JP4627404B2 - 鞍乗り型不整地走行車両用保護具 - Google Patents

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Description

本発明は、鞍乗り型不整地走行車両用保護具に関するものである。
従来の鞍乗り型不整地走行車両用保護具として、サスペンションアームに取付けたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
実開平6−37090号公報
特許文献1の図3を以下の図11で説明する。なお、符号は振り直した。
図11は従来の鞍乗り型不整地走行車両用保護具を示す要部正面図であり、フレーム201に軸受202を介して上側アーム部材203を上下動自在に取付け、同じくフレーム201に軸受204を介して下側アーム部材206を上下動自在に取付け、これらの上側アーム部材203及び下側アーム部材206のそれぞれの先端にナックル207を連結し、このナックル207に回転自在に前輪208を取付け、この前輪208に駆動源側である前輪デフ(不図示)からドライブシャフト211を延ばすことで駆動力を伝える構造とし、下側アーム部材206にガードプレート212を取付けた不整地走行車両を示す。
上記従来の技術では、ガードプレート212は、ドライブシャフト211の中央部は覆っているが、ドライブシャフト211の両端部を覆うものではないため、例えば、フレーム201近傍又はナックル207の近傍からの飛び石等に対しては、別の配慮が要求される場合がある。
また、例えば、前輪208を転舵した場合、前輪208と共にナックル207が揺動して前後に移動するため、ドライブシャフト211の端部、例えば、ドライブシャフト211に設けた自在継手を覆うゴムブーツがガードプレート212から外れる場合がある。
更に、ナックル207にディスクブレーキ用のブレーキキャリパを取付けたものでは、前輪208の転舵時に、ブレーキキャリパがガードプレート212に干渉しないようにガードプレート212をナックル207から大きく離して配置することがある。この場合、ガードプレート212とゴムブーツとの隙間がより大きくなるので、ゴムブーツに対する配慮が要求される可能性が大きくなる。
本発明の目的は、鞍乗り型不整地走行車両用保護具を改良することで、ドライブシャフト、特に自在継手に備えるゴムブーツを効果的に保護することにある。
請求項1に係る発明は、左右の前輪をサスペンションアームを介して車体に各々独立に懸架し、駆動源側から延ばした左右一対のドライブシャフトで前輪に駆動力を伝達し、ドライブシャフトの両端部にそれぞれ設けた自在継手をゴムブーツで覆ってなる鞍乗り型不整地走行車両において、ゴムブーツは、少なくともその前方が保護具で覆われ、この保護具を、駆動源側保護具と前輪側保護具とからなり、駆動源側に設けられるゴムブーツは、駆動源側保護具で覆われて保護され、前輪側に設けられるゴムブーツは、前輪側保護具で覆われて保護され、駆動源側保護具はサスペンションアームに取付けられ、前輪側保護具はナックルに取り付けられ、前輪側保護具は、円弧状の凸面を前方に向けた部材であり、前輪側保護具は、ゴムブーツとキャリパとの間に配置されており、この前輪側保護具にはキャリパとの干渉を防ぐ切欠き部を含み、この切欠き部によって、ゴムブーツを覆うブーツ覆い部がほぼコ字状となるように切り欠き、駆動源側保護具は、車両の正面視で、前輪側保護具とオーバーラップするように延出され、駆動源側保護具は、前輪側保護具の前方斜め下方を覆う下部膨出部でゴムブーツを覆ったことを特徴とする。
ドライブシャフトの両端部にそれぞれ設けたゴムブーツを保護具で保護し、ゴムブーツに飛び石、泥水等が撥ねたり、低木が当たったりするのを保護具で防止することが可能になる。
護具を駆動源側保護具と前輪側保護具とに別々に設けたことで、それぞれのゴムブーツに合わせて駆動源側保護具及び前輪側保護具の形状を決めることが可能になる。
動源側保護具及び前輪側保護具をそれぞれ剛性の高いサスペンションアーム及びナックルに取付けるため、駆動源側保護具及び前輪側保護具を確実に支持することが可能になる。また、前輪側保護具をナックルに取付けるため、例えば、前輪を転舵した場合に、従来の保護具では、保護具からゴムブーツが離れる心配があったが、本発明では、ナックルと共に前輪側保護具が揺動するためにゴムブーツから前輪側保護具が離れにくくなる。
