JP3021246B2 - 液晶表示装置の製造方法 - Google Patents

液晶表示装置の製造方法

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JP3021246B2
JP3021246B2 JP21669893A JP21669893A JP3021246B2 JP 3021246 B2 JP3021246 B2 JP 3021246B2 JP 21669893 A JP21669893 A JP 21669893A JP 21669893 A JP21669893 A JP 21669893A JP 3021246 B2 JP3021246 B2 JP 3021246B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プレチルト角の制御さ
れた液晶表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置(LCD)は、一対の基板
間に挟まれた液晶層の液晶分子の配向方向を電圧印加に
より変え、そのことにより液晶層に生じる光学的屈折率
変化を利用して表示するものである。したがって、液晶
層における液晶分子は、電圧印加を行わない初期状態に
おいて、可及的に規則正しく配列していることが重要で
あり、そのために液晶層を挟む基板の表面においては液
晶分子の相互作用を規制する状態にしている。
【0003】上記状態を確保する方法としては、一対の
基板の相対する表面に配向膜用材料を塗布し、塗布した
材料を乾燥、硬化させて配向膜を形成し、その後、その
配向膜の表面を、例えば琢磨布等で擦ってラビング処理
を行う方法が、現在最も広く用いられている。かかるラ
ビング処理が施された配向膜を有する一対の基板間に液
晶層が設けられると、その配向膜に接する液晶分子はラ
ビング方向に沿って配向することになる。
【0004】上記配向膜としては、無機配向膜と有機配
向膜との2種類があり、無機配向膜の材料としては、酸
化物、無機シラン、金属または金属錯体が挙げられる。
一方、有機配向膜の材料としてはポリイミドが挙げら
れ、現在用いられている代表的な例としてはポリイミド
樹脂がある。このポリイミド樹脂は、全芳香系ポリイミ
ド(全芳香系PI)の前駆体であるポリアミック酸を基
板に塗布した後、加熱によってポリイミド反応を起こさ
せ、それによってポリアミック酸をポリイミド樹脂に転
換させることで形成される。このようなポリイミド樹脂
が広く使用される理由は以下の通りである。すなわち、
ポリアミック酸の状態において溶解性が良好であるた
め、濃度及び粘膜などの調整が容易であり、また塗布性
が良好であると共に膜厚制御が容易であり、更に、上述
のようにして作製されたポリイミド樹脂がポリアミック
酸よりエネルギー的に安定しており、水で洗浄しても可
逆反応が起こらないからである。
【0005】このようなポリイミド膜に対して上記ラビ
ング処理を行った場合にも、配向膜と接する液晶分子の
基板に対する傾斜角、すなわちプレチルト角がすべて均
一になる。したがって、マトリクス型表示パターンの単
位ドットを構成する各絵素内においてもプレチルト角は
すべてほぼ同一角度となる。
【0006】ところで、絵素電極がマトリクス状に設け
られ、各絵素電極にスイッチング素子として薄膜トラン
ジスタが接続された構成のアクティブマトリクス型液晶
表示装置(TFT−LCD)においては、ツイストティ
ッドネマッティック(TN)型液晶表示装置(TNモー
ドの液晶表示装置)が採用される。この液晶表示装置に
あっては、液晶分子が基板面に垂直な方向に沿ってねじ
られ、両基板の近傍において90゜ねじれている状態に
配向させられる。したがって、TNモードの液晶表示装
置における視角特性は、液晶層の液晶分子の向き、すな
わち配向方向とチルト角とによって最適視角方位および
視角範囲が定められる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記T
Nモードの液晶表示装置では、液晶分子が屈折率の異方
性、つまり複屈折性をもつため、人間(観察者)の液晶
表示装置を見る角度によってコントラストが変化すると
いう現象が生じる。この現象を、電圧の非印加時に光が
透過して白色表示となるノーマリホワイトモードの液晶
表示装置を例に挙げて説明する。両基板に形成された駆
動用の電極間に電圧を印加した状態で基板面に対して垂
直な方向から液晶表示装置を見ると、図5に実線L1で
