JP3255605B2 - 液晶表示装置、及びその製造方法 - Google Patents

液晶表示装置、及びその製造方法

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JP3255605B2
JP3255605B2 JP5059898A JP5059898A JP3255605B2 JP 3255605 B2 JP3255605 B2 JP 3255605B2 JP 5059898 A JP5059898 A JP 5059898A JP 5059898 A JP5059898 A JP 5059898A JP 3255605 B2 JP3255605 B2 JP 3255605B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テレビジョン画像
やマルチメディア画像を表示する液晶表示装置及びその
製造方法に関し、特にホメオトロピック配向モードの液
晶表示装置及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の液晶表示装置としては、例えば誘
電率異方性が正のネマティック液晶を用いたツイステッ
ドネマティック(TN)モードの液晶表示装置が実用化
されている。しかし、この種の液晶表示装置は、視野角
が狭いうえ、応答速度が遅い(例えば約50msec程
度)という欠点を有している。このため、斜め方向から
でも視認できると共に、高速な動画の表示が必要とされ
る表示装置には適用が困難である。
【0003】上記TNモードの広視野角化を図ったもの
としては、各画素を2つの配向領域に分割する配向2分
割TNモードの液晶表示装置が知られている(SID'92 D
IGEST P.798 〜801 )。
【0004】この液晶表示装置は、例えば図15に示す
ように、画素電極104及び配向膜106が形成された
基板102と、対向電極103及び配向膜105が形成
され基板101と、基板101,102間に挟持される
誘電率異方性が正のネマティック液晶から成る液晶層1
10とから構成される。上記配向膜105・106は、
各画素ごとに、それぞれ互いにプレチルト角が異なる2
つの領域105a・105b、106a・106bに分
割されている。より詳しくは、配向膜105における領
域105a付近の液晶分子107aのプレチルト角が大
きくなる一方、領域105b付近の液晶分子107bの
プレチルト角は小さくなるように設定されている。又、
配向膜106では、その逆、すなわち領域106a付近
の液晶分子107cのプレチルト角が小さくなる一方、
領域106b付近の液晶分子107dのプレチルト角は
大きくなるように設定されている。ここで、図15に於
いてはプレチルト角を誇張して描いているが、実際には
何れも数度以下程度に設定される。
【0005】このようにプレチルト角が設定されている
ことにより、液晶層110の領域M・Nにおける中間付
近の液晶分子107e・107fが、それぞれ、互いに
反対方向に傾斜した状態となる。このような配向状態の
液晶表示装置において、電圧が印加されると、各配向領
域M・Nの液晶分子群が互いに逆方向に立ち上がってい
く。このため、画素単位で入射光線に対して屈折率異方
性が平均化されるので、視認方向に応じた透過率の変化
が小さくなる。これにより、例えばコントラスト比が1
0となる視野角を±35度程度に拡大することができ
る。又、さらにフィルム位相差板を用いて、より視野角
を拡大する技術も提案されている。
【0006】しかし、このような配向2分割TNモード
の液晶表示装置であっても、視野角が、通常のTNモー
ドよりは大きいものの、大幅に拡大することは困難であ
る上、応答速度に関しては、通常のTNモードと本質的
に変化なく約50msec程度であり、視野角、応答性
とも不十分である。
【0007】更に、上記のようなプレチルト角が異なる
領域105a…の形成は、例えば配向膜105…にフォ
トレジストを塗布し、露光及び現像により部分的にマス
キングして、所定の方向にラビングすることなどにより
行われるが、この場合、製造工程の増加を招くことにな
るうえ、上記フォトレジストを除去する際などに配向膜
105…の表面が劣化しがちであるため、良好な配向状
態を得ることが困難であるという問題点も有している。
【0008】又、最近TNモードで、配向膜としてポリ
イミド配向膜やポリシロキサン配向膜を使用し、光配向
処理によって配向領域を2分割または4分割することに
より、視野角を拡大させる技術が検討されている。この
技術では、光配向処理により配向領域を分割するので、
配向膜の表面を劣化することはない。しかしながら、光
配向に要するエネルギーが大きく、照射時間は1〜2時
間を要する。
【0009】一方、広視野角化を図るための別の技術と
して、表示画面と平行な方向の電界を作用させるように
構成された面内スイッチング(IPS)モードの液晶表
示装置も知られているが、これは、やはり応答速度が遅
いうえ、開口率が小さい為に輝度が低いという欠点を有
している。
【0010】更に、広い視野角を有すると共に、高速な
応答性をも有する液晶表示装置として、強誘電性液晶
(FLC)モードや、反強誘電性液晶(AFLC)モー
ドの液晶表示装置が知られているが、これらは、焼き付
き、耐ショック性や、表示特性の温度依存性が劣るとい
う大きな欠点がある。
【0011】以上のように、例えばフルカラー動画を大
画面で表示しようとする際に必要となる、広視野、高輝
度、高速の応答性を同時に有する実用的な液晶表示モー
ドは、現在のところ見当たらない。
【0012】そこで、近年、上記のような低輝度や低耐
ショック性などの欠点を有することなく、ある程度の広
視野角化と応答性の高速化とを図り得る液晶表示装置と
して、配向膜の界面で液晶分子がほぼ垂直に配向するホ
メオトロピック配向モードの液晶表示装置が注目されて
いる。この種の液晶表示装置では、誘電率異方性が負の
液晶を用い、液晶層に電圧が印加されていない場合に
は、液晶分子が基板に対してほぼ垂直に配向する一方、
電圧が印加された場合に、液晶分子が傾斜することによ
って、表示が行われるようになっている。このような配
向モードを用いることにより、比較的高速な応答性が得
られる。又、前記配向2分割TNモードの液晶表示装置
と同様に、各画素を2つの配向領域に分割することによ
り広視野角化を図ることが検討されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ホ
メオトロピック配向モードの液晶表示装置を従来のラビ
ング処理法とフォトリソグラフィ技術とを組み合わせた
方法により、配向2分割を行うと、以下の様な問題点を
生じる。
【0014】即ち、ホメオトロピック配向モードの液晶
表示装置では、配向膜近傍の液晶分子に90度近いプレ
チルト角を与える必要があるために、配向膜をラビング
する際にラビング筋などの欠陥が生じやすい。この為、
該ラビング処理により生じるラビング筋を原因とする表
示画面の劣化が、TNモードよりも多数視認される。
又、フォトリソグラフィ技術では、フォトレジストの現
像や剥離等を行うと、配向膜表面の劣化を招来する。上
記のようなラビング筋の発生や配向膜表面の劣化は、配
向膜近傍における各液晶分子のプレチルト角のバラつき
を大きくし、該液晶分子の良好な配向状態を得ることが
困難であるという問題点を有する。
【0015】以上のように、ホメオトロピック配向モー
ドの液晶表示装置は、配向2分割TNモードの液晶表示
装置と比較して、表示品質や歩留まりが低く、上記ラビ
ング処理等により配向領域の分割を行うのは困難である
という問題点を有する。
【0016】又、ホメオトロピック配向モードの液晶表
示装置を、光配向処理により配向分割を行なおとする
と、上記TNモードの分割配向に関して述べたのと同様
の問題点、即ち、光配向に要するエネルギーが大きく、
そのため照射時間が1〜2時間という長時間を要すると
いう問題点を有する。
【0017】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、広い視野角と高速な応答速
度とを有し、しかもラビング処理等による配向欠陥や配
向膜の劣化を招くことがなく、高い歩留まりを得ること
ができるホメオトロピック配向モードの液晶表示装置、
及びその製造方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する為
に、請求項1に記載の発明は、それぞれ表示電極と配向
膜とを備え、対向して配置された一対の基板の間に、誘
電率異方性が負の液晶分子を含む液晶層が設けられると
共に、電圧無印加時に液晶層内の液晶分子が、上記基板
の法線方向に関する配向方位が基板に対してほぼ垂直に
