JP4626488B2 - 液晶装置、液晶装置の製造方法、及び電子機器 - Google Patents

液晶装置、液晶装置の製造方法、及び電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、液晶装置、液晶装置の製造方法、及び電子機器に関する。
液晶プロジェクタ等の投射型表示装置の光変調手段として用いられる液晶装置は、一対の基板間の周縁部にシール材が配設され、その中央部に液晶が封止されて構成されている。その一対の基板の内面側には液晶に電圧を印加する電極が形成され、これら電極の内面側には非選択電圧印加時において液晶分子の配向を制御する配向膜が形成されている。このような構成によって液晶装置は、非選択電圧印加時と選択電圧印加時との液晶分子の配向変化に基づいて光源光を変調し、画像光を作製するようになっている。
ところで、前述した配向膜としては、側鎖アルキル基を付加したポリイミド等からなる高分子膜の表面に、ラビング処理を施したものが一般に用いられている。ラビング処理とは、柔らかい布からなるローラで高分子膜の表面を所定方向に擦ることにより、高分子を所定方向に配向させるものである。その配向性高分子と液晶分子との分子間相互作用により、配向性高分子に沿って液晶分子が配置されるので、非選択電圧印加時の液晶分子を所定方向に配向させることができるようになっている。また、側鎖アルキル基により、液晶分子にプレチルトを与えることができるようになっている。
しかしながら、このような有機配向膜を備えた液晶装置をプロジェクタの光変調手段として採用した場合、光源から照射される強い光や熱によって配向膜が次第に分解されるおそれがある。そして、長期間の使用後には、液晶分子を所望のプレチルト角に配列することができなくなるなど液晶分子の配向制御機能が低下し、液晶プロジェクタの表示品質が低下してしまうおそれがある。
そこで、耐光性および耐熱性に優れた無機材料からなる配向膜の使用が提案されており、このような無機配向膜の製造方法としては、例えば斜方蒸着法による酸化珪素(SiO)膜の成膜が知られている。
また、このような無機材料からなる配向膜とは別に、非水条件下で形成されたポリシラザン膜からなる配向膜も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−264998号公報
しかしながら、前記のポリシラザン膜からなる配向膜では、ポリシラザン自体が例えば塩素イオンを含有する場合、パネルに焼き付け現象を引き起こしやすいといった問題がある。また、このようなポリシラザン膜も基本的にはラビング処理を必要とすることから、このラビング処理によって液晶の配向ムラが生じ、色ムラを引き起こすおそれがある。
一方、斜方蒸着法などによって形成された無機配向膜についても、例えばこの無機配向膜が酸化珪素からなる場合など、その表面に分極した水酸基が多数存在してしまい、これら水酸基によって無機配向膜の防湿性が低くなるといった課題がある。すなわち、この水酸基はブレンステッド酸点としての活性があり、配向膜上に存在する不純物、特に水等の極性基を持つ化合物を吸着したり、これと反応したりし易い。その結果、特に水を吸着することにより、この水が液晶の劣化を引き起こしてしまうといった課題がある。また、水酸基が直接液晶分子と化学反応することにより、やはり液晶の劣化を引き起こすといった課題もある。
さらに、無機配向膜は一般にアモルファスであり、その表面がポーラスになっていることから、この無機配向膜とシール材との間の密着性が低くなっている。その結果、これらシール部における気密性が低くなり、シール部としての防湿性が低くなるといった課題もある。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、水分に起因する液晶の劣化を防止した液晶装置とその製造方法、さらにはこれを用いた電子機器を提供することにある。
本発明の液晶装置は、互いに対向する一対の基板間に液晶を挟持してなる液晶装置であって、
前記一対の基板のそれぞれの内面に無機配向膜が設けられ、
前記無機配向膜が、異なる分子量の複数のシランカップリング材によってそれぞれ表面処理されていることを特徴としている。
この液晶装置によれば、配向膜として無機配向膜を用いているので、有機配向膜に比べ耐光性および耐熱性に優れ、したがって耐久性に優れたものとなる。
また、無機配向膜が、異なる分子量の複数のシランカップリング材によってそれぞれ表面処理されているので、大きな分子量のシランカップリング材によって主に無機配向膜の表面が撥水化され、小さな分子量のシランカップリング材によって主に無機配向膜表層部の間隙内が撥水化されるようになる。したがって、無機配向膜の表層部のほぼ全体が撥水化されることにより、防湿性の向上が十分に図られたものとなり、これによって水分(湿気)に起因する液晶の劣化が確実に防止され、品質の長期に亘る安定化、すなわち長寿命化が図られたものとなる。
また、シランカップリング材は撥水性だけでなく耐光性の向上にも効果があることから、無機配向膜の耐光性がより向上し、これによっても長寿命化が図られたものとなる。
さらに、シランカップリング材で表面処理されているので、ポーラスになっている無機配向膜表面のミクロ的なポア(孔)がシランカップリング材で埋め込まれて緻密になり、したがってこの無機配向膜とシール材との間の密着性が高まり、これら無機配向膜とシール材との界面におけるシール部での気密性が高まってその防湿性が高まる。
