JPH10168195A - 液晶配向膜とその製造方法およびそれを用いた液晶表示装置とその製造方法 - Google Patents

液晶配向膜とその製造方法およびそれを用いた液晶表示装置とその製造方法

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JPH10168195A
JPH10168195A JP33616696A JP33616696A JPH10168195A JP H10168195 A JPH10168195 A JP H10168195A JP 33616696 A JP33616696 A JP 33616696A JP 33616696 A JP33616696 A JP 33616696A JP H10168195 A JPH10168195 A JP H10168195A
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JP
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liquid crystal
substrate
group
molecule
molecules
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JP33616696A
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English (en)
Inventor
Kazufumi Ogawa
小川  一文
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶表示パネルの配向膜において、ラビング
を用いずに液晶のプレチルト角度を制御でき且つ任意の
方向に配向され得る機能を有する配向膜を高能率で均一
且つ薄く提供する。 【解決手段】 電極を形成したガラス基板1を、炭素鎖
またはシロキサン結合鎖を含み、分子の長さが異なる複
数種のシラン系界面活性剤を用いて作製した化学吸着液
に接触させ脱塩化水素反応させて、前記界面活性剤分子
4を基板表面に一端で結合固定する工程において、前記
複数種の物質の混合比は変えずに少なくともいずれかの
分子の長さのみを変えて、最も長い分子の基板に対する
傾きを制御して単分子膜状の被膜を作製する。分子の傾
きは、ガラス基板1の引き上げ方向5によって制御す
る。また複数種の物質の混合比は変えずに、少なくとも
いずれかの分子の長さのみを変えて単分子膜状の被膜を
作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶配向膜とその
製造方法及びそれを用いた液晶表示装置とその製造方法
に関するものである。さらに詳しくは、テレビジョン
(TV)画像やコンピュータ画像等を表示する液晶を用
いた平面表示パネルに用いる液晶配向膜およびその製造
方法およびそれを用いた液晶表示装置とその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、カラー液晶表示パネルは、マトリ
ックス状に配置された対向電極を形成した2つの基板の
間にポリビニルアルコールやポリイミド溶液をスピナー
等で回転塗布して形成した液晶配向膜を介して液晶を封
入した装置が一般的であった。
【0003】例えば、予め第1のガラス基板上に画素電
極を持った薄膜トランジスタ(TFT)アレイを形成し
たものと、第2のガラス基板上に複数個の赤青緑のカラ
ーフィルターが形成され、さらにその上に共通透明電極
が形されたもの、それぞれの電極面にポリビニルアルコ
ールやポリイミド溶液をスピナーを用いて塗布して被膜
形成した後、ラビングを行なって液晶配向膜を形成し、
スペーサーを介して任意のギャップで対向するように接
着組み立てた後、液晶(ツイストネマチック(TN)
等)を注入しパネル構造を形成した後、パネルの裏表に
偏光板を設置し、裏面よりバックライトを照射しなが
ら、TFTを動作させカラー画像を表示するデバイスが
知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
配向膜の作成は、ポリビニルアルコールやポリイミドを
有機溶媒に溶解させ回転塗布法などを用いて塗布形成し
た後、フェルト布等を用いてラビングを行なう方法が用
いられていたため、表面段差部や大面積パネル(例えば
14インチディスプレイ)では、配向膜の均一性が悪い
という大きな問題があった。また、ラビングを行うため
TFTに欠陥を生じたり、ラビングすることにより発生
するゴミが表示欠陥を生じる原因にもなっていた。
【0005】本発明は、前記従来の問題を解決するた
め、基板に化学結合した分子の角度を一定の方向に配向
して制御することにより、従来のようなラビングを用い
ずに形成できる液晶配向膜とその製造方法及びそれを用
いた液晶表示装置とその製造方法を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の液晶配向膜は、電極を形成した基板の表面
に分子の一端の部分が結合して形成された単分子膜状の
被膜であって、前記被膜を構成する分子として長さの異
