JPH10339876A - 液晶配向膜とその製造方法およびそれを用いた液晶表示装置とその製造方法 - Google Patents

液晶配向膜とその製造方法およびそれを用いた液晶表示装置とその製造方法

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JPH10339876A
JPH10339876A JP14827497A JP14827497A JPH10339876A JP H10339876 A JPH10339876 A JP H10339876A JP 14827497 A JP14827497 A JP 14827497A JP 14827497 A JP14827497 A JP 14827497A JP H10339876 A JPH10339876 A JP H10339876A
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JP
Japan
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group
liquid crystal
substrate
film
molecules
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Application number
JP14827497A
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English (en)
Inventor
Kazufumi Ogawa
小川  一文
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電極の形成された表面に薄膜を形成した後その
表面をラビングし、任意の表面エネルギーを有する単分
子膜状の配向膜を形成することにより、液晶の配向方向
はラビングの方向で制御し、液晶のプレチルト角度は単
分子膜状の被膜の表面エネルギーで制御して信頼性の高
い液晶表示素子を提供する。 【解決手段】表面に透明電極の形成されたガラス基板2
3,26を準備し、洗浄脱脂した後、ゾルゲル法を用いて約
0.1μmの厚みでSiO2の保護膜を形成した後、加熱硬化し
た。次に表面をレーヨン製ラビング布を用いて、押し込
み深さ0.3mm,スピード80m/分で希望する配向方向に向け
てラビングを行った。次に化学吸着物質としてClSi(C
H3)2OSi(CH3)2OSi(CH3)2OSi(CH3)2ClとCH3(CH2)14SiCl3
を1:0〜0:1の間で混合して用いた場合、臨界表面エネル
ギーは混合比に応じて35mN/mから21mN/mの範囲で制御で
きた。プレチルト角は5度から90度の範囲で制御でき
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶配向膜とその
製造方法およびそれを用いた液晶表示装置とその製造方
法に関するものである。さらに詳しくは、テレビジョン
(TV)画像やコンピュータ画像等を表示する液晶を用
いた平面表示パネルに用いる液晶配向膜およびその製造
方法およびそれを用いた液晶表示装置とその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、カラー液晶表示パネルは、マトリ
ックス状に配置された対向電極を形成した2つの基板の
間にポリビニルアルコールやポリイミド溶液をスピナー
等で回転塗布して形成しさらにラビングした液晶配向膜
を介して液晶を封入した装置が一般的であった。
【0003】例えば、予め第1のガラス基板上に画素電
極を持った薄膜トランジスタ(TFT)アレイを形成し
たものと、第2のガラス基板上に複数個の赤青緑のカラ
ーフィルターが形成されさらにその上に共通透明電極が
形されたもの、それぞれの電極面にポリビニルアルコー
ルやポリイミド溶液をスピナーを用いて塗布して被膜形
成した後、ラビングを行なって液晶配向膜を形成し、ス
ペーサーを介して任意のギャップで対向するように接着
組み立てた後、液晶(ツイストネマチック(TN)等)
を注入しパネル構造を形成した後、パネルの裏表に偏光
板を設置し、裏面よりバックライトを照射しながら、T
FTを動作させカラー画像を表示するデバイスが知られ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
配向膜の作成は、ポリビニルアルコールやポリイミドを
有機溶媒に溶解させ回転塗布法などを用いて塗布形成し
た後、フェルト布等を用いてラビングを行なう方法が用
いられていた。したがって、表面段差部や大面積パネル
(例えば14インチディスプレイ)では配向膜の膜厚均
一性が悪いという大きな欠点があった。また、前期樹脂
は一般に絶縁性であり且つ厚みをそれほど薄くできなか
ったため、映像を表示する際像焼き付けを生じ易いとい
う欠点があった。また、有機被膜をラビングするため傷
つきやすく、表示欠陥が生じやすいという問題があっ
た。
【0005】本発明は、前記従来の問題を解決するた
め、液晶表示パネルにおいて使用される配向膜であり、
従来のように塗布された樹脂膜をラビングラビングする
のではなく、電極の形成された表面を直接または任意の
薄膜を形成した後その表面をラビングし、さらに任意の
表面エネルギーを有する単分子膜状の配向膜を形成する
ことにより、液晶の配向方向はラビングの方向で制御
し、液晶のプレチルト角度は単分子膜状の被膜の表面エ
ネルギーで制御して信頼性の高い液晶表示素子を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】あらかじめ電極を形成し
た基板の表面を直接または任意の薄膜を形成した後その
表面をラビングする工程と、炭素鎖またはシロキサン結
合鎖を含み、前記炭素鎖またはシロキサン結合鎖の末端
あるいは一部に被膜の表面エネルギーを制御する官能基
を少なくとも一つ含んでいるシラン系界面活性剤を用い
て作製した化学吸着液に接触させ前記吸着液中の界面活
性剤分子と基板表面とを化学反応させ前記界面活性剤分
子を表面がラビングされた基板の表面に一端で結合固定
する工程とを用いて被膜を作成することにより、液晶の
配向方向はラビングの方向で制御され、液晶のプレチル
ト角度は単分子膜状の被膜の表面エネルギーで制御され
ていることを特徴とするあらかじめ電極が形成され且つ
前記電極表面が直接または任意の薄膜を形成した後ラビ
ングされている基板の表面に単分子膜状の信頼性の高い
液晶表示素子用配向膜を提供する。
【0007】このとき、被膜を構成する分子として臨界
表面エネルギーの異なる複数種のシリコン系界面活性剤
を混合して用い、固定された被膜が所望の臨界表面エネ
ルギー値になるよう制御されていると液晶のプレチルト
角を制御する上で都合がよい。
【0008】また、表面エネルギーを制御する官能基と
して、3フッ化炭素基(−CF3)、メチル基(−C
3)、ビニル基(−CH=CH2)、アリル基(−CH
=CH−)、アセチレン基(炭素−炭素の3重結合)、
フェニル基(−C65)、フェニレン基(−C6
4−)、ハロゲン原子、アルコキシ基(−OR;Rはア
ルキル基を表す。とくに炭素数1〜3の範囲のアルキル
基が好ましい。)、シアノ基(−CN)、アミノ基(−
NH2)、水酸基(−OH)、カルボニル基(=C
O)、カルボキシ基(−COO−)及びカルボキシル基
(−COOH)から選ばれる少なくとも一つの有機基を
用いると臨界表面エネルギーの制御を容易に行える。
【0009】さらに、被膜を構成する分子の末端にSi
を含ませておくことにより、基板表面への分子の固定が
きわめて容易になる。なおこのとき、被膜の臨界表面エ
ネルギーを15mN/m〜56mN/mの間で所望の値
に制御しておくことにより、注入する液晶のプレチルト
角を0〜90度の範囲で任意に制御できる。
【0010】一方、このような配向膜の製造には、電極
を形成した基板の表面を直接または任意の薄膜を形成し
た後その表面をラビングする工程と、炭素鎖またはシロ
キサン結合鎖を含み、前記炭素鎖またはシロキサン結合
鎖の末端あるいは一部に被膜の表面エネルギーを制御す
る官能基を少なくとも一つ含んでいるシラン系界面活性
剤を用いて作製した化学吸着液に接触させ前記吸着液中
の界面活性剤分子と基板表面とを化学反応させ前記界面
活性剤分子を基板表面に一端で結合固定する工程を用い
ることで製造できる。
【0011】また、このとき界面活性剤として直鎖状炭
素鎖またはシロキサン結合鎖とクロロシリル基、または
アルコキシシラン基またはイソシアネートシラン基を含
むシラン系の界面活性剤を用いると単分子膜状の液晶配
向膜を製造する上で都合がよい。
【0012】さらに、界面活性剤として臨界表面エネル
ギーの異なる複数種のシリコン系界面活性剤を混合して
用いれば、被膜の臨界表面エネルギーを細かく制御でき
る。
【0013】さらにまた、炭素鎖またはシロキサン結合
鎖の末端または主鎖内、あるいは側鎖に3フッ化炭素基
(−CF3)、メチル基(−CH3)、ビニル基(−CH
=CH2)、アリル基(−CH=CH−)、アセチレン
基(炭素−炭素の3重結合)、フェニル基(−C
65)、フェニレン基(−C64−)、ハロゲン原子、
アルコキシ基(−OR;Rはアルキル基を表す。とくに
炭素数1〜3の範囲のアルキル基が好ましい。)、シア
ノ基(−CN)、アミノ基(−NH2)、水酸基(−O
H)、カルボニル基(=CO)、カルボキシ基(−CO
O−)及びカルボキシル基(−COOH)から選ばれる
少なくとも一つの有機基を組み込むことでも被膜の臨界
表面エネルギーをより正確に制御できる。
【0014】また、界面活性剤分子を基板表面に一端で
結合固定する工程の後に、有機溶剤で洗浄して、さらに
所望の方向に基板を立てて液切りを行い、液切り方向に
前記固定された分子を配向させる工程を行うことで、さ
らに配向性に優れた配向膜を提供できる。
【0015】また、分子を配向させる工程を行った後、
さらに偏光膜を介して露光して前記配向された分子を所
望の方向に再配向させることで、より配向性能を向上で
きる。
【0016】また、界面活性剤として直鎖状炭素鎖また
はシロキサン結合鎖とクロロシリル基またはイソシアネ
ートシラン基を含むシラン系の界面活性剤を用い、洗浄
有機溶媒として水を含まない非水系の有機溶媒を用いる
ことで、より欠陥の少ない単分子膜状の液晶配向膜を提
供できる。
【0017】このとき、非水系の有機溶媒として、アル
キル基、フッ化炭素基または塩化炭素基またはシロキサ
ン基を含む溶媒を用いると液切りに都合がよい。ラビン
グ後、界面活性剤分子を一端で固定する工程の前に、多
数のSiO基を含む被膜を形成する工程を行い、この膜
を介して単分子膜状の被膜を形成することで、より密度
の高い単分子膜状の液晶配向膜を提供できる。
【0018】さらに、炭素鎖またはシロキサン結合鎖を
含み、前記炭素鎖またはシロキサン結合鎖の末端あるい
は一部に被膜の表面エネルギーを制御する官能基を少な
くとも一つ含んでいる分子で構成された被膜が、液晶用
の配向膜として対向させる電極が形成され且つ前記電極
表面が直接または任意の薄膜を形成した後ラビングされ
ている2つの基板表面の少なくとも一方の基板の電極側
表面に直接または他の被膜を介して間接に形成されてお
り、液晶が前記2つの対向する電極に前記配向膜を介し
て挟まれていることを特徴とする液晶表示装置を提供で
きる。
【0019】なお、対向させる電極の形成された2つの
基板表面にそれぞれ前記被膜を配向膜として形成してお
くとよりコントラストの高い液晶表示装置を提供でき
る。また、基板表面の被膜にパターン状の配向方向の異
なる部分を複数箇所作り込んでおくと表示視野角を大幅
に改良できて好都合である。さらに、対向する電極が片
方の基板表面にそれぞれ形成されている面内スイッチ
(IPS)タイプの表示素子にも有効に利用可能であ
る。
【0020】一方、このような表示装置の製造には、あ
らかじめマトリックス状に載置された第1の電極群を有
する第1の基板を直接または任意の薄膜を形成した後そ
の表面をラビングする工程と、炭素鎖またはシロキサン
結合鎖を含み、前記炭素鎖またはシロキサン結合鎖の末
端あるいは一部に被膜の表面エネルギーを制御する官能
基を少なくとも一つ含んでいるシラン系界面活性剤を用
いて作製した化学吸着液に接触させ前記吸着液中の界面
活性剤分子と基板表面とを化学反応させ前記界面活性剤
分子を基板表面に一端で結合固定する工程と、有機溶剤
で洗浄後さらに所望の方向に基板を立てて液切りを行い
液切り方向に前記固定された分子を配向させる工程と、
前記第1の電極群を有する第1の基板と第2の基板、ま
