以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態の液晶表示装置の構造を示す平面図、図2は図1のI−I線による断面図、図3は図1のII−II線による断面図である。
本実施の形態の液晶表示装置は、対向して配置されたガラス基板11,21と、これらのガラス基板11,21間に封入された負の誘電率異方性を有する液晶30と、ガラス基板11の下に配置された偏光板31と、ガラス基板21の上に配置された偏光板32とにより構成されている。
ガラス基板11の上には、図1に示すように、水平方向に延びる複数本のゲートバスライン12aと、垂直方向に延びる複数本のデータバスライン16aとが形成されている。これらのゲートバスライン12a及びデータバスライン16aにより区画される領域がそれぞれ画素領域である。また、ガラス基板11上には、各画素領域を横断するように、蓄積容量バスライン12bが形成されている。
各画素領域には、それぞれTFT(スイッチング素子)10と、ITO(Indium-Tin Oxide)等の透明導電体材料からなる画素電極18とが形成されている。TFT10はゲートバスライン12aの一部をゲート電極としている。また、TFT10のドレイン電極16bはデータバスライン16aに接続され、ソース電極16cは画素電極18に接続されている。
データバスライン16aには表示信号が供給され、ゲートバスライン12aには所定のタイミングで走査信号が供給される。ゲートバスライン12aを介して走査信号が供給されたTFT10はオン状態になり、画素電極18に表示信号が書き込まれる。これにより、画素電極18とコモン電極24との間に存在する液晶分子の配向方向が変化し、光の透過率が変化する。画素毎に透過率を制御することにより、液晶表示装置に所望の画像を表示することができる。
本実施の形態においては、画素電極18は、一般的な矩形ではなく、上部から中央部にかけて幅が連続的に減少し、中央部から下部にかけて幅が連続的に増大する形状に形成されている。
図2,図3の断面図を参照して、ガラス基板(TFT基板)11側の構成を更に詳細に説明する。ガラス基板11の上には、Cr(クロム)等の金属によりゲートバスライン12a及び蓄積容量バスライン12bが形成されている。また、ガラス基板11の上にはシリコン酸化物(SiO2 )等からなる絶縁膜13が形成されており、ゲートバスライン12a及び蓄積容量バスライン12bはこの絶縁膜13に覆われている。
絶縁膜13上には、TFT10の動作層となるシリコン膜(アモルファスシリコン膜又はポリシリコン膜)14が形成されており、シリコン膜14の上には、シリコン窒化物等の絶縁材料からなるチャネル保護膜15と、高濃度に不純物が導入されたシリコン膜と金属膜とが積層されてなるドレイン電極16b及びソース電極16cとが形成されている。ドレイン電極16b及びソース電極16cは、いずれもシリコン膜14上からチャネル保護膜15上に延出して形成されている。また、ドレイン電極16b及びソース電極16cと同じ配線層に、データバスライン16aが形成されている。
絶縁膜13の上には絶縁膜17が形成されており、データバスライン16a、ドレイン電極16b及びソース電極16cはこの絶縁膜17に覆われている。絶縁膜17上には画素電極18が形成されている。この画素電極18は、絶縁膜17に形成されたコンタクトホールを介してTFT10のソース電極16cと電気的に接続されている。この画素電極18の表面は、ポリイミド等からなる垂直配向膜19により覆われている。
一方、ガラス基板(CF基板)21の下には、各画素領域の間及びTFT形成領域を覆うようにブラックマトリクス22が形成されている。また、ガラス基板21の下には、各画素毎に、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)のいずれか1色のカラーフィルタ23が形成されている。
カラーフィルタ23の下には、ITO等の透明導電体材料からなるコモン電極24が形成されており、コモン電極24の下には樹脂等の誘電体材料からなるからなる突起25が、データバスライン16aに沿って形成されている。コモン電極24及び突起25の表面は、ポリイミド等からなる垂直配向膜26に覆われている。
本実施の形態においては、ゲートバスライン12a及びデータバスライン16aの幅はいずれも5μmである。また、ゲートバスライン12aの配設ピッチは200μm、データバスライン16aの配設ピッチは70μmである。更に、画素電極28の上部及び下部における幅が61μm、中央部における幅が57μmであり、画素電極18とデータバスライン16aとの間隔は3μmである。更にまた、セルギャップは3〜5μmである。更にまた、データバスライン16aの上方のブラックマトリクス22の幅は11μm、突起25の高さは0.5μm、突起25の幅は17μmである。従って、突起25はブラックマトリクス22から両側にそれぞれ3μmだけはみ出している。また、画素電極18及び突起25に位置ずれがないとすると、上から見たときの画素電極18と突起25との重なり幅の最小値は1μm、最大値は5μmとなる。
なお、突起25の高さが0.1μm未満の場合は突起25により液晶分子の配向方向を規制する効果が十分でない。一方、突起25の高さが1μmを超えると、位置ずれに対するマージンが少なくなる。このため、突起25の高さは0.1〜1μmとすることが好ましい。
