JP4627390B2 - 中空糸膜の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は精密濾過中空糸膜の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子産業用、医薬医療用、家庭用、ボイラー用等の種々の用途において、高純度の水が多量に要求されるようになっており、この要求に応えるため、種々の高純度の水を多量に生成する方法の検討がなされてきた。その方法の1つとして、細菌等の除去が可能な、精密濾過膜を用いて水を浄化する方法が知られている。そして、このような用途に用いられる精密濾過膜として、単位面積当たりの分離性能の大きい、中空糸状の精密濾過膜(以下、「中空糸膜」と称する。)が知られている。
【0003】
従来の中空糸膜の製造方法について、特開昭57−66114号公報、特開平5−49878号公報に開示されている。
すなわち、被処理水中の細菌等の不要成分を高度に阻止することができるとともに、透水性に優れた中空糸膜を製造する方法として、溶融した樹脂を中空糸状に紡糸することにより中空糸を得た後、該中空糸をアニール処理(加熱処理)し、次いで、延伸することにより糸内に多数の空孔を形成し、多数の細孔を有する中空糸膜を製造する方法が採用されている。
また、中空糸膜の製造方法に用いる樹脂としては、化学的安定性、耐久性に優れることから、比較的高分子のポリエチレン等の結晶性ポリマーが広く用いられている。
【0004】
上に述べた製造工程で、最も中空糸膜の特性に影響を与えるのは、アニール処理工程である。アニール処理の巧拙で、空孔の質が決定される。特開昭57−66114号公報、特開平5−49878号公報等に、種々のアニール処理に関する技術が開示されている。具体的には、処理雰囲気、温度、アニール時の張力等が検討されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の中空糸膜の製造方法では、特に比較的高分子量の結晶性ポリマーを用いる場合には、結晶性ポリマーの紡糸により配向結晶化させても、ラメラ内の分子鎖が繊維軸(この場合では中空糸の長手方向)に対して傾斜しており、この分子鎖を繊維軸方向へ配向させるためには、長時間のアニール処理が必要であり、典型例としては5時間以上のアニール処理を行う必要があるため、バッチ式でアニール処理を行わざるを得ないので、その結果、アニール用加熱設備(製造設備)を大型化する必要があるとともに、生産効率が低下し、エネルギーコストが増大するという問題があった。
【0006】
また、アニール処理が不十分な場合には、延伸処理時における空孔形成が不均一になり、その結果、所望の膜特性(分離特性、分画特性、細孔径、空孔率等)を有する中空糸膜を安定して得ることができないことがあった。
【0007】
そこで、本発明は、結晶分子鎖の繊維軸方向への配向向上用設備の小型化、生産効率の向上、製造コストの低減を図るとともに、所望の膜特性を有する中空糸膜を安定して得ることが可能な中空糸膜の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の中空糸膜の製造方法は、溶融した結晶性ポリマーを紡糸して中空糸とする紡糸工程と、該中空糸を延伸して多孔質化する延伸工程とを有する中空糸膜の製造方法において、該紡糸工程と該延伸工程との間に伸長と弛緩を行う工程を有することを特徴とする。
また、前記伸長と弛緩を行う工程の少なくとも一部は加熱条件下で行うと、結晶配向秩序の向上効果が高いため好ましい。この際、周速度の異なる複数の駆動ローラーを用いて、伸長と弛緩を行うと、連続的に処理できるため好ましい。この際、中空糸を加熱炉に通すことによって加熱するか、駆動ローラーにて加熱すると、連続的に加熱処理できるため好ましい。
また、複数の駆動ローラーの間に駆動力の無いフリーローラーを配すると、弛緩時の処理時間を適宜調整できるため好ましい。
前記加熱条件が前記結晶性ポリマーの融点をTmとした時、(Tm−5)℃〜(Tm−50)℃の温度範囲であるとより好ましい。
また、前記伸長と弛緩を行う工程において、伸長と弛緩を2回以上行うこと、また、前記伸長と弛緩を行う工程において、伸長率が伸長時の温度での降伏点伸長率以下となるように伸長すること、また、前記伸長と弛緩を行う工程により、前記中空糸の50%伸長弾性回復率を40%以上とすることがそれぞれ、結晶配向秩序を向上させ、延伸後に形成される細孔を均一にできるため好ましい。