また、前輪側保護具、円弧状の凸面を前方に向けた部材とした
ゴムブーツの前方を円弧状の前輪側保護具で回り込ませるようにして確実に保護する。
請求項に係る発明は、前輪側保護具を、前輪を回転自在に支持するナックルに一体成形したことを特徴とする。
前輪側保護具をナックルに一体成形することで、部品数を減らすことが可能になる。
請求項に係る発明は、駆動源側保護具を、サスペンションアームの車体中央寄りに取付けたことを特徴とする。
駆動側保護具をサスペンションアームの車体中心寄りに配置して、駆動源側保護具の上下動をより小さくする。
請求項に係る発明は、駆動源側保護具、サスペンションアームを構成する2本のパイプに跨って設けたブラケットに取付けられることを特徴とする。
サスペンションアームの2本のパイプに跨って駆動源側保護具取付け用のブラケットを設けたことで、ブラケットのサスペンションアームへの取付けが強固にできる。
請求項に係る発明は、駆動源側保護具が、下からサスペンションアームの前側に沿わせるように配置されていることを特徴とする。
駆動源側保護具を下からサスペンションアームの前側に沿わせるように配置することで、サスペンションアームで駆動源側保護具の回り止めを行うことができ、サスペンションアームに一対のボルト及びナットだけで固定することが可能になり、部品数低減によるコスト削減を図ることができる。
請求項1に係る発明では、ドライブシャフトの両端部にそれぞれ設けた自在継手を保護具で保護し、自在継手、特に自在継手に備えるゴムブーツを飛び石、泥水、低木等から保護することができる。
また、保護具を駆動源側保護具と前輪側保護具とに別々に設けたことで、それぞれのゴムブーツに合わせて駆動源側保護具及び前輪側保護具の形状を決めることができ、ゴムブーツを効果的に保護することができる。
更に、駆動源側保護具及び前輪側保護具をそれぞれ剛性の高いサスペンションアーム及びナックルに取付けるため、駆動源側保護具及び前輪側保護具を確実に支持することができる。また、前輪側保護具をナックルに取付けるため、例えば、前輪を転舵した場合に、従来の保護具では、保護具からゴムブーツが離れて保護範囲から外れる場合があったが、本発明では、ナックルと共に前輪側保護具が揺動するためにゴムブーツから前輪側保護具が離れにくくなり、前輪転舵時でも前輪側保護具の保護効果を維持することができる。
更にまた、ゴムブーツの前方を円弧状の前輪側保護具で回り込ませるようにして確実に覆い保護することができる。
このように、内側ガード部材でドライブシャフトの大部分を保護することができ、車両のより一層の悪路走破性を向上させることができ、また、外側ガード部材で覆いにくい場所、即ち、外側ガード部材とブレーキキャリパとの間から切欠き部を通じてゴムブーツに飛び石等が当たらないように外側ガード部材の前方斜め下方を内側ガード部材、詳しくは、内側ガード部材に設けた下部膨出部で覆うことができる。
請求項に係る発明では、前輪側保護具をナックルに一体成形することで、部品数を減らすことができ、コストを削減することができる。
請求項に係る発明では、駆動側保護具をサスペンションアームの車体中心寄りに配置して、駆動源側保護具の上下動をより小さくし、ゴムブーツを効果的に保護することができる。
請求項に係る発明では、サスペンションアームの2本のパイプに跨って駆動源側保護具取付け用のブラケットを設けたことで、ブラケットのサスペンションアームへの取付けが強固にでき、駆動源側保護具をブラケットで確実に支持することができる。