なる複数種の物質が混合して用いられており、相対的に
短い分子の存在により、最も長い分子の基板に対する傾
きが一定の角度に制御されていることを特徴とする。
【0007】次に本発明の液晶配向膜の製造方法は、電
極を形成した基板を、炭素鎖またはシロキサン結合鎖を
含み、長さが異なる複数種のシラン系界面活性剤を混合
した化学吸着液に接触させ、前記吸着液中の界面活性剤
分子と基板表面とを化学反応させ前記界面活性剤分子を
基板表面に一端で結合固定して単分子膜状の被膜を形成
する方法において、前記複数種のシラン系界面活性剤分
子のうち、相対的に短い分子の長さを変えることによ
り、最も長い分子の基板に対する傾きを一定の角度に制
御することを特徴とする。
【0008】次に本発明の液晶表示装置は、所望の電極
を形成した基板表面に形成された単分子膜状の被膜であ
り、前記被膜を構成する分子として長さの異なる複数種
の物質が混合して用いられており、相対的に短い分子の
存在により、最も長い分子の基板に対する傾きが一定の
角度に制御されている被膜が、配向膜として電極の形成
された2つの対向した基板表面の少なくとも一方の基板
の電極側表面に直接または他の被膜を介して間接に形成
されており、かつ液晶組成物が前記2つの対向する電極
に前記配向膜を介して挟まれており、配向膜に接触する
液晶分子のチルト角が制御されていることを特徴とす
る。
【0009】次に本発明の液晶表示装置の製造方法は、
あらかじめマトリックス状に載置された第1の電極群を
有する第1の基板を直接または任意の薄膜を形成した
後、炭素鎖またはシロキサン結合鎖を含み長さが異なる
複数種のシラン系界面活性剤を用いて作成した化学吸着
液に接触させ、前記吸着液中の界面活性剤分子と基板表
面とを化学反応させ、前記界面活性剤分子を基板表面に
一端で結合固定して単分子膜状の被膜を形成する方法に
おいて、前記複数種のシラン系界面活性剤分子のうち、
相対的に短い分子の長さを変えることにより、最も長い
分子の基板に対する傾きを一定の角度に制御した被膜を
形成し、有機溶剤で洗浄後さらに所望の方向に基板を立
てて液切りを行い、液切り方向に前記固定された分子を
配向させ、前記第1の電極群を有する第1の基板と第2
の基板、または第2の電極又は電極群を有する第2の基
板を、電極面を内側にして所定の間隙を保ちつつ位置合
わせして接着固定し、前記第1と第2の基板の間に所定
の液晶を注入することを特徴とする。
【0010】なお、被膜を構成する分子として直鎖状の
炭素鎖または直鎖状のシロキサン結合鎖を含みそれぞれ
炭素鎖またはシロキサン結合鎖の長さで分子長が制御さ
れていると、よりプレチルト角精度の高い配向膜とな
る。また、被膜を構成する分子の末端にSiを含んでい
ると基板に対して付着強度の高い配向膜となる。
【0011】このとき、シラン系界面活性剤として直鎖
状炭素鎖またはシロキサン結合鎖とクロロシリル基また
はアルコキシシラン基またはイソシアネートシラン基を
含む物質を用いると、基板表面に配向膜をより強固に付
着できる。また、直鎖状炭素鎖またはシロキサン結合鎖
の長さを変えることで分子長を変化させ最も長い分子の
基板に対する傾きを制御するとより高精度にチルト角を
制御できる。さらに、炭素鎖またはシロキサン結合鎖の
末端または一部に3フッ化炭素基(−CF3)、メチル
基(−CH3)、ビニル基(−CH=CH2)、アリル基
(−CH=CH−)、アセチレン基(炭素−炭素の3重
結合)、フェニル基(−C66)、アリール基(−C6
4−)、ハロゲン原子、アルコキシ基(−OR;Rは
アルキル基を表す)、シアノ基(−CN)、アミノ基
(−NH2)、水酸基(−OH)、カルボニル基(=C
O)、カルボキシ基(−COO−)及びカルボキシル基
(−COOH)から選ばれる少なくとも一つの有機基を
含ませておくと、チルト角制御範囲をより広くできて都
合がよい。さらにまた、界面活性剤分子を基板表面に一
端で結合固定する工程の後に、有機溶剤で洗浄して、さ
らに所望の方向に基板を立てて液切りを行い、液切り方
向に前記固定された分子を配向させる工程を行うと、よ
り純度の高い配向膜を提供できる。また、分子を配向さ
せる工程を行った後、さらに偏光板を介して露光して前
記配向された分子を所望の方向に再配向させると、より
配向規制力の高い配向膜を提供できる。さらに、界面活
性剤として直鎖状炭素鎖またはシロキサン結合鎖とクロ
ロシリル基またはイソシアネートシラン基を含むシラン
系の界面活性剤を用い、洗浄有機溶媒として水を含まな
い非水系の有機溶媒を用いると、配向ばらつきを少なく
する上で都合がよい。このとき、非水系の有機溶媒とし
て、アルキル基、ふっ化炭素基または塩化炭素基または
シロキサン基を含む溶媒を用いると、配向膜の汚れを取
る上で都合がよい。また、シラン系界面活性剤分子を一
端で固定する工程の前に、多数のSiO基を含む被膜を
形成する工程を行い、この膜を介して単分子膜状の被膜
を形成するとピンホールの少ない配向膜を提供できる。
【0012】一方、あらかじめマトリックス状に載置さ
れた第1の電極群を有する第1の基板を直接または任意
の薄膜を形成した後、炭素鎖またはシロキサン結合鎖を
