JP4760696B2 - 液晶装置及び液晶装置の製造方法 - Google Patents

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本発明は、液晶装置、液晶装置の製造方法、及び電子機器に関するものである。
例えば、液晶プロジェクタ等の投射型表示装置の光変調手段として用いられる液晶装置は、一対の基板間の周縁部にシール材が配設され、その中央部に液晶が封止されて構成されている。その一対の基板の内面側には液晶に電圧を印加する電極が形成され、これら電極の内面側には非選択電圧印加時において液晶分子の配向を制御する配向膜が形成されている。このような構成によって液晶装置は、非選択電圧印加時と選択電圧印加時との液晶分子の配向変化に基づいて光源光を変調し、画像光を作製するようになっている。
ところで、前述した配向膜としては、側鎖アルキル基を付加したポリイミド等からなる高分子膜の表面に、ラビング処理を施したものが一般に用いられている。ラビング処理とは、柔らかい布からなるローラで高分子膜の表面を所定方向に擦ることにより、高分子を所定方向に配向させるものである。その配向性高分子と液晶分子との分子間相互作用により、配向性高分子に沿って液晶分子が配置されるので、非選択電圧印加時の液晶分子を所定方向に配向させることができるようになっている。また、側鎖アルキル基により、液晶分子にプレチルトを与えることができるようになっている。
とこが、例えば、このような有機配向膜を備えた液晶装置をプロジェクタの光変調手段として採用した場合、光源から照射される強い光や熱によって配向膜が次第に分解されるおそれがある。そして、長期間の使用後には、液晶分子を所望のプレチルト角に配列することができなくなるなど液晶分子の配向制御機能が低下する。
そこで、耐光性及び耐熱性に優れた無機材料からなる配向膜の使用が提案されており、このような無機配向膜の製造方法としては、例えば斜方蒸着法による珪素酸化(SiO2)膜の成膜が知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、斜方蒸着法などによって形成された無機配向膜は、小さな間隙を多く形成した構造となるため、この無機配向膜の間隙が液晶パネルの内外部から水分の侵入経路となってしまうという問題があった。
このため、無機配向膜の間隙、あるいはシール材と無機配向膜との間隙から液晶パネル内に水分が侵入してしまい、液晶パネルの耐湿性が低下してしまうという問題があった。
そこで、無機配向膜の表面を長鎖アルコールやシランカップリング材などのアルキル鎖をもつ材料(アルキル材)で撥水処理する方法が提案された(特許文献2〜4)。
ところが、この方法では、アルキル材の処理のムラ等によって、表示領域の配向膜特性が変化し、表示品質の低下を招く。
そこで、さらに、シール材を形成するシール領域にのみ、アルキル材による撥水処理を行う方法が提案されている。
特開2002−277879号公報 特開平11−160711号公報 特開2000−47211号公報 特開2003−167255号公報
しかしながら、上述のように、無機配向膜は小さな間隙を多く形成した構造であるため、シール領域に配置した液状材のアルキル材が、毛細管現象によって表示領域の無機配向膜に侵入する場合がある。
このような場合には、アルキル材等の液状材が侵入した表示領域の無機配向膜の特性が変化し、表示品質が低下する。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、シール領域に配置された液状材が、表示領域に侵入することを防止することによって、表示品質の低下を防止することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、表示領域の外側を囲うシール領域に形成されたシール材を介して貼り合わされた一対の基板と、前記基板間の前記表示領域に挟持される液晶とを有する液晶装置であって、少なくとも前記表示領域のいずれか一方の基板に形成されるとともに、前記液晶の液晶分子の配向方向を規制する無機配向膜と、前記シール領域から前記表示領域に形成される前記無機配向膜への液状材の侵入を防止する絶縁部とを備え、前記シール領域に前記液状材としてアルキル材が塗布されていることを特徴とする。
上記目的を達成するために、本発明は、 表示領域の外側を囲うシール領域に形成されたシール材を介して貼り合わされた一対の基板と、前記基板間の前記表示領域に挟持される液晶とを有する液晶装置の製造方法であって、前記シール領域から前記表示領域への液状材の侵入を防止する絶縁部を形成する第1工程と、少なくとも前記表示領域に対応するいずれか一方の基板上の領域に、前記液晶の液晶分子の配向方向を規制する無機配向膜を形成する第2工程と、前記シール領域に液状材を塗布する第3工程と、前記シール領域にシール材を形成し、前記シール材を介して一対の基板を貼り合わせるとともに、前記基板間に前記液晶を封入させる第4工程とを有し、前記第3工程が、前記液状材としてアルキル材を塗布する工程であることを特徴とする。
上記目的を達成するために、本発明の液晶装置は、表示領域の外側を囲うシール領域に形成されたシール材を介して貼り合わされた一対の基板と、上記基板間の上記表示領域に挟持される液晶とを有する液晶装置であって、少なくとも上記表示領域のいずれか一方の基板に形成されるとともに、上記液晶の液晶分子の配向方向を規制する無機配向膜と、上記シール領域から上記表示領域に形成される上記無機配向膜への液状材の侵入を防止する絶縁部とを備えることを特徴とする。
このような特徴を有する本発明の液晶装置によれば、シール領域から表示領域に形成される無機配向膜への液状材の侵入を防止する絶縁部を備えている。
このため、絶縁部によって、シール領域に配置された液状材が表示領域に侵入することが防止される。
したがって、本発明の液晶装置によれば、無機配向膜を備える液晶装置において、シール領域に配置された液状材が、表示領域に侵入することを防止することによって、表示品質の低下を防止することが可能となる。