また、画素電極18の最も幅が広い部分と狭い部分との差が4μm未満の場合は、位置ずれに対するマージンが少ない。一方、画素電極18の最も幅が広い部分と狭い部分との差が8μmを超える場合は、画素電極18に対する突起25の位置ずれが無い場合であっても、輝度が大きく低下してしまう。このため、、画素電極18の最も幅が広い部分と狭い部分との差は、4〜8μmとすることが好ましい。
ガラス基板11側の垂直配向膜19及びガラス基板21側の垂直配向膜26には、液晶分子が基板面に対し1〜5°程度傾斜するように、傾斜垂直配向処理が施されている。但し、画素の上半分の領域では液晶分子が上側から下側に向う方向に傾斜するように、画素の下半分の領域では液晶分子が下側から上側に向う方向に傾斜するように、傾斜垂直配向処理が施されている。この傾斜垂直配向処理は、例えば紫外線を垂直配向膜19,26に対し斜め方向から照射することにより行われる。また、垂直配向膜19,26に対しラビングすることによっても傾斜垂直配向処理を達成することができる。
図4,図5は第1の実施の形態の効果を示す模式図である。図4(a)は画素電極18と突起25との位置関係が最適な状態を示しており、図4(b)は図4(a)に示す状態のときのディスクリネーションの発生状態を示している。また、図5(a)は画素電極18に対し突起25の位置がずれた状態を示しており、図5(b)は図5(a)に示す状態のときのディスクリネーションの発生状態を示している。
図4(a)に示すように、画素電極18と突起25との位置関係が最適な状態では、図4(b)中に丸印で示す部分でディスクリネーションが最も小さくなる。そして、画素電極18の上部、下部及び中央部でディスクリネーションによる輝度の低下が発生するものの、その程度は比較的小さい。
一方、図5(a)に示すように、画素電極18に対し突起25の位置が水平方向にずれた場合は、図5(b)に示ようにディスクリネーションが最も小さくなる位置が変化するものの、通常の位置ずれの範囲では、位置ずれが無い場合と同様に、4箇所の位置でディスクリネーションが最も小さくなる。また、ディスクリネーションによる輝度の低下は部分的に発生するものの、その程度は比較的小さい。
例えば、画素電極18に対し突起25が水平方向に2μmずれた場合、従来の液晶表示装置(図23,図24参照)では15%程度の輝度の低下が発生する。一方、本実施の形態の液晶表示装置では、位置ずれが無いときは従来の液晶表示装置に比べて輝度が7%程度減少する。しかし、画素電極18に対し突起25が水平方向に2μmずれた場合であっても、位置ずれがない場合に比べて輝度が約5%しか低下しない。
従って、本実施の形態の液晶表示装置では、個々の液晶表示装置の表示品質のばらつきが回避される。その結果、位置ずれに起因する不良品の発生率が低減されるという効果を奏する。
以下、本実施の形態の液晶表示装置の製造方法について、図1〜図3を参照して説明する。
まず、TFT基板となるガラス基板11を用意し、このガラス基板11の上に下地絶縁膜(図示せず)としてシリコン酸化膜又はシリコン窒化膜を、例えば15〜300nmの厚さに形成する。その後、スパッタ法により、下地絶縁膜の上にCr膜を約150nmの厚さに形成し、フォトリソグラフィ法によりCr膜をパターニングしてゲートバスライン12a及び蓄積容量バスライン12bを形成する。
次に、ガラス基板11の上側全面に、CVD(Chemical Vapor Deposition )法によりシリコン酸化膜又はシリコン窒化膜を約300nmの厚さに形成して、絶縁膜13とする。その後、絶縁膜13上にシリコン膜14を約50nmの厚さに形成する。シリコン膜14はアモルファスシリコンにより形成されていてもよく、ポリシリコンにより形成されていてもよい。
次に、シリコン膜14上に、CVD法によりシリコン窒化膜を約50〜200nmの厚さに形成する。そして、フォトリソグラフィ法によりシリコン窒化膜をパターニングして、チャネル保護膜15を形成する。
次に、ガラス基板11の上側全面に、n+ 型シリコン膜を約30nmの厚さに形成し、更にその上にTi(チタン)/Al(アルミニウム)/Ti(チタン)を順次積層する。そして、これらのn+ 型シリコン膜及び金属膜(Ti/Al/Ti膜)をパターニングして、データバスライン16a、ドレイン電極16b及びソース電極16cを形成する。また、このとき同時にシリコン膜14を所定の形状にパターニングする。
次に、ガラス基板11の上側全面に、例えばシリコン酸化膜又はシリコン窒化膜を約100〜600nmの厚さに形成し、絶縁膜17とする。そして、フォトリソグラフィ法により、絶縁膜17にソース電極16cに到達するコンタクトホールを形成する。
次に、スパッタ法により、ガラス基板11の上側全面にITO膜を約70nmの厚さに形成し、このITO膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングして、画素電極18を形成する。この場合、図1に示すように、画素電極18は、上部から中央部にかけて幅が連続的に減少し、中央部から下部にかけて幅が連続的に増加する形状とする。この画素電極18は、絶縁膜17に設けられたコンタクトホールを介してTFT10のソース電極16cに電気的に接続される。
その後、画素電極18の表面を、ポリイミド等からなる垂直配向膜19で被覆する。そして、この垂直配向膜19に、紫外線照射又はラビングによる傾斜垂直配向処理を施す。このようにして、TFT基板が形成される。
