JP2002287151A - 液晶表示素子とその製造方法 - Google Patents

液晶表示素子とその製造方法

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JP2002287151A
JP2002287151A JP2001012814A JP2001012814A JP2002287151A JP 2002287151 A JP2002287151 A JP 2002287151A JP 2001012814 A JP2001012814 A JP 2001012814A JP 2001012814 A JP2001012814 A JP 2001012814A JP 2002287151 A JP2002287151 A JP 2002287151A
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JP2001012814A
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Yukio Nomura
幸生 野村
Tadashi Otake
忠 大竹
Naoko Takebe
尚子 武部
Tsuyoshi Kamimura
強 上村
Kazufumi Ogawa
小川  一文
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種の液晶表示モードの液晶表示素子におい
て、配向膜面内に最適なアンカリングエネルギーを有す
る液晶表示素子、およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 一対の基板上に配向膜を介して液晶が挟
持されている液晶表示素子であって、前記少なくとも一
方の配向膜は、感光性基を有する分子からなり、該分子
に照射条件の異なる偏光を照射することにより異なる配
向異方性が付与された少なくとも2つの領域を有し、前
記配向膜の各領域は、その配向異方性に対応して液晶分
子に対するアンカリングエネルギーが異なる構成とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、TVやコンピュー
タ画像を表示するフラットパネルディスプレイに用いら
れる液晶表示素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の液晶表示素子としては、例えば誘
電率異方性が正のネマティック液晶を用いたツイステッ
ドネマティック(TN)モードの液晶表示素子(LC
D)が実用化されている。このTNモードのLCDは、
基板面に対して垂直方向に電界を印加することにより、
液晶分子をその長軸が電界方向に平行となるように配向
変化させて駆動させるものである。
【0003】また、TNモードのLCDでは、画素領域
の周縁部で、バスライン(電極線)からの横電界の影響
によりリバースチルトと呼ばれる現象を生じる。このリ
バースチルトを防止するために、ラビング処理などによ
り、画素全体の極角アンカリングエネルギーを大きくし
ていた。しかし、周縁部以外の画素領域は、横電界の影
響が小さい一方、周縁部以外の画素領域で極角アンカリ
ングエネルギーが大きいと、着色現象を生ずるという問
題や駆動電圧が高くなるという問題もある。
【0004】また、近年、一方の基板面に対向電極が設
けられた横電界駆動型の液晶表示素子が開発されてい
る。より具体的には、広視野角を得ることを目的とし
て、基板面に対して平行な方向に、いわゆる横電界を印
加し、液晶分子を基板面内方向にスイッチングして行う
面内スイッチング(IPS)モードのLCDが開発され
ている。
【0005】このIPSモードのLCDについては、電
極上での電気力線の密度が電極間よりも密であり電界が
強い為、次に述べる点が問題となる。以下では、画素電
極に電圧を印加した際の電界の強さを方位角方向成分と
極角方向成分とに分けて説明する。先ず、方位角方向に
ついて述べると、電極上では主に、基板面に対して垂直
方向に電界が発生しているが、電極端部では方位角方向
にも電界が発生している。電極上と電極間とで、方位角
方向の電界の強さを比較すると、電極上での電気力線が
密であることからも明らかな様に、電極上の電界の方が
強い。この為、電圧を印加すると、電極上の液晶分子は
電極間の液晶分子よりも電界の作用を強く受ける結果、
配向状態が異なる。これにより、電極上での液晶層の屈
折率と電極間での液晶層の屈折率とが相違し、色調が不
均一になるという問題点がある。また、極角方向につい
て述べると、電極上では、電圧の印加時に基板面に対し
て垂直方向および斜め方向を含む極角方向にも電界が発
生する。この為、電極上の液晶分子は略縦方向や斜め方
向に立ち上がるなどして再配向する。一方、電極間では
方位角方向にのみ電界が発生するので、液晶分子は面内
で配向状態を変える。よって、電極上での液晶分子の配
向状態と、電極間での液晶分子の配向状態に違いが生
じ、この結果電極上と電極間とで屈折率が相違して色調
が不均一になるという問題点がある。
【0006】一方、上述の液晶表示素子に対して、基板
間の液晶分子がベンド配向した状態における各液晶分子
の立ち上がり角の変化による屈折率変化を利用するベン
ド配向型の液晶表示素子(OCBモードの液晶表示素
子)が提案されている。ベンド配向した各液晶分子のオ
ン状態とオフ状態とでの配列変化速度は、TN型液晶表
示素子のオン、オフ状態での間の配列変化速度に比べて
きわめて高速であり、応答性に優れた液晶表示素子とす
ることができる。さらに、前記ベンド配向型の液晶表示
素子は、全体に液晶分子が上下基板間でベンド配向して
いるため、光学位相差的に自己補償でき、かつフィルム
位相差板で位相差補償をするため、低電圧で広視野の液
晶表示素子となる可能性を持つ。
【0007】ところで、前記液晶表示素子は、通常、無
電圧下で液晶層の液晶がスプレイ配向となるように作製
する。したがって、ベンド配向を利用して屈折率を変化
させるためには、液晶表示素子の使用開始前に、表示部
全体を前記スプレイ配向状態からベンド配向状態に均一
に転移させておく必要がある。ここで、ベンド状態への
転移は、転移核を中心として進展する。そして、転移核
の発生場所は、一様でなく、例えば配向膜界面の配向ム
ラ、キズ等に発現する。また、転移核の発生場所は常に
一定でないため、表示欠陥が生じやすい。
【0008】また、スプレイ配向状態からベンド配向状
態に転移させるには、一定の時間が必要であり、この時
間が応答速度となる。応答速度が遅いと、例えば動画を
表示すると、前の画面が残るので、特に動画特性の低い
液晶表示装置となる。スプレイ配向状態からベンド配向
状態に高速に転移させるには高い駆動電圧を要する。し
かし、一般には駆動電圧にも制約があるため、かかる配
向状態の転移を容易に行うことは困難である。
【0009】以上のことから、ベンド配向状態がほぼ確
実に発生し、かつ極めて短時間に転移を完成させるた
め、画素の中心部分に転移核となる高プレチルト角領域
を形成する方法が考えられている。しかし、高プレチル
ト角領域を形成すると、該領域が表示欠陥を生じる原因
になりうる。そのため、高プレチルト角領域を形成する
場所が問題となる。
【0010】また、従来のOCBモードの液晶表示素子
においては、配向膜の配向処理は、ラビング処理によっ
て行われていた。このラビング処理では、フォトリソグ
ラフィ法によるフォトレジスト(保護膜)の形成を要す
る。
【0011】同一配向膜内にラビング法を用いて、液晶
分子に対するアンカリングエネルギーが異なる領域を形
成した液晶パネルが開発されている。しかし、ラビング
法を用いると、保護膜を用いたマスキングが必要であ
り、製造工程の簡略化が図れない、あるいは保護膜によ
る配向膜の汚染という問題がある。また、ラビング法で
は、各領域における液晶分子に対するアンカリングエネ
ルギーに再現性がないという問題がある。
【0012】なお、本明細書中で、アンカリングエネル
ギーとは、液晶分子がどの程度配向膜に束縛されている
かを表す尺度であって、配向膜の液晶分子に対するアン
カリングエネルギーを意味する。以下では、単にアンカ
リングエネルギーと省略したり、あるいは液晶分子に対
するアンカリングエネルギーと表現する場合がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記に鑑みな
されたものであり、その目的は、各種の液晶表示モード
の液晶表示素子において、配向膜面内に最適なアンカリ
ングエネルギーを有する液晶表示素子、およびその製造
方法を提供することにある。
【0014】また本発明は、以下の目的も有する。本発
明は、横電界によるディスクリネーションの発生を防止
して、このディスクリネーションに起因するコントラス
トの低下等を抑制したTNモードの液晶表示素子、及び
その製造方法を提供することを目的とする。
【0015】また本発明は、電極上の液晶と、電極間の
領域上の液晶とが双方のバランスを保ちつつ駆動させ
て、色調が均一な液晶表示素子及びその製造方法を提供
することを目的とする。
【0016】さらに本発明は、転移核をほぼ確実に発生
させることにより、スプレイ−ベンド転移電圧を低減さ
せると共に、表示欠陥がなく、表示品位に優れた液晶表
示素子、及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、前記課
題を解決するために鋭意検討した結果、以下の発明を見
出し完成させた。すなわち、前記の目的を達成する為
に、本発明の液晶表示素子は以下に述べる構成を有す
る。
【0018】(1)本発明の第1の態様に係る液晶表示
素子は、それぞれ配向膜を内側に備えた一対の基板間
に、液晶層が設けられた液晶表示素子であって、前記少
なくとも一方の配向膜は、感光性基を有する分子を少な
くとも含み構成されており、かつ前記配向膜に照射条件
の異なる偏光を照射することにより、少なくとも2つの
アンカリングエネルギーが異なる領域を有することを特
徴とする。
【0019】本発明の構成によると、配向膜は偏光の照
射条件、即ち偏光方向、照射角度(照射方向)または照
射強度を変えることにより領域毎にアンカリングエネル
ギーを相違させられたものであるので、各種の液晶表示
モードに適した液晶表示素子を提供できる。
【0020】また、前記配向膜に於けるアンカリングエ
ネルギーの異なる少なくとも2つの領域は、照射強度の
異なる偏光を照射されることによって設けられた構成と
することができる。
【0021】さらに、前記照射する偏光の偏光方向は基
板内で同一とすることができる。ここで、偏光方向とは
光波の振動ベクトルの振動方向を意味している。
【0022】前記少なくとも一方の配向膜は、液晶分子
のプレチルト角が同一で、かつ液晶分子に対するアンカ
リングエネルギーが異なる少なくとも2つの領域を有し
ているものでもよい。
【0023】前記配向膜は、前記感光性基を有する分子
の集合群が所定の方向に傾斜していると共に、当該感光
性基部同士が重合結合していることを特徴とする。
【0024】本発明の構成によると、ラビング法ではな
く、偏光照射により、配向膜の少なくとも2つの領域に
異なるアンカリングエネルギーを与えることができる。
偏光照射によるので、保護膜を用いたマスキングが必要
とされず、製造工程の簡略化が図れる。また、保護膜を
用いないので、保護膜による配向膜の汚染のおそれがな
い。さらに、偏光照射によれば、各領域における液晶分
子に対するアンカリングエネルギーの再現性に優れる。
【0025】また、偏光照射により、配向膜にアンカリ
ングエネルギーを与えるので、配向膜のプレチルト角に
影響しない。
【0026】この構成にすると、薄膜構成成分が感光性
基を有しているので、偏光を照射することで、各領域に
おけるアンカリングエネルギーの制御が容易になる。
【0027】前記配向膜は、感光性基を備えたシラン系
化合物分子を含む分子の集合群が、前記一対の基板上に
結合・固定してなる薄膜であることを特徴とする。
【0028】この構成によると、シラン系化合物が表面
に整然と露出するため、偏光に対する感度に優れ、少な
い偏光照射量でその膜にアンカリングエネルギーを与え
ることができる。
【0029】さらに、前記配向膜は単分子膜とすること
ができる。このような構成とすることで、膜厚が分子長
さと一致するため、極めて均一の膜厚を制御できる。こ
れにより、膜厚ムラに起因する駆動電圧ムラ、焼付き等
の表示特性が劣化するのを低減させることができる。
【0030】また、前記感光性基がシンナモイル基また
はカルコニル基とすることができる。
【0031】前記各領域におけるアンカリングエネルギ
ーは、当該各領域に照射された偏光の照射強度に応じ
て、前記感光性基を有する前記薄膜構成分子同士が重合
した程度、あるいは該重合した薄膜構成分子同士の重合
結合部分が破壊された程度による。
【0032】前記各領域におけるアンカリングエネルギ
ーは、当該各領域に照射された偏光の照射強度に応じ
て、前記感光性基を有する前記薄膜構成分子同士が重合
した程度、あるいは該重合した薄膜構成分子同士の重合
結合部分が破壊された程度による。
【0033】偏光を照射すると、前記感光性基を有する
前記薄膜構成成分同士は、重合する。その重合の程度に
より、薄膜表面の表面構造が変わり、各領域におけるア
ンカリングエネルギーが変わる。一方、さらに多量の偏
光を照射すると、前記重合した前記薄膜構成成分同士の
重合結合部分が破壊される。その破壊の程度によって
も、薄膜表面の表面構造が変わり、各領域におけるアン
カリングエネルギーが変わる。このようにして、前記各
領域に照射される偏光の照射強度を制御することで、各
領域に異なるアンカリングエネルギーを付与できる。
【0034】前記液晶表示素子は、初期配向状態が捻れ
配向モードの液晶層を、一対の基板間に備えたツイステ
ッドネマティック配向モードの液晶表示素子であり、前
記配向膜に於ける画素領域の周縁部には、当該画素領域
の内部よりもアンカリングエネルギーが大きい領域が設
けられていることを特徴とする。
【0035】従来のTNモードの液晶表示素子では、画
素領域の周縁部において横電界の影響を受けることから
リバースチルト等の配向異常が生じ、周縁部と周縁部以
外の画素領域との境界でディスクリネーション発生の原
因となっていた。この横電界に起因するディスクリネー
ション(以下、横電界ディスクリネーションという)の
発生は、コントラストの低下を招来することから、表示
特性劣化の原因となっていた。
【0036】ここで、前記した横電界ディスクリネーシ
ョンの発生を抑制するには、液晶分子を高プレチルト角
で配向させる方法が考えられる。しかし、TNモードの
場合、液晶分子を高プレチルト角で配向させると、表示
画面に着色が視認され、新たな表示特性の劣化を招くこ
とになる。
【0037】そこで、本発明においては、前記構成のよ
うに、配向膜を、各画素領域の横電界の影響を受ける周
縁部と、そうでない内部とに区画し、周縁部のアンカリ
ングエネルギーが画素領域の内部のアンカリングエネル
ギーより大きくしている(なお、本明細書中で、当該ア
ンカリングエネルギーの大きい周縁部を横電界抑制領域
ということがある)。これにより、画素領域での液晶分
子の動きが容易になるので、液晶表示素子の駆動電圧を
低下させることができる。また、画素領域の周縁部で
は、液晶分子の動きが制限されるので、画素領域の周囲
に生じる電界によって、液晶分子が大きく変化すること
がなくなる。この結果、周縁部と、周縁部以外の画素領
域との境界で横電界ディスクリネーションが発生するの
を防止できる。さらに、本発明の構成では、周縁部と、
周縁部以外の内部との間でプレチルト角を変えずに、横
電界ディスクリネーションの発生を防止できる。従っ
て、内部が高プレチルト角になることもなく、表示画面
において着色が視認されることもない。また、プレチル
ト角を同一にできることから、開口率を大きくすること
もでき、表示輝度の向上が図れる。この結果、コントラ
スト等の表示特性に優れ、着色現象も視認されない液晶
表示素子を提供することができる。
【0038】前記アンカリングエネルギーが極角アンカ
リングエネルギーであることを特徴とする。
【0039】画素領域の周縁部と、周縁部以外の画素領
域との境界で横電界ディスクリネーションが発生する。
これは、横電界の影響により、周縁部における液晶分子
が立ち上がることによる。そこで、画素領域の周縁部の
極角アンカリングエネルギーを周縁部以外の画素領域の
極角アンカリングエネルギーより大きくすることによ
り、画素領域の周縁部では極角方向の液晶分子の動きが
制限されるので、横電界ディスクリネーションの発生を
有効に防止できる。
【0040】その一方、周縁部以外の画素領域の極角ア
ンカリングエネルギーは、小さいので、印加電圧に対す
る液晶分子の立ち上がる角度の変化が大きくなる。従っ
て、液晶表示素子の駆動電圧を下げることができる。
【0041】また、前記液晶表示素子は、一対の基板間
に液晶層が設けられ、かつ前記一対の基板のうち、一方
の基板上に一対の電極が設けられた液晶表示素子であ
り、前記配向膜は、前記電極上に設けられた第1領域
と、前記一対の電極の間に対応する第2領域とを有し、
前記第1領域におけるアンカリングエネルギーは、前記
第2領域におけるアンカリングエネルギーよりも大きい
ことを特徴とする。
【0042】前記液晶表示素子は、インプレーンスイッ
チング配向モードの液晶表示素子であってもよい。
【0043】前記構成であると、電界が強く発生する電
極上で、電極間よりも液晶が過度に駆動するのを防止で
きる。この結果、電極上での屈折率と、電極間での屈折
率とに差が生じるのを防ぐことができ、色調の均一な液
晶表示素子を実現することができる。
【0044】前記アンカリングエネルギーは、方位角ア
ンカリングエネルギーおよび/または極角アンカリング
エネルギーであることを特徴とする。
【0045】電圧を印加した際の電界の強さについて、
方位角方向成分と極角方向成分とに分けて考えると、電
極上での方位角方向の電界の強さと、電極間での方位角
方向での電界の強さは同一ではなく、電極上の方が電界
が強い。しかしながら、前記構成の様に、電極上での方
位角アンカリングエネルギーを大きくすることにより、
液晶が必要以上に転移するのを防止でき、電極上での液
晶層の屈折率と電極間での屈折率に差異が生じるのを防
止できる。この結果、色調を均一にすることができる。
【0046】また、電極上では極角方向、より具体的に
は基板面に略垂直方向または斜め方向にも電界が発生す
る為、当該電極上の液晶は極角方向にも配向しようとす
る。しかし、前記構成の様に極角アンカリングエネルギ
ーを大きくすることにより、液晶が好ましくない方向に
配向するのを防止することができ、この結果色調を一層
均一にすることができる。
【0047】前記配向膜は、前記電極に近づくほど、連
続的に又は段階的に液晶分子に対するアンカリングエネ
ルギーを大きくなるようにして液晶分子を配向規制する
こともできる。
【0048】前記一対の電極は、透明電極とすることが
できる。
【0049】第1領域の形成により、液晶の動作領域が
拡大している。従って、一対の電極として透明電極を用
いると、電極の表示領域も画像の表示に供することがで
き、光の利用効率の向上が図れる。この結果、一層の明
るい表示が可能となる。
【0050】また、前記液晶表示素子は、それぞれ配向
膜を備えた一対の電極付きの基板間に、スプレイ配向し
ている液晶層が設けられた光学補償ベンドモードの液晶
表示素子であり、前記一対の配向膜のうち少なくとも一
方の配向膜は、アンカリングエネルギーが異なる少なく
とも2つの領域を有しており、該アンカリングエネルギ
ーが異なる領域の1つは、前記電極に電圧を印加するこ
とによりスプレイ配向からベンド配向への転移を促進さ
せる転移核を、前記液晶層に発生させる領域であること
を特徴とする。
【0051】本発明に係る液晶表示素子は、配向膜にア
ンカリングエネルギーが異なる少なくとも2つの領域を
形成することにより、液晶層に転移核が発生するのを容
易にしたものである。すなわち、アンカリングエネルギ
ーの小さい領域では、電圧印加時にスプレイ配向(基底
状態)からベンド配向(駆動状態)に転移する際の液晶
分子の立ち上がり(転移)を、他の領域よりも早くする
ことができ、これにより液晶層に転移核を発生させるこ
とができる。その一方、アンカリングエネルギーの大き
い領域では、電圧の印加状態から無印加状態にする場合
に、ベンド配向からスプレイ配向に転移する際の液晶分
子の立ち下がりを他の領域よりも早くすることができ、
やはり転移核を発生させることができる。よって、前記
構成であると、スプレイ−ベンド転移電圧の低減が図れ
ると共に、応答性の向上させることができる。
【0052】前記配向膜に於ける転移核を発生させる領
域は、画素領域毎に少なくとも1つ設けられているのが
好ましい。
【0053】前記アンカリングエネルギーは極角アンカ
リングエネルギーとすることができる。
【0054】(2)本発明の第2の態様に係る液晶表示
素子は、それぞれ配向膜を内側に備えた一対の基板間
に、液晶層が設けられた液晶表示素子に於いて、前記配
向膜のうち少なくとも一方の配向膜は、感光性基を有す
る分子を少なくとも含み構成された膜であって、ラビン
グ処理をされた後、領域毎に照射条件の異なる光が照射
されたことにより、アンカリングエネルギーの異なる領
域が少なくとも2つ設けられた膜であることを特徴とす
る。
【0055】前記構成に於ける配向膜は、例えば単にラ
ビング処理のみがなされた様な従来の配向膜とは異な
り、配向膜面内に於いてアンカリングエネルギーの異な
る領域が設けられた膜である。よって、配向膜面内で液
晶分子の配向規制の程度を領域毎に自由に変えることが
できる。換言すれば、前記配向膜は、各種の配向モード
に最適に適合する様に、配向膜面内でアンカリングエネ
ルギーの最適化を図ることが可能な膜である。これによ
り、その様な配向膜を備えた前記構成の液晶表示素子で
あると、配向欠陥等に起因する表示不良を抑制し、表示
品位を向上させることができる。