また、本発明の液晶装置においては、上記絶縁部が、上記表示領域と上記シール領域との境界領域に突出して形成される突出部であるという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、表示領域とシール領域との境界領域に突出して形成される突出部によって、シール領域に配置された液状材が表示領域の無機配向膜と接触することが防止され、シール領域に配置された液状材が、表示領域に侵入することを防止することができる。
また、本発明の液晶装置においては、上記絶縁部が、上記シール領域に突出して形成される突出部であるという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、上記シール領域に突出して形成される突出部によって、表示領域とシール領域とに段差が形成される。そして、当該段差によって、シール領域に配置された液状材が表示領域の無機配向膜と接触することが防止され、シール領域に配置された液状材が、表示領域に侵入することを防止することができる。
また、本発明の液晶装置においては、上記無機配向膜と上記基板との間に形成されるバリア層を備えるという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、バリア層がパシベーション膜として機能し、基板側からの水分の侵入を防止することができる。
また、本発明の液晶装置においては、上記バリア層が、上記無機配向膜と同一組成材料からなる緻密層であるという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、無機配向膜の体積を減少させることができる。すなわち、間隙を有する構造を減少させることができ、より確実にシール領域に配置された液状材が、表示領域に侵入することを防止することができる。
また、本発明の液晶装置においては、上記シール領域に上記無機配向膜が形成されているという構成を採用する。
シール領域に形成された無機配向膜は、液晶装置の表示には寄与しないが、液状材とシール材の密着性を向上させる機能を発揮する。このため、本構成によれば、液状材が配置されたシール領域にシール材を確実に形成することができる。
また、本発明の液晶装置においては、上記シール領域に上記液状材としてアルキル材が塗布されているという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、シール領域が撥水処理されるため、外部から表示領域に水分が侵入することを防止することができる。
次に、本発明の液晶装置の製造方法は、表示領域の外側を囲うシール領域に形成されたシール材を介して貼り合わされた一対の基板と、上記基板間の上記表示領域に挟持される液晶とを有する液晶装置の製造方法であって、上記シール領域から上記表示領域への液状材の侵入を防止する絶縁部を形成する第1工程と、少なくとも上記表示領域に対応するいずれか一方の基板上の領域に、上記液晶の液晶分子の配向方向を規制する無機配向膜を形成する第2工程と、上記シール領域に液状材を塗布する第3工程と、上記シール領域にシール材を形成し、上記シール材を介して一対の基板を貼り合わせるとともに、上記基板間に上記液晶を封入させる第4工程とを有することを特徴とする。
このような特徴を有する本発明の液晶装置の製造方法によれば、第1工程においてシール領域から表示領域への液状材の侵入を防止する絶縁部が形成され、その後、第3工程において、シール領域に液状材が塗布される。
したがって、本実施形態の液晶装置の製造方法によれば、第3工程においてシール領域に液状材が塗布された後、絶縁部によって、シール領域に塗布された液状材が表示領域へ侵入することが防止される。
よって、シール領域に配置された液状材が、表示領域に侵入することを防止することによって、表示品質の低下を防止することができる。
また、本発明の液晶装置の製造方法においては、上記第1工程が、上記絶縁部として、上記表示領域と上記シール領域との境界領域に突出する突出部を形成する工程であるという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、第1工程において、表示領域とシール領域との境界領域に突出して突出部が形成され、当該突出部によって、シール領域に配置された液状材が表示領域の無機配向膜と接触することが防止され、シール領域に配置された液状材が、表示領域に侵入することを防止することができる。
また、本発明の液晶装置の製造方法においては、上記第1工程が、上記絶縁部として、上記シール領域に突出する突出部を形成する工程であるという構成を採用することができる。
このような構成を採用することによって、第1工程において、シール領域に突出して突出部が形成され、当該突出部によって、表示領域とシール領域とに段差が形成される。そして、当該段差によって、シール領域に配置された液状材が表示領域の無機配向膜と接触することが防止され、シール領域に配置された液状材が、表示領域に侵入することを防止することができる。
また、本発明の液晶装置の製造方法においては、上記第1工程が、マスクを用いて上記突出部を形成する工程であるという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、マスクを用いて突出部が形成される。このため、容易に突出部を形成することができる。
また、本発明の液晶装置の製造方法においては、上記第2工程よりも先に、上記基板上にバリア層を形成するバリア層形成工程を有するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、基板と無機配向膜との間にバリア層が形成される。このバリア層がパシベーション膜として機能し、基板側からの水分の侵入を防止するため、本構成の液晶装置の製造方法によれば、基板側からの水分の侵入を防止可能な液晶装置を製造することができる。
また、本発明の液晶装置の製造方法においては、上記第2工程が、上記シール領域を含めて上記無機配向膜を形成する工程であるという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、シール領域を含めて無機配向膜が形成される。シール領域に形成された無機配向膜は、液晶装置の表示には寄与しないが、液状材とシール材の密着性を向上させる機能を発揮する。このため、本構成の液晶装置の製造方法によれば、第4工程において、液状材が配置されたシール領域にシール材を確実に形成することができる。
