JP3099825B1 - 液晶表示素子とその製造方法 - Google Patents

液晶表示素子とその製造方法

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JP3099825B1
JP3099825B1 JP28958199A JP28958199A JP3099825B1 JP 3099825 B1 JP3099825 B1 JP 3099825B1 JP 28958199 A JP28958199 A JP 28958199A JP 28958199 A JP28958199 A JP 28958199A JP 3099825 B1 JP3099825 B1 JP 3099825B1
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Abstract

【要約】 【課題】 液晶表示素子における2つの対向基板の面内
アンカリングエネルギーの最適化により、表示特性の工
程の改善をはかる。 【解決手段】 2つの対向基板上に配向膜を介して液晶
が挟持されている液晶表示素子において、一方の基板上
の配向膜の液晶の方位角アンカリングエネルギーが、他
方の基板上の配向膜のそれよりも小さい構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、TVやコンピュー
タ画像を表示するフラットパネルディスプレイに用いら
れる液晶表示パネルにおいて、液晶配向表示素子基板と
その製造方法、およびそれらを用いた液晶表示素子に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶表示素子において、2つの対
向基板上の配向膜は、製造工程を簡略化するため、同じ
材料、同じ配向処理を施しているため、それぞれの方位
角アンカリングエネルギーはほぼ同じであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら例えばI
PS型液晶表示素子の駆動原理(図1)を考えると、駆
動ON時に面内に対向電極を有する基板上では液晶が最
大約90゜回転するのに対し、電極を有しない基板上で
は液晶はほとんど回転しない。このため、焼き付き(駆
動ONから駆動OFFにしたときに液晶が初期配向状態
に戻らない現象)を考慮すると、面内に対向電極を有す
る基板上の配向膜は大きなアンカリングエネルギーを必
要とするのに対し、電極を有しない基板上の配向膜はさ
ほど方位角アンカリングエネルギーを必要としない。つ
まり、IPS型液晶表示素子においては、電極を有しな
い基板上の配向膜の方位角アンカリングエネルギーが、
面内に対向電極を有する基板上の配向膜のそれよりも小
さくすることができ、またそれにより、IPS型液晶表
示素子の駆動を最適化でき、たとえば電圧−透過率特性
でのしきい値電圧付近での透過率の変化を急峻にするこ
とができる。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の液晶表示素子は、2つの対向基板上に配向膜を介して
液晶が挟持されている液晶表示素子において、一方の基
板上の配向膜の液晶のアンカリングエネルギーが、他方
の基板上の配向膜のそれよりも小さいことを特徴とす
る。
【0005】この構成にすると、各種の液晶表示モード
において、アンカリングエネルギーを最適化することが
できる。
【0006】前記液晶表示素子において、2つの対向基
板上に配向膜を介して液晶が挟持されている液晶表示素
子において、その2つの配向膜のうち少なくとも1つが
感光性基を有し、さらに偏光を照射することにより感光
性基部が架橋もしくは重合し配向異方性をもった膜であ
り、一方の基板上の配向膜の液晶のアンカリングエネル
ギーが、他方の基板上の配向膜のそれよりも小さいこと
を特徴とする。
【0007】この構成にすると、各種の液晶表示モード
において、アンカリングエネルギーを最適化を偏光紫外
線で行える。しかもアンカリングエネルギーの制御を再
現性よくできる。
【0008】前記液晶表示素子において、2つの対向基
板上に配向膜を介して液晶が挟持されている液晶表示素
子において、その2つの配向膜が同一でありかつ感光性
基を有し、さらに偏光を照射することにより感光性基部
が架橋もしくは重合し配向異方性をもった膜である液晶
表示素子において、一方の基板上の膜のへの偏光照射量
が、他方の対向電極を有する基板上の膜のそれよりも小
さくすることにより、一方の基板上の配向膜の液晶のア
ンカリングエネルギーが、他方の基板上の配向膜のそれ
よりも小さいことを特徴とする。
【0009】この構成にすると、各種の液晶表示モード
において、アンカリングエネルギーを最適化を偏光紫外
線の露光量で行える。しかもアンカリングエネルギーの
制御を再現性よくできる。
【0010】前記液晶表示素子において、アンカリング
エネルギーが方位角アンカリングエネルギーであること
を特徴とする。この構成によると、方位角アンカリング
エネルギーの寄与する液晶表示モードを最適化できる。
【0011】前記液晶表示素子において、アンカリング
エネルギーが極角アンカリングエネルギーであることを
特徴とする。この構成によると、極角アンカリングエネ
ルギーの寄与する液晶表示モードを最適化できる。
【0012】前記液晶表示素子において、2つの対向基
板上に配向膜を介して液晶が挟持されている液晶表示素
子において、一方の基板上の配向膜の液晶の方位角アン
カリングエネルギーが、他方の面内に対向電極を有する
基板上の配向膜のそれよりも小さいことを特徴とする。
【0013】この構成にすると、例えばIPS型液晶表
示素子の駆動を最適化でき、たとえば電圧−透過率特性
でのしきい値電圧付近での透過率の変化を急峻にするこ
とから、マトリックス駆動において、より走査線数の多
いIPS型液晶表示素子すなわち液晶画素の高精細化が
可能になるとともに、電極を有しない対向基板の配向膜
の液晶の方位角アンカリングエネルギーを小さくできる
ことから、たとえば配向工程におけるラビング法におい
て、ラビング条件の緩和ができ、静電気の発生や発塵を
抑えたり、ラビング布の寿命を延ばすことができる。ま
た光配向法においては、偏光露光量の少なくすることが
できたり、方位角アンカリングエネルギーの制御を偏光
照射量で管理できる。
【0014】前記液晶表示素子において、2つの対向基
板上に配向膜を介して液晶が挟持されている液晶表示素
子において、その2つの配向膜のうち少なくとも1つが
感光性基を有し、さらに偏光を照射することにより感光
性基部が架橋もしくは重合し配向異方性をもった膜であ
る液晶表示素子において、一方の基板上の配向膜の液晶
の方位角アンカリングエネルギーが、他方の面内に対向
電極を有する基板上の配向膜のそれよりも小さいことを
特徴とする。
【0015】この構成にすると、配向工程におけるラビ
ング法において、アンカリングエネルギーの制御は再現
性がなく、かなり困難であるが、これを偏光配向工程に
代えると、偏光照射により、方位角アンカリングエネル
ギーの制御を再現性よくできる。また、静電気の発生や
発塵をなくすことができる。
【0016】前記液晶表示素子において、2つの対向基
板上に配向膜を介して液晶が挟持されている液晶表示素
子において、その2つの配向膜が同一でありかつ感光性
