JP2007206536A - 液晶組成物、液晶装置及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶層と配向膜との界面に存在する水分やイオン性不純物等の影響による表示品質の低下を防止することが可能な液晶組成物を提供する。
【解決手段】本発明の液晶組成物は、液晶材料と両親媒性物質とを含んでなることを特徴とし、当該液晶組成物により液晶装置の液晶層50を構成する。両親媒性物質を含有させることにより、無機配向膜16,22の表面に介在する水分及びイオン性不純物を除去し、当該水分及びイオン性不純物による配向不良(プレチルトの阻害)及び焼き付きの問題を解消する。両親媒性物質としては、分子内に極性を持たない物質、すなわちポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、クラウンエーテル、クリプタンド等のエーテル結合を有する物質が望ましい。
【選択図】図4
【解決手段】本発明の液晶組成物は、液晶材料と両親媒性物質とを含んでなることを特徴とし、当該液晶組成物により液晶装置の液晶層50を構成する。両親媒性物質を含有させることにより、無機配向膜16,22の表面に介在する水分及びイオン性不純物を除去し、当該水分及びイオン性不純物による配向不良(プレチルトの阻害)及び焼き付きの問題を解消する。両親媒性物質としては、分子内に極性を持たない物質、すなわちポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、クラウンエーテル、クリプタンド等のエーテル結合を有する物質が望ましい。
【選択図】図4
Description
本発明は、液晶組成物、液晶装置及び電子機器に関するものである。
従来、液晶組成物としてフッ素元素等のハロゲン元素を含む液晶化合物を主体として構成されたものがある。このような液晶組成物は、粘度が低く、比抵抗値が高いため、特にアクティブマトリックス駆動用の液晶装置に適している(例えば、特許文献1参照)。
一方、このような液晶組成物を配向させる配向膜としては、側鎖アルキル基を付加したポリイミド等からなる高分子膜の表面にラビング処理を施したものが知られている。この配向膜は有機物であるため、液晶プロジェクタのように高出力光源を備えた機器に用いた場合には、光源から照射される強い光や熱によって配向膜がダメージを受け、配向不良を生じる場合がある。特にプロジェクタの小型化及び高輝度化を図った場合には、液晶装置に入射する単位面積当たりのエネルギーが増加し、入射光の吸収によりポリイミドそのものが分解し、また、光を吸収したことによる発熱で更にその分解が加速される。その結果、配向膜に多大なダメージが付加され、機器の表示特性を低下させてしまう。
そこで、耐光性および耐熱性に優れた無機材料からなる配向膜(無機配向膜)の採用が検討されている。この無機配向膜の製造方法として、イオンビームスパッタ法や斜方蒸着法等が提案されている。これらの方法は、基板に対して所定の入射角度で無機材料の粒子を連続入射させ、無機材料の柱状構造体を形成して無機配向膜を構成するものである。液晶分子はこの柱状構造体に沿って配向するので、この無機配向膜により液晶分子に対する配向規制およびプレチルトの付与が可能となっている。
特開2005−49894号公報
ところで、一対の基板間に液晶層を封止するためには、無機配向膜の表面にシール材を配設する必要がある。しかしながら、柱状構造体からなる無機配向膜は多孔質であるため、シール材と無機配向膜との界面に大きな隙間が形成されるおそれがある。この隙間を通って、液晶装置の外部から液晶層に水分や不純物等が浸入した場合には、無機配向膜の表面に吸着されて液晶分子の配向を阻害する場合がある。特に、無機材料からなる無機配向膜は水に対する濡れ性が高く、かつハロゲン元素を含む液晶組成物は疎水性が高いため、液晶層内に侵入した水分は、液晶層の内部に取り込まれずに無機配向膜と液晶層との界面に介在し、プレチルトの付与を阻害する。その結果、選択電圧印加により液晶分子はランダムな方向に傾倒し、異なる液晶配向領域の境界に不連続線(ディスクリネーション)が現れて残像等の原因になる。
また、無機配向膜として一般に用いられる酸化珪素の表面には、分極した水酸基が多数存在し、透明電極から溶出したイオン性不純物や、液晶材料の分解によって生じたイオン性不純物等が、これらの水酸基に吸着し易くなっている。この状態で液晶層に電圧を印加すると、長期間の使用後には液晶分子が無機配向膜に引き付けられたまま動かなくなり、いわゆる焼き付き現象が発生する場合がある。この焼き付き現象が発生すると、液晶分子を配向制御することができなくなり、画像表示が不可能になるという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、液晶層と配向膜との界面に存在する水分やイオン性不純物等の影響による表示品質の低下を防止することが可能な液晶組成物を提供することを目的とする。また、このような液晶組成物を用いることにより、表示品質及び信頼性の向上を図った液晶装置及び電子機器を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の液晶組成物は、液晶材料と両親媒性物質とを含んでなることを特徴とする。