たは第2の電極叉は電極群を有する第2の基板を、電極
面を内側にして所定の間隙を保ちつつ位置合わせして接
着固定する工程と、前記第1と第2の基板の間に所定の
液晶を注入する工程を用いると効率よく液晶表示装置を
製造できる。
【0021】さらに、固定された分子を配向させる工程
の後、偏光板を介して所望の方向に偏光した光で露光し
て前記界面活性剤分子の向きを所望の傾きを有した状態
で特定の方向に揃える工程を行うとより配向特性の優れ
た液晶表示装置を実現できる。
【0022】また、偏光板を介して所望の方向に偏光し
た光で露光して前記結合された界面活性剤分子の向きを
所望の傾きを有した状態で特定の方向に揃える工程にお
いて、前記偏光板にパターン状のマスクを重ねて露光す
る工程を複数回行い、同一面内の配向膜内でパターン状
の配向方向の異なる部分を複数箇所設けると、マルチド
メイン配向した液晶表示装置を提供できる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明では、少なくとも、あらか
じめ電極を形成した基板の表面を直接または任意の薄膜
を形成した後その表面をラビングする工程と、炭素鎖ま
たはシロキサン結合鎖を含み、前記炭素鎖またはシロキ
サン結合鎖の末端あるいは一部に被膜の表面エネルギー
を制御する官能基を少なくとも一つ含んでいるシラン系
界面活性剤を用いて作製した化学吸着液に接触させ前記
吸着液中の界面活性剤分子と基板表面とを化学反応させ
前記界面活性剤分子を表面がラビングされた基板の表面
に一端で結合固定する工程とを用いて、液晶の配向方向
はラビングの方向で制御され、液晶のプレチルト角度は
単分子膜状の被膜の表面エネルギーで制御されているこ
とを特徴とするあらかじめ電極が形成され且つ前記電極
表面が直接または任意の薄膜を形成した後ラビングされ
ている基板の表面に形成されている単分子膜状の表面が
凸凹な液晶表示素子用配向膜を製造する。
【0024】さらに、あらかじめマトリックス状に載置
された第1の電極群を有する第1の基板を直接または任
意の薄膜を形成した後その表面をラビングする工程と、
炭素鎖またはシロキサン結合鎖を含み、前記炭素鎖また
はシロキサン結合鎖の末端あるいは一部に被膜の表面エ
ネルギーを制御する官能基を少なくとも一つ含んでいる
シラン系界面活性剤を用いて作製した化学吸着液に接触
させ前記吸着液中の界面活性剤分子と基板表面とを化学
反応させ前記界面活性剤分子を基板表面に一端で結合固
定する工程と、有機溶剤で洗浄後さらに所望の方向に基
板を立てて液切りを行い液切り方向に前記固定された分
子を予備配向させる工程と、前記第1の電極群を有する
第1の基板と第2の基板、または第2の電極叉は電極群
を有する第2の基板を、電極面を内側にして所定の間隙
を保ちつつ位置合わせして接着固定する工程と、前記第
1と第2の基板の間に所定の液晶を注入する工程とを用
いて、炭素鎖またはシロキサン結合鎖を含み、前記炭素
鎖またはシロキサン結合鎖の末端あるいは一部に被膜の
表面エネルギーを制御する官能基を少なくとも一つ含ん
でいる分子で構成された被膜が、液晶用の配向膜として
対向させる電極が形成され且つ前記電極表面が直接また
は任意の薄膜を形成した後ラビングされている2つの基
板表面の少なくとも一方の基板の電極側表面に直接また
は他の被膜を介して間接に形成されており、液晶が前記
2つの対向する電極に前記配向膜を介して挟まれている
液晶表示装置を製造する。
【0025】
【実施例】以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に
説明する。 (実施例1)表面に透明電極の形成されたガラス基板1
(表面に水酸基を多数含む)を準備し、あらかじめよく
洗浄脱脂した後、ゾルゲル法を用いて約0.1μmの厚
みでSiO2の保護膜を形成した後加熱硬化した。その
後、表面を一般の液晶表示装置製造工場で用いられてい
るレーヨン製ラビング布を用いて、押し込み深さ0.3
mm、スピード80m/分で希望する配向方向に向けて
ラビングを行った。次に、末端に被膜の表面エネルギー
を制御する官能基を一つ組み込んだ直鎖状炭化水素基及
びSiを含むシラン系界面活性剤(以下、化学吸着化合
物ともいう)、CH3(CH214SiCl3とNC(C
214SiCl3(モル比で1:1に混合して用いた)
を用い、1重量%程度の濃度で非水系の溶媒に溶かして
化学吸着溶液を調整した。非水系溶媒としては、良く脱
水したヘキサデカンを用いた。このようにして調製され
た溶液を吸着溶液2とし、この吸着溶液2の中に、乾燥
雰囲気中(相対湿度30%以下)で前記基板1を1時間
程度浸漬(塗布しても良い)した(図1)。その後、吸
着液から引き上げて、良く脱水した水を含まない非水系
の溶媒であるn−ヘキサン3で洗浄した後、基板を所望
の方向(液切り方向)に立てた状態で洗浄液より引き上
げて液切りし水分を含む空気中に暴露した(図2)。以
上の一連の工程で、前記クロロシラン系界面活性剤のS
iCl基と前記基板表面の水酸基とで脱塩酸反応が生
じ、基板表面で下記式(化1および2)の結合が生成さ
れた。さらに、空気中の水分と反応して式(化3及び
4)の結合が生成された。
【0026】
【化1】
【0027】
【化2】
【0028】
【化3】
【0029】
【化4】
【0030】以上の処理により、前記クロロシラン系界
面活性剤が反応してなる化学吸着単分子膜4があらかじ
めラビングされた基板の表面の水酸基が含まれていた部
分にシロキサンの共有結合を介して化学結合した状態で
約1.5nmの膜厚で単分子膜状に形成された。なお、
このとき化学吸着膜の臨界表面エネルギーは約27mN
/mであった。また、単分子膜内の直鎖状炭素炭化水素
基は、液切り引き上げ方向と反対方向に配向していた。
【0031】さらに、この状態の基板2枚を用い、化学
吸着膜が向かい合うように組み合わせて、アンチパラレ
ル配向するように20ミクロンギヤップの液晶セルを組
み立て、ネマチック液晶(ZLI4792;メルク社
製)を注入して配向状態を確認すると、注入した液晶分
子は、洗浄引き上げにより予備配向された吸着分子に沿
って配向するのではなくラビング方向に沿って配向し
た。また、プレチルト角度は、化学吸着された分子の表
面エネルギーに依存して、基板に対して約65゜でほぼ
配向していた(図3)。
【0032】さらに、CH3(CH214SiCl3とN
C(CH214SiCl3の組成を1:0〜0:1(好ま
しくは10:1〜1:50)で変えると、臨界表面エネ
ルギーは20mN/mから29mN/mに変化し、配向
方向はラビング方向で制御された状態で、且つそれぞれ
プレチルト角のみ90゜から40゜の範囲で任意に制御
できた。さらに、化学吸着化合物としてフッ素を含む界
面活性剤、たとえば、CF3(CF25(CH22Si
Cl3を添加して行くと、臨界表面エネルギーは15m
N/mまで小さくできた。このとき、ラビングではあら
かじめ形成した一般に用いられているポリイミド樹脂な
どに比べて硬度が高いSiO2の保護膜をこするので、
ほとんど傷つくことはなかった。なお、配向方向がラビ
ング方向に依存した理由は、単分子膜は極めて薄いの
で、ラビングにより形成された下地保護膜の分子レベル
での凸凹が単分子膜により緩和されることがないため、
すなわち、ラビングの効果が単分子膜表面まで影響して
配向方向を決定するためと考えられた。一方、プレチル
ト角が形成された単分子膜の種類に依存したのは、単分
子膜の種類により表面エネルギーが異なっていたためと
考えられた。
【0033】ここで、膜を選択的に形成したい場合に
は、印刷機を用いて所望のパターンで基板表面1に吸着
液2を印刷する方法が利用できた。また、あらかじめ基
板表面をレジストで選択的に覆って置いた後、化学吸着
工程を全面に行ってからレジストを除く方法も利用でき
る。ただし、この場合、化学吸着された膜は、有機溶媒
では決して剥がれることがないので、有機溶媒で溶解除
去できるレジストを使用する。
【0034】なお、この実施例では、得られる膜の臨界
表面エネルギーが異なり、且つ炭素鎖長が−(CH2
14−と同じ長さのシラン系界面活性剤を用いたが、炭素
鎖長の長さが異なる(例えば、−(CH2n−;nは1
から30の範囲の整数)界面活性剤を混合して用いれ
ば、さらにプレチルト角配向規制力を高められた。
【0035】一方、同様に処理したこの状態の基板を2
枚を用い、それぞれラビング方向5とほぼ直交する方向
に偏光方向13が向くように偏光板(HNP´B)6
(ポラロイド社製)を基板に重ねてセットし、500W
の超高圧水銀灯の365nm(i線)の光7(偏光膜透
過後3.6mW/cm2)を用いて950mJ照射した
(図4)。さらに、この状態の基板2枚を用い、化学吸
着膜が向かい合うように組み合わせて、照射部がアンチ
パラレル配向するように20ミクロンギヤップの液晶セ
ルを組み立て、ネマチック液晶(ZLI4792;メル
ク社製)を注入して配向状態を確認すると、注入した液
晶分子は未照射部ではラビング方向に沿って配向し、照
射部では、偏光方向に沿って配向していた。
【0036】したがって、選択的に配向方向を変えたい
場合には、所望のマスクを偏光板に重ねて露光する工程
を複数回行うことできわめて容易にパターン状に配向方
向の異なる単分子膜状のマルチドメイン液晶配向膜を作
製できた。
【0037】なお、このとき、吸着分子の配向方向を一
方向に揃えるためには、偏光方向を液切り引き上げ方向
と完全に90゜で交差するのではなく、多少、好ましく
は数度以上ずらした方がよい。また、この場合、最大、
液切り方向と平行になるように偏光方向13を合わせて
も良い。もし万一完全に90゜に交差させれば、個々の
分子が2方向に向いてしまう場合がある。その後、前記
化学吸着単分子膜4’中の直鎖状炭素鎖の配向方向を調
べると、臨界表面エネルギーとチルト角は変わらなかっ
たが配向方向8は液切り引き上げ方向とは異なり偏光方
向13とほぼ平行方向に変化し、しかも配向ばらつきも
液切り引き上げ後の状態より改善されていた(図5およ
び6)。図中、9は透明電極を表わす。
【0038】本実施例では、洗浄用の水を含まない溶媒
として、アルキル基を含む炭化水素系のn−ヘキサンを
用いたが、これ以外にも、水を含まず界面活性剤を溶か
す溶媒ならどのような溶媒でも使用可能である。たとえ
ばこれ以外にも、フッ化炭素基、塩化炭素基またはシロ
キサン基を含む溶媒、例えば、フレオン113やクロロ
ホルムやヘキサメチルジシロキサン等をそれぞれ用いる
ことができた。
【0039】(実施例2)実施例1に於て、ラビング工
程後で炭素鎖やシロキサン結合鎖を含む界面活性剤分子
の化学吸着を行う工程の前に、クロロシリル基を複数個
含む化合物を溶かして作製した吸着溶液を作り、ドライ
雰囲気中で浸漬した。すると、基板表面に含まれた水酸
基とクロロシリル基を複数個含む化合物のクロロシリル
基が脱塩酸反応した。その後、さらに水と反応させると
残ったクロロシリル基が水酸基に変化して、表面に水酸
基を多数含む化学吸着膜が形成された。
【0040】たとえば、クロル基を複数個含むシリル化
合物としてSiCl4 を用いn−オクタンに溶かして吸
着液を作製し、乾燥雰囲気中で基板を浸漬すれば、表面
にはーOH基が含まれているので、界面で脱塩酸反応が
生じ下記式(化5)及び/または(化6)が形成され、
クロロシラン分子11が−SiO−結合を介して基板表
面に固定される。
【0041】
【化5】
【0042】
【化6】
【0043】その後、非水系の溶媒例えばクロロホルム
で洗浄すると、基板と反応していない余分のSiCl4
分子は除去される(図7)。さらに空気中に取りだし水
と反応させると、表面に下記式(化7)及び/または
(化8)で示される多数のSiO結合を含むシロキサン
単分子吸着膜12が得られた(図8)。
【0044】
【化7】
【0045】
【化8】
【0046】このとき、非水系の溶媒、例えばクロロホ
ルムで洗浄する工程を省けば、非常に薄い10nmくら
いの膜厚のポリシロキサン化学吸着膜が形成された。な
お、このときできたシロキサン単分子膜12も基板とは
−SiO−の化学結合を介して完全に結合されているの
で剥がれることが無かった。また、得られた単分子膜は
表面にSiOH結合を数多く持つ。当初の−OH基の約
2〜3倍程度の数が生成された。この状態での処理部
は、極めて親水性が高かった。そこで、この状態で、実
施例1と同様の界面活性剤を用い化学吸着工程を行う
と、図1と同様の界面活性剤が反応してなる炭素鎖を含
む化学吸着単分子膜が前記シロキサン単分子膜12を介
してシロキサンの共有結合で化学結合した状態で約1.