配向した液晶表示装置であって、上記配向膜は、感光性
基を有する分子を含む分子群が、上記表示電極の少なく
とも表面に単分子膜状に形成されていると共に、上記配
向膜が各画素毎に複数の領域に分割され、しかも、この
配向膜分割領域内の分子群は、基板の法線方向に関する
配向方位が基板に対してほぼ垂直で、且つ、基板に平行
な面内に関する配向方位が各分割領域毎に異なるように
傾斜しており、上記液晶層は、上記配向膜の配向処理に
応じて、各画素毎に液晶分子の基板面内に関する配向方
位が異なる複数の配向領域に分割され、上記配向膜分割
領域内の分子群の傾斜状態は、予め、上記配向膜分割領
域に非水系有機溶媒を接触させた後、該非水系有機溶媒
を、配向膜分割領毎に異なる液切り方向に液切りし、
且つこの状態でエネルギービームを照射して感光性基同
士を架橋させて得られたものであることを特徴とする。
【0019】上記の構成では、配向膜は、表示電極上に
形成された単分子膜に、非水系有機溶媒を接触させた後
該非水系有機溶媒を液切りして上記単分子膜を構成する
分子群を液切り方向に傾斜させ、かつエネルギービーム
を照射することにより感光性基同士を架橋させて形成さ
れる。従って、ラビング処理とフォトリソグラフィ技術
とを組み合わせた方法により配向処理を行う必要がな
く、ラビング筋等による配向膜表面の劣化を防止する。
又、上記のように、水を含まない非水系有機溶媒を接触
させて単分子膜を傾斜させるので、埃等の汚れを低減し
た配向膜が得られる。
【0020】更に、単分子膜の各画素に対応する領域が
複数の領域に分割され、この分割領域毎に、非水系有機
溶媒の液切り方向を異ならせるので、上記単分子膜は各
領域毎に所定の方向に傾斜している。ここで、各領域近
傍の液晶分子が配向膜に接すると、液晶分子の末端部分
が該配向膜を形成する分子と分子との隙間に入り込む。
これにより、各領域近傍の液晶分子は規制されて、単分
子膜を構成する分子の傾斜方向に傾斜する。よって、配
向膜近傍の各液晶分子を、基板の法線に対して互いに異
なる方向に所定のプレチルト角で傾斜して配向する。こ
の結果、液晶層は、各画素毎に複数の配向領域に分割さ
れ、表示画面の上下、左右またはそれ以外の方向の視野
角特性を向上させたホメオトロピック配向モードの液晶
表示装置が得られる。
【0021】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の液晶表示装置に於いて、上記分子群は、溌水作用を備
えた官能基を有する分子を含むことを特徴とする。
【0022】上記構成の様に、単分子膜の構成する分子
群が、溌水作用を備えた官能基を有する分子を含むこと
により、当該分子の溌水作用により配向膜近傍の液晶分
子の配向ベクトルがほぼ基板の法線方向となるように、
該液晶分子を配向させることができる。
【0023】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の液晶表示装置に於いて、上記溌水作用を備えた官能基
を有する分子は、末端基としてのフッ化炭素基を有する
分子であることを特徴とする。
【0024】上記の如く、溌水作用を備えた官能基を有
する分子は、末端基としてのフッ化炭素基を有する分子
により実現できる。
【0025】請求項4に記載の発明は、請求項1、請求
項2又は請求項3の何れか1つに記載の液晶表示装置に
於いて、上記末端基としてのフッ化炭素基を有する分子
及び感光性基を有する分子は、直鎖状の炭素鎖及び/ま
たはシロキサン結合鎖、及びシリコン原子を含む官能基
を有することを特徴とする。
【0026】上記の構成のように、末端基としてのフッ
化炭素基を有する分子及び感光性基を有する分子が、シ
リコン原子を含む官能基を有することで、例えば表示電
極表面に存在する水酸基とのシロキサン結合により、該
表示電極上に化学吸着させることができる。これによ
り、耐剥離性に優れた薄い配向膜が得られる。又、直鎖
状の炭素鎖を有するようにすることで、分子鎖の長さを
自由に設定することができる。一方、シロキサン結合鎖
を分子鎖中に有するようにすることで、酸素原子を中心
とした分子の自由回転が容易となり、分子の自由度は高
まる。これにより、上記分子を所定の方向に傾斜させる
のが容易となり、該分子を所定の方向に一層揃った状態
で傾斜させることができる。
【0027】請求項5に記載の発明は、請求項1に記載
の液晶表示装置に於いて、上記エネルギービームは、偏
方向が液切り方向と一致する偏エネルギービームで
あることを特徴とする。
【0028】上記の構成のように、非水系有機溶媒の液
切り方向と、照射するエネルギービームの偏光方向とを
一致させることで、各領域毎に、より確実に単分子膜を
構成する分子を、それぞれの所定の方向に傾斜させるこ
とができる。これにより、配向膜近傍の各液晶分子の所
定の配向に対する不揃いを低減することができる。
【0029】請求項6に記載の発明は、請求項1に記載
の液晶表示装置に於いて、上記配向膜は、間隙膜を介し
て表示電極上に形成されていることを特徴とする。
【0030】上記の構成では、間隙膜を介して配向膜を
形成するので、該間隙膜の材料を適宜選択することによ
り、配向膜の形成を有利に行うことができる。即ち、例
えば化学吸着に有利な表面官能基を多数有する薄膜を採
用することで、高密度で分子を吸着できると共に、耐剥
離性に一層優れた配向膜を形成できる。
【0031】請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請
求項6の何れか1つに記載の液晶表示装置に於いて、上
記配向膜分割領域内の分子群の傾斜方向が、配向膜分割
領域間の境界面に対して、他方の領域内の分子群の傾斜
方向と反対側になるように形成されていることを特徴と
する。
【0032】上記の構成によれば、単分子膜の各領域内
の分子群が、各領域毎に互いに反対方向に傾斜するの
で、上記各領域近傍の液晶分子が互いに反対方向に傾斜
する。これにより、表示画面における上下方向または左
右方向などの視野角を拡大させることができる。
【0033】請求項8に記載の発明は、請求項1に記載
の液晶表示装置において、上記一対の基板の内の何れか
一方に、上記表示電極に印加する電圧を制御するスイッ
チング素子が設けられていることを特徴とする。
【0034】上記の構成によれば、高速な応答速度を有
すると共に、広視野角で高コントラストな画像を表示し
得るホメオトロピック配向モードのアクティブマトリク
ス型液晶表示装置を提供できる。
【0035】請求項9に記載の発明は、請求項8に記載
の液晶表示装置に於いて、上記基板と表示電極との間
に、該表示電極を平坦化させる平坦化膜が設けられてい
ることを特徴とする。
【0036】上記の構成によれば、基板上に多少の凹凸
や汚れ・傷、スイッチング素子等が存在していても、平
坦化膜を形成することにより、該平坦化膜上に形成され
る表示電極を平坦にすることができる。これにより、表
示電極間に電圧を印加する際の、スイッチング素子近傍
に発生する電界の歪み、いわゆる横電界を防止すること
ができ、配向膜近傍の液晶分子が所定の配向方向に配向
しない等、該横電界によって液晶分子が制御できなくな
るという事態の発生を防止できる。更に、上記のように
表示電極を平坦にすることにより、液晶表示装置の全面
に渡って基板間の間隔(セルギャップ)を一定にするこ
とができ、表示ムラの発生を低減できる。又、基板表面
の凹凸やスイッチング素子等を考慮して、スペーサの直
径よりも余裕を持たせてセルギャップを設ける必要がな
いので、セルギャップを狭くすることができる。これに
より、液晶層に形成される電界が強くなり、応答速度を
一層高速にできる。
【0037】請求項10に記載の発明は、請求項1に記
載の液晶表示装置に於いて、上記表示電極の内の何れか
一方における各画素に対応する領域が、所定の間隙を介
して、上記配向膜分割領域に対応して複数の領域に分割
されていることを特徴とする。 上記の構成によれば、
上記間隙の近傍で電気力線の方向が互いに逆の方向に傾
斜した電極縁(フリンジ)電界が形成され、該間隙を境
にして、液晶分子を互いに異なる方向に傾斜させる力が
作用する。それゆえ、前記のように形成された配向膜に
よって液晶分子に作用する配向規制力とあいまって、液
晶層を確実に複数の配向領域に分割することができる。
これにより、表示電極間に電圧を印加すると、各液晶分
子は所定の方向に乱れることなく一層傾斜するので、各
液晶分子をスムースに駆動させることができる。
【0038】請求項11に記載の発明は、請求項1乃至
請求項10の何れか1つに記載の液晶表示装置に於い
て、上記一対の基板の内の何れか一方の基板、または上
記一対の表示電極の内の何れか一方の表示電極が、光を
反射させる材料からなることを特徴とする。
