以下、添付の図面及び好ましい実施形態を参照して本発明を製造し使用する方法が詳細に説明される。
本発明の明細書において、同一の参照番号は、同一の部品又は構成要素を示すことに留意すべきである。また、数値限定が本明細書で提示されているが、特許請求の範囲に限定されない限り、このような限定は、単に例示に過ぎないことに留意すべきである。
図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態による液晶表示装置が詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態による液晶表示装置のブロック図である。図2は、本発明の実施形態による液晶表示装置内の1つの画素PXを構成する2つの副画素190h及び190lの構成を概略的に示す。図1に示すように、液晶表示装置は、液晶表示板アセンブリ(liquid crystal panel assembly)300、ゲート駆動部(gate driver)400、データ駆動部(Data driver)500、信号制御部600、及び階調電圧生成部800を含む。
信号制御部600は、映像信号R、G、及びB、データイネーブル信号DE、水平同期信号Hsync、垂直同期信号Vsync、及びクロック信号MCLKを含む制御信号をホストから受信する。信号制御部600は、データ制御信号CONT2及び映像データ信号DATをデータ駆動部500に出力し、ゲート線を選択するためのゲート制御信号CONT1をゲート駆動部400に出力する。一方、信号制御部600は、光源を調節するために光源制御信号を光源発生部(図示せず)に出力する。
階調電圧生成部800は、画素PXに供給される全階調電圧又は限定された数の階調電圧(以下、“基準階調電圧”と称する。)を生成し、データ駆動部500に出力する。基準階調電圧は、共通電圧Vcomに対して極性が異なる電圧を有する。
データ駆動部500は、基準階調電圧を階調電圧生成部800から受信し、信号制御部800からの制御信号CONT2及び映像データ信号に応答して階調電圧を複数のデータ線D1−Dmに出力する。階調電圧生成部800が限定された数の基準階調電圧のみを提供する場合に、データ駆動部500は、基準階調電圧を分圧することによりさらに多くの数の拡張された階調電圧を生成することができる。データ駆動部500は、拡張された複数の階調電圧をデータ線D1−Dmに供給する際に共通電圧Vcomに対して同一の差の電圧であるが、フレームごとに異なる極性の電圧を交互に各画素に印加する反転駆動を行う。反転駆動方法は、1つのフレームですべての画素に印加されるデータ電圧の極性が同一であり、その次のフレームですべての画素のデータ電圧極性を反転するようにデータ電圧を供給するフレーム反転(frame inversion)と、1つのフレーム内で隣接したデータ線D1−Dm上の画素に印加されるデータ電圧の極性が反転するようにデータ電圧を供給する列反転と、隣接画素PXの電圧極性が相互に異なってデータ電圧を供給する点反転と、同一のデータ線171に隣接した2個の画素PXが同一の極性を有し、この2個の同一の極性画素PXに隣接した1個の画素PXが異なる極性を有するように反復する方式でデータ電圧を供給する2+1反転とを含む。
ゲート駆動部400は、ゲート制御信号CONT1に応答してゲート信号を複数のゲート線G1−Gnに順次に出力する。ゲート信号は、選択されたゲート線に接続された薄膜トランジスタをターンオンさせることができるゲートオン電圧Vonと選択されないゲートに接続された薄膜トランジスタをターンオフさせることができるゲートオフ電圧Voffとを有する。
液晶表示板アセンブリ300は、下部表示板100と、下部表示板100と向かい合う上部表示板200と、これらの間に介在する液晶層3とを含む。下部表示板100は、行及び列を構成する行列の形態で配列された画素PXと、同一の行にある画素PXがそれぞれ接続された複数のゲート線G1−Gn121と、同一の列にある画素PXがそれぞれ接続された複数のデータ線D1−Dm171とを有する。図2は、図1に示す複数の画素PXの中の1つの画素PXに対する概略的な構成を示す。1つの画素PXは、離隔した1対の第1の副画素190hと第2の副画素190lとに分けられる。第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191lは、それぞれ第1の副画素190h及び第2の副画素190lの領域に形成される。副画素190h及び190lは、それぞれ液晶蓄電器(liquid crystal capacitors)Clch及びClclと保持蓄電器Csth及びCstlとを有する。液晶蓄電器Clch及びClclのそれぞれは、下部表示板100に形成された副画素電極191h及び191lのそれぞれの1つの端子と上部表示板200に形成された共通電極270の1つの端子との間で形成された液晶層3により形成される。本発明の他の実施形態において、副画素190h及び190lの各々は、異なるデータ線D1−Dmに接続された薄膜トランジスタに接続されることがある。
共通電極270は、上部表示板200の全面に形成されており、共通電圧Vcomの供給を受ける。他方、共通電極270及び画素電極191は、下部表示板100に形成され得、画素電極191の形態に従って線形又は棒形状を有することもある。
液晶層3は、下部表示板100と上部表示板200との間に形成されたシール剤(図示せず)内に充填されている。液晶層3は、誘電体として機能する。シール剤は、下部表示板100又は上部表示板200に形成されており、下部表示板100と上部表示板200とを結合させる。下部表示板100及び上部表示板200は、図4Aに示すように、スペーサ250又はシール剤(図示せず)により約2.0μm〜5.0μmのセル間隔、すなわち、セルギャップ(cell gap)を保持することができ、より望ましくは、約3.3μm〜3.7μmのセルギャップを保持する。本発明の他の実施形態において、薄膜トランジスタが形成される領域が広いために、スペーサが薄膜トランジスタ上に形成され得る。
偏光子(図示せず)は、実質に偏光子の偏光軸又は透過軸が直交するように下部表示板100及び上部表示板200のそれぞれに配置されることができる。言い換えれば、偏光子は、上部表示板200の上部又は下部及び下部表示板100の上部又は下部に形成されることができる。他方、偏光子は、下部表示板100及び上部表示板200の中のいずれか1つの表示板の上部又は下部だけに形成されることがある。本発明の一実施形態において、外部光の回折を減少させるために、偏光子の屈折率は、約1.5であり得、ヘイズ(Haze)値は、約2%〜5%であり得る。偏光子の屈折率値及び後述する他の物質の屈折率値は、約550nm〜580nmの波長を有する光源で測定された値である。
駆動装置400、500、600、及び800が液晶表示板アセンブリ300に接続されることにより液晶表示装置が製造される。駆動装置400、500、600、及び800は、1つの集積回路チップ上に形成された後に液晶表示板アセンブリ300上に直接実装されるか、又は可撓性印刷回路膜(flexible printed circuit film)(図示せず)上に実装されることによりTCP(tape carrier package)の形態で液晶表示板アセンブリ300に取り付けられるか、又は個別の印刷回路基板(printed circuit board)(図示せず)上に実装されることにより液晶表示板アセンブリ300に接続されることができる。他方、信号線G1〜Gn及びD1〜Dmと薄膜トランジスタQh、Ql、Qc(図3に示す)とを形成する時にこれらの駆動装置400、500、600、及び800の各々又はそれらの組合せが液晶表示板アセンブリ300に形成されることがある。
以下、液晶表示装置の映像表示の原理を簡単に説明する。データ電圧が液晶表示装置の各画素PXの画素電極に供給されると、各画素PXに充電された電圧は、その画素電極と共通電極270との電圧差により液晶層3で電場を生成する。液晶層3に形成された電場のために、液晶層3の液晶分子31は、傾くか又は特定の方向性をもって移動される。このように液晶分子31のチルト又は方向に基づいて液晶層3を通過する光は、位相遅延(phase retardation)を有する。光の位相遅延による位相差に基づいて、光は、偏光子を透過させるか又は偏光子に吸収される。したがって、画素電極191に供給されるデータ電圧が調節される場合、基本色(primary color)に対する光の透過率差が発生し、結果的に、液晶表示装置が映像を表現することができる。基本色は、赤色、緑色、青緑色(cyan)、赤紫色(magenta)、黄色(yellow)、及び白色(white)から選択された色を含む。本発明の一実施形態において、基本色は、赤色、緑色、及び青色を含む。他方、映像品質を向上させるために、この基本色は、赤色、緑色、青色、及び黄色を含む4個又はそれ以上の色を含んでもよい。
液晶表示板アセンブリ
実施形態1
上部表示板
次に、図3乃至図5A及び図5Bを参照して本発明の実施形態による液晶表示板アセンブリ300を詳細に説明する。図3は、本発明の実施形態による液晶表示板アセンブリ300を構成する単位画素の配置を示す平面図であり、図4Aは、図3に示す液晶表示板アセンブリ300の4a−4a’線に沿って切断された断面図であり、図4Bは、図3に示す液晶表示板アセンブリ300の4b−4b’線に沿って切断された断面図であり、図4Cは、図3に示す液晶表示板アセンブリ300の4c−4c’線に沿って切断された断面図である。図5Aは、図3に示す第2の副画素電極の中央部A5の一例の拡大平面図であり、図5Bは、図3に示す第2の副画素電極の中央部A5の他の例の拡大平面図である。1つの画素の拡大平面図が図3に図示されたが、複数の行及び列の画素がマトリックスの形態で配列されることに留意すべきである。
液晶表示板アセンブリ300は、下部表示板100、上部表示板200、液晶層3、及び偏光子を含む。まず、上部表示板200を詳細に説明する。上部表示板200は、上部基板210上に形成された遮光部材220、蓋膜225、共通電極270、及び上板配向膜292を含む。
遮光部材(light blocking member)220は、ガラス又はプラスチック材質の透明な上部基板210上に形成される。上部基板210の厚さは、約0.2mm〜0.7mmであり、上部基板210の屈折率は、約1.0〜2.5であり得、より望ましくは、約1.5である。遮光部材220は、ブラックマトリックス(black matrix)とも呼ばれ、酸化クロム(chromium oxide:CrOx)のような金属又は不透明有機膜材料などで作られることができる。金属及び有機膜の遮光部材の厚さは、それぞれ約300Å〜2000Å及び約2μm〜5μmである。遮光部材220は、光が画素PXを通過するように画素PXの形状と類似した複数の開口部を有し、画素PX間の光漏れを防止するために画素PX間で形成されることができる。また、遮光部材220は、下部表示板100に形成されたゲート線121、データ線171、及び薄膜トランジスタQh、Ql、及びQcに対応する部分で形成されることができる。本発明の他の実施形態において、液晶表示板アセンブリの製造工程を単純化し、液晶表示装置の透過率を向上させるために、遮光部材220は、ゲート線121、データ線171、及び薄膜トランジスタが形成された下部基板110の内側面又は形成されない外側面の下部基板110上に形成されることができる。つまり、遮光部材220は、薄膜トランジスタ等の構成物が形成された領域に重畳するように、あるいは、画素領域の外側の領域に形成され得る。
蓋膜225は、遮光部材220上に形成される。蓋膜225は、遮光部材220のような下部層の屈曲表面を平坦化するか又は下部層からの不純物の溶出を防止する。一実施形態において、蓋膜225の厚さは、約1μm〜3μmであり、より望ましくは約1.2μm〜1.5μmである。他の実施形態において、蓋膜225の屈折率は、約1.5〜2.5であり得、より望ましくは約1.8である。他の実施形態において、遮光部材220が下部表示板100に形成される場合に、蓋膜225は、上部表示板に形成されず、下部表示板100の遮光部材220上に形成されてもよい。本発明の一実施形態において、蓋膜225はアクリル系物質を含んでもよい。蓋膜225に含まれたアクリル系物質は、蓋膜225を形成する工程で硬化される。イミド系物質より硬化されたアクリル系物質を含む蓋膜225において、短波長の紫外線の透過率が高い。蓋膜225で短波長の紫外線の透過率が高いと、後述の電界露光工程又は蛍光露光工程で光硬化剤又は反応性メゾゲン(RM)を硬化するため、入射光の強度が増え、架橋率は増加し得る。アクリル系物質は、後述する上板又は下板積層構造の蓋膜225に含まれてもよい。
複数のスリット(切開部)を有しない共通電極270は、蓋膜225上に形成される。共通電極270は、インジウムスズ酸化物(indium-tin oxide:ITO)、インジウム亜鉛酸化物(indium-zinc-oxide:IZO)のような透明な導電体又は画素電極191と同一の材料で形成されることができる。共通電極270の厚さは、約500Å〜2000Åであり、より望ましくは、約1200Å〜1500Åである。液晶表示装置の透過率を最大にするために使用されるIZO及びITOで形成された共通電極270の厚さは、それぞれ約1200Å〜1500Å及び約500Å〜1500Åであり得る。また、外部光の回折を減少させるために、IZO及びITOで形成された共通電極270の屈折率は、それぞれ約1.5〜2.5及び約1.5〜2.3であり得る。本発明の他の実施形態において、フリンジ電場(fringe electric field)をさらに多く形成するための複数のスリット(切開部)は、共通電極270で形成され得る。
上板配向膜292は、液晶分子31を特定の配列で保持するために共通電極270上に形成される。上板配向膜292は、インクジェット又はロールプリンティング(roll printing)等により配向性を有する流体有機物を塗布した後に、赤外線及び紫外線(UV)のような光源により又は熱的に硬化することにより形成される。上板配向膜292は、上板主配向膜34を含み、上板光硬化層36をさらに含んでもよい。
上板主配向膜34は、液晶分子31の長軸又は主軸を下部基板110又は上部基板210、あるいは上板主配向膜34に実質的に垂直配向する垂直配向物質であり得る。主配向膜34の厚さは、約500Å〜1500Åであり、より望ましくは約700Å〜1000Åである。液晶表示装置の透過率を向上させるための主配向膜34の屈折率は、約1.6であり得る。主配向膜34が垂直配向(vertical alignment:VA)モード又はツイステッドネマチック(twisted nematic:TN)モードのために一般的に使用される物質の膜となることができることは、当該技術分野における通常の知識を有する者には容易に理解されるであろう。
光硬化層36は、液晶分子31の長軸(major axis)又は主軸(principal axis)が下部基板110又は上部基板210、あるいは主配向膜(main alignment layer)34についてプレチルト角(pre-tilt angle)を有するように光により硬化される物質で形成される。光硬化層36を構成する物質は、光硬化剤(light hardener)、反応性メソゲン(Reactive Mesogen:RM)、光反応性ポリマー(photo-reactive polymer)、光重合物質(photopolymerization material)、又は光異性化物質(photo-isomerization material) であり得る。
上板配向膜292は、ポリイミド系化合物(polyimide-based compound)、ポリアミック酸系化合物(polyamic acid-based compound)、ポリシロキサン系化合物(poly siloxane-based compound)、ポリビニルシンナメート系化合物 (polyvinyl cinnamate-based compound)、ポリアクリレート系化合物(polyacrylate-based compound)、ポリメチルメタクリレート系化合物(polymethylmethacrylate-based compound)、光硬化剤、反応性メソゲン、光反応性ポリマー(photo-reactive polymer)、光重合物質(photopolymerization material)、光異性化物質(photo-isomerization material)及びこれらの混合物から選択された少なくとも1つの物質で形成された膜であり得る。
反応性メソゲン(RM)は、アクリレート(acrylate) 、メタクリレート(methacrylate)、エポキシ(epoxy)、オキセタン(oxetane)、ビニルエーテル(vinyl-ether)、スチレン(styrene)、又はチオールエン(thiolene)グループであり得る。光反応性ポリマーは、アゾ系化合物(azo-based compound)、シンナメート系化合物(cinnamate-based compound)、カルコン系化合物(chalcone-based compound)、クマリン系化合物(coumarin-based compound)、又はマレイミド系化合物(maleimide-based compound)であり得る。光重合物質は、カルコン(chalcone)又はクマリネ(coumarlne)であり得る。光異性化物質は、アゾ(azo)又は二重トラン(double tolane)であり得る。
上板配向膜292を構成する上板主配向膜34及び上板光硬化層36は、図6A〜図6Cと関連して後述する方法により形成されることができる。
上板配向膜292は、スイスチバ(Ciba)社のイルガキュア(Irgacure)−651製品であるベンジルジメチルケタール(Benzyl dimethyl ketal)、Irgacure−907製品であるα−アミノアセトフェノン(α-amino acetophenone)、Irgacure−184製品である1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(1-hydroxy cyclohexyl phenyl keton)及びこれらの混合物から選択された少なくとも1つの物質で形成された光開始剤(photo initiator)を追加で含むことができる膜であり得る。
本発明の一実施形態による上板配向膜292を構成する物質は、光反応性ポリマー及び反応性メソゲン(RM)の中のいずれか1つとポリイミド(polyimide)系ポリマーの混合物であり得る。他方、上板配向膜292は、光硬化層36を除く主配向膜34で構成され得る。
本発明の一実施形態による反応性メソゲン(RM)を説明する。本発明による反応性メソゲン(RM)は、配向膜を形成し、光又は熱により硬化されることにより光硬化層35及び36を形成する。化学構造の観点において、本発明による反応性メソゲンは、次の構造式XVI−Rで表現される光反応性ジメタアクリレート(photo-reactive dimethaacrylate)系モノマーであり得、より具体的には、構造式XVII−R1、XVII−R2、XVII−R3、XVII−R4、XVII−R5、又はXVII−R6で表現されるモノマー分子であり得る。
構造式XVI−R
ここで、A、B、及びCは、それぞれベンゼン環(benzene ring)、シクロヘキシル環(cyclohexyl ring)、及びナフタレン環(naphthalene ring)から選択されたいずれか1つであり得る。A、B、及びCを構成する各環の外郭水素原子(Outer hydrogen atom)は置き換えられないか、又はこれらの水素原子の中の少なくとも1つは、アルキル基、フッ素(F)、塩素(C1)、又はメトキシ基(OCH3)に置き換えられ得る。P1及びP2のそれぞれは、アクリレート、メタクリレート、エポキシ、オキセタン、ビニルエーテル、スチレン、及びチオールエン(thiolene)グループの中のいずれか1つであり得る。
Z1、Z2、及びZ3は、単一結合、 連結基(リンキンググループ)(linking group)又は連結基の組合せであり得る。単一結合は、A、B、及びCがそれらの間の中間物質なしに直接的に結合することを意味する。連結基は、−OCO−、−COO−、アルキル基、−O−又は当該分野における通常の知識を有する者により容易に使用されることができる連結基であり得る。
より具体的に、本発明の実施形態による反応性メソゲンは、次の構造式XVII−R1、XVII−R2、XVII−R3、XVII−R4、XVII−R5、又はXVII−R6で表現されるモノマーであり得る。
構造式XVII−R1
構造式XVII−R2
構造式XVII−R3
構造式XVII−R4
構造式XVII−R5
構造式XVII−R6
本発明による反応性メソゲン(RM)の特性を評価するために、液晶表示装置は、上述した反応性メソゲンの中で構造式XVII−R6で表現された反応性メソゲンを適用することにより製造された。液晶表示板アセンブリは、図6Aを参照して説明したSVAモードに従って製造された。液晶表示装置の画素PXの構成は、実質的に図3の構成と同様である。液晶層3のセル間隔は、約3.5μmであり、蛍光露光工程(fluorescent exposure process)に適用された紫外線の照度は約0.15mW/cm2であった。また、画素電極191の微細ブランチ197の幅、露光電圧、電界露光工程(exposure process)の紫外線強度、及び蛍光露光工程の時間を以下に表1として示す。
このように製造された液晶表示装置は、図11と関連して後述する電荷共有に基づく1ゲート線1データ線(1 Gate line 1 Data line:1G1D)駆動により動作する。
表1に示すすべての実験例において、液晶表示装置のブラック残像は、約2のレベルを示し、階調間の応答速度は、約0.007秒〜約0.009秒である。したがって、構造式XVII−R6の反応性メソゲン(RM)は、広い範囲の工程条件に適用される際にもよい特性を示すことがわかる。
残像評価方法は、チェックパターン画面を液晶表示装置上に約1日以上表示し、これを他の画面に変更した後にチェックパターンを観察し、この観察結果をレベル1〜レベル5として評価する。レベル1は、チェックパターンがこの液晶表示装置の側面で観察されないレベルであり、レベル2は、チェックパターンが側面で観察されるレベルであり、レベル3は、チェックパターンが側面で強く観察されるレベルであり、レベル4は、チェックパターンが正面で弱く観察されるレベルであり、レベル5は、チェックパターンが正面で強く観察されるレベルである。このブラック残像は、チェックパターン画面を表示し、ブラックパターンに変更した後にチェックパターンを観察することにより評価されることができる。面残像は、チェックパターン画面を表示し、これを階調パターンに変更した後にチェックパターンを観察することにより評価されることができる。
下部表示板
以下、下部表示板100について詳細に説明する。下部表示板100は、その上にゲート線121、降圧ゲート線123、及び保持電極線125となるゲート層導電体、ゲート絶縁膜140、半導体154、線形抵抗性接触部材165、データ層導電体171、173、175、177c、第1の保護膜181、カラーフィルター230、第2の保護膜182、画素電極191及び下板配向膜291を含む。
複数のゲート線121、複数の降圧ゲート線123、及び複数の保持電極線125で構成されたゲート層導電体は、ガラス又はプラスチック材質の下部基板110上に形成される。下部基板110の厚さは、約0.2mm〜0.7mmである。下部基板110の屈折率は、約1.0〜2.5であり得、より望ましくは、約1.5である。
ゲート線121及び降圧ゲート線123は、主に横方向に伸びており、ゲート信号を伝達する。ゲート層導電体は、Cr、Mo、Ti、Al、Cu、Ag及びこれらの混合物から選択された物質で形成されることができる。もう1つの実施形態によるゲート層導電体は、二重膜又は三重膜の構造を有することができる。例えば、二重膜構造は、Al/Mo、Al/Ti、Al/Ta、Al/Ni、Al/TiNx、Al/Co、Cu/CuMn、Cu/Ti、Cu/TiN、又はCu/TiOxとなり得る。三重膜構造は、Mo/Al/Mo、Ti/Al/Ti、Co/Al/Co、Ti/Al/Ti、TiNx/Al/Ti、CuMn/Cu/CuMn、Ti/Cu/Ti、TiNx/Cu/TiNx、又はTiOx/Cu/TiOxとなり得る。
ゲート線121は、突出した形状の第1のゲート電極124h及び第2のゲート電極124lを含む。降圧ゲート線123は、突出した形状の第3のゲート電極124cを含む。第1のゲート電極124h及び第2のゲート電極124lは、相互に接続されることにより1つの突出部が形成されるようにする。
保持電極線125は、第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191lの周辺を取り囲むように横方向及び縦方向に伸張しており、所定の電圧、例えば、共通電圧Vcomを送信する。他方、保持電極線125は、2つ以上のレベルを有する所定のスイング電圧を送信することができる。保持電極線125は、ゲート線121にほぼ垂直であるように伸張した複数の保持電極線縦部128と、保持電極線縦部128の終端を相互に接続する保持電極線横部127と、保持電極線横部127から突出した形態の保持電極線拡張部126とを含む。
ゲート絶縁膜(gate insulating layer)140は、ゲート層導電体上に形成される。ゲート絶縁膜140は、無機絶縁物、有機絶縁物、又は有機・無機絶縁物で形成された膜であり得る。無機絶縁物は、窒化ケイ素(SiNx)、酸化ケイ素(SiOx)、酸化チタン(TiO2)、アルミナ(Al2O3)又はジルコニア(ZrO2)であり得る。有機絶縁物は、ポリシロキサン(Poly Siloxane)、フェニルシロキサン(Phenyl Siloxane)、ポリイミド(Polyimide)、シルセスキオキサン(Silsesquioxane)、シラン(Silane)又は当該技術分野における通常の知識を有する者により容易に使用されることができる有機絶縁物質であり得る。有機・無機絶縁物は、上述した無機絶縁物及び有機絶縁物のそれぞれから選択された少なくとも1つ又はそれ以上の物質の混合物であり得る。特に、ポリシロキサン有機絶縁物及びポリシロキサンで構成された有機・無機絶縁物は、約350°C以上で高耐熱性、光の高い透過性及び他の層と良好な接着力の特性を有する。
無機絶縁物で形成されたゲート絶縁膜140の厚さは、約2000Å〜4000Åであり得、より望ましくは約3000Åである。有機絶縁物又は有機・無機絶縁物で形成されたゲート絶縁膜140の厚さは、約3000Å〜5000Åであり得、より望ましくは約4000Åである。液晶表示装置の透過率を向上させるためのゲート絶縁膜140を構成する窒化ケイ素、酸化ケイ素、有機絶縁物又は有機・無機絶縁物の屈折率は、それぞれ約1.6〜2.1、約1.35〜1.65、約1.4〜1.7、又は約1.4〜1.9であり得、より望ましくは、それぞれ約1.85、約1.5、約1.55又は約1.6である。ゲート絶縁膜140の屈折率が下部基板110の屈折率に近接するほど液晶表示装置の透過率は向上する。
半導体154は、水素化非晶質ケイ素(hydrogenated amorphous silicon)、結晶質ケイ素(crystalline silica)、又は酸化物半導体などで作られることができ、ゲート絶縁膜140上に形成される。半導体154上には、データ線171、ソース電極173、及びドレーン電極175が実質的に重なっている。第1のゲート電極124h及び第2のゲート電極124l上に形成された第1の半導体154h及び第2の半導体154lと第3のゲート電極124c上に形成された第3の半導体154cとは、相互に分離されるように形成される。半導体154の厚さは、約1000Å〜2500Åであり、より望ましくは約1700Åである。酸化物半導体は、AXBXOX又はAXBXCXOXで表現される化学式を有する化合物であり得る。Aは、Zn又はCd、Bは、Ga、Sn又はIn、CはZn、Cd、Ga、In又はHfであり得る。Xは、0でなく、A、B、及びCは、相互に異なる。他の実施形態によると、酸化物半導体は、InZnO、InGaO、InSnO、ZnSnO、GaSnO、GaZnO、GaZnSnO、GaInZnO、HfInZnO、HfZnSnO、及びZnOの群から選択された化合物であり得る。このような酸化物半導体は、水素化非晶質ケイ素に比べて有効移動度(effective mobility)が約2〜100倍に優れ、これにより、画素電極191の充電速度を向上させる。
線形抵抗性接触部材(linear ohmic contact member)165は、半導体154上に形成される。線形抵抗性接触部材165の厚さは、約200Å〜500Åである。まず、第1の線形抵抗性接触部材165h、第2の線形抵抗性接触部材165l、及び第3の線形抵抗性接触部材165c(図示せず)は、第1の半導体154h 、第2の半導体154l、及び第3の半導体154c上にそれぞれ形成され、チャネル上には形成されない。
データ層導電体は、データ線171、第1のソース電極173h、第1のドレーン電極175h、第2のソース電極173l、第2のドレーン電極175l、第3のソース電極173c及び第3のドレーン電極175cとなり、線形抵抗性接触部材165上に形成される。データ層導電体は、上述したゲート層導電体材料と同一の材料で形成されることができる。画素電極191の充電率を改善し、データ電圧の伝搬遅延(propagation delay)を減少させるために、データ層導電体は、低抵抗単一膜金属又は少なくとも1つの層が金属層である2又は3重層の構成を有することができる。半導体154が酸化物半導体物質で構成される場合、このデータ層導電体は、線形抵抗性接触部材165の形成なしに半導体154上に直接形成されることができる。
データ線171は、ゲート絶縁膜140を介在してゲート線121又は降圧ゲート線123と交差する。データ線171は、カップ又はU字状の第1のソース電極173h及びキャップ又は∩形態(図3において逆U字状)の第2のソース電極173lに接続される。第1のドレーン電極175h及び第2のドレーン電極175lの終端部分は、それぞれ第1のソース電極173h及び第2のソース電極173lにより部分的に囲まれる。第2のドレーン電極175lの他の終端部分は、第2のソース電極173lにより部分的に囲まれた終端部分から伸張し、U字状の第3のソース電極173cに接続される。第3のドレーン電極175cの1つの終端部分は、第3のソース電極173cにより部分的に囲まれ、他の終端部分177cは、保持電極線拡張部126上に重なり、これにより、これらの間で降圧蓄電器Cstdが形成される。第3のドレーン電極175cの他の終端部分177cが保持電極線拡張部126と重なる面積のサイズに従って降圧蓄電器Cstdの容量は変わる。本発明の実施形態による基本画素群を構成する基本色の画素は、それぞれ異なる降圧蓄電器Cstdの容量を有することができる。
図19Bは、各画素で降圧蓄電器Cstdの容量間の差を示すために基本画素群に含まれた赤色画素PX−R、緑色画素PX−G、及び青色画素PX−Bの各々で図18に示すA19部分を拡大した図である。赤色画素PX−R、緑色画素PX−G、及び青色画素PX−Bが相互に同様であるが、各画素で保持電極線拡張部と重なる第3のドレーン電極175cの他の終端部分177cの面積AOL−B、AOL−G、又はAOL−Rのサイズは異なる。このような重複面積は、後述する第2の液晶蓄電器Clclの電圧対第1の液晶蓄電器Clchの電圧の比を約0.6〜0.9:1に調節するために変わり得る。後述する黄色みがかった(yellowish)カラーの発生を減少させるために、第2の液晶蓄電器Clclの電圧対第1の液晶蓄電器Clchの電圧の比は、基本画素群PSを構成する各画素に従って変わり得る。したがって、基本画素群PSを構成する画素が異なる電圧比を有するようにするためには、第3のドレーン電極175cの他の終端部分177cと保持電極線拡張部126との重複面積を調節することができる。例えば、液晶表示装置が黄色みがかった色を有することを防止するために、赤色、緑色、及び青色画素を含む基本画素群において、青色(B)画素の電圧比が緑色(G)画素の電圧比より大きく設定されるか又は同一であり、緑色(G)画素の電圧比が赤色(R)画素の電圧比より大きく設定されるか又は同一であるように設定されることができる。この際、重なる面積のサイズは、各画素の電圧比を調節するために次のように設定されることができる。
AOL−B≦AOL−G≦AOL−R
ここで、 AOL−B、AOL−G、及びAOL−Rは、図19Bに示すように、青色(B)、緑色(G)、及び赤色(R)画素で第3のドレーン電極175cの他の終端部分177cと保持電極線拡張部126との重複面積のサイズを示す。
第1のゲート電極124h、第2のゲート電極124l、及び第3のゲート電極124cと、第1のソース電極173h、第2のソース電極173l、及び第3のソース電極173cと、第1のドレーン電極175h、第2のドレーン電極175l、及び第3のドレーン電極175cとは、第1の半導体154h、第2の半導体154l、及び第3の半導体154cとともに1つの画素PXを動作させるための第1の薄膜トランジスタ(thin film transistor:TFT)Qh、第2の薄膜トランジスタQl、及び第3の薄膜トランジスタQcをそれぞれ構成する。薄膜トランジスタQh、Ql、及びQcの動作の間に電荷が移動されるチャネル層は、ソース電極173h、173l、及び173cとドレーン電極175h、175l、及び175c間の半導体154h、154l、及び154cの層内に形成される。
半導体154h、154l、及び154cの層及びデータ層導電体が同一のマスクを使用してエッチングされる場合に、チャネル領域を除くデータ層導電体は、その下に形成される半導体154と線形抵抗性接触部材161及び165hと実質的に同一のパターンを有し得る。しかしながら、エッチング技術に基づいて、半導体154の膜は、約3μm又はそれ以下の特定の距離でデータ層導電体の両側側壁から伸張するように露出し、データ層導電体により覆われない部分を有し得る。
本発明の他の実施形態に従って、チャネルからコンタクトホール185h及び185lまで接続された第1のドレーン電極175h又は第2のドレーン電極175lの線は、微細ブランチの方向と実質的に同一の方向に形成されることもできる。これにより、画素領域でテクスチャ(texture)が減少し、液晶表示装置の輝度が増加する。
第1の保護膜181は、データ層導電体上に形成される。第1の保護膜181は、ゲート絶縁膜140で構成されることができる上述した無機絶縁物、有機絶縁物、又は有機・無機絶縁物でなされることができる。無機絶縁物で形成された第1の保護膜181の厚さは、約300Å〜2000Åであり得、より望ましくは、約500Åである。有機絶縁物又は有機・無機絶縁物で形成された第1の保護膜181の厚さは、約25000Å〜35000Åであり得る。液晶表示装置の透過率を向上させるための第1の保護膜181を構成する窒化ケイ素、酸化ケイ素(SiOx)、有機絶縁物又は有機・無機絶縁物の屈折率は、それぞれ約1.6〜2.1、約1.35〜1.65、約1.5〜1.9又は約1.5〜1.9であり得、より望ましくは、それぞれ約1.85、約1.5、約1.7〜1.8又は約1.6である。
カラーフィルター230は、第1の保護膜181上に形成される。カラーフィルターは、光が遮光されない画素PX領域に形成される。カラーフィルター230の厚さは、約1.5μm〜3μmである。カラーフィルター230の屈折率は、約1.3〜2.2であり得、より望ましくは約1.6である。
各画素PXに形成されたカラーフィルター230は、基本色、例えば、赤色、緑色、青色、青緑色(cyan)、赤紫色(magenta)、黄色(yellow)、及び白色(white)の中のいずれか1つを有し得る。赤色、緑色、及び青色、又は青緑色、赤紫色、及び黄色のような3つの基本色は、画素PXの形成のための基本画素群PSの色として定義されることができる。白色画素がカラーフィルターを有しないことがあり、白色の外部光が白色画素領域を通過するために、この白色画素は、白色を示すことができる。基本画素群PSは、カラー画像を表現することができる画素PXの最小集合である。
他の実施形態において、基本画素群PSは、4個又はそれ以上の基本色をそれぞれ有する画素PXで構成されることができる。これに対する一例として、赤色、緑色、及び青色の3個の色と青緑色、赤紫色、黄色、及び白色の中のいずれか1つの色とを含む4個の基本色は、基本画素群PSの色として選択されることができる。液晶表示装置の画質を改善するために、基本画素群PSを構成する基本色は、ここに限定されず様々に選択されることができるということは、当該技術分野における通常の知識を有する者には容易に理解される。
カラーフィルター230は、コンタクトホール185が位置した所に形成されたカラーフィルターホール233h及び233lを除く大部分の領域に形成されることができる。他方、カラーフィルター230は、薄膜トランジスタQh、Ql、及びQcの不良を容易に検出するために薄膜トランジスタQh、Ql、及びQcが位置する所に形成されないこともある。隣接するデータ線171の間に沿って同一の色のカラーフィルター230が縦方向に長く伸張するように形成されることができる。本発明の他の実施形態によるカラーフィルター230は、上部表示板200に形成された遮光部材220と蓋膜225間で形成されることができる。
第2の保護膜182は、カラーフィルター230又は第1の保護膜181上に形成される。第2の保護膜182は、ゲート絶縁膜140で構成されることができる上述した無機絶縁物、有機絶縁物、又は有機・無機絶縁物でなされることができる。無機絶縁物で形成された第2の保護膜182の厚さは、約300Å〜1500Åであり得、より望ましくは約400Å〜900Åである。有機絶縁物又は有機・無機絶縁物で形成された第2の保護膜182の厚さは、約25000Å〜35000Åであり得る。液晶表示装置の透過率を向上させるための第2の保護膜182を構成する窒化ケイ素、酸化ケイ素、有機絶縁物又は有機・無機絶縁物の屈折率は、それぞれ約1.6〜2.1、約1.35〜1.65、約1.5〜1.9又は約1.4〜1.9であり得る。
第2の保護膜182の屈折率が画素電極191の屈折率に近接するほど液晶表示装置の透過率は向上する。第2の保護膜182は、カラーフィルター230の浮き上がりを防止し、カラーフィルター230からの溶剤(solvent)のような有機物の溶出を抑制することにより液晶層3の汚染を防止し、したがって、液晶表示装置の残像性(Persistence of Vision:POV)を改善させる。
また、第1の保護膜181上に直接形成された第2の保護膜182は、相対的に厚く形成されることにより平坦化の機能をする。第1の保護膜181及び第2の保護膜182の接触部位には、第1のドレーン電極175h及び第2のドレーン電極175lの終端部分をそれぞれ露出するコンタクトホール185h及び185lが形成される。コンタクトホール185h及び185lの幅は、カラーフィルター233h及び233lのそれより狭いことがあり得る。
図3及び図4A〜図4Cに示すように、画素電極層は、第2の保護膜182上に形成される。画素電極層は、副画素電極191h及び191lと、画素電極接触部192h及び192lと、十字状ブランチ部195h及び195lと、微細ブランチ197h及び197lとを含む導電層であり、微細スリット199h及び199lは、画素電極層で導電層が除去された部分である。画素電極191の厚さは、約300Å〜700Åであり得、より望ましくは約550Åである。
画素電極191は、第1の副画素190hの領域に形成された第1の副画素電極191hと第2の副画素190lの領域に形成された第2の副画素電極191lとを含む。画素電極191は、インジウムスズ酸化物(indium-tin oxide:ITO)又はインジウム亜鉛酸化物(indium-zinc-oxide:IZO)のような透明な伝導性物質で形成され得る。画素電極191の屈折率は、約1.5〜2.5であり得、IZO及びITOの屈折率は、それぞれ約1.8〜2.3及び約1.7〜2.0であり得る。本発明の一実施形態において、外部光の回折を減少させるためにITO物質で構成された画素電極は、約400Åの厚さで形成され得る。また、後述する微細ブランチ197間のスペース、すなわち、微細スリット199の領域で微細ブランチ電極又は主配向膜33及び34と類似した屈折率を有する物質が追加で形成され得る。
微細ブランチ電極197又は主配向膜33と類似した屈折率を有する物質は、TiO2、PPV(polyphenylenevinylene)又はPI−TiO2(polyfluorinated polyimides TiO2)であり得る。
画素電極191の表面で回折されるか又は反射される外部光を減少させるために、Ar、H2、O2、He、又はCl2の気体の雰囲気で画素電極191の表面のプラズマ(plasma)工程を行うことにより画素電極191の表面の粗度(roughness)を増加させることができる。また、画素電極191の上部又は下部に形成された物質の屈折率と類似した物質で画素電極191を形成することにより、回折されるか又は反射される外部光は、画素電極191の表面で最小化することができ、透過光は、最大化することができる。このように、上部膜又は下部膜と類似した屈折率を有する透明画素電極の材料は、ナノワイヤー(Nanowire:NW)、酸化亜鉛(ZnO)、又は伝導性ポリマーであり得る。このような材料は、約1.8又はそれ以下の屈折率を有する画素電極として形成されることができる。ナノワイヤー(NW)は、約10−9m〜約10−8mの直径及び約10−7m〜約10−6mの長さを有する針状の導電性粒子であり、ポリマーと混合されることにより画素電極として形成されることができる。ナノワイヤー(NW)は、銀(Ag)を含むことができ、銀(Ag)で構成されたナノワイヤー(NW)を有する画素電極の抵抗は、約50〜250Ωであり得る。
第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191lは、それぞれ第1の画素電極接触部192h及び第2の画素電極接触部192lと、十字状ブランチ部195h及び195lと、それぞれの副画素電極191h及び191lの外郭を取り囲む縦接続部193h及び193lと、横接続部194h及び194lとを含む。十字状ブランチ部195h及び195lの各々は、図3中の横方向に延在する横ブランチ部及び縦方向に延在する縦ブランチ部を含む。
第1の画素電極接触部192h及び第2の画素電極接触部192lは、それぞれ第1の保護膜181又は第2の保護膜182のコンタクトホール185h及び185lを介して第1の薄膜トランジスタQh及び第2の薄膜トランジスタQlのドレーン電極175h及び175lと接触する。
本発明の実施形態に従って、高精密(High-definition)パターン工程、すなわち、微細ブランチ197又は微細スリット199の幅を約5μm以下に形成する工程を簡略に説明する。
下部層上に画素電極層として形成される導電性金属の蒸着又はコーティングが行われる。感光性フォトレジスト(Photoresist)は、導電性金属上にコーティングされる。感光性フォトレジスト(PR)は、写真リソグラフィー(photo-lithography)工程により画素電極層のパターンと類似したパターンを有する。微細ブランチ197又は微細スリット199の幅が非常に狭いために、このとき形成されたフォトレジスト(PR)のパターンは、フォトレジスト(PR)の残余物(residue)を有するか又は一部の不良パターンを有することがある。これを改善するためには、アッシング(ashing)工程又は乾式エッチング(dry etching)工程が行われることができる。この後に、導電性金属がエッチングされ、フォトレジスト(PR)が除去された後に、画素電極層のパターンが形成される。
本発明の実施形態に従って、下部膜との接着性を向上させることにより高精密パターンを実現するために、感光性フォトレジスト(PR)は、接着促進剤(adhesion promoter)、すなわち、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)−[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロナート(Bis(1,2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidinyl)-[[3,5-bis(1,1-dimethylethyl)-4-hydroxyphenyl]methyl]butylmalonate))を含むことができる。すなわち、感光性フォトレジスト(Photoresist)は、マトリックス(matrix)として約15重量(wt)%〜25重量(wt)%、より望ましくは、約20重量%のクレゾールノボラック樹脂と、約3重量%〜7重量%、より望ましくは、約5重量%の感光剤(photo-sensitizer)と、接着促進剤として約0.1重量%〜10重量%のビス(1,2,2,6,6ペンタメチル−4−ピペリジニル)−[[3,5−ビス(1,1-ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロナート(Bis(1,2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidinyl)-[[3,5-bis(1,1-dimethylethyl)-4-hydroxyphenyl]methyl]butylmalonate))とを含む固形物を溶解させ、例えば、約65重量%〜約74.95重量%のポリ2グリシジルメタクリレート(poly(2-glycidyl methacrylate:PGMEA)のような溶媒中に溶解させることにより製造されることができる。
クレゾールノボラック樹脂は、約7,000重量平均分子量〜約9,000重量平均分子量(weight-average molecular weight)を有することができ、メタクレゾール(meta-cresol)対パラクレゾール(para-cresol)の比が約6:4に混合されたクレゾールモノマー(monomer)とホルムアルデヒド(formaldehyde)とをシュウ酸触媒(oxalic acid catalyst)下で縮合反応(condensation reaction)により製造されることができる。
感光剤(photo-sensitizer)は、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン(2,3,4,4’-tetrahydroxybenzophenone)及びナフトキノン1.2−ジアジッド5−スルホニルクロライド(Naphthoquinone 1.2-diazide-5-Sulfonylchloride)化合物を縮合反応により製造された化合物であるか、又は4,4’,4”−エチリジントリスフェノール(4,4’,4”-Ethylidyne tris phenol)及びナフトキノン1,2-ジアジッド−5−スルホニルクロライド(Naphthoquinone 1.2-diazide-5-Sulfonylchloride)化合物を縮合反応により製造された化合物であり得る。このような組成物を有するフォトレジスト(PR)は、下部膜との密着性がよいために写真リソグラフィー工程で高精密パターンが形成されることができる。
他の実施形態による画素電極191は、第2の保護膜182の形成なしにカラーフィルター230層又は第1の保護膜181層上に形成されることができ、3つ以上の副画素電極を有することができる。
下板配向膜291は、画素電極191上に形成される。下板配向膜291は、上板配向膜292と実質的に同一であるので、説明の便宜上、その説明を省略する。
1対の表示板100及び200を一定の間隔、すなわち、セル間隔で保持するスペーサ250と液晶層3とが下部表示板100と上部表示板200との間で形成される。液晶層3を構成する液晶の屈折率は、約1.3〜1.6であり得、より望ましくは約1.48である。
液晶表示装置の透過率を向上させるために、カラーフィルター230が下部表示板100に形成された場合、下部表示板100の画素電極領域に形成された窒化ケイ素の全厚さは、約3、500Å〜4000Åであり得、カラーフィルター230が上部表示板200に形成された場合に、下部表示板100の画素電極領域に形成された窒化ケイ素の全厚さは、約4、000Å〜5000Åであり得る。この際、窒化ケイ素の全厚さは、ゲート絶縁膜及び保護膜を構成する窒化ケイ素の厚さを合せたものである。
本発明の実施形態において、下部基板、窒化ケイ素で形成されたゲート絶縁膜、窒化ケイ素で形成された第1の保護膜、有機絶縁物又は有機・無機絶縁物で形成された第2の保護膜、及びIZO又はITOで形成された画素電極の屈折率は、それぞれ約1.5、約1.9、約1.9、約1.65〜1.9、及び約1.9であり、これらを有する液晶表示装置は、従来の液晶表示装置の透過率より約2%の透過率をさらに向上させることができる。また、液晶分子の平均屈折率は、1.7以上であり得る。
本発明の他の実施形態において、下部基板、有機絶縁物、又は有機・無機絶縁物で形成されたゲート絶縁膜、有機絶縁物又は有機・無機絶縁物で形成された第1の保護膜、及びIZO又はITOで形成された画素電極の屈折率は、それぞれ約1.5、約1.55、約1.55〜1.9、及び約1.9であり、これらを有する液晶表示装置は、従来の液晶表示装置の透過率より約4%の透過率をさらに向上させることができる。
以下、本発明の実施形態による画素電極191の形態を図3、図5A、図5B、図16A〜図16G、及び図17A〜図17Gを参照して詳細に説明する。図5Aは、図3に示す第2の副画素電極191lの中央部A5を拡大した画素電極平面図であり、図5B及び図17A〜図17Gは、図3に示す画素電極平面図の他の実施形態として画素電極を拡大した平面図である。また、図16A〜図16Gは、微細ブランチ197又は微細スリット199を構成する基本形状である。
液晶表示装置の側面視認性及び輝度を向上させるために、各画素PX領域に形成された画素電極191と副画素電極191h及び191lとの外郭形状、副画素電極191h及び191l の面積比、画素電極191の形状、微細ブランチ197又は微細スリット199の幅及び分布、及び微細ブランチ197の方向のような様々なパラメータが考慮されなければならない。また、以下に提示された数値は、単に例示に過ぎず、液晶層3のセルギャップ、液晶種類、及び配向膜の特性のような要素に従って変わり得る。
画素電極及び副画素電極の外郭形状
画素電極191は、第1の副画素電極191hと第2の副画素電極191lとに分離される。分離された第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191lは、それぞれ第1の液晶蓄電器Clch及び第2の液晶蓄電器Clclを有し、第1の液晶蓄電器Clch及び第2の液晶蓄電器Clclは、相互に異なるサイズを有する。画素電極191とこれを構成する副画素電極191h及び191lとの外郭形状は、四角形状である。他の実施形態による画素電極191とこれを構成する副画素電極191h及び191lとの外郭形状は、ジグザグ、放射形、又は菱形(rhombic)であり得る。第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191lは、縦方向に例えば図3に示すように上下に離隔しており、これにより、ゲート線121と離隔するために不必要な寄生容量の結合が減少し、キックバック電圧(Kickback Voltage:Vkb)が減少する。また他の実施形態による画素PXは、3個以上の互いに離隔された副画素で構成され得る。もう1つの実施形態による第1の副画素電極191hは、第2の副画素電極191lにより実質的に囲まれることがある。
副画素電極の面積比
液晶表示装置の側面視認性(side visibility)を向上させ、輝度損失を減少させるために第2の副画素電極191lの面積は、第1の副画素電極191hの面積に対して約1倍〜3倍であり、より望ましくは、約1.5倍〜2倍である。図3に示す第2の副画素190lの面積は、第1の副画素190hの面積に対して約1.75倍である。側面視認性は、側面視野角(side viewing angle)と関連した液晶表示装置の視認性を意味する。側面で視認される映像の画質が正面で視認される映像の画質に近接するほど側面視認性がさらに良い。
画素電極の形状
図3を参照すると、第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191lは、それぞれ十字状ブランチ部195h及び195lを有しており、副画素電極191h及び191lの各々は、十字状ブランチ部195h及び195lにより分けられた4個のドメインを有する。各ドメインは、十字状ブランチ部195h及び195lから外側に斜めに伸張する複数の微細ブランチ197h及び197lを有する。図5A及び図5Bを参照すると、微細ブランチ197h及び197lは、直線形状又はジグザグ形状を有する。
隣接する微細ブランチ197hと197lとの間にある微細スリット199h及び199lは、微細ブランチ197h及び197lと交互に配列される。微細ブランチ197h及び197lの各々は、十字状ブランチ部195h及び195lの横ブランチ部195a及び縦ブランチ部195vの中の少なくとも1つに対して対称的に形成されることができる。
他の実施形態において、十字状ブランチ部の横ブランチ部195aと縦ブランチ部195vとが交差する部分において、横ブランチ部195a及び縦ブランチ部195vの中の少なくとも1つが他のブランチ部と交差する位置から約2〜5μm離れるように、各微細ブランチ197h及び197lが形成され得る。また、十字状ブランチ部の横ブランチ部195a又は縦ブランチ部195v上に凸状又は凹状の屈曲が形成され得る。このように、微細ブランチ197h及び197lの各々は、横又は縦ブランチ部が交差する位置から離れた形態であり、横又は縦ブランチ部上に屈曲が形成されるため、各ドメインに形成された液晶分子の配列が他のドメインの液晶分子の配列と干渉しないことにより、画素領域でテクスチャー(texture)が減少する。
図5Aは、図3に示す第2の副画素電極の中央部A5を拡大した図である。ストライプ(stripe)状の微細ブランチ197及び微細スリット電極が示される。第2の副画素電極の中央部は、図示するように、微細ブランチの幅は、Sであり、微細スリットの幅は、Wである。微細スリット199と微細ブランチ197とは、交互に配置される。すなわち、微細スリット199は、微細ブランチ197との間に位置する。微細スリットの幅(W)は、順次に変わり、これについての詳細は、以下に説明する。
図5Bを参照してジグザグ形状の微細ブランチ197及び微細スリットについて説明する。微細ブランチ197h及び197lの形状は、微細スリット199h及び199lの形状と実質的に同様であるために、説明の便宜上、微細ブランチ197h及び197lの形状について詳細に説明する。液晶表示装置に入射した外部光が画素電極191に反射されることにより虹ムラが発生することを防止するために、図5Bに示すように、ジグザグ状で形成された微細ブランチ197を有する画素電極191が形成されることができる。ジグザグ状は、反復的であり周期的な方式で谷(valley)及び山(ridge)を有することができる。
以下、液晶表示装置で虹ムラが発生する原因を簡単に説明する。液晶表示装置に入射した可視光が回折格子として機能するエレメント、例えば、微細ブランチにより、可視光が液晶表示装置内において回折され、その回折光により液晶表示装置は反射光を出力する。可視光は、相互に異なる波長で構成されているために、回折された反射光は、回折角が異なる回折パターンを有する。したがって、蛍光灯の光が液晶表示装置に入射する時、この回折パターンは、虹色を有するために液晶表示装置で虹ムラが視認される。可視光の回折は、可視光が入射する物質の屈折率差及び回折格子機能をする画素電極の構造により主に発生し得る。したがって、液晶表示装置を構成する画素電極、液晶、配向膜、及び絶縁物などの屈折率差を減少させる場合、可視光の回折を減少させることにより虹ムラを減らすことができ、また、回折格子の機能をする画素電極の構造が調節される場合、可視光の回折が分散されることにより虹ムラが減少することができることが本発明者により発見された。
したがって、微細ブランチ電極が回折格子の機能をすることを最小化するために画素電極の構造を最大限かつ適切にランダムに形成しなければならない。画素電極の構造をランダムにするために微細ブランチ電極の方向、幅、周期、形状、及び間隔などを適宜ランダムに形成しなければならない。
各ドメイン領域において、2個以上の方向、又は異なるドメインで異なる方向を有するように微細ブランチ電極の方向が設定されることができる。微細ブランチの幅は、隣接した微細ブランチの幅について徐々に(gradually)変化するように決定されることができる。1つのドメインで複数の微細ブランチの幅が一定の周期を有する1つのグループが形成され、また、幅が異なる周期を有する複数のグループが形成されるように微細ブランチ電極が周期的に配置されることができる。
図5A、図5B、及び図16A〜図16Gを参照すると、微細ブランチ197の電極又は微細スリット199は、直線からなるストライプ状、バット(bat)状、ジグザグ状、多重折りジグザグ(multi-broken zigzag)状、波状、エンタシス状(entases)、ペアエンタシス状(paired entases)、組合せエンタシス(combined entases)A又は組合せエンタシスBの形状を有し得る。
図16A〜図16Gに示す形状の各々は、周期的な形態を有する微細ブランチ197又は微細スリット199の基本単位であり得、基本単位画素電極の形状である。基本単位画素電極の形状の各々又は組合せにより微細ブランチ197又は微細スリット199が構成されることができる。基本単位画素電極の形状の基本単位長さは、約4μm〜約25μmであり、幅は、約1.5μm以上であり得る。