また、前記延伸工程が、冷延伸工程と熱延伸工程とを有すると、均一な細孔を安定して得ることができるため好ましい。さらに、0℃〜Tm−50℃の温度で冷延伸すること、熱延伸倍率を2〜10倍で熱延伸することがそれぞれより好ましい。
また、前記延伸工程の後、熱セット工程を有すると、中空糸膜の寸法を安定させることができるため好ましい。
また、前記延伸工程の後、親水処理工程を有すると、中空糸膜の透水性能を向上できるため好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の中空糸膜の製造方法について詳述する。
本発明の中空糸膜の製造方法は、溶融した結晶性ポリマーを押し出して中空糸を紡糸し、その中空糸を伸長後に弛緩させ、その後延伸することを特徴としている。延伸により細孔を形成させる製造方法は、中空糸賦形後に糸内に残存する溶剤を除去する工程が不要であるため、生産性にも優れている。
【0010】
なお、中空糸、中空糸膜は、それぞれ「延伸される前の細孔を有しないもの」、「延伸されて細孔が形成されたもの」をいう。また、伸長、延伸は、それぞれ「中空糸に細孔が形成されない程度に引き伸ばすこと」、「中空糸に細孔が形成される程度に引き伸ばすこと」をいう。
【0011】
はじめに、本発明の中空糸膜の製造方法に用いて好適な結晶性ポリマーの種類について説明する。
結晶性ポリマーとしては、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等の種々の熱可塑性樹脂を例示することができ、これらの中でも、ポリオレフィンは化学的に安定であり、膜から被処理水への溶出の恐れがなく、特に純度の高い水を生成するための中空糸膜用として好適である。ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−3−メチルブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリフッ化ビニリデン等を例示することができる。
【0012】
また、紡糸工程において得られる中空糸の密度やポリマーの平均分子量は後の延伸工程における細孔の形成に影響を与える。したがって、用いるポリマーの種類や製造する中空糸膜の性能等に応じてこれらを制御することが好ましい。
【0013】
結晶性ポリマーとしてポリエチレンを用いる場合には、紡糸後の中空糸のJIS K 7112に基づく密度が、0.95×103kg/m3以上であることが好ましく、0.96×103kg/m3以上であることがより好ましい。また、紡糸後の中空糸を構成するポリエチレンの重量平均分子量は、5.0×104以上であることが好ましい。ここで、ポリエチレンの重量平均分子量とは、ポリエチレンをo−ジクロロベンゼンに溶解し、GPC法にて分子量分布を測定したときの、ポリスチレン換算での平均値より求めたものである。
【0014】
中空糸膜としては、単一の細孔径を持つ単層構造のものと、異なる細孔径を有する層を、同心円状に積層した積層構造のものとが知られている。積層構造の中空糸膜においては、構成する各層は、上述の結晶性ポリマーのうち異なる種類か、同じポリマーであっても分子量分布等の性状の異なるものから得られる。
【0015】
次に、上述の結晶性ポリマーを用いた本発明の中空糸膜の製造方法を各工程について、順を追って説明する。
【0016】
(A)紡糸工程
はじめに、(A)紡糸工程において、中空糸膜の各層の異なるポリマー組成に対応して、各層を構成する一種類若しくは複数種類の結晶性ポリマーからなる溶融樹脂を、層の数だけ用意し、公知の方法により、中空糸を紡糸する。
【0017】
例えば、環状に形成された吐出口を有する公知の紡糸ノズルを用い、紡糸ノズルの吐出口から、押出機を用いて溶融樹脂を押し出すことにより、単層構造若しくは積層構造の中空糸を紡糸した後、冷却固化し、次いで巻き取り装置で巻き取ることにより中空糸を得ることができる。なお、単層構造の中空糸を紡糸する場合には、一種類の溶融樹脂を環状に形成された1個の吐出口から吐出し、積層構造の中空糸を紡糸する場合には、複数種類の溶融樹脂を、同心円状に配列された複数の環状の吐出口から各々同時に吐出することにより、中空糸を紡糸することができる。
