JP4312487B2 - 液晶表示装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2枚の基板間に液晶を封入した液晶表示装置及びその製造方法に関し、特に2枚の基板の間に重合可能な成分を添加した液晶を封入した後、その重合可能な成分を重合して液晶分子の配向方向を規定する液晶表示装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な液晶表示装置は、2枚の基板の間に液晶を封入した構造を有している。一方の基板には薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:以下、「TFT」という)及び画素電極等が形成されており、他方の基板にはコモン電極及びカラーフィルタ等が形成されている。以下、TFT及び画素電極が形成された基板をTFT基板と呼び、TFT基板に対向して配置される基板を対向基板と呼ぶ。
【0003】
従来から、視野角特性及びコントラスト特性が優れた液晶表示装置として、MVA(Multi-domain Vertical Alignment )型液晶表示装置が知られている(例えば、特許第2947350号公報等)。図1は従来のMVA型液晶表示装置の一例を示す模式断面図である。
【0004】
MVA型液晶表示装置は、TFT基板10と対向基板20との間に誘電率異方性が負の液晶30を封入した構造を有している。そして、TFT基板10の下及び対向基板20の上にはそれぞれ偏光板(図示せず)が偏光軸を相互に直交させて配置されている。
【0005】
TFT基板10は、ガラス基板11と、ガラス基板11の液晶30側の面(図1では上面)上に形成された画素電極12と、画素電極12の表面を覆う垂直配向膜13とにより形成されている。画素電極12はITO(Indium-Tin Oxide:インジウム酸化スズ)等の透明導電体により形成されており、垂直配向膜13はポリイミド又はポリアミック酸等により構成されている。
【0006】
一方、対向基板20は、ガラス基板21と、ガラス基板21の液晶30側の面(図1では下面)上に形成されたコモン電極22と、コモン電極22の上に形成されたドメイン規制用突起23と、コモン電極22及び突起23の表面を覆う垂直配向膜24とにより構成されている。コモン電極22はITO等の透明導電体により形成されており、垂直配向膜24はポリイミド又はポリアミック酸等により形成されている。また、ドメイン規制用突起23は、例えばフォトレジストにより形成されている。
【0007】
図2(a),(b)は、MVA型液晶表示装置の動作を示す模式図である。図2(a)に示すように、画素電極12とコモン電極22との間に電圧が印加されていない状態では、液晶分子30aは配向膜13,24の表面に対しほぼ垂直に配向する。この状態では、TFT基板10の下の偏光板を透過して液晶層に進入した光は液晶層をそのまま通過し、対向基板20の上の偏光板により遮断される。すなわち、この場合は暗表示となる。
【0008】
一方、図2(b)に示すように、画素電極12とコモン電極22との間に十分な電圧を印加すると、液晶分子30aは電界に対してほぼ垂直な方向に配向する。この状態ではTFT基板10の下の偏光板を透過して液晶層に進入した光は液晶分子の誘電率異方性により複屈折されるため、対向基板20の上の偏光板を透過するようになる。すなわち、この場合は明表示となる。このようにして、画素電極12とコモン電極22との間の電圧を画素毎に制御することにより、液晶表示装置に所望の画像を表示することができる。
【0009】
なお、MVA型液晶表示装置では、画素電極12とコモン電極22との間に電圧を印加したときに、図2(b)のように突起23の両側で液晶分子の倒れる方向が異なり、いわゆる配向分割(マルチドメイン)が達成される。これにより、基板面に対し斜め方向の光の漏れが著しく低減され、良好な視野角特性及びコントラスト特性を得ることができる。
【0010】
また、上記の例ではドメイン規制手段として突起23を形成した場合について説明したが、画素電極及びコモン電極のいずれか一方又は両方にスリットを設けてドメイン規制手段とすることもある。通常のMVA型液晶表示装置では、TFT基板及び対向基板のうちのいずれか一方の基板の電極にスリットを設け、他方の基板に突起を設けている。突起又はスリットに替わりに窪みを設けてドメイン規制手段とすることもある。
【0011】
なお、特開平7−84244号公報及び特開平11−343486号公報には、液晶中に添加した光反応性モノマーを重合して液晶のドメインを規制する部材を形成した液晶表示装置の製造方法が記載されている。しかし、特開平11−343486号公報に記載された方法では、従来と同様に垂直配向膜を形成する工程が必要である。また、特開平7−84244号公報に記載された方法では、ドメインの境界となる部分を任意の位置に配置することができない。
【0012】
【特許文献1】
特許第2947350号公報
【特許文献2】
特開平7−84244号公報
【特許文献3】
特開平11−343486号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
MVA型液晶表示装置では、電圧印加時に液晶分子の倒れる方向が突起又は電極のスリット等により決まるので、配向膜13,24に配向処理を施す必要はない。しかし、TFT基板及び対向基板の表面に配向膜13,24を形成することは必要である。
【0014】
配向膜は、一般的に、基板表面にポリイミド又はポリアミック酸を印刷した後、200℃程度の温度で焼成することにより形成される。近年の液晶表示装置の大型化に伴って、配向膜の形成に大型の印刷機や焼成炉が必要となり、更に印刷版の交換にも多大な費用が発生するので、これらが製造コストの上昇の原因となっている。
【0015】
このような問題点を解消すべく、本願出願人は、配向膜を塗布する工程を省略可能な液晶表示装置の製造方法を提案している(特願2002−40721号等)。この方法では、例えば一対の基板間に垂直配向性を示す基を有する重合可能なモノマーと光重合開始剤とを混合した液晶を封入する。その後、紫外線を照射するとモノマーが重合されるとともに基板表面に吸着して、配向制御層が形成される。この配向制御層は基板面に対しほぼ垂直な方向に液晶分子を配向させる規制力を有する。しかしながら、単にモノマーを重合して配向制御層を形成しただけでは電圧印加時に液晶分子の倒れる方向が決まらないため、ランダムな配向(シュリーレン配向)となってしまう。
【0016】
また、従来のMVA型液晶表示装置では、TN(Twisted Nematic )型液晶表示装置に比べてコントラスト特性が良好であるものの、図2(a)に示すように、電圧が印加されていないときに突起23の近傍では液晶分子が基板面に対し斜め方向に配向するため、この部分で光の漏れが発生し、コントラスト特性を低下させる原因となっている。
【0017】
更に、従来のMVA型液晶表示装置では、突起やスリットの上方が配向分割の境界となって暗線が発生し、白表示時の透過率の低下の原因となっている。突起やスリットの間隔を十分広くすれば透過率を向上することができるが、突起やスリットから離れた部分では電極間に電圧を印加してから液晶分子の配向が安定するまでに長時間かかるようになり、応答速度が著しく低下する。
【0018】
このような問題点を解消すべく、TFT基板と対向基板との間にモノマー又はオリゴマー等の重合可能な成分を添加した液晶を封入し、電極間に電圧を印加して液晶分子の配向方向を安定させた後に紫外線を照射し、重合可能な成分を重合させることで液晶分子のプレチルト角及び電圧印加時の傾斜方向を規定する液晶表示装置が提案されている。このような液晶表示装置では、電極間の液晶分子が電圧の印加と同時に重合可能な成分の重合によって予め決められた方向に倒れるので、応答特性が向上する。
【0019】
しかしながら、本願発明者等は、上述した従来の液晶表示装置には以下に示す問題点があると考えている。
【0020】
すなわち、液晶中に添加した重合可能な成分を利用して液晶分子のプレチルト角を規定する液晶表示装置では、TFT基板又は対向基板に設けられた電極と外部駆動回路とを電気的に接続した後に、画素電極とコモン電極との間に電圧を印加しながら紫外線を照射するので、工程が煩雑であり量産性が悪い。また、TFTを駆動させた状態で紫外線を照射すると、TFTの特性が紫外線により変化して正常な電圧が画素電極に印加されないことがある。そして、その状態で重合可能な成分を重合すると、重合による配向規定の状態が画素毎に異なって、液晶セルのT−V(透過率−電圧)特性にばらつきが発生する。これにより、表示むら等の表示欠陥を招く。
【0021】