請求項に係る発明では、駆動源側保護具が、下からサスペンションアームの前側に沿わせるように配置されているので、サスペンションアームで駆動源側保護具の回り止めを行うことができ、サスペンションアームに一対のボルト及びナットだけで固定することが可能になり、部品数低減によるコスト削減を図ることができる。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る鞍乗り型不整地走行車両の側面図であり、鞍乗り型不整地走行車両10(以下、単に「車両10」と記す。)は、車体フレーム11の前部に図示せぬサスペンションアームを介して幅広の前輪12,13(手前側の符号12のみ示す。)を取付け、車体フレーム11の後方に図示せぬサスペンションアームを介して幅広の後輪14,15(手前側の符号14のみ示す。)を取付け、車体フレーム11の中央部にエンジン17及び変速機18からなるパワーユニット21を取付け、このパワーユニット21で前輪12,13及び後輪14,15をそれぞれ駆動する四輪駆動車である。
ここで、24はステアリグシャフト、26はエンジン17の前部から後方へ延ばした排気管、27は排気管26の後端に接続した消音器、31はエンジン17の後部に吸気管32を介して接続したキャブレタ、33はキャブレタ31にコネクティングチューブ34を介して接続したエアクリーナ、36はフロントキャリア、37はヘッドランプ、38はラジエータ、41はフロントフェンダ、42はハンドル、43は燃料タンク、44はシート、46はリヤキャリア、47はリヤフェンダ、48はステップである。
車体フレーム11は、前後に延ばした左右のアッパメインフレーム55,56(手前側の符号55のみ示す。)と、これらのアッパメインフレーム55,56の下方に配置するとともにアッパメインフレーム55,56の前端及び後端に連結したロアメインフレーム57,58(手前側の符号57のみ示す。)と、ステアリングシャフト24の中間部を支持するためにアッパメインフレーム55,56の前部に取付けたほぼL字状のL字フレーム62,62(手前側の符号62のみ示す。)及び起立フレーム63,63(手前側の符号63のみ示す。)と、フロントキャリア36を支持するためのフロントフレーム64,64(手前側の符号64のみ示す。)とを備える。
また、車体フレーム11は、アッパメインフレーム55,56の前部に設けた前部傾斜部66,66(手前側の符号66のみ示す。)とロアメインフレーム57,58とにそれぞれ渡して取付けた傾斜フレーム67,67(手前側の符号67のみ示す。)と、この傾斜フレーム67,67及び前部傾斜部66,66とにそれぞれ渡して取付けることでステアリングシャフト24の下部を支持するサブ傾斜フレーム68,68(手前側の符号68のみ示す。)と、アッパメインフレーム55,56の後端及びロアメインフレーム57,58の後部のそれぞれに取付けた湾曲フレーム71,71と、リヤキャリア46を支持するためにアッパメインフレーム55,56の後端部上部に取付けたリヤ第1フレーム72,72(手前側の符号72のみ示す。)と、リヤキャリア46を支持するために湾曲フレーム71,71に取付けたリヤ第2フレーム73,73(手前側の符号73のみ示す。)とを備える。
図2は参考例に係る車両の要部正面図であり、前輪12を懸架するサスペンション80を示す。
サスペンション80は、車体フレーム11の前部に左右に渡した4本のアーム支持部81,82(アーム支持部81の奥側に配置したアーム支持部81及びアーム支持部82の奥側に位置したアーム支持部82は不図示。)と、アーム支持部81,81の端部に上下スイング自在に取付けたアッパアーム83と、アーム支持部82,82の端部に上下スイング自在に取付けたロアアーム84と、これらのアッパアーム83及びロアアーム84のそれぞれの先端にボールジョイント86,87を介して連結したナックル88と、このナックル88に回転自在に取付けたハブ(不図示)と、車体フレーム11及びアッパアーム83のそれぞれに渡したクッションユニット(不図示)とからなり、このハブに前輪12を取付ける。
ナックル88は、ディスクブレーキ用のブレーキキャリパ(不図示。詳細は後述する。)を取付ける第1アーム125及び第2アーム126を備える。
ここで、91はパワーユニット21(図1参照)の下部から前方に延ばしたフロントプロペラシャフト(不図示)の先端に連結した駆動源側としてのフロントファイナルアセンブリ(終減速装置)であり、このフロントファイナルアセンブリ91からドライブシャフト93を介してハブに動力を伝え、前輪12を駆動する。
