JP4627743B2 - 入退出管理システム、並びに入退出管理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、入退出管理システム、並びに入退出管理装置に関し、より詳しくは、無線ICタグなどの無線により読み取り可能な識別情報記憶媒体を利用した入退出管理システム、並びに入退出管理装置に関する。
近年、企業や家庭、マンションなどの集合住宅など様々な場所でセキュリティをどのように確保するか関心が高まっている。不審者の侵入による犯罪、情報漏洩等に対する危機感が高まっているためである。このような不審者の侵入を禁止、制限するセキュリティ技術として、いわゆるICカードを利用した入退室管理システムが提案されている。例えば、改ざん難易度が異なる複数種類のカードを用い、高いセキュリティランクを与えられた部屋等には、改ざん難易度が高いカード(例えば、ICカード)により解錠判定を行わせ、低いセキュリティランクを与えられた部屋等には、改ざん難易度が低いカード(例えば、磁気ストライプカード)により解錠判定を行わせる入退室管理システムが提案されている(例えば、特許文献1)。
特開平5−314138号公開公報
しかしながら、入退室管理のために複数種類のカードを所持させることは、社員などの所持者がカードが嵩張り、持ち運びに不便があると感じさせるおそれがあり、またセキュリティランクに応じて対応するカードを選び出す必要があるため、使用に時間がかかり迅速な入退室を妨げるおそれもある。
また、第三者にカードを不正に取得されたが、真の所持者がカードの紛失や盗難に気づいていない場合、この不正な第三者の入退室を防止することは困難である。第三者が不正に入室してもその第三者の顔データも残らないため不正使用者の特定ができない。
また、正当な入室権限を有する者が入室する際に、不正な第三者がこれに乗じて開いた扉から侵入するおそれがあった。
本発明の目的は、入退室管理システムが動作して扉などを開いた場合、第三者がその機に乗じて侵入を図ることを防止することを目的とする。
上記課題を解決するための手段として、本発明は以下の特徴を有している。
本発明の第1の態様は、無線により読み取り可能な識別情報(例えば、固有ID)を記憶した識別情報記憶媒体(例えば、無線ICタグ)から識別情報を読み取り、この読み取った識別情報に基づいて進入退出の可否を判断する入退出管理システムとして提案される。
この入退出管理システムは、識別情報記憶媒体から識別情報を読み取るとともに、読み取りの際の電界状態(電界強度、読み取り成功回数、電波分布、電波伝搬、位相、読み取り成功確率など識別情報記憶媒体からの信号に基づいて測定可能なすべての情報を含む)を測定する読み取り手段(例えば、リーダ/ライタ)と、通過ポイント(例えば、通用口、ゲート、扉など)の近傍を撮影する撮像手段(例えば、ビデオカメラ)と、読み取り手段及び撮像手段の出力に基づいて進入退出の可否を判断する入退出管理装置とを有し、入退出管理装置は、識別情報に基づいて、その識別情報記憶媒体に関して進入退出の権限の有無を判定し、かつ読み取りの際の電界状態(電界強度、読み取り成功回数、電波分布、電波伝搬、位相、読み取り成功確率など識別情報記憶媒体からの信号に基づいて測定可能なすべての情報を含む)からその識別情報記憶媒体の位置及び運動状態を算出し、撮像手段が出力する画像データから、識別情報記憶媒体を所持する対象(例えば、無線ICタグ保持者)の他の対象(例えば、無線ICタグ不保持者)の存否を判定し、上記進入退出の権限の有無、識別情報記憶媒体の位置及び運動状態、及び他の対象の存否に基づいて、通過ポイントを通過許可状態にするか否かを判定することを特徴とする。
本システムによれば、通過又は入退室の権限を有する無線ICタグを有するもの(無線ICタグ保持者)が、通過ポイントに接近した場合であっても、不振な第三者が近辺に存在したり、単に、無線ICタグを有するものが通過ポイント近傍を通り過ぎたりした場合に、通過ポイントを通過許可状態にすることがない。そのため、無線ICタグ保持者の通過に便乗して権限無き第三者が侵入することを防止し、あるいは通過ポイント近傍を通り過ぎたりした場合に通過許可状態にして権限無き第三者の侵入、迷い込みなどを防ぐことができる。
上記システムにおいて、入退出管理装置は、撮像手段が出力する画像データから他の対象の位置と運動状態を判定し、進入退出の権限の有無、識別情報記憶媒体の位置及び運動状態、及び他の対象の存否並びに他の対象の位置と運動状態に基づいて、通過ポイントを通過許可状態にするか否かを判定するようにしてもよい。
かかるシステムによれば、他の対象の位置と運動状態を加味して通過ポイントを通過許可状態にするか否かを判定するため、他の対象が不正侵入を図るおそれのない場合には、無線ICタグ保持者の通過を迅速に許すことができるため、利用者にストレスを与えることのない入退出管理を実現できる。