以上から、本発明の目的は、ドメイン規制用突起と配向制御層とを有し、従来に比べて製造工程をより一層簡略化できる液晶表示装置及びその製造方法を提供することである。
【0022】
本発明の他の目的は、従来に比べてコントラスト特性がより一層良好な液晶表示装置及びその製造方法を提供することである。
【0023】
本発明の更に他の目的は、量産性に優れ、画素毎のT−V特性のばらつきがない液晶表示装置の製造方法を提供することである。
【0024】
上記した課題は、相互に対向して配置された第1及び第2の基板と、前記第1及び第2の基板の間に封入された液晶と、前記第1の基板の前記液晶側の面上に形成された第1の電極と、前記第2の基板の前記液晶側の面上に形成された第2の電極と、前記第1及び第2の電極の表面を覆い、電圧無印加時の液晶分子の配向方向を基板面に対しほぼ垂直に制御する配向制御層と、前記第1及び第2の基板の少なくとも一方の表面上に形成されて、電圧印加時の液晶分子の倒れる方向を決める突起とを有し、前記配向制御層及び前記突起がいずれも前記液晶に添加された重合可能な成分を重合して形成され、かつ、電圧無印加時における前記突起近傍の液晶分子の配向方向が基板面に対してほぼ垂直であることを特徴とする液晶表示装置により解決する。
【0025】
また、上記した課題は、第1及び第2の基板の間に光により重合可能な成分を添加した液晶を封入する工程と、前記第1及び第2の基板の少なくとも一方の基板の突起形成領域にその他の領域よりも高いエネルギー密度で光を照射することにより前記液晶中の重合可能な成分を重合して、前記第1及び第2の基板の表面に電圧無印加時の液晶分子の配向方向を基板面に対しほぼ垂直に制御する配向制御層を形成するとともに、前記液晶側に突出した突起を該突起形成領域に形成する工程とを有することを特徴とする液晶表示装置の製造方法により解決する。
更に、上記した課題は、第1及び第2の基板の少なくとも一方の基板の突起形成領域の表面エネルギーをその他の領域の表面エネルギーよりも高くする処理を施す工程と、前記第1及び第2の基板の間に光により重合可能な成分を添加した液晶を封入する工程と、光を照射することにより前記液晶中の重合可能な成分を重合して、前記第1及び第2の基板の表面に電圧無印加時の液晶分子の配向方向を基板面に対しほぼ垂直に制御する配向制御層を形成するとともに、前記液晶側に突出した突起を前記突起形成領域に形成する工程とを有することを特徴とする液晶表示装置の製造方法により解決する。
【0026】
本発明においては、配向制御層だけでなく、ドメイン規制用突起も重合可能な成分(モノマー又はオリゴマー)を重合することにより形成する。例えば、液晶中に添加したモノマーを重合する際に、突起形成領域にそれ以外の領域よりも高エネルギーの紫外線を照射する。これにより、突起形成領域でモノマーが優先的に重合して突起が形成され、他の部分には膜厚が小さい配向制御層が形成される。このとき、突起の形成初期段階では液晶分子は基板面に対し垂直に配向している。この配向状態を保持したまま突起が成長するので、突起が完成した後も突起の近傍の液晶分子は、電圧無印加の状態で基板面に対しほぼ垂直となる。これにより、従来のMVA型液晶表示装置に比べて光の漏れがより一層抑制され、コントラスト特性が向上する。
【0027】
なお、本発明に関連する第1発明として、相互に対向して配置された第1及び第2の基板と、前記第1及び第2の基板の間に封入された液晶と、前記第1及び第2の基板の少なくとも一方に設けられて電圧印加時における液晶分子の倒れる方向を決める傾倒制御部と、前記第1及び第2の基板の前記液晶側の面に形成され、電圧無印加時の液晶分子の配向方向を基板面に対しほぼ垂直に制御する配向制御層とを有し、前記配向制御層が前記液晶に添加された重合可能な成分を重合して形成されたものであることを特徴とする液晶表示装置がある。
【0028】
また、第1発明の他の形態として、第1及び第2の基板の少なくとも一方に突起又は窪みを形成する工程と、前記突起又は窪みが形成された面を内側にして前記第1及び第2の基板を相互に対向させて配置し、両者の間に重合可能な成分を添加した液晶を封入する工程と、前記液晶中の重合可能な成分を重合して前記第1及び第2の基板、並びに前記突起又は窪みの表面に電圧無印加時の液晶分子の配向方向を基板面に対しほぼ垂直に制御する配向制御層を形成する工程とを有することを特徴とする液晶表示装置の製造方法がある。
【0029】
この第1発明においては、第1及び第2の基板のうちの少なくとも一方に、電圧印加時に液晶分子が倒れる方向を決める突起又は窪み等の傾倒制御部を設ける。
【0030】
単に液晶に添加した重合可能な成分を重合させて配向制御層を形成しただけでは、電圧印加時に液晶分子が倒れる方向が決まらず、液晶中には配向方向が同一の液晶分子の集合からなる複数の小さなドメインが形成される。隣接するドメインの配向方向は同じでないため、ドメインの境界部には配向異常による暗線が発生する。しかも、暗線の発生個所は一定でない。これが、表示品質の低下の原因となっている。
【0031】
しかし、第1発明では、第1及び第2の基板の少なくとも一方に傾倒制御部を設けているので、この傾倒制御部により電圧印加時に液晶分子が倒れる方向が決定される。これにより、良好な表示特性が得られる。
【0032】
傾倒制御部は、上記した突起又は窪みに限定されるものではなく、例えば配向制御層の下地にラビング処理を施して傾倒制御部としてもよい。また、基板の表面に、表面エネルギーを部分的に変化させる処理を施して傾倒制御部としてもよい。これらの処理を施した場合、下地に施した処理が配向制御層に影響して、電圧印加時に液晶分子が倒れる方向を制御することができる。
【0033】
また、本発明に関連する第2発明として、表面に配向膜が形成された一対の基板を前記配向膜を内側にして対向配置し、両者の間に重合可能な成分を添加した液晶を封入する工程と、電圧を印加しない状態で紫外線を照射し前記重合可能な成分を重合する工程とを有し、前記重合可能な成分の組成、添加量及び重合条件を制御することで基板表面の液晶分子に対するアンカリングエネルギーを制御することを特徴とする液晶表示装置の製造方法がある。
【0034】
この第2発明においては、電極間に電圧を印加していない状態で液晶中に添加した重合可能な成分を重合する。この重合により、液晶分子を垂直方向に配向させる規制力(アンカリングエネルギー)が強くなる。
【0035】
突起やスリットの近傍の液晶分子は、電圧の印加とほぼ同時に突起又はスリットにより決まる所定の方向に配向する。これらの液晶分子の配向方向がその周囲の液晶分子に影響を与えて、周囲の液晶分子の配向方向が決定する。このようにして、液晶分子の配向方向が伝播されて、突起又はスリットから離れた位置の液晶分子の配向方向が決定する。
【0036】
液晶中に重合可能な成分を添加していないMVA型液晶表示装置では、突起やスリットから離れた位置の液晶分子は、電圧の印加とほぼ同時にランダムな方向に配向し、突起又はスリットの近傍の液晶分子の配向方向が伝播されると、その配向方向に向きを変える。しかし、一旦配向した液晶分子の配向方向を変えるためには時間がかかり、液晶中に重合可能な成分を添加していない液晶表示装置の応答特性が悪い原因となっている。
【0037】
第2発明のように、液晶分子の垂直方向の配向規制力を強くすると、突起又はスリットの近傍の液晶分子の配向方向が伝播されるまで液晶分子が垂直に配向しており、配向方向が伝播された後に液晶分子が所定の方向に配向するので、液晶中に重合可能な成分を添加していない液晶表示装置に比べて応答時間が短縮される。また、第2発明では、電極間に電圧を印加しない状態で重合可能な成分を重合するので、T−V特性のばらつきが回避される。
【0038】
すなわち、従来の液晶中に重合可能な成分を添加し、電圧を印加して重合するタイプの液晶表示装置は、液晶分子のプレチルト角と電圧印加時の傾斜方向とを制御するものであるのに対し、第2発明は、電圧無印加で重合することでアンカリング強度を制御するものであり、垂直配向型液晶表示装置及び水平配向型液晶表示装置のいずれにも適用できる。また、第2発明は、ラビング処理を施す液晶表示装置に適用することも可能である。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0040】
(第1の実施の形態)
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る液晶表示装置(MVA型液晶表示装置)を示す平面図、図4は図3のI−I線による断面図である。
【0041】
本実施の形態のMVA型液晶表示装置は、図4に示すように、TFT基板110と対向基板120との間に誘電率異方性が負の液晶130を封入した構造を有している。TFT基板110の下及び対向基板120の上にはそれぞれ偏光板(図示せず)が偏光軸を直交させて配置されている。
