架線電流Ifとを示す図である。また、図6は、各モードにおける状態方程式の極を示す図である。
【0042】
上記の解析結果を纏めて図7に示す。まず、図4に示す通り、定常解の所在が当該モードの範囲内となったのはモード2の場合だけである。また、図6に示す通り、実部が正の極を有するモード1およびモード2は不安定である。
【0043】
したがって、システムの動作点は何れのモードにおいても整定せず、各モード間を遷移することとなり、持続振動現象が生じていたと考えられる。
【0044】
【実施例】
上述した通り、動的に安定であるのは最大トルク領域のみであるが、最大トルク領域では定常解が存在しない。そこで、定常解が最大トルク領域内に存在するように制御することにより、持続振動現象を抑制するように回生時制御を行うこととしたのが、本発明である。以下その実施例について説明する。
【0045】
図8は、電気車電動機を、d−q軸の電流および電圧指令値によってベクトル制御する、ベクトル制御演算器(不図示)に含まれる、本発明に係る回生時制御部112の制御ブロック図である。尚、ベクトル制御演算器自体は、インバータ110内に構成されていてもよいし、インバータ110に電流指令値等を出力する構成として、インバータ110とは別個の回路として構成されていてもよい。
【0046】
回生時制御部112は、電力回生時(即ち、回生ブレーキ使用時)に動作する機能部であり、ベクトル制御演算器内で、コンピュータ制御等により実行される機能部を指すものである。回生時制御部112は、現在のq軸電流指令値Isq *と、フィルタコンデンサ電圧Vfとを入力し、所与の制御演算を行って、最適化したq軸電流指令値Isq *を出力するものであり、回生時制御部112には、さらに、振動抑制制御部114と、回生電力保持制御部116とが含まれる。
【0047】
振動抑制制御部114は、持続振動現象を抑制するための機能部である。図12を参照してより詳細に説明する。振動抑制制御部114は、現在の、q軸電流指令値Isq *及びフィルタコンデンサ電圧Vfに基づいて、動作点が最大トルク領域内に存在するか、絞り込み領域内に存在するかを確認する。最大トルク領域内に存在する場合には、図3を参照して説明した従来の回生時制御と同様に、定常値のq軸電流指令値Isq *を出力する。しかし、絞り込み領域内に存在すると判断した場合には、図9に示すように、絞り込み領域内におけるq軸電流指令値Isq *を絞り込む割合は変化させずに、定常値のみを変化させる。また、変化させる方向は、q軸電流指令値Isq *を減少させる(“0”に向かわせる)方向である。より具体的には、当初のq軸電流指令値Isq *の値を便宜的に“−1”とし、これに一定の係数、例えば“0.9”を乗じることにより、q軸電流指令値Isq *を決定する。
【0048】
また、新たな定常値に基づいて、Vflimが整定される。即ち、絞り込み領域内におけるq軸電流指令値Isq *を絞り込む割合は変化しないため、その絞り込む割合と、新たな定常値とから、新たなVflimが決定されることとなる(図9参照)。
【0049】
従って、振動抑制制御部114によって、q軸電流指令値Isq *を絞り込む割合は変化せず、定常値のみが変更されるため、最大トルク領域が拡大され、動作点が常に最大トルク領域内に存在するように回生制御動作が行われることとなる。このため、動的に安定な状態で回生制御を行うことができる。
【0050】
回生電力保持制御部116は、回生電力を一定に保持するための制御を行う機能部である。回生ブレーキにより、電動機の回転子の速度が低下すると、回生電力が低減する。すると、フィルタコンデンサ電圧Vfも減少することとなるが、動作点はq軸電流指令値Isq *を定常値としたまま最大トルク領域内を推移することとなる(図10(a)参照)。しかし、このことは、回生可能な最大電力よりも、実際の回生電力が低いことを意味する。即ち、q軸電流指令値Isq *が、当初の定常値のままであれば問題ないが、回生時制御を行うと、振動抑制制御部114により、フィルタコンデンサVfの上昇に対応した定常値(当初の定常値よりも低い値)に設定されることとなる。このため、この定常値を上げる余裕、即ち、回生電力を高める余力があることになる。回生電力保持制御部116は、最大トルク領域におけるq軸電流指令値Isq *を変化させ、常に回生可能な最大電力を回生する制御を行う。