含み長さが異なる複数種のシラン系界面活性剤を用いて
作成した化学吸着液に接触させ、前記吸着液中の界面活
性剤分子と基板表面とを化学反応させ前記界面活性剤分
子を基板表面に一端で結合固定する工程において、前記
複数種の物質の混合比は変えずに少なくともいずれかの
分子の長さのみを変えて最も長い分子の基板に対する傾
きを制御した被膜を形成し、有機溶剤で洗浄後さらに所
望の方向に基板を立てて液切りを行い液切り方向に前記
固定された分子を配向させる工程と、前記第1の電極群
を有する第1の基板と第2の基板、または第2の電極叉
は電極群を有する第2の基板を、電極面を内側にして所
定の間隙を保ちつつ位置合わせして接着固定する工程
と、前記第1と第2の基板の間に所定の液晶を注入する
工程を用いると、所望の電極を形成した基板表面に形成
された単分子膜状の被膜を形成できる。前記被膜を構成
する分子として、長さの異なる複数種の物質が混合して
用いられており、混合比は変えずにいずれかの分子の長
さのみを変えて最も長い分子の基板に対する傾きを制御
する。この被膜が、配向膜として2つの対向させる電極
の形成された基板表面の少なくとも一方の基板の電極側
表面に直接または他の被膜を介して間接に形成されてお
り、かつ液晶が前記2つの対向する電極に前記配向膜を
介して挟まれておりことにより、配向膜に接触する液晶
のチルト角が制御されている液晶表示装置を提供でき
る。
【0013】さらに、対向させる2つの電極の形成され
た基板表面にそれぞれ前記被膜が配向膜として形成して
おくと配向安定性に優れた液晶表示装置を提供できる。
また、基板表面の被膜にパターン状の配向方向の異なる
部分を複数箇所含んでいる、すなわち、マルチドメイン
構造の配向膜としておくと、視野角が極めて広い液晶表
示装置を提供できる。さらに、対向する電極が片方の基
板表面にそれぞれ形成されている場合、すなわち面内ス
イッチ(IPS)タイプの表示素子にも有効に利用可能
である。
【0014】なお、マルチドメイン構造の配向膜を備え
た液晶表示装置を製造する場合には、偏光板を介して所
望の方向に偏光した光で露光して前記結合された界面活
性剤分子の向きを所望の傾きを有した状態で特定の方向
に揃える工程において、前記偏光板にパターン状のマス
クを重ねて露光する工程を複数回行う方法が適用でき
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明では、電極を形成した基板
を、炭素鎖またはシロキサン結合鎖を含み長さが異なる
複数種のシラン系界面活性剤を用いて作製した化学吸着
液に接触させ前期吸着液中の界面活性剤分子と基板表面
とを化学反応させ前記界面活性剤分子を基板表面に一端
で結合固定する工程において、前記複数種の物質の混合
比は変えずに少なくともいずれかの分子の長さのみを変
えて最も長い分子の基板に対する傾きを制御して単分子
膜状の疲膜を作製することにより、従来のようなラビン
グを用いなくとも、所望の電極を形成した基板の表面に
形成された単分子膜状の被膜であり、前記被膜を構成す
る分子として長さの異なる複数種の物質が混合して用い
られており、混合比は変えずにいずれかの分子の長さの
みを変えて最も長い分子の基板に対する傾きを制御した
液晶配向膜を提供する。
【0016】また、あらかじめマトリックス状に載置さ
れた第1の電極群を有する第1の基板を直接または任意
の薄膜を形成した後、炭素鎖またはシロキサン結合鎖を
含み長さが異なる複数種のシラン系界面活性剤を用いて
作成した化学吸着液に接触させ前記吸着液中の界面活性
剤分子と基板表面とを化学反応させ前記界面活性剤分子
を基板表面に一端で結合固定する工程において、前記複
数種の物質の混合比は変えずに少なくともいずれかの分
子の長さのみを変えて最も長い分子の基板に対する傾き
を制御した被膜を形成し、有機溶剤で洗浄後さらに所望
の方向に基板を立てて液切りを行い液切り方向に前記固
定された分子を配向させる工程と、前記第1の電極群を
有する第1の基板と第2の基板、または第2の電極叉は
電極群を有する第2の基板を、電極面を内側にして所定
の間隙を保ちつつ位置合わせして接着固定する工程と、
前記第1と第2の基板の間に所定の液晶を注入する工程
を用いて、所望の電極を形成した基板表面に形成された
単分子膜状の被膜であり、前記被膜を構成する分子とし
て長さの異なる複数種の物質が混合して用いられてお
り、混合比は変えずにいずれかの分子の長さのみを変え
て最も長い分子の基板に対する傾きを制御した被膜が2
つの対向させる電極の形成された基板表面の少なくとも
一方の基板の電極側表面に直接または他の被膜を介して
間接に形成されており、かつ液晶が前記2つの対向する
電極に前記配向膜を介して挟まれており配向膜に接触す
る液晶のチルト角が制御されている液晶表示装置を提供
する。
【0017】
【実施例】以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に
説明する。
【0018】
【実施例1】表面に透明電極の形成されたガラス基板1
(表面に水酸基を多数含む)を準備し、あらかじめよく
洗浄脱脂する。次に、直鎖状炭化水素基及びSiを含む
シラン系界面活性剤(以下、化学吸着化合物ともい