本発明の第2の態様は、入退出管理装置として提案される。
この入退出管理装置は、読み取り手段が識別情報記憶媒体から読み取った識別情報に基づいて、進入退出の権限の有無を判定する権限判定手段(例えば、権限判定部102)と、読み取り手段が識別情報記憶媒体から識別情報を読み取る際の電界状態(電界強度、読み取り成功回数、電波分布、電波伝搬、位相、読み取り成功確率など識別情報記憶媒体からの信号に基づいて測定可能なすべての情報を含む)に基づいて、識別情報記憶媒体との距離を算出し、算出した距離に基づいて識別情報記憶媒体の位置及び運動状態を算出する運動解析手段(例えば、運動解析部103)と、通過ポイントの周辺を撮影する撮像装置から画像データを取得し、画像データを解析して通過ポイント周辺の領域である撮影範囲内に存在する対象を抽出し、抽出した対象のうち識別情報記憶媒体に対応しない対象の位置及び運動状態を算出する画像解析手段(例えば、画像解析部101)とを有し、進入退出の権限の有無、識別情報記憶媒体の位置及び運動状態、及び識別情報記憶媒体に対応しない対象の位置及び運動状態に基づいて、通過ポイントを通過許可状態にするか否かを判定することを特徴としている。
かかる入退出管理装置によれば、単に入退室の権限を有する無線ICタグを有するもの(無線ICタグ保持者)が、通過ポイントに接近した場合であっても、不振な第三者が近辺に存在したり、単に、無線ICタグを有するものが通過ポイント近傍を通り過ぎたりした場合に、通過ポイントを通過許可状態にすることがない。そのため、無線ICタグ保持者の通過に便乗して権限無き第三者が侵入することを防止し、あるいは通過ポイント近傍を通り過ぎたりした場合に通過許可状態にして権限無き第三者の侵入、迷い込みなどを防ぐことができる。
本発明によれば、入退出の権限を示す情報記憶媒体を有する者の位置、動きのみならず、入退出の権限を示す情報記憶媒体を有しない者の位置、動きに基づいて、通過ポイントを通過許可状態にするか否かを判定するため、適切な場合にのみ通過ポイントを通過許可状態にでき、権限無き第三者の侵入の発生がおこるおそれある場合には通過ポイントを通過許可状態しないため、よりセキュリティの高い入退出管理を行うことができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる入退室管理システムの概要を示す図である。
本入退室管理システム1は、管理対象領域に予め入場/退出あるいは通過することを許可したもの(人、乗り物など)のみ入場/退出を許可し、そうでないものの入場/退出或いは通過は許さないことにより、管理対象領域のセキュリティを実現するシステムである。管理対象領域としては、ある一定の空間を有する対象であればどのようなものであってよく、例えば、建物、部屋、施設、土地、あるいは乗り物(飛行機、船舶、列車など)である。
本入退出管理システム1は、入退出管理装置10と、無線ICタグ20の読み取りを行うリーダ/ライタ30と、扉、門、ゲート、通用口などの通過ポイントにおける人や車両など移動体の通過を許可し或いは禁止する通過制御装置40(例えば、電子錠、扉開閉装置など)と、通過制御装置40周辺の領域を撮像する撮像装置50(例えばCCDカメラ、など)を有している。
管理対象領域の一例である建物60には人や車両などの訪問者70が訪れる。入退出管理装置10は、訪問者70が管理対象領域である建物60に入場/退場する権限、すなわち通過ポイントである扉80を通過する権限を有するか否かを、訪問者70が所持、携帯する無線ICタグ20をリーダ/ライタ30によって読み取って判定する。すなわち、入退出管理装置10は、無線ICタグ20が記憶している固有IDと入退出権限情報を対応づけて記憶しており、無線ICタグ20から読み取った固有IDに基づいて、無線ICタグ20を所持、携帯する訪問者70の入退出権限を調べることができる。
入退出管理装置10は、無線ICタグ20の読み取りに基づいて、その訪問者70がその通過ポイントについて入退出権限を有すると判定した場合は、その通過ポイントを通過許可状態(例えば、扉に設けられた電子錠を解錠する、あるいは扉を駆動モータなどにより駆動して、開放状態にする、など)に切り替える。通過許可状態に切り替えられた扉80を通過して、訪問者は建物10内部に入場し、仕事、打ち合わせや荷物の搬入、搬出などを行う。訪問者70が目的を達すると、入場時と同じく、無線ICタグ20の読み取り結果に基づいて、入退出管理装置10に扉80を開いてもらい、建物10から退出する。入退出管理装置10は、開かれた扉80から不審者が侵入しないように迅速に扉80を通過不許可状態(例えば、扉に設けられた電子錠を施錠する、あるいは扉を駆動モータなどにより駆動して、閉鎖状態にする、など)に切り替える。