また、前記液晶装置においては、前記無機配向膜が珪素酸化物からなっていてもよい。
無機配向膜が珪素酸化物からなっている場合、その表面に分極した水酸基が多数存在してしまうが、この無機配向膜をシランカップリング材で表面処理することにより、前記の水酸基にシランカップリング材が反応することで、この水酸基による水の吸着等を無くすことができる。また、特に異なる分子量の複数のシランカップリング材で表面処理されているので、分子量の大きなシランカップリン材だけではその立体障害により全ての水酸基と反応するのが困難であるが、分子量の小さなシランカップリン材によっても表面処理することで、大きなシランカップリン材と反応した水酸基の間の、未反応の水酸基に関しても、小さなシランカップリン材と反応することで、この水酸基による水の吸着等を無くすことができる。
また、前記液晶装置においては、前記複数のシランカップリング材は有機官能基としてアルキル基を有し、分子量が大きい方のシランカップリング材のアルキル基は、分子量が小さい方のシランカップリング材のアルキル基より炭素数が多いものとなっているのが好ましい。
このようにすれば、分子量が大きい方のシランカップリング材はそのアルキル基によって良好な撥水性、耐光性を発揮するものとなる。一方、分子量が小さい方のシランカップリング材はそのアルキル基が短い(炭素数が少ない)ことにより、分子量が大きい方のシランカップリング材に対して立体障害を起こすことなく、無機配向膜表面に容易に反応し付着するようになる。
なお、この液晶装置においては、前記複数のシランカップリング材のうちの分子量の大きい方のシランカップリング材は、そのアルキル基の炭素数が18以上であるのが好ましい。
このようにすれば、分子量が大きい方のシランカップリング材はその撥水性、耐光性をより一層良好に発揮するものとなる。
本発明の液晶装置の製造方法は、互いに対向する一対の基板間に液晶を挟持してなる液晶装置の製造方法であって、
前記一対の基板のそれぞれの内面に無機配向膜を形成する工程と、
前記無機配向膜を、異なる分子量の複数のシランカップリング材を用いて表面処理する工程と、を備えたことを特徴としている。
この液晶装置の製造方法によれば、配向膜として無機配向膜を形成するので、有機配向膜に比べ耐光性および耐熱性に優れ、したがって耐久性に優れたものとなる。
また、無機配向膜を、異なる分子量の複数のシランカップリング材を用いて表面処理するので、大きな分子量のシランカップリング材によって主に無機配向膜の表面を撥水化し、小さな分子量のシランカップリング材によって主に無機配向膜表層部の間隙内を撥水化することができる。したがって、無機配向膜の表層部のほぼ全体を撥水化することにより、防湿性の向上を十分に図ることができ、これにより水分(湿気)に起因する液晶の劣化を確実に防止し、品質の長期に亘る安定化、すなわち長寿命化を図ることができる。
また、シランカップリング材は撥水性だけでなく耐光性の向上にも効果があることから、無機配向膜の耐光性をより向上し、これによっても長寿命化を図ることができる。
さらに、シランカップリング材で表面処理することにより、ポーラスになっている無機配向膜表面のミクロ的なポア(孔)をシランカップリング材で埋め込んでこの表面を緻密にすることができ、したがってこの無機配向膜とシール材との間の密着性を高め、これら無機配向膜とシール材との界面におけるシール部での気密性を高めてその防湿性を高めることができる。
また、前記液晶装置の製造方法においては、前記無機配向膜を、斜法蒸着法で形成するのが好ましい。
このようにすれば、無機配向膜によって液晶分子にプレチルト角が良好に付与されるようになり、また、無機配向膜に対してラビング処理等を行う必要もなくなる。
また、前記液晶装置の製造方法においては、前記複数のシランカップリング材として、その有機官能基がアルキル基であるものを用意するとともに、分子量が大きい方のシランカップリング材のアルキル基が、分子量が小さい方のシランカップリング材のアルキル基より炭素数が多くなるように該複数のシランカップリング材を用意し、
前記表面処理する工程において、分子量の大きいシランカップリング材で先に表面処理を行い、その後、分子量の小さいシランカップリング材で表面処理を行うのが好ましい。
このようにすれば、大きな分子量のシランカップリング材によって主に無機配向膜の表面を撥水化することができる。その際、分子量が大きいことで立体障害が起こり、このシランカップリング材によって例えば無機配向膜表層部の間隙内までは撥水化し難くなり、さらには、この大きなシランカップリン材と反応した水酸基の間の、未反応の水酸基に対しても反応し難くなる。しかし、その後小さな分子量のシランカップリン材によって表面処理するので、無機配向膜表層部の間隙内を撥水化し、さらには、未反応の水酸基に対しても反応して撥水化することが可能になる。したがって、無機配向膜の表層部のほぼ全体を良好に撥水化することが可能になる。
本発明の電子機器は、前記の液晶装置、あるいは前記の製造方法によって得られた液晶装置を備えることを特徴としている。
この電子機器によれば、水分(湿気)に起因する液晶の劣化が確実に防止され、長寿命化が図られた液晶装置を備えているので、この電子機器自体も長寿命化が図られた信頼性の高いものとなる。