【0018】
紡糸する際の樹脂の加熱温度は、紡糸中に樹脂が固化しない温度、すなわち、樹脂の融点以上に設定する必要があるが、紡糸中に樹脂が固化することを完全に防止するためには、樹脂の融点より10〜100℃高い温度に設定することが好ましい。一方、紡糸後の中空糸は、紡糸筒を用いてクエンチするのが好ましく、紡糸筒内を流れる風の温度は、10〜40℃程度に設定することが好ましい。また、冷却後の中空糸の巻き取りは、巻き取り速度20〜600m/分で行われることが好ましい。ただし、本発明はこれらの製造条件に限定されるものではない。
【0019】
紡糸から巻き取りまでの工程は連続して行われるため、紡糸直後の中空糸は巻き取り装置により引っ張られた状態になっている。その結果、各結晶性ポリマー分子に張力がかかり、分子鎖が配向して配向結晶化が起こり、スタックドラメラの積層構造が形成される。そして、後の延伸工程においてこのスタックドラメラの積層構造を破壊することにより、細孔が形成される。
【0020】
(B)伸長と弛緩を行う工程
以上の(A)紡糸工程を経て得られた中空糸は、(B)伸長と弛緩を行う。この処理は、紡糸工程において中空糸内に形成されたスタックドラメラを成長させ、結晶配向秩序を向上させるために実施されるものであり、従来のアニール処理に相当する効果を持つものである。
【0021】
本発明者らは鋭意検討を進めた結果、伸長と弛緩を交互に行うことり、効果的に結晶配向秩序を向上させることができ、短時間で処理の効果が得られ、生産性に優れることを見出した。なお、伸長と弛緩はバッチ式で行っても良いし、連続的に行っても良い。
【0022】
伸長と弛緩を行う際は、少なくともそのどちらかは加熱条件下で行うと、効果的に結晶配向秩序を向上させることができるため好ましい。温度は、中空糸を構成する結晶性ポリマーの融点をTm(℃)とすると、その下限値は、(Tm−50)℃以上が好ましく、(Tm−40)℃以上がより好ましく(Tm−30)℃以上が更に好ましい。上限値は、(Tm−5)℃以下が好ましく、(Tm−7)℃以下がより好ましく(Tm−10)℃以下が更に好ましい。
加熱処理は、乾熱熱風式、スチーム(蒸気)加熱式、真空加熱式、加熱ロール接触式など、公知の方法を用いることができる。
【0023】
表1に、伸長と弛緩を行った場合と、伸長のみを行った場合の、ポリエチレン中空糸の50%伸長弾性回復率の測定結果を示す。50%伸長弾性回復率は、空孔形成の指標となるもので、大きいほど好ましい。
検討は、恒温層付きの引っ張り引張り試験機(島津AG−1000D)を用いて行った。試長(チャック間距離)を150mmとし、これに中空糸を取り付けた後、恒温層の温度を110℃に設定して5分間置いた(加熱待機時間)後、伸長処理又は伸長−弛緩処理を行った。この時、伸長速度及び弛緩速度を150mm/minとした。
【0024】
また、各々の処理時間は、伸長処理または伸長−弛緩処理時間を5分とした。すなわち、伸長処理の場合は、伸長開始から所定の条件まで伸長した後も、そのままの状態で保持することにより、伸長開始からの全処理時間を5分間とした。また、伸長−弛緩処理は、伸長開始後所定の伸長率に達してから、連続的に所定の弛緩率まで弛緩させた後、そのままの状態で保持することにより、伸長開始からの全処理時間を5分間とした。
【0025】
表1に、得られた中空糸の50%伸長弾性回復率の測定結果を示す。この結果から、伸長処理のみよりも、弛緩処理を行った方が好ましいことがわかる。
【表1】
【0026】
次に、図1に伸長と弛緩を行ったポリエチレン中空糸の50%伸長弾性回復率の測定結果を示す。
「○」印は伸長と弛緩を行っていない中空糸、「□」印は伸長率15%で伸長処理を行った中空糸、「●」印は伸長率15%かつ弛緩率66.7%で処理を行った中空糸を示している。
伸長と弛緩処理は、中空糸を固定できるチャックを有し、かつこれを手動で移動することが可能な手回し延伸機と、手回し延伸機を挿入できるように側面に開口部を有する乾熱オーブンを用いて行った。詳細には、手回し延伸機のチャックに中空糸を固定したのち、チャックで固定された中空糸をオーブンの開口部より挿入し、チャックを手動で移動させることによって所定の条件で処理を行った。
処理温度は、110℃である。
【0027】