【0042】
TFT基板110は、図3及び図4に示すように、ガラス基板111と、このガラス基板111の上側に形成されたブラックマトリクス(図示せず)、カラーフィルタ119、ゲートバスライン112a、補助容量バスライン112b、データバスライン113a、補助容量電極113b、TFT114及び画素電極117により構成される。
【0043】
図3に示すように、ゲートバスライン112aは水平方向に延在し、データバスライン113aは垂直方向に延在している。ゲートバスライン112a及びデータバスライン113aは、両者の間に存在するゲート絶縁膜(図示せず)により電気的に分離されている。これらのゲートバスライン112a及びデータバスライン113aにより区画される領域がそれぞれ画素(サブピクセル)である。1つの画素には赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)のいずれか一色のカラーフィルタ119が配置され、相互に隣接する赤色、緑色及び青色の3つの画素により1つのピクセルを構成する。
【0044】
補助容量バスライン112bはゲートバスライン112aと同じ配線層に、画素の中央部を横断するように形成されている。
【0045】
各画素には、それぞれTFT114、画素電極117及び補助容量電極113bが形成されている。TFT114はゲートバスライン112aとデータバスライン113aとが交差する部分の近傍に配置されており、そのソース電極がコンタクトホールを介して画素電極117と電気的に接続され、ドレイン電極がデータバスライン113aと電気的に接続されている。
【0046】
補助容量電極113bはデータバスライン113aと同じ配線層に形成されており、補助容量バスライン112bの上に絶縁膜を挟んで配置されている。補助容量電極113bも、コンタクトホールを介して画素電極117に電気的に接続されている。
【0047】
画素電極117はITO等の透明導電体からなり、図4に示すように、ゲートバスライン112a、データバスライン113a、補助容量電極113b及びTFT114を被覆する絶縁膜116の上に形成されている。この画素電極117には、ドメイン規制用のスリット117aが設けられている。これらのスリット117aは、図3に示すように、ゲートバスライン112a及び補助容量バスライン112bの上で屈曲するジグザグ状の線に沿って設けられている。画素電極117の表面は、液晶130中に添加された反応性モノマーを反応させて高分子化することにより形成された配向制御層118により覆われている。
【0048】
一方、対向基板120は、図4に示すように、ガラス基板121と、ガラス基板121の下側に形成されたコモン電極123により構成される。また、コモン電極123の下にはドメイン規制用の突起124が形成されている。この突起124は、図3に一点鎖線で示すように、画素電極117のスリット117aの列の間に配置されている。
【0049】
コモン電極123の表面は配向制御層125により覆われている。突起124及び配向制御層125は、いずれも液晶130に添加された反応性モノマーを重合することにより形成されている。
【0050】
以下、本実施の形態の液晶表示装置の製造方法について説明する。最初に、TFT基板120の形成方法について説明する。
【0051】
まず、厚さが例えば0.7mmのガラス基板(日本電気硝子(株)製OA−2等)111を用意する。そして、ガラス基板111の上にCr等の金属膜を形成し、この金属膜をパターニングしてブラックマトリクスを形成する。その後、ガラス基板121の上にカラーフィルタ119を形成する。このとき、各画素毎に赤色、緑色及び青色のうちのいずれか1色のカラーフィルタ119が配置されるようにする。
【0052】
そして、PVD(Physical Vapor Deposition )法により、ガラス基板111上に第1の金属膜を形成し、フォトリソグラフィ法により第1の金属膜をパターニングしてゲートバスライン112a及び補助容量バスライン112bを形成する。次に、ガラス基板111の上側全面にゲート絶縁膜を形成し、その上にTFT114の動作層となる第1のシリコン膜とチャネル保護膜となるSiN膜とを順次形成する。その後、フォトリソグラフィ法によりSiN膜をパターニングして、ゲートバスライン112aの上方の所定の領域にTFT114のチャネルを保護するチャネル保護膜を形成する。
【0053】
次に、ガラス基板111の上側全面に、オーミックコンタクト層となる不純物が高濃度に導入された第2のシリコン膜を形成し、続けて第2のシリコン膜の上に第2の金属膜を形成する。そして、フォトリソグラフィ法により第2の金属膜、第2のシリコン膜及び第1のシリコン膜をパターニングして、TFT114の動作層となるシリコン膜の形状を確定するとともに、データバスライン113a、補助容量電極113b、TFT114のソース電極及びドレイン電極を形成する。
【0054】
次いで、ガラス基板111の上側全面に絶縁膜116を形成し、この絶縁膜116の所定の位置に、補助容量電極113b及びTFT114のソース電極に到達するコンタクトホールをそれぞれ形成する。その後、ガラス基板111の上側全面にITO等の透明導電体からなる膜を形成する。そして、この透明導電体の膜をパターニングすることにより、コンタクトホールを介して補助容量電極113b及びTFT114のソース電極に電気的に接続された画素電極117を形成する。このとき同時に、画素電極117にドメイン規制用スリット117aを形成する。このようにして、TFT基板110が完成する。
【0055】
以下、対向基板120の製造方法について説明する。まず、厚さが例えば0.7mmのガラス基板121を用意する。そして、このガラス基板121の上に、ITO等の透明導電体によりコモン電極124を形成する。このようにして、対向基板120が完成する。
【0056】
次に、真空注入法又は滴下注入法により、TFT基板110と対向基板120との間に、液晶配向能を有する光反応性モノマーを添加した誘電率異方性が負の液晶130を封入する。このとき、TFT基板110と対向基板120との間には例えば直径が4μmの樹脂製スペーサを配置して、TFT基板110と対向基板120との間隔(セルギャップ)を一定に保つ。
【0057】
液晶配向能を有する反応性モノマーとしては、アルキル側鎖やフッ素基を有する光反応性アクリレート又はメタクリレートを使用することができる。液晶配向能を有する反応性モノマーの添加量は数wt%(例えば2wt%)とする。また、液晶130中には、更に光重合開始剤や垂直配向能を有しないモノマーを添加してもよい。以下、TFT基板と対向基板とを接合してなる構造物をパネルと呼ぶ。
【0058】
以下、図5,図6を参照して突起124及び配向制御層118,125の形成工程を説明する。なお、図5,図6では絶縁膜116及びカラーフィルタ119等の図示を省略している。
【0059】
図5(a)に示すように、反応性モノマーを添加した液晶130をパネル100内に封入した後、例えば幅が10μm、ピッチが25μmのストライプ状のパターンの光透過部が設けられたフィルタ(マスク)135を使用して、パネル100に紫外線(UV)を例えば500mJ/cm2 のエネルギー密度で照射する。これにより、紫外線が照射された部分のモノマーが優先的に重合して成長し、図5(b)に示すように突起124が形成される。
【0060】
このとき、図6の模式図に示すように、突起124の成長初期段階では液晶分子130aは基板面に対しほぼ垂直方向に配向しており、この配向状態を保ったまま突起124が成長していく。従って、突起124の完成後も突起124の近傍の液晶分子130aは基板面に対しほぼ垂直方向に配向する。
【0061】
その後、パネル100の全面に1回目の照射よりも弱いエネルギーで紫外線を照射する。これにより、液晶130中のモノマーが重合して、TFT基板110及び対向基板120の表面全体に配向制御層118,125が薄く形成される。
【0062】
なお、モノマーによっては紫外線照射をしなくても時間とともに重合して配向制御層を形成するものがあるので、2回目の紫外線照射は必須の工程ではない。また、フィルタ135に替えて、突起形成部に対応する部分が透光性であり、それ以外の部分が半透光性であるフィルタを使用し、突起124と配向制御層118,125とを同時に形成してもよい。
【0063】
本実施の形態においては、上述の如く、TFT基板110及び対向基板120間に反応性モノマーを添加した液晶130を封入した後、紫外線を選択的に照射して所定の領域に突起124を形成するので、フォトレジストを使用して突起を形成する従来方法に比べて製造工程が簡略化されるという効果を有する。また、突起124の近傍の液晶分子130aは、電圧が印加されていない状態のときに基板面に対しほぼ垂直な方向に配向しているので、光の漏れを著しく低減することができる。これにより、コントラスト特性がより一層向上するという効果を奏する。