以下、本発明を詳しく説明する。まず、本発明における液晶装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態となる液晶装置の概略構成を説明するための、TFTアレイ基板10の平面図、図2は、液晶装置の等価回路図、図3は、液晶装置の平面構造の説明図、図4は、液晶装置60の断面構造の説明図であり、図3のA−A’線における矢視側断面図である。
図4に示すように本実施形態の液晶装置60は、互いに対向する一対の基板10、20間に液晶50を挟持してなるもので、一対の基板10、20の内面に無機配向膜16、22が設けられたものである。そして、特にこれら無機配向膜16、22が、異なる分子量の複数のシランカアップリング材により、表面処理されたものとなっている。
この液晶装置60の概略構成を説明すると、図1に示すように一対の基板10、20のうちの一方であるTFTアレイ基板(基板)10の中央には、画像作製領域101が形成されている。この画像作製領域101の周縁部にはシール材19が配設されており、これによって画像作製領域101には液晶50(図4参照)が封止されている。この液晶50は、TFTアレイ基板10上に液晶が直接塗布されて形成されたもので、シール材19には液晶の注入口が設けられていない、いわゆる封口レス構造となっている。このシール材19の外側には、後述する走査線に走査信号を供給する走査線駆動素子110と、後述するデータ線に画像信号を供給するデータ線駆動素子120とが実装されている。その駆動素子110、120から、TFTアレイ基板10の端部の接続端子79にかけて、配線76が引き廻されている。
一方、TFTアレイ基板10に貼り合わされる対向基板20(図4参照)には、共通電極21(図4参照)が形成されている。この共通電極21は、画像作製領域101のほぼ全域に形成されたもので、その四隅には基板間導通部70が設けられている。この基板間導通部70からは、接続端子79にかけて配線78が引き廻されている。
そして、外部から入力された各種信号が、接続端子79を介して画像作製領域101に供給されることにより、液晶装置が駆動されるようになっている。
液晶装置の前記画像作製領域101には、図2の等価回路図に示すように、これを構成すべく複数のドットがマトリクス状に配置されており、これら各ドットには、それぞれ画素電極9が形成されている。また、その画素電極9の側方には、該画素電極9への通電制御を行うためのスイッチング素子であるTFT素子30が形成されている。このTFT素子30のソースにはデータ線6aが接続されている。各データ線6aには、前述したデータ線駆動素子から画像信号S1、S2、…、Snが供給されるようになっている。
また、TFT素子30のゲートには走査線3aが接続されている。走査線3aには、前述した走査線駆動素子から所定のタイミングでパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmが供給される。一方、TFT素子30のドレインには画素電極9が接続されている。そして、走査線3aから供給された走査信号G1、G2、…、Gmにより、スイッチング素子であるTFT素子30を一定期間だけオンにすると、データ線6aから供給された画像信号S1、S2、…、Snが、画素電極9を介して各ドットの液晶に所定のタイミングで書き込まれるようになっている。
液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、画素電極9と後述する共通電極との間に形成される液晶容量で一定期間保持される。なお、保持された画像信号S1、S2、…、Snがリークするのを防止するため、画素電極9と容量線3bとの間に蓄積容量17が形成され、液晶容量と並列に配置されている。このように、液晶に電圧信号が印加されると、印加された電圧レベルにより液晶分子の配向状態が変化する。これにより、液晶に入射した光源光が変調されて、画像光が作製されるようになっている。
また、本実施形態の液晶装置では、図3の平面構造説明図に示すように、TFTアレイ基板上に、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide、以下ITOという)等の透明導電性材料からなる矩形状の画素電極9(破線9aによりその輪郭を示す)が、マトリクス状に配列形成されている。さらに、画素電極9の縦横の境界に沿って、データ線6a、走査線3aおよび容量線3bが設けられている。本実施形態では、各画素電極9の形成された矩形領域がドットであり、マトリクス状に配置されたドットごとに表示を行うことが可能な構造になっている。
TFT素子30は、ポリシリコン膜等からなる半導体層1aを中心として形成されている。半導体層1aのソース領域(後述)には、コンタクトホール5を介して、データ線6aが接続されている。また、半導体層1aのドレイン領域(後述)には、コンタクトホール8を介して、画素電極9が接続されている。一方、半導体層1aにおける走査線3aとの対向部分には、チャネル領域1a’が形成されている。
また、この液晶装置は、図4の断面構造説明図に示すように、TFTアレイ基板10と、これに対向配置された対向基板20と、これらの間に挟持された液晶50とを主体として構成されている。TFTアレイ基板10は、ガラスや石英等の透光性材料からなる基板本体10A、およびその内側に形成されたTFT素子30や画素電極9、配向膜16などを主体として構成されている。一方の対向基板20は、ガラスや石英等の透光性材料からなる基板本体20A、およびその内側に形成された共通電極21や配向膜22などを主体として構成されている。