図1から、中空糸を伸長のみ行いながら処理するよりも、伸長の後弛緩させる方が50%伸長弾性回復率が大きくなり、かつ伸長後の弛緩工程の繰り返し回数が多くなるほど、50%伸長弾性回復率が、さらに大きくなることが判る。
伸長後弛緩させる工程の回数の下限値は1回であるが、効果的な処理を行うためには、回数が多いことが望ましい。これは、傾いた分子鎖を繊維軸方向にきちんと配向させ、ラメラ周辺の不完全な結晶を完全な構造へと変化させるためには、1回の伸長−弛緩よりも、2回以上伸長−弛緩を繰り返す方が好ましいからである。この回数は設備的な制約等によって決まる。
【0028】
なお、伸長率は最初の糸長をS0、伸長した長さをS1とすると、下記式(1)にて求めるものとする。また弛緩率は、弛緩後の長さをS2とすると、下記式(2)にて求めるものとする。すなわち、伸長した長さに対して弛緩した長さの割合であり、弛緩率0%は全く弛緩しないことになり、弛緩率50%は伸長した長さの1/2を弛緩させたことになり、弛緩率100%は伸長した長さを全て弛緩させたことになる。
【式1】
【式2】
【0029】
本発明の伸長と弛緩を連続で行う場合、例えば図2に示すような加熱炉と駆動ローラーを配置し、駆動ローラーの周速度を制御して、伸長と弛緩を行う方法などが考えられる。駆動ローラーの周速度を制御する方法は、駆動ローラーの直径が同じ場合は各々のローラーの回転数を変えることによって制御可能であり、駆動ローラーの回転数が同じ場合には、各々の駆動ローラーの直径を変更することによって制御可能である。
【0030】
図2において、1〜3は駆動ローラーであり、各々の駆動ローラーの周速度は、V1、V2、V3(m/分)とする。4〜10は、駆動力は無いが、自由に回転するフリーローラーである。11は加熱炉であり、駆動ローラーの周速度をV1<V2、かつV2>V3のように調節することによって、12で示される中空糸を伸長した後、弛緩させながら処理することが可能である。
【0031】
駆動ローラー2と駆動ローラー3の間にフリーローラー4〜10を配置し、中空糸をこれらフリーローラーを介して折り返すことにより、炉長の長い加熱炉を用いなくても加熱処理時間を長くできる。また、フリーローラーの設置数を変更することにより、加熱炉中の滞在時間の調節も可能である。
なお、図2の例では駆動ローラーは加熱炉の外部、フリーローラーは加熱炉の内部に配置されているが、これらの位置は特に限定はされず、両方を加熱炉の内部に配置しても、或いは両方を加熱炉の外部に配置しても構わない。
【0032】
駆動ローラー1と駆動ローラー2の間で伸長するときの伸長率は、駆動ローラー1の周速度をV1(m/分)、駆動ロ−ラー2の周速度をV2(m/分)としたとき、下記式(3)にて求めるものとする。次に、ローラー2とローラー3の間で弛緩させるときの弛緩率は、ローラー3の周速度をV3(m/分)とすると、下記式(4)にて求めるものとする。すなわち、伸長した長さに対して弛緩した長さの割合であり、弛緩率0%は全く弛緩しないことになり、弛緩率50%は伸長した長さの1/2を弛緩させたことになり、弛緩率100%は伸長した長さを全て弛緩させたことになる。
【式3】
【式4】
【0033】
また、例えば図3に示すような、加熱炉の前後に駆動ローラーのみを多段に配置し、各駆動ローラーの周速度を制御して伸長と弛緩を行う方法も可能である。図3において、13〜24は駆動ローラーであり、各々の駆動ローラーの周速度は、V13(m/分)〜V24(m/分)とする。25は加熱炉であり、駆動ローラーの周速度を調節することによって、26で示される中空糸を伸長及び弛緩させながら処理することが可能である。
なお、図3では各々の駆動ローラーは加熱炉の外部に配置されているが、駆動ローラーの一部又は全部が加熱炉の内部に配置されても構わない。
【0034】
例えば、駆動ローラー13、駆動ローラー14、駆動ローラー15の周速度を、それぞれ1.0(m/分)、1.2(m/分)、1.05(m/分)とすると、駆動ローラー13と駆動ローラー14間の伸長率は20%であり、駆動ローラー14と駆動ローラー15間の弛緩率は75%である。
駆動ローラー16以降の周速度を、駆動ローラー13〜15と同様に変化させることにより、中空糸の伸長と弛緩を繰り返し行うことができる。
【0035】