【0064】
なお、本実施の形態のMVA型液晶表示装置では、液晶130と突起124との誘電率の差を利用して配向分割(マルチドメイン)を達成する。すなわち、電圧を印加していないときには突起124の近傍の液晶分子は基板面に対しほぼ垂直に配向しているが、画素電極118とコモン電極123との間に電圧を印加すると、液晶130と突起124との誘電率が異なるため、突起124の表面近傍に電界の歪みが生じて、電界の方向が基板面に対し斜めになる。突起124の断面はその中心線に対しほぼ対称形であるので、突起130の両側で液晶分子の倒れる方向が異なり、配向分割(マルチドメイン)が達成される。その結果、本実施の形態の液晶表示装置は、従来のMVA型液晶表示装置と同様の良好な視野角特性が得られる。
【0065】
(第2の実施の形態)
図7(a)〜(c)は本発明の第2の実施の形態の液晶表示装置の製造方法を示す模式図である。
【0066】
まず、第1の実施の形態と同様に、TFT基板110及び対向基板120を形成する。そして、図7(a)に示すように、TFT基板110及び対向基板120(図7(a)では対向基板のみ図示)の突起形成部に、紫外線を高エネルギー密度で照射する。本実施の形態では、突起形成部に、中心波長が254nmの紫外線を5000mJ/cm2 のエネルギー密度で照射するものとする。これにより、紫外線が照射された領域の表面エネルギー(表面張力)が、他の領域の表面エネルギーよりも高くなる。
【0067】
次に、図7(b)に示すように、第1の実施の形態と同様に、スペーサを挟んでTFT基板110及び対向基板120を配置し、両者の間に反応性モノマーを添加した誘電率異方性が負の液晶130を封入してパネル100を形成する。その後、パネル100の全面に、例えば中心波長が365nmの紫外線を500mJ/cm2 のエネルギー密度で照射する。
【0068】
これにより、図7(c)に示すように、液晶130中のモノマーがTFT基板110及び対向基板120の表面に堆積し、紫外線により重合して配向制御層118,125が形成される。この場合に、表面エネルギーが高い領域では他の領域よりもモノマーの堆積量が多く、その結果、配向制御層118,125と同時に突起124が形成される。本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0069】
なお、上記の例では紫外線を高エネルギー密度で照射して基板の突起形成領域の表面エネルギーを他の領域の表面エネルギーよりも高くしたが、他の方法により突起形成領域の表面エネルギーを変化させてもよい。例えば、プラズマに暴露したり酸などの薬液に接触させる等の方法により、突起形成部の表面エネルギーを他の領域よりも高くすることができる。
【0070】
(第3の実施の形態)
図8(a),(b)は、本発明の第3の実施の形態の液晶表示装置の製造方法を示す模式断面図である。
【0071】
本実施の形態においては、図8(a)に示すように、突起形成部に選択的に樹脂製のスペーサ136を配置する。例えば、基板(TFT基板110又は対向基板120)の下に突起形成部のパターン形状の電極を配置し、この電極に電圧を印加しながら基板の上にスペーサを散布すると、静電気により電極部分にのみスペーサ136を配置することができる。
【0072】
また、インクにスペーサ136を添加し、このインクをインクジェット方式のプリンタのヘッドから基板(TFT基板又は対向基板)の表面に吐出させることにより、スペーサ136を所定の部分に配置してもよい。更に、基板上に接着剤を所定のパターンで塗布し、スペーサ136を散布した後に接着剤で固定されていない部分のスペーサを除去してもよい。
【0073】
このようにしてスペーサ136を突起形成部に配置した後、第1の実施の形態と同様に、反応性モノマーを添加した液晶130をTFT基板110と対向基板120との間に封入して、パネル100とする。そして、例えば中心波長が365nmの紫外線を500mJ/cm2 のエネルギー密度でパネル全体に照射する。そうすると、反応性モノマーは樹脂製のスペーサの表面に付着しやすい性質があるので、図8(b)に示すように、スペーサ136を核としてモノマーが重合し、突起137が形成される。また、紫外線照射により、画素電極117及びコモン電極123の表面上に薄い配向制御層118,125が形成される。本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0074】
(第4の実施の形態)
図9(a),(b)及び図10は、本発明の第4の実施の形態の液晶表示装置の製造方法を示す模式断面図である。
【0075】
本実施の形態においては、スペーサを挟んでTFT基板110及び対向基板120を配置し、これらの基板110,120間に反応性モノマーを添加した誘電率異方性が負の液晶130を充填する。そして、図9(a)又は図9(b)に示すように、一方の基板から他方の基板に接触するまで突起140を成長させる。
【0076】
例えば、滴下注入法によりTFT基板110と対向基板120との間に液晶130を封入する場合、図10に示すように表示領域を囲むループ状の領域に、一方の基板から他方の基板に接触する突起140を形成すると、液晶130を突起140の内側に封入することができる。これにより、シール剤を塗布する工程及びシール剤を硬化する工程を省略することができ、製造工程を簡略化することができる。
【0077】
(第5の実施の形態)
図11(a)〜(c)は、本発明の第5の実施の形態の液晶表示装置の製造方法を示す模式図である。なお、図11(a)〜(c)においては、説明を簡単にするために、TFT基板及び対向基板の主要部のみを図示している。実際のTFT基板及び対向基板の構造は、第1の実施の形態で説明したものと基本的に同じである。
【0078】
まず、図11(a)に示すように、第1の実施の形態と同様にしてTFT基板110及び対向基板120を形成する。本実施の形態においても、液晶に添加したモノマーにより配向制御層を形成するので、TFT基板110及び対向基板120の表面には電極(画素電極117又はコモン電極123)が露出している。また、本実施の形態においては、図11(a)に示すように、TFT基板110及び対向基板120にそれどれドメイン規制用突起211,221を形成している。これらの突起211,221は、例えばフォトレジストを使用し、選択露光及び現像処理を施すことにより形成する。
【0079】
次に、図11(b)に示すように、スペーサを挟んでTFT基板110及び対向基板120を相互に対向させて配置し、両者の間に反応性モノマー(紫外線硬化型樹脂)及び重合開始剤を添加した誘電率異方性が負の液晶130を封入してパネル200とする。液晶の封入方法としては真空注入法及び滴下注入法があるが、どちらの方法を採用してもよい。
【0080】
液晶130中には、基板に対する濡れ性が高い(すなわち、垂直配向制御性が低い)樹脂と、基板に対する濡れ性が低い(すなわち、垂直配向制御性が高い)樹脂との少なくとも2種類の樹脂を添加する。図12は、基板に対する濡れ性が高い樹脂と濡れ性が低い樹脂の例を示す化学式である。この図12において樹脂1は基板に対する濡れ性が低いものであり、Aの部分に垂直配向性を示す基を有している。また、樹脂2は基板に対する濡れ性が高いものであり、Bに示す部分に垂直配向性を示す基を有していない。これらの樹脂は、アクリレート又はメタクリレート等の光官能基を含んでいる。
【0081】
このようにしてパネル200内に反応性モノマーを添加した液晶130を封入した後、水銀灯を用いてパネル全体に紫外線を照射する。この場合、ガラス基板を通して液晶に光が照射されるので、短波長の紫外線はガラス基板によりカットされる。従って、重合開始剤は、ガラス基板を透過する光に反応するものを用いることが必要である。具体的には、吸収端が300nmよりも長波長側にある重合開始剤を使用する。
【0082】
この紫外線の照射により、図11(c)に示すように、液晶130中のモノマーがTFT基板110及び対向基板120の表面で重合してTFT基板110及び対向基板120の表面に配向制御層212,222が形成される。そして、注入直後にはほぼ水平配向又はランダム配向であった液晶分子が、図11(c)に示すように、ほぼ垂直方向に配向する。
【0083】