【0056】また、前記配向膜に於けるアンカリングエ
ネルギーの異なる少なくとも2つの領域は、照射強度の
異なる光を照射されることによって設けられたものであ
ってもよい。
【0057】また、前記配向膜に於けるアンカリングエ
ネルギーの異なる少なくとも2つの領域は、照射強度の
異なる偏光を照射されることによって設けられたもので
あってもよい。
【0058】さらに、前記配向膜に於けるアンカリング
エネルギーの異なる少なくとも2つの領域は、偏光方向
の異なる偏光が照射されることによって得られたもので
あってもよい。
【0059】また、本発明に係る液晶表示素子は、それ
ぞれ配向膜を内側に備えた一対の基板間に、液晶層が設
けられた液晶表示素子に於いて、前記配向膜のうち少な
くとも一方の配向膜は、感光性基を有する分子を少なく
とも含み構成された膜であって、ラビング処理をされた
後、特定の領域にのみ光が照射されたことにより、アン
カリングエネルギーの異なる領域が少なくとも2つ設け
られた膜であることを特徴とする。
【0060】前記の構成によれば、例えば感光性基が光
架橋型である場合、ラビング処理の後さらに光照射され
た領域では、感光性基部同士が架橋結合している。この
為、ラビング処理のみが施された領域よりもアンカリン
グエネルギーが大きくなり、配向膜にアンカリングエネ
ルギーの異なる領域が少なくとも2つ設けられることと
なる。この様な構成の配向膜であると、面内で液晶分子
の配向規制の程度を領域毎に自由に変更できるので、各
種の配向モードに最適に適合させることが可能となる。
よって前記構成であると、表示品位が良好で、各種の配
向モードに適した配向制御を可能とする液晶表示素子を
提供することができる。
【0061】前記アンカリングエネルギーの異なる少な
くとも2つの領域は、1画素内に設けられていることを
特徴とする。
【0062】さらに、前記アンカリングエネルギーは、
極角アンカリングエネルギーおよび/または方位角アン
カリングエネルギーであることを特徴とする。
【0063】また、本発明に係る液晶表示素子は、それ
ぞれ配向膜を内側に備えた一対の基板間に、初期配向状
態が捻れ配向モードの液晶層を備えたツイステッドネマ
ティック配向モードの液晶表示素子に於いて、前記配向
膜のうち少なくとも一方の配向膜は、感光性基を有する
分子を少なくとも含み構成された膜であって、ラビング
処理をされた後、画素領域の周縁部に対応する領域と内
部に対応する領域とで照射条件の異なる光が照射された
ことにより、画素領域の周縁部には当該画素領域の内部
よりもアンカリングエネルギーの大きい横電界抑制領域
が設けられた膜であることを特徴とする。
【0064】前記構成に於ける配向膜は、単にラビング
処理のみがなされた様な従来の配向膜とは異なり、各種
の配向モードに最適に適合する様に、配向膜面内でアン
カリングエネルギーの最適化を図ることが可能な膜であ
る。また、前記構成に於ける配向膜は、予めラビング処
理がなされた後に光配向処理されたものであるので、光
配向処理のみがなされた配向膜と比較しても、液晶の配
向制御性に極めて優れている。よって、前記の構成によ
れば、着色を防止すると共に、表示輝度の向上を図りな
がら横電界ディスクリネーションの発生も抑制できると
いう効果に加えて、極めて均一に液晶を配向規制でき配
向欠陥の無い液晶表示素子を提供することができる。
【0065】また、本発明に係る液晶表示素子は、それ
ぞれ配向膜を内側に備えた一対の基板間に、初期配向状
態が捻れ配向モードの液晶層を備えたツイステッドネマ
ティック配向モードの液晶表示素子に於いて、前記配向
膜のうち少なくとも一方の配向膜は、感光性基を有する
分子を少なくとも含み構成された膜であって、ラビング
処理をされた後、画素領域の内部または周縁部にのみ光
が照射されたことにより、当該画素領域の内部よりもア
ンカリングエネルギーの大きい横電界抑制領域が設けら
れた膜であることを特徴とする。
【0066】前記の構成によれば、感光性基が光架橋型
である場合、ラビング処理がなされた配向膜に於いて、
さらに画素領域の周縁部にのみ光照射をすることによ
り、当該周縁部のアンカリングエネルギーを画素領域の
内部よりも大きくすることができる。また、感光性基が
光分解型である場合には、画素領域の内部にのみ光照射
をすることによって、周縁部のアンカリングエネルギー
を内部よりも大きくすることができる。この結果、横電
界ディスクリネーションの発生を抑制できると共に、極
めて均一に液晶を配向規制でき配向欠陥の発生を抑制す
ることができる。
【0067】前記アンカリングエネルギーは、極角アン
カリングエネルギーであることを特徴とする。
【0068】また、本発明に係る液晶表示素子は、それ
ぞれ配向膜を内側に備えた一対の基板間に液晶層が設け
られ、かつ前記一対の基板のうち、一方の基板上に一対
の電極が設けられたインプレーンスイッチング配向モー
ドの液晶表示素子に於いて、前記配向膜のうち少なくと
も一方の配向膜は、感光性基を有する分子を少なくとも
含み構成された膜であって、ラビング処理をされた後、
配向膜に於ける前記電極上の領域と電極の間に対応する
領域とで照射条件の異なる光が照射されたことにより、
前記電極上の領域には、電極の間に対応する領域よりも
アンカリングエネルギーの大きい領域が設けられた膜で
あることを特徴とする。
【0069】前記構成であると、配向膜はラビング処理
により配向能が付与されているので、光配向処理法のみ
により配向処理された配向膜と比較して、配向制御性に
優れている。よって、液晶をより一層均一に配向規制で
きると共に、色調の均一化も図れるので、極めて表示品
位に優れた液晶表示素子を提供することができる。
【0070】また、本発明に係る液晶表示素子は、それ
ぞれ配向膜を内側に備えた一対の基板間に液晶層が設け
られ、かつ前記一対の基板のうち、一方の基板上に一対
の電極が設けられたインプレーンスイッチング配向モー
ドの液晶表示素子に於いて、前記配向膜のうち少なくと
も一方の配向膜は、感光性基を有する分子を少なくとも
含み構成された膜であって、ラビング処理をされた後、
配向膜に於ける前記電極上の領域または電極の間に対応
する領域にのみ光が照射されたことにより、前記電極上
の領域には、電極の間に対応する領域よりもアンカリン
グエネルギーの大きい領域が設けられた膜であることを
特徴とする。
【0071】前記の構成によれば、感光性基が光架橋型
である場合、ラビング処理がなされた配向膜に於いて、
さらに電極上の領域にのみ光照射をするので、当該領域
を電極間に対応する領域よりもアンカリングエネルギー
を大きくすることができる。この結果、電極上の領域と
電極間の領域とで屈折率差を低減し、色調の均一化が図
れると共に、配向膜は予めラビング処理により配向能を
付与されているので、極めて均一に液晶を配向規制でき
配向欠陥の発生を抑制することができる。
【0072】また、前記アンカリングエネルギーは、極
角アンカリングエネルギーおよび/または方位角アンカ
リングエネルギーであることを特徴とする。
【0073】さらに、前記アンカリングエネルギーの小
さい領域は、前記電極に近づくに従い、連続的に又は段
階的にアンカリングエネルギーが大きくなる様に設けら
れている構成とすることができる。
【0074】さらに、前記電極は透明電極とすることが
できる。
【0075】また、本発明に係る液晶表示素子は、それ
ぞれ配向膜を備えた一対の電極付きの基板間に、スプレ
イ配向されている液晶層が設けられた光学補償ベンドモ
ードの液晶表示素子に於いて、前記配向膜のうち少なく
とも一方の配向膜は、感光性基を有する分子を少なくと
も含み構成された膜であって、ラビング処理をされた
後、領域毎に照射条件の異なる光が照射されたことによ
り、アンカリングエネルギーが異なる少なくとも2つの
領域が設けられた膜であり、前記アンカリングエネルギ
ーが異なる領域の1つは、前記電極に電圧を印加するこ
とによりスプレイ配向からベンド配向への転移を促進さ
せる転移核を、前記液晶層に発生させる領域であること
を特徴とする。
【0076】前記構成であると、配向膜はラビング処理
により配向能が付与されているので、光配向処理法のみ
により配向処理された配向膜と比較して、配向制御性に
優れている。よって、液晶をより一層均一に配向規制で
きると共に、スプレイ−ベンド転移電圧の低減が図れ
る。
【0077】また、本発明に係る液晶表示素子は、それ
ぞれ配向膜を備えた一対の電極付きの基板間に、スプレ
イ配向されている液晶層が設けられた光学補償ベンドモ
ードの液晶表示素子に於いて、前記配向膜のうち少なく
とも一方の配向膜は、感光性基を有する分子を少なくと
も含み構成された膜であって、ラビング処理をされた
後、特定の領域にのみ光が照射されたことにより、アン
カリングエネルギーが異なる少なくともつの領域が設け
られた膜であり、前記アンカリングエネルギーが異なる
領域の1つは、前記電極に電圧を印加することによりス
プレイ配向からベンド配向への転移を促進させる転移核
を、前記液晶層に発生させる領域であることを特徴とす
る。
【0078】前記配向膜は、ラビング処理の後に、特定
の領域にのみ光照射をしてアンカリングエネルギーの異
なる領域を複数形成された膜であるので、上述したのと
同様に転移核の発生を容易に行うことができスプレイ−
ベンド転移電圧の低減が図れる。
【0079】前記アンカリングエネルギーの大きい領域
が、各画素毎に少なくとも1つ設けられていることを特
徴とする。
【0080】前記アンカリングエネルギーは、極角アン
カリングエネルギーであることを特徴とする。
【0081】また、前記配向膜は、前記感光性基を有す
る分子の集合群が所定の方向に傾斜していると共に、当
該感光性基同士が重合結合している構成とすることがで
きる。
【0082】さらに、前記配向膜は、感光性基を備えた
シラン系化合物分子を含む分子の集合群が、前記一対の
基板上に結合・固定してなる膜であってもよい。
【0083】この構成によると、シラン系化合物分子が
表面に整然と露出するため、偏光に対する感度に優れ、
少ない偏光照射量でその膜にアンカリングエネルギーを
与えることができる。
【0084】さらに、前記シラン系化合物分子は、クロ
ロシラン化合物分子であることを特徴とする。
【0085】さらに、前記シラン系化合物分子は、直鎖
状炭化水素鎖を有していてもよい。
【0086】また、前記配向膜は単分子膜とすることが
できる。
【0087】このような構成とすることで、膜厚が分子
長さと一致するため、極めて均一に膜厚を制御できる。
これにより、膜厚ムラに起因する駆動電圧ムラ、焼付き
等の表示特性が劣化するのを低減させることができる。
また、配向膜を構成する薄膜構成分子が、膜表面側に感
光性基を備えて基板面に結合している場合には、膜の最
表面に感光性基を表出させることができる。この為、例
えば偏光照射をすれば、所望の方向に容易に異方性を有
して光反応を起こさせることができると共に、照射量も
最小限に抑制することができる。さらに、薄膜構成分子
の集合群は基板上に整然と配列させることが可能な為、
液晶分子に対する配向制御性にも優れている。
【0088】さらに、前記感光性基がシンナモイル基ま
たはカルコニル基である構成とすることもできる。
【0089】また、前記(1)および(2)に於ける液
晶表示素子を構成する前記配向膜が、少なくともポリイ
ミドを含み構成されていていもよい。
【0090】以上に述べた液晶表示素子を製造する方法
としては、以下に述べる(3)および(4)の態様を採
用することができる。ここで、(3)または(4)は前
記した第1および第2の態様にそれぞれ対応する。
【0091】(3)前記第1の態様に対応する、本発明
の液晶表示素子の製造方法は、それぞれ配向膜を内側に
備えた一対の基板間に、液晶層が設けられた液晶表示素
子の製造方法であって、前記一対の基板のうち少なくと
も一方に、感光性基を有する分子を少なくとも含み構成
された配向膜を形成する配向膜形成工程と、前記配向膜
に、照射条件の異なる偏光を領域毎に照射することによ
り、少なくとも2つのアンカリングエネルギーが異なる
領域を形成する配向処理工程と、前記一対の基板を貼り
合わせる貼り合わせ工程と、前記一対の基板間に液晶を
注入することにより前記液晶層を形成する液晶注入工程
とを備えることを特徴とする。
【0092】本発明の構成によると、シャドウマスクな
どを用いて偏光紫外線を照射することにより、配向膜面
内にアンカリングエネルギーが異なる領域を容易に形成
できる。この結果、各種の液晶表示モードに適合した液
晶表示素子を提供できる。
【0093】また、本発明に係る液晶表示素子の製造方
法は、光配向法を用いて配向膜の配向処理を行う(偏光
配向処理)ので、ラビング処理で行われていたフォトレ
ジストの現像及び剥離を行う必要がない。よって、配向
膜表面の劣化を防止できると共に、製造工程数も大幅に
減らせる。しかも従来のラビング処理では問題となって
いたダストの発生も光配向法においては本来的に発生し
ないので、配向膜の汚染も防止できる。
【0094】前記配向処理工程は、照射強度を変えて偏
光を照射することにより、前記膜に液晶分子に対する配
向膜のアンカリングエネルギーが異なる領域を形成する
こともできる。
【0095】偏光の照射強度を変えるだけで、配向膜に
液晶分子に対する配向膜のアンカリングエネルギーが異
なる領域を容易に形成できる。しかも、偏光の照射であ
ると、ラビング法に比べ、各領域における液晶分子に対
するアンカリングエネルギーの大きさを再現性よく、制
御できる。
【0096】前記配向処理工程は、照射角度を変えて偏
光を照射することにより、前記膜に液晶分子に対する配
向膜のアンカリングエネルギーが異なる領域を形成する
ことができる。
【0097】前記薄膜形成工程は、乾燥雰囲気中で、感
光性基を有するシラン系化合物分子を前記基板面に接触
させて、前記シラン系化合物分子を化学吸着させること
により薄膜を形成する工程とすることができる。
【0098】前記薄膜形成工程の直後に、前記薄膜の形
成された基板面を洗浄液を用いて洗浄し、未吸着のシラ
ン系化合物分子を除去する洗浄工程と、洗浄後の前記基
板を一定の方向に立てて基板面上に残った洗浄液を液切
り乾燥することにより、基板面に化学吸着したシラン系
化合物分子を仮配向させる工程とを備え、前記液切り方
向は、前記偏光配向工程における偏光の偏光方向と平行
にすることができる。
【0099】本発明の液晶表示素子の製造方法では、初
期配向状態が捻れ配向構造の液晶層を、一対の基板間に
備えたツイステッドネマティック配向モードの液晶表示
素子の製造方法に於いて、前記一対の基板のうち少なく
とも一方に、感光性基を有する分子を少なくとも含み構
成された配向膜を形成する配向膜形成工程と、前記配向
膜に偏光を照射して配向処理を行う配向処理工程であっ
て、前記配向膜に於ける画素領域の周縁部と、周縁部以
外の内部とで照射条件を異ならせることにより、前記内
部よりもアンカリングエネルギーの大きい横電界抑制領
域を周縁部に形成する配向処理工程と、前記一対の基板
を貼り合わせる貼り合わせ工程と、前記一対の基板間に
液晶を注入することにより前記液晶層を形成する液晶注
入工程とを備えることを特徴とする。
【0100】前記方法によれば、基板上に形成した薄膜
に配向処理を施し、画素領域の周縁部に液晶分子に対す
るアンカリングエネルギーが大きい領域を形成すること
により、前記画素電極の周縁部に横電界抑制領域を設け
るので、横電界の影響を受けてもリバースチルトの発生
が抑制可能な液晶表示素子を作製することができる。そ
の結果、周縁部と、内部との境界で横電界ディスクリネ
ーションの発生を防止し、コントラスト等の表示特性に
優れた液晶表示素子を製造することができる。
【0101】前記配向処理工程は、前記画素領域の周縁
部に照射する第1の偏光の照射強度と、前記画素領域の
内部に照射する第2の偏光の照射強度とを異ならせて偏
光照射を行う工程とすることができる。
【0102】本発明の液晶表示素子の製造方法では、一
対の基板間に液晶層が設けられ、かつ前記一対の基板の
うち、一方の基板上に一対の電極が設けられたインプレ
ーンスイッチング配向モードの液晶表示素子の製造方法
において、前記一対の基板のうち少なくとも一方に、感
光性基を有する分子を少なくとも含み構成された配向膜
を形成する配向膜形成工程と、前記配向膜に偏光を照射
して配向処理を行う配向処理工程であって、前記一対の
電極上の領域と、前記一対の電極の間に対応する領域と
で偏光条件を異ならせて偏光を照射することにより、前
記一対の電極上の領域に、前記一対の電極の間に対応す
る領域よりもアンカリングエネルギーの大きい領域を形
成する配向処理工程と、前記一対の基板を貼り合わせる
貼り合わせ工程と、前記一対の基板間に液晶を注入する
ことにより前記液晶層を形成する液晶注入工程とを備え
ることを特徴とする。
【0103】前記液晶表示素子がインプレーンスイッチ
ング配向モードの液晶表示素子であってもよい。
【0104】本発明の液晶表示素子の製造方法によれ
ば、一対の電極を有する基板上に設けられた薄膜に対し
て、一対の電極上と、一対の電極の間とで配向処理条件
を異ならせて偏光を照射することにより、前記電極上に
液晶分子に対するアンカリングエネルギーの大きい領域
を形成する一方、前記一対の電極の間に液晶分子に対す
るアンカリングエネルギーの小さい領域を形成すること
ができる。これにより、前記一対の電極上の液晶と、電
極間の領域上の液晶とで配向状態の均一化が図れ、電極
間と電極上での屈折率の差が生じるのを防止する。これ
により、色調の均一な液晶表示素子を作製することがで
きる。
【0105】前記配向処理工程は、前記一対の電極上に
照射する第1の偏光の照射強度と、前記一対の電極の間
に照射する第2の偏光の照射強度とを異ならせて偏光照
射を行う工程とすることができる。
【0106】前記配向処理工程は、前記一対の電極上に
照射する第1の偏光の偏光方向と、前記一対の電極の間
に照射する第2の偏光の偏光方向とを平行にさせると共
に、前記第1の偏光の前記基板面に対する照射角度を、
前記第2の偏光の照射角度よりも小さくして偏光照射を
行うことを特徴とする。
【0107】本発明の液晶表示素子の製造方法であっ
て、一対の基板間に、スプレイ配向した液晶層が設けら
れた光学補償ベンドモードの液晶表示素子の製造方法に
おいて、前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板上
に、感光性基を有する薄膜構成分子を少なくとも含み構
成される配向膜を形成する配向膜形成工程と、前記配向
膜に偏光を照射して配向処理を行う配向処理工程であっ
て、偏光条件を異ならせて偏光を照射することにより、
アンカリングエネルギーが他の領域とは異なり、かつ前
記電極に電圧を印加する際にスプレイ配向からベンド配
向への転移を促進させる転移核を前記液晶層に形成する
領域を形成する配向処理工程と、前記一対の基板を貼り
合わせる貼り合わせ工程と、前記一対の基板間に液晶を
注入することにより、前記液晶層を形成する液晶注入工
程とを備えることを特徴とする。
【0108】本発明の液晶表示素子の製造方法では、偏
光照射の条件を変えて照射することにより、アンカリン
グエネルギーが他の領域とは異なる領域を形成すること
ができる。よって、配向膜に転移核を発生させることが
可能な領域を容易に形成できる。これにより、電極に電
圧を印加した際には、確実に転移核を発生させることが
でき、スプレイ配向からベンド配向への転移を促進させ
るので、スプレイ−ベンド転移電圧を低減させた液晶表
示素子を製造できる。
【0109】前記配向処理工程は、前記他の領域に照射
する偏光とは、異なる照射強度の偏光を所定の領域に照
射することにより、当該所定の領域に前記液晶分子に対
する配向膜のアンカリングエネルギーが異なる領域を形
成することができる。
【0110】(2)前記第2の態様に対応する、本発明
の液晶表示素子の製造方法は、それぞれ配向膜を内側に
備えた一対の基板間に、液晶層が設けられた液晶表示素
子の製造方法であって、前記一対の基板のうち少なくと
も一方に、感光性基を有する分子を少なくとも含み構成
された配向膜を形成する配向膜形成工程と、前記配向膜
にラビング処理をした後、光を照射して配向処理を行う
配向処理工程であって、所定の領域毎に照射条件の異な
る光を照射することにより、少なくとも2つのアンカリ
ングエネルギーが異なる領域を形成する配向処理工程と
を備えることを特徴とする。
【0111】前記方法によれば、配向膜にラビング処理
した後、所定の領域毎に照射条件を異ならせて光照射す
るので、当該配向膜にアンカリングエネルギーの異なる
複数の領域を容易に形成できる。この結果、表示品位が
良好で、各種の液晶表示モードに適合した液晶表示素子
を作製することができる。
【0112】さらに、前記方法によれば、配向膜にラビ
ング処理をした後光配向処理を施しているので、光配向
処理のみを行う場合よりも、当該配向膜に確実に配向能
を付与することができる。よって、前記方法により作製
できる液晶表示素子は、配向制御性にも優れた配向膜を
具備するので、一層表示品位に優れたものにできる。ま
た、ラビング処理と光配向処理とを組み合わせているの
で、押し込み量やラビング速度などのラビング条件を緩
和してラビングしても配向膜に十分に配向能を付与する
ことができる。即ち、従来のラビング処理のみを行う場
合と比較して、ラビング条件を緩和して配向処理するこ
とができるので、ダストの発生や、膜表面でのラビング
筋の発生を極力抑えることができる。
【0113】また、前記配向処理工程に於ける光の照射
は、前記領域毎に照射強度を異ならせて行うことができ
る。例えば感光性基が光架橋型である場合、照射強度を
領域毎に相違させると、照射強度を大きくした領域では
分子間の架橋が一層進行する為、他の照射強度が小さか
った領域よりもアンカリングエネルギーを大きくするこ
とができる。つまり、前記方法に於いては、光の照射強
度を領域毎に異ならせるだけで、配向膜にアンカリング
エネルギーの異なる領域を容易に形成できる。しかも、
光配向処理であると、照射条件を確実に反映させて配向