一方、CF基板となるガラス基板21の上にCr膜を形成し、このCr膜をパターニングして、ブラックマトリクス22を形成する。その後、赤色、緑色及び青色の感光性樹脂を使用して、ガラス基板21の上に赤色、緑色及び青色のカラーフィルタ23を形成する。
その後、ガラス基板21の上にITO膜を約70nmの厚さに形成し、コモン電極24とする。そして、このコモン電極24の上にフォトレジスト膜を形成し、露光及び現像処理を施して、突起25を形成する。この突起25は、TFT基板側のデータバスライン16aに対向する位置に形成する。その後、コモン電極24及び突起25の表面を、ポリイミド等からなる垂直配向膜26で被覆する。そして、この垂直配向膜26に、紫外線照射又はラビングによる傾斜垂直配向処理を施す。
垂直配向膜19,26へ傾斜配向を行う場合、次のような方法が考えられる。図1において、TFT基板に形成された垂直配向膜19には、紙面の上から下に向う方向の傾斜垂直配向処理を施し、CF基板に形成された垂直配向膜26には、紙面の下から上に向う方向の傾斜垂直配向処理を施す。これは、モノドメインと呼ばれる配向方法で、パネル全体に一様な方向の傾斜垂直配向が与えられることとなる。
また、もう一つの方法も考えられる。図1において、蓄積容量バスライン12bを境とした2つの領域に、それぞれ別の方向に傾斜垂直配向処理を施す。例えば、TFT基板に形成された垂直配向膜19に、蓄積容量バスライン12bを境として上半分の領域には上から下へ向かう方向の傾斜垂直配向処理を施し、下半分には下から上へ向う方向の傾斜垂直配向処理を施す。一方、CF基板に形成された垂直配向膜26には、蓄積容量バスライン12bを境として上半分の領域には下から上へ向う方向の傾斜垂直配向処理を施し、下半分の領域には上から下へ向う方向の傾斜垂直配向処理を施す。これにより、一つの画素内で2つの配向方向をもつことが可能となる。
次に、ガラス基板11及びガラス基板21を、配向膜19,26が形成された面を対向させて配置する。この場合に、ガラス基板11及びガラス基板21の間隔が一定となるように、両者の間にスペーサを介在させる。そして、ガラス基板11とガラス基板21との間に、負の誘電率異方性を有する液晶30を封入する。
次いで、ガラス基板11の下に偏光板31を配置し、ガラス基板21の上に偏光板32を配置する。これらの偏光板31,32は、相互に吸収軸が直交するように配置することが必要である。このようにして、本実施の形態の液晶表示装置が完成する。
(変形例1)
図6は、第1の実施の形態の変形例1に係る液晶表示装置を示す平面図である。変形例1が第1の実施の形態と異なる点は画素電極18の形状が異なることにあり、その他の構成は基本的に第1の実施の形態と同様であるので、ここでは重複する部分の説明は省略する。
変形例1においては、画素電極18が、上側が狭く下側が狭い台形形状に形成されている。例えば、画素電極18の上辺の長さは57μm、下辺の長さは61μmである。そして、画素電極18と突起25との間に位置ずれが無いとすると、画素電極18の中央部でディスクリネーションが最も小さくなるように、突起25の位置及びサイズが設定されている。
図7(a)は画素電極18と突起25との位置関係が最適な状態を示す図であり、図7(b)は図7(a)に示す状態のときのディスクリネーションの発生状態を示す図である。また、図8(a)は画素電極18に対し突起25の位置が水平方向にずれた状態を示す図であり、図8(b)は図8(a)に示す状態のときのディスクリネーションの発生状態を示す図である。
図7(a)に示すように、画素電極18と突起25との位置関係が最適な状態では、図7(b)に丸印で示す部分でディスクリネーションが最も小さくなる。そして、画素電極18の上部及び下部でディスクリネーションによる輝度の低下が発生するものの、その程度は比較的小さい。
一方、図8(a)に示すように、画素電極18に対し突起25の位置がずれた場合は、図8(b)に示すようにディスクリネーションが最も小さくなる位置が変化するものの、通常の位置ずれの範囲では、位置ずれが無いときと同様に、2箇所の位置でディスクリネーションが最も小さくなる。また、ディスクリネーションにより輝度の低下は部分的に発生するものの、その程度は比較的小さい。
(変形例2)
図9は、第1の実施の形態の変形例2に係る液晶表示装置を示す平面図である。変形例2が第1の実施の形態と異なる点は画素電極18の形状が異なることにあり、その他の構成は基本的に第1の実施の形態と同様であるので、ここでは重複する部分の説明は省略する。
変形例2においては、画素電極18のデータバスライン16aに平行する2つの辺に、4μmの振幅で矩形の凹凸が設けられている。本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、画素電極18に対し突起25の位置がずれたとしても、輝度の低下の割合は少ない。
(変形例3)
図10は、第1の実施の形態の変形例3に係る液晶表示装置を示す平面図である。変形例3が第1の実施の形態と異なる点は画素電極18の形状が異なることにあり、その他の構成は基本的に第1の実施の形態と同様であるので、ここでは重複する部分の説明は省略する。
変形例3においては、画素電極18のデータバスライン16aに平行する2つの辺の近傍に、幅が4μmの矩形のスリットが垂直方向に並んで形成されている。本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、画素電極18に対し突起25の位置がずれたとしても、輝度の低下の割合は少ない。