図16Aは、角θba1及びθba2でそれぞれ折られた多重折りジグザグ形状を示す。角θba1と角θba2とは相互に異なり得る。図16Bは、角θbbで湾曲するように曲げられた波形状を示す。図16Cは、中間部分の幅が両端部分の幅より狭いエンタシス形状を示す。エンタシス形状は、微細電極197又は微細スリット199の形状に適用されることができる。図16Dは、ペアエンタシス(paired entases)形状を示す。このペアエンタシス形状は、角θbd1で曲げられた屈曲線と、直線と、で挟まれて構成された形状と、この形状の対称形状の対とで構成される。本発明の他の実施形態に従って、角θbd1と角θbd2とは相互に異なり得る。
図16Eは、組合せエンタシス(combined entases)Aの形状を示す。組合せエンタシスAの形状の基本単位は、図16Dのエンタシス形状の2つを1組とするものが複数組み合わせられたペアエンタシス形状と、ペアエンタシス形状内の2個の曲げられた屈曲線の間でダイアモンド形状が連続的に接続された形状と、が組み合わされた形状である。図16Fは、組合せエンタシスBの形状を示す。組合せエンタシスBの形状は、図16Dのエンタシス形状の2つを1組とするものが複数組み合わせられたペアエンタシスの形状と、ペアエンタシス形状内の2つの直線の間でダイアモンド形状が連続的にで接続された形状と、が組み合わされた形状である。
図16Gは、異なる幅を有するストライプで結合された棒(bat)形状を示す。棒形状は、2個以上の幅、例えば、約1.8μm、約3.2μm、約4.5μmの幅が繰り返し接続されたストライプ形状であり得る。ストライプ形状の基本単位画素電極の形状は、図5Aと関連して上述し、ジグザグ形状については、図5Bと関連して後述する。
本発明の実施形態に従って基本単位画素電極の形状の各々又は組合せにより微細ブランチ197又は微細スリット199が構成されることができる。また、基本単位画素電極の形状の各々又は組合せにより基本単位の長さが異なって組み合せられた微細ブランチ197又は微細スリット199が構成されることができる。下記の説明において、画素電極は、基本単位画素電極の形状を用いて形成される。
本発明の実施形態に従って、基本単位画素電極の形状で構成された微細ブランチ電極は、隣接した微細ブランチ電極とは異なる間隔で形成されることができる。
また、カラーフィルター230が下部表示板100に形成される場合に、外部可視光が多く入射することにより外部可視光の入射を減少させるためにカラーフィルター230が上部表示板200に形成されることができる。
以下、図5Bを参照して、虹ムラを減少させるためにジグザグ形状で形成された微細ブランチ197lについて簡略に説明する。ジグザグ形状で形成された微細ブランチ197lは、ジグザグ単位の長さ(P5)とジグザグ角(θ5)とで構成される。ジグザグ単位の長さ(P5)について、微細ブランチ197h及び197lの各々は、直線長さを有し、直線長さは、約3μm〜25μmであり、より望ましくは、約4μm〜10μmである。
各ドメインに形成された微細ブランチ電極197の主方向は、図5Bに示すピーク点PK1及びPK2を接続した線が伸張する方向である。PK1及びPK2のピーク点は、1つの微細ブランチ電極197において、周期的に屈曲する屈曲点において1周期の隣接した点である。
ジグザグ角θ5は、微細ブランチ電極197の主方向の線及びジグザグ単位の長さP5に対応する線間が屈曲される角度であり、ジグザグ角θ5は、約0°〜±40°であり、より望ましくは、約±12°〜±20°である。大きいジグザグ角θ5又は様々なジグザグ角θ5を有する画素電極によって、回折した回折光が分散されるために、液晶表示装置の虹ムラは減少することができる。
ジグザグ形状で形成された微細ブランチ197lは、十字状ブランチの横ブランチ部195a及び縦ブランチ部195vの近傍から各副画素電極191h及び191lの外郭まで伸張する。微細ブランチ197を構成するジグザグ形状が多いほどジグザグ形状で回折する回折光の回折点が多いために、液晶表示装置の虹ムラを減少させることができる。画素電極191の微細ブランチ197lに反射される光は、波長により干渉効果が異なるために、基本色カラーフィルターの画素電極191に形成された微細ブランチ197は、ジグザグ単位の長さP5とジグザグ角θ5とを異なって有することができる。このように基本色の画素により相互に異なるジグザグ形状の微細ブランチ197lが画素電極に形成されると、液晶表示装置の虹ムラが減少する。
他の実施形態において、画素電極191を構成する1本の微細ブランチ197が相互に異なるサイズのジグザグ単位の長さP5を有することができる。このように形成された微細ブランチ197が高い不規則性を有するために、微細ブランチ197により回折される回折光は、分散され、液晶表示装置の虹ムラは減少することができる。
また他の実施形態において、画素電極191を構成する1本の微細ブランチ197h及び197lが直線とジグザグとの混合された形状で構成されることができる。もう1つの実施形態において、直線形状で形成された微細ブランチ197h及び197lとジグザグ形状で形成された微細ブランチ197h及び197lとが混合された微細ブランチ電極が1つのドメインで構成されることができる。
以下、図17A〜図17Gを参照して他の実施形態による微細ブランチ及び微細スリット199の形状について説明する。微細ブランチ197及び微細スリット199の形状は、実質的に同様であるので、説明の便宜上、微細ブランチ197の形状について詳細に説明する。図17A、図17B、図17C、及び図17Eに示す微細ブランチ197及び微細スリット199は、ジグザグ形状を有する。微細ブランチ197のそれぞれの幅S及び微細スリット199のそれぞれの幅Wについては、図3又は図5Aを参照して上述した。
図17Aに示す画素電極の平面図は、本発明の特徴に従って微細ブランチ197又は微細スリット199のそれぞれの幅が順次に変わることを示す。図17Aは、4個のドメインDga1、Dga2、Dga3、及びDga4で構成された画素電極の平面図である。4個のドメインは、相互に異なる方向に伸張する微細ブランチ197を有し、このドメインは、十字状ブランチ195により区分され、十字状ブランチ195に接続される。各ドメインを構成する微細ブランチ197の構造、例えば、形状、長さ、幅及び/又は方向は、十字状ブランチ195の横ブランチ部195a及び縦ブランチ部195v対して対称である。他方、ドメインを構成する微細ブランチ197の構造は、各ドメインに従って異なる構造、例えば、十字状ブランチ195の横ブランチ部195a及び縦ブランチ部195vについて非対称構造で設計されることができる。
また、ドメインDga1に示すように、ドメインDga1は、複数の微細ブランチ197と複数の微細スリット199とで構成された複数のサブドメインGga1〜Gganを含む。複数のサブドメイン(sub-domain)は、微細ブランチ197の幅、微細スリット199の幅、ジグザグ角、ドメインの主方向θdga1及びθdgan又はジグザグ単位の長さZLa1及びZLanにより他のサブドメインから識別されることができる。本発明の一実施形態に従って、サブドメインは、微細ブランチ197の幅及び微細スリット199の幅により識別される。すなわち、第1のサブドメインGga1を構成する微細ブランチ197の幅又は微細スリット199の幅が同一であり、第nのサブドメインGganを構成する微細ブランチ197の幅又は微細スリット197の幅とは異なる。他のドメインDga2、Dga3、及びDga4内の微細ブランチ197又は微細スリット199は、ドメインDga1で上述した構造と同一であり得る。
本発明の一実施形態に従って、各ドメインDga1、Dga2、Dga3、及びDga4を構成する微細ブランチ197の幅S及び微細スリット199の幅Wは、それぞれ約2.0μm〜約6μmであり、図17Aの点線の矢印方向に沿って徐々に大きくなり得る。点線矢印が出発する部分、すなわち、ドメインDga1に示す第1のサブドメインGga1において、微細ブランチ197の幅Sga1及び微細スリット199の幅Wga1は、それぞれ約2.5μmであり、点線矢印が終了する部分、すなわち、ドメインDga1に示す第nのサブドメインGganで微細ブランチ197の幅Sganと微細スリット199の幅Wganとはそれぞれ約5μmであり得る。点線矢印が通過する中間部分のサブドメインにおいて、微細ブランチ197の幅及び微細スリット199の幅は、それぞれ約2.5μm〜5μmの範囲内の1つの値であり得る。点線矢印方向に沿って微細ブランチ197の幅及び微細スリット199の幅が増加するサイズは、約0.25μmであり得る。
また、ドメインDga1、Dga2、Dga3、及びDga4の各々を構成し、そこに示すジグザグ単位の長さPga1及びPganは、約5μm〜20μmであり得る。ジグザグ単位の長さは、十字状ブランチ195の横ブランチ部195a又は縦ブランチ部195vから遠くなる方向に徐々に増加することができる。
また、各ドメインDga1、Dga2、Dga3、及びDga4を構成する微細ブランチ197又は微細スリット199の主方向θdgaに対する主方向角は、方向D1に対して約±30°〜約±60°であり得、より望ましくは、約±40°〜±50°であり得る。微細ブランチ197の主方向θdgaは、ドメインDga1に示す微細ブランチのピーク点Pga1及びPga2を接続した直線の方向である。微細スリット199又は各微細ブランチ197の主方向と、上述した方向D1、例えば、以下では、偏光子の偏光軸と、の間の角を微細スリット199又は微細ブランチ197の“主方向角”と呼ぶ。
ドメインDga1に示すジグザグ角θga1、θganは、微細ブランチ197又は微細スリット199の主方向に対して約0°〜約±40°であり得、より望ましくは約0°〜約±30°であり得る。図17Aに示すジグザグ角の絶対値は、点線矢印方向に約2°〜約5°の範囲内の1つの値づつ徐々に増加することができる。すなわち、第1のサブドメインGga1に形成された第1のジグザグ角θga1は、0°であり得、第nのサブドメインGganに形成された第nのジグザグ角θganは、+30°又は−30°であり得る。
なお、微細ブランチ197又は微細スリット199の主方向は、図5Bと関連して上述したように決定されることができる。すなわち、ジグザグのピーク点を接続した直線方向により決定されることができる。このように形成された画素電極の構造が不規則性を有するために、液晶表示装置の虹ムラは格段に減少することができる。
図17B乃至図17Gと関連した下記の説明では、図5A、図5B、及び図17Aと関連して既になされた説明は省略され、図17B乃至図17Gの可能な特徴のみを詳細に説明する。図17Bを参照すると、4個のドメインDgb1、Dgb2、Dgb3、Dgb4の各々は、複数の第1乃至第nのサブドメインGgb1〜Ggbnを有する。ドメインDgb1、Dgb2、Dgb3、及びDgb4内の微細ブランチ197及び微細スリット199は、十字状ブランチ部195に対して非対称に形成される。
図17Bに示す画素電極の平面図において、微細ブランチ197及び微細スリット199は、本発明の特徴に従って複数のドメインDgb1、Dgb2、Dgb3、及びDgb4の各々で形成される。4個のドメインDgb1、Dgb2、Dgb3、及びDgb4を形成する微細ブランチ197又は微細スリット199は、十字状ブランチ195に対して非対称的に形成されている。
ドメインDgb2において、微細スリット199又は各微細ブランチ197の主方向θdgbが形成する微細スリット199又は微細ブランチ197の主方向角は、約±45°であり、ジグザグ角θgbは、約±7°〜約±20°であり得、より望ましくは、約±10°又は±15°であり得る。ドメインDgb1、Dgb2、Dgb3、及びDgb4の各々は、同一の微細ブランチ197の主方向角とジグザグ角θgbとを有する。
サブドメインGgb1、Ggb2〜Ggbnの各々は、所定数の微細ブランチとこれらの間に介在する微細スリットとを含む。隣接した微細ブランチ−微細スリット対のそれぞれを含む微細サブドメインSWgb2は、各サブドメイン内で周期的又は反復的に形成されることができる。微細ブランチ−微細スリット対を構成する微細スリット及び微細ブランチの幅Wgb1及びSgb1は、それぞれ約3μmであり得る。したがって、各微細サブドメインSWgb2の幅は、約6μmであり得る。
本発明の実施形態において、サブドメインの各々が4本の微細ブランチ197と4個の微細スリット199とを有する場合に、各サブドメインの幅SWgb1は、約26μmであり得る。したがって、図17Bに示すように、ドメインDgb1、Dgb2、Dgb3、及びDgb4の各々は、サブドメインGgb1、Ggb2〜Ggbnを有し、サブドメインの各々は、同一の微細サブドメインの幅を有することができる。しかしながら、各ドメイン内の隣接したサブドメイン間の微細ブランチ幅Sgb2の各々は、各サブドメイン内の微細ブランチ幅の各々と異なることができる。例えば、各サブドメイン内の微細ブランチ幅の各々は、約3μmであり得、微細ブランチSgb2は、約5μmであり得る。
結局、各ドメイン内の隣接したサブドメイン間の微細ブランチ197の幅は、各サブドメイン内の微細ブランチ197の幅と異なり、ドメイン内に形成される微細ブランチ及び微細スリットは、十字状ブランチに対して非対称であるために、画素電極構造の不規則性が大きくなることにより回折された光の回折点は分散され、これにより、液晶表示装置の虹ムラは格段に減少することができる。各ドメイン内のサブドメインの個数は、画素電極のサイズに従って変わり得る。
図17Cに示す画素電極の平面図において、本発明の特徴に従って各ドメインを構成する微細ブランチ197の主方向が相互に異なることを示す。画素電極は、4個のドメイン、すなわち、Dgc1、Dgc2、Dgc3、及びDgc4で構成される。ドメインDgc1、Dgc2、Dgc3、及びDgc4は、微細ブランチ197の各ピーク点を接続することにより決定された微細ブランチ197の主方向θdgc1、θdgc2、θdgc3、及びθdgc4をそれぞれ有する。ドメインを形成する微細ブランチ又は微細スリットの主方向θdgc1、θdgc2、θdgc3、及びθdgc4の主方向角は、約30°〜約60°内で相互に異なる値であり得る。例えば、θdgc1、θdgc2、θdgc3、及びθdgc4の主方向に対する主方向角の各々は、約50°、約41.3°、約40°、及び約48.7°であり得る。また、微細ブランチ197の主方向において、微細ブランチ197のジグザグ角θgc1、θgc2、θgc3、及びθgc4は、約±5°〜約±30°の範囲内のいずれの値であり得、より望ましくは、約±10°又は約±15°であり得る。
本発明の実施形態に従って、各ドメインに形成された微細ブランチ197のジグザグ角は、相互に異なることができ、一定の方向に徐々に増加することができる。隣接した微細ブランチ197のジグザグ角の差は、約0.5°〜約5°であり、より望ましくは、約2°〜約3°であり得る。本発明の他の実施形態に従って、1つのドメインに形成された微細ブランチ197のジグザグ角は、同一のサブドメイン内に形成された微細ブランチのそれと同一であり得、他のサブドメインに形成された微細ブランチのそれと異なり得る。サブドメイン間のジグザグ角の差は、約0.5°〜約5°、より望ましくは、約2°〜約3°であり得る。他方、1つのドメインに形成された微細ブランチ197のジグザグ角は、同一のサブドメイン内に形成された微細ブランチのそれと異なり、他のサブドメインに形成された微細ブランチのそれと対称であり得る。
ドメインDgc1、Dgc2、Dgc3、及びDgc4間の対称性、各サブドメインGgc1、Ggc2〜Ggcn間の対称性、各ドメイン内のサブドメインGgc1、Ggc2〜Ggcnを構成する微細ブランチ197及び微細スリット199のそれぞれの幅Sgc1、Sgc2、及びWgc1とサブドメインGgc1、Ggc2〜Ggcnの周期性及び幅SWgc1とは、図17Bと関連して上述した説明と実質的に同様である。
このように、ドメインの中で異なる2つのドメイン内の微細ブランチ197の主方向及びジグザグ角は、相互に異なって形成されるために画素電極構造の不規則性が大きくなり、それにより、回折された光の回折点は分散され、液晶表示装置の虹ムラは格段に減少することができる。本実施形態とは異なり、各ドメインの主方向θdgc1、θdgc2、θdgc3、及びθdgc4は、対称的に対をなすこともある。
図17Dに示す画素電極の平面図において、本発明の特徴に従ってサブドメインGgd1〜Ggdnを構成する微細ブランチSgd1、Sgd2、及びSgd3の形状と微細スリットWgd1、Wgd2、及びWgd3の形状との組合せを示す。画素電極は、4個のドメイン、すなわち、Dgd1、Dgd2、Dgd3、及びDgd4で構成される。ドメインDgd1、Dgd2、Dgd3、及びDgd4の各々は、周期的に反復されたサブドメインGgd1で構成される。また、各サブドメインGgd1〜Ggdnは、複数の微細ブランチSgd1、Sgd2、及びSgd3と微細スリットWgd1、Wgd2、Wgd3とで構成され、微細ブランチ197及び微細スリット199は、上述した組合せエンタシスA(図16Eを参照)又は組合せエンタシスB(図16Fを参照)とほぼ同一の形状を有する。
微細ブランチ197は、Sgd1、Sgd2、及びSgd3で構成されることができる。微細ブランチSgd1は、直線とジグザグとの組合せで形成された形状を有する。微細ブランチSgd2は、微細ブランチSgd1と対称である形状を有する。微細ブランチSgd3は、菱形又はダイアモンド接続形状である。
微細ブランチ197の形状は、微細スリット199に適用されることができる。微細スリット199は、Wgd1、Wgd2、及びWgd3で構成されることができる。微細スリットWgd1は、2つのジグザグの組合せにより形成された形状を有する。微細スリットWgd2は、直線と微細スリットWgd1のジグザグより小さいサイズを有するジグザグにより形成された形状を有する。微細スリットWgd3は、微細スリットWgd2と対称である形状を有する。サブドメインの幅SWgdは、約10μm〜約40μmであり得、微細ブランチSgd1、Sgd2、及びSgd3と微細スリットWgd1、Wgd2、及びWgd3との各幅は、約2μm〜10μmであり得る。微細スリット199の形状は、微細ブランチ197に適用されることができる。
4個のドメインDgd1、Dgd2、Dgd3、及びDgd4を構成する微細ブランチ197、微細スリット199、及び微細ブランチ197の主方向は、十字状ブランチ195に対して相互に対称的に形成されることができる。微細ブランチ197の主方向の中のいずれか1つの主方向角は、約30°〜約60°であり、より望ましくは、約45°であり得る。
本発明の実施形態に従って、ドメイン内の微細スリット及び微細ブランチは、十字状ブランチ195に対して対称である説明がなされているが、ドメイン内の微細スリット及び微細ブランチは非対称的に形成され得、各ドメイン内で微細ブランチ197の主方向も非対称方向であり得る。このようにサブドメインを構成する微細ブランチ197の形状及び幅が様々であるために、画素電極構造の不規則性が大きくなることにより、回折された光の回折点は分散され、液晶表示装置の虹ムラは格段に減少することができる。
図17Eに示す画素電極の平面図において、本発明の特徴に従って4個のドメインDge1、Dge2、Dge3、及びDge4の各々で対角線で相互に異なる2個の方向を有する微細スリット199を含む。画素電極は、4個のドメインDge1、Dge2、Dge3、及びDge4で構成される。ドメインDge1は、サブドメインGge1及びGge2を含む。
サブドメインGge1は、幅がそれぞれSge1及びWge1である微細ブランチ197及び微細スリット199を有する。 サブドメインGge2は、幅がそれぞれSge2及びWge2である微細ブランチ197及び微細スリット199を有する。
本発明の実施形態に従って、微細ブランチ幅Sge1とSge2とが異なり得、微細スリット幅Wge1とWge2とが異なり得る。例えば、微細ブランチ幅Sge2の値は、微細ブランチ幅Sge1の値より大きいことがあり、又は微細スリット幅Wge2の値は、微細スリット幅Wge1の値より大きいことがある。
本発明の実施形態に従ってサブドメインGge1に形成された微細ブランチ幅Sge1と隣接した微細スリット幅Wge1との和は、サブドメインGge2に形成された微細ブランチ幅Sge2と隣接した微細スリット幅Wge2との和と異なり得る。例えば、サブドメインGge2に形成された微細ブランチ幅Sge2と隣接した微細スリット幅Wge2との和、例えば、約5.5μm〜約10μmであり、サブドメインGge1に形成された微細ブランチ幅Sge1と隣接した微細スリット199の幅Wge1との和、例えば、約4μm 〜約8μmより大きいことがある。
サブドメインGge1とサブドメインGge2との間には、微細ブランチ197の幅又は微細スリット199の幅が徐々に変わる他のサブドメインがあり得る。サブドメインGge1及びGge2の各々は、主方向θdgeとは異なる2つの方向θge1及びθge2を有する微細ブランチ197を有する。すなわち、各サブドメインは、方向θge1の微細ブランチ197を含む領域と方向θge2の微細ブランチ197を含む他の領域とを有する。方向θge1及びθge2の微細ブランチと方向D1との間の角は、約40°〜約50°の範囲内のいずれかの値であることもあり、約30°〜約39°の範囲内のいずれかの値であることもあり、より望ましくは、約42°及び約37°であり得る。微細ブランチ197の主方向θdgeの主方向角は、約30°〜約60°の範囲内のいずれかの値であることもあり、より望ましくは、約45°であり得る。
ドメインDge2に示すように、微細ブランチ197が方向θge1 から方向θge2に変更される点を接続した線Ieは、楕円の弧又は直線であり得る。上述した微細ブランチ197の構造は、微細スリット199の構造にも適用されることができる。ドメインDge1に形成された構造は、他のドメインDge2、Dge3、Dge4に適用されることが可能であり、ドメインの各々に形成された画素電極の構造は、十字状ブランチ195の横部195a又は縦部195vに対して対称であり得る。このように形成された画素電極は、液晶層内の電場強度を変化させることにより液晶表示装置の側面視認性を向上させることができる。また、画素電極構造の不規則性が大きくなることにより、外部光の回折点は分散され、液晶表示装置の虹ムラは格段に減少することができる。
本発明の他の実施形態に従って、方向θge2を有する微細ブランチ197は、方向θge1を有する微細ブランチ197よりデータ配線に近く隣接し、データ線171と方向θge2との間の角は、データ線171と方向θge1との間の角より大きいことがある。このように、データ線171に隣接し、方向θge2の微細ブランチ197は、方向θge1の微細ブランチ197よりデータ線171にさらに垂直であるために、データ線171に隣接した液晶分子の主軸又は長軸は、十字状ブランチに隣接した液晶分子よりデータ線171に垂直方向に配列する。したがって、データ線171にほぼ垂直方向に配列された液晶分子の主軸又は長軸は、データ線171に垂直である方向に視認性を示す側面視認性を向上させることができる。また、方向θge1を有する微細ブランチ197は、方向θge2を有する微細ブランチ197よりデータ線171にさらに平行に配列されることにより、方向θge1を有する微細ブランチ197によりデータ線171に平行である方向に視認性を示す側面視認性を向上させることができる。このように、2個又はそれ以上の方向に配列された微細ブランチ197を有する画素電極は、液晶表示装置の側面視認性を向上させることができる。
図17F及び図17Gに示す微細ブランチ197及び微細スリット199は、直線(stripe)形状を有する。微細ブランチ197の幅S及び微細スリット199の幅Wは、図3又は図5Aと関連して上述したものと同様であり得る。
図17Fに示す画素電極の平面図において、本発明の特徴に従って微細スリット199の幅が十字状ブランチ195の横部195a又は縦部195vから画素電極の外側、すなわち、縦接続部193又は横接続部194に伸張する時に徐々に増加する。すなわち、微細スリット199が画素電極の外側に伸張するに従ってそれらの幅が徐々に大きくなる。
画素電極は、4個のドメインDgf1、Dgf2、Dgf3、及びDgf4で構成される。ドメインDgf1は、サブドメインGgf1とGgf2とを含む。サブドメインGgf1は、幅が伸張する方向に沿って変わる微細ブランチ幅Sgf1及び微細スリット幅Wgf1をそれぞれ有する微細ブランチ197及び微細スリット199を有する。
また、サブドメインGgf1は、主方向角θdgf1及びθdgf2を有する微細スリット199又は微細ブランチ197を有する。ここで、微細スリット又は微細ブランチの主方向角は、微細スリット又は微細ブランチの幅の中心点(central point)を接続した直線と偏光子の偏光軸又はD1間の角を意味する。サブドメインGgf1を構成する微細スリット199の幅Wgf1は、十字状ブランチ195の横部195a又は縦部195vから画素電極の外側、すなわち、縦接続部193、横接続部194又は画素電極に伸張する時に徐々に大きくなる。微細ブランチ197の幅Sgf1は、十字状ブランチ195の横部195a又は縦部195vから画素電極の縦接続部193、横接続部194、又は画素電極の外側に伸張する時に徐々に大きくなるか、又は一定であり得る。
本発明の他の実施形態に従って、サブドメインGgf1に示す微細スリット199の主方向θdgf1及びθdgf2は、相互に異なることがある。サブドメインGgf1において、サブドメインGgf2に隣接した微細スリット199の主方向θdgf1に対する主方向角は、サブドメインGgf2内の他の微細スリット199の主方向θdgf2に対する主方向角より小さいことがあり、微細スリット199の主方向角は、主方向角θdgf1から主方向角θdgf2まで徐々に増加することができる。本発明の実施形態に従って、微細スリット199の主方向θdgf1及びθdgf2に対する主方向角は、約30°〜約55°であり得る。微細ブランチ197の主方向角は、微細スリット199の主方向角と実質的に同様である。
サブドメインGgf1に示す微細スリット199の主方向θdgf1及びθdgf2に対する主方向角の中のいずれか1つは、サブドメインGgf2に示す微細スリット199の主方向角より大きいことがあり得る。サブドメインGgf2は、伸張する方向に沿って幅がそれぞれ一定の微細ブランチ幅Sgf2及び微細スリット幅Wgf2を有する微細ブランチ197と微細スリット199とを有する。微細ブランチ幅Sgf2と微細スリット幅Wgf2との値は、実質的に同一であり得る。他方、液晶層に印加される電場の強度を調節するためには、微細ブランチ幅Sgf2と微細スリット幅Wgf2とを異ならせることもある。サブドメインGgf2に示す微細スリット199又は微細ブランチ197の主方向は、実質的に同様である。ドメインDgf1に形成された画素電極の構造は、他のドメインDgf2、Dgf3、Dgf4にも適用されることが可能であり、各ドメインに形成された画素電極の構造は、十字状ブランチ195の横部195a又は縦部195vに対して対称であり得る。このように形成された微細ブランチ197と微細スリット199とを含む画素電極は、サブドメインに従って液晶層に形成された電場の強度を調節するために、液晶表示装置の側面視認性を向上させるか、又は液晶表示装置の虹ムラを格段に減少させることができる。
図17Gに示す画素電極の平面図において、本発明の特徴に従って、2個又はそれ以上の幅を不連続的に有する複数の微細ブランチ197と複数の微細スリット199とを有する。図17Gに示す画素電極は、4個のドメインDgg1、Dgg2、Dgg3、及びDgg4で構成される。
ドメインDgg1は、階段形状(stair shape)の微細ブランチ197と微細スリット199とを有する。言い換えれば、微細ブランチ197及び微細スリット199は、不連続的でありかつ様々な幅を有する。図面に示すように、各微細ブランチ197は、Sgg1、Sgg2、及びSgg3の幅を有し、各微細ブランチ197の幅は、十字状ブランチ195の横部195a又は縦部195vから画素電極の外側に伸張する時に、幅Sgg1、Sgg2、及びSgg3の順に不連続的に増加することができる。微細ブランチ幅Sgg1、Sgg2、及びSgg3の各々は、約2.0μm〜約6μm範囲のいずれか1つの値であり得る。本発明の実施形態に従って、微細ブランチ幅Sgg1、Sgg2、及びSgg3は、それぞれ約1.8μm、約3.2μm、及び約4.5μmであり得る。
微細ブランチ幅Sgg1、Sgg2、及びSgg3に隣接した微細スリット幅は、Wgg1、Wgg2、及びWgg3をそれぞれ有することができる。微細スリット幅Wgg1、Wgg2、及びWgg3の各々は、約2.0μm〜約6μmの範囲内のいずれか1つの値であり得る。本発明の実施形態に従って、微細スリット幅Wgg1、Wgg2、及びWgg3は、それぞれ約4.5μm、約3.2μm、及び約1.8μmであり得る。隣接した微細ブランチ−微細スリット対の各々で、微細ブランチ幅と微細スリット幅との和は、2個以上の値を有することができる。
本発明の実施形態に従って、ドメインに対角して位置した少なくとも1つの微細ブランチ197について、微細ブランチ幅Sgg1、Sgg2、Sgg3、Sgg2、及びSgg1は、十字状ブランチ195の横部195a又は縦部195v、又は画素電極の中心部から画素電極の外側に伸張する時に 不連続的に増加し減少することができる。本発明の実施形態に従って、少なくとも1つの微細ブランチ197が十字状ブランチ195の横部195a又は縦部195vからドメインの中央部に伸張する時に不連続的な幅が増加し、ドメインの中央部から画素電極の縦接続部193、横接続部194、又は画素電極の外側に伸張する時に不連続的な幅が減少することができる。
また、他の微細ブランチ197が十字状ブランチ195の横部195a又は縦部195vから外側に伸張する時に、不連続的な微細ブランチ幅が増加し、他の微細ブランチが十字状ブランチ195の横部195a又は縦部195vから外側に伸張する時に不連続的な微細ブランチ幅が減少する。
ドメインDgg1を構成するサブドメインGgg1内の微細ブランチ197は、同一の微細ブランチ幅Sgg1であり得る。サブドメインGgg1は、画素電極の縦接続部193、横接続部194、又は画素電極の外側に隣接する部分に形成されることができる。ドメインDgg1に形成された微細ブランチ197又は微細スリット199のそれぞれの主方向は、微細ブランチ197又は微細スリット199の幅の中心点を接続した直線の方向であり、微細ブランチ又は微細スリットの主方向は、相互に平行である。ドメインDgg1に形成された画素電極構造は、他のドメインDgg2、Dgg3、及びDgg4に適用されることもあり、各ドメインに形成された画素電極構造は、十字状ブランチ195の横部195a又は縦部195vに対して対称であり得る。このように形成された微細ブランチ197及び微細スリット199を含む画素電極は、液晶層の液晶分子を様々な角度で傾斜するようにするために、液晶表示装置の側面視認性を向上させるか又は液晶表示装置の虹ムラを格段に減少させることができる。
他の実施形態に従う画素電極は、少なくとも1つの‘V’字状のノッチ(notch)を有し得る。言い換えれば、‘V’字状のノッチは、微細ブランチ197又は十字状ブランチ部195の電極上に凹状又は凸状で形成され得る。ノッチが画素電極に形成される場合、液晶表示装置の応答速度が大きくなり、輝度が増加する。
図3を参照すると、第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191lは、それぞれ左側及び右側に縦接続部193h及び193lを有する。縦接続部193h及び193lは、データ線171と副画素電極191h及び191lとの間で発生する寄生容量結合(capacitive coupling)を遮断する。図4B及び図4Cを参照すると、隣接する画素において、第1の副画素電極191hの縦接続部193hは、保持電極線縦部128をOLL1及びOLR1だけそれぞれ重なるようにする。OLL1及びOLR1は、それぞれ約0.5〜3μmから選択された値であり得る。隣接する画素において、第2の副画素電極191lの縦接続部193lは、保持電極線縦部128をOLL2及びOLR2だけそれぞれ重なるようにする。OLL2及びOLR2は、それぞれ約1〜3μmから選択された値であり得る。第2の副画素電極191lに形成された第2の液晶蓄電器Clclの変動を減らすために、OLL2及びOLR2は、それぞれOLL1及びOLR1より大きいか又は同一であり得る。上部表示板200に形成された遮光部材220は、第1の副画素電極191hの領域に形成された保持電極線縦部128をOBL1及びOBR1だけ重なるようにする。OBL1及びOBR1は、それぞれ約0.5〜3μmであり得る。また、上部表示板200上に形成された遮光部材220は、第2の副画素電極191lの領域内に形成された保持電極線縦部128をOBL2及びOBR2だけ重なるようにする。OBL2及びOBR2は、それぞれ約0.5〜3μmであり得る。液晶表示装置の光漏れは、OBL1、OBR1、OBL2、及びOBR2の値を工程条件及びセルギャップのサイズとマッチングすることにより改善することができる。
微細ブランチ及び微細スリットの幅及び分布
液晶表示装置の透過率及び側面視認性を向上させ、虹ムラの発生を減少させるために、液晶層3の厚さ、液晶分子31の種類、最大データ電圧、及び第1の副画素電極と第2の副画素電極との電圧比及び面積比のようなパラメータに従って微細ブランチ197の幅Sと微細スリット199の幅W(図5Aに示す)とは、様々な形態で決定されなければならない。
本発明による微細ブランチ197の幅S及び微細スリット199の幅Wは、それぞれ約2μm〜6μmであり、より望ましくは、約2.5μm〜4μmである。本発明の他の実施形態に従って、微細ブランチ197の面積が微細スリット199の面積より大きい場合に、画素電極と共通電極間の電場が大きくなるために液晶表示装置の応答速度及び透過率を増加させることができる。したがって、微細ブランチ幅Sは、この数値に限定されないこともある。
図3を参照すると、第1の画素電極191hでSとWとが一定であり、第2の画素電極191lの各ドメインは、S及びWに従って第1の領域HA、第2の領域LA、及び第3の領域MAを有する。
第1の領域HAにおいて、微細ブランチ197の幅S及び微細スリット199の幅Wは、それぞれS1及びW1で定義され、S1及びW1は、同一である。第2の領域LAにおいて、微細ブランチ197の幅S及び微細スリット199の幅Wは、それぞれS2及びW2であり、W2は、S2より大きい。第3の領域MAにおいて、微細ブランチ197の幅S及び微細スリット199の幅Wは、それぞれS3及びW3であり、S3は同一であるが、W3は、徐々に変わる。第3の領域MAにおいて、W3のサイズは、第1の領域HAから第2の領域LAに近接するほど順次に大きくなる。
望ましい実施形態による第1の画素電極191hのS及びWは、それぞれ約3μm及び約3μmであり、第2の画素電極191lのS1及びW1、S2及びW2、S3及びW3は、それぞれ約3μm及び約3μm、約3μm及び約4μm、約3μm及び約3〜4μmである。微細スリット199lの幅W3が徐々に変化するサイズは、約0.15〜0.5μm、望ましくは、約0.2μmである。他方、第3の領域MAのS3及びW3の各々は、徐々に変化し得、第2の領域LAのS2及びW2は、それぞれ第1の領域HAのS1及びW1より大きいこともある。
第2の副画素電極191lの各ドメインに形成された第1の領域HAの面積は、第2の領域LAの面積より大きい。本発明の実施形態に従って、各ドメイン、各副画素、又は、画素内で全領域の面積、すなわち、HA領域とLA領域とMA領域とを合わせた面積について、第1の領域HAの面積は、約50〜80%であり、より望ましくは、約60〜70%であり、第2の領域LAと第3の領域MAとの面積の和は、約20〜50%であり、より望ましくは、約30〜40%である。第1の領域HA、第2の領域LA、及び第3の領域MAの面積は、ドメイン別に異なる分布サイズを有することができる。第1の領域HA、第2の領域LA、及び第3の領域MAは、十字状ブランチ部195h及び195lのそれぞれの横ブランチ部及び縦ブランチ部の中の少なくとも1つについて対称的に形成されることができる。他の実施形態において、第1の領域HA、第2の領域LA、及び第3の領域MAは、第1の副画素電極191hに形成されることもある。
微細ブランチの方向
液晶層3に形成された電場により液晶分子31の長軸が微細ブランチ197h及び197lに平行である方向に傾斜するために、偏光子の偏光軸について約45°の方向に伸張する微細ブランチ197h及び197lを有する液晶表示装置は、最大透過率を有する。したがって、各副画素電極191h及び191lの微細ブランチ197h及び197lの方向に基づいて、各副画素190h及び190lの領域を通過する光の透過率の変更に基づいて液晶表示装置の輝度及び側面視認性が変わり得る。
各ドメインにおいて、微細ブランチ197及び微細スリット199の方向は、第1の方向D1及び第2の方向D2の中の少なくとも1つの方向について約0°〜45°であり、より望ましくは、約30°〜45°であり得る。第1の方向D1及び第2の方向D2は、下部表示板100又は上部表示板200に取り付けられた偏光子の偏光軸方向であり得る。
図3を参照すると、微細ブランチ197は、第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191lで偏光子の偏光軸についてそれぞれθ1及びθ2の方向に形成され、θ1とθ2とは20°の範囲内で差があり、θ1及びθ2は実質的に30°〜60°の範囲内の角度である。例えば、θ1及びθ2は、それぞれ約40°及び約45°である。本発明により、θ1はθ2と約20°以内で異なってもよい。微細ブランチ197h及び197lの方向は、十字状ブランチ195の横部195a、縦部195v、又はゲート線121の方向について約30°〜45°であり得る。ゲート線121の方向は、画素電極を構成する第1の副画素電極191hと第2の副画素電極191l間を通過する仮想線の方向であり得る。図5Bに示すピーク点PK1、PK2の周期を有するジグザグ形状の微細ブランチ197である場合に、ピーク点PK1とPK2とを接続する線が伸張する方向が微細ブランチ197の主方向である。微細ブランチ197h及び197lの方向は、ドメイン、画素、又は副画素電極191h及び191lに従って異なって決定され得る。
実施形態2
以下、図18〜図21Bを参照して本発明の他の実施形態による液晶表示板アセンブリ300を詳細に説明する。液晶表示板アセンブリ300は、本発明の特徴に従って図18〜図21Bに示す画素電極層のパターンを有することにより液晶表示装置の視認性を向上させ、ムラ及び不良を減少させることができる。
図18は、本発明の実施形態による液晶表示板アセンブリ300を構成する単位画素の概略的な配置図である。図19Aは、図18に示す画素配置の中間部分A19を拡大した図である。
図20A〜図20Dは、それぞれ図18に示す画素構造を構成する主要層に対するパターンを示し、図20Aは、ゲート層導電体のパターンを示し、図20Bは、データ層導電体のパターンを示し、図20Cは、画素電極層のパターンを示す。図20Dは、図18に示す画素電極層のパターンに対する他の実施形態を示す。したがって、図20A〜図20Dに示すゲート層導電体、データ層導電体、及び画素電極層のパターンは、それぞれ図18に示すように対応する層と同一であることが理解されなければならない。
図21A〜図21Bは、それぞれ図18に示す画素配置の線21a−21a’及び線21b−21b’に沿って切断された断面図である。図21A及び図21Bに示す断面図は、図18で省略した複数の他の層のパターンを追加で示す。図21A及び図21Bに示す液晶表示板アセンブリ300の断面図について、方向21a’及び方向21b’の断面図は、図18に示す単位画素が行及び列のマトリックス形態で反復して配置される時に、図18に示す切断線に沿って形成された断面図である。
図18〜図21Bに示す画素の構造は、図3〜図4Cと関連して上述した説明と同様であるため、説明の便宜上、重複した詳細な説明は省略する。また、図18に示す画素構造の参照符号は、複雑性を避けるために図18及び図19A〜図20Dに分散して記載する。
上述したように、液晶表示板アセンブリ300は、下部表示板100、上部表示板200、これらの表示板間の液晶層3及びこの表示板の外側又は内側に位置した偏光子を含む。以下、液晶表示板アセンブリ300の下部表示板100及び上部表示板200の積層構造について詳細に説明する。
1)積層構造
上部表示板200は、図21A及び図21Bに示すように、上部基板210上に遮光部材220、蓋膜225、共通電極270、スペーサ250(図示せず)、及び上板配向膜292(例えば、34、36)の順に積層された構造を有する。遮光部材220、蓋膜225、共通電極270、スペーサ250、及び上板配向膜292は、図4A乃至図4Cと関連して説明した製造方法及び材料により形成されることができる。遮光部材220は、データ線171と重なり得る。遮光部材220の幅は、データ線171の幅とほぼ同一であるか又は約0.5μm〜2μmだけ大きいこともある。
本発明の他の実施形態に従って、遮光部材220は、上部表示板200に形成されず、図22A及び図22Bに示すように、下部表示板100のカラーフィルター230の層と第2の保護膜182の層との間に形成されることができる。また、本発明の他の実施形態に従って上部表示板200の製造工程を単純化するために、上部表示板200は、蓋膜225を有しないこともある。本発明の実施形態に従って、スペーサ250の高さを減少させ、セルギャップを均一にするために、スペーサ250は、遮光部材220、薄膜トランジスタ(TFT)、後述するガス出口カラーフィルターホール235又はガス出口ホールカバー187と重なるように上部表示板200又は下部表示板100上に形成されることができる。
図18乃至図21Bに示す下部表示板100は、下部基板110、ゲート層導電体121、123、124h、124l、124c、125、126、127、128、ゲート絶縁膜140、半導体154h、154l、154c、線形抵抗性接触部材165、データ層導電体171、173h、173l、173c、175h、175l、175c、177c、第1の保護膜181、カラーフィルター230、第2の保護膜182、画素電極層187、189、191h、191l、192h、192l、193h、193l、194h、194l、195h、195l、196、197h、197l、198h、198l、713h、713l、715h、715l(図示せず)、717h、717l及び下板配向膜291(例えば、33,35)の順に積層された構造を有することができる。これらは、図4A乃至図4Cと関連して説明した製造方法及び材料により形成されることができる。
ゲート層導電体は、下部基板110上に形成され、パターニングされる。ゲート層導電体は、複数のゲート線121、複数の降圧ゲート線123、複数のゲート電極124、複数の保持電極線125、複数の保持電極線拡張部126、保持電極線横部127、及び保持電極線縦部128を含むことができる。ゲート層導電体を構成する構成要素は、上述した材料で形成されることができる。ゲート絶縁膜140は、ゲート層導電体上に形成され、パターニングされる。ゲート絶縁膜140は、上述した材料及び構造で形成されることができる。
半導体154は、ゲート絶縁膜140上に形成され、パターニングされる。半導体154は、第1の半導体154h、第2の半導体154l、及び第3の半導体154cを有する。半導体154は、上述したように、ゲート電極124上で相互に分離されることができる。また、半導体154は、上述した構造で上述した材料で形成されることができる。
線形抵抗性接触部材165は、半導体154上に形成されパターニングされる。線形抵抗性接触部材165は、第1のソース電極173h、第1のドレーン電極175h、第2のソース電極173l、第2のドレーン電極175l、第3のソース電極173c、及び第3のドレーン電極175cの下にそれぞれ形成された第1、第2、及び第3の線形抵抗性接触部材を有する。本発明の他の実施形態において、線形抵抗性接触部材は、データ線171の下に形成されてもよい。また、線形抵抗性接触部材165は、上述した材料及び構造で形成されてもよい。
データ層導電体は、線形抵抗性接触部材165上に形成され、パターニングされる。データ層導電体は、データ線171、第1のソース電極173h、第2のソース電極173l、第3のソース電極173c、第1のドレーン電極175h、第2のドレーン電極175l、第3のドレーン電極175c、及び保持電極線拡張部126とオーバーラップする第3のドレーン電極175cの1つの終端部分177cを有する。これらのエレメントは、上述した構造及び材料で形成されことができる。第1の薄膜トランジスタ(TFT)Qh 、第2のTFT Ql、及び第3のTFT Qcは、画素PXを駆動するために上述した構造で形成され、上述した方法で動作する。
第1の保護膜181は、データ層導電体上に形成され、パターニングされる。第1の保護膜181は、上述した材料及び構造で形成されることができ、上述した機能をする。
カラーフィルター230は、第1の保護膜181上に形成され、パターニングされる。カラーフィルターは、ガス出口カラーフィルターホール235に形成されない。ガス出口カラーフィルターホール235は、カラーフィルターを形成する工程で発生した異質物又はガスが排出されることができるホールである。ガス出口カラーフィルターホール235は、薄膜トランジスタ(TFT)、ゲート層導電体又はデータ層導電体のパターン上に形成されることができる。カラーフィルター工程が終了した後に、ガス出口カラーフィルターホール235は、保護膜又は画素電極層を形成する材料により覆われる。カラーフィルター230は、上述した材料及び構造で形成されることができる。第2の保護膜182は、カラーフィルター230又は第1の保護膜181上に形成され、パターニングされる。第2の保護膜182は、上述した材料及び構造で形成されることができる。
画素電極層は、第2の保護膜182上に形成され、パターニングされる。画素電極層は、第1の副画素190h及び第2の副画素190lにそれぞれ形成された第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191l、第1の画素電極接触部192h及び第2の画素電極接触部192l、縦接続部193h及び193l、横接続部194h及び194l、十字状ブランチ部195h及び195l、微細ブランチ197h及び197l、ジグザグ微細ブランチ198h及び198l、第1の画素電極横接続部713h及び第2の画素電極横接続部713l、第1の画素電極縦接続部715h及び第2の画素電極縦接続部715l、第1の画素電極斜線接続部714h及び第2の画素電極斜線接続部714l、第1の画素電極接続部接続点717h及び第2の画素電極接続部接続点717lを有することができ、また、ガス出口ホールカバー(outgasing hole cover)187、遮蔽共通電極(shield common electrode)196、及び遮蔽共通電極接続部189を有することができる。
図18、図21A、及び図21Bを参照すると、遮蔽共通電極196は、データ線171と重なる。遮蔽共通電極196は、データ線171に印加される電圧により上板共通電圧が歪曲されることを防止することができるか、又はデータ線171と副画素電極191h及び191l間で発生する寄生容量結合(parasitic capacitive coupling)を減少させることができる。遮蔽共通電極は、遮蔽共通電極接続部189により相互に接続されることにより等電位状態となることができる。
遮蔽共通電極196の幅は、第1の副画素領域でデータ線171の両側エッジと距離OSL3及びOSR3だけデータ線171の幅より大きくなり得、第2の副画素領域でデータ線171の両側エッジと距離OSL4及びOSR4だけデータ線171の幅より大きくなり得る。OSL3、OSR3、OSL4、及びOSR4の距離は、各々約0.5μm〜2μmの範囲内の値であり得る。また、遮蔽共通電極196は、第1の副画素領域でデータ線171の左右側に位置した保持電極線縦部128のエッジと距離OCL3及びOCR3だけ離隔することができ、第2の副画素領域でデータ線171の左右側に位置した保持電極線縦部128のエッジと距離OCL4及びOCR4だけ離隔することができる。距離OCL3及びOCR3と距離OCL4及びOCR4とは、それぞれ約0.5μm〜3μm範囲内の距離であり得る。遮蔽共通電極196は、フローティング(floating)されることにより電圧の印加を受けないか、又は所定の電圧の印加を受けることができる。この所定の電圧は、共通電圧、上板共通電圧、又は保持電極線に印加される電圧であり得る。遮蔽共通電極196は、遮光部材220h及び220lと重なることができる。
ガス出口ホールカバー(outgasing hole cover)187は、ガス出口カラーフィルターホール235を完全に覆うように形成されることができる。ガス出口ホールカバー187は、カラーフィルター230又は下部膜で発生したガスがガス出口カラーフィルターホール235を通して流れ出ることを防止する。画素電極の構造を除いた画素電極層を構成する他の構成要素は、上述した説明とほぼ同一であるために、その詳細な説明を省略する。画素電極の構造について詳細に後述する。下板配向膜291は、画素電極層上に形成される。下板配向膜291は、上述した又は後述する方法をもって上述した又は後述する材料で形成されることができ、上述した又は後述する機能を行うことができる。
2)画素電極構造
以下、図18〜図21A及び図20Bを参照して、画素電極層の構造及びデータ線171の周辺部の断面図を詳細に説明する。第1の副画素電極191hは、第1の副画素190hの領域に形成され、第2の副画素電極191lは、第2の副画素190lの領域に形成される。第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191lを構成する十字状ブランチ部195h及び195lと第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191lとの縦及び横の外郭を取り囲む縦及び横接続部193h、194h、193l、及び194lについては上述したので、その詳細な説明を省略する。
図18、図20C、図21A、及び図21Bを参照して画素電極の縦接続部193h及び193lを詳細に説明する。第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191lの各々において、縦接続部は、微細ブランチ197の終端部分に相互に接続され、電極導電体が除去された微細スリット199を孤立させる。このように形成された画素電極の縦接続部193h及び193lは、寄生容量結合を減少させることができる。
第1の副画素電極191hにおいて、縦接続部193hは、図21Aに示すようにデータ線171の左側では、保持電極線縦部128とのオーバーラップなしに保持電極線縦部128とOLL3だけ離隔しており、データ線171の右側では、保持電極線縦部128とOLR3だけ重なる。OLL3及びOLR3の値は、それぞれ約0.5μm〜2μm範囲内の値であり得る。このように、データ線171について非対称的に縦接続部193hを形成することにより他の層との誤整列(mis-alignment)により発生する画質の不良が減少することができる。画質の不良は、第2の副画素領域より第1の副画素領域で他の層との誤整列により敏感に発生し得る。図21Bを参照すると、第2の副画素電極191lにおいて、縦接続部193lは、データ線171の左側及び右側でそれぞれ保持電極線縦部128とOLL4及びOLR4だけ重なる。OLL4及びOLR4は、それぞれ約0.5μm〜2μmの範囲内のいずれか1つの値であり得る。
図18及び図19Aを参照すると、第1の画素電極の上端部及び第2の画素電極の下端部は、それぞれ横接続部194h及び194lを有する。横接続部194h及び194lは、画素電極を構成する微細ブランチ197の終端部分を相互に接続し、画素電極が除去された微細スリット199を孤立させる。横接続部194h及び194lは、保持電極線横部127と重なる。第1の画素電極の下端部には、横接続部194hが形成されないために、この部分に形成された微細ブランチ197は、相互に接続されず、他方、微細スリット199は、相互に接続されている。
第1の画素電極の下端部に位置した微細ブランチ197hは、保持電極線125と重なることができる。第2の画素電極の上端部に位置した微細ブランチ197は、相互に接続されることにより横接続部194lを有し、微細スリット199は、相互に接続されない。他方、第2の画素電極の上端部に位置した微細ブランチ197lは、降圧ゲート線123と重なることができる。このように形成された微細ブランチ197及び微細スリット199は、液晶表示装置の応答速度を迅速にすることができ、テクスチャーを減少させることができる。他方、第1の画素電極の下端部に位置した微細ブランチ197は、相互に接続されることもあり、微細スリット199は、相互に接続されないこともある。他方、第2の画素電極の上端部の微細ブランチ197は、微細スリット199により孤立されることもあり、微細スリット199は、相互に接続されることもある。
図18及び図20Cに示すように、第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191lは、それぞれジグザグ形状の微細ブランチ198h及び198lで構成された4個のドメインを有する。すなわち、第1の副画素電極191hは、4個のドメインD21h1、D21h2、D21h3、及びD21h4を有し、第2の副画素電極191lは、4個のドメインD21l1、D21l2、D21l3、及びD21l4を有する。
ドメインD21h1、D21h2、D21h3、D21h4、D21l1、D21l2、D21l3、及びD21l4は、微細ブランチ197のそれぞれのピーク点を接続した直線方向により定義される微細ブランチ197の主方向(θd21h1、θd21h2、θd21h3、θd21h4、θd21l1、θd21l2、θd21l3、及びθd21l4(図示せず)をそれぞれ有する。ドメイン内の微細ブランチの主方向の主方向角は、方向D1に対して約30°〜約60°範囲内のいずれか1つの値であり得る。
十字状ブランチの縦部195vと対向するドメイン内の微細ブランチの主方向は、十字状ブランチの縦部195vに対して対称であり得る。微細ブランチの主方向θd21l1、θd21l2、θd21l3、及びθd21l4の主方向角は、それぞれ微細ブランチの主方向θd21h1、θd21h2、θd21h3、及びθd21h4の主方向角より大きくなり得る。本発明の実施形態に従って、微細ブランチの主方向θd21h1、θd21h2、θd21h3、θd21h4、θd21l1、θd21l2、θd21l3、及びθd21l4の主方向角は、それぞれ約40.8°、約40.8°、約39.2°、約39.2°、約42°、約42°、約41.3°、及び約41.3°であり得る。
本発明の実施形態に従って、各ドメインに形成された微細ブランチ197及び微細スリット199は、それぞれ十字状ブランチの縦部195vに対して対称であるパターンを有する。
ドメインD21h1、D21h2、D21h3、D21h4、D21l1、D21l2、D21l3、及びD21l4において、微細ブランチ197のジグザグ角θ21h1、θ21h2、θ21h3、θ21h4、θ21l1、θ21l2、θ21l3、及びθ21l4(図示せず)は、約±7°〜約±30°の範囲内のいずれか1つの値であり、より望ましくは、約±10°又は約±15°であり得る。第2の副画素の各ドメインに形成された微細ブランチ197のジグザグ角は、第1の副画素の各ドメインに形成された微細ブランチ197のジグザグ角より大きくなり得る。本発明の実施形態に従って、θ21h1、θ21h2、θ21h3、及びθ21h4の値は、約10°であり得、θ21l1、θ21l2、θ21l3、及びθ21l4の値は、約15°であり得る。微細ブランチ197のジグザグ角は、上述したように、微細ブランチ197の主方向とジグザグ間の角を意味することに留意すべきである。
図18及び図20Cに示す画素電極の微細ブランチ197及び微細スリット199は、ジグザグ形状を有する。画素電極に形成されたジグザグ単位の長さは、約5μm〜20μm範囲内のいずれか1つの値であり得る。本発明の実施形態に従って、第1及び第2の副画素電極に形成されたジグザグ単位の長さは、それぞれ約14μm及び約10μmであり得る。
画素電極のドメインに形成された微細ブランチ197及び微細スリット199の幅は、それぞれ約2μm〜約5μm範囲内のいずれか1つの値であり得る。各ドメインに含まれた微細ブランチ197と微細スリット199との幅は、各ドメインに従って異なり得る。ドメインD21h1、D21h2、D21h3、及びD21h4内の微細ブランチ197hの幅と微細スリット199hの幅とはそれぞれ約2.8μm〜約3.7μm範囲内のいずれか1つの値であり得、各ドメインに示す矢印方向に微細ブランチ197の幅と微細スリット199の幅とは徐々に大きくなり得る。本発明の実施形態に従って、各ドメインで矢印が始まる部分で微細ブランチ197の幅と微細スリット199の幅とは、それぞれ約2.8μmであり得、矢印が終わる部分で微細ブランチ197の幅と微細スリット199の幅とはそれぞれ約3.3μmであり得る。本発明の他の実施形態に従って、各ドメインで矢印が始まる部分で微細ブランチ197の幅と微細スリット199の幅とは、それぞれ約3.3μmであり得、矢印が終わる部分で微細ブランチ197の幅と微細スリット199の幅とはそれぞれ約3.7μmであり得る。
ドメインD21l1、D21l2、D21l3、及びD21l4に含まれている微細ブランチ197lの幅と微細スリット199lの幅とは、それぞれ約2.8μm〜約3.9μm範囲内のいずれか1つの値であり得、各ドメインに示す矢印方向に微細ブランチ197の幅と微細スリット199の幅とは、徐々に大きくなり得る。本発明の実施形態に従って、各ドメインで矢印が始まる部分で微細ブランチ197の幅と微細スリット199の幅とは、それぞれ約2.8μmであり得、矢印が終わる部分で微細ブランチ197の幅と微細スリット199の幅とは、それぞれ約3.9μmであり得る。
各ドメインD21h1、D21h2、D21h3、D21h4、D21l1、D21l2、D21l3、及びD21l4内の微細ブランチ197の幅と微細スリット199の幅とは、それぞれ約0.2μm〜約1μm範囲内のいずれか1つの値づつ徐々に増加することができる。