【0039】上記の構成によれば、一対の基板の内の何
れか一方の基板、または一対の表示電極の内の何れか一
方の表示電極を、光を反射させる材料とすることによ
り、高コントラストで広視野角、高速応答の反射型の液
晶表示装置を製造できる。
【0040】請求項12に記載の発明は、請求項1ない
し請求項11の何れか1つに記載の液晶表示装置に於い
て、配向膜近傍の液晶分子のプレチルト角θpが、80
度≦θp <90度の範囲内であることを特徴とする。
【0041】上記の構成によれば、配向膜近傍の液晶分
子のプレチルト角θpを、80度≦θp <90度の範囲
内とすることより、上記液晶分子をより確実に配向さ
せ、かつ高コントラストの液晶表示装置を製造すること
ができる。
【0042】請求項13に記載の発明は、請求項1に記
載の液晶表示装置に於いて、上記一対の基板の内の何れ
か一方の基板の外側に、少なくとも1枚の位相板が設け
られていることを特徴とする。
【0043】上記の位相板は、正負いずれの位相差板で
あってもよく、このようなフィルム位相差板を設けるこ
とにより、表示画面の視野角を一層拡大させた液晶分子
を製造することができる。
【0044】請求項14に記載の発明は、上記の課題を
解決する為に、それぞれ表示電極と配向膜とを備え、対
向して配置された一対の基板と、上記一対の基板の間
に、誘電率異方性が負の液晶分子を含む液晶材料が封入
された液晶層とを有する液晶表示装置の製造方法であっ
て、上記各基板上に、上記表示電極をそれぞれ形成する
表示電極形成工程と、上記各表示電極の少なくとも表面
上に、溌水作用を備えた官能基を有する分子と、感光性
基を有する分子を含む分子群を、単分子膜状に形成する
単分子膜形成工程と、上記単分子膜を非水系有機溶媒に
接触させた後に、単分子膜の各画素に対応する領域を複
数の領域に分割して構成される各分割領域内の分子群
を、分割領域毎に異なる方向に傾斜させるべく、液切り
方向が互いに異なるように該非水系有機溶媒を液切り
し、エネルギービームを照射することにより傾斜状態の
分子群を架橋させて配向膜を形成する配向膜形成工程
と、配向膜の配向パターンを対応させるようにして、各
配向膜を対向させ、しかも配向膜間に所定の間隙を有す
るように、上記一対の基板を貼り合わせる組立工程と、
上記間隙に、上記液晶分子を含む液晶材料を注入して液
晶層を形成する液晶注入工程とを含むことを特徴とす
る。
【0045】上記の方法によれば、ラビング処理とフォ
トリソグラフィ技術とを組み合わせた方法により配向処
理を行うことなく、ホメオトロピック配向モードで且つ
複数の配向領域に分割された液晶表示装置を製造するこ
とができる。
【0046】また、上記方法によれば、配向膜を構成す
る感光性基を有する分子は、単分子膜状に形成されてい
る為、光重合反応に必要なエネルギービームのエネルギ
ー量は、従来のポリマー状の配向膜と比較して極めて少
なく済む。よって、従来例のように光配向処理による場
合に比べて、エネルギービームの照射時間を短くするこ
とができる。
【0047】請求項15に記載の発明は、請求項14に
記載の液晶表示装置の製造方法に於いて、上記単分子膜
は2分割され、配向膜形成工程における非水系有機溶媒
の液切り方向が、分割領域毎に反対方向とるように液
切りすることを特徴とする。
【0048】上記構成により、液晶層が2の配向領域に
分割されたホメオトロピック配向モードの液晶表示装置
が得られる。
【0049】請求項16に記載の発明は、請求項14に
記載の液晶表示装置の製造方法に於いて、上記単分子膜
は上下左右の4分割され、配向膜形成工程における非水
系有機溶媒の液切り方向が、隣接する分割領域毎に反対
方向とるように液切りすることを特徴とする。
【0050】上記構成により、液晶層が上下左右の4の
配向領域に分割されたホメオトロピック配向モードの液
晶表示装置が得られる。
【0051】請求項17に記載の発明は、請求項14乃
至請求項16の何れか1つに記載の液晶表示装置の製造
方法に於いて、上記エネルギービームは偏ビームであ
り、偏方向が液切り方向と一致するように、エネルギ
ービームを照射することを特徴とする。
【0052】上記の如く、偏ビームの使用により、配
向膜の配向をより均一にすることができる。
【0053】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)本発明の実施の
形態1について、図1ないし図6に基づいて説明すれば
以下のとおりである。但し、説明に不要な部分は省略
し、又、説明を容易にする為に誇張あるいは縮小等して
図示した部分がある。以上のことは以下の図面に対して
も同様である。
【0054】本実施の形態1に係る透過型の液晶表示装
置は、図1(b)に示すように、上基板1と、下基板2
と、上基板1と下基板2間に介在する液晶層8とを有す
る。上基板1の内側表面には、表示電極3が形成され、
該表示電極3上には、配向膜5が形成されている。又、
上基板1の外側表面には、負のフィルム位相差板10が
設けられている。更に、該フィルム位相差板10の外側
には、偏光板11が設けられている。
【0055】上記下基板2の内側表面には、表示電極4
が形成され、該表示電極4上には、配向膜6が形成され
ている。又、上記下基板2の外側には、偏光板12が設
けられている。
【0056】上記上基板1及び下基板2は、例えばガラ
スや石英等からなる透明基板である。又、上記表示電極
3・4は、例えばインジウム錫酸化物(ITO:Indium
TinOxide)からなる透明導電膜である。上記液晶層8
は誘電率異方性が負のネマティック液晶(例えば、商品
名;MJ-951152 、メルク社製)を含み、該液晶層8の層
厚は、例えば3.5μmである。この液晶層8は、各画
素毎に、液晶分子の配向方向が異なる2の配向領域A、
Bに2等分に分割されて構成されている。配向領域Aに
属する液晶分子と、配向領域Bに属する液晶分子とは、
境界面Pに関して互いに反対方向に傾斜し、且つプレチ
ルト角が共に直角に近い角度となっている。尚、このよ
うに1画素を2つの配向領域A、Bに分割し、しかも、
配向領域Aの液晶分子と配向領域Bの液晶分子とを境界
面Pに関して互いに反対方向に傾斜させるようにしたの
で、表示画面を斜め方向から見たときに液晶分子の屈折
率異方性が平均化されて、大きな視野角が得られる。
【0057】上記配向膜5及び配向膜6は、複数のシラ
ン系の分子からなる群が、シロキサン結合(−SiO
−)により表示電極3または表示電極4の表面に化学吸
着し、かつ各領域5a・5b、6a・6b毎にそれぞれ
所定の方向(領域5a・5bについてはX方向、領域6
a・6bについてはX’方向)に傾斜した状態で架橋し
てなる単分子膜である。このように、配向膜5・6は、
表示電極3・4表面にシロキサン結合により化学吸着し
て形成されたものであるため、配向膜5・6は耐剥離性
に優れている。更に、配向膜5・6は単分子層なので、
その膜厚は非常に薄い。
【0058】この配向膜5・6に液晶分子が接すると、
液晶分子の末端部がシラン系の分子と分子との隙間に入
り込む。この際、上記したように、複数のシラン系の分
子は各領域5a・5b、6a・6b毎にそれぞれ所定の
方向に傾斜しているので、各領域近傍の液晶分子7a〜
7dは該複数のシラン系の分子に規制されて、シラン系
の分子が傾斜している方向に傾斜する。本実施の形態で
は、各液晶分子7a〜7dは、上基板1または下基板2
の法線に対してプレチルト角θpで傾斜している。この
ような配向膜5・6の配向処理に応じて、上記したよう
に液晶層8の配向領域は、境界面Pに対して2つの配向
領域A・Bに分割されることになる。尚、配向領域Aに
対応する領域5a・6aと、配向領域Bに対応する領域
5b・6bとは等分に形成されており、これにより配向
領域A・Bは境界面Pに対して対称となっている。
【0059】上記シラン系の分子からなる群は、直鎖状
の炭素鎖及び/またはシロキサン結合鎖、シリコン(S
i)原子を有する官能基、及び感光性基を有する分子
(以下、分子Aと称する。)と、直鎖状の炭素鎖及び/
またはシロキサン結合鎖、Si原子を有する官能基、及
び末端基としてのフッ化炭素基を有する分子(以下、分
子Bと称する。)とを含む。このように、上記分子Aに
於いて、感光性基を有するようにすることで、感光性基
同士の重合結合により、配向膜5・6を架橋構造にでき
る。又、上記分子Bに於いて、末端基をフッ化炭素基と
することで、該フッ化炭素基の溌水作用により液晶分子
のプレチルト角を大きくすることができる。更に、シラ
ン系の分子は、他方の末端基にリコン原子を含む官能基
を有することで、例えば表示電極3・4表面に存在する
水酸基とのシロキサン結合により、該表示電極3・4上
に化学吸着させることができる。更に、シラン系の分子