示すように、印加電圧値が高くなるに伴って光の透過率
が低下していき、透過率がほぼ零になると飽和し、それ
以上に印加電圧を上げても透過率はほぼ零のままであ
る。これに対し、液晶表示画面を観察する視角方向を上
記垂直な方向からずらすと、図5に示すように、印加電
圧−透過率特性が実線L1から実線L2に変化する。よ
って、見る角度によってコントラストが変化するという
現象が生じる。
【0008】更に、上記現象を、図6および図7を参照
して詳述する。
【0009】図6は液晶セルの斜視図であり、図7は液
晶セルの断面図である。この液晶セルは、液晶層を挟ん
で一対の基板31、32を有している。一方(上側)の
基板31は、ガラス基板31aの上に、透明電極31b
及び配向膜31cがこの順に形成されている。他方(下
側)の基板32は、同様にガラス基板32aの上に、透
明電極32bおよび配向膜32cがこの順に形成されて
いる。また、上記液晶層中の液晶分子35は、基板31
の近傍における配向方向と基板32の近傍における配向
方向とで90゜ねじれている。両図中の記号δはプレチ
ルト角を示し、番号36は正視角方向を示している。
【0010】かかる構成の液晶セルに電圧を印加してい
るとき、視角方向を基板面に垂直な方向から正視角方向
36に傾けて行くと、図5に示したように印加電圧−透
過率特性が実線L1から実線L2に変化する。この実線
L2においては、印加電圧が高くなるに伴って透過率が
ある程度低下していき、その後、特定の電圧値を超える
と透過率が再び高くなり、その後再び徐々に低下する。
このため、視角を正視角方向36に向けて傾けた場合、
特定の角度で画像の白黒(ネガ、ポジ)が反転する現象
(これを反転現象という)が生じる。この反転現象は、
液晶層中の液晶分子がチルト角をもって傾いており、視
角によって屈折率が変化するために生じる現象である。
この現象が生じる場合には、画像を視る人にとって大き
な障害となる。
【0011】上記反転現象を図8に基づいて説明する
と、図8(a)に示すように、印加電圧が零または比較
的低電圧のとき、正視角方向に位置する観測者37に
は、液晶層中の中央分子35は楕円に見えるが、徐々に
印加電圧を高くすると、中央分子35が、その長軸方向
を電界の方向、すなわち基板面に垂直な方向に並ぶよう
に移動していく。このため、図8(b)に示すように、
観測者37には中央分子35が真円に見える瞬間があ
る。さらに電圧を高くすると、中央分子35は電界方向
にほぼ平行となり、図8(c)に示すように観測者37
には中央分子35が再び楕円に見える。
【0012】正視角方向36以外の視角方向において
も、透過率−電圧特性の相違から反転現象が生じない場
合であっても、前同様に視角方向の傾きを深くしていく
と白黒のコントラスト比が低くなるという視角特性を持
つことになる。
【0013】したがって、TNモードの液晶表示装置に
おいて上述のような正視角方向で観測される反転現象
は、見る人にとって大きな障害となり、液晶表示装置の
表示特性そのものを低下させる結果となる。
【0014】そこで、上記TNモードの液晶表示素装置
における特有の現象を改善する技術が提案されている
(特開平2−12号)。この技術は、アクティブマトリ
クス型の液晶表示装置において、1絵素を構成する1つ
の絵素電極を2つに分割し、一方の分割絵素電極に対応
する液晶分子と、他方の分割絵素電極に対応する液晶分
子とに印加する電界条件を変えることで視角特性の改善
を図るものである。
【0015】しかしながら、この技術による場合には、
絵素電極のパターンそのものを変えることが必要である
ため製造工程が複雑になり、さらに駆動方法も複雑にな
るという欠点があり、また視角特性の改善効果も充分な
ものであるとは評し難い。
【0016】他の改善技術として、JAPAN DIS
PLAY’92のp591〜p594およびp886に
示された2つの方法がある。その1つの方法は、配向膜
表面を一方向にラビング処理を行った後、その配向膜表
面の一部をレジスト膜で被い、レジスト膜で被われてい
ない部分を先に行ったラビング方向とは逆方向にラビン
グ処理し、その後、レジスト膜を除去する方法である。
この方法による場合には、レジスト膜で被われていた配
向膜表面とレジスト膜で被われていなかった配向膜表面
とでラビング方向が異なり、これに基づきプレチルト角
が異なるようになる。
【0017】もう1つの方法は、材質の異なるポリイミ
ド配向膜を並設してラビング処理を行う方法である。こ