また、本発明の液晶装置の製造方法においては、上記第3工程が、上記液状材としてアルキル材を塗布する工程であるという構成を採用することができる。
このような構成を採用することによって、シール領域が撥水処理されるため、外部から表示領域に水分が侵入することを防止することができる。
次に、本発明の電子機器は、本発明の液晶装置を備えることを特徴とする。
本発明の液晶装置は、シール領域に配置された液状材が、表示領域に侵入することを防止することによって、表示品質の低下を防止することができる。
このため、本発明の電子機器によれば、優れた表示特性を発揮することができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る液晶装置、液晶装置の製造方法、及び電子機器の一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
[液晶装置]
(第1実施形態)
図1は、本実施形態の液晶装置を示す図である。図1(a)が同液晶装置の平面構成図、(b)が(a)図のH−H’線に沿う断面構成図である。
図1(a)及び図1(b)に示すように、本実施形態の液晶装置100は、TFTアレイ基板10と、対向基板20とが平面視略矩形枠状でシール領域に形成されたシール材52を介して貼り合わされ、このシール材52に囲まれた領域内に液晶50を封入してなる構成を備えている。シール材52内周側には、平面視略矩形枠状でありかつTFTアレイ基板10から突出した突出部53(絶縁部)と対向基板20から突出した突出部54(絶縁部)とが形成され、この突出部53,54の内側の領域が画像表示領域10a(表示領域)となっている。なお、シール材52及び突出部53,54には、液晶装置100の製造過程において、画像表示領域10aに液晶50を注入するための液晶注入口52a,53a,54aが形成されている。
すなわち、本実施形態の液晶装置100は、表示領域の外側を囲うシール領域に形成されたシール材を介して貼り合わされた一対の基板と、基板間の表示領域に狭持される液晶とを備えている。また、突出部53,54は、画像表示領域10aとシール領域との間の境界領域に形成されている。
液晶50は、正の誘電率異方性を有するネマチック液晶分子からなる。このような液晶分子は、非選択電圧印加時には基板に沿って水平配向し、選択電圧印加時には電界方向に沿って垂直配向する。
シール材52の外側の領域には、データ線駆動回路101及び外部回路実装端子102がTFTアレイ基板10の1辺(図示下辺)に沿って形成されており、この1辺に隣接する2辺に沿ってそれぞれ走査線駆動回路104,104が形成されて周辺回路を構成している。
TFTアレイ基板10の残る1辺(図示上辺)には、画像表示領域10aの両側の走査線駆動回路104,104間を接続する複数の配線105が設けられている。また、対向基板20の各角部においては、TFTアレイ基板10と対向基板20との間の電気的導通をとるための基板間導通材106が配設されている。本実施形態の液晶装置100は、透過型の液晶装置として構成され、TFTアレイ基板10側に配置された光源(図示略)からの光を変調し、対向基板20側から表示光として射出するようになっている。
図1(b)に示すように、TFTアレイ基板10の内面側(液晶層側)に、複数の画素電極9が配列形成されており、これら画素電極9を覆うように無機配向膜16が形成されている。対向基板20の内面側には、遮光膜23が形成され、その上に平面ベタ状の共通電極21が形成されている。そして、共通電極21を覆うように無機配向膜22が形成されている。そして、対向基板20側にも、TFTアレイ基板10と同様の形状を有する突出部54が、画像表示領域10aとシール領域10bとの間の境界領域10cに形成されている。
図2は、TFTアレイ基板10(対向基板20)の一方側の端部を模式的に示した図である。なお、対向基板20の構成も、図2に示す構成と略同一であるため、図2において対向基板20の部材をカッコ書きにて示す。
この図に示すように、また上述のように、本実施形態の液晶装置100においては、画像表示領域10aとシール領域10bとの間の境界領域10cに突出部53(54)が形成されている。
突出部53(54)は、酸窒化膜等の緻密な構造を有する膜によって形成されている。
無機配向膜16(22)は、画像表示領域10a及びシール領域10bに形成されており、突出部53(54)によって、画像表示領域10aとシール領域10bとに分断されて形成されている。なお、突出部53(54)上にも、画像表示領域10aに形成された無機配向膜16(22)及びシール領域10bに形成された無機配向膜16(22)と分断された無機配向膜16(22)が形成されているが、図2においてはその図示を省略している。
無機配向膜16(22)としては、SiOやSiO等の珪素酸化物、又はAl、ZnO、MgOやITO等の金属酸化物等により、厚さ0.02〜0.3μm(好ましくは、0.02〜0.08μm)程度に形成されたものである。また、無機配向膜16(22)の製造には、イオンビームスパッタ法やマグネトロンスパッタ法等のスパッタ法、蒸着法、ゾルゲル法、自己組織化法などが採用可能である。本実施形態では、無機配向膜16(22)はいずれもSiOを主とする珪素酸化物からなり、従来公知の斜方蒸着法で形成されたものとなっている。
このような無機配向膜16(22)は、無数の柱状構造物16a(22a)から構成され、柱状構造物16a(22a)の一部は隣接する柱状構造物16a(22a)との間に間隙Sを有して形成されている。また、これらの柱状構造物16a(22a)は斜方蒸着法により形成されるため、柱状構造物16a(22a)のぞれぞれは基板10面に対し所定の傾斜角度で配列されている。