本実施の形態においては、上述したように、TFT基板110及び対向基板120に突起211,221を形成しておく。そして、TFT基板110と対向基板120との間に反応性モノマーを添加した液晶130を封入し、紫外線を照射してTFT基板110及び対向基板120の表面に配向制御層212,222を形成する。これにより、突起211,221の近傍の液晶分子は突起211,221の面に垂直な方向に配向し、それ以外の領域の液晶分子は基板面に対しほぼ垂直方向に配向する。従って、電圧無印加時における光の漏れが少ない。また、電圧印加時には、突起211,221の両側で液晶分子の倒れる方向が異なり、配向分割(マルチドメイン)が達成される。これにより、コントラスト特性及び視野角特性が良好な液晶表示装置が得られる。
【0084】
上述した方法により液晶表示装置を試作し、その表示特性を測定した。その結果、コントラスト比は300:1以上であり、応答速度(黒→白→黒)は30ms(ミリ秒)、透過率は5%であった。また、視野角も上下方向及び左右方向でいずれも170°以上あり、印刷により配向膜を形成した従来のMVA型液晶表示装置と同様の性能が得られた。
【0085】
なお、上記実施の形態では、突起によりドメインを規制する場合について説明したが、突起の替わりに窪みを設けてドメインを規制することも可能である。
【0086】
また、上述の実施の形態では、発明をより明確にするためにポリイミドやポリアミック酸を全く用いない場合について説明したが、ポリイミド又はポリアミック酸を紫外線硬化型樹脂に混ぜて使用したり、紫外線硬化樹脂の一部としてポリイミドやポリアミック酸を用いてもよい。
【0087】
(第6の実施の形態)
図13は本発明の第6の実施の形態の液晶表示装置の製造方法を示す模式図である。
【0088】
まず、図13(a)に示すように、第1の実施の形態と同様にしてTFT基板110及び対向基板120を形成する(図13(a)ではTFT基板110のみ図示)。本実施の形態においても、液晶に添加した紫外線硬化型樹脂により配向制御層を形成するので、TFT基板110及び対向基板120の表面には電極(画素電極117又はコモン電極123)が露出している。但し、これらの電極をSiN又はその他の絶縁膜で被覆してもよい。また、本実施の形態では、第5の実施の形態と異なり突起は形成しない。
【0089】
その後、図13(b)に示すように、TFT基板110及び対向基板120の表面にラビング処理を施す。ラビング処理は、例えば布製のローラ204によりTFT基板110及び対向基板120の表面を一方向に擦ることにより行う。
【0090】
次いで、図13(c)に示すように、スペーサを挟んでTFT基板110及び対向基板120を相互に対向させて配置し、両者の間に光反応性モノマー(紫外線硬化型樹脂)を添加した液晶130を封入する。その後、紫外線を照射して、TFT基板110及び対向基板120の表面に配向制御層212,222を形成する。
【0091】
図14(a)〜(c)は、本実施の形態の方法により試作した液晶表示装置の配向状態を調べた結果を示す図である。図14(a)は電極間に電圧を印加していないときの状態、図14(b)は電極間に2Vの電圧を印加したときの状態、図14(c)は電極間に3Vの電圧を印加したときの状態を示す。これらの図に示すように、電圧に応じて透過率が均一に変化しており、液晶分子の配向方向がラビング方向に制御されていることを確認することができた。なお、図14(b)中のすじ状の線はラビングが強すぎた部分に発生したものと推測される。この種の表示異常は適度なラビング条件を設定することにより回避することが可能と考えられる。
【0092】
本実施の形態では、ラビング面が液晶と直接接触しないため、ラビングによる汚染物質が液晶130中に混入して液晶130を汚染してしまうことがなく、液晶表示装置の信頼性が向上する。
【0093】
配向膜を印刷により形成する従来の方法では、下地をラビング処理しても、印刷の際にラビングにより生じた微小な凹凸が配向膜により埋まってしまうため、液晶分子をラビング方向に配向させることはできない。しかしながら、本実施の形態のように液晶130に添加した樹脂を重合して配向制御層を形成する場合、下地にラビング処理を施しておけば、液晶分子をラビング方向に配向させることができる。
【0094】
(第7の実施の形態)
図15,図16は本発明の第7の実施の形態の液晶表示装置の製造方法を示す模式図である。
【0095】
まず、第1の実施の形態と同様に、TFT基板及び対向基板を形成する。そして、TFT基板及び対向基板少なくとも一方の基板(本実施の形態ではTFT基板)の上に、SiN又はその他の絶縁物からなる絶縁膜を例えば0.3μm以下の厚さに形成する。そして、この絶縁膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングして、図15に黒塗りで示すような微細なストライプ状のパターン(凹凸パターン)を形成する。その後、スペーサを挟んでTFT基板110及び対向基板を相互に対向させて配置し、両者の間に光反応性モノマー(紫外線硬化型樹脂)を添加した誘電率異方性が負の液晶を充填する。その後、第1の実施の形態と同様に、紫外線を照射して、TFT基板及び対向基板の表面でモノマーを重合し、配向制御層を形成する。
【0096】
本実施の形態においても、TFT基板に設けられた微細な凹凸により、電圧印加時に液晶分子が倒れる方向を制御することができる。
【0097】
図16(a)に、本実施の形態により試作した液晶表示装置(実施例)の電圧印加時における光の透過状態を示す。また、図16(b)に、比較例として上記実施の形態と同様の凹凸パターンを形成した後、その上に配向膜を印刷により形成した液晶表示装置の電圧印加時における光の透過状態を示す。図16(a)からわかるように、実施例の液晶表示装置では凹凸パターンにより液晶の配向が制御されている。一方、図16(b)からわかるように、比較例の液晶表示装置の場合、凹凸パターンの厚さが0.3μm以下では微細な凹凸が配向膜によって埋まってしまうため、電圧印加時に液晶分子が配向する方向を制御することができず、光を透過しない領域がランダムに発生している。
【0098】
なお、凹凸パターンを図17(a),(b)、図18のように変更した場合も、良好な表示特性を得ることができた。図15、図17(a)のパターンでは180°の配向方位の変形を伴うドメインが形成され、図17(b)、図18のパターンでは90°の配向方位の変形を伴うドメインが形成されるが、いずれのパターンでも常に安定した配向制御が可能であった。また、パターンの先端が先細り(テーパー状)になっている場合(図15,図17(b))、及び先細りになっていない場合(図17(a),図18)のどちらにおいても、プレチルトの付与は可能であった。
【0099】
(第8の実施の形態)
以下、本発明の第8の実施の形態について説明する。本実施の形態においては、1つの画素領域を多数の微小な領域に分割し、各微小領域毎に界面の表面エネルギーを変化させて、配向制御層を形成する。
【0100】
すなわち、第1の実施の形態と同様にしてTFT基板及び対向基板を形成する。その後、TFT基板及び対向基板の少なくとも一方の基板(本実施の形態ではTFT基板)の上にフォトレジストを塗布してレジスト膜を形成し、120℃の温度でベークする。
【0101】
次に、図19に黒塗りで示すようなマスクを使用してレジスト膜の表面に紫外線を照射する。これにより、紫外線が照射された領域ではその他の領域に比べて表面エネルギーが高くなる。
【0102】
図20(a)は、横軸に紫外線照射エネルギー密度をとり、縦軸に表面エネルギーをとって、フォトレジスト膜の表面にUVを照射したときの両者の関係を示す図である。この図20(a)に示すように、フォトレジスト膜の表面に紫外線を照射することにより、表面エネルギーを高くすることができる。なお、図20(b)に垂直配向膜の表面に紫外線を照射したときのUV照射エネルギー密度と表面エネルギーとの関係を示す。
【0103】
このようにしてレジスト膜に紫外線を照射した後、スペーサを挟んでTFT基板及び対向基板を接合し、両者の間に光反応性モノマーを添加した誘電率異方性が負の液晶を封入してパネルとする。そして、パネルの全面に紫外線を照射してモノマーをTFT基板及び対向基板の表面で重合させ、配向制御層を形成する。この場合に、表面エネルギーが低い領域は、表面エネルギーが高い領域に比べて垂直配向性が弱くなる。すなわち、電圧印加時には、液晶分子が紫外線照射時のマスクのパターンに平行な方向に倒れるようになる。
【0104】
図21は、本実施の形態により試作した液晶表示装置の画素点灯時の状態を示す図である。この図21に示すように、本実施の形態においても、第7の実施の形態と同様の表示特性を得ることができた。
【0105】
なお、本実施の形態ではレジストに紫外線を照射して表面エネルギーを変化させる場合について説明したが、他の方法により表面エネルギーを変化させてもよい。例えば、ITOの有無によって微小領域の表面エネルギーを変化させることが可能である。