の方法による場合には、各材質に応じて複数のプレチル
ト角を配向膜表面に形成することが可能となる。
【0018】しかしながら、前者の方法の場合には、配
向膜表面に形成したレジスト膜を除去しても完全には除
去することが難しく、その配向膜表面の配向規制力は著
しく劣化する。後者の方法の場合には、材質の異なるポ
リイミド配向膜を形成するときのパターニングが極めて
煩雑になる。よって、上述した2つの方法も実用的でな
い。
【0019】本発明は、このような従来技術の課題を解
決すべくなされたものであり、視角特性の効果的な改善
を低コストにて行うことができる液晶表示装置の製造方
法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示装置の
製造方法は、液晶層を挟んで一対の基板を対向させて貼
り合わせる液晶表示装置の製造方法において、該一対の
基板の少なくとも一方の基板に、該液晶層の配向を制御
する配向膜を形成する工程と、該配向膜に配向処理を施
してプレチルト角を持たせる工程と、該配向膜に対し
て、光を照射するとともに、酸素およびオゾンのうちの
少なくとも1種を有するガスを該配向膜近傍の雰囲気に
導入し、該配向膜のプレチルト角を低下させる工程と、
を包含するので、そのことにより上記目的が達成され
る。この液晶表示装置の製造方法において、前記光を照
射する工程が、該配向膜に選択的に光を照射することに
より、プレチルト角が異なる複数の領域を形成する工程
であることが好ましい。
【0021】この液晶表示装置の製造方法において、酸
素の濃度は25vol%以上とするのが好ましい。ま
た、オゾンの濃度は1×10-5vol%以上とするのが
好ましい。
【0022】
【作用】本発明による場合には、液晶層の配向を制御す
る配向膜に、酸素およびオゾンのうちの少なくとも1種
を有するガスを接触させると共に光を照射する。ところ
で、上記ガスを使用することなく、配向膜に光を照射す
ると、O3(オゾン)が発生して、このO3によりポリイ
ミドのアルキル基が酸化されてカルボニル基となり、こ
れにより配向膜表面の極性が変化する。このとき、上記
ガス、特にオゾンが配向膜の近傍に存在しておれば、よ
り速く配向膜表面の極性が変化する。その結果、配向膜
となる膜の近傍に酸素およびオゾンが存在しない場合よ
りも速い速度で、配向膜表面に変化が生じる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0024】図2は本発明を適用した単純マトリクス型
液晶表示装置の断面図を示す。この液晶表示装置は、液
晶層33を挟んで一対の基板31、32が対向配設され
ている。一方(下側)の基板31は、ガラスやシリコン
ウェハ等からなるベース用の基板31a上に電極配線3
1bが形成され、液晶層33と接する部分に液晶の配向
を規定する配向膜31cが形成されている。この基板3
1上に設けた電極配線31bは、帯状をしたものを複数
並設して形成されている。
【0025】他方(上側)の基板32は、ガラスやシリ
コンウェハ等からなるベース用の基板32a上に電極配
線32bが形成され、液晶層33と接する部分に液晶の
配向を規定する配向膜32cが形成されている。この基
板32上に設けた電極配線32bは、上記基板31上に
設けた電極配線31bとは交差する状態で、帯状をした
ものを複数並設して形成されており、両電極配線31
b、32bが交差する部分で絵素が構成されている。
【0026】液晶層33では、1絵素内において配向状
態が異なる領域X、Yが形成されている。領域Xにおい
ては6時視角となっており、領域Yにおいては12時視
角となっている。なお、図2において基板31、32に
接した短い直線が配向膜31c、32cに接する液晶の
プレチルト角の大小を示し、液晶層33中の厚み方向の
中心付近の液晶分子33aの傾きが平均的な液晶のプレ
チルト方向を示す。
【0027】これらの基板31、32の端部は樹脂等で
シールされ、両基板31、32のうちの少なくとも一方
には、表示を行う表示部の外側の周辺に、駆動回路など
の周辺回路が実装されている。
【0028】かかる構造の液晶表示装置の製造方法を以
下に説明する。
【0029】まず、公知の方法により、ベース用の基板
31a、32aの上に電極配線31b、32bを形成
し、更にその上に配向膜31c、32cを形成する。続
いて、配向膜31c、32cに、例えば琢磨布にて所定
方向にラビング処理を施す。
【0030】次に、両基板31、32のうちの一方、例