また、本入退出管理システム1は、リーダ/ライタ30が無線ICタグ20から受信した電波又は電界の強度(以下、単に電界強度と呼ぶ)に基づいて、無線ICタグ20の位置、若しくは無線ICタグ20との距離を測定して訪問者70の位置情報を算出し、この位置情報の時間経過に伴う変化から訪問者の運動状態(移動方向、移動速度など)を測定し、通過制御装置40を制御して、通過ポイントの通過許可状態/通過不許可状態の切り替え判定に利用する。
本入退出管理システム1は、撮像装置50により通過ポイント周辺を撮影し、撮影により生成された画像データを解析することにより、無線ICタグ20を有さないもの(人、車両の双方を含む)の存在、及びその運動状態を検出して、通過制御装置40の開閉状態の切り替え判断に利用する。
[本システムの構成例]
次に、入退出管理システム1の構成例について、図2を参照しながら説明する。図2は、本入退出管理システム1の構成例を示すブロック図である。
本入退出管理システム1は、入退出管理装置10と、入退出管理装置10に接続された通過制御装置40と、同じく入退出管理装置10に接続されたリーダ/ライタ30と、同じく入退出管理装置10に接続された撮像装置50とを有する。
[入退出管理装置]
入退出管理装置10は、リーダ/ライタ30及び撮像装置50からの出力に基づいて、通過制御装置40を駆動させ、通過ポイントにおいて通過許可状態/通過不許可状態の切り替えを行う装置である。
入退出管理装置10は、演算処理装置(CPU)、主メモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、入出力装置(I/O)、必要な場合にはハードディスク装置等の外部記憶装置を具備している装置であって、例えばコンピュータ、ワークステーションなどの情報処理装置である。前記ROM、若しくはハードディスク装置などに、情報処理装置を入退出管理装置10として機能させるためのプログラム、あるいは情報処理装置に入退出管理方法を実行させるプログラムが記憶されており、このプログラムを主メモリ上に載せ、CPUがこれを実行することにより入退出管理装置10あるいは入退出管理方法が実現される。また、上記プログラムは必ずしも情報処理装置内の記憶装置に記憶されていなくともよく、外部の装置(例えば、ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダのサーバなど))から提供され、これを主メモリに乗せる構成であってもよい。
入退出管理装置10は、撮像装置50に接続された画像解析部101、リーダ/ライタ30に接続された権限判定部102、同じくリーダ/ライタ30に接続された運動解析部103、及び画像解析部101、権限判定部102及び運動解析部103から出力を受け取り、これら出力に基づいて通過制御装置40を駆動して通過ポイントにおいて通過許可状態/通過不許可状態の切り替えを行うか否かを判定する駆動制御部104とを有する。
画像解析部101は、撮像装置50から画像データを取得し、画像データに画像解析処理を行い、通過制御装置40近傍、すなわち通過ポイント周辺の領域である撮影範囲内に存在する対象を抽出する。例えば、画像解析部101は、撮像装置50から出力される動画像データから、背景差分法、フレーム間差分法、オプティカルフローなどを利用した対象抽出を行い、画像に含まれる対象の動き特徴を出力する。すなわち、画像解析部101は、撮影画像からどのような対象物が存在しているか、各対象はどのような動きをしているかを決定し、画像解析結果として出力する。
権限判定部102は、リーダ/ライタ30が読み取った無線ICタグ20の固有IDと、予め記憶している入退出権限テーブルとを比較し、その固有IDが入退出権限テーブルに含まれていて、かつその固有IDに与えられた入退出権限が通過ポイントを通過することを許可するものであるという条件を満たすかどうかを調べて権限検査結果を出力する。
運動解析部103は、リーダ/ライタ30が検出する無線ICタグ20からの電界強度に基づいて、無線ICタグ20とリーダ/ライタ30との距離を算出し、算出した距離に基づいて無線ICタグ20の位置を算出する。この位置を時刻の経過に伴って刻々記憶していくことにより、無線ICタグ20、すなわち訪問者70の位置、及び運動状態(軌跡、ベクトルなど)を運動解析結果として出力する。なお、電界強度に基づいて無線ICタグ20の位置を算出する方法としては、例えば、特開2002−159041号公開公報に記載された方法などを用いることが考えられる。
駆動制御部104は、画像解析部101、権限判定部102、運動解析部103からの出力を受け取りこれらに基づいて、通過制御装置40を駆動して通過ポイントにおける通過許可状態/通過不許可状態の切り替え(例えば、電子錠の解錠状態/施錠状態の切り替え)を行うか否かを判定する。すなわち、
(1) 権限判定部102からの権限検査結果が通過許可状態にしてよいことを示しており、
(2) 運動解析部103からの運動解析結果が通過許可状態にしてよいことを示しており、
(3) 画像解析部101からの画像解析結果が通過許可状態にしてよいことを示している