【0106】
(第9の実施の形態)
以下、本発明の第9の実施の形態の液晶表示装置の製造方法について説明する。
【0107】
前述したように、従来のMVA型液晶表示装置では、突起やスリットの上方が配向分割の境界となって暗線が発生し、白表示時の透過率の低下の原因となっている。突起やスリットの間隔を十分広くすれば透過率を向上することができるが、突起やスリットから離れた部分では電極間に電圧を印加してから液晶分子の配向が安定するまでに長時間かかるようになり、応答速度が著しく低下する。
【0108】
図22は、液晶に重合可能な成分を添加していないMVA型液晶表示装置の画素点灯時の過渡応答性を調べた結果を示す図である。この液晶表示装置は、図23に示すような形状のスリットが設けられた画素電極317を有している。
【0109】
この液晶表示装置は、最終的に図24に示すように良好な点灯状態となるが、図22に示すように、定常状態になるまで長時間を要している。これは、画素電極のスリットのエッジ近傍の液晶分子は電圧印加とほぼ同時にスリットにより決まる方向に配向するものの、スリットのエッジから離れた部分の液晶分子の配向が安定するまでに時間がかかるためと考えることができる。
【0110】
このような問題点を解消すべく、TFT基板と対向基板との間にモノマー又はオリゴマー等の重合可能な成分を添加した液晶を封入し、電極間に電圧を印加して液晶分子の配向方向を安定させた後に紫外線を照射し、重合可能な成分を重合して液晶分子のプレチルト角や傾斜方向を規定した液晶表示装置が提案されている。このような液晶中に添加した重合可能な成分を利用して液晶分子のプレチルト角や傾斜方向を規定する液晶表示装置では、電極間の液晶分子が電圧の印加と同時に重合可能な成分の重合によって予め決められた方向に倒れるので、応答特性が向上する。
【0111】
しかしながら、このような液晶表示装置では、TFT基板又は対向基板に設けられた電極と外部駆動回路とを電気的に接続した後に、画素電極とコモン電極との間に電圧を印加しながら紫外線を照射するので、工程が煩雑であり量産性が悪い。また、TFTを駆動させた状態で紫外線を照射すると、TFTの特性が紫外線により変化して正常な電圧が画素電極に印加されないことがある。そして、その状態で重合可能な成分を重合すると、重合による配向規定の状態が画素毎に異なって、液晶セルのT−V(透過率−電圧)特性にばらつきが発生し、表示むら等の表示欠陥を招く。
【0112】
そこで、本実施の形態では、電極間に電圧を印加していない状態で液晶中に添加した重合可能な成分を重合する。従って、液晶分子を垂直方向に配向させる規制力が強くなる。
【0113】
突起やスリットの近傍の液晶分子は、電圧の印加とほぼ同時に突起又はスリットにより決まる所定の方向に配向する。これらの液晶分子の配向がその周囲の液晶分子に影響を与えて、周囲の液晶分子の配向方向が決定する。このようにして、液晶分子の配向方向が伝播されて、突起又はスリットから離れた位置の液晶分子の配向方向を決定する。
【0114】
液晶中に重合可能な成分を添加していないMVA型液晶表示装置では、突起やスリットから離れた位置の液晶分子は、電圧の印加とほぼ同時にランダムな方向に配向し、突起又はスリットの近傍の液晶分子の配向方向が伝播されると、その配向方向に向きを変える。一旦配向した液晶分子の配向方向を変えるためには時間がかかり、液晶中に重合可能な成分を添加していないMVA型液晶表示装置の応答特性が悪い原因となっている。
【0115】
本実施の形態では、液晶分子の垂直方向の配向規制力を強くする。これにより、突起又はスリットの近傍の液晶分子の配向方向が伝播されるまで液晶分子が垂直に配向しており、配向方向が伝播された後に液晶分子が所定の方向に配向するので、液晶中に重合可能な成分を添加していない液晶表示装置に比べて応答時間が短縮される。
【0116】
図25(a),(b)は本実施の形態の液晶表示装置の製造方法を工程順に示す模式図である。
【0117】
まず、図25(a)に示すように、第1の実施の形態と同様にして画素電極311及びTFT等を有するTFT基板310と、コモン電極321を有する対向基板320とを形成する。但し、本実施の形態では、TFT基板310及び対向基板320の液晶側の面に突起312,322及び垂直配向膜313,323を形成する。例えば、突起312,322はフォトレジストを使用して選択露光及び現像処理することにより形成し、垂直配向膜313,323はポリイミドを塗布することにより形成する。
【0118】
次に、図25(b)に示すように、スペーサを挟んでTFT基板310及び対向基板320を相互に対向させて配置し、両者の間に重合可能な成分を添加した誘電率異方性が負の液晶330を封入してパネル300とする。この場合に、後述するように、所望のT−V特性及びしきい値に応じて、重合可能な成分の組成、混合比及び添加量を設定する。
【0119】
次いで、電極間に電圧を印加しない状態でパネル300に紫外線を照射し、重合可能な成分を重合する。これにより、液晶分子は、電圧無印加時に配向膜313,323の表面に対し垂直に配向するようになる。このようにして、本実施の形態の形態の液晶表示装置が完成する。
【0120】
図26は、横軸に印加電圧(V)、縦軸に透過率(T)をとって、重合可能な成分として2官能モノマーを0.5wt%、1wt%及び3wt%添加したときの液晶表示装置のT−V特性を示す図である。また、図27は、横軸に印加電圧(V)、縦軸に透過率(T)をとって、重合可能な成分として単官能モノマーを1wt%及び2wt%添加したときの液晶表示装置のT−V特性を示す図である。これらの図26,図27には、比較のために、従来のMVA型液晶表示装置(Ref.)のT−V特性も示している。
【0121】
これらの図26,図27に示すように、液晶330に重合可能な成分として多官能モノマーを大量に添加すると、配向膜313,323の上に2次元又は3次元的に重合が進むことで液晶分子に対する束縛が強くなり、しきい値電圧も大きく変化する。一方、重合可能な成分として単官能モノマーを使用すると、大量に添加しても1次元的に重合が進むだけであるので、液晶分子に対する束縛が弱く、しきい値電圧は殆ど変化せずにT−V特性が変化する。従って、重合可能な成分の組成、添加量及び重合条件(紫外線照射量等)を制御することによりアンカリングエネルギー、すなわち垂直配向能を大きく変化させることができ、その結果の液晶表示装置(液晶セル)T−V特性及びしきい値を制御することができる。
【0122】
なお、上記の例では紫外線により重合するモノマーを使用する場合について説明したが、紫外線による重合するオリゴマー、又は熱により重合するモノマー若しくはオリゴマーを使用してもよい。また、例えばR画素、G画素及びB画素毎に紫外線照射エネルギーを変化させて、画素毎にT−V特性及びしきい値を最適化してもよい。更に、1画素内に重合度(アンカリングエネルギー)が異なる複数の領域を設けて、T−V特性及びしきい値を最適化してもよい。
【0123】
図28は、本実施の形態の液晶表示装置(実施例)を実際に製造し、その非点灯状態から点灯状態への過渡応答性を調べた結果を示す図である。また、図29は液晶中に重合可能な成分を添加していないMVA型液晶表示装置(比較例)の非点灯状態から点灯状態への過渡応答性を調べた結果を示す図である。更に、図30は液晶中に重合可能な成分を添加し、電極間に電圧を印加した状態で紫外線を照射したMVA型液晶表示装置(従来例)の非点灯状態から点灯状態への過渡応答性を調べた結果を示す図である。
【0124】
これらの図28〜図30に示すように、本実施の形態の液晶表示装置の非点灯状態から点灯状態への応答速度は、従来例のMVA型液晶表示装置よりも遅いものの、液晶中に重合可能な成分を添加していない比較例の液晶表示装置に比べれば十分に向上している。
【0125】
このように、非点灯状態から点灯状態への応答特性のみを見れば従来例のMVA型液晶表示装置が最もよいが、前述したように、従来例のMVA型液晶表示装置では紫外線を照射する際に電極間に電圧を印加する必要があり、量産性が悪いという欠点がある。また、TFTを駆動しながら紫外線を照射して重合するので、T−V特性にばらつきが発生するという欠点もある。
【0126】
一方、本実施の形態では、電極間に電圧を印加しない状態で紫外線を照射するので、量産性が優れているとともに、T−V特性のばらつきが回避される。また、従来例のMVA型液晶表示装置ほどではないものの、非点灯状態から点灯状態への応答特性も良好である。
【0127】
