JP2007114267A - 配向膜の製造方法および液晶表示素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板面内で液晶の配向ムラを抑制できる配向膜と、この配向膜を使用した液晶表示素子とを提供する。
【解決手段】基材の一面に光配向膜用組成物からなる塗膜を設けた基板を用い、該塗膜に対して偏光を照射して配向膜を製造する方法であって、
前記基板の表面をXY平面とし、前記塗膜に偏光を照射する際、前記偏光として、前記XY平面の極角θ傾いた方向から、偏波面がXY平面にφ傾いた直線偏光又は楕円偏光を用い、前記θを20°以上70°以下、かつ、前記φを45°以上85°以下として、前記塗膜の光配向処理を行う配向膜の製造方法、及び、該配向膜の製造方法により得られた垂直配向膜を使用する液晶表示素子の製造方法。
【選択図】 図1
【解決手段】基材の一面に光配向膜用組成物からなる塗膜を設けた基板を用い、該塗膜に対して偏光を照射して配向膜を製造する方法であって、
前記基板の表面をXY平面とし、前記塗膜に偏光を照射する際、前記偏光として、前記XY平面の極角θ傾いた方向から、偏波面がXY平面にφ傾いた直線偏光又は楕円偏光を用い、前記θを20°以上70°以下、かつ、前記φを45°以上85°以下として、前記塗膜の光配向処理を行う配向膜の製造方法、及び、該配向膜の製造方法により得られた垂直配向膜を使用する液晶表示素子の製造方法。
【選択図】 図1
Description
本発明は、配向膜の製造方法および液晶表示素子の製造方法に関する。
液晶表示素子や光学異方体などの製造に欠かせない部材の一つとして、液晶配向を制御するための配向膜がある。配向膜には、液晶を基板と平行な向きに配向させる平行配向膜と、液晶を基板に垂直な方向(法線方向)に配向させる垂直配向膜がある。垂直配向は基板の内面方向が全て等価となってしまうため、液晶分子が傾く方向が不安定となり易い。この対策として、電圧を印加しない状態において、液晶分子を基板法線方向から基板面内の一方向に向けて少し傾ける(プレチルトさせる)配向が、この問題を解消するのに役立つ。つまり、液晶分子が基板法線に対して一定の方向にプレチルト角を持てば、電圧印加時に液晶分子の傾く方向が定まるからである。
液晶にチルト角を生じさせる代表的な配向膜形成方向としては、ラビング法や斜方蒸着法が挙げられる。
ラビング法とは、基板表面に、予め垂直配向タイプのポリイミドやシランカップリング系の垂直配向材料からなる垂直配向膜を形成した後、この垂直配向膜の表面をレーヨン等の布を用いて一方向に擦る手法である。
斜方蒸着法とは、基板表面に、予め酸化珪素等からなる斜方蒸着膜を形成し、斜め傾斜構造を有する下地層を設け、この下地層上に前述した垂直配向膜を形成する手法である。
ラビング法とは、基板表面に、予め垂直配向タイプのポリイミドやシランカップリング系の垂直配向材料からなる垂直配向膜を形成した後、この垂直配向膜の表面をレーヨン等の布を用いて一方向に擦る手法である。
斜方蒸着法とは、基板表面に、予め酸化珪素等からなる斜方蒸着膜を形成し、斜め傾斜構造を有する下地層を設け、この下地層上に前述した垂直配向膜を形成する手法である。
しかしながら、ラビング法では、細かな筋状のムラが発生しやすいことに加えて、不純物が発生しこれを取り除くため洗浄処理を要すること、等の問題があった。また、斜方蒸着法では、製造工程が複雑になることに加えて、真空装置等を要するために製造コストや製造時間の増大を招くこと、大面積化を図る際には面内の均一性を保つことが難しいこと、等の問題があった。
近年、ラビング法や斜方蒸着法の問題を解決する方法として、光による液晶の配向法(以下、光配向法と呼ぶ)が注目されている。光配向法は、光を用いることにより非接触で処理を施すことが可能なため、ラビング法のような不純物の発生に伴う洗浄処理が不要となる。また、光を全面に隙間なく照射するだけで処理が可能なので、コスト増をもたらす真空装置等が不要となると共に、基板の大面積化にも柔軟に対処することも可能である。このような利点をもつことから、光配向法は現在、その具体的な手法が盛んに研究されている。
光配向法を使用した一例として、紫外線に感応し、液晶分子を平均的に表面に対して垂直に配向させる性質を有する垂直配向材料の膜を基板表面に形成した後、この垂直配向材料の膜に、その面法線から傾いた方向から紫外線を1回照射する方法が知られており、該光配向膜を使用し、垂直配向から一方向に少し傾いたプレチルト配向を有する液晶表示素子を得る方法が知られている(特許文献1)。この方法は、液晶表示素子の動作モードの一つである、負の誘電異方性を有する液晶分子を基板に垂直に配向させる垂直(ホメオトロピック)配向に有効である、と特許文献1には説明されている。
以下では、図4および図5を用い、上述した従来の光配向法について、本発明者が検討した結果について述べる。
図4および図5においては光の照射方向等を説明するため、3次元の空間をX,Y,Z軸で表し、X,Y,Z軸の交点をO点とした。
図4は、基板に照射する直線偏光の様子を示す概念図であり、基板の極角方向にθ傾き、偏波面がYZ面上(φ=90°)にある直線偏光を基板に照射した状態を表している。
図5は、図4に示した紫外線の照射後における、配向膜の主鎖および側鎖の方位と液晶の配向方位との関係を示す概念図である。
図4および図5においては光の照射方向等を説明するため、3次元の空間をX,Y,Z軸で表し、X,Y,Z軸の交点をO点とした。
図4は、基板に照射する直線偏光の様子を示す概念図であり、基板の極角方向にθ傾き、偏波面がYZ面上(φ=90°)にある直線偏光を基板に照射した状態を表している。
図5は、図4に示した紫外線の照射後における、配向膜の主鎖および側鎖の方位と液晶の配向方位との関係を示す概念図である。