という条件が満たされた場合にのみ通過制御装置40を駆動して通過ポイントを通過不許可状態から通過許可状態へ切り替えるよう、通過制御装置40を駆動させる。
権限検査結果が通過許可状態にしてよいことを示す場合とは、無線ICタグ20から読み取った固有IDが入退室権限を有するものである場合である。
運動解析部103からの運動解析結果が通過許可状態にしてよいことを示している場合とは、無線ICタグ20の所持、携帯者である無線ICタグ保持者201の運動状態が、通過ポイントを通過許可状態に切り替えるのに適している場合、例えば、通過ポイントに向かって進んでいるものと判断できる場合である。
図3は、運動解析部103からの運動解析結果が通過許可状態にしてよいことを示している場合の一例を示す図である。図3において、無線ICタグ保持者201は通過ポイントである扉80に向かって進んでくる運動をしているものとする。このような運動状態はリーダ/ライタ30によって読み取った電界強度による位置測定によって把握したものである。このような運動解析結果を受け取った駆動制御部104は、運動解析部103からの運動解析結果が通過許可状態にしてよいことを示している場合と判定する。
図4は、運動解析部103からの運動解析結果が通過許可状態にしてよいことを示していない場合の一例を示す図である。図4の例では、無線ICタグ保持者201は通過ポイントである扉80の前を横切る運動をしているものとする。このような無線ICタグ保持者201の運動状態は、通過ポイントを通過する意図でなく、ただどこかべつの目的地に向かって移動中の運動状態と推定できる。このような場合に、通過ポイントを通過許可状態にしてしまうと、第三者の思わぬ進入を許してしまうおそれがある。そのため、このような運動解析結果を受け取った駆動制御部104は、運動解析部103からの運動解析結果が通過許可状態にしてよいことを示していないと判定する。
さて、次に画像解析部101からの画像解析結果について述べる。
画像解析部101からの画像解析結果が通過許可状態にしてよいことを示している場合とは、撮影範囲内、すなわち通過ポイントである扉80周辺に無線ICタグ20の所有、携帯者である無線ICタグ保持者201以外に対象が存在していない場合、あるいは無線ICタグ保持者201以外に対象が存在していても、その運動状態が通過ポイント侵入の危険のあるものでない場合、などである。
図5は、画像解析結果が通過許可状態にしてよいことを示している場合の一例を示す図である。図5に示す例では、無線ICタグ保持者201は通過ポイントである扉80に向かって進んでくる運動状態である。また、撮像装置50の撮影範囲内には、無線ICタグ20を有さない者である無線ICタグ不保持者202が存在することが画像解析の結果判明しており、かつその運動状態は通過ポイントである扉80から遠ざかる運動をしている状態である。
かかる場合には、無線ICタグ不保持者202は存在しているが、通過ポイントから遠ざかるように移動しているため、通過ポイントを通過許可状態にしても思わぬ進入を許してしまうおそれはない。そのため、駆動制御部104は、このような内容の画像解析結果を画像解析部101から受け取った場合、その画像解析結果は通過許可状態にしてよいことを示している、と判定する。なお、画像解析の結果抽出されたそれぞれの対象が無線ICタグ保持者201か無線ICタグ不保持者202であるかは、無線ICタグ20の位置を示す、運動解析部103の解析結果と、画像解析による対象の位置情報を比較対照することにより、どの対象が無線ICタグ保持者201で、どの対象が無線ICタグ不保持者202であるのかが決定される。
図6は、無線ICタグ保持者201は通過ポイントである扉に向かって進んでくる運動をしているとともに、無線ICタグ不保持者202が通過ポイントである扉80に向かってくる運動をしている場合を示している。このような場合には、無線ICタグ不保持者202が存在しており、かつその運動状態が通過ポイントを通過してしまうおそれのある運動状態であることから、駆動制御部104は、図6に対応する画像解析結果を受け取った場合、画像解析部101からの画像解析結果が通過許可状態にしてよいことを示してしていない、と判定する。
図7は、無線ICタグ保持者201が通過ポイントである扉80に向かって進んでくる運動をしているとともに、無線ICタグ不保持者202が運動(移動)はしておらず通過ポイント近辺に留まっているという場合を示している。このような場合には、無線ICタグ保持者201のために通過ポイントを通過可能状態にすると、無線ICタグ不保持者202がその機に乗じて通過ポイントを通過してしまうおそれがあることから、駆動制御部104は、画像解析部101からの画像解析結果が通過許可状態にしてよいことを示してしていない、と判定する。
図2に戻り、入退出管理システム1の構成例の説明を続ける。