「両親媒性物質」とは、一分子中に親水性の部分と疎水性の部分とを併せ持つ物質をいう。この両親媒性物質は液晶材料と水の両方に対して相溶性を有する。このため、このような両親媒性物質を液晶材料中に混入した場合には、液晶層と配向膜との界面に存在する水やイオン性不純物を液晶層内部に取り込むことができ、配向不良や焼き付きの生じ難い液晶装置を提供することができる。
「両親媒性物質」とは、一分子中に親水性の部分と疎水性の部分とを併せ持つ物質をいう。この両親媒性物質は液晶材料と水の両方に対して相溶性を有する。このため、このような両親媒性物質を液晶材料中に混入した場合には、液晶層と配向膜との界面に存在する水やイオン性不純物を液晶層内部に取り込むことができ、配向不良や焼き付きの生じ難い液晶装置を提供することができる。
本発明においては、前記両親媒性物質がエーテル結合を有することが望ましい。
エーテル結合を有する物質をエーテルと呼ぶ。エーテルは一般式R1−O−R2で表される化合物群である。エーテルは、分子内に不対電子の偏りがなく、極性を持たないため、エーテル結合を有する両親媒性物質を液晶材料中に混入しても、その両親媒性物質自体がイオン性不純物として焼き付き等の原因となることはない。なお、このようなエーテル結合を有する両親媒性物質としては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、クラウンエーテル、クリプタンド等があり、いずれについても良好な表示特性、信頼性が得られる。
エーテル結合を有する物質をエーテルと呼ぶ。エーテルは一般式R1−O−R2で表される化合物群である。エーテルは、分子内に不対電子の偏りがなく、極性を持たないため、エーテル結合を有する両親媒性物質を液晶材料中に混入しても、その両親媒性物質自体がイオン性不純物として焼き付き等の原因となることはない。なお、このようなエーテル結合を有する両親媒性物質としては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、クラウンエーテル、クリプタンド等があり、いずれについても良好な表示特性、信頼性が得られる。
本発明においては、前記両親媒性物質がカルボキシル基を有することが望ましい。
このような両親媒性物質は、エーテル結合を有するものと異なり、分子内に若干の極性を有する。しかし、その極性は十分に小さいため、両親媒性物質自体がイオン性不純物として機能することは殆どない。また、カルボキシル基を有する両親媒性物質は耐光性に優れるため、液晶プロジェクタのように高出力光源を備えた機器に用いた場合にも、信頼性を損なうことはない。
このような両親媒性物質は、エーテル結合を有するものと異なり、分子内に若干の極性を有する。しかし、その極性は十分に小さいため、両親媒性物質自体がイオン性不純物として機能することは殆どない。また、カルボキシル基を有する両親媒性物質は耐光性に優れるため、液晶プロジェクタのように高出力光源を備えた機器に用いた場合にも、信頼性を損なうことはない。
本発明の液晶装置は、一対の基板間に液晶層を挟持してなる液晶装置であって、前記液晶層が前述した本発明の液晶組成物を備えることを特徴とする。
この構成によれば、液晶層と配向膜との界面に水分やイオン性不純物が存在する場合に、それらを両親媒性物質によって液晶層内部に取り込むことができるので、このような水分等による配向不良や焼き付き等の不具合も生じ難いものとなる。
この構成によれば、液晶層と配向膜との界面に水分やイオン性不純物が存在する場合に、それらを両親媒性物質によって液晶層内部に取り込むことができるので、このような水分等による配向不良や焼き付き等の不具合も生じ難いものとなる。
本発明においては、前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板の前記液晶層側に、無機材料からなる配向膜(無機配向膜)を備えることが望ましい。
この構成によれば、配向膜が無機材料によって構成されるので、耐光性に優れた液晶装置を提供できる。この場合、無機配向膜の表面は親水性が高いので、ポリイミド等の有機配向膜に比べて水分吸着が生じやすくなるが、このような水分は両親媒性物質によって液晶層内部に取り込むことができるので、これによって配向不良等が生じることはない。