基を有し、さらに偏光を照射することにより感光性基部
が架橋もしくは重合し配向異方性をもった膜である液晶
表示素子において、一方の基板上の膜のへの偏光照射量
が、他方の面内に対向電極を有する基板上の膜のそれよ
りも小さくすることにより、一方の基板上の配向膜の液
晶の方位角アンカリングエネルギーが、他方の面内に対
向電極を有する基板上の配向膜のそれよりも小さいこと
を特徴とする。
【0017】この構成にすると、方位角アンカリングエ
ネルギーの制御が偏光照射量のみとなり、簡便にしかも
再現性よく方位角アンカリングエネルギーの制御ができ
る。
【0018】前記液晶表示素子において、2つの対向基
板上に配向膜を介して液晶が挟持されている液晶表示素
子において、その2つの配向膜が同一でありかつ感光性
基を有し、さらに偏光を照射することにより感光性基部
が架橋もしくは重合し配向異方性もたせることのできる
シラン系化合物が化学吸着した膜である液晶表示素子に
おいて、一方の基板上の膜への偏光照射量が、他方の面
内に対向電極を有する基板上の膜のそれよりも小さくす
ることにより、一方の基板上の配向膜の液晶の方位角ア
ンカリングエネルギーが、他方の面内に対向電極を有す
る基板上の配向膜のそれよりも小さいことを特徴とす
る。
【0019】この構成によると、シラン系化合物が化学
吸着した膜の感光性基部は表面に露出するため、偏光に
対する感度が優れ、少ない偏光照射量でその膜に配向異
方性をもたせることができる。また、その膜が薄膜であ
るため、駆動電圧のロスや焼き付きなどの表示特性の改
善ができる。
【0020】前記液晶表示素子において、前記液晶表示
素子がイン・プレーン・スイッチング(IPS)型液晶
表示素子であることを特徴とする。この構成によると表
示特性の優れたIPS型液晶表示素子となる。
【0021】前記液晶表示素子において、感光性基とし
てシンナモイル基、カルコニル基を用いることが望まし
い。これらを用いることにより少ない偏光紫外線照射量
で重合させることができ、タクトタイムの短縮が可能で
ある。特にカルコニル基はより少ない偏光紫外線照射量
で重合させることができる。
【0022】前記液晶表示素子おいて、シラン系化合物
として、トリクロロシラン系化合物を用いることが好ま
しい。トリクロロシラン系化合物用いると、それ自身の
重合反応を起こすことなく、下地層に露出したOH基に
直接共有結合により結合(化学吸着)するため、シラン
系化合物を高密度に化学吸着させることができ、配向性
の優れる。
【0023】前記液晶表示素子において、シラン化合物
が直鎖状炭素鎖を有することが好ましい。これは、シラ
ン化合物が基板上で整然と配列でき、高密度に化学吸着
でき、配向性の優れた液晶表示素子基板となる。
【0024】前記液晶表示素子において化学吸着したシ
ラン系化合物の膜が単分子膜であることが特徴である。
単分子膜であることにより、最表面に感光性基が露出す
ることで所望の方向への異方的な光反応が起こしやすく
なり、光配向法(偏光配向工程)での偏光紫外線照射量
を少なくすることができる。また感光性基を有するシラ
ン化合物が基板上で整然と配列するため、配向性が優れ
る。また膜厚が分子長さと超均一のため、膜厚ムラによ
る駆動電圧ムラや焼き付きムラなどの表示特性の問題が
発生しない。
【0025】また、上記課題を解決するための液晶表示
素子の製造方法は、液晶表示素子の2つの対向基板上
に、塗膜を形成する膜形成工程と、配向異方性をもたせ
るための配向処理において、一方の基板上のその膜のも
つ液晶のアンカリングエネルギーが、他方の基板上の膜
へのそれよりも小さくなるようにするための配向工程
と、2つの対向基板のうちいずれか一方に液晶注入口の
部分を欠いた枠状のシール剤を形成するシール形成工程
と、前記対向基板どうしを貼り合わせる貼り合わせ工程
と、前記液晶注入口から液晶を注入し、液晶層を形成す
る液晶注入工程を備えることを特徴とする。
【0026】この構成にすると、各種の液晶表示モード
において、アンカリングエネルギーを最適化した液晶表
示素子を製造できる。
【0027】前記液晶表示素子の製造方法において、液
晶表示素子の2つの対向基板上に、少なくとも感光性基
を有する塗膜を形成する膜形成工程と、感光性基部が架
橋もしくは重合し配向異方性をもたせるための偏光照射
において、一方の基板上のその膜のもつ液晶のアンカリ
ングエネルギーが、他方の基板上の膜へのそれよりも小
さくなるようにするための偏光配向工程と、2つの対向
基板のうちいずれか一方に液晶注入口の部分を欠いた枠
状のシール剤を形成するシール形成工程と、前記対向基
板どうしを貼り合わせる貼り合わせ工程と、前記液晶注
入口から液晶を注入し、液晶層を形成する液晶注入工程
を備えることを特徴とする。
【0028】この構成にすると、各種の液晶表示モード
において、アンカリングエネルギーを最適化を偏光紫外
線で行える。しかもアンカリングエネルギーの制御を再
現性よくできる製造方法となる。
【0029】前記液晶表示素子の製造方法において、液
晶表示素子の2つの対向基板上に同一の、少なくとも感
光性基を有する塗膜を形成する薄膜形成工程と、感光性
基部が架橋もしくは重合し配向異方性をもたせるための
偏光照射において、一方の基板上のその膜へ偏光照射量
が、他方の基板上の膜へのそれよりも小さくなるように
偏光照射することで、一方の基板上のその膜のもつ液晶
のアンカリングエネルギーが、他方の基板上の膜へのそ
れよりも小さくなるようにするための偏光配向工程と、
2つの対向基板のうちいずれか一方に液晶注入口の部分
を欠いた枠状のシール剤を形成するシール形成工程と、
前記対向基板どうしを貼り合わせる貼り合わせ工程と、
前記液晶注入口から液晶を注入し、液晶層を形成する液
晶注入工程を備えることを特徴とする。
【0030】この構成にすると、各種の液晶表示モード
において、アンカリングエネルギーを最適化を偏光紫外
線の露光量で行える。しかもアンカリングエネルギーの
制御を再現性よくできる製造方法となる。
【0031】前記液晶表示素子の製造方法において、ア
ンカリングエネルギーが方位角アンカリングエネルギー
であることを特徴とする。この構成によると、方位角ア
ンカリングエネルギーの寄与する液晶表示モードを最適
化できる製造方法となる。
【0032】前記液晶表示素子において、アンカリング
エネルギーが極角アンカリングエネルギーであることを
特徴とする。この構成によると、極角アンカリングエネ
ルギーの寄与する液晶表示モードを最適化できる製造方
法となる。
【0033】前記液晶表示素子において、液晶表示素子
の2つの対向基板上に、塗膜を形成する膜形成工程と、
配向異方性をもたせるための配向処理において、一方の
基板上のその膜のもつ液晶の方位角アンカリングエネル
ギーが、他方の面内に対向電極を有する基板上の膜への
それよりも小さくなるようにするための配向工程と、2
つの対向基板のうちいずれか一方に液晶注入口の部分を
欠いた枠状のシール剤を形成するシール形成工程と、前
記対向基板どうしを貼り合わせる貼り合わせ工程と、前
記液晶注入口から液晶を注入し、液晶層を形成する液晶
注入工程を備えることである。
【0034】この構成にすると、例えばIPS型液晶表
示素子の駆動を最適化でき、たとえば電圧−透過率特性
でのしきい値電圧付近での透過率の変化を急峻にするこ