撮像装置50は、通過ポイント周辺を撮影して画像データを生成、出力する装置であって、デジタルビデオ、CCDカメラなどである。
リーダ/ライタ30は、無線ICタグ20が記憶する識別情報である固有IDを無線により読み取り可能な装置である。なお、本発明において、リーダ/ライタ30は読み取り機能があれば足り、必ずしも書き込み機能は必要ではなく、書き込み機能のない装置であっても本発明にいうリーダ/ライタ30に該当する。また、本発明におけるリーダ/ライタ30は無線ICタグ20から受信した信号の強度(電波強度、電界強度)を測定して測定した強度を情報として出力する機能を有している必要がある。
通過制御装置40は、通過ポイントの通過許可状態、通過不許可状態を切り替えるための機械的動作を実行する装置であって、例えば電子錠、あるいは駆動モータにより駆動される機械式ドア、ゲート、シャッター、扉などである。通過制御装置40は、入退出管理装置10、より詳しくは駆動制御部104からの信号に応じて通過ポイントの通過許可状態/通過不許可状態を切り替えるように動作する。例えば、電子錠であれば、解錠状態、施錠状態を動判定部からの信号に応じて切り替える。
無線ICタグ20は、予め識別情報を記憶しており、その識別情報を無線により読み取ることが可能な装置である。なお、本実施の形態では、無線ICタグ20と呼ぶが、同様の機能を果たすことができる装置であれば、無線ICタグ20以外の装置であっても本発明に適用可能である。
[入退出管理装置の動作例]
次に、本実施の形態にかかる入退出管理システム1の動作例について、図8を参照しながら説明する。図8は、入退出管理システム1の動作例となる入退出管理方法について説明する。
まず、入退出管理システム1は、無線ICタグ20の読み取り処理を実行する(S801)。より詳しくは、リーダ/ライタ30から無線読み取り用信号を送信し、リーダ/ライタ30により無線ICタグ20からの応答の有無を検出する。
リーダ/ライタ30が無線ICタグ20を検出しなかった場合(S802,No)、入退出管理システム1は、何もせず入退出管理方法の実行を終了する。
一方、無線ICタグ20から応答がありリーダ/ライタ30が無線ICタグ20の検出をした場合(S802,Yes)には、入退出管理システム1、より詳しくは権限判定部102は、リーダ/ライタ30が無線ICタグ20から読み取った固有IDを受け取り、この固有IDに基づいて、当該固有IDは通過権限あるいは入退出権限を有するか否かを判定する(S803)。このとき、リーダ/ライタ30は無線ICタグ20から読み取った固有IDを権限判定部102に渡すと共に、固有ID読み取りの際に受信した電界強度の測定結果を運動解析部103に渡す。
権限判定部102がその固有IDは入退出権限を有しないと判定した場合(S804,No)には、入退出管理システム1は、何もせず入退出管理方法の実行を終了する。
一方、権限判定部102が入退出権限を有すると判定した場合(S804,Yes)には、入退出管理システム1、より詳しくは運動解析部103は、リーダ/ライタ30から取得した電界強度の測定結果に基づいて、入退出権限を有すると判定された無線ICタグ20の位置及び運動状態を算出する(S805)。例えば、運動解析部103は、その無線ICタグ20の時刻Aにおける位置は座標(a,b)で、その運動ベクトルは(l、m)であることを示すデータを算出し、この算出したデータである運動解析結果に基づいて、通過ポイントを通過許可状態にしてよいか否かを判定する。
運動解析部103が通過許可状態にしてはいけないと判定した場合(S806、No)、例えば、無線ICタグ20は、通過ポイントから遠ざかるように移動している場合、入退出管理システム1は、何もせず入退出管理方法の実行を終了する。
一方、運動解析部103が通過許可状態にしてよいと判定した場合(S806、Yes)、例えば、無線ICタグ20は、通過ポイントに向かって移動している場合、入退出管理システム1、より詳しくは画像解析部101は、対象抽出を行い撮影範囲内に対象(通常状態では撮影範囲内に存在していない対象、人、車、など)を画像データより抽出し、かつ抽出した対象のうちどれがS801において読み取った無線ICタグ20に対応する対象(無線ICタグ保持者201に相当する)で、どれが無線ICタグ20に対応しない対象(無線ICタグ不保持者202に相当する)かを運動解析部103の解析結果を参照しながら決定する(S807)。
画像解析部101が抽出した対象が無線ICタグ20に対応する対象、すなわち無線ICタグ保持者201のみであった場合、すなわち無線ICタグ不保持者202を検出しなかった場合(S808,No)、画像解析部101は通過ポイントを通過許可状態にするよう駆動制御部104に要求し、この要求に応じて駆動制御部104は通過制御装置40の駆動を行う(S811)。
一方、画像解析部101が抽出した対象が無線ICタグ20に対応する対象以外にも存在した場合、すなわち無線ICタグ不保持者202を検出した場合(S808,Yes)、画像解析部101はその無線ICタグ不保持者202の位置及び運動状態を算出する(S809)。