処理が行えるため、ラビング処理単独の場合よりも極め
て再現性良くアンカリングエネルギーの制御が可能とな
る。
【0114】前記配向処理工程にて行う光の照射には、
所定の方向に偏光方向を有する偏光を使用することがで
きる。
【0115】さらに、前記ラビング処理に於けるラビン
グ方向と、前記偏光の偏光方向とを同一面内にすること
ができる。配向膜にラビング処理をすると、当該配向膜
にはラビング方向に液晶分子が傾斜する様に配向能が付
与される。また、配向膜に偏光を照射すると、当該配向
膜は偏光方向に平行な面内で液晶分子を配向規制しよう
とする配向能が付与される。よって、ラビング方向と偏
光方向とを同一面内にすることにより、液晶分子をより
一層配向規制することができ、配向制御性を向上させる
ことができる。
【0116】さらに、前記配向処理工程に於ける偏光の
照射は、前記領域毎に照射強度を異ならせて行うことが
できる。
【0117】光照射に於いて偏光を使用する場合であっ
て、ラビング方向と偏光方向とを同一面内に設定する場
合、光の照射強度を領域毎に異ならせるだけで、配向膜
にアンカリングエネルギーの異なる領域を容易に形成で
きる。しかも、光配向処理であると、照射条件を確実に
反映させて配向処理が行える為、ラビング処理単独の場
合よりも、極めて再現性良くアンカリングエネルギーの
制御が可能となる。
【0118】また、前記配向処理工程に於ける光の照射
は、前記各領域に対して照射強度を均一にすると共に、
前記領域毎に偏光方向を異ならせて行うことができる。
【0119】領域毎に偏光方向を異ならせると、ラビン
グ方向と偏光方向との交差する角度を領域毎に変化させ
ることができる。例えば、ラビング方向と偏光方向とが
平行となる様に配向処理された領域では、アンカリング
エネルギーを最も大きくすることができる。逆に、ラビ
ング方向と偏光方向とが直角となる様に配向処理された
領域では、アンカリングエネルギーを最も小さくするこ
とができる。よって、前記方向であると、各領域に照射
する光の照射強度を均一にした場合でも、各領域毎にア
ンカリングエネルギーを相違させることができる。
【0120】また、本発明の液晶表示素子の製造方法
は、それぞれ配向膜を内側に備えた一対の基板間に、液
晶層が設けられた液晶表示素子の製造方法であって、前
記一対の基板のうち少なくとも一方に、感光性基を有す
る分子を少なくとも含み構成された配向膜を形成する配
向膜形成工程と、前記配向膜にラビング処理をした後、
光を照射して配向処理を行う配向処理工程であって、特
定の領域にのみ光を照射することにより、少なくとも2
つのアンカリングエネルギーが異なる領域を形成する配
向処理工程とを備えることを特徴とする。
【0121】前記の方法によれば、ラビング処理の後
に、他の領域とアンカリングエネルギーを異ならせたい
領域にのみ光を照射しても、表示品位が良好で、各種の
液晶表示モードに適合した液晶表示素子を作製すること
ができる。
【0122】また、本発明の液晶表示素子の製造方法
は、初期配向状態が捻れ配向構造の液晶層を、一対の基
板間に備えたツイステッドネマティック配向モードの液
晶表示素子の製造方法に於いて、前記一対の基板のうち
少なくとも一方に、感光性基を有する分子を少なくとも
含み構成された配向膜を形成する配向膜形成工程と、前
記配向膜にラビング処理をした後、光を照射して配向処
理を行う配向処理工程であって、前記配向膜に於ける画
素領域の周縁部と、周縁部以外の内部とで照射条件を異
ならせることにより、前記内部よりもアンカリングエネ
ルギーの大きい横電界抑制領域を周縁部に形成する配向
処理工程とを備えることを特徴とする。
【0123】前記方法によれば、光照射により横電界抑
制領域を形成する前にラビング処理を行っているので、
液晶分子に対する配向規制が不十分となるのを防止でき
る。この結果、横電界ディスクリネーションの発生を抑
制すると共に、配向規制も向上させ、コントラスト等の
表示特性に優れた液晶表示素子を製造することができ
る。
【0124】前記配向処理工程にて行う光の照射には、
所定の方向に偏光方向を有する偏光を使用することがで
きる。
【0125】さらに、前記配向処理工程は、前記偏光の
偏光方向が、前記ラビング処理に於けるラビング方向と
同一面内となる様にすると共に、前記画素領域の内部に
照射する光の照射強度と、前記周縁部に照射する光の照
射強度とを異ならせて偏光を照射する工程とすることが
できる。
【0126】また、前記配向処理工程に於ける光の照射
は、前記各領域に対して照射強度を均一にすると共に、
前記領域毎に偏光方向を異ならせて行うことができる。
【0127】また、本発明の液晶表示素子の製造方法
は、初期配向状態が捻れ配向構造の液晶層を、一対の基
板間に備えたツイステッドネマティック配向モードの液
晶表示素子の製造方法に於いて、前記一対の基板のうち
少なくとも一方に、感光性基を有する分子を少なくとも
含み構成された配向膜を形成する配向膜形成工程と、前
記配向膜にラビング処理をした後、画素領域の内部また
は周縁部にのみ光を照射することにより、画素領域の内
部よりもアンカリングエネルギーの大きい横電界抑制領
域を周縁部に形成する配向処理工程とを備えることを特
徴とする。
【0128】前記の方法によれば、ラビング処理の後
に、周縁部にのみ光を照射しても、横電界ディスクリネ
ーションの発生を低減できる横電界抑制領域を形成する
ことができ、表示品位が良好で、各種の液晶表示モード
に適合した液晶表示素子を作製するが可能である。ま
た、ラビング処理は保護膜を用いたマスキングにより行
うものではない。よって、従来、ラビング処理を行う際
に生じていた保護膜剥離の際の配向膜表面の劣化も起こ
らない。
【0129】また、本発明の液晶表示素子の製造方法
は、一対の基板間に液晶層が設けられ、かつ前記一対の
基板のうち、一方の基板上に一対の電極が設けられたイ
ンプレーンスイッチング配向モードの液晶表示素子の製
造方法において、前記一対の基板のうち少なくとも一方
に、感光性基を有する分子を少なくとも含み構成された
配向膜を形成する配向膜形成工程と、前記配向膜にラビ
ング処理をした後、光を照射して配向処理を行う配向処
理工程であって、前記配向膜に於ける前記一対の電極上
の領域と、前記一対の電極の間に対応する領域とで照射
条件を異ならせて光を照射することにより、前記一対の
電極上の領域に於けるアンカリングエネルギーを、前記
一対の電極の間に対応する領域よりも大きくする配向処
理工程とを備えることを特徴とする。
【0130】前記方法によれば、光照射により電極上の
領域にアンカリングエネルギーの大きい領域を形成する
前にラビング処理を行っているので、液晶分子に対する
配向規制が不十分となるのを防止できる。この結果、色
調の均一化を図ると共に、配向規制も向上させることが
でき、表示特性に優れた液晶表示素子を製造することが
できる。
【0131】前記配向処理工程にて行う光の照射には、
所定の方向に偏光方向を有する偏光を使用することがで
きる。
【0132】前記配向処理工程は、前記ラビング処理に
於けるラビング方向と、前記偏光の偏光方向とを同一面
内にすると共に、前記一対の電極の間に対応する領域に
照射する光よりも照射強度の大きい光を、前記一対の電
極上の領域に照射する工程とすることができる。
【0133】前記一対の電極の間に対応する領域に対し
て照射強度を均一にすると共に、前記領域毎に偏光方向
を異ならせて行うことができる。
【0134】また、本発明の液晶表示素子の製造方法
は、一対の基板間に液晶層が設けられ、かつ前記一対の
基板のうち、一方の基板上に一対の電極が設けられたイ
ンプレーンスイッチング配向モードの液晶表示素子の製
造方法において、前記一対の基板のうち少なくとも一方
に、感光性基を有する分子を少なくとも含み構成された
配向膜を形成する配向膜形成工程と、前記配向膜にラビ
ング処理をした後、光を照射して配向処理を行う配向処
理工程であって、前記電極上の領域または電極の間に対
応する領域にのみ光を照射することにより、前記一対の
電極上の領域に於けるアンカリングエネルギーを、前記
一対の電極の間に対応する領域よりも大きくする配向処
理工程とを備えることを特徴とする。
【0135】前記の方法によれば、ラビング処理の後
に、電極上の領域にのみ光を照射しても、当該領域をア
ンカリングエネルギーの大きい領域にすることができ
る。これにより、表示品位が良好で、各種の液晶表示モ
ードに適合した液晶表示素子を作製するが可能である。
また、ラビング処理は保護膜を用いたマスキングにより
行うものではない。よって、従来、ラビング処理を行う
際に生じていた保護膜剥離の際の配向膜表面の劣化も起
こらない。
【0136】また、本発明の液晶表示素子の製造方法
は、一対の基板間に、スプレイ配向した液晶層が設けら
れた光学補償ベンドモードの液晶表示素子の製造方法に
おいて、前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板上
に、感光性基を有する薄膜構成分子を少なくとも含み構
成される配向膜を形成する配向膜形成工程と、前記配向
膜にラビング処理をした後、光を照射して配向処理を行
う配向処理工程であって、照射条件を異ならせて光を照
射することにより、アンカリングエネルギーが他の領域
とは異なり、かつ前記電極に電圧を印加する際にスプレ
イ配向からベンド配向への転移を促進させる転移核を前
記液晶層に形成する領域を形成する配向処理工程とを備
えることを特徴とする。
【0137】前記方法によれば、光照射により電極上の
領域にアンカリングエネルギーの大きい領域を形成する
前にラビング処理を行っているので、液晶分子に対する
配向規制が不十分となるのを防止できる。この結果、ス
プレイ−ベンド転移電圧を低減させた液晶表示素子を製
造することができる。
【0138】また、本発明の液晶表示素子の製造方法
は、一対の基板間に、スプレイ配向した液晶層が設けら
れた液晶表示素子の製造方法において、前記一対の基板
のうち少なくとも一方の基板上に、感光性基を有する薄
膜構成分子を少なくとも含み構成される配向膜を形成す
る配向膜形成工程と、前記配向膜にラビング処理をした
後、光を照射して配向処理を行う配向処理工程であっ
て、前記配向膜の所定の領域にのみ光を照射することに
より、アンカリングエネルギーが他の領域とは異なり、
かつ前記電極に電圧を印加する際にスプレイ配向からベ
ンド配向への転移を促進させる転移核を前記液晶層に形
成する領域を形成する配向処理工程とを備えることを特
徴とする。
【0139】前記の方法によれば、ラビング処理の後、
配向膜の少なくとも一部の領域にのみ光を照射しても、
当該領域に他の領域とアンカリングエネルギーの異なる
領域を形成することができる。この結果、スプレイ−ベ
ンド転移電圧を低減させた液晶表示素子を製造すること
ができる。また、ラビング処理は保護膜を用いたマスキ
ングにより行うものではない。よって、従来、ラビング
処理を行う際に生じていた保護膜剥離の際の配向膜表面
の劣化も起こらない。
【0140】また、前記配向膜形成工程は、乾燥雰囲気
中で、感光性基を有するシラン系化合物分子を前記基板
面に接触させて、前記シラン系化合物分子を化学吸着さ
せることにより配向膜を形成する工程であることを特徴
とする。
【0141】さらに、前記配向膜形成工程の直後に、前
記配向膜の形成された基板面を、洗浄液を用いて洗浄
し、未吸着のシラン系化合物分子を除去する洗浄工程
と、洗浄後の前記基板を一定の方向に立てて基板面上に
残った洗浄液を液切り乾燥することにより、基板面に化
学吸着したシラン系化合物分子を仮配向させる工程とを
備え、前記液切り方向は、前記配向処理工程における偏
光の偏光方向と平行であることを特徴とする。
【0142】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、以
下に説明する。但し、実施の形態1〜実施の形態3は、
本発明の第1の態様に対応し、実施の形態4〜実施の形
態6は、本発明の第2の態様に対応する。また、参照す
る図面に於いて、説明に不要な部分は省略し、さらに説
明を容易にする為に拡大或いは縮小等して図示した部分
がある。
【0143】(実施の形態1)本発明の実施の形態1に
ついて、図1〜図3に基づいて以下に説明する。
【0144】本実施の形態1に係る発明は、ツイステッ
ドネマティック配向モードの液晶表示素子において、配
向膜の画素領域の周縁部に横電界抑制領域を設けること
により、横電界ディスクリネーションの発生を抑制し、
これによってコントラストなどの表示特性の向上を図る
ものである。そして、横電界抑制領域を実現する具体的
手段として、本発明では、画素領域の周縁部における液
晶分子に対するアンカリングエネルギーを、周縁部以外
の領域(以下、内部という)における液晶分子に対する
アンカリングエネルギーよりも大きくする構成をとる。
以下に、図1および図2を用いて本発明のTNモードの
液晶表示素子について説明する。図1は、前記TNモー
ドの液晶表示素子を概略的に示す斜視図である。図2
は、1画素に於ける液晶分子の配向状態を模式的に示す
斜視図である。
【0145】液晶表示素子10は、基板1と、これに対
向する対向基板2と、基板1及び対向基板2間に設けら
れた液晶層3とを有する。基板1及び対向基板2として
は、例えばガラス基板などが例示される。
【0146】前記基板1の内側面には、マトリックス状
に画素電極4が配置されると共に、バスライン(配線)
及びTFTなど(いずれも図示しない)も形成されてい
る。さらに画素電極4などの内側面には、矢印Xで示す
方向に液晶分子を配向させる配向膜6が形成されてい
る。一方、対向基板2の内側面には、矢印Yで示す方向
に液晶分子を配向させる配向膜7が形成されている。前
記画素電極4及び対向電極5としては、例えばITO
(インジウム錫酸化物)などからなる電極を使用でき
る。
【0147】前記配向膜6は、画素領域毎に、アンカリ
ングエネルギーが大きい領域6aと、アンカリングエネ
ルギーが小さい領域6bとを有している(図2参照)。
ここで、TNモードでの液晶は、電圧の無印加状態の場
合、全体としては捻れた配向構造でありながら、個々の
液晶分子については基板1面に水平に配向している。そ
の一方、電圧の印加状態では、液晶分子は、基板1面に
対して垂直となる様に配向している。従って、TNモー
ドの場合、液晶分子を束縛する程度は、当該液晶分子が
立ち上がろうとする方向、すなわち極角方向のアンカリ
ングエネルギーの大小により決定される。このことから
も理解される様に、本実施の形態に於いて対象としてい
るアンカリングエネルギーとは、主に極角アンカリング
エネルギーのことである。
【0148】前記アンカリングエネルギーが大きい領域
6aは、画素領域の周縁部に対応して矩形枠状に設けら
れている。また、アンカリングエネルギーが小さい領域
6bは、画素領域の内部に対応して設けられている。
【0149】前記アンカリングエネルギーの大きい領域
301aに於ける極角方向のアンカリングエネルギーは
1×10-4〜1×10-5J/m2の範囲内にあることが
好ましい。その一方、アンカリングエネルギーの小さい
領域301bでは、1×10 -5〜1×10-6J/m2
範囲内にあることが好ましい。また、前記アンカリング
エネルギーが大きい領域6aの大きさは、幅が5μm以
上、20μm以下の範囲内の枠状領域であればよい。ア
ンカリングエネルギーが大きい領域6aの幅が5μmよ
り小さい場合、横電界ディスクリネーションの発生を十
分に抑制できないので好ましくない。その一方、幅が2
0μmより大きい場合には、ムラが生じる場合があるの
で好ましくない。なお、アンカリングエネルギーが大き
い領域6aは、例えば前記した矩形枠状領域とする他に
円形枠状領域とすることもできる。また、本実施の形態
においては、画素領域は、便宜上画素電極4の形成領域
と一致したものとして説明しているが、その周囲に設け
られているバスラインの形成位置にまで拡大させた領域
を画素領域と称しても差し支えない。
【0150】また、前記配向膜6は、基板面に化学吸着
してなる吸着分子(薄膜構成分子)の集合群からなり、
吸着分子における感光性基部同士が所定の方向に重合結
合した構造の単分子膜状の化学吸着膜である。さらに、
薄膜構成分子は、図2に示す矢印Aで示す方向に傾斜し
て配向しており、かつ感光性基部も同一方向に重合した
構造の薄膜である。よって、配向膜6は、マルチドメイ
ン型で使用される配向膜と異なり、液晶分子に対するア
ンカリングエネルギーが大きい領域6aおよび液晶分子
に対するアンカリングエネルギーが小さい領域6b共
に、液晶分子に対する配向規制方向が同一方向である。
【0151】前記配向膜6は、吸着分子の集合群が基板
面に化学吸着してなる単分子膜状の化学吸着膜である。
吸着分子の集合群には、感光性基を有する吸着分子が少
なくとも含まれており、感光性基部同士が所定の方向に
重合結合している。さらに、吸着分子が基板上で整然と
配列しているため、配向均一性に優れた配向膜とするこ
とができる。また、単分子膜状であることから、膜厚が
分子長さと一致するため、極めて均一に膜厚を制御でき
る。これにより、膜厚ムラに起因する駆動電圧ムラ、焼
付きなどの表示特性が劣化するのを低減させることがで
きる。さらに、光配向方により配向処理を行うので、偏
光紫外線の照射量を少なくすることもできる。これは、
最表面に感光性基が露出することで、所望の方向への異
方的な光反応を起こり易くできるからである。なお、配
向膜6は、単分子膜状の化学吸着膜に限らず、例えばポ
リビニル、ポリイミドなどからなり、感光性基を備えた
ポリマー配向膜などを用いることもできる。
【0152】前記感光性基としては、シンナモイル基ま
たはカルコニル基が好適である。これらの感光性基を備
えていると、光配向処理を行う際の偏光紫外線の照射強
度を低減でき、タクトタイムの短縮が可能となるからで
ある。特に、カルコニル基は、紫外線に対する感応性が
高いので、タクトタイムの短縮が一層図れる。さらに、
前記吸着分子は、その分子中に直鎖上炭化水素基を有す
るものであってもよい。直鎖上炭化水素基を有している
と、シラン系化合物分子が基板上で整然と配列して高密
度に化学吸着でき、配向性に優れた配向膜とできる。な
お、前記においては、配向膜6に関して述べたが、基本
的には対向基板2側に設けられた配向膜7についても同
様である。
【0153】前記液晶層3は、誘電率異方性が正の液晶
を含んで構成されており、前記配向膜6、7により配向
方向が規制される結果、液晶分子長軸が基板1および対
向基板2間で90°連続的に捻れたTN配向構造となっ
ている。また、液晶層3は、各画素領域の周縁部に、液
晶分子に対するアンカリングエネルギーが大きい枠状の
横電界抑制領域が設けられると共に、その横電界抑制領
域以外の内部にアンカリングエネルギーが小さい領域が
設けられている。このように、画素領域毎に横電界抑制
領域を形成することにより、当該横電界抑制領域に横電
界が及んでも、液晶分子に対するアンカリングエネルギ
ーが大きいことから、配向異常が生じることがない。よ
って、横電界ディスクリネーションの発生を抑制するこ
とができ、コントラストの良好な液晶表示素子が得られ
る。なお、横電界抑制領域を画素領域毎に枠状に設ける
のは、各画素領域の四方にバスラインが配線されている
結果、全ての方向から横電界の影響を受けるからであ
る。
【0154】液晶分子に対するアンカリングエネルギー
の大きさは、特に制限されない。液晶分子に対するアン
カリングエネルギーの大きい領域のアンカリングエネル
ギーが、液晶分子に対するアンカリングエネルギーの小
さい領域のアンカリングエネルギーより大きければよ
い。
【0155】次に、本発明に係る液晶表示素子10の製
造方法について説明する。但し、以下においては、配向
膜6、7として、シラン系化合物分子の集合群が化学吸
着してなる単分子膜状の薄膜を例にして述べる。
【0156】まず、従来公知の種々の方法にて、基板1
上に画素電極4を形成する。次に、少なくとも感光性基
を有するシラン系化合物(化学吸着物質)を非水系有機
溶媒に溶解させて、化学吸着液を調整する。さらに、こ
の化学吸着液を基板1に接触させ、吸着液中の化学吸着
物質分子を当該基板1表面に化学吸着させる。
【0157】例えばシラン系化合物として、感光性基お
よびトリクロロシラン基を備えた化合物、具体的にはC
65−CH=CH−CO−C64−O−(CH26−O
−SiCl3を使用した場合、下記化学反応式(1)に
示す化学吸着反応が生じる。すなわち、前記化合物にお
けるクロロシリル基と基板1表面に存在するOH基とが
脱塩化水素反応を起こし、当該化合物が基板1表面に化
学吸着する。
【化1】
【0158】ここで、シラン系化合物は水に対して高活
性であることから、化学吸着液中に水分が多く含まれて
いると失活する。よって、化学吸着反応を円滑に進行さ
せるには、OH基などの活性水素基を含まない非水系有
機溶媒を用いるのが好ましく、さらに基板1表面に接触
させる際には乾燥雰囲気中で行うことが好ましい。ま
た、前記シラン系化合物を含む化学吸着液とは、シラン
系化合物が溶媒に溶解した溶液を意味するが、シラン系
化合物の一部が未溶解状態であってもよい。このような
溶液としては、過飽和状態の化学吸着液が挙げられる。
【0159】なお、配向膜としてポリマー配向膜を用い
る場合には、その形成方法として従来公知の種々の方法
を採用できる。具体的には、例えば感光性基を有するポ
リマーの前駆体を含んだ配向膜材料を、基板表面に塗布
した後、それを乾燥・焼成することによりポリマー配向
膜を形成することができる。
【0160】次いで、基板1上に存在する未吸着のシラ
ン系化合物を除去するために洗浄工程を行い、これによ
り単分子膜状の配向膜6を形成する。本工程において採
用する洗浄方法としては、例えば浸漬法、前記洗浄法な
どが挙げられる。蒸気洗浄法は、基板1の全表面上に存
在する過剰な未吸着のシラン系化合物を、蒸気の浸透力
により強力に取り除くことができるので、特に有効であ
る。なお、化学吸着物質として、シラン系化合物の1種
であるクロロシラン系化合物を用いた場合には、洗浄液