これらの第1の実施の形態及びその変形例1〜3に示すように、画素電極の形状を、画素電極と突起との重なり幅が一画素中で均一でない形状にすることにより、位置ずれによる輝度の低下が抑制される。
図11は、横軸にCF基板の水平方向の位置ずれ量をとり、縦軸に輝度低下率をとって、従来例1〜3、実施例1〜4の位置ずれに対する輝度低下率の変化をシミュレーションした結果を示す図である。
従来例1〜3は画素電極が矩形の液晶表示装置(図23,図24参照)であり、位置ずれが無い場合の画素電極と突起との重なり幅はそれぞれ1μm、3μm、5μmである。実施例1,2は画素電極が台形の液晶表示装置(図6参照)であり、画素電極の上側の辺の長さと下側の辺の長さとの差は、それぞれ6μm、4μmである。実施例3,4は画素電極の縁部に凹凸が設けられた液晶表示装置(図9参照)であり凹凸の振幅はそれぞれ6μm、4μmである。
図12は、横軸にCF基板の水平方向の位置ずれ量をとり、縦軸に輝度変化率をとって、従来例1〜3、実施例1〜4の液晶表示装置の位置ずれ幅と輝度変化率との関係を示す図である。但し、図12では、位置ずれが無いときの輝度を基準にしている。
これらの図11,図12から、従来例1〜3ではいずれも位置ずれにより輝度が大きく変化するのに対し、実施例1〜4では位置ずれに対する輝度の変化量が小さいことがわかる。
(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施の形態の液晶表示装置について説明する。
例えば、1画素内で液晶分子の配向方向が4方向のマルチドメインを達成するためには、図13に示すようにスリット37aの向きが相互に異なる4つの領域に分割された画素電極37を使用することが考えられる。
すなわち、第1の領域(右上の領域)ではスリット37aがX軸方向(水平方向)に対し45°の角度で設けられており、第2の領域(左上の領域)ではスリット37aがX軸方向に対し135°の角度で設けられており、第3の領域(左下の領域)ではスリット37aがX軸方向に対し225°の角度で設けられており、第4の領域(右下の領域)ではスリット37aがX軸方向に対し315°の角度で設けられている。なお、この例の液晶表示装置のコモン電極側には、スリットや突起等は設けられていない。また、2枚の偏光板は、吸収軸が相互に直交し、且つスリット37aに対し45°の角度となるように配置される。
このような形状の画素電極37を使用した場合は、画素電極37とコモン電極との間に電圧を印加すると、液晶分子30aはスリット37aと平行な方向に傾斜する。このとき、4つの領域の境界部分の電極のエッジの影響により、第1の領域と第3の領域とでは液晶分子30aの倒れる方向が逆になり、第2の領域と第4の領域とでは液晶分子30aの倒れる方向が逆になる。従って、液晶分子30aの傾斜方向は4つの領域でそれぞれ異なり、4ドメイン配向が実現される。
しかし、このような画素電極37を用いた液晶表示装置を作成して実際に駆動すると、画素電極37の幅方向の両縁部に暗部が発生し、輝度が低下してしまう。これは、以下のように考えることができる。
図14は図13に示す形状の画素電極37を用いた液晶表示装置の白表示時における液晶分子の配向方向を示す模式図である。但し、図14ではTFTの図示を省略している。
この図14に示すように、データバスライン16aから十分に離れた部分の液晶分子は、データバスライン16aからの電界の影響を受けないので、スリット38aの方向に配向する。一方、データバスライン16aの近傍の液晶分子は、データバスライン16aからの電界の影響により、データバスライン16aに垂直な方向に配向する。この液晶分子の影響により、画素電極37の縁部の液晶分子はスリット37aの方向とは異なる方向に配向し、配向不良が発生する。
第2の実施の形態の液晶表示装置は、このようなデータバスライン16aからの電界の起因する輝度の低下を防止することを目的としている。
図15は本発明の第2の実施の形態の液晶表示装置を示す平面図、図16は図15のIII −III 線による断面図である。なお、本実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、画素電極の形状が異なること、及びCF基板側に突起が設けられていないことにあり、その他の構成は基本的に第1の実施の形態と同様であるので、重複する部分の説明は省略する。
ガラス基板11の上には複数本のゲートバスライン12aと複数本のデータバスライン16aとが形成されている。これらのゲートバスライン12a及びデータバスライン16aにより区画された領域がそれぞれ画素領域である。各画素領域には、TFT10及び画素電極38が形成されている。
画素電極38は、スリット38aの向きが相互に異なる4つの領域に分かれている。すなわち、第1の領域(右上の領域)ではスリット38aがX軸方向(水平方向)に対し45°の角度で設けられており、第2の領域(左上の領域)ではスリット38aがX軸方向に対し135°の角度で設けられており、第3の領域(左下の領域)ではスリット38aがX軸方向に対し225°の角度で設けられており、第4の領域(右下の領域)ではスリット38aがX軸方向に対し315°の角度で設けられている。但し、いずれの領域においても、データバスライン16aから約15μmのところでスリット38aが屈曲しており、画素の縁部ではスリット38aとデータバスライン16aとのなす角度(鋭角側の角度)が約20°となっている。