なお、本発明では、結晶配向秩序の向上効果を促進するために、弛緩にて処理を終了することが好ましい。図3の場合、駆動ローラー13と駆動ローラー14間で伸長、駆動ローラー14と駆動ローラー15間で弛緩、駆動ローラー15と駆動ローラー16間で伸長等を繰り返すと、駆動ローラー22と駆動ローラー23間で弛緩となるが、このようなケースでは、(駆動ローラー23の周速度)=(駆動ローラー24の周速度)として定長処理することも可能である。なお、駆動ローラー数はこれに限定されるものではない。
また、中空糸が弛緩する部位の駆動ローラー間に、フリーローラーを配置することも可能である。
【0036】
また、図4に示すように、周速度が異なる駆動ローラーを複数配置し、各駆動ローラーの周速度を制御して伸長と弛緩を行いつつ、駆動ローラーによって加熱することもできる。図4において、27〜33は加熱可能な駆動ローラーであり、各々の駆動ローラーの周速度は、V27(m/分)〜V33(m/分)とすると、V27<V28、V28>V29 ...となるようにように、各々の駆動ローラーの周速度を調節しながら加熱することによって、35で示される中空糸を伸長及び弛緩させながら加熱処理することが可能である。なお、駆動ローラーの全部を加熱可能としても良いし、一部のみを加熱可能としても良い。
この方法においても、最後の処理は弛緩で終わることが好ましいが、駆動ローラーの数によっては、図3の装置同様に、最後段の駆動ローラーと、その一段前の駆動ローラーの周速度を同じにして定長処理とすることも可能である。
【0037】
駆動ローラーのみで中空糸を加熱しながら処理しても良いが、外気による温度低下を避けるためには、処理帯域内を外気と遮断できるような構造にしても良い。さらに、加熱炉内に加熱ローラーを配置することにより、処理帯域内の温度を均一に維持することも可能である。各ローラー間の伸長率および弛緩率は、図3の場合と同様にして求めるものとする。
なお、ローラー数などはこれに限定されるものではない。
【0038】
伸長率は応力歪み測定で使われる伸度と同義語であって、伸長により伸びた長さの元の長さに対する%を表す量であるが、処理する温度での降伏点伸長率以下であると、スタックドラメラを破壊することなく結晶配向秩序を向上させることができるため好ましい。
【0039】
なお、降伏点伸長率とは、降伏点における伸長率を言い、降伏点は応力歪み測定によって求められる。降伏点には、応力歪み曲線上で明瞭な極大点として現れる場合と、傾きの変化点として現れる場合が知られており、前者の場合は極大点、後者では傾きの変化の前後に引いた接線の交点をもって降伏点とする(例えば、高分子学会、高分子辞典編集委員会編、新版高分子辞典、朝倉書店、1988年発行、第152項)。なお、応力歪み測定は、伸長するときの変形速度と同じ条件で測定を行うのが好ましいが、異なる変形速度で応力歪み測定を行って類推することも可能である。
【0040】
結晶配向秩序を向上させる効果を達成するには、伸長率を降伏点伸長率の1/15以上とすることが好ましく、降伏点伸長率の1/6以上がより好ましく、降伏点伸長率の1/3以上がさらに好ましい。
【0041】
弛緩率は、0〜100%の間で適宜設定されるが、でき得る限り100%に近づけることが好ましい。しかしながら弛緩率が100%に近づくと、中空糸が弛むために連続プロセスで伸長、弛緩処理することが困難になる恐れがある。従って、弛緩率の上限は装置に制約される。
【0042】
伸長、弛緩を行う処理時間の下限値は5秒以上が好ましく、30秒以上がより好ましい。処理時間はでき得る限り長い方が好ましいが、製造装置が大型化する可能性があるため、本発明の趣旨である装置の小型化の観点から、30分以下が好ましく、15分以下がより好ましい。
【0043】
次に50%伸長弾性回復率について説明する。
結晶性ポリマーの溶融紡糸−延伸による空孔形成は、結晶性ポリマーのハードエラスティック(Hardelastic)な力学的性質を利用していることが知られている。結晶性ポリマーに代表されるHardelastic材料に特徴的な力学的性質として、図5に示すような応力歪曲線を示すことが挙げられる。すなわち、図5に示すように、Hardelastic材料は、応力を連続的に上昇させることにより伸長歪を増大させ、次に応力を連続的に降下させたときに高い歪回復性を示すことが特徴的である。
【0044】