とができることから、マトリックス駆動において、より
走査線数の多いIPS型液晶表示素子すなわち液晶画素
の高精細化を提供できるとともに、電極を有しない対向
基板の配向膜の液晶の方位角アンカリングエネルギーを
小さくできることから、たとえば配向工程におけるラビ
ング法において、ラビング条件の緩和ができ、静電気の
発生や発塵を抑えたり、ラビング布の寿命を延ばすこと
ができ、また光配向法においては、偏光露光量の少なく
することができたり、方位角アンカリングエネルギーの
制御を偏光照射量で管理できる製造方法を提供できる。
【0035】前記液晶表示素子の製造方法において、液
晶表示素子の2つの対向基板上に、少なくとも感光性基
を有する塗膜を形成する膜形成工程と、感光性基部が架
橋もしくは重合し配向異方性をもたせるための偏光照射
において、一方の基板上のその膜のもつ液晶の方位角ア
ンカリングエネルギーが、他方の面内に電極を有する基
板上の膜へのそれよりも小さくなるようにするための偏
光配向工程と、2つの対向基板のうちいずれか一方に液
晶注入口の部分を欠いた枠状のシール剤を形成するシー
ル形成工程と、前記対向基板どうしを貼り合わせる貼り
合わせ工程と、前記液晶注入口から液晶を注入し、液晶
層を形成する液晶注入工程を備えることが特徴である。
【0036】この構成にすると、配向工程におけるラビ
ング法において、方位角アンカリングエネルギーの制御
は再現性がなく、かなり困難であるが、これを偏光配向
工程に代えると、偏光照射により、方位角アンカリング
エネルギーの制御を再現性よく製造できる。また、静電
気の発生や発塵をなく製造できる。
【0037】前記液晶表示素子の製造方法において、液
晶表示素子の2つの対向基板上に同一の、少なくとも感
光性基を有する塗膜を形成する膜形成工程と、感光性基
部が架橋もしくは重合し配向異方性をもたせるための偏
光照射において、一方の基板上のその膜へ偏光照射量
が、他方の面内に対向電極を有する基板上の膜へのそれ
よりも小さくなるように偏光照射することで、一方の基
板上のその膜のもつ液晶の方位角アンカリングエネルギ
ーが、他方の面内に対向電極を有する基板上の膜へのそ
れよりも小さくなるようにするための偏光配向工程と、
2つの対向基板のうちいずれか一方に液晶注入口の部分
を欠いた枠状のシール剤を形成するシール形成工程と、
前記対向基板どうしを貼り合わせる貼り合わせ工程と、
前記液晶注入口から液晶を注入し、液晶層を形成する液
晶注入工程を備えることを特徴とする。
【0038】この構成にすると、方位角アンカリングエ
ネルギーの制御が偏光照射量のみとなり、簡便にしかも
再現性よく方位角アンカリングエネルギーの制御ができ
る。
【0039】前記液晶表示素子の製造方法において、液
晶表示素子の2つの対向基板上に同一の、少なくとも感
光性基を有するシラン系化合物を含む溶液を接触させ、
感光性基を有するシラン系化合物を化学吸着させること
により薄膜を形成する薄膜形成工程と、感光性基部が架
橋もしくは重合し配向異方性をもたせるための偏光照射
において、一方の基板上のその膜へ偏光照射量が、他方
の面内に対向電極を有する基板上の膜へのそれよりも小
さくなるように偏光照射することで、一方の基板上のそ
の膜のもつ液晶の方位角アンカリングエネルギーが、他
方の面内に対向電極を有する基板上の膜へのそれよりも
小さくなるようにするための偏光配向工程と、2つの対
向基板のうちいずれか一方に液晶注入口の部分を欠いた
枠状のシール剤を形成するシール形成工程と、前記対向
基板どうしを貼り合わせる貼り合わせ工程と、前記液晶
注入口から液晶を注入し、液晶層を形成する液晶注入工
程を備えることを特徴とする。
【0040】この構成によると、シラン系化合物が化学
吸着した膜の感光性基部は表面に露出するため、偏光に
対する感度が優れ、少ない偏光照射量でその膜に配向異
方性をもたせることができる。また、その膜が薄膜であ
るため、駆動電圧のロスや焼き付きなどの表示特性の改
善ができる。
【0041】前記液晶表示素子の製造方法において、液
晶表示素子の2つの対向基板上に同一の、少なくとも感
光性基を有するシラン系化合物を含む溶液を接触させ、
感光性基を有するシラン系化合物を化学吸着させること
により薄膜を形成する薄膜形成工程と、化学吸着してい
ない過剰な感光性基を有するシラン化合物を取り除く洗
浄工程と、感光性基部が架橋もしくは重合し配向異方性
をもたせるための偏光照射において、一方の対向基板上
のその膜へ偏光照射量が、他方の面内に対向電極を有す
る基板上の膜へのそれよりも小さくなるように偏光照射
することで、一方の基板上のその膜のもつ液晶の方位角
アンカリングエネルギーが、他方の面内に対向電極を有
する基板上の膜へのそれよりも小さくなるようにするた
めの偏光配向工程と、2つの対向基板のうちいずれか一
方に液晶注入口の部分を欠いた枠状のシール剤を形成す
るシール形成工程と、前記対向基板どうしを貼り合わせ
る貼り合わせ工程と、前記液晶注入口から液晶を注入
し、液晶層を形成する液晶注入工程を備えることを特徴
とする。
【0042】この構成によると、洗浄工程により未反応
のクロロシランを除去できるため、化学吸着膜のみ、す
なわち単分子膜による均一性の高い配向が実現できる。
【0043】前記液晶表示素子の製造方法において、液
晶表示素子の2つの対向基板上に同一の、少なくとも感
光性基を有するシラン系化合物を含む溶液を接触させ、
感光性基を有するシラン系化合物を化学吸着させること
により薄膜を形成する薄膜形成工程と、化学吸着してい
ない過剰な感光性基を有するシラン化合物を取り除く洗
浄工程と、洗浄液の液切りを行い化学吸着した感光基を
有する膜を配向させる液切り配向工程と、感光性基部が
架橋もしくは重合し配向異方性をもたせるための偏光照
射において、一方の基板上のその膜へ偏光照射量が、他
方の面内に対向電極を有する基板上の膜へのそれよりも
小さくなるように偏光照射することで、一方の基板上の
その膜のもつ液晶の方位角アンカリングエネルギーが、
他方の面内に対向電極を有する基板上の膜へのそれより
も小さくなるようにするための偏光配向工程と、2つの
対向基板のうちいずれか一方に液晶注入口の部分を欠い
た枠状のシール剤を形成するシール形成工程と、前記対
向基板どうしを貼り合わせる貼り合わせ工程と、前記液
晶注入口から液晶を注入し、液晶層を形成する液晶注入
工程を備えることを特徴とする。
【0044】この構成によると、液切り配向工程によ
り、液切りの方向に感光性基の配向させることができ、
液切り方向が偏光配向工程で配向した液晶のチルト方向
となる。
【0045】前記液晶表示素子の製造方法において、前
記液切り配向工程における、液晶の配向方向と偏光配向
工程における液晶の配向方向が同一あるいは略同一方向
であることを特徴とする。この方法による液切り方向に
液晶がチルトしかつ配向する。
【0046】前記液晶表示素子の製造方法において、前
記偏光露光工程における、対向基板2枚の偏光配向工程
での偏向方向が平行であることを特徴とする。これによ
りIPS型の液晶表示モードの液晶表示素子を歩留まり
よく製造できる。
【0047】
【発明の実施の形態】本発明の液晶表示素子は、2つの
対向基板上に配向膜を介して液晶が挟持されている液晶
表示素子において、一方の基板上の配向膜の液晶のアン