としてクロロホルムまたはN−メチル−2−ピロリジノ
ンを使用するのが好ましい。当該クロロホルムは、クロ
ロシラン系化合物が水と反応することにより生成してい
るクロロシランポリマーの除去性に優れているからであ
る。
【0161】さらに、前記洗浄工程の後、基板1を洗浄
槽から引き上げ、一定の方向に立てた状態で液切り乾燥
させる。これにより、洗浄液は重力方向にのみ液切りを
することができ、薄膜を構成する吸着分子を液切り乾燥
方向に仮配向させることができる。特に、沸点が200
℃以下の洗浄液は、液切り後の乾燥性に優れる点で好ま
しい。また、本発明で適用できる液切り配向方法として
は、基板表面にガスを吹きつけることにより洗浄液の液
切りを行うこともできる。特に、沸点が150℃以上の
洗浄液を用いた場合は、吹き付けガスによって洗浄液が
蒸発することなく液切りできるので有効である。
【0162】次に、基板1上に形成された配向膜6に対
して光配向法により配向処理を行う(偏光配向工程)。
この光配向法は、従来のラビング処理と比較して、保護
膜を用いたマスキングを不要とし、製造工程の簡略化、
保護膜による配向膜汚染などの防止が可能となる。さら
に、ラビングの際のように、埃等が発生することもな
い。
【0163】また、配向膜6は、シラン系化合物分子の
集合群が化学吸着してなる薄膜であり、大部分の薄膜構
成分子が表面に整然と露出した構造である。このため、
偏光に対する感度に優れ、少ない偏光照射強度でその膜
に配向異方性を付与することができる。また、配向膜の
膜厚は、超薄膜であるため、駆動電圧のロスや焼き付き
の発生等を低減し、表示特性の改善が図れる。
【0164】具体的には、以下の方法により光配向を行
う。図3は、光配向法による配向処理を説明するための
斜視図である。同図に示すように、まず画素領域の周縁
部のみをマスク(図示しない)して、例えば300nm
〜400nm付近に波長分布を有する偏光紫外線21
(第2の偏光)を画素領域の内部に照射する。偏光紫外
線21の照射方向は、液切り方向23側における基板と
のなす角がθ1となる方向とする。
【0165】次いで、画素領域の内部のみをマスクし
て、偏光紫外線22(第1の偏光)を周縁部に照射す
る。このときの偏光紫外線22の照射方向は、液切り方
向23側において基板とのなす角がθ2となる方向とす
る。
【0166】ここで、偏光紫外線21、22の偏光方向
は、前記液切り方向における液切り方向23(すなわ
ち、薄膜構成分子の傾斜方向)と一致させている。ま
た、偏光紫外線21、22の照射強度は、例えば50〜
3000mJ/cm2(波長:365nm)の範囲内で
あればよい。但し、アンカリングエネルギーの大きい領
域に照射する偏光紫外線22の照射強度は、アンカリン
グエネルギーの小さい領域に照射する偏光紫外線21の
照射強度より大きくなるように設定する必要がある。さ
らに、偏光紫外線21、22の照射方向は、液切り方向
側から、基板とのなす角θ1およびθ2が0°〜90°の
範囲内、より好ましくは45°〜90°の範囲内となる
ように設定する。本発明では、偏光紫外線21、22の
照射方向は、原則として、θ1=θ2であればよい。例え
ば、図3においては、θ1=θ2=45°の場合について
図示している。さらに、プレチルト角を変えたい場合に
は、θ 1≠θ2になるように照射すればよい。但し、この
場合には、偏光紫外線21におけるθ1は、偏光紫外線
22におけるθ2よりも大きくなるように設定する必要
がある。
【0167】θ1=θ2の場合は、画素領域の周縁部と内
部とは、同一のプレチルト角を有する。すなわち、図2
において、α=βになる。この場合、プレチルト角は、
1°以上、7°以下の範囲であることが好ましい。1°
より小さいと、リバースチルトが発生するという不都合
を生じる。一方、7°より大きいと、着色現象が視認さ
れるという不都合が生じる。
【0168】この偏光配向工程を行うことにより、配向
膜6における薄膜構成分子の感光性基を選択的に光重合
させることができ、基板表面の薄膜構成分子同士が偏光
方向に平行な方向に架橋結合させることができる。
【0169】次に、対向基板2についても、従来公知の
種々の方法にて対向電極5を形成した後、さらに対向電
極5上に、前記配向膜形成工程および配向処理を繰り返
すことにより配向膜7を形成する。
【0170】続いて、基板1と対向基板2とを、膜形成
面を内側にして所定の間隔を保ちつつ位置合わせし、基
板の周縁を接着固定して空セルを作製する。さらに、こ
の空セル内に液晶を注入して液晶セルを作製し、該液晶
セルを一対の偏光板(図示しない)の間に挟むことによ
り、本発明のTNモードの液晶表示素子10を作製でき
る。
【0171】以上のように、本実施の形態に係る液晶表
示素子の製造方法によれば、光配向法による配向処理を
行うことにより、従来ラビング処理の際に行われていた
フォトリソグラフィ法によるフォトレジスト(保護膜)
の形成が不要となる。この結果、製造工程の簡略化が図
れると共に、フォトレジストの現像および剥離が不要と
なり、配向膜表面の劣化を防止することができる。さら
に、ラビング処理では問題となっていたダストの発生
も、光配向法においては、発生しないので、配向膜の汚
染も防止できる。
【0172】また、光配向法においては、偏光紫外線の
照射強度、偏光方向および照射方向を制御できることか
ら、液晶分子を所望の方向およびプレチルト角で配向規
制可能なように配向膜に液晶分子に対するアンカリング
エネルギーを付与できる。その上、ラビング処理と比較
しても配向処理の再現性が極めて高く、量産性にも優れ
ている。
【0173】さらに、感光性基を有するシラン系化合物
分子の集合群が基板面に吸着してなる配向膜を用いれ
ば、当該配向膜が超薄膜であることから、駆動電圧のロ
スや焼き付きの発生等を低減し、表示特性が改善された
液晶表示素子を製造することができる。
【0174】本発明で使用できるシラン系化合物として
は、例えば下記に列挙する化合物が挙げられる。 (1)SiYpCl3-p (2)CH3(CH2)rSiYqCl3-q (3)CH3(CH2)sO(CH2)tSiYqCl3-q (4)CH3(CH2)u−Si(CH3)2(CH2)vSiYq
3-q (5)CFCOO3(CH2wSiYqCl3-q 但し、pは0〜3の整数、qは0〜2の整数、rは1〜
25の整数、sは0〜12の整数、tは1〜20の整
数、uは0〜12の整数、vは1〜20の整数、wは1
〜25の整数を示す。また、Yは、水素、アルキル基、
アルコキシル基、含フッ素アルキル基または含フッ素ア
ルコキシル基の何れか1つを表す。
【0175】さらに、シラン系化合物としては、トリク
ロロシラン系化合物が使用できる。具体的には、以下に
示す(6)〜(14)の化合物が使用できる。 (6)CF3(CH2) 9SiCl3 (7)CH3(CH2) 9OSiCl3 (8)CH3(CH2) 9Si(CH2) 2(CH2) 10SiC
3 (9)CH3COO(CH2) 15SiCl3 (10)CF3(CF2) 7−(CH2) 2−SiCl3 (11)CF3(CF2) 7−C64−SiCl3 (12)C65−CH=CH−CO−O−(CH2) 6
O−SiCl3 (13)C65−CO−CH=CH−C64O−(C
2) 6−O−SiCl3 (14)C65−CH=CH−CO−C64O−(C
2) 6−O−SiCl3
【0176】前記した化合物のうち、(12)に示す化
合物は感光性基としてシンナモイル基を有しており、
(13)および(14)に示す化合物は感光性基として
カルコニル基を有している。
【0177】さらに、前記クロロシラン系化合物の代わ
りに、クロロシリル基をイソシアネート基若しくはアル
コキシ基に置き換えたイソシアネート系化合物またはア
ルコキシ系化合物を使用することもできる。具体的に
は、前記(6)に示すクロロシランにおいて、クロロシ
リル基をイソシアネート基若しくはアルコキシ基に置換
した下記化合物(15)および(16)などが挙げられ
る。 (15)CH3(CH2) 9Si(OC25) 3 (16)CH3(CH2) 9Si(NCO) 3
【0178】前記イソシアネート系化合物またはアルコ
キシ系化合物を用いると、基板に接触させて化学吸着さ
せた場合、塩酸の生成を防止できる。このため、基板上
に設けられているTFTなどの損傷がなく、また作業性
に優れているというメリットもある。
【0179】また、シラン系化合物を溶解させる有機溶
媒としては、水を含まない炭化水素系溶媒、フッ化炭素
系溶媒、シリコーン系溶媒などが例示でき、石油系の溶
媒として使用可能なものとしては、例えば石油ナフサ、
ソルベントナフサ、石油エーテル、石油ベンジン、イソ
パラフィン、ノルマルパラフィン、デカリン、工業ガソ
リン灯油、リグロイン、ジメチルシリコーン、フェニル
シリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエステルシ
リコーンなどを挙げることができる。また、フッ化炭素
系溶媒には、フロン系溶媒や、フロリナート(商品名、
3M社製品)、アフルード(商品名、旭ガラス社製品)
などが使用できる。これらの溶媒は、単独で使用しても
よく、また相溶する溶媒であれば2種以上を混合して用
いても良い。特にシリコーンは、水分の存在が少なく、
吸湿しにくいと共に、クロロシラン系化合物と溶媒和し
てクロロシラン系化合物が水分と直接接触するのを防止
するように作用する。従って、クロロシラン系化合物と
シリコーンからなる溶液であると、下地層を接触させる
際に、雰囲気中の水分による悪影響を防止しつつ、下地
層に露出したOH基にクロロシラン系化合物を化学吸着
させることができる。
【0180】なお、基板上には、予め画素電極4または
対向電極5の他に、ITO膜若しくはAl膜からなる配
線若しくはTFT、SiO2膜若しくはSiNX膜からな
る保護膜が設けられている。また、対向基板2上には、
例えばアクリル系又はシリコーン系のポリマー膜からな
るカラーフィルターが設けられている。さらに、基板又
は対向基板のいずれか一方と一体化して設けられた、ア
クリル系またはシリコーン系のポリマー材料からなるス
ペーサが設けられている。前記各要素のうち、SiO2
膜若しくはSiNX膜表面には、吸着サイトであるOH
基の分布密度が高いため、シラン系化合物分子をより多
く吸着させることができる。これにより、配向特性に優
れた配向膜の成膜が可能となる。これに対して、ITO
膜若しくはAl膜からなる配線、電極、TFTなどは、
OH基の分布密度が小さい。さらに、カラーフィルター
やスペーサについては、OH基はほとんど存在しない。
そのため、これらの表面にもシラン系化合物を吸着さ
せ、良好な膜質の配向膜を形成する為には、吸着サイト
の数を増大させるべく、親水化処理を行う必要がある。
本発明においては、この親水化処理として、従来公知の
種々の方法を採用することができ、具体的には親水化し
たい領域にSiO2膜またはSiNX膜を成膜する方法
や、オゾン雰囲気下で紫外線照射を行うUV−O3処理
などが挙げられる。
【0181】また、前記洗浄工程において使用する洗浄
液としては、例えば水を含まない炭化水素系溶媒、フッ
化炭素系溶媒、シリコーン系溶媒などが例示でき、石油
系の溶媒として使用可能なものとしては、例えば石油ナ
フサ、ソルベントナフサ、石油エーテル、石油ベンジ
ン、イソパラフィン、ノルマルパラフィン、デカリン、
工業ガソリン灯油、リグロイン、ジメチルシリコーン、
フェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエ
ステルシリコーンなどを挙げることができる。前記フッ
化炭素系溶媒としては、フロン系溶媒や、フロリナート
(商品名、3M社製品)、アフルード(商品名、旭ガラ
ス社製品)などが使用できる。これらの溶媒は、単独で
使用してもよく、また相溶する溶媒であれば2種以上を
混合して用いても良い。
【0182】(実施の形態2)以下に、図4〜図8に基
いて、本実施の形態2を説明する。なお、前記実施の形
態1と共通する構成要件に関しては、説明を省略する。
【0183】本実施の形態2に係るインプレーンスイッ
チング配向モードの液晶表示素子は、電極上に、電界成
分に起因する液晶の動きを制御できる第1領域を形成す
ることにより、応答速度の改善を図るものである。そし
て、本発明では、前記第1領域は、電極上の液晶分子に
対するアンカリングエネルギーを、電極間の液晶分子に
対するアンカリングエネルギーよりも大きくすることで
形成される。以下に、図4を用いて本発明に係るインプ
レーンスイッチングモードの液晶表示素子について説明
する。図4は、前記IPSモードの液晶表示素子を概略
的に示す斜視図である。図5は、画素電極体および対向
電極体からなる電極対を概略的に示す平面図である。図
6は、液晶分子の配向状態を模式的に示す斜視図であ
る。
【0184】液晶表示素子110は、基板101と、こ
れに対向する対向基板102と、基板101および対向
基板102との間に設けられた液晶層103とを有す
る。基板101および対向基板102としては、例えば
ガラス基板等が例示される。
【0185】前記基板101の内側表面には、一対の電
極としての画素電極体104および対向電極体105が
設けられている。さらに、画素電極体104および対向
電極体105を有する基板上には、近傍の液晶分子を同
一方向に配向させる配向膜106が設けられている。そ
の一方、対向基板102の内側面には、近傍の液晶分子
を同一方向に配向させる配向膜107が設けられてい
る。
【0186】前記画素電極体104は、図5に示すよう
に、複数の画素電極部分104a…と連結電極部分10
4b…とを有し、各画素電極部分104a…は相互に平
行に配設されている。すなわち、画素電極体104は櫛
型電極となっている。また、前記対向電極体105も、
画素電極体104と同様の形状であり、複数の対向電極
部分105aと連結電極部分105bとを有し、かつ各
対向電極部分105aは、相互に平行に配置されてい
る。そして、これら画素電極体104および対向電極体
105は、画素電極部分104aと対向電極部分105
aとが相互に咬合した状態に交互配置されている。ま
た、前記画素電極体104および対向電極体105とし
ては、例えばITO(インジウム錫酸化物)等からなる
電極を使用できる。
【0187】前記配向膜106の構成成分および感光性
基に関しては、実施の形態1と同様である。また、配向
膜106は、図6に示すように、アンカリングエネルギ
ーが大きい領域106aと、アンカリングエネルギーが
小さい領域106bとからなる。アンカリングエネルギ
ーが大きい領域106aは、画素電極部分104aおよ
び対向電極部分105aの形成領域と整合するように設
けられている。また、アンカリングエネルギーが大きい
領域106aでは、薄膜構成分子が画素電極体104に
おける櫛歯状の画素電極部分104aの櫛歯方向(図6
に示す矢印Aで示す方向)に傾斜して配向しており、か
つ感光性基部も同一方向に重合している。これにより、
液晶分子に対する配向規制方向は、櫛歯方向に一致して
いる。その一方、アンカリングエネルギーが小さい領域
106bは画素電極体104および対向電極体105が
設けられていない非形成領域と整合するように設けられ
ている。また、アンカリングエネルギーが小さい領域1
06bにおける薄膜構成分子も、アンカリングエネルギ
ーが大きい領域106aにおける薄膜構成分子と同一方
向に傾斜・配向しており、かつ感光性基部も同一方向に
重合している。
【0188】前記液晶層103は、誘電率異方性が正の
液晶を含んで構成されており、配向膜106,107に
より配向方向が規制される結果、ホモジニアス配向構造
となっている。また、液晶層103は、画素電極体10
4および対向電極体105上に設けられた第1領域と、
画素電極部分104aと対向電極部分105aとの間に
設けられた第2領域とを含んで構成されている。
【0189】ここで、図7を参照して、液晶層103に
電界を印加した際の液晶分子118、119の動作につ
いて説明する。同図は、第1領域および第2領域におけ
る液晶分子の配向状態を模式的に示した断面図であっ
て、図7(a)は電圧無印加時の場合を表し、図7
(b)は電圧印加時の場合を表す。電圧無印加時では、
図7(a)に示すように、画素電極部分104aおよび
対向電極部分105a間に横電界は発生せず、液晶分子
118、119は基板101および対向電極部分105
aに平行な面内において同一方向に揃って配向してい
る。
【0190】電圧印加時では、第2領域に於いて、基板
101に対しほぼ平行な電界(横電界)が発生する(図
7(b))。この為、誘電率異方性が正の液晶分子11
9は、その長軸を電界方向に揃えようとして面内で転回
する。その一方、画素電極部分104aおよび対向電極
部分105a上の第1領域では、基板101に対して垂
直方向または斜め方向を含む極角方向の電界成分が主に
発生している。さらに、電極部分の端部に近づくに連れ
て電気力線は屈曲し、電極部分の最端部では基板101
に対して略平行となる方位角方向の電界成分も発生して
いる。
【0191】ここで、方位角方向の電界成分の強さにつ
いて、第1領域と、第2領域とを比較すると、図7
(b)から分かる様に、第1領域では電気力線が密とな
っており、電界が強いことは明らかである。この為、電
極に電圧が印加されると、第1領域上の液晶分子は第2
領域上の液晶分子よりも、電界の影響を強く受ける。し
かし、第1領域には、方位角方向のアンカリングエネル
ギーの大きい領域106aが設けられているので、第1
領域の液晶分子は第2領域の液晶分子よりも強く束縛さ
れている。この為、両者に於いて配向状態に違いが生じ
るのを防止し、その結果第1領域と第2領域とで屈折率
をほぼ同一にさせることができる。これにより、色調の
均一化が図れる。
【0192】また、画素電極部分104aおよび対向電
極部分105a上では極角方向の電界も生じる為、例え
ば第1領域の液晶分子は斜め方向等にも再配向する。し
かし、第1領域では極角方向のアンカリングエネルギー
の大きい領域106aが設けられているので、第1領域
の液晶分子は配向膜106に強く束縛され、斜め方向等
に再配向するのを防止する。この結果、第1領域と第2
領域とで屈折率をほぼ同一させることができ、色調の均
一化が図れる。
【0193】次に、本発明に係る液晶表示素子110の
製造方法について説明する。但し、実施の形態1と異な
る部分についてのみ説明する。
【0194】具体的には、以下の方法により、光配向を
行う。図8は、光配向による配向処理を説明するための
斜視図である。同図に示すように、まず、電極のみをマ
スク(図示しない)して、例えば300nm〜400n
m付近に波長分布を有する偏光紫外線121(第2の偏
光)を照射する。偏光紫外線121の照射方向は、液切
り方向123側における基板とのなす角がθ1となる方
向とする。
【0195】次いで、非形成領域のみをマスクして、形
成領域に偏光紫外線22(第1の偏光)を照射する。こ
のときの偏光紫外線22の照射方向は、液切り方向23
側において基板とのなす角がθ2となる方向とする。
【0196】ここで、偏光紫外線21、22の偏光方向
は、前記液切り方向における液切り方向23(すなわ
ち、薄膜構成分子の傾斜方向)と一致させている。ま
た、偏光紫外線21、22の照射強度は、例えば50〜
3000mJ/cm2(波長:365nm)の範囲内で
あればよい。但し、液晶分子に対するアンカリングエネ
ルギーの大きい領域に照射する偏光紫外線22の照射強
度は、液晶分子に対するアンカリングエネルギーの小さ
い領域に照射する偏光紫外線21の照射強度より大きく
なるように設定する必要がある。さらに、偏光紫外線2
1、22の照射方向は、液切り方向側から、基板とのな
す角θ1およびθ2が0°〜90°の範囲内、より好まし
くは45°〜90°の範囲内となるように設定する。本
発明では、偏光紫外線21、22の照射方向は、原則と
して、θ1=θ2であればよい。例えば、図8において
は、θ1=θ2=90°の場合について図示している。さ
らに、プレチルト角を変えたい場合には、θ1≠θ2にな
るように照射すればよい。但し、本実施の形態において
は、偏光紫外線21におけるθ1は、偏光紫外線22に
おけるθ2よりも大きくなるように設定する必要があ
る。
【0197】θ1=θ2の場合は、電極形成領域と非形成
領域とは、同一のプレチルト角を有する。すなわち、図
8において、α=βになる。この場合、プレチルト角
は、1°以上、5°以下の範囲であることが好ましい。
1°より小さいと、電極上の電界成分により、液晶分子
の配列を適切に転移させることができない。一方、5°
より大きいと、着色現象が視認されるという不都合が生
じる。
【0198】このように偏光配向処理を行うことによ
り、配向膜106における薄膜構成分子の感光性基を選
択的に光重合させることができ、基板表面の薄膜構成成
分同士が偏光方向に平行な方向に架橋結合させることが
できる。しかも、電極上では、液晶分子に対するアンカ
リングエネルギーが大きい領域106aを形成できる一
方、電極間の領域では、液晶分子に対するアンカリング
エネルギーが小さい領域106bを形成できる。さら
に、偏光紫外線の照射強度を適宜設定することにより、
また偏光紫外線の照射方向を適宜決定することにより、
所定の液晶分子に対するアンカリングエネルギーで液晶
分子を配向規制できる配向膜が再現性良く得られる。
【0199】次に、画素電極体および対向電極体を有す
る基板と別途用意した対向基板2を、膜形成面を内側に
して所定の間隔を保ちつつ位置合わせし、基板の周縁を
接着固定して空セルを作製する。さらに、この空セル内
に液晶を注入して液晶セルを作製し、該液晶セルを一対
の偏光板の間に挟むことにより、本発明のIPSモード
の液晶表示素子を作製できる。
【0200】[その他の事項]前記した本発明に係る一対
の電極については、寸法、材質、形状、その相対配置等
は、とくに限定的な記載がない限りは、この発明の範囲
をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なる例