は、シロキサン結合鎖を分子鎖中に有するようにするこ
とで、酸素原子を中心とした分子の自由回転が容易とな
り、分子の自由度は高まる。これにより、上記シロキサ
ン結合鎖を分子鎖中に有する分子を所定の方向に傾斜さ
せるのが容易となり、シロキサン結合鎖を分子鎖中に有
する分子を所定の方向に一層揃った状態で傾斜させるこ
とができる。更に、直鎖状の炭素鎖を有するようにする
ことで、分子鎖の長さを自由に設定することができる。
上記直鎖状の炭素鎖の炭素数は5〜30の範囲内であこ
とが好ましく、更には8〜25の範囲内であることがよ
り好ましい。上記炭素数が5より小さいと、液晶分子を
上基板1又は下基板2の法線方向に配向させるのが困難
となる場合がある。一方、上記炭素数が30より大きい
と、配向膜の材料として適さない場合がある。
【0060】上記フッ化炭素基としては、例えば3フッ
化炭素基(−CF3 )、2フッ化炭素基(−CF2 −)
等が挙げられる。上記感光性基としては、例えば、シン
ナモイル基、メタクリロイロ基等が挙げられる。上記S
i原子を有する官能基としては、水酸基(−OH)に対
して結合性を有するものであればよい。具体的には、例
えば、クロロシリル基(−SiCl)、ジクロロシリル
基(−SiCl2 )、トリクロロシリル基(−SiCl
3 )、アルコキシシリル基、イソシアネートシリル基等
が挙げられる。
【0061】尚、上記分子Aと分子Bとの割合は、1:
0.1〜0.01:1の範囲内であることが好ましい。
分子Aの割合が小さすぎると、架橋されない分子Bが増
加するので、単分子膜を所定の方向に傾斜した状態で保
持するのが困難となる。従って、各液晶分子を所定の方
向に揃って配向させることが困難となって、配向不良と
なるので好ましくない。一方、分子Aの割合が大きすぎ
ると、相対的にフッ化炭素基を有する分子Bが少なくな
るので、液晶分子を高プレチルト角で配向させるのが困
難となり好ましくない。上記の範囲内で分子Aと分子B
との割合を変えることにより、液晶分子のプレチルト角
を所望の角度に適宜設定することができる。
【0062】次に、本実施の形態1に係る液晶表示装置
の製造方法を説明する。
【0063】先ず、下基板2上に、従来公知の方法によ
り、表示電極4を形成する。更に、上記表示電極4上に
SiO2 膜(図示しない)を、例えばCVD(Chemical
Vapor Deposition )法やスパッタ法等により形成す
る。
【0064】本実施の形態に於いては、分子A及び分子
Bとして、それぞれ下記化学式(化1)または(化2)
で表わされるシラン系の界面活性剤を使用する。
【化1】
【化2】
【0065】上記(化1)と(化2)との配合割合が、
1:0.08となる混合溶液を作製する。更に、該混合
溶液の濃度が1重量%程度となるように、よく脱水され
たヘキサデカンからなる非水系有機溶媒に溶かして、化
学吸着溶液81を得る。
【0066】ここで、非水系有機溶媒としては、上記ヘ
キサデカンに限定されるものではなく、以下のものが挙
げられる。即ち、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロ
ヘキサン、オクタン、デカン、ヘキサデカン等の溶媒;
クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン、塩化
メチレン等の塩素系の溶媒;フッ素系の溶媒等である。
特に、アルキル基、フッ化炭素基、塩化炭素基、または
シロキサン基等から選ばれる少なくとも1つの官能基を
有する非水系有機溶媒を採用すると、液晶分子を所望の
方向に配向させることが容易な配向制御性に優れた配向
膜が得られるので好ましい。
【0067】続いて、図2に示すように、下基板2を化
学吸着溶液81に約1時間浸漬し、上記(化1)及び
(化2)で示される分子を表示電極4上に化学吸着させ
て、単分子膜16を形成する。前述のように、下基板2
及び表示電極4は、それぞれガラスまたはITO等から
なり、これらの表面は親水性で、−OH基、−NH
2 基、>NH基またはSH基等の活性水素を有する官能
基が存在する。従って、Siを有する官能基と、上記の
内の何れかの官能基とが脱塩化水素反応を起こして、−
SiO−結合または−SiN<結合等の共有結合をす
る。本実施の形態に於いては、下記式のように、−Si
Cl3 基と−OH基との脱塩化水素反応が起こる。
【化3】
【0068】尚、下基板2を化学吸着溶液81に浸漬す
る代わりに、上記化学吸着溶液81を表示電極4の表面
に塗布する等、公知の手法を採用してもよい。
【0069】次に、上記化学吸着溶液81から下基板2
を取り出し、よく脱水された非水系の溶媒であるクロロ
ホルムからなる洗浄液83で、上記下基板2を10分間
程度洗浄する。これにより、未反応のシラン系界面活性
剤が除去される。この洗浄操作を3回繰り返す。ここ
で、上記のように非水系の有機溶媒で洗浄することによ
り、埃等の汚れが低減できた配向膜を得ることができ
る。
【0070】続いて、図3(a)に示すように、洗浄液
83の液切りを行う。即ち、洗浄液83の液切り方向が
矢印V’で示す方向に一致するように、下基板2の一方
の端から矢印Vで示す方向に引き上げる。これにより、
単分子膜16は、液切り方向V’に傾斜する。ここで、
上記液切りの方法としては、特に限定されるものではな
く、上記方法の他に、回転台等に下基板2を載置して回
転させ、遠心方向に液切りする方法や、空気等を吹き付
ける方法等、従来公知の方法を採用してもよい。
【0071】更に、上記下基板2を乾燥させた後、水分
を含む空気中に上記下基板2を暴露する等して、水と反
応させる。これにより、下記化学反応式に示すように、
表示電極4上に化学吸着した分子における未反応のCl
基がOH基に置換される。
【化4】
【0072】次に、上記下基板2を乾燥させると、下記
化学反応式のように脱水される。
【化5】
【0073】この結果、図3(b)に示すように、例え
ば約1.8nmの膜厚を有する単分子膜26が形成され
る。
【0074】次に、図4に示すように、遮光部85を有
するフォトマスク86によって、単分子膜26における
領域6aを遮光する。更に、矢印Uで示す方向から、偏
光方向がT方向に偏光された照射強度500Wの紫外線
(波長365nm)を、領域6bに45秒間照射する。
これにより、上記領域6bでは、単分子膜26が確実に
V’方向に傾斜すると共に、(化1)で示される分子に
おける感光性基が下記(化6)のように互いに光重合反
応して架橋する。
【化6】 ここで、前記(化2)で示される分子は感光性基を有し
ていないので、光重合反応は起きない。しかしながら、
前式(化1)で示される分子が、傾斜した状態で互いに
架橋しているので、前式(化2)で示される分子もこれ
に制約されて同様に傾斜していると考えられる。尚、単
分子膜状に形成されている為、光重合反応に必要な紫外
線のエネルギー量は、従来のポリマー状の配向膜と比較
して極めて少なくできる。よって、紫外線の照射時間
を、例えば従来の光配向処理方法に比して極めて短時間
にすることができる。
【0075】次に、図5(a)に示すように、下基板2
を、前記洗浄液83に浸漬した後、洗浄液83がV方向
に液切りするように、下基板2をV’方向に引き上げ
る。この際、図5(b)に示すように、領域6bでは架
橋構造となっているので、該領域6bにおける単分子膜
はV’方向に傾斜した状態を維持する。一方、紫外線が
照射されていない領域6aにおける単分子膜は、V方向
に再傾斜する。
【0076】続いて、図6に示すように、上記と同様に
して、フォトマスク86によって領域6bを遮光し、紫
外線を領域6aに照射する。この結果、感光性基同士に
よる光重合反応により、領域6aにおける単分子膜は架
橋する。これにより、表示電極4上に配向膜6が形成さ
れる。
【0077】更に、上基板1に対しても同様の工程を行
うことによって、上基板1上に形成された表示電極3に
単分子膜16を形成し、各領域5a・b毎に液切り方向
と、紫外線の偏光方向とを異ならせて、配向膜5を形成
する。
【0078】続いて、上基板1における配向膜5と、下
基板2における配向膜6とが互いに対向し、かつ、領域
5aと領域6aと、及び領域5bと領域6bとがそれぞ
れ対応するように、上記上基板1と下基板2とを貼り合
わせる(図1(b)参照)。その後、上記上基板1と下
基板2との間に、ネマティック液晶を含む液晶材料を注
入して、液晶層8を形成する。更に、上基板1の外側に
フィルム位相差板10及び偏光板11を設け、下基板2
の外側に偏光板12を設ける。
【0079】以上のように、上記の製造方法によれば、
洗浄液83の液切りにより各領域5a・b及び領域6a
・6b毎に単分子膜の構成分子の傾斜方向を異ならせ、
紫外線の照射により架橋させて配向膜5・6を形成する