カリングエネルギーが、他方の基板上の配向膜のそれよ
りも小さい構成になっている。この構成にすると、例え
ばIPS型液晶表示素子の駆動を最適化でき、たとえば
電圧−透過率特性でのしきい値電圧付近での透過率の変
化を急峻にすることができることから、マトリックス駆
動において、より走査線数の多いIPS型液晶表示素子
すなわち液晶画素の高精細化が可能である。また、電極
を有しない基板の配向膜の液晶の方位角アンカリングエ
ネルギーを小さくできることから、たとえば配向工程に
おけるラビング法において、ラビング条件の緩和がで
き、静電気の発生や発塵を抑えたり、ラビング布の寿命
を延ばすことができる。また光配向法においては、偏光
露光量の小さくすることができたり、方位角アンカリン
グエネルギーの制御を偏光照射量で管理できる。
【0048】なお、上記IPS液晶表示素子において
は、基板の面内に形成された対向電極の形態によらな
い。たとえば、同一面内に交互に対向電極が形成された
櫛形電極が一般的には使用されるが、他に櫛形電極の形
がくの字になっているものや、あるいは交互に形成され
ている対向電極の基板からの高さが液晶層の厚みの範囲
内で異なるものある。いずれにせよ、本発明においては
すべて適用可能である。
【0049】また、上記配向膜の材料として、ポリビニ
ル、ポリイミドなどのポリマーおよびその前駆体があ
る。これらの溶液を対向基板に塗布し、それを乾燥、焼
成することでポリマー膜が形成される。さらにこれらの
ポリマー膜の置換基に感光性のシンナモイル基、やカル
コニル基を有する場合、紫外線を照射することにより、
感光性基部が重合する。
【0050】一方、上記配向膜の材料として、シラン化
合物でもよい。これらの溶液を対向基板に接触させるこ
とで化学吸着膜が形成される。なお、上記シラン系化合
物を含む溶液とは、シラン系化合物が溶剤に溶解した溶
液を意味するが、シラン系化合物の一部の未溶解状態で
あってもよい。このような溶液の典型としては、過飽和
状態の溶液がある。
【0051】そして、用いることができるシラン化合物
としては、下記のものを例示することができる。 (1)SiYpCl3-p (2)CH3−(CH2rSiYqCl3-q (3)CH3(CH2sO(CH2tSiYqCl3-q (4)CH3(CH2u−Si(CH32(CH2v
SiYqCl3-q (5)CF3COO(CH2wSiYqCl3-q 但し、pは0〜3の整数、qは0〜2の整数、rは1〜
25の整数、sは0〜12の整数、tは1〜20の整
数、uは0〜12の整数、vは1〜20の整数、wは1
〜25の整数を示す。また、Yは、水素、アルキル基、
アルコキシル基、含フッ素アルキル基または含フッ素ア
ルコキシ基である。
【0052】トリクロロシラン系化合物の具体例して
は、下記(6)−(14)に示す化合物が例示できる。 (6)CF3(CH29SiCl3 (7)CH3(CH29OSiCl33 (8)CH3(CH29Si(CH32(CH210Si
Cl3 (9)CH3COO(CH215SiCl3 (10)CF3(CF27−(CH22−SiCl3 (11)CF3(CF2)7−C64−SiCl3 (12)C65−CH=CH−CO−O−(CH26
O−SiCl3 (13)C6H5-CO-CH=CH-C6H4-O-(CH2)6-O-SiCl3 (14)C6H5-CH=CH-CO-C6H4-O-(CH2)6-O-SiCl3 ここで化合物(12)は感光性のシンナモイル基、化合
物(13)(14)も感光性のカルコニル基のを有し、
紫外線を照射することにより、感光性基部が重合する。
【0053】さらに、上記クロロシラン系化合物の代わ
りに、クロロシリル基をイソシアネート基もしくはアル
コキシ基に置き扱えたイソシアネート系シラン化合物も
しくはアルコキシ系シランに置き換えることができる。
たとえば、クロロシラン(6)をイソシアネート系シラ
ン化合物もしくはアルコキシ系シラン化合物に置き換え
ると化合物(15)、(16)になる。 (15)CH3(CH29Si(OC253 (16)CH3(CH29Si(NCO)3 イソシアネート系シラン化合物もしくはアルコキシ系シ
ラン化合物を用いると、化学結合に際し塩酸が発生しな
いため、装置の損傷がなく作業がしやすいというメリッ
トがある。
【0054】ここで、シラン化合物を用いて基材表面に
薄膜を形成するプロセスを説明するとともに、本発明を
実施するための要素としての溶剤および基材について説
明する。
【0055】下記化学式(1)に、シラン系化合物とし
てCF3−(CF27−(CH22−SiCl3(化合物
(10))をガラス基板に接触させた場合における説明
図を示す。
【0056】
【化1】
【0057】化学式(1)に示す最初の反応ステップ
(脱塩化水素反応)は、一般に化学吸着反応と呼ばれて
いる反応であり、OH基を有する基材にシラン化合物溶
液を接触させると、脱塩化水素反応が生じてシラン化合
物分子の一端が基材表面のOH基部分に化学結合する。
この反応はシラン化合物のSiCl基とOH基の反応で
あるから、シラン化合物溶液中に水分が多く含まれてい
ると、基材との反応が阻害される。よって、反応を円滑
に進行させるには、OH基等の活性水素を含まない非水
系溶剤を用いるのが好ましく、また湿度が低い雰囲気中
で行うことが好ましい。なお、湿度条件については、下
記実験の部で詳細に説明する。
【0058】またシラン化合物の溶剤としては、水を含
まない炭化水素系溶剤、フッ化炭素系溶剤、シリコーン
系溶剤などが例示でき、石油系の溶剤として使用可能な
ものとしては、たとえば石油ナフサ、ソルベントナフ
サ、石油エーテル、石油ベンジン、イソパラフィン、ノ
ルマルパラフィン、デカリン、工業ガソリン、灯油、リ
グロイン、ジメチルミリコーン、フェニルシリコーン、
アルキル変性シリコーン、ポリエステルシリコーンなど
を挙げることができる。また、フッ化炭素系溶媒には、
フロン系溶媒や、フロリナート(3M社製品)、アフル
ード(旭ガラス社製品)などが使用できる。これらは1
種単独で用いてもよいし、相溶するするものなら2種以
上を組み合わせて用いるのもよい。特にシリコーンは、
水分の存在が少なく、吸湿しにくいとともに、クロロシ
ラン化合物と溶媒和してクロロシラン系化合物が水分と
直接接触するのを防止するように作用する。従って、ク
ロロシラン系化合物とシリコーンからなる溶液である
と、下地層を接触させる際に、周囲雰囲気中の水分によ
る悪影響を防止しつつ、下地層に露出したOH基にクロ
ロシラン系化合物を化学吸着させることができる。
【0059】またシラン化合物の溶液を接触させること
で化学吸着膜を形成するための対向基板にとしては一般
的に、電極、配線材料のITO膜やAl膜をはじめ、T
FT、保護膜のSiO2膜やSiNx膜、カラーフィルタ
のアクリル系やシリコーン系などのポリマー膜、基板と
一体化したスペーサーのアクリル系やシリコーン系など
のポリマー材料がある。このうち、SiO2やSiNx
十分にシラン化合物の吸着部位(OH基)を確保でき優
れた配向特性を有する液晶配向膜を形成できる。一方、
電極材料のITOやAl、TFTなどはシラン化合物の
吸着部位(OH基)が少なく、カラーフィルターやスペ
ーサーなどのアクリル系やシリコーン系などのポリマー
材料はそれがほとんど存在しないため、親水化(OH基
を生成もしくは増やす)処理が必要である。この親水化