【0051】
図10を参照して具体的に説明する。図10(a)は、回生電力保持制御部116による制御前の回生制御パターンを示す図、図10(b)は、回生電力保持制御部116による制御後の回生制御パターンを示す図である。回生電力保持制御部116は、回生電力の保持制御を行う前の、フィルタコンデンサ電圧Vfと、q軸電流指令値Isq *とを一時記憶し、これらの値から回生電力量を算出する(図10(a)の網掛け部分の面積に相当する。)。そして、フィルタコンデンサ電圧Vfが低下したとき、算出済みの回生電力量が一定となるように、q軸電流指令値Isq *を逆算する(図10(b)の網掛け部分の面積が、同図(a)の網掛け部分の面積と同一となるようにq軸電流指令値Isq *を算出する。)。そして、算出した新たなq軸電流指令値Isq *を定常値とする。
【0052】
尚、回生電力量の算出において、より簡便な方法としては、フィルタコンデンサ電圧Vfと、q軸電流指令値Isq *とを乗算した値が一定値となるように制御する方法が考えられる。また、速度の低下に応じてIsq *を増加する方法もある。
【0053】
このように回生電力保持制御部116によって、回生電力が常時最大値となるように制御が施されるため、省エネルギーおよび省メンテナンスに優れた回生時制御を行うことが可能である。
【0054】
次に、回生時制御部112の動作を図11を参照して説明する。図11は、回生時制御部112の制御動作の流れを示すフローチャートである。
【0055】
図11において、回生制御が開始されると、まず、フィルタコンデンサ電圧Vfと、q軸電流指令値Isq *とに基づいて、振動抑制制御部114が動作点が絞り込み領域内に存在するか否かを判断する(ステップS1)。そして、絞り込み領域内に存在すると判断した場合には、振動抑制制御部114は、q軸電流指令値Isq *の定常値を変更して、最大トルク領域の拡大を図る(ステップS2)。
【0056】
次いで、回生電力保持制御部116が、新たなq軸電流指令値Isq *と、フィルタコンデンサ電圧Vfとに基づいて、回生可能な最大電力量を算出する(ステップS3)。
【0057】
ステップS3の処理の後、或いは、ステップS1において動作点が絞り込み領域内に存在しないと判断された後、回生電力保持制御部116は、フィルタコンデンサ電圧Vfが下降しているか否かを判断する(ステップS4)。下降していると判断した場合には、予め求めていた回生可能な最大電力量に基づいて、当該電力量を保持するためのq軸電流指令値Isq *へ、定常値を変更する(ステップS5)。
【0058】
そして、ステップS5の処理の後、或いは、ステップS4においてフィルタコンデンサ電圧Vfが下降していないと判断された場合、回生時制御部112は、回生制御を終了するか否かを判断し(ステップS6)、回生制御を継続する場合には、引き続きステップS1〜ステップS6の処理を実行する。
【0059】
次に、本実施例を適用した後の実験結果を図12〜図14に示す。
図12は、本実施例適用前後の、フィルタコンデンサ電圧Vfの推移を示す図であり、同図(a)が本実施例適用前の実験結果を、同図(b)が本実施例適用後の実験結果を示すものである。フィルタコンデンサ電圧Vfの持続振動現象が抑制されている様子が分かる。
【0060】
図13は、本実施例適用前後の、q軸電流Isqの推移を示す図であり、同図(a)が本実施例適用前の実験結果を、同図(b)が本実施例適用後の実験結果を示すものである。q軸電流Isqの持続振動現象が抑制されている様子が分かる。
【0061】
図14は、本実施例適用後の、回転子速度及び回生電力の推移を示す図である。回生ブレーキにより回転子速度が低下していくが、回生電力は最大電力を保つように制御されている様子が分かる。