図4に示すように、側鎖に垂直配向性を示す構造を有する垂直配向膜を基板上に形成した後、基板平面(XY面)の極角θ傾いた方向から、偏波面がXY面に垂直で、Y軸に平行な直線偏光の紫外線を入射した場合、この紫外線照射により、偏光の電気ベクトルと平行な方位にある側鎖は大きな影響を受け、照射方法と平行な方位にある側鎖は、ほとんど影響を受けない。
一方、入射紫外線の電気ベクトルと同一もしくは小さな角度関係にある側鎖は、紫外線を吸収し、分解もしくは切断されやすい。残った側鎖は、その平均として基板法線方向から紫外線照射方向に向かって傾くことになる。
また、同時に主鎖にも異方性を与え、基板法線と偏光の入射方向を含む平面(YZ平面)に、平行もしくは小さな角度関係にある主鎖は紫外線を吸収し、分解もしくは切断され易い。そのため主鎖は、基板面内のX軸方向に残りやすいと考えられる。
ゆえに、配向膜全体では、図5に示すように、側鎖は(−Y、+Z)面の紫外線照射方向に向かって傾き、主鎖はX方向に残りやすい。
一方、入射紫外線の電気ベクトルと同一もしくは小さな角度関係にある側鎖は、紫外線を吸収し、分解もしくは切断されやすい。残った側鎖は、その平均として基板法線方向から紫外線照射方向に向かって傾くことになる。
また、同時に主鎖にも異方性を与え、基板法線と偏光の入射方向を含む平面(YZ平面)に、平行もしくは小さな角度関係にある主鎖は紫外線を吸収し、分解もしくは切断され易い。そのため主鎖は、基板面内のX軸方向に残りやすいと考えられる。
ゆえに、配向膜全体では、図5に示すように、側鎖は(−Y、+Z)面の紫外線照射方向に向かって傾き、主鎖はX方向に残りやすい。
液晶は、主鎖と側鎖両方の影響を受けると考えられ、側鎖の平均配向方向に配向される力と、主鎖のX軸と平行な方向に配向される力を受けると思われる。
そのため、O点を基準にした液晶を考えると、その液晶は、O点から(+X、−Y、+Z)の空間の方向に傾くものと、O点から(−X、−Y、+Z)の空間の方向に傾くものとが、同じ確率で現れるであろう。
その結果、図5に示すように、ある程度の大きさで、2つの方向に配向した液晶が、それぞれ存在したセルとならざるを得ない。したがって、このようなセルを偏光板下に置くと、液晶の配向方法が異なる領域が存在するため、それがムラとして観測されることとなり、芳しくない。
このようなムラの発生は、基板法線からの傾きが小さすぎると(すなわち、液晶のプレチルト角が約88°以上のホメオトロピック配向であると)電圧無印加時には観測され難くなるが、電圧印加時はムラとして観測される場合がある。さらに傾き角が小さくなると液晶分子の傾く方向が不安定となり易い。
特許第2872628号公報
そのため、O点を基準にした液晶を考えると、その液晶は、O点から(+X、−Y、+Z)の空間の方向に傾くものと、O点から(−X、−Y、+Z)の空間の方向に傾くものとが、同じ確率で現れるであろう。
その結果、図5に示すように、ある程度の大きさで、2つの方向に配向した液晶が、それぞれ存在したセルとならざるを得ない。したがって、このようなセルを偏光板下に置くと、液晶の配向方法が異なる領域が存在するため、それがムラとして観測されることとなり、芳しくない。
このようなムラの発生は、基板法線からの傾きが小さすぎると(すなわち、液晶のプレチルト角が約88°以上のホメオトロピック配向であると)電圧無印加時には観測され難くなるが、電圧印加時はムラとして観測される場合がある。さらに傾き角が小さくなると液晶分子の傾く方向が不安定となり易い。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、少なくとも基板法線からの傾きが2°以上であり(液晶のプレチルト角が88°以下である)、基板面内で液晶の配向ムラを抑制できる配向膜と、この配向膜を使用した液晶表示素子とを提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る配向膜の製造方法は、基材の一面に光配向膜用組成物からなる塗膜を設けた基板を用い、該塗膜に対して偏光を照射して配向膜を製造する方法であって、前記基板の表面をXY平面とし、前記塗膜に偏光を照射する際、前記偏光として、前記XY平面の極角θ傾いた方向から、偏波面がXY平面にφ傾いた直線偏光を用い、前記θを20°以上70°以下、かつ、前記φを45°以上85°以下として、前記塗膜の光配向処理を行うことを特徴とする。
本発明の請求項2に係る配向膜の製造方法は、基材の一面に光配向膜用組成物からなる塗膜を設けた基板を用い、該塗膜に対して偏光を照射して配向膜を製造する方法であって、前記基板の表面をXY平面とし、前記塗膜に偏光を照射する際、前記偏光として、前記XY平面の極角θ傾いた方向から、楕円偏光の主軸の面がXY平面からφ傾いた楕円偏光を用い、前記θを20°以上70°以下、かつ、前記φを45°以上85°以下として、前記塗膜の光配向処理を行うことを特徴とする。
本発明の請求項3に係る液晶表示素子の製造方法は、基材の一面に電極と垂直配向膜とを順に重ねて設けた基板を用い、該垂直配向膜に対して偏光を照射した後、該垂直配向膜の上に液晶材料を配した際に、該液晶材料を構成する液晶分子を一方向にプレチルト配向させる液晶表示素子の製造方法であって、前記基板の表面をXY平面とし、前記垂直配向膜に偏光を照射する際、前記偏光として、前記XY平面の極角θ傾いた方向から、偏波面がXY平面にφ傾いた直線偏光を用い、前記θを20°以上70°以下、かつ、前記φを45°以上85°以下として、前記垂直配向膜の光配向処理を行うことを特徴とする。」