処理として、これらの上にSiO 2膜やSiNx膜を設け
ること、もしくはUV−O3処理により表面にOH基を
生成させる方法が有効である。
【0060】また、シラン化合物の溶液を接触させるこ
とで化学吸着膜を形成後の洗浄工程の方法として浸漬、
蒸気洗浄などがある。特に蒸気洗浄は基板全表面上の化
学吸着していない過剰なシラン化合物を蒸気の浸透力に
より強力に取り除くことができる。これらの方法に使用
できる洗浄溶剤として水を含まない炭化水素系溶剤、フ
ッ化炭素系溶剤、シリコーン系溶剤などが例示でき、石
油系の溶剤として使用可能なものとしては、たとえば石
油ナフサ、ソルベントナフサ、石油エーテル、石油ベン
ジン、イソパラフィン、ノルマルパラフィン、デカリ
ン、工業ガソリン、灯油、リグロイン、ジメチルミリコ
ーン、フェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、
ポリエステルシリコーンなどを挙げることができる。ま
た、フッ化炭素系溶媒には、フロン系溶媒や、フロリナ
ート(3M社製品)、アフルード(旭ガラス社製品)な
どが使用できる。これらは1種単独で用いてもよいし、
相溶するするものなら2種以上を組み合わせて用いるの
もよい。
【0061】さらに、シラン化合物の溶液を接触させる
ことで化学吸着膜を形成し、洗浄後の液切り配向工程の
方法として、基板表面を鉛直に保持し、洗浄液の液切り
を行う。これにより洗浄液は重力方向にのみ液切りをす
ることができる。特に沸点が200℃以下の洗浄液を用
いた場合は、液切り後の乾燥性に優れるため好ましい。
さらにクロロホルムを用いた場合はクロロシランと水と
の反応で生じたクロロシランポリマーの除去性に優れ
る。また、本発明で適用できる液切り配向方法として
は、基板表面にガスを吹き付けることにより洗浄液の液
切りを行うこともできる。これにより洗浄液はガスを吹
き付けた方向にのみ短時間で液切りをすることができ
る。特に沸点が150℃以上の洗浄液を用いた場合は、
吹き付けガスによって洗浄液が蒸発することなく液切り
ができるので好ましい。さらにN−メチル−2ピロリジ
ノンを用いた場合はクロロシランと水との反応で生じた
クロロシランポリマーの除去性に優れる。
【0062】また、以上の膜に配向異方性をもたせる方
法としてラビング法と膜が感光性基を有する場合、光配
向法がある。偏光紫外線は300〜400nm付近に波
長分布を有するものであればよく、その照射量は365
nmで概ね50〜3000mJ/cm2であればよい。
特に1000mJ/cm2以上では、前記液晶表示素子
の配向がIPS液晶表示素子に適したホモジニアス配向
になりやすい。
【0063】そして、膜材料やラビング法による対向基
板へのラビング布の押し込み量やラビング速度、また光
配向法の偏光照射量などを面内に2つの対向電極を有す
る対向基板と電極を有しない対向基板でかえることで、
本発明のIPS型液晶表示素子ができる。
【0064】以下、実施例に基づいて本発明の内容を説
明する。まず、IPS型液晶表示素子の構成を説明す
る。図1に示すように、櫛形に載置された第1の電極群
とこの電極群を駆動するTFT群と第1の電極と対向す
るように櫛状に載置された第2の電極群とそれらを結ぶ
配線等を有する第1の基板上、および第1の基板と対向
するように載置したカラーフィルタ群を有する第2の基
板上に液晶配向膜があり、その配向方向は第1、第2の
基板とも櫛形電極と平行になるように仕向けた。これら
の第1と第2の基板とを電極とカラーフィルタが対向す
るように位置あわせをしており、中心部にはビーズが分
散され、図1は画素の拡大図のため図示していないが端
面にはスペーサ入り接着剤が塗布され、約3μmのギャ
ップを構成するように固定してある。そして第1と第2
の基板の隙間にホモジニアス液晶が注入され、第1と第
2の裏面にはクロスニコル(透過できる偏光の方向が互
いに直角)になるように第1と第2の偏光板が貼り付け
られている。
【0065】次にIPS型液晶表示素子の駆動原理を説
明する。駆動OFFの状態(図1(a))では液晶は櫛
形電極と平行にホモジニアス配向し、第1偏光板を透過
した偏光は液晶層内をその偏向方向を変えることなく透
過する。その結果、第1偏光板とクロスニコルの関係に
ある第2偏光板を透過することができず、そのため表示
は黒(ノーマリーブラック)となる。ところが駆動ON
の状態では、駆動電圧を大きくするにつれ、第1基板付
近の液晶が櫛形電極とは直角の方向に配向するようにな
り、最終的には第1基板付近の液晶が櫛形電極とは直角
に配向する。これに対し、第2基板付近の液晶はそのま
ま櫛形電極と平行に配向する。このため液晶層にねじれ
が発生し、最終的には90゜ねじれる。そして第1偏光
板を透過した偏光はこの液晶層内で液晶の旋光性により
偏光方向がねじれて透過するようになり、最終的には偏
光方向が90゜ねじれて透過する。その結果、第1偏光
板とクロスニコルの関係にある第2偏光板を透過できる
ようになり、そのため表示は黒から白へ変化する。しか
しながら、これ以上駆動電圧を大きくすると第2基板付
近の液晶も櫛形電極とは直角の方向に配向するようにな
り、液晶層がねじれなくなり、ふたたび表示は黒となっ
ていく。
【0066】以上のことから本発明の構成にした場合、
第2基板付近のアンカリングエネルギーが第1基板のそ
れよりも小さいから、しきい値電圧は変わらないもの
の、液晶層が90゜にねじれる電圧が小さくなることか
ら、電圧−透過率特性でのしきい値電圧付近での透過率
の変化を急峻にすることができる。
【0067】(実施例1)この第1と第2の基板エリア
にポリイミド溶液(固形分5%)を第1と第2の基板に
印刷機を用いて1μm(液膜)塗布し、220℃で1時
間焼成した。(膜形成工程)この後ラビングを行い、ナ
イロン布(繊維経16〜20μm、毛の長さ3mm)
で、第1基板は押し込み量0.4mm、第2基板は押し
込み量0.2mmで、両基板ともスピード500m/分
で表面をこすった(ラビング配向工程)。
【0068】そして、第1と第2の基板を基板液晶表示
素子として組み立て、IPS型液晶表示素子Aを製作し
た。
【0069】(比較例1)第1と第2の基板のラビング
の条件として、両基板とも押し込み量を0.2mmとし
た組と0.4mmとした組にしたことを除き実施例1と
同様に、それぞれの組の第1と第2の基板を液晶表示素
子として組み立て、IPS型液晶表示素子B、Cを製作
した。
【0070】[膜作製条件と表示特性]これらの表示素
子の液晶の初期配向および表示特性を調べた。初期配向
特性として、偏光顕微鏡を用いて液晶の配向均一性(明
るさのムラ)を観察した、また表示特性として、電圧−
透過率特性とそのときのコントラスト比を調べた。結果
を表1に示す。またIPS型液晶表示素子B、Cについ
ては方位角方向のアンカリングエネルギーを測定した。
【0071】
【表1】
【0072】IPS型液晶表示素子B,Cの方位角アン
カリングエネルギーの測定結果からIPS型液晶表示素
子Aの第1の基板上の方位角アンカリングエネルギーは
2.3×10-3 J/m2、第1の基板上の方位角アン
カリングエネルギーは3.8×10-4 J/m2と推定
され、Aは本発明のIPS型液晶表示素子であることが
わかる。
【0073】このとき、第1と第2の基板の方位角アン