算出した位置及び運動状態に基づいて、運動解析部103が通過許可状態にしてよいか否かを判定する(S810)。
運動解析部103が通過許可状態にしてはいけないと判定した場合(S810、No)、例えば、無線ICタグ不保持者202が通過ポイントに近づくように移動している場合、あるいは通過ポイント近辺に留まっている場合、入退出管理システム1は、何もせず入退出管理方法の実行を終了する。
一方、運動解析部103が通過許可状態にしてよいと判定した場合(S810、Yes)、例えば、無線ICタグ不保持者202は、通過ポイントから遠ざかるように運動している場合、あるいは通過ポイントから遠方に留まっている場合など、入退出管理システム1、より詳しくは画像解析部101は通過ポイントを通過許可状態にするよう駆動制御部104に要求し、この要求に応じて駆動制御部104は通過制御装置40の駆動を行う(S811)。
入退出管理システム1は、上記S801からS811を所定のタイミングで繰り返し実行することで、適切な通過ポイントの通過許可状態への切り替えを行う。
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態において、リーダ/ライタ30は、無線ICタグ20から受信した信号の強度(電波強度、電界強度)を測定して、測定した強度を情報として出力するとしたが、第2の実施の形態にかかるリーダ/ライタ30は、無線ICタグ20の固有IDに関する読み取り成功回数又は成功率を情報として出力する。例えば、リーダ/ライタ30は100回の読み取り処理を行った結果、固有ID「0001」については成功回数「50回」又は成功確率50%、固有ID「0001」については成功回数「75回」又は成功確率75%といった情報を出力する。
本実施の形態における入退出管理装置10の運動解析部103は、リーダ/ライタ30が出力する固有IDに関する読み取り成功回数又は成功率に基づいて、その固有IDを有する無銭ICタグ20の位置、運動状態を判定する点で、第1の実施の形態と異なっている。
各読み取り処理において、各リーダ/ライタ30は、そのリーダ/ライタ30の交信領域に存在するすべての無線ICタグ20と交信を行い、交信の結果読み取りに成功した固有IDすべてを運動解析部103に通知する。
運動解析部103は、各リーダ/ライタ30が通知した読み取り結果を記憶する機能を有する。図9に、運動解析部103が記憶する読み取り結果データの一例を示す。図9に示す読み取り結果データは、ある一つのリーダ/ライタからの読み取り結果をテーブルとして記憶している例を示している。このようなテーブル90は、各リーダ/ライタ30について、一つずつ運動解析部103に記憶される。
テーブル90は、リーダ/ライタ30が読み取った固有IDごとに一つのレコード901を有している。各レコード901は、固有IDを格納する固有IDフィールド902,1回目の読み取り処理の結果、対応する固有IDの読み取りが成功したか否かを格納する1回目フィールド903,2回目の読み取り処理の結果、対応する固有IDの読み取りが成功したか否かを格納する2回目フィールド904,3回目の読み取り処理の結果、対応する固有IDの読み取りが成功したか否かを格納する3回目フィールド905,…(4回目フィールドから99回目フィールドは図略)、所定回数である100回目の読み取り処理の結果、対応する固有IDの読み取りが成功したか否かを格納する100回目フィールド906、1回目から100回目までの読み取り処理結果のうち、読み取り成功回数を格納する成功回数フィールド907,及び成功回数に基づいて決定される推定距離フィールド908を有している。
固有IDフィールド902には、リーダ/ライタ30から通知された固有IDが格納される。なお、一のレコードには一つの固有IDが格納されるため、一回の読み取り操作で例えば、90個の固有IDが読み取られた場合には、90個のレコード901がテーブル90に作られることとなる。
1回目フィールド903から100回目フィールド906には、その回の読み取り処理の結果、対応する固有IDがリーダ/ライタ30から通知されたか否かを示す情報が格納される。この例では、「1」は、その回の読み取り処理結果において、対応する固有IDがリーダ/ライタ30から通知されたこと、すなわち「0」はその回の読み取り処理結果において、対応する固有IDがリーダ/ライタ30から通知されなかったこと、すなわち、固有IDを有する無線ICタグ20の読み取りに失敗したことを示す。
成功回数フィールド907は、1回目フィールド903から100回目フィールド906のうち、対応する固有IDがリーダ/ライタ30から通知されたことを示す情報が格納されているフィールドの数、すなわち、そのレコード901に対応する固有IDを有する無線ICタグ20の読み取り成功回数を格納する。