本発明の請求項4に係る液晶表示素子の製造方法は、基材の一面に電極と垂直配向膜とを順に重ねて設けた基板を用い、該垂直配向膜に対して偏光を照射した後、該垂直配向膜の上に液晶材料を配した際に、該液晶材料を構成する液晶分子を一方向にプレチルト配向させる液晶表示素子の製造方法であって、前記基板の表面をXY平面とし、前記垂直配向膜に偏光を照射する際、前記偏光として、前記XY平面の極角θ傾いた方向から、楕円偏光の主軸の面がXY平面からφ傾いた楕円偏光を用い、前記θを20°以上70°以下、かつ、前記φを45°以上85°以下として、前記垂直配向膜の光配向処理を行うことを特徴とする。
本発明に係る配向膜の製造方法は、偏光として、基板の表面をなすXY平面の極角θ傾いた方向から、偏波面がXY平面にφ傾いた直線偏光を用い、前記θを20°以上70°以下、かつ、前記φを45°以上85°以下として、前記光配向膜用組成物からなる塗膜の光配向処理を行う。この方法で得た配向膜を使用することで、少なくともプレチルト角が88°以下であり、かつ基板面内での液晶の配向ムラのない液晶表示素子を得ることができる。
本発明は、基材の一面に電極と垂直配向膜とを順に重ねて設けた基板を用い、該垂直配向膜に対して偏光を照射する配向膜の製造方法であり、該配向膜の上に液晶材料を配した際に、該液晶材料を構成する液晶分子を一方向にプレチルト配向させる液晶表示素子の製造方法である。以下、配向膜の製造方法について詳しく述べる。
第一の方法は、前記基板の表面をXY平面とし、前記配向膜に偏光を照射する際、前記偏光として、前記XY平面の極角θ傾いた方向から、偏波面がXY平面にφ傾いた直線偏光を用い、前記θを20°以上70°以下、かつ、前記φを5°以上45°以下として、前記配向膜の光配向処理を行うものである。
第二の方法は、前記基板の表面をXY平面とし、前記配向膜に偏光を照射する際、前記偏光として、前記XY平面の極角θ傾いた方向から、楕円偏光の主軸の面がXY平面からφ傾いた楕円偏光を用い、前記θを20°以上70°以下、かつ、前記φを45°以上85°以下として、前記配向膜の光配向処理を行うものである。
第一の方法は、前記基板の表面をXY平面とし、前記配向膜に偏光を照射する際、前記偏光として、前記XY平面の極角θ傾いた方向から、偏波面がXY平面にφ傾いた直線偏光を用い、前記θを20°以上70°以下、かつ、前記φを5°以上45°以下として、前記配向膜の光配向処理を行うものである。
第二の方法は、前記基板の表面をXY平面とし、前記配向膜に偏光を照射する際、前記偏光として、前記XY平面の極角θ傾いた方向から、楕円偏光の主軸の面がXY平面からφ傾いた楕円偏光を用い、前記θを20°以上70°以下、かつ、前記φを45°以上85°以下として、前記配向膜の光配向処理を行うものである。
本発明で使用する配向膜用組成物は、基板上に塗膜として設けることで、液晶分子の分子軸をホメオトロピック配向させる機能を有するものであればよいが、偏光によりプレチルト角を付与する観点から、長鎖アルキル基や脂環式構造を側鎖に有する可溶性ポリイミドや長鎖アルキル基や脂環式構造を側鎖に有するポリアミック酸等のポリイミド系垂直配向膜用組成物が好ましい。本発明においては、前記垂直配向膜用組成物Aとして、ジェイエスアール(株)製のポリイミド系垂直配向膜用組成物「JALS−2021」や「JALS−204」、日産化学工業(株)製の「RN−1517」や「SE−1211」等の市販品をそのまま使用することができる。
前記垂直配向膜用組成物は、無極性の長鎖アルキル基や脂環式構造を有しており、例えば不揮発分濃度が数%程度となるように有機溶剤に溶解し、基板上にスピンコーティング法等の方法で塗工した後、有機溶剤を除去すると、無極性の長鎖アルキル基や脂環式構造が塗膜表面付近に分布した垂直配向膜を得ることができる。該垂直配向膜は、塗膜表面が疎水性であるので、液晶分子の分子軸をホメオトロピック配向させる。ポリイミド系の垂直配向膜用組成物として、長鎖アルキル基や脂環式構造を側鎖に有するポリアミック酸を使用する場合は、本発明の垂直配向膜用組成物を基板上に塗布した後に加熱焼成して、ポリアミック酸をイミド化させてもよい。
前記垂直配向膜用組成物は、無極性の長鎖アルキル基や脂環式構造を有しており、例えば不揮発分濃度が数%程度となるように有機溶剤に溶解し、基板上にスピンコーティング法等の方法で塗工した後、有機溶剤を除去すると、無極性の長鎖アルキル基や脂環式構造が塗膜表面付近に分布した垂直配向膜を得ることができる。該垂直配向膜は、塗膜表面が疎水性であるので、液晶分子の分子軸をホメオトロピック配向させる。ポリイミド系の垂直配向膜用組成物として、長鎖アルキル基や脂環式構造を側鎖に有するポリアミック酸を使用する場合は、本発明の垂直配向膜用組成物を基板上に塗布した後に加熱焼成して、ポリアミック酸をイミド化させてもよい。
本発明で使用する偏光は、使用する配向膜用組成物が吸収する波長の光を選択するのが好ましく、通常は紫外線を使用する。
以下、側鎖を有する垂直配向膜用組成物を使用したときの本発明の配向膜の製造方法について、図1および図2を用いて説明する。
図1および図2においては光の照射方向等を説明するため、3次元の空間をX,Y,Z軸で表し、X,Y,Z軸の交点をO点とした。
図1は、基板に照射する直線偏光の様子を示す概念図であり、基板の極角方向にθ傾き、偏波面がXY平面からφ(φ<90°)傾いた直線偏光を基板に照射した状態を表している。
図2は、図1に示した紫外線の照射後における、配向膜の主鎖および側鎖の方位と液晶の配向方位との関係を示す概念図である。
図1および図2においては光の照射方向等を説明するため、3次元の空間をX,Y,Z軸で表し、X,Y,Z軸の交点をO点とした。
図1は、基板に照射する直線偏光の様子を示す概念図であり、基板の極角方向にθ傾き、偏波面がXY平面からφ(φ<90°)傾いた直線偏光を基板に照射した状態を表している。
図2は、図1に示した紫外線の照射後における、配向膜の主鎖および側鎖の方位と液晶の配向方位との関係を示す概念図である。