このことは、伸長歪の増大により積層したスタックドラメラ(結晶)が互いに離間し、その間に空孔が形成されるが、応力の減少とともに、スタックドラメラが再び近接することによると考えられている。そして、応力を連続的に降下させる際の歪回復性を定量的に示す指標が伸長弾性回復率である。なお、このようなHardelastic材料に特徴的な力学的性質については、例えば、黒田敏彦、滝澤章、永澤満編、「高分子の基礎物性と応用」((株)シーエムシー、1984年発行)などに記載されている。
【0045】
本発明において、伸長弾性回復率は以下のようにして測定、算出するものとする。すなわち、測定に際して応力歪測定装置を用い、離間配置された一対のチャック間に、試長L0となるように試験サンプルを取り付けた後、一定の引っ張り速度で長さがL1になるまで伸長し、所定時間その状態を保持した後、伸長時と同じ速度でチャック間距離がL0になるまで戻す。途中L2で応力はゼロになるが、これは元の長さL0に戻るまで続く。このときの応力歪挙動をチャート紙等に記録し(図5参照)、下記式(5)に基づいて伸長弾性回復率を算出する。
【0046】
なお、図5に示すように、伸長長さは試験サンプルを伸長した長さであり、L1―L0に相当する。一方、応力を降下させ、応力が0になった時の長さをL2とすると、回復長さはL1―L2で表される。本発明では、L0の50%を伸長して、L1=1.5L0として測定するものとし、このときの伸長弾性回復率を「50%伸長弾性回復率」と定義する。
【式5】
【0047】
本発明者は、この50%伸長弾性回復率を40%以上にすることにより、後の延伸工程における空孔形成を均一化できることを見出した。すなわち、50%伸長弾性回復率が40%以上であるということは、スタックドラメラの積層構造がより強固に保持されることを意味している。このような構造が、後の延伸工程において、スタックドラメラの積層構造の弱い部分が強い部分よりも先に破壊されることを防止してくれる。それゆえ50%伸長弾性回復率が40%以上の場合、均一に細孔を形成することができるのである。回復率が大きくなるほど、細孔の均一さが向上する。
【0048】
従って本発明においては、伸長と弛緩処理により50%伸長弾性回復率を好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上、特に好ましくは55%以上とする。50%伸長弾性回復率が40%以上は、結晶性ポリマーがポリエチレンの場合、例えば、伸長率及び弛緩率をそれぞれ30%および33%、温度を110℃、繰り返し回数を5回以上とすると達成できる。
【0049】
(C)延伸工程
上記(B)伸長と弛緩工程の後、中空糸を多孔質化するために、(C)延伸工程で延伸処理が行われ、多数の微細孔を有する中空糸膜が得られる。
紡糸後の中空糸に延伸処理を施すことによって、構造的に弱い非結晶部分に応力が集中し、非晶鎖が選択的に延伸方向に伸長し、その結果、スタックドラメラ間に開裂が生じ、同時にスタックドラメラの一部が剥離し、これらが集合してミクロフィブリルが形成される。一方、スタックドラメラ中において凝集力の強い部分が、その構造を保持した状態で応力に耐え、図6に示す中空糸膜のように、延伸方向に沿って形成された多数のミクロフィブリル15と、これが結合しているスタックドラメラ16との間にスリット状の微細孔17が多数形成される。なお、図6は中空糸膜の内部構造を拡大して示す模式図であり、延伸方向は図に示す通りである。
【0050】
延伸工程は、比較的低い温度で延伸を行う冷延伸工程と、冷延伸工程における処理温度よりも高い温度で延伸する熱延伸工程との2段階により構成されることが好ましく、このように2段階の延伸処理を施すことにより、細孔をより精密に制御することができる。
以下、冷延伸工程と熱延伸工程の2段階により延伸処理を施す場合を例として説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0051】
(C−1)冷延伸工程
冷延伸工程における冷延伸処理は、0℃〜Tm−50℃の温度範囲で行われることが好ましい。例えば、結晶性ポリマーとしてポリエチレンを用いた場合、冷延伸時の処理温度は、0〜80℃が好ましく、10〜50℃がより好ましい。このように紡糸後の中空糸に冷延伸処理を施すことによって、スタックドラメラ間に均一でミクロなクレーズ(ミクロクラック)を発生させることができる。
冷延伸倍率(冷延伸後の中空糸の長さ/冷延伸前の中空糸の長さ)は1.2〜3.0倍が好ましい。
【0052】
(C−2)熱延伸工程