う)、CH3(CH217SiCl 3とCH3SiCl
3(モル比で1:2に混合して用いた)を用い、1重量
%程度の濃度で非水系の溶媒に溶かして化学吸着溶液を
調整した。非水系溶媒としては、良く脱水したヘキサデ
カンを用いた。このようにして調製された溶液を吸着溶
液2とし、この吸着溶液2の中に、乾燥雰囲気中(相対
湿度30%以下)で前記基板1を1時間程度浸漬(塗布
しても良い)した(図1)。その後、液から引き上げ
て、良く脱水した水を含まない非水系の溶媒であるn−
ヘキサン3で洗浄した後、基板を所望の方向に立てた状
態で洗浄液より引き上げて液切りし水分を含む空気中に
暴露した(図2)。前記の一連の工程で、前記クロロシ
ラン系界面活性剤のSiCl基と前記基板表面の水酸基
とで脱塩酸反応が生じ、下記式(化1及び2)の結合が
生成された。さらに、空気中の水分と反応して式(化3
及び4)の結合が生成された。
【0019】
【化1】
【0020】
【化2】
【0021】
【化3】
【0022】
【化4】
【0023】以上の処理により、前記クロロシラン系界
面活性剤が反応してなる化学吸着単分子膜4が基板表面
の水酸基が含まれていた部分にシロキサンの共有結合を
介して化学結合した状態で約1.8nmの膜厚で単分子
膜状に形成された。
【0024】さらに、この状態の基板2枚を用い、化学
吸着膜が向かい合うように組み合わせて、アンチパラレ
ル配向するように20ミクロンギャップの液晶セルを組
み立て、ネマチック液晶(ZLI4792;メルク社
製)を注入して配向状態を確認すると、注入した液晶分
子が化学吸着された分子に沿って基板に対しておよそプ
レチルト角73゜で洗浄液から引き上げた方向5と反対
方向にほぼ配向していた(図3)。
【0025】このとき、CH3(CH218SiCl3
CH3SiCl3の組成(モル比=1:2)を変えずCH
3SiCl3をCH3CH2SiCl3におき代え、同様の
手法で化学吸着膜を作製し液晶セルを組み立てると、注
入した液晶分子が化学吸着された分子に沿って基板に対
しておよそプレチルト角76゜で洗浄液から引き上げた
方向と反対方向にほぼ配向していた。さらに、CH3
iCl3をCH3(CH23SiCl3におき代え、同様
の手法で化学吸着膜を作製し液晶セルを組み立てると、
およそプレチルト角80゜で洗浄液から引き上げた方向
と反対方向にほぼ配向していた。
【0026】以上のように、本実施例1では、化学吸着
膜を構成する物質の組成(混合比率)は変えずに分子長
が短い方の分子の長さを変えることで注入した液晶のプ
レチルト角を制御できた。
【0027】なお、膜を選択的に形成したい場合には、
吸着工程において印刷機を用いて所望のパターンで基板
表面1に吸着液2を印刷する方法が利用できた。また、
あらかじめ基板表面をレジストで選択的に覆って置いた
後、化学吸着工程を行ってからレジストを除く方法も利
用できる。ただし、この場合、化学吸着された膜は、有
機溶媒では決して剥がれることがないので、有機溶媒で
溶解除去できるレジストを使用する。
【0028】次に、この状態の基板をそれぞれ2枚用
い、引き上げ方向5とほぼ直交する方向に偏光方向6が
向くように偏光板(HNP´B)7(ポラロイド社製)
を基板に重ねてセットし、500Wの超高圧水銀灯の3
65nm(i線)の光8(偏光膜透過後3.6mW/c
2)を用いて100mJ照射した。その後、前記化学
吸着単分子膜4´中の直鎖状炭素鎖の配向方向をそれぞ
れ調べると臨界表面エネルギーとチルト角は変わらなか
ったが配向方向9は偏光方向6とほぼ平行方向に変化
し、しかも配向ばらつきも一次配向時より改善されてい
た(図4〜5)。図中、10は透明電極を表わす。
【0029】なおこのとき、吸着分子の配向方向を一方
向に揃えるためには、完全に90゜で交差するのではな
く、多少、好ましくは数度以上ずらす必要がある。この
場合、最大液切り方向と平行になるように偏光方向6を
合わせても良い。もし万一完全に90゜に交差させれ
ば、個々の分子が2方向(すなわち、180°反対方)
に向いてしまう場合がある。
【0030】ここで、選択的に配向方向を変えたい場合
には、所望のマスクを偏光板に重ねて露光する工程を複
数回行うことできわめて容易にパターン状に配向方向の
異なる単分子膜状の液晶配向膜(すなわち、マルチドメ
イン配向用の配向膜)を作製できた(実施例6に記
載)。また、クロロシリル基の代わりに、アルコキシシ
リル基またはイソシアネートシリル基を含むシラン系の
界面活性剤でも同様の方法で同様の被膜を形成できた。
【0031】本実施例では、洗浄用の水を含まない溶媒
として、アルキル基を含む炭化水素系のn−ヘキサンを
用いたが、これ以外にも、水を含まず界面活性剤を溶か
す溶媒ならどのような溶媒でも使用可能である。たとえ
ばこれ以外にも、フッ化炭素基、塩化炭素基またはシロ
キサン基を含む溶媒、例えば、フレオン113やクロロ
ホルムやヘキサメチルジシロキサン等をそれぞれ用いる
ことができた。
【0032】
【実施例2】実施例1に於て、炭素鎖やシロキサン結合
鎖を含む界面活性剤分子の化学吸着を行う工程の前に、
それぞれクロロシリル基を複数個含む化合物を溶かして