えば基板31を、図3に示す反応装置のチャンバ21内
に配向膜31cを上にしてセットし、また配向膜31c
の上に、遮光部11aと透光部11bを有するマスク1
1を配置する。このマスク11は、図1に示すように、
ほぼ全体に形成された遮光部11aに透光部11bがマ
トリクス状に設けられた構成となっており、遮光部11
aが1絵素を構成する電極配線31bの前記領域Yに相
当する領域上に位置する状態に配する。
【0031】次に、酸素ガスまたはオゾンガスを切り換
えて供給する供給管20aと、窒素などの不活性気体を
供給する供給管20bとが接続されたマスフローコント
ローラ20から酸素ガスまたはオゾンガスを、ガス供給
口19を介して前記チャンバ21内に導入する。このと
き、酸素ガスまたはオゾンガスが配向膜31cに接する
ように導入するのが好ましく、また、場合によっては不
活性気体を付加した状態で供給してもよい。なお、導入
する酸素またはオゾンの濃度としては、酸素ガスを導入
する場合には酸素の濃度は25vol%以上とし、オゾ
ンガスを導入する場合にはオゾンの濃度は1×10-5
ol%以上とする。これら規定される濃度は、チャンバ
21内の雰囲気がほぼ一定状態にあるときは、その雰囲
気に対する値としてもよく、あるいはチャンバ21内の
雰囲気が一定状態にないときは、配向膜31cの近傍の
雰囲気に対する値としてもよい。要は、配向膜の表面に
おいて後述する反応が起こり易くできるように、少なく
とも配向膜31cの近傍において上述した濃度となって
いればよい。なお、前記供給管20aは、図示しない切
換弁にて酸素源とオゾン源とから酸素ガスおよびオゾン
ガスのうちの一方をマスフローコントローラ20に供給
する構成となっている。
【0032】次に、図1及び図3に示すように、マスク
11の上方から光15を配向膜31cに照射する。光1
5としては、紫外光を用いることができる。かかる光照
射により配向膜31cの光照射部分では、液晶のプレチ
ルト角を小さくするような表面状態となる。
【0033】したがって、このように光照射された配向
膜31cにおいては、光照射部分、つまり領域Yに相当
する部分ではプレチルト角が小さく、非光照射部分、つ
まり領域Xに相当する部分ではプレチルト角が大きくな
る。
【0034】次に、もう一方の基板32をチャンバ内に
セットし、前同様にして光照射を行う。これにより、配
向膜32cにおいては、光照射部分、つまり領域Xに相
当する部分ではプレチルト角が小さく、非光照射部分、
つまり領域Yに相当する部分ではプレチルト角が大きく
なる。なお、基板32に光照射する工程は、基板31に
光照射する工程よりも前に行ってもよい。
【0035】次に、基板31、32を、配向膜31c、
32c側を内側にして対向させ、貼り合わせる。このと
き、基板31、32の端部にシールを施しておく。続い
て、両基板31、32の間に液晶を注入し、液晶層33
を得る。
【0036】最後に、表示を行う表示部の外側の周辺
に、駆動回路などの周辺回路を実装する。これにより本
実施例の液晶表示装置が完成する。
【0037】したがって、上述したように本実施例で
は、配向膜31c、32cに光を照射する際に、少なく
とも配向膜31c、32cの近傍に酸素ガスまたはオゾ
ンガスが、酸素の濃度を25vol%以上、オゾンの濃
度を1×10-5vol%以上として存在する状態として
いるので、反応速度が速くなる。すなわち、配向膜近傍
の酸素にUV光が照射されると、O3(オゾン)が発生
して、このO3によりポリイミドのアルキル基が酸化さ
れてカルボニル基となり、これにより配向膜表面の極性
が変化する。このとき、酸素またはオゾン、特にオゾン
が配向膜の近傍により多く存在しておれば、より速く配
向膜表面の極性が変化する。その結果、配向膜31c、
32cの表面を短時間で所望の状態にすることが可能と
なる。そして、極性が変化した配向膜表面と接する液晶
分子のプレチルト角が変化することとなる。また、製造
された液晶表示装置においては、1絵素にプレチルト角
の異なる2つの領域が存在するため、正視角方向の反転
現象を改善できコントラストが向上することとなる。
【0038】なお、本実施例では配向膜31c、32c
として有機高分子膜の一つであるポリイミド(PI)膜
を使用する。ポリイミド系高分子は高分子鎖を有してお
り、ポリイミド膜の表面の高分子鎖の長鎖方向がラビン
グ処理によりラビング方向に配向するため、ポリイミド
膜からなる配向膜31c、32cと接触する液晶はその