この構成によれば、配向膜が無機材料によって構成されるので、耐光性に優れた液晶装置を提供できる。この場合、無機配向膜の表面は親水性が高いので、ポリイミド等の有機配向膜に比べて水分吸着が生じやすくなるが、このような水分は両親媒性物質によって液晶層内部に取り込むことができるので、これによって配向不良等が生じることはない。
本発明の電子機器は、上述した本発明の液晶装置を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、配向不良や焼き付きの生じ難い電子機器を提供することができる。
この構成によれば、配向不良や焼き付きの生じ難い電子機器を提供することができる。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。
[液晶装置]
以下に示す本実施形態の液晶装置は、スイッチング素子としてTFT(Thin-Film Transistor)素子を用いたアクティブマトリクス型の透過型液晶装置である。また、本実施形態の液晶装置は、本発明に係る液晶組成物を備えた液晶層を有している。この液晶装置は、例えばプロジェクタのライトバルブ(光変調手段)として好適に用いられる。
以下に示す本実施形態の液晶装置は、スイッチング素子としてTFT(Thin-Film Transistor)素子を用いたアクティブマトリクス型の透過型液晶装置である。また、本実施形態の液晶装置は、本発明に係る液晶組成物を備えた液晶層を有している。この液晶装置は、例えばプロジェクタのライトバルブ(光変調手段)として好適に用いられる。
図1(a)は、液晶装置100を各構成要素とともに対向基板の側から見た平面図であり、図1(b)は、液晶装置100の図1(a)中に示すH−H’線に沿う断面図である。
図1に示すように、本実施形態の液晶装置100は、互いに対向して配置されたTFTアレイ基板10と対向基板20とを有する。TFTアレイ基板10と対向基板20は、これら基板の外周部に設けられた平面視略矩形枠状のシール材52によって貼り合わされ、このシール材52によって区画された領域内に液晶50が封入されている。シール材52の形成領域の内側には、該シール材52内周側に沿う平面視矩形枠状の遮光膜(周辺見切り)53が形成され、この遮光膜53の内側の領域が画像表示領域10aとなっている。シール材52の外側の領域には、データ線駆動回路101及び外部回路実装端子102がTFTアレイ基板10の1辺(図示下辺)に沿って形成されており、この1辺に隣接する2辺に沿ってそれぞれ走査線駆動回路104,104が形成されて周辺回路を構成している。TFTアレイ基板10の残る1辺(図示上辺)には、画像表示領域10aの両側の走査線駆動回路104,104間を接続する複数の配線105が設けられている。また、対向基板20の各角部においては、TFTアレイ基板10と対向基板20との間の電気的導通をとるための基板間導通材106が配設されている。
図2は、液晶装置100の画像表示領域においてマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路を示す図である。
図2に示すように、画像表示領域10aには複数の画素Dがマトリクス状に構成されているとともに、これらの画素Dの各々には、画素スイッチング用のTFT30が形成されており、画素信号S1、S2、…、Snを供給するデータ線6aがTFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画素信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次で供給してもよく、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。また、TFT30のゲートには走査線3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmをこの順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9は、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけオン状態とすることにより、データ線6aから供給される画素信号S1、S2、…、Snを各画素に所定のタイミングで書き込む。このようにして画素電極9を介して液晶に書き込まれた所定レベルの画素信号S1、S2、…、Snは、図1に示す対向基板20の対向電極21との間で一定期間保持される。また、保持された画素信号S1、S2、…、Snがリークするのを防ぐために、画素電極9と対向電極21との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量17が付加されている。符号3bは蓄積容量17を構成する容量線である。