熱延伸工程は、上述の冷延伸工程によって形成されたミクロクラックを拡大させ、スタックドラメラ間にミクロフィブリルを形成して、スリット状の微細孔を有する多孔質構造の中空糸膜を得る工程である。
熱延伸温度は、結晶性ポリマーの融点を超えない範囲で、できるだけ高い温度で行うことが好ましい。また、熱延伸倍率(熱延伸後の中空糸膜の長さ/熱延伸前の中空糸の長さ)は、目的とする細孔の孔径によって適宜選択することができるが、2〜10倍、好ましくは3〜6倍の範囲とすることが工程安定性の観点から好ましい。
【0053】
(D)熱セット工程
上記(C)延伸工程を経て得られた中空糸膜を最終製品としてもよいが、中空糸膜の寸法を安定化するために、(D)熱セット工程で先の熱延伸工程(C−2)よりも高い温度で熱処理を施すことが好ましい。熱セット温度は、熱延伸温度以上で、かつ結晶性ポリマーの融点以下に設定することが好ましい。
【0054】
(E)親水処理工程
次いで、必要に応じて、(E)親水処理工程において親水処理を施しても良い。具体的には、親水性高分子を溶媒に溶解した親水性高分子溶液中に中空糸膜を浸漬した後、乾燥処理により溶媒を蒸発させて、親水性高分子で被覆された中空糸膜を得ることができる。
このような親水処理を行うことにより、中空糸膜表面を親水化することができ、膜表面において被処理水がはじかれることを防止し、膜の透水性を向上することができる。さらに、親水処理を行うことにより、図7に示すように、ミクロフィブリル15は数本ずつ結束してミクロフィブリル束18となり、その結果、スリット状の微細孔17が楕円状の微細孔19になり、平均孔径を拡大することができるので、透過流束の向上を図ることができる。なお、図7は、図6に示した中空糸膜に親水処理を施した後の膜の内部構造を示す模式図であり、図6と同じ要素には同じ参照符号を付し説明は省略する。
【0055】
次に、本発明に係る実施例、及び比較例について説明する。
なお、実施例、比較例における評価項目及び評価方法は以下に示す通りである。
1.50%伸長弾性回復率
測定装置として、島津製作所製引っ張り試験器AG−1000Dを用いた。試長(チャック間距離)を50mmとし、引っ張り速度100mm/分で伸長した。25mm伸長したところで(チャック間距離が75mmになったところで)、1分間保持した後、再び100mm/分で、チャック間距離50mmまで戻した。このときの応力歪挙動をチャート紙に記録し、50%伸長弾性回復率を測定した。各々4本の中空糸で試験を行い、その平均値を50%伸長弾性回復率とした。
【0056】
2.製造装置
図3の装置は、加熱炉の前後に複数個のローラーを配置し、これらのローラーの周速度を調節することによって、伸長と弛緩を繰り返す処理を連続的にを行うことが可能な装置である。
同図において、25は炉長が0.8mの乾熱式の加熱炉であり、26で示される中空糸を加熱する。この加熱器の前後には、計12個のローラーが配置されており、各ローラーの周速度を調節することによって、伸長と弛緩を繰り返すことが可能である。
なお、図3に示す処理装置は一例であって、本発明はこの装置に限定されるものではない。
【0057】
3.応力歪み測定
測定装置として、島津製作所製引っ張り試験器AG−1000Dに温調用の恒温層を取り付けたものを用いた。試長(チャック間距離)を20mm、引っ張り速度50、100および200%/分、測定温度110℃で測定した。測定は各々4本の中空糸で試験を行い、降伏点を求めた。
【0058】
<実施例1>
結晶性ポリマーとしては、日本ポリケム(株)製HY540を用い、このポリエチレンを180℃で紡糸し、巻き取り速度30m/分で巻き取り、内径0.47mm、膜厚0.1mmの中空糸を得た。
この中空糸の応力歪み測定を行ったところ、引っ張り速度50、100、200%/分の時の降伏点における伸長率は、それぞれ、31%、32%、31%であった。
【0059】
得られた中空糸を、図3に示す製造装置を用いて連続的に伸長、弛緩を行った。加熱炉13の温度は、110℃とした。ローラー13〜24の周速度、伸長率、処理時間を表2に示す。図3及び表2に示すように、伸長と弛緩の繰り返し回数5回で処理を行った。なお、表2において伸長率の欄の括弧内の値は、最初の試長すなわちローラー13の周速度を基準にした時の伸長率であり、応力歪み測定の結果に基づき、降伏点を越えないように30%とした。