5nmの膜厚で形成された。このとき、界面活性剤の吸
着前の基材表面の吸着サイト(この場合はOH基)は、
実施例1に比べて約2〜3倍程度と多いため、実施例1
の場合に比べより吸着分子密度を大きくできた。また、
処理部は親油性となった。なお、このときの化学吸着膜
中の分子密度は異なるが引き上げ方向と反対方向、すな
わち液切り方向に配向していた。また、このときの臨界
表面エネルギーは28mN/mであった。そこで、この
状態の基板2枚を用い、化学吸着膜が向かい合うように
組み合わせて、アンチパラレル配向するように20ミク
ロンギヤップの液晶セルを組み立て、ネマチック液晶
(ZLI4792;メルク社製)を注入して配向状態を
確認すると、注入した液晶分子がラビング方向に沿って
配向し、且つ基板に対してプレチルト角約46゜で配向
することが確認できた。
【0047】さらに、他の液切り後の基板を用い、ラビ
ング方向とほぼ直交する方向に偏光方向が向くように偏
光板を基板に重ねて、KrFエキシマーレーザーの24
8nmの光を800mJで半面照射した。その後、前記
化学吸着単分子膜中の直鎖状炭素鎖の配向方向を調べる
と配向方向はラビング方向とほぼ直行する方向に変化
し、しかも配向ばらつきも改善されていた。なお、未照
射部では直鎖状炭素鎖の配向方向は照射前と全く変わり
なかった。
【0048】そこでこの状態の基板2枚を用い、化学吸
着膜が向かい合うように組み合わせて、照射部がアンチ
パラレル配向するように20ミクロンギヤップの液晶セ
ルを組み立て、ネマチック液晶(ZLI4792;メル
ク社製)を注入して配向状態を確認すると、未照射部で
は配向方向はラビング方向と平行のままであり変わりな
かったが。照射部では注入した液晶分子が偏光方向に沿
って基板に対してプレチルト角約45゜で配向すること
が確認できた。
【0049】なお、クロル基を複数個含むシリル化合物
として、前記SiCl4 以外に、例えば、Cl−(Si
Cl2O)2−SiCl3、またはSiHCl3、SiH2
Cl2、さらに、Cl−(SiCl2O)n−SiCl
3(nは整数)が利用できた。
【0050】(実施例3)実施例1に於て、化学吸着物
質としてCH3(CH214SiCl3とNC(CH32
(CH214SiCl3の代わりに、ClSi(CH32
OSi(CH32OSi(CH32OSi(CH32
lとCH3(CH214SiCl3を1:0〜0:1の間
で混合して用いた場合、臨界表面エネルギーは混合比に
応じて35mN/mから21mN/mの範囲で制御でき
た。さらに、セルを組立、同様の液晶を注入すると、液
晶の配向方向はラビング方向と平行で、プレチルト角は
5度から90度の範囲で制御できた。
【0051】なお、直鎖状のシロキサン結合鎖を含んだ
ClSi(CH32OSi(CH32OSi(CH32
OSi(CH32Clと直鎖状の炭化水素鎖を含んだC
3(CH214SiCl3を所望の比率で混合して用い
て被膜を作製すると、表面に下記式(化9)および(化
10)で示される分子を混合比率に応じて含む化学吸着
単分子膜が得られた。
【0052】
【化9】
【0053】
【化10】
【0054】(実施例4)実施例1に於て、化学吸着物
質としてCH3(CH214SiCl3とNC(CH32
(CH214SiCl3の代わりに、HOOC(CH2
16Si(OCH3 3とBr(CH28Si(OCH33
を1:0〜0:1の間で混合して用い、化学吸着時に1
00℃で2時間還流した。この場合にも臨界表面エネル
ギーは混合比に応じて56mN/mから31mN/mの
範囲で制御できた。さらに、セルを組立後同様の液晶を
注入すると、液晶の配向方向はラビング方向と平行で、
プレチルト角は0度から28度の範囲で制御できた。
【0055】(実施例5)実施例1に於て、化学吸着物
質としてCH3(CH214SiCl3とNC(CH32
(CH214SiCl3の代わりに、CH3CH2*HC
3CH2OCO(CH210SiCl3(ただし、C*
不整炭素)とCH3SiCl3とを1:0〜1:20の間
で混合して用い同様の配向膜を作製した。この場合にも
臨界表面エネルギーは混合比に応じて36mN/mから
41mN/mの範囲で制御できた。さらに、セルを組立
後同様の液晶を注入すると、液晶の配向方向はラビング
方向と平行で、プレチルト角は3度から0.1度の範囲
で制御できた。
【0056】(実施例6)次に、上記液晶配向膜を用い
て実際に液晶表示デバイスを製造しようとする場合の製
造プロセスについて図9を用いて説明する。
【0057】まず、図9に示すように、マトリックス状
に載置された第1の電極群21とこの電極を駆動するト
ランジスター群22を有する第1の基板23上、および
第1の電極群と対向するように載置したカラーフィルタ
ー群24と第2の電極25を有する第2の基板26を用
意し、実施例5と同様の手順にしたがって、保護膜の形
成、ラビング、化学吸着、洗浄液切り工程を行い、臨界
表面エネルギーが37mN/mの化学吸着単分子膜を作
製した。
【0058】その後、前記第1と第2の基板23、26
を電極が対向し且つツイスト配向するようにするように
位置合わせしてスペーサー28と接着剤29で約5ミク
ロンのギャップで固定した。次に、前記第1と第2の基
板に前記TN液晶30を注入して封止した後、偏光板3
1、32を組み合わせて表示素子を完成した。このとき
注入された液晶のプレチルト角は3度であった。また、
液晶の配向方向は、ラビングと平行、すなわち、電極パ
ターンと平行に配向した。
【0059】この様なデバイスは、バックライト33を
全面に照射しながら、ビデオ信号を用いて各々のトラン
ジスタを駆動することで矢印Aの方向に映像を表示でき
た。 (実施例7)実施例6において、洗浄、液切り引き上げ
工程後、さらに偏光板に各々の画素を市松状に4分割す
るパターン状のマスクを重ねて、実施例2における照射
を同様に1回行うと、同一画素内でモザイクパターン状
に配向方向の異なる部分を4箇所設けることができた。
そして、この配向膜を形成した基板を用いると液晶表示
装置の視野角を大幅に改善できた。
【0060】なお、上記実施例では、露光に用いる光と
して超高圧水銀灯のi線である365nmの光やKrF
エキシマレーザーで得られる248nmの光を用いた
が、膜物質の光の吸収度合いに応じて436nm、40
5nm、254nmの光を用いることも可能である。特
に、248nmや254nmの光は大部分の物質に吸収
され易いため配向効率が高い。
【0061】また、直鎖状炭化水素基またはシロキサン
結合鎖とクロロシリル基、またはアルコキシシリル基ま
たはイソシアネートシリル基を含むシラン系の界面活性
剤として、分子端にシアノ基と他の一端にクロロシリル
基を含んだクロロシラン系界面活性剤とメチル基とクロ
ロシリル基を含んだクロロシラン系界面活性剤を混合し
て用いた、すなわち表面エネルギーの異なる膜となる2
種のクロロシラン系界面活性剤を混合して用いた例を示
したが、本願発明ではこれらに限定されるものではな
く、表面エネルギーの異なる各種界面活性剤を組み合わ
せて、各種表面エネルギーの異なる配向膜を作製するこ
とで液晶セルを作成した場合プレチルト角度を制御でき
た。なお、表面エネルギーの制御には、例えば、以下に
示したような炭化水素基の末端に3フッ化炭素基(−C
3)、メチル基(−CH3)、ビニル基(−CH=CH
2)、アリル基(−CH=CH−)、アセチレン基(炭
素−炭素の3重結合)、フェニル基(−C65)、フェ
ニレン基(−C64−)、ハロゲン原子、アルコキシ基
(−OR;Rはアルキル基を表す、とくに炭素数1〜3
の範囲のアルキル基が好ましい。)、シアノ基(−C
N)、アミノ基(−NH 2)、水酸基(−OH)、カル
ボニル基(=CO)、カルボキシ基(−COO−)及び
カルボキシル基(−COOH)から選ばれる少なくとも
一つの有機基、あるいは光学活性を有する炭化水素基で
置換されたクロロシラン系界面活性剤が使用できた。
【0062】なお、Ha(CH2nSiCl3 (Haは
塩素、臭素、ヨウ素、ふっ素等のハロゲン原子を表し、
nは整数で1〜24が好ましい。)で示されるクロロシ
ラン系界面活性剤も使用できる。さらに下記の一般式で
示される化合物も使用できる。
【0063】(1) CH3(CH2)nSiCl3 (nは整数で0〜2
4が好ましい。) (2) CH3(CH2)pSi(CH3)2(CH2)qSiCl3(p,qは整数で0
〜10が好ましい。) (3) CH3COO(CH2)mSiCl3(mは整数で7〜24が好まし
い。) (4) C6H6(CH2)nSiCl3(nは整数で0〜24が好まし
い。) (5) CN(CH2)nSiCl3(nは整数で0〜24が好まし
い。) (6) Cl3Si(CH2)nSiCl3(nは整数で3〜24が好まし
い。) (7) Cl3Si(CH2)2(CF2)n(CH2)2SiCl3(nは整数で1〜1
0が好ましい。)
【0064】さらにクロロシラン系界面活性剤以外に、
以下に示したようなアルコキシシリル基またはイソシア
ネートシリル基を含むシラン系の界面活性剤が使用でき
た。 (8) Ha(CH2)nSi(OCH3)3(Haは塩素、臭素、ヨウ素、
ふっ素等のハロゲン原子を表し、nは整数で1〜24が
好ましい。) (9) CH3(CH2)nSi(NCO)3(nは整数で0〜24が好まし
い。) (10) CH3(CH2)pSi(CH3)2(CH2)qSi(OCH3)3(p,qは整
数で0〜10が好ましい。) (11) HOOC(CH2)mSi(OCH3)3(mは整数で7〜24が好ま