ので、ラビング処理を行う必要がない。従って、ラビン
グ筋等による配向膜5・6表面の劣化は防止される。し
かも、上記フォトマスク86は、紫外線を選択的に遮光
できればよいので、配向膜5・6に密着またはある程度
の隙間をあけて配向膜6を覆えばよく、ラビング処理を
行う場合のようにフォトレジストの形成や剥離等を行う
必要がない。従って、上記剥離工程による配向膜5・6
表面の劣化も防止される。これにより、液晶表示装置の
製造工程に於いて、生産性及び歩留まりを向上させるこ
とができる。
【0080】次に、本実施の形態に係る液晶表示装置の
動作モードを説明する。
【0081】上記の構成に於いて、液晶表示装置に、例
えば映像信号を出力する映像信号駆動回路(図示しな
い)等を接続することにより、表示画面に画像を表示さ
せる。表示電極3・4間に電圧を印加しない場合、各液
晶分子7…の初期配向状態は下記の通りである。即ち、
図1(b)に示すように、配向膜6近傍の液晶分子7b
・dは、該配向膜6による表面束縛により下基板2に対
してプレチルト角88度でXまたはX’方向にそれぞれ
傾斜している。更に、配向膜5近傍の液晶分子7a・c
についても上記と同様に、YまたはY’方向にプレチル
ト角88度で傾斜している。
【0082】一方、表示電極3・4間に電圧を印加する
場合、液晶層8には下基板2の法線方向に電界が生じ
る。この結果、液晶層8中央付近の液晶分子7e・7f
は、電界効果により新しい配向状態へと転移しようとす
る。即ち、液晶分子7e・7fの短軸方向が、上記電界
における電気力線と平行になろうとする。ここで、上記
液晶分子7e・7fは、配向膜5・6近傍の液晶分子7
a〜dの影響を受けるため、境界面Pに対して対称とな
るように、互いに反対方向に傾斜する。
【0083】上記のように、各液晶分子7…は、それら
の配向方向が各配向領域A・B内で一様となるように揃
って傾斜するため、光の透過率も該配向領域A・B毎に
均一に変化する。更に、1画素当たり配向領域を等分に
分割しているので、表示画面を斜め方向から見ても、液
晶分子の屈折率異方性が平均化される。従って、視野角
の拡大が可能となって視野角特性を向上させることがで
きる。この結果、表示コントラスト比が約300と高コ
ントラストで、視野角が±70度と視野角を大幅に向上
させた透過型液晶表示装置が得られた。又、応答速度は
約20msであり、従来のTNモードの液晶表示装置と
比較して高速応答であった。これにより、高コントラス
トで視野角特性を大幅に向上させた、高速応答のホメオ
トロピック配向分割液晶表示装置が得られた。
【0084】以上のように、本実施の形態では、表示電
極上に単分子膜を形成し、該単分子膜の各領域毎にそれ
ぞれ所定の方向に洗浄液を液切りして紫外線を照射する
ことにより、単分子膜を傾斜し架橋させて配向膜を形成
する。これにより、ラビング処理やフォトリソグラフィ
プロセス等の工程を行わないので、ラビング筋等による
配向膜表面の劣化を防止し、歩留りを高くできる。更
に、該配向膜により液晶層における配向領域を複数の配
向領域に分割することができるので、表示画面の上下、
左右またはそれ以外の方向の視野角を拡大させることが
でき、視野角特性を向上させたホメオトロピック配向モ
ードの液晶表示装置を得ることができる。
【0085】(実施の形態2)本発明の実施の形態2に
ついて、図7ないし図10に基づいて説明すれば以下の
通りである。尚、前記実施の形態1の液晶表示装置と同
様の機能を有する構成要素については、同一の符号を付
して詳細な説明を省略する。
【0086】本実施の形態2に係るアクティブマトリク
ス型液晶表示装置は、前記実施の形態1に係る液晶表示
装置の構成と比して、配向領域が4つに分割されている
点が異なる。
【0087】具体的には、図7に示すように、液晶層1
8は、配向領域C〜Fの4つに等分割されており、配向
領域C内の液晶分子と配向領域E内の液晶分子とは、互
いに反対方向に傾斜して配向し、配向領域内Dの液晶分
子と配向領域内Fの液晶分子とは、互いに反対方向に傾
斜して配向している。また、各配向領域C〜F内の液晶
分子のプレチルト角は、同一である。尚、図7(a)中
において、Xは配向領域C内の液晶分子の配向方向であ
り、Yは配向領域D内の液晶分子の配向方向であり、
X’は配向領域E内の液晶分子の配向方向であり、Y’
は配向領域F内の液晶分子の配向方向である。
【0088】また、本実施の形態2では、上記配向領域
C〜Fを形成するため、配向領域C〜Fに対応して、配
向膜5が領域5c,5d,5e,5fに4分割され、配
向膜6が領域6c,6d,6e,6fに4分割されてい
る。
【0089】次に、本実施の形態2に係る液晶表示装置
の製造方法について説明する。
【0090】先ず、前記実施の形態1と同様にして、表
示電極4上にSiO2 膜を介して単分子膜26を形成す
る。更に、洗浄液83によって下基板2を洗浄し、未反
応のシラン系の界面活性剤を除去する。
【0091】次に、液切り方向が、図7(a)に示すX
方向と一致するように下基板2を引き上げる。更に、上
記下基板2を乾燥させた後、水と反応させて、シラン系
の分子における未反応のCl基を水酸基に置換させる。
更に、遮光部85を有するフォトマスク86によって領
域6d〜fを遮光し、X方向に平行な偏光方向を有する
紫外線を領域6cに照射する。これにより、領域6cに
属する分子群が、X方向に傾斜した状態で固定される。
【0092】以下、領域6d,6e,6fに対しても、
上記領域6cの製造工程と同様の工程を行うことによっ
て、領域6dに属する分子群がY方向に、領域6eに属
する分子群がX’方向に、領域6dに属する分子群が
Y’方向に、それぞれ傾斜した状態で固定される。
【0093】次に、上基板1に関して、下基板2に関す
る上記製造工程と同様の工程を行うことによって、上基
板1上に表示電極3及び領域5c,5d,5e,5fに
4分割された配向膜5を形成する。
【0094】続いて、上基板1と下基板2とを所定の間
隙を設けて貼り合わせ、該上基板1と下基板2との間に
液晶材料を注入して液晶層18を形成する。更に、上基
板1の外側にフィルム位相差板10及び偏光板11を設
け、下基板2の外側に偏光板12を設けて、図7(b)
に示す液晶表示装置を得ることができる。
【0095】以上のように、本実施の形態によれば、ラ
ビング処理やフォトリソグラフィプロセスを行うことな
く配向領域を4分割することができ、これにより表示画
面の左右方向の視野角に加えて上下方向の視野角をも拡
大させたホメオトロピック配向分割液晶表示装置を得る
ことができる。
【0096】尚、配向領域は、さらに種々の方向に視野
角が拡大するように、更に多数に分割することも可能で
ある。例えば、図8に示すように、配向領域を8つに分
割してもよい。この場合、各配向領域a〜hが形成され
るように、非水系有機溶媒の液切り方向を配向膜5・6
における領域毎に異ならせればよい。これにより、1画
素当たりの視野角をさらに均等に拡大した液晶表示装置
を得ることができる。
【0097】また、本実施の形態2に係る液晶表示装置
は、下記のように液切り方向を工夫することにより、製
造工程の工程数を減らすことも可能である。即ち、単分
子膜16を洗浄液83によって洗浄する際、先ず、液切
り方向が、図9に示すZ方向と一致するように液切りす
る。これにより、単分子膜16はZ方向に傾斜する。続
いて、上記下基板2を乾燥させた後、水と反応させて、
単分子膜26を得る。更に、偏光方向がX方向に平行な
紫外線を、領域6c(配向領域Cに対応する)に照射す
る。又、偏光方向がY方向に平行な紫外線を領域6d
(配向領域Dに対応する)に照射する。これにより、領
域6c・6dにおける単分子膜はXまたはY方向に再傾
斜すると共に、その状態で架橋する。次に、領域6e・
6f(配向領域E・Fに対応する)についても上記と同
様にして、Z’方向に液切りし、続いて偏光方向がX’
及びY’方向に平行な紫外線を、領域6e・6fに照射
する。これにより、領域6e・6fにおける単分子膜は
X’またはY’方向に傾斜すると共に、その状態で架橋
して固定される。
【0098】以上のように、上記の製造方法によれば、
分割する領域5c〜5fまたは領域6c〜6f毎に液切
り方向を異ならせる必要がなく、紫外線の偏光方向を各
領域毎にそれぞれ所定の方向に設定することにより、2
度の液切り工程で4つの領域に分割できる。よって、製
造工程数を省略することができる。
【0099】更に、製造工程数の省略化という観点から
勘案すれば、図10に示すように、2つの対角線により
配向領域を4分割するように構成してもよい。この場合
の配向領域を得るための製造方法を簡単に説明すると、
配向領域a・bについては、Z方向に液切りした後、配
向領域aに関して偏光方向がY方向に、また、配向領域