示に過ぎない。
【0201】例えば、一対の電極として櫛型電極のもの
を例示したが、前記電極は交互に異なる方向に屈曲した
形状でもよい。ただし、画素電極体の画素電極部分と、
対向電極体の対向電極部分とが相互に平行な位置関係に
ある必要がある。また、一対の電極のうち、一方の電極
の厚みと他方の電極の厚みとが、液晶層の厚みの範囲内
で相互に異なる場合にも適用できる。
【0202】また、前記においては、対向基板102の
内側面にも配向膜107を設ける態様を示したが、本発
明は基板101上にのみ配向膜106が設けられた態様
であっても良い。
【0203】また、前記実施の形態においては、本発明
に係る配向膜が、液晶分子に対するアンカリングエネル
ギーが大きい領域を有する一方、液晶分子に対するアン
カリングエネルギーが小さい領域を有する態様について
述べた。しかし、本発明はこの態様に何ら限定されるも
のではなく、例えば、前記電極に近づくほど、連続的に
または段階的に液晶分子に対するアンカリングエネルギ
ーを大きくなるようにして液晶分子を配向規制する態様
であっても良い。これにより、第1領域と第2領域との
境界部分で液晶分子の配列を一層連続的なものにするこ
とができ、電圧印加時にも、液晶分子の配列の転移を容
易にすることができ、応答性をさらに向上させることが
できる。
【0204】(実施の形態3)以下に、図9および図1
0に基いて、本実施の形態3を説明する。なお、前記実
施の形態1と共通する構成要件に関しては、説明を省略
する。
【0205】本実施の形態3に係るOCBモードの液晶
表示素子は、感光性基を備えた薄膜構成分子からなる配
向膜を用いて、当該配向膜に、液晶分子に対するアンカ
リングエネルギーが異なる少なくとも2つの領域を形成
し、これにより、液晶層に転移核の発生を容易にするも
のである。これにより、スプレイ配向からベンド配向へ
の転移を容易にし、スプレイ−ベンド転移電圧の低減を
図るものである。
【0206】以下に、図9を用いて本発明のOCBモー
ドの液晶表示素子について説明する。図9は、1画素に
おける液晶分子の配向状態を模式的に示す斜視図であ
る。同図に示す配向膜201は、画素領域の中心に所定
のアンカリングエネルギーを有する第1の領域201a
と、該第1の領域201aの周囲に、第1の領域201
aよりもアンカリングエネルギーの大きい第2の領域2
01bとを有している。
【0207】この第1の領域201aでは液晶分子の束
縛が弱い為、電圧が印加されると、最初にベンド配向に
転移を開始する。つまり、第1の領域201aは、液晶
層に転移核を発生させることができる。さらに、液晶層
に発生した転移核を中心としてベンド配向状態の領域が
拡大していく為、液晶層全体がスプレイ配向からベンド
配向へ極めて容易に転移させることができる。
【0208】また、前記第1の領域201aは、第2の
領域201bよりもアンカリングエネルギーの大きい領
域であってもよい。この場合、電圧の印加状態から無印
加状態にする際に、第1の領域201aの液晶分子がベ
ンド配向からスプレイ配向への転移を早くすることがで
き、やはり転移核を発生させることとなる。
【0209】前記第1の領域201aは、例えば10〜
1000μm2程度の面積を有していれば良い。面積が
10μm2より小さい場合、液晶層に転移核を発生させ
ることができないという不都合を生じる。その一方、1
000μm2より大きい場合には着色するという不都合
を生じる。また、前記第1の領域201aと前記第2の
領域201bとはプレチルト角が同じなので、前記第1
の領域201aは、画素領域のいずれの場所においても
設けることができる。なお、転移核を発生させる第1の
領域201aは正方形状のものに限定されるわけではな
く、直径が5μm以上の円形状またはその円内に含まれ
かつ長軸が5μm以上の楕円形状であってもよい。さら
に、一辺が5μm以上の長方形状、正方形状、ひし形
状、平行四辺形状などであってもよい。
【0210】また、前記配向膜は、基板面に化学吸着し
てなる吸着分子(薄膜構成分子)の集合群からなり、吸
着分子における感光性基部が所定の方向に重合結合した
構造の単分子膜状の化学吸着膜である。さらに、配向膜
201を構成する薄膜構成分子の集合群は、図10に示
す矢印Aで示す方向に傾斜して配向しており、かつ感光
性基部も同一方向に重合した構造の薄膜である。よっ
て、配向膜201は、マルチドメイン型で使用される配
向膜と異なり、第1の領域201aおよび第2の領域2
01b共に、液晶分子に対する配向規制方向が同一方向
である。また、第1の領域201aにおける薄膜構成分
子の傾斜角(薄膜構成分子の長軸方向と基板面のなす
角)は、第2の領域201bにおける薄膜構成分子の傾
斜角と同じ角度で吸着している。
【0211】前記配向膜201の構成成分および感光性
基に関しては、実施の形態1と同様である。
【0212】なお、図9においては、第1領域201a
の平面形状が矩形状の場合について示しているが、本発
明はこれに何ら限定されるものではなく、例えば円形状
のものであっても良い。また、第1領域201aは、画
素等を表示させる表示部全体で少なくとも1つ設けられ
ていれば良い。
【0213】具体的には、以下の方法により、光配向を
行う。図10は、光配向による配向処理を説明するため
の斜視図である。同図に示すように、まず、第1の領域
201aを形成したい領域202aのみをマスク(図示
しない)して、例えば300nm〜400nm付近に波
長分布を有する偏光紫外線203を照射する。偏光紫外
線203の照射方向は、液切り方向205側における基
板とのなす角がθ1となる方向とする。
【0214】次いで、第2の領域201bを形成したい
領域のみをマスクして偏光紫外線204を領域202a
に照射する。偏光紫外線204の照射方向は、液切り方
向205側における基板とのなす角がθ2となる方向と
する。
【0215】ここで、前記偏光紫外線の偏光面は、前記
液切り工程における液切り方向(すなわち、薄膜構成部
分)と一致させている。また、偏光紫外線の照射強度
は、例えば50〜3000mJ/cm2(波長:365
nm)の範囲内であればよい。但し、液晶分子に対する
アンカリングエネルギーの制御を偏光紫外線の照射強度
により行う場合には、前記先の偏光紫外線の照射強度
は、前記後の偏光紫外線の照射強度とは異なるように設
定する必要がある。さらに、偏光紫外線の照射方向は、
液切り方向側から、基板とのなす角θ1およびθ2が0°
〜90°の範囲内、より好ましくは45°〜90°の範
囲内となるように設定する。但し、液晶分子に対するア
ンカリングエネルギーの制御を偏光紫外線の照射強度に
より行う場合は、偏光紫外線におけるθ1は、偏光紫外
線におけるθ2と同じになるように設定する必要があ
る。例えば、図10においては、θ1=45°、θ2=4
5°の場合について図示している。
【0216】θ1=θ2の場合、画素領域の周縁部と内部
とは、同一のプレチルト角を有する。すなわち、図10
において、α=βになる。この場合、プレチルト角は、
5°以上、15°以下の範囲(適切な範囲をご教示くだ
さい)であることが好ましい。5°より小さいと、液晶
分子の転移が起こらないという不都合を生じる。一方、
15°より大きいと、着色現象が視認されるという不都
合が生じる。
【0217】このように偏光配向処理を行うことによ
り、配向膜における薄膜構成成分分子の感光性基を選択
的に光重合させることができ、基板表面の薄膜構成成分
同士が偏光方向に平行な方向に架橋結合させることがで
きる。しかも、領域202aでは、所定のアンカリング
エネルギーを有する第1の領域201aを形成できる一
方、領域202bでは、当該第1の領域201aとは異
なるアンカリングエネルギーを有する第2の領域201
bを形成できる。さらに、偏光紫外線の照射強度を適宜
設定することにより、液晶分子に対するアンカリングエ
ネルギーを規制できる配向膜が再現性良く得られる。
【0218】(実施の形態4)以下に、図11〜図14
に基いて、本実施の形態4を説明する。なお、前記実施
の形態1と共通する構成要件に関しては、説明を省略す
る。
【0219】本実施の形態4に係る液晶表示素子は、前
記実施の形態1に係る液晶表示素子と比較して、ラビン
グ処理をされた後に、光配向処理された配向膜を備えて
いる点が異なる。より詳しくは、以下の通りである。
尚、前記実施の形態1の液晶表示素子と同様の機能を有
する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説
明を省略する。
【0220】図11は、1画素に於ける液晶分子の配向
状態を模式的に示す斜視図である。配向膜301は、基
本的には前記実施の形態1に於いて説明したのと同様の
構成からなり、かつ同様の機能を有している。すなわ
ち、配向膜301は、基板表面に化学吸着した吸着分子
(薄膜構成分子)の集合群からなる単分子膜状の化学吸
着膜であり、当該薄膜構成分子は、同図に示す矢印Aで
示す方向に傾斜して配向すると共に、整然と配列してお
り、配向均一性に優れている。前記薄膜構成分子の少な
くとも一部は感光性基を有しており、この感光性基部同
士が矢印Aで示す方向に重合・固定した膜構造となって
いる。
【0221】さらに、前記実施の形態1と同様に、配向
膜301に於ける各画素領域はそれぞれ、近傍の液晶分
子302…を強く配向規制する極角アンカリングエネル
ギーの大きい領域301aと、液晶分子303…を前記
領域301aよりも比較的弱く配向規制する極角アンカ
リングエネルギーの小さい領域301bとを有している
(図11参照)。極角アンカリングエネルギーの大きい
領域301aは、画素領域の周縁部に対応して矩形枠状
に設けられている。又、前記極角アンカリングエネルギ
ーの小さい領域301bは、画素領域の内部に対応して
設けられている。
【0222】前記構成の配向膜301は、以下に述べる
方法により配向処理される。まず、基板上に形成された
配向膜301の全面に、ラビング方向304にラビング
処理を施す。このときのラビング条件は、後に行う光配
向処理を考慮して、従来のラビング処理よりも条件を緩
和して行うことができる。
【0223】次いで、配向膜301に対して光配向処理
を施すことにより、当該配向膜301の画素領域毎に、
アンカリングエネルギーの大きい領域301aと小さい
領域301bとを形成する。ここで、アンカリングエネ
ルギーの異なる領域を複数形成する為に、各領域毎に光
の照射条件を異ならせて光照射をする必要がある。
【0224】例えば、配向膜301が光架橋型の感光性
基を備えた薄膜構成分子を含み構成される場合であっ
て、照射する光として偏光を使用する場合には、次の様
にして光配向処理を行う。
【0225】まず、画素領域の内部をマスク(図示しな
い)して、例えば300nm〜400nm付近に波長分
布を有する偏光紫外線305を、画素領域の周縁部に照
射する。偏光紫外線305の照射方向は、ラビング方向
304側に於ける基板1とのなす角(照射角度)がθ3
となる方向とする。また、偏光紫外線305の偏光方向
は、ラビング方向304と同一面内となる様に設定す
る。
【0226】次いで、画素領域の内部をマスクして、前
記偏光紫外線305と照射方向および偏光方向が同一
で、かつ照射強度の大きい偏光紫外線306を、画素領
域の周縁部に照射する。このとき、領域301a・30
1bに於ける薄膜構成分子の配向状態を模式的に示した
図12から分かる様に、薄膜構成分子307の集合群は
ラビング方向304に揃う様にして傾斜している。さら
に、感光性基部308同士もラビング方向304に一致
する方向に架橋している。しかし、画素領域の内部と周
縁部とでは照射強度が相違する為、架橋度は内部よりも
周縁部の方でより進行している。この結果、内部よりも
周縁部のアンカリングエネルギーを大きくすることがで
きる。
【0227】なお、本実施の形態に於いては、主に極角
方向のアンカリングエネルギーを制御するものである
為、照射角度が0度を越えて、90度の範囲内であるこ
とが好ましい。また、前記した方法では、画素領域の内
部と周縁部との双方に偏光を照射する場合を例にして述
べたが、本発明はこれに限定されるものではない。すな
わち、感光性基が光架橋型の場合には、画素領域の周縁
部にのみ偏光を照射し、内部はラビング処理されたまま
の状態にしておいてもよい。その一方、感光性基が光分
解型の場合には、画素領域の内部にのみ偏光を照射し、
周縁部はラビング処理されたままの状態にしておいても
よい。なお、参考までに述べると、感光性基が光分解型
の場合、配向膜は感光性基を備えたポリマーを含むポリ
マー膜であることを前提としている。
【0228】また、画素領域の内部と周縁部とで照射強
度を均一にすると共に、偏光の偏光方向とラビング方向
304とのなす角を異ならせることにより、アンカリン
グエネルギーの大きい領域301bと当該領域301b
よりもアンカリングエネルギーの小さい領域301cを
形成することができる。すなわち画素領域の周縁部で
は、図13に示すように、ラビング方向304と偏光方
向とが同一面内となる様にして、偏光を照射する。この
とき、周縁部に於ける薄膜構成分子の集合群は、前述し
た領域301aに於ける薄膜構成分子の配向状態と同様
であり、ラビング方向304に一致するように傾斜し、
かつ感光性基部同士もラビング方向と一致する方向に架
橋している(図12参照)。
【0229】その一方、画素領域の内部では、ラビング
方向304と偏光方向とが直角となる様にして偏光を照
射する。よって、図14に示すように、内部に於ける薄
膜構成分子307の集合群は、ラビング処理によりラビ
ング方向304に一致する様に傾斜しており、感光性基
部308同士は、ラビング方向304に直角となる方向
に架橋している。この為、画素領域の周縁部よりもアン
カリングエネルギーが小さくなっている。
【0230】以上の様に、本実施の形態に係るTNモー
ドの液晶表示素子およびその製造方法に於いては、配向
膜にラビング処理をした後光配向処理を施しているの
で、前記実施の形態1の効果に加えて、さらに光配向処
理のみを行う場合よりも当該配向膜に確実に配向能を付
与することができる。よって、前記方法により作製でき
る液晶表示素子は、配向制御性にも優れた配向膜を具備
するので、一層表示品位に優れたものにできる。また、
ラビング処理と光配向処理とを組み合わせているので、
押し込み量やラビング速度などのラビング条件を緩和し
てラビングしても配向膜に十分に配向能を付与すること
ができる。この結果、ダストの発生や、膜表面でのラビ
ング筋の発生を極力抑えることができる。
【0231】(実施の形態5)以下に、図15および図
16に基いて、本実施の形態5を説明する。なお、前記
実施の形態2と共通する構成要件に関しては、説明を省
略する。
【0232】本実施の形態5に係る液晶表示素子は、前
記実施の形態2に係る液晶表示素子と比較して、ラビン
グ処理をされた後に、光配向処理された配向膜を備えて
いる点が異なる。より詳しくは、以下の通りである。
尚、前記実施の形態2の液晶表示素子と同様の機能を有
する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説
明を省略する。
【0233】図15は、1画素に於ける液晶分子の配向
状態を模式的に示す斜視図である。配向膜401は、基
本的には前記実施の形態2に於いて説明したのと同様の
構成からなり、かつ同様の機能を有している。すなわ
ち、配向膜401は、基板表面に化学吸着した吸着分子
(薄膜構成分子)の集合群からなる単分子膜状の化学吸
着膜であり、当該薄膜構成分子は、同図に示す矢印Aで
示す方向に傾斜して配向すると共に、整然と配列してお
り、配向均一性に優れている。前記薄膜構成分子の少な
くとも一部は感光性基を有しており、この感光性基部同
士が矢印Aで示す方向に重合・固定した膜構造となって
いる。
【0234】さらに、前記実施の形態2と同様に、配向
膜401に於ける各画素領域はそれぞれ、近傍の液晶分
子402…を強く配向規制する極角アンカリングエネル
ギーの大きい領域401aと、液晶分子403…を前記
領域401aよりも比較的弱く配向規制するアンカリン
グエネルギーの小さい領域401bとを有している(図
15参照)。前記アンカリングエネルギーの大きい領域
401aは、電極対上に設けられている。又、アンカリ
ングエネルギーの小さい領域401bは、画素電極部分
と対向電極部分との間の領域上に設けられている。
【0235】前記構成の配向膜401は、以下に述べる
方法により配向処理される。まず、基板上に形成された
配向膜401の全面に、ラビング方向304にラビング
処理を施す。このときのラビング条件は、後に行う光配
向処理を考慮することにより、従来のラビング処理より
も条件を緩和して行うことができる。
【0236】次いで、配向膜401に対して光配向処理
を施すことにより、当該配向膜401の画素領域毎に、
アンカリングエネルギーの大きい領域401aと小さい
領域401bとを形成する。ここで、アンカリングエネ
ルギーの異なる領域を複数形成する為に、各領域毎に光
の照射条件を異ならせて光照射をする必要がある。
【0237】例えば、配向膜401が光架橋型の感光性
基を備えた薄膜構成分子を含み構成される場合であっ
て、照射する光として偏光を使用する場合には、次の様
にして光配向処理を行う。
【0238】先ず電極対が形成されている形成領域をマ
スク(図示しない)して、例えば300nm〜400n
m付近に波長分布を有する偏光紫外線404を電極対の
非形成領域に照射する。偏光紫外線404の照射方向
は、ラビング方向304側に於ける基板とのなす角がθ
3となる方向とする。また、偏光紫外線404の偏光方
向は、ラビング方向304と同一面内となる様に設定す
る。
【0239】次いで、電極対の非形成領域をマスクし
て、前記偏光紫外線404と照射方向および偏光方向が
同一で、かつ照射強度の大きい偏光紫外線405を、電
極対の形成領域に照射する。このとき、形成領域および
非形成領域では、それぞれ薄膜構成分子の集合群はラビ
ング方向304に一致するように傾斜していると共に、
感光性基部同士もラビング方向304に一致する方向に
架橋している。しかし、形成領域に照射された偏光の照
射強度は、非形成領域に照射された偏光の照射強度より
も大きい為、架橋度は非形成領域よりも形成領域の方で
より進行している。この結果、非形成領域よりも形成領
域のアンカリングエネルギーを大きくすることができ
る。
【0240】なお、本実施の形態に於いては、極角方向
および方位角方向のアンカリングエネルギーを制御する
ものである為、照射角度が20度〜90度の範囲内であ
ることが好ましい。20度以下であると、高プレチルト
角の領域が発生するという不都合を生じるからである。
また、前記した方法では、配向膜401に於ける電極対
の形成領域と非形成領域との双方に偏光を照射する場合
を例にして述べたが、本発明はこれに限定されるもので
はない。すなわち、形成領域にのみ偏光を照射し、非形
成領域はラビング処理されたままの状態にしておいても
よい。
【0241】また、形成領域と非形成領域とで、照射強
度を均一にすると共に、偏光の偏光方向とラビング方向
304とのなす角を異ならせることによっても、両者の
アンカリングエネルギーを相違させることもできる。す
なわち形成領域では、図16に示すように、ラビング方
向304と偏光方向とが同一面内となる様にして偏光を
照射する。よって、形成領域に於ける薄膜構成分子の集
合群は、ラビング処理によりラビング方向304に一致
するように傾斜させられており、さらに感光性基部同士
もラビング方向と一致する方向に架橋している(図12
参照)。
【0242】その一方、非形成領域では、ラビング方向
304と偏光方向とが直角となる様にして偏光を照射す
ることにより、領域401aよりもアンカリングエネル
ギーの小さい領域401cが形成される。当該領域40
1cでは、薄膜構成分子の集合群は、ラビング処理によ
りラビング方向304に一致するように傾斜させられて
いるが、感光性基部同士は、ラビング方向に直角となる
方向に架橋している。この為、形成領域よりもアンカリ
ングエネルギーが小さくなっている(図14参照)。
【0243】以上の様に、本実施の形態に係るIPSモ
ードの液晶表示素子およびその製造方法に於いては、配
向膜にラビング処理をした後光配向処理を施しているの
で、前記実施の形態2の効果に加えて、さらに光配向処
理のみを行う場合よりも当該配向膜に確実に配向能を付
与することができる。よって、前記方法により作製でき
る液晶表示素子は、配向制御性にも優れた配向膜を具備
するので、一層表示品位に優れたものにできる。また、
ラビング処理と光配向処理とを組み合わせているので、
押し込み量やラビング速度などのラビング条件を緩和し
てラビングしても配向膜に十分に配向能を付与すること
ができる。この結果、ダストの発生や、膜表面でのラビ
ング筋の発生を極力抑えることができる。(実施の形態
6)以下に、図17〜図18に基いて、本実施の形態6
を説明する。なお、前記実施の形態4と共通する構成要
件に関しては、説明を省略する。
【0244】本実施の形態6に係る液晶表示素子は、前
記実施の形態3に係る液晶表示素子と比較して、ラビン
グ処理をされた後に、光配向処理された配向膜を備えて
いる点が異なる。より詳しくは、以下の通りである。
尚、前記実施の形態2の液晶表示素子と同様の機能を有
する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説
明を省略する。
【0245】図17は、1画素に於ける液晶分子の配向
状態を模式的に示す斜視図である。配向膜501は、基
本的には前記実施の形態2に於いて説明したのと同様の
構成からなり、かつ同様の機能を有している。すなわ
ち、配向膜501は、基板表面に化学吸着した吸着分子
(薄膜構成分子)の集合群からなる単分子膜状の化学吸
着膜であり、当該薄膜構成分子は、同図に示す矢印Aで
示す方向に傾斜して配向すると共に、整然と配列してお
り、配向均一性に優れている。前記薄膜構成分子の少な