TFTアレイ基板10の表面には、第1遮光膜11aおよび第1層間絶縁膜12が形成されている。そして、第1層間絶縁膜12の表面に半導体層1aが形成され、この半導体層1aを中心としてTFT素子30が形成されている。半導体層1aにおける走査線3aとの対向部分にはチャネル領域1a’が形成され、その両側にソース領域およびドレイン領域が形成されている。このTFT素子30はLDD(Lightly Doped Drain)構造を採用しているため、ソース領域およびドレイン領域に、それぞれ不純物濃度が相対的に高い高濃度領域と、相対的に低い低濃度領域(LDD領域)とが形成されている。すなわち、ソース領域には低濃度ソース領域1bと高濃度ソース領域1dとが形成され、ドレイン領域には低濃度ドレイン領域1cと高濃度ドレイン領域1eとが形成されている。
半導体層1aの表面には、ゲート絶縁膜2が形成されている。そして、ゲート絶縁膜2の表面に走査線3aが形成されて、チャネル領域1a’との対向部分がゲート電極を構成している。また、ゲート絶縁膜2および走査線3aの表面には、第2層間絶縁膜4が形成されている。そして、第2層間絶縁膜4の表面にデータ線6aが形成され、第2層間絶縁膜4に形成されたコンタクトホール5を介して、そのデータ線6aが高濃度ソース領域1dに接続されている。さらに、第2層間絶縁膜4およびデータ線6aの表面には、第3層間絶縁膜7が形成されている。そして、第3層間絶縁膜7の表面に画素電極9が形成され、第2層間絶縁膜4および第3層間絶縁膜7に形成されたコンタクトホール8を介して、その画素電極9が高濃度ドレイン領域1eに接続されている。さらに、画素電極9を覆うように無機配向膜16が形成され、非選択電圧印加時における液晶分子の配向が規制されるようになっている。
なお、本実施形態では、半導体層1aを延設して第1蓄積容量電極1fが形成されている。また、ゲート絶縁膜2を延設して誘電体膜が形成され、その表面に容量線3bが配置されて第2蓄積容量電極が形成されている。これらにより、前述した蓄積容量17が構成されている。
また、TFT素子30の形成領域に対応する基板本体10Aの表面に、第1遮光膜11aが形成されている。第1遮光膜11aは、液晶装置に入射した光が、半導体層1aのチャネル領域1a’、低濃度ソース領域1bおよび低濃度ドレイン領域1cに侵入することを防止するものである。
一方、対向基板20における基板本体20Aの表面には、第2遮光膜23が形成されている。第2遮光膜23は、液晶装置に入射した光が半導体層1aのチャネル領域1a’や低濃度ソース領域1b、低濃度ドレイン領域1c等に侵入するのを防止するものであり、平面視において半導体層1aと重なる領域に設けられている。また対向基板20の表面には、ほぼ全面にわたってITO等の導電体からなる共通電極21が形成されている。さらに、共通電極21の表面には無機配向膜22が形成され、非選択電圧印加時における液晶分子の配向が規制されるようになっている。
ここで、TFTアレイ基板10側の無機配向膜16、及び対向基板20側の無機配向膜22は、共に本発明の特徴的な構成要素となっている。すなわち、本発明においてこれら無機配向膜16、22は、前述したように異なる分子量の複数のシランカップリン材によって表面処理されている。
これら無機配向膜16、22は、SiOやSiO等の珪素酸化物、またはAl、ZnO、MgOやITO等の金属酸化物等により、厚さ0.02〜0.3μm(好ましくは、0.02〜0.08μm)程度に形成されたものである。また、これら無機配向膜16、22の製造には、イオンビームスパッタ法やマグネトロンスパッタ法等のスパッタ法、蒸着法、ゾルゲル法、自己組織化法などが採用可能である。本実施形態では、無機配向膜16、22はいずれもSiOを主とする珪素酸化物からなり、従来公知の斜法蒸着法で形成されたものとなっている。
図5(a)は、斜方蒸着法による成膜を行う成膜装置の一例としての、蒸着装置503である。この蒸着装置503には、無機配向膜材料の蒸気流を発生させる蒸着源512と、無機配向膜形成前の前記TFTアレイ基板10、あるいは無機配向膜形成前の前記対向20(以下、単に基板10(20)と記す)を保持する保持機構514とが備えられている。この蒸着装置503において基板10(20)は、蒸着源512と基板10(20)の基板面重心位置とを結ぶ基準線X1と、基板10(20)の被成膜面と垂直に交わる直線X2とのなす角θ0が、所定値となるように、保持機構514によって保持されている。したがって、図5(a)、(b)において矢印Y1によって示される、蒸着源512で発生された無機材料の進行方向、すなわち無機材料が飛ぶ方向と、基板10(20)において配向膜が形成される基板面(被成膜面)とのなす角度θ1は、角度θ0を変化させることによって調整可能となっている。なお、この角度θ1は、配向膜16(22)において配向制御を行うための表面形状効果が得られるように、後述する柱状構造物を基板面上に配列させるための所定値に設定されている。ただし、本実施形態では斜方蒸着を行うことから、角度θ1は90°未満となっている。