従来例の液晶中に添加した重合可能な成分を重合させたMVA型液晶表示装置が非点灯状態から点灯状態への応答速度が速い理由は、重合可能な成分を重合させたことにより電圧無印加時における液晶分子が一定の方向にチルト(傾斜)しているためである。しかし、この重合により点灯状態から非点灯状態に変化するときの速度が遅くなり、正面コントラスト比も劣化するおそれがある。一方、本実施の形態の液晶表示装置では、重合により液晶分子を垂直に配向させようとするアンカリングエネルギーが高くなるので、点灯状態から非点灯状態に変化するときの速度が早く、かつ、正面コントラスト比がより一層向上するという効果を奏する。
【0128】
(付記1)相互に対向して配置された第1及び第2の基板と、前記第1及び第2の基板の間に封入された液晶と、前記第1の基板の前記液晶側の面上に形成された第1の電極と、前記第2の基板の前記液晶側の面上に形成された第2の電極と、前記第1及び第2の電極の表面を覆い、電圧無印加時の液晶分子の配向方向を基板面に対しほぼ垂直に制御する配向制御層と、前記第1及び第2の基板の少なくとも一方の表面上に形成されて、電圧印加時の液晶分子の倒れる方向を決める突起とを有し、前記配向制御層及び前記突起がいずれも前記液晶に添加された重合可能な成分を重合して形成されたことを特徴とする液晶表示装置。
【0129】
(付記2)前記突起の近傍の液晶分子の配向方向が基板面に対しほぼ垂直であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【0130】
(付記3)前記第1及び第2の基板のうちの少なくとも一方が透明であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【0131】
(付記4)前記突起のうちの少なくとも一部が、前記第1及び第2の基板の両方に接触していることを特徴とする付記1に記載の液晶表示装置。
【0132】
(付記5)第1及び第2の基板の間に重合可能な成分を添加した液晶を封入する工程と、前記液晶中の重合可能な成分を重合して、前記第1及び第2の基板の表面に電圧無印加時の液晶分子の配向方向を基板面に対しほぼ垂直に制御する配向制御層を形成するとともに、前記液晶側に突出した突起を形成する工程とを有することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【0133】
(付記6)前記重合可能な成分が、光により重合するものであることを特徴とする付記5に記載の液晶表示装置の製造方法。
【0134】
(付記7)前記第1及び第2の基板の間の前記液晶を封入した後、突起形成領域にその他の領域よりも高いエネルギー密度で光を照射することにより前記突起を形成することを特徴とする付記6に記載の液晶表示装置の製造方法。
【0135】
(付記8)前記第1及び第2の基板の少なくとも一方の基板の突起形成領域の表面エネルギーを他の領域の表面エネルギーよりも高くする処理を施した後に、前記第1及び第2の基板の間に前記液晶を封入することを特徴とする付記5に記載の液晶表示装置の製造方法。
【0136】
(付記9)前記第1及び第2の基板の間の突起形成部に選択的にスペーサを配置し、該スペーサを核として前記突起を形成することを特徴とする付記5に記載の液晶表示装置の製造方法。
【0137】
(付記10)前記突起のうちの少なくとも一部を、前記第1の基板及び前記第2の基板のうちのいずれか一方の基板から他方の基板に接触するまで成長させることを特徴とする付記5に記載の液晶表示装置の製造方法。
【0138】
(付記11)相互に対向して配置された第1及び第2の基板と、前記第1及び第2の基板の間に封入された液晶と、前記第1及び第2の基板の少なくとも一方に設けられて電圧印加時における液晶分子の倒れる方向を決める傾倒制御部と、前記第1及び第2の基板の前記液晶側の面に形成され、電圧無印加時の液晶分子の配向方向を基板面に対しほぼ垂直に制御する配向制御層とを有し、前記配向制御層が前記液晶に添加された重合可能な成分を重合して形成されたものであることを特徴とする液晶表示装置。
【0139】
(付記12)前記傾倒制御部が、前記第1及び第2の基板の少なくとも一方に設けられた突起又は窪みであることを特徴とする付記11に記載の液晶表示装置。
【0140】
(付記13)前記傾倒制御部が、前記配向制御層の下地にラビング処理を施した部分であることを特徴とする付記11に記載の液晶表示装置。
【0141】
(付記14)前記傾倒制御部が、前記配向制御層の下地の表面エネルギーを変化させて形成されたことを特徴とする付記11に記載の液晶表示装置。
【0142】
(付記15)第1及び第2の基板の少なくとも一方に突起又は窪みを形成する工程と、前記突起又は窪みが形成された面を内側にして前記第1及び第2の基板を相互に対向させて配置し、両者の間に重合可能な成分を添加した液晶を封入する工程と、前記液晶中の重合可能な成分を重合して前記第1及び第2の基板、並びに前記突起又は窪みの表面に電圧無印加時の液晶分子の配向方向を基板面に対しほぼ垂直に制御する配向制御層を形成する工程とを有することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【0143】
(付記16)第1及び第2の基板のうちの少なくとも一方の基板の表面にラビング処理を施す工程と、前記ラビング処理を施した面を内側にして前記第1及び第2の基板を相互に対向させて配置し、両者の間に重合可能な成分を添加した液晶を封入する工程と、前記液晶中の重合可能な成分を重合して前記第1及び第2の基板の表面に電圧無印加時の液晶分子の配向方向を基板面に対しほぼ垂直に制御する配向制御層を形成する工程とを有することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【0144】
(付記17)第1及び第2の基板のうちの少なくとも一方の基板の表面の表面エネルギーを部分的に変化させる工程と、前記第1及び第2の基板の間に重合可能な成分を添加した液晶を封入する工程と、前記液晶中の重合可能な成分を重合して前記第1及び第2の基板の表面に電圧無印加時の液晶分子の配向方向を基板面に対しほぼ垂直に制御する配向制御層を形成する工程とを有することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【0145】
(付記18)前記基板の表面の表面エネルギーを部分的に変化させる工程では、マスクを介して前記基板の表面に光を選択的に照射することを特徴とする付記17に記載の液晶表示装置の製造方法。
【0146】
(付記19)表面に配向膜が形成された一対の基板を前記配向膜を内側にして対向配置し、両者の間に重合可能な成分を添加した液晶を封入する工程と、電圧を印加しない状態で紫外線を照射し前記重合可能な成分を重合する工程とを有し、前記重合可能な成分の組成、添加量及び重合条件を制御することで基板表面の液晶分子に対するアンカリングエネルギーを制御することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【0147】
(付記20)前記アンカリングエネルギーを画素毎に制御することを特徴とする付記19に記載の液晶表示装置の製造方法。
【0148】
(付記21)1画素内に、アンカリングエネルギーが異なる複数の領域を形成することを特徴とする付記19に記載の液晶表示装置の製造方法。
【0149】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、配向制御層だけでなく、ドメイン規制用突起も重合可能な成分を重合することにより形成する。例えば、液晶中に添加したモノマーを高分子化する際に、突起形成領域にそれ以外の領域よりも高エネルギーの紫外線を照射する。これにより、突起形成領域でモノマーが優先的に高分子化して突起が形成され、他の部分には膜厚が小さい配向制御層が形成される。このとき、突起の形成初期段階では液晶分子は基板面に対し垂直に配向している。この配向状態を保持したまま突起が成長するので、突起が完成した後も突起の近傍の液晶分子は、電圧無印加の状態で基板面に対しほぼ垂直となる。これにより、従来のMVA型液晶表示装置に比べて光の漏れがより一層抑制され、コントラスト特性が向上する。
【0150】
また、本願発明に関連する第1発明によれば、第1及び第2の基板のうちの少なくとも一方に、電圧印加時に液晶分子が倒れる方向を決める突起又は窪み等の傾倒制御部を設ける。
【0151】
単に液晶に添加した反応性モノマーにより配向制御層を形成しただけでは、電圧印加時に液晶分子が倒れる方向が決まらず、液晶中には配向方向が同一の液晶分子の集合からなる複数の小さなドメインが形成される。隣接するドメインの配向方向は同じでないため、ドメインの境界部には配向異常による暗線が発生する。しかも、暗線の発生個所は一定でない。これにより、表示品質が低下する。