しい。) (12) H2N(CH2)mSi(OCH3)3(mは整数で7〜24が好ま
しい。) (13) C6H6(CH2)nSi(NCO)3(nは整数で0〜24が好ま
しい。) (14) CN(CH2)nSi(OC2H5)3(nは整数で0〜24が好ま
しい。)
【0065】より具体的には下記の化合物も使用でき
る。 (1) Br(CH2)8SiCl3 (2) CH2=CH(CH2)17SiCl3 (3) CH3(CH2)8-CO-(CH2)10SiCl3 (4) CH3(CH2)5-COO-(CH2)10SiCl3 (5) CH3(CH2)8-Si(CH3)2-(CH2)10SiCl3 (6) CH3(CH2)17SiCl3 (7) CH3(CH2)5Si(CH3)2(CH2)8SiCl3 (8) CH3COO(CH2)14SiCl3 (9) C6H6(CH2)8SiCl3 (10) CN(CH2)14SiCl3 (11) Cl3Si(CH2)8SiCl3 (12) Cl3Si(CH2)2(CF2)4(CH2)2SiCl3 (13) Cl3Si(CH2)2(CF2)6(CH2)2SiCl3 (14) CF3CF2(CF2)7(CH2)2SiCl3 (15) (CF3)2CHO(CH2)15Si(CH3)2Cl (16) CF3CF2(CH2)2Si(CH3)2(CH2)15SiCl3 (17) CF3(CF2)4(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9SiCl3 (18) CF3(CF2)7(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9SiCl3 (19) CF3COO(CH2)15SiCH3Cl2 (20) CF3(CF2)5(CH2)2SiCl3 (21) CH3CH2CHC*H3CH2OCO(CH2)10SiCl3 (C*は光学活性
の不整炭素を示す。) (22) CH3CH2CHC*H3CH2OCOC6H6OCO6H6O(CH2)5SiCl3 (23) 下記式(化11)で示される化合物
【0066】
【化11】
【0067】(24) 下記式(化12)で示される化合物
【0068】
【化12】
【0069】
【0070】また、シロキサン結合鎖とクロロシリル
基、またはアルコキシシラン基またはイソシアネートシ
ラン基を含む以下のものが使用できた。この場合も、高
度に配向した膜が得られた。 (25) ClSi(CH3)2OSi(CH3)2OSi(CH3)2OSi(CH3)2Cl (26) Cl3SiOSi(CH3)2OSi(CH3)2OSi(CH3)2OSi(CH3)2OSiC
l3
【0071】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、液
晶の配向方向はラビングの方向で制御され、液晶のプレ
チルト角度は単分子膜状の被膜の表面エネルギーで制御
されている信頼性の高い液晶表示素子用配向膜を効率よ
く合理的に提供できる。
【0072】また、液晶配向膜の製造時に、偏光板にパ
ターン状のマスクを重ねて露光する工程を行うと、同一
面内の配向膜内でパターン状の配向方向のみ異なる部分
を複数箇所設けることができ、従来のようなラビングの
みでは難しかった個々の画素の配向が複数種に分割され
たマルチドメインの液晶表示装置を効率良く合理的に作
製できる。
【0073】さらにまた、このような液晶配向膜を用い
ることで、従来のような樹脂をラビングして配向膜を作
成する場合に比べ、電極や電極上に形成されたSiO2
保護膜は固いので、欠陥の発生が少なくなり且つ所望の
チルト角を示す配向膜が得られるので、歩留まりが高く
極めて低コスト高信頼で且つ表示性能に優れた液晶表示
装置を提供できる効果がある。
【0074】なお、吸着形成された配向膜は、特定の表
面エネルギーを有する液晶例えばネマティック液晶や強
誘電液晶を結合して組み込むことも可能なため、配向方
向およびチルト角の制御のみならず、配向規制力の大き
な配向膜を効率良く合理的に作製できる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1における単分子膜状の液晶
配向膜作製に用いる化学吸着工程を説明するための断面
概念図。
【図2】 本発明の実施例1の単分子膜状の液晶配向膜
作製の洗浄工程を説明するための断面概念図。
【図3】 本発明の実施例1の溶媒洗浄後の単分子膜状
の液晶配向膜内の分子配向状態を説明するために断面を
分子レベルまで拡大した概念図。
【図4】 本発明の実施例1の光露光により吸着された
分子を再配向させるために用いた露光工程の概念図。
【図5】 本発明の実施例1の光配向後の単分子膜状の
液晶配向膜内の分子配向状態を説明するための概念図。
【図6】 本発明の実施例1の光配向後の化学吸着単分
子膜の分子配向状態を説明するために断面を分子レベル
まで拡大した概念図。
【図7】 本発明の実施例2におけるクロロシラン単分
子膜の形成された状態(空気中の水分との反応前)を説
明するために分子レベルまで拡大した断面概念図。
【図8】 本発明の実施例2におけるシロキサン単分子
膜の形成された状態を説明するために分子レベルまで拡
大した断面概念図。
【図9】 本発明の実施例3において液晶表示装置製造
を説明するための断面概念図。
【符号の説明】
1 基板 2 化学吸着液 3 洗浄用非水系溶媒 4 1次配向された化学吸着単分子膜 4´ 再配向された化学吸着単分子膜 5 洗浄液からの引き上げ方向 6 偏光膜 7 照射光 8 再配向方向 9 透明電極 11 クロロシラン分子 12 シロキサン単分子膜 13 偏光方向 21 第1の電極群 22 トランジスタ群 23 第1の基板 24 カラーフィルター群 25 第2の電極 26 第2の基板 27 液晶配向膜 28 スペーサー 29 接着剤 30 液晶 31,32 偏光板 33 バックライト
【手続補正書】
【提出日】平成10年5月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 液晶配向膜とその製造方法およびそれ
を用いた液晶表示装置とその製造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶配向膜とその
製造方法およびそれを用いた液晶表示装置とその製造方
法に関するものである。さらに詳しくは、テレビジョン
(TV)画像やコンピュータ画像等を表示する液晶を用
いた平面表示パネルに用いる液晶配向膜およびその製造
方法およびそれを用いた液晶表示装置とその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、カラー液晶表示パネルは、マトリ
ックス状に配置された対向電極を形成した2つの基板の
間にポリビニルアルコールやポリイミド溶液をスピナー
等で回転塗布して形成しさらにラビングした液晶配向膜
を介して液晶を封入した装置が一般的であった。
【0003】例えば、予め第1のガラス基板上に画素電
極を持った薄膜トランジスタ(TFT)アレイを形成し
たものと、第2のガラス基板上に複数個の赤青緑のカラ
ーフィルターが形成されさらにその上に共通透明電極が
形されたもの、それぞれの電極面にポリビニルアルコー
ルやポリイミド溶液をスピナーを用いて塗布して被膜形
成した後、ラビングを行なって液晶配向膜を形成し、ス
ペーサーを介して任意のギャップで対向するように接着
組み立てた後、液晶(ツイストネマチック(TN)等)
を注入しパネル構造を形成した後、パネルの裏表に偏光
板を設置し、裏面よりバックライトを照射しながら、T
FTを動作させカラー画像を表示するデバイスが知られ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
配向膜の作成は、ポリビニルアルコールやポリイミドを
有機溶媒に溶解させ回転塗布法などを用いて塗布形成し
た後、フェルト布等を用いてラビングを行なう方法が用
いられていた。したがって、表面段差部や大面積パネル
(例えば14インチディスプレイ)では配向膜の膜厚均
一性が悪いという大きな欠点があった。また、前期樹脂
は一般に絶縁性であり且つ厚みをそれほど薄くできなか
ったため、映像を表示する際像焼き付けを生じ易いとい
う欠点があった。また、有機被膜をラビングするため傷
つきやすく、表示欠陥が生じやすいという問題があっ
た。
【0005】本発明は、前記従来の問題を解決するた
め、液晶表示パネルにおいて使用される配向膜であり、
従来のように塗布された樹脂膜をラビングラビングする
のではなく、電極の形成された表面を直接または任意の
薄膜を形成した後その表面をラビングし、さらに任意の
表面エネルギーを有する単分子膜状の配向膜を形成する
ことにより、液晶の配向方向はラビングの方向で制御
し、液晶のプレチルト角度は単分子膜状の被膜の表面エ
ネルギーで制御して信頼性の高い液晶表示素子を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】あらかじめ電極を形成し
た基板の表面を直接または任意の薄膜を形成した後その
表面をラビングする工程と、炭素鎖またはシロキサン結
合鎖を含み、前記炭素鎖またはシロキサン結合鎖の末端
あるいは一部に被膜の表面エネルギーを制御する官能基
を少なくとも一つ含んでいるシラン系界面活性剤を用い
て作製した化学吸着液に接触させ前記吸着液中の界面活
性剤分子と基板表面とを化学反応させ前記界面活性剤分
子を表面がラビングされた基板の表面に一端で結合固定