bに関して偏光方向がX’方向に、それぞれ平行な紫外
線を照射する。一方、配向領域c・dについては、Z’
方向に液切りした後、配向領域cに関して偏光方向がX
方向に、また、配向領域dに関して偏光方向がY’方向
に、それぞれ平行な紫外線を照射する。これにより、図
10に示す配向領域が4分割された液晶表示装置が得ら
れる。こうして、図10に示す構成であれば、分割する
領域毎に液切り工程を行う必要がなく、2度の液切り工
程で、4つの領域に分割でき、製造工程数を省略するこ
とができる。
【0100】(実施の形態3)本発明の実施の形態3に
ついて、図11に基づいて説明すれば以下の通りであ
る。尚、前記実施の形態1の液晶表示装置と同様の機能
を有する構成要素については、同一の符号を付して詳細
な説明を省略する。
【0101】図11に示すように、本実施の形態3に係
るアクティブマトリクス型液晶表示装置の構成は、前記
実施の形態1に係る液晶表示装置の構成と比して、下基
板2上に、スイッチング素子9が設けられている点が異
なる。
【0102】上記アクティブマトリクス型液晶表示装置
は、下基板2上にスイッチング素子9を形成する工程を
含む以外は、前記実施の形態1と同様の工程を行うこと
により得られる。上記スイッチング素子9の形成方法
は、特に限定されるものではなく、従来公知の種々の方
法を採用することができる。
【0103】上記スイッチング素子9は、例えばアクテ
ィブマトリクス駆動を可能とするTFT(Thin Film Tr
ansistor)からなり、表示電極4に印加する電圧のON
/OFFを制御するようになっている。
【0104】上記の構成に於いて、スイッチング素子9
をOFF状態にして、表示電極3・4間に電圧を印加し
ない場合、配向領域G・Hにおける配向膜5・6近傍の
各液晶分子7a〜7dは境界面Pに対して対称で且つ反
対方向に、プレチルト角88度で傾斜している。
【0105】一方、スイッチング素子9をON状態にし
て、表示電極3・4間に電圧を印加する場合、液晶層8
には下基板2の法線方向に電界が生じる。上記液晶分子
7e・7fは液晶分子7a〜7dの影響を受けて、境界
面Pに対して対称で且つ互いに反対方向に傾斜する。
【0106】上記のように、各液晶分子7…は、配向方
向が各配向領域G・H内で一様となるように揃って傾斜
するため、光の透過率も該配向領域G・H毎に均一に変
化する。更に、1画素当たり配向領域を等分に分割して
いるので、表示画面を斜め方向から見ても、液晶分子の
屈折率異方性が平均化される。従って、視野角の拡大が
可能となって視野角特性を向上させることができる。こ
の結果、表示コントラスト比が約300と高コントラス
トで、視野角が±70度と視野角を大幅に向上させた透
過型液晶表示装置が得られた。又、応答速度は約20m
sであり、従来のTNモードの液晶表示装置と比較して
高速応答であった。
【0107】以上のように、本実施の形態によれば、画
素毎のスイッチング素子9で駆動する為、画素数や階調
数が多く、かつ高精細でフルカラー画像表示が可能なホ
メオトロピック配向分割のアクティブマトリクス型液晶
表示装置を得ることができる。
【0108】(実施の形態4)本発明の実施の形態4に
ついて、図12に基づいて説明すれば以下の通りであ
る。尚、前記実施の形態3の液晶表示装置と同様の機能
を有する構成要素については、同一の符号を付して詳細
な説明を省略する。
【0109】図12に示すように、本実施の形態4に係
るアクティブマトリクス型液晶表示装置は、前記実施の
形態3に係る液晶表示装置と比して、スイッチング素子
9及び下基板2上に、平坦化膜61が設けられている点
が異なる。
【0110】上記平坦化膜61にはコンタクトホール7
0が設けられ、該コンタクトホール70を介してスイッ
チング素子9と表示電極4とが電気的に接続されるよう
になっている。ここで、下基板2の表面は、多少の凹凸
や汚れ・傷が存在している場合があり、又、スイッチン
グ素子9や配線パターン(図示せず)が複数形成されて
いる。従って、下基板2に直接表示電極4を形成する
と、表示電極4に若干の凹凸が生じる等の問題が発生す
る。しかし、本実施の形態では、スイッチング素子9及
び下基板2上に上記平坦化膜61を形成することによ
り、上記表示電極4の凹凸の問題が解消され、平坦化膜
61上に形成される表示電極4を平坦にすることができ
る。これにより、表示電極3・4間に電圧を印加する際
にスイッチング素子9近傍に発生する電界の歪み、いわ
ゆる横電界を防止する。従って、スイッチング素子9近
傍の液晶分子が反対方向に傾斜する等、該横電界によっ
て液晶分子を制御できなくなることを防止できる。更
に、上記のように表示電極4を平坦にすることにより、
液晶表示装置の全面に渡ってセルギャップが一定になる
ので、表示画面における表示ムラの発生を低減できる。
【0111】又、従来では、下基板2表面の凹凸やスイ
ッチング素子9等を考慮して、例えば球形のスペーサで
あればその直径よりも大きくなるように、余裕を持って
セルギャップを設定するという配慮を行っていた。しか
し、上記平坦化膜61を設けることにより、上記下基板
2表面の凹凸等が解消されるので、セルギャップに若干
の余裕を持たせる必要がない。この結果、セルギャップ
の精度を向上させ、従って該セルギャップを狭くするこ
とができる。これにより、液晶層28に形成される電界
が強くなり、応答速度を一層高速にできる。更に、液晶
層28に蓄積される電荷を抑制でき、消費電力の低減が
図れる。
【0112】上記平坦化膜61の材料としては、電気絶
縁物であれば特に限定されるものではなく、従来公知の
種々のものを採用できる。具体的には、例えば、酸化シ
リコン(SiO2 )やポリマー樹脂等が挙げられる。
又、平坦化膜61には、上記コンタクトホール70が設
けられているので、スイッチング素子9による、表示電
極4への電圧の印加を制御することができる。
【0113】本実施の形態に係る液晶表示装置は、平坦
化膜61の成膜工程及びコンタクトホール70の形成工
程を行う以外は、前記実施の形態3と同様の工程を行う
ことにより得られる。
【0114】上記平坦化膜61の成膜方法としては、特
に限定されるものではなく、従来公知の種々の方法を採
用できる。具体的には、例えば塗布法、バイアススパッ
タ法、リフロー法、エッチバック法、リフトオフ法等が
挙げられる。又、上記コンタクトホール70は、例えば
フォトリソグラフィプロセス等の従来公知の種々の方法
を行うことにより形成することができる。
【0115】次に、本実施の形態に係るアクティブマト
リクス型液晶表示装置の動作モードを説明する。
【0116】即ち、表示電極3・4間に電圧を印加しな
い場合、配向領域I・Jにおける各液晶分子7a〜d
は、境界面Pに対して対称で且つ反対方向に、それぞれ
プレチルト角88度で傾斜している。図12に示すよう
に、スイッチング素子9上にも配向膜6が形成されてい
るので、該スイッチング素子9近傍の液晶分子であって
も配向膜6による配向規制力を受ける。一方、表示電極
3・4間に電圧を印加する場合、液晶層28には下基板
2の法線方向に電界が生じる。ここで、スイッチング素
子9上には表示電極4が形成されているので、横電界は
発生せず、液晶分子の配向不良を防止できる。この結
果、応答速度の向上を図ることができる。
【0117】尚、本発明者の実験結果によれば、表示コ
ントラスト比が約300、視野角が±70度、応答速度
は約10msとなった。
【0118】以上のように、本実施の形態によれば、前
記実施の形態3の効果に加えて、応答性を一層向上させ
ることができる。
【0119】(実施の形態5)本発明の実施の形態5に
ついて、図13及び図14に基づいて説明すれば以下の
通りである。尚、前記実施の形態3の液晶表示装置と同
様の機能を有する構成要素については、同一の符号を付
して詳細な説明を省略する。
【0120】図13及び図14に示すように、本実施の
形態5に係るアクティブマトリクス型液晶表示装置は、
前記実施の形態3に係る液晶表示装置の構成と比較し
て、下基板2側の表示電極4に代えて、表示電極41を
備えている点が異なる。
【0121】上記表示電極74は、間隔が10μmのス
リット状の開口部74cを介して、面積が等分となるよ
うに領域74aと領域74bとに分割されている。又、
領域74a・74bは、それぞれ領域5a・6a、また
は領域5b・6bに対応するように等分に設けられてい
る。これにより、液晶層38は、配向領域K・Lに分割
されるようになっている。
【0122】本実施の形態5に係る液晶表示装置は、上
記表示電極74をエッチングによるパターニング等によ
って開口部74cを形成する工程を行う以外は、前記実
施の形態3と同様の工程を行うことにより得られる。