【0152】
しかし、第1発明では、第1及び第2の基板の少なくとも一方に傾倒制御部を設けているので、この傾倒制御部により電圧印加時に液晶分子が倒れる方向が決定される。これにより、良好な表示特性が得られる。
【0153】
本願発明に関連する第2発明では、電極間に電圧を印加していない状態で液晶中に添加した重合可能な成分を重合する。従って、液晶分子を垂直方向に配向させる規制力(アンカリングエネルギー)が強くなる。
【0154】
突起やスリットの近傍の液晶分子は、電圧の印加とほぼ同時に突起又はスリットにより決まる所定の方向に配向する。これらの液晶分子の配向方向がその周囲の液晶分子に影響を与えて、周囲の液晶分子の配向方向が決定する。このようにして、液晶分子の配向方向が伝播されて、突起又はスリットから離れた位置の液晶分子の配向方向が決定する。
【0155】
液晶に重合可能な成分を添加しないMVA型液晶表示装置では、突起やスリットから離れた位置の液晶分子は、電圧の印加とほぼ同時にランダムな方向に配向し、突起又はスリットの近傍の液晶分子の配向方向が伝播されると、その配向方向に向きを変える。しかし、一旦配向した液晶分子の配向方向を変えるためには時間がかかり、液晶に重合可能な成分を添加しないMVA型液晶表示装置の応答特性が悪い原因となっている。
【0156】
第2発明のように、液晶分子の垂直方向の配向規制力を強くすると、突起又はスリットの近傍の液晶分子の配向方向が伝播されるまで液晶分子が垂直に配向しており、配向方向が伝播された後に液晶分子が所定の方向に配向するので、液晶に重合成分を添加しない液晶表示装置に比べて応答時間が短縮される。また、重合可能な成分の組成、添加量及び重合条件を制御することにより、液晶セルのT−V特性及びしきい値を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来のMVA型液晶表示装置の一例を示す模式断面図である。
【図2】図2(a),(b)は、MVA型液晶表示装置の動作を示す模式図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施の形態に係る液晶表示装置(MVA型液晶表示装置)を示す平面図である。
【図4】図4は、図3のI−I線による断面図である。
【図5】図5は、突起及び配向制御層の形成工程を示す図(その1)である。
【図6】図6は、突起及び配向制御層の形成工程を示す図(その2)である。
【図7】図7(a)〜(c)は本発明の第2の実施の形態の液晶表示装置の製造方法を示す模式図である。
【図8】図8(a),(b)は、本発明の第3の実施の形態の液晶表示装置の製造方法を示す模式断面図である。
【図9】図9(a),(b)は、本発明の第4の実施の形態の液晶表示装置の製造方法を示す模式断面図(その1)である。
【図10】図10は、本発明の第4の実施の形態の液晶表示装置の製造方法を示す模式断面図(その2)である。
【図11】図11(a)〜(c)は、本発明の第5の実施の形態の液晶表示装置の製造方法を示す模式図である。
【図12】図12は、基板に対する濡れ性が高い樹脂と濡れ性が低い樹脂の例を示す化学式である。
【図13】図13は、本発明の第6の実施の形態の液晶表示装置の製造方法を示す模式図である。
【図14】図14(a)〜(c)は、第6の実施の形態の方法により試作した液晶表示装置の配向状態を調べた結果を示す図である。
【図15】図15は、本発明の第7の実施の形態の液晶表示装置の製造方法を示す模式図(その1)である。
【図16】図16は、本発明の第7の実施の形態の液晶表示装置の製造方法を示す模式図(その2)である。
【図17】図17は、第7の実施の形態における凹凸パターンの変更例を示す図である。
【図18】図18は、第7の実施の形態における凹凸パターンの他の変更例を示す図である。
【図19】図19は、本発明の第8の実施の形態の液晶表示装置の製造方法において使用するマスクの形状を示す模式図である。
【図20】図20(a)は、フォトレジスト膜の表面に紫外線を照射したときの紫外線照射エネルギー密度と表面エネルギーとの関係を示す図、図20(b)は垂直配向膜の表面に紫外線を照射したときの紫外線照射エネルギー密度と表面エネルギーとの関係を示す図である。
【図21】図21は、第8の実施の形態により試作した液晶表示装置の画素点灯時の状態を示す図である。
【図22】図22は、液晶に重合可能な成分を添加しないMVA型液晶表示装置の画素点灯時の過渡応答性を調べた結果を示す図である。
【図23】図23は、同じくその液晶表示装置の画素電極に設けられたスリットの形状を示す模式図である。
【図24】図24は、同じくその液晶表示装置の最終的な点灯状態を示す図である。
【図25】図25(a),(b)は、本発明の第9の実施の形態の液晶表示装置の製造方法を工程順に示す模式図である。
【図26】図26は、重合可能な成分として2官能モノマーを0.5wt%、1wt%及び3wt%添加したときの液晶表示装置のT−V特性を示す図である。
【図27】図27は、重合可能な成分として単官能モノマーを1wt%及び2wt%添加したときの液晶表示装置のT−V特性を示す図である。
【図28】図28は、第9の実施の形態の液晶表示装置(実施例)の非点灯状態から点灯状態への過渡応答性を調べた結果を示す図である。
【図29】図29は、液晶に重合可能な成分を添加しないMVA型液晶表示装置(比較例)の非点灯状態から点灯状態への過渡応答性を調べた結果を示す図である。
【図30】図30は、電極間に電圧を印加した状態で紫外線を照射して重合可能な成分を重合させたMVA型液晶表示装置(従来例)の非点灯状態から点灯状態への過渡応答性を調べた結果を示す図である。
【符号の説明】
10,110,310…TFT基板、
11,21,111…ガラス基板、
12,117,311…画素電極、
13,24,313,323…垂直配向膜、
20,120,320…対向基板、
22,123.321…コモン電極、
23,124,140,211,221,312,322…突起
30,130,330…液晶、
100,200,300…パネル、
112a…ゲートバスライン
112b…補助容量バスライン、
113a…データバスライン、
113b…補助容量電極、
114…TFT、
116…絶縁膜、
118,125,212,222…配向制御層、
119…カラーフィルタ、
136…スペーサ。

Claims (3)

  1. 相互に対向して配置された第1及び第2の基板と、
    前記第1及び第2の基板の間に封入された液晶と、
    前記第1の基板の前記液晶側の面上に形成された第1の電極と、
    前記第2の基板の前記液晶側の面上に形成された第2の電極と、
    前記第1及び第2の電極の表面を覆い、電圧無印加時の液晶分子の配向方向を基板面に対しほぼ垂直に制御する配向制御層と、
    前記第1及び第2の基板の少なくとも一方の表面上に形成されて、電圧印加時の液晶分子の倒れる方向を決める突起とを有し、
    前記配向制御層及び前記突起がいずれも前記液晶に添加された重合可能な成分を重合して形成され、かつ、電圧無印加時における前記突起近傍の液晶分子の配向方向が基板面に対してほぼ垂直であることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 第1及び第2の基板の間に光により重合可能な成分を添加した液晶を封入する工程と、
    前記第1及び第2の基板の少なくとも一方の基板の突起形成領域にその他の領域よりも高いエネルギー密度で光を照射することにより前記液晶中の重合可能な成分を重合して、前記第1及び第2の基板の表面に電圧無印加時の液晶分子の配向方向を基板面に対しほぼ垂直に制御する配向制御層を形成するとともに、前記液晶側に突出した突起を該突起形成領域に形成する工程と
    を有することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  3. 第1及び第2の基板の少なくとも一方の基板の突起形成領域の表面エネルギーをその他の領域の表面エネルギーよりも高くする処理を施す工程と、
    前記第1及び第2の基板の間に光により重合可能な成分を添加した液晶を封入する工程と、
    光を照射することにより前記液晶中の重合可能な成分を重合して、前記第1及び第2の基板の表面に電圧無印加時の液晶分子の配向方向を基板面に対しほぼ垂直に制御する配向制御層を形成するとともに、前記液晶側に突出した突起を前記突起形成領域に形成する工程と
    を有することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
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