95,96はドライブシャフト93の両端部に設けた自在継手、即ち等速ジョイント97,98を覆うゴムブーツであり、一方のゴムブーツ95の前方及び前方斜め下方を、ロアアーム84にボルト101で取付けた駆動源側保護具としての内側ガード部材102で覆い、他方のゴムブーツ96の前方を、ナックル88にボルト104,104で取付けた前輪側保護具としての外側ガード部材105で覆う。なお、前輪13に動力を伝えるドライブシャフトを構成する等速ジョントのゴムブーツを覆う内側ガード部材及び外側ガード部材については、上記の内側ガード部材102及び外側ガード部材105と同一形状、同一取付構造であり、以降の説明は省略する。
図3は本発明に係る車両用保護具を説明する斜視図(車両前方を矢印(FRONT)で表す。以下同じ。)であり、ナックル88の第1アーム125及び第2アーム126に前輪側保護具としての外側ガード部材105及びキャリパブラケット107を取付け、キャリパブラケット107にブレーキキャリパ108を取付けたことを示す。なお、109,109(一方の符号109のみ示す。)はナックル88にキャリパブラケット107を取付けるボルト、110,110はキャリパブラケット107にブレーキキャリパ108を取付けるボルトである。
外側ガード部材105は、ゴムブーツ96の前方を覆う部材であり、ブレーキキャリパ108との干渉を防ぐために切欠き部117を設けたものである。
図4は本発明に係る車両の外側ガード部材取付構造を示す正面図であり、ナックル88の第1アーム125及び第2アーム126にめねじ111,111を形成し、外側ガード部材105に形成したフランジ部112,113にそれぞれボルト挿通穴114,114を開け、ボルト104,104をそれぞれボルト挿通穴114に通すととともにめねじ111にねじ込むことで、ナックル88に外側ガード部材105を取付けたことを示す。
外側ガード部材105は、ゴムブーツ96(図2参照)を覆うブーツ覆い部115と、ほぼコ字状に切欠いた切欠き部117と、ブーツ覆い部115に一体成形した前述のフランジ部112,113とからなる。なお、121はアッパアーム83(図2参照)に連結するためにナックル88に設けたアッパアーム連結部、122はロアアーム84(図2参照)に連結するためにナックル88に設けたロアアーム連結部である。
図5は図4の5矢視図であり、ナックル88及び外側ガード部材105を車両内方から見た図である。ナックル88は、ブレーキキャリパ108(図3参照)を取付けるための第1アーム125及び第2アーム126を備え、この第1アーム125及び第2アーム126に外側ガード部材105を取付けた部品である。なお、125a,126aはブレーキキャリパ108を取付けるために第1アーム125及び第2アーム126のそれぞれに開けた取付穴、128はハンドル42(図1参照)側、即ち操舵系に連結するためにナックル88に設けた第3アームである。
外側ガード部材105は、ゴムブーツ96の前方を覆うようにブーツ覆い部115を円弧状としてゴムブーツ96を囲うようにした部品であり、円弧の両端をボルト104,104でナックル88に取付ける。なお、115aはブーツ覆い部115の凸状とした前面(即ち、凸面である。)である。
図6は図5の6矢視図であり、ドライブシャフト93のゴムブーツ96の前方を外側ガード部材105で覆ったことを示す。
このように、ナックル88に外側ガード部材105を取付け、この外側ガード部材105でゴムブーツ96の前方を覆うことで、ゴムブーツ96に外側ガード部材105を近接させて配置することができ、外側ガード部材105によるゴムブーツ96の保護効果を高めることができる。
図7は本発明に係るロアアームの平面図であり、ロアアーム84は、ほぼ直線状としたフロントパイプ131と、ロアアーム84をナックル88(図2参照)に連結するためにフロントパイプ131の先端に取付けたブラケット132と、このブラケット132の後部に屈曲させて連結したリヤパイプ133と、これらのフロントパイプ131及びリヤパイプ133のそれぞれに渡したクロスパイプ134とからなり、フロントパイプ131とクロスパイプ134とに跨るようにブラケット136を取付け、このブラケット136にナット137を取付けた部材であり、ボルト101(図2参照)をナット137にねじ込んで、内側ガード部材102(図2参照)をブラケット136に下方から取付けることを示す。なお、138,138はロアアーム84をアーム支持部82(図2参照)に取付けるためのアーム側取付部、141はフロントパイプ131、ブラケット132及びリアパイプ133の連結部を補強する補強プレートである。