以下、図20D〜図20Jを参照して本発明の他の実施形態による画素電極層の画素電極構造を詳細に説明する。図20D〜図20Jに示す画素電極層のパターンは、それぞれ図18及び図20Cに示す画素電極層のパターンに対する他の実施形態である。したがって、画素電極層を除く他の層は、図18〜図20Cに示すものとほぼ同様であるため、説明の重複を避けるために他の層についての重複する説明は省略する。
図20Dに示す第1又は第2の副画素に形成された画素電極は、本発明の特徴に従ってデータ線171に隣接した微細ブランチ197の終端部分が相互に接続されない構造を有する。すなわち、図20Dに示す第1又は第2の副画素に形成された画素電極は、図20Cに示す画素電極の縦接続部193h及び193lを有しないこともある。このように、縦接続部193h及び193lを有しないことにより画素電極がデータ線171とより遠く離れることができるためにデータ線171に隣接した画素電極で発生するテクスチャーは減少することができる。本発明の実施形態に従って、データ線171に隣接した微細ブランチ197の終端部分からそれらに隣接したデータ線171までの距離は、微細ブランチ197又は微細スリット199の幅より大きいか又は同一であり得る。また、図20Dの領域A20dに示すように、第2の副画素の上部エッジ領域での微細ブランチ197の縦終端は、その下の微細ブランチ197の縦終端よりさらに突出する。このように、上部エッジ領域A20dから突出した微細ブランチ197は、周辺部で発生した電場を遮断することによりデータ線171に隣接した画素領域で発生するテクスチャーを減少させることができる。エッジから突出した微細ブランチ197は、第1又は第2の副画素のエッジに形成されることができる。
図20Dに示す画素電極は、2個の副画素191h及び191lの電極を有し、副画素電極の各々は、4個のドメインを有する。第1の副画素191hの電極は、4個のドメインD20dh1、D20dh2、D20dh3、及びD20dh4を有し、第2の副画素1910lの電極は、4個のドメインD20dl1、D20dl2、D20dl3、及びD20dl4を有する。微細ブランチ197及び微細スリット199は、十字状ブランチ195に対して対称構造である。位置によって徐々に幅が異なる微細ブランチ197及び微細スリット199は、第2の副画素1910lの電極の4個のドメインに形成された領域MA20dに形成される。画素電極を構成する微細ブランチ197は、ストライプ形状を有する。
第1の副画素190h及び第2の副画素190lに形成された微細ブランチ197及び微細スリット199の幅は、それぞれ約2μm〜5μm範囲内のいずれか1つの値であり得、より具体的に、約2.5μm〜3.5μm範囲内のいずれか1つの値であり得る。微細ブランチ197及び微細スリット199の形状が直線である場合に、液晶層に形成された電場が強いために液晶表示装置の透過率は大きくなる。また、画素電極にわたって分布している微細ブランチ197の全領域が微細スリット199の全領域より大きい場合に、例えば、微細ブランチ197の幅がさらに大きく、微細スリット199の幅がさらに小さい場合に、画素電極と共通電極間の電場の強度が大きいために、液晶表示装置の応答速度を増加させることができ、その透過率を向上させることができる。
本発明の実施形態に従って、図20Dに示す第1の副画素190hに形成された微細ブランチ197の幅及び微細スリット199の幅は、それぞれ約2.6μm及び約2.4μmであり得、第2の副画素190lに形成された微細ブランチ197の幅及び微細スリット199の幅は、領域LA20dでは、それぞれ約2.8μm及び約3.4μm、領域MA20dでは、約2.6μm〜2.8μmの範囲内の値、約2.4μm〜3.4μmの範囲内の値、領域HA20dでは、約2.6μm及び2.4μmであり得る。領域MA20dでは、微細ブランチ197の幅及び微細スリット199の幅がそれぞれ約0.25μmだけ徐々に大きくなり得、領域MA20dでの幅は、約5μm〜10μmの範囲内の値であり得、より望ましく、約6.2μm〜10μm範囲内の値であり得る。第2の副画素190lの領域での領域LA20dと領域MA20dとを加えた幅及び領域HA20dの幅は、それぞれ約45%及び約55%であり得る。
このように形成された微細ブランチ197及び微細スリット199の方向は、第1の副画素領域では、偏光子の偏光軸に対して約40°であり得、第2の副画素領域では、偏光子の偏光軸に対して約45°であり得る。第1の副画素領域と第2の副画素領域との面積比は、約1:2であり得る。第2の副画素190lの領域に形成されたドメインD20dl1の面積とドメインD20dl2の面積とを加えたものは、ドメインD20dl3の面積とドメインD20dl4の面積とを加えたものより大きくなり得る。
本発明の他の実施形態に従って、図20Dに示す第1の副画素190hに形成された微細ブランチ197の幅及び微細スリット199の幅は、それぞれ約2.6μm及び約3.1μmであり得、第2の副画素190lに形成された微細ブランチ197の幅及び微細スリット199の幅は、それぞれLA20d領域では、約2.8μm及び約3.4μm、MA20d領域では、約2.6μm〜約2.8μmの範囲内の値、約2.4μm〜3.4μmの範囲内の値、HA20d領域では、約2.6μm及び約2.4μmであり得る。他の要素の形成条件は、上述した実施形態と同様であり得る。微細ブランチ197の幅が大きい場合に、液晶表示装置の透過率は向上し、その応答速度も増加する。しかしながら、微細スリット199の幅が狭いか又は0である場合に、液晶分子のプレチルト角の形成が容易でない。したがって、微細ブランチ197及び微細スリット199の幅を適切に組み合わせることが必要である。
図20Eは、本発明の他の実施形態による画素電極の平面図である。図20Eに示す画素電極は、本発明の特徴に従って微細ブランチ197及び微細スリット199の構造に従って5個の領域に分けられ、1個以上の領域での微細スリット199の幅は、十字状ブランチから画素電極の外郭に伸張する際に徐々に増加する。このように形成された画素電極は、液晶表示装置の輝度比曲線の屈曲を減少させるために、液晶表示装置の視認性がよくなる。輝度比曲線は、図13A及び図13Bを参照して後述するように、横軸の階調レベルに従って縦軸の輝度比が変わることを示す。
第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191lの各々は、十字状ブランチにより4個のドメインに分けられる。ドメインの各々に形成された微細ブランチ197及び微細スリット199は、十字状ブランチに対して対称構造であり得る。各副画素電極は、ストライプ状の微細ブランチ197と微細スリット199とを有する。第1の副画素電極191hは、微細ブランチ197の幅及び微細スリット199の幅の分布に従って2個の領域PH1−20e及びPH2−20eを有する。領域PH1−20eでの微細ブランチ197の幅及び微細スリット199の幅は、それぞれ伸張する方向に従って実質的に一定であり、各幅は、約1.5〜4.5μmの範囲内の値であり得、より具体的に、約3μmであり得る。また、微細ブランチ197及び微細スリット199が伸張する方向の主方向は、図面に示す方向D1又はゲート線121に対して約30°〜45°の範囲内の値又は約135°〜150°の範囲内の値であり得、より具体的には、約38°又は約142°であり得る。領域PH2−20eでの微細ブランチ197の幅は、微細ブランチ197の伸張方向に従って一定であり、微細スリット199の幅Wは、微細スリット199の伸張方向に従って十字状ブランチから遠くなる時又は副画素電極の中央から外郭に行く際に徐々に増加する。副画素電極の中心線は、副画素電極をドメインに分離する画素電極、例えば、十字状ブランチであり得る。微細ブランチ197の幅は、約1.5〜5μmの範囲内の値であり得、より具体的に、約2.5μm〜3.5μmの範囲内の値であり得る。
領域PH2−20eとの境界部において、微細ブランチ197及び微細スリット199の伸張方向は、領域PH1−20eでの微細ブランチ197及び微細スリット199の伸張方向と実質的に同様であり、領域PH2−20eとの境界部から徐々に遠くなる時に微細ブランチ197及び微細スリット199の伸張方向の主方向角は徐々に大きくなる。微細ブランチ又は微細スリットの伸張方向は、微細ブランチ又は微細スリットの幅の中心点を接続した直線の方向を意味し、直線と方向D1との間の角が微細ブランチ又は微細スリットの伸張方向角(主方向角)であることに留意すべきである。
第2の副画素電極191lは、微細ブランチ197の幅及び微細スリット199の幅の分布に従って3個の領域PL1−20e、PL2−20e、及びPL3−20eを有する。領域PL1−20eでの微細ブランチ197の幅は、微細ブランチ197の伸張方向に従って一定であり、微細スリット199lの幅W及び微細スリット199の伸張方向に従って十字状ブランチから遠くなる時又は副画素電極の中心から外郭に行く時に徐々に増加する。微細ブランチ197の幅は、約1.5〜5μmの範囲内の値であり得る。微細ブランチ197及び微細スリット199の主方向角は、十字状ブランチ195の横195aからPL2−20e領域との境界部に近接する時に徐々に大きくなる。領域PL2−20eでの微細ブランチ197の幅及び微細スリット199の幅は、それぞれの長さ方向に従って実質的に一定であり、各幅は、約1.5〜4.5μmの範囲内の値であり得、より具体的に、約3μmであり得る。また、微細ブランチ197及び微細スリット199の主方向角は、方向D1又はゲート線121の方向に対して約30°〜45°の範囲内の値又は約135°〜150°の範囲内の値であり得、より具体的には、約38°又は約142°であり得る。領域PL3−20eでの微細ブランチ197の幅の各々は、その伸張方向に従って一定であり、微細スリット199lの幅Wは、微細スリット199の伸張方向に従って十字状ブランチから遠くなる時徐々に増加する。微細ブランチ197の幅は、約1.5〜5μmの範囲内の値であり得、微細スリット199の幅は、隣接した微細ブランチ197の幅より大きいか又は同一であり得る。
領域PL2−20eとの境界部において、微細ブランチ197及び微細スリット199が伸張する方向の主方向角は、領域PL2−20eの微細ブランチ197及び微細スリット199の方向の主方向角と実質的に同様であり、領域PL2−20eとの境界部から遠くなる時徐々に大きくなる。領域PL1−20eでの微細ブランチ197及び微細スリット199の最大主方向角は、領域PL2−20eでの主方向角より小さいか又は同一であり得、領域PL3−20eでの微細ブランチ197及び微細スリット199の最小主方向角は、領域PL2−20eでの主方向角より大きいか又は同一であり得る。
領域PL1−20e及びPL3−20eでの微細ブランチ197の最大幅Sは、領域PL2−20eでの微細ブランチ197の幅より大きいか又は同一であり得る。領域PL1−20e、領域PL2−20e、及び領域PL3−20eでの微細ブランチ197の幅Sは、実質的に同様であり得る。
このように形成された画素電極構造において、領域PH2−20e及びPL3−20eに形成された画素電極は、側面で視認される輝度を減少させ、領域PH1−20e及びPL1−20eに形成された画素電極は、側面で視認される輝度を増加させるために輝度比曲線の屈曲は減少する。輝度比曲線の屈曲の減少は、各階調レベルに従って視認される輝度の変化を小さくするために、液晶表示装置の視認性を向上させる。輝度比曲線は、図13A及び図13B(後述)を参照して説明したように、横軸の階調レベルに従って縦軸の輝度比が変わることを示す。
図20Fは、本発明の他の実施形態による画素電極の平面図である。図20Fに示す画素電極は、本発明の特徴に従って微細ブランチ197及び微細スリット199の構造により5つの領域を有し、1つ以上の領域での微細ブランチ197の幅は、十字状ブランチから遠くなる時に又は副画素電極の中心線から外郭に行く時に徐々に増加する。このような画素電極を有する液晶表示装置は、図20Eと関連して説明した効果を有する。以下、重複説明を避けるために、図20Eを参照して説明した、又は上述した2つの副画素電極構成、ドメイン構造、微細ブランチ197又は微細スリット199の形状、微細ブランチ197の幅、微細スリット199の幅、微細ブランチ197及び微細スリット199の方向については省略するか又は簡単に説明する。
第1の副画素電極191hは、微細ブランチ197の幅及び微細スリット199の幅の分布に従って2個の領域PH1−20f及びPH2−20fを有する。PH1−20f領域において、微細スリット199の幅は、微細スリット199の伸張方向に従って実質的に一定であり、微細ブランチ197の幅Sは、微細ブランチ197の伸張方向に従って十字状ブランチ195から遠くなる時又は副画素電極の中心線から外郭に行く時徐々に増加する。領域PH1−20f内の微細ブランチ197及び微細スリット199の主方向角は、領域PH2−20fとの境界部に近くなる時徐々に大きくなる。領域PH2−20fでの微細ブランチ197の幅及び微細スリット199の幅の各々は、その伸張方向に沿って実質的に一定である。この領域において、微細ブランチ197及び微細スリット199の主方向角は、それぞれD1又はゲート線121に対して約30°〜45°の範囲内の値及び約135°〜150°の範囲内の値であり得、より具体的には、約38°又は約142°であり得る。領域PH1−20fでの微細ブランチ197の最大幅Sは、領域PH2−20fでの微細ブランチ197の幅より大きいか又は同一であり得る。領域PH1−20fでの微細スリット199の幅Sは、領域PH2−20fでの微細スリット199の幅と実質的に同様であり得る。
第2の副画素電極191lは、微細ブランチ197の幅及び微細スリット199の幅の分布に従って3個の領域PL1−20f、PL2−20f、及びPL3−20fを有する。
領域PL1−20fでの微細スリット199の幅は、微細スリット199の伸張方向に沿って一定であり、微細ブランチ197lの幅Sは、微細ブランチ197の伸張方向に沿って十字状ブランチから遠くなる時又は副画素電極の中心から外郭に行く時徐々に増加する。微細ブランチ197の幅は、隣接した微細スリット199の幅より大きいか又は同一であり得る。微細ブランチ197及び微細スリット199の方向に対する主方向角は、領域PL2−20fの境界部に近い時徐々に大きくなる。領域PL2−20fでの微細ブランチ197の幅及び微細スリット199の幅は、微細ブランチ197及び微細スリット199の伸張方向に沿って実質的に一定である。微細ブランチ197及び微細スリット199の主方向角は、それぞれ方向D1又はゲート線121の方向に対して約30°〜45°の範囲内の値及び約135°〜150°の範囲内の値であり得、より具体的には、約38°又は約142°であり得る。領域PL3−20fでの微細スリット199の幅は、微細スリット199の伸張方向に沿って一定であり、微細ブランチ197の幅Sは、微細ブランチ197の伸張方向に沿って十字状ブランチから遠くなる時に徐々に増加する。微細ブランチ197の幅は、隣接した微細スリット199の幅より大きいか又は同一であり得る。領域PL2−20fとの境界部において、微細ブランチ197及び微細スリット199の主方向角は、領域PL2−20fに形成された微細ブランチ197及び微細スリット199の主方向角と実質的に同様であり、領域PL2−20fとの境界部から遠くなる時徐々に大きくなる。
領域PL1−20fでの微細ブランチ197及び微細スリット199の最大主方向角は、領域PL2−20fでの主方向角より小さいか又は同一であり得、領域PL3−20fでの微細ブランチ197及び微細スリット199の最小主方向角は、それぞれ領域PL2−20fでの微細ブランチ197及び微細スリット199の主方向角より大きいか又は同一であり得る。領域PL1−20f及びPL3−20fでの微細ブランチ197の最大幅Sは、領域PL2−20fでの微細ブランチ197の幅より大きいか又は同一であり得る。領域PL1−20f、領域PL2−20f、及び領域PL3−20fでの微細スリット199の幅Sは、実質的に同様であり得る。このように形成された画素電極は、上述したように、液晶表示装置の側面視認性を向上させる。
図20Gは、本発明の他の実施形態による画素電極の平面図である。図20Gに示す画素電極は、本発明の特徴に従って微細ブランチ197及び微細スリット199の構造に従って4個の領域を有し、各領域での微細ブランチ197や微細スリット199は1回、屈曲される。このように形成された微細ブランチ197は、液晶層に形成された電場の強度を一般的に減少させないために、液晶表示装置の透過率を減少させず、液晶表示装置の視認性を向上させる。以下、上述した説明は省略し、本発明の特徴的なものについて詳細に説明する。
第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191lに形成された微細ブランチ197及び微細スリット199の各々は、伸張方向に沿って一定の幅を有する。また、各副画素電極の各ドメインを構成する微細ブランチ197の各々は、1回屈曲されて2つに分岐した(bifurcated)ストライプ状の微細ブランチ197を有する。2つに分岐したストライプ状の微細ブランチ197は、他の方向に伸張する。
第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191lを構成する微細ブランチ197の各々は、第1の直線状の微細ブランチ197と第2の直線状の微細ブランチ197とで構成される。第1の直線状の微細ブランチ197は、十字状のブランチに接続された微細ブランチ197であり、第2の直線状の微細ブランチ197は、第1の直線状の微細ブランチ197に接続された微細ブランチ197である。第1の副画素電極191hでの第1の直線状の微細ブランチ197は、方向D1又はゲート線121の方向と約30°〜約39°範囲内のいずれか1つの値、より具体的に、約37°をなすことができ、第2の直線状の微細ブランチ197は、方向D1又はゲート線121の方向と約40°〜約50°の範囲内のいずれか1つの値、より具体的に約42°をなすことができる。第2の副画素電極191lでの第1の直線状の微細ブランチ197は、方向D1又はゲート線121の方向と約30°〜約39°の範囲内のいずれか1つの値、より具体的に約37°をなすことができ、第2の直線状の微細ブランチ197は、方向D1又はゲート線121の方向と約40°〜約50°の範囲内のいずれか1つの値、より具体的には、約45°をなすことができる。
第1の副画素電極191hは、微細ブランチ197の幅及び微細スリット199の幅に従って2個の領域PH1−20g及びPH2−20gを有する。領域PH1−20g及びPH2−20gにおいて、微細ブランチ197の幅及び微細スリット199の幅はそれぞれ一定である。PH1−20g領域での微細ブランチ197の幅は、微細スリット199の幅より大きくなり得る。領域PH2−20gでの微細ブランチ197の幅は、微細スリット199の幅と実質的に同様である。領域PH1−20gでの微細ブランチ197の幅は、領域PH2−20gでの微細ブランチ197の幅より大きくなり得る。領域PH1−20g及び領域PH2−20gでの微細スリット199の幅は、実質的に同一であり得る。PH1−20g領域での微細ブランチの幅は、PH2−20g領域での微細ブランチの幅より大きくなり得る。第2の副画素電極191lは、微細ブランチ197の幅及び微細スリット199の幅に従って2個の領域PL1−20g及びPL2−20gを有する。PL1−20g領域での微細スリット199の幅は、微細ブランチ197の幅より大きくなり得る。領域PL2−20gでの微細ブランチ197の幅は、微細スリット199の幅と実質的に同様である。領域PL1−20gでの微細スリット199の幅は、領域PL2−20gでの微細スリット199の幅より大きくなり得る。領域PL1−20gでの微細ブランチ197の幅は、領域PL2−20gでの微細ブランチ197の幅と実質的に同様である。領域PL1−20gでの微細ブランチ197の幅は、領域PL2−20gでの微細ブランチ197の幅より大きくなり得る。このように形成された画素電極は、上述したように、液晶表示装置の透過率を減少させず、側面視認性を向上させることができる。
図20Hは、本発明の他の実施形態による画素電極の平面図である。図20Hに示す画素電極は、ジグザグ状を有する微細ブランチ197及び第2の副画素電極191lに形成された横接続部193l及び縦接続部194lを除き、図20Eと関連して説明した構造と実質的に同様である。したがって、重複説明は省略する。図20Hに示す微細ブランチ197は、ジグザグ形状を有することにより上述したように液晶表示装置の虹ムラが減少することができる。
微細ブランチ197及び微細スリット199の構造に従って、画素電極は、5つの領域PH1−20h、PH2−20h、PL1−20h、PL2−20h、及びPL3−20hを有し、微細スリット199の幅が十字状ブランチから画素電極の外郭に行く時に徐々に増加する。第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191lの各々は、十字状ブランチにより4つのドメインを有する。領域PH1−20h、PH2−20h、PL1−20h、PL2−20h、及びPL3−20hの各々で微細ブランチ197の幅、微細スリット199の幅、微細ブランチ197の主方向角、及び微細スリット199の主方向角は、図20Eと関連して既に説明した。このように形成された画素電極は、液晶表示装置の視認性をよくし、虹ムラを減少させることができる。
図20Iは、本発明の他の実施形態による画素電極の平面図である。図20Iに示す画素電極は、ジグザグ状を有する微細ブランチ197、第2の副画素電極191lに形成された横接続部193l及び縦接続部194l、領域PL1−20iに形成された微細ブランチ197、及び微細スリット199の幅を除き、図20Gと関連して説明した構造と実質的に同一である。したがって、重複説明は省略する。図20Iに示す微細ブランチ197は、ジグザグ状を有することにより上述したように液晶表示装置の虹ムラを減少させることができる。
第2の副画素電極191lを構成する領域PL1−20iでの微細ブランチ197の幅は、微細スリット199の幅より大きくなり得る。領域PL2−20iでの微細ブランチ197の幅は、微細スリット199の幅と実質的に同様である。領域PL1−20iでの微細ブランチ197の幅は、領域PL2−20iでの微細ブランチ197の幅より大きくなり得る。領域PL1−20iでの微細スリット199の幅は、領域PL2−20iでの微細スリット199の幅と実質的に同一であり得る。微細ブランチ197及び微細スリット199の構造に従って、画素電極は、4個の領域PH1−20i、PH2−20i、PL1−20i、PL2−20iを有し、微細ブランチ197及び微細スリット199の幅は、伸張方向に沿って同一であり、第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191lの各々は、十字状ブランチにより4つのドメインに分けられる。領域PL1−20iに形成された微細ブランチ197及び微細スリット199の幅を除き、領域PH1−20i、PH2−20i、PL1−20i、及びPL2−20iの各々での微細ブランチ197の幅及び微細スリット199の幅、微細ブランチ197の主方向角及び微細スリット199の主方向角については、図20Gを参照して説明した。このように形成された画素電極は、液晶表示装置の視認性をよくし、虹ムラを減少させることができる。
図20Jは、本発明の他の実施形態による画素電極の平面図である。図20Jに示す画素電極は、第3の領域、すなわち、領域MA20jで縦接続部193がないことを除き、図3と関連して説明した画素電極構造と実質的に同様である。以下、説明の便宜上、重複説明は省略する。領域MA20jは、図3と関連して説明した領域MAと同様に、微細ブランチ197の幅又は微細スリット199の幅、より望ましくは、微細スリット199の幅が徐々に変わる領域である。
図3に示す画素電極のMA領域、MA−LA境界領域、又はMA−HA境界領域において、微細ブランチ197又は微細スリット199の幅が変わるために、画素電極の縦接続部193により形成された電場の強度と微細ブランチ197又は微細スリット199により形成された電場の強度間の均衡が崩れ得る。これにより、これらの領域では、液晶分子が不規則的に配列され得、テクスチャーが発生し得る。このような問題を改善するために、図20Jに示すように、データ線171に隣接した領域MA20jにおいて、画素電極は、縦接続部193を有しないことがある。すなわち、データ線171に隣接した領域MA20jで微細スリット199が接続され、微細ブランチ197の終端が閉鎖され得る。他の領域HA20j及びLA20jで形成された縦接続部193が存在しない領域MA20jにおいて、縦接続部193により形成された電場が存在しないか又は非常に弱い。したがって、データ線171に隣接した領域MA20j領域において、液晶分子が微細ブランチ197又は微細スリット199により形成された電場により影響を多く受けるために、液晶分子は、微細ブランチ197の方向に配列され得る。このように形成された画素電極は、領域MA20jでテクスチャーを減少させ、液晶表示装置の透過率を高めることができる。
以下、図22A〜図22Hを参照して、本発明の他の実施形態による液晶表示板アセンブリ300の構造を詳細に説明する。図22A〜図22Hに示す液晶表示板アセンブリ300の各々は、本発明の特徴に従って異なる積層構造を有する。このような積層構造は、後で行われる液晶表示板アセンブリモードの工程で均一の光硬化層35及び36を形成するようにし、又は未硬化の光硬化剤を減少させることができる。また、上部表示板200又は下部表示板100に含まれた配向膜を構成する主配向膜33及び34と光硬化層35及び36とが平らな下部膜上に形成されるために、液晶表示装置の表示の品質を向上させることができる。
図22A〜図22Hは、図18に示す画素配置図の21a−21a’線に沿って切断された断面図である。図22A〜図22Hに示す液晶表示板アセンブリ300は、積層構造を除き、図3〜図4C及び図18〜図21Bと関連して説明したものと同様であるため、説明の便宜上、重複説明を省略する。したがって、図22A〜図22Hの構造を有する液晶表示板アセンブリ300は、上述した、又は後述する画素電極層のパターンを有することができる。
図22A〜図22Dに示す液晶表示板アセンブリ300は、下部表示板100上に形成された遮光部材220を有する。まず、図22Aを参照して本発明の実施形態に従って液晶表示板アセンブリ300を製造する方法及び構造について簡略に説明する。上部表示板200は、上部基板210、共通電極270、及び上板配向膜を有する。共通電極270は、上述した方法により上部基板210上に形成され、上板配向膜292(34,36と図示)は、後述する液晶表示板アセンブリのモードにより共通電極270上に形成される。上板配向膜292は、主配向膜34及び光硬化層36を含み得る。
下部表示板100は、後述するように製造される。下部基板110上に保持電極線縦部128を含むゲート層導電体が形成される。ゲート層導電体は、上述したパターン121、123、124h、124l、124c、125、126、及び127を有することができる。ゲート絶縁膜140は、ゲート層導電体上に形成される。
半導体154は、ゲート絶縁膜140上に形成される。半導体154は、上述したパターン154h、154l、及び154cを有することができる。線形抵抗性接触部材165は、半導体154上に形成される。線形抵抗性接触部材165は、上述したパターンを有することができる。
データ線171を含むデータ層導電体は、線形抵抗性接触部材165上に形成される。データ層導電体は、上述したパターン173h、173l、173c、175h、175l、175c、及び177cを有することができる。
第1の保護膜181は、データ層導電体上に形成される。望ましくは、第1の保護膜181は、上述した無機絶縁物、例えば、窒化ケイ素(SiNx)、酸化ケイ素(SiOx)、酸化チタン(TiO2)、アルミナ(Al2O3)、又はジルコニア(ZrO2)であり得る。
カラーフィルター230は、第1の保護膜181上に形成される。カラーフィルター230は、データ線171と、データ線171に隣接した保持電極線又はカラーフィルター230上に形成された遮光部材220と重なる。図22Aに示すように、隣接した2つの単位画素の間に介在したデータ線171の両側に位置した保持電極線縦部128をオーバーラップするカラーフィルター230の少なくとも1つの側壁とこの側壁間のデータ線171をオーバーラップする遮光部材220が形成される。カラーフィルター230は、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)の構成要素を有してもよく、又は赤色、緑色、青色、及び黄色の構成要素を有してもよい。遮光部材220は、カラーフィルター230上に形成される。遮光部材220は、データ線171を完全に覆うことができるか、又はデータ線171の両側に位置した縦接続部193hと重なることができる。遮光部材220は、TFTのチャネル上に形成され得、コンタクトホール185h及び185lの下には形成されないこともある。
第2の保護膜182は、遮光部材220上に形成される。望ましくは、第2の保護膜182は、無機絶縁物、例えば、窒化ケイ素(SiNx)、酸化ケイ素(SiOx)、酸化チタン(TiO2)、アルミナ(Al2O3)、又はジルコニア(ZrO2)であり得る。
画素電極層は、第2の保護膜182上に形成される。画素電極層は、縦接続部193hを含む上述した又は後述するパターン187、189、191h、191l、192h、192l、193l、194h、194l、195h、195l、196、197h、197l、198h、198l、713h、713l、715h、715l、717h、及び7171と画素電極構造とを有することができる。
データ線171の両側に形成された縦接続部193hは、保持電極線縦部128の少なくとも一部分と重なることができる。スペーサ250(図示せず)は、画素電極層上に形成される。スペーサ250は、カラーフィルターを構成するピグメント(pigment)を含んでもよく、色を帯びた物質で構成されてもよい。本発明の実施形態に従って、スペーサ250の色は、黒色であり得る。本発明の他の実施形態に従って、下部表示板の内部領域には、スペーサ250が形成され、その外郭領域には、遮光パターンが同時に形成されることもある。スペーサ250及び遮光パターンは、黒色(black)であり得、遮光パターンは、外郭領域で漏れる光を遮断することができる。
下板配向膜291は、スペーサ250上に後述する液晶表示板アセンブリのモードにより介在する。下板配向膜291は、主配向膜33と光硬化層35とで構成されることができる。液晶層3は、上部表示板200と下部表示板100間で形成される。
このように製造された下部表示板100は、不透明膜又は遮光部材220を含む。すなわち、光を遮断するか又は吸収する膜、例えば、保護膜181及び182、カラーフィルター230又は遮光部材220は、下部表示板100上に形成される。しかしながら、上部表示板200は、光を遮断するか又は吸収する物質を一般的に含まない。このように製造された上部表示板200が光を遮断するか又は吸収する物質の含有量を少なくするように液晶表示板アセンブリのモードの工程を行うために、上部表示板200に入射した光は、下板配向膜291及び上板配向膜292を形成する材料に均一に入射するのが良い。均一の下板配向膜291及び上板配向膜292を形成するために、電界又は蛍光露光工程で照射される光は、配向膜を形成する材料に均一に照射されなければならない。また、未硬化の硬化剤を減少させるために、光が照射されない領域があってはならない。このようにして、下板配向膜291及び上板配向膜292は、均一に形成され、未硬化の光硬化剤は、大きく減少させることができる。また、上部表示板200が主に平坦な層を有するために液晶分子を均一に配向することができる。したがって、液晶表示装置の表示の品質は向上することができる。
以下、図22Bを参照して、本発明の実施形態に従って液晶表示板アセンブリ300を製造する方法及び構造を簡略に説明する。図22Bに示す液晶表示板アセンブリ300は、本発明の特徴に従って遮光部材220及びスペーサ(図示せず)が画素電極層上に同時に形成される工程により製造される。上部表示板200は、図22Aを参照して説明したものと同一に製造される。下部表示板100は、後述する説明のように製造される。ゲート層導電体、ゲート絶縁膜140、半導体154、線形抵抗性接触部材165、データ層導電体、第1の保護膜181、及びカラーフィルター230は、図22Aを参照して説明したものと同一に形成される。第2の保護膜182は、カラーフィルター230上に形成される。望ましくは、第2の保護膜182は、カラーフィルター230の上部を平坦化するために有機絶縁物であり得る。画素電極層は、第2の保護膜182の上に形成される。画素電極層は、図22Aを参照して説明したものと同一に形成されることができる。遮光部材220及びスペーサ250は、画素電極層上に同時に形成される。遮光部材220及びスペーサ250が同一の材料により同時に形成されるために工程を簡素化することができる。上述したように、スペーサ250は、色を帯び得る。本発明の実施形態に従って、遮光部材220及びスペーサ250は、黒色であり得る。下板配向膜291は、後述する方法によりスペーサ(図示せず)上に形成される。このように形成された下部表示板100及び上部表示板200は、図22Aを参照して説明したものと同一の効果を有することができる。
以下、図22Cを参照して、本発明の実施形態に従って液晶表示板アセンブリ300を製造する方法及び構造を簡略に説明する。図22Cに示す液晶表示板アセンブリ300において、本発明の特徴に従って重なるカラーフィルターの中の下側の1つのカラーフィルターは、凹状の断面を有する。また、他のカラーフィルターの側面と重なる1つのカラーフィルターの重複部は、データ線上に備えられ、遮光部材は、重複部上に形成される。上部表示板200は、図22Aを参照して説明したものと同一に製造される。下部表示板100は、後述する説明のように製造される。ゲート層導電体、ゲート絶縁膜140、半導体154、線形抵抗性接触部材165、データ層導電体、及び第1の保護膜181は、図22Aを参照して説明したものと同一に形成される。カラーフィルター230は、第1の保護膜181上に形成される。カラーフィルター230を構成する基本色の中の2つ以上の色は、データ線171上で重なることができる。カラーフィルター230の基本色が重なることによりカラーフィルター230の上部が凸状となることを防止するために、重なるカラーフィルター230の中の1つは、写真リソグラフィー(photo-lithography)工程で凹状に形成されることができる。例えば、図22Cに示すように、左側のカラーフィルターのデータ線171上に対応する縁部が削り取られるようにエッチングされている。右側のカラーフィルターの縁部は、この左側のカラーフィルターの縁部を覆うように形成され、全体としてカラーフィルター230が平坦に形成される。このように平坦に形成されたカラーフィルター層は、液晶分子又は光硬化剤の広がり(spread)をよくする。第2の保護膜182は、カラーフィルター230上に形成される。望ましくは、第2の保護膜182は、上述した無機絶縁物であり得る。第2の保護膜182が形成された後に、画素電極層、遮光部材220、スペーサ250、及び下板配向膜291は、図22Bを参照して説明したものと同一である。このように形成された下部表示板100及び上部表示板200は、図22Aを参照して説明したものと同一の効果を有することができる。
以下、図22Dを参照して、本発明の実施形態に従って、液晶表示板アセンブリ300を製造する方法及び構造を簡略に説明する。図22Dに示す液晶表示板アセンブリ300は、本発明の特徴に従って遮光部材220で画素の境界を取り囲み、遮光部材で取り囲まれた内側に液状のカラーフィルター230の材料が塗布される工程を含む。上部表示板200は、図22Aを参照して説明したものと同一に製造される。下部表示板100は、後述するように製造される。ゲート層導電体、ゲート絶縁膜140、半導体154、線形抵抗性接触部材165、データ層導電体、及び第1の保護膜181は、図22Aを参照して説明したものと同一に形成される。遮光部材220は、第1の保護膜181上に形成される。遮光部材220は、画素の境界、例えば、データ線171又はゲート線121に沿って1つの画素を完全に取り囲む形態で形成されることができる。このように、遮光部材220が形成されることにより、後で行われる液状のカラーフィルター230の材料が遮光部材220の内側に塗布されることができる。遮光部材220により取り囲まれた内側に液状のカラーフィルター230の材料が塗布される。液状のカラーフィルター230の材料は、上述したインクジェット方法により塗布され形成されることができる。インクジェット方法でカラーフィルター230を形成することによりカラーフィルター230のパターンを製造するための工程を簡素化することができる。第2の保護膜182は、カラーフィルター230上に形成される。第2の保護膜182は、カラーフィルター230上を平坦化するために望ましく有機絶縁物であり得る。画素電極層は、第2の保護膜182上に形成され、スペーサ250は、画素電極層上に形成され、下板配向膜291は、スペーサ250上に形成される。画素電極層、スペーサ250、及び下板配向膜291は、図22Aを参照して説明したものと同一に形成されることができる。このように形成された下部表示板100及び上部表示板200は、図22Aを参照して説明したものと同一の効果を有することができる。
図22E〜図22Hに示す液晶表示板アセンブリ300は、本発明の特徴に従って上部表示板200に形成された遮光部材220を有する。図22Eを参照して、本発明の実施形態に従って液晶表示板アセンブリ300を製造する方法及び構造を簡略に説明する。
上部表示板200は、上部基板210、遮光部材220、カラーフィルター230、蓋膜225、共通電極270、スペーサ(図示せず)、及び上板配向膜292(34,36と図示)を有する。
上述した方法により、遮光部材220は、上部基板210上に形成される。遮光部材220は、データ線171を完全に覆うことができ、データ線171の両側に位置した縦接続部193hの少なくともいずれかの部分と重なることができる。遮光部材220は、薄膜トランジスタのチャネルと重なるように形成され得る。上述した方法によりカラーフィルター230は、遮光部材220上に形成される。カラーフィルター230は、データ線171、データ線171に隣接した不透明膜、又はカラーフィルター230の形成後に形成された遮光部材220と重なり得る。カラーフィルター230は、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)で構成されてもよく、又は赤色、緑色、青色、及び黄色で構成されてもよい。蓋膜225は、カラーフィルター230上に下部膜を平坦化するために形成される。共通電極270は、上述した方法により蓋膜225上に形成される。スペーサ250は、共通電極270上に形成されてもよい。スペーサ250は、カラーフィルターを構成する色素を含み、色を帯びた物質で構成され得る。スペーサ250の色は黒色(black)であり得る。他方、スペーサ250は、下部表示板100の下板配向膜291(33,35と図示)下に形成されてもよい。上板配向膜292は、スペーサ250上に後述する液晶表示板アセンブリのモードにより形成される。上板配向膜292は、主配向膜34及び光硬化層36で構成され得る。
下部表示板100は、後述するように形成される。ゲート層導電体は、保持電極線縦部128を含む下部基板110上に形成される。ゲート層導電体は、上述したパターン121、123、124h、124l、124c、125、126、127を有することができる。
ゲート絶縁膜140は、ゲート層導電体上に形成される。半導体154は、ゲート絶縁膜140上に形成される。半導体154は、上述したパターン154h、154l、154cを有することができる。線形抵抗性接触部材165は、半導体154上に形成される。線形抵抗性接触部材165は、上述したパターンを有することができる。
データ線171を含むデータ層導電体は、線形抵抗性接触部材165上に形成される。データ層導電体は、上述したパターン173h、173l、173c、175h、175l、175c、177cを有することができる。第1の保護膜181は、データ層導電体上に形成される。望ましくは、第1の保護膜181は、上述した無機物で構成される。
画素電極層は、第1の保護膜181上に形成される。画素電極層は、縦接続部193hを含む上述した又は後述するパターン187、189、191h、191l、192h、192l、193l、194h、194l、195h、及び195l、196、197h、197l、198h、198l、713h、713l、715h、715l、717h、717lと画素電極構造とを有することができる。データ線171の両側に形成された縦接続部193hは、保持電極線縦部128と重なる。
後述する方法により、下板配向膜291は、画素電極層上に形成される。下板配向膜291は、主配向膜33と光硬化層35とで構成されることができる。液晶層3は、上部表示板200と下部表示板100との間に形成される。
このように製造された上部表示板200及び下部表示板100は、図22Aで説明した効果を有することができる。すなわち、上部表示板200が光を遮断するか又は吸収する膜220、230、及び225を含み、下部表示板100は、光を遮断する物質を実質的に含まない。下板配向膜291及び上板配向膜292を形成するために電界又は蛍光露光工程で照射される光は、下部表示板100に入射することができる。これにより、下板配向膜291及び上板配向膜292は、均一に形成され、未硬化の光硬化剤は、格段に減少することができる。したがって、これを有する液晶表示装置の表示の品質は向上することができる。
図22Fに示す液晶表示板アセンブリ300は、画素電極層と第1の保護膜181間に第2の保護膜182が形成されることを除き、図22Eの説明と実質的に同様である。第2の保護膜182は、下部膜を平坦化するために有機物質で構成され得る。
図22Gに示す液晶表示板アセンブリ300は、カラーフィルター230が形成される方法を除き、図22Fの説明と実質的に同様である。図22Gに示す上部表示板のカラーフィルターは、図22Dを参照して既に説明したインクジェット方法により形成されることができる。
図22Hに示す液晶表示板アセンブリ300は、図22Gに示す液晶表示板アセンブリ300に比べて、バリヤー(barrier)又は平坦化のために遮光部材220上に形成された蓋膜225を有する。蓋膜225の形成後に、カラーフィルター230の層は、インクジェット方法により遮光部材220及び蓋膜225の側壁内に形成されることができる。バリヤーは、1つの画素に形成されたカラーフィルターの色を区分する部分に形成されることができる。以上のように、図22A〜図22Hに示す構造を有する上部表示板100及び下部表示板200は、液晶表示装置の表示の品質を向上させることができる。本発明により、図21A、図21B及び図22A〜図22Hに示す蓋膜225は、アクリル系物質を含んでもよい。蓋膜225に含まれたアクリル系物質は、蓋膜225を形成する工程で硬化され得る。硬化されたアクリル系物質を含む蓋膜225は、短波長の紫外線の高透過性を有するので、光硬化剤又は反応性メゾゲンに入射する光の強度又はエネルギーは大きくなり得る。従って、光硬化剤又は反応性メゾゲンの架橋率は増加し得る。
3)図18に示す領域A19の拡大図
以下、図18、図19A、及び図19Bを参照して図18に示す領域A19の構造を詳細に説明する。図19Aは、図18に示す領域A19の拡大図である。領域A19に形成された各層のパターン、例えば、第1の画素電極接触部192h及び第2の画素電極接触部192lと第1及び第2の画素電極接続部のパターンは、液晶表示装置の未復元又は光漏れを改善することができる。図23A〜図23F及び図24A〜図24Tに示すパターンは、液晶表示装置の未復元又は光漏れを改善するための他の実施形態である。
以下に説明するように、本発明者は、液晶表示装置の未復元及び光漏れ現象を発見した。未復元は、いずれか1つの配列状態、例えば、安定した配列状態から他の配列状態への遷移が遅延する現象である。液晶表示装置がユーザにより使用される時、液晶表示装置の表示部が加圧されるか又は外部の衝撃を受ける場合に、液晶層の液晶分子は再配列される。この時、再配列された液晶分子が元の状態に戻らず、一定の時間の間に再配列された状態を保持する。また、データ電圧が画素電極に印加されて電場が液晶層に形成されても、安定した状態で配列された液晶分子は、一部の領域で画素電極に形成された電場に従って液晶分子が動かず、前の配列された状態、例えば、安定した状態を継続して保持する。このような現象が液晶分子の未復元(Unrestoration)である。液晶分子の未復元は、テクスチャーの不良を発生させ得る。
図18及び図19Aに示す画素構造において、第1又は第2の副画素の十字状ブランチ部195の領域及び第1の副画素及び第2の副画素の境界領域A19において、液晶分子の配列方向が一致することにより液晶分子が安定した状態に保持されようとする特性のために未復元現象が起こり得る。加圧又は外部の衝撃がない状態では、十字状ブランチ部195の領域の液晶分子及び境界領域A19の液晶分子は、相互に独立した状態を保持するが、衝撃がある場合に、この領域において、液晶分子は、同一の方向の安定した状態に再配列される。未復元を改善するために、すなわち、液晶分子が安定した状態に配列されないように、図18に示す領域A19及び領域A19に隣接した領域で電場の強度及び方向が調節されなければならない。
光漏れ(light leakage)は、データ電圧により制御されない液晶層により外部光(図示せず)が液晶表示板アセンブリ300を通過する現象である。例えば、外部の衝撃により下部表示板及び上部表示板の液晶分子の配列がずれている場合に、液晶表示板アセンブリ300に入射する光は、液晶表示装置により制御されず、液晶表示板アセンブリを通過することができる。光漏れ現象は、液晶表示装置が駆動されない時にも発生し得る。また、下部表示板及び上部表示板の配列がずれている場合、遮光部材が正しい配列からずれているか、又は液晶層に形成された電場が歪曲されるため光漏れが発生し得る。液晶表示装置は、光漏れによりテクスチャー、ムラ、赤みを帯びた(reddish)又は緑色を帯びた(greenish)不良を有し得る。光漏れによるテクスチャー又はムラの不良は、画素電極の境界領域で発生する。光漏れによる赤みを帯びた不良は、液晶表示装置が赤みを帯びた色を有するために、赤色の光漏れが他の色の光漏れより多く視認される場合に発生する。また、緑色を帯びるか又は基本画素群を構成する他の色の不良も、赤みを帯びた不良が発生する工程と同様に、いずれか1つ以上のカラー光が他のカラーより多く視認される場合に発生する。また、たたき(tap or pat)による光漏れは、光漏れの一種で、液晶表示装置をたたいた時に発生する。液晶表示装置がたたかれた時、下部表示板100及び上部表示板200は、正配列から約10μm〜15μmの範囲内の値でずれることがあり、この際、上部表示板200及び下部表示板100に形成された層の誤整列(misalign)によりたたき光漏れが発生し得る。
図19Aに示す第1の画素電極接触部192h及び第2の画素電極接触部192l、第1及び第2の画素電極接点接続部、画素電極及び他の層のパターンは、未復元及び光漏れ不良を改善するための実施形態である。第1の画素電極接触部192h及び第2の画素電極接触部192lの各々は、第1のドレーン電極175h及び第2のドレーン電極175lと第1及び第2の画素電極接点接続部とを電気的に接続する。第1及び第2の画素電極接点接続部は、それぞれ第1の画素電極接触部192h及び第2の画素電極接触部192lと第1の画素電極191h及び第2の画素電極191lとを電気的に接続する。第1の画素電極191h及び第2の画素電極191lは、それぞれ第1の画素電極接触部192h及び第2の画素電極接触部192lと第1及び第2の画素電極接点接続部とによりデータ信号の印加を受ける。第1の画素電極接触部192h及び第1の画素電極接点接続部は、凹状に形成することができる。
第1の画素電極接点接続部は、第1の画素電極横接続部713h、第1の画素電極斜線接続部714h、及び第1の画素電極縦接続部715hを含むことができる。第1の画素電極縦接続部715hは、第1の画素電極横接続部713hに接続された第1の画素電極斜線接続部714hから傾斜した2分岐のブランチに接続された実質的に縦方向に伸張する2個のブランチで形成されることができ、第1の画素電極の中央部の微細ブランチ197、より詳細に、十字状ブランチの縦部195vの右側微細ブランチ197に接続される。
本発明の実施形態に従って、第1の画素電極接続部接続点の配線は、図面に示すように傾斜するように形成される第1の画素電極斜線接続部714hであり得る。図19Aにおいて、第1の画素電極縦接続部715hは、十字状ブランチの縦部195vの伸張方向と同一のD2方向に延在している。第1の画素電極斜線接続部714hは、第1の画素電極縦接続部715hから、縦方向であるD2方向に対して右側方向に斜めに方向に延在しており、第1の画素電極横接続部713hの配線、偏光子の偏光軸又は上述した方向D1に対して約30°〜60°の範囲内のいずれか1つの値に傾くことができる。図19A中、第1の画素電極横接続部713hは、実質的に降圧ゲート線123と平行な横方向に伸張し、第1の画素電極接触部192h及び第1の画素電極斜線接続部714hを電気的に接続する。第1の画素電極横接続部713h及び第1の画素電極斜線接続部714hは、鈍角で接続され、第1の画素電極横接続部713h及びこの傾斜した2分岐のブランチは、鋭角で接続されることができる。
このように形成された第1の画素電極接点接続部は、特異点(singular point)を形成することにより、第1の副画素と第2の副画素間の領域で発生する電場を分散させるか、この領域で発生した電場が第1の副画素領域への悪影響を減少させることができる。したがって、第1の副画素領域で発生し得る液晶分子の未復元及び光漏れ不良を改善させることができる。
本発明の実施形態に従って、第1の画素電極縦接続部715hに接続された微細ブランチ197は、1つ以上であり得る。本発明の実施形態に従って、第1の画素電極接点接続部を構成する配線713h、714h、及び715hは、1つ又は2つ以上の配線で構成されることができ、これらの幅は、それぞれ約2μm〜7μmの範囲内の値であり得る。第1の画素電極横接続部713hの幅は、第1の画素電極斜線接続部714hの幅より大きくなり得る。本発明の実施形態に従って、第1の画素電極接点接続部は、画素電極のリペアーを容易にする構造であり得る。したがって、第1の副画素の製造の不良をリペアー(repair)するためにレーザ(LASER)により線RH1が溶断され得る。
第2の画素電極接点接続部は、第2の画素電極横接続部713l、第2の画素電極接続部接続点又は第2の画素電極斜線接続部714l、及び第2の画素電極接続部717lで構成されることができる。第2の画素電極接続部接続点714lは、横方向に伸張する第2の画素電極横接続部713lに接続され、第2の画素電極接続部717lに接続される。
本発明の実施形態に従って、第2の画素電極接続部接続点714lの配線は、図面に示すように傾斜するように形成された第2の画素電極斜線接続部714lであり得る。第2の画素電極横接続部713lは、降圧ゲート線123の長手方向に沿って降圧ゲート線123の一部分と重なる。このように重なった第2の画素電極横接続部713lは、降圧ゲート線123の周辺部に存在する電場を遮断する。また、第2の画素電極横接続部713lは、第2のドレーン電極175lと第3のソース電極173cとを接続する配線と重なることができる。第2の画素電極横接続部713lの横長さは、第2の画素電極の横長さと実質的に同様である。
第2の画素電極斜線接続部714lは、第2の画素電極横接続部713lに対して傾斜した配線で形成され、第2の画素電極横接続部713l及び第2の画素電極接続部717lを電気的に接続する。第2の画素電極斜線接続部714lは、十字状ブランチ195の縦部195vの左側微細ブランチ197に接続される。第2の画素電極斜線接続部714lと第1の画素電極横接続部713l間の傾斜角は、約30°〜60°の範囲内のいずれか1つの値であり得る。第2の画素電極斜線接続部714lの線幅は、約2μm〜7μmの範囲内のいずれか1つの値であり得、第2の画素電極の微細ブランチ197の幅より大きくなり得る。
第2の画素電極接続部717lは、第2の画素電極斜線接続部714lと第2の画素電極とを電気的に接続する。第2の画素電極接続部717lは、第2の画素電極斜線接続部714lを十字状ブランチの縦部195vの一端上の2個の微細ブランチ197に電気的に接続するために第2の画素電極191lの中央部に形成されている。第2の画素電極接続部717lは、ハンガー(hanger)形状を有しており、例えば、図19Aに示すように、十字状ブランチの縦部195vを中心として2個の微細ブランチ197が所定の角度をなして左右に対称に分岐するような形状をしている。本発明の実施形態に従って、第2の画素電極縦接続部715lに接続される微細ブランチ197は、1つ以上であり得る。
本発明の実施形態に従って、第2の画素電極横接続部713lと隣接して形成された第2の画素電極の横接続部194lは、第2の画素電極接続部717lの両側に形成される。第2の画素電極の横接続部194lは、第2の画素電極の微細ブランチ197を接続する。両側に形成された第2の画素電極の横接続部194lは、降圧ゲート線123の伸張方向に沿って降圧ゲート線123の一部分と重なる。このように重なった第2の画素電極の横接続部194lは、降圧ゲート線123の周辺部に存在する電場を遮断する。これにより、第2の画素電極接点接続部又は第2の画素電極の横接続部194lは、第1の副画素と第2の副画素間の領域で発生する電場を分散させるか、又はこの領域で発生した電場が第2の副画素領域に及ぼすよくない影響を減少させることができる。したがって、第2の副画素領域で発生し得る液晶分子の未復元及び光漏れ不良を改善させることができる。
本発明の実施形態に従って、第2の副画素は、図19Aに示す領域A19a及びA19bの構造を有することができる。領域A19aにおいて、第2の画素電極の縦接続部193lは、階段状に伸張することにより保持電極線縦部128の一部分と重なる。図19A、図21Bを参照すると、第2の画素電極の縦接続部193lの突出部193aは、データ線171又は遮蔽共通電極196の線幅が減少する部分で形成されることができる。領域A19bの構造は、領域A19aの構造と実質的に同様であるので、その詳細な説明を省略する。このように形成された構造により、領域A19a及びA19bで発生する電場が遮断され、この領域で光漏れ不良が減少することができる。
本発明の実施形態に従って、第2の画素電極接続部717lは、画素電極のリペアーを容易にする構造を有し得る。したがって、第2の副画素の製造の不良をリペアーするためには、線RL1がレーザスポットにより溶断されることができる。
以下、図23A〜図23F及び図24A〜図24Tを参照して液晶分子の未復元及び光漏れ不良を改善するための様々な実施形態を開示する。図23A〜図23F及び図24A〜図24Tに示す画素電極を構成する微細ブランチ197は、ジグザグ状であるが、本発明の実施形態に従って、微細ブランチ197は、上述したストライプ状又は基本単位画素電極の形状であり得る。図23A〜図23Fは、説明の便宜のために、一部の層、例えば、ゲート層導電体、データ層導電体、及び画素電極層のパターンを示す。
図23Aを参照すると、第1の画素電極接点接続部は、第1の画素電極横接続部713h及び第1の画素電極斜線接続部714hで構成される。接続部713h及び714h又は図23B〜図23F及び図24A〜図24Tと関連して説明される画素電極横接続部713、画素電極斜線接続部714、及び画素電極縦接続部715は、少なくとも1つの配線で構成されることができ、これらの幅は、それぞれ約2μm〜7μmの範囲内の値であり得る。
第1の画素電極斜線接続部714hは、第1の画素電極横接続部713hの端部で2つに分岐したブランチを有し、2つに分岐したブランチの各々は、直線又はストライプ状を有し、十字状ブランチの縦部195vの左側にあるドメインの下端の中央部から伸張する第1の画素電極の微細ブランチに接続される。これにより、液晶分子の未復元を発生する電場は分散されることができる。
画素電極斜線接続部714hと第1の画素電極横接続部713h間の鋭角は、約30°〜60°の範囲内のいずれか1つの値であり得る。第1の画素電極横接続部713hは、第1の画素電極斜線接続部714hと鋭角をなすくさび形(wedge shape)であり得る。くさび形の第1の画素電極横接続部713hは、特異点(singular point)を形成することにより電場を分散させることができる。特異点は、電場が集まるか又は実質的に存在しない領域、例えば、図面に示す領域SPである。第1の画素電極横接続部713hの配線は、第1のドレーン電極175hと重なることができる。第1の画素の製造の不良時に、線RHaに沿って第1の画素電極斜線接続部714hに接続された微細ブランチを溶断することにより第1の副画素をリペアーすることができる。このように形成された第1の画素電極接点接続部は、副画素電極のリペアーを容易にし、上述した理由により、第1の副画素領域で発生し得る液晶分子の未復元及び光漏れ不良を改善することができる。本発明の実施形態に従って、第1の画素電極横接続部713hの配線幅は、第1の画素電極斜線接続部714hの配線幅より大きくなり得る。