する工程とを用いて被膜を作成することにより、液晶の
配向方向はラビングの方向で制御され、液晶のプレチル
ト角度は単分子膜状の被膜の表面エネルギーで制御され
ていることを特徴とするあらかじめ電極が形成され且つ
前記電極表面が直接または任意の薄膜を形成した後ラビ
ングされている基板の表面に単分子膜状の信頼性の高い
液晶表示素子用配向膜を提供する。
【0007】このとき、被膜を構成する分子として臨界
表面エネルギーの異なる複数種のシリコン系界面活性剤
を混合して用い、固定された被膜が所望の臨界表面エネ
ルギー値になるよう制御されていると液晶のプレチルト
角を制御する上で都合がよい。
【0008】また、表面エネルギーを制御する官能基と
して、3フッ化炭素基(−CF3)、メチル基(−C
3)、ビニル基(−CH=CH2)、アリル基(−CH
=CH−)、アセチレン基(炭素−炭素の3重結合)、
フェニル基(−C65)、フェニレン基(−C6
4−)、ハロゲン原子、アルコキシ基(−OR;Rはア
ルキル基を表す。とくに炭素数1〜3の範囲のアルキル
基が好ましい。)、シアノ基(−CN)、アミノ基(−
NH2)、水酸基(−OH)、カルボニル基(=C
O)、カルボキシ基(−COO−)及びカルボキシル基
(−COOH)から選ばれる少なくとも一つの有機基を
用いると臨界表面エネルギーの制御を容易に行える。
【0009】さらに、被膜を構成する分子の末端にSi
を含ませておくことにより、基板表面への分子の固定が
きわめて容易になる。なおこのとき、被膜の臨界表面エ
ネルギーを15mN/m〜56mN/mの間で所望の値
に制御しておくことにより、注入する液晶のプレチルト
角を0〜90度の範囲で任意に制御できる。
【0010】一方、このような配向膜の製造には、電極
を形成した基板の表面を直接または任意の薄膜を形成し
た後その表面をラビングする工程と、炭素鎖またはシロ
キサン結合鎖を含み、前記炭素鎖またはシロキサン結合
鎖の末端あるいは一部に被膜の表面エネルギーを制御す
る官能基を少なくとも一つ含んでいるシラン系界面活性
剤を用いて作製した化学吸着液に接触させ前記吸着液中
の界面活性剤分子と基板表面とを化学反応させ前記界面
活性剤分子を基板表面に一端で結合固定する工程を用い
ることで製造できる。
【0011】また、このとき界面活性剤として直鎖状炭
素鎖またはシロキサン結合鎖とクロロシリル基、または
アルコキシシリル基またはイソシアネートシリル基を含
むシラン系の界面活性剤を用いると単分子膜状の液晶配
向膜を製造する上で都合がよい。
【0012】さらに、界面活性剤として臨界表面エネル
ギーの異なる複数種のシリコン系界面活性剤を混合して
用いれば、被膜の臨界表面エネルギーを細かく制御でき
る。
【0013】さらにまた、炭素鎖またはシロキサン結合
鎖の末端または主鎖内、あるいは側鎖に3フッ化炭素基
(−CF3)、メチル基(−CH3)、ビニル基(−CH
=CH2)、アリル基(−CH=CH−)、アセチレン
基(炭素−炭素の3重結合)、フェニル基(−C
65)、フェニレン基(−C64−)、ハロゲン原子、
アルコキシ基(−OR;Rはアルキル基を表す。とくに
炭素数1〜3の範囲のアルキル基が好ましい。)、シア
ノ基(−CN)、アミノ基(−NH2)、水酸基(−O
H)、カルボニル基(=CO)、カルボキシ基(−CO
O−)及びカルボキシル基(−COOH)から選ばれる
少なくとも一つの有機基を組み込むことでも被膜の臨界
表面エネルギーをより正確に制御できる。
【0014】また、界面活性剤分子を基板表面に一端で
結合固定する工程の後に、有機溶剤で洗浄して、さらに
所望の方向に基板を立てて液切りを行い、液切り方向に
前記固定された分子を配向させる工程を行うことで、さ
らに配向性に優れた配向膜を提供できる。
【0015】また、分子を配向させる工程を行った後、
さらに偏光膜を介して露光して前記配向された分子を所
望の方向に再配向させることで、より配向性能を向上で
きる。
【0016】また、界面活性剤として直鎖状炭素鎖また
はシロキサン結合鎖とクロロシリル基またはイソシアネ
ートシリル基を含むシラン系の界面活性剤を用い、洗浄
有機溶媒として水を含まない非水系の有機溶媒を用いる
ことで、より欠陥の少ない単分子膜状の液晶配向膜を提
供できる。
【0017】このとき、非水系の有機溶媒として、アル
キル基、フッ化炭素基または塩化炭素基またはシロキサ
ン基を含む溶媒を用いると液切りに都合がよい。ラビン
グ後、界面活性剤分子を一端で固定する工程の前に、多
数のSiO基を含む被膜を形成する工程を行い、この膜
を介して単分子膜状の被膜を形成することで、より密度
の高い単分子膜状の液晶配向膜を提供できる。
【0018】さらに、炭素鎖またはシロキサン結合鎖を
含み、前記炭素鎖またはシロキサン結合鎖の末端あるい
は一部に被膜の表面エネルギーを制御する官能基を少な
くとも一つ含んでいる分子で構成された被膜が、液晶用
の配向膜として対向させる電極が形成され且つ前記電極
表面が直接または任意の薄膜を形成した後ラビングされ
ている2つの基板表面の少なくとも一方の基板の電極側
表面に直接または他の被膜を介して間接に形成されてお
り、液晶が前記2つの対向する電極に前記配向膜を介し
て挟まれていることを特徴とする液晶表示装置を提供で
きる。
【0019】なお、対向させる電極の形成された2つの
基板表面にそれぞれ前記被膜を配向膜として形成してお
くとよりコントラストの高い液晶表示装置を提供でき
る。また、基板表面の被膜にパターン状の配向方向の異
なる部分を複数箇所作り込んでおくと表示視野角を大幅
に改良できて好都合である。さらに、対向する電極が片
方の基板表面にそれぞれ形成されている面内スイッチ
(IPS)タイプの表示素子にも有効に利用可能であ
る。
【0020】一方、このような表示装置の製造には、あ
らかじめマトリックス状に載置された第1の電極群を有
する第1の基板を直接または任意の薄膜を形成した後そ
の表面をラビングする工程と、炭素鎖またはシロキサン
結合鎖を含み、前記炭素鎖またはシロキサン結合鎖の末
端あるいは一部に被膜の表面エネルギーを制御する官能
基を少なくとも一つ含んでいるシラン系界面活性剤を用
いて作製した化学吸着液に接触させ前記吸着液中の界面
活性剤分子と基板表面とを化学反応させ前記界面活性剤
分子を基板表面に一端で結合固定する工程と、有機溶剤
で洗浄後さらに所望の方向に基板を立てて液切りを行い
液切り方向に前記固定された分子を配向させる工程と、
前記第1の電極群を有する第1の基板と第2の基板、ま
たは第2の電極叉は電極群を有する第2の基板を、電極
面を内側にして所定の間隙を保ちつつ位置合わせして接
着固定する工程と、前記第1と第2の基板の間に所定の
液晶を注入する工程を用いると効率よく液晶表示装置を
製造できる。
【0021】さらに、固定された分子を配向させる工程
の後、偏光板を介して所望の方向に偏光した光で露光し
て前記界面活性剤分子の向きを所望の傾きを有した状態
で特定の方向に揃える工程を行うとより配向特性の優れ
た液晶表示装置を実現できる。
【0022】また、偏光板を介して所望の方向に偏光し
た光で露光して前記結合された界面活性剤分子の向きを
所望の傾きを有した状態で特定の方向に揃える工程にお
いて、前記偏光板にパターン状のマスクを重ねて露光す
る工程を複数回行い、同一面内の配向膜内でパターン状
の配向方向の異なる部分を複数箇所設けると、マルチド
メイン配向した液晶表示装置を提供できる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明では、少なくとも、あらか
じめ電極を形成した基板の表面を直接または任意の薄膜
を形成した後その表面をラビングする工程と、炭素鎖ま
たはシロキサン結合鎖を含み、前記炭素鎖またはシロキ
サン結合鎖の末端あるいは一部に被膜の表面エネルギー
を制御する官能基を少なくとも一つ含んでいるシラン系
界面活性剤を用いて作製した化学吸着液に接触させ前記
吸着液中の界面活性剤分子と基板表面とを化学反応させ
前記界面活性剤分子を表面がラビングされた基板の表面
に一端で結合固定する工程とを用いて、液晶の配向方向
はラビングの方向で制御され、液晶のプレチルト角度は
単分子膜状の被膜の表面エネルギーで制御されているこ
とを特徴とするあらかじめ電極が形成され且つ前記電極
表面が直接または任意の薄膜を形成した後ラビングされ
ている基板の表面に形成されている単分子膜状の表面が
凸凹な液晶表示素子用配向膜を製造する。
【0024】さらに、あらかじめマトリックス状に載置
された第1の電極群を有する第1の基板を直接または任
意の薄膜を形成した後その表面をラビングする工程と、
炭素鎖またはシロキサン結合鎖を含み、前記炭素鎖また
はシロキサン結合鎖の末端あるいは一部に被膜の表面エ
ネルギーを制御する官能基を少なくとも一つ含んでいる
シラン系界面活性剤を用いて作製した化学吸着液に接触
させ前記吸着液中の界面活性剤分子と基板表面とを化学
反応させ前記界面活性剤分子を基板表面に一端で結合固
定する工程と、有機溶剤で洗浄後さらに所望の方向に基
板を立てて液切りを行い液切り方向に前記固定された分
子を予備配向させる工程と、前記第1の電極群を有する
第1の基板と第2の基板、または第2の電極叉は電極群
を有する第2の基板を、電極面を内側にして所定の間隙
を保ちつつ位置合わせして接着固定する工程と、前記第
1と第2の基板の間に所定の液晶を注入する工程とを用
いて、炭素鎖またはシロキサン結合鎖を含み、前記炭素
鎖またはシロキサン結合鎖の末端あるいは一部に被膜の
表面エネルギーを制御する官能基を少なくとも一つ含ん