図示したように、内側ガード部材102を下からフロントパイプ131の前側に沿わせるように配置することで、フロントパイプ131で内側ガード部材102の回り止めを行うことができ、ロアアーム84に一対のボルト101及びナット137だけで固定することが可能になり、部品数低減によるコスト削減を図ることができる。
以上に述べた外側ガード部材105の作用を次に説明する。
図8(a),(b)は本発明に係る車両の外側ガード部材の作用を示す作用図である。
(a)において、例えば、ハンドルを右に切り、ナックル88を、アッパアーム連結部121及びロアアーム連結部122に設けた支軸145(ここでは、支軸145を点で表す。)を中心にして矢印で示す方向にスイングさせると、外側ガード部材105は、ゴムブーツ96に近づきつつゴムブーツ96の前方を覆う。
(b)において、例えば、ハンドルを左に切り、ナックル88を、支軸145を中心にして矢印で示す方向にスイングさせると、外側ガード部材105は、ゴムブーツ96から遠ざかりつつゴムブーツ96の前方を覆う。しかし、ゴムブーツ96から外側ガード部材105が遠ざかる距離は、従来のような、サスペンションアームにガード部材を取付ける場合に比べて小さい。
図9は本発明に係る内側ガード部材の実施形態を示す要部正面図であり、ロアアーム84に内側ガード部材151をボルト101,152で取付け、この内側ガード部材151でドライブシャフト93のゴムブーツ95に加え、2つの等速ジョイント97,98間を連結するシャフト153をも覆い、更に内側ガード部材151を外側ガード部材105に正面視でオーバーラップするように延ばしたことを示す。なお、155はロアアーム84に取付けたブラケット、156はブラケット155に取付けることでボルト152にねじ結合するナットである。
このように、内側ガード部材151でドライブシャフト93の大部分を保護することができ、車両のより一層の悪路走破性を向上させることができ、また、外側ガード部材105で覆いにくい場所、即ち、外側ガード部材105とブレーキキャリパ108との間から切欠き部117を通じてゴムブーツ96に飛び石等が当たらないように外側ガード部材105の前方斜め下方を内側ガード部材151、詳しくは、内側ガード部材151に設けた下部膨出部158で覆うことができる。
以上の図2で説明したように、本発明は第1に、左右の前輪12,13(図1参照。前輪13は不図示。)を車体に対して各々独立に懸架し、駆動源側であるフロントファイナルアセンブリ91から延ばした左右一対のドライブシャフト93,93で前輪12,13に駆動力を伝達し、ドライブシャフト93の両端部にそれぞれ設けた等速ジョイント97,98をゴムブーツ95,96で覆ってなる鞍乗り型不整地走行車両10において、ゴムブーツ95,96に少なくとも、その前方を覆う保護具102,105を設けたことを特徴とする。
ドライブシャフト93の両端部にそれぞれ設けた等速ジョント97,98を保護具102,105で保護し、等速ジョイント97,98、特に等速ジョイント97,98に備えるゴムブーツ95,96を飛び石、泥水、低木等から保護することができる。
本発明は第2に、保護具102,105を、ゴムブーツ95,96のそれぞれを別々に保護する内側ガード部材102と外側ガード部材105とから構成したことを特徴とする。
保護具102,105を内側ガード部材102と外側ガード部材105とに別々に設けたことで、それぞれのゴムブーツ95,96に合わせて内側ガード部材102及び外側ガード部材105の形状を決めることができ、ゴムブーツ95,96を効果的に保護することができる。
本発明は第3に、内側ガード部材102を、前輪12,13を上下自在に支持するロアアーム84に取付け、外側ガード部材105を、前輪12,13を回転自在に支持するナックル88に取付けたことを特徴とする。