ラビング方向に配向する。
【0039】上述したように酸素の濃度を25vol%
以上、オゾンの濃度を1×10-5vol%以上としたの
は、酸素またはオゾンが配向膜の光照射部分に存在する
と、光照射によって起こる配向膜の表面変化の反応が促
進され、反応速度を速くできるからである。逆に、規定
濃度より低い場合には、配向膜の表面変化の反応が促進
されず、反応速度が速くならない。なお、配向膜の光照
射部分に供給すべきオゾン濃度が酸素濃度よりも極めて
少ないのは、オゾンの方が効果的に反応を促進できるか
らである。また、酸素ガスとオゾンガスの両方を導入す
る場合には、上記濃度より少ない量で同様の効果が得ら
れる。
【0040】なお、本発明における配向膜に光を照射す
る工程は、配向膜を形成した後の任意の時点で実施でき
る。具体的には、配向膜塗布後、仮焼成後、ラビング
後、ラビング後の基板の洗浄後のいつでも良い。両基板
を貼り合わせた後であっても良いが、その場合は対向基
板越しに照射することになるため基板(例えば、ガラ
ス)を透過する波長の光を使用する必要がある。
【0041】なお、本発明において使用できるマスクと
しては、例えば、フォトリソグラフィ技術において通常
使用されるフォトマスクと同様のマスクを使用すること
ができる。または、配向膜が汚染するものの、フォトリ
ソグラフィ技術を用いて配向膜上に直接マスクパターン
を形成して光を照射し、その後マスクを剥離する方式を
採用することができる。または、集光された光を用い、
所定の領域に選択的に光照射を行う方式を採用してもよ
い。
【0042】また、配向膜に光を照射する際、遮光部は
完全に光を遮断する必要はない。遮光部と非遮光部との
間に遮断の程度の差があればよい。例えば、基板上に光
透過性の異なる二種類以上の領域を有する材料をマスク
として設けてもよい。こうすれば、相互に配向性の異な
る二種類以上の領域を同一液晶層内に形成することも可
能である。
【0043】上記実施例では1絵素にプレチルト角の異
なる2つの領域を形成しているが、本発明はこれに限ら
ず、図4に示すように隣合う絵素の間でプレチルト角が
異なるようにしてもよい。この図において、光が照射さ
れなかった絵素12、14においては液晶のプレチルト
角をαとし、光が照射された絵素13においてはプレチ
ルト角をαとは異なるβとしている。
【0044】また、本発明は、1絵素にプレチルト角の
異なる3以上の領域を形成したり、あるいは2以上の絵
素において同一のプレチルト角とし、隣合う2以上の絵
素毎にプレチルト角を異ならせる構成とすることができ
る。この構成において、1絵素にプレチルト角の異なる
3つの領域を形成する場合は、カラー表示を行う液晶表
示装置に対して有効となる。
【0045】上記実施例では配向膜に対して照射する光
として紫外光を用いているが、可視光または赤外光を用
いてもよい。但し、配向状態を変化させるためには、高
エネルギーが容易に得られる波長が400nm以下の紫
外光が好ましい。このような波長の光の照射は、例えば
高圧水銀灯を用いればよい。紫外光(UV光)を照射す
る場合、1000(mJ/cm2)から10000(m
J/cm2)の条件のもとで照射を行うことが好まし
い。また、使用可能な光としては、紫外光と同一波長域
のレーザ光、可視光もしくは赤外光と同一波長域のレー
ザ光も相当する。この場合、光の波長のエネルギーに加
えてレーザーのエネルギーが加わるので効率が高い。更
には、光の照射に代えて、他のエネルギービームの照射
によって配向膜の配向特性を局所的に変化させることも
可能である。例えば、電子ビーム、イオンビーム、X線
などの照射によって配向膜の化学的構造等を局所的に変
化させることも可能である。
【0046】上記実施例では配向膜としてポリイミド膜
を用いたが、他の材料として例えば、ポリアミド、ポリ
スチレン、ポリアミドイミド、エポキシアクリレート、
スピランアクリレート、又はポリウレタンを主成分とす
る有機高分子膜や、無機質の酸化膜、無機質の窒化膜、
無機質のフッ化膜又は金属膜を使用してもよい。この場
合、材料の種類に応じて、照射すべき光としては適切な
波長を持つ光を選択使用するのがよい。上記他の材料と
しては、窒化ケイ素、酸化ケイ素、フッカマグネシウム
または金等を主成分とした無機質が挙げられるが、この
場合は、紫外線レーザー、電子線ビーム等の高エネルギ
ーの光の照射が必要である。
【0047】また、本発明は、TNモードやSTNモー
ドの視角改善を行うことができる。例えば、TNモード