推定距離フィールド908は、成功回数フィールド907に格納された成功回数に基づいて推定される距離、すなわち、そのレコードに対応する固有IDを有する無線ICタグと、このリーダ/ライタ30との推定距離が格納される。なお、推定距離は、後述する位置算出部303によって算出される情報であって、この例ではテーブル90の一部としているが、必ずしもテーブル90の一部である必要はない。
先にも述べているが、上記テーブル90は、各リーダ/ライタ30について一つ作成される。
運動解析部103は、成功回数フィールド907に格納された成功回数に基づいて各リーダ/ライタ30と各固有IDを有する無線ICタグ20の間の推定距離を算出し、各推定距離に基づいて、各固有IDを有する無線ICタグ20を算出する。
図10は、位置算出部303が成功回数から推定距離を算出するために用いるデータの一例を示す。図に示すデータは、成功回数(縦軸)の値に応じて、推定距離を一意に定めるためのグラフである。例えば、成功回数100であれば推定距離は0,成功回数50回であれば推定距離L、成功回数25であれば、推定距離2Lというように定めることができる。かかるデータは、無線ICタグ20とリーダ/ライタ30との距離を変えながら成功回数の統計を取るなどして、作成する方法が考えられるが、その他の方法によってこのようなデータを作成しても構わない。
図11は、運動解析部103が、成功回数から算出された推定距離に基づいて、無線ICタグ20の推定位置を算出した結果を格納するテーブルの例を示す。なお、この例では、2つの異なるリーダ/ライタ30(以下、リーダ/ライタA,リーダ/ライタBと呼んで区別する)を用いて位置特定を行うものとする。このテーブル110は、固有IDごとに一つのレコード1101を有している。各レコード1101は、固有IDを格納する固有IDフィールド1102,リーダ/ライタAとの推定距離を格納する第1推定距離フィールド1103,リーダ/ライタBとの推定距離を格納する第2推定距離フィールド1104,及び固有IDに対応する無線ICタグ20の推定位置を格納する推定位置フィールド1105を有している。
推定位置フィールド1105に格納される推定位置は、第1推定距離フィールド1103及び第2推定距離フィールド1104に格納される推定距離に基づいて、位置算出部303が算出する。図12は、第1推定距離フィールド1103及び第2推定距離フィールド1104に格納される推定距離に基づいて推定位置を算出する方法の概念図である。この例では、ある空間(例えば、倉庫)1200に2つのリーダ/ライタA,Bが設けられている。リーダ/ライタAの位置を点P、リーダ/ライタAの位置を点Qとする。
ある無線ICタグ20とリーダ/ライタAの推定距離がL1であって、その無線ICタグ20とリーダ/ライタBの推定距離がL2であるとする。すると、この無線ICタグは点Pを中心とした半径L1の円1201上であって、かつ点Pを中心とした半径L2の円1202上を満たす位置に存在すると考えられる。すなわち、円1201と円1202の交点を求めることにより、無線ICタグ20の推定位置を得ることができる。
なお、推定位置は必ずしも座標情報でなくともよく、ある広がりを持ったエリア(例えば、空間を16の区画に分割して得られる個々の区画)を特定する情報を推定位置としてもよい。図12に示す例では、交点が2つ存在するため、一意に座標を定めることができない。このような場合には、これら2つの交点を含むエリアを推定位置とするようにしてもよい。
上記のようにして算出した推定位置は、それぞれのレコード1101の推定位置フィールド1105に格納される。運動解析部103は、このテーブル110を参照することにより、固有IDごとの推定位置を算出し、各無線ICタグ20の推定位置及びその推定位置を元にした運動状況を算出することが可能となる。
この位置及び運動状況は、図8の運動状態判定(S805)において用いられることは第1の実施の形態と同様であり、それ以降の処理(S806〜S811)についても第1の実施の形態と同様である。
その他の点については、第1の実施の形態と同様であるので詳細な説明は省略する。
第2の実施の形態にかかる
[変形例、その他]
(1)上記実施の形態では、成功回数に基づいて推定距離を決定するとして説明したが、成功確率(成功回数/全読み取り処理回数)に基づいて推定距離を決定するようにしても、本発明は成立する。
(2)上記の入退出管理システム1にさらにバイオメトリクス認証を行うための認証手段を付加してもよい。例えば、無線ICタグ20保持者が通過ポイント直前まで到達した状態で、指紋、静脈、顔、虹彩などのバイオメトリクス認証を行い、このバイオメトリクス認証にも成功した場合にのみ、上記図8,ステップS811の通過制御装置40駆動が実行されるようにする。このような変形することにより、無線ICタグ20の不正に取得した者(拾った、盗んだ)が、不正に管理対象領域に侵入することを防止できる。