くとも一部は感光性基を有しており、この感光性基部同
士が矢印Aで示す方向に重合・固定した膜構造となって
いる。
【0246】さらに、前記実施の形態3と同様に、配向
膜501はそれぞれ、近傍の液晶分子502…を強く配
向規制する極角アンカリングエネルギーの大きい領域5
01aと、液晶分子503…を前記領域501aよりも
比較的弱く配向規制するアンカリングエネルギーの小さ
い領域501bとを有している。但し、転移核を発生さ
せることが可能な領域としては、前記実施の形態3と同
様に、周囲よりもアンカリングエネルギーの小さい領域
であってもよい。
【0247】前記構成の配向膜401は、以下に述べる
方法により配向処理される。まず、基板上に形成された
配向膜501の全面に、ラビング方向304にラビング
処理を施す。このときのラビング条件は、後に行う光配
向処理を考慮することにより、従来のラビング処理より
も条件を緩和して行うことができる。
【0248】次いで、配向膜501に対して光配向処理
を施すことにより、アンカリングエネルギーの大きい第
1の領域501aと小さい第2の領域501bとを形成
する。ここで、アンカリングエネルギーの異なる領域を
複数形成する為に、各領域毎に光の照射条件を異ならせ
て光照射をする必要がある。
【0249】例えば、配向膜501が光架橋型の感光性
基を備えた薄膜構成分子を含み構成される単分子膜の場
合であって、照射する光として偏光を使用する場合に
は、次の様にして光配向処理を行う。
【0250】先ず、第1の領域を形成したい領域をマス
ク(図示しない)して、例えば300nm〜400nm
付近に波長分布を有する偏光紫外線504を配向膜50
1に照射する。偏光紫外線504の照射方向は、ラビン
グ方向304側に於ける基板とのなす角がθ3となる方
向とする。また、偏光紫外線504の偏光方向は、ラビ
ング方向304と同一面内となる様に設定する。
【0251】次いで、第2の領域を形成したい領域をマ
スクして、前記偏光紫外線404と照射方向および偏光
方向が同一で、かつ照射強度の大きい偏光紫外線405
を、配向膜501に照射する。このとき、第1の領域お
よび第2の領域に於ける薄膜構成分子の集合群は、ラビ
ング方向304に一致するように傾斜していると共に、
感光性基部同士もラビング方向304に一致する方向に
架橋している。しかし、第1の領域に照射された偏光の
照射強度は、第2の領域に照射された偏光の照射強度よ
りも大きい為、架橋度は第2の領域よりも第1の領域の
方が大きい。この結果、第2の領域よりも第1の領域の
アンカリングエネルギーを大きくすることができる。
【0252】なお、本実施の形態に於いては、極角方向
および方位角方向のアンカリングエネルギーを制御する
ものである為、照射角度が0度を越えて、70度以下の
範囲内であることが好ましい。70度以上であると、低
プレチルト角の領域が発生するという不都合を生じるか
らである。また、前記した方法では、第1の領域と第2
の領域との双方に偏光を照射する場合を例にして述べた
が、本発明はこれに限定されるものではない。すなわ
ち、第1の領域にのみ偏光を照射し、第2の領域はラビ
ング処理されたままの状態にしておいてもよい。
【0253】また、第1の領域と第2の領域とで、照射
強度を均一にすると共に、偏光の偏光方向とラビング方
向304とのなす角を異ならせることにより、両者のア
ンカリングエネルギーを相違させることもできる。すな
わち第1の領域では、図18に示すように、ラビング方
向304と偏光方向とが同一面内となる様にして偏光を
照射する。よって、第1の領域に於ける薄膜構成分子の
集合群は、ラビング処理によりラビング方向304に一
致するように傾斜させられており、さらに感光性基部同
士もラビング方向と一致する方向に架橋している(図1
2参照)。
【0254】その一方、第2の成領域では、ラビング方
向304と偏光方向とが直角となる様にして偏光を照射
することにより、領域501aよりもアンカリングエネ
ルギーの小さい領域501cが形成される。当該領域5
01cでは、薄膜構成分子の集合群は、ラビング処理に
よりラビング方向304に一致するように傾斜させられ
ているが、感光性基部同士は、ラビング方向に直角とな
る方向に架橋している。この為、第1の領域よりもアン
カリングエネルギーが小さくなっている(図14参
照)。
【0255】以上の様に、本実施の形態に係るOCBモ
ードの液晶表示素子およびその製造方法に於いては、配
向膜にラビング処理をした後光配向処理を施しているの
で、前記実施の形態3の効果に加えて、さらに光配向処
理のみを行う場合よりも当該配向膜に確実に配向能を付
与することができる。よって、前記方法により作製でき
る液晶表示素子は、配向制御性にも優れた配向膜を具備
するので、一層表示品位に優れたものにできる。また、
ラビング処理と光配向処理とを組み合わせているので、
押し込み量やラビング速度などのラビング条件を緩和し
てラビングしても配向膜に十分に配向能を付与すること
ができる。この結果、ダストの発生や、膜表面でのラビ
ング筋の発生を極力抑えることができる。
【0256】
【実施例】以下に、本発明の好適な実施例を例示的に詳
しく説明する。
【0257】(実施例1)図19は、本実施例に係る液
晶表示素子の主要な製造工程を概略的に示した説明図で
ある。
【0258】最初に、配向膜形成のため、配向膜作製用
の溶液を調整した。すなわち、乾燥雰囲気中で、ヘキサ
メチルジシロキサンに、C65−CH=CH−CO−O
−(CH2) 6−O−SiCl3を混合溶解し、10-3mo
l/Lの溶液とした。
【0259】次に、図19(a)に示すように、画素電極
が予め形成されているTNモード用の基板を用意して、
乾燥雰囲気中(相対湿度5%以下)で、この基板表面に
前記溶液を塗布した。塗布する際には印刷機を用いた。
塗布膜の膜厚は約1μmとなるようにした。さらに塗布
膜に含まれるヘキサメチルジシロキサンを蒸発させた
後、基板を所定時間焼成させ、配向膜を形成した(図1
9(b)参照)。
【0260】続いて配向膜が形成された基板を非水系溶
媒であるクロロホルム中に浸漬して洗浄した(洗浄工
程、図19(c)参照)。さらに、基板を所定の方向に
立てた状態でクロロホルムから引き上げてクロロホルム
を液切りした(液切り配向工程、図19(d)参照)。
これにより、配向膜を構成する分子を、引き上げ方向と
は反対の液切り方向に傾斜させて配向させることができ
た。
【0261】この液切り配向工程の後、フォトマスクに
よるマスキング法を用いて偏光紫外線を照射した。すな
わち、画素領域(80μm×240μm)を、内部領域
(50μm×210μm)と矩形枠状領域(周縁部)と
に区画して、該矩形枠状領域をマスクして偏光紫外線を
照射した。このとき、紫外線の偏光方向は、液切り方向
と一致させると共に、照射方向は液切り方向から基板面
に対して45°となる方向とした。照射強度は400m
J/cm2とした。
【0262】さらに、前記フォトマスクとは異なるフォ
トマスクを用い、内部領域をマスクして、再び偏光紫外
線を照射した。紫外線の偏光方向を液切り方向と一致さ
せたが、照射方向は液切り方向から基板面に対して45
°となる方向とした。照射強度は800mJ/cm2
した。
【0263】一方、対向基板についても前記各工程を順
次行うことにより、液晶分子に対するアンカリングエネ
ルギーが大きい領域および液晶分子に対するアンカリン
グエネルギーが小さい領域を有する配向膜を作製した。
【0264】次に、基板上にスペーサを散布しておき、
かつ該基板の縁部に、塗布形状が枠状となるようにシー
ル材を塗布した。続いて、基板と対向基板とを貼り合わ
せた。このとき、基板上に設けられた配向膜の配向処理
方向と、対向基板上に設けられた配向膜の配向処理方向
とのなす角が90°になるように位置合わせをしておい
た。
【0265】次いで、基板および対向基板間に、液晶材
料を注入して本発明液晶表示素子Aを作製した。
【0266】(比較例1)本比較例1では、基板に偏光
紫外線を照射する際に、紫外線の偏光方向は、液切り方
向と一致し、かつ照射方向が液切り方向から基板面に対
して45°となる方向からフォトマスクを介さずに、照
射強度を400mJ/cm2として照射した以外は、実
施例1と同様にして、比較用液晶表示素子Bを作製し
た。
【0267】(比較例2)本比較例2では、基板に偏光
紫外線を照射する際に、紫外線の偏光方向は、液切り方
向と一致し、かつ照射方向が液切り方向から基板面に対
して45°となる方向からフォトマスクを介さずに、照
射強度を800mJ/cm2として照射した以外は、実
施例1と同様にして、比較用液晶表示素子Cを作製し
た。
【0268】[膜製作条件と表示特性]前記本発明液晶表
示素子Aと比較用液晶表示素子B、Cについて、それぞ
れ極角アンカリングエネルギーおよびプレチルト角を測
定すると共に、偏光顕微鏡を用いて駆動時の液晶の配向
欠陥および色調を観察した。それらの結果を表1に示
す。
【0269】
【表1】
【0270】表1からわかるように、本発明液晶表示素
子Aにおいては、横電界抑制領域における液晶分子に対
する極角アンカリングエネルギーは、1.2×10-5
/m 2であった。その一方、それ以外の内部領域におけ
る液晶分子に対する極角アンカリングエネルギーは、
5.1×10-4J/m2であった。また、駆動時におい
ては液晶の欠陥がなく、また色調も良好であった。
【0271】これに対して、比較用液晶表示素子Bにつ
いては、画素領域の全域にわたって、液晶分子に対する
極角アンカリングエネルギーは、5.1×10-4J/m
2であった。また、色調は良好なものの、画素電極の端
部、即ち画素領域の周縁部において横電界ディスクリネ
ーションが発生していることが確認された。さらに、比
較用液晶表示素子Cについては、画素領域の全域にわた
って、液晶分子に対する極角アンカリングエネルギー
は、1.2×10-5J/m2であった。従って、画素領
域の周縁部において横電界ディスクリネーションは発生
しなかったが、色調がやや悪いことがわかった。
【0272】以上のことから、本発明液晶表示素子A
は、従来の製法により作製された比較用液晶表示素子
B、Cと比較して、横電界に起因する配向欠陥の発生を
防止しつつ、色調に優れていることがわかった。
【0273】(実施例2)実施例1と同様に、配向膜作
製用の溶液を作製した。
【0274】次に、図19(a)に示すように、複数の櫛
歯電極部分を備えた櫛形電極が予め形成されているIP
Sモード用の基板を用意して、乾燥雰囲気中(相対湿度
5%以下)で、この基板表面に前記溶液を塗布した。塗
布する際には印刷機を用いた。塗布膜の膜厚は約1μm
となるようにした。さらに塗布膜に含まれるヘキサメチ
ルジシロキサンを蒸発させた後、基板を所定時間焼成さ
せ、配向膜を形成した(図19(b)参照)。
【0275】続いて配向膜が形成された基板を非水系溶
媒であるクロロホルム中に浸漬して洗浄した(洗浄工
程、図19(c)参照)。さらに、基板を所定の方向に
立てた状態でクロロホルムから引き上げてクロロホルム
を液切りした(液切り配向工程、図19(d)参照)。
液切り方向は、基板に設けられている櫛型電極部分の長
辺方向に平行になるようにした。これにより、配向膜を
構成する分子を、引き上げ方向とは反対の液切り方向に
傾斜させて配向させることができた。
【0276】この液切り配向工程の後、フォトマスクに
よるマスキング法を用いて偏光紫外線を照射した。すな
わち、フォトマスクにより櫛型電極の形成領域をマスク
して偏光紫外線を照射した。このとき、紫外線の偏光方
向を液切り方向と一致させると共に、照射方向は液切り
方向から基板面に対して垂直となる方向とした。照射強
度は400mJ/cm2とした。
【0277】さらに、前記フォトマスクとは異なるフォ
トマスクを用い、櫛型電極の形成領域以外の領域をマス
クして、再び偏光紫外線を照射した。紫外線の偏光方向
は、液切り方向と一致させたが、照射方向は液切り方向
から基板面に対して垂直となる方向とした。照射強度は
800mJ/cm2とした。
【0278】一方、対向基板に関しては、フォトマスク
を用いず、偏光紫外線を照射した。このとき、紫外線の
偏光方向は、液切り方向と一致させると共に、照射方向
は液切り方向から基板面に対して垂直となる方向とし
た。照射強度は400mJ/cm2とした。
【0279】次に、基板上にスペーサを散布しておき、
かつ該基板の縁部に、塗布形状が枠状となるようにシー
ル材を塗布した。続いて、基板と対向基板とを貼り合わ
せた。このとき、基板上に設けられた配向膜の配向処理
方向と、対向基板上に設けられた配向膜の配向処理方向
とのなす角が90°になるように位置合わせをしておい
た。
【0280】次いで、基板および対向基板間に、液晶材
料を注入して本発明液晶表示素子Dを作製した。
【0281】(比較例3)本比較例3では、基板に偏光
紫外線を照射する際に、紫外線の偏光方向は、液切り方
向と一致し、かつ照射方向が液切り方向から基板面に対
して垂直となる方向からフォトマスクを介さずに、照射
強度を400mJ/cm2として照射した以外は、実施
例2と同様にして、比較用液晶表示素子Eを作製した。
【0282】(比較例4)本比較例4では、基板に偏光
紫外線を照射する際に、紫外線の偏光方向は、液切り方
向と一致し、かつ照射方向が液切り方向から基板面に対
して垂直となる方向からフォトマスクを介さずに、照射
強度を800mJ/cm2として照射した以外は、実施
例2と同様にして、比較用液晶表示素子Fを作製した。
【0283】[膜製作条件と表示特性]前記本発明液晶表
示素子Dと比較溶液晶表示素子E、Fについて、それぞ
れ方位角アンカリングエネルギー、極角アンカリングエ
ネルギーおよびプレチルト角を測定した。また、偏光顕
微鏡を用いて、駆動時の色調を観察した。それらの結果
を表2に示す。
【0284】
【表2】
【0285】表2からわかるように、本発明液晶表示素
子Dにおいては、櫛形電極の形成領域における液晶分子
に対する方位角アンカリングエネルギーは、1.2×1
-3J/m2であった。その一方、それ以外の非形成領
域における液晶分子に対する方位角アンカリングエネル
ギーは、2.3×10-4J/m2であった。表2からわ
かるように、本発明液晶表示素子Dにおいては、櫛形電
極の形成領域における液晶分子に対する極角アンカリン
グエネルギーは、3.2×10-4J/m2であった。そ
の一方、それ以外の非形成領域における液晶分子に対す
る極角アンカリングエネルギーは、1.9×10-4J/
2であった。また、駆動時においては画素内(電極形
成領域および非形成領域)での色調は均一であった。
【0286】一方、比較溶液晶表示素子Eは、全領域に
おいて液晶分子に対する方位角アンカリングエネルギー
が2.3×10-4J/m2、極角アンカリングエネルギ
ーが1.9×10-4J/m2であった。比較溶液晶表示
素子Fは、全領域において液晶分子に対する方位角アン
カリングエネルギーは、1.2×10-3J/m2、極角
アンカリングエネルギーが3.2×10-4J/m2であ
った。いずれの場合も駆動時においては画素内(電極形
成領域および非形成領域)での色調は不均一であった。
【0287】以上のことから、本発明液晶表示素子D
は、従来の製法により作製された比較溶液晶表示素子
E、Fと比較して画素内(電極形成領域および非形成領
域)での色調を改善することがわかった。
【0288】(実施例3)実施例1と同様に、配向膜作
製用の溶液を作製した。次に、図19(a)に示すよう
に、画素電極が予め形成されているOCBモード用の基
板を用意して、乾燥雰囲気中(相対湿度5%以下)で、
この基板表面に前記溶液を塗布した。塗布する際には印
刷機を用いた。塗布膜の膜厚は約1μmとなるようにし
た。さらに塗布膜に含まれるヘキサメチルジシロキサン
を蒸発させた後、基板を所定時間焼成させ、配向膜を形
成した(図19(b)参照)。
【0289】続いて配向膜が形成された基板を非水系溶
媒であるクロロホルム中に浸漬して洗浄した(洗浄工
程、図19(c)参照)。さらに、基板を所定の方向に
立てた状態でクロロホルムから引き上げてクロロホルム
を液切りした(液切り配向工程、図19(d)参照)。
これにより、配向膜を構成する分子を、引き上げ方向と
は反対の液切り方向に傾斜させて配向させることができ
た。
【0290】この液切り配向工程の後、フォトマスクに
よるマスキング法を用いて偏光紫外線を照射した。すな
わち、画素領域(80μm×240μm)の中心部(2
0μm×20μm)をマスクして偏光紫外線を照射し
た。このとき、紫外線の偏光方向を液切り方向と一致さ
せると共に、照射方向は液切り方向から基板面に対して
45°となる方向とした。照射強度は400mJ/cm
2とした。
【0291】さらに、前記フォトマスクとは異なるフォ
トマスクを用い、内部領域をマスクして、再び偏光紫外
線を照射した。紫外線の偏光方向は、液切り方向と一致
させたが、照射方向は液切り方向から基板面に対して4
5°となる方向とした。照射強度は800mJ/cm2
とした。
【0292】一方、対向基板についても前記各工程を順
次行うことにより、第1の領域および第2の領域を有す
る配向膜を作製した。
【0293】次に、基板上にスペーサを散布しておき、
かつ該基板の縁部に、塗布形状が枠状となるようにシー
ル材を塗布した。続いて、基板と対向基板とを貼り合わ
せた。
【0294】次いで、基板および対向基板間に、液晶材
料を注入してベンド配向された本発明液晶表示素子Gを
作製した。
【0295】(実施例4)配向処理条件を以下のように
した以外は、実施例3と同様にして本発明液晶表示素子
Hを作製した。
【0296】この液切り配向工程の後、フォトマスクに
よるマスキング法を用いて偏光紫外線を照射した。すな
わち、画素領域(80μm×240μm)の中心部(2
0μm×20μm)をマスクして偏光紫外線を照射し
た。このとき、紫外線の偏光方向は、液切り方向と一致
させると共に、照射方向は液切り方向から基板面に対し
て45°となる方向とした。照射強度は800mJ/c
2とした。
【0297】さらに、前記フォトマスクとは異なるフォ
トマスクを用い、内部領域をマスクして、再び偏光紫外
線を照射した。紫外線の偏光方向を液切り方向と一致さ
せたが、照射方向は液切り方向から基板面に対して45
°となる方向とした。照射強度は400mJ/cm2
した。
【0298】(比較例5)本比較例5では、基板に偏光
紫外線を照射する際に、紫外線の偏光方向は、液切り方
向と一致し、かつ照射方向が液切り方向から基板面に対
して45°となる方向からフォトマスクを介さずに、照
射強度を400mJ/cm2として照射した以外は、実
施例3と同様にして、比較用液晶表示素子Iを作製し
た。
【0299】(比較例6)本比較例6では、基板に偏光
紫外線を照射する際に、紫外線の偏光方向は、液切り方
向と一致し、かつ照射方向が液切り方向から基板面に対
して45°となる方向からフォトマスクを介さずに、照
射強度を800mJ/cm2として照射した以外は、実
施例2と同様にして、比較用液晶表示素子Jを作製し
た。
【0300】[膜製作条件と表示特性]前記本発明液晶表
示素子G、Hと比較溶液晶表示素子I、Jについて、そ
れぞれ極角アンカリングエネルギーおよびスプレイ−ベ
ンド転移電圧を測定した。それらの結果を表3に示す。
【0301】
【表3】
【0302】表3からわかるように、本発明液晶表示素
子G、Hは、比較溶液晶表示素子I、Jに比較して、ス
プレイ−ベンド転移電圧が低いことがわかった。
【0303】(実施例5)本実施例5に係る液晶表示素
子は、前記実施例1と比較して、配向膜に対してラビン
グ処理の後に、光配向処理を行った点が異なる。
【0304】先ず、前記実施例1と同様にして、配向膜
作製用の溶液を調製した後、これを基板上に塗布して配
向膜を形成した。
【0305】次に、配向膜が形成された基板をクロロホ
ルムで洗浄した後、基板を所望の方向に立てた状態でク
ロロホルムから引き上げてクロロホルムを液切りした。
【0306】続いて、前記配向膜に対してラビング処理
を行った。即ち、ナイロン布(繊維経16〜20μm、
毛の長さ3mm)を用いて、押し込み量0.2mm、ラ
ビング速度500m/分でラビングを行った。また、ラ
ビング方向は、前記液切り方向に一致させた。
【0307】さらに、フォトマスクによるマスキング法
を用い、偏光紫外線を照射する偏光配向工程を行った。
即ち、画素領域(80μm×240μm)を、内部領域
(50μm×210μm)と矩形枠状領域(周縁部)と
に区画し、領域をマスクして偏光紫外線を照射した。こ
のとき、偏光紫外線の偏光方向は前記液切り方向(また
はラビング方向)と一致させると共に、照射方向が液切
り方向から基板面に対して45度となる方向から照射し
た。又、照射強度は800mJ/cm2とした。
【0308】一方、対向基板についても、前記各工程を
順次行い、さらに基板及び対向基板に於ける配向膜同士
が相対するように基板と対向基板とを貼り合わせ、本発
明液晶表示素子Kを作製した。
【0309】(比較例7)本比較例7に於いては、マス
クを用いた偏光により光配向処理を行わなかった以外
は、前記実施例5と同様にして、比較用液晶表示素子L
を作製した。
【0310】(比較例8)本比較例8に於いては、偏光
紫外線を照射する際に、偏光方向が液切り方向と一致
し、かつ照射方向が基板面に対して45°となる方向か
ら、フォトマスクを介さずに照射した以外は、前記実施
例5と同様にして、比較用液晶表示素子Mを作製した。
【0311】[膜作製条件と表示特性]前記本発明液晶
表示素子K及び比較用液晶表示素子L、Mについて、そ
れぞれ飽和しきい値電圧法により極角アンカリングエネ
ルギーを測定した。さらに、プレチルト角を測定すると
共に、偏光顕微鏡を用いて駆動時の液晶の配向欠陥およ
び色調を観察した。それらの結果を下記表4に併記す
る。
【0312】
【表4】
【0313】表4から分かる様に、本発明液晶表示素子
Kに於ける、内部領域および横電界抑制領域(周縁部)
のプレチルト角は、約5°であった。これに対して、横
電界抑制領域の方位角アンカリングエネルギーは約2.