でいる分子で構成された被膜が、液晶用の配向膜として
対向させる電極が形成され且つ前記電極表面が直接また
は任意の薄膜を形成した後ラビングされている2つの基
板表面の少なくとも一方の基板の電極側表面に直接また
は他の被膜を介して間接に形成されており、液晶が前記
2つの対向する電極に前記配向膜を介して挟まれている
液晶表示装置を製造する。
【0025】
【実施例】以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に
説明する。 (実施例1)表面に透明電極の形成されたガラス基板1
(表面に水酸基を多数含む)を準備し、あらかじめよく
洗浄脱脂した後、ゾルゲル法を用いて約0.1μmの厚
みでSiO2の保護膜を形成した後加熱硬化した。その
後、表面を一般の液晶表示装置製造工場で用いられてい
るレーヨン製ラビング布を用いて、押し込み深さ0.3
mm、スピード80m/分で希望する配向方向に向けて
ラビングを行った。次に、末端に被膜の表面エネルギー
を制御する官能基を一つ組み込んだ直鎖状炭化水素基及
びSiを含むシラン系界面活性剤(以下、化学吸着化合
物ともいう)、CH3(CH214SiCl3とNC(C
214SiCl3(モル比で1:1に混合して用いた)
を用い、1重量%程度の濃度で非水系の溶媒に溶かして
化学吸着溶液を調整した。非水系溶媒としては、良く脱
水したヘキサデカンを用いた。このようにして調製され
た溶液を吸着溶液2とし、この吸着溶液2の中に、乾燥
雰囲気中(相対湿度30%以下)で前記基板1を1時間
程度浸漬(塗布しても良い)した(図1)。その後、吸
着液から引き上げて、良く脱水した水を含まない非水系
の溶媒であるn−ヘキサン3で洗浄した後、基板を所望
の方向(液切り方向)に立てた状態で洗浄液より引き上
げて液切りし水分を含む空気中に暴露した(図2)。以
上の一連の工程で、前記クロロシラン系界面活性剤のS
iCl基と前記基板表面の水酸基とで脱塩酸反応が生
じ、基板表面で下記式(化1および2)の結合が生成さ
れた。さらに、空気中の水分と反応して式(化3及び
4)の結合が生成された。
【0026】
【化1】
【0027】
【化2】
【0028】
【化3】
【0029】
【化4】
【0030】以上の処理により、前記クロロシラン系界
面活性剤が反応してなる化学吸着単分子膜4があらかじ
めラビングされた基板の表面の水酸基が含まれていた部
分にシロキサンの共有結合を介して化学結合した状態で
約1.5nmの膜厚で単分子膜状に形成された。なお、
このとき化学吸着膜の臨界表面エネルギーは約27mN
/mであった。また、単分子膜内の直鎖状炭素炭化水素
基は、液切り引き上げ方向と反対方向に配向していた。
【0031】さらに、この状態の基板2枚を用い、化学
吸着膜が向かい合うように組み合わせて、アンチパラレ
ル配向するように20ミクロンギヤップの液晶セルを組
み立て、ネマチック液晶(ZLI4792;メルク社
製)を注入して配向状態を確認すると、注入した液晶分
子は、洗浄引き上げにより予備配向された吸着分子に沿
って配向するのではなくラビング方向に沿って配向し
た。また、プレチルト角度は、化学吸着された分子の表
面エネルギーに依存して、基板に対して約65゜でほぼ
配向していた(図3)。
【0032】さらに、CH3(CH214SiCl3とN
C(CH214SiCl3の組成を1:0〜0:1(好ま
しくは10:1〜1:50)で変えると、臨界表面エネ
ルギーは20mN/mから29mN/mに変化し、配向
方向はラビング方向で制御された状態で、且つそれぞれ
プレチルト角のみ90゜から40゜の範囲で任意に制御
できた。さらに、化学吸着化合物としてフッ素を含む界
面活性剤、たとえば、CF3(CF25(CH22Si
Cl3を添加して行くと、臨界表面エネルギーは15m
N/mまで小さくできた。このとき、ラビングではあら
かじめ形成した一般に用いられているポリイミド樹脂な
どに比べて硬度が高いSiO2の保護膜をこするので、
ほとんど傷つくことはなかった。なお、配向方向がラビ
ング方向に依存した理由は、単分子膜は極めて薄いの
で、ラビングにより形成された下地保護膜の分子レベル
での凸凹が単分子膜により緩和されることがないため、
すなわち、ラビングの効果が単分子膜表面まで影響して
配向方向を決定するためと考えられた。一方、プレチル
ト角が形成された単分子膜の種類に依存したのは、単分
子膜の種類により表面エネルギーが異なっていたためと
考えられた。
【0033】ここで、膜を選択的に形成したい場合に
は、印刷機を用いて所望のパターンで基板表面1に吸着
液2を印刷する方法が利用できた。また、あらかじめ基
板表面をレジストで選択的に覆って置いた後、化学吸着
工程を全面に行ってからレジストを除く方法も利用でき
る。ただし、この場合、化学吸着された膜は、有機溶媒
では決して剥がれることがないので、有機溶媒で溶解除
去できるレジストを使用する。
【0034】なお、この実施例では、得られる膜の臨界
表面エネルギーが異なり、且つ炭素鎖長が−(CH2
14−と同じ長さのシラン系界面活性剤を用いたが、炭素
鎖長の長さが異なる(例えば、−(CH2n−;nは1
から30の範囲の整数)界面活性剤を混合して用いれ
ば、さらにプレチルト角配向規制力を高められた。
【0035】一方、同様に処理したこの状態の基板を2
枚を用い、それぞれラビング方向5とほぼ直交する方向
に偏光方向13が向くように偏光板(HNP´B)6
(ポラロイド社製)を基板に重ねてセットし、500W
の超高圧水銀灯の365nm(i線)の光7(偏光膜透
過後3.6mW/cm2)を用いて950mJ照射した
(図4)。さらに、この状態の基板2枚を用い、化学吸
着膜が向かい合うように組み合わせて、照射部がアンチ
パラレル配向するように20ミクロンギヤップの液晶セ
ルを組み立て、ネマチック液晶(ZLI4792;メル
ク社製)を注入して配向状態を確認すると、注入した液
晶分子は未照射部ではラビング方向に沿って配向し、照
射部では、偏光方向に沿って配向していた。
【0036】したがって、選択的に配向方向を変えたい
場合には、所望のマスクを偏光板に重ねて露光する工程
を複数回行うことできわめて容易にパターン状に配向方
向の異なる単分子膜状のマルチドメイン液晶配向膜を作
製できた。
【0037】なお、このとき、吸着分子の配向方向を一
方向に揃えるためには、偏光方向を液切り引き上げ方向
と完全に90゜で交差するのではなく、多少、好ましく
は数度以上ずらした方がよい。また、この場合、最大、
液切り方向と平行になるように偏光方向13を合わせて
も良い。もし万一完全に90゜に交差させれば、個々の
分子が2方向に向いてしまう場合がある。その後、前記
化学吸着単分子膜4’中の直鎖状炭素鎖の配向方向を調
べると、臨界表面エネルギーとチルト角は変わらなかっ
たが配向方向8は液切り引き上げ方向とは異なり偏光方
向13とほぼ平行方向に変化し、しかも配向ばらつきも
液切り引き上げ後の状態より改善されていた(図5およ
び6)。図中、9は透明電極を表わす。
【0038】本実施例では、洗浄用の水を含まない溶媒
として、アルキル基を含む炭化水素系のn−ヘキサンを
用いたが、これ以外にも、水を含まず界面活性剤を溶か
す溶媒ならどのような溶媒でも使用可能である。たとえ
ばこれ以外にも、フッ化炭素基、塩化炭素基またはシロ
キサン基を含む溶媒、例えば、フレオン113やクロロ
ホルムやヘキサメチルジシロキサン等をそれぞれ用いる
ことができた。
【0039】(実施例2)実施例1に於て、ラビング工
程後で炭素鎖やシロキサン結合鎖を含む界面活性剤分子
の化学吸着を行う工程の前に、クロロシリル基を複数個
含む化合物を溶かして作製した吸着溶液を作り、ドライ
雰囲気中で浸漬した。すると、基板表面に含まれた水酸
基とクロロシリル基を複数個含む化合物のクロロシリル
基が脱塩酸反応した。その後、さらに水と反応させると
残ったクロロシリル基が水酸基に変化して、表面に水酸
基を多数含む化学吸着膜が形成された。
【0040】たとえば、クロル基を複数個含むシリル化
合物としてSiCl4 を用いn−オクタンに溶かして吸
着液を作製し、乾燥雰囲気中で基板を浸漬すれば、表面
にはーOH基が含まれているので、界面で脱塩酸反応が
生じ下記式(化5)及び/または(化6)が形成され、
クロロシラン分子11が−SiO−結合を介して基板表
面に固定される。
【0041】
【化5】
【0042】
【化6】
【0043】その後、非水系の溶媒例えばクロロホルム
で洗浄すると、基板と反応していない余分のSiCl4
分子は除去される(図7)。さらに空気中に取りだし水
と反応させると、表面に下記式(化7)及び/または
(化8)で示される多数のSiO結合を含むシロキサン
単分子吸着膜12が得られた(図8)。
【0044】
【化7】
【0045】
【化8】
【0046】このとき、非水系の溶媒、例えばクロロホ
ルムで洗浄する工程を省けば、非常に薄い10nmくら
いの膜厚のポリシロキサン化学吸着膜が形成された。な
お、このときできたシロキサン単分子膜12も基板とは
−SiO−の化学結合を介して完全に結合されているの
で剥がれることが無かった。また、得られた単分子膜は
表面にSiOH結合を数多く持つ。当初の−OH基の約
2〜3倍程度の数が生成された。この状態での処理部
は、極めて親水性が高かった。そこで、この状態で、実
施例1と同様の界面活性剤を用い化学吸着工程を行う
と、図1と同様の界面活性剤が反応してなる炭素鎖を含
む化学吸着単分子膜が前記シロキサン単分子膜12を介
してシロキサンの共有結合で化学結合した状態で約1.