第一の方法、すなわち、直線偏光を使用した場合は、図1に示すように、側鎖に垂直配向性を示す構造を有する垂直配向膜を基板上に形成した後、基板平面(XY面)の極角θ傾いた方向から、偏波面がXY面にφ傾いた直線偏光の紫外線を入射する。
この紫外線を照射した配向膜の側鎖は、その平均として基板法線方向から紫外線照射方向に向かって、O点から(−X、−Y、+Z)空間に傾き、主鎖はX軸方向に残りやすい(図1)。そのため、O点を基準にした液晶を考えると、その液晶は、O点から(−X、−Y、+Z)の空間の方向に傾くことになる。このような1つの方向に配向した液晶のセルを偏光板下に置くと、ムラは観測されない。
この紫外線を照射した配向膜の側鎖は、その平均として基板法線方向から紫外線照射方向に向かって、O点から(−X、−Y、+Z)空間に傾き、主鎖はX軸方向に残りやすい(図1)。そのため、O点を基準にした液晶を考えると、その液晶は、O点から(−X、−Y、+Z)の空間の方向に傾くことになる。このような1つの方向に配向した液晶のセルを偏光板下に置くと、ムラは観測されない。
特に、前記θを20°以上70°以下、かつ、前記φを45°以上85°以下として、前記垂直配向膜の光配向処理を行った場合には、後述するように、一回の紫外線照射により、少なくとも液晶のプレチルト角が88°以下であり、基板面内で液晶の配向ムラを抑制できる液晶表示素子が得られる。
θが20°より小さい場合には、配向膜に照射される光の強度が著しく低下し、露光時間が長くなり、θが70°より大きい場合には、液晶のプレチルト角を88°以下にすることが困難となる。また、φが45°より小さい場合には液晶のプレチルト角を88°以下にすることが困難となり、φが85°より大きい場合には、ムラを減少する効果が低くなるため、この製造方法に不適となる。
θが20°より小さい場合には、配向膜に照射される光の強度が著しく低下し、露光時間が長くなり、θが70°より大きい場合には、液晶のプレチルト角を88°以下にすることが困難となる。また、φが45°より小さい場合には液晶のプレチルト角を88°以下にすることが困難となり、φが85°より大きい場合には、ムラを減少する効果が低くなるため、この製造方法に不適となる。
第二の方法、すなわち、直線偏光に代えて楕円偏光を用いた場合も、第一の方法と同様の効果が得られる。
ゆえに、第一の方法と第二の方法、いずれの方法であっても、一回の紫外線照射により、少なくとも基板法線からの傾きが2°以上であり(すなわち、液晶のプレチルト角が88°以下である)、基板面内で液晶の配向ムラを抑制できる配向膜を提供することが可能である。特に光配向膜用材料として垂直配向膜用組成物を使用した場合は、本発明の方法により60°〜88°、好ましくは78°〜88°の範囲のプレチルト角を与えることができる。また、該配向膜を使用した液晶表示素子を提供することも可能である。
ゆえに、第一の方法と第二の方法、いずれの方法であっても、一回の紫外線照射により、少なくとも基板法線からの傾きが2°以上であり(すなわち、液晶のプレチルト角が88°以下である)、基板面内で液晶の配向ムラを抑制できる配向膜を提供することが可能である。特に光配向膜用材料として垂直配向膜用組成物を使用した場合は、本発明の方法により60°〜88°、好ましくは78°〜88°の範囲のプレチルト角を与えることができる。また、該配向膜を使用した液晶表示素子を提供することも可能である。
(液晶表示素子の製造方法)
本発明の液晶表示素子の製造方法は、使用する配向膜を前記製造方法により得たものを使用する他は特に限定はなく、公知の方法で製造することができる。また、使用する構成部材も特に限定はなく、公知のものを使用できる。
本発明の液晶表示素子の製造方法は、使用する配向膜を前記製造方法により得たものを使用する他は特に限定はなく、公知の方法で製造することができる。また、使用する構成部材も特に限定はなく、公知のものを使用できる。
(基板)
基板を構成する基材の材質は通常LCDセルに使用するような材質であれば特に限定はないが、透明性を有する材質が望ましい。例えば、ガラス、プラスチック等の堅牢な材料の他、プラスチックフィルム等の柔軟性を有する材料を使用することもできる。
基材上に設ける電極としては、透明性を有し、抵抗が低い材質が望ましく、酸化インジウム膜、酸化スズ膜、酸化インジウム・酸化スズ(ITO)膜、酸化インジウム・酸化亜鉛膜等が挙げられる。電極をなす各膜は、蒸着法、スパッタ法などの一般的に用いられている方法によって形成し、必要に応じて、電極をパターニングしてもよい。電極をパターニングするには、例えば基材上にITO膜をマスクを介してスパッタリング法等で形成するか、ITO膜を全面に形成した後、フォトリソグラフィ法等でエッチングしてもよい。
基板を構成する基材の材質は通常LCDセルに使用するような材質であれば特に限定はないが、透明性を有する材質が望ましい。例えば、ガラス、プラスチック等の堅牢な材料の他、プラスチックフィルム等の柔軟性を有する材料を使用することもできる。
基材上に設ける電極としては、透明性を有し、抵抗が低い材質が望ましく、酸化インジウム膜、酸化スズ膜、酸化インジウム・酸化スズ(ITO)膜、酸化インジウム・酸化亜鉛膜等が挙げられる。電極をなす各膜は、蒸着法、スパッタ法などの一般的に用いられている方法によって形成し、必要に応じて、電極をパターニングしてもよい。電極をパターニングするには、例えば基材上にITO膜をマスクを介してスパッタリング法等で形成するか、ITO膜を全面に形成した後、フォトリソグラフィ法等でエッチングしてもよい。
前記基板上に、垂直配向膜用組成物を塗布乾燥し、前記本発明の配向膜の製造方法により垂直配向膜を得る。垂直配向膜用組成物は上述のものを使用することができる。
(液晶材料)