カリングエネルギーが同じIPS型液晶表示素子Cに比
べ、第2の基板の方位角アンカリングエネルギーが小さ
いIPS型液晶表示素子Aでもほぼ同じ初期配向および
コントラスト比が得られことがわかった。さらに、駆動
の急峻性だが、透過率10%と90%間の電圧差を調べ
たところB,Cに比べAが小さい、つまりより駆動が急
峻であることがわかり、本発明のIPS型液晶表示素子
ではマトリックス駆動において、より走査線数の多いI
PS型液晶表示素子を提供できることがわかった。
【0074】(実施例2)この第1と第2の基板のエリ
アにシラン化合物としC65−CH=CH−CO−C6
4−O−(CH26−O−SiCl3を用意し、10
-3 mol/L のC65−CH=CH−CO−C64
O−(CH26−O−SiCl3/ヘキサメチルジシロ
キサンのシラン化合物の溶液を作製した。そして、相対
湿度を5%以下とした無水雰囲気で、このシラン化合物
溶液を第1と第2の基板に印刷機を用いて1μm(液
膜)塗布した(薄膜形成工程)。この後、この第1と第
2と基板をクロロホルムに浸漬洗浄する(洗浄工程)と
ともに、引き上げ、第1と第2の基板を液晶表示素子に
組み合わせたときにそれぞれの基板のクロロホルムの液
切り方向が平行になるように引き上げ、第1と第2と基
板上に形成された膜を液切り方向に配向させた(液切り
配向工程)さらに、液切り方向と偏光方向が同じ方向に
なるように第1の基板には偏光紫外線を1000mJ/
cm2(at 365nm)、第2の基板には偏光紫外
線を500mJ/cm2(at 365nm)照射し、
偏向方向に感光性基部を架橋させ、形成された膜を偏向
方向に配向させた(偏光配向工程)。この作製法の概念
図を図2に示す。
【0075】そして、第1と第2を基板液晶表示素子と
して組み立て、IPS型液晶表示素子Dを製作した。
【0076】(比較例2)第1と第2の基板の偏光照射
条件として、両基板とも偏光紫外線を500mJ/cm
2照射した組と偏光紫外線を1000mJ/cm2照射し
た組にしたことを除き実施例1と同様に、それぞれの組
の第1と第2を基板液晶表示素子として組み立て、IP
S型液晶表示素子E、Fを製作した。
【0077】[膜作製条件と表示特性]これらの表示素
子の液晶の初期配向および表示特性を調べた。初期配向
特性として、偏光顕微鏡を用いて液晶の配向均一性(明
るさのムラ)を観察した、また表示特性として、電圧−
透過率特性とそのときのコントラスト比を調べた。結果
を表1に示す。またIPS型液晶表示素子E、Fについ
ては方位角方向のアンカリングエネルギーを測定した。
【0078】
【表2】
【0079】IPS型液晶表示素子E,Fの方位角アン
カリングエネルギーの測定結果からIPS型液晶表示素
Dの第1の基板上の方位角アンカリングエネルギーは
1.2×10-3 J/m2、第1の基板上の方位角アン
カリングエネルギーは2.3×10-4 J/m2と推定
され、Dは本発明のIPS型液晶表示素子であることが
わかる。
【0080】このとき、第1と第2の基板の方位角アン
カリングエネルギーが同じIPS型液晶表示素子Fに比
べ、第2の基板の方位角アンカリングエネルギーが小さ
いIPS型液晶表示素子Dでもほぼ同じ初期配向および
コントラスト比が得られことがわかった。さらに、駆動
の急峻性だが、透過率10%と90%間の電圧差を調べ
たところE,Fに比べDが小さい、つまりより駆動が急
峻であることがわかり、本発明のIPS型液晶表示素子
ではマトリックス駆動において、より走査線数の多いI
PS型液晶表示素子を提供できることがわかった。
【0081】
【発明の効果】本発明の液晶表示素子は、2つの対向基
板上に配向膜を介して液晶が挟持されている液晶表示素
子において、一方の基板上の配向膜の液晶のアンカリン
グエネルギーが、面内に他方の基板上の配向膜のそれよ
りも小さい構成となっている。この構成にすると、例え
ばIPS型液晶表示素子の駆動を最適化でき、たとえば
電圧−透過率特性でのしきい値電圧付近での透過率の変
化を急峻にすることができることから、マトリックス駆
動において、より走査線数の多いIPS型液晶表示素子
すなわち液晶画素の高精細化が可能となる。また、電極
を有しない基板の配向膜の液晶の方位角アンカリングエ
ネルギーを小さくできることから、たとえば配向工程に
おけるラビング法において、ラビング条件の緩和がで
き、静電気の発生や発塵を抑えたり、ラビング布の寿命
を延ばすことができる。また光配向法においては、偏光
露光量の小さくすることができるし、方位角アンカリン
グエネルギーの制御を偏光照射量で管理できる。
【0082】さらに、感光性基を有するシラン化合物を
用いると、従来の光配向法の欠点であった、焼き付き問
題も解決できる。また基板に結合固定化してなる液晶配
向膜を形成できるため、しかも長期にわたって性能が発
揮される。そして以上のことから、量産性に優れた製造
方法を提供できる。したがって本発明の効果は絶大であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるIPS型液晶表示素子を説明す
るための概念図
【図2】本発明の1つの液晶配向膜を用いたIPS型液
晶表示素子製造方法を説明するための概念図
【符号の説明】
1 第1の電極群 2 トランジスタ群 3 第2の電極群 4 第1の基板上の配向膜(アンカリングエネルギー
大) 5 第1の基板 6 第2の基板上の配向膜(アンカリングエネルギー
小) 7 カラーフィルタ 8 第2の基板 9 スペーサー 10 液晶 11,12 偏光板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武部 尚子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平11−264982(JP,A) 特開 平8−194225(JP,A) 特開 平10−78584(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1337 505

Claims (25)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2つの対向基板上に配向膜を介して液晶が
    挟持されている液晶表示素子において、前記2つの配向
    膜が感光性基を有し、さらに偏光を照射することにより
    配向異方性をもった膜であり、一方の基板上の配向膜の
    液晶のアンカリングエネルギーが、他方の基板上の配向
    膜のそれよりも小さいことを特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】2つの対向基板上に配向膜を介して液晶が
    挟持されている液晶表示素子において、その2つの配向
    膜が同一でありかつ感光性基を有し、さらに偏光を照射
    することにより配向異方性をもった膜である液晶表示素
    子において、一方の基板上の膜への偏光照射量が、他方
    の基板上の膜のそれよりも小さくすることにより、一方
    の基板上の配向膜の液晶のアンカリングエネルギーが、
    他方の基板上の配向膜のそれよりも小さいことを特徴と
    する液晶表示素子。
  3. 【請求項3】2つの対向基板上に配向膜を介して液晶が