内側ガード部材102及び外側ガード部材105をそれぞれ剛性の高いロアアーム84及びナックル88に取付けるため、内側ガード部材102及び外側ガード部材105を確実に支持することができる。また、外側ガード部材105をナックル88に取付けるため、例えば、前輪12,13を転舵した場合に、従来の保護具では、保護具からゴムブーツが離れてゴムブーツの保護ができなくなる心配があったが、本発明では、ナックル88と共に外側ガード部材105が揺動するためにゴムブーツ96から外側ガード部材105が離れにくくなり、前輪12,13の転舵時でも外側ガード部材105の保護効果を維持することができる。
本発明は第4に、図5に示したように、外側ガード部材105を、円弧状の凸状の前面115aを前方に向けた部材としたことを特徴とする。
ゴムブーツ96の前方を円弧状の外側ガード部材105で回り込ませるようにして確実に覆い保護することができる。
本発明は第5に、外側ガード部材を、前輪12,13を回転自在に支持するナックル88に一体成形したことを特徴とする。
外側ガード部材をナックル88に一体成形することで、部品数を減らすことができ、コストを削減することができる。
本発明は第6に、図2に示したように、内側ガード部材102を、ロアアーム84の車体中央寄りに取付けたことを特徴とする。
内側ガード部材102をロアアーム84の車体中心寄りに配置して、内側ガード部材102の上下動をより小さくし、ゴムブーツ95を効果的に保護することができる。
本発明は第7に、図7で説明したように、内側ガード部材102を、ロアアーム84を構成するフロントパイプ131及びクロスパイプ134に跨って設けたブラケット136に取付けたことを特徴とする。
ロアアーム84のフロントパイプ131及びクロスパイプ134に跨って内側ガード部材102取付け用のブラケット136を設けたことで、ブラケット136のロアアーム84への取付けが強固にでき、内側ガード部材102をブラケット136で確実に支持することができる。
本発明は第8に、図9で説明したように、内側ガード部材151及び外側ガード部材105を、正面視でオーバーラップさせて配置したことを特徴とする。
内側ガード部材151及び外側ガード部材105を正面視でオーバーラップさせる、即ち、外側ガード部材105の端部の前方に内側ガード部材151の端部を重ねることで、ドライブシャフト93の等速ジョイント97,98のシャフト153をも保護することができ、保護範囲を広くすることができる。また、例えば、内側ガード部材151を外側ガード部材105まで延ばして、外側ガード部材105で保護が難しい部分を内側ガード部材151で保護することが可能になり、ドライブシャフト93のゴムブーツ96の保護をより一層確実に行うことができる。
図10は本発明に係る車両用保護具の別実施形態を説明する斜視図であり、図3に示した実施形態と同一構成については同一符号を付け、詳細説明は省略する。
前輪12,13(図1参照。前輪13は不図示)をハブを介して回転自在に支持するナックル161は、第1アーム125及び第2アーム126に前輪側保護具としての外側ガード部162を一体に備え、第1アーム125及び第2アーム126にキャリパブラケット107を取付け、キャリパブラケット107にブレーキキャリパ108を取付けた部材であり、外側ガード部162でゴムブーツ96の前方を覆う。
このように、ナックル161に、ゴムブーツ96を保護する外側ガード部162を一体に形成したことで、部品数を減らすことができ、コストを低減することができる。
尚、本実施形態では、図2に示したように、ゴムブーツ95の前方を内側ガード部材102で覆い、ゴムブーツ96の前方を外側ガード部材105で覆ったが、これに限らず、ゴムブーツ95の前方斜め下方、ゴムブーツ95の下方をも内側ガード部材102で覆い、ゴムブーツ96の前方斜め下方、ゴムブーツ96の下方をも外側ガード部材105で覆ってもよい。
また、図9に示したように、ゴムブーツ95及びシャフト153の前方を内側ガード部材151で覆ったが、これに限らず、ゴムブーツ95及びシャフト153の前方斜め下方、ゴムブーツ95及びシャフト153の下方をも内側ガード部材151で覆ってもよい。
本発明の保護具は、鞍乗り型不整地走行車両に好適である。