本発明で使用する液晶材料は、構造等に特に限定はない。具体的には、通常この技術分野で液晶材料として認識されるものであれば良く、単一の液晶性化合物でなくてもよく、2種以上の液晶化合物の組成物であっても良く、適宜選択、配合して用いることができる。具体的に、使用できる液晶材料としては、液晶相としてネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶、カイラルネマチック液晶、カイラルスメクチック液晶を発現するものが好ましく、具体的には、トラン系、フルオロ系、ナフタレン系等の液晶化合物が挙げられる。
本発明で使用する液晶材料は、構造等に特に限定はない。具体的には、通常この技術分野で液晶材料として認識されるものであれば良く、単一の液晶性化合物でなくてもよく、2種以上の液晶化合物の組成物であっても良く、適宜選択、配合して用いることができる。具体的に、使用できる液晶材料としては、液晶相としてネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶、カイラルネマチック液晶、カイラルスメクチック液晶を発現するものが好ましく、具体的には、トラン系、フルオロ系、ナフタレン系等の液晶化合物が挙げられる。
本発明に係る液晶表示素子は、公知の方法で作製することができる。例えば、トリクロロエチレン、イソプロピルアルコール、過酸化水素の苛性ソーダ溶液、過酸化水素水の塩酸溶液等を適宜用い、透明導電膜からなる電極を配した透明基板(以下、透明電極付き透明基板とも呼ぶ)を洗浄処理した後、さらに超純水等で洗浄処理を施す。
次に、フレキソ印刷法や、インクジェット法や、スピンコート法を用いて、透明電極付き透明基板上に垂直配向膜を形成し、焼成した後、この垂直配向膜を光配向処理する。
その後、上側の基板と下側の基板との間にスペーサを介在させて基板間に均一な隙間を形成し、シール材で周囲を封じて固定する。この際、液晶の注入口となる部分は封止せずに開口した状態とする。
なお、スペーサの材質は特に限定されるものではなく、スペーサーとしては、プラスチックビーズやシリカ粒子などを分散させたり、基板上の所定の位置にカラム状の構造物を形成しスペーサーとして用いても良い。また、シール材の材質についても特に限定されるものではなく、例えば、エポキシ樹脂やシリコン樹脂などに、ガラス繊維を粉砕して円柱状にしたスペーサを混ぜたものを用いることができる。
次に、液晶セル内部を真空にした後、液晶を注入し、注入口を接着剤でシールして密閉することにより、本発明に係る液晶表示素子が得られる。
次に、フレキソ印刷法や、インクジェット法や、スピンコート法を用いて、透明電極付き透明基板上に垂直配向膜を形成し、焼成した後、この垂直配向膜を光配向処理する。
その後、上側の基板と下側の基板との間にスペーサを介在させて基板間に均一な隙間を形成し、シール材で周囲を封じて固定する。この際、液晶の注入口となる部分は封止せずに開口した状態とする。
なお、スペーサの材質は特に限定されるものではなく、スペーサーとしては、プラスチックビーズやシリカ粒子などを分散させたり、基板上の所定の位置にカラム状の構造物を形成しスペーサーとして用いても良い。また、シール材の材質についても特に限定されるものではなく、例えば、エポキシ樹脂やシリコン樹脂などに、ガラス繊維を粉砕して円柱状にしたスペーサを混ぜたものを用いることができる。
次に、液晶セル内部を真空にした後、液晶を注入し、注入口を接着剤でシールして密閉することにより、本発明に係る液晶表示素子が得られる。
以下では、実施例に基づき、本発明に係る液晶表示素子を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<プレチルト角の測定>
透明性電極層を有する基板上に、垂直配向膜用組成物の有機溶剤溶液をスピンコーターにより塗布した後、焼成した。
次に、波長254nm付近に輝線スペクトルを持つ直線偏光紫外線を基板面に対し、θ=45°で0.2〜0.5j/cm2照射して、配向膜付の基板を作成した。
前記配向膜付きの基板に直径5.5μmのスチレンビーズを含んだ熱硬化性接着剤を液晶注入口を残して塗布し、80℃で5分乾燥させた後、2枚の基板をアンチパラレル配向となるように配向膜を内側として重ね合わせて圧着し、接着剤を150℃で90分かけて硬化させた。
接着剤の焼成温度及び焼成時間、あるいは光配向時の光強度は、同じ条件にした。
液晶注入口より、カイラル剤が入っていない液晶を注入し、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止して、液晶セルを得た。該セルの液晶のプレチルト角を回転結晶法により測定し、液晶分子のダイレクターと基板面間の角度をプレチルト角とした。
透明性電極層を有する基板上に、垂直配向膜用組成物の有機溶剤溶液をスピンコーターにより塗布した後、焼成した。
次に、波長254nm付近に輝線スペクトルを持つ直線偏光紫外線を基板面に対し、θ=45°で0.2〜0.5j/cm2照射して、配向膜付の基板を作成した。
前記配向膜付きの基板に直径5.5μmのスチレンビーズを含んだ熱硬化性接着剤を液晶注入口を残して塗布し、80℃で5分乾燥させた後、2枚の基板をアンチパラレル配向となるように配向膜を内側として重ね合わせて圧着し、接着剤を150℃で90分かけて硬化させた。
接着剤の焼成温度及び焼成時間、あるいは光配向時の光強度は、同じ条件にした。
液晶注入口より、カイラル剤が入っていない液晶を注入し、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止して、液晶セルを得た。該セルの液晶のプレチルト角を回転結晶法により測定し、液晶分子のダイレクターと基板面間の角度をプレチルト角とした。
(実施例1)
透明性電極層を有する基板上に、垂直配向膜用組成物の有機溶剤溶液(日産化学工業製、RN−1338)を、スピンコータにより塗布した後、200℃で1時間焼成した。