作製した吸着溶液を作り、ドライ雰囲気中で浸漬した。
すると、基板表面に含まれた水酸基とクロロシリル基を
複数個含む化合物のクロロシリル基が脱塩酸反応した。
その後、さらに水と反応させると残ったクロロシリル基
が水酸基に変化して、表面に水酸基を多数含む化学吸着
膜が形成された。
【0033】たとえば、クロル基を複数個含むシリル化
合物としてSiCl4を用いn−オクタンに溶かして吸
着液を作製し、乾燥雰囲気中で基板を浸漬すれば、表面
には−OH基が含まれているので、界面で脱塩酸反応が
生じ下記式(化5)及び/または(化6)が形成され、
クロロシラン分子11が−SiO−結合を介して基板表
面に固定される。
【0034】
【化5】
【0035】
【化6】
【0036】その後、非水系の溶媒例えばクロロホルム
で洗浄すると、基板と反応していない余分のSiCl4
分子は除去される(図6)。さらに空気中に取りだし水
と反応させると、表面に下記式(化7)及び/または
(化8)で示される多数のSiO結合を含むシロキサン
単分子吸着膜12が得られた(図7)。
【0037】
【化7】
【0038】
【化8】
【0039】なお、このとき非水系の溶媒例えばクロロ
ホルムで洗浄する工程を省けば、ポリシロキサン化学吸
着膜が形成された。なお、このときできたシロキサン単
分子膜12は基板とは−SiO−の化学結合を介して完
全に結合されているので剥がれることが無い。また、得
られた単分子膜は表面にSiOH結合を数多く持つ。当
初の−OH基の約2〜3倍程度の数が生成された。この
状態での処理部は、極めて親水性が高かった。そこで、
この状態で、実施例1と同様の界面活性剤を用い化学吸
着工程を行うと、図1と同様の界面活性剤が反応してな
る炭素鎖を含む化学吸着単分子膜が前記シロキサン単分
子膜11を介してシロキサンの共有結合で化学結合した
状態で約1.8nmの膜厚で形成された。しかしながら
プレチルト角は、それぞれ75、79、83°になっ
た。この理由は、界面活性剤の吸着前の基材表面の吸着
サイト(この場合はOH基)は、実施例1に比べて約2
〜3倍程度と多いため、実施例1の場合に比べ吸着分子
密度が大きくなったためと考えられる。なお、これら配
向膜において液晶の配向方向は、全て引き上げ方向と反
対方向、すなわち液切り方向に配向していた。
【0040】次に、この状態の基板を用い、引き上げ方
向とほぼ直交する方向に偏光方向が向くように偏光板を
基板に重ねて、KrFエキシマーレーザーの248nm
の光を80mJ照射した。その後、液晶セルを組み立て
前記化学吸着単分子膜中の直鎖状炭素鎖の配向方向を調
べるとチルト角は75、78、82゜と多少小さくなっ
ていたが配向方向は引き上げ方向とほぼ直行する方向に
変化し、しかも配向ばらつきも改善されていた。
【0041】なお、クロル基を複数個含むシリル化合物
として、前記SiCl4以外に、例えば、Cl−(Si
Cl2O)2−SiCl3、またはSiHCl3、SiH2
Cl2、さらに、Cl−(SiCl2O)n−SiCl
3(nは整数)が利用できた。
【0042】
【実施例3】化学吸着物質としてNC(CH32(CH
221SiCl3とCH3SiCl3(組成1)NC(CH
32(CH218SiCl3とCH3SiCl3(組成2)
NC(CH32(CH214SiCl3とCH3SiCl3
(組成3)をそれぞれ1:1で混合して用いた他は、実
施例1と同様の実験を行った。その結果、プレチルト角
はそれぞれ81、83、87°を示した。
【0043】
【実施例4】実施例1に於て、化学吸着物質として直鎖
状のシロキサン結合鎖を含んだClSi(CH32OS
i(CH32OSi(CH32OSi(CH32Clと
直鎖状の炭化水素鎖を含んだCH3(CH25SiCl3
(組成4)、およびClSi(CH32OSi(C
32OSi(CH32OSi(CH32ClとH3
(CH23SiCl3(組成5)、ClSi(CH32
OSi(CH32OSi(CH32OSi(CH32
lとCH3CH2SiCl3(組成6)をそれぞれ1:5
で混合して用い被膜を作製すると、表面に下記式(化
9)、(化10)、(化11)、および(化12)で示
される分子を混合比率に応じて含む化学吸着単分子膜が
得られ、プレチルト角はそれぞれ8°、6°、5°を示
した。
【0044】
【化9】
【0045】
【化10】
【0046】
【化11】
【0047】
【化12】
【0048】
【実施例5】次に、上記液晶配向膜を用いて実際に液晶
表示デバイスを製造しようとする場合の製造プロセスに
ついて図8を用いて説明する。
【0049】まず、図8に示すように、マトリックス状
に載置された第1の電極群21とこの電極を駆動するト
ランジスター群22を有する第1の基板23上、および
第1の電極群と対向するように載置したカラーフィルタ
ー群24と第2の電極25を有する第2の基板26上
に、実施例4の組成6と同様の手順にしたがって調製し
た化学吸着液を塗布し化学吸着単分子膜を作製した。
【0050】その後、偏光板HNP´B(ポラロイド社
製)を用い、電極パターンと偏光方向が平行になるよう
セットして、垂直方向より500Wの超高圧水銀灯を用
いて365nm(i線)の波長の光(偏光板通過後3.