スリット38aの幅は約3μmであり、スリット38aの配設ピッチは約6μmである。また、2枚の偏光板は、吸収軸が相互に直交し、且つ、スリット38aに対し45°の角度となるように配置される。
本実施の形態においては、第1の実施の形態と同様に、ゲートバスライン12aの配設ピッチは200μm、データバスライン16aの配設ピッチは70μm、データバスライン16aの上方のブラックマトリクスの幅は11μmである。
一方、CF基板側には、第1の実施の形態と同様に、ブラックマトリクス22、カラーフィルタ23、コモン電極24及び垂直配向膜26が形成されている。但し、本実施の形態では、CF基板側には突起は設けられていない。
図17は、本実施の形態の液晶表示装置の白表示時の液晶分子の配向状態を示す模式図である。なお、図17ではTFTの図示を省略している。
この図17に示すように、データバスライン16aの近傍の液晶分子は、データバスライン16aからの電界の影響により、データバスライン16aに対し垂直な方向に倒れようとする。一方、データバスライン16aから十分に離れた部分では、液晶分子はデータバスライン16aからの電界の影響を受けないので、スリット38aに平行な方向、すなわちデータバスライン16aに対し45°の方向に倒れようとする。
画素電極38の縁部の液晶分子には、スリット38aに平行な方向に倒れようとする力と、データバスライン16aの近傍の液晶分子の影響によりデータバスライン16aに垂直な方向に倒れようとする力とが作用する。その結果、画素電極38の縁部の液晶分子はデータバスライン16aに対しほぼ45°の方向に倒れる。これにより、画素電極38の縁部における配向不良が防止され、液晶表示装置の輝度が向上する。
実際に上記の構成の液晶表示セルを作製して輝度を調べたところ、図13に示す画素電極37を使用した液晶表示セルに比べて、輝度が約16%向上した。
以下、本実施の形態の液晶表示装置の製造方法について、図15,図16を参照して説明する。
まず、TFT基板となるガラス基板11を用意し、このガラス基板11の上に下地絶縁膜(図示せず)を例えば15〜300nmの厚さに形成する。この下地絶縁膜の上にCr膜を約150nmの厚さに形成し、フォトリソグラフィ法によりCr膜をパターニングして、ゲートバスライン12a及び蓄積容量バスライン(図示せず)を形成する。
次にガラス基板11の上側全面にシリコン酸化膜又はシリコン窒化膜を約300nmの厚さに形成して、絶縁膜13とする。その後、絶縁膜13上に、TFT10の動作層となるシリコン膜を約50nmの厚さに形成する。
次に、シリコン膜上にCVD法によりシリコン窒化膜を形成し、このシリコン窒化膜をパターニングしてチャネル保護膜を形成する。
次に、ガラス基板11の上側全面にn+ 型シリコン膜を形成し、更にその上に、Ti/Al/Ti膜を形成する。そして、これらのTi/Al/Ti膜及びn+ 型シリコン膜をパターニングして、データバスライン16a、ドレイン電極16b及びソース電極16cを形成する。
次に、ガラス基板11の上側全面に、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜を約100〜600nmの厚さに形成し、絶縁膜17とする。そして、絶縁膜17に、ソース電極16cに到達するコンタクトホールを形成する。
次に、スパッタ法により、ガラス基板11の上側全面にITO膜を約70nmの厚さに形成し、このITO膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングして、画素電極38を形成する。この場合、画素電極38には、図15に示すようにスリット38aを形成しておく。
その後、画素電極38の表面を、ポリイミド等からなる垂直配向膜19で被覆する。
一方、CF基板となるガラス基板21の上にCr膜を形成し、このCr膜をパターニングして、ブラックマトリクス22を形成する。その後、赤色、緑色及び青色の感光性樹脂を使用して、ガラス基板21の上に赤色、緑色及び青色のカラーフィルタ23を形成する。
その後、ガラス基板21の上にITO膜を約70nmの厚さに形成し、コモン電極24とする。そして、このコモン電極24の表面をポリイミド等からなる垂直配向膜26で被覆する。
次に、ガラス基板11及びガラス基板21を、配向膜19,26が形成された面を対向させて配置し、両者の間にスペーサを介在させる。そして、ガラス基板11とガラス基板21との間に、負の誘電率異方性を有する液晶30を封入する。
次いで、ガラス基板11の下に偏光板31を配置し、ガラス基板21の上に偏光板32を配置する。これらの偏光板31,32は、相互に吸収軸が直交するように配置する。このようにして、本実施の形態の液晶表示装置が完成する。
なお、本実施の形態の液晶表示装置にポリマーにより配向を固定した液晶を使用してもよい。これは、例えば紫外線照射により重合する性質を有するモノマーを含んた液晶をTFT基板とCF基板との間に封入して形成する。そして、白表示になるように画素電極に十分高い電圧を印加し、その状態で液晶に紫外線を照射して、液晶層にモノマーが重合してポリマーとなった領域を形成する。このように、予め輝度が高い状態で液晶層にポリマーを形成しておくことにより、液晶層の液晶分子の配向方向が固定されるため、画素電極に印加する電圧を通常の表示時の電圧にしても、ディスクリネーションが拡大することがなく、輝度の高い液晶表示装置を実現することができる。