図2に示すように、画像表示領域10aには複数の画素Dがマトリクス状に構成されているとともに、これらの画素Dの各々には、画素スイッチング用のTFT30が形成されており、画素信号S1、S2、…、Snを供給するデータ線6aがTFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画素信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次で供給してもよく、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。また、TFT30のゲートには走査線3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmをこの順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9は、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけオン状態とすることにより、データ線6aから供給される画素信号S1、S2、…、Snを各画素に所定のタイミングで書き込む。このようにして画素電極9を介して液晶に書き込まれた所定レベルの画素信号S1、S2、…、Snは、図1に示す対向基板20の対向電極21との間で一定期間保持される。また、保持された画素信号S1、S2、…、Snがリークするのを防ぐために、画素電極9と対向電極21との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量17が付加されている。符号3bは蓄積容量17を構成する容量線である。
次に、図3および図4に基づいて、本実施形態の液晶装置のTFTアレイ基板の画素部の構造について詳細に説明する。図3は、データ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図であり、図4は図3のA−A’線に沿う断面図である。なお、図4においては、図示上側が光入射側、図示下側が視認側(観察者側)である場合について図示している。
図3に示すように、液晶装置100のTFTアレイ基板10上には、マトリクス状に複数の透明な画素電極9(点線部9aにより輪郭が示されている)が設けられており、画素電極9の縦横の境界に各々沿ってデータ線6a、走査線3aおよび容量線3bが設けられている。データ線6aは、コンタクトホール5を介してポリシリコン膜からなる半導体層1aのうち後述のソース領域に電気的に接続されており、画素電極9は、コンタクトホール8を介して半導体層1aのうち後述のドレイン領域に電気的に接続されている。画素電極ピッチは、20μm程度以下、好ましくは15μm程度以下とされている。また、半導体層1aのうち後述のチャネル領域(図中右上がりの斜線の領域)に対向するように走査線3aが配置されており、走査線3a自体がゲート電極として機能する。
容量線3bは、走査線3aに沿ってほぼ直線状に伸びる本線部(すなわち、平面的に見て、走査線3aに沿って形成された第1領域)と、データ線6aと交差する箇所からデータ線6aに沿って前段側(図中上向き)に突出した突出部(すなわち、平面的に見て、データ線6aに沿って延設された第2領域)とを有している。そして、図中右上がりの斜線で示した領域には、複数の第1遮光膜11aが設けられている。より具体的には、第1遮光膜11aは、画素部において半導体層1aのチャネル領域を含むTFTをTFTアレイ基板の側から見て覆う位置に設けられており、さらに、容量線3bの本線部に対向して走査線3aに沿って直線状に伸びる本線部と、データ線6aと交差する箇所からデータ線6aに沿って隣接する後段側(図中下向き)に突出した突出部とを有している。第1遮光膜11aの各段(画素行)における下向きの突出部の先端は、データ線6a下において次段における容量線3bの上向きの突出部の先端と重なっている。この重なった箇所には、第1遮光膜11aと容量線3bとを相互に電気的に接続するコンタクトホール13が設けられている。すなわち、本実施の形態では、第1遮光膜11aは、コンタクトホール13により前段あるいは後段の容量線3bに電気的に接続されている。
次に断面構造を見ると、図4に示すように、本実施の形態の液晶装置は、一対の透明基板を有しており、その一方の基板をなすTFTアレイ基板10と、これに対向配置された他方の基板をなす対向基板20との間に液晶層50が挟持されている。液晶層50は、初期配向状態が垂直配向を呈する誘電異方性が負の液晶からなるもので、当該透過型液晶装置は垂直配向モードの表示装置である。