このような蒸着装置によって斜方蒸着を行うと、図5(b)中矢印で示すように、蒸着源512から昇華した配向膜材料が基板10(20)に対して略一定の入射角度(傾斜角度)で連続入射する。すると、基板10(20)には図6(a)に示すように配向膜材料が斜め柱状に堆積し、これによって無機材料(珪素酸化物)の柱状構造体16a(22a)が形成される。そして、この柱状構造体16a(22a)が基板10(20)の表面に無数に形成されたことにより、無機配向膜16(22)が形成される。このように柱状構造体16a(22a)が所定の傾斜角度で形成され、これによって無機配向膜16(22)が形成されると、液晶装置60では、柱状構造体16a(22a)に沿って液晶分子が配向することにより、液晶分子にプレチルト角が付与される。すなわち、前述したように液晶分子は、非選択電圧印加時に、無機配向膜16、22によって所定方向に配向規制されるようになっているのである。
また、このようにして形成された柱状構造体16a(22a)では、原子レベルで見ると、図7(a)に示すようにその表面に分極した水酸基が多数存在し、シラノール基(Si−OH)を形成している。
そこで、本発明では、このようなシラノール基における水酸基の活性を消失させ、この水酸基に起因する前述した不都合を回避するべく、シランカップリング材によって無機配向膜16(22)(柱状構造体16a(22a))を表面処理している。すなわち、このような斜方蒸着法で形成された無機配向膜16、22は、前述したように、異なる分子量の複数のシランカップリング材によって表面処理されている。使用するシランカップリング材の数(種類)については、3以上であってもよいが、処理により得られる効果を考えた場合、分子量の異なる2種類のシランカップリング材を用いれば十分である。
ここで、シランカップリング材は、一分子中に有機官能器と加水分解基とを有したもので、これによって無機物と有機樹脂とを結び付け、材料の物理的強度や耐水性、耐光性、接着性等の向上を可能にするものである。具体的には、珪素原子(Si)に一つの有機官能基と、2〜3の無機質と反応する官能基を有したもので、以下の式によって表されるものである。
YSiX …(式)
X:珪素原子に結合している加水分解基で、−OR、−Cl、−NR、など
Y:有機マトリックスなどと反応する有機官能基で、アルキル基(−R)、など
使用するシランカップリング材としては、特に限定されないものの、有機官能基が良好な撥水性を有し、かつ良好な耐光性を有するものであればよく、具体的には、前記式中における有機官能基(Y)がアルキル基であるものが好適に用いられる。また、加水分解基についても、特に限定されないものの、例えばメトキシ基(−OCH)などの分子量の小さい基が、後述するように無機配向膜表面に反応し付加された際、立体障害を起こし難いなどの理由により好ましい。
また、使用する複数種(例えば2種)のシランカップリング材については、互いに親和性が高いものが好ましく、したがって同系統のもの、すなわち加水分解基については同じ基を有し、有機官能基についてのみ分子量が異なるものが好適とされる。なお、有機官能基(Y)として前記したようにアルキル基を用いた場合、分子量の大小はその炭素数の数によって決まり、炭素数が多くしたがって基が長くなるほど、分子量が大きいものとなる。ここで、アルキル基の炭素数、すなわち(C2n+1)−におけるnついては、18以上にすると、表面処理後の無機配向膜に対して撥水性及び耐光性を良好に付与でき、これにより無機配向膜の撥水性及び耐光性を十分に向上させる効果があることが実験によって確認されている。
したがって、本発明においては、特に分子量の大きい方のシランカップリング材として、炭素数が18以上のアルキル基を有機官能基として有したものが好適に用いられる。一方、このシランカップリング材に対して分子量の小さいものとして、例えば炭素数が8以下のアルキル基を有機官能基として有したものが用いられる。本実施形態では、このような理由から、特に分子量の大きい方のシランカップリング材としては、以下のAの化学式に示すもの(アルキル基の炭素数が18のもの)を、また、分子量の小さい方のシランカップリング材としては、以下のBの化学式に示すもの(アルキル基の炭素数が2のもの)を用いるものとする。
A;(C1837)Si(OCH
B;(C)Si(OCH
また、このような分子量の異なる2種類のシランカップリング材により、表面処理を行うに際しては、気相法と液相法の二通りの手法が可能である。
気相法では、例えば無機配向膜を形成した基板をCVD装置に入れ、2種類のシランカップリング材をそれぞれ蒸気として導入することにより、このシランカップリング材の蒸気によって無機配向膜を表面処理する。その際、2種類のシランカップリング材の沸点が近い場合には、これらを同時に装置内に入れ、同時に表面処理を行うこともできる。
ただし、本発明では、特に分子量の大きいシランカップリング材Aで先に表面処理を行い、その後、分子量の小さいシランカップリング材Bで表面処理を行うのが好ましい。このように、まず、分子量の大きいシランカップリング材Aで先に表面処理することで、主に無機配向膜16(22)の表面を撥水化することができる。しかしながら、その際には、図6(b)に示すように、分子量が大きいことで立体障害が起こり、このシランカップリング材Aによって例えば無機配向膜16(22)の表層部の間隙内までは十分に浸透せず、したがって表面処理し難くなる。また、図7(b)に示すようにこの大きなシランカップリン材Aの加水分解基(メトキシ基)と反応した水酸基の間の、未反応の水酸基に対しても反応し難くなる。しかし、その後、分子量の小さいシランカップリング材Bで表面処理することで、図6(c)に示すように無機配向膜16(22)の表層部の間隙内まで良好に浸透して表面処理を行うことができ、さらには、未反応の水酸基に対しても、図7(c)に示すようにシランカップリング材Bを反応させることができる。なお、図6(b)、図6(c)に示すA、Bは、シラノールと反応し一つのメトキシ基が脱離した後の、シランカップリング材を示している。