6mJ/cm2)を45秒照射した。その結果、実施例
4と同様に電極パターンに沿って直鎖状のシロキサン結
合鎖が再配向した液晶配向膜27が作製できた。次に、
前記第1と第2の基板23、26を電極が対向するよう
に位置合わせしてスペーサー28と接着剤29でおよそ
5ミクロンのギャップで固定した。その後、前記第1と
第2の基板に前記ネマチック液晶30を注入した後、偏
光板31、32を組み合わせて表示素子を完成した。こ
のとき注入された液晶のプレチルト角は5度であった。
【0051】この様なデバイスは、バックライト33を
全面に照射しながら、ビデオ信号を用いて各々のトラン
ジスタを駆動することで矢印Aの方向に映像を表示でき
た。
【0052】
【実施例6】実施例5における、光再配向工程におい
て、前記偏光板に各々の画素を市松状に4分割するパタ
ーン状のマスクを重ねて偏光方向を変えて露光する工程
を2回行うと、同一画素内でパターン状に配向方向の異
なる部分を4箇所設けることができた。そして、この配
向膜を形成した基板を用いると液晶表示装置の視野角を
大幅に改善できた。
【0053】なお、上記実施例では、露光に用いる光と
して超高圧水銀灯のi線である365nmの光やKrF
エキシマレーザーで得られる248nmの光を用いた
が、膜物質の光の吸収度合いに応じて436nm、40
5nm、254nmの光を用いることも可能である。特
に、248nmや254nmの光は大部分の物質に吸収
され易いため配向効率が高い。
【0054】また、クロロシラン系の界面活性剤とし
て、直鎖状炭化水素基またはシロキサン結合鎖とクロロ
シリル基を有する界面活性剤を示したが、本願発明では
これらに限定されるものではない。
【0055】例えば、以下に示したような炭化水素基の
末端に3フッ化炭素基(−CF3)、メチル基(−C
3)、ビニル基(−CH=CH2)、アリル基(−CH
=CH−)、アセチレン基(炭素−炭素の3重結合)、
フェニル基(−C66)、アリール基(−C64−)、
ハロゲン原子、アルコキシ基(−OR;Rはアルキル基
を表す、とくに炭素数1〜3の範囲のアルキル基が好ま
しい。)、シアノ基(−CN)、アミノ基(−N
2)、水酸基(−OH)、カルボニル基(=CO)、
カルボキシ基(−COO−)及びカルボキシル基(−C
OOH)から選ばれる少なくとも一つの有機基、あるい
は光学活性を有する炭化水素基で置換されたクロロシラ
ン系界面活性剤が使用できた。なお、Ha(CH2n
iCl3(Haは塩素、臭素、ヨウ素、ふっ素等のハロ
ゲン原子を表し、nは整数で1〜24が好ましい。)で
示されるクロロシラン系界面活性剤も使用できる。さら
に下記の一般式で示される化合物も使用できる。 (1) CH3(CH2)nSiCl3(nは整数で0〜24が好まし
い。) (2) CH3(CH2)pSi(CH3)2(CH2)qSiCl3(p,qは整数で0
〜10が好ましい。) (3) CH3COO(CH2)mSiCl3(mは整数で7〜24が好まし
い。) (4) C6H6(CH2)nSiCl3(nは整数で0〜24が好まし
い。) (5) CN(CH2)nSiCl3(nは整数で0〜24が好まし
い。) (6) Cl3Si(CH2)nSiCl3(nは整数で3〜24が好まし
い。) (7) Cl3Si(CH2)2(CF2)n(CH2)2SiCl3(nは整数で1〜1
0が好ましい。) さらにクロロシラン系界面活性剤以外に、以下に示した
ようなアルコキシシリル基またはイソシアネートシリル
基を含むシラン系の界面活性剤が使用できた。 (8) Ha(CH2)nSi(OCH3)3(Haは塩素、臭素、ヨウ素、
ふっ素等のハロゲン原子を表し、nは整数で1〜24が
好ましい。) (9) CH3(CH2)nSi(NCO)3(nは整数で0〜24が好まし
い。) (10) CH3(CH2)pSi(CH3)2(CH2)qSi(OCH3)3(p,qは整
数で0〜10が好ましい。) (11) HOOC(CH2)mSi(OCH3)3(mは整数で7〜24が好ま
しい。) (12) H2N(CH2)mSi(OCH3)3(mは整数で7〜24が好ま
しい。) (13) C6H6(CH2)nSi(NCO)3(nは整数で0〜24が好ま
しい。) (14) CN(CH2)nSi(OC2H5)3(nは整数で0〜24が好ま
しい。) より具体的には下記の化合物も使用できる。 (1) Br(CH2)8SiCl3 (2) CH2=CH(CH2)17SiCl3 (3) CH3(CH2)8-CO-(CH2)10SiCl3 (4) CH3(CH2)5-COO-(CH2)10SiCl3 (5) CH3(CH2)8-Si(CH3)2-(CH2)10SiCl3 (6) CH3(CH2)17SiCl3 (7) CH3(CH2)5Si(CH3)2(CH2)8SiCl3 (8) CH3COO(CH2)14SiCl3 (9) C6H6(CH2)8SiCl3 (10) CN(CH2)14SiCl3 (11) Cl3Si(CH2)8SiCl3 (12) Cl3Si(CH2)2(CF2)4(CH2)2SiCl3 (13) Cl3Si(CH2)2(CF2)6(CH2)2SiCl3 (14) CF3CF2(CF2)7(CH2)2SiCl3 (15) (CF3)2CHO(CH2)15Si(CH3)2Cl (16) CF3CF2(CH2)2Si(CH3)2(CH2)15SiCl3 (17) CF3(CF2)4(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9SiCl3 (18) CF3(CF2)7(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9SiCl3 (19) CF3COO(CH2)15SiCH3Cl2 (20) CF3(CF2)5(CH2)2SiCl3 (21) CH3CH2CHC*H3CH2OCO(CH2)10SiCl3 (C*は光学活性
の不整炭素を示す。) (22) CH3CH2CHC*H3CH2OCOC6H6OCO6H6O(CH2)5SiCl3 また、シロキサン結合鎖とクロロシリル基を含む以下の