TFTアレイ基板10には、例えばインジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide, 以下、ITOと略記する)等の透明導電性膜からなる画素電極9が設けられ、TFTアレイ基板10上の各画素電極9に隣接する位置に、各画素電極9をスイッチング制御するTFT30が設けられている。TFT30はLDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、走査線3a、当該走査線3aからの電界によりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1a’、走査線3aと半導体層1aとを絶縁する絶縁薄膜2、データ線6a、半導体層1aの低濃度ソース領域1bおよび低濃度ドレイン領域1c、半導体層1aの高濃度ソース領域1dおよび高濃度ドレイン領域1eを備えている。
また、上記走査線3a上、絶縁薄膜2上を含むTFTアレイ基板10上には、高濃度ソース領域1dへ通じるコンタクトホール5および高濃度ドレイン領域1eへ通じるコンタクトホール8が各々形成された第2層間絶縁膜4が形成されている。つまり、データ線6aは、第2層間絶縁膜4を貫通するコンタクトホール5を介して高濃度ソース領域1dに電気的に接続されている。さらに、データ線6a上および第2層間絶縁膜4上には、高濃度ドレイン領域1eへ通じるコンタクトホール8が形成された第3層間絶縁膜7が形成されている。つまり、高濃度ドレイン領域1eは、第2層間絶縁膜4および第3層間絶縁膜7を貫通するコンタクトホール8を介して画素電極9に電気的に接続されている。これら第3層間絶縁膜7上及び画素電極9上には、配向膜16が形成されている。
配向膜16は、SiO2やSiO等の珪素酸化物、又はAl2O3、ZnO、MgOやITO等の金属酸化物等により、厚さ0.02μm〜0.3μm(好ましくは、0.02μm〜0.08μm)程度に形成されたものである。配向膜16は、無数の柱状構造体から構成されている。これらの柱状構造体は、イオンビームスパッタ法や斜方蒸着法等により形成されており、したがって柱状構造体のぞれぞれは基板10の法線方向に対して斜め方向に結晶成長した状態で配列している。
また、ゲート絶縁膜となる絶縁薄膜2を走査線3aの一部からなるゲート電極に対向する位置から延設して誘電体膜として用い、半導体層1aを延設して第1蓄積容量電極1fとし、さらにこれらに対向する容量線3bの一部を第2蓄積容量電極とすることにより、蓄積容量17が構成されている。
また、TFTアレイ基板10表面の各画素スイッチング用TFT30に対応する位置には、第1遮光膜11aが設けられている。第1遮光膜11aとTFT30との間には、例えば高絶縁性ガラス、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜等からなる第1層間絶縁膜(絶縁体層)12が設けられている。さらに、第1層間絶縁膜12は、TFTアレイ基板10の全面に形成されており、第1遮光膜111パターンの段差を解消するために表面を研磨し、平坦化処理を施してある。
他方、対向基板20には、TFTアレイ基板10上のデータ線6a、走査線3a、画素スイッチング用TFT30の形成領域に対向する領域、すなわち各画素部の開口領域以外の領域に第2遮光膜23が設けられている。さらに、第2遮光膜23上を含む対向基板20上には、その全面にわたって対向電極(共通電極)21が設けられている。対向電極21もTFTアレイ基板10の画素電極9と同様、ITO膜等の透明導電性膜から形成されている。第2遮光膜23の存在により、対向基板20の側からの入射光が画素スイッチング用TFT30の半導体層1aのチャネル領域1a’や低濃度ソース領域領域1b、低濃度ドレイン領域1cに侵入することはない。さらに、対向電極21上には、配向膜22が設けられている。
配向膜22は、SiO2やSiO等の珪素酸化物、又はAl2O3、ZnO、MgOやITO等の金属酸化物等により、厚さ0.02μm〜0.3μm(好ましくは、0.02μm〜0.08μm)程度に形成されたものである。配向膜22の構造及び形成方法はTFTアレイ基板10側の配向膜16と同じである。
次に、液晶層50は、液晶材料と両親媒性物質とを含む液晶組成物で構成されている。具体的には、液晶材料としては、ハロゲン元素を含む有機成分を主体とするもので、液晶相を形成するものを用い、両親媒性物質としては、エーテル結合を有する一般式R1−O−R2(R1,R2:疎水基)で表される物質を用いる。