(3)上記の入退出システムにさらに人工音声発生手段を付加して上記入退出管理方法の実行において、様々なメッセージや警告を発するようにしてもよい。例えば、無線ICタグ20不保持者が通過ポイント近辺に留まっているため、通過制御装置40を駆動させることができない場合には、「おそれいりますが、至急通過ポイントから離れてください」などのメッセージを人口音声などにより発するようにしてもよい。また、無線ICタグ20保持者、あるいは無線ICタグ20不保持者が急速に通過ポイントに接近して衝突のおそれがある場合には、「危険です。速度を落としてください」などのメッセージを人口音声などにより発するようにしてもよい。
入退出管理システムの概念図 入退出管理システムのブロック図 入退出管理システムが通過許可状態にしてよいと判定する一例を示す図 入退出管理システムが通過許可状態にしてはいけないと判定する一例を示す図 入退出管理システムが通過許可状態にしてよいと判定する一例を示す図 入退出管理システムが通過許可状態にしてはいけないと判定する一例を示す図 入退出管理システムが通過許可状態にしてはいけないと判定する一例を示す図 入退出管理システムの動作例を示すフローチャート 運動解析部が記憶する読み取り結果データの一例を示す図 運動解析部が成功回数から推定距離を算出するために用いるデータの一例を示す図 運動解析部が、成功回数から算出された推定距離に基づいて、無線ICタグの推定位置を算出した結果を格納するテーブルの例を示す図 第1推定距離フィールド及び第2推定距離フィールドに格納される推定距離に基づいて推定位置を算出する方法の概念図
符号の説明
1 …入退出管理システム
10 …入退出管理装置
20 …無線ICタグ
30 …リーダ/ライタ
40 …通過制御装置
50 …撮像装置
101 …画像解析部
102 …権限判定部
103 …運動解析部
104 …駆動制御部

Claims (5)

  1. 無線により読み取り可能な識別情報を記憶した識別情報記憶媒体から前記識別情報を読み取り、この読み取った識別情報に基づいて進入退出の可否を判断する入退出管理システムであって、
    前記識別情報記憶媒体から前記識別情報を読み取るとともに、読み取りの際の電界状態を測定する読み取り手段と、
    通過ポイントの前を撮影する撮像手段と、
    前記読み取り手段及び撮像手段の出力に基づいて進入退出の可否を判断する入退出管理装置と
    を有し、
    前記入退出管理装置は、前記識別情報に基づいて、その識別情報記憶媒体に関して進入退出の権限の有無を判定し、かつ読み取りの際の電界状態からその識別情報記憶媒体の位置及び運動状態を算出し、
    前記撮像手段が出力する画像データから、前記識別情報記憶媒体を所持する対象の他の対象の存否を判定し、
    上記進入退出の権限の有無、識別情報記憶媒体の位置及び運動状態、及び他の対象の存否に基づいて、通過ポイントを通過許可状態にするか否かを判定する
    ことを特徴とする入退出管理システム。
  2. 前記入退出管理装置は、撮像手段が出力する画像データから前記他の対象の位置と運動状態を判定し、進入退出の権限の有無、識別情報記憶媒体の位置及び運動状態、及び他の対象の存否並びに前記他の対象の位置と運動状態に基づいて、通過ポイントを通過許可状態にするか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の入退出管理システム。
  3. 読み取り手段が識別情報記憶媒体から読み取った識別情報に基づいて、進入退出の権限の有無を判定する権限判定手段と、
    前記読み取り手段が識別情報記憶媒体から識別情報を読み取る際の電界状態に基づいて、前記識別情報記憶媒体との距離を算出し、算出した距離に基づいて前記識別情報記憶媒体の位置及び運動状態を算出する運動解析手段と、
    通過ポイントの周辺を撮影する撮像装置から画像データを取得し、画像データを解析して通過ポイント周辺の領域である撮影範囲内に存在する対象を抽出し、抽出した対象のうち前記識別情報記憶媒体に対応しない対象の位置及び運動状態を算出する画像解析手段と
    を有し、
    前記進入退出の権限の有無、識別情報記憶媒体の位置及び運動状態、及び前記識別情報記憶媒体に対応しない対象の位置及び運動状態に基づいて、通過ポイントを通過許可状態にするか否かを判定する
    ことを特徴とする入退出管理装置。
  4. 前記電界状態は、電界強度又は読み取り成功回数であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の入退出管理システム。
  5. 前記電界状態は、電界強度又は読み取り成功回数であることを特徴とする、請求項3に記載の入退出管理装置。
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