ものが使用できた。この場合も高度に配向した膜が得ら
れた。 (23) ClSi(CH3)2OSi(CH3)2OSi(CH3)2OSi(CH3)2Cl (24) Cl3SiOSi(CH3)2OSi(CH3)2OSi(CH3)2OSi(CH3)2OSiC
l3
【0056】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、最
も長い分子の基板に対する傾きを制御して単分子膜状の
被膜を作製することにより、従来のようなラビングを用
いなくとも、所望の電極を形成した基板の表面に形成さ
れた単分子膜状の被膜を提供できる。
【0057】また、前記被膜を構成する分子として長さ
の異なる複数種の物質が混合して用いられており、混合
比は変えずにいずれかの分子の長さのみを変えて最も長
い分子の基板に対する傾きを制御した液晶配向膜を提供
できる。したがって、従来のようなラビングを用いなく
とも、注入される液晶のプレチルト角度を制御でき且つ
液晶を任意の方向に配向させ得る機能を有する配向膜を
効率よく合理的に提供できる。
【0058】また、液晶配向膜の製造時に、偏光板にパ
ターン状のマスクを重ねて露光する工程を複数回行う
と、同一面内の配向膜内でパターン状の配向方向のみ異
なる部分を複数箇所設けることができ、従来のようなラ
ビングでは難しかった個々の画素の配向が複数種に分割
されたマルチドメインの液晶表示装置を効率良く合理的
に作製できる。
【0059】さらにまた、このような液晶配向膜を用い
ることで、従来のようなラビング工程で発生していた欠
陥の生じる機会がなくなり所望のチルト角が得られ、歩
留まりが高く極めて低コスト高信頼で且つ広視野角表示
が可能な液晶表示装置を提供できる。
【0060】なお、吸着形成された配向膜は、特定の表
面エネルギーを有する液晶例えばネマティック液晶や強
誘電液晶を結合を組み込むことも可能なため、配向方向
およびチルト角の制御のみならず配向規制力の大きな配
向膜を効率良く合理的に作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1における単分子膜状の液晶
配向膜作製に用いる化学吸着工程を説明するための断面
概念図。
【図2】 単分子膜状の液晶配向膜作製の洗浄工程を説
明するための断面概念図。
【図3】 溶媒洗浄後の単分子膜状の液晶配向膜内の分
子配向状態を説明するために断面を分子レベルまで拡大
した概念図。
【図4】 光露光により吸着された分子を再配向させる
ために用いた露光工程の概念図。
【図5】 光配向後の単分子膜状の液晶配向膜内の分子
配向状態を説明するための概念図。
【図6】 本発明の実施例2におけるクロロシラン単分
子膜の形成された状態(空気中の水分との反応前)を説
明するために分子レベルまで拡大した断面概念図。
【図7】 本発明の実施例2におけるシロキサン単分子
膜の形成された状態を説明するために分子レベルまで拡
大した断面概念図。
【図8】 本発明の実施例3において液晶表示装置製造
を説明するための断面概念図。
【符号の説明】
1 基板 2 化学吸着液 3 洗浄用非水系溶媒 4 1次配向された化学吸着単分子膜 4´ 再配向された化学吸着単分子膜 5 洗浄液からの引き上げ方向 6 偏光方向 7 偏光膜 8 照射光 9 再配向方向 11 透明電極 12 クロロシラン分子 13 シロキサン単分子膜 21 第1の電極群 22 トランジスタ群 23 第1の基板 24 カラーフィルター群 25 第2の電極 26 第2の基板 27 液晶配向膜 28 スペーサー 29 接着剤 30 液晶 31,32 偏光板 33 バックライト

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極を形成した基板の表面に分子の一端
    の部分が結合して形成された単分子膜状の被膜であっ
    て、前記被膜を構成する分子として異なる複数種の物質
    が混合して用いられており、相対的に短い分子の存在に
    より、最も長い分子の基板に対する傾きが一定の角度に
    制御されていることを特徴とする液晶配向膜。
  2. 【請求項2】 被膜を構成する分子として直鎖状の炭素
    鎖または直鎖状のシロキサン結合鎖を含み、それぞれ炭
    素鎖またはシロキサン結合鎖の長さで分子長が制御され
    ている請求項1に記載の液晶配向膜。
  3. 【請求項3】 被膜を構成する分子の末端にSiを含ん
    でいる請求項1または2に記載の液晶配向膜。
  4. 【請求項4】 電極を形成した基板を、炭素鎖またはシ
    ロキサン結合鎖を含み、長さが異なる複数種のシラン系
    界面活性剤を混合した化学吸着液に接触させ、前記吸着
    液中の界面活性剤分子と基板表面とを化学反応させ前記
    界面活性剤分子を基板表面に一端で結合固定して単分子
    膜状の被膜を形成する方法において、前記複数種のシラ
    ン系界面活性剤分子のうち、相対的に短い分子の長さを
    変えることにより、最も長い分子の基板に対する傾きを
    一定の角度に制御することを特徴とする液晶配向膜の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 前記複数種のシラン系界面活性剤の混合
    比は変えずに、相対的に短い分子の長さを変えて、最も
    長い分子の基板に対する傾きを一定の角度に制御する請
    求項4に記載の液晶配向膜の製造方法。
  6. 【請求項6】 シラン系界面活性剤として、直鎖状炭素
    鎖及びシロキサン結合鎖から選ばれる少なくとも一つの
    分子鎖と、クロロシリル基、アルコキシシラン基及びイ
    ソシアネートシラン基から選ばれる少なくとも一つの有
    機基を含む物質を用いた請求項4に記載の液晶配向膜の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 直鎖状炭素鎖及びシロキサン結合鎖から
    選ばれる少なくとも一つの分子鎖の長さを変えること
    で、分子長を変化させ、最も長い分子の基板に対する傾