液晶材料を例示すると、例えばTFT用液晶混合物(メルク社製、MLC−6849−00)等を用いることができる。一方、両親媒性物質を例示すると、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、クラウンエーテル、クリプタンド等を用いることができる。このような両親媒性物質を液晶材料に分散させた液晶組成物により液晶層50を構成すると、液晶層50内に水分やイオン性不純物が混入した場合にも、両親媒性物質が当該水分及びイオン性不純物を吸着し、液晶層50の内部に取り込むことができる。そして、液晶層50と配向膜16,22との界面に当該水分及びイオン性不純物が介在されることを防止する結果、液晶層50において配向乱れが殆ど生じないものとなり、信頼性の高い表示を提供することが可能となる。
すなわち、無機材料からなる配向膜16,22は水に対する濡れ性が高く、かつハロゲン元素を含む液晶組成物は疎水性が高いため、シール材52と無機配向膜16,22との界面を通して液晶層50内に侵入した水分は、液晶層50の内部に取り込まれずに無機配向膜16,22と液晶層50との界面に介在し、プレチルトの付与を阻害する。その結果、選択電圧印加により液晶分子はランダムな方向に傾倒し、異なる液晶配向領域の境界に不連続線(ディスクリネーション)が現れて残像等の原因になる。また、酸化珪素からなる配向膜16,22の表面には、分極した水酸基が多数存在し、ITO電極から溶出したイオン性不純物や、液晶材料の分解によって生じたイオン性不純物等が、これらの水酸基に吸着し易くなっている。この状態で液晶層50に電圧を印加すると、長期間の使用後には液晶分子が配向膜16,22に引き付けられたまま動かなくなり、いわゆる焼き付き現象が発生する場合がある。
これに対して、液晶材料中に両親媒性物質を混入しておくと、両親媒性物質は液晶材料にも水分等にも親和性の高い物質であるため、一方で水分及びイオン性不純物を吸着し、他方で液晶材料中に拡散することができる。その結果、液晶層内に混入した水分及びイオン性不純物を捕捉しつつ、これを液晶層50の内部に取り込むことが可能になり、液晶層50において配向不良や焼き付き等の生じ難いものとなる。また、本実施形態では、両親媒性物質としてエーテル結合を有するもの(エーテル)を用いているため、両親媒性物質内に極性が生じることはない。したがって、このような両親媒性物質を液晶材料中に混入しても、両親媒性物質自体がイオン性不純物として焼き付き等の原因となることはない。特に、両親媒性物質としてクラウンエーテルを用いた場合には、当該クラウンエーテルが環状の分子構造を有することから、その環状構造の内部に水分やイオン性不純物を囲い込むように捕捉することができ、より一層捕捉効果の高いものとなる。
このような液晶組成物は、例えば、液晶材料中に上述したエーテル結合を有する両親媒性物質を混入し、これに40KHzの超音波を照射することにより得ることができる。ここで、両親媒性物質に設ける疎水基の種類、分子量等については、液晶組成物の注入条件等を考慮して適切に設計される。分子量が小さく蒸気圧(又は沸点)の高いものは、真空注入する際に蒸発してしまうからである。また、液晶組成物における両親媒性物質の含有率は、水分等の捕捉効果の程度、及び液晶層50の透過率への影響等を考慮して適切に設計される。
なお、本実施形態では、極性を持たない両親媒性物質としてエーテル結合を有するものを用いたが、両親媒性物質は必ずしも極性を全く持たないものである必要はなく、若干極性を有していても、耐光性に影響が出ないものであれば、本発明の両親媒性物質として採用可能である。例えば、カルボキシル基を有する両親媒性物質は、エーテル結合を有するものに比べて分子内に若干の極性を有するが、その極性は十分に小さいため、両親媒性物質自体がイオン性不純物として機能することは殆どない。また、カルボキシル基を有する両親媒性物質は耐光性に優れるため、液晶プロジェクタのように高出力光源を備えた機器に用いた場合にも、信頼性を損なうことはない。
[電子機器]
次に、本発明の電子機器の一例であるプロジェクタの一実施形態を図5を用いて説明する。図5は、プロジェクタの要部を示す概略構成図である。このプロジェクタは、前述した実施形態に係る液晶装置を光変調手段として備えたものである。
次に、本発明の電子機器の一例であるプロジェクタの一実施形態を図5を用いて説明する。図5は、プロジェクタの要部を示す概略構成図である。このプロジェクタは、前述した実施形態に係る液晶装置を光変調手段として備えたものである。
図5において、810は光源、813、814はダイクロイックミラー、815、816、817は反射ミラー、818は入射レンズ、819はリレーレンズ、820は出射レンズ、822、823、824は本発明の液晶装置からなる光変調手段、825はクロスダイクロイックプリズム、826は投射レンズである。光源810は、メタルハライド等のランプ811とランプの光を反射するリフレクタ812とからなる。