本発明に係る鞍乗り型不整地走行車両の側面図である。 参考例に係る車両の要部正面図である。 本発明に係る車両用保護具を説明する斜視図である。 本発明に係る車両の外側ガード部材取付構造を示す正面図である。 図4の5矢視図である。 図5の6矢視図である。 本発明に係るロアアームの平面図である。 本発明に係る車両の外側ガード部材の作用を示す作用図である。 本発明に係る内側ガード部材の実施形態を示す要部正面図である。 本発明に係る車両用保護具の別実施形態を説明する斜視図である。 従来の鞍乗り型不整地走行車両用保護具を示す要部正面図である。
10…鞍乗り型不整地走行車両、12,13…前輪、84…サスペンションアーム(ロアアーム)、88,161…ナックル、91…駆動源側(フロントファイナルアセンブリ)、93…ドライブシャフト、95,96…ゴムブーツ、97,98…自在継手(等速ジョイント)、102,151…駆動源側保護具(内側ガード部材)、105,162…前輪側保護具(外側ガード部材、外側ガード部)、108…ブレーキキャリパ、115a…凸面(前面)、125,126…アーム(第1アーム、第2アーム)、131,134…パイプ(フロントパイプ、クロスパイプ)、136…ブラケット。

Claims (5)

  1. 左右の前輪(12、13)をサスペンションアーム(84)を介して車体に各々独立に懸架し、駆動源側から延ばした左右一対のドライブシャフト(93)で前記前輪(12、13)に駆動力を伝達し、前記ドライブシャフト(93)の両端部にそれぞれ設けた自在継手(97、98)をゴムブーツ(95、96)で覆ってなる鞍乗り型不整地走行車両において、
    前記ゴムブーツ(95、96)は、少なくともその前方が保護具で覆われ、この保護具は、駆動源側保護具(151)と前輪側保護具(105)とからなり、
    前記駆動源側に設けられるゴムブーツ(95)は、前記駆動源側保護具(105)で覆われて保護され、前記前輪側に設けられるゴムブーツ(96)は、前記前輪側保護具(105)で覆われて保護され、
    前記駆動源側保護具(151)はサスペンションアーム(84)に取付けられ、前記前輪側保護具(105)はナックル(88)に取付けられ、
    前記前輪側保護具(105)は、円弧状の凸面(115a)を前方に向けた部材であり、
    前記前輪側保護具(105)は、前記ゴムブーツ(96)とキャリパ(108)との間に配置されており、この前輪側保護具(105)には前記キャリパ(108)との干渉を防ぐ切欠き部(117)を含み、
    この切欠き部(117)によって、前記ゴムブーツ(96)を覆うブーツ覆い部(115)がほぼコ字状となるように切り欠き、
    前記駆動源側保護具(151)は、車両の正面視で、前記前輪側保護具(105)とオーバーラップするように延出されると共に、前記前輪側保護具(105)の前方斜め下方を覆う下部膨出部(158)で前記ゴムブーツ(96)を覆ったことを特徴とする鞍乗り型不整地走行車両用保護具。
  2. 前記前輪側保護具(105)は、前記前輪(12、13)を回転自在に支持するナックル(88)に一体成形されることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型不整地走行車両用保護具。
  3. 前記駆動源側保護具(151)は、前記サスペンションアーム(84)の車体中央寄りに取付けられることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型不整地走行車両用保護具。
  4. 前記駆動源側保護具(151)は、前記サスペンションアーム(84)を構成する2本のパイプに跨って設けたブラケット(155)に取付けられることを特徴とする請求項1又は請求項記載の鞍乗り型不整地走行車両用保護具
  5. 前記駆動源側保護具(151)は、下から前記サスペンションアーム(84)の前側に沿わせるように配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1項記載の鞍乗り型不整地走行車両用保護具。
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