このようにすることで、無機配向膜16(22)の表層部のほぼ全体を良好に表面処理し、撥水化による防湿性の向上、さらには耐光性の向上を図ることができる。また、ポーラスになっている無機配向膜16(22)表面のミクロ的なポア(孔)をシランカップリング材A、Bで埋め込み、この表面を緻密にすることができることから、この無機配向膜16(22)とシール材19との間の密着性を高め、これら無機配向膜16(22)とシール材19との界面におけるシール部での気密性を高めることもできる。
また、液相法で表面処理する場合にも、2種類のシランカップリング材を適宜な溶媒に溶解してこれらで同時に無機配向膜16(22)を表面処理し、または別々に表面処理することができる。表面処理の具体的な手法としては、スピンコート法などの塗布法による接触処理や、スプレー法などによる接触処理、さらには浸漬法なども採用可能である。特に、シランカップリング材の溶液に基板10(20)を浸漬してその無機配向膜16(22)の表層部を表面処理する場合、その状態で基板10(20)や溶液に超音波を与え、またはこの処理室内を減圧するのが好ましい。
このように超音波処理や減圧処理を併せて行うことにより、シランカップリング材溶液が無機配向膜16(22)の表層部の間隙内により良好に入り込み、この間隙内のシラノール基(Si−OH)と反応し易くなる。
また、この液相法においても、前記の気相法の場合と同じ理由により、分子量の大きいシランカップリング材Aで先に表面処理を行い、その後、分子量の小さいシランカップリング材Bで表面処理を行うのが好ましい。
ただし、気相法、液相法のいずれの場合においても、分子量の大きいシランカップリング材Aと分子量の小さいシランカップリング材Bとで同時に表面処理を行ってもよく、さらには分子量の小さいシランカップリング材Bで先に表面処理を行い、その後、分子量の大きいシランカップリング材Aで表面処理を行うようにしてもよい。このようにしても、無機配向膜16(22)表面のシラノール基がある程度選択性を発揮することにより、2種類のシランカップリング材A、Bがそれぞれシラノール基に反応し、無機配向膜16(22)に付加されるようになる。
このようにして表面処理がなされた無機配向膜16(22)は、前述したように撥水化により防湿性が向上し、さらには耐光性も向上したものとなっている。また、シール材19との間の密着性が高まり、したがってこれら無機配向膜16(22)とシール材19との界面におけるシール部での気密性を高めたものとなっている。
ここで、特に防湿性(耐湿性)に関しては、分子量の大きいシランカップリング材Aによってその表層部が撥水化されているのに加え、分子量の小さいシランカップリング材Bによって無機配向膜16(22)表層部の間隙内まで撥水化されているので、膜全体として、以下のメカニズムにより防湿性(耐湿性)が向上したものとなっている。
すなわち、撥水化処理がなされる前の、図6(a)に示した状態での無機配向膜16(22)では、特にその親水性のシラノール基の存在により、図6(a)中二点鎖線で示す領域Wに水(湿気)が存在し易くなっている。よって、このように無機配向膜16、22に撥水化処理(表面処理)を行わないままで基板10、20等を組み立て、液晶装置を形成すると、外部から水や湿気が浸入した際、これが無機配向膜16、22の表層部に入り込み、液晶と直接接触することで液晶を劣化させ、その特性を低下させてしまうことになる。
また、大きな分子量のシランカップリングAで撥水化処理(表面処理)を行い、主に無機配向膜16(22)の表層部を撥水化することにより、無機配向膜16、22の表層部において水(湿気)が存在し易い領域を、図6(b)中二点鎖線で示すように、シランカップリングAが反応していない領域にまで狭くすることができる。しかしながら、このようにしても、特に無機配向膜16(22)の間隙内まではシランカップリングAが反応していないことから、依然として水(湿気)が存在し易い領域Wが比較的広く残っている。したがって、この状態で基板10、20等を組み立て、液晶装置を形成すると、外部から水や湿気が浸入した際、やはりこれが無機配向膜16、22の表層部に入り込み、液晶と直接接触することで液晶の特性を低下させてしまうおそれがある。
そこで、小さな分子量のシランカップリング材Bで再度撥水化処理(表面処理)を行い、主に無機配向膜16(22)表層部の間隙部内を撥水化することにより、無機配向膜16、22の表層部において水(湿気)が存在し易い領域Wを、図6(c)中二点鎖線で示すように、シランカップリング材Bが配されていない領域にまでさらに狭くすることができる。
このように異なる分子量のシランカップリング材で複数回の撥水化処理(表面処理)を行った後、基板10、20等を組み立てて本発明の液晶装置とすることにより、この液晶装置60は、外部から水や湿気が浸入しようとしても、これが撥水化された無機配向膜16、22の表層部に入り込み難いことから、結果として無機配向膜16、22の表層部に水や湿気がほとんど浸入しないものとなる。