製作した基板に、波長254nm付近に輝線スペクトルを持つ直線偏光紫外線を基板面に対し、θ=20°、φ=70°で0.5j/cm2 照射した。
この基板を5.5μmのスペーサを用いて、アンチパラレル配向となるようにセルを製作した。このセルに誘電率異方性が負の液晶(Δn=0.1905)を室温で注入した。
この液晶セルの液晶のプレチルト角を回転結晶法により測定した結果、プレチルト角は約84.0°であった。
この液晶セルを2枚の偏光板の透過軸が直交する2枚の偏光板間に、液晶の面内の配向方向が上側偏光板の透過軸と45度になる角度で配置した。
液晶セルを観察すると、配向のムラは、ほとんど観察されなかった。
透明性電極層を有する基板上に、垂直配向膜用組成物の有機溶剤溶液(日産化学工業製、RN−1338)を、スピンコータにより塗布した後、200℃で1時間焼成した。
製作した基板に、波長254nm付近に輝線スペクトルを持つ直線偏光紫外線を基板面に対し、θ=20°、φ=70°で0.5j/cm2 照射した。
この基板を5.5μmのスペーサを用いて、アンチパラレル配向となるようにセルを製作した。このセルに誘電率異方性が負の液晶(Δn=0.1905)を室温で注入した。
この液晶セルの液晶のプレチルト角を回転結晶法により測定した結果、プレチルト角は約84.0°であった。
この液晶セルを2枚の偏光板の透過軸が直交する2枚の偏光板間に、液晶の面内の配向方向が上側偏光板の透過軸と45度になる角度で配置した。
液晶セルを観察すると、配向のムラは、ほとんど観察されなかった。
(実施例2)
θ=45°、φ=70°にした以外は実施例1と同様にして液晶セルを製作した。
この液晶セルの液晶のプレチルト角を回転結晶法により測定した結果、プレチルト角は約85.8°であった。
この液晶セルを2枚の偏光板の透過軸が直交する2枚の偏光板間に、液晶の面内の配向方向が上側偏光板の透過軸と45度になる角度で配置した。
液晶セルを観察すると、配向のムラは、ほとんど観察されなかった。
θ=45°、φ=70°にした以外は実施例1と同様にして液晶セルを製作した。
この液晶セルの液晶のプレチルト角を回転結晶法により測定した結果、プレチルト角は約85.8°であった。
この液晶セルを2枚の偏光板の透過軸が直交する2枚の偏光板間に、液晶の面内の配向方向が上側偏光板の透過軸と45度になる角度で配置した。
液晶セルを観察すると、配向のムラは、ほとんど観察されなかった。
(実施例3)
θ=60°、φ=70°にした以外は実施例1と同様にして液晶セルを製作した。
この液晶セルの液晶のプレチルト角を回転結晶法により測定した結果、プレチルト角は約86.5°であった。
この液晶セルを2枚の偏光板の透過軸が直交する2枚の偏光板間に、液晶の面内の配向方向が上側偏光板の透過軸と45度になる角度で配置した。
液晶セルを観察すると、配向のムラは、ほとんど観察されなかった。
θ=60°、φ=70°にした以外は実施例1と同様にして液晶セルを製作した。
この液晶セルの液晶のプレチルト角を回転結晶法により測定した結果、プレチルト角は約86.5°であった。
この液晶セルを2枚の偏光板の透過軸が直交する2枚の偏光板間に、液晶の面内の配向方向が上側偏光板の透過軸と45度になる角度で配置した。
液晶セルを観察すると、配向のムラは、ほとんど観察されなかった。
(実施例4)
θ=70°、φ=70°にした以外は実施例1と同様にして液晶セルを製作した。
この液晶セルの液晶のプレチルト角を回転結晶法により測定した結果、プレチルト角は約87.6°であった。
この液晶セルを2枚の偏光板の透過軸が直交する2枚の偏光板間に、液晶の面内の配向方向が上側偏光板の透過軸と45度になる角度で配置した。
液晶セルを観察すると、配向のムラは、ほとんど観察されなかった。
θ=70°、φ=70°にした以外は実施例1と同様にして液晶セルを製作した。
この液晶セルの液晶のプレチルト角を回転結晶法により測定した結果、プレチルト角は約87.6°であった。
この液晶セルを2枚の偏光板の透過軸が直交する2枚の偏光板間に、液晶の面内の配向方向が上側偏光板の透過軸と45度になる角度で配置した。
液晶セルを観察すると、配向のムラは、ほとんど観察されなかった。
(実施例5)
θ=45°、φ=85°にした以外は実施例1と同様にして液晶セルを製作した。
この液晶セルの液晶のプレチルト角を回転結晶法により測定した結果、プレチルト角は約85.3°であった。
この液晶セルを2枚の偏光板の透過軸が直交する2枚の偏光板間に、液晶の面内の配向方向が上側偏光板の透過軸と45度になる角度で配置した。
液晶セルを観察すると、配向のムラは、ほとんど観察されなかった。
θ=45°、φ=85°にした以外は実施例1と同様にして液晶セルを製作した。
この液晶セルの液晶のプレチルト角を回転結晶法により測定した結果、プレチルト角は約85.3°であった。
この液晶セルを2枚の偏光板の透過軸が直交する2枚の偏光板間に、液晶の面内の配向方向が上側偏光板の透過軸と45度になる角度で配置した。
液晶セルを観察すると、配向のムラは、ほとんど観察されなかった。
(実施例6)
θ=45°、φ=80°にした以外は実施例1と同様にして液晶セルを製作した。
この液晶セルの液晶のプレチルト角を回転結晶法により測定した結果、プレチルト角は約85.4°であった。
この液晶セルを2枚の偏光板の透過軸が直交する2枚の偏光板間に、液晶の面内の配向方向が上側偏光板の透過軸と45度になる角度で配置した。
液晶セルを観察すると、配向のムラは、ほとんど観察されなかった。
θ=45°、φ=80°にした以外は実施例1と同様にして液晶セルを製作した。
この液晶セルの液晶のプレチルト角を回転結晶法により測定した結果、プレチルト角は約85.4°であった。