    挟持されている液晶表示素子において、その2つの配向
    膜が同一でありかつ感光性基を有し、さらに偏光を照射
    することにより配向異方性もたせることのできるシラン
    系化合物が化学吸着した膜である液晶表示素子におい
    て、一方の基板上の膜への偏光照射量が、他方の基板上
    の膜のそれよりも小さくすることにより、一方の基板上
    の配向膜の液晶の方位角アンカリングエネルギーが、他
    方の面内に対向電極を有する基板上の配向膜のそれより
    も小さいことを特徴とする液晶表示素子。
  4. 【請求項4】2つの対向基板上に配向膜を介して液晶が
    挟持されている液晶表示素子において、その2つの配向
    膜が感光性基を有し、さらに偏光を照射することにより
    配向異方性をもった膜である液晶表示素子において、一
    方の基板上の配向膜の液晶の方位角アンカリングエネル
    ギーが、他方の面内に対向電極を有する基板上の配向膜
    のそれよりも小さいことを特徴とする液晶表示素子。
  5. 【請求項5】2つの対向基板上に配向膜を介して液晶が
    挟持されている液晶表示素子において、その2つの配向
    膜が同一でありかつ感光性基を有し、さらに偏光を照射
    することにより配向異方性をもった膜である液晶表示素
    子において、一方の基板上の膜のへの偏光照射量が、他
    方の面内に対向電極を有する基板上の膜のそれよりも小
    さくすることにより、一方の基板上の配向膜の液晶の方
    位角アン カリングエネルギーが、他方の面内に対向電極
    を有する基板上の配向膜のそれよりも小さいことを特徴
    とする液晶表示素子。
  6. 【請求項6】2つの対向基板上に配向膜を介して液晶が
    挟持されている液晶表示素子において、その2つの配向
    膜が同一でありかつ感光性基を有し、さらに偏光を照射
    することにより配向異方性もたせることのできるシラン
    系化合物が化学吸着した膜である液晶表示素子におい
    て、一方の基板上の膜への偏光照射量が、他方の面内に
    対向電極を有する基板上の膜のそれよりも小さくするこ
    とにより、一方の基板上の配向膜の液晶の方位角アンカ
    リングエネルギーが、他方の面内に対向電極を有する基
    板上の配向膜のそれよりも小さいことを特徴とする液晶
    表示素子。
  7. 【請求項7】前記液晶表示素子がイン・プレーン・スイ
    ッチング(IPS)型液晶表示素子であることを特徴と
    する請求項1から6のいずれかに記載の液晶表示素子。
  8. 【請求項8】前記感光性基が、シンナモイル基であるこ
    とを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の液晶
    表示素子。
  9. 【請求項9】前記感光性基が、カルコニル基であること
    を特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の液晶表
    示素子。
  10. 【請求項10】前記シラン化合物がクロロシランである
    ことを特徴とする請求項3もしくは6記載の液晶表示素
    子。
  11. 【請求項11】前記シラン化合物が直鎖状炭化水素鎖を
    有することを特徴とする請求項3もしくは6もしくは1
    0記載の液晶表示素子。
  12. 【請求項12】前記シラン化合物が化学吸着した膜が単
    分子膜であることを特徴とする請求項3もしくは6もし
    くは10もしくは11記載の液晶表示素子。
  13. 【請求項13】液晶表示素子の2つの対向基板上に、少
    なくとも感光性基を有する塗膜を形成する膜形成工程
    と、配向異方性をもたせるための偏光照射において、一
    方の基板上のその膜のもつ液晶のアンカリングエネルギ
    ーが、他方の基板上の膜へのそれよりも小さくなるよう
    にするための偏光配向工程と、2つの対向基板のうちい
    ずれか一方に液晶注入口の部分を欠いた枠状のシール剤
    を形成するシール形成工程と、前記対向基板どうしを貼
    り合わせる貼り合わせ工程と、前記 液晶注入口から液晶
    を注入し、液晶層を形成する液晶注入工程を備える液晶
    表示素子の製造方法。
  14. 【請求項14】液晶表示素子の2つの対向基板上に同一
    の、少なくとも感光性基を有する塗膜を形成する薄膜形
    成工程と、配向異方性をもたせるための偏光照射におい
    て、一方の基板上のその膜へ偏光照射量が、他方の基板
    上の膜へのそれよりも小さくなるように偏光照射するこ
    とで、一方の基板上のその膜のもつ液晶のアンカリング
    エネルギーが、他方の基板上の膜へのそれよりも小さく
    なるようにするための偏光配向工程と、2つの対向基板
    のうちいずれか一方に液晶注入口の部分を欠いた枠状の
    シール剤を形成するシール形成工程と、前記対向基板ど
    うしを貼り合わせる貼り合わせ工程と、前記液晶注入口
    から液晶を注入し、液晶層を形成する液晶注入工程を備
    える液晶表示素子の製造方法。
  15. 【請求項15】液晶表示素子の2つの対向基板上に同一
    の、少なくとも感光性基を有するシラン系化合物を含む
    溶液を接触させ、感光性基を有するシラン系化合物を化
    学吸着させることにより薄膜を形成する薄膜形成工程
    と、配向異方性をもたせるための偏光照射において、一
    方の基板上のその膜へ偏光照射量が、他方の基板上の膜
    へのそれよりも小さくなるように偏光照射することで、
    一方の基板上のその膜のもつ液晶の方位角アンカリング
    エネルギーが、他方の面内に対向電極を有する基板上の
    膜へのそれよりも小さくなるようにするための偏光配向
    工程と、2つの対向基板のうちいずれか一方に液晶注入
    口の部分を欠いた枠状のシール剤を形成するシール形成
    工程と、前記対向基板どうしを貼り合わせる貼り合わせ
    工程と、前記液晶注入口から液晶を注入し、液晶層を形
    成する液晶注入工程を備える液晶表示素子の製造方法。
  16. 【請求項16】液晶表示素子の2つの対向基板上に同一
    の、少なくとも感光性基を有するシラン系化合物を含む
    溶液を接触させ、感光性基を有するシラン系化合物を化
    学吸着させることにより薄膜を形成する薄膜形成工程
    と、化学吸着していない過剰な感光性基を有するシラン
    化合物を取り除く洗浄工程と、配向異方性をもたせるた
    めの偏光照射において、一方の基板上のその膜へ偏光照
    射量が、他方の面内に対向電極を有する基板上の膜への
    それよりも小さくなるように偏光照射することで、一方
    の基板上のその膜のもつ液晶の方位角アンカリングエネ
    ルギ ーが、他方の基板上の膜へのそれよりも小さくなる
    ようにするための偏光配向工程と、2つの対向基板のう
    ちいずれか一方に液晶注入口の部分を欠いた枠状のシー
    ル剤を形成するシール形成工程と、前記対向基板どうし
    を貼り合わせる貼り合わせ工程と、前記液晶注入口から