第2の画素電極接点接続部は、第2の画素電極横接続部713l、第2の画素電極縦接続部715l、及び第2の画素電極接続部717lで構成される。第2の画素電極縦接続部715lは、十字状ブランチ195の縦部195vの中央部に接続され、これは、電場が一方に歪曲されることを減少させる。本発明の実施形態に従って、線RLaに沿って第2の副画素電極を溶断することにより第2の副画素をリペアーすることができる。このように形成された第2の画素電極接点接続部は、副画素電極のリペアーを容易にし、上述した理由により、第2の副画素領域で発生し得る液晶分子の未復元及び光漏れ不良を改善することができる。図23Aでは、第2の画素電極縦接続部715lを介して縦部195vが第2の画素電極横接続部713lに接続されるが、図19Aでは第2の画素電極斜線接続部714lを介して縦部195vが第2の画素電極横接続部713lに接続されている。他の要素及び構造は、図19Aを参照して上述したので、重複説明を省略する。図23B〜図23F及び図24A〜図24Tに示す線RHb、RLb、RHc、RLc1、RLc2、RHd、RLd、RHe、RLe、RHf、RLf、R24a、R24b、R24c、R24d、R24f、R24g、R24h、R24i、R24j、R24k、R24l、R24m、R24n、R24o、R24p、R24q、R24r、及びR24sが上述したレーザスポットにより溶断されることにより第1又は第2の副画素をリペアーすることができる。
図23Bを参照すると、第1の画素電極接点接続部は、第1の画素電極横接続部713h及び第1の画素電極斜線接続部714hで構成される。画素電極斜線接続部714hの配線がジグザグ状であることを除き、図23Aで上述した説明と実質的に同様であるため、第1の画素電極接点接続部についての他の詳細な説明を省略する。第2の画素電極接点接続部は、第2の画素電極横接続部713lと第2の画素電極接続部717lとで構成される。第2の画素電極接続部717lは、降圧ゲート線123に対して縦方向に重なるように伸張し、第2の画素電極接触部192lに接続された第2の画素電極横接続部713lに電気的に接続する。第2の画素電極接続部717lが伸張し、横方向の画素電極横接続部713lに接続されることにより、画素電極接触部192l及び画素電極領域に形成された電場が分散されることができる。画素電極横接続部713lは、右側方向には形成されておらず、左側方向にのみ図23Aと同様の形状で構成されており、その形状は図23Aとは多少異なるが、第2の画素電極接点接続部についての他の説明は、図23Aと関連して詳細に説明したので、その詳細な説明を省略する。
図23Cを参照すると、第1の画素電極接点接続部は、第1の画素電極斜線接続部714h及び第1の画素電極縦接続部715hで構成される。十字状ブランチの縦部195vの右側下端で第1の画素電極縦接続部715h及び第1の画素電極の微細ブランチ197を電気的に接続する。第1の画素電極縦接続部715hに接続された微細ブランチ197は、十字状ブランチの縦部195vに接続された微細ブランチ197の中の下端部の微細ブランチ197であり得る。第1の画素電極斜線接続部714hは、第1の画素電極縦接続部715h及び第1の画素電極接続部192hの上部を電気的に接続するために傾斜するように伸張する。第1の画素電極斜線接続部714hは、第1の画素電極縦接続部715hと約30°〜60°の範囲内のいずれか1つの値に傾斜することができる。このように形成された第1の画素電極接点接続部は、副画素電極のリペアーを容易にし、上述した理由により、第1の副画素領域で発生し得る液晶分子の未復元及び光漏れ不良を改善することができる。
第2の画素電極接点接続部は、第2の画素電極横接続部713l及び第2の画素電極縦接続部715lで構成される。横方向に伸張する第2の画素電極横接続部713lは、第2の画素電極横接続部713lの両端部で第2の画素電極縦接続部715lの端部に電気的に接続され、第2の画素電極縦接続部715lの他端部は、データ線に隣接した2個のドメインのエッジから伸張する第2の画素電極の微細ブランチ197に接続される。このように第2の画素電極接点接続部が第2の副画素電極の両端部に形成されることにより、画素電極接触部192l及び画素電極領域に形成された電場を大きく分散させることができる。したがって、第2の副画素領域で発生し得る液晶分子の未復元及び光漏れ不良が改善することができる。
図23Dを参照すると、第1の画素電極接点接続部は、第1の画素電極斜線接続部714hで構成される。十字状ブランチの縦部195vの左側下端にある微細ブランチ197は、第1の画素電極斜線接続部714hに電気的に接続され、第1の画素電極斜線接続部714hは、画素電極接触部192hに接続される。第1の画素電極斜線接続部714hは、十字状ブランチの縦部195vから伸張するジグザグ形状のブランチであり得る。このように形成された第1の画素電極接点接続部は、上述した効果を有する。第2の画素電極接点接続部は、第2の画素電極横接続部713l、第2の画素電極斜線接続部714l、及び第2の画素電極接続部717lで構成される。第2の画素電極接続部717lは、第2の副画素の十字状ブランチの縦部195vに接続され、第2の画素電極接続部717lの右側一端は、第2の副画素の上端の右側にある微細ブランチに接続された横接続部194LUrに接続され、横接続部194LUrは、傾斜するように横方向に伸張する第2の副画素電極横接続部713lに接続される。このような構成を除いては、図19Aと関連して上述した説明と同一である。
図23Eを参照すると、第1の画素電極接点接続部は、第1の画素電極斜線接続部714hと第1の画素電極縦接続部715hと第1の画素電極接触部192hとで構成される。第1の画素電極斜線接続部714h及び第1の画素電極横接続部713hが接続される部分がくさび状であり、例えば図23Eに示すように第1の画素電極横接続部713hの右側先端部が尖る形状をなしていることを除き、図23Eに示す第1の画素電極接点接続部は、図19Aを参照して上述した説明と同様である。第2の画素電極接点接続部は、第2の画素電極横接続部713l、第2の画素電極接続部717l、及び第2の画素電極接触部192lで構成される。横方向の第2の画素電極横接続部713lは、画素電極接触部192l及び第2の画素電極接続部717lを電気的に接続する。第2の副画素電極及び第2の画素電極接続部717lを構成する微細ブランチがストライプ状であることを除き、第2の画素電極接続部717lは、図23Bと関連した説明と同様である。領域A22eで表示された領域において、微細ブランチ197は、画素電極の縦接続部193lでデータ線に隣接するように伸張することにより突出する。このように突出する微細ブランチは、降圧ゲート線123、保持電極線縦部128、及びデータ線171により形成された電場を分散するか又は遮断することができる。領域A22eに突出した微細ブランチの形状は、データ線171に隣接した第1の画素電極191h又は第2の画素電極191lのエッジの近くに形成されることができる。第2の画素電極横接続部713lの構造及び第2の画素電極接点接続部の効果は、図19Aと関連して上述したものと実質的に同様である。
図23Fを参照すると、第1の画素電極接点接続部は、第1の画素電極縦接続部715h、第1の画素電極接続部717h、及び第1の画素電極接触部192hで構成される。第1の画素電極接続部717hは、十字状ブランチの縦部195vの下端に形成され、第1の画素電極縦接続部715hに接続された第1の画素電極接触部192hを第1の画素電極と電気的に接続する。ハンガー形状であり得る第1の画素電極接続部717hに形成された横接続部717hhは、縦部195vの下端にある微細ブランチ197及び縦部195vの両側に接続される。第1の画素電極接続部717hは、上述した同一の効果を有することができる。第2の画素電極接点接続部は、第2の画素電極横接続部713l、第2の画素電極縦接続部715l、及び第2の副画素電極接触部192lで構成される。横方向に伸張する第2の画素電極横接続部713lは、第2の画素電極接触部192l及び第2の画素電極縦接続部715lを電気的に接続する。第2の画素電極縦接続部715lは、データ線171の方向に突出した複数の微細ブランチに接続される。他の配置は、図23Cと関連して説明したものと同様である。第2の画素電極接点接続部の効果は、上述したものと同様である。
上述の通り、第1の画素電極接続部接続点及び第2の画素電極接続部接続点の組み合わせとして、図23A〜図23Fが開示されている。その他にも、図23A〜図23Fの第1の画素電極接続部接続点と、図23A〜図23Fの第2の画素電極接続部接続点と、をそれぞれ多様に組み合わせることができる。例えば、図23Aの第1の画素電極接続部接続点と、図23Bの第2の画素電極接続部接続点と、組み合わせることができる。また、図23A等において、第1の画素電極接続部接続点の構成と第2の画素電極接続部接続点の構成とを入れ替えることも可能である。
以下、図24A〜図24Tを参照して液晶分子の未復元及び光漏れ不良を改善するための様々な実施形態について説明する。図24A〜図24Tは、画素電極の一部分及び副画素電極の境界部での画素電極層の部分パターンを示す。図24A〜図24Tに示す構造は、第1及び第2の画素電極の画素電極接点接続部に適用されることができる。図24Aを参照すると、画素電極接点接続部は、副画素電極接触部192、画素電極横接続部713、画素電極斜線接続部714、及び画素電極縦接続部715で構成される。十字状ブランチの縦部195vの右側にある複数の微細ブランチは、画素電極縦接続部715に接続される。画素電極縦接続部715は、2個以上の微細ブランチ197を共通に接続(join)し、画素電極斜線接続部714に接続され、画素電極斜線接続部714は、画素電極横接続部713を介して副画素電極接触部192に接続される。副画素電極接触部192の右側下端部に接続された画素電極横接続部713の線は、約120°〜150°の範囲内のいずれか1つの値で画素電極斜線接続部714の形状を構成するラインのうちの2本の斜線に接続される。このように形成された画素電極接点接続部は、画素電極斜線接続部714の外郭形状により電界が分散され、液晶分子の未復元及び光漏れ不良を改善することができる。
図24Bを参照すると、画素電極接点接続部は、画素電極斜線接続部714で構成される。十字状ブランチの縦部195vの左側下端部から伸張する複数の微細ブランチは、画素電極斜線接続部714に接続され、画素電極斜線接続部714は、画素電極接続部192の上部右方向に傾斜するように接続され、傾斜角は、伸張する複数の微細ブランチにより決定されることができる。ここで、2つに分離された画素電極斜線接続部714が電界を分散する。
図24Cを参照すると、画素電極接点接続部は、画素電極横接続部713及び画素電極縦接続部715で構成される。データ線171(図示せず)に隣接した領域にある画素電極のコーナーにある複数の微細ブランチ197は、画素電極縦接続部715に接続される。接続部715は、副画素電極の横接続部194及び縦接続部193から分離される。横接続部194及び縦接続部193に接続された微細ブランチ、画素電極縦接続部715、画素電極横接続部713、及び画素電極接触部192は、一体化した層で同一の材質で形成されることに留意すべきである。画素電極縦接続部715が、画素電極の外郭に形成されているため、電界を中央ではなく外郭に形成するため、液晶分子の未復元及び光漏れ不良を改善することができる。
図24Dを参照すると、画素電極接点接続部は、画素電極の微細ブランチ197及び画素電極接触部192を接続するための画素電極横接続部713と画素電極縦接続部715とで構成される。画素電極縦接続部715が画素電極縦接続部193及び横接続部の一部分に接続されることを除いた他の構造は、図24Cと関連して上述した説明と同様である。図24A乃至図24Tに示すパターン、すなわち、画素電極の微細ブランチ197、微細ブランチを画素電極接触部192に接続するための画素電極接点接続部、及び画素電極接触部192を含むパターンのすべては、同一の材質で形成される単一(integrated)層である。
図24Eを参照すると、画素電極接点接続部は、画素電極横接続部713、画素電極縦接続部715、及び画素電極接続部717で構成される。画素電極接続部717は、十字状ブランチの縦部195vの左側での複数の微細ブランチ197にそれぞれ接続された縦接続部193と、これに接続された画素電極横接続部713とで構成される。画素電極横接続部713は、画素電極の横接続部194の下から横方向に伸張し、伸張した複数の微細ブランチ197に接続され、画素電極接触部192の上部に接続された画素電極縦接続部715に接続される。画素電極縦接続部715の幅は、画素電極横接続部713の配線幅より大きくなり得る。電場を分散するために十字状ブランチの縦部195vの下端部に形成された微細ブランチ197は、横接続部194から分離された第2の横接続部194’に接続されるために伸張しており、ハンガー形状を有する。
図24Fを参照すると、画素電極接点接続部は、画素電極横接続部713、画素電極縦接続部715、及び画素電極接続部717で構成される。画素電極接続部717は、図24Eに示す横接続部713の代わりに、分岐したブランチ713’を有する点を除き、図24Eの構成と同様である。
図24G及び図24Hを参照すると、画素電極接点接続部は、画素電極縦接続部715及び画素電極接続部717で構成される。画素電極接続部717は、十字状ブランチの縦部195vの下端部に位置した上述したようなハンガー形状を有する。電場を分散させるために、画素電極接続部717は、両側に形成された画素電極の横接続部194から分離される。また、画素電極接続部717は、両側の画素電極の横接続部194の下で突出している第2の横接続部194’を有する。図24Gに形成された画素電極縦接続部715の一端は、画素電極接続部717の第2の横接続部194’の一端に接続され、その他端は、画素電極接触部192に接続される。図24Hに形成された画素電極縦接続部715は、十字状ブランチの縦部195vにより伸張した画素電極接続部717の中心部に接続される。
図24Iを参照すると、画素電極接点接続部は、画素電極斜線接続部714及び画素電極接続部717を含む。上述したように、画素電極接続部717は、ハンガー形状を有し、その第2の横接続部194’は、縦接続部193に接続された画素電極の横接続部194と一直線上にある。画素電極斜線接続部714は、第2の横接続部194’の中央部から左下斜め方向に約30°〜60°の範囲内のいずれか1つの鋭角で傾斜するように伸張することにより画素電極接触部192の上部に接続される。
図24J、図24K、及び図24Lを参照すると、画素電極接点接続部は、画素電極縦接続部715及び画素電極接続部717を含む。画素電極接続部717は、画素電極縦接続部715により画素電極接触部192に接続される。図24J及び図24Kに示す画素電極縦接続部715は、ノッチ形状を有することができる。図24Jに示す縦接続部715は、凹状のノッチ761を有し、ノッチの深さは、約2.0μm〜5μmの範囲内のいずれか1つの値であり得る。図24Kに示す縦接続部715の配線は、凸状のノッチ763を有し、 凸状のノッチの高さは、約2.0μm〜5μmの範囲内のいずれか1つの値であり得る。図24Lに示す画素電極縦接続部715は、その内に溝765が形成されており、この溝は、特異点として作用することができる。
図24M〜図24Qを参照すると、電場を分散するために、画素電極接点接続部は、Z字状の配線を有する。Z字状の配線は、2個の第1の画素電極横接続部713a、第2の画素電極横接続部713b、及び第2の画素電極斜線接続部714bを含む。第1の画素電極横接続部713aは、薄膜トランジスタのドレーン電極と重なることができ、第2の画素電極横接続部713bは、薄膜トランジスタのドレーン電極及びソース電極と重なることができる。Z字状の横接続部713bは、画素電極接触部192の下端に接続される。図24M〜図24Oに示す第1の画素電極斜線接続部714aは、十字状ブランチの縦部195vの左側下端のドメインにある微細ブランチ197の少なくとも2本の微細ブランチに伸張する2本に分岐した(bifurcate)形状を有し、第1の画素電極横接続部713aに対して傾斜している。第2の画素電極斜線接続部714bは、横方向に伸張する第1の画素電極横接続部713a及び第2の画素電極横接続部713bを接続し、第1の画素電極斜線接続部714aに実質的に平行であり、第2の画素電極横接続部713bは、画素電極接触部192の下端に接続される。
図24Nに示す第1の画素電極斜線接続部714aは、凹状のノッチ761を有する。図24Oに示す第1の画素電極斜線接続部714aは、凸状のノッチ763を有する。ノッチのサイズは、上述した通りである。図24Pに示すZ字状の配線は、微細ブランチ197が接続された縦接続部193を伸張することにより接続された第1の画素電極横接続部713aを有するものを除き、上述したような同一の配線を有する。図24Qに示すZ字状の配線は、左側下端のドメインから横方向に伸張する第1の画素電極斜線接続部の複数のブランチが第1の画素電極横接続部713aに接続されることを除き、上述したものと同一の配線を有する。
図24Rを参照すると、画素電極接点接続部は、画素電極横接続部713、第1の画素電極斜線接続部714a及び第2の画素電極斜線接続部714b、画素電極縦接続部715、及び画素電極接続部717を含む。画素電極接続部717は、上述したハンガー形状を有する。画素電極接続部717の横接続部194’の一端部は、第1の画素電極斜線接続部714aにより画素電極接触部192の一端部に傾斜するように接続され、横接続部194’の他端部は、画素電極縦接続部715、第2の画素電極斜線接続部714b、及び画素電極横接続部713を通して画素電極接触部192の右側下端部に接続される。画素電極横接続部713と第2の画素電極斜線接続部714b間で作られた鋭角は、約30°〜60°の範囲内のいずれか1つの値であり得る。
図24Sを参照すると、画素電極接点接続部は、第1の画素電極斜線接続部714a、第2の画素電極斜線接続部714b、及び画素電極接続部717を含む。画素電極接続部717は、十字状ブランチの縦部195vに対して対称である複数の微細ブランチ197で構成される。第1の画素電極斜線接続部714aは、複数の微細ブランチ197に接続され、画素電極接触部192の上部に傾斜するように接続された第2の画素電極斜線接続部714bに接続される。第1の画素電極斜線接続部714a及び第2の画素電極斜線接続部714bは、概ね直角に接続され、溝765は、第1の画素電極斜線接続部714aに含まれ得る。画素電極斜線接続部714は、十字状ブランチ部の縦部195vに対して対称である。
図24Tを参照すると、画素電極接点接続部は、第1の画素電極接点接続部771及び第2の画素電極接点接続部773を含む。第1の画素電極接点接続部771は、第1の画素電極横接続部713a、第1の画素電極斜線接続部714a、及び第1の画素電極縦接続部715aを含む。第1の画素電極縦接続部715aは、左側下端ドメインに形成された画素電極横接続部194を第1の画素電極斜線接続部714aに接続する。第1の画素電極縦接続部715aは、2本のブランチを含み得る。第1の画素電極斜線接続部714aは、画素電極上に形成された微細ブランチ197の傾斜角と実質的に同一であり得る。第1の画素電極斜線接続部714aは、約30°〜60°の範囲内のいずれか1つの鋭角で第1の画素電極縦接続部715aに対して傾斜することができる。第1の画素電極横接続部713aは、第1の画素電極斜線接続部714aを画素電極接続部192の上部に接続させる。第2の画素電極接点接続部773は、第2の画素電極横接続部713b、第2の画素電極斜線接続部714b、及び第2の画素電極縦接続部715bを含む。第2の画素電極縦接続部715bは、第1の画素電極接点接続部771が接続されるドメインに隣接した右側下端のドメインに形成された画素電極横接続部194を第2の画素電極斜線接続部714bに接続させる。第2の画素電極縦接続部715bは、2本のブランチを有することができる。第2の画素電極斜線接続部714bは、画素電極上に形成された微細ブランチ197の傾斜角と実質的に同一であり得る。第2の画素電極斜線接続部714bは、約30°〜60°の範囲内のいずれか1つの鋭角で第2の画素電極縦接続部715bに対して傾斜することができる。第2の画素電極横接続部713bは、第2の画素電極斜線接続部714b及び画素電極接触部192の上部を接続する。このように形成された画素電極接点接続部は、液晶分子の未復元及び光漏れ不良を改善することができる。
液晶分子の未復元を改善するための他の実施形態として、ドメイン領域に形成された電場と非ドメイン領域に形成された電場とが上部表示板及び下部表示板に垂直である直線について実質的に対称であり得る。ドメイン領域は、図19Aに示す領域A19で微細ブランチ197が形成された領域であり、非ドメイン領域は、微細ブランチ197が形成されない領域又は遮光部材220が形成された領域であり得る。また、ドメイン領域と非ドメイン領域間で形成された配向膜の傾斜方向がドメイン領域で形成された液晶分子の方向に実質的に垂直であり得る。
上記では、図24A〜図24Tに、様々な画素電極接点接続部が開示されている。これらの構成は、第1の画素電極接続部接続点にも適用可能であり、また、第2の画素電極接続部接続点にも適用可能である。また、第1の画素電極接続部接続点の構成及び第2の画素電極接続部接続点の構成の組み合わせとして、図24A〜図24Tを多様に組み合わせ可能である。
実施形態3
以下、図25〜図27Bを参照して、本発明の他の実施形態による液晶表示板アセンブリ300を詳細に説明する。液晶表示板アセンブリ300は、本発明の特徴に従ってデータ駆動部500を構成する駆動ICの個数を減少させるために、単位画素電極の長辺に平行であるようにゲート線を配置する。これにより、液晶表示板アセンブリ300が上述した液晶表示板アセンブリの構造及び画素電極層のパターンを有することにより液晶表示装置の表示の品質を一層向上させ、製造コストを低減させることができる。
図25は、本発明の実施形態による液晶表示板アセンブリ300を構成する1つの画素の概略的な配置を示す図である。画素構造を簡略に表現するために、図25に示す画素の配置でゲート層導電体、データ層導電体、コンタクトホール185、及び画素電極層のパターンを選択的に配列する。
図26A〜図26Cは、図25に示す画素構造を構成する主要層に対するパターンを示す。具体的に、図26A乃至図26Cは、図25に示す画素配置において、ゲート層導電体パターン、データ層導電体パターン、及び画素電極を含む画素電極層パターンをそれぞれ示す。図27Aは、図25に示す画素配置の27a−27a’の線に沿って切断された断面図であり、図27Bは、図25に示す画素配置の27b−27b’の線に沿って切断された断面図である。図27A及び図27Bに示す断面図は、図25で省略した複数層を追加で開示する。図27A及び図27Bに示す液晶表示板アセンブリ300の断面図において、方向27a及び方向27bに沿った断面は、図25の画素構造が行及び列のマトリックス形態で配置された時に図25に示す切断線に沿ってなされる。以下、図25〜図27Bと関連する説明において、下部表示板100及び上部表示板200の積層の順序は、図3〜図4Cと関連して説明したものと同一であるので、これに関する詳細な説明を省略する。また、図3〜図4C及び図18〜図20Bと関連して説明した部分と重複する説明は、説明の便宜上省略する。また、説明の便宜のために、単位画素に関連した説明がなされることに留意すべきである。
以下、図25〜図27Bを参照して液晶表示板アセンブリ300を構成する下部表示板100及び上部表示板200の配置図を詳細に説明する。ゲート層導電体は、下部基板110上に形成され、複数のゲート線121n及び121n+1、降圧ゲート線123、及び複数のゲート電極124h、124l、124cを含む。データ層導電体は、線形抵抗性接触部材165上に形成され、データ線171、第1のソース電極173h、第2のソース電極173l、第3のソース電極173c、第1のドレーン電極175h、第2のドレーン電極175l、第3のドレーン電極175c、及び第3のドレーン電極拡張部177cを含む。画素電極層は、第2の保護膜182上に形成され、第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191l、第1の画素電極接触部192h及び第2の画素電極接触部192l、縦接続部193h及び193l、横接続部194h及び194l、十字状ブランチ部195h及び195l、微細ブランチ197h及び197l、第1の画素電極縦接続部715h及び第2の画素電極縦接続部715l(図示せず)、及びガス出口ホールカバー(outgasing hole cover)187(図示せず)を含む。
第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191lは、n+1番目のゲート線121n+1に接続された薄膜トランジスタQh25及びQl25を介してデータ線171からデータ電圧を受信する。第1の副画素電極191hは、図23Bに示す画素電極接点接続部715hの形状により第1の画素電極接触部192hから画素又は階調電圧を受信する。第2の副画素電極191lは、第2の画素電極接触部192lに接続され、降圧ゲート線123の方向に伸張する配線又は線により画素又は階調電圧を受信する。第2の副画素電極191lを第2の画素電極接触部192lに接続する配線は、降圧ゲート線123を全体的に覆うことができ、データ線171の方向に伸張することができる。
第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191lの上部横接続部194h及び194lは、n番目のゲート線121nと重なる。第2の副画素電極191lの下部横接続部194lは、降圧ゲート線123と重なる。第1の薄膜トランジスタQh25及び第2の薄膜トランジスタQl25を構成するゲート電極124h及び124lは、データ線171の方向に伸張することにより第3のドレーン電極の拡張部177cと重なる。
第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191lは、相互に隣接し、この電極に形成された微細ブランチ197h及び197lと微細スリット199h及び199lとは、ジグザグ形状を有する。第1の副画素電極191hに形成された微細ブランチ197h及び微細スリット199hの幅は、それぞれ約5μm〜6μmの範囲内のいずれか1つの値であり得、それぞれの幅は、約5μmから約6μmまで徐々に変わり得る。ジグザグ微細ブランチ197又は微細スリット199の単位長さは、約14μmであり得る。微細ブランチ197又は微細スリット199の主方向は、十字状ブランチ方向に対して約±40°であり得、ジグザグ角は、約±7°であり得る。第2の副画素電極191lに形成された微細ブランチ197l及び微細スリット199lの幅は、それぞれ約5μm〜7μmの範囲内のいずれか1つの値であり得る。本発明の他の実施形態に従って、微細スリット199lの幅が一定であり、微細ブランチ197lの幅が図面に示す矢印方向に約5μmから約7μmまで徐々に大きくなり得る。他方、微細スリット199lの幅が矢印方向に徐々に大きくなり得る。ジグザグ微細ブランチ197又は微細スリット199の単位長さは、約10μmであり得る。微細ブランチ197又は微細スリット199の主方向は、十字状ブランチの方向に対して約±45°であり得、ジグザグ角は、約±15°であり得る。
図27A及び図27Bを参照すると、上部表示板200に形成された遮光部材220は、画素間に形成され、降圧ゲート線123とゲート線121とが重なるようにする。より望ましく、遮光部材220の一端は、画素電極に隣接した降圧ゲート線123の一端と実質的に一致し、他端は、画素電極に隣接した降圧ゲート線121の一端と実質的に一致する。このように形成された画素構造は、本発明の特徴に従って、図3及び図18に示す画素構造とは異なり、画素電極の長辺がゲート線121に平行である方向に形成される。すなわち、1つの画素電極を取り囲んでいるゲート線は長く、データ線171は短い。したがって、この画素構造を有する液晶表示装置は、より少ないデータドライブIC(drive IC)の個数、例えば、一般的な液晶表示装置を構成するデータドライブICの個数の約1/3の個数で動作することができる。したがって、本発明による液晶表示装置の製造コストを減少させることができ、表示の品質を向上させることができる。
本発明の他の実施形態において、基本画素群に形成された基本色のカラーフィルターがデータ線171の方向に反復的にかつ周期的に形成されてもよい。すなわち、基本色で構成された1つのグループのカラーフィルターがデータ線171の方向に反復して連続的に配置されてもよい。他方、図32に示す基本画素群のように、相互に異なる4つの色が配置されてよい。図32に示す基本画素群の構造について後述する。
液晶表示板アセンブリのモード
以下、上述した方法で製造された表示板100及び200を用いて様々な方法で製造された液晶表示板アセンブリ300を詳細に説明する。図6A、図6B、及び図6Cは、それぞれ図1乃至図5A及び図5Bに従って製造された下部表示板100及び上部表示板200を用いてSVAモード(Super Vertical Alignment Mode)、SC−VAモード(Surface-Controlled Alignment Mode)及び偏光UV−VAモード(Polarized Ultra-Violet Vertical-Alignment Mode)に基づいて液晶表示板アセンブリ300を製造する方法を説明するための概略的なフローチャートである。各モードにおいて、下板配向膜291及び上板配向膜292の形成過程は実質的に同一である。したがって、以下では、説明の重複を避けるために、下板配向膜291の形成過程について詳細に説明する。
SVAモード(Super Vertical Alignment Mode)
まず、図6Aを参照してSVAモードの液晶表示板アセンブリ300が製造される方法について詳細に説明する。
最初のステップS110及びS120において、図1乃至図5A及び図5Bと関連して上述した方法で、画素電極191を有する下部表示板100と共通電極270を有する上部表示板200とがそれぞれ製造される。主配向物質(図示せず)は、画素電極191及び共通電極270上にインクジェット又はロールプリンティングにより塗布される。主配向物質は、下部表示板100及び上部表示板200の内部領域上に形成され、部分的に外郭領域に塗布されることができる。下部表示板100の外郭領域は、データ電圧の印加を受けて画素が形成されない領域であり、内部領域は、データ電圧の印加を受けて画素が形成される領域である。上部表示板200の外郭領域及び内部領域の各々は、下部表示板100と上部表示板200とが組み立てられる際に下部表示板100の外郭領域及び内部領域に対応する領域である。本発明の実施形態に従って、一部の領域で、主配向物質は、スペーサ、カラーフィルター、又は絶縁膜に直接接触するように塗布されることができる。
本発明の実施形態に従って、主配向物質は、側鎖に結合された光吸収剤、例えば、感光剤(photo-sensitizer)を含むことができる。主配向物質に含まれた感光剤は、ステップS154を参照して、後述する工程で約300nm〜約400nm波長の紫外線を吸収するために、主配向物質の下部膜、例えば、有機物の絶縁膜が入射する光により損傷されない。
感光剤は、2−ヒドロキシフェニル2H−ベンゾトリアゾール(2-Hydroxyphenyl 2H-benzotriazole)誘導体であり得る。2−ヒドロキシフェニル2H−ベンゾトリアゾール誘導体(2-Hydroxyphenyl 2H-benzotriazole derivative)を構成するベンゼン環(benzene ring)のヒドロキシ基及びオルト位置でベンゾトリアゾール(Benzotriazole)基の窒素(N)原子が水素結合を行うことにより約300〜約400nm波長を有する紫外線は容易に吸収される。2−ヒドロキシフェニル2H−ベンゾトリアゾル誘導体(2-Hydroxyphenyl 2H-benzotriazole derivative)は、(2,4-[di(2H-benzotriazol-2-yl)]-1,3-dihydroxybenzene)、2,4-[di(2H-benzotriazol-2-yl)]-1,3,5-trihydroxybenzene)、又は(2,4-[di(2H-benzotriazol-2-yl)]-1,3,5-trihydroxybenzene)であり得る。2−ヒドロキシフェニル2H−ベンゾトリアゾル誘導体(2-Hydroxyphenyl 2H-benzotriazole derivative)の構造式は、下の構造式PS−B1〜構造式PS−B7の中のいずれか1つであり得る。
構造式PS−B1
構造式PS−B2
構造式PS−B3
構造式PS−B4
構造式PS−B5
構造式PS−B6
構造式PS−B7
また、感光剤は、アミノ官能基(amino functional group)を有する以下の構造式PS−A1又はPS−A2を有することができる。感光剤がアミノ基(amino group)を有することによりポリイミド化反応を行うことができる側鎖(side chain)が形成されるために、アミノ基を有する感光剤は、低分子形態の感光剤が有する短所を改善することができる。低分子形態の感光剤は、主配向物質の構成成分となりつつ工程進行中にガスが発生することができ、主配向物質のコーティングの均一性(Uniformity)を低くすることができる。
構造式PS−A1
構造式PS−A2
ここで、Xは、O又はnが1〜10である整数を有する(CH2)nであり得る。また、R1〜R5は、水素又はアルキル基であり得る。
本発明の実施形態に従って、光吸収剤を含む主配向物質は、以下の構造式PI−A1を有することができ、下記のように製造されることができる。まず、20モル(mol)%のTCAAH(2,3,5-tricarboxy cyclopentyl acetic dian-hydride)、12モル%のp−フェニルジアミン(p-phenyldiamine)、2モル%のコレステロールジアミン(Cholesteric diamine)、及び2モル%の2−ヒドロキシベンゾトリアゾールジアミン(2-Hydroxybenzotriazole diamine,構造式PS−A1)の混合物は、窒素雰囲気及び弱常温〜100℃で約48時間の間にDMAc(N,N-Dimethyl acetamide)溶媒と混合される。このように混合された(stirred)中間生成物は、約95%以上の純度を有するエタノール(Ethanol)と混合されることにより沈殿されたポリアミック酸(Polyamic acid)が得られる。この後に、約4〜10重量(wt)%のポリアミック酸、約0.1〜40重量(wt)%の熱硬化剤と約80〜95重量(wt)%の溶媒とが混合されることにより、下記の構造式PI−A1を有する主配向物質が製造されることができる。熱硬化剤は、エポキシ(Epoxy)系列の低分子であり得、溶媒は、ブチルラクトン(Butyl Lactone))、Nビニルピロリドン(NVinyl pyrrolidone:NMP)、及びブチルセルロース(Butyl Cellulose)がそれぞれ約4:約3:約3の割合で混合されたものであり得る。
構造式PI−A1
主配向物質は、後述する工程、例えば、光又は熱で硬化された後に主配向膜33となる。本発明の他の実施形態に従って、主配向物質は、垂直整列(vertical alignment:VA)モード又はツイステッドネマチック(twisted nematic:TN)モードなどに一般的に使用される物質であり得ることは、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば容易に分かるはずである。
ステップS110及びS120の完了後に、次のステップS140では、上部表示板200の配向膜292と下部表示板100の主配向膜34及び33との間で液晶分子31及び光硬化剤(図示せず)を有する液晶層3が形成され、下部表示板100及び上部表示板200は、シール剤(図示せず)により密封されることにより組み立てられる。下部表示板100と上部表示板200との間で後述する上板共通電圧印加点(図示せず)が形成されることができる。シール剤は、熱硬化、可視光線、又は紫外線(UV)により硬化される。光硬化剤は、液晶層3に対して約1.0重量%以下であり、より望ましくは、約0.5重量%以下である。
本発明の実施形態に従って、液晶層3を構成する液晶分子は、本発明の特徴に従って、3個のベンゼン環モノマーを有する混合物であり得る。この混合物を構成するLC−Aモノマーは、約19重量%〜約29重量%であり得、より望ましくは、約24重量%であり得、LC−Bモノマーは、約2重量%〜約8重量%であり得、より望ましくは、約5重量%であり得、LC−Cモノマーは、約1重量%〜約5重量%であり得、より望ましくは、約3重量%であり得、LC−Dモノマーは、約19重量%〜約29重量%であり得、より望ましくは、約24重量%であり得、LC−Eモノマーは、約23重量%〜約33重量%であり得、より望ましくは、約28重量%であり得、LC−Fモノマーは、約5重量%〜約11重量%であり得、より望ましくは、約8重量%であり得、LC−Gモノマーは、約5重量%〜約11重量%であり得、より望ましくは、約8重量%であり得る。LC−Aモノマーの構造式は、
であり、
LC−Bモノマーの構造式は、
であり、
LC−Cモノマーの構造式は、
LC−Dモノマーの構造式は、
であり、LC−Eモノマーの構造式は、
であり、
LC−Fモノマーの構造式は、
であり、LC−Gモノマーの構造式は、
である。ここで、R及びR’は、アルキル基又はアルコール(alcohol)であり得る。この混合物の回転粘度は、約80〜約110mPs*sであり、屈折率は、約0.088〜約0.1080であり、誘電率は、約−2.5〜約−3.7及び液相−等方相転移温度(Tni)は、約70°〜約90°であり得る。このような混合物で構成された液晶分子は、4個のベンゼン環を含まないために液晶分子の復元力は優秀である。したがって、液晶分子が遅く復元されることにより発生する光漏れ不良が減少することができる。この混合物で構成された液晶分子は、後述するSC−VAモード及び偏光UV−VAモードに適用されることができる。
本発明の一実施形態による光硬化剤は、反応性メソゲン(Reactive Mesogen:RM)であり得る。用語‘メソゲン’は、液晶性質のメソゲン基(mesogen group)を含む光架橋性モノマー又はポリマー共重合体(copolymer)を意味する。反応性メソゲンは、例えば、アクリレート、メタクリルレート、エポキシ、オキセタン、ビニル−エーテル、スチレン、又はチオレン(thiolene)で構成された基から選択された1つを含み得、上板配向膜の形成について上述した反応性メソゲンに含まれた材料であり得る。反応性メソゲンは、棒型、バナナ型、板型、又はディスク型構造の物質であり得、液晶相挙動を誘発する能力を有する基であるなお、棒型または板型を有する液晶(LC)化合物はまた、当該分野において、「カラミティック」液晶として知られている。ディスク型基を有する液晶化合物はまた、当該分野において、「ディスコティック」液晶として知られている。また、上述した光開始剤(図示せず)が液晶層3にさらに含まれてもよい。液晶層3に含まれた光開始剤は、光硬化剤の全重量に対して約0.01重量%〜1重量%である。光開始剤は、長波長紫外線(UV)を吸収することによりラジカルで分解されるため、光硬化剤の光重合反応を促進させる。光開始剤は、約300nm〜400nmの波長を吸収する材料であり得る。
以下、本発明の他の実施形態に従って、反応性メソゲン(RM)と液晶分子とが混合された新規のRM−液晶混合物、すなわち、ZSM−7160混合物が開示される。
ZSM−7160混合物を構成するホスト液晶分子は、本発明の特徴に従ってジシクロヘキシル基(dicyclohexyl group)モノマー、シクロヘキシルフェニレンフッ素化テルフェニル基(cyclohexyl-fluorinated terphenyl group)モノマー、及びフッ素化されたテルフェニル基(Fluorinated terphenyl group)モノマーを含む。ZSM−7160混合物は、ホスト液晶分子と反応性メソゲンとの混合物であり、反応性メソゲンは、ホスト液晶分子の全重量に対して約0.1重量%〜1重量%、より望ましくは、約0.2重量%〜0.5重量%で混合されることができる。ホスト液晶分子は、約20重量%〜30重量%のジシクロヘキシル基(dicyclohexyl group)モノマー、約0重量%〜10重量%のシクロヘキシルフェニレン基(cyclohexyl-phenylene group)モノマー、約0重量%〜10重量%のジシクロヘキシルフェニレン基(Dicyclohexyl-phenylene group)モノマー、約20重量%〜30重量%のシクロヘキシル2フッ素化ジフェニレン基(Cyclohexyl phenylene-difluorinated phenylene group)モノマー、約20重量%〜30重量%のシクロヘキシルエチルフッ素化フェニレン基(cyclohexyl-phenylene group)モノマー、約5重量%〜10重量%のジシクロヘキシル2フッ素化フェニレン基(Dicyclohexyl-difluorinated phenylene group)モノマー、及び約0重量%〜10重量%のシクロヘキシルフッ素化テルフェニル基(cyclohexyl-fluorinated terphenyl group)モノマー、又はフッ素化テルフェニル基(fluorinated terphenyl group)モノマーを含むことができる。ホスト液晶分子を構成するモノマーの重量%は、それぞれ溶媒を除くホスト液晶分子に対する重量%である。ホスト液晶分子の屈折率は、約0.08〜0.13であり得る。
ジシクロヘキシル基(dicyclohexyl group)モノマーの化学構造は、構造式LC−A1で表現されることができる。
構造式LC−A1
シクロヘキシルフェニレン基(cyclohexyl-phenylene group)モノマーの化学構造は、構造式LC−A2で表現されることができる。
構造式LC−A2
ジシクロヘキシルフェニレン基(Dicyclohexyl-phenylene group)モノマーの化学構造は、構造式LC−A3で表現されることができる。
構造式LC−A3
シクロヘキシル2フッ素化ジフェニレン基モノマー、の化学構造は、構造式LC−A4で表現されることができる。
構造式LC−A4
シクロヘキシルエチル2フッ素化フェニレン基(cyclohexyl-ethyl-difluorinated phenylene group)モノマーの化学構造は、構造式LC−A5で表現されることができ、ホスト液晶分子の誘電率異方性及び回転粘度を調節する。
構造式LC−A5
ジシクロヘキシル2フッ素化フェニレン基(Dicyclohexyl-difluorinated phenylene group)モノマーの化学構造は、構造式LC−A6で表現されることができ、ホスト液晶分子の誘電率異方性及び回転粘度を調節する。
構造式LC−A6
シクロヘキシルフッ素化テルフェニル基(cyclohexyl-fluorinated terphenyl group)モノマー及びフッ素化テルフェニル基モノマーの化学構造は、構造式LC−A7−1及びLC−A7−2でそれぞれ表現されることができ、ホスト液晶分子の誘電率異方性を調節する。
構造式LC−A7−1
構造式LC−A7−2
ここで、R1、R2、R及びR’は、それぞれ1〜10個の炭素(C)原子を有するアルキル(alkyl)基、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、又は−COO−であり得る。
反応性メソゲン(RM)は、構造式RM−A1で表現されるフッ素化ビフェニルジメタクリレート(Fluorinated biphenyl dimethacrylate)モノマーであり得、このモノマーは、日本特許第4,175,826号に開示されている。
構造式RM−A1
ホスト液晶分子と反応性メソゲン(RM)との混合物で構成されたZSM−7160混合物は、反応性メソゲン(RM)の全重量に対して約0〜1.0重量(%)の光開始剤を含み得る。このようなZSM−7160混合物は、従来のRM−液晶混合物と同一の特性を有するためにRM−液晶混合物の材料が多様化され得、生産者によるRM−液晶混合物のコストの上昇を抑制することができる。
以下、本発明の他の実施形態に従って、反応性メソゲンと液晶分子とが混合された新規RM−液晶混合物、すなわち、DS−09−9301混合物が開示される。DS−09−9301混合物を構成するホスト液晶分子は、本発明の特徴に従って、ビフェニル基(Biphenyl group)モノマーとキノン誘導体(Quinone derivative)とを含む。DS−09−9301混合物を有する液晶表示装置は、速い応答速度の特性を有することができる。DS−09−9301混合物は、ホスト液晶分子と反応性メソゲンとの混合物であり、反応性メソゲンは、ホスト液晶分子の全重量に対して約0.1重量%〜約1重量%、より望ましく、約0.2重量%〜約0.4重量%で混合され得、ホスト液晶分子は、約10重量%〜20重量%のビフェニル基モノマー、約0重量%〜約10重量%のシクロヘキシルフェニレン基(Cyclohexyl-phenylene group)モノマー、約5重量%〜約10重量%のジシクロヘキシルフェニレン基(Dicyclohexyl-phenylene group)モノマー、約15重量%〜約30重量%のシクロヘキシル2フッ素化ジフェニレン基モノマー、約15重量%〜30重量%のキノン誘導体(Quinone derivative)、約0重量%〜約5重量%のジシクロヘキシル2フッ素化フェニレン基(Dicyclohexyl-difluorinated phenylene group)モノマー、及び約0重量%〜約10重量%のシクロヘキシルエチル2フッ素化フェニレン基(Cyclohexyl-ethyl-difluorinated phenylene group)モノマーを含み得る。ホスト液晶分子を構成するモノマーの重量%は、それぞれ溶媒を除くホスト液晶分子に対する重量%である。ホスト液晶分子の屈折率は、約0.08〜約0.13であり得る。
ビフェニル基モノマーの化学構造は、構造式LC−B1−1又は構造式LC−B1−2で表現されることができ、ビフェニル基を含んでいるため、高屈折率特性を有する。
構造式LC−B1-1
構造式LC−B1-2
キノン誘導体の化学構造は、構造式LC−B7−1又は構造式LC−B7−2で表現されることができ、ホスト液晶分子の誘電率異方性及び回転粘度を調節する。また、構造式LC−B7−1又は構造式LC−B7−2のポリマーは、高い分極性(polarity)を有するためにホスト液晶分子の応答速度は、
一層大きくなることができる。
構造式LC−B7−1
構造式LC−B7−2
ここで、R、R’又はOR’は、それぞれ1〜10個の炭素(C)原子を有するアルキル基、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、又は−COO−であり得る。
シクロヘキシルフェニレン基(Cyclohexyl-phenylene group)モノマーの化学構造は、上述した構造式LC−A2であり得る。ジシクロヘキシルフェニレン基モノマーの化学構造は、上述した構造式LC−A3であり得る。シクロヘキシル脱フッ素化ジフェニレン基モノマーの化学構造は、上述した構造式LC−A4であり得る。シクロヘキシル脱フッ素化ジフェニレン基モノマーの化学構造は、上述した構造式LC−A6であり得る。シクロヘキシルエチル2フッ素化フェニレン基(Cyclohexyl-ethyl-difluorinated phenylene group)モノマーの化学構造は、それぞれ上述した構造式LC−A5であり得る。反応性メソゲン(RM)は、上述した構造式RM−A1であり得る。ホスト液晶分子と反応性メソゲンとの混合物で構成されたDS−09−9301混合物は、反応性メソゲンの全重量に対して約0〜1.0重量(%)の光開始剤を含み得る。このようなDS−09−9301混合物を有する液晶表示装置は、速い応答速度の特性を有することができる。
本発明の他の実施形態に従って、新規RM−液晶混合物を構成するホスト液晶分子は、炭素二重結合を有するアルケニル(alkenyl)基モノマー及び下記の構造式LC−C9を有するモノマーを含み得る。炭素二重結合を有するアルケニル基モノマーは、低粘度モノマーであるため、これを含むRM−液晶混合物は、低粘度特性を有し、これを含む液晶表示装置は、速い応答速度の特性を有することができる。炭素二重結合を有するアルケニル基モノマーは、ホスト液晶分子の回転粘度を改善するために炭素二重結合を有する下記の構造式LC−C8−1又は構造式LC−C8−2モノマーであり得る。炭素二重結合を有するアルケニル基モノマーは、溶媒を除く全ホスト液晶分子に対して約1〜60重量(%)でRM−液晶混合物に含まれ得る。
構造式LC−C8−1
構造式LC−C8−2
ここで、A、B、及びCは、それぞれベンゼン環(benzene ring)又はシクロヘキサン環(cyclohexane ring)構造であり得る。X及びYの中の少なくとも1つは、
または
形態の炭素二重結合を有する。A、B、及びCの各々を構成する外郭水素原子は、F及びClのような極性原子に置き換えられることができる。
構造式LC−C9を有するモノマーは、RM−液晶混合物でアルケニル(alkenyl)基モノマーが反応性メソゲンと結合することを防止する。アルケニル基モノマーを構成する二重結合のパイ結合(π bond)が反応性メソゲンのメタクリレート基(methacrylate radical)と結合することにより反応性メソゲンが硬化されないことがある。その結果、液晶表示装置は、反応性メソゲンの未硬化による残像の不良を有し得る。構造式LC−C9を有するモノマーは、溶媒を除いた全ホスト液晶分子に対して約5重量(%)以下にRM−液晶混合物に含まれ得る。
構造式LC−C9
ここで、Z1〜Z4は、それぞれベンゼン環又はシクロヘキサン環(cyclohexane ring)構造であり得、より望ましく、Z1〜Z4は、4個のベンゼン環であり得る。R1及びR2は、それぞれ1〜10個の炭素(C)原子を有するアルキル基、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、又は−COO−、F、又はClであり得る。また、Z1〜Z4の外郭水素原子は、F及びClのような極性原子に置き換えられることができる。
反応性メソゲンは、溶媒を除く全ホスト液晶分子に対して約0.05重量%〜1重量%、より望ましく、約0.2重量%〜0.4重量%でホスト液晶分子と混合されることができる。反応性メソゲンは、上述した又は後述する物質であり得る。このようなアルケニル基モノマー及び下記の構造式LC−C9を有するRM−液晶混合物は、従来の混合物より低い約90mPa・s〜108mPa・sの回転粘度特性を示す。また、この混合物を含む液晶表示装置は、従来の混合物より低い約25ppm〜35ppmの未硬化反応性メソゲンを有し、約3以下レベルのブラック残像を有することができる。
以下、ステップS140で行われる工程について詳細に説明する。ステップS110及びステップS120で塗布された主配向物質は、ステップS140で、約80℃〜約110℃で約100秒〜約140秒の間、より望ましくは、約95℃で約120秒の間に1次加熱する。1次加熱の間に主配向物質の溶媒は気化され、イミド化された垂直配向性のモノマーは、下部膜に対して垂直方向に整列されることにより主配向膜を形成する。
1次加熱の後、主配向物質は、約200℃〜約240℃で約1000秒〜約1400秒の間、より望ましくは、約220℃で約1200秒の間2次加熱される。2次加熱の間に主配向物質が硬化されることにより主配向膜が形成される。
2次加熱の後、主配向膜は、純水(DeIonized Water:DIW)により洗浄され、イソプロピルアルコール(isopropyl alcohol:IPA)により追加で洗浄されることができる。洗浄の後、主配向膜は乾燥される。乾燥の後に、液晶層は、下部表示板100又は上部表示板200に形成される。液晶層は、上述した液晶分子及び光硬化剤を構成する混合物、ZSM−7160混合物、DS−09−9301混合物又は液晶分子及び上述した光硬化剤の化合物を有し得る。下部表示板100及び上部表示板200は、液晶分子及び光硬化剤を有する状態でシール剤により組み立てられる。
この組み立てられた後に、液晶分子のファジー性(fuzziness)及び均一性を向上させるために、下部及び上部表示板は、約100℃〜約120℃のチャンバー(chamber)内で約60分〜約80分の間にアニーリング(annealing)が行われる。
次のステップS150において、この組み立てられた後に、光により硬化された光硬化剤は、光硬化層35となる。光硬化層35及び主配向膜33は、下板配向膜291を構成する。
ステップS150を構成するステップS152において、硬化された下板光硬化層35が形成される前に、液晶層3に形成された電場及び露光工程を詳細に説明する。電圧が下部表示板100の画素電極191及び上部表示板200の共通電極270に供給される場合に、電場は、液晶層3に形成される。
以下、本発明の実施形態に従って電場を液晶層3に形成する方法について説明する。上記方法は、直流電流(Direct Current:DC)電圧を供給する方法及びマルチステップ電圧を供給する方法を含む。まず、1番目に、図7Aを参照してDC電圧を液晶表示板アセンブリ300に供給する方法を説明する。所定の第1の電圧V1が‘TA1’期間の間に液晶表示板アセンブリ300のゲート線121及びデータ線171に供給される場合に、副画素電極191h及び191lは、第1の電圧V1の供給を受ける。この際に、接地電圧又は約ゼロボルト(0V)の電圧が共通電極270に供給される。‘TA1’期間は、約1秒〜300秒、より望ましくは約100秒である。第1の電圧V1は、約5V〜20Vであり、より具体的には約7V〜15Vである。
以下、‘TA1’期間の間に、液晶層3で生成された電場により配列された液晶分子31の動きについて詳細に説明する。‘TA1’期間は、液晶分子をフリンジ電場(fringe electric field)方向に配列する期間である。副画素電極191h及び191lに供給された電圧と共通電極270に供給された電圧間の差により液晶層3で電場が生成され、この電場により屈折率異方性を有する液晶分子が配列される。図3に示す微細ブランチ197h、197lと微細スリット199h、199lとからなるエッジ画素電極及び縦接続部193h、193lと横接続部194h、194lとからなるエッジ画素電極が電場を歪曲するために、フリンジ電場は、液晶層3で形成される。フリンジ電場により、液晶分子31の長軸は、微細ブランチ197のエッジに垂直する方向に傾く傾向がある。
次に、隣接する微細ブランチ197h、197lのエッジにより発生するフリンジ電場の水平成分の方向が相互に反対であり、微細ブランチ197hと197l間の間隔W、すなわち、微細スリット199h、199lの幅Wが狭いために、液晶分子31は、水平成分により電場方向に傾く傾向がある。しかしながら、画素電極191の縦接続部193h、193l及び横接続部194h、194lのエッジによるフリンジ電場の強度が微細ブランチ197h、197lのエッジによるフリンジ電場の強度より大きいために、液晶分子31は、結局、微細ブランチ197h、197lの長さ方向に平行に傾く。すなわち、液晶分子31は、相対的に大きいフリンジ電場の法線方向、すなわち、微細ブランチ197h、197lの長さ方向に対して平行に傾く。この平行である微細ブランチ197がある領域内の液晶分子31は、傾斜角を同一の方向になすようにすることにより1つのドメインを形成する。図3に示す第1の副画素又は第2の副画素で微細ブランチ197が4つの方向に伸張するので、画素電極191の近傍の液晶分子31は、4本の方向に傾斜し、各副画素191h、191lは、4つのドメインを有する。1つの画素PXが多くの数のドメインを有する場合に、液晶表示装置の側面視認性がよくなる。
この後に、光が液晶表示板アセンブリ300に照射される‘TD1’期間の間に所定の露光電圧が供給され、これにより、液晶分子が安定した状態で配列され、この期間の間に電界露光工程が行われる。この露光電圧は、‘TA1’期間の第1の電圧V1と同一であり得る。‘TD1’期間は、約50秒〜150秒、より望ましくは約90秒である。
他の実施形態において、画素電極191は、接地電圧又は約0Vの電圧の供給を受け、共通電極270は、第1の電圧V1又は露光電圧の供給を受けることができる。
図7Bを参照して、本発明の他の実施形態に従うマルチステップ電圧を液晶表示板アセンブリ300に供給する方法について詳細に説明する。下記の説明において、液晶層3で生成された電場による液晶分子31の動きが図7Aの‘TA1’期間で詳細に説明されたので、重複説明を避けるために省略する。
所定の第2の電圧(低電圧を有する)V2が‘TA2’期間の間にゲート線121及びデータ線171に供給される場合に、第2の電圧は、第2の副画素電極191h、191lに供給される。接地電圧又は約ゼロボルト(0V)電圧が共通電極270に供給される。第2の電圧は、‘TA2’期間の電圧であり、低電圧及び高電圧(V2)で構成される。第2の電圧は、副画素電極191h、191lに交互に供給され、約0.1〜120Hzの周波数を有する。低電圧は、接地電圧又は0Vであり得る。高電圧(V2)は、液晶表示装置の最大駆動電圧より高いことが好ましく、高電圧(V2)は、約5V〜60Vであり、より具体的には、約30V〜50Vであり得る。‘TA2’期間は、約1秒〜300秒、より望ましくは、約60秒である。‘TA2’期間の間に、低電圧又は高電圧(V2)が保持される時間は、約1秒である。
上述したように、副画素電極191h、191lに供給された電圧と共通電極270に供給された電圧間の電圧差のために、電場は、液晶層3で形成される。この電場が液晶層3で形成される場合に、液晶分子31は、微細ブランチ197h及び197lの長さ方向に平行である方向に傾き、電場が形成されない場合には、液晶分子31は、上部表示板100又は下部表示板200に垂直である方向に配列される。低電圧及び高電圧(V2)を副画素電極191h、191lに交互に供給することは、液晶層3の液晶分子31に加えられる電場をオン(ON)及びオフ(OFF)でスイッチングするために、初期に垂直に配向されている液晶分子31が所望の傾斜方向に均一に整列されることができる。
この後に、‘TB2’期間の間に低電圧から高電圧V2に徐々に増加する電圧が供給され、これにより、液晶分子が徐々に配列される。‘TB2’期間は、約1秒〜約100秒、より望ましくは、約30秒であり得る。‘TB2’期間の間に、液晶分子31が経時的に垂直配向状態で画素電極191の微細ブランチ197の長さ方向に平行である方向に順次に横たわるために、液晶分子31の不規則な移動が防止され、これは、急速な電場が液晶層3で形成される際に発生し得る。