【0062】
なお、本発明は、上記実施例の内容に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であり、例えば、q軸電流指令値Isq *を制御することによって間接的にq軸電流を制御することとして説明したが、q軸電流を直接制御することとしてもよい。また、誘導電動機や直流電動機に適用してもよい。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、回生制御時、殊に軽負荷回生制御時における電気系の持続振動現象を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電気車の主回路モデルを示す図。
【図2】図1の解析モデルを示す図。
【図3】軽負荷回生制御の一般的な制御パターンを示す図。
【図4】電気系の持続振動現象の発生要因を説明するための図。
【図5】図4に示す各モードにおけるフィルタコンデンサ電圧と架線電流とを示す図。
【図6】図4に示す各モードにおける状態方程式の極を示す図。
【図7】電気系の持続振動現象の発生要因を説明するための図。
【図8】ベクトル制御演算器に含まれる回生時制御部の機能ブロック図。
【図9】振動抑制制御部の制御動作を説明するための図。
【図10】回生電力保持制御部の制御動作を説明するための図。
【図11】回生時制御部の制御動作を示すフローチャート。
【図12】本実施例適用前後のフィルタコンデンサ電圧の推移を示す図。
【図13】本実施例適用前後のq軸電流の推移を示す図。
【図14】本実施例適用後の回転子速度及び回生電力の推移を示す図。
【図15】(a)は、電気系の持続振動現象発生時のフィルタコンデンサ電圧を示す図。(b)は、電気系の持続振動現象発生時のq軸電流を示す図。
【図16】(a)は、軽負荷回生制御を行わなかった場合のフィルタコンデンサ電圧を示す図。(b)は、軽負荷回生制御を行った場合のフィルタコンデンサ電圧を示す図。
【符号の説明】
100、200 電気車
110 インバータ
112 回生時制御部
114 振動抑制制御部
116 回生電力保持制御部
120 電動機
Claims (3)
- フィルタコンデンサ電圧が閾値電圧以下の領域を最大トルク領域、前記閾値電圧を超えた領域を絞込み領域として、前記フィルタコンデンサ電圧が前記最大トルク領域にあれば、電動機制御電流を前記フィルタコンデンサ電圧に関わらずに一定となる定常値とする、電力回生時の電気車電動機を制御する電動機制御装置であって、
前記フィルタコンデンサ電圧が前記最大トルク領域にあるか前記絞込み領域にあるかを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記フィルタコンデンサ電圧が前記絞込み領域にあると判定された場合に、前記閾値電圧を高い方へ、前記電動機制御電流の前記定常値を絶対値が小さくなる方へ変更する変更手段と、
を備えることを特徴とする電動機制御装置。 - 前記変更手段は、
変化前の前記定常値に一定の係数を乗じることで当該定常値を非連続に変更することを特徴とする請求項1記載の電動機制御装置。 - フィルタコンデンサ電圧が閾値電圧以下の領域を最大トルク領域、前記閾値電圧を超えた領域を絞込み領域として、前記フィルタコンデンサ電圧が前記最大トルク領域にあれば、電動機制御電流を前記フィルタコンデンサ電圧に関わらずに一定となる定常値とする、電力回生時の電気車電動機の制御方法であって、
前記フィルタコンデンサ電圧が前記最大トルク領域にあるか前記絞込み領域にあるかを判定する判定工程と、
前記判定手段により前記フィルタコンデンサ電圧が前記絞込み領域にあると判定された場合に、前記閾値電圧を高い方へ、前記電動機制御電流の前記定常値を絶対値が小さくなる方へ変更する変更工程と、
を含むことを特徴とする電気車電動機の制御方法。
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