5nmの膜厚で形成された。このとき、界面活性剤の吸
着前の基材表面の吸着サイト(この場合はOH基)は、
実施例1に比べて約2〜3倍程度と多いため、実施例1
の場合に比べより吸着分子密度を大きくできた。また、
処理部は親油性となった。なお、このときの化学吸着膜
中の分子密度は異なるが引き上げ方向と反対方向、すな
わち液切り方向に配向していた。また、このときの臨界
表面エネルギーは28mN/mであった。そこで、この
状態の基板2枚を用い、化学吸着膜が向かい合うように
組み合わせて、アンチパラレル配向するように20ミク
ロンギヤップの液晶セルを組み立て、ネマチック液晶
(ZLI4792;メルク社製)を注入して配向状態を
確認すると、注入した液晶分子がラビング方向に沿って
配向し、且つ基板に対してプレチルト角約46゜で配向
することが確認できた。
【0047】さらに、他の液切り後の基板を用い、ラビ
ング方向とほぼ直交する方向に偏光方向が向くように偏
光板を基板に重ねて、KrFエキシマーレーザーの24
8nmの光を800mJで半面照射した。その後、前記
化学吸着単分子膜中の直鎖状炭素鎖の配向方向を調べる
と配向方向はラビング方向とほぼ直する方向に変化
し、しかも配向ばらつきも改善されていた。なお、未照
射部では直鎖状炭素鎖の配向方向は照射前と全く変わり
なかった。
【0048】そこでこの状態の基板2枚を用い、化学吸
着膜が向かい合うように組み合わせて、照射部がアンチ
パラレル配向するように20ミクロンギヤップの液晶セ
ルを組み立て、ネマチック液晶(ZLI4792;メル
ク社製)を注入して配向状態を確認すると、未照射部で
は配向方向はラビング方向と平行のままであり変わりな
かったが。照射部では注入した液晶分子が偏光方向に沿
って基板に対してプレチルト角約45゜で配向すること
が確認できた。
【0049】なお、クロル基を複数個含むシリル化合物
として、前記SiCl4 以外に、例えば、Cl−(Si
Cl2O)2−SiCl3、またはSiHCl3、SiH2
Cl2、さらに、Cl−(SiCl2O)n−SiCl
3(nは整数)が利用できた。
【0050】(実施例3)実施例1に於て、化学吸着物
質としてCH3(CH214SiCl3とNC(CH32
(CH214SiCl3の代わりに、ClSi(CH32
OSi(CH32OSi(CH32OSi(CH32
lとCH3(CH214SiCl3を1:0〜0:1の間
で混合して用いた場合、臨界表面エネルギーは混合比に
応じて35mN/mから21mN/mの範囲で制御でき
た。さらに、セルを組立、同様の液晶を注入すると、液
晶の配向方向はラビング方向と平行で、プレチルト角は
5度から90度の範囲で制御できた。
【0051】なお、直鎖状のシロキサン結合鎖を含んだ
ClSi(CH32OSi(CH32OSi(CH32
OSi(CH32Clと直鎖状の炭化水素鎖を含んだC
3(CH214SiCl3を所望の比率で混合して用い
て被膜を作製すると、表面に下記式(化9)および(化
10)で示される分子を混合比率に応じて含む化学吸着
単分子膜が得られた。
【0052】
【化9】
【0053】
【化10】
【0054】(実施例4)実施例1に於て、化学吸着物
質としてCH3(CH214SiCl3とNC(CH32
(CH214SiCl3の代わりに、HOOC(CH2
16Si(OCH3 3とBr(CH28Si(OCH33
を1:0〜0:1の間で混合して用い、化学吸着時に1
00℃で2時間還流した。この場合にも臨界表面エネル
ギーは混合比に応じて56mN/mから31mN/mの
範囲で制御できた。さらに、セルを組立後同様の液晶を
注入すると、液晶の配向方向はラビング方向と平行で、
プレチルト角は0度から28度の範囲で制御できた。
【0055】(実施例5)実施例1に於て、化学吸着物
質としてCH3(CH214SiCl3とNC(CH32
(CH214SiCl3の代わりに、CH3CH2*HC
3CH2OCO(CH210SiCl3(ただし、C*
炭素)とCH3SiCl3とを1:0〜1:20の間
で混合して用い同様の配向膜を作製した。この場合にも
臨界表面エネルギーは混合比に応じて36mN/mから
41mN/mの範囲で制御できた。さらに、セルを組立
後同様の液晶を注入すると、液晶の配向方向はラビング
方向と平行で、プレチルト角は3度から0.1度の範囲
で制御できた。
【0056】(実施例6)次に、上記液晶配向膜を用い
て実際に液晶表示デバイスを製造しようとする場合の製
造プロセスについて図9を用いて説明する。
【0057】まず、図9に示すように、マトリックス状
に載置された第1の電極群21とこの電極を駆動するト
ランジスター群22を有する第1の基板23上、および
第1の電極群と対向するように載置したカラーフィルタ
ー群24と第2の電極25を有する第2の基板26を用
意し、実施例5と同様の手順にしたがって、保護膜の形
成、ラビング、化学吸着、洗浄液切り工程を行い、臨界
表面エネルギーが37mN/mの化学吸着単分子膜を作
製した。
【0058】その後、前記第1と第2の基板23、26
を電極が対向し且つツイスト配向するようにするように
位置合わせしてスペーサー28と接着剤29で約5ミク
ロンのギャップで固定した。次に、前記第1と第2の基
板に前記TN液晶30を注入して封止した後、偏光板3
1、32を組み合わせて表示素子を完成した。このとき
注入された液晶のプレチルト角は3度であった。また、
液晶の配向方向は、ラビングと平行、すなわち、電極パ
ターンと平行に配向した。
【0059】この様なデバイスは、バックライト33を
全面に照射しながら、ビデオ信号を用いて各々のトラン
ジスタを駆動することで矢印Aの方向に映像を表示でき
た。 (実施例7)実施例6において、洗浄、液切り引き上げ
工程後、さらに偏光板に各々の画素を市松状に4分割す
るパターン状のマスクを重ねて、実施例2における照射
を同様に1回行うと、同一画素内でモザイクパターン状
に配向方向の異なる部分を4箇所設けることができた。
そして、この配向膜を形成した基板を用いると液晶表示
装置の視野角を大幅に改善できた。
【0060】なお、上記実施例では、露光に用いる光と
して超高圧水銀灯のi線である365nmの光やKrF
エキシマレーザーで得られる248nmの光を用いた
が、膜物質の光の吸収度合いに応じて436nm、40
5nm、254nmの光を用いることも可能である。特
に、248nmや254nmの光は大部分の物質に吸収
され易いため配向効率が高い。
【0061】また、直鎖状炭化水素基またはシロキサン
結合鎖とクロロシリル基、またはアルコキシシリル基ま
たはイソシアネートシリル基を含むシラン系の界面活性
剤として、分子端にシアノ基と他の一端にクロロシリル
基を含んだクロロシラン系界面活性剤とメチル基とクロ
ロシリル基を含んだクロロシラン系界面活性剤を混合し
て用いた、すなわち表面エネルギーの異なる膜となる2
種のクロロシラン系界面活性剤を混合して用いた例を示
したが、本願発明ではこれらに限定されるものではな
く、表面エネルギーの異なる各種界面活性剤を組み合わ
せて、各種表面エネルギーの異なる配向膜を作製するこ
とで液晶セルを作成した場合プレチルト角度を制御でき
た。なお、表面エネルギーの制御には、例えば、以下に
示したような炭化水素基の末端に3フッ化炭素基(−C
3)、メチル基(−CH3)、ビニル基(−CH=CH
2)、アリル基(−CH=CH−)、アセチレン基(炭
素−炭素の3重結合)、フェニル基(−C65)、フェ
ニレン基(−C64−)、ハロゲン原子、アルコキシ基
(−OR;Rはアルキル基を表す、とくに炭素数1〜3
の範囲のアルキル基が好ましい。)、シアノ基(−C
N)、アミノ基(−NH 2)、水酸基(−OH)、カル
ボニル基(=CO)、カルボキシ基(−COO−)及び
カルボキシル基(−COOH)から選ばれる少なくとも
一つの有機基、あるいは光学活性を有する炭化水素基で
置換されたクロロシラン系界面活性剤が使用できた。
【0062】なお、Ha(CH2nSiCl3 (Haは
塩素、臭素、ヨウ素、ふっ素等のハロゲン原子を表し、
nは整数で1〜24が好ましい。)で示されるクロロシ
ラン系界面活性剤も使用できる。さらに下記の一般式で
示される化合物も使用できる。
【0063】(1) CH3(CH2)nSiCl3 (nは整数で0〜2
4が好ましい。) (2) CH3(CH2)pSi(CH3)2(CH2)qSiCl3(p,qは整数で0
〜10が好ましい。) (3) CH3COO(CH2)mSiCl3(mは整数で7〜24が好まし
い。) (4) C6H 5 (CH2)nSiCl3(nは整数で0〜24が好まし
い。) (5) CN(CH2)nSiCl3(nは整数で0〜24が好まし
い。) (6) Cl3Si(CH2)nSiCl3(nは整数で3〜24が好まし
い。) (7) Cl3Si(CH2)2(CF2)n(CH2)2SiCl3(nは整数で1〜1
0が好ましい。)
【0064】さらにクロロシラン系界面活性剤以外に、
以下に示したようなアルコキシシリル基またはイソシア
ネートシリル基を含むシラン系の界面活性剤が使用でき
た。 (8) Ha(CH2)nSi(OCH3)3(Haは塩素、臭素、ヨウ素、
ふっ素等のハロゲン原子を表し、nは整数で1〜24が
好ましい。) (9) CH3(CH2)nSi(NCO)3(nは整数で0〜24が好まし
い。) (10) CH3(CH2)pSi(CH3)2(CH2)qSi(OCH3)3(p,qは整
数で0〜10が好ましい。) (11) HOOC(CH2)mSi(OCH3)3(mは整数で7〜24が好ま
しい。) (12) H2N(CH2)mSi(OCH3)3(mは整数で7〜24が好ま
しい。) (13) C6H 5 (CH2)nSi(NCO)3(nは整数で0〜24が好ま
しい。) (14) CN(CH2)nSi(OC2H5)3(nは整数で0〜24が好ま
しい。)
【0065】より具体的には下記の化合物も使用でき
る。 (1) Br(CH2)8SiCl3 (2) CH2=CH(CH2)17SiCl3 (3) CH3(CH2)8-CO-(CH2)10SiCl3 (4) CH3(CH2)5-COO-(CH2)10SiCl3 (5) CH3(CH2)8-Si(CH3)2-(CH2)10SiCl3 (6) CH3(CH2)17SiCl3 (7) CH3(CH2)5Si(CH3)2(CH2)8SiCl3 (8) CH3COO(CH2)14SiCl3 (9) C6H 5 (CH2)8SiCl3 (10) CN(CH2)14SiCl3 (11) Cl3Si(CH2)8SiCl3 (12) Cl3Si(CH2)2(CF2)4(CH2)2SiCl3 (13) Cl3Si(CH2)2(CF2)6(CH2)2SiCl3 (14) CF3CF2(CF2)7(CH2)2SiCl3 (15) (CF3)2CHO(CH2)15Si(CH3)2Cl (16) CF3CF2(CH2)2Si(CH3)2(CH2)15SiCl3 (17) CF3(CF2)4(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9SiCl3 (18) CF3(CF2)7(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9SiCl3 (19) CF3COO(CH2)15SiCH3Cl2 (20) CF3(CF2)5(CH2)2SiCl3 (21) CH3CH 2C*HCH3CH2OCO(CH2)10SiCl3 (C*は光学活性
の不炭素を示す。) (22) CH3CH 2C*HCH3CH2OCOC6H 4 OCOC6H4 O(CH2)5SiCl3 (23) 下記式(化11)で示される化合物
【0066】
【化11】
【0067】(24) 下記式(化12)で示される化合物
【0068】
【化12】
【0069】また、シロキサン結合鎖とクロロシリル
基、またはアルコキシシリル基またはイソシアネートシ
リル基を含む以下のものが使用できた。この場合も、高
度に配向した膜が得られた。 (25) ClSi(CH3)2OSi(CH3)2OSi(CH3)2OSi(CH3)2Cl (26) Cl3SiOSi(CH3)2OSi(CH3)2OSi(CH3)2OSi(CH3)2OSiC
l3
【0070】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、液