期間‘TC2’において、液晶分子31が画素電極191の微細ブランチ197の長さ方向に平行である方向に傾斜した後に液晶配列が安定する。‘TC2’期間は、約1秒〜600秒であり、より望ましくは、約40秒である。‘TC2’期間の間に高電圧(V2)が供給される状態が保持される。
この後に、光が液晶表示板アセンブリ300に照射される‘TD2’期間に所定の露光電圧が供給され、これにより、液晶分子が安定した状態で配列され、この期間の間に電界露光工程が行われる。‘TD2’期間は、約80秒〜200秒であり、より望ましくは約150秒である。露光電圧は、第2の電圧(V2)の最終電圧と同一であり得る。露光電圧は、約5V〜60Vであり、より望ましくは、約30V〜50Vである。本発明の一実施形態において、液晶層3の厚さが約3.6μmである場合、露光電圧は、約20V〜40Vであり得、液晶層3の厚さが約3.2μmである場合、露光電圧V3は、約10V〜30Vであり得る。
本発明の他の実施形態において、接地電圧又は約0Vの電圧は、副画素電極191h及び191lに供給され、所定の第2の電圧(0V及びV2)は、共通電極270に供給され得る。
次のステップS154において、上述したDC又はマルチステップ電圧が上部表示板200及び下部表示板100に供給された後に、所定の電場が液晶層3で形成される間に、すなわち、TD1又はTD2期間の間に、光が液晶層3又は配向反応物を有する下部及び上部表示板に照射され、結果的に光硬化層が形成される。液晶層3に照射される光は、下部基板110及び上部基板210の方向の中のいずれか一方又は両方で照射することができる。より望ましくは、未硬化の光硬化剤を減少させ、光硬化層を均一に形成するために、光は、光を吸収するか又は遮断する膜がより少ない下部表示板100の基板110又は上部表示板200の基板210の方向に入射することができる。
以下、電場が形成される液晶層3に光が照射される工程、すなわち、電界露光工程により下板光硬化層35が形成される方法について詳細に説明される。電場が液晶層3に存在する状態で、主配向膜33に隣接した液晶分子31は、微細ブランチ197の方向に平行に傾斜しつつ配列される。液晶層3に存在する光硬化剤は、照射される光により主配向膜33上の液晶分子31と実質的に同一の傾斜角を有しつつ硬化することにより光硬化層35を形成する。光硬化層35は、主配向膜33上に形成される。液晶層3に形成された電場の除去の後にも、光硬化層35の側鎖(side chain)ポリマーは、隣接した液晶分子31の方向性をそのまま保持する。本発明の実施形態によるメソゲンは、光硬化剤として紫外線(UV)又は一定の温度でメソゲンの異方性の誘導により液晶分子31の方向性をそのまま保持する。
‘TD1’又は‘TD2’期間は、上述した通りである。液晶層3に照射される光は、平行紫外線(Collimated UV)、偏光紫外線(Polarized UV)又は無偏光紫外線(non-polarized UV)であり得る。紫外線波長は、約300nm〜400nmであり得る。光エネルギーは、約0.5J/cm2〜40J/cm2であり、より望ましくは、約5J/cm2である。光硬化剤及びシール剤を硬化する光は、異なる波長及びエネルギーであり得る。
このように、液晶分子31が光硬化層35のポリマーにより微細ブランチ197の長さ方向に平行である方向にプレチルト角を保持する場合に、電場が液晶分子31の運動方向の決定により形成される場合に、液晶分子31が急速に傾くため、液晶表示装置の高速の応答速度(Response Time:RT)を保証する。光硬化層35の側鎖に近い液晶分子31は、下部表示板100の垂直方向に対して若干一定のプレチルト角を有するが、光硬化層35から液晶層3の中央に移動するほど、液晶分子31は、一定のプレチルト角を有しないことがある。液晶表示装置のコントラスト比を改善させ、無電界状態(no-electric field state)で光漏れを防止するために、液晶層3の中央での液晶分子は、光化層35に隣接した液晶分子とは異なり、プレチルト角を有しないことがある。
本発明の一実施形態において、液晶層3に残っている未硬化の光硬化剤が残像を誘発するために、液晶層3に存在する未硬化の光硬化剤を除去するために又はプレチルト角を有する光硬化層35及び36を安定化するためには、液晶層3に形成された電場がない状態で液晶層3に光が照射される工程、すなわち、蛍光露光工程が行われることができる。本発明の一実施形態に従って、蛍光露光工程は、約20分〜約80分、より望ましくは、約40分の間照射されることができる。この時に、照射される光の波長は、約300nm〜約390nmであり、310nm波長で、光の照度は、約0.05mW/cm2〜約0.4mW/cm2である紫外線であり得る。
本発明の他の実施形態において、液晶層3に形成された電場の強度、画素電圧のレベル、画素PXに供給される電圧の時間、光エネルギー、光照射量、光照射時間、又はこれらの組合せに基づいて様々なプレチルト角の側鎖を有する下板光硬化層35又は上板光硬化層36が形成され得る。1つの実施形態において、露光電圧が副画素電極191h、191lに相互に異なって供給された状態で電界露光により相互に異なるプレチルト角の光硬化層35を有する第1の副画素190h及び第2の副画素190lが形成され得る。もう1つの実施形態において、基本画素群PSを構成する基本色画素の中の少なくとも1つの画素、例えば、青色画素は、他の画素のプレチルト角とは異なるプレチルト角を有する光硬化層を有することができるように、異なる露光電圧又は異なる電界露光工程が画素に従って適用されることができる。
偏光子(図示せず)は、シール剤により組み立てられた下部表示板100及び上部表示板200に取り付けられる。上述したように、光硬化剤が液晶層3に含まれた状態で製造された液晶表示板アセンブリ300は、SVAモード特性を有する。
SC−VAモード(Surface-Controlled Alignment Mode)
実施形態1
以下、図6B、図8A乃至図8E、及び図9A及び図9Bを参照してSC−VAモードに基づく液晶表示板アセンブリ300を製造する方法について詳細に説明する。SVAモードに基づく液晶表示板アセンブリ300を製造する方法と重複する詳細な説明は、説明の便宜上省略し、SC−VAモードにより特徴づけられる液晶表示板アセンブリ300を製造する方法について詳細に説明する。
図6Bは、図1乃至図5A及び図5Bと関連して製造された下部表示板100及び上部表示板200を用いてSC−VAモードに基づいて液晶表示板アセンブリ300を製造する方法を示すフローチャートである。図8A乃至図8Eは、本発明の実施形態によるSC−VAモードに基づく液晶表示板アセンブリ300の下板配向膜291を形成する工程を順次に示す断面図であり、図9A及び図9Bは、表面光硬化剤を硬化することにより光硬化層35を形成するステップを概略的に示す図である。
1番目のステップS210及びS220において、画素電極191を有する下部表示板100及び共通電極270を有する上部表示板200の製造については、図1乃至図5A及び図5Bを参照して既に説明した。
次のステップS231及びS232において、表面光硬化剤層35a及び主配向膜33は、画素電極191及び共通電極270にそれぞれ形成される。
図8A乃至図8Eを参照して、下板主配向膜33及び表面光硬化剤層35aを形成する工程について詳細に説明する。図8Aを参照すると、表面光硬化剤(図示せず)及び表面主配向物質(図示せず)で構成された表面配向反応物10が画素電極191上にインクジェットプリンティング又はロールプリンティングの方法で形成される。表面配向反応物10は、下部表示板100及び上部表示板200の内部領域に形成され、部分的に外郭領域に塗布されることができる。画素電極191及び共通電極270の他の下部層は、上述したものと同一であるので省略した。すなわち、表面配向反応物10は、表面光硬化剤と表面主配向物質との混合物又は化合物である。表面主配向物質は、液晶分子31を基板又は画素電極191の平面に対して垂直配向する垂直配向物質である。表面光硬化剤は、基板又は画素電極191の平面に対して特定の傾斜方向に液晶分子31をプレチルトするように硬化される物質である。表面主配向物質及び表面光硬化剤の材料については後述する。
図8Bを参照すると、画素電極191上に形成された表面配向反応物10は、低温で1次加熱される。1次加熱工程は、約100秒〜約140秒、より望ましくは約120秒の間に約80℃〜約110℃、より望ましくは、約95℃で行われる。1次加熱において、表面配向反応物10の溶媒が気化される。図8Cを参照すると、表面配向反応物10が表面主配向物質を有する表面主配向物質層33aと表面光硬化剤を有する表面光硬化剤層35aとに相分離される。表面配向反応物10において、極性差に基づいて、相対的に大きい極性を有する物質は、画素電極191の周辺に移動することにより表面主配向物質を有する表面主配向物質層33aとなり、相対的に小さい極性を有する物質は、表面主配向物質層33a上に移動することにより表面光硬化剤を有する表面光硬化剤層35aとなる。表面主配向物質は、相対的に大きい極性を有し、液晶分子31を基板又は画素電極191の平面に対して垂直に配向する。表面光硬化剤層35aは、側鎖極性を弱化させる非極性作用をするアルキル化芳香族ジアミン(alkylated aromatic diamine)系モノマーを含むために相対的に小さい極性を有する。
図8D及び図8Eを参照すると、相分離が起こった表面主配向物質層33a及び表面光硬化剤層35aを高温で2次加熱する場合に、下部に相対的に大きい極性を有し、液晶分子31を基板又は画素電極191の平面に対して垂直配向する主配向膜33が形成され、上部に相対的に小さい極性を有する表面光硬化剤層35aが形成される。その結果、主配向膜33及び表面光硬化剤層35aは、異なる極性値を有する。2次加熱工程は、約1000秒〜約1400秒、より望ましくは約1200秒の間に約200℃〜約240℃、より望ましくは約220℃で行われることができる。
本発明の実施形態において、表面主配向物質を有する表面主配向物質層33a及び表面光硬化層35aが下部層及び上部層に個別に形成される場合に1次加熱工程を省略してもよい。
以下、表面光硬化剤及び表面主配向物質について詳細に説明する。本発明の実施形態によると、表面配向反応物10の中で表面主配向物質は、約85モル%〜95モル%であり、表面光硬化剤は、約5モル%〜15モル%であり、より具体的に表面主配向物質は、約90モル%であり、表面光硬化剤は、約10モル%である。表面主配向物質及び表面光硬化剤のモル%組成比は、それぞれ溶媒を除く表面配向反応物10に対するモル%であり、主配向膜33及び光硬化剤層35aに相分離された後又は主配向膜33及び光硬化層35が形成された後にも、表面主配向物質及び表面光硬化剤のモル%組成比は、実質的に同一である。
本発明の一実施形態において、表面光硬化剤は、上述した反応性メソゲンを有する。本発明の一実施形態に従って、表面配向反応物10を広く薄い方法で下部又は上部表示板によく伸びるように塗布される印刷性を向上させるために、溶媒は、表面配向反応物10に付加されることができる。また、溶媒は、表面配向反応物10を構成する物質を容易に溶解するか又は混合するようにする。溶媒は、クロロベンゼン(chlorobenzene)、ジメチル・スルホキシド(dimethyl sulfoxide)、ジメチルホルムアミド(dimethylformamide)、N−メチルピロリドン(N-methylpyrrolidone)、γ−ブチロラクトン(γ-butyrolactone)、エチルメトキシブタノール(ethyl methoxy butanol)、メチルエトキシブタノール(methyl ethoxy butanol)、トルエン(toluene)、クロロホルム(chloroform)、ガンマブチロラクトン(gamma-butyrolactone)、メチル・セロソルブ(methyl cellosolve)、ブチル・セロソルブ(butyl cellosolve)、ブチル・カルビトール(butyl carbitol)、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)、及びこれらの組合せでなる群から選択されることができ、本発明の範囲及び趣旨を逸脱することなく、他の物質も溶媒として選択可能であることは、当該分野における通常の知識を有する者には容易に理解されることができる。上述した溶媒は、上述した又は後述する主配向物質、表面配向反応物10、又は偏光配向反応物に適用されてもよい。この溶媒は、上述した又は後述する1次加熱、2次加熱、予備加熱、又は後加熱工程により気化されることができる。
表面主配向物質は、脂環式二無水物系モノマー(alicyclic dianhydride-based monomer)のような二無水物系モノマー(dianhydride-based monomer)、芳香族ジアミン(aromatic diamine)系モノマー及び脂肪族環置換芳香族ジアミン系モノマー(aliphatic ring substituted aromatic diamine-based monomer)のようなジアミン系モノマー、及び芳香族エポキシド系モノマーのような架橋剤(cross-linker)を含むポリマーであり得る。
表面主配向物質に含まれた脂環式二無水物(alicyclic dianhydride)系モノマーは、表面配向反応物10の中で約39.5モル%〜49.5モル%であり得、芳香族ジアミン系モノマーは、表面配向反応物10の中で約30.5モル%〜40.5モル%であり得、脂肪族環置換芳香族ジアミン系モノマーは、表面配向反応物10の中で約7.5モル%〜10.5モル%であり得、芳香族エポキシド系モノマーは、表面配向反応物10の中で約0.5〜1.5モル%であり得る。
脂環式二無水物系モノマーは、下記の化学式I乃至化学式Vの中のいずれか1つで表現されるモノマーであり得る。脂環式二無水物系モノマーは、表面主配向物質に含まれたポリマーが溶媒によく溶解されるようにし、表面主配向物質の電気光学特性を強化する。
化学式I
化学式II
化学式III
化学式IV
化学式V
芳香族ジアミン系モノマーは、次の化学式VIで表現されるモノマーであり得る。この表面主配向物質内の芳香族ジアミン系モノマーは、表面主配向物質に含まれたポリマーが溶媒に溶解されるようにする。
化学式VI
ここで、W3は、下記の化学式VII乃至IXの中のいずれ1つであり得る。
化学式VII
化学式VIII
化学式IX
脂肪族環置換芳香族ジアミン系モノマーは、下記の化学式Xで表現されるモノマーであり得る。表面主配向物質内の脂肪族環置換芳香族ジアミン系モノマーは、垂直配向成分であり、表面主配向物質の耐熱性及び耐化学性を向上させる。
化学式X
ここで、W2は、下記の化学式XI及び化学式XIIの中のいずれか1つであり得る。
化学式XI
化学式XII
芳香族エポキシド(aromatic epoxide)系モノマーは、下記の化学式XIIIで表現されるモノマーであり得る。表面主配向物質内の芳香族エポキシド系モノマーは、架橋構造を形成するために、表面主配向物質に含まれたポリマーと表面光硬化剤に含まれたポリマー(反応性メソゲン)とが結合されることができるようにする。また、芳香族エポキシド系モノマーは、膜物性(film property)を向上させ、耐熱性及び耐化学性を向上させる。
化学式XIII
ここで、Z3は、次の化学式XIV及びXVの中のいずれか1つであり得る。
化学式XIV
化学式XV
1つの実施形態による表面主配向物質は、ポリマー系列の物質、例えば、ポリシロキサン(polysiloxane)、ポリアミック酸(polyamic acid)、ポリイミド(poly-imide)、ナイロン(nylon)、ポリビニルアルコール(polyvinylalcohol:PVA)、及びPVCの中の少なくとも1つを含んでもよい。
表面光硬化剤は、脂環式二無水物系モノマーのような二無水物系モノマーと、光反応性ジアミン系モノマーのようなジアミン系モノマーと、アルキル化芳香族ジアミン(alkylated aromatic diamine)系モノマーと、芳香族ジアミン系モノマーとを含む。
表面光硬化剤に含まれた脂環式二無水物系モノマーは、表面配向反応物10の中で約2.5モル%〜7.5モル%であり得、光反応性ジアミン系モノマーは、表面配向反応物10の中で約0.75モル%〜2.25モル%であり得、アルキル化芳香族ジアミン系モノマーは、表面配向反応物10の中で約0.75モル%〜2.25モル%であり得、芳香族ジアミン系モノマーは、表面配向反応物10の中で約1モル%〜3モル%であり得る。
表面光硬化剤に含まれた脂環式二無水物系モノマー及び芳香族ジアミン系モノマーは、それぞれ表面主配向物質に含まれた脂環式二無水物系モノマー及び芳香族ジアミン系モノマーと同一であり得る。
光反応性ジアミン系モノマーは、反応性メソゲンを含むモノマーであり、光硬化層35及び36と液晶分子とのプレチルト角の方向を決定する機能をする。化学構造の観点において、光反応性ジアミン系モノマーは、次の化学式XVIで表現されるモノマーであり得、より具体的には、化学式XVIIで表現されるモノマーであり得る。
化学式XVI
ここで、P1は、反応性メソゲンであり、W3は、芳香族環であり、上述したような化学式VII乃至化学式IXの中のいずれか1つであり得る。
化学式XVII
ここで、Xは、メチレン(methylene)(CH2)、フェニレン(phenylene)(C6H4)、ビフェニレン(biphenylene)(C12H8)、シクロへキシレン(cyclohexylene)(C6H8)、ビシクロヘキシレン(bicyclohexylene)(C12H16)、及びフェニル−シクロヘキシレン(phenyl-cyclohexylene)(C6H4−C6H8)の中のいずれか1つであり得、Yは、メチレン(methylene)(CH2)、 エーテル(ether)(O)、エステル(ester)(O−C=O又はO=C−O)、フェニレン)(C6H4)、及びシクロへキシレン(C6H8)の中のいずれか1つであり得、Zは、メチル(CH3)又は水素(H)であり得る。また、nは、1〜10の中のいずれか1つの整数であり得る。光反応性ジアミン系モノマーは、ポリスチレンであってもよい。
アルキル化芳香族ジアミン系モノマーは、下記の化学式XVIIIで表現される垂直配向モノマーであり得る。表面光硬化剤に含まれたポリマーのアルキル化芳香族ジアミン系モノマーが垂直配向成分を有するが、側鎖で極性を示さないアルキル基を含んでいるために、表面光硬化剤層35aのポリマーは、表面主配向物質層33aのポリマーよりさらに低い極性を有する。
化学式XVIII
ここで、R’及びR’’は、それぞれ次のように定義される。
また、W5は、下記の化学式XIXで表現されることができる。
化学式XIX
芳香族ジアミン系モノマーは、化学式VI乃至化学式IXで表現されたモノマーであり得る。芳香族ジアミン系モノマーは、表面光硬化剤を構成するポリマーが溶媒によく溶解されるようにする。上述した光開始剤は、表面光硬化剤に添加されることができる。
2次加熱の後に、表面配向反応物10は、純水(DeIonized Water:DIW)により洗浄され、イソプロピルアルコール(IPA)により追加で洗浄されることがある。洗浄の後に、表面配向反応物10は乾燥される。
ステップS240で、表面光硬化剤層35a及び主配向膜33がそれぞれ形成された下部表示板100と上部表示板200間で上板共通電圧印加点(図示せず)、シール剤、及び液晶層3が形成された後に、表示板100及び200が組み立てられる。乾燥の後に、シール剤は、下部表示板100上に形成される。シール剤は、接着力を向上させるために表面配向反応物10が形成されない下部表示板100の外郭領域に形成されることができる。他方、シール剤は、表面配向反応物10と一部重なるように下部表示板100又は上部表示板200の外郭領域に形成されてもよい。シール剤は、約300nm〜約400nmの波長を有する紫外線により硬化される光開始剤を含み得る。約300nm〜約400nmの波長で硬化される光開始剤は、ベンジルジメチルケータル(Benzyl Dimethyl Ketal(BDK)、Irgacure-651)であるか又は上述した光開始剤であり得る。
乾燥の後に、上板共通電圧印加点(図示せず)及び液晶層は、上部表示板200上に形成される。上板共通電圧印加点は、外部、例えば、データ駆動部500から供給された共通電圧Vcomを受信し、上部表示板200上に形成された共通電極270に共通電圧Vcomを供給する。上板共通電圧印加点は、下部表示板100上に形成された共通電圧印加パターン(図示せず)及び上部表示板200に形成された共通電極270を直接接触することができる。共通電圧印加パターンは、データ駆動部500に接続されることにより共通電圧Vcomを受信し、画素電極層が形成される間に形成され得る。上板共通電圧印加点は、表面配向反応物10が形成されない上部表示板の外郭領域に形成され得る。上板共通電圧印加点は、導電特性を有し、直径が約4μm以下の球形導体で構成され得る。液晶層は、上部表示板200の表面配向反応物10が形成される領域上に形成されるか、又はシール剤が形成された内側に形成される。上板共通電圧印加点及び液晶層を形成する工程は、同時に行われることができる。本発明の他の実施形態に従って、シール剤、すなわち、伝導性シール剤を上板共通電圧印加点を形成する導電体と混合することにより、このシール剤及び上板共通電圧印加点は、単一の工程で同一の材質で形成されることができる。この時、伝導性シール剤が形成される下部表示板100の領域は、伝導性シール剤の下部層にデータ層導電体のパターンを実質的に有しないことがある。したがって、伝導性シール剤及びデータ層導電体のパターンの短絡(short)を防止することができる。
このシール剤及び液晶層が形成された後に、下部表示板100及び上部表示板200は、シール剤により真空チャンバーで組み立てられる。
ステップS250で、露光電圧がこの組み立てられた表示板100及び200に供給された後に、光が照射され、すなわち、この組み立てられた表示板100及び200が電界露光工程を経るために、下板光硬化層35は、下板主配向膜33上に形成され、上板光硬化層36は、上板主配向膜34上に形成される。主配向膜33、34及び光硬化層35、36は、それぞれ配向膜291及び292を構成する。
この組み立てられた後に、シール剤は、約300nm〜約400nmの波長を有する紫外線又は約400nm以上の可視光線に照射されることにより約80%が硬化される。紫外線又は可視光線は、下部表示板の外部方向から入射することによりシール剤に照射されることができる。遮蔽マスク(shield mask)は、シール剤と紫外線光源との間に位置し、紫外線(UV)がシール剤外の部分に照射されないように紫外線を遮断する。シール剤に照射された紫外線が外れることによりシール剤周辺の光硬化剤を硬化する場合に、シール剤周辺の光硬化剤が予め硬化されるために、液晶表示装置は、シール剤周辺でエッジ染みの不良を有することがある。シール剤周辺の光硬化剤は、配向膜を形成する光硬化剤又は液晶層に存在する光硬化剤であり得る。可視光線は、遮蔽マスクなしにシール剤に照射されることができる。
この後に、シール剤は、約100℃で約70分の間に熱硬化される。
この組み立てられた後に、液晶分子のファジー性(fuzziness)及び均一性(uniformity)を向上させるために下部及び上部表示板は、約100℃〜約120℃のチャンバー内で約60分〜約80分の間にアニーリングが行われる。
アニーリングの後に、露光電圧が組み立てられた表示板100及び200に供給され、電場が液晶層3で形成される工程(ステップS252)は、SVAモード製造方法のステップS152と実質的に同一であるため、その説明を省略する。
次のステップS254で、電場が形成されている間に、光が組み立てられた液晶表示板アセンブリ300に照射される電界露光工程により光硬化層35が形成される工程について説明する。ステップS254で、光が照射される工程及び光硬化層35が液晶分子31を配向する工程がSVAモードでのステップS154と同一であるので、その詳細な説明を省略する。未硬化の光硬化剤を減少させ、光硬化層を均一に形成するために光硬化剤層35aに照射される光は、光を吸収するか又は遮断する膜がより少ない下部表示板100の基板110又は上部表示板200の基板210の方向に入射することができる。
以下、図9A及び図9Bを参照して、光を受信する際に、主配向膜33上に形成された表面光硬化剤層35aが光硬化層35となる工程について詳細に説明する。
電場が液晶層3で形成される場合に、表面光硬化剤層35aの表面光硬化剤43が周辺液晶分子31と実質的に同一の方向に配列され、この際入射した紫外線により表面光硬化剤43が周辺液晶分子31と実質的に同一の方向に硬化される(図21A及び図21B参照)。このように配列され硬化された表面光硬化剤43は、光硬化層35を形成し、それにより、光硬化層35に隣接した液晶分子は、プレチルト角を有する。図9A、図9Bに示す表面光硬化剤43は、表面主配向物質を構成する垂直配向モノマー41と反応性メソゲンとを含むモノマーが化学的に結合されているポリマー化合物(compound)である。紫外線が照射された時、反応性メソゲンを有する表面光硬化剤43は、二重結合が紫外線(UV)により活性化され、側鎖ネットワーク40が追加で形成される。このような反応により、表面光硬化剤43は、紫外線照射による硬化により光硬化層35を形成する。その結果、下部基板110の法線方向に対して若干傾いた方向に配向された光硬化層35は、液晶分子31を垂直配向する主配向膜33上に形成される。未硬化の光硬化剤を硬化し、光硬化層を安定化するためには、上述した蛍光露光工程が行われることができる。
SVAモードと関連して上述したように、光硬化層35が液晶分子31の傾斜方向に沿って配向された状態で硬化されるために、電場が液晶層3に加えられない状態でも、液晶分子31は、画素電極191の微細ブランチ197の長さ方向に平行である傾斜方向にプレチルト角を有する。
このように製造された液晶表示板アセンブリ300は、SC−VAモードの特性を有する。液晶表示装置がSC−VAモードに従って製造される場合に、光硬化剤が液晶層3に存在せず、主配向膜33の周辺に存在するために、液晶層3に残留する未硬化の光硬化剤が格段に減少する。したがって、SC−VAモードの特性を有する液晶表示装置は、残像の不良を改善することにより優秀な品質を有する。また、未硬化の光硬化剤を硬化するために、無電界状態で光を照射する工程を省略することができるので、液晶表示装置の製造コストが減少する。
以下、図10と表2及び表3とを参照して、SC−VAモードにより製造された液晶表示装置の特性を詳細に説明する。表2は、表面配向反応物10に含まれた表面主配向物質及び表面光硬化剤の成分比の変化に従ってSC−VAモードの液晶表示装置の特性が現れている。
この実験に適用された表面主配向物質を構成する脂環式二無水物系モノマーは、トリシクロヘキシル二無水物(tricyclohexyl dianhydride)であり、芳香族ジアミン系モノマーは、テルフェニルジアミン(Terphenyl diamine)であり、脂肪族環置換芳香族ジアミン系モノマーは、コレステリルベンゼンジアミン(Cholesteryl benzenediamine)であり、芳香族エポキシド系モノマーは、ヘキサエポキシベンゼン誘導体(hexaepoxy benzene derivative)である。
また、この実験に適用された表面光硬化剤を構成する脂環式二無水物系モノマーは、トリシクロヘキシル二無水物(tricyclo-hexyl dianhydride)であり、光反応性ジアミン系モノマーは、モノメタクリルベンゼンジアミン(mono-methacrylic benzenediamine)であり、アルキル化芳香族ジアミン(alkylated aromatic diamine)系モノマーは、 モノアルキル化フェニルシクロヘキシベンゼンジアミン(mono-alkylated phenylcyclohexy benzenediamine)であり、芳香族ジアミン系モノマーは、ヘキサエポキシベンゼン誘導体(hexaepoxy benzene derivative)である。
画素(PX)の構造は、図3の構造と実質的に同様である。画素電極191の微細ブランチ197の幅は、約3μmであり、液晶層3のセル間隔は、約3.6μmである。露光電圧は、約7.5Vであり、電界露光での紫外線の強度は、約5J/cm2である。液晶表示装置は、図11を参照して、後述する電荷共有に基づく1ゲート線1データ線(1G1D)駆動により動作する。他の条件は、上述したSC−VAモードに基づく液晶表示装置に適用されたものと同様である。
表2を参照すると、実験例2から分かるように、表面配向反応物10の中の表面主配向物質が約85モル%〜95モル%であり、表面光硬化剤が約5モル%〜15モル%である時、液晶表示装置の応答速度は、約0.0079秒であり、残像は、168時間まで発生しなかったため、他の実験例に比べてさらによい結果が得られた。
表3は、表面光硬化剤に含まれた光反応ジアミン系反応性メソゲンとアルキル化芳香族ジアミン系垂直配向モノマーの成分比の変化に従ってSC−VAモードの液晶表示装置の特性が現れている。この実験に適用された反応性メソゲンは、モノメタクリルベンゼンジアミン(Mono-methacrylic benzenediamine)であり、垂直配向モノマーは、モノアルキル化フェニルシクロヘキシベンゼンジアミンであった。他の条件は、上述した表2の液晶表示装置に適用されたものと同一である。
表3を参照すると、実験例7からわかるように、表面配向反応物10の中で反応性メソゲン(RM)及び垂直配向モノマーがそれぞれ約0.75モル%〜2.25モル%及び約0.75モル%〜2.25モル%である場合に、液晶表示装置の応答速度は、約0.0079秒であり、光漏れは、ブラック状態で発生しなかった。したがって、実験例7が他の実験例に比べて優秀な特性を有することがわかる。
図10は、SC−VAモードにより特徴づけられる液晶表示装置の1つの画素PXを時間に従って撮影した走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM) 写真である。図10の液晶表示装置を製造するのに適用された表面配向反応物10の組成は、次のようである。
表面主配向物質に含まれた脂環式二無水物(alicyclic dianhydride)系モノマー、すなわち、トリシクロヘキシル二無水物(tricyclohexyl dianhydride)は、約45モル%であり、芳香族ジアミン(aromatic diamine)系モノマー、すなわち、テルフェニルジアミン(Terphenyl diamine)は、約36モル%であり、脂肪族環置換芳香族ジアミン(aliphatic ring substituted aromatic diamine)系モノマー、すなわち、コレステリルベンゼンジアミン(Cholesteryl benzenediamine)は、約9モル%であり、芳香族エポキシド(aromatic epoxide)系モノマー、すなわち、ヘキサエポキシベンゼン誘導体(hexaepoxy benzene derivative)は、約1.25モル%である。表面光硬化剤の脂環式二無水物系モノマー、すなわち、トリシクロヘキシル二無水物は、約5モル%であり、光反応性ジアミン系モノマー、すなわち、モノメタクリルベンゼンジアミンは、約1.5モル%であり、アルキル化芳香族ジアミン系モノマー、すなわち、モノアルキル化フェニルシクロヘキシベンゼンジアミンは、約1.5モル%であり、芳香族ジアミン系モノマー、すなわち、ヘキサエポキシベンゼン誘導体は、約2モル%である。他の条件は、上述した表2と関連して説明した液晶表示装置に適用されたものと同一である。表2、表3、及び図10と関連して説明した液晶表示装置に適用された各成分のモル%は、表面配向反応物10に関するモル%であり、溶媒は、表面配向反応物10の成分比に含まれない。
図10から分かるように、テクスチャーは、0秒から0.048秒まで撮影された画素PXの写真に発生しなかった。また、液晶表示装置の階調間の応答速度は、約0.008秒である。このように、上述したSC−VAモードで製造された液晶表示装置は、速い応答速度を有し、残像及び光漏れが長期間発生しなかったために良好な映像品質特性を有する。
実施形態2
本発明の一実施形態による液晶表示装置の配向膜は、負電気特性を有する。配向膜を構成する光硬化層35及び36は、負電気特性を有し、負電気特性を有する光硬化層35及び36は、表面配向反応物10が硬化されることにより形成される。フッ素原子(F)のような物質が光硬化剤を構成する分子の一部分に結合されているために、表面配向反応物10は、負電気特性を有することができる。光硬化層35及び36が負電気特性を有するために、光硬化層35及び36を構成する負電気特性を有するポリマー及び液晶層3上の液晶分子31は、液晶層に形成された電場により同時に配向されることができる。その結果、光硬化層35及び36は、より均一のプレチルト角を有することができる。また、液晶表示装置が駆動される場合に、液晶層上の液晶分子及び負電気特性を有する光硬化層が電場により同時に動くので、液晶表示装置の高速の応答速度を保証することができる。
本実施形態が上述したSC−VAモードに基づく製造方法と実質的に異なる点は、表面配向反応物10を構成する材料及び図8Cとは異なり、表面配向反応物10が配向膜を形成する過程で相分離が行われないことがある。本実施形態の特徴的なものを除いた他のものは、上述したSC−VAモードに基づく製造方法でのそれと実質的に同一であるので、説明の便宜上、重複説明は、簡素化するか又は省略する。上板配向膜292及び下板配向膜291が実質的に同一の方式で形成されるので、本発明の実施形態による配向膜を形成する工程について、配向膜292及び291の区別なしに詳細に説明する。
以下、負電気特性を有する配向膜の形成過程について詳細に説明する。画素電極191を有する下部表示板100及び共通電極270を有する上部表示板200の各々は、上述した又は後で説明する方法で製造される。
本発明の実施形態に従って後述する負電気特性を有する表面配向反応物10が上述した方法により画素電極191及び共通電極270上に塗布される。表面配向反応物10は、下部表示板100及び上部表示板200の内部領域に形成され、部分的に外郭領域に塗布されることができる。
表面配向反応物10は、負電気特性を示す結合された物質である光硬化剤と主配向膜を形成する物質とが化学的に結合されることにより得られた化合物であり、これは、負電気特性を有する。光硬化剤は、上述したように硬化されることにより液晶分子31を基板110及び210又は画素電極191の平面に対して一定の傾斜方向にプレチルトするようにする物質であり、これは、光硬化層35及び36を形成する。光硬化剤は、主配向膜を形成する物質の側鎖に結合されることができる。光硬化剤は、上述した光反応性ポリマー、反応性メソゲン、光重合物質、光異性化物質、及びこれらの化合物又は混合物から選択された少なくとも1つの物質であり得る。本発明の一実施形態に従って負電気特性を有する反応性メソゲンは、後述する光反応性フッ素化ジアミン(photo-reactive fluorinated diamine)系モノマーである。
主配向膜を形成する物質は、上述したように、液晶分子31を基板110及び210又は画素電極191の平面に対して垂直方向に配向する垂直配向物質である。主配向膜を形成する物質は、脂環式二無水物系モノマーと脂肪族環置換芳香族ジアミン系モノマーとの化合物であり得る。また、主配向膜を形成する物質は、芳香族ジアミン系モノマー又は架橋剤(crosslinker)を含んでもよく、上述した表面主配向物質32aであってもよい。
以下、本発明の一実施形態による負電気特性を有する表面配向反応物10について詳細に説明する。負電気特性を有する表面配向反応物10は、脂環式二無水物系モノマーのような二無水物系モノマーと、光反応性フッ素化ジアミン系モノマー、アルキル化芳香族ジアミン系モノマー、芳香族ジアミン系モノマー、及び脂肪族環置換芳香族ジアミン系モノマーのようなジアミン系モノマーと、芳香族エポキシド系モノマーのような架橋剤とを含むポリマーであり得る。
本発明の一実施形態による負電気特性を有する表面配向反応物10は、ポリイミド(PI)系化合物と架橋剤とが混合される混合物である。ポリイミド系化合物は、二無水物系モノマー及びジアミン系モノマーを構成するモノマーが化学的に結合された化合物である。ポリイミド系化合物は、二無水物系モノマー及びジアミン系モノマーに含まれたモノマーを極性溶媒に混合し溶解する場合に、ジアミン系モノマーに含まれたモノマーのアミノ基が二無水物系モノマーの酸無水物基を求核攻撃(neucleophilic attack)するイミド化反応により製造されることができる。ジアミン系モノマーを構成するモノマー、すなわち、光反応性フッ素化ジアミン系モノマー、アルキル化芳香族ジアミン系モノマー、芳香族ジアミン系モノマー、及び脂肪族環置換芳香族ジアミン系モノマーは、イミド化反応の前に混合される。
負電気特性を有する表面配向反応物10は、約44モル%〜約54モル%であり得、より望ましくは、約49モル%の脂環式二無水物系モノマーと、約0.5モル%〜約1.5モル%であり得、より望ましくは、約1モル%の光反応性フッ素化ジアミン系モノマーと、約12モル%〜約18モル%であり得、より望ましくは、約15モル%のアルキル化芳香族ジアミン系モノマーと、約25モル%〜約35モル%であり得、より望ましくは、約30モル%の芳香族ジアミン系モノマーと、約2モル%〜約6モル%であり得、より望ましくは、約4モル%の脂肪族環置換芳香族ジアミン系モノマーと、約0.5モル%〜約1.5モル%であり得、より望ましくは、約1モル%の芳香族エポキシド系モノマーとを含む。表面配向反応物10のモル%組成比は、溶媒を除いたモル%である。
脂環式二無水物系モノマーは、図6Bと関連して上述した物質と同一である。脂環式二無水物系モノマーは、表面配向反応物10に含まれたポリマーが溶媒によく溶解されるようにし、配向膜の電気光学特性、例えば、電圧保持率(VHR)を向上させ、残留DC(Residual Direct Current:RDC)電圧を低くする。電圧保持率は、データ電圧が画素電極に印加されない間に液晶層が充電された電圧を保持する程度を意味し、電圧保持率が100%に近いほど理想的である。電圧保持率が大きいほど液晶表示装置の画質の特性はよくなる。残留DC電圧は、イオン化された液晶層の不純物が配向膜に吸着されることにより、外部から印加された電圧がなくても液晶層にかかっている電圧を意味し、残留DC電圧が低いほど液晶表示装置の画質の特性は良くなる。
光反応性フッ素化ジアミン系モノマーは、紫外線により硬化されることにより光硬化層35及び36を形成する。フッ素原子(F)がベンゼンの特定の方向に結合されるため、光反応性フッ素化ジアミン系モノマーは、負電気特性を有する。本発明の実施形態に従って、光反応性フッ素化ジアミン系モノマーの化学構造は、下記の構造式XVI−Fで表現されるモノマーであり得、より具体的には、構造式XVII−Fで表現されるモノメタクリルフッ素化ベンゼンジアミンモノマーであり得る。
構造式XVI−F
ここで、P2は、フッ素化アリールアクリレート系反応性メソゲン(fluorinated aryl acrylate-based reactive mesogen)であり、下記の構造式XVI−F−P2−11、XVI−F−P2−21、XVI−F−P2−22、XVI−F−P2−23、XVI−F−P2−31、XVI−F−P2−32、XVI−F−P2−41及びこれらの混合物から選択されたものであり得る。また、W3は、芳香族環であり、図6Bと関連して説明した構造式VII〜構造式IXの中のいずれか1つであり得る。R’は、図6Bと関連して説明した。
構造式XVI−F−P2−11
構造式XVI−F−P2−21
構造式XVI−F−P2−22
構造式XVI−F−P2−23
構造式XVI−F−P2−31
構造式XVI−F−P2−32
構造式XVI−F−P2−41
ここで、フッ素(F)原子がベンゼンと結合することにより、P2は、負電気特性を帯びる。
モノメタクリルフッ素化ベンゼンジアミン(mono-methacrylic fluorinated benzene diamine)モノマーは、下記の構造式XVII−Fで表現される。
構造式XVII−F
ここで、nは、1〜6の中のいずれか1つの整数であり得る。
モノメタクリルフッ素化ベンゼンジアミンモノマーは、モノメタクリルヒドロキシフッ素化ビフェニル(mono-methacrylic hydroxy fluorinated biphenyl)中間体とブロモアルキルベンゼンジアミン誘導体(Bromoalkyl benzenediamine derivative)とを極性溶媒に混合する場合に、ビフェニル中間体のヒドロキシ基がジアミン誘導体のブロモ基を求核攻撃するようにし、これにより、ブロモ基が離脱することにより製造されることができる。モノメタクリルヒドロキシフッ素化ビフェニル中間体は、メタクリルクロライド(methacrylic chloride)とジヒドロキシフッ素化ビフェニル(Dihydroxy fluorinated biphenyl)分子とを極性溶媒に混合する場合に、エステル化(esterification)反応により合成されることができる。
アルキル化芳香族ジアミン系モノマーは、図6Bと関連して上述した物質と同様である。表面配向反応物10に含まれたアルキル化芳香族ジアミン系モノマーは、垂直配向モノマーである。アルキル化芳香族ジアミン系モノマーは、無極性特性を有することができる。
芳香族ジアミン系モノマーは、図6Bと関連して上述した物質と同様である。芳香族ジアミン系モノマーは、表面配向反応物10に含まれたポリマーが溶媒によく溶解されるようにする。
脂肪族環置換芳香族ジアミン系モノマーは、図6Bと関連して上述した物質と同様である。脂肪族環置換芳香族ジアミン系モノマーは、下部表示板又は上部表示板に対して液晶分子を垂直配向する垂直配向モノマーである。
芳香族エポキシド系モノマーは、図6Bと関連して上述した物質と同様である。芳香族エポキシド系モノマーは、架橋構造を形成するために、二無水物系モノマーとジアミン系モノマーとが結合されることができるようにするか、又はジアミン系モノマーが結合された二無水物系モノマーと二無水物系モノマーとが結合されることができるようにする。芳香族エポキシド系モノマーは、膜物性を向上させ、耐熱性及び耐化学性を向上させる。
負電気特性を有する表面配向反応物10は、光開始剤を含み得る。光開始剤は、上述したものと同一であるか又はα−ヒドロキシケトン(α-hydroxyketone:Irgacure-127, Ciba, Switzerland)、ベンゾイルギ酸メチル(methyl benzoyl formate:Irgacure-754, Ciba, Switzerland)、アクリロホスフィンルオキシド(acrylophosphine oxide:Irgacure-819, Ciba, Switzerland)、チタノセン(Titanocene:Irgacure-784, Ciba, Switzerland)、α−アミノアセトフェノン(α-aminoacetophenone:Irgacure-369, Ciba, Switzerland)、α−アミノケトン(α-aminoketone:Irgacure-379, Ciba, Switzerland)、α−ヒドロキシケトン(α-hydroxyketone:Irgacure-2959, Ciba, Switzerland)、オキシムエステル(Oxime ester:Irgacure-OXE01, Ciba, Switzerland)、オキシムエステル(Oxime ester:Irgacure-OXE02, Ciba, Switzerland)、又はアクリロホスフィンオキシド(Acrylo phosphine oxide:Irgacure-TPO, Ciba, Switzerland)であり得る。
本発明の一実施形態による負電気特性を有する表面配向反応物10は、塩素原子(chlorine atoms:cl)又は塩素分子(chlorine molecules:cl2)が結合された負電気特性を有する反応性メソゲンを含み得る。
本発明の一実施形態による負電気特性を有する表面配向反応物10は、二無水物系モノマーとジアミン系モノマーとが化学的に結合された化合物で構成され得る。
本発明の一実施形態による架橋剤及び負電気特性を有する表面配向反応物10の混合により表面配向反応物10が構成され得る。
本発明の一実施形態による表面配向反応物10は、負電気特性を有する反応性メソゲン及び主配向膜を形成する物質との混合物であり得る。
本発明の一実施形態による表面配向反応物10は、一部の領域で、スペーサ、カラーフィルター又は絶縁膜と直接接触するように塗布され得る。
塗布された負電気特性を有する表面配向反応物10は、上述した1次加熱工程により加熱される。1次加熱の間に表面配向反応物10を構成する反応性メソゲン成分及び主配向膜を形成する垂直配向成分のモノマーは、下部膜に対して垂直方向に整列される。また、表面配向反応物10を構成する物質の側鎖にリンクされた反応性メソゲン分子が表面配向反応物10の表面で発現され得る。1次加熱の間に負電気特性を有する表面配向反応物10は、図8Cと関連して上述したような相分離の現象を有しないことがある。
1次加熱の後に、負電気特性を有する表面配向反応物10は、上述した2次加熱工程により加熱される。2次加熱の間に、表面配向反応物10の溶媒が蒸発し、架橋剤は、架橋構造を形成することにより主配向膜が形成される。
2次加熱の後に、負電気特性を有する表面配向反応物10は、純水(DIW)により洗浄され、イソプロピルアルコール(IPA)により追加で洗浄されることができる。洗浄の後に、表面配向反応物10は乾燥される。
乾燥の後に、シール剤は、下部表示板100上に形成される。シール剤は、上述した方法と同様に、下部表示板100の外郭領域に形成されるか、または表面配向反応物10と部分的に重なるように下部表示板100又は上部表示板200の外郭領域に形成され得る。シール剤は、上述した材料であり得、約300nm〜約400nmの波長を有する紫外線又は後述する約400nm以上の波長を有する可視光線により硬化され得る。
乾燥の後に、上板共通電圧印加点(図示せず)及び液晶層は、上述した方法で上部表示板200上に形成される。
シール剤及び液晶層が形成された後に、下部表示板100及び上部表示板200は、真空チャンバーでシール剤により組み立てられる。
この組み立てられた後に、シール剤は、約300nm〜約400nmの波長を有する紫外線又は約400nm以上の波長を有する可視光線に照射されることにより約80%が硬化される。
この後に、シール剤は、約100°Cで約70分の間熱硬化される。
この組み立てられた後に、液晶分子のファジー性(fuzziness)及び均一性(uniformity)を向上させるために下部及び上部表示板は、約100℃〜約120℃のチャンバー内で約60分〜約80分の間アニーリングが行われる。
アニーリングの後に、図7A及び図7Bと関連して、電圧が上述したDC電圧又はマルチステップ電圧の供給方法により表示板100及び200の画素電極及び共通電極に供給される。電場が液晶層で形成される工程も図7A及び図7Bと関連して上述したものと同様である。負電気特性を有しない反応性メソゲンは、液晶分子との相互作用を通じて電場で傾斜するよう配向される。しかしながら、本発明による反応性メソゲン分子が負電気特性を有するために、液晶分子とともに電場で傾斜するように配向される。したがって、負電気特性を有する反応性メソゲンは、より容易にかつ均一に傾斜するように配向されることができるという長所を有する。
液晶分子31及び反応性メソゲンポリマーが一定の傾斜角で配向されている間に、光は、液晶表示板アセンブリに照射される電界露光工程が行われる。電界露光工程及び光硬化層35、36が液晶分子31のプレチルト角を形成する方法は、上述したステップS254と実質的に同様であるので簡略に説明する。
反応性メソゲンポリマーと液晶分子とが傾斜するように配向されている間に紫外線が入射する場合に、反応性メソゲンは、入射した紫外線により周辺液晶分子31と実質的に同一の方向に硬化される。反応性メソゲンのアクリレート反応基が紫外線により架橋するか又は硬化することにより光硬化層35及び36を形成するものは、上述したようである。このように配向された状態で硬化された反応性メソゲンは、主配向膜上に光硬化層35及び36を形成し、光硬化層35及び36に隣接した液晶分子は、硬化された反応性メソゲンによりプレチルト角を有する。2次加熱工程で形成された主配向膜及び光硬化により形成された光硬化層35及び36は、配向膜を構成する(図21A及び図21B参照)。
本発明の一実施形態に従って上述した蛍光露光工程が行われることができる。
このように製造された液晶表示板アセンブリ300は、図6Bと関連して上述したSC−VAモードの特性を有し、より均一のプレチルト角を有する光硬化層35及び36を有する。すなわち、従来技術の非極性光硬化層に比べて、本発明の光硬化層35及び36は、液晶分子のプレチルト角を均一に形成する長所を有する。また、液晶表示装置が駆動される時に液晶層に形成された電場により負電気特性を有する光硬化層が制御され、この制御された光硬化層が液晶分子を制御するために、液晶分子の応答速度は速くなる。その結果、本発明の液晶表示装置は、テクスチャーの発生を減少させ、高速駆動による動映像特性を向上させることができる。また、反応性メソゲンが負電気特性を有するために、光硬化層35及び36は、低い露光電圧により形成されることができる。
本発明の一実施形態に従って、主配向膜を形成する垂直配向成分のポリマー、例えば、ジアミン系モノマーを構成するアルキル化芳香族ジアミン系モノマーは、負電気特性を有することができる。負電気特性を有する垂直配向ポリマーは、電場により制御される液晶分子の高速の移動を容易にする。その結果、垂直配向ポリマーを有する液晶表示装置は、速い応答速度の特性を有することができる。
本発明の一実施形態に従って、光硬化層を形成するモノマー又は主配向膜を形成する垂直配向成分のモノマーは、正電気特性を有することができる。正電気特性を有する配向膜は、上述した負電気特性を有する配向膜と同一の効果を有する。
本発明の一実施形態に従って、光硬化層を形成するモノマー又は主配向膜を形成する垂直配向成分のモノマーは、負又は正の誘電率異方性の特性を有することができる。負又は正の誘電率異方性の特性は、液晶層に形成された電場により分極される物質を含むために発生し得る。負又は正の誘電率異方性の特性を有する配向膜は、上述した負電気特性を有する配向膜と同一の効果を有する。
以下、上述した方法により製造された負電気特性を有する配向膜を有する液晶表示装置の特性について説明する。負電気特性を有する配向膜は、フッ素原子(F)が結合された反応性メソゲンを有する表面配向反応物10により形成される。
液晶表示装置を製造するために、負電気特性を有する表面配向反応物10は、脂環式二無水物系モノマーとしての約49モル%のトリシクロヘキシル二無水物(tricyclohexyl dianhydride)と、光反応性フッ素化ジアミン(photo-reactive fluorinated diamine)系モノマーとしての約1モル%のモノメタクリルフッ素化ベンゼンジアミン(mono-methacrylic fluorinated benzenediamine)と、アルキル化芳香族ジアミン(alkylated aromatic diamine)系モノマーとしての約15モル%のモノアルキル化フェニルシクロヘキシベンゼンジアミン(mono-alkylated phenylcyclohexy benzenediamine)と、芳香族ジアミン系モノマーとしての約30モル%のテルフェニルジアミンと、脂肪族環置換芳香族ジアミン系モノマーとしての約4モル%のコレステリルベンゼンジアミンと、芳香族エポキシド系モノマーとしての約1モル%のヘキサエポキシベンゼン誘導体とで構成される。各成分のモル%は、表面配向反応物10に対するモル%であり、溶媒は、表面配向反応物10の成分比に含まれない。
液晶表示装置の画素PXの構造は、図3の構造と実質的に同様である。画素電極191の微細ブランチ197の幅は、約3μmであり、液晶層3のセル間隔は、約3.6μmである。露光電圧は、約20Vであり、電界露光工程での紫外線の強度は、約6.55J/cm2である。蛍光露光工程に適用された紫外線の照度は、約0.15mW/cm2であり、照射時間は、約40分である。液晶表示装置は、図11を参照して上述した電荷共有に基づく1ゲート線1データ線(1G1D)駆動により動作する。
本発明の実施形態による負電気特性を有する配向膜を有する液晶表示装置は、許容可能なレベルのテクスチャーを有し、240hzの高速駆動にもテクスチャーの発生なしに優秀な品質を示す。
実施形態3
本発明の一実施形態による液晶表示装置の配向膜は、リジッド(rigid)垂直配向側鎖を有する。リジッド垂直配向側鎖は、配向膜291及び292を構成する主配向膜33及び34に含まれる。リジッド垂直配向側鎖を有する主配向膜は、配向膜の近傍で液晶分子が過度にプレチルトすることを防止する。配向膜の近傍で液晶分子が過度にプレチルト角を有する場合に、液晶表示装置は、ブラック映像で光漏れ不良を有し、液晶表示装置のコントラスト比又は画質鮮明度を減少させる。本発明の実施形態に従って製造されたリジッド垂直配向側鎖を有する配向膜は、液晶表示装置の光漏れ不良を減少させ、液晶表示装置の画質を向上させる。
本実施形態が上述した負電気特性を有する配向膜の製造方法と実質的に異なる点は、表面配向反応物10を構成する材料及び側鎖にリンクされたリジッド垂直配向成分の構造である。また、液晶表示板アセンブリに照射される紫外線強度は、図6Bと関連して上述したSC−VAモードの方法でさらに大きくなり得る。本実施形態の特徴外の詳細は、上述した負電気特性を有する配向膜の製造方法と実質的に同様であるために、説明の便宜上、重複説明を簡略に説明するか又は省略する。しかしながら、表面配向反応物10を構成する材料、垂直配向成分の構造、及び液晶表示板アセンブリに照射される紫外線の強度のような本実施形態の特徴的な詳細については、詳細に説明する。
以下、リジッド垂直配向成分を有する配向膜の形成過程について詳細に説明する。上述した説明のように、リジッド垂直配向成分を有する表面配向反応物10は、画素電極191及び共通電極270上に塗布される。
リジッド垂直配向成分を有する表面配向反応物10は、光反応性モノマーを有する光硬化剤及びリジッド垂直配向成分を有し、主配向膜を形成する物質は、化学的に結合される化合物である。光硬化剤は、上述した光反応性ポリマー、反応性メソゲン、光重合物質、光異性化物質、及びこれらの化合物又は混合物から選択された少なくとも1つの物質であり、硬化されることにより光硬化層35、36を形成する。また、光硬化剤は、主配向膜を形成する物質の側鎖に結合されることができる。主配向膜を形成する物質は、上述したように、液晶分子31を基板110及び210又は画素電極191の平面に対して垂直方向に配向する垂直配向物質である。本発明に従って、主配向膜を形成する物質は、後述する脂環式二無水物系モノマーとアルキル化芳香族ジアミン系モノマーとの化合物であり得る。アルキル化芳香族ジアミン系モノマーは、垂直配向を堅固(リジッド)にし、ベンゼンに結合された板状のサイクリック環を有することができる。主配向膜を形成する物質は、芳香族ジアミン系モノマー又は架橋剤を含んでもよく、上述した表面主配向物質32aであってもよい。
以下、リジッド垂直配向成分の側鎖を有する表面配向反応物10について詳細に説明する。リジッド垂直配向側鎖の配向膜を形成する表面配向反応物10は、脂環式二無水物系モノマーのような二無水物系モノマーと、光反応性ジアミン系モノマー、アルキル化芳香族ジアミン系モノマー、及び芳香族ジアミン系モノマーのようなジアミン系モノマーと、芳香族エポキシド系モノマーのような架橋剤とを含むポリマーであり得る。
本発明の一実施形態によるリジッド垂直配向成分の側鎖を有する表面配向反応物10は、ポリイミド(PI)系化合物と架橋剤とが混合される混合物である。ポリイミド系化合物は、二無水物系モノマー及びジアミン系モノマーが化学的に結合された化合物である。ポリイミド系化合物は、上述したように、二無水物系モノマー及びジアミン系モノマーに含まれたモノマーのイミド化反応により製造されることができる。ジアミン系モノマーを構成するモノマー、すなわち、光反応性ジアミン系モノマー、アルキル化芳香族ジアミン系モノマー、及び芳香族ジアミン系モノマーは、イミド化反応の前に混合される。
リジッド垂直配向側鎖の配向膜を形成する表面配向反応物10は、約38モル%〜約48モル%であり得、より望ましくは、約43モル%の脂環式二無水物系モノマーと、約5モル%〜約11.5モル%であり得、より望ましくは、約8.5モル%の光反応性ジアミン系モノマーと、約3.5モル%〜約9.5モル%であり得、より望ましくは、約6.5モル%のアルキル化芳香族ジアミン系モノマーと、約23モル%〜約33モル%であり得、より望ましくは、約28モル%の芳香族ジアミン系モノマーと、約11モル%〜約17モル%であり得、より望ましくは、約14モル%の芳香族エポキシド系モノマーとを含む。表面配向反応物10のモル%の組成比は、溶媒を除くモル%である。
脂環式二無水物系モノマーは、表面配向反応物10に含まれたポリマーが溶媒によく溶解されるようにし、配向膜の電気光学特性、例えば、電圧保持率(VHR)を増加させ、残留DC(RDC)の電圧を減少させる。脂環式二無水物系モノマーの化学構造は、下記の構造式XVI−RCAで表現されるシクロブチル二無水物(cyclobutyl dianhydride)モノマーであり得る。
構造式XVI−RCA
光反応性ジアミン系モノマーは、反応性メソゲンを含み、紫外線により硬化されることにより光硬化層35及び36を構成する。また、光反応性フッ素化ジアミン(photo-reactive fluorinated diamine)系モノマーは、光硬化層35及び36のプレチルト角と光硬化層35及び36に近接する液晶分子のプレチルト角とを決定する機能をする。化学構造の観点で、光反応性ジアミン系モノマーは、下記の構造式XVI−RC又はXVI−RAで表現されるモノマーであり得、より具体的には、構造式XVI−RC1、XVI−RC2、XVI−RC3、XVI−RC4、XVI−RA1、XVI−RA2、XVI−RA3、XVI−RA4、XVI−RA5、又はXVI−RA6で表現されるモノマーであり得る。