【0123】次に、本実施の形態に係る液晶表示装置の
動作モードについて説明する。
【0124】上記構成による液晶表示装置では、配向膜
5・6の近傍の液晶分子には、実施の形態1等と同様に
配向膜5・6による配向規制力に加えて、電極縁電界に
よる配向規制力が作用するため、配向領域K・L内の液
晶分子が一層確実に互いに逆方向に配向する。換言すれ
ば、スイッチング素子9をOFF状態にして、表示電極
3・74間に電圧を印加しない場合、配向領域K・Lに
おける各液晶分子7a〜dは境界面Pに対して対称で且
つ反対方向に、プレチルト角88度で傾斜している。
【0125】一方、スイッチング素子9がON状態とな
り、表示電極3・74間に電圧を印加する場合、開口部
74cの近傍と、表示電極3における端部3a・bの近
傍とで、電気力線Oの方向が境界面Pに対称に、互いに
逆方向に傾いた電極縁(フリンジ)電界が形成される。
ここで、各液晶分子7…は、誘電率異方性が負である。
このため、開口部74cの近傍の液晶分子7g・7h、
及び端部3a・3bの近傍の液晶分子7a・7cは、上
記電極縁電界における電気力線Oに対して、該液晶分子
7a・7c・7g・7hの短軸方向が平行となるように
傾斜する。即ち、上記各液晶分子7a・7c・7g・7
hは上記電極縁電界により配向規制力を強く受けて境界
面Pに対して対称で、且つ互いに反対方向に一層傾斜す
る。
【0126】それゆえ、上記のように、液晶層38の配
向領域K・L内の液晶分子7…が、それぞれ境界面Pと
なるように、互いに反対方向に確実に傾斜する。これに
より、配向膜5・6の配向規制力だけを該液晶分子7…
に作用させるよりも、液晶分子7…をさらにスムースに
傾斜させて透過率を変化させることができた。この結
果、応答速度を約15msと従来のTNモードの液晶表
示装置と比較して、応答性を向上させることができた。
又、視野角特性に関しては、表示コントラスト比が約3
00で、視野角が±70度と視野角を大幅に向上させる
ことができた。
【0127】更に、本実施の形態5に於いては、スイッ
チング素子9が形成された下基板2上に、前記平坦化膜
61を形成してもよい。これにより、セルギャップを狭
くできるので、例えば応答速度10msと応答性をさら
に向上できると共に、液晶表示装置の全面に渡ってセル
ギャップが一定となるので、表示ムラの発生を低減でき
る。
【0128】以上のように、本実施の形態5によれば、
前記実施の形態4の効果に加えて、一層応答速度を高速
にできるホメオトロピック配向2分割のアクティブマト
リクス液晶表示装置を得ることができる。
【0129】又、上記のように開口部74cを介して領
域74a・74bに分割された表示電極74に代えて、
分離された2つ以上の表示電極を設け、互いに異なる電
圧を印加するようにしてもよい。これにより、視野角を
拡大すると共に、例えば表示画面を上斜め方向から見た
ときの視野角を下斜め方向から見たときよりも大きくす
る等、非対称な種々の視野角特性を容易に得ることがで
きる。ここで、各表示電極に異なる電圧を印加する為に
は、例えば各表示電極を所定の補助容量を介して接続し
たり、各表示電極にそれぞれスイッチング素子を接続し
て独立の映像信号を供給したりすればよい。後者の場合
には、各映像信号電圧を制御することによって、所望の
視野角に調節すること等もできる。
【0130】更に、本実施の形態5に於いては、下基板
2上に形成された表示電極74を分割する態様を示した
が、上記表示電極74と同様に上基板1上に形成された
表示電極3に所定の間隙を設けて分割しても同様の効果
が得られる。
【0131】更に、本実施の形態5に於いては、スイッ
チング素子9が設けられている構造に限定されるもので
はなく、単純マトリクス型の液晶表示装置に適用されて
もよい。
【0132】尚、本発明に於いては、シラン系の分子
が、末端基としてのフッ化炭素基と、感光性基と、直鎖
状の炭素鎖及び/またはシロキサン結合鎖と、シリコン
原子を含む官能基とを含む分子であってもよい。これに
より、全てのシラン系の分子が感光性基を有するので、
該シラン系の分子同士をより緊密な状態で架橋させるこ
とができる。又、シラン系の分子の分子設計を変えるこ
とにより、配向膜5・6近傍の液晶分子のプレチルト角
を適宜に設定することができる。
【0133】又、前記各実施の形態に於いては、透過型
の液晶表示装置を例にとって説明したが、この発明の技
術的思想は反射型の液晶表示装置に対しても応用するこ
とができる。具体的には、表示電極3または表示電極4
(または表示電極74)の何れか一方に対して、アルミ
ニウム(Al)等の光反射性を有する金属材料を採用す
ることにより、実施可能である。この場合、例えば紫外
線の照射やオゾン雰囲気下でのアッシャー等を行って、
表示電極の表面を活性化させることにより、シラン系の
分子を表示電極表面に化学吸着させることができる。
又、上基板1または下基板2の何れか一方を、Si等を
含む光反射性の基板としても、上記反射型の液晶表示装
置に適用することができる。更に、本実施の形態に係る
液晶表示装置の外側に、光反射性の反射板等を設けても
よい。
【0134】更に、前記各実施の形態に於いては、配向
膜5及び配向膜6を、表示電極3または表示電極4上に
SiO2 膜を介して形成する態様を示したが、上記Si
2膜の他に、ポリビニルアルコールやゼラチン等の親
水性の高分子等を形成してもよい。上記ポリビニルアル
コールやゼラチンの形成方法としては、例えば塗布によ
る方法等が挙げられる。
【0135】更に、本発明に於いて、各液晶分子7…の
プレチルト角は、各液晶分子7…をより確実に配向さ
せ、かつ高コントラストで、応答性・視野角特性に優れ
た液晶表示装置を得ることができるという点で、80度
≦θp<90度の範囲内であることが好ましく、85度
≦θp<90度の範囲内であることがより好ましい。
【0136】更に、前記各実施の形態に於いては、各配
向領域の面積を不等分としたり、或いはフィルム位相差
板10の設定を変更することにより、分割する各配向領
域を不等分にできる。これにより、視野角を非対称に拡
大させる等、所望の視野角特性に設定することができ
る。
【0137】更に、本発明に於いて、照射する紫外線の
波長は、前記のように365nmに限らず、配向膜5・
6の材料等に応じて適宜設定すればよい。又、照射回数
も1回に限らず、配向膜5・6の材料等に応じて複数回
に分けて照射するようにしてもよい。更に、偏光された
紫外線を照射するだけでなく、併せて、無偏光の紫外線
も照射するようにしてもよい。
【0138】更に、前記実施の形態1、及び実施の形態
3ないし実施の形態5に於いては、洗浄液83の液切り
方向と単分子膜の傾斜する方向とが一致しているので、
無偏光の紫外線を照射してもよい。即ち、紫外線の照射
により、感光性基同士が光重合反応を起こして架橋構造
を形成できればよく、したがって特に特定の方向に偏光
している紫外線を照射する必要はない。
【0139】更に、前記実施の形態3ないし実施の形態
5に於いては、前記実施の形態2と同様に、1画素にお
ける配向領域を複数に分割してもよい。これにより、表
示画面の視野角を上下、左右またはその他の方向に拡大
させることができる。
【0140】
【発明の効果】本発明は、以上のように説明した形態で
実施され、以下に述べるような効果を奏する。
【0141】ラビング処理やフォトリソグラフィプロ
セスを行うことなく、液晶層が複数の配向領域に分割さ
れ、各分割領域の配向方向(基板に平行な面内に関する
配向方向)が異なるホメオトロピック配向モードの液晶
表示装置を実現することができる。
【0142】従来のエネルギービーム照射による配向
処理と比較して、上記のエネルギービームの照射時間
を、短時間にすることができる。これにより、配向膜の
形成に必要な時間を短くでき、生産性を向上させること
ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る液晶表示装置の概
略を示す説明図である。
【図2】上記液晶表示装置における製造工程の概略を示
す説明図である。
【図3】上記液晶表示装置における製造工程の概略を示
す説明図である。
【図4】上記液晶表示装置における製造工程の概略を示
す説明図である。
【図5】上記液晶表示装置における製造工程の概略を示
す説明図である。
【図6】上記液晶表示装置における製造工程の概略を示
す説明図である。
【図7】本発明の他の実施の形態に係る液晶表示装置の
概略を示す説明図である。
【図8】上記実施の形態に係る他の液晶表示装置の概略
を示す平面図である。
【図9】上記実施の形態に係る液晶表示装置の概略を示
す平面図である。
【図10】上記実施の形態に係るさらに他の液晶表示装
置の概略を示す平面図である。
【図11】本発明のさらに他の実施の形態に係るアクテ