そして、本実施形態の液晶装置100においては、TFTアレイ基板10のシール領域10b及び対向基板20のシール領域10bに、アルキル材55が塗布されている。そして、アルキル材55が塗布されたシール領域10bにシール材52が形成されている。
なお、TFTアレイ基板10の無機配向膜16による配向規制方向と、対向基板20の無機配向膜22による配向規制方向とは、約90°ねじれた状態に設定されている。これにより、本実施形態の液晶装置100は、ツイステッドネマチックモードで動作するようになっている。
また、両基板10、20の外側には、ポリビニルアルコール(PVA)にヨウ素をドープした材料等からなる偏光板24、28(図5参照)が配置されている。なお、各偏光板24、28は、サファイヤガラスや水晶等の高熱伝導率材料からなる支持基板上に装着して、液晶装置100から離間配置することが望ましい。各偏光板24、28は、その吸収軸方向の直線偏光を吸収し、透過軸方向の直線偏光を透過する機能を有する。TFTアレイ基板10側の偏光板24は、その透過軸が無機配向膜16の配向規制方向と略一致するように配置され、対向基板20側の偏光板28は、その透過軸が無機配向膜22の配向規制方向と略一致するように配置されている。
液晶装置の画像表示領域10aには、図3の等価回路図に示すように、これを構成すべく複数のドットがマトリクス状に配置されており、これら各ドットには、それぞれ画素電極9が形成されている。また、その画素電極9の側方には、該画素電極9への通電制御を行うためのスイッチング素子であるTFT素子30が形成されている。このTFT素子30のソースにはデータ線6aが接続されている。各データ線6aには、前述したデータ線駆動素子から画像信号S1、S2、…、Snが供給されるようになっている。
また、TFT素子30のゲートには走査線3aが接続されている。走査線3aには、前述した走査線駆動素子から所定のタイミングでパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmが供給される。一方、TFT素子30のドレインには画素電極9が接続されている。そして、走査線3aから供給された走査信号G1、G2、…、Gmにより、スイッチング素子であるTFT素子30を一定期間だけオンにすると、データ線6aから供給された画像信号S1、S2、…、Snが、画素電極9を介して各ドットの液晶に所定のタイミングで書き込まれるようになっている。
液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、画素電極9と後述する共通電極との間に形成される液晶容量で一定期間保持される。なお、保持された画像信号S1、S2、…、Snがリークするのを防止するため、画素電極9と容量線3bとの間に蓄積容量17が形成され、液晶容量と並列に配置されている。このように、液晶に電圧信号が印加されると、印加された電圧レベルにより液晶分子の配向状態が変化する。これにより、液晶に入射した光源光が変調されて、画像光が作製されるようになっている。
また、本実施形態の液晶装置では、図4の平面構造説明図に示すように、TFTアレイ基板上に、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide、以下ITOという)等の透明導電性材料からなる矩形状の画素電極9(破線9aによりその輪郭を示す)が、マトリクス状に配列形成されている。さらに、画素電極9の縦横の境界に沿って、データ線6a、走査線3a及び容量線3bが設けられている。本実施形態では、各画素電極9の形成された矩形領域がドットであり、マトリクス状に配置されたドットごとに表示を行うことが可能な構造になっている。
TFT素子30は、ポリシリコン膜等からなる半導体層1aを中心として形成されている。半導体層1aのソース領域(後述)には、コンタクトホール5を介して、データ線6aが接続されている。また、半導体層1aのドレイン領域(後述)には、コンタクトホール8を介して、画素電極9が接続されている。一方、半導体層1aにおける走査線3aとの対向部分には、チャネル領域1a’が形成されている。
また、この液晶装置は、図5の断面構造説明図に示すように、TFTアレイ基板10と、これに対向配置された対向基板20と、これらの間に挟持された液晶50とを主体として構成されている。TFTアレイ基板10は、ガラスや石英等の透光性材料からなる基板本体10A、及びその内側に形成されたTFT素子30や画素電極9、無機配向膜16などを主体として構成されている。一方の対向基板20は、ガラスや石英等の透光性材料からなる基板本体20A、及びその内側に形成された共通電極21や無機配向膜22などを主体として構成されている。
TFTアレイ基板10の表面には、第1遮光膜11a及び第1層間絶縁膜12が形成されている。そして、第1層間絶縁膜12の表面に半導体層1aが形成され、この半導体層1aを中心としてTFT素子30が形成されている。半導体層1aにおける走査線3aとの対向部分にはチャネル領域1a’が形成され、その両側にソース領域及びドレイン領域が形成されている。このTFT素子30はLDD(Lightly Doped Drain)構造を採用しているため、ソース領域及びドレイン領域に、それぞれ不純物濃度が相対的に高い高濃度領域と、相対的に低い低濃度領域(LDD領域)とが形成されている。すなわち、ソース領域には低濃度ソース領域1bと高濃度ソース領域1dとが形成され、ドレイン領域には低濃度ドレイン領域1cと高濃度ドレイン領域1eとが形成されている。
半導体層1aの表面には、ゲート絶縁膜2が形成されている。そして、ゲート絶縁膜2の表面に走査線3aが形成されて、チャネル領域1a’との対向部分がゲート電極を構成している。また、ゲート絶縁膜2及び走査線3aの表面には、第2層間絶縁膜4が形成されている。そして、第2層間絶縁膜4の表面にデータ線6aが形成され、第2層間絶縁膜4に形成されたコンタクトホール5を介して、そのデータ線6aが高濃度ソース領域1dに接続されている。さらに、第2層間絶縁膜4及びデータ線6aの表面には、第3層間絶縁膜7が形成されている。そして、第3層間絶縁膜7の表面に画素電極9が形成され、第2層間絶縁膜4及び第3層間絶縁膜7に形成されたコンタクトホール8を介して、その画素電極9が高濃度ドレイン領域1eに接続されている。さらに、画素電極9を覆うように無機配向膜16が形成され、非選択電圧印加時における液晶分子の配向が規制されるようになっている。