構造式XVI−RC
この構造式において、XRCは、アルキル(alkyl)、エーテル(ether)、エステル(ester)、フェニル(phenyl)、シクロヘキシル(Cyclohexyl)、及びフェニルエステル(phenyl ester)の中のいずれか1つであり得、YRCは、アルキル、フェニル、ビフェニル(biphenyl)、シクロヘキシル、ビシクロヘキシル(bicyclohexyl)、及びフェニルシクロヘキシル(phenylcyclohexyl)の中のいずれか1つであり得る。
構造式XVI−RA
この構造式において、ZRAは、アルキル(alkyl)、アルキルエーテル(alkyl ether)(n−O)、アルキルエステル(alkyl ester)、アルキルフェニルエステル(alkyl phenyl ester)、アルキルフェニルエーテル(alkyl phenyl ether)、アルキルビフェニルエステル(alkyl biphenyl ester)、アルキルビフェニルエーテル(alkyl biphenyl ether)、フェニルエーテル(phenyl ether)、フェニルエーテルアルキル(phenyl ether alkyl)、ビフェニルエーテル(biphenyl ether)、ビフェニルエーテルアルキル(biphenyl ether alkyl)、シクロヘキシルアルキル(cyclohexyl alkyl)、及びビシクロヘキシルアルキル( bicyclohexyl alkyl)、シクロヘキシルアルキルエステル(cyclohexyl alkyl ester)の中のいずれか1つであり得る。
構造式XVI−RC1
構造式XVI−RC2
構造式XVI−RC3
構造式XVI−RC4
構造式XVI−RA1
構造式XVI−RA2
構造式XVI−RA3
構造式XVI−RA4
構造式XVI−RA5
構造式XVI−RA6
光反応性ジアミン系モノマーは、デシルシンナモイルベンゼンジアミンモノマー又はモノメタクリルベンゼンジアミンモノマーであり得る。デシルシンナモイルベンゼンジアミンモノマーは、デシルシンナモイルフェノール(Decyl cinnamoyl phenol)中間体及びジアミノベンゾイルクロライド誘導体(Diamino benzoyl chloride derivative)を極性溶媒に混合し、この混合物のエステル化(esterification)反応により製造されることができる。デシルシンナモイルフェノール中間体は、ヒドロキシベンゼンシンナモイルクロライド(Hydroxy benzene cinnamoyl chloride)及びデシルアルコール(Decyl alcohol)を極性溶媒に混合し、この混合物のエステル化反応により製造されることができる。モノメタクリルベンゼンジアミン(mono-methacrylic benzenediamine)モノマーは、ヒドロキシアルキルベンゼンジアミン誘導体(Hydroxy alkyl benzenediamine derivative)及びメタクリルクロライド(methacrylic chloride)を極性溶媒に混合した後に、この混合物のエステル化反応により製造されることができる。
他の実施形態に従って、光反応性ジアミン系モノマーは、構造式XVI−RDで表現されるアクリルシンナモイルハイブリッドベンゼンジアミン(acryl-cinnamoyl hybird benzenediamine)であり得る。アクリルシンナモイルハイブリッドベンゼンジアミンモノマーは、アクリレート反応基(acrylate reactive group)及びシンナメート反応基(cinnamate reactive group)を有する。アクリレート反応基は、側鎖に架橋結合を形成し、シンナメート反応基は、相互にリンクされることによりプレチルト角を大きくする。
構造式XVI−RD
Xは、1〜10個の炭素(C)原子を有するアルキル基、エーテル、及びエステルの中のいずれか1つであり得、Yは、アルキル、フェニル、ビフェニル、シクロへキシル、ビシクロへキシル、及びフェニルシクロヘキシルの中のいずれか1つであり得る。
アルキル化芳香族ジアミン系モノマーは、垂直配向成分のモノマーである。ベンゼンに結合されたサイクリック環(cyclic ring)は、垂直配向を堅固(リジッド)にする。アルキル化芳香族ジアミン系分子と隣接した液晶分子は、垂直方向に配向される。サイクリック環は、板状分子であり得る。アルキル化芳香族ジアミン系モノマーの化学構造は、構造式XVIII−RCA1で表現されるオクタデシルシクロヘキシルベンゼンジアミン(octadecyl cyclohexyl benzenediamine)又は構造式XVIII−RCA2で表現されるアルキル化脂肪族芳香族置換ベンゼンジアミン(alkyl substituted aliphatic aromatic benzenediamine)であり得る。
構造式XVIII−RCA1
構造式XVIII−RCA2
この化学式において、XR2は、エーテル又はエステルであり得る。YR2は、エーテルであり得る。n2は、10〜20であり得る。a2及びb2は、0〜3であり得、すべて0とならない。
オクタデシルシクロヘキシルベンゼンジアミンモノマーは、オクタデシルシクロヘキサノール(octadecyl cyclohexanol)中間体及びジアミノベンゾルクロライド誘導体(diamino benzoyl chloride derivative)を極性溶媒に混合し、この混合物のエステル化反応により製造されることができる。オクタデシルシクロヘキサノール中間体は、ブロモオクタデカン(bromo octadecane)及びシクロヘキサンジオール(cyclohexanediol)を極性溶媒に混合し、この混合物でシクロヘキサンジオールのヒドロキシル基がブロモオクタデカンのブロモ基を求核攻撃することによりブロモ基が離脱しつつ製造されることができる。
芳香族ジアミン系モノマーは、表面配向反応物10に含まれたポリマーが溶媒によく溶解されるようにする。芳香族ジアミン系モノマーの化学構造は、構造式VI−RCAで表現されるジフェニルジアミン(diphenyl diamine)であり得る。
構造式VI−RCA
ここで、Xは、脂肪族化合物(aliphatic compound)であり得る。
芳香族エポキシド系モノマー(aromatic epoxide-based monomer)は、架橋構造を形成することにより熱安全性及び耐化学性を向上させる。化学構造において、芳香族エポキシド系モノマーは、化学式XIII−RCAで表現されるエポキシベンゼン誘導剤(epoxy benzene derivative)であり得る。
化学式XIII−RCA
上述した光開始剤は、表面配向反応物10に添加されることができる。リジッド垂直配向成分を有する表面配向反応物10は、負電気特性を有する表面配向反応物10とは異なり、負電気特性を有するポリマーを有しないことがある。
リジッド垂直配向成分を有する塗布された表面配向反応物10は、上述した方法により1次加熱が施される。1次加熱が施される間に、表面配向反応物10を構成し、光反応ジアミン系モノマーを構成する反応性メソゲン成分と主配向膜を形成する垂直配向成分とで構成されるアルキル化芳香族ジアミン系モノマーは、下部膜に対して垂直に配向される。1次加熱が施される間に、表面配向反応物10は、図8Cと関連して上述したような相分離現象を有しないこともある。
1次加熱が施された表面配向反応物10は、上述した方法により2次加熱が施される。2次加熱が施されつつ表面配向反応物10の溶媒が蒸発する。2次加熱で反応性メソゲン(RM)の側鎖が表面配向反応物10の表面で形成されることができる。2次加熱の後に、表面配向反応物10は、上述した方法により洗浄され、乾燥される。
乾燥の後に、シール剤は、上述した方法により乾燥の後に形成され、上述したように、約300nm〜約400nmの波長を有する紫外線で硬化されるか又は約400nm以上の波長で硬化されることができる。この後に、上述した方法により、上板共通電圧印加点(図示せず)及び液晶層が形成され、下部表示板100及び上部表示板200が組み立てられる。シール剤は、上述したように光又は熱により硬化される。
この組み立てられた表示板は、上述した方法によりアニーリングが行われ、DC電圧又はマルチステップ電圧の供給方法により電圧の供給を受ける。
液晶分子及び反応性メソゲンが供給された電圧により特定の傾斜角で配向されている間に、電界露光工程は、上述した方法によりこの組み立てられた液晶表示板アセンブリに行われる。負電気特性を有する配向膜を形成する方法とは異なり、反応性メソゲンは、液晶分子との相互作用を介して特定の傾斜角で配向されることができる。本発明の実施形態によるリジッド垂直配向成分を有する液晶表示板アセンブリには、上述したUVの強度より大きい強度を有する紫外線が照射されることができる。本発明の一実施形態に従って電界が液晶層に形成されている間に液晶表示板アセンブリに照射される紫外線の強度は、約6J/cm2〜17.5J/cm2であり得、より望ましくは、約12J/cm2であり得る。反応性メソゲンが光により硬化されることにより、光硬化層35及び36を主配向膜上に形成し、上述したように、光硬化層35及び36は、プレチルト角を有する。しかしながら、本発明による主配向膜がリジッド垂直配向成分を有するために、光硬化層35及び36のプレチルト角は小さいことがある。光硬化層35及び36のプレチルト角が小さい場合に、ブラック映像で光漏れを減少させることにより液晶表示装置の画面の品質及びコントラスト比を向上させることができる。
この後に、上述した蛍光露光工程が行われることができる。
この工程を介して、リジッド垂直配向成分を有する表面配向反応物10は、配向膜を形成することにより液晶表示板アセンブリ300を製造する。本発明に従って製造されたリジッド垂直配向側鎖を有する配向膜は、液晶表示装置のブラック光漏れ(black light leakage)不良を減少させることができる。
本発明の実施形態によるリジッド垂直配向側鎖を有する主配向膜33及び34を含む配向膜291及び292を有する液晶表示装置が製造される。リジッド垂直配向側鎖を有する表面配向反応物10は、脂環式二無水物系モノマーとしての約43モル%のシクロブチル二無水物と、光反応性ジアミン系モノマーとしての約8.5モル%のモノメタクリルベンゼンジアミンと、アルキル化芳香族ジアミン系モノマーとしての約6.5モル%のオクタデジルシクロヘキシルベンゼンジアミン(octadecyl cyclohexyl benzenediamine)と、芳香族ジアミン(aromatic diamine)系モノマーとしての約28モル%のジフェニルジアミン(diphenyl diamine)と、芳香族エポキシド系モノマーとしての約14モル%のエポキシベンゼン誘導体(epoxy benzene derivative)とから構成される。各成分のモル%は、表面配向反応物10に対するモル%であり、溶媒は、表面配向反応物10の成分比に含まれない。
液晶表示板アセンブリは、上述した方法に従って製造される。液晶表示装置の画素PXの構造は、図3の構造と実質的に同様である。液晶層3内のセル間隔は、約3.6μmであり、画素電極191の微細ブランチ197の幅は、約3μmであり、露光電圧は、DC電圧供給により約7.5V、10V、20V、30V、及び40Vであり、電界露光工程の紫外線強度は、約7J/cm2、9J/cm2、11J/cm2、12J/cm2、及び15J/cm2である。このように製造された液晶表示装置は、図11と関連して上述した電荷共有方式の1G1D駆動によって動作する。
このように製造された液晶表示装置の応答速度は、約0.01秒〜約0.014秒であり、ブラック残像は、約2のレベルに良好である。
実施形態4
本発明の一実施形態に従って配向膜を形成する表面配向反応物10は、光硬化剤と架橋剤とが結合された化合物を有する。光硬化剤が架橋剤と結合された状態で表面配向反応物10が構成されるために、液晶表示板アセンブリを製造する過程で発生する未硬化の光硬化剤が減少する。未硬化の光硬化剤は、液晶表示装置で残留DCを増加させ、残像の不良を発生させる。本発明の実施形態に従って光硬化剤と架橋剤とが結合された化合物を有する表面配向反応物10により製造された配向膜は、液晶表示装置の残像を減少させる。
本発明の実施形態は、表面配向反応物10を構成する材料と、光硬化剤と結合された架橋剤が主配向膜の側鎖と結合するものを除き、上述した負電気特性を有する配向膜291及び292を有する液晶表示板アセンブリを製造する方法と実質的に同様である。説明の便宜上、重複説明を簡略に説明するか又は省略する。
以下、光硬化剤と架橋剤とが結合された化合物で配向膜を形成する工程について詳細に説明する。上述した方法により、光硬化剤と架橋剤とが結合された化合物を有する表面配向反応物10は、画素電極191を有する下部表示板100及び共通電極270を有する上部表示板200に塗布される。
光硬化剤と架橋剤とが結合された化合物は、主配向膜を形成する物質と混合されることにより表面配向反応物10を構成する。光硬化剤は、架橋剤と化学的に結合されるためにイオン性不純物の発生を減少させる。光硬化剤は、上述した光反応性ポリマー、反応性メソゲン、光硬化剤、光重合物質、又は光異性化物質であり得、光硬化層を形成する。主配向膜を形成する物質は、上述した物質であり得、液晶分子31が基板110及び210又は画素電極191の平面に対して垂直方向に配向されるようにする。
以下、光硬化剤と架橋剤とが結合された化合物を有する表面配向反応物10の材料について詳細に説明する。本発明の一実施形態に従って光硬化剤と架橋剤とが結合された化合物を有する表面配向反応物10は、ポリイミド(PI)系化合物と架橋剤とが混合される混合物である。ポリイミド系化合物は、二無水物系モノマーとジアミン系モノマーとが化学的に結合された化合物である。上述したように、ポリイミド系化合物は、二無水物系モノマー及びジアミン系モノマーに含まれたモノマーのイミド化反応により製造されることができる。ジアミン系モノマーを構成するモノマー、すなわち、アルキル化芳香族ジアミン系モノマー及び芳香族ジアミン系モノマーは、イミド化の反応の前に混合される。
本発明の一実施形態による光硬化剤は、反応性メソゲンである。したがって、反応性メソゲンと架橋剤とが結合された化合物を有する表面配向反応物10は、脂環式二無水物系モノマーのような二無水物系モノマーと、アルキル化芳香族ジアミン系モノマー及び芳香族ジアミン系モノマーのようなジアミン系モノマーと、芳香族アクリルエポキシド系モノマーのような架橋剤とを含むポリマーであり得る。本発明の実施形態による芳香族アクリルエポキシド系モノマーは、反応性メソゲンと架橋剤とが結合された化合物である。
反応性メソゲンと架橋剤とが結合された化合物を有する表面配向反応物10は、約31モル%〜約41モル%であり得、より望ましくは、約36モル%の脂環式二無水物系モノマーと、約3モル%〜約9モル%であり得、より望ましくは、約6モル%のアルキル化芳香族ジアミン系モノマーと、約25モル%〜約35モル%であり得、より望ましくは、約30モル%の芳香族ジアミン系モノマーと、約23モル%〜約33モル%であり得、より望ましくは、約28モル%の芳香族アクリルエポキシド系モノマーとから構成される。表面配向反応物10のモル%組成比は、溶媒を除いたモル%である。
脂環式二無水物系モノマーは、表面配向反応物10に含まれたポリマーが溶媒によく溶解されるようにし、配向膜の電気光学特性、例えば、電圧保持率(VHR)を増加させ、RDCの電圧を減少させる。脂環式二無水物系モノマーの化学構造は、上述した構造式XVI−RCAで表現されるシクロブチル二無水物(cyclobutyl dianhydride)モノマーであり得る。
アルキル化芳香族ジアミン系モノマーは、垂直配向成分のモノマーである。ベンゼンに結合されたサイクリック環は、垂直配向を堅固(リジッド)にする。サイクリック環は、板状分子であり得る。アルキル化芳香族ジアミン系モノマーの化学構造は、上述した構造式XVIII−RCA1又はXVIII−RCA2で表現されるオクタデシルシクロヘキシルベンゼンジアミン(octadecyl cyclohexyl benzenediamine)又はアルキル化脂肪族芳香族置換ベンゼンジアミン(alkyl substituted aliphatic aromatic benzenediamine)であり得る。
芳香族ジアミン系モノマーは、表面配向反応物10に含まれたポリマーが溶媒によく溶解されるようにする。芳香族ジアミン系モノマーの化学構造は、上述した構造式VI−RCAで表現されるジフェニルジアミンであり得る。
芳香族アクリルエポキシド系モノマーは、架橋構造を形成することにより熱安全性及び耐化学性を向上させ、紫外線により硬化されることによりプレチルト角を有する光硬化層を形成する。芳香族アクリルエポキシド系モノマーは、架橋剤であるエポキシ分子と光硬化剤であるアクリレート分子とが化学的に結合された化合物である。光硬化剤が架橋剤と結合されるために、イオン性不純物の発生が減少することができる。芳香族アクリルエポキシド系モノマーの化学構造は、構造式XIII−Cで表現されるアクリルエポキシハイブリッドベンゼン誘導体(acryl-epoxy hybrid benzene derivative)であり得る。
構造式XIII−C
ここで、YCは、フェニル誘導体(Phenyl derivative)であり得る。
アクリルエポキシハイブリッドベンゼン誘導体は、エポキシ置換フェノール誘導体とメタクリルクロライドとを極性溶媒に混合し、この混合物のエステル化反応により製造されることができる。
上述した光開始剤は、表面配向反応物10に添加されることができる。負電気特性を有する表面配向反応物10とは異なり、光硬化剤と架橋剤とが結合された化合物を有する表面配向反応物10は、負電気特性のポリマーを有しないことがある。
塗布の後に、反応性メソゲンと架橋剤とが結合された化合物を有する表面配向反応物10は、上述した方法により1次加熱が施される。1次加熱が施される間に、反応性メソゲン成分及び主配向膜を形成する垂直配向成分を有するモノマーは、下部層に垂直して配向される。1次加熱の間に、反応性メソゲンと架橋剤とが結合された化合物を有する表面配向反応物10は、図8Cと関連して上述した相分離現象を有しないことがある。
1次加熱が施された後に、表面配向反応物10は、上述した方法により2次加熱が施される。2次加熱により表面配向反応物10の溶媒は、蒸発する。また、反応性メソゲンと結合された架橋剤は、主配向膜を形成するポリマーの側鎖に結合される。したがって、反応性メソゲンの側鎖は、表面配向反応物10の表面に形成される。
2次加熱が施された後に、表面配向反応物10は、上述した方法により洗浄の後に乾燥される。乾燥の後に、シール剤は、上述した方法により形成される。シール剤は、上述したように、約300nm〜約400nmの波長を有する紫外線で硬化されるか又は約400nm以上の波長で硬化されることができる。この後、上述した方法により上板共通電圧印加点(図示せず)及び液晶層が形成され、下部表示板100と上部表示板200とが組み立てられる。シール剤は、上述したように光又は熱により硬化される。
組み立てられた表示板は、上述した方法によりアニーリングが行われ、DC電圧又はマルチステップ電圧の供給方法により電圧の供給を受ける。電場が液晶層に形成される工程は、上述したものと実質的に同様である。垂直配向された反応性メソゲンは、負電気特性を有する配向膜を形成する方法とは異なり、液晶分子との相互作用を通して電場で傾斜するように配向される。供給された電圧により液晶分子と反応性メソゲン(RM)とが一定の傾斜角で配向される間に、上述した方法により、電界露光工程は、組み立てられた液晶表示板アセンブリに行われる。光により反応性メソゲン(RM)のアクリレート反応基が硬化されることにより反応性メソゲン(RM)モノマー間でネットワークが形成される。ネックワークとして形成された反応性メソゲン(RM)は、プレチルト角を有する光硬化層35及び36を主配向膜上に形成されるようにする。本発明の実施形態による光硬化剤、すなわち、反応性メソゲン(RM)は、架橋剤と結合されているために未硬化の反応性メソゲン(RM)及びイオン性不純物の発生を格段に減少させる。また、反応性メソゲンと架橋剤との結合は、イオン性不純物及び残留DCを減少させ、これにより、液晶表示装置の残像を改善させることができる。
この後に、上述したような蛍光露光工程が行われることができる。
このようにして、反応性メソゲン(RM)と架橋剤とが結合された化合物を有する表面配向反応物10は、配向膜を形成することにより液晶表示板アセンブリ300を製造する。本発明の実施形態に従って架橋剤と結合された化合物により製造された配向膜は、液晶表示装置の残像の不良を減少させることができる。
本発明の実施形態に従って反応性メソゲンと架橋剤とが結合された化合物を有する表面配向反応物10により形成された配向膜291及び292が製造され、これを有する液晶表示装置が製造された。本発明の実施形態に従って、配向膜を形成する表面配向反応物10は、脂環式二無水物系モノマーとしての約36モル%のシクロブチル二無水物と、アルキル化芳香族ジアミン系モノマーとしての約6モル%のオクタデシルシクロヘキシルベンゼンジアミン(octadecyl cyclohexyl benzenediamine)と、芳香族ジアミン系モノマーとしての約30モル%のジフェニルジアミンと、芳香族アクリルエポキシド系モノマーとしての約28モル%のアクリルエポキシハイブリッドベンゼン誘導体とを含む。各成分のモル%は、表面配向反応物10に対するモル%であり、溶媒は、表面配向反応物10の成分比に含まれない。
液晶表示板アセンブリは、上述した方法に従って製造される。液晶表示装置の画素PXの構造は、図3の構造と実質的に同様である。液晶層3のセル間隔は約3.6μmであり、画素電極191の微細ブランチ197の幅は3μmであり、露光電圧は、DC電圧供給方式により約30V、約40V、及び約50Vであり、電界露光工程の紫外線の強度は、約9J/cm2、約12J/cm2、及び17J/cm2である。このように製造された液晶表示装置は、図11と関連して上述した電荷共有方式の1G1D駆動により動作する。
このように製造された液晶表示装置は、約336時間の間動作し、そのブラック残像は、約2以下のレベルに良好である。
実施形態5
本発明の他の実施形態に従って、配向膜を形成する表面配向反応物10は、無機物系物質と光硬化剤とが結合された化合物を有する。すなわち、光硬化剤と結合された無機物系物質で構成された表面配向反応物10は、配向膜を形成する。
配向膜を形成する無機物系物質は、有機物系物質とは異なり液晶内のイオン不純物と吸着せず、物理的特性の変化が小さく、高温で酸化されるか又はイオン性不純物が発生しないために、光硬化剤と結合された無機物系物質により形成された配向膜は、物理的特性の変化が小さく、安定したプレチルト角を有する光硬化層を有するだけではなく、長時間動作でも液晶表示装置の残像及びムラを減少させ、電圧保持率を低下させない。また、無機物系物質は、低温工程でも配向膜を形成することができるために、配向膜の下部層を構成する材料を様々に選択することができるようにする。無機物系物質は、オルトケイ酸(orthosilicate)系モノマー又はシロキサン系モノマーであり得る。有機物系物質で形成された配向膜は、イミド化することができない多量のカルボキシが液晶層内のイオン不純物と吸着するために電圧保持率を低くし、残像、ムラ、及びDC電圧を発生させる。ここで、‘イミド化(imidization)’は、二無水物系と芳香族ジアミンとの縮合重合(condensation polymerization)を施すことにより得られたポリアミック(polyamic acid)の熱的脱水環化(thermal cyclodehydration)を行うことを意味する。
本発明の実施形態は、表面配向反応物10を構成する材料と主配向膜を形成する2次加熱を除き、上述した負電気特性の配向膜291及び292を有する液晶表示板アセンブリを製造する方法と実質的に同様である。以下、説明の便宜上、重複説明を簡略に説明するか又は省略する。
以下、無機物系物質と光硬化剤とが結合された化合物を有する表面配向反応物10は、上述した方法により、画素電極191を有する下部表示板100及び共通電極270を有する上部表示板200上に塗布される。無機物系物質及び光硬化剤は、化学的に結合されることができる。本発明の他の実施形態による表面配向反応物10は、化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition:CVD)のような蒸着(Vapor Deposition)により画素電極191及び共通電極270上に蒸着することができる。
以下、無機物系物質と光硬化剤とが結合された化合物を有する表面配向反応物10の材料について詳細に説明する。本発明の一実施形態による無機物系物質と光硬化剤とが結合された化合物を有する表面配向反応物10は、オルトケイ酸(orthosilicate)系モノマー及びアルコキシド系モノマーに含まれたアルキルアルコール系モノマーとビニルアルコール系モノマーとが化学的に結合された化合物である。表面配向反応物10は、オルトケイ酸系モノマー、アルキルアルコール系モノマー、及びビニルアルコール系モノマーが極性溶媒に混合され、この混合物が酸(acid)又は塩基(base)触媒で構成された水分H2Oとかき混ぜられる場合に、アルキルアルコール系モノマー及びビニルアルコール系モノマーのヒドロキシル基がオルトケイ酸のケイ素原子の求核攻撃(neucleophilic attack)を行い、これにより、加水分解(hydrolysis)及び縮合重合(condensation polymerization)反応を起こす方法で製造されることができる。
本発明の一実施形態に従って、無機物系物質は、オルトケイ酸系モノマーである。したがって、無機物系物質と光硬化剤とが結合された化合物を有する表面配向反応物10は、約30モル%〜約60モル%、より望ましくは、約44モル%のオルトケイ酸系モノマーと光硬化剤を含む約40モル%〜約70モル%、より望ましくは、約56モル%のアルコキシド(alkoxide)系モノマーとで構成されたポリマーであり得る。オルトケイ酸系モノマーは、テトラアルコキシオルトケイ酸(tetra alkoxy orthosilicate)モノマーであり得る。アルコキシド系モノマーは、約1モル%〜約10モル%、より望ましくは、約6モル%のアルキルアルコール系モノマーと約40モル%〜約60モル%、より望ましくは、約50モル%の光硬化剤を含むモノマーとで構成されることができる。この溶媒は、表面配向反応物10の各モル%組成比に含まれない。本発明による光硬化剤を含むモノマーは、ビニルアルコール系モノマー、アクリル系モノマー、シンナモイル系モノマー、及びこれらの混合物又は化合物から選択された少なくとも1つの物質であり得る。
オルトケイ酸系モノマーは、主配向膜の主鎖を形成し、表面配向反応物10に含まれたポリマーが溶媒によく溶解されることができるようにし、配向膜の電気光学特性、例えば、電圧保持率(VHR)を増加させる。本発明の実施形態によるオルトケイ酸モノマーは、テトラアルコキシオルトケイ酸モノマーであり得る。化学構造の観点において、テトラアルコキシオルトケイ酸モノマーは、次の構造式XIX−T1で表現されるテトラエチルオルトケイ酸系モノマー、アルキル系モノマー、又はヒドロキシル(hydroxyl)系モノマーであり得る。
構造式XIX−T1
本発明によるオルトケイ酸系モノマーは、シラン化合物又はアルコキシシラン化合物を重合することにより製造されたポリシロキサン系ポリマーであり得る。
アルキルアルコール系モノマーは、主鎖を構成するオルトケイ酸系ポリマーの側鎖にリンクされた垂直配向成分のモノマーである。したがって、アルキルアルコール系モノマーは、長鎖アルキル(long-chain alkyl)系ポリマーを含むことができる。化学構造において、アルキルアルコール系モノマーは、下記の構造式XIX−A1で表現されるドデカノール(dodecanol)系モノマー、構造式XIX−A2で表現されるコレステロール系(cholesteric group)モノマー、構造式XIX−A3で表現されるアルキル化二無水物(alkylated alicyclic)系モノマー、構造式XIX−4で表現されるアルキル化芳香族系モノマー又はアルキル系モノマーであり得る。
構造式XIX−A1
構造式XIX−A2
構造式XIX−A3
構造式XIX−A4
ビニルアルコール系モノマーは、ビニル系モノマーとして紫外線により硬化されることによりプレチルト角を有する光硬化層を形成する。ビニルアルコール系モノマーは、主鎖を構成するオルトケイ酸系ポリマーの側鎖にリンクされる。ビニルアルコール系モノマーの化学構造は、構造式XIX−V1で表現されるヒドロキシアルキルアクリレートモノマー又は構造式XIX−V2で表現されるアルキル化ビニル系モノマーであり得る。
構造式XIX−V1
構造式XIX−V2
ここで、XVは、アルキル、エーテル、又はエステルであり得、YVは、メチル又は水素であり得る。
シンナモイル系モノマーは、主鎖を構成するオルトケイ酸系ポリマーの側鎖にリンクされ、紫外線により硬化されることによりプレチルト角を有する光硬化層を形成する。ヒドロキシアルキルアクリレート(hydroxy alkyl acrylate)モノマーは、アルカンジオール(alkane diol)及びアクリルクロライド(Acrylic chloride)を極性溶媒に混合し、この混合物のエステル化反応により製造されることができる。
化学構造の観点において、シンナモイル系モノマーは、構造式XIX−C1で表現されるアルキル化シンナモイル(alkylated cinnamoyl)系モノマーであり得る。
構造式XIX−C1
ここで、XCは、アルキル、エーテル、エステル、フェニル、シクロヘキシル、又はフェニルエステルの中のいずれか1つであり得る。YCは、アルキル、フェニル、ビフェニル、シクロヘキシル、ビシクロヘキシル、又はフェニルシクロヘキシルの中のいずれか1つであり得る。光硬化剤は、上述した光反応性ポリマー、反応性メソゲン(RM)、光硬化剤、光重合物質、又は光異性化物質であり得る。無機物系物質と光硬化剤とが結合された化合物を有する表面配向反応物10に上述した光開始剤が添加されることができる。
塗布された無機物系物質と光硬化剤とが結合された化合物を有する表面配向反応物10は、上述した方法により1次加熱が施される。1次加熱が施される間に、オルトケイ酸系モノマーの側鎖にリンクされた垂直配向成分のアルキルアルコール系分子及び光硬化層35及び36を形成する光硬化剤は、下部膜に対して垂直に配向される。1次加熱の間に、無機物系物質と光硬化剤とが結合された化合物を有する表面配向反応物10は、図8Cと関連して上述したような相分離現象を有しないことがある。
1次加熱を施した後に、表面配向反応物10は、上述した2次加熱温度より低い温度、すなわち、約150℃〜約200℃、より望ましくは約180℃で2次加熱が施される。2次加熱は、約1000秒〜約1400秒、より望ましくは約1200秒の間に施されることができる。2次加熱温度が低いために表面配向反応物10の下部膜を構成する材料は、幅広く選択されることができる。本発明の一実施形態に従って表面配向反応物10の下部に形成されたカラーフィルター材料は、低い温度で工程可能な染料(dye)であり得る。2次加熱の間に、表面配向反応物10の溶媒は蒸発し、主鎖を構成するオルトケイ酸系モノマー及び側鎖にリンクされた垂直配向成分のアルキルアルコール系モノマーは、主配向膜を形成する。無機物系物質と光硬化剤とが結合された化合物を有する表面配向反応物10により形成された主配向膜は、イオン性不純物を吸着せず、高温で酸化されるか又はイオン性不純物を発生しないために、液晶表示装置の残像及びムラを減少させ、電圧保持率(VHR)を増加させる。
2次加熱の後に、無機物系物質と光硬化剤とが結合された化合物を有する表面配向反応物10は、上述した方法により洗浄の後に乾燥される。本発明の実施形態による表面配向反応物10は、洗浄又は乾燥工程により物質の特性が低下しない。
乾燥の後に、シール剤は、上述した方法により形成される。上述したように、シール剤は、約300nm〜約400nmの波長を有する紫外線で硬化されるか、又は約400nm以上の波長で硬化されることができる。この後、上述した方法により上板共通電圧印加点(図示せず)及び液晶層が形成され、下部表示板100と上部表示板200とが組み立てられる。シール剤は、上述したように光又は熱により硬化される。
組み立てられた表示板は、上述した方法によりアニーリングが行われ、DC電圧又はマルチステップ電圧の供給方法により電圧の供給を受ける。電場が液晶層に形成される工程は、上述したものと実質的に同様である。垂直配向された光硬化剤又は反応性メソゲンは、負電気特性を有する配向膜を形成する方法とは異なり、液晶分子との相互作用を通して電場で傾斜するように配向される。供給された電圧により液晶分子と反応性メソゲン(RM)とが一定の傾斜角で配向される間に、上述した方法により、電界露光工程は、組み立てられた液晶表示板アセンブリに行われる。電界露光工程の紫外線強度は、約6J/cm2〜20J/cm2であり得、より望ましくは、約12J/cm2であり得る。
光により反応性メソゲン(RM)のアクリレート反応基が硬化されることにより反応性メソゲン(RM)モノマー間のネットワークが形成される。ネックワークとして形成された反応性メソゲンは、主配向膜上にプレチルト角を有する光硬化層35及び36を構成する。前工程で形成された主配向膜及び光硬化層は、配向膜を構成する。無機物系物質と光硬化剤とが結合された化合物を有する表面配向反応物10により形成された光硬化層は、無機物系物質と結合されるために優秀な信頼性及び安全性を示す。
この後に、上述したような蛍光露光工程が行われることができる。
このようにして、無機物系物質と光硬化剤とが結合された化合物を有する表面配向反応物10は、主配向膜33及び34と光硬化層35及び36とで構成された配向膜を形成することにより、この配向膜を有する液晶表示板アセンブリ300を製造する。
本発明の実施形態による無機物系物質と光硬化剤とが結合された化合物を有する表面配向反応物10により形成された配向膜は、安定したプレチルト角を有する光硬化層を有し、配向膜の耐熱性、長期信頼性、耐化学性、及び均一性に優れる。また、無機物系物質と光硬化剤とが結合された化合物を有する表面配向反応物10は、静電気消去性(electrostatic elimination)がよいために追加の工程が不要である。したがって、液晶表示装置を製造する時間を短縮することができる。
本発明の実施形態による無機物系物質と光硬化剤とが結合された化合物を有する表面配向反応物10により形成された配向膜291及び292が製造され、これを有する液晶表示装置が製造された。本発明の実施形態に従って、配向膜を形成する表面配向反応物10は、テトラアルコキシオルトケイ酸モノマーとしての約44モル%のテトラアルコキシオルトケイ酸モノマーと、アルキルアルコール系モノマーとしての約6モル%のドデカノール系モノマーと、ビニルアルコール系モノマーとしての約50モル%のヒドロキシアルキルアクリレート(hydroxy alkyl acrylate)モノマーとで構成される。各成分のモル%は、表面配向反応物10に対するモル%であり、溶媒は、表面配向反応物10の成分比に含まれない。
液晶表示板アセンブリは、上述した方法に従って製造される。液晶表示装置の画素PXの構造は、図3の構造と実質的に同様である。液晶層3のセル間隔は、約3.6μmであり、画素電極191の微細ブランチ197の幅は、3μmであり、露光電圧は、DC電圧供給方式により約20V又は約24Vであり、電界露光工程の紫外線の強度は、約5J/cm2、約10J/cm2、約20J/cm2である。このように製造された液晶表示装置は、図11と関連して上述した電荷共有方式の1G1D駆動により動作する。 このように製造された液晶表示装置は、電圧保持率が約90.5%以上であり、イオン密度(ion density)は、約5pC/cm2以下であり、ブラック残像は、168時間の間の動作で約2.5レベルに良好である。
実施形態6
本発明の実施形態による表面配向反応物10(図8A、図8B、図8C及び図8D参照)は、官能基が結合された無機物の混合物である。無機物系物質を含む配向膜は、下部層との接着性が優れ、液晶層に残留するイオン性不純物との結合力が低く、高温、酸化雰囲気下で長期間の使用時、優れた信頼性を有する。
まず、官能基が結合した無機物系化合物を混合して製造した表面配向反応物10の材料について詳細に説明する。無機物系化合物が混合された表面配向反応物10は、第1無機物系物質を含む第1表面配向化合物(図示せず)と第2無機物系物質を含む第2表面配向化合物(図示せず)との混合物である。本発明の実施形態により、第1無機物系物質及び第2無機物系物質は、シロキサンであってもよい。第1表面配向化合物は、配向膜の信頼性及び物性を強化する官能基を有し得る。第2表面配向化合物は、液晶分子を配向する多様の官能基を有することができる。官能基については後述する。第1表面配向化合物と第2表面配向化合物を混合可能な溶媒は、へキシレングリコール(Hexylene Glycol, HG)、ブチルセロソルブ(Butyl cellosolve, BCS)、1,3−ブタンジオル(1,3-Butane diol, 1,3−BD)、及びプロピレングリコールモノブチルエーテル(propylene glycol monobutyl ether)から選ばれた少なとも一つ以上を含んでもよい。溶媒は、第1表面配向化合物及び第2表面配向化合物を溶解できる前述した物質以外の他の物質であってもよい。
一実施形態において、表面配向反応物10に含まれた第1表面配向化合物及び第2表面配向化合物の総合は、約2重量%〜約4重量%が好ましく、溶媒は約96重量%〜約98重量%が好ましい。別の実施形態において、第1表面配向化合物と第2表面配向化合物は、約6〜約8対約2〜約4の重量比、より好ましくは、約7対約3の重量比で混合する。重量比には溶媒が含まれない。
本発明の一実施形態において、表面配向反応物10に含まれた溶媒は、約45重量%〜約65重量%のヘキシレングリコール(HG)、約10重量%〜約30重量%のブチルセロソルブ(BCS)、及び約15重量%〜約35重量%のプロピレングリコールモノブチルエーテルを含み得る。本発明の別の実施形態において、表面配向反応物10に含まれた溶媒は、約25重量%〜約45重量%のヘキシレングリコール、約8重量%〜約28重量%のブチルセロソルブ、約3重量%〜約11重量%の1,3−ブタンジオル、及び約30重量%〜約50重量%のプロピレングリコールモノブチルエーテルを含む。
本発明の更なる別の一実施形態において、表面配向反応物10は、約2.1重量%の第1表面配向化合物、約0.9重量%の第2表面配向化合物、約65重量%のヘキシレングリコール、約30重量%のブチルセロソルブ、及び約5重量%の1,3−ブタンジオルを含む。表面配向反応物10には、第1表面配向化合物と第2表面配向化合物が混合されているので、この表面配向反応物を形成する過程で 第1表面配向化合物を含む物質と第2表面配向化合物を含む物質に容易に相分離され得る。
第1表面配向化合物は、下記構造式IM1を含む。構造式IM1は、無機物系物質のシロキサン系モノマーとIM−R6官能基が結合したものである。第1表面配向化合物は、下部膜と安定的に結合することができる。第1表面配向化合物は、無機物の特性を有するために、第1表面配向化合物を含む配向膜291(図9B)及び292(図22A〜図22Gの34及び36と図示)は、良好な信頼性を有することができる。第1表面配向化合物は、下部膜と同様な極性又は他の物理化学的特性、例えば、親水性又は疎水性を有する場合、後述する加熱工程で異なる極性を有する第2表面配向化合物と容易に相分離することができる。一実施形態において、第1表面配向化合物に含まれたIM−R6官能基は、実質的に親水性であってもよい。別の実施形態において、第1表面配向化合物に含まれたIM−R6官能基は、実質的に疎水性であってもよい。
構造式IMI
上記構造式IM1において、IM−R6は、アルキル系モノマー又はヒドロキシ系モノマーを含んでもよい。アルキル系モノマーは、約0〜約5個の炭素原子を含み得る。
第1表面配向化合物は、下記反応式IM1−M1に従って合成することができる。第1表面配向化合物は、 テトラエチルオルトシリケート(teteaethyl orthosilicate)をテトラヒドルフラン(THF,tetahydrofuran)に混合した後、この混合物を酸(例えば、塩酸(HCl))又は一つ以上の塩基触媒を含んだ水(H2O)と攪拌することにより製造することができる。
反応式IMI−M1
以下、第2表面配向化合物について詳細に説明する。 本発明の一実施形態により、第2表面配向化合物は、下記構造式IM2を有する。構造式IM2は、無機物系物質のシロキサン系モノマーとIM−T1、IM−T2及びIM−T3官能基が結合した構造である。IM−T1、IM−T2及びIM−T3官能基はそれぞれ、主鎖を構成するシロキサン系モノマーに結合して側鎖を形成し得る。
IM−T1官能基は、液晶分子を下部膜に対して垂直に配列できる垂直官能基である。IM−T1官能基は、液晶分子と相互作用をすることができる。IM−T2官能基は、光、例えば、紫外線、又は熱により重合反応を行うことができる。IM−T2官能基は、架橋結合、又は重合するか、硬化されて液晶分子を傾くように配向できるプレチルト官能基である。IM−T3官能基は、第2表面配向化合物により形成される配向膜の信頼性を向上することができ、配向膜の物性を強化することができる官能基である。
一実施形態において、第2表面配向化合物は、約5モル%〜約15モル%のIM−T1官能基、約40モル%〜約60モル%のIM−T2官能基、及び約30モル%〜約50モル%のIM−T3官能基を含む。一実施形態において、第2表面配向化合物は、IM−T1官能基を約10モル%含む。別の実施形態において、第2表面配向化合物は、IM−T2官能基を約50モル%含む。また、別の実施形態において、IM−T3官能基を約40モル%含む。各官能基のモル%は、シロキサンと溶媒を除いた第2表面配向化合物中のモル%である。
このような多様の官能基を含む第2表面配向化合物は、配向膜を形成する工程で容易に相分離することができる。多様な官能基は、液晶分子を下部膜に対して垂直又は一定の角度で傾くように配列することにより、液晶表示装置の表示特性が向上される。第2表面配向化合物に含まれたIM−T1及びIM−T2官能基は、実質的に疎水性の特性を有し得る。第2表面配向化合物は、上述したように、光開始剤をさらに含んでもよい。
構造式IM2
IM−T1官能基は、液晶層の液晶分子を垂直に配向する前述の垂直配向成分のモノマーを含んでもよい。IM−T1官能基は、構造式XIX−A1、構造式XIX−A2、構造式XIX−A3及び構造式XIX−A4中の少なくとも一つによるモノマーを含む。IM−T1官能基は、約5〜20個の炭素原子を有するアルキルアルコール系モノマーを含んでもよい。
IM−T2官能基は、配向膜を形成する工程で、光(例えば、紫外線)又は熱エネルギーにより重合反応及び架橋反応を行い、プレチルト角を有する光硬化層を形成することができる。IM−T2官能基は、ビニル基、アクリル基、アクリレート基、シンナメート基及びメタクリレート基中の一つ以上を含む。ビニル基又はアクリル基は、炭素数1〜18の脂肪族アルキル基を含んでもよい。IM−T2官能基は、上記構造式XIX−V1、構造式XIX−V2及び構造式XIX−C1中の一つ以上によるモノマーを含んでもよい。IM−T2官能基は、上述した硬化剤、光反応性ポリマー、反応性メゾゲン、光硬化剤、光重合性物質及び光異性化物質中の一つ以上を含んでもよい。
IM−T3官能基は、上記列挙したIM−R6官能基中の一つ以上を含む。
第2表面配向化合物は、下記反応式IM2−M1に従って合成することができる。一実施形態のいて、第2表面配向化合物は、テトラエチルオルトシリケート(tetraehyl orthosilicate)を極性溶媒(THF、テトラヒドロフラン)に混合した後、この混合物、長鎖アルキル及びアルキル化アクリレート(alkylated acrylate)を酸(例えば、塩酸、HCl)又は一つ以上の塩基触媒を含んだ水(H2O)と攪拌することにより形成することができる。長鎖アルキル基は、IM−T1官能基の役割を果たすことができる。アクリレート基は、IM−T2官能基の役割を果たすことができる。第2表面配向化合物は、親核性加水分解及び凝縮重合反応により製造することができる。
反応式IM2−M1
以下、官能基が結合された無機物系化合物を混合して製造した上述の表面配向反応物10を用いて、配向膜291(図9B参照)及び292(図示せず)、及び液晶表示板アセンブリ300を製造する過程について詳細に説明する。表面配向反応物10は、配向膜の信頼性と物性を向上する第1表面配向化合物と液晶分子を配向する官能基を有する第2表面配向化合物を含む。無機物系化合物が混合された表面配向反応物10は、実質的にSC-VAモードに基づいた方法による液晶表示板アセンブリ300の配向膜を形成することができる。
図8A〜図8Eを参照して配向膜291,292を形成する方法について詳細に説明する。重複説明は、便宜上、簡略化するか、又は省略する。上記SC-VAモードに基づいた方法と本発明の一実施形態による配向膜を形成する方法との間の相違について詳細に説明する。
画素電極191を有する下部表示板100と共通電極270を有する上部表示板200は、上述した方法中のいずれかにより、又は以下のように製造することができる。官能基が結合された無機物系化合物を混合して製造した上述の表面配向反応物10を用いて配向膜を形成する方法について詳細に説明する。説明の重複を避けるため、上板配向膜292を形成する方法は省略し、下板配向膜291を形成する方法について説明する。
図8Aを参照すると、官能基が結合された無機物系化合物の混合物を含んだ 表面配向反応物10は、上述した方法によって画素電極191の上に形成される。
図8Bを参照すると、 第1表面配向化合物及び第2表面配向化合物を含む表面配向反応物10は前述の方法により1次加熱する。1次加熱工程で、表面配向反応物10の溶媒が除去され得る。
図8Cを参照すると、表面配向反応物10は、表面無機物層33aと表面機能層35aに相分離される。表面無機物層33aは画素電極191と接触され、一方、表面機能層35aは空気と接触される。表面配向反応物10が相分離されて、表面無機物層33aは第1表面配向化合物を包含し、表面機能層35aは第2表面配向化合物を包含する。1次加熱工程で、表面無機物層33a及び表面機能層35aに含まれたシロキサンは結合してポリシロキサンを形成する。ポリシロキサンは、表面無機物層33a及び表面機能層35aで主鎖を形成する。表面機能層35aに含まれたIM−T1官能基は、空気と接触する方向にあり、基板又は画素電極191の表面に対して垂直方向に配列することができる。表面機能層35aに含まれたIM−T2官能基は、空気と接触する方向にあり得る。第1表面配向化合物は親水性を有することができ、第2表面配向化合物は疎水性を有することができる。
相分離した表面無機物層33aと表面機能層35aは、図8D及び図8Eを参照して上述した方法で2次加熱する。2次加熱工程で、相分離した表面無機物層33aと表面機能層35aは硬化される。表面無機物層33a及び表面機能層35aに含まれたポリシロキサンは、さらに架橋結合して安定なマトリックスを形成する。2次加熱工程の間、表面無機物層33aは表面無機配向膜33を形成する。表面無機物層33aに含まれたポリシロキサンは、表面機能層35aに含まれたポリシロキサンと架橋結合することができる。2次加熱工程で、表面無機物層33aと表面機能層35aに残留する水酸基イオンは除去され得る。図面符号33a、33及び35aは、表面主配向物質層33a、主配向膜33及び光硬化剤層35aと部分的に異なる機能を有するので、別の名称、即ち表面無機物層33a、表面無機配向膜33及び表面機能層35aとして命名した。本発明の別の実施形態において、1次加熱工程が省略され、2次加熱工程で1次及び2次加熱工程を参照して前述した反応が生じ得る。
以後、表面無機配向膜33又は表面機能層35aは、純水(DIW, DeIonized Water)により洗浄し、イソプロピルアルコール(IPA)によりさらに洗浄してもよい。洗浄の後、表面無機配向膜33又は表面機能層35aは乾燥する。
ステップS240で、上述したように、シール剤、上板共通電圧印加点及び液晶層3が形成され、下部表示板100と上部表示板200が組み立てられる。組み立てられた下部表示板100と上部表示板200は、上述した方法でアニーリングしてもよい。
ステップS250で、組み立てられた下部表示板100及び上部表示板200に露光電圧が供給され、光が照射される。ステップS250で、表面機能硬化層35が形成される。表面無機配向膜33と表面機能硬化層35は、下板配向膜291を形成する。上板配向膜292に含まれた表面無機配向膜34と表面機能硬化層36は、上述した方法により、又は以下の方法によって形成することができる。 ステップS250を参照して表面機能硬化層35を形成する方法について詳細に説明する。まず、ステップS252で、液晶層3に電場が形成される。液晶層3で電場は、ステップS152を参照して前述した方法で形成することができる。ステップS254で、液晶層3に電場が形成されている間、組み立てられた下部表示板100及び上部表示板200に光が照射される電界露光工程が進行される。電界露光工程は、上述した方法により行われてもよい。
電界露光工程により、表面機能層35aに含まれたIM−T2官能基は硬化される。硬化されたIM−T2官能基は、表面機能硬化層35を形成する。IM−T2官能基は、図9A及び図9Bを参照して上述した方法で入射された紫外線により周辺の液晶分子31と実質的に同一の方向に傾斜するように硬化する。複数のIM−T2官能基は、重合反応により、複数のIM−T2官能基が相互結合したネットワークを形成し得る。例えば、IM−T2官能基に含まれたアルケンの2重結合が紫外線(UV)により活性化され、これによりIM−T2官能基は、架橋結合鎖のネットワークを形成し、隣接したIM−T2官能基と結合される。IM−T2官能基に隣接した液晶分子31は、硬化されたIM−T2官能基により、実質的に一定のプレチルト角で配列され得る。
本発明の一実施形態において、液晶分子31は、上述したように、液晶層3に電場が形成されなかった状態で、実質的に一定のプレチルト角で配列する。本発明の別の実施形態において、液晶分子31のプレチルト角の平均は、上記光硬化層のプレチルト角に該当する。プレチルト角は、画素電極191の微細ブランチ197の長さ方向に平行な傾斜方向であり得る。硬化されたIM−T2官能基、IM−T1官能基及びIM−T3官能基は、表面機能層35aに含まれたシロキサンにより形成されたポリシロキサンの側鎖に結合され得る。上述した蛍光露光工程は、進行されなくてもよい。第2表面配向化合物を1次又は2次加熱して形成されたポリシロキサンは、第1表面配向化合物により形成されたポリシロキサンの上に形成され得る。蛍光露光工程は、進行されなくてもよい。上板表面機能硬化層36は、下板表面機能硬化層35を形成する方法により形成できる。
官能基が結合された無機物系化合物を混合して得た表面配向反応物10を含む液晶表示板アセンブリ300は、SC-VAモードの特性を有するように製造し得る。表面配向反応物10が無機物系物質と結合した化合物で混合されるので、配向膜291、292を形成する工程で相分離が容易に行われ得る。液晶分子を垂直又はプレチルト角で配向するポリマーが、無機系物質と結合されているために、これにより製造された液晶表示装置は、高電圧保持率を有することができ、イオン性不純物により液晶表示装置の品質が低下されることを防止する。無機系物質と多様な官能基を有するポリマーが結合(例えば、第2表面配向化合物)されているので、配向膜を形成する工程で静電気消去工程が省略できる。従って、液晶表示装置を製造する方法は単純化できる。
実施形態7
本発明の別の実施形態により、配向膜を形成する表面配向反応物10は、鎖長の異なる二つ以上の光硬化剤を含む。従って、光硬化剤の架橋率が増加される。
まず、鎖長の異なる光硬化剤を含む表面配向反応物10の材料について詳細に説明する。鎖長の異なる光硬化剤又は硬化剤を含む表面配向反応物10は、第3表面配向化合物と第4表面配向化合物との混合物である。表面配向反応物10は相分離を許容する物理化学的性質を有する混合物であるので、表面配向反応物10は、配向膜を形成する工程で容易に相分離され得る。第3表面配向化合物は、前述の第1表面配向化合物と同様に、配向膜の信頼性及び物性を強化することができる。第4表面配向化合物は、液晶分子を配向する多様の官能基を含む。第4表面配向化合物は、前述の第2表面配向化合物に含まれたプレチルト官能基として、鎖長の異なる2種の光硬化剤を含む。鎖長の異なる光硬化剤は、配向膜を形成する過程で光硬化剤の架橋率を増加し得る。
表面配向反応物10に含まれた第3表面配向化合物と第4表面配向化合物は、約6〜約8対約2〜約4の重量比、より好ましくは、約7対約3の重量比で混合することができる。この重量比には溶媒が含まれない。表面配向反応物10に含まれた第3表面配向化合物、第4表面配向化合物及び溶媒は、第1表面配向化合物及び第2表面配向化合物を参照して上述した比率で混合し得る。
各成分の混合比率において、第1表面配向化合物は第3表面配向化合物に代替されてもよく、第2表面配向化合物は第4表面配向化合物に代替されてもよい。溶媒は、無機物系物質を含む化合物の混合により形成された表面配向反応物10の材料と共に、前述した溶媒であってもよい。
第3表面配向化合物は、上記構造式IM1又は下記構造式IM3を有する。構造式IM3は、主鎖を形成するシロキサン系モノマーと、側鎖を形成するIM−R6及びIM−M6官能基が互いに結合したものである。シロキサン系モノマーの構造式IM3を有する第3表面配向化合物は、下部に形成された膜と安定的に結合することができる。第3表面配向化合物は、約5モル%〜約15モル%、より好ましくは、約10モル%のIM−M6官能基、及び約80モル%〜約95モル%、より好ましくは、約90モル%のIM−R6官能基を含んでもよい。各官能基のモル%は、シロキサンと溶媒を除いた第3表面配向化合物中のモル%である。IM−M6官能基は、相分離改善剤であってもよい。相分離改善剤は、第3表面配向化合物に含まれた物質、例えば、ケイ素と、第4表面配向化合物に含まれた物質、例えば、ケイ素とが、混合物中で相互結合することを抑制することにより、相分離を容易に行うことができる。IM−M6官能基は、第3表面配向化合物により形成される表面無機配向膜の密度を減少できるので、配向膜の再作業が容易になり得る。表面無機配向膜の密度が低くなると、配向膜の再作業のために用いられる溶媒が、表面無機配向膜をより容易に浸透できる。IM−M6官能基は、メチル基を含んでもよい。IM−R6官能基は構造式IM1を参照して記述された。第3表面配向化合物に含まれたIM−M6及びIM−R6官能基は、実質的に親水性を有し得る。
構造式IM3
第3表面配向化合物は、下記反応式IM1−M3に従って合成することができる。第3表面配向化合物は、テトラエチルオルトシリケートをテトラヒドロフラン(THF、テトラヒドロフラン)に混合した後、この混合物とメチル基供与体を酸(例えば、塩酸、HCl)又は一つ以上の塩基触媒を含んだ水(H2O)と攪拌することにより形成することができる。
反応式IM1−M3
以下、第4表面配向化合物について詳細に説明する。第4表面配向化合物は、光又は熱により硬化される二つの異なる官能基、例えば、硬化剤を含む。硬化特性を有する二つの官能基は、互いに異なる鎖長を有する。硬化される二つの官能基は、第2表面配向化合物を参照して上述したプレチルト官能基と実質的に同様の役割を果たすことができる。第4表面配向化合物に含まれたプレチルト官能基は、互いに異なる鎖長を有するので、第4表面配向化合物に含まれたプレチルト官能基の密度と架橋率が増加される。硬化剤又はプレチルト官能基の架橋率が増加すると、液晶表示装置の表示品質が改善できる。
第4表面配向化合物は、下記構造式IM4を含む。構造式IM4は、主鎖を形成するシロキサン系モノマーと、側鎖を形成するIM−T1、IM−T2、IM−T21及びIM−T3官能基が結合した構造である。第4表面配向化合物は、約5モル%〜約15モル%、より好ましくは、約10モル%のIM−T1官能基、約30モル%〜約50モル%、より好ましくは、約40モル%のIM−T2官能基、約5モル%〜約15モル%、より好ましくは、約10モル%のIM−T21官能基及び約30モル%〜約50モル%、より好ましくは、約40モル%のIM−T3官能基を含んでもよい。各官能基のモル%は、シロキサンと溶媒を除いた第4表面配向化合物中のモル%である。第4表面配向化合物に含まれたIM−T1、IM−T2及びIM−T21官能基は、実質的に疎水性を有することができる。
構造式IM4
IM−T1、IM−T2及びIM−T3官能基は、構造式IM2を参照して記述した。IM−T21官能基は、光、例えば、紫外線又は熱により重合反応又は架橋が可能なプレチルト官能基である。IM−T21官能基は、上記IM−T2官能基と同様に、配向膜を形成する工程でプレチルト角を有する光硬化層を形成し得る。IM−T21官能基は、ビニル基、スチレン基、メタクリレート基、シンナメート基及びアクリル基中の一つ以上を含んでもよい。IM−T21官能基は、構造式XIX−V1、構造式 XIX−V2及び構造式XIX−C1中の一つ以上によるモノマーを含んでもよい。IM−T21官能基は、上述した硬化剤、光反応性ポリマー、反応性メゾゲン(RM)、光硬化剤、光重合性物質及び光異性化物質中の一つ以上であってもよい。第4表面配向化合物に含まれたプレチルト官能基の特性をそれぞれ有するIM−T2官能基対IM−T21官能基のモル%比は、約2〜約10対1であってもよい。第4表面配向化合物に含まれた垂直官能基の特性を有するIM−T1官能基対プレチルト官能基の特性を有するIM−T21官能基のモル%比は、約1〜約3対約1〜約3であってもよい。第4表面配向化合物に含まれた垂直官能基の特性を有するIM−T1官能基対プレチルト官能基の特性を有するIM−T2官能基対プレチルト官能基の特性を有するIM−T21官能基対第4表面配向化合物に含まれた相分離改善剤のモル%比は、約1〜約3対約2〜約10対約1〜約3対約1〜約3であってもよい。