(第3の実施の形態)
図18は本発明の第3の実施の形態の液晶表示装置を示す平面図である。本実施の形態が第2の実施の形態と異なる点は、画素電極の形状が異なること、及びTFT基板側の配向膜の一部に傾斜垂直配向処理が施されていることにあり、その他の構成は基本的に第2の実施の形態と同様であるので、重複する部分の説明は省略する。
本実施の形態の液晶表示装置においても、画素電極39はスリット39aの向きが相互に異なる4つの領域に分かれている。すなわち、第1の領域(右上の領域)ではスリット39aがX軸方向(水平方向)に対し45°の角度で設けられており、第2の領域(左上の領域)ではスリット39aがX軸方向に対し135°の角度で設けられており、第3の領域(左下の領域)ではスリット39aがX軸方向に対し225°の角度で設けられており、第4の領域(右下の領域)ではスリット39aがX軸方向に対し315°の角度で設けられている。
この画素電極39を覆う垂直配向膜のうち、データバスライン16aから15μmまでの部分には、図中矢印で示す方向に液晶分子が傾斜するように、すなわち画素の上側半分の領域(第1及び第2の領域)では上側から下側に向う方向に液晶分子が倒れ、画素の下側半分の領域(第3及び第4の領域)では下側から上側に向う方向に液晶分子が倒れるように、傾斜垂直配向処理が施されている。傾斜垂直配向処理は、例えば露光マスクを用いて配向膜の所定部分に紫外線を斜め方向から照射することにより実現する。
図19は本実施の形態の液晶表示装置の白表示時における液晶分子の配向方向を示す模式図である。但し、図19ではTFTの図示を省略している。
この図19に示すように、データバスライン16aの近傍の液晶分子は、データバスライン16aからの電界の影響により、データバスライン16aに対し垂直な方向に倒れようとする。一方、データバスライン16aから十分に離れた部分の液晶分子は、データバスライン16aからの電界の影響を受けないので、スリット39aに平行な方向、すなわちデータバスライン16aに対し45°の方向に倒れようとする。
画素電極39の縁部の液晶分子には、スリット39aに平行な方向に倒れようとする力と、データバスライン16aの近傍の液晶分子の影響によりデータバスライン16aに対し垂直な方向に倒れようとする力と、垂直配向膜の傾斜垂直配向処理方向に倒れようとする力とが作用する。その結果、画素電極39の縁部の液晶分子はデータバスライン16aに対しほぼ45°の方向に倒れる。これにより、画素電極39の縁部における配向不良が防止され、液晶表示装置の輝度が向上する。
実際に上記の構成の液晶表示セルを作製して輝度を調べたところ、配向膜に傾斜垂直配向処理が施されていない場合に比べて輝度が約16%向上した。
本実施の形態の液晶表示装置は、画素電極39を図18に示す形状に形成すること、及びTFT基板側の配向膜のうちデータバスライン16aの近傍の部分に傾斜垂直配向処理を施すことを除けば、第2の実施の形態と同様にして製造することができる。
なお、本実施の形態においては、傾斜垂直配向処理方向をデータバスライン16aに平行な方向としたが、これにより、本発明の液晶表示装置の傾斜垂直配向処理方向がデータバスライン16aに平行な方向に限定されるものではない。すなわち、傾斜垂直配向処理方向とデータバスライン16aとのなす角度をスリット39aとデータバスライン16aとのなす角度よりも小さくすれば、画素の縁部での配向不良による輝度の低下を抑制する効果を得ることができる。
(第4の実施の形態)
図13に示すように液晶分子の配向方向を規制するためのスリットを設けた画素電極を使用する液晶表示装置の場合、画素電極のスリットだけで液晶分子を所定の方向に配向させるようにすると応答速度が遅くなるとともに、液晶分子の配向方向を完全に制御することが難しいという欠点があるため、配向膜に予め一定方向の配向規制力を与えておき、電圧印加時の液晶分子の倒れる方向を決めておくことが好ましい。
図20は、このような液晶表示装置の例を示す模式図である。この液晶表示装置は、スリット17aの向きが相互に異なる4つの領域に分割された画素電極39を有し、且つ画素の上半分の領域の配向膜には液晶分子が上側から下側に向う方向に配向し、画素の下半分の領域の配向膜には液晶分子が下側から上側に向う方向に配向するように傾斜垂直配向処理が施されている。
このような液晶表示装置では、データバスライン16aから十分に離れた部分では、データバスライン16aからの電界の影響はなく、液晶分子はスリット39aの方向に配向する。しかし、画素の中心、すなわち第1の領域と第2の領域との境界部分及び第3の領域と第4の領域との境界部分ではスリットがないため、液晶分子は傾斜垂直配向処理方向(データバスライン16aに対し平行な方向)に配向する。この液晶分子の影響を受けて、画素の中心部近傍(図中破線で囲んだ部分)の液晶分子は、スリット37aとは異なる方向に傾斜して配向不良が発生する。これにより、画素の中心部近傍に比較的太い幅の縦線状の暗部が発生する。
第4の実施の形態の液晶表示装置は、このような画素の中心部に発生する縦線状の暗部の幅を縮小することを目的としている。
図21は本発明の第4の実施の形態の液晶表示装置を示す平面図である。なお、本実施の形態が第2の実施の形態と異なる点は、画素電極の形状が異なること、及び配向膜に傾斜垂直配向処理が施されていることにあり、その他の構成は基本的に第2の実施の形態と同様であるので、重複する部分の説明は省略する。