なお、本実施形態では、半導体層1aを延設して第1蓄積容量電極1fが形成されている。また、ゲート絶縁膜2を延設して誘電体膜が形成され、その表面に容量線3bが配置されて第2蓄積容量電極が形成されている。これらにより、前述した蓄積容量17が構成されている。
また、TFT素子30の形成領域に対応する基板本体10Aの表面に、第1遮光膜11aが形成されている。第1遮光膜11aは、液晶装置に入射した光が、半導体層1aのチャネル領域1a’、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cに侵入することを防止するものである。
一方、対向基板20における基板本体20Aの表面には、第2遮光膜23が形成されている。第2遮光膜23は、液晶装置に入射した光が半導体層1aのチャネル領域1a’や低濃度ソース領域1b、低濃度ドレイン領域1c等に侵入するのを防止するものであり、平面視において半導体層1aと重なる領域に設けられている。また対向基板20の表面には、略全面にわたってITO等の導電体からなる共通電極21が形成されている。さらに、共通電極21の表面には無機配向膜22が形成され、非選択電圧印加時における液晶分子の配向が規制されるようになっている。
このような本実施形態の液晶装置100は、対向基板20を光源側に向けて配置される。その光源光のうち偏光板28の透過軸と一致する直線偏光のみが偏光板28を透過して液晶装置100に入射する。
非選択電圧印加時の液晶装置100では、基板に対して水平配向した液晶分子が液晶50の厚さ方向に約90°ねじれたらせん状に積層配置されている。そのため、液晶装置100に入射した直線偏光は、約90°旋光されて液晶装置100から出射する。この直線偏光は、偏光板24の透過軸と一致するため、偏光板24を透過する。従って、非選択電圧印加時の液晶装置100では白表示が行われるようになっている(ノーマリーホワイトモード)。
また、選択電圧印加時の液晶装置100では、液晶分子が基板に対して垂直配向している。そのため、液晶装置100に入射した直線偏光は、旋光されることなく液晶装置100から出射する。この直線偏光は、偏光板24の透過軸と直交するため、偏光板24を透過しない。従って、選択電圧印加時の液晶装置100では黒表示が行われるようになっている。
本実施形態の液晶装置100によれば、シール領域10bにアルキル材55が塗布されることによって、シール領域10bが撥液処理されるため、外部からの水分がシール領域10bを介して画像表示領域10aに侵入することが防止される。
また、境界領域10cに形成された突出部53,54によって、シール領域10bに塗布されたアルキル材55と、画像表示領域10aに形成される無機配向膜16(22)との接触が防止され、シール領域10bから画像表示領域10aにアルキル材が侵入することを防止することができる。
したがって、本実施形態の液晶装置100によれば、無機配向膜を備える液晶装置において、シール領域10bに配置されたアルキル材55が、画像表示領域10aに侵入することを防止することによって、表示品質の低下を防止することが可能となる。
また、本実施形態の液晶装置100においては、シール領域10bに無機配向膜16(22)が形成されている。
シール領域10bに形成された無機配向膜16(22)は、液晶装置100の表示には寄与しないが、アルキル材55とシール材52の密着性を向上させる機能を発揮する。このため、本構成によれば、アルキル材55が配置されたシール領域10bにシール材52を確実に固着形成することができる。
また、シール領域10bにおけるアルキル材55の濡れ性を向上させるためには、無機配向膜(SiO等)と接触することが好ましい。したがって、本実施形態の液晶装置のように、シール領域10bにも無機配向膜16(22)を形成することによって、シール領域10bにおけるアルキル材55の濡れ性を向上させることもできる。
(液晶装置の製造方法)
次に、本実施形態の液晶装置の製造方法について説明する。
図6(a)〜(c)は本実施形態の液晶装置100の製造工程を示す断面図であり、図7(a)は無機配向膜16(22)を形成するための装置であり、(b)は係る装置を用いて成膜した無機配向膜16(22)を説明するための図である。なお、以下の説明においては、本発明の特徴的な工程である突出部53,54の形成工程(第1工程)、無機配向膜16(22)の形成工程(第2工程)、アルキル材を塗布する工程(第3工程)を主として説明し、その他の工程(例えば第4工程)については公知の方法が採用されるため説明を省略する。
まず、図6(a)に示すように、基板10(20)上の境界領域10cに、突出部53(54)を形成する。
具体的には、スパッタ装置や蒸着装置を用いて、図8に示すような、突出部53(54)の形状に応じて開口部Maが形成されたマスクM1を介して、一度に複数の基板10(20)に対して突出部53の形成材料が付着されることによって、突出部53(54)が形成される。
続いて、図6(b)に示すように、画像表示領域10a、シール領域10b及び境界領域10cを含む基板10(20)上に無機材料を斜方蒸着することによって、無機配向膜16(22)を形成する。
<蒸着装置>
図7(a)は、斜方蒸着法による成膜を行う蒸着装置の一例としての、蒸着装置503である。この蒸着装置503には、無機配向膜材料の蒸気流を発生させる蒸着源512と、無機配向膜形成前の上記TFTアレイ基板10、あるいは無機配向膜形成前の上記対向基板20(以下、単に基板10(20)と記す)を保持する保持機構514とが備えられている。この蒸着装置503において基板10(20)は、蒸着源512と基板10(20)の基板面重心位置とを結ぶ基準線X1と、基板10(20)の被成膜面と垂直に交わる直線X2とのなす角θ0が、所定値となるように、保持機構514によって保持されている。従って、図7(a)、(b)において矢印Y1によって示される、蒸着源512で発生された無機材料の進行方向、すなわち無機材料が飛ぶ方向と、基板10(20)において配向膜が形成される基板面(被成膜面)とのなす角度θ1は、角度θ0を変化させることによって調整可能となっている。なお、この角度θ1は、無機配向膜16(22)において配向制御を行うための表面形状効果が得られるように、後述する柱状構造物を基板面上に配列させるための所定値に設定されている。ただし、本実施形態では斜方蒸着を行うことから、角度θ1は90°未満となっている。