【0060】
【表2】
得られた中空糸の50%伸長弾性回復率を測定した結果、伸長と弛緩を繰り返した中空糸は、処理時間が890秒と短いにも関わらず、56%であった。
【0061】
<実施例2>
実施例1と同様の中空糸を、図2に示す製造装置を用いて連続的に伸長−弛緩を行った。加熱炉11の温度は110℃とした。また、ローラー1、ローラー2、ローラー3の周速度は、それぞれ、0.4m/分、0.52m/分、0.48m/分に設定し、伸長率を30%、弛緩率を33.3%とした。なお、加熱処理時間は、伸長に要する時間が約104秒、弛緩に要した時間が約815秒であった。
得られた中空糸の50%伸長弾性回復率を測定した結果、加熱処理時間が約919秒と短いにも関わらず、56%であった。
【0062】
<比較例1>
中空糸は、実施例1と同様のものを用いた。
巻き取られた中空糸をボビン巻きのまま、110℃の加熱炉にて60分間バッチアニールを行った。これらの中空糸の50%伸長弾性回復率を測定した結果、巻き取られただけの中空糸は33%、バッチアニールを行った中空糸は48%であった。
【0063】
実施例1、2及び比較例1の結果より明らかなように、伸長と弛緩を繰り返す製造方法は、バッチアニールより少ない時間で、50%伸長弾性回復率を大きくすることが可能であった。
【0064】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の中空糸膜の製造方法によれば、結晶配向秩序の向上用設備の小型化、生産効率の向上、製造コストの低減を図ることができるとともに、所望の膜特性を有する中空糸膜を安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アニール処理時の、伸長と弛緩と、伸長弾性回復率との関係を示す図である。
【図2】本発明を連続プロセスで行う場合の装置の一例である。
【図3】本発明を連続プロセスで行う場合の装置の別の例である。
【図4】本発明を連続プロセスで行う場合の装置の別の例である。
【図5】結晶性ポリマーの応力歪曲線の例を示す図である。
【図6】本発明の中空糸膜の内部構造の拡大模式図である。
【図7】図4の中空糸膜を親水処理した模式図である。
【符号の説明】
1〜3 駆動ローラー
4〜10 フリーローラー
11 加熱炉
12 中空糸
13〜24 駆動ローラー
25 加熱炉
26 中空糸
27〜33 加熱可能な駆動ローラー
34
35 中空糸
36 ミクロフィブリル
37 スタックドラメラ
38 微細孔
39 ミクロフィブリル束
40 微細孔
Claims (8)
- 溶融した結晶性ポリマーを紡糸して中空糸とする紡糸工程と、該中空糸を延伸して多孔質化する延伸工程とを有する中空糸膜の製造方法において、該紡糸工程と該延伸工程との間に伸長と弛緩を行う工程を有することを特徴とする中空糸膜の製造方法。
- 前記伸長と弛緩を行う工程の少なくとも一部は加熱条件下で行うことを特徴とする請求項1記載の中空糸膜の製造方法。
- 周速度の異なる複数の駆動ローラーを用いて、中空糸の伸長と弛緩を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の中空糸膜の製造方法。
- 前記複数の駆動ローラーの間に駆動力の無いフリーローラーを配したことを特徴とする請求項3記載の中空糸膜の製造方法。
- 前記結晶性ポリマーの融点をTm(℃)とした時、前記加熱条件が(Tm−5)℃〜(Tm−50)℃の範囲であることを特徴とする請求項2〜4いずれかに記載の中空糸膜の製造方法。
- 前記伸長と弛緩を行う工程において、伸長と弛緩を2回以上行うことを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の中空糸膜の製造方法。
- 前記伸長と弛緩を行う工程において、伸長率が伸長時の温度での降伏点伸長率以下となるように伸長することを特徴とする、請求項1〜6いずれかに記載の中空糸膜の製造方法。
- 前記伸長と弛緩を行う工程により、前記中空糸の50%伸長弾性回復率を40%以上とすることを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載の中空糸膜の製造方法。
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