本実施の形態の液晶表示装置では、第2の実施の形態と同様に、画素電極40が、スリット40aの向きが相互に異なる4つの領域に分かれている。但し、画素の中心近傍でスリット40aは屈曲しており、この部分のスリット40aの方向はデータバスライン16aに対し45°よりも垂直に近い方向に傾いている。
この画素電極40は垂直配向膜に覆われている。画素の上側半分の領域(第1及び第2の領域)の垂直配向膜には上側から下側に向う方向に液晶分子が配向するように傾斜垂直配向処理が施されており、画素の下側半分の領域(第3及び第4の領域)の垂直配向膜には下側から上側に向う方向に液晶分子が配向するように傾斜垂直配向処理が施されている。傾斜垂直配向処理は、例えば配向膜に対し紫外線を斜め方向から照射することにより実現される。
図22は本実施の形態の液晶表示装置の白表示時における液晶分子の配向方向を示す模式図である。但し、図22ではTFTの図示を省略している。
この図22に示すように、第1の領域と第2の領域の境界部分、及び第3の領域と第4の領域との境界部分の液晶分子は、傾斜垂直配向処理の方向に倒れようとする。一方、画素の中心、すなわち第1の領域と第2の領域との境界及び第3の領域と第4の領域との境界から十分に離れた部分では、液晶分子はスリット40aに平行な方向に倒れようとする。
画素の中心部近傍の液晶分子は、スリット40aに平行な方向に倒れようとする力と、傾斜垂直配向処理により規制される方向に倒れようとする力とが作用し、その結果、データバスライン16aに対しほぼ45°の方向に倒れる。これにより、画素の中央の縦線状の暗部(図中、破線で示す部分)の幅が縮小され、液晶表示装置の輝度が向上する。
実際に上記の構成の液晶表示セルを作製して輝度を調べたところ、画素の中央部でスリットが屈曲していない場合に比べて輝度が約26%向上した。
本実施の形態の液晶表示装置は、画素電極40を図21に示す形状に形成すること、及び画素の上側半分の領域の配向膜に液晶分子が上側から下側に向う方向に配向するように傾斜垂直配向処理を施し、下側半分の領域の配向膜に液晶分子が下側から上側に向い方向に配向するように傾斜垂直配向処理を施すことを除けば、第2の実施の形態と同様にして製造することができる。
(付記1)相互に対向して配置された第1の基板及び第2の基板と、前記第1の基板及び前記第2の基板の間に封入された負の誘電率異方性を有する液晶と、前記第1の基板の前記液晶側の面に形成された画素電極と、前記第1の基板に設けられて前記画素電極に表示信号を供給するデータバスラインと、前記画素電極と前記データバスラインとの間に接続されたスイッチング素子と、前記第1の基板に設けられて前記スイッチング素子を駆動する信号を供給するゲートバスラインと、前記第2の基板の前記液晶側の面に形成されたコモン電極と、前記第2の基板に前記データバスラインに沿って形成され、上から見たときに縁部が前記画素電極に重なる突起とを有し、前記画素電極と前記突起との重なり幅が一画素中で均一でないことを特徴とする液晶表示装置。
(付記2)前記画素電極が、上部及び下部の幅に比べて中央部の幅が狭い形状であることを特徴とする付記1に記載の液晶表示装置。
(付記3)前記画素電極が、台形形状であることを特徴とする付記1に記載の液晶表示装置。
(付記4)前記画素電極の縁部には、凹凸及びスリットのいずれかが設けられていることを特徴とする付記1に記載の液晶表示装置。
(付記5)前記画素電極の上及び前記コモン電極の上にはそれぞれ傾斜垂直配向処理が施された配向膜が形成されていることを特徴とする付記1に記載の液晶表示装置。
(付記6)前記配向膜には、液晶分子が第1の方向に傾斜垂直配向するように傾斜垂直配向処理が施された第1の領域と、液晶分子が第2の方向に傾斜垂直配向するように傾斜垂直配向処理が施された第2の領域とが設けられていることを特徴とする付記5に記載の液晶表示装置。
(付記7)第1の基板上に、画素電極と、該画素電極に表示信号を供給するデータバスラインと、前記画素電極と前記データバスラインとの間を接続するスイッチング素子と、前記スイッチング素子を駆動する信号を供給するゲートバスラインとを形成する工程と、第2の基板上に、コモン電極と、前記データバスラインに対向する突起とを形成する工程と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に負の誘電率異方性を有する液晶を封入する工程とを有し、前記画素電極は、上から見たときに前記突起との重なり幅が一画素中で部分的に変化するように形成することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
(付記8)相互に対向して配置された第1の基板及び第2の基板と、前記第1の基板及び前記第2の基板の間に封入された負の誘電率異方性を有する液晶と、前記第1の基板の前記液晶側の面に形成された画素電極と、前記画素電極に設けられて液晶分子の配向を制御するスリットと、前記第1の基板に設けられて前記画素電極に表示信号を供給するデータバスラインと、前記画素電極と前記データバスラインとの間に接続されたスイッチング素子と、前記第1の基板に設けられて前記スイッチング素子を駆動する信号を供給するゲートバスラインと、前記第2の基板の前記液晶側の面に形成されたコモン電極とを有し、前記画素電極の前記データバスライン側の縁部のスリットと前記データバスラインとのなす角度が、前記画素電極の他の部分のスリットと前記データバスラインとのなす角度よりも小さいことを特徴とする液晶表示装置。