このような蒸着装置503によって斜方蒸着を行うと、図7(b)中矢印で示すように、蒸着源512から昇華した配向膜材料が基板10(20)に対して略一定の入射角度(傾斜角度)で連続入射する。
すると、基板10(20)には図6(b)に示すように配向膜材料が斜め柱状に成長し、これによって無機材料(珪素酸化物)の柱状構造物16a(22a)が形成される。そして、この柱状構造物16a(22a)が基板10(20)の表面に無数に形成されたことにより、無機配向膜16(22)が形成される。このように柱状構造物16a(22a)が所定の傾斜角度で形成され、これによって無機配向膜16(22)が形成されると、液晶装置100では、柱状構造物16a(22a)に沿って液晶分子が配向することにより、液晶分子にプレチルト角が付与される。すなわち、前述したように液晶分子は、非選択電圧印加時に、無機配向膜16(22)によって所定方向に配向規制されるようになっているのである。
次に、図6(c)に示すように、ディスペンサー法又はインクジェット法により、無機配向膜16(22)が形成されたシール領域10bにアルキル材55を塗布する。
ここで、図9を参照してインクジェット法によってアルキル材55を塗布するのに好適に用いられる液滴吐出装置IJについて説明する。なお、図9は、液滴吐出装置IJの概略構成を示す斜視図である。液滴吐出装置IJは、吐出ヘッド301と、X軸方向駆動軸304と、Y軸方向ガイド軸305と、制御装置CONTと、ステージ307と、クリーニング機構308と、基台309と、ヒータ315とを備えている。
ステージ307は、この液滴吐出装置IJにより液体材料を吐出配置される基板(基体)Pを支持するものであって、基板Pを基準位置に固定する不図示の固定機構を備えている。吐出ヘッド301は、複数の吐出ノズルを備えたマルチノズルタイプの吐出ヘッドであり、その長手方向がY軸方向に一致するように配置されている。複数の吐出ノズルは、吐出ヘッド301の下面にY軸方向に並んで一定間隔で設けられている。吐出ヘッド301の吐出ノズルからは、ステージ307に支持されている基板Pに対してインクが吐出される。
X軸方向駆動軸304には、X軸方向駆動モータ302が接続されている。X軸方向駆動モータ302はステッピングモータ等であり、制御装置CONTからX軸方向の駆動信号が供給されると、X軸方向駆動軸304を回転させる。X軸方向駆動軸304が回転すると、吐出ヘッド301はX軸方向に移動する。
Y軸方向ガイド軸305は、基台309に対して動かないように固定されている。ステージ307は、Y軸方向駆動モータ303を備えている。Y軸方向駆動モータ303はステッピングモータ等であり、制御装置CONTからY軸方向の駆動信号が供給されると、ステージ307をY軸方向に移動する。
制御装置CONTは、吐出ヘッド301に液滴の吐出制御用の電圧を供給する。また、X軸方向駆動モータ302に吐出ヘッド301のX軸方向の移動を制御する駆動パルス信号を、Y軸方向駆動モータ303にステージ307のY軸方向の移動を制御する駆動パルス信号を供給する。
クリーニング機構308は、吐出ヘッド301をクリーニングするものである。クリーニング機構308には、図示しないY軸方向の駆動モータが備えられている。このY軸方向の駆動モータの駆動により、クリーニング機構は、Y軸方向ガイド軸305に沿って移動する。クリーニング機構308の移動も制御装置CONTにより制御される。
ヒータ315は、ここではランプアニールにより基板Pを熱処理する手段であり、基板P上に塗布された液体材料に含まれる溶剤の蒸発及び乾燥を行う。このヒータ315の電源の投入及び遮断も制御装置CONTにより制御される。
続いて、図6(d)に示すように、シール領域10bの無機配向膜16(22)上にシール材52を形成する。その後、一対の基板10,20をシール材52を介して貼り合せるとともに、基板10,20間に液晶を封入させる。
なお、シール材配置工程以降の工程については、公知の方法が採用されるため詳細な説明を省略する。
このような本実施形態の液晶装置の製造方法によれば、シール領域10bから表示領域へのアルキル材55の侵入を防止する突出部53,54が形成され、その後、シール領域10bにアルキル材55が塗布される。
したがって、本実施形態の液晶装置の製造方法によれば、シール領域10bへアルキル材55が塗布された後、突出部53,54によって、シール領域10bに塗布されたアルキル材55が画像表示領域へ侵入することが防止される。よって、製造される液晶装置は、表示品質の低下を起こさないものとなる。
また、本実施形態の液晶装置の製造方法においては、マスクM1を用いて突出部53,54が形成される。このため、容易に突出部53,54を形成することができる。
また、本実施形態の液晶装置の製造方法においては、シール領域10bを含めて無機配向膜16,22が形成されている。
シール領域10bに形成された無機配向膜16,22は、液晶装置の表示には寄与しないが、アルキル材55とシール材52との密着性を向上させる機能を発揮する。このため、本実施形態の液晶装置の製造方法によれば、アルキル材55が配置されたシール領域10bにシール材52を確実に形成することができる。
また、本発明の液晶装置の製造方法においては、シール領域10bにアルキル材55が塗布されている。このため、シール領域10bが撥水処理され、外部から画像表示領域10aに水分が侵入することを防止することができる。