    液晶を注入し、液晶層を形成する液晶注入工程を備える
    液晶表示素子の製造方法。
  17. 【請求項17】液晶表示素子の2つの対向基板上に同一
    の、少なくとも感光性基を有するシラン系化合物を含む
    溶液を接触させ、感光性基を有するシラン系化合物を化
    学吸着させることにより薄膜を形成する薄膜形成工程
    と、化学吸着していない過剰な感光性基を有するシラン
    化合物を取り除く洗浄工程と、洗浄液の液切りを行い化
    学吸着した感光基を有する膜を配向させる液切り配向工
    程と、配向異方性をもたせるための偏光照射において、
    一方の基板上のその膜へ偏光照射量が、他方の基板上の
    膜へのそれよりも小さくなるように偏光照射すること
    で、一方の基板上のその膜のもつ液晶の方位角アンカリ
    ングエネルギーが、他方の対向電極を有する基板上の膜
    へのそれよりも小さくなるようにするための偏光配向工
    程と、2つの対向基板のうちいずれか一方に液晶注入口
    の部分を欠いた枠状のシール剤を形成するシール形成工
    程と、前記対向基板どうしを貼り合わせる貼り合わせ工
    程と、前記液晶注入口から液晶を注入し、液晶層を形成
    する液晶注入工程を備える液晶表示素子の製造方法。
  18. 【請求項18】液晶表示素子の2つの対向基板上に、少
    なくとも感光性基を有する塗膜を形成する膜形成工程
    と、配向異方性をもたせるための偏光照射において、一
    方の基板上のその膜のもつ液晶の方位角アンカリングエ
    ネルギーが、他方の面内に電極を有する基板上の膜への
    それよりも小さくなるようにするための偏光配向工程
    と、2つの対向基板のうちいずれか一方に液晶注入口の
    部分を欠いた枠状のシール剤を形成するシール形成工程
    と、前記対向基板どうしを貼り合わせる貼り合わせ工程
    と、前記液晶注入口から液晶を注入し、液晶層を形成す
    る液晶注入工程を備える液晶表示素子の製造方法。
  19. 【請求項19】液晶表示素子の2つの対向基板上に同一
    の、少なくとも感光性基を有する塗膜を形成する膜形成
    工程と、配向異方性をもたせるための偏光照射におい
    て、一方の基板上のその膜へ偏光照射量が、他方の面内
    に対向電極を有す る基板上の膜へのそれよりも小さくな
    るように偏光照射することで、一方の基板上のその膜の
    もつ液晶の方位角アンカリングエネルギーが、他方の面
    内に対向電極を有する基板上の膜へのそれよりも小さく
    なるようにするための偏光配向工程と、2つの対向基板
    のうちいずれか一方に液晶注入口の部分を欠いた枠状の
    シール剤を形成するシール形成工程と、前記対向基板ど
    うしを貼り合わせる貼り合わせ工程と、前記液晶注入口
    から液晶を注入し、液晶層を形成する液晶注入工程を備
    える液晶表示素子の製造方法。
  20. 【請求項20】液晶表示素子の2つの対向基板上に同一
    の、少なくとも感光性基を有するシラン系化合物を含む
    溶液を接触させ、感光性基を有するシラン系化合物を化
    学吸着させることにより薄膜を形成する薄膜形成工程
    と、配向異方性をもたせるための偏光照射において、一
    方の基板上のその膜へ偏光照射量が、他方の面内に対向
    電極を有する基板上の膜へのそれよりも小さくなるよう
    に偏光照射することで、一方の基板上のその膜のもつ液
    晶の方位角アンカリングエネルギーが、他方の面内に対
    向電極を有する基板上の膜へのそれよりも小さくなるよ
    うにするための偏光配向工程と、2つの対向基板のうち
    いずれか一方に液晶注入口の部分を欠いた枠状のシール
    剤を形成するシール形成工程と、前記対向基板どうしを
    貼り合わせる貼り合わせ工程と、前記液晶注入口から液
    晶を注入し、液晶層を形成する液晶注入工程を備える液
    晶表示素子の製造方法。
  21. 【請求項21】液晶表示素子の2つの対向基板上に同一
    の、少なくとも感光性基を有するシラン系化合物を含む
    溶液を接触させ、感光性基を有するシラン系化合物を化
    学吸着させることにより薄膜を形成する薄膜形成工程
    と、化学吸着していない過剰な感光性基を有するシラン
    化合物を取り除く洗浄工程と、配向異方性をもたせるた
    めの偏光照射において、一方の基板上のその膜へ偏光照
    射量が、他方の面内に対向電極を有する基板上の膜への
    それよりも小さくなるように偏光照射することで、一方
    の基板上のその膜のもつ液晶の方位角アンカリングエネ
    ルギーが、他方の面内に対向電極を有する基板上の膜へ
    のそれよりも小さくなるようにするための偏光配向工程
    と、2つの対向基板のうちいずれか一方に液晶注入口の
    部分を欠いた枠状のシール剤を形成するシール形成工程
    と、前記対向基板どうしを貼り合わせる貼り合わせ工程
    と、前記液晶注入口から液晶を注入し、液晶層 を形成す
    る液晶注入工程を備える液晶表示素子の製造方法。
  22. 【請求項22】液晶表示素子の2つの対向基板上に同一
    の、少なくとも感光性基を有するシラン系化合物を含む
    溶液を接触させ、感光性基を有するシラン系化合物を化
    学吸着させることにより薄膜を形成する薄膜形成工程
    と、化学吸着していない過剰な感光性基を有するシラン
    化合物を取り除く洗浄工程と、洗浄液の液切りを行い化
    学吸着した感光基を有する膜を配向させる液切り配向工
    程と、配向異方性をもたせるための偏光照射において、
    一方の基板上のその膜へ偏光照射量が、他方の面内に対
    向電極を有する基板上の膜へのそれよりも小さくなるよ
    うに偏光照射することで、一方の基板上のその膜のもつ
    液晶の方位角アンカリングエネルギーが、他方の対向電
    極を有する基板上の膜へのそれよりも小さくなるように
    するための偏光配向工程と、2つの対向基板のうちいず
    れか一方に液晶注入口の部分を欠いた枠状のシール剤を
    形成するシール形成工程と、前記対向基板どうしを貼り
    合わせる貼り合わせ工程と、前記液晶注入口から液晶を
    注入し、液晶層を形成する液晶注入工程を備える液晶表
    示素子の製造方法。
  23. 【請求項23】前記液切り配向工程における、液晶の配
    向方向と偏光配向工程における液晶の配向方向が同一あ
    るいは略同一方向であることを特徴とする、請求項17
    および22記載の型液晶表示素子の製造方法。
  24. 【請求項24】前記偏光露光工程における、対向基板2
    枚の偏光配向工程での偏光方向が平行であることを特徴
    とする請求項13から23記載の液晶表示素子の製造方
    法。
  25. 【請求項25】前記液晶表示素子がイン・プレーン・ス
    イッチング(IPS)型液晶表示素子であることを特徴
    とする請求項13から24のいずれかに記載の液晶表示
    素子の製造方法。
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