ィブマトリクス型液晶表示装置の概略を示す断面図であ
る。
【図12】本発明のさらに他の実施の形態に係るアクテ
ィブマトリクス型液晶表示装置の概略を示す断面図であ
る。
【図13】本発明のさらに他の実施の形態に係るアクテ
ィブマトリクス型液晶表示装置の概略を示す説明図であ
る。
【図14】上記実施の形態に係る液晶表示装置の概略を
示す平面図である。
【図15】従来の液晶表示装置の概略を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
3、4、74 表示電極 5、6 配向膜 7a〜7h 液晶分子 8、18、28、38 液晶層 9 スイッチング素子 10 フィルム位相差板 11、12 偏光板 16、26 単分子膜 61 平坦化膜 70 コンタクトホール 81 化学吸着溶液 83 洗浄液 86 フォトマスク A〜L、a〜h 配向領域 O 電気力線 P〜S 境界面 T 紫外線の偏光方向 U 紫外線の照射方向 V・V’、Z・Z’ 液切り方向(引き上げ方向) θp プレチルト角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−356020(JP,A) 特開 平7−114029(JP,A) 特開 平6−95120(JP,A) 特開 平7−72484(JP,A) 特開 昭63−91630(JP,A) 特開 平8−262452(JP,A) 特開 平3−7913(JP,A) 特開 昭63−88522(JP,A) 特開 平9−197408(JP,A) 実開 平1−81631(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1337

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】それぞれ表示電極と配向膜とを備え、対向
    して配置された一対の基板の間に、誘電率異方性が負の
    液晶分子を含む液晶層が設けられると共に、電圧無印加
    時に液晶層内の液晶分子が、上記基板の法線方向に関す
    る配向方位が基板に対してほぼ垂直に配向した液晶表示
    装置であって、 上記配向膜は、感光性基を有する分子を含む分子群が、
    上記表示電極の少なくとも表面に単分子膜状に形成され
    ていると共に、上記配向膜が各画素毎に複数の領域に分
    割され、しかも、この配向膜分割領域内の分子群は、基
    板の法線方向に関する配向方位が基板に対してほぼ垂直
    で、且つ、基板に平行な面内に関する配向方位が各分割
    領域毎に異なるように傾斜しており、 上記液晶層は、上記配向膜の配向処理に応じて、各画素
    毎に液晶分子の基板面内に関する配向方位が異なる複数
    の配向領域に分割され、 上記配向膜分割領域内の分子群の傾斜状態は、予め、上
    記配向膜分割領域に非水系有機溶媒を接触させた後、該
    非水系有機溶媒を、配向膜分割領毎に異なる液切り方
    向に液切りし、且つこの状態でエネルギービームを照射
    して感光性基同士を架橋させて得られたものであること
    を特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】上記分子群は、溌水作用を備えた官能基を
    有する分子を含むことを特徴とする請求項1に記載の液
    晶表示装置。
  3. 【請求項3】上記溌水作用を備えた官能基を有する分子
    は、末端基としてのフッ化炭素基を有する分子であるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】上記末端基としてのフッ化炭素基を有する
    分子及び感光性基を有する分子は、直鎖状の炭素鎖及び
    /またはシロキサン結合鎖、及びシリコン原子を含む官
    能基を有することを特徴とする請求項1、請求項2又は
    請求項3の何れか1つに記載の液晶表示装置。
  5. 【請求項5】上記エネルギービームは、偏方向が液切
    り方向と一致する偏エネルギービームであることを特
    徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  6. 【請求項6】上記配向膜は、間隙膜を介して表示電極上
    に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液
    晶表示装置。
  7. 【請求項7】上記配向膜分割領域内の分子群の傾斜方向
    が、配向膜分割領域間の境界面に対して、他方の領域内
    の分子群の傾斜方向と反対側になるように形成されてい
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1つ
    に記載の液晶表示装置。
  8. 【請求項8】上記一対の基板の内の何れか一方に、上記
    表示電極に印加する電圧を制御するスイッチング素子が
    設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液晶
    表示装置。
  9. 【請求項9】上記基板と表示電極との間に、該表示電極
    を平坦化させる平坦化膜が設けられていることを特徴と
    する請求項8に記載の液晶表示装置。
  10. 【請求項10】上記表示電極の内の何れか一方における
    各画素に対応する領域が、所定の間隙を介して、上記配
    向膜分割領域に対応して複数の領域に分割されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  11. 【請求項11】上記一対の基板の内の何れか一方の基
    板、または上記一対の表示電極の内の何れか一方の表示
    電極が、光を反射させる材料からなることを特徴とする
    請求項1乃至請求項10の何れか1つに記載の液晶表示
    装置。
  12. 【請求項12】配向膜近傍の液晶分子のプレチルト角θ
    pが、80度≦θp <90度の範囲内であることを特徴
    とする請求項1乃至請求項11の何れか1つに記載の液
    晶表示装置。
  13. 【請求項13】上記一対の基板の内の何れか一方の基板
    の外側に、少なくとも1枚の位相板が設けられているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  14. 【請求項14】それぞれ表示電極と配向膜とを備え、対
    向して配置された一対の基板と、 上記一対の基板の間に、誘電率異方性が負の液晶分子を
    含む液晶材料が封入された液晶層とを有する液晶表示装
    置の製造方法であって、 上記各基板上に、上記表示電極をそれぞれ形成する表示
    電極形成工程と、 上記各表示電極の少なくとも表面上に、溌水作用を備え
    た官能基を有する分子と、感光性基を有する分子を含む
    分子群を、単分子膜状に形成する単分子膜形成工程と、 上記単分子膜を非水系有機溶媒に接触させた後に、単分
    子膜の各画素に対応する領域を複数の領域に分割して構
    成される各分割領域内の分子群を、分割領域毎に異なる
    方向に傾斜させるべく、液切り方向が互いに異なるよう
    に該非水系有機溶媒を液切りし、エネルギービームを照
    射することにより傾斜状態の分子群を架橋させて配向膜
    を形成する配向膜形成工程と、 配向膜の配向パターンを対応させるようにして、各配向
    膜を対向させ、しかも配向膜間に所定の間隙を有するよ
    うに、上記一対の基板を貼り合わせる組立工程と、 上記間隙に、上記液晶分子を含む液晶材料を注入して液
    晶層を形成する液晶注入工程とを含むことを特徴とする
    液晶表示装置の製造方法。
  15. 【請求項15】上記単分子膜は2分割され、配向膜形成
    工程における非水系有機溶媒の液切り方向が、分割領域
    毎に反対方向とるように液切りすることを特徴とする
    請求項14記載の液晶表示装置の製造方法。
  16. 【請求項16】上記単分子膜は上下左右の4分割され、
    配向膜形成工程における非水系有機溶媒の液切り方向
    が、隣接する分割領域毎に反対方向とるように液切り
    することを特徴とする請求項14記載の液晶表示装置の
    製造方法。
  17. 【請求項17】上記エネルギービームは偏ビームであ
    り、偏方向が液切り方向と一致するように、エネルギ
    ービームを照射することを特徴とする請求項14乃至請
    求項16の何れか1つに記載の液晶表示装置の製造方
    法。
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