なお、突出部53,54の高さは可能な限り低いことが好ましい。突出部53,54の高さを低くすることによって、突出部53,53の影が画像表示領域10aに形成されることを極力防止することができる。また、斜方蒸着の際に、突出部53,54による膜の形成不能領域が発生することを極力防止することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の液晶装置の第2実施形態について説明する。なお、本第2実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
図10は、本実施形態の液晶装置が備えるTFTアレイ基板10(対向基板20)の一方側の端部を模式的に示した図である。
上記実施形態の液晶装置が備えるTFTアレイ基板10(対向基板20)においては、突出部53,54が画像表示領域10aとシール領域10bとの間の境界領域10cに形成されていた。これに対して、本実施形態の液晶装置は、図10に示すように、境界領域10cが設けられておらず、突出部56がシール領域10bに突出して形成されている。
このような本実施形態の液晶装置によれば、上記シール領域に突出して形成される突出部56によって、画像表示領域10aとシール領域10bとに段差が形成される。そして、当該段差によって、シール領域10bに配置されたアルキル材が画像表示領域10aの無機配向膜16(22)と接触することが防止され、シール領域10bに配置されたアルキル材55が、画像表示領域10aに侵入することを防止することができる。
また、本実施形態の液晶装置においては、シール領域10bにおける配向膜16(22)の形成面である、突出部56の上面を遮るものがないため、シール領域10bに配向膜16(22)をムラ無く形成することができる。よって、シール領域10bにおけるアルキル材55の濡れ性を向上させることができる。
また、境界領域10cを形成する必要がないため、TFTアレイ基板10上の無駄なスペースを削減することができる。
なお、このような本実施形態の液晶装置を製造する場合には、上記第1実施形態において突出部53,54を形成する場合に用いたマスクM1の開口部Maをシール領域10bに相当する広さに形成することによって、シール領域10bに突出部56を形成することができる。本実施形態で用いられるマスクは、開口部がマスクM1に対して広いため、取り扱いが容易となる。
(第3実施形態)
次に、本発明の液晶装置の第3実施形態について説明する。なお、本第3実施形態の説明においても、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
図11は、本実施形態の液晶装置が備えるTFTアレイ基板10(対向基板20)の一方側の端部を模式的に示した図である。
本実施形態の液晶装置は、上記第1実施形態の液晶装置の構成に加え、無機配向膜16(22)と基板10(20)との間に形成されるバリア層57を備えている。そして、バリア層57は、無機配向膜16と同一組成材料からなる、すなわち珪素酸化膜の緻密層である。
このような本実施形態の液晶装置によれば、バリア層57がパシベーション膜として機能し、基板10(20)側からの水分の侵入を防止することができる。
また、バリア層57が、無機配向膜16,22と同一組成材料からなる緻密層であるため、無機配向膜16,22の体積を減少させることができる。すなわち、間隙を有する構造を減少させることができ、より確実にシール領域10bに配置されたアルキル材55が、画像表示領域10aに侵入することを防止することができる。
なお、このような本実施形態の液晶装置を製造する場合には、無機配向膜16,22を形成する前に、図12に示すように、画素領域10a、シール領域10b及び境界領域10cに応じた開口Mbが形成されたマスクM2を介してバリア層形成材料を基板10,20上に配置することによってバリア層57を成膜する。これによってバリア層57を備える本実施形態の液晶装置が製造される。
(第4実施形態)
次に、本発明の液晶装置の第4実施形態について説明する。なお、本第4実施形態の説明においても、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
図13は、本実施形態の液晶装置が備えるTFTアレイ基板10(対向基板20)の一方側の端部を模式的に示した図である。
この図に示すように、本実施形態の液晶装置は、上記第2実施形態の液晶装置と上記第3実施形態の液晶装置とを組合わせた構成を有している。すなわち、本実施形態の液晶装置は、境界領域10cが設けられておらず、突出部56がシール領域10bに突出して形成されており、かつ、無機配向膜16(22)と基板10(20)との間に形成されるバリア層57を備えている。
このような本実施形態の液晶装置によれば、上記第2実施形態の液晶装置と上記第3実施形態の液晶装置との両方の効果を発揮することができる。
[プロジェクタ]
次に、本発明の電子機器の一実施形態としてのプロジェクタについて、図14を用いて説明する。図14は、プロジェクタの要部を示す概略構成図である。このプロジェクタは、上記実施形態に係る液晶装置を光変調手段として備えたものである。
図12において、810は光源、813、814はダイクロイックミラー、815、816、817は反射ミラー、818は入射レンズ、819はリレーレンズ、820は出射レンズ、822、823、824は本発明の液晶装置からなる光変調手段、825はクロスダイクロイックプリズム、826は投射レンズである。光源810は、メタルハライド等のランプ811とランプの光を反射するリフレクタ812とからなる。
ダイクロイックミラー813は、光源810からの白色光に含まれる赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー817で反射されて、赤色光用光変調手段822に入射される。また、ダイクロイックミラー813で反射された緑色光は、ダイクロイックミラー814によって反射され、緑色光用光変調手段823に入射される。さらに、ダイクロイックミラー813で反射された青色光は、ダイクロイックミラー814を透過する。青色光に対しては、長い光路による光損失を防ぐため、入射レンズ818、リレーレンズ819及び出射レンズ820を含むリレーレンズ系からなる導光手段821が設けられている。この導光手段821を介して、青色光が青色光用光変調手段824に入射される。