図4に示したように本実施形態の液晶装置60には、前述したような表面処理(撥水化処理)を行った無機配向膜16(22)を有するTFTアレイ基板10と対向基板20との間に、ネマチック液晶等からなる液晶50が挟持され、シール材19(図1参照)によって封止されている。ネマチック液晶分子は、正の誘電率異方性を有するものであり、非選択電圧印加時には基板に沿って水平配向し、選択電圧印加時には電界方向に沿って垂直配向する。また、ネマチック液晶分子は、正の屈折率異方性を有するものであり、その複屈折と液晶厚との積(リタデーション)Δndは、例えば約0.40μm(60℃)となっている。なお、TFTアレイ基板10の無機配向膜16による配向規制方向と、対向基板20の無機配向膜22による配向規制方向とは、約90°ねじれた状態に設定されている。これにより、本実施形態の液晶装置60は、ツイステッドネマチックモードで動作するようになっている。
また、両基板10、20の外側には、ポリビニルアルコール(PVA)にヨウ素をドープした材料等からなる偏光板18、28が配置されている。なお、各偏光板18、28は、サファイヤガラスや水晶等の高熱伝導率材料からなる支持基板上に装着して、液晶装置60から離間配置することが望ましい。各偏光板18、28は、その吸収軸方向の直線偏光を吸収し、透過軸方向の直線偏光を透過する機能を有する。TFTアレイ基板10側の偏光板18は、その透過軸が配向膜16の配向規制方向と略一致するように配置され、対向基板20側の偏光板28は、その透過軸が配向膜22の配向規制方向と略一致するように配置されている。
液晶装置60は、対向基板20を光源側に向けて配置される。その光源光のうち偏光板28の透過軸と一致する直線偏光のみが偏光板28を透過して液晶装置60に入射する。
非選択電圧印加時の液晶装置60では、基板に対して水平配向した液晶分子が液晶50の厚さ方向に約90°ねじれたらせん状に積層配置されている。そのため、液晶装置60に入射した直線偏光は、約90°旋光されて液晶装置60から出射する。この直線偏光は、偏光板18の透過軸と一致するため、偏光板18を透過する。したがって、非選択電圧印加時の液晶装置60では白表示が行われるようになっている(ノーマリーホワイトモード)。
また、選択電圧印加時の液晶装置60では、液晶分子が基板に対して垂直配向している。そのため、液晶装置60に入射した直線偏光は、旋光されることなく液晶装置60から出射する。この直線偏光は、偏光板18の透過軸と直交するため、偏光板18を透過しない。したがって、選択電圧印加時の液晶装置60では黒表示が行われるようになっている。
このような構成の液晶装置60にあっては、無機配向膜16、22が、異なる分子量のシランカップリング材で表面処理されているので、前述したように撥水化により防湿性が向上したものとなり、したがって水分(湿気)に起因する液晶の劣化が確実に防止され、品質の長期に亘る安定化、すなわち長寿命化が図られたものとなる。また、耐光性も向上していることから、これによっても長寿命化が図られたものとなる。
さらに、無機配向膜16、22とシール材19との界面におけるシール部での気密性が高められているので、このシール部での防湿性が高まり、したがってこの点でも長寿命化が図られたものとなる。
また、配向膜として無機配向膜16、22を用いているので、有機配向膜に比べ耐光性および耐熱性に優れ、したがって耐久性に優れたものとなる。
また、このような液晶装置60の製造方法にあっても、無機配向膜16、22を、異なる分子量のシランカップリング材で表面処理するので、前述したように得られる液晶装置60の長寿命化を図ることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の変更が可能である。
(プロジェクタ)
次に、本発明の電子機器の一実施形態としてのプロジェクタについて、図8を用いて説明する。図8は、プロジェクタの要部を示す概略構成図である。このプロジェクタは、前記実施形態に係る液晶装置を光変調手段として備えたものである。
図8において、810は光源、813、814はダイクロイックミラー、815、816、817は反射ミラー、818は入射レンズ、819はリレーレンズ、820は出射レンズ、822、823、824は本発明の液晶装置からなる光変調手段、825はクロスダイクロイックプリズム、826は投射レンズである。光源810は、メタルハライド等のランプ811とランプの光を反射するリフレクタ812とからなる。
ダイクロイックミラー813は、光源810からの白色光に含まれる赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー817で反射されて、赤色光用光変調手段822に入射される。また、ダイクロイックミラー813で反射された緑色光は、ダイクロイックミラー814によって反射され、緑色光用光変調手段823に入射される。さらに、ダイクロイックミラー813で反射された青色光は、ダイクロイックミラー814を透過する。青色光に対しては、長い光路による光損失を防ぐため、入射レンズ818、リレーレンズ819および出射レンズ820を含むリレーレンズ系からなる導光手段821が設けられている。この導光手段821を介して、青色光が青色光用光変調手段824に入射される。