晶の配向方向はラビングの方向で制御され、液晶のプレ
チルト角度は単分子膜状の被膜の表面エネルギーで制御
されている信頼性の高い液晶表示素子用配向膜を効率よ
く合理的に提供できる。
【0071】また、液晶配向膜の製造時に、偏光板にパ
ターン状のマスクを重ねて露光する工程を行うと、同一
面内の配向膜内でパターン状の配向方向のみ異なる部分
を複数箇所設けることができ、従来のようなラビングの
みでは難しかった個々の画素の配向が複数種に分割され
たマルチドメインの液晶表示装置を効率良く合理的に作
製できる。
【0072】さらにまた、このような液晶配向膜を用い
ることで、従来のような樹脂をラビングして配向膜を作
成する場合に比べ、電極や電極上に形成されたSiO2
保護膜は固いので、欠陥の発生が少なくなり且つ所望の
チルト角を示す配向膜が得られるので、歩留まりが高く
極めて低コスト高信頼で且つ表示性能に優れた液晶表示
装置を提供できる効果がある。
【0073】なお、吸着形成された配向膜は、特定の表
面エネルギーを有する液晶例えばネマティック液晶や強
誘電液晶を結合して組み込むことも可能なため、配向方
向およびチルト角の制御のみならず、配向規制力の大き
な配向膜を効率良く合理的に作製できる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1における単分子膜状の液晶
配向膜作製に用いる化学吸着工程を説明するための断面
概念図。
【図2】 本発明の実施例1の単分子膜状の液晶配向膜
作製の洗浄工程を説明するための断面概念図。
【図3】 本発明の実施例1の溶媒洗浄後の単分子膜状
の液晶配向膜内の分子配向状態を説明するために断面を
分子レベルまで拡大した概念図。
【図4】 本発明の実施例1の光露光により吸着された
分子を再配向させるために用いた露光工程の概念図。
【図5】 本発明の実施例1の光配向後の単分子膜状の
液晶配向膜内の分子配向状態を説明するための概念図。
【図6】 本発明の実施例1の光配向後の化学吸着単分
子膜の分子配向状態を説明するために断面を分子レベル
まで拡大した概念図。
【図7】 本発明の実施例2におけるクロロシラン単分
子膜の形成された状態(空気中の水分との反応前)を説
明するために分子レベルまで拡大した断面概念図。
【図8】 本発明の実施例2におけるシロキサン単分子
膜の形成された状態を説明するために分子レベルまで拡
大した断面概念図。
【図9】 本発明の実施例3において液晶表示装置製造
を説明するための断面概念図。
【符号の説明】 1 基板 2 化学吸着液 3 洗浄用非水系溶媒 4 1次配向された化学吸着単分子膜 4´ 再配向された化学吸着単分子膜 5 洗浄液からの引き上げ方向 6 偏光膜 7 照射光 8 再配向方向 9 透明電極 11 クロロシラン分子 12 シロキサン単分子膜 13 偏光方向 21 第1の電極群 22 トランジスタ群 23 第1の基板 24 カラーフィルター群 25 第2の電極 26 第2の基板 27 液晶配向膜 28 スペーサー 29 接着剤 30 液晶 31,32 偏光板 33 バックライト
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 あらかじめ電極が形成され且つ前記電極
    表面が直接または任意の薄膜を形成した後ラビングされ
    ている基板の表面に単分子膜状の被膜が形成されている
    ことを特徴とする液晶配向膜。
  2. 【請求項2】 単分子膜状の被膜を構成する分子が炭素
    鎖またはシロキサン結合鎖を含み、前記炭素鎖またはシ
    ロキサン結合鎖の末端あるいは一部に被膜の表面エネル
    ギーを制御する官能基を少なくとも一つ含んでいる請求
    項1に記載の液晶配向膜。
  3. 【請求項3】 被膜を構成する分子として臨界表面エネ
    ルギーの異なる複数種のシラン系界面活性剤を混合して
    用い、固定された被膜が所望の臨界表面エネルギー値を
    示すように制御されている請求項1または2に記載の液
    晶配向膜。
  4. 【請求項4】 表面エネルギーを制御する官能基が、3
    フッ化炭素基(−CF3)、メチル基(−CH3)、ビニ
    ル基(−CH=CH2)、アリル基(−CH=CH
    −)、アセチレン基(炭素−炭素の3重結合)、フェニ
    ル基(−C65)、フェニレン基(−C64−)、ハロ
    ゲン原子、アルコキシ基(−OR;Rはアルキル基を表
    す)、シアノ基(−CN)、アミノ基(−NH2)、水
    酸基(−OH)、カルボニル基(=CO)、カルボキシ
    基(−COO−)及びカルボキシル基(−COOH)か
    ら選ばれる少なくとも一つの有機基である請求項1〜3
    のいずれかに記載の液晶配向膜。
  5. 【請求項5】 被膜を構成する分子の末端にSiを含ん
    でいる請求項1〜3のいずれかに記載の液晶配向膜。
  6. 【請求項6】 あらかじめ電極を形成した基板の表面を
    直接または任意の保護膜膜を形成した後その表面を任意
    の方向にラビングする工程と、炭素鎖またはシロキサン
    結合鎖を含み、前記炭素鎖またはシロキサン結合鎖の末
    端あるいは一部に被膜の表面エネルギーを制御する官能
    基を少なくとも一つ含んでいるシラン系界面活性剤を用
    いて作製した化学吸着液に接触させ前記吸着液中の界面
    活性剤分子と基板表面とを化学反応させ前記界面活性剤
    分子を基板表面に一端で結合固定する工程とを含むこと
    を特徴とする単分子膜状の液晶配向膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 界面活性剤として直鎖状炭素鎖またはシ
    ロキサン結合鎖とクロロシリル基またはアルコキシシラ
    ン基またはイソシアネートシラン基を含むシラン系の界
    面活性剤を用いた請求項6に記載の単分子膜状の液晶配
    向膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 界面活性剤として臨界表面エネルギーの
    異なる複数種のシリコン系界面活性剤を混合して用いる
    請求項6または7に記載の単分子膜状の液晶配向膜の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 炭素鎖またはシロキサン結合鎖の末端ま
    たは一部に3フッ化炭素基(−CF3)、メチル基(−
    CH3)、ビニル基(−CH=CH2)、アリル基(−C
    H=CH−)、アセチレン基(炭素−炭素の3重結
    合)、フェニル基(−C65)、フェニレン基(−C6
    4−)、ハロゲン原子、アルコキシ基(−OR;Rは
    アルキル基を表す)、シアノ基(−CN)、アミノ基
    (−NH2)、水酸基(−OH)、カルボニル基(=C
    O)、カルボキシ基(−COO−)及びカルボキシル基
    (−COOH)から選ばれる少なくとも一つの有機基で
    ある請求項7〜9のいずれかに記載の単分子膜状の液晶
    配向膜の製造方法。
  10. 【請求項10】 界面活性剤分子を基板表面に一端で結
    合固定する工程の後に、有機溶剤で洗浄して、さらに所
    望の方向に基板を立てて液切りを行い、液切り方向に前
    記固定された分子を配向させる請求項6〜9のいずれか
    に記載の単分子膜状の液晶配向膜の製造方法。
  11. 【請求項11】 分子を配向させた後、さらに偏光膜を
    介して露光して前記配向された分子を所望の方向に再配
    向させる請求項10に記載の単分子膜状の液晶配向膜の
    製造方法。
  12. 【請求項12】 界面活性剤として直鎖状炭素鎖または
    シロキサン結合鎖とクロロシリル基またはイソシアネー
    トシラン基を含むシラン系の界面活性剤を用い、洗浄有
    機溶媒として水を含まない非水系の有機溶媒を用いた請
    求項10または11に記載の単分子膜状の液晶配向膜の
    製造方法。
  13. 【請求項13】 非水系の有機溶媒として、アルキル
    基、ふっ化炭素基または塩化炭素基またはシロキサン基
    を含む溶媒を用いた請求項12に記載の単分子膜状の液
    晶配向膜の製造方法。
  14. 【請求項14】 ラビング工程の後で界面活性剤分子を
    一端で固定する工程の前に、多数のSiO基を含む被膜
    を形成する工程を行い、この膜を介して単分子膜状の被
    膜を形成する請求項6〜13のいずれかに記載の単分子
    膜状の液晶配向膜の製造方法。
  15. 【請求項15】 炭素鎖またはシロキサン結合鎖を含
    み、前記炭素鎖またはシロキサン結合鎖の末端あるいは
    一部に被膜の表面エネルギーを制御する官能基を少なく
    とも一つ含んでいる分子で構成された被膜が、液晶用の
    配向膜として2つの対向させる電極が形成され且つ前記
    電極表面が直接または任意の薄膜を形成した後ラビング
    されている基板表面の少なくとも一方の基板の電極側表
    面に直接または他の被膜を介して間接に形成されてお
    り、液晶が前記2つの対向する電極に前記配向膜を介し
    て挟まれていることを特徴とする液晶表示装置。
  16. 【請求項16】 対向させる電極が形成され且つラビン
    グされた2つの基板表面にそれぞれ前記被膜が配向膜と
    して形成されている請求項15に記載の液晶表示装置。
  17. 【請求項17】 基板表面の被膜がパターン状の配向方
    向の異なる部分を複数箇所含んでいる請求項15または
    16に記載の液晶表示装置。
  18. 【請求項18】 対向する電極が片方の基板表面に形成
    されている請求項15に記載の液晶表示装置。
  19. 【請求項19】 あらかじめマトリックス状に載置され
    た第1の電極群を有する第1の基板を直接または任意の
    薄膜を形成した後その表面をラビングする工程と、炭素
    鎖またはシロキサン結合鎖を含み、前記炭素鎖またはシ
    ロキサン結合鎖の末端あるいは一部に被膜の表面エネル
    ギーを制御する官能基を少なくとも一つ含んでいるシラ
    ン系界面活性剤を用いて作製した化学吸着液に接触させ
    前記吸着液中の界面活性剤分子と基板表面とを化学反応
    させ前記界面活性剤分子を基板表面に一端で結合固定す
    る工程と、有機溶剤で洗浄後さらに所望の方向に基板を
    立てて液切りを行い液切り方向に前記固定された分子を
    予備配向させる工程と、前記第1の電極群を有する第1
    の基板と第2の基板、または第2の電極叉は電極群を有
    する第2の基板を、電極面を内側にして所定の間隙を保
    ちつつ位置合わせして接着固定する工程と、前記第1と
    第2の基板の間に所定の液晶を注入する工程を含むこと
    を特徴とした液晶表示装置の製造方法。
  20. 【請求項20】 固定された分子を予備配向させる工程
    の後、さらに偏光板を介して所望の方向に偏光した光で
    露光して前記界面活性剤分子の向きを所望の傾きを有し
    た状態で特定の方向に揃える工程を行う請求項19に記
    載の液晶表示装置の製造方法。
  21. 【請求項21】 偏光板を介して所望の方向に偏光した
    光で露光して前記結合された界面活性剤分子の向きを所
    望の傾きを有した状態で特定の方向に揃える工程におい
    て、前記偏光板にパターン状のマスクを重ねて露光する
    工程を複数回行い、同一面内の配向膜内でパターン状の
    配向方向の異なる部分を複数箇所設けた請求項20に記
    載の液晶表示装置の製造方法。
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CN98801052A CN1234877A (zh) 1997-05-26 1998-05-21 液晶取向膜及其制法以及用此取向膜的液晶显示装置及其制法
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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