各光変調手段822、823、824により変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム825に入射する。このクロスダイクロイックプリズム825は4つの直角プリズムを貼り合わせたものであり、その界面には赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜とがX字状に形成されている。これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ826によってスクリーン827上に投影され、画像が拡大されて表示される。
このような構成からなるプロジェクタは、上記の液晶装置を光変調手段として備えている。この液晶装置は、耐湿性に優れた液晶装置を備えているので、この電子機器自体も吸湿に起因する品質低下が防止されたものとなる。
なお、本発明の技術的範囲は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、前述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上記実施形態ではスイッチング素子としてTFTを備えた液晶装置を例にして説明したが、スイッチング素子として薄膜ダイオード(Thin Film Diode)等の二端子型素子を備えた液晶装置に本発明を適用することも可能である。
また、上記実施形態では透過型液晶装置を例にして説明したが、反射型液晶装置に本発明を適用することも可能である。
また、上記実施形態ではTN(Twisted Nematic)モードで機能する液晶装置を例にして説明したが、VA(Vertical Alignment)モードで機能する液晶装置に本発明を適用することも可能である。
また、実施形態では3板式の投射型表示装置(プロジェクタ)を例にして説明したが、単板式の投射型表示装置や直視型表示装置に本発明を適用することも可能である。
また、本発明の液晶装置を、プロジェクタ以外の電子機器に適用することも可能である。その具体例として、携帯電話を挙げることができる。この携帯電話は、前述した各実施形態又はその変形例に係る液晶装置を表示部に備えたものである。また、その他の電子機器としては、例えばICカード、ビデオカメラ、パーソナルコンピュータ、ヘッドマウントディスプレイ、さらに表示機能付きファックス装置、デジタルカメラのファインダ、携帯型TV、DSP装置、PDA、電子手帳、電光掲示盤、宣伝公告用ディスプレイ等が挙げられる。
本発明の第1実施形態における液晶装置を示す図であり、図1(a)が同液晶装置の平面構成図、(b)が(a)図のH−H’線に沿う断面構成図である。 本発明の第1実施形態における液晶装置が備えるTFTアレイ基板(対向基板)の一方側の端部を模式的に示した図である。 本発明の第1実施形態における液晶装置の透過回路図である。 本発明の第1実施形態における液晶装置の平面構造の説明図である。 本発明の第1実施形態における液晶装置の断面構造の説明図である。 本発明の第1実施形態における液晶装置の製造方法を説明するための説明図である。 (a)が本発明の第1実施形態における液晶装置の製造方法に用いられる蒸着装置の模式図であり、(b)が斜方蒸着の説明図である。 本発明の第1実施形態における液晶装置の製造方法に用いられるマスクを示す図である。 本発明の第1実施形態における液晶装置の製造方法に用いられる液滴吐出装置の概略構成を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態における液晶装置が備えるTFTアレイ基板(対向基板)の一方側の端部を模式的に示した図である。 本発明の第3実施形態における液晶装置が備えるTFTアレイ基板(対向基板)の一方側の端部を模式的に示した図である。 本発明の第3実施形態における液晶装置の製造方法に用いられるマスクを示す図である。 本発明の第4実施形態における液晶装置が備えるTFTアレイ基板(対向基板)の一方側の端部を模式的に示した図である。 本発明の電子機器の一例であるプロジェクタの概略構成を示す断面図である。
符号の説明
10……TFTアレイ基板(基板)、20……対向基板(基板)、10a……画像表示領域(表示領域)、10b……シール領域、10c……境界領域、16,22……無機配向膜、50……液晶、52……シール材、53,54,56……突出部(絶縁部)、55……アルキル材(液状材)、57……バリア層

Claims (2)

  1. 表示領域の外側を囲うシール領域に形成されたシール材を介して貼り合わされた一対の基板と、前記基板間の前記表示領域に挟持される液晶とを有する液晶装置であって、
    少なくとも前記表示領域のいずれか一方の基板に形成されるとともに、前記液晶の液晶分子の配向方向を規制する無機配向膜と、
    前記シール領域から前記表示領域に形成される前記無機配向膜への液状材の侵入を防止する絶縁部と
    を備え
    前記シール領域に前記液状材としてアルキル材が塗布されていることを特徴とする液晶装置。
  2. 表示領域の外側を囲うシール領域に形成されたシール材を介して貼り合わされた一対の基板と、前記基板間の前記表示領域に挟持される液晶とを有する液晶装置の製造方法であって、
    前記シール領域から前記表示領域への液状材の侵入を防止する絶縁部を形成する第1工程と、
    少なくとも前記表示領域に対応するいずれか一方の基板上の領域に、前記液晶の液晶分子の配向方向を規制する無機配向膜を形成する第2工程と、
    前記シール領域に液状材を塗布する第3工程と、
    前記シール領域にシール材を形成し、前記シール材を介して一対の基板を貼り合わせるとともに、前記基板間に前記液晶を封入させる第4工程と
    を有し、
    前記第3工程は、前記液状材としてアルキル材を塗布する工程であることを特徴とする液晶装置の製造方法。
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