型の液晶表示装置を一対の偏光板間に配置した場合にお
いて液晶表示の反転現象という視角特性を改善するため
には、液晶分子のもつ縦方向(観測者に対して垂直方
向)の屈折率を視角によらず一定にすればよいと考えら
れる。すなわち、正視角方向で考えると、液晶表示装置
の真上(基板面に対して垂直方向)から視角を深くして
行くに従って縦方法の屈折率の異方性(△n)が、
「大」→「0」→「大(逆方向)」と変化するのを抑制
すれば良い。本発明によれば、前記液晶分子の屈折率の
異方性を押さえ△nの変化を小さくすることができる。
更には、本発明に係る製造方法は散乱モードの液晶表示
装置にも適用することができる。散乱モードの液晶表示
装置にも適用する場合、微小範囲毎に数種類の異なる配
向状態を同一液晶層内に設けると、液晶層に電圧を印加
しないとき、微小範囲毎に液晶分子の配向角度が異なる
ため液晶層を通る光は散乱されるが、液晶層に徐々に電
圧を印加していくと、液晶分子が立ち上がっていくため
光が液晶層を透過するようになる。即ち、液晶に対する
電圧の印加/無印加に応じて光スイッチング動作を行
う。
【0048】上記実施例では単純マトリクス型液晶表示
装置に適用しているが、本発明はこれに限らず、アクテ
ィブマトリクス型液晶表示装置や他の構成の液晶表示装
置にも同様にして適用することができる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による液晶
表示装置の製造方法によれば、光照射時にオゾンまたは
酸素を配向膜の近傍に導入するので、配向膜表面の反応
速度を速くでき、液晶表示装置を生産性よく製造するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶表示装置の製造方法における
光照射工程を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明方法を適用して製造した液晶表示装置を
示す断面図である。
【図3】本発明に係る液晶表示装置の製造方法における
光照射工程に用いる装置を模式的に示す図である。
【図4】本発明の他の実施例により製造した液晶表示装
置を示す断面図である。
【図5】従来の液晶表示装置における印加電圧−透過率
特性を示すグラフである。
【図6】従来の液晶表示装置に於ける視角特性を説明す
るための斜視図である。
【図7】従来の液晶表示装置に於ける視角特性を説明す
るための断面図である。
【図8】(a)、(b)及び(c)は、従来の液晶表示
装置に於ける反転現象を説明するための図である。
【符号の説明】
11 マスク 11a 遮光部 11b 透光部 12、13、14 絵素 15 光 19 ガス供給口 20 マスフローコントローラ 20a 供給管 20b 供給管 21 チャンバ 31、32 基板 31a、32a ベース用の基板 31b、32b 配線電極 31c、32c 配向膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 典子 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−169428(JP,A) 特開 平5−297378(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1337

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶層を挟んで一対の基板を対向させて
    貼り合わせる液晶表示装置の製造方法において、 該一対の基板の少なくとも一方の基板に、該液晶層の配
    向を制御する配向膜を形成する工程と、該配向膜に配向処理を施してプレチルト角を持たせる工
    程と、 該配向膜に対して、光を照射するとともに、酸素および
    オゾンのうちの少なくとも1種を有するガスを該配向膜
    近傍の雰囲気に導入し、該配向膜のプレチルト角を低下
    させる工程と、 を包含する液晶表示装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記光を照射する工程が、該配向膜に選
    択的に光を照射することにより、プレチルト角が異なる
    複数の領域を形成する工程である請求項1に記載の液晶
    表示装置の製造方法。
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