この液晶セルを2枚の偏光板の透過軸が直交する2枚の偏光板間に、液晶の面内の配向方向が上側偏光板の透過軸と45度になる角度で配置した。
液晶セルを観察すると、配向のムラは、ほとんど観察されなかった。
(実施例7)
θ=45°、φ=45°にした以外は実施例1と同様にして液晶セルを製作した。
この液晶セルの液晶のプレチルト角を回転結晶法により測定した結果、プレチルト角は約87.3°であった。
この液晶セルを2枚の偏光板の透過軸が直交する2枚の偏光板間に、液晶の面内の配向方向が上側偏光板の透過軸と45度になる角度で配置した。
液晶セルを観察すると、配向のムラは、ほとんど観察されなかった。
θ=45°、φ=45°にした以外は実施例1と同様にして液晶セルを製作した。
この液晶セルの液晶のプレチルト角を回転結晶法により測定した結果、プレチルト角は約87.3°であった。
この液晶セルを2枚の偏光板の透過軸が直交する2枚の偏光板間に、液晶の面内の配向方向が上側偏光板の透過軸と45度になる角度で配置した。
液晶セルを観察すると、配向のムラは、ほとんど観察されなかった。
(比較例1)
透明性電極層を有する基板上に、垂直配向型配向膜溶液(日産化学工業製、RN−1338)を、スピンコータにより塗布した後、200℃で1時間焼成した。
製作した基板に、波長254nm付近に輝線スペクトルをもつ直線偏光紫外線を基板面に対し、θ=10°、φ=70°で0.5j/cm2 照射したが、88°以下のプレチル
ト角は得られなかった。88°以下のプレチルト角を得るためには長時間の露光が必要であり、光の利用効率が悪かった。
透明性電極層を有する基板上に、垂直配向型配向膜溶液(日産化学工業製、RN−1338)を、スピンコータにより塗布した後、200℃で1時間焼成した。
製作した基板に、波長254nm付近に輝線スペクトルをもつ直線偏光紫外線を基板面に対し、θ=10°、φ=70°で0.5j/cm2 照射したが、88°以下のプレチル
ト角は得られなかった。88°以下のプレチルト角を得るためには長時間の露光が必要であり、光の利用効率が悪かった。
(比較例2)
θ=80°、φ=70°にした以外は実施例と同様にして液晶セルを製作した。
この液晶セルの液晶のプレチルト角を回転結晶法により測定した結果、プレチルト角は約88.9°であり、88°以下のプレチルト角は得られなかった。
この液晶セルを2枚の偏光板の透過軸が直交する2枚の偏光板間に配置した。
液晶セルを観察すると、配向のムラはほとんど観察されなかった。
θ=80°、φ=70°にした以外は実施例と同様にして液晶セルを製作した。
この液晶セルの液晶のプレチルト角を回転結晶法により測定した結果、プレチルト角は約88.9°であり、88°以下のプレチルト角は得られなかった。
この液晶セルを2枚の偏光板の透過軸が直交する2枚の偏光板間に配置した。
液晶セルを観察すると、配向のムラはほとんど観察されなかった。
(比較例3)
θ=45°、φ=90°にした以外は実施例1と同様にして液晶セルを製作した。
この液晶セルの液晶のプレチルト角を回転結晶法により測定した結果、プレチルト角は約85.1°であった。
この液晶セルを2枚の偏光板の透過軸が直交する2枚の偏光板間に、配置した。
液晶セルを観察すると、配向のムラは、実施例に比較して多く観察された。
θ=45°、φ=90°にした以外は実施例1と同様にして液晶セルを製作した。
この液晶セルの液晶のプレチルト角を回転結晶法により測定した結果、プレチルト角は約85.1°であった。
この液晶セルを2枚の偏光板の透過軸が直交する2枚の偏光板間に、配置した。
液晶セルを観察すると、配向のムラは、実施例に比較して多く観察された。
(比較例4)
θ=45°、φ=30°にした以外は実施例1と同様にして液晶セルを製作した。
この液晶セルの液晶のプレチルト角を回転結晶法により測定した結果、プレチルト角は約88.6°であり、88°以下のプレチルト角は得られなかった。
この液晶セルを2枚の偏光板の透過軸が直交する2枚の偏光板間に配置した。
液晶セルを観察すると、配向のムラは、ほとんど観察されなかったが、印加時にはムラが観察された。
θ=45°、φ=30°にした以外は実施例1と同様にして液晶セルを製作した。
この液晶セルの液晶のプレチルト角を回転結晶法により測定した結果、プレチルト角は約88.6°であり、88°以下のプレチルト角は得られなかった。
この液晶セルを2枚の偏光板の透過軸が直交する2枚の偏光板間に配置した。
液晶セルを観察すると、配向のムラは、ほとんど観察されなかったが、印加時にはムラが観察された。
これら実施例1〜7、比較例1〜4の結果を、表1に示す。
上記結果より、本発明の製造方法で得られた配向膜を使用した実施例は、全て、プレチルト角が88°以下であり、かつ配向むらの殆どない液晶表示素子が得られた。
(実施例8)
照射する紫外線を楕円偏光にした以外は、実施例2と同様にして液晶セルを製作した。
この液晶セルの液晶のプレチルト角を回転結晶法により測定した結果、プレチルト角は約86.7°であった。
この液晶セルを2枚の偏光板の透過軸が直交する2枚の偏光板間に、液晶の面内の配向方向が上側偏光板の透過軸と45度になる角度で配置した。
液晶セルを観察すると、配向のムラは、ほとんど観察されなかった。
この結果を表2に示す。なお比較のため、表3の中に上述した実施例2も併記した。
照射する紫外線を楕円偏光にした以外は、実施例2と同様にして液晶セルを製作した。
この液晶セルの液晶のプレチルト角を回転結晶法により測定した結果、プレチルト角は約86.7°であった。
この液晶セルを2枚の偏光板の透過軸が直交する2枚の偏光板間に、液晶の面内の配向方向が上側偏光板の透過軸と45度になる角度で配置した。
液晶セルを観察すると、配向のムラは、ほとんど観察されなかった。
この結果を表2に示す。なお比較のため、表3の中に上述した実施例2も併記した。