第4表面配向化合物は、光開始剤、例えば、チオル基を含んでもよい。第4表面配向化合物に含まれた光開始剤は、炭素数1〜5のアルキル化チオル基であってもよい。光開始剤は、シロキサン系モノマーの側鎖に結合され得る。光開始剤は、IM−T2官能基及びIM−T21官能基の硬化を促進できる。光開始剤は、絶縁膜のような物質から発生した残留ラジカルと反応することにより、ラジカルを減少できるために、液晶表示装置の表示品質は向上できる。
本発明の実施形態によるIM−T2官能基及びIM−T21官能基について詳細に説明する。IM−T2官能基及びIM−T21官能基は、硬化剤を含む。IM−T2官能基の鎖長は、IM−T21官能基の鎖長より長くてもよい。これにより、重合反応又は架橋が可能な官能基又は硬化剤の密度は増加し得る。光又は熱により重合反応又は架橋を形成する工程で、複数のIM−T2官能基の間にあるIM−T21官能基が重合反応又は架橋を促進し得るので、IM−T2官能基とIM−T21官能基の架橋率は増加できる。鎖長とは、IM−T2官能基又はIM−T21官能基に含まれたアルケンから主鎖シロキサンのケイ素原子まで最短距離で結合する結合の長さを合わせた値である。鎖長を計算するとき、原子と原子間の結合は同じであると仮定する。例えば、炭素と炭素間の結合、炭素と酸素間の結合及び炭素とケイ素間の結合はすべて同じ長さであると仮定する。本発明の一実施形態より、IM−T2官能基の鎖長は、IM−T21官能基の鎖長より約3倍〜約7倍長くてもよい。IM−T2官能基の鎖長が、IM−T21官能基の鎖長より約7倍を超過する場合、液晶分子を配向する力が減少されるので、液晶分子の配列が不均一となり得る。液晶分子の不均一性は、液晶表示装置の画質を低下する可能性がある。
別の実施形態において、IM−T2官能基の結合数は、IM−T21官能基の結合数と異なる。IM−T2官能基の結合数は、IM−T21官能基の結合数より大きくてもよい。結合数とは、IM−T2官能基又はIM−T21官能基に含まれたアルケンからシロキサン主鎖まで最短距離で結合した結合の個数である。
本発明の一実施形態により、IM−T2官能基の結合数は、IM−T21官能基の結合数より約3倍〜約7倍大きくてもよい。IM−T2官能基の結合数が、IM−T21官能基の単一結合数より約7倍を超過する場合、液晶分子配向力が減少されるので、液晶分子の配列が不均一となる可能性がある。
本発明の一実施形態により、IM−T2官能基に含まれたスペーサー(spacer)の個数は、IM−T21官能基に含まれたスペーサーの個数と異なる。IM−T2官能基に含まれたスペーサーの個数は、IM−T21官能基に含まれたスペーサーの個数より多くてもよい。IM−T2官能基に含まれたスペーサーの個数は、IM−T21官能基に含まれたスペーサーの個数より約2倍〜約5倍多くてもよい。IM−T2官能基に含まれたスペーサーの個数は、約1個〜5個であってもよく、IM−T21官能基に含まれたスペーサーの個数は、0〜約4個であってもよい。スペーサーはアルキル基であってもよく、スペーサーの個数は炭素の個数である。本発明の一実施形態により、IM−T21官能基は、スペーサーを含まなくてもよい。
本発明の一実施形態により、IM−T2官能基はアルキル化メタクリレート基を含み、IM−T21官能基はビニル基を含む。アルキル化メタクリレート基に含まれたアルキル基は、約2個〜4個の炭素を含んでもよい。アルキル化メタクリレート基が シロキサンに結合された(CH2)3アルキル基を含む場合、IM−T2官能基の鎖長は、炭素−ケイ素結合の単位長さの約6倍であり、スペーサー(炭素)個数は3個である。スペーサーを含まないIM−T21官能基に含まれたビニル基がシロキサンと結合する場合、ビニル基の二重結合の炭素がシロキサンのケイ素元素に直接結合され、IM−T21官能基の鎖長は、炭素−ケイ素結合の長さである。従って、IM−T2官能基の鎖長は、IM−T21官能基の鎖長の約6倍である。(CH2)3アルキル基を含んだアルキル化メタクリレート基を有するIM−T2官能基において、炭素と炭素の単一結合数は3個であり、炭素と酸素の単一結合数は2個であり、炭素とケイ素の単一結合数は1個である。ビニル基を有するIM−T21官能基において、炭素とケイ素の単一結合数は1個である。IM−T2官能基の単一結合数は、IM−T21官能基の単一結合数の約6倍である。IM−T2官能基とIM−T21官能基は、互いに同じ又は異なる材料の硬化機能を有し、IM−T2官能基の鎖長又は結合数は、IM−T21官能基の鎖長又は結合数と異なる。
本発明の一実施形態により、第4表面配向化合物は、下記反応式IM2−M4に応じて合成することができる。第4表面配向化合物は、テトラエチルオルトシリケートを極性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)に混合した後、この混合物、長鎖アルキル、ビニル基及びアルキル化アクリレートを酸(例えば、塩酸、HCl)又は一つ以上の塩基触媒を含んだ水(H2O)と攪拌することにより形成することができる。長鎖アルキル基はIM−T1官能基の役割を、アクリレート基はIM−T2官能基の役割を、ビニル基はIM−T21官能基の役割を、ヒドロキシ基はIM−T3官能基の役割を果たすことができる。第4表面配向化合物は、親核性加水分解及び凝縮重合反応により製造することができる。
反応式IM2−M4
以下、鎖長の異なるプレチルト官能基を含む表面配向反応物10を用いて配向膜291、292及び液晶表示板アセンブリ300を製造する過程について詳細に説明する。鎖長の異なるプレチルト官能基、例えば、光硬化剤を含む表面配向反応物10は、実質的にSC-VAモード方法により液晶表示板アセンブリ300の配向膜を形成する。この表面配向反応物10は、電界露光工程で増加された架橋率を有することができる。
官能基が結合された無機物系化合物が混合された表面配向反応物10を用いて、配向膜291、292を形成する上述の方法に基づいて、鎖長の異なる光硬化剤を含む表面配向反応物10を用いて配向膜291、292を形成する方法について後述する。重複説明は、便宜上、簡略化するか、又は省略する。説明の重複を避けるため、上板配向膜292を形成する方法は省略し、下板配向膜291を形成する方法について説明する。
画素電極191を有する下部表示板100及び共通電極270を有する上部表示板200は、上述した方法により製造することができ、その方法は以下の通りである。鎖長の異なるプレチルト官能基(例えば、光開始剤)を含む表面配向反応物10は、上述の方法により上記画素電極191上に形成される。第3表面配向化合物と第4表面配向化合物の混合物を含む表面配向反応物10は1次加熱工程を行い、その溶媒が除去される。
1次加熱工程で、表面配向反応物10は表面無機物層33aと表面機能層35aに相分離される。表面無機物層33aは実質的に第3表面配向化合物を包含し、表面機能層35aは実質的に第4表面配向化合物を包含する。表面機能層35aに含まれた第4表面配向化合物のIM−T1官能基、IM−T2官能基及びIM−T21官能基は、ポリシロキサンの側鎖に連結されることができ、基板又は画素電極191の表面に対して実質的に垂直方向に配列しても、空気と接触する方向に配列してもよい。第3表面配向化合物は相分離改善剤を含んでもよい。相分離改善剤、例えば、メチル基を含む表面配向反応物10は、上記の理由により容易に相分離することができる。1次加熱工程で、表面無機物層33a及び表面機能層35aに含まれたシロキサンは、上述のように、ポリシロキサンを含む主鎖を形成し得る。1次加熱の後、表面無機物層33aと表面機能層35aが不良に形成された場合、配向膜の再作業が進行され得る。配向膜の再作業は、不良に形成された表面無機物層33aと表面機能層35aを除去し、表面配向反応物10を画素の上に再形成し、1次加熱工程を再び進行する工程である。
相分離した表面無機物層33a及び表面機能層35aを含む表面配向反応物10は、上記方法で2次加熱する。2次加熱工程で、表面機能層35aは上述の方法で硬化され、表面無機物層33a及び表面機能層35aに含まれたポリシロキサンは架橋し得る。表面無機物層33aは、ポリシロキサンがさらに結合して表面無機配向膜33を形成する。1次加熱工程が省略され、2次加熱工程で1次及び2次加熱工程を参照して上述した反応が生じ得る。
以後、表面無機配向膜33又は表面機能層35aは、純水(DIW)により洗浄し、イソプロピルアルコールによりさらに洗浄してもよい。洗浄の後、表面無機配向膜33又は表面機能層35aは乾燥する。
以後、上述したように、シール剤、上板共通電圧印加点及び液晶層3が形成され、下部表示板100と上部表示板200が組み立てられた後、上述の方法でアニーリングする。
次に、組み立てられた下部表示板100及び上部表示板200は、露光電圧を加えながら、光を照射する。これにより、表面機能層35aは、表面機能硬化膜35を形成する。表面無機配向膜33及び表面機能硬化膜35は、下板配向膜291を形成する。
表面機能硬化層35を形成する方法は、構造式IM2のIM−T2官能基を参照して記述した方法と同様であるので、これらの方法間の相違のみを詳細に説明する。液晶層3に電場が形成されている間、電界露光工程が行われる。
電界露光工程により、表面機能層35aに含まれたIM−T2官能基とIM−T21官能基は、互いに架橋し、硬化される。IM−T2官能基は、IM−T2官能基又はIM−T21官能基と架橋してネットワークを形成し得る。IM−T2官能基に含まれたアルケンとIM−T21官能基に含まれたアルケンは、光エネルギーにより2重結合が活性化され、IM−T2官能基とIM−T21官能基が互いに架橋する。IM−T2官能基とIM−T21官能基に含まれたアルケンは、架橋のための反応物として提供される。IM−T2官能基とIM−T21官能基は互いに架橋して、IM−T2官能基の反応部分はIM−T2官能基の架橋部分となり、IM−T21官能基の反応部分はIM−T21官能基の架橋部分となる。電界露光工程で硬化されたIM−T2官能基及びIM−T21官能基は、表面機能硬化層35を形成する。
IM−T1官能基は、垂直官能基の垂直配向モノマーの特性を有する。IM−T2官能基、IM−T21官能基、IM−T1官能基及びIM−T3官能基は、第4表面配向化合物を1次又は2次加熱して形成されたポリシロキサンの側鎖に連結され得る。上述したように、IM−T2官能基は、IM−T21官能基と異なる鎖長を有する。これにより、IM−T2官能基とIM−T21官能基の架橋率は増加し得る。架橋率が増加すると、未硬化のIM−T2官能基又はIM−T21官能基が減少できる。
液晶表示装置を製造する工程で、未硬化のIM−T2官能基又はIM−T21官能基は、不純物を発生するか、又は以後に硬化されてプレチルト角を不均一にする可能性がある。架橋率の増加は、液晶表示装置の信頼性又は画質を改善することができる。架橋率が増加すると、蛍光露光工程は進行されなくてもよい。架橋により、硬化されたIM−T2官能基とIM−T21官能基は、周辺の液晶分子31を実質的に同一の方向に傾斜するように配列する。硬化されたIM−T2官能基及びIM−T21官能基に隣接した液晶分子31は、液晶層3に電場が印加されなかった状態で実質的に一定のプレチルト角で配列することができる。
上板配向膜292に含まれた表面無機配向膜34と表面機能硬化層36は、下板配向膜291を形成する上記方法により形成され得る。IM−T2官能基は、IM−T21官能基と異なる結合数、又は異なるスペーサー個数を有してもよい。本発明により、第4表面配向化合物を1次又は2次加熱して形成されたポリシロキサンは、第3表面配向化合物のポリシロキサン上に形成される。
鎖長の異なる光開始剤を含む表面配向反応物10で製造された液晶表示板アセンブリ300は、SC-VAモードの特性を有することができる。表面配向反応物10が鎖長の異なる光開始剤を含むので、光開始剤の架橋率は増加することができ、液晶表示装置の品質は向上する。
本発明の実施形態により、鎖長の異なる光開始剤を含む表面配向反応物10により形成された配向膜291、292が製造され、また、これらの配向膜を有する液晶表示装置が製造された。配向膜を形成する表面配向反応物10は、後述の材料を有する第3表面配向化合物及び第4表面配向化合物が、約7対約3の重量比で混合された混合物であった。第3表面配向化合物は、約10モル%のメチル基と約90モル%のヒドロキシ基を含んだ。第4表面配向化合物は、約10モル%の炭素数約17のアルキル基、約40モル%の(CH2)3を有するメタクリレート基、約10モル%のビニル基及び約40モル%のヒドロキシ基を含んだ。各成分のモル%は、溶媒を除いた第3表面配向化合物又は第4表面配向化合物中のモル%である。IM−T2官能基の鎖長は、IM−T21官能基の鎖長の約6倍である。IM−T2官能基の結合数は、IM−T21官能基の結合数の約6倍である。
液晶表示板アセンブリ300は、鎖長の異なる光硬化剤を含んだ表面配向反応物10を用いて配向膜291、292を製造する方法により製造した。液晶表示板アセンブリ300を製造する工程で、表面無機配向膜33又は表面機能層35aは、DIWで洗浄した後、イソプロピルアルコール(IPA)により洗浄した。液晶表示装置の画素の構造は、実質的に図3の構造と同様であった。液晶層3のセル間隔は約3.0μmであった。画素電極191の微細ブランチ197の幅は5μmであり、微細スリット199の幅は約3μmであった。多段階電圧供給方式により供給された露光電圧V2は、約15Vであった。電界露光工程における紫外線の強度は、約6.5J/cm2であった。このように製造した液晶表示装置は、図11と関連して記述した電荷共有方式の1G1D駆動で動作された。液晶表示板アセンブリ300の積層構造は、図21A又は図21Bに示した。上部表示板200に形成された蓋膜225は、アクリル系物質を含んだ。このように製造した液晶表示装置において、架橋率は80%以上で増加し、ブラック残像は、168時間の作動後にレベル約2.5として良好であった。
本発明の一実施形態によるシール剤は、約400nm以上の波長を有する光で硬化される。下部又は上部表示板の内部領域に存在する光硬化剤が硬化されないために、シール剤の周辺で発生するエッジムラの不良が減少する。約300nm〜約400nmの波長を有する紫外線で硬化されるシール剤が配向膜又は液晶を形成する物質に含まれた光硬化剤を硬化する光により硬化されるために、シール剤周辺の光硬化剤は、シール剤の硬化の間に硬化されることにより、液晶表示装置は、エッジムラの不良を有し得る。これを改善するために、シール剤及び光硬化剤は、異なる波長を有する光で硬化される必要がある。
本発明の実施形態による約400nm以上の波長を有する光で硬化されるシール剤は、シール剤の材料及びシール剤を硬化する方法を除き、上述した工程と実質的に同様に適用される。したがって、上述したシール剤の工程と重複した詳細な説明は、説明の便宜のために省略し、本実施形態の特徴について詳細に説明する。
本発明の実施形態による約400nm以上の波長を有する光で硬化されるシール剤は、図6A、図6B、及び図6Cと関連して上述した又は後述する液晶表示板アセンブ製造方法、すなわち、SVAモード、SC−VAモード、及び偏光UV−VAモードに従って下部表示板又は上部表示板に塗布されることができる。塗布されたこのシール剤は、約400nm以上の波長を有する光で硬化される。本発明による約400nm以上の波長を有する光は、可視光線(visible ray)であり得る。
本発明によるシール剤が約400nm以上の波長で硬化されるために、シール剤に照射される光がシール剤の周辺部に外れていても、配向膜を形成するか又は液晶層に含まれた光硬化剤は硬化されない。したがって、シール剤に照射された光がシール剤の周辺部に外れることを遮断するための遮蔽マスク(shield mask)が必要でないことがあり、これにより、液晶表示板アセンブリの製造工程を簡素化し、液晶表示装置内のシール剤の周辺で発生するエッジムラの不良を防止する。
以下、約400nm以上の波長を有する光で硬化されるシール剤の材料について詳細に説明する。約400nm以上の波長を有する光で硬化されるシール剤は、アクリルエポキシハイブリッド樹脂(acryl-epoxy hybrid resin)、アクリル樹脂(acryl resin)、及びエポキシ樹脂(epoxy resin)で構成された樹脂と、ジアミンで構成された硬化剤と、シランで構成されたカップリング剤(coupling agent)と、オキシムエステルで構成された光開始剤と、シリカ(silica)及びアクリル粒子(acryl particle)で構成されたフィラー(filler)とを有する。本発明の実施形態による約400nm以上の波長を有する光で硬化されるシール剤は、オキシムエステル系光開始剤を有することができる。
アクリルエポキシハイブリッド樹脂、アクリル樹脂、及びエポキシ樹脂は、シール剤の主鎖を構成し、プレポリマー(prepolymer)として機能する。アクリルエポキシハイブリッド樹脂は、下記の構造式S−Iで表現されるジフェニルプロピルアクリルエポキシハイブリッド樹脂(diphenyl propyl acryl-epoxy hybrid resin)であり、アクリル樹脂は、下記の構造式S−IIで表現されるジフェニルプロピルアクリル樹脂(diphenyl propyl acryl resin)であり、エポキシ樹脂は、下記の構造式S−IIIで表現されるジフェニルプロピルエポキシハイブリッド樹脂(diphenyl propyl epoxy hybrid resin)であり得る。
化学式S−I
化学式S−II
化学式S−III
ジアミンは、エポキシ樹脂と反応することにより硬化し、シール剤の汚染を減少させる。ジアミンは、オクタンジヒドラジド(octane dihydrazide)であり得、下記の化学式S−IVで表現されることができる。
化学式S−IV
シランは、フィラー、有機物、又は無機物の接着力を向上させる。このシランは、トリメトキシ[3−(オキシラニルメトキシ)プロピル]シラン(trimethoxy [3-(oxiranylmethoxy) propyl] silane)であり得、下記の化学式S−Vで表現されることができる。
化学式S−V
オキシムエステルは、プレポリマーを硬化する光重合開始剤である。オキシムエステルは、4−アセチルジフェニルスルフィドオキシムエステル(4-acetyl diphenyl sulfide oxime ester)(Ciba, IRGACURE OXE01, OXE02)であり得、下記の化学式S−VIで表現されることができる。オキシムエステルは、約400nm以上の波長で硬化されることもあり、可視光線により硬化されることもある。
化学式S−VI
本発明の他の実施形態によるオキシムエステルは、下記の化学式S−VIIで表現されることができる。
化学式S−VII
ここで、Xは、4−アセチルジフェニルスルフィド(4-acetyl diphenyl sulfide)、N−エチルカルバゾール(N-ethyl carbazole)、及び2’−メチルフェノニルn−エチルカルバゾール(2’-methyl phenonyl n-ethyl carbazole)の中のいずれか1つであり得、これらは、下記の化学式S−VII−X1、 S−VII−X2、及びS−VII−X3でそれぞれ表現されることができる。Y及びZは、それぞれアルキル基(CnH2n+1)であり得る。nは、1〜12の中のいずれか1つの整数であり得る。また、Zは、フェニルであり得る。
化学式S−VII−X1
化学式S−VII−X2
化学式S−VII−X3
アクリル粒子(acryl particle)は、シール剤の内部応力を減少させ、接着強度を増加させ、樹脂の液晶溶出を防止する。アクリル粒子は、アクリル樹脂であり得、下記の化学式S−VIIIで表現されることができる。
化学式S−VIII
シリカは、シール剤の熱膨張係数及び吸収性を減少させ、シール剤の強度を増加させる。シリカは、シリカダイオキシド(SiO2)であり得る。
本発明の1つの実施形態に従って、約400nm以上の波長を有する光で硬化されるシール剤は、約13重量%〜約19重量%であり得、より望ましくは、約16重量%のジフェニルプロピルアクリルエポキシハイブリッド樹脂と、約39重量%〜約49重量%であり得、より望ましくは、約44重量%のジフェニルプロピルアクリル樹脂と、約2重量%〜約7重量%であり得、より望ましくは、約4.5重量%のジフェニルプロピルエポキシハイブリッド樹脂と、約2重量%〜約6重量%であり得、より望ましくは、約4重量%kのオクタンジヒドラジドと、約0.75重量%〜約1.75重量%であり得、より望ましくは、約1.25重量%のトリメトキシ[3−(オキシラニルメトキシ)プロピル]シラン(trimethoxy [3-(oxiranylmethoxy) propyl] silane)と、約0.75重量%〜約1.75重量%であり得、より望ましくは、約1.25重量%の4−アセチルジフェニルスルフィドオキシムエステル(Ciba, IRGACURE OXE01, OXE02)と、約13重量%〜約19重量%であり得、より望ましくは、約16重量%のシリカダイオキシド(SiO2)と、約10重量%〜約16重量%であり得、より望ましくは、約13重量%のアクリル樹脂とを含み得る。
本発明の実施形態に従って、約400nm以上の波長を有する光で硬化されるシール剤を含む液晶表示板アセンブリの製造工程は簡素化される。また、液晶表示装置は、シール剤の周辺で発生するエッジムラの不良を有しないことがある。さらに、エッジムラを減少させるためにシール剤を表示板100及び200の内部領域から離隔して形成する必要がなく、シール剤を表示板100及び200の内部領域又は内部領域の近傍に形成することができるために、液晶表示装置の外郭領域の幅が従来より約0.3mm〜約1.5mmだけ狭く形成されることができる。
本発明の実施形態に従って、約400nm以上の波長を有する光で硬化されるシール剤は、図6A、図6B、及び図6Cと関連して上述した又は後述する液晶表示板アセンブリ製造方法、すなわち、SVAモード、SC−VAモード、及び偏光UV−VAモードに適用されることができる。
本発明の1つの実施形態に従って、下部及び上部マザーガラス(mother glass)(図示せず)表示板により製造された液晶表示板アセンブリについて詳細に説明する。本発明に従って複数の液晶表示板アセンブリが含まれたマザーガラスアセンブリに露光電圧を安定して供給するために、液晶表示板アセンブリの製造時間を減少させ、量産を可能にする。
本発明の実施形態による下部マザーガラス表示板は、複数の下部表示板100を有し、上部マザーガラス表示板は、複数の上部表示板200を有する。下部又は上部マザーガラス表示板は、それぞれ下部又は上部表示板のサイズに従って異なる個数の表示板を有することができることは、当該分野における通常の知識を有する者に容易に理解される。組み立てられた1つのマザーガラス表示板が複数の液晶表示板アセンブリを有するものを除き、1つの液晶表示板アセンブリを製造する方法は、図6A及び図6Bと関連して上述したSVAモード又はSC−VAモードの製造方法と実質的に同様である。したがって、マザーガラス表示板を使用する液晶表示板アセンブリを製造するための方法の説明において、SVAモード又はSC−VAモードに基づく製造方法と重複する説明を説明の便宜上省略するか又は簡素化し、本発明の特徴を有する製造方法について詳細に説明する。
複数の下部表示板100を有する下部マザーガラス表示板と複数の上部表示板200とを有する上部マザーガラス表示板は、上述した下部表示板100及び上部表示板200の製造方法と実質的に同様に製造される。図6A及び図6Bと関連して上述したSVAモード又はSC−VAモードの製造方法により製造され、組み立てられたマザーガラス表示板は、上述したようにアニーリングが行われる。組み立てられたマザーガラス表示板は、下部マザーガラス表示板と上部マザーガラス表示板とで構成され、組み立てられた複数の液晶表示板を含む。
アニーリングの後に、露光電圧を組み立てられた複数の液晶表示板の画素電極及び共通電極に印加するために組み立てられたマザーガラス表示板の中の下部マザーガラス表示板は、1個以上の辺で部分的に切断される。すなわち、下部マザーガラス表示板のサイズが上部マザーガラス表示板のサイズより約10mm小さく下部マザーガラス表示板の横辺又は縦辺が切断される。したがって、上部マザーガラス表示板は、下部マザーガラス表示板より約10mm大きいために、上部マザーガラス表示板に形成された共通電極層は露出する。露出した共通電極層は、共通電圧印加トリミングパターン(trimming pattern)及び画素電圧印加トリミングパターンを有する。共通電圧印加トリミングパターン及び画素電圧印加トリミングパターンは、前の工程でレーザトリミング(laser trimming)のような方法で形成されることができる。共通電圧印加トリミングパターンは、組み立てられた液晶表示板の各共通電極に接続される。画素電圧印加トリミングパターンは、組み立てられた液晶表示板の各画素電極に接続される。
露光電圧は、露出した共通電極層のトリミングパターンに印加される。すなわち、共通電極電圧は、共通電圧印加トリミングパターンに印加され、画素電圧は、画素電圧印加トリミングパターンに印加される。露光電圧は、図6Aと関連して上述したDC電圧又はマルチステップ電圧の供給方法により供給される。本発明の他の実施形態に従って、共通電圧印加トリミングパターン及び画素電圧印加トリミングパターンは、約0V電圧と約9V〜25V電圧との供給を交互に受けることができる。すなわち、約0V電圧及び約9V〜25V電圧の範囲内のいずれか1つの電圧は、約0.05Hz〜5Hzにスイングしつつ、共通電圧印加トリミングパターン及び画素電圧印加トリミングパターンに印加される。より望ましく、約0V電圧及び約10V電圧は、約0.05Hz〜1Hzの範囲内のいずれか1つの値にスイングし、約0V電圧及び約20V電圧は、約0.05Hz〜5Hzの範囲内のいずれか1つの値にスイングすることができる。1周期の間の時間は、約0ms〜5msの範囲内ののいずれか1つの値であり得る。印加された露光電圧は、複数の液晶表示板を構成する画素電極及び共通電極に同時に供給される。したがって、複数の液晶表示板アセンブリの画素電極及び共通電極に接続されたマザーガラス表示板のトリミングパターンに露光電圧を印加するために、工程が簡素であり、均一の露光電圧が複数の液晶表示板アセンブリに印加されることができる。この後に、紫外線を液晶表示板アセンブリに照射することによりプレチルト角を有する光硬化層35及び36を形成する方法が行われ、この方法は、図6A及び図6Bと関連して上述したSVAモード又はSC−VAモードの製造方法と実質的に同様である。完成された液晶表示板アセンブリは、マザーガラス表示板でそれぞれ分離される。
本発明の実施形態に従って露光電圧をマザーガラス表示板に供給することにより液晶表示板アセンブリの画質の特性が均一になり、液晶表示板アセンブリが短時間内に大量製造されることができる。
本発明の1つの実施形態に従って、マザーガラス表示板に形成された後に組み立てられた液晶表示板アセンブリの画素電極及び共通電極に印加される電圧間の偏差及び信号遅延を減少させるために、下部マザーガラス表示板の切断部分は、向かい合う2個以上の辺であり得る。例えば、切断部分が表示板の中心線に対して対称に2つ配置されている場合には、両サイドから電圧を供給可能であり片方から電圧を供給する場合よりも信号遅延が減少し、また、対称でああるために両サイドの電圧の偏差を小さくすることができる。
本発明の1つの実施形態に従って、画素電圧印加トリミングパターンは、上板共通電圧印加点を形成する際に適用される導電体により上板共通電圧印加点を形成する工程と同時に画素電極と電気的に接続されることができる。
偏光UV−VAモード(Polarized Ultra-Violet Vertical-Alignment Mode)
実施形態1
以下、図6Cを参照して、偏光UV−VAモードを有する液晶表示板アセンブリ300の製造方法について説明する。図6Cは、図1乃至図5A及び図5Bを参照して製造された下部表示板100及び上部表示板200を用いて偏光UV−VAモードに基づく液晶表示板アセンブリ300を製造する方法を示す概略的なフローチャートである。偏光UV−VAモードに基づく液晶表示板アセンブリ300を製造する方法は、配向膜291及び292を形成する方法を除き、上述したSVAモード及びSC−VAモードに基づく液晶表示板アセンブリ300を製造する方法と同様である。したがって、配向膜291及び292を形成する方法を除いた製造方法の重複説明は、説明の便宜上省略し、偏光UV−VAモードと他のモード間の差について詳細に説明する。また、下板配向膜291及び上板配向膜292を形成する過程は、実質的に同様であるため、重複説明を避けるために、下板配向膜291の形成過程について詳細に説明する。
1番目のステップ、すなわち、ステップS310及びステップS320で、画素電極191を有する下部表示板100及び共通電極270を有する上部表示板200の製造は、図1乃至図5A及び図5Bと関連して説明したものと実質的に同一である。画素電極191及び共通電極270は、上述した微細ブランチ又は微細スリットを有しないことがある。
次のステップS331及びステップS332において、偏光配向反応物(図示せず)は、画素電極191及び共通電極270のそれぞれに塗布された後に、熱により垂直光配向物質層(図示せず)及び偏光主配向物質層(図示せず)にマイクロ相分離(Micro Phase Separation:以下、“MPS”と称する。)が起こるようにする。偏光紫外線がマイクロ相分離が起こった偏光配向反応物に照射された後に、方向性を有する下板配向膜291及び上板配向膜292が形成される。以下、下板配向膜291の形成工程について詳細に説明する。
偏光配向反応物は、垂直光配向物質と偏光主配向物質とからなされる。偏光配向反応物は、インクジェット又はロールプリンティングにより電極191及び270上に塗布された後に、後述する硬化によりマイクロ相分離(MPS)が起こるようにする。マイクロ相分離のための硬化は、2つのステップに進むことができる。まず、予備加熱、例えば約60〜90℃、より望ましくは、約80℃で約1〜5分の間、より望ましくは、約2〜3分の間に予備硬化(pre-bake)工程が行われ、偏光配向反応物の溶媒が除去された後、後加熱、例えば、約200℃〜240℃で進む。より望ましくは約220℃で約10〜60分、より望ましくは約10〜20分の間に後硬化(post-bake)工程が行われることによりマイクロ相分離(MPS)構造を形成する。偏光配向反応物のマイクロ相分離が生じた後に、垂直光配向物質は、主に液晶層3の近傍に垂直光配向物質層(図示せず)を形成し、偏光主配向物質は、主に画素電極191の近傍に偏光主配向物質層(図示せず)を形成する。硬化によりマイクロ相分離が生じた偏光主配向物質層は、主配向膜33及び34となる。下板主配向膜33は、約1000Åの厚さを有し得る。したがって、液晶層3に近いほど偏光主配向物質のモル濃度に比べて垂直光配向物質のモル濃度がさらに大きくなる。
偏光配向反応物を構成する垂直光配向物質と偏光主配向物質との混合重量%比率は、約5:95〜50:50であり得、より望ましくは、約10:90〜30:70である。溶媒は、偏光配向反応物の成分比に含まれない。偏光配向反応物に混合された垂直光配向物質が少ないほど未硬化の光反応基が少ないために、液晶表示装置の残像が減少するだけではなく、光反応基の反応効率が向上する。したがって、垂直光配向物質が約50重量%以下に混合されることが望ましい。また、垂直光配向物質が約5重量%以上に混合される場合に、プレチルト角の均一性がよくなるので、液晶表示装置のムラが減少する。垂直光配向物質及び偏光主配向物質の表面張力は、それぞれ約25−65dyne/cmである。マイクロ相分離がより鮮明に形成されるためには、垂直光配向物質の表面張力は、偏光主配向物質の表面張力より同一であるか又は小さくなければならない。
約1,000−1,000,000の重量平均分子量を有するポリマー物質である垂直光配向物質は、柔軟基(flexible functional group)、熱可塑性作用基(thermoplastic functional group)、光反応基(photoreactive group)、及び垂直発現基(vertical functional group)を含む少なくとも1つの側鎖が主鎖にリンクされる化合物である。
柔軟基又は熱可塑性作用基は、ポリマー主鎖にリンクされている側鎖が容易に配向されるようにする作用基であり、約3〜20の炭素数(carbon number)を有する置換又は非置換がなされたアルキル基又はアルコキシ基で構成されることができる。
光反応基は、紫外線のような光の照射により直接光重合(photo dimerization)反応又は光異性化(photo isomerization)反応が発生する作用基である。例えば、光反応基は、アゾ(azo)系化合物、シンナメート系化合物、カルコン系化合物、クマリン系化合物、マレイミド系化合物、及びこれらの混合物から選択された少なくとも1つの物質で構成される。
垂直発現基は、基板110及び210と平行に位置した主鎖に対して垂直方向に側鎖の全体を移動させる官能基であり、約3〜10の炭素数を有するアルキル基又はアルコキシ基が置き換えられたアリール基又は約3〜10の炭素数を有するアルキル基又はアルコキシ基が置き換えられたシクロヘキシル基で構成され得る。
柔軟基、光反応基、及び垂直官能基が結合されているジアミンのようなモノマーは、酸無水物(acid anhydride)とともにポリマー重合がなされることにより垂直光配向物質が製造されることができる。例えば、フッ素F、アリール基、及びシンナメートを含む少なくても1つの側鎖がジアミンと酸二無水物(acid dianhydride)とを重合することにより垂直光配向物質を形成する。フッ素Fは、垂直光配向物質を検出するための表示子である。
他の実施形態による垂直光配向物質は、熱可塑性作用基、光反応基、及び垂直発現基が結合されている化合物をポリイミド、ポリアミック酸などに添加することにより製造されることもある。この場合、熱可塑性作用基がポリマー主鎖に直接リンクされることにより、側鎖は、熱可塑性作用基、光反応基、垂直発現基などを含む。
一方、偏光主配向物質は、ポリマー主鎖を含むことができ、重量平均分子量は、約10,000−1,000,000である。偏光主配向物質が約50−80モル%濃度のイミド基を含む場合に、液晶表示装置のムラ及び残像が減少する。マイクロ相分離がより鮮明に形成され、液晶表示装置の残像を減少させるために、偏光主配向物質は、ポリマー主鎖にリンクされた垂直発現基を約5モル%以下に含み得る。
主鎖は、ポリイミド、ポリアミック酸、ポリアミド、ポリアミックイミド(polyamicimide)、ポリエステル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリスチレン、及びこれらの混合物から選択された少なくとも1つの物質でなされることができる。主鎖がイミド基の環構造を多く含むほど、例えば、望ましくは、イミド基を約50モル%以上含む場合に、主鎖の剛性がさらに大きくなる。したがって、液晶表示装置を長期間駆動した時に発生するムラが減少し、液晶分子の配向安全性がよくなる。
偏光主配向物質は、上述したSC−VAモードの表面主配向物質であり得る。また、偏光主配向物質は、VAモード又はTNモードに一般的に使用される物質であり得ることは、当該分野における通常の知識を有する者には容易に理解される。
紫外線がマイクロ相分離が起こった垂直光配向物質層に照射される場合に、光反応基は、光硬化されることにより光硬化層35を形成する。熱硬化により形成された主配向膜33及び紫外線により形成された光硬化層35は、下板配向膜291を構成する。
垂直光配向物質層に照射される光は、偏光紫外線、平行紫外線(Collimated UV)又は傾斜した光であり得る。偏光紫外線は、直線偏光紫外線(linearly polarized ultra-violet:LPUV)又は部分偏光紫外線(partially polarized ultra-violet:PPUV)であり得る。照射波長は、約270nm〜360nmであり、照射エネルギーは、約10〜5,000mJであり得る。光を透過する開口部と遮光する遮光部とが備えられたマスクが下部表示板100又は上部表示板200の光硬化領域又は非光硬化領域に対応するように配置された後に、光が照射される。本発明の一実施形態に従って、LPUVは、表示板の基板110及び210に対して所定の傾斜角、例えば、約20°〜70°に照射される。マスクの開口部を通過した光により、垂直光配向物質層は、二量化反応(dimerization reaction)、シストランス異性化反応(cis-trans isomerization)、又は光分解反応(light-decomposition reaction)を起こす。したがって、LPUVの方向及び偏光方向に従って光硬化された光硬化層35のポリマーは、基板110に垂直である方向に対して若干斜めに傾いた方向性を有する。
これは、配向膜291及び292の表面が一定の方向にラビングされたものと同一の効果を有し、光硬化層35に隣接した液晶分子31は、光硬化層35のポリマーと同様に傾くことにより一定の角のプレチルト角を有する。したがって、偏光紫外線の傾斜角に基づいて液晶分子31のプレチルト角の方向が決定され、一定のプレチルト角方向の液晶分子を有するドメインが形成される。本発明の実施形態に従って、2個のプレチルト角の方向を有する光硬化層35及び36は、下部表示板100及び上部表示板200の各々に形成され、液晶表示装置の液晶層3は、光硬化層35及び36のプレチルト角の方向にベクトル和により相互に異なる方位角を有する4個のドメインを有する。他方、4個の相互に異なる方向を有する光硬化層35及び36は、下部表示板100及び上部表示板200の中のいずれか1つに形成され、これにより、液晶層3は、4個のドメインを有することができる。4個のドメインの方位角は、偏光子の偏光軸に対して約45°傾き得る。
次のステップS340において、シール剤は、下板配向膜291及び上板配向膜292が形成された下部表示板100と上部表示板200との間に形成され、2つの表示板100及び200が密封されることにより液晶表示板アセンブリ300が製造される。このように製造された液晶表示板アセンブリ300は、偏光UV−VAモードの特性を有する。液晶表示装置が偏光UV−VAモードに基づいて製造される場合に、未硬化の光反応基が減少することにより液晶表示装置の残像が減少する。また、ドメインが偏光紫外線の方向に基づいて形成されることにより、液晶表示装置の加工性(processability)が改善する。言い換えれば、SVAモード又はSC−VAモードにおいて、液晶分子31は、露光電圧により液晶層3に形成された電場及び微細ブランチ197の方向に従ってプレチルト角を有するが、偏光UV−VAモードにおいて、光硬化層35は、微細ブランチ197が存在するか否か及び微細ブランチ197の方向に無関係に、2つの表示板100及び200の密封の前に形成されることにより加工性を改善させる。
実施形態2
本発明の他の実施形態による液晶表示装置の配向膜は、混合光配向物質48を有する偏光配向反応物により形成される。本発明による偏光配向反応物に含まれた混合光配向物質48は、相分離過程で偏光配向反応物の表面に容易に移動し、これにより、未硬化の光反応性ポリマーが減少し、液晶表示装置の生産コスト、残留DC電圧又は残像が減少する。本発明の一実施形態による混合光配向物質48は、熱反応部48a、光反応部48b、及び垂直発現部48cを含み、これらで構成された化合物であり得る。
本発明の実施形態は、偏光配向反応物を構成する材料及び熱硬化工程でマイクロ相分離(MPS)工程を除き、上述した偏光UV−VAモードにより製造された液晶表示板アセンブリと実質的に同様である。以下、説明の便宜上、重複説明を簡略に説明するか又は省略する。上板配向膜292及び下板配向膜291を形成することは実質的に同様であるので、上板配向膜292及び下板配向膜291を区分せず、本発明の実施形態による配向膜の形成工程について詳細に説明する。
以下、図15A〜図15Gを参照して本発明の実施形態に従って混合光配向物質48を有する偏光配向反応物47により形成された配向膜の形成工程について詳細に説明する。図15A〜図15Gは、本発明の2番目のUV−VAモードの実施形態に従って液晶表示板アセンブリの配向膜が形成される工程を順次に示す断面図である。図15Aを参照して、混合光配向物質48を有する偏光配向反応物47は、上述したように、画素電極191及び共通電極270上に塗布される。混合光配向物質48を有する偏光配向反応物47は、下部表示板100及び上部表示板200の内部領域に形成され、又は外郭領域に一部重なるように塗布されることもある。混合光配向物質48を有する偏光配向反応物47は、偏光主配向物質37、光配向垂直物質49、混合光配向物質48、及び溶媒の混合物であり得る。画素電極191及び共通電極270は、上述した微細ブランチ又は微細スリットを有しないこともある。
以下、混合光配向物質48を有する偏光配向反応物47を構成する偏光主配向物質37、光配向垂直物質49、混合光配向物質48、及び溶媒の構成比について詳細に説明する。
光配向垂直物質49、偏光主配向物質37、及び混合光配向物質48を含むことにより製造された固形分(solid contents)は、溶媒に溶解されることにより混合光配向物質48を有する偏光配向反応物47を形成する。偏光配向反応物47において、溶媒は、約85重量%〜約98重量%であり得、より望ましくは、約93.5重量%であり、溶媒を除いた固形分、すなわち、偏光主配向物質37と光配向垂直物質49と混合光配向物質48との混合物は、偏光配向反応物47の中で約2重量%〜約15重量%であり得、より望ましくは、約6.5重量%である。約2重量%以上の含量を有する固形分は、下部又は上部表示板に塗布される時に偏光配向反応物47の印刷性をよくすることができる。約15重量%以下の含量を有する固形分は、固形分が溶媒に溶けないために形成される沈着物(precipitates)の生成を防止することができ、偏光配向反応物47の印刷性をよくすることができる。
偏光主配向物質37は、固形分の中で約34重量%〜約89.55重量%であり得、より望ましくは、約70重量%であり、光配向垂直物質49は、固形分の中で約8.5重量%〜約59.7重量%であり得、より望ましくは、約30重量%であり、混合光配向物質48は、固形分の中で約0.5重量%〜約15重量%であり得、より望ましくは、約5重量%である。固形分は、偏光配向反応物47の中で溶媒を除いたものである。固形分の全重量の約0.5重量%以上の含量を有する混合光配向物質48は、光配向垂直物質49と反応することにより光配向垂直物質49に最小の光反応性を提供することができる。また、固形分の全重量の約15重量%以下の含量を有する混合光配向物質48は、偏光配向反応物47により形成された配向膜の配向特性が減少することを最小にすることができる。
光配向垂直物質49と偏光主配向物質37との重量比は、約1:9〜約6:4であり得、より望ましくは、約1:9〜約5:5であり得る。このような重量比を有する偏光配向反応物47は、上述した予備加熱又は後加熱によりマイクロ相分離が容易に起こり得、混合光配向物質48は、空気と接触する偏光配向反応物47の表面に容易に移動されることができる。光配向垂直物質49及び偏光主配向物質37は、物質の保管性及び印刷性のためにそれぞれ約10,000〜約900,000の重量平均分子量を有することができる。重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography:GPC)により測定された単分散ポリスチレン換算値(polystyrene-reduced value)である。
以下、混合光配向物質48を有する偏光配向反応物47を構成する偏光主配向物質37、光配向垂直物質49、混合光配向物質48、及び溶媒について詳細に説明する。
偏光主配向物質37は、側鎖を有しない約95モル%〜約100モル%のモノマーと側鎖を有する約0モル%〜約5モル%のモノマーとで構成された化合物であり、これらの組成を有する偏光主配向物質37は、水平配向性を有する。側鎖を有しないモノマーは、偏光主配向物質37の中で約100モル%であるものが望ましいが、水平配向性を減少させない組成範囲、すなわち、約95モル%〜約100モル%であり得る。また、側鎖を有するモノマーは、水平配向性を減少させない組成範囲、すなわち、偏光主配向物質37の中で約0モル%〜約5モル%であり得る。偏光主配向物質37を構成するモノマーの側鎖は、−Hを除くすべての作用基を含むことができる。表面主配向物質37を構成するモノマーの側鎖が光配向垂直物質49を構成するモノマーの側鎖と実質的に同一であり得るが、側鎖を有するモノマーの組成比が小さいので、偏光主配向物質37は、水平配向性を有することができる。
偏光主配向物質37は、ポリイミド系化合物、ポリアミック酸系化合物、ポリシロキサン系化合物、ポリビニルシンナメート系化合物、ポリアクリレート系化合物、ポリメチルメタクリレート系化合物及びこれらの混合物から選択された少なくとも1つの物質であり得る。
本発明の一実施形態に従って、偏光主配向物質37がポリイミド系化合物である場合に、主鎖は、イミド結合を有するモノマーであり得る。
光配向垂直物質49は、末端が疎水性基(hydrophobic group)を有する側鎖にリンクされたモノマーと側鎖を有しないモノマーとで構成された化合物である。光配向垂直物質49を構成する側鎖を有するモノマーは、10モル%(モル%)〜70モル%であり得、より望ましくは、約20モル%〜約60モル%であり得、側鎖を有しないモノマーは、30モル%〜90モル%であり得、より望ましくは、約40モル%〜約80モル%であり得る。これらの組成を有する光配向垂直物質49は、垂直配向性を有する。
光配向垂直物質49を構成する側鎖を有するモノマーと側鎖を有しないモノマーとは、それぞれポリイミド系化合物を構成するイミド結合のモノマー、ポリアミック酸系化合物を構成するアミック酸系モノマー、ポリシロキサン系化合物を構成するシロキサン系モノマー、ポリビニルシンナメート系化合物を構成するビニルシンナメート系モノマー、ポリアクリル酸系化合物を構成するアクリレート系モノマー、ポリメチルメタクリレート系化合物を構成するメチルメタクリル酸系モノマー及びこれらの混合物から選択された少なくとも1つの物質であり得る。
光配向垂直物質49の主鎖は、ポリイミド系化合物又はポリアミック酸系化合物であり得る。本発明の実施形態に従ってイミド結合のモノマーで構成された光配向垂直物質49は、主鎖としてポリイミド系化合物を含み、側鎖が主鎖にリンクされた構造を有する。イミド結合のモノマーで構成された光配向垂直物質49は、ポリアミック酸系化合物の一部をイミド化させることにより製造されることができる。光配向垂直物質49の主鎖は、側鎖を除いたモノマーの接続部分として定義される。本発明の実施形態に従って、主鎖としてポリアミック酸系化合物を含む光配向垂直物質49は、ジアミン系化合物及び酸無水物の反応により製造されることができる。ジアミン系化合物は、側鎖と実質的に同一の作用基を有するジアミンであり得る。
光配向垂直物質49の側鎖は、第1の作用基と、第1の作用基に接続され、複数の炭素環を含む第2の作用基と、第2の作用基に接続された垂直発現基49cとを有する。第1の作用基は、約1〜10の炭素数を有するアルキル基又はアルコキシ基を含むことができる。第2の作用基は、第1の作用基により主鎖にリンクされ、垂直発現基49cにリンクされる。第2の作用基は、シクロヘキサン、ベンゼン、クロマン(chroman)、ナフタレン(naphthalene)、テトラヒドロピラン(tetrahydropyran)、ジオキサン(dioxane)、又はステロイド誘導体を含むことができる。図15Cに示す垂直発現基49cは、側鎖の末端にリンクされた疏水性基である。垂直発現基49cは、1〜12の炭素数を有する直鎖アルキル基、直鎖アルキルに側鎖がリンクされた分岐アルキル基、又は2〜12の炭素数を有するアルケニル基を含むことができる。垂直発現基49cにおいて、水素原子は、それぞれF又はClに置き換えられることができる。
本発明の実施形態に従って、光配向垂直物質49の側鎖は、次の化学式X−UV1〜X−UV4で表現されるモノマーであり得る。
化学式X−UV1
化学式X−UV2
化学式X−UV3
化学式X−UV4
本発明の一実施形態に従って、光配向垂直物質49の側鎖は、光反応基を有する光反応部を含むことができる。光配向垂直物質49の側鎖にリンクされた光反応基は、光により硬化されることによりプレチルト角を有する光硬化層を形成することができる。光反応部48bは、第2の作用基と置き換えられ、すなわち、第1の作用基と垂直発現基49c間に介在し、第1の作用基及び垂直発現基49cにリンクされることができる。他方、光反応部48bは、第1の作用基と第2の作用基との間に介在することにより、第1及び第2の作用基にそれぞれリンクされることができる。光配向垂直物質49の側鎖にリンクされた光反応部は、下記の化学式X−UV5〜X−UV9で表現されるモノマーであり得る。
化学式X−UV5
化学式X−UV6
化学式X−UV7
化学式X−UV8
化学式X−UV9
光配向垂直物質49の側鎖にリンクされた光反応部は、上述した光反応性ポリマー、反応性メソゲン(RM)、光重合物質、光異性化物質、及びこれらの化合物又は混合物から選択された少なくとも1つの物質であり得る。
本発明による混合光配向物質48は、下記の化学式X−UP1で表現される化合物を有する。混合光配向物質48は、熱反応部48a、光反応部48b、接続部及び垂直発現部48cで構成される。熱反応部48aは、熱により炭素間の結合が切れ、光配向垂直物質49と混合光配向物質48との結合が容易となる。光反応部48bは、光により他の光反応部に結合される。接続部は、光反応部48b、熱反応部48a、及び垂直発現部48cを接続する。垂直発現部48cは、混合光配向物質48の垂直配向性を向上させる。
化学式X−UP1
B1−X1−A1−Y1−D
上述した化学式において、A1は、図15Cに示す混合光配向物質48の光反応部48bである。光反応部48bは、照射される光を受信することにより隣接した光反応部48bと重合されるか又は硬化されることができる。A1は、シンナメート、クマリン、又はカルコンであり得る。
X1及びY1は、接続部であり、光反応部A1、熱反応部B1、及び垂直発現部Dを接続させる。X1及びY1は、それぞれ単結合又は−CnH2n−(nは、1〜6の整数である)であり得る。X1及び/又はY1が−CnH2n−である場合、X1及び/又はY1は、直鎖(linear)型又は分岐(branched)型炭化水素を有することができる。
X1及びY1を構成する1つ以上の−CH2−は、−O−又は−Si−に置き換えられることができる。本発明の実施形態に従って、X1及び/又はY1は、−CH2−、−CH2−CH2−、−O−CH2−、−CH2−Si−、又は−O−Si−O−であり得る。
B1は、図15Cに示す熱反応部48aである。B1は、熱により容易に切れる炭素間の結合又は炭素と酸素との結合で構成され、光配向垂直物質49と容易に結合されることができる。B1は、
又は
であり得る。
Dは、図15Cに示す垂直配向性を有する混合光配向物質48の垂直発現部48cであり、1〜12の炭素数を有するアルキル基又は2〜12の炭素数を有するアルケニル基である。混合光配向物質48の垂直発現部48cは、垂直配向性を向上させる。すなわち、光配向垂直物質49の側鎖にリンクされた垂直発現基49cの他に、混合光配向物質48が垂直発現部48cを有することにより偏光配向反応物47を構成する垂直作用基が多くなる。したがって、垂直発現部48cを有する混合光配向物質48及び垂直発現基49cを有する光配向垂直物質49は、熱硬化過程で結合されることにより垂直配向作用基の密度を増加させ、配向膜の垂直配向性を向上させることができる。化学式X−UP1において、B1を除いた水素原子は、それぞれF又はClに置き換えられることができる。
本発明の実施形態に従って、化学式X−UP1で表現される混合光配向物質48は、A1を構成するシンナメート、X1及びY1をそれぞれ構成する−O−Si−O−、B1を構成する
、及びDを構成する
を有することができる。
本発明の他の実施形態に従って、混合光配向物質48は、次の化学式X−UP2で表現される化合物を有することができる。
化学式X−UP2
B2−X2−A2
上述した化学式において、A2は、混合光配向物質48の光反応部48bを構成する物質であり得る。X2は、混合光配向物質48の接続部を構成する物質であり得る。B2は、混合光配向物質48の熱反応を構成する物質であり得る。B2、X2、A2の物質は、それぞれB1、X1、A1と同様であり得る。また、化学式X−UP2において、B2を除いた水素原子は、それぞれF又はClに置き換えられることができる。
化学式X−UP1で表現される混合光配向物質48に比べて、化学式X−UP2で表現される混合光配向物質48は、垂直発現部48cを有しない。化学式X−UP2で表現される混合光配向物質48が垂直発現部48cを有しなくても、大きなサイズの光反応部48bは、光配向垂直物質49の側鎖の安定した配置を可能にする。
この溶媒は、光配向垂直物質49、偏光主配向物質37、及び混合光配向物質48の溶解又は混合を可能にする化合物又は印刷性を向上させることができる化合物であり得る。この溶媒は、有機溶媒であり得、上述した物質であり得る。
光硬化反応を向上させるために、偏光配向反応物47は、上述した光開始剤をさらに含んでもよい。
図15B〜図15Eを参照すると、塗布された後に、偏光配向反応物47は、上述したように、予備加熱(図15A)又は後加熱(図15D)の熱処理により熱硬化される。偏光配向反応物47は、熱硬化によりマイクロ相分離が起こる。本発明の実施形態に従って、偏光配向反応物47は、予備加熱ステップで相分離が起こり、後加熱ステップで相分離が完了する。以下、偏光配向反応物47の相分離工程について詳細に説明する。
図15Bを参照して、偏光配向反応物47は、予備加熱が施される。予備加熱が施された偏光配向反応物47は、偏光主配向物質層37a及び垂直光配向物質層46aでマイクロ相分離が起こり、偏光配向反応物47の溶媒は気化する。偏光主配向物質層37aは、画素電極又は共通電極の近傍に形成され、主に偏光主配向物質37を含む。偏光主配向物質層37aは、光配向垂直物質49及び混合光配向物質48を含み得る。垂直光配向物質層46aは、空気と接触する表面の近傍に形成され、主に、偏光主配向物質37と混合光配向物質48とを含む。垂直光配向物質層46aは、偏光主配向物質37を含み得る。偏光主配向物質層37a及び垂直光配向物質層46aの界面には、光配向垂直物質49及び偏光主配向物質37が実質的に混合された状態であり得る。
図15Cを参照すると、偏光配向反応物47の相分離が起こる工程は、次のようである。本発明の実施形態に従って、偏光配向反応物47を構成する光配向垂直物質49は、偏光主配向物質37に比べて相対的に無極性(non-polarity)を有し、偏光主配向物質37は、光配向垂直物質49に比べて相対的に極性を有する。空気は、画素又は共通電極を構成する物質に比べて無極性を有し、画素又は共通電極を構成する物質は、空気に比べて極性を有する。したがって、予備加熱工程において、偏光配向反応物47を構成する光配向垂直物質49は、偏光主配向物質37より空気との親和力がさらに大きいために、主に空気と接触する表面の方向に移動される。また、極性を有する偏光主配向物質37が混合光配向物質48を押し出すために、混合光配向物質48は、光配向垂直物質49のように移動することにより光配向垂直物質49と混合される。したがって、予備加熱工程において、表面の方向に移動した混合光配向物質48及び光配向垂直物質49は、垂直光配向物質層46aを形成する。その結果、混合光配向物質48は、偏光主配向物質37及び光配向垂直物質49の相分離工程により、空気と接触する表面に容易に移動することができるために、偏光配向反応物47に含まれた混合光配向物質48の含量を減少させることができる。
他方、偏光配向反応物47を構成する偏光主配向物質37は、光配向垂直物質49より偏光配向反応物47の下部に形成された物質、すなわち画素電極又は共通電極との親和力がより大きいために電極層の方向に移動する。電極層の方向に移動した偏光主配向物質37及び一部の光配向垂直物質49は、偏光主配向物質層37aを形成する。光配向垂直物質49の垂直発現基49cは、1次加熱で垂直配向を有することができる。混合光配向物質48は、熱反応部48a、光反応部48b、及び垂直発現部48cで構成され得る。
図15D〜図15Eを参照すると、相分離が起こった偏光配向反応物46a及び37aは、上述したように後加熱される。後加熱された偏光配向反応物46a及び37aは、主配向膜33と垂直配向を形成する。主配向膜33は、主に偏光主配向物質37の硬化により形成される。また、後加熱工程において、混合光配向物質48を構成する熱反応部48aの化学結合は、容易に切れ、切れた熱反応部48aは、光配向垂直物質49との化学結合を行う。したがって、垂直光配向物質層46aを構成する光配向垂直物質49及び混合光配向物質48の熱反応部48aは、化学的に結合され、光反応部48b及び垂直発現部48cは、垂直光配向物質層46aの表面で垂直配向を形成し、これにより、光配向垂直物質49が光反応性を有しなくても、混合光配向物質48の熱反応部48aと結合することにより、光配向垂直物質49は、光反応性を有することができる。混合光配向物質48と結合された光配向垂直物質49又は偏光主配向物質37は、光反応性を有することができるので偏光配向反応物47に含まれた混合光配向物質48をさらに減少させることができる。後加熱工程において、偏光配向反応物47の溶媒は、追加で気化することができる。また、後加熱工程において、光配向垂直物質49に含まれた垂直発現基49cは、垂直配向され得る。
後加熱工程が完了した偏光配向反応物47は、純水(DIW)により洗浄され、イソプロピルアルコール(IPA)により追加で洗浄されることができる。洗浄の後に、偏光配向反応物47は、乾燥される。
次に、図15F〜図15Gを参照すると、光を垂直光配向物質層46aに照射する場合に、混合光配向物質48の光反応部48bが硬化されることにより、図15Gに示すように、光硬化層35が主配向膜上に形成される。熱硬化により形成された主配向膜33及び紫外線により形成された光硬化層35は、下板配向膜291を構成する。図15Fに示す垂直光配向物質層46aに照射された光及び光硬化工程は、偏光UV−VAモードに関連して上述したものと同一である。非接触方式の光硬化工程により、光硬化層は、プレチルト角を有する。光硬化層のプレチルト角は、表示板100及び200の基板に対して約80゜〜約90゜であり得、より望ましくは、約87.5゜〜約89.5゜であり得る。上述した光照射方法により、画素電極が微細スリット又は微細ブランチを有しなくても、本発明の実施形態による液晶表示装置は、液晶層を複数のドメインに分ける複数のドメインを有することができる。