2×10-4J/m2である一方、それ以外の内部領域に
於ける方位角アンカリングエネルギーは約7.3×10
-5J/m2であり、横電界抑制領域に於ける方位角アン
カリングエネルギーを内部領域よりも大きくすることが
できた。
【0314】また、本発明液晶表示素子Kは、比較用液
晶表示素子Lと比較して駆動電圧は高かったものの、約
2.35Vと適度に抑制しながら、横電界ディスクリネ
ーションなどの配向欠陥が無く、かつ色調の良好な画像
表示を行うことができた。
【0315】以上のことから、本発明液晶表示素子K
は、従来の製法により作製された比較用液晶表示素子
L、Mと比較して、横電界に起因する配向欠陥の発生を
防止しつつ、色調に優れていることが分かった。また、
本発明液晶表示素子Kの駆動電圧は、比較用液晶表示素
子Lに対しては低かったものの、比較用液晶表示素子M
に対しては小さく、十分に抑制できたことが確認され
た。
【0316】(実施例6)本実施例6に係る液晶表示素
子は、前記実施例2と比較して、配向膜に対してラビン
グ処理の後に、光配向処理を行った点が異なる。
【0317】先ず、前記実施例2と同様にして、配向膜
作製用の溶液を調製した後、これを基板上に塗布して配
向膜を形成した(図12(a)、(b)参照)。
【0318】次に、配向膜が形成された基板をクロロホ
ルムで洗浄した後(図12(c)参照)、基板を所望の
方向に立てた状態でクロロホルムから引き上げてクロロ
ホルムを液切りした(図12(d)参照)。
【0319】続いて、前記配向膜に対してラビング処理
を行った。即ち、ナイロン布(繊維経16〜20μm、
毛の長さ3mm)を用いて、押し込み量0.2mm、ラ
ビング速度500m/分でラビングを行った。また、ラ
ビング方向は、前記液切り方向に一致させた。
【0320】次に、前記実施例1と同様にして、フォト
マスクによるマスキング法を用い、偏光紫外線を照射す
る偏光配向工程を行った。即ち、配向膜に於ける電極上
の領域をマスクして偏光紫外線を照射した。このとき、
偏光紫外線の偏光方向は前記液切り方向(またはラビン
グ方向)と一致させると共に、照射方向は基板面に対し
て垂直となる様にした。又、照射強度は800mJ/c
2とした。一方、対向基板についても、前記各工程を
順次行い、さらに基板及び対向基板に於ける配向膜同士
が相対するように基板と対向基板とを貼り合わせ、本発
明液晶表示素子Nを作製した。
【0321】(比較例9)本比較例9に於いては、マス
クを用いた偏光により光配向処理を行わなかった以外
は、前記実施例6と同様にして、比較用液晶表示素子O
を作製した。
【0322】(比較例10)本比較例10に於いては、
偏光紫外線を照射する際に、偏光方向が液切り方向と一
致し、かつ照射方向が基板面に対して90°となる方向
から、フォトマスクを介さずに照射した以外は、前記実
施例6と同様にして、比較用液晶表示素子Pを作製し
た。
【0323】[膜作製条件と表示特性]前記本発明液晶
表示素子N及び比較用液晶表示素子O、Pについて、そ
れぞれ方位角アンカリングエネルギー、極角アンカリン
グエネルギー、プレチルト角および電圧−透過率特性を
測定すると共に、偏光顕微鏡を用いて駆動時の表示画面
の色調を観察した。それらの結果を下記表5に併記す
る。
【0324】
【表5】 表5から分かる様に、本発明液晶表示素子Nに於ける、
内部領域および横電界抑制領域(周縁部)のプレチルト
角は、約1°であった。これに対して、形成領域の方位
角アンカリングエネルギーは約2.5×10-3J/m2
である一方、それ以外の非形成領域に於ける方位角アン
カリングエネルギーは約8.2×10-4J/m2であ
り、形成領域に於ける方位角アンカリングエネルギーを
非形成領域よりも大きくすることができた。さらに、形
成領域の極角アンカリングエネルギーは約3.5×10
-3J/m2である一方、それ以外の非形成領域に於ける
極角アンカリングエネルギーは約2.1×10-4J/m
2であり、形成領域に於ける方位角アンカリングエネル
ギーを非形成領域よりも大きくすることができた。
【0325】また、本発明液晶表示素子Nは、比較用液
晶表示素子Oと比較して駆動電圧は高かったものの、約
1.97Vと適度に抑制しながら、画素領域内で色調の
良好な画像表示を行うことができた。
【0326】以上のことから、本発明液晶表示素子N
は、従来の製法により作製された比較用液晶表示素子
O、Pと比較して、色調に優れていることが分かった。
【0327】(実施例7)本実施例7に係る液晶表示素
子は、前記実施例3と比較して、配向膜に対してラビン
グ処理の後に、光配向処理を行った点が異なる。
【0328】先ず、前記実施例3と同様にして、配向膜
作製用の溶液を調製した後、これを基板上に塗布して配
向膜を形成した。
【0329】次に、配向膜が形成された基板をクロロホ
ルムで洗浄した後、基板を所望の方向に立てた状態でク
ロロホルムから引き上げてクロロホルムを液切りした。
【0330】続いて、前記配向膜に対してラビング処理
を行った。即ち、ナイロン布(繊維経16〜20μm、
毛の長さ3mm)を用いて、押し込み量0.2mm、ラ
ビング速度500m/分でラビングを行った。また、ラ
ビング方向は、前記液切り方向に一致させた。
【0331】次に、前記実施例1と同様にして、フォト
マスクによるマスキング法を用い、偏光紫外線を照射す
る偏光配向工程を行った。即ち、画素領域(80μm×
240μm)の中心部分の領域(20μm×20μm)
以外をマスクして偏光紫外線を照射した。このとき、偏
光紫外線の偏光方向は前記液切り方向(またはラビング
方向)と一致させると共に、照射方向が液切り方向から
基板面に対して45度となる方向から照射した。又、照
射強度は800mJ/cm2とした。
【0332】一方、対向基板についても、前記各工程を
順次行い、さらに基板及び対向基板に於ける配向膜同士
が相対するように基板と対向基板とを貼り合わせ、本発
明液晶表示素子Qを作製した。
【0333】(実施例8)本実施例8に於いては、偏光
照射の際に画素領域の中心部分の領域をマスクして配向
処理した以外は、前記実施例7と同様にして本発明液晶
表示素子Rを作製した。
【0334】(比較例11)本比較例11に於いては、
マスクを用いた偏光により光配向処理を行わなかった以
外は、前記実施例7と同様にして、比較用液晶表示素子
Sを作製した。
【0335】(比較例12)本比較例12に於いては、
偏光紫外線を照射する際に、偏光方向が液切り方向と一
致し、かつ照射方向が基板面に対して45°となる方向
から、フォトマスクを介さずに照射した以外は、前記実
施例7と同様にして、比較用液晶表示素子Tを作製し
た。
【0336】[膜作製条件と表示特性]前記本発明液晶
表示素子Q、R及び比較用液晶表示素子S、Tについ
て、それぞれ極角アンカリングエネルギーおよび電圧−
透過率特性を測定した。それらの結果を下記表6に併記
する。
【0337】
【表6】
【0338】表6から分かる様に、本発明液晶表示素子
Qに於ける極角アンカリングエネルギーは、第1の領域
が約2.1×10-4J/m2である一方、それ以外の第
2の領域が約9.3×10-5J/m2であり、第2の領
域に於ける極角アンカリングエネルギーを第1の領域よ
りも大きくすることができた。
【0339】また、本発明液晶表示素子Rに於ける極角
アンカリングエネルギーは、第1の領域が約9.3×1
-5J/m2である一方、それ以外の第2の領域が約
2.1×10-4J/m2であり、第1の領域に於ける極
角アンカリングエネルギーを第2の領域よりも大きくす
ることができた。
【0340】これらの液晶表示素子について、各々スプ
レイ−ベンド転移電圧(V)を測定したところ、本発明
液晶表示素子Q、Rに於ける値は、比較用液晶表示素子
S、Tよりも十分に小さくすることができ、消費電力の
低下が図れることが分かった。
【0341】
【発明の効果】本発明は、以上のように説明した形態で
実施され、以下に述べる効果を有する。
【0342】すなわち、本発明に係るTNモードの液晶
表示素子によれば、画素領域毎に、それらの周縁部にア
ンカリングエネルギーの大きい横電界抑制領域を設けて
いるので、周縁部が横電界の影響を受けても、リバース
チルトの発生を抑制することができる。その結果、周縁
部と周縁部以外の内部との境界で、横電界ディスクリネ
ーションが発生するのを防止する。また、アンカリング
エネルギーを制御するだけであるので、画素領域の内部
と周縁部とでプレチルト角を均一にすることができ、こ
の結果開口率の向上が図れる。この結果、コントラスト
および表示輝度などの表示特性に優れた液晶表示素子を
提供することができる。
【0343】さらに、本発明に係るTNモードの液晶表
示素子の製造方法によれば、偏光照射のみによる光配向
処理の場合には、従来ラビング処理で行われていたフォ
トレジストの現像及び剥離を行う必要がない。よって、
製造工程数を大幅に減らせると共に、ダストの発生や配
向膜表面の劣化を防止することができる。
【0344】さらに、本発明に係るTNモードの液晶表
示素子の他の製造方法によれば、ラビング処理と光配向
処理とを併用することにより、光配向処理単独で行う場
合よりも確実に配向能を付与することができる。また、
ラビング処理単独で行う場合よりもラビング条件の緩和
を図ることができるので、ダストの発生も抑制すること
ができる。
【0345】また、本発明に係るIPSモードの液晶表
示素子によれば、配向膜に於ける電極上の領域のアンカ
リングエネルギーを、電極間に対応する領域よりも大き
くすることにより、電圧の印加時に、電極上の液晶が必
要以上に転移するのを防止できる。この結果、電極が形
成されている領域での液晶層の屈折率と、電極間に対応
する領域での液晶層の屈折率とが相違するのを防止し、
色調が均一なIPSモードの液晶表示素子を提供するこ
とができる。
【0346】さらに、本発明に係るIPSモードの液晶
表示素子の製造方法によれば、偏光照射のみによる光配
向処理の場合には、従来ラビング処理で行われていたフ
ォトレジストの現像及び剥離を行う必要がない。よっ
て、製造工程数を大幅に減らせると共に、ダストの発生
や配向膜表面の劣化を防止することができる。
【0347】さらに、本発明に係るIPSモードの液晶
表示素子の他の製造方法によれば、ラビング処理と光配
向処理とを併用することにより、光配向処理単独で行う
場合よりも確実に配向能を付与することができる。ま
た、ラビング処理単独で行う場合よりもラビング条件の
緩和を図ることができるので、ダストの発生も抑制する
ことができる。
【0348】また、本発明に係るOCBモードの液晶表
示素子によれば、感光性基を備えた薄膜構成分子からな
る配向膜に、液晶分子に対する所定のアンカリングエネ
ルギーを有する第1の領域を設けることにより、スプレ
イ配向からベンド配向への転移を促進させる転移核を液
晶層に発生させることができるので、スプレイ−ベンド
転移電圧の低減を図ることができる。さらに、アンカリ
ングエネルギーを変えるだけでプレチルト角を配向膜面
内で一定にできるので、転移核を発生させる領域の形成
位置に制限がない。
【0349】さらに、本発明に係るOCBモードの液晶
表示素子の製造方法によれば、光配向法を用いて配向膜
の配向処理を行うので、ラビング処理で行われていたフ
ォトレジストの現像及び剥離を行う必要がない。よっ
て、製造工程数を大幅に減らせると共に、配向膜表面の
劣化を防止することができる。この結果、配向均一性に
優れた配向膜を有し、かつスプレイ−ベンド転移電圧を
低減させた液晶表示素子を製造できるという効果を有す
る。
【0350】さらに、本発明に係るOCBモードの液晶
表示素子の他の製造方法によれば、ラビング処理と光配
向処理とを併用することにより、光配向処理単独で行う
場合よりも確実に配向能を付与することができる。ま
た、ラビング処理単独で行う場合よりもラビング条件の
緩和を図ることができるので、ダストの発生も抑制する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るTNモードの液晶
表示素子を概略的に示す斜視図である。
【図2】前記液晶表示素子において、1画素における液
晶分子の配向状態を模式的に示す斜視図である。
【図3】前記液晶表示素子の製造方法において、配向膜
の光配向法による配向処理を説明するための斜視図であ
る。
【図4】本発明の実施の形態2に係るIPSモードの液
晶表示素子を概略的に示す斜視図である。
【図5】前記液晶表示素子における画素電極体及び対向
電極体からなる電極対を概略的に示す平面図である。
【図6】前記液晶表示素子における液晶分子の配向状態
を模式的に示す図である。
【図7】前記液晶表示素子において、第1領域及び第2
領域における液晶分子の配向状態を模式的に示す断面図
であって、図7(a)は電圧無印加時の場合を表し、図7
(b)は電圧印加時の場合を表す。
【図8】前記液晶表示素子の製造方法において、配向膜
の光配向法による配向処理を説明するための斜視図であ
る。
【図9】本発明の実施の形態3に係る配向膜の、1画素
における液晶分子の配向状態を模式的に示す斜視図であ
る。
【図10】前記液晶表示素子の製造方法において、配向
膜の光配向法による配向処理を説明するための斜視図で
ある。
【図11】本発明の実施の形態4に係るTNモードの液
晶表示素子の製造方法に於いて、光配向処理を説明する
為の斜視図である。
【図12】前記液晶表示素子に於ける配向膜を構成する
薄膜構成分子の配向状態を示す斜視図である。
【図13】前記実施の形態4に係る他の液晶表示素子の
製造方法に於いて、光配向処理を説明する為の斜視図で
ある。
【図14】前記液晶表示素子に於ける配向膜を構成する
薄膜構成分子の配向状態を示す斜視図である。
【図15】本発明の実施の形態5に係るIPSモードの
液晶表示素子の製造方法に於いて、光配向処理を説明す
る為の斜視図である。
【図16】前記実施の形態5に係る他の液晶表示素子の
製造方法に於いて、光配向処理を説明する為の斜視図で
ある。
【図17】本発明の実施の形態6に係るOCBモードの
液晶表示素子の製造方法に於いて、光配向処理を説明す
る為の斜視図である。
【図18】前記実施の形態6に係る他の液晶表示素子の
製造方法に於いて、光配向処理を説明する為の斜視図で
ある。
【図19】本発明の実施例1に係る液晶表示素子の製造
方法において、主要な製造工程を概略的に示した説明図
である。
【符号の説明】
1 基板 2 対向基板 3 液晶層 4 画素電極 5 対向電極 6 配向膜 6a アンカリングエネルギーの大きい領域 6b アンカリングエネルギーの小さい領域 7 配向膜 8、9 液晶分子 10 液晶表示素子 21 偏光紫外線(第2の偏光) 22 偏光紫外線(第1の偏光) 23 液切り方向 101 基板 102 対向基板 103 液晶層 104 画素電極体 104a 画素電極部分 104b 連結電極部分 105 対向電極体 105a 対向電極部分 105b 連結電極部分 106 配向膜 106a アンカリングエネルギーの大きい領域 106b アンカリングエネルギーの小さい領域 107 配向膜 108、109、118、119 液晶分子 110 液晶表示素子 121 偏光紫外線(第2の偏光) 122 偏光紫外線(第1の偏光) 123 液切り方向 201 配向膜 201a 第1の領域 202b 第2の領域 203 偏光紫外線(第2の偏光) 204 偏光紫外線(第1の偏光) 205 液切り方向 301 配向膜 301a アンカリングエネルギーの大きい領域 301b、301c アンカリングエネルギーの小さい
領域 302、303 液晶分子 304 ラビング方向 305 偏光紫外線 306 偏光紫外線 307 薄膜構成分子 308 感光性基部 401 配向膜 401a アンカリングエネルギーの大きい領域 401b、401c アンカリングエネルギーの小さい
領域 402、403 液晶分子 404 偏光紫外線 405 偏光紫外線 501 配向膜 501a アンカリングエネルギーの大きい領域 501b、501c アンカリングエネルギーの小さい
領域 502、503 液晶分子 504 偏光紫外線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武部 尚子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 上村 強 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 小川 一文 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2H090 HB08Y HB12Y HC02 HD14 KA05 KA07 LA01 LA02 LA09 MA01 MA02 MA06 MA11 MA15 MB02 MB03 MB14 2H092 GA14 HA04 NA01 PA02 PA03 QA07 QA09

Claims (81)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ配向膜を内側に備えた一対の基
    板間に、液晶層が設けられた液晶表示素子であって、 前記少なくとも一方の配向膜は、感光性基を有する分子
    を少なくとも含み構成されており、 かつ前記配向膜に照射条件の異なる偏光を照射すること
    により、少なくとも2つのアンカリングエネルギーが異
    なる領域を有することを特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 それぞれ配向膜を内側に備えた一対の基
    板間に、液晶層が設けられた液晶表示素子であって、 前記少なくとも一方の配向膜は、感光性基を有する分子
    を少なくとも含み構成されており、 かつ前記配向膜に照射強度の異なる偏光を照射すること
    により、少なくとも2つのアンカリングエネルギーが異
    なる領域を有することを特徴とする液晶表示素子。
  3. 【請求項3】 前記照射する偏光の偏光方向が基板内で
    同一であることを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載の液晶表示素子。
  4. 【請求項4】 それぞれ配向膜を内側に備えた一対の基
    板間に、液晶層が設けられた液晶表示素子であって、 前記少なくとも一方の配向膜は、液晶分子のプレチルト
    角が同一で、かつ液晶分子に対するアンカリングエネル
    ギーが異なる少なくとも2つの領域を有していることを
    特徴とする液晶表示素子。
  5. 【請求項5】 前記配向膜は、前記感光性基を有する分
    子の集合群が所定の方向に傾斜していると共に、当該感
    光性基部同士が重合結合していることを特徴とする請求
    項1ないし請求項4のいずれかに記載の液晶表示素子。
  6. 【請求項6】 前記配向膜は、感光性基を備えたシラン
    系化合物分子を含む分子の集合群が、前記一対の基板上
    に結合・固定してなる薄膜であることを特徴とする請求
    項5に記載の液晶表示素子。
  7. 【請求項7】 前記配向膜が単分子膜であることを特徴
    とする請求項1ないし請求項6に記載の液晶表示素子。
  8. 【請求項8】 前記感光性基がシンナモイル基またはカ
    ルコニル基であることを特徴とする請求項1から請求項
    7のいずれかに記載の液晶表示素子。
  9. 【請求項9】 前記各領域におけるアンカリングエネル
    ギーは、当該各領域に照射された偏光の照射強度に応じ
    て、前記感光性基を有する前記薄膜構成分子同士が重合
    した程度、あるいは該重合した薄膜構成分子同士の重合
    結合部分が破壊された程度によるものであることを特徴
    とする請求項5ないし請求項8のいずれかに記載の液晶
    表示素子。
  10. 【請求項10】 前記液晶表示素子は、初期配向状態が
    捻れ配向モードの液晶層を、一対の基板間に備えたツイ
    ステッドネマティック配向モードの液晶表示素子であ
    り、 前記配向膜に於ける画素領域の周縁部には、当該画素領
    域の内部よりもアンカリングエネルギーが大きい領域が
    設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項
    9のいずれかに記載の液晶表示素子。
  11. 【請求項11】 前記アンカリングエネルギーが極角ア
    ンカリングエネルギーであることを特徴とする請求項1
    0に記載の液晶表示素子。
  12. 【請求項12】 前記液晶表示素子は、一対の基板間に
    液晶層が設けられ、かつ前記一対の基板のうち、一方の
    基板上に一対の電極が設けられた液晶表示素子であり、 前記配向膜は、前記電極上に設けられた第1領域と、前
    記一対の電極の間に対応する第2領域とを有し、 前記第1領域におけるアンカリングエネルギーは、前記
    第2領域におけるアンカリングエネルギーよりも大きい
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに
    記載の液晶表示素子。
  13. 【請求項13】 前記液晶表示素子が、インプレーンス
    イッチング配向モードの液晶表示素子である請求項12
    に記載の液晶表示素子。
  14. 【請求項14】 前記アンカリングエネルギーは、方位
    角アンカリングエネルギーおよび/または極角アンカリ
    ングエネルギーであることを特徴とする請求項12また
    は請求項13に記載の液晶表示素子。
  15. 【請求項15】 前記配向膜は、前記電極に近づくほ
    ど、連続的に又は段階的にアンカリングエネルギーが大
    きくなるようにして液晶分子を配向規制することを特徴
    とする請求項12ないし請求項14のいずれかに記載の
    液晶表示素子。
  16. 【請求項16】 前記一対の電極は透明電極であること
    を特徴とする請求項12ないし請求項15のいずれかに
    記載の液晶表示素子。
  17. 【請求項17】 前記液晶表示素子は、それぞれ配向膜
    を備えた一対の電極付きの基板間に、スプレイ配向して
    いる液晶層が設けられた光学補償ベンドモードの液晶表
    示素子であり、 前記一対の配向膜のうち少なくとも一方の配向膜は、ア
    ンカリングエネルギーが異なる少なくとも2つの領域を
    有しており、 該アンカリングエネルギーが異なる領域の1つは、 前記電極に電圧を印加することによりスプレイ配向から
    ベンド配向への転移を促進させる転移核を、前記液晶層
    に発生させる領域であることを特徴とする請求項1ない
    し請求項4のいずれかに記載の液晶表示素子。
  18. 【請求項18】 前記配向膜に於ける転移核を発生させ
    る領域が、画素領域毎に少なくとも1つ設けられている
    ことを特徴とする請求項17に記載の液晶表示素子。
  19. 【請求項19】 前記アンカリングエネルギーが極角ア
    ンカリングエネルギーであることを特徴とする請求項1
    7または請求項18に記載の液晶表示素子。
  20. 【請求項20】 それぞれ配向膜を内側に備えた一対の
    基板間に、液晶層が設けられた液晶表示素子に於いて、 前記配向膜のうち少なくとも一方の配向膜は、感光性基
    を有する分子を少なくとも含み構成された膜であって、
    ラビング処理をされた後、領域毎に照射条件の異なる光
    が照射されたことにより、アンカリングエネルギーの異
    なる領域が少なくとも2つ設けられた膜であることを特
    徴とする液晶表示素子。
  21. 【請求項21】 前記少なくとも一方の配向膜は、ラビ
    ング処理をされた後、領域毎に照射強度の異なる光が照
    射されたことにより、アンカリングエネルギーの異なる
    領域が少なくとも2つ設けられた膜であることを特徴と
    する請求項20に記載の液晶表示素子。
  22. 【請求項22】 前記少なくとも一方の配向膜は、ラビ
    ング処理をされた後、領域毎に照射強度の異なる偏光が
    照射されたことにより、アンカリングエネルギーの異な
    る領域が少なくとも2つ設けられた膜であることを特徴
    とする請求項20に記載の液晶表示素子。
  23. 【請求項23】 前記少なくとも一方の配向膜は、ラビ
    ング処理をされた後、領域毎に偏光方向の異なる偏光が
    照射されたことにより、アンカリングエネルギーの異な
    る領域が少なくとも2つ設けられた膜であることを特徴
    とする請求項20に記載の液晶表示素子。
  24. 【請求項24】 それぞれ配向膜を内側に備えた一対の
    基板間に、液晶層が設けられた液晶表示素子に於いて、
    前記配向膜のうち少なくとも一方の配向膜は、感光性基
    を有する分子を少なくとも含み構成された膜であって、
    ラビング処理をされた後、特定の領域にのみ光が照射さ
    れたことにより、アンカリングエネルギーの異なる領域
    が少なくとも2つ設けられた膜であることを特徴とする
    液晶表示素子。
  25. 【請求項25】 前記アンカリングエネルギーの異なる
    少なくとも2つの領域は、1画素内に設けられているこ
    とを特徴とする請求項20ないし請求項24の何れかに
    記載の液晶表示素子。