表2の結果から、楕円偏光を用いた際にも、角度が88°以下の低チルトの配向膜が得られると共に、基板面内で液晶の配向ムラを抑制することが分かった。
以上、本発明に係る液晶表示素子の製造方法について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
本発明の製造方法により得られた配向膜は、液晶を配向させる用途に好適に用いられる。前述の液晶表示素子では、高視野角かつ高品位なモニタ用途やテレビ用途などのディスプレイ等に応用可能である。
また、本発明の製造方法により得られた配向膜上に、重合性液晶組成物を塗布し、配向させた状態で硬化させることで、光学異方体を得ることができる。
また、本発明の製造方法により得られた配向膜上に、重合性液晶組成物を塗布し、配向させた状態で硬化させることで、光学異方体を得ることができる。
θ 基板に対して直線偏光の紫外線を照射する角度、φ 直線偏光の偏波面がXY面(基板面)となす角度。
Claims (4)
- 基材の一面に光配向膜用組成物からなる塗膜を設けた基板を用い、該塗膜に対して偏光を照射して配向膜を製造する方法であって、
前記基板の表面をXY平面とし、前記塗膜に偏光を照射する際、
前記偏光として、前記XY平面の極角θ傾いた方向から、偏波面がXY平面にφ傾いた直線偏光を用い、
前記θを20°以上70°以下、かつ、前記φを45°以上85°以下として、前記塗膜の光配向処理を行うことを特徴とする配向膜の製造方法。 - 基材の一面に光配向膜用組成物からなる塗膜を設けた基板を用い、該塗膜に対して偏光を照射して配向膜を製造する方法であって、
前記基板の表面をXY平面とし、前記塗膜に偏光を照射する際、
前記偏光として、前記XY平面の極角θ傾いた方向から、楕円偏光の主軸の面がXY平面からφ傾いた楕円偏光を用い、
前記θを20°以上70°以下、かつ、前記φを45°以上85°以下として、前記塗膜の光配向処理を行うことを特徴とする配向膜の製造方法。 - 基材の一面に電極と垂直配向膜とを順に重ねて設けた基板を用い、該垂直配向膜に対して偏光を照射した後、該垂直配向膜の上に液晶材料を配した際に、該液晶材料を構成する液晶分子を一方向にプレチルト配向させる液晶表示素子の製造方法であって、
前記基板の表面をXY平面とし、前記垂直配向膜に偏光を照射する際、
前記偏光として、前記XY平面の極角θ傾いた方向から、偏波面がXY平面にφ傾いた直線偏光を用い、
前記θを20°以上70°以下、かつ、前記φを45°以上85°以下として、前記垂直配向膜の光配向処理を行うことを特徴とする液晶表示素子の製造方法。 - 基材の一面に電極と垂直配向膜とを順に重ねて設けた基板を用い、該垂直配向膜に対して偏光を照射した後、該垂直配向膜の上に液晶材料を配した際に、該液晶材料を構成する液晶分子を一方向にプレチルト配向させる液晶表示素子の製造方法であって、
前記基板の表面をXY平面とし、前記垂直配向膜に偏光を照射する際、
前記偏光として、前記XY平面の極角θ傾いた方向から、楕円偏光の主軸の面がXY平面からφ傾いた楕円偏光を用い、
前記θを20°以上70°以下、かつ、前記φを45°以上85°以下として、前記垂直配向膜の光配向処理を行うことを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005302858A JP2007114267A (ja) | 2005-10-18 | 2005-10-18 | 配向膜の製造方法および液晶表示素子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005302858A JP2007114267A (ja) | 2005-10-18 | 2005-10-18 | 配向膜の製造方法および液晶表示素子の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007114267A true JP2007114267A (ja) | 2007-05-10 |
Family
ID=38096559
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005302858A Withdrawn JP2007114267A (ja) | 2005-10-18 | 2005-10-18 | 配向膜の製造方法および液晶表示素子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007114267A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107908045A (zh) * | 2017-11-22 | 2018-04-13 | 深圳市华星光电半导体显示技术有限公司 | 一种配向膜的制备方法及制备装置 |
US11099436B2 (en) | 2017-11-22 | 2021-08-24 | Shenzhen China Star Optoelectronics Semiconductor Display Technology Co., Ltd. | Method and apparatus for manufacturing an alignment film |
-
2005
- 2005-10-18 JP JP2005302858A patent/JP2007114267A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107908045A (zh) * | 2017-11-22 | 2018-04-13 | 深圳市华星光电半导体显示技术有限公司 | 一种配向膜的制备方法及制备装置 |
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