ダイクロイックミラー813は、光源810からの白色光に含まれる赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー817で反射されて、赤色光用光変調手段822に入射される。また、ダイクロイックミラー813で反射された緑色光は、ダイクロイックミラー814によって反射され、緑色光用光変調手段823に入射される。さらに、ダイクロイックミラー813で反射された青色光は、ダイクロイックミラー814を透過する。青色光に対しては、長い光路による光損失を防ぐため、入射レンズ818、リレーレンズ819および出射レンズ820を含むリレーレンズ系からなる導光手段821が設けられている。この導光手段821を介して、青色光が青色光用光変調手段824に入射される。
各光変調手段822、823、824により変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム825に入射する。このクロスダイクロイックプリズム825は4つの直角プリズムを貼り合わせたものであり、その界面には赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜とがX字状に形成されている。これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ826によってスクリーン827上に投影され、画像が拡大されて表示される。
前述したプロジェクタは、前記の液晶装置を光変調手段として備えている。この液晶装置は、前述したように信頼性が高いものとなっているので、このプロジェクタ(電子機器)自体も信頼性が高いものとなる。
なお、本発明の技術的範囲は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、前述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。例えば、前記実施形態ではスイッチング素子としてTFTを備えた液晶装置を例にして説明したが、スイッチング素子として薄膜ダイオード(Thin Film Diode)等の二端子型素子を備えた液晶装置に本発明を適用することも可能である。また、前記実施形態では透過型液晶装置を例にして説明したが、反射型液晶装置に本発明を適用することも可能である。また、前記実施形態ではVA(Vertical Alignment)モードで機能する液晶装置を例にして説明したが、TN(Twisted Nematic)モードで機能する液晶装置に本発明を適用することも可能である。また、実施形態では3板式の投射型表示装置(プロジェクタ)を例にして説明したが、単板式の投射型表示装置や直視型表示装置に本発明を適用することも可能である。
また、本発明の液晶装置を、プロジェクタ以外の電子機器に適用することも可能である。その具体例として、携帯電話を挙げることができる。この携帯電話は、前述した液晶装置を表示部に備えたものである。また、その他の電子機器としては、例えばICカード、ビデオカメラ、パーソナルコンピュータ、ヘッドマウントディスプレイ、さらに表示機能付きファックス装置、デジタルカメラのファインダ、携帯型TV、DSP装置、PDA、電子手帳、電光掲示盤、宣伝公告用ディスプレイ等が挙げられる。
10…TFTアレイ基板、16…配向膜、20…対向基板、22…配向膜(無機配向膜)、100…液晶装置
Claims (10)
- 液晶材料と両親媒性物質とを含んでなることを特徴とする液晶組成物。
- 前記両親媒性物質がエーテル結合を有することを特徴とする請求項1記載の液晶組成物。
- 前記両親媒性物質がポリプロピレングリコールであることを特徴とする請求項2記載の液晶組成物。
- 前記両親媒性物質がポリエチレングリコールであることを特徴とする請求項2記載の液晶組成物。
- 前記両親媒性物質がクラウンエーテルであることを特徴とする請求項2記載の液晶組成物。
- 前記両親媒性物質がクリプタンドであることを特徴とする請求項2記載の液晶組成物。
- 前記両親媒性物質がカルボキシル基を有することを特徴とする請求項1記載の液晶組成物。
- 一対の基板間に液晶層を挟持してなる液晶装置であって、
前記液晶層が請求項1〜7のいずれかの項に記載の液晶組成物を備えることを特徴とする液晶装置。 - 前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板の前記液晶層側に、無機材料からなる配向膜を備えたことを特徴とする請求項8記載の液晶装置。
- 請求項8又は9記載の液晶装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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