(付記9)前記画素電極は、スリットの向きが異なる複数の領域を有することを特徴とする付記10に記載の液晶表示装置。
(付記10)第1の基板上に、液晶分子の配向を制御するスリットを有する画素電極と、該画素電極に表示信号を供給するデータバスラインと、前記画素電極と前記データバスラインとの間を接続するスイッチング素子と、前記スイッチング素子を駆動する信号を供給するゲートバスラインとを形成する工程と、第2の基板上に、コモン電極を形成する工程と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に負の誘電率異方性を有する液晶を封入する工程とを有し、前記画素電極の前記データバスライン側の縁部のスリットと前記データバスラインとのなす角度を、前記画素電極の他の部分のスリットと前記データバスラインとのなす角度よりも小さくすることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
(付記11)相互に対向して配置された第1の基板及び第2の基板と、前記第1の基板及び前記第2の基板の間に封入された負の誘電率異方性を有する液晶と、前記第1の基板の前記液晶側の面に形成された画素電極と、前記画素電極に設けられて液晶分子の配向を制御するスリットと、前記画素電極の表面を覆う配向膜と、前記第1の基板に設けられて前記画素電極に表示信号を供給するデータバスラインと、前記画素電極と前記データバスラインとの間に接続されたスイッチング素子と、前記第1の基板に設けられて前記スイッチング素子を駆動する信号を供給するゲートバスラインと、前記第2の基板の前記液晶側の面に形成されたコモン電極とを有し、前記配向膜のうちの前記画素電極の前記データバスライン側の縁部の部分に傾斜垂直配向処理が施されており、傾斜垂直配向処理方向と前記データバスラインとのなす角度が、前記スリットと前記データバスラインとのなす角度よりも小さいことを特徴とする液晶表示装置。
(付記12)前記画素電極は、スリットの向きが異なる複数の領域を有することを特徴とする付記11に記載の液晶表示装置。
(付記13)第1の基板上に、液晶分子の配向を制御するスリットを有する画素電極と、該画素電極に表示信号を供給するデータバスラインと、前記画素電極と前記データバスラインとの間を接続するスイッチング素子と、前記スイッチング素子を駆動する信号を供給するゲートバスラインと、前記画素電極の表面を覆う配向膜とを形成する工程と、前記配向膜のうち、前記画素電極の前記データバスライン側の縁部の部分に前記データバスラインに対しほぼ平行な方向に傾斜垂直配向処理を施す工程と、第2の基板上に、コモン電極を形成する工程と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に負の誘電率異方性を有する液晶を封入する工程とを有することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
(付記14)相互に対向して配置された第1の基板及び第2の基板と、前記第1の基板及び前記第2の基板の間に封入された負の誘電率異方性を有する液晶と、前記第1の基板の前記液晶側の面に形成された画素電極と、前記画素電極の第1の領域に第1の方向に向けて形成された第1のスリット、及び前記画素電極の第2の領域に第2の方向に向けて形成された第2のスリットと、前記第1の基板に設けられて前記画素電極に表示信号を供給するデータバスラインと、前記画素電極と前記データバスラインとの間に接続されたスイッチング素子と、前記第1の基板に設けられて前記スイッチング素子を駆動する信号を供給するゲートバスラインと、前記画素電極の表面を覆い、前記データバスラインに平行な方向に傾斜垂直配向処理が施された配向膜と、前記第2の基板の前記液晶側の面に形成されたコモン電極とを有し、前記画素電極の前記第1の領域及び前記第2の領域は水平方向に隣接し、前記第1及び第2のスリットのうちの前記第1の領域及び前記第2の領域の境界近傍の部分と前記データバスラインとのなす角度が、前記第1及び第2のスリットの他の部分と前記データバスラインとのなす角度よりも大きいことを特徴とする液晶表示装置。
(付記15)第1の基板上に、液晶分子の配向を制御するスリットを有する画素電極と、該画素電極に表示信号を供給するデータバスラインと、前記画素電極と前記データバスラインとの間を接続するスイッチング素子と、前記スイッチング素子を駆動する信号を供給するゲートバスラインと、前記画素電極の表面を覆う配向膜とを形成する工程と、前記配向膜のうち、前記画素電極の前記データバスライン側の縁部の部分に前記データバスラインと平行な方向に傾斜垂直配向処理を施す工程と、第2の基板上に、コモン電極を形成する工程と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に負の誘電率異方性を有する液晶を封入する工程とを有し、前記スリットは、前記画素電極の第1の領域では第1の方向に向けて形成し、前記第1の領域に水平方向に隣接する第2の領域では第2の方向に向けて形成し、且つ、前記スリットのうち前記第1の領域と前記第2の領域との境界近傍の部分と前記データバスラインとのなす角度が、前記スリットの他の部分と前記データバスラインとのなす角度よりも大きくなるように形成することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。