この後に、ステップS340に関連して上述したように、下板配向膜291及び上板配向膜292が形成された下部表示板100と上部表示板200との間で液晶層3及びシール剤が形成される。シール剤により組み立てられた表示板は、アニーリングが行われる。シール剤の材料、シール剤を硬化する工程、及びアニーリングは、リジッド垂直配向側鎖の主配向膜33及び34について上述したものと同一であり得る。このように製造された液晶表示板アセンブリ300は、偏光UV−VAモードの特性を有する。
本発明に従って、偏光配向反応物47に含まれた混合光配向物質48は、配向膜を形成する工程で光が照射される表面に容易に移動されることができるので、偏光配向反応物47に含まれた混合光配向物質48の含量を減少させることができる。したがって、液晶表示装置の生産コストを減少させることができる。
また、光配向垂直物質49又は偏光主配向物質37は、混合光配向物質48との結合により光反応性を有することができるので、偏光配向反応物47に含まれた混合光配向物質48の含量をさらに減少させることができる。
さらに、反応することなく配向膜に残留する混合光配向物質48の量を最小化することができるために、液晶表示装置の残留DC電圧又は残像を減少させることができる。
本発明の実施形態に従って、主配向膜33及び34は、混合光配向物質48を有する偏光配向反応物47によって形成され、これを有する液晶表示装置が製造された。
本発明の実験に適用された偏光配向反応物47は、偏光主配向物質37、光配向垂直物質49、及び混合光配向物質48を有する固形分及び溶媒を含む。偏光配向反応物47を構成する固形分は、約6.5重量%であり、溶媒は、約93.5重量%である。また、固形分を構成する光配向垂直物質49は、固形分の中で約30重量%であり、偏光主配向物質37は、固形分の中で約70重量%であり、混合光配向物質48は、固形分の中で約5重量%である。
光配向垂直物質49は、
及び
がそれぞれ約1:0.4:0.6の割合で構成された二酸無水物(Diacid anhydride)とジアミンとの化合物(JSR,PI−37)である。ここで、W2は、
であり、W3は、
である。
偏光主配向物質37は、
及び
がそれぞれ約1:1の割合で構成された二無水物酸とジアミンとの化合物(JSR,PA−4)である。
ここで、W1は、
である。
混合光配向物質48は、下記の化学式X−UP3で表現される化合物(JSR,P_A(std.))である。
化学式X−UP3
溶媒は、約45重量%のN−メチルピロリドン(N-methylpyrrolidone)と約55重量%のブチルセロソルブ(butyl cellosolve)との混合物である。
17インチの液晶表示板に塗布された上述した成分比を有する偏光配向反応物47は、約80℃で予備加熱が施された後に、約220℃で約20分の間後加熱が施される。この後、直線偏光紫外線は、表示板の基板面に対して約50゜の傾斜角を有しつつ、上部表示板を構成する共通電極上に形成された偏光配向反応物47に相互に反対(anti-parallel)である方向に照射される。また、下部表示板を構成する画素電極上に形成された偏光配向反応物47に対しても、上述したように、直線偏光紫外線が照射される。
下板光硬化層35及び上板光硬化層36は、照射された紫外線により、逆並行であるプレチルト角を有する。言い換えれば、光硬化層35及び36は、異なる4つのプレチルト角を有し、液晶表示装置の液晶層3は、異なる4つのプレチルト角を有する光硬化層35及び36により異なる方位角を有するように形成された4個のドメインを有する。4個のドメインの方位角は、異なる4つのプレチルト角のベクトル和により定義される。直線偏光紫外線の強度は、約20mJ/cm2である。このように製造された液晶表示板アセンブリは、図11と関連して上述した電荷共有方式の1G1D駆動により動作する。
このように製造された液晶表示装置で光硬化層に隣接した液晶分子は、液晶表示板の基板面に対して約88.2゜のプレチルト角を有する。チェックフリッカー(check flicker)パターンの映像で約50℃の高温チャンバーで24時間の間動作される液晶表示装置の面残像は、約3のレベルで良好である。
液晶表示装置の駆動
以下、図11を参照して液晶表示装置の1つの画素PXに対する等価回路の構造及び動作について説明する。図11は、本発明の実施形態に従って、図3に示す1つの画素Xに対する電荷共有(Charge Sharing:CS)充電方式1G1D(1 Gate line 1 Data line)の等価回路図である。液晶表示装置の1つの画素PXに対する等価回路は、ゲート線121、保持電極線125、降圧ゲート線123、及びデータ線171を含む信号線とこれに接続された画素PXとを含む。
1つの画素PXは、第1の薄膜トランジスタQh、第2の薄膜トランジスタQl、及び第3の薄膜トランジスタQcと、第1の液晶蓄電器Clch及び第2の液晶蓄電器Clclと、第1の保持蓄電器Csth及び第2の保持蓄電器Cstlと、降圧蓄電器Cstdとから構成される。
下部表示板100に形成された第1の薄膜トランジスタQh及び第2の薄膜トランジスタQlは、三端子素子(three-terminal device)であり、第1の薄膜トランジスタQh及び第2の薄膜トランジスタQlのゲート電極、すなわち、制御端子は、ゲート線121に接続され、これらのソース電極、すなわち、入力端子は、データ線171に接続され、これらのドレーン電極、すなわち、出力端子は、第1の液晶蓄電器Clch及び第2の液晶蓄電器Clclと第1の保持蓄電器Csth及び第2の保持蓄電器Cstlとにそれぞれ接続される。
第3の薄膜トランジスタQcは、三端子素子であり、第3の薄膜トランジスタQcのゲート電極、すなわち、制御端子は、降圧ゲート線123に接続され、そのソース電極、すなわち、入力端子は、第2の液晶蓄電器Clcl又は第2の薄膜トランジスタQlの出力端子に接続され、そのドレーン電極、すなわち、出力端子は、降圧蓄電器Cstdに接続される。
画素電極191を構成する第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191lは、第1の薄膜トランジスタQh及び第2の薄膜トランジスタQlのドレーン電極、すなわち、出力端子に接続される。第1の液晶蓄電器Clch及び第2の液晶蓄電器Clclの電極は、第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191lに接続され、それらの他の電極は、上部表示板200の共通電極270にそれぞれ接続される。第1の保持蓄電器Csth及び第2の保持蓄電器Cstlの電極は、第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191lにそれぞれ接続され、それらの他の電極は、下部表示板100の保持電極線125又は保持電極線に接続された部分126、127、及び128に接続される。降圧蓄電器Cstdの1つの電極は、第3の薄膜トランジスタQcの出力端子に接続され、他の電極は、保持電極線125に接続される。第1の保持蓄電器Csth及び第2の保持蓄電器Cstlは、それぞれ第1の液晶蓄電器Clch及び第2の液晶蓄電器Clclの電圧保持能力を強化する。蓄電器Clch、Clcl、Csth、Cstl、Cstdの電極は、絶縁体3、140、181、及び182を間に置いて重なる。
以下、画素PXの充電原理について詳細に説明する。ゲートオン電圧Vonがn番目のゲート線Gnに供給される場合に、これに接続された第1の薄膜トランジスタQh及び第2の薄膜トランジスタQlはターンオンとなり、ゲートオフ電圧Voffは、n番目の降圧ゲート線Anに供給される。従って、n番目のデータ線Dnのデータ電圧は、ターンオンとなった第1の薄膜トランジスタQh及び第2の薄膜トランジスタQlを通して第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191lに同一に供給される。このとき、第1の液晶蓄電器Clch及び第2の液晶蓄電器Clclは、共通電極270の共通電圧Vcomと第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191lの電圧との差だけ充電するために、第1の液晶蓄電器Clchの充電電圧値と第2の液晶蓄電器Clclの充電電圧値とは同一である。
この後に、ゲートオフ電圧Voffは、n番目のゲート線Gnに供給され、ゲートオン電圧Vonは、n番目の降圧ゲート線Anに供給される。すなわち、第1の薄膜トランジスタQh及び第2の薄膜トランジスタQlは、それぞれターンオフとなり、第3の薄膜トランジスタQcは、ターンオンとなる。したがって、第2の薄膜トランジスタQlの出力端子に接続された第2の副画素電極191lの電荷が降圧蓄電器Cstdに流れ、第2の液晶蓄電器Clclの電圧が降下する。その結果、同一のデータ電圧が第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191lにそれぞれ供給されるが、第1の液晶蓄電器Clchの充電電圧が第2の液晶蓄電器Clclの充電電圧より大きくなる。第2の液晶蓄電器Clclの電圧対第1の液晶蓄電器Clchの電圧の比は、約0.6〜0.9:1であり得、より望ましくは、約0.77:1である。このように、第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191lが同一のデータ電圧の供給を受け、第2の副画素電極191lの第2の液晶蓄電器Clcl及び降圧蓄電器Cstdが電荷を共有することにより、第1の液晶蓄電器Clch及び第2の液晶蓄電器Clclの容量値を相互に異ならせる。これを電荷共有(CS)方式の充電と呼ぶ。
その結果、第1の副画素電極191hの液晶分子31が第2の副画素電極191lの液晶分子31より大きい電場強度を受けるために、第1の副画素電極191hの液晶分子31がさらに大きく傾く。電荷共有(CS)方式により充電された第1の副画素190h及び第2の副画素190lの液晶分子31が相互に異なる傾斜角を有する場合に、光の位相遅延を補償するために、本発明の液晶表示装置は、よい側面視認性及び大きな基準視野角を有する。基準視野角は、正面コントラスト比に対する側面コントラスト比が約1/10である限界角又は階調間の輝度反転限界角を意味する。基準視野角が大きいと大きいほど、液晶表示装置の側面視認性がさらによくなる。また、1本のゲート線121及び1本のデータ線171が1つの画素PXに接続されることにより、1個の画素PXを構成する第1の副画素190h及び第2の副画素190lが動作され、したがって、液晶表示装置の開口率が増加する。このように、1本のゲート線121及び1本のデータ線171が1つの画素PXに接続されており、これを1ゲート線1データ線(1 Gate line 1 Data line:1G1D)と呼ぶ。
本発明の一実施形態において、ゲートオン電圧の信号遅延により、n番目のゲート線Gnに供給されるゲートオン電圧Vonとn番目の降圧ゲート線Anに供給されるゲートオン電圧Vonとが重なる場合に、画素電極で充電の不良が発生し得る。このような問題を解消するために、n番目の降圧ゲート線Anは、(n+m)番目(ここで、m≧1)のゲート線121、より望ましくは、(n+4)番目のゲート線121に接続されることによりゲートオン電圧Vonを受信することができる。
本発明の他の実施形態による1つの画素PX回路は、2つの薄膜トランジスタ及び2本のデータ線が1つの画素PXに接続された2−TFT(2T)充電方式の1ゲート線2データ線(1G2D)である。すなわち、第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191lは、同一のゲート線に接続されたゲート電極を有する第1及び第2の薄膜トランジスタの出力端子にそれぞれ接続され、相互に異なる2本のデータ線は、第1及び第2の薄膜トランジスタの入力端子にそれぞれ接続される。異なる2本のデータ線を通して第1の副電極191h及び第2の副電極191lに供給される異なるデータ電圧は、1つの映像に対応する電圧の分割電圧である。2T充電方式の1G2D駆動は、任意のデータ電圧を副画素電極191h及び191lの各々に印加することができ、したがって、液晶表示装置の側面視認性を一層改善させることができる。
本発明のまた他の実施形態は、スイング電圧電極線駆動方式である。この駆動方式の画素の各々は、2個の薄膜トランジスタ、1本のゲート線、1本のデータ線、及び2本のスイング電圧電極線を有する。第1及び第2の薄膜トランジスタのゲート電極は、ゲート線に接続され、これらのソース電極は、データ線に接続され、これらのドレーン電極は、第1及び第2の副画素電極と第1及び第2の保持蓄電器とにそれぞれ接続される。第1及び第2の液晶蓄電器の電極は、第1及び第2の副画素電極にそれぞれ接続され、それらの他の電極は、上部表示板に形成された共通電極にそれぞれ接続される。第1及び第2の保持蓄電器の電極は、第1及び第2の副画素電極にそれぞれ接続され、それらの他の電極は、スイング電圧電極線にそれぞれ接続される。画素動作の間に、一定の周期の電圧レベルを有するパルス列は、スイング電圧電極線に印加され、逆位相電圧(opposite phase voltage)は、第1の副画素のスイング電圧電極線及び第2の副画素のスイング電圧電極線に同時に印加される。スイング電圧電極線に供給されるパルス列は、異なる2個の電圧を有することができる。したがって、第1の副画素液晶蓄電器に充電された電圧と第2の副画素液晶蓄電器に充電された電圧とのレベルが相互に異なるために、液晶表示装置の側面視認性がよくなる。
本発明のもう1つの実施形態は、保持電極線電荷共有駆動方式である。この駆動方式の画素の各々は、3個の薄膜トランジスタ、1本のゲート線、1本のデータ線、及び1本の保持電極線を有する。第1及び第2の薄膜トランジスタのゲート電極は、ゲート線に接続され、これらのソース電極は、データ線に接続され、これらのドレーン電極の各々は、第1及び第2の副画素液晶蓄電器に接続される。第1及び第2の副画素液晶蓄電器の他端は、上板共通電極にそれぞれ接続される。第3の薄膜トランジスタのゲート電極は、保持電極線に接続され、このソース電極は、第2の薄膜トランジスタのドレーン電極に接続された第2の液晶蓄電器の電極に接続され、このドレーン電極は、保持電極線の対向電極(opposite electrode)又は第3の薄膜トランジスタのドレーン電極拡張部に接続される。第2の副画素液晶蓄電器の充電電圧は、保持電極線の電圧により第3の薄膜トランジスタのドレーン電極拡張部及び電荷を共有するために、第2の副画素の充電電圧は、第1の副画素の充電電圧より低い。保持電極線に供給される電圧は、共通電極の電圧と実質的に同一であり得る。
以下、上述した方法により製造された液晶表示装置の動作を詳細に説明する。液晶表示装置は、図3に示す画素PXの構造を有し、図11と関連して説明した方法で動作する。液晶表示板アセンブリ300を製造するモード、すなわち、SVA、SC−VA、及び偏光UV−VAモードの各々は、配向膜291及び292を形成する方法に基づいて区別される。しかしながら、液晶表示板アセンブリ300が製造された後に、液晶表示装置は、各モードに関係なしに実質的に同一に動作する。したがって、後述する液晶表示装置の動作は、配向膜を形成するモードに関係なしに説明される。
液晶表示板アセンブリ300は、図3の画素PXを有する下部表示板100及び上部表示板200を用いてSVA、SC−VA、又は偏光UV−VAモードに基づいて組み立てられる。図1に示すように、液晶表示装置は、駆動部400及び500、信号制御部600、及び階調電圧生成部800を液晶表示板アセンブリ300に接続することにより製造される。電圧が液晶表示装置の画素PXに供給されない状態で、配向膜291及び292に隣接した液晶分子31は、下部表示板100及び上部表示板200に垂直である方向に対して若干斜めに傾いた一定のプレチルト角を有する。データ電圧が画素電極191に供給される場合に、同一のドメイン内の液晶分子31は、同一の傾斜方向に動く。第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191lの微細ブランチ197の方向が偏光子の透過軸又は偏光軸に対して相互に異なり、フリンジ電場(fringe electric field)の強度が微細スリットの幅に従って異なり、液晶蓄電器の電圧が異なるために、副画素電極190h及び190lの輝度は異なる。このように、副画素電極の液晶傾斜角を調節することにより液晶表示装置の側面視認性を改善することができる。また、第2の副画素電極191lが上述したMA領域を有しており、液晶分子31の配列が連続して変わることにより、液晶分子31が不連続的に配向される時に発生するテクスチャーが減少する。
液晶表示装置の基本画素群
実施形態1
以下、図12、図14、及び図28〜図32を参照して本発明の実施形態に従って基本色を考慮して上述したパラメータを基本画素群PSの各画素PXに適用した時液晶表示装置の品質の特性について詳細に説明する。基本画素群PSは、液晶表示装置の視認性を向上させ、虹ムラ又は黄色がかった現象を減少させる。したがって、基本画素群を有する液晶表示装置の品質を改善させることができる。図12、図14、及び図28〜図32は、本発明の実施形態による液晶表示装置を構成する基本画素群PSの画素電極191を示す平面図である。図12、図14、及び図28〜図32は、下部表示板100に形成された基本画素群PSの画素電極を示す平面図である。画素電極191の平面図を除いた他の平面図が上述したものと同様であるので、説明の便宜上、重複説明を省略する。
図12に示すように、基本画素群PSは、赤色、緑色、及び青色の基本色に対応する画素電極191R、191G、191Bで構成される。赤色及び緑色画素PXの画素電極191R、191Gの構造は同一であるが、青色画素PXの画素電極191Bの構造は、画素電極191R、191Gの構造と部分的に異なる。基本画素群PSは、3つの基本色、すなわち、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)に対応する赤色、緑色、及び青色画素PXでなされる。赤色、緑色、及び青色画素PXは、それぞれ赤色画素電極191R、緑色画素電極191G、及び青色画素電極191Bを有する。基本色を示す基本色カラーフィルターは、下部表示板又は上部表示板に形成されることができる。
各画素電極191R、191G、191Bは、2つの副画素領域に形成された2個の副画素電極191h、191lに分けられる。赤色画素電極191Rは、赤色画素の第1の副画素領域に形成された第1の赤色副画素電極191Rhと赤色画素の第2の副画素領域に形成された第2の赤色副画素電極191Rlとを有する。緑色画素電極191Gは、緑色画素の第1の副画素領域に形成された第1の緑色副画素電極191Ghと緑色画素の第2の副画素領域に形成された第2の緑色副画素電極191Glとを有する。青色画素電極191Bは、青色画素の第1の副画素領域に形成された第1の青色副画素電極191Bhと青色画素の第2の副画素領域に形成された第2の青色副画素電極191Blとを有する。
第1の赤色副画素電極191Rh及び第1の緑色副画素電極191Ghの微細ブランチ幅及び微細スリット幅は、それぞれ約3μm及び約3μmであり、第1の青色副画素電極191Bhの微細ブランチ幅及び微細スリット幅は、約3μm及び約4μmである。第2の赤色副画素電極191Rl、第2の緑色副画素電極191G、及び第2の青色副画素電極191Blの微細ブランチ幅及び微細スリット幅は、それぞれ約3μm及び約3μmである。本発明の特徴に従って、青色画素にある第1の副画素電極191Bhの微細スリットの幅は、他の画素にある第1の副画素電極191Rh、191Gh及び第2の副画素電極191Rl、191Gl、191Blの微細スリットの幅より大きいために、青色画素の第1の副画素の輝度を減少させる。
第1の赤色副画素電極191Rh、第1の緑色副画素電極191Gh、及び第1の青色副画素電極191Bhの各微細ブランチ方向は、θ3である。θ3は、約40°である。第2の赤色副画素電極191Rl、第2の緑色副画素電極191Gl、及び第2の青色副画素電極191Blの各微細ブランチ方向は、θ4である。θ4は、約45°である。θ3及びθ4は、それぞれ偏光子の偏光軸に対する角度である。このように、第1の赤色副画素電極191Rh、第1の緑色副画素電極191Gh、及び第1の青色副画素電極191Bhと第2の赤色副画素電極191Rl、第2の緑色副画素電極191Gl、及び第2の青色副画素電極191Blとの微細ブランチ方向を異ならせる場合に、第1の副画素の輝度及び第2の副画素の輝度が調節される。基本画素群を構成する各画素において、第2の副画素の面積は、第1の副画素の面積より約1.75倍である。
以下、図12の基本画素群PSの画素電極191を有する液晶表示装置の光学的な特性及び効果について説明する。図13Aは、基本画素群PSを構成する画素電極がすべて同一の構造を有する従来技術の液晶表示装置で測定された階調レベル−輝度比を示すグラフであり、図13Bは、本発明の実施形態に従って図12に示す基本画素群PSの画素電極191を有する液晶表示装置で測定された階調レベル−輝度比を示すグラフである。また、本発明の液晶表示装置は、SVAモード方法で製造され、電荷共有充電の1G1D方式で動作する。さらに、本発明の第2の副画素電極に充電された電圧は、第1の副画素電極に充電された電圧に対して約0.77倍であり、液晶層のセル間隔は約3.55μmである。
階調レベル−輝度比グラフの横軸は、副画素電極191h及び191lに供給された電圧に対応する階調レベルを示し、その縦軸は、約60゜右側で分光器により測定された液晶表示装置の輝度比を示す。縦軸の輝度比は、約60゜右側で測定された各色の最大輝度に対する階調レベルの輝度である。例えば、図13Aに示す青色輝度曲線B1を参照すると、最も高い階調、すなわち、250階調での青色画素輝度が100カンデラ(Candela:cd)であり、150階調での青色画素輝度が50cdである場合に、青色輝度曲線B1の輝度比は、約0.5である。図13Aに示すグラフR1、G1、B1、及びW1は、それぞれ従来技術の液晶表示装置で測定された赤色光、緑色光、青色光、及び白色光の輝度比曲線であり、図13Bに示す曲線R2、G2、B2、及びW2は、それぞれ本発明の液晶表示装置で測定された赤色光、緑色光、青色光及び白色光の輝度比曲線である。白色光輝度W1、W2は、赤色光輝度R1、R2と、緑色光輝度G1、G2と、青色光輝度B1、B2との和であり、白色光輝度に対する赤色光輝度、緑色光輝度、及び青色光輝度の比は、それぞれ約55%〜65%、約20%〜30%、及び約10%〜20%である。
図13Aのグラフからわかるように、楕円で表示された中間階調レベル部分A8において、従来技術の赤色光輝度比曲線R1は、スロープが急激に増加することにより青色光輝度比曲線B1と交差する。赤色光輝度比曲線G1と青色光輝度比曲線B1とが交差する点を通過した後に、赤色光輝度比は、青色光輝度比より高くなる。このように、青色光輝度比が赤色光輝度比より低くなる階調レベル部分A8において、液晶表示装置の側面で黄色がかった色が現れる。黄色がかった色が視認される場合に、画質の品質が低下し、元来の映像の色が不調な状態となり、これにより、液晶表示装置の表示の品質が低下する。したがって、黄色がかった色が視認されることを防止することが要求される。高階調レベルの特定の階調でも基本色光の輝度比が交差するが、高階調では、階調レベル間の輝度差が大きいために黄色がかった色がよく観察されない。
しかしながら、図13Bに示すように、本発明で提案した基本画素群PSの画素電極を有する液晶表示装置は、従来の液晶表示装置で観察される赤色光輝度比曲線G1と青色光輝度比曲線B1とが交差する点を有しない。図13Bに楕円で示す中間階調レベル部分A8において、赤色光輝度比曲線R2のスロープと青色光輝度比曲線B2のスロープとが同様であるので、赤色光輝度比と青色光輝度比とが相互に交差する部分が存在しない。したがって、本発明の液晶表示装置は、黄色がかった色が発生する問題を解決した。
また、異なる基本色の輝度比が特定の階調レベルで相互に交差しつつ基本色間の輝度比が変わる場合に、液晶表示装置は、カラーエラー又は色座標移動の他の問題を発生させ得る。この問題を解決するために、基本画素群を構成する基本色画素間の輝度比が均衡をなすように設計される必要がある。
実施形態2
図14は、本発明のもう1つの実施形態による液晶表示装置を構成する基本画素群PSの画素電極191を示す平面図である。図14は、下部表示板100上に形成された基本画素群PSの画素電極191のみを示す平面図である。画素電極191の平面図を除いた他の平面図は、図12で説明したものと同一であるので、その説明を省略し、他の重複説明も省略し、差異点のみを詳細に説明する。基本画素群PSは、3つの基本色、すなわち、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)に対応する赤色、緑色、及び青色画素PXからなる。画素電極が各画素に形成されており、各画素電極は、第1及び第2の副画素電極で構成される。
第1の赤色副画素電極191Rh及び第1の緑色副画素電極191Ghの微細ブランチ幅及び微細スリット幅は、それぞれ約3μm及び約3μmであり、第1の青色副画素電極191Bhの微細ブランチ幅及び微細スリット幅について、HA領域では、約3μm及び約3μmであり、LA領域では、約3μm及び約4μmであり、MA領域では、約3μm及び約3μm〜4μmである。各ドメインに形成された微細ブランチ197は、十字状の横及び縦ブランチ195に対して対称である。このように、第1の青色副画素電極191Bhが形成される場合に、第1の青色副画素は、他の色画素の第1の副画素輝度より低い輝度を有する。
第2の赤色副画素電極191Rl、第2の緑色副画素電極191Gl、及び第2の青色副画素電極191Blの微細ブランチ幅及び微細スリット幅は、HA領域では、約3μm及び約3μmであり、LA領域では、約3μm及び約4μmであり、MA領域では、約3μm及び約3μm〜4μmである。第1の青色副画素電極191Bh及び第2の青色副画素電極191Bl、第2の赤色副画素電極191Rl及び第2の緑色副画素電極191Glのそれぞれに含まれたMA領域において、微細ブランチ幅は、約3μmで一定であり、微細スリット幅は、約3μmから約4μmに徐々に変わる領域である。各ドメインにおいて、HA領域の面積は、全領域面積、すなわち、HA領域、LA領域、及びMA領域を合わせた面積に対して約61%である。また、各ドメインにおいて、MA領域の面積は、HA領域の面積に対して約30〜35%である。各副画素内で各ドメインに形成された微細ブランチ197は、十字状の横及び縦ブランチ195に対して対称である。このように、第2の副画素の画素電極を形成することにより第1の副画素に対する第2の副画素の輝度を調節することができる。また、MA領域が第2の副画素電極上に形成されるために、テクスチャーの発生は減少し、第2の副画素の輝度は増加する。
第1の赤色副画素電極191Rh、第1の緑色副画素電極191Gh、及び第1の青色副画素電極191Bhの微細ブランチの方向は、θ5に同一である。θ5は、約40°である。第2の赤色副画素電極191Rl、第2の緑色副画素電極191Gl、及び第2の青色副画素電極191Blの各微細ブランチ方向は、θ6に同一である。θ6は、約45°である。θ5及びθ6の各々は、偏光子の偏光軸に対する角である。θ5及びθ6の角が異なって形成されるので、第1の副画素及び第2の副画素の輝度が調節されることにより、液晶表示装置の側面視認性が改善する。図14に示すように、青色画素電極191Bの第1の副画素電極191Bhの微細スリット幅を他の画素の第1の副画素電極と異ならせることにより、液晶表示装置の黄色がかった現象を防止することができる。
図12及び図14に示す実施形態とは異なり、青色画素電極を除く1つの画素電極の構造は、他の画素電極の構造と異なって形成されることができる。
本発明の他の実施形態において、各ドメインに形成された微細ブランチ197は、十字状の横及び縦ブランチ195の中のいずれか1つに対して対称であり得、より望ましくは、十字状の横ブランチ195に対して対称であり得る。
本発明のもう1つの実施形態において、基本画素群PSは、黄色を含み、4つ以上の色で構成され得る。液晶表示装置の色の品質を向上させるために、4つ以上の基本色で構成された基本画素群PSで2つ以上の基本色画素電極191の構造は、他の1つの基本色画素電極191の構造と異なって形成されることができる。
実施形態3
以下、図28〜図32を参照して基本画素群PSの画素電極の構造について詳細に説明する。図28〜図32に示す微細ブランチ197及び微細スリット199は、ジグザグ形状を有する。第1の副画素電極191h28対第2の副画素電極191l28の面積比は、約1:2乃至約1:1.5の範囲内の1つの値であり得る。説明の便宜上、重複説明を省略する。
本発明の特徴に従って、図28に示す基本画素群PSは、異なる基本色を有する画素に対応する画素電極の異なる構造を含む。基本色は、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)を含み、これらは、それぞれ赤色、緑色、及び青色画素PXを構成する。赤色画素電極191R28は、赤色画素PX上に形成され、第1の副画素電極191Rh28と第2の副画素電極191Rl28とを含む。緑色画素電極191G28は、緑色画素PX上に形成され、第1の副画素電極191Gh28と第2の副画素電極191Gl28とを含む。青色画素電極191B28は、青色画素PX上に形成され、第1の副画素電極191Bh28と第2の副画素電極191Bl28とを含む。基本画素群の画素電極、すなわち、赤色画素電極191R28、緑色画素電極191G28、及び青色画素電極191B28の第1の副画素電極191Bh28、191Gh28、及び191Rh28の各々は、4個のドメイン領域Dh1、Dh2、Dh3、及びDh4を有し、それらの第2の副画素電極191Bl28、191Gl28、191Rl28の各々は、4つのドメイン領域Dl1、Dl2、Dl3、及びDl4を有する。
基本色の画素電極を構成する微細ブランチ197の幅及び微細スリット199の幅は、基本色の各画素電極で異なる幅を有することができる。例えば、赤色画素電極191R28の第1の副画素電極191Rh28及び第2の副画素電極191Rl28に形成された8個のドメインDh1、Dh2、Dh3、Dh4、Dl1、Dl2、Dl3、及びDl4において、微細ブランチ197の幅S及び微細スリット199の幅Wは、図面に示す矢印方向に約3.4μmから約4.2μmまで約0.2μm〜0.5μmの範囲内のいずれか1つの値づつ徐々に増加する。緑色画素電極191G28の第1の副画素電極191Gh28及び第2の副画素電極191Gl28に形成された8個のドメインDh1、Dh2、Dh3、Dh4、Dl1、Dl2、Dl3、及びDl4において、微細ブランチ197の幅S及び微細スリット199の幅Wは、図面に示す矢印方向に約3μmから約3.8μmまで約0.2μm〜0.5μmの範囲内のいずれか1つの値づつ徐々に増加する。青色画素電極191B28の第1の副画素電極191Bh28及び第2の副画素電極191Bl28に形成された8個のドメインDh1、Dh2、Dh3、Dh4、Dl1、Dl2、Dl3、及びDl4において、微細ブランチ197の幅S及び微細スリット199の幅Wは、図面に示す矢印方向に約2.5μmから約4μmまで約0.2μm〜0.5μmの範囲内のいずれか1つの値づつ徐々に増加する。本発明の実施形態に従って、ドメインDh1〜Dh4及びDl1〜Dl4の各々は、複数のグループに分割され、このグループの各々は、同一のグループ内では同一の幅Sを有する微細ブランチと同一の幅Wを有する微細スリットとを有し、各グループ内の微細ブランチ及び微細スリットの幅は、矢印方向のグループに沿って増加することができる。
以下、ジグザグ形状の微細ブランチ197に対する微細ブランチ197の主方向、ジグザグ角及びジグザグ単位の長さについて説明する。基本画素群の画素電極191R28、191G28、191B28の第1の副画素電極191Rh28、191Gh28、191Bh28に形成されたドメインDh1及びDh2において、ジグザグ単位の長さは、約20μmであり、微細ブランチ197の主方向角は、約40°であり、ジグザグ角は、図面に示す矢印方向に約±0から約±12まで約0.5°〜1°の範囲内のいずれか1つの値づつ徐々に増加する。
基本画素群の画素電極191R28、191G28、191B28の第1の副画素電極191Rh28、191Gh28、191Bh28に形成されたドメインDh3及びDh4において、ジグザグ単位の長さは、約7μmであり、微細ブランチ197の主方向角は、約40°であり、ジグザグ角は、約±15である。
赤色画素電極191R28、緑色画素電極191G28、青色画素電極191B28の第2の副画素電極191Rl28、191Gl28、191Bl28に形成されたドメインDl1及びDl2において、ジグザグ単位の長さは、約20μmであり、微細ブランチ197の主方向角は、約45°であり、ジグザグ角は、約±15である。
基本画素群の画素電極191R28、191G28、191B28の第2の副画素電極191Rl28、191Gl28、191Bl28に形成されたドメインDl3及びDl4において、ジグザグ単位の長さは、約14μmであり、微細ブランチ197の主方向角は、約45°であり、ジグザグ角は、図面に示す矢印方向に約±0から約±15まで約0.5°〜1°の範囲内のいずれか1つの値づつ徐々に増加する。
緑色画素電極191G28を構成するドメインDh1、Dh2、Dh3、Dh4、Dl1、Dl2、Dl3、及びDl4のそれぞれに形成された微細ブランチ197の主方向、ジグザグ角、及びジグザグ単位の長さは、赤色画素電極191R28及び青色画素電極191B28を構成するドメインのそれぞれに形成された微細ブランチ197の主方向、ジグザグ角、及びジグザグ単位の長さと同一である。
本発明の実施形態に従って、基本画素群の画素電極191R28、191G28、191B28において、十字状ブランチの縦部195vの左側に形成されたドメインDh1、Dh4、Dl1、Dl4の画素電極の構造は、縦部195vに対して十字状ブランチの縦部195vの右側に形成されたドメインDh2、Dh3、Dl2、Dl3の画素電極の構造と対称であり得る。このような画素電極で構成された基本画素群は、液晶表示装置の視認性を向上させ、黄色がかった色が視認されることを防止し、液晶表示装置で回折した光の回折点を分散させることにより虹ムラを著しく減少させることができる。
第1の副画素電極191Rh28、191Gh28、191Bh28に形成された画素電極接点接続部は、第1の画素電極接触部192hと十字状ブランチの縦部195vとを接続した画素電極縦接続部715hを有する。第2の副画素電極191Rl28、191Gl28、191Bl28に形成された画素電極接点接続部は、第2の画素電極接触部192lに接続された画素電極横接続部713l及び画素電極横接続部713lと十字状ブランチの縦部195vとを接続した画素電極斜線接続部714lを有する。このような画素電極接点接続部は、液晶分子の未復元及び光漏れ不良を減少させる。
実施形態4
図29に示す基本画素群PSを構成する画素電極に形成されたドメインは、本発明の特徴に従って、異なる主方向及び同一のジグザグ角を有する。図29に示す微細ブランチ197の幅及び微細スリット199の幅は、同一の副画素上に形成されたドメインでは同一に形成される。
すなわち、第1の副画素に形成されたドメインDh1、Dh2、Dh3、Dh4において、微細ブランチ197の幅及び微細スリット199の幅は、ドメインごとに同一に分布され、第2の副画素に形成されたドメインDl1、Dl2、Dl3、Dl4において、微細ブランチ197の幅及び微細スリット199の幅は、ドメインごとに同一に分布される。しかしながら、第1の副画素のドメインに形成された微細ブランチ197の幅又は微細スリット199の幅は、第2の副画素のドメインに形成されたものと異なって形成される。
例えば、基本画素群の画素電極191R29、191G29、191B29の第1の副画素電極191Rh29、191Gh29、191Bh29に形成されたドメインDh1、Dh2、Dh3、Dh4において、微細ブランチ197の幅S及び微細スリット199の幅Wは、図面に示す矢印方向に約2.5μmから約3.2μmまで約0.2μm〜0.5μmの範囲内のいずれか1つの値づつ徐々に増加する。基本画素群の画素電極191R29、191G29、191B29の第2の副画素電極191Rl29、191Gl29、191Bl29に形成されたドメインDl1、Dl2、Dl3、及びDl4において、微細ブランチ197の幅S及び微細スリット199の幅Wは、図面に示す矢印方向に約2.5μmから約3.5μmまで約0.2μm〜0.5μmの範囲内のいずれか1つの値づつ徐々に増加する。本発明の実施形態に従って、ドメインDh1〜Dh4、Dl1〜Dl4の各々は、複数のグループに分割され、このグループの各々は、同一のグループ内では同一の幅を有する微細ブランチ及び同一の幅を有する微細スリットを有し、各グループ内の微細ブランチ及び微細スリットの幅は、矢印方向のグループに沿って増加することができる。
以下、ジグザグ形状の微細ブランチ197に対する微細ブランチ197の主方向、ジグザグ角、及びジグザグ単位の長さについて説明する。基本画素群の画素電極191R29、191G29、191B29の第1の副画素電極191Rh29、191Gh29、191Bh29に形成されたドメインDh1、Dh2、Dh3、Dh4において、ジグザグ単位の長さは、約14μmであり、第2の副画素電極191Rl29、191Gl29、191Bl29に形成されたドメインDl1、Dl2、Dl3、Dl4において、ジグザグ単位の長さは、約10μmである。赤色画素電極191R29及び緑色画素電極191G29の第1の副画素電極191Rh29、191Gh29に形成されたドメインDh1、Dh2、Dh3、Dh4のそれぞれ及び青色画素電極191B29の第2の副画素電極191Bl29に形成されたドメインDl1、Dl2、Dl3、Dl4の各々において、微細ブランチ197の主方向角は、約50°、約48°、約40°、約41.3°であり、ジグザグ角は、各ドメインで約±15である。赤色画素電極191R29及び緑色画素電極191G29の第2の副画素電極191Rl29、191Gl29に形成された各ドメインDl1、Dl2、Dl3、Dl4及び青色画素電極191B29の第1の副画素電極191Bh29に形成された各ドメインDh1、Dh2、Dh3、Dh4において、微細ブランチ197の主方向角は、約42°、約40.8°、約48°、約49.2°であり、ジグザグ角は、各ドメインで約±15°である。
基本色を有する基本画素群PS、第1の副画素電極191Rh29、191Gh29、191Bh29及び第2の副画素電極191Rl29、191Gl29、191Bl29を含む各画素電極191R29、191G29、191B29、ドメイン領域Dh1、Dh2、Dh3、Dh4、Dl1、Dl2、Dl3、及びDl4に分割された画素電極、ジグザグ形状の微細ブランチ197、及び第1の副画素電極対第2の副画素電極の面積比は、上述した説明又は図28と関連してなされた説明と実質的に同様である。このような画素電極で構成された基本画素群は、図28と関連して説明した効果を有する。第1の副画素電極191Rh29、191Gh29、191Bh29及び第2の副画素電極191Rl29、191Gl29、191Bl29上に形成された画素電極接点接続部は、図23C及び図24Cを参照して説明したものと同様である。
実施形態5
本発明の特徴に従って、図30に示す基本画素群PSを構成する画素電極において、第2の副画素電極191Rl30、191Gl30、191Bl30のドメインDl1、Dl2、Dl3、及びDl4の各々は、複数のサブドメインを有し、各サブドメイン内の微細ブランチの幅及び微細スリットの幅は、同一の幅を有し、隣接したサブドメイン間の幅は、各サブドメイン内の微細ブランチの幅又は微細スリットの幅よりさらに大きい。
しかしながら、第1の副画素電極191Rh30、191Gh30、191Bh30のドメインDh1〜Dh4の各々において、微細ブランチの幅及び微細スリットの幅は、矢印方向から徐々に増加する。例えば、赤色画素電極191R30及び緑色画素電極191G30の第1の副画素電極191Rh30及び191Gh30に形成されたドメインDh1、Dh2、Dh3、Dh4において、微細ブランチ197の幅S及び微細スリット199の幅は、図面に示す矢印方向に約2.8μmから約3.3μmまで約0.2μm〜0.5μmの範囲内のいずれか1つの値づつ徐々に増加する。また、青色画素電極191B30の第1の副画素電極191Bh30に形成されたドメインDh1、Dh2、Dh3、Dh4において、微細ブランチ197の幅Sは、図面に示す矢印方向に約2.8μmから約3.3μmまで約0.2μm〜0.5μmの範囲内のいずれか1つの値づつ徐々に増加し、微細スリット199の幅Wは、約3.8μmから約4.0μmまで増加する。本発明の実施形態に従って、ドメインDh1〜Dh4、Dl1〜Dl4の各々は、複数のグループに分割され、このグループの各々は、同一のグループにおいて同一の幅を有する微細ブランチ及び同一の幅を有する微細スリットを有する。
基本画素群の画素電極191R30、191G30、191B30の第2の副画素電極191Rl30、191Gl30、191Bl30のドメインDl1、Dl2、Dl3、及びDl4のサブドメインにおいて、微細ブランチ197の幅S及び微細スリット199の幅Wは、それぞれ約3.0μmであり、各ドメイン内の各サブドメインの幅は、約27μmであり、各ドメイン内の隣接したサブドメイン間の間隔は、約4.5μmである。また、第2の副画素電極191Rl30、191Gl30、191Bl30に形成されたドメインDl3、Dl4において、大部分の微細ブランチ197の幅S及び微細スリット199の幅Wは、それぞれ約3.0μmであり、一定の距離、例えば、約27μmの間隔で微細スリット199は、隣接した微細スリット199の幅Sとは異なる幅、例えば、約4.5μmの幅Sを含むサブドメインを有することができる。本発明の他の実施形態に従って、一定の距離、すなわち、周期的に隣接した微細ブランチ197又は微細スリット199の幅より大きな幅を有する微細ブランチ197又は微細スリット199が第1の副画素電極又は第2の副画素電極を構成するドメインDh1、Dh2、Dh3、Dh4、Dl1、Dl2、Dl3、及びDl4に形成されることができる。基本画素群の画素電極191R30、191G30、191B30の第1の副画素電極191Rh30、191Gh30、191Bh30に形成されたドメインDh1、Dh2、Dh3、Dh4において、ジグザグ単位の長さは、約10μmであり、第2の副画素電極191Rl30、191Gl30、191Bl30に形成されたドメインDl1、Dl2、Dl3、及びDl4において、ジグザグ単位の長さは、約7μmである。各基本画素群のドメインに形成された微細ブランチ197の主方向及びジグザグ角は、図29と関連して説明したものと同様である。
基本色を有する基本画素群PS、第1の副画素電極191Rh30、191Gh30、191Bh30及び第2の副画素電極191Rl30、191Gl30、191Bl30を含む各画素電極191R30、191G30、191B30、ドメイン領域Dh1、Dh2、Dh3、Dh4、Dl1、Dl2、Dl3、及びDl4に分割された画素電極、ジグザグ形状の微細ブランチ197、及び第1の副画素電極対第2の副画素電極の面積比は、上述した説明又は図28と関連してなされた説明と実質的に同様である。このような画素電極で構成された基本画素群は、図28と関連して説明した効果を有する。第1の副画素電極191Rh30、191Gh30、191Bh30及び第2の副画素電極191Rl30、191Gl30、191Bl30上に形成された画素電極接点接続部は、図23F及び図24Cを参照して説明したものと同様である。
実施形態6
図31に示す基本画素群PSにおいて、微細ブランチ197の主方向角は、本発明の特徴に従って、第1の副画素電極191Rh31、191Gh31、191Bh31に形成されたドメインより第2の副画素電極191Rl31、191Gl31、191Bl31に形成されたドメインがさらに大きい。
基本画素群の画素電極191R31、191G31、191B31の第1の副画素電極191Rh31、191Gh31、191Bh31のドメインDh1及びDh2において、ジグザグ単位の長さは、約14μmであり、微細ブランチ197の主方向角は、約40.8°であり、ジグザグ角は、約10°である。また、これらのドメインDh3及びDh4において、ジグザグ単位の長さは、約14μmであり、微細ブランチ197の主方向角は、約39.2°であり、ジグザグ角は、約10°である。基本画素群の画素電極191R31、191G31、191B31の第2の副画素電極191Rl31、191Gl31、191Bl31のドメインDl1及びDl2において、ジグザグ単位の長さは、約10μmであり、微細ブランチ197の主方向角は、約42°であり、ジグザグ角は、約15°である。これらのドメインDl3及びDl4において、ジグザグ単位の長さは、約10μmであり、微細ブランチ197の主方向角は、約41.3°であり、ジグザグ角は、約15°である。微細ブランチ197の主方向角は、D1に対する角であり得る。
赤色画素電極191R31及び緑色画素電極191G31の第1の副画素電極191Rh31及び191Gh31に形成されたドメインDh1、Dh2、Dh3、Dh4において、微細ブランチ197の幅S及び微細スリット199の幅Wは、図面に示す矢印方向に約2.8μmから約3.3μmまで約0.2μm〜0.5μmの範囲内のいずれか1つの値づつ徐々に増加する。また、青色画素電極191B31の第1の副画素電極191Bh31に形成されたドメインDh1、Dh2、Dh3、Dh4において、微細ブランチ197の幅S及び微細スリット199の幅Wは、図面に示す矢印方向に約3.3μmから約3.7μmまで約0.2μm〜0.5μmの範囲内のいずれか1つの値づつ徐々に増加する。
画素電極191R31、191G31、191B31の第2の副画素電極191Rl31、191Gl31、191Bl31のドメインDl1、Dl2、Dl3、及びDl4において、微細ブランチ197の幅S及び微細スリット199の幅Wは、図面に示す矢印方向に約2.8μmから約3.9μmまで約0.2μm〜0.5μmの範囲内のいずれか1つの値づつ徐々に増加する。
本発明の実施形態に従って、ドメインDh1〜Dh4、Dl1〜Dl4の各々は、複数のグループに分割され、このグループの各々は、同一のグループ内においては同一の幅を有する微細ブランチ及び同一の幅を有する微細スリットを有し、各グループ内の微細ブランチ及び微細スリットの幅は、矢印方向のグループに沿って増加することができる。他の構成要素は、図28と関連して説明したものと同様であるので、その詳細な説明を省略する。第1の副画素電極191Rh31、191Gh31、191Bh31及び第2の副画素電極191Rl31、191Gl31、191Bl31上に形成された画素電極接点接続部は、図20Cを参照して説明したものと同様である。
実施形態7
本発明の他の実施形態に従って、図32に示す基本画素群PSを構成する画素PXは、4個である。また、これらの画素PXは、図25〜図27Bと関連して説明した構造、すなわち、画素電極の長辺がゲート線121に平行である方向に形成される構造を有する。
本発明の実施形態に従って、図32に示す4個の画素PXは、異なる4つの基本色、すなわち、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、及び白色(W)で構成された赤色画素電極191R32、緑色画素電極191G32、青色画素電極191B32、及び白色画素電極191W32を有する。画素電極191R32、191G32、191B32、191W32の各々は、第1の副画素電極191Rh32、191Gh32、191Bh32、191Wh32と第2の副画素電極191Rl32、191Gl32、191Bl32、191Wl32とを含む。第1の副画素電極の各々は、4個のドメイン領域Dh1、Dh2、Dh3、Dh4を有し、第2の副画素電極の各々は、4個のドメイン領域Dl1、Dl2、Dl3、Dl4を有する。
赤色画素電極191R32、緑色画素電極191G32、及び白色画素電極191W32の第1の副画素電極は、同一の構造であり、青色画素電極191B32の第1の副画素電極は、他の色を有する画素電極の第1の副画素電極とは異なる。第1の副画素電極191Rh32、191Gh32、及び191Wh32のドメインに形成された微細ブランチ197の幅S及び微細スリット199の幅Wは、約5μm〜5.6μmの範囲内のいずれか1つの値であり得、各幅は、1つのドメインで異なるサイズを有することができる。
本発明の実施形態に従って、第1の副画素電極191Rh32、191Gh32、及び191Wh32のドメインに形成された微細ブランチ197の幅S及び微細スリット199の幅Wは、図面に示す矢印方向に徐々に大きくなることができる。第1の副画素電極191Bh32のドメインに形成された微細ブランチ197の幅S及び微細スリット199の幅Wは、約6μm〜6.8μmの範囲内のいずれか1つの値であり得、各幅は、異なるサイズを有することができる。本発明の実施形態に従って、第1の副画素電極191Bh32のドメインに形成された微細ブランチ197の幅S及び微細スリット199の幅Wは、図面に示す矢印方向に徐々に大きくなることができる。本発明の実施形態に従って、第1の副画素電極191Bh32のドメインに形成された微細ブランチ197の幅Sは、第1の副画素電極191Rh32、191Gh32、及び191Wh32のドメインに形成された微細ブランチ197の幅Sより大きい。第1の副画素電極191Bh32のドメインに形成された微細スリット199の幅Wは、第1の副画素電極191Rh32、191Gh32、及び191Wh32のドメインに形成された微細スリット199の幅Wより大きい。
赤色画素電極191R32、緑色画素電極191G32、及び白色画素電極191W32の第2の副画素電極は、同一の構造を有する。第2の副画素電極191Rl32、191Gl32、191Bl32、及び191Wl32のドメインに形成された微細ブランチ197の幅Sと微細スリット199の幅Wとは、約5μm〜6.8μmの範囲内のいずれか1つの値であり得、各幅は、1つのドメインで異なるサイズを有することができる。微細ブランチ197の幅S及び微細スリット199の幅Wは、図面に示す矢印方向に徐々に大きくなることができる。
以下、ジグザグ形状の微細ブランチ197の主方向、ジグザグ角、及びジグザグ単位の長さについて説明する。基本画素群内の画素電極191R32、191G32、191B32、191W32の第1の副画素電極191Rh32、191Gh32、191Bh32、191Wh32上に形成されたドメインDh1、Dh2、Dh3、Dh4において、ジグザグ単位の長さは、約14μmであり、微細ブランチ197の主方向角は、約40.8°又は約39.2°であり得、ジグザグ角は、約±7°であり得る。第2の副画素電極191Rl32、191Gl32、191Bl32、191Wl32に形成されたドメインDh1、Dh2、Dh3、Dh4において、ジグザグ単位の長さは、約10μmであり、微細ブランチ197の主方向角は、約42°又は約41.3°であり得、ジグザグ角は、約±5°であり得る。
このような画素電極で構成された基本画素群は、図28と関連して説明した効果を有するだけではなく、液晶表示装置の透過率を向上させることができる。第1の副画素電極191Rh32、191Gh32、191Bh32、191Wh32に形成された画素電極接点接続部は、図23Bと関連してなされた説明と同様である。第2の副画素電極191Rl32、191Gl32、191Bl32、191Wl32に形成された画素電極接点接続部は、ゲート線方向に伸張する画素電極接触部に接続されており、図23Aと関連してなされた説明と同様である。本発明の他の実施形態に従って、基本色は、赤色、緑色、青色、及び黄色を含み得る。
以下、図33A〜図33Iを参照して、画素電極の形状、画素電極の分割、ドメインの分割、及び基本画素群の構造について詳細に説明する。説明の便宜のために、図33A〜図33Iに示す画素電極の形状は、画素電極の外郭線又は画素電極の分割により表示されることができる。画素電極を構成する他の因子、例えば、画素電極接触部、微細ブランチ197、及び微細スリット199については、図33A乃至図33Iで説明する。したがって、図3、図5、図12、図14、図16、図17、図18、図20、図23、図24、図25、及び図28〜図32を参照して説明した構造及び方法は、図33A〜図33Iに示す画素電極に適用されることができる。
まず、図33A〜図33Fを参照して、画素電極の形状及び分割について詳細に説明する。図33A〜図33Fに示す単位画素電極は、第1の副画素電極191hと第2の副画素電極191lとを含む。副画素電極191h、191lの各々は、上述した方法によりデータ電圧の印加を受けることができ、第1の副画素電極191hは、第2の副画素電極191lより高い充電電圧を有することができる。図33Aを参照すると、第1の副画素電極191hは、4個のドメインを有し、第2の副画素電極191h及び191lは、8個のドメインを有する。すなわち、第1の副画素電極191hは、ドメインDha、Dhb、Dhc、及びDhdを有し、第2の副画素電極191lは、ドメインDla、Dlb、 Dlc、 Dld、Dle、Dlf、Dlg、Dlhを有する。このように形成された第2の副画素電極191lの構造は、液晶表示装置の視認性を向上させることができる。第2の副画素電極191lの面積は、第1の副画素電極191hの面積より大きいことができる。各ドメインは、上述した画素電極構造を有することができる。
図33B〜図33Fを参照すると、第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191lは、それぞれ4個のドメインを含む。すなわち、第1の副画素電極191hは、ドメインDha、Dhb、Dhc、及びDhdを有し、第2の副画素電極191lは、ドメインDla、Dlb、Dlc、及びDldを有する。
図33Bに示す第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191lの辺は、データ線171の方向に伸張する斜線(oblique line)であり得る。斜線は、偏光子の透過軸に実質的に平行であり得る。第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191lを構成するドメインは、平行四辺形の形状であり得る。このように形成された画素電極は、液晶表示装置の視認性及び透過率を向上させることができる。
図33C〜図33Fに示す第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191lは、斜線方向に形成された副画素電極の辺において互いに隣接する。斜線方向は、偏光子の透過軸に実質的に平行であり得る。このように形成された画素電極の構造は、液晶表示装置の視認性及び透過率を向上させることができる。
図33D〜図33Fに示す画素電極の構造において、第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191lの中のいずれか1つが他の1つを実質的に収容するように配置される。このように、副画素電極が他の副画素の辺に最大に広く隣接するか、または第1の副画素電極191h及び第2の副画素電極191lが均一に分布される場合に、液晶表示装置の視認性は向上することができる。図33Dに示す第1の副画素電極191hは、第2の副画素電極191lに隣接しつつ、2つに分離される。図33Eに示す第2の副画素電極191lは、第1の副画素電極191hを実質的に取り囲み、図33Fに示す第1の副画素電極191hは、第2の副画素電極191lを実質的に取り囲む。図33Fに示す第2の副画素電極191lは、菱形の形状であり、第2の副画素電極191lを構成するドメインは、三角形の形状を有する。
以下、図33G〜図33Iを参照して基本画素群PSの構造を詳細に説明する。図33G〜図33Iに示す基本画素群PSは、それぞれ異なる4個の基本色を有する4個の画素PXa、PXb、PXc、PXdを含む。4個の基本色は、赤色、緑色、青色、及び黄色又は白色を含み得る。画素PXaは、赤色を有し、画素PXbは、緑色を有し、画素PXcは、青色を有し、画素PXdは、黄色又は白色を有することができる。このように形成された基本画素群PSは、液晶表示装置の色再現性(color reproducibility)、透過率、及び視認性を向上させることができる。本発明の他の実施形態に従って、基本色は、上述したように、様々な色を含むことができる。
図33Gに示す画素PXa、PXb、PXc、及びPXdは、順次に赤色、緑色、青色、及び白色をそれぞれ有することにより液晶表示装置の透過率を向上させることができる。図33Hに示す画素PXa、PXb、PXc及びPXdの各々は、順次に赤色、緑色、青色及び黄色を有することにより、液晶表示装置の色再現性及び表示品質を著しく向上させることができる。また、液晶表示装置の色再現性及び表示品質を大幅に向上させるために、赤色、緑色、青色、及び黄色の各々に対応する画素の面積比率は、約1.4〜1.8:1.0〜1.3:1.4〜1.8:1、より望ましく、約1.6:1.1:1.6:1であり得る。図33Iに示す画素PXa、PXb、PXc、及びPXdを含む基本画素群PSは、図32と関連して説明したものと同様である。図33Iの画素の面積比は、実質的に同一であり得る。
以上、本発明を具体的な実施形態を参照して詳細に説明してきたが、本発明の範囲及び趣旨を逸脱することなく様々な変更が可能であるということは、当業者には明らかであり、本発明の範囲は、上述の実施形態に限定されるべきではなく、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものの範囲内で定められるべきである。