  26. 【請求項26】 前記アンカリングエネルギーは、極角
    アンカリングエネルギーおよび/または方位角アンカリ
    ングエネルギーであることを特徴とする請求項20ない
    し請求項25の何れかに記載の液晶表示素子。
  27. 【請求項27】 それぞれ配向膜を内側に備えた一対の
    基板間に、初期配向状態が捻れ配向モードの液晶層を備
    えたツイステッドネマティック配向モードの液晶表示素
    子に於いて、 前記配向膜のうち少なくとも一方の配向膜は、感光性基
    を有する分子を少なくとも含み構成された膜であって、
    ラビング処理をされた後、画素領域の周縁部に対応する
    領域と内部に対応する領域とで照射条件の異なる光が照
    射されたことにより、画素領域の周縁部には当該画素領
    域の内部よりもアンカリングエネルギーの大きい横電界
    抑制領域が設けられた膜であることを特徴とする液晶表
    示素子。
  28. 【請求項28】 それぞれ配向膜を内側に備えた一対の
    基板間に、初期配向状態が捻れ配向モードの液晶層を備
    えたツイステッドネマティック配向モードの液晶表示素
    子に於いて、 前記配向膜のうち少なくとも一方の配向膜は、感光性基
    を有する分子を少なくとも含み構成された膜であって、
    ラビング処理をされた後、画素領域の内部または周縁部
    にのみ光が照射されたことにより、当該画素領域の内部
    よりもアンカリングエネルギーの大きい横電界抑制領域
    が設けられた膜であることを特徴とする液晶表示素子。
  29. 【請求項29】 前記アンカリングエネルギーは、極角
    アンカリングエネルギーであることを特徴とする請求項
    27または請求項28に記載の液晶表示素子。
  30. 【請求項30】 それぞれ配向膜を内側に備えた一対の
    基板間に液晶層が設けられ、かつ前記一対の基板のう
    ち、一方の基板上に一対の電極が設けられたインプレー
    ンスイッチング配向モードの液晶表示素子に於いて、 前記配向膜のうち少なくとも一方の配向膜は、感光性基
    を有する分子を少なくとも含み構成された膜であって、
    ラビング処理をされた後、配向膜に於ける前記電極上の
    領域と電極の間に対応する領域とで照射条件の異なる光
    が照射されたことにより、前記電極上の領域には、電極
    の間に対応する領域よりもアンカリングエネルギーの大
    きい領域が設けられた膜であることを特徴とする液晶表
    示素子。
  31. 【請求項31】 それぞれ配向膜を内側に備えた一対の
    基板間に液晶層が設けられ、かつ前記一対の基板のう
    ち、一方の基板上に一対の電極が設けられたインプレー
    ンスイッチング配向モードの液晶表示素子に於いて、 前記配向膜のうち少なくとも一方の配向膜は、感光性基
    を有する分子を少なくとも含み構成された膜であって、
    ラビング処理をされた後、配向膜に於ける前記電極上の
    領域または電極の間に対応する領域にのみ光が照射され
    たことにより、前記電極上の領域には、電極の間に対応
    する領域よりもアンカリングエネルギーの大きい領域が
    設けられた膜であることを特徴とする液晶表示素子。
  32. 【請求項32】 前記アンカリングエネルギーは、極角
    アンカリングエネルギーおよび/または方位角アンカリ
    ングエネルギーであることを特徴とする請求項30また
    は請求項31に記載の液晶表示素子。
  33. 【請求項33】 前記アンカリングエネルギーの小さい
    領域は、前記電極に近づくに従い、連続的に又は段階的
    にアンカリングエネルギーが大きくなる様に設けられて
    いることを特徴とする請求項30ないし請求項32の何
    れかに記載の液晶表示素子。
  34. 【請求項34】 前記電極は透明電極であることを特徴
    とする請求項30ないし請求項33の何れかに記載の液
    晶表示素子。
  35. 【請求項35】 それぞれ配向膜を備えた一対の電極付
    きの基板間に、スプレイ配向されている液晶層が設けら
    れた光学補償ベンドモードの液晶表示素子に於いて、 前記配向膜のうち少なくとも一方の配向膜は、感光性基
    を有する分子を少なくとも含み構成された膜であって、
    ラビング処理をされた後、領域毎に照射条件の異なる光
    が照射されたことにより、アンカリングエネルギーが異
    なる少なくとも2つの領域が設けられた膜であり、 前記アンカリングエネルギーが異なる領域の1つは、前
    記電極に電圧を印加することによりスプレイ配向からベ
    ンド配向への転移を促進させる転移核を、前記液晶層に
    発生させる領域であることを特徴とする液晶表示素子。
  36. 【請求項36】 それぞれ配向膜を備えた一対の電極付
    きの基板間に、スプレイ配向されている液晶層が設けら
    れた光学補償ベンドモードの液晶表示素子に於いて、 前記配向膜のうち少なくとも一方の配向膜は、感光性基
    を有する分子を少なくとも含み構成された膜であって、
    ラビング処理をされた後、特定の領域にのみ光が照射さ
    れたことにより、アンカリングエネルギーが異なる少な
    くともつの領域が設けられた膜であり、 前記アンカリングエネルギーが異なる領域の1つは、前
    記電極に電圧を印加することによりスプレイ配向からベ
    ンド配向への転移を促進させる転移核を、前記液晶層に
    発生させる領域であることを特徴とする液晶表示素子。
  37. 【請求項37】 前記アンカリングエネルギーの大きい
    領域が、各画素毎に少なくとも1つ設けられていること
    を特徴とする請求項35または請求項36に記載の液晶
    表示素子。
  38. 【請求項38】 前記アンカリングエネルギーは、極角
    アンカリングエネルギーであることを特徴とする請求項
    35ないし請求項37の何れかに記載の液晶表示素子。
  39. 【請求項39】 前記配向膜は、前記感光性基を有する
    分子の集合群が所定の方向に傾斜していると共に、当該
    感光性基部同士が重合結合していることを特徴とする請
    求項20ないし請求項38のいずれかに記載の液晶表示
    素子。
  40. 【請求項40】 前記配向膜は、感光性基を備えたシラ
    ン系化合物分子を含む分子の集合群が、前記一対の基板
    上に結合・固定してなる膜であることを特徴とする請求
    項39に記載の液晶表示素子。
  41. 【請求項41】 前記シラン系化合物分子は、クロロシ
    ラン化合物分子であることを特徴とする請求項40に記
    載の液晶表示素子。
  42. 【請求項42】 前記シラン系化合物分子は、直鎖状炭
    化水素鎖を有することを特徴とする請求項40または請
    求項41に記載の液晶表示素子。
  43. 【請求項43】 前記配向膜が単分子膜であることを特
    徴とする請求項20ないし請求項42に記載の液晶表示
    素子。
  44. 【請求項44】 前記感光性基がシンナモイル基または
    カルコニル基であることを特徴とする請求項20から請
    求項43のいずれかに記載の液晶表示素子。
  45. 【請求項45】 前記配向膜が、少なくともポリイミド
    を含み構成されることを特徴とする請求項1ないし請求
    項44に記載の液晶表示素子。
  46. 【請求項46】 それぞれ配向膜を内側に備えた一対の
    基板間に、液晶層が設けられた液晶表示素子の製造方法
    であって、 前記一対の基板のうち少なくとも一方に、感光性基を有
    する分子を少なくとも含み構成された配向膜を形成する
    配向膜形成工程と、 前記配向膜に、照射条件の異なる偏光を領域毎に照射す
    ることにより、少なくとも2つのアンカリングエネルギ
    ーが異なる領域を形成する配向処理工程と、 前記一対の基板を貼り合わせる貼り合わせ工程と、 前記一対の基板間に液晶を注入することにより前記液晶
    層を形成する液晶注入工程とを備えることを特徴とする
    液晶表示素子の製造方法。
  47. 【請求項47】 前記配向処理工程は、照射強度を変え
    て偏光を照射することにより、前記配向膜に液晶分子に
    対するアンカリングエネルギーが異なる領域を形成する
    ことを特徴とする請求項46に記載の液晶表示素子の製
    造方法。
  48. 【請求項48】 前記配向処理工程は、照射角度を変え
    て偏光を照射することにより、前記配向膜に液晶分子に
    対するアンカリングエネルギーが異なる領域を形成する
    ことを特徴とする請求項46に記載の液晶表示素子の製
    造方法。
  49. 【請求項49】 前記配向膜形成工程は、乾燥雰囲気中
    で、感光性基を有するシラン系化合物分子を前記基板面
    に接触させて、前記シラン系化合物分子を化学吸着させ
    ることにより配向膜を形成する工程であることを特徴と
    する請求項46ないし請求項48のいずれかに記載の液
    晶表示素子の製造方法。
  50. 【請求項50】 前記配向膜形成工程の直後に、前記配
    向膜の形成された基板面を洗浄液を用いて洗浄し、未吸
    着のシラン系化合物分子を除去する洗浄工程と、 洗浄後の前記基板を一定の方向に立てて基板面上に残っ
    た洗浄液を液切り乾燥することにより、基板面に化学吸
    着したシラン系化合物分子を仮配向させる工程とを備
    え、 前記液切り方向は、前記配向処理工程における偏光の偏
    光方向と平行であることを特徴とする請求項45に記載
    の液晶表示素子の製造方法。
  51. 【請求項51】 初期配向状態が捻れ配向構造の液晶層
    を、一対の基板間に備えたツイステッドネマティック配
    向モードの液晶表示素子の製造方法に於いて、 前記一対の基板のうち少なくとも一方に、感光性基を有
    する分子を少なくとも含み構成された配向膜を形成する
    配向膜形成工程と、 前記配向膜に偏光を照射して配向処理を行う配向処理工
    程であって、前記配向膜に於ける画素領域の周縁部と、
    周縁部以外の内部とで照射条件を異ならせることによ
    り、前記内部よりもアンカリングエネルギーの大きい横
    電界抑制領域を周縁部に形成する配向処理工程と、 前記一対の基板を貼り合わせる貼り合わせ工程と、 前記一対の基板間に液晶を注入することにより前記液晶
    層を形成する液晶注入工程とを備えることを特徴とする
    液晶表示素子の製造方法。
  52. 【請求項52】 前記配向処理工程は、前記画素領域の
    周縁部に照射する第1の偏光の照射強度と、前記画素領
    域の内部に照射する第2の偏光の照射強度とを異ならせ
    て偏光照射を行う工程であることを特徴とする請求項5
    1に記載の液晶表示素子の製造方法。
  53. 【請求項53】 一対の基板間に液晶層が設けられ、か
    つ前記一対の基板のうち、一方の基板上に一対の電極が
    設けられたインプレーンスイッチング配向モードの液晶
    表示素子の製造方法において、 前記一対の基板のうち少なくとも一方に、感光性基を有
    する分子を少なくとも含み構成された配向膜を形成する
    配向膜形成工程と、 前記配向膜に偏光を照射して配向処理を行う配向処理工
    程であって、前記一対の電極上の領域と、前記一対の電
    極の間に対応する領域とで偏光条件を異ならせて偏光を
    照射することにより、前記一対の電極上の領域に、前記
    一対の電極の間に対応する領域よりもアンカリングエネ
    ルギーの大きい領域を形成する配向処理工程と、 前記一対の基板を貼り合わせる貼り合わせ工程と、 前記一対の基板間に液晶を注入することにより前記液晶
    層を形成する液晶注入工程とを備えることを特徴とする
    液晶表示素子の製造方法。
  54. 【請求項54】 前記配向処理工程は、前記一対の電極
    上に照射する第1の偏光の照射強度と、前記一対の電極
    の間に照射する第2の偏光の照射強度とを異ならせて偏
    光照射を行う工程であることを特徴とする請求項53に
    記載の液晶表示素子の製造方法。
  55. 【請求項55】 前記配向処理工程は、前記一対の電極
    上に照射する第1の偏光の偏光方向と、前記一対の電極
    の間に照射する第2の偏光方向とを平行にさせると共
    に、前記第1の偏光の前記基板面に対する照射角度を、
    前記第2の偏光の照射角度よりも小さくして偏光照射を
    行うことを特徴とする請求項53または請求項54に記
    載の液晶表示素子の製造方法。
  56. 【請求項56】 一対の基板間に、スプレイ配向した液
    晶層が設けられた光学補償ベンドモードの液晶表示素子
    の製造方法において、 前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板上に、感光
    性基を有する薄膜構成分子を少なくとも含み構成される
    配向膜を形成する配向膜形成工程と、 前記配向膜に偏光を照射して配向処理を行う配向処理工
    程であって、 偏光条件を異ならせて偏光を照射することにより、アン
    カリングエネルギーが他の領域とは異なり、かつ前記電
    極に電圧を印加する際にスプレイ配向からベンド配向へ
    の転移を促進させる転移核を前記液晶層に形成する領域
    を形成する配向処理工程と、 前記一対の基板を貼り合わせる貼り合わせ工程と、 前記一対の基板間に液晶を注入することにより、前記液
    晶層を形成する液晶注入工程とを備えることを特徴とす
    る液晶表示素子の製造方法。
  57. 【請求項57】 前記配向処理工程は、前記他の領域に
    照射する偏光とは異なる照射強度の偏光を所定の領域に
    照射することにより、当該所定の領域に前記液晶分子に
    対する配向膜のアンカリングエネルギーが異なる領域を
    形成することを特徴とする請求項56に記載の液晶表示
    素子の製造方法。
  58. 【請求項58】 それぞれ配向膜を内側に備えた一対の
    基板間に、液晶層が設けられた液晶表示素子の製造方法
    であって、 前記一対の基板のうち少なくとも一方に、感光性基を有
    する分子を少なくとも含み構成された配向膜を形成する
    配向膜形成工程と、 前記配向膜にラビング処理をした後、光を照射して配向
    処理を行う配向処理工程であって、所定の領域毎に照射
    条件の異なる光を照射することにより、少なくとも2つ
    のアンカリングエネルギーが異なる領域を形成する配向
    処理工程とを備えることを特徴とする液晶表示素子の製
    造方法。
  59. 【請求項59】 前記配向処理工程に於ける光の照射
    は、前記領域毎に照射強度を異ならせて行うことを特徴
    とする請求項58に記載の液晶表示素子の製造方法。
  60. 【請求項60】 前記配向処理工程にて行う光の照射に
    は、所定の方向に偏光方向を有する偏光を使用すること
    を特徴とする請求項58に記載の液晶表示素子の製造方
    法。
  61. 【請求項61】 前記ラビング処理に於けるラビング方
    向と、前記偏光の偏光方向とを同一面内にすることを特
    徴とする請求項58に記載の液晶表示素子の製造方法。
  62. 【請求項62】 前記配向処理工程に於ける偏光の照射
    は、前記領域毎に照射強度を異ならせて行うことを特徴
    とする請求項60に記載の液晶表示素子の製造方法。
  63. 【請求項63】 前記配向処理工程に於ける光の照射
    は、前記各領域に対して照射強度を均一にすると共に、
    前記領域毎に偏光方向を異ならせて行うことを特徴とす
    る請求項60に記載の液晶表示素子の製造方法。
  64. 【請求項64】 それぞれ配向膜を内側に備えた一対の
    基板間に、液晶層が設けられた液晶表示素子の製造方法
    であって、 前記一対の基板のうち少なくとも一方に、感光性基を有
    する分子を少なくとも含み構成された配向膜を形成する
    配向膜形成工程と、 前記配向膜にラビング処理をした後、光を照射して配向
    処理を行う配向処理工程であって、特定の領域にのみ光
    を照射することにより、少なくとも2つのアンカリング
    エネルギーが異なる領域を形成する配向処理工程とを備
    えることを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  65. 【請求項65】 初期配向状態が捻れ配向構造の液晶層
    を、一対の基板間に備えたツイステッドネマティック配
    向モードの液晶表示素子の製造方法に於いて、 前記一対の基板のうち少なくとも一方に、感光性基を有
    する分子を少なくとも含み構成された配向膜を形成する
    配向膜形成工程と、 前記配向膜にラビング処理をした後、光を照射して配向
    処理を行う配向処理工程であって、前記配向膜に於ける
    画素領域の周縁部と、周縁部以外の内部とで照射条件を
    異ならせることにより、前記内部よりもアンカリングエ
    ネルギーの大きい横電界抑制領域を周縁部に形成する配
    向処理工程とを備えることを特徴とする液晶表示素子の
    製造方法。
  66. 【請求項66】 前記配向処理工程にて行う光の照射に
    は、所定の方向に偏光方向を有する偏光を使用すること
    を特徴とする請求項65に記載の液晶表示素子の製造方
    法。
  67. 【請求項67】 前記配向処理工程は、前記偏光の偏光
    方向が、前記ラビング処理に於けるラビング方向と同一
    面内となる様にすると共に、前記画素領域の内部に照射
    する光の照射強度と、前記周縁部に照射する光の照射強
    度とを異ならせて偏光を照射する工程であることを特徴
    とする請求項66に記載の液晶表示素子の製造方法。
  68. 【請求項68】 前記配向処理工程に於ける光の照射
    は、前記各領域に対して照射強度を均一にすると共に、
    前記領域毎に偏光方向を異ならせて行うことを特徴とす
    る請求項66に記載の液晶表示素子の製造方法。
  69. 【請求項69】 初期配向状態が捻れ配向構造の液晶層
    を、一対の基板間に備えたツイステッドネマティック配
    向モードの液晶表示素子の製造方法に於いて、 前記一対の基板のうち少なくとも一方に、感光性基を有
    する分子を少なくとも含み構成された配向膜を形成する
    配向膜形成工程と、 前記配向膜にラビング処理をした後、画素領域の内部ま
    たは周縁部にのみ光を照射することにより、画素領域の
    内部よりもアンカリングエネルギーの大きい横電界抑制
    領域を周縁部に形成する配向処理工程とを備えることを
    特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  70. 【請求項70】 一対の基板間に液晶層が設けられ、か
    つ前記一対の基板のうち、一方の基板上に一対の電極が
    設けられたインプレーンスイッチング配向モードの液晶
    表示素子の製造方法において、 前記一対の基板のうち少なくとも一方に、感光性基を有
    する分子を少なくとも含み構成された配向膜を形成する
    配向膜形成工程と、 前記配向膜にラビング処理をした後、光を照射して配向
    処理を行う配向処理工程であって、前記配向膜に於ける
    前記一対の電極上の領域と、前記一対の電極の間に対応
    する領域とで照射条件を異ならせて光を照射することに
    より、前記一対の電極上の領域に於けるアンカリングエ
    ネルギーを、前記一対の電極の間に対応する領域よりも
    大きくする配向処理工程とを備えることを特徴とする液
    晶表示素子の製造方法。
  71. 【請求項71】 前記配向処理工程にて行う光の照射に
    は、所定の方向に偏光方向を有する偏光を使用すること
    を特徴とする請求項70に記載の液晶表示素子の製造方
    法。
  72. 【請求項72】 前記配向処理工程は、前記ラビング処
    理に於けるラビング方向と、前記偏光の偏光方向とを同
    一面内にすると共に、前記一対の電極の間に対応する領
    域に照射する光よりも照射強度の大きい光を、前記一対
    の電極上の領域に照射する工程であることを特徴とする
    請求項71に記載の液晶表示素子の製造方法。
  73. 【請求項73】 前記一対の電極の間に対応する領域に
    対して照射強度を均一にすると共に、前記領域毎に偏光
    方向を異ならせて行うことを特徴とする請求項71に記
    載の液晶表示素子の製造方法。
  74. 【請求項74】 一対の基板間に液晶層が設けられ、か
    つ前記一対の基板のうち、一方の基板上に一対の電極が
    設けられたインプレーンスイッチング配向モードの液晶
    表示素子の製造方法において、 前記一対の基板のうち少なくとも一方に、感光性基を有
    する分子を少なくとも含み構成された配向膜を形成する
    配向膜形成工程と、 前記配向膜にラビング処理をした後、光を照射して配向
    処理を行う配向処理工程であって、前記電極上の領域ま
    たは電極の間に対応する領域にのみ光を照射することに
    より、前記一対の電極上の領域に於けるアンカリングエ
    ネルギーを、前記一対の電極の間に対応する領域よりも
    大きくする配向処理工程とを備えることを特徴とする液
    晶表示素子の製造方法。
  75. 【請求項75】 一対の基板間に、スプレイ配向した液
    晶層が設けられた光学補償ベンドモードの液晶表示素子
    の製造方法において、 前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板上に、感光
    性基を有する薄膜構成分子を少なくとも含み構成される
    配向膜を形成する配向膜形成工程と、 前記配向膜にラビング処理をした後、光を照射して配向
    処理を行う配向処理工程であって、 照射条件を異ならせて光を照射することにより、アンカ
    リングエネルギーが他の領域とは異なり、かつ前記電極
    に電圧を印加する際にスプレイ配向からベンド配向への
    転移を促進させる転移核を前記液晶層に形成する領域を
    形成する配向処理工程とを備えることを特徴とする液晶
    表示素子の製造方法。
  76. 【請求項76】 前記配向処理工程にて行う光の照射に
    は、所定の方向に偏光方向を有する偏光を使用すること
    を特徴とする請求項75に記載の液晶表示素子の製造方
    法。
  77. 【請求項77】 前記配向処理工程は、前記ラビング処
    理に於けるラビング方向と、前記偏光の偏光方向とを同
    一面内にすると共に、前記領域毎に照射強度を異ならせ
    て行うことを特徴とする請求項76に記載の液晶表示素
    子の製造方法。
  78. 【請求項78】 前記配向処理工程に於ける光の照射
    は、前記各領域に対して照射強度を均一にすると共に、
    前記領域毎に偏光方向を異ならせて行うことを特徴とす
    る請求項76に記載の液晶表示素子の製造方法。
  79. 【請求項79】 一対の基板間に、スプレイ配向した液
    晶層が設けられた液晶表示素子の製造方法において、 前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板上に、感光
    性基を有する薄膜構成分子を少なくとも含み構成される
    配向膜を形成する配向膜形成工程と、 前記配向膜にラビング処理をした後、光を照射して配向
    処理を行う配向処理工程であって、前記配向膜の所定の
    領域にのみ光を照射することにより、アンカリングエネ
    ルギーが他の領域とは異なり、かつ前記電極に電圧を印
    加する際にスプレイ配向からベンド配向への転移を促進
    させる転移核を前記液晶層に形成する領域を形成する配
    向処理工程とを備えることを特徴とする液晶表示素子の
    製造方法。
  80. 【請求項80】 前記配向膜形成工程は、乾燥雰囲気中
    で、感光性基を有するシラン系化合物分子を前記基板面
    に接触させて、前記シラン系化合物分子を化学吸着させ
    ることにより配向膜を形成する工程であることを特徴と
    する請求項46ないし請求項79のいずれかに記載の液
    晶表示素子の製造方法。
  81. 【請求項81】 前記配向膜形成工程の直後に、前記配
    向膜の形成された基板面を、洗浄液を用いて洗浄し、未
    吸着のシラン系化合物分子を除去する洗浄工程と、 洗浄後の前記基板を一定の方向に立てて基板面上に残っ
    た洗浄液を液切り乾燥することにより、基板面に化学吸
    着したシラン系化合物分子を仮配向させる工程とを備
    え、 前記液切り方向は、前記配向処理工程における偏光の偏
    光方向と平行であることを特徴とする請求項80に記載
    の液晶表示素子の製造方法。
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