    きを制御する請求項4または6に記載の液晶配向膜の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 炭素鎖またはシロキサン結合鎖の末端ま
    たは一部に、3フッ化炭素基(−CF3)、メチル基
    (−CH3)、ビニル基(−CH=CH2)、アリル基
    (−CH=CH−)、アセチレン基(炭素−炭素の3重
    結合)、フェニル基(−C66)、アリール基(−C6
    4−)、ハロゲン原子、アルコキシ基(−OR;Rは
    アルキル基を表す)、シアノ基(−CN)、アミノ基
    (−NH2)、水酸基(−OH)、カルボニル基(=C
    O)、カルボキシ基(−COO−)及びカルボキシル基
    (−COOH)から選ばれる少なくとも一つの有機基を
    含んでいる請求項4〜7のいずれかに記載の液晶配向膜
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 界面活性剤分子を基板表面に一端で結合
    した後に、有機溶剤で洗浄して、さらに所望の方向に基
    板を立てて液切りを行い、液切り方向に前記固定された
    分子を配向させる請求項4〜8のいずれかに記載の液晶
    配向膜の製造方法。
  10. 【請求項10】 分子を配向させた後、さらに偏光膜を
    介して露光して前記配向された分子を所望の方向に再配
    向させる請求項9に記載の液晶配向膜の製造方法。
  11. 【請求項11】 界面活性剤として、直鎖状炭素鎖及び
    シロキサン結合鎖から選ばれる分子鎖と、クロロシリル
    基及びイソシアネートシラン基から選ばれる少なくとも
    一つの有機基を含むシラン系の界面活性剤を用い、洗浄
    有機溶媒として水を含まない非水系の有機溶媒を用いる
    請求項4〜10のいずれかに記載の液晶配向膜の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 非水系の有機溶媒として、アルキル
    基、ふっ化炭素基、塩化炭素基及びシロキサン基から選
    ばれる少なくとも一つの有機基を含む溶媒を用いた請求
    項11に記載の液晶配向膜の製造方法。
  13. 【請求項13】 シラン系界面活性剤分子を一端で固定
    する前に、多数のSiO基を含む内層被膜を形成し、こ
    の内層膜を介して単分子膜状の被膜を形成する請求項4
    〜12のいずれかに記載の液晶配向膜の製造方法。
  14. 【請求項14】 所望の電極を形成した基板表面に形成
    された単分子膜状の被膜であり、前記被膜を構成する分
    子として長さの異なる複数種の物質が混合して用いられ
    ており、相対的に短い分子の存在により、最も長い分子
    の基板に対する傾きが一定の角度に制御されている被膜
    が、配向膜として電極の形成された2つの対向した基板
    表面の少なくとも一方の基板の電極側表面に直接または
    他の被膜を介して間接に形成されており、かつ液晶組成
    物が前記2つの対向する電極に前記配向膜を介して挟ま
    れており、配向膜に接触する液晶分子のチルト角が制御
    されていることを特徴とする液晶表示装置。
  15. 【請求項15】 対向させる2つの電極の形成された基
    板表面にそれぞれ前記被膜が配向膜として形成されてい
    る請求項14に記載の液晶表示装置。
  16. 【請求項16】 基板表面の被膜がパターン状の配向方
    向の異なる部分を複数箇所含んでいる請求項14または
    15に記載の液晶表示装置。
  17. 【請求項17】 対向する電極が片方の基板表面に形成
    されている請求項14に記載の液晶表示装置。
  18. 【請求項18】 あらかじめマトリックス状に載置され
    た第1の電極群を有する第1の基板を直接または任意の
    薄膜を形成した後、 炭素鎖またはシロキサン結合鎖を含み長さが異なる複数
    種のシラン系界面活性剤を用いて作成した化学吸着液に
    接触させ、前記吸着液中の界面活性剤分子と基板表面と
    を化学反応させ、前記界面活性剤分子を基板表面に一端
    で結合固定して単分子膜状の被膜を形成する方法におい
    て、 前記複数種のシラン系界面活性剤分子のうち、相対的に
    短い分子の長さを変えることにより、最も長い分子の基
    板に対する傾きを一定の角度に制御した被膜を形成し、
    有機溶剤で洗浄後さらに所望の方向に基板を立てて液切
    りを行い、液切り方向に前記固定された分子を配向さ
    せ、前記第1の電極群を有する第1の基板と第2の基
    板、または第2の電極又は電極群を有する第2の基板
    を、電極面を内側にして所定の間隙を保ちつつ位置合わ
    せして接着固定し、前記第1と第2の基板の間に所定の
    液晶を注入することを特徴とする液晶表示装置の製造方
    法。
  19. 【請求項19】 前記複数種のシラン系界面活性剤の混
    合比は変えずに、相対的に短い分子の長さを変えて、最
    も長い分子の基板に対する傾きを一定の角度に制御する
    請求項18に記載の液晶表示装置の製造方法。
  20. 【請求項20】 固定された分子を配向させた後、さら
    に偏光板を介して所望の方向に偏光した光で露光して、
    前記界面活性剤分子の向きを所望の傾きを有した状態で
    特定の方向に揃える請求項18または19に記載の液晶
    表示装置の製造方法。
  21. 【請求項21】 偏光板を介して所望の方向に偏光した
    光で露光して、前記結合された界面活性剤分子の向きを
    所望の傾きを有した状態で特定の方向に揃える工程にお
    いて、前記偏光板にパターン状のマスクを重ねて露光す
    る工程を複数回行い、同一面内の配向膜内でパターン状
    の配向方向の異なる部分を複数箇所設けた請求項20に
    記載の液晶表示装置の製造方法。
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