各光変調手段822、823、824により変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム825に入射する。このクロスダイクロイックプリズム825は4つの直角プリズムを貼り合わせたものであり、その界面には赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜とがX字状に形成されている。これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ826によってスクリーン827上に投影され、画像が拡大されて表示される。
このような構成からなるプロジェクタは、前記の液晶装置を光変調手段として備えている。この液晶装置は、前述したように耐光性および耐熱性に優れた無機配向膜を備えているので、光源から照射される強い光や熱により配向膜が劣化することはない。また、このプロジェクタは、水分(湿気)に起因する液晶の劣化が確実に防止され、長寿命化が図られた液晶装置を備えているので、この電子機器自体も長寿命化が図られた信頼性の高いものとなる。
なお、本発明の技術的範囲は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、前述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。例えば、前記実施形態ではスイッチング素子としてTFTを備えた液晶装置を例にして説明したが、スイッチング素子として薄膜ダイオード(Thin Film Diode)等の二端子型素子を備えた液晶装置に本発明を適用することも可能である。また、前記実施形態では透過型液晶装置を例にして説明したが、反射型液晶装置に本発明を適用することも可能である。また、前記実施形態ではTN(Twisted Nematic)モードで機能する液晶装置を例にして説明したが、VA(Vertical Alignment)モードで機能する液晶装置に本発明を適用することも可能である。また、実施形態では3板式の投射型表示装置(プロジェクタ)を例にして説明したが、単板式の投射型表示装置や直視型表示装置に本発明を適用することも可能である。
また、本発明の液晶装置を、プロジェクタ以外の電子機器に適用することも可能である。その具体例として、携帯電話を挙げることができる。この携帯電話は、前述した各実施形態またはその変形例に係る液晶装置を表示部に備えたものである。また、その他の電子機器としては、例えばICカード、ビデオカメラ、パーソナルコンピュータ、ヘッドマウントディスプレイ、さらに表示機能付きファックス装置、デジタルカメラのファインダ、携帯型TV、DSP装置、PDA、電子手帳、電光掲示盤、宣伝公告用ディスプレイ等が挙げられる。
液晶装置のTFTアレイ基板の平面図である。 液晶装置の等価回路図である。 液晶装置の平面構造の説明図である。 液晶装置の断面構造の説明図である。 (a)は蒸着装置の模式図、(b)は斜方蒸着の説明図である。 (a)〜(c)は無機配向膜への表面処理の説明図である。 (a)〜(c)は無機配向膜とシランカップリング材の反応説明図である。 プロジェクタの要部を示す概略構成図である。
符号の説明
10…基板(TFTアレイ基板)、16…無機配向膜、20…基板(対向基板)、22…無機配向膜、50…液晶、60…液晶装置、A…大きな分子量のシランカップリング、B…小さな分子量のシランカップリング

Claims (3)

  1. 互いに対向する一対の基板間に液晶を挟持してなる液晶装置であって、
    前記一対の基板のそれぞれの内面に珪素酸化物からなる無機配向膜が設けられ、
    前記無機配向膜が、異なる分子量の複数のシランカップリング材によってそれぞれ表面処理されてなり、
    前記複数のシランカップリング材が、以下の式によって表されるものであり、
    YSiX …(式)
    (ただし、前記式中のYはアルキル基、Xはメトキシ基である)
    前記複数のシランカップリング材のうちの分子量の大きい方のシランカップリング材は、そのアルキル基の炭素数が18以上であることを特徴とする液晶装置。
  2. 互いに対向する一対の基板間に液晶を挟持してなる液晶装置の製造方法であって、
    前記一対の基板のそれぞれの内面に斜法蒸着法で珪素酸化物からなる無機配向膜を形成する工程と、
    前記無機配向膜を、異なる分子量の複数のシランカップリング材を用いて表面処理する工程と、を備え
    前記複数のシランカップリング材として、以下の式によって表されるものを用いるとともに、
    YSiX …(式)
    (ただし、前記式中のYはアルキル基、Xはメトキシ基である)
    前記複数のシランカップリング材のうちの分子量の大きい方のシランカップリング材として、そのアルキル基の炭素数が18以上であるものを用い、かつ、分子量の小さい方のシランカップリング材として、そのアルキル基の炭素数が8以下であるものを用い、
    前記表面処理する工程においては、分子量の大きいシランカップリング材で先に表面処理を行い、その後、分子量の小さいシランカップリング材で表面処理を行うことを特徴とする液晶装置の製造方法。
  3. 請求項記載の液晶装置、あるいは請求項2に記載の製造方法によって得られた液晶装置を備えることを特徴とする電子機器。
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