JPH0643463A - 液晶素子 - Google Patents

液晶素子

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JPH0643463A
JPH0643463A JP21661192A JP21661192A JPH0643463A JP H0643463 A JPH0643463 A JP H0643463A JP 21661192 A JP21661192 A JP 21661192A JP 21661192 A JP21661192 A JP 21661192A JP H0643463 A JPH0643463 A JP H0643463A
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organic silane
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JP21661192A
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Hiroshi Matsuda
宏 松田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 諧調制御に適した強誘電性液晶素子を提供す
る。 【構成】 液晶配向層51上に有機シラン化合物の吸着
層52を形成した後、マスク57を介して部分選択的に
エネルギー線53を照射し、被照射部54の有機シラン
化合物を除去或いは変質させることにより、その膜厚が
100Å以下の有機シラン化合物の堆積層を各画素内に
部分的に設けた強誘電性液晶素子。 【効果】 素子に印加するパルス信号のパルス幅または
波高値を変化して諧調駆動させた場合、良好な諧調特性
を示すと共に、各画素間での諧調特性のばらつきが小さ
い高品位な諧調表示素子となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表示パネルの為の液晶素
子(光学変調素子)に関し、特に少なくとも2つの安定
状態を有する液晶、即ち強誘電性液晶を用いた諧調制御
可能な液晶素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のアクティヴマトリクス駆動方式を
用いた液晶テレビジョンパネルでは、薄膜トランジスタ
(TFT)が画素毎にマトリクス配置されている。係る
TFTにゲートオンパルスを印加してソースとドレイン
間を導通状態とした上で、映像画像信号をソースから印
加してキャパシタにこれを蓄積し、係る蓄積された画像
信号に対応させて液晶(例えばツイステッド・ネマチッ
ク:TN液晶)を駆動させている。この際、映像画像信
号の電圧を変調することによって諧調表示が行なわれて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のTN液晶を用いたアクティヴマトリックス駆動方式
のテレビジョンパネルでは、使用するTFTが複雑な構
造を有しているために製造行程数が多く、製造コストが
高くなる上に、係るTFTを構成している薄膜半導体
(例えば、ポリシリコン、アモルファスシリコン)を広
い面積にわたって均一に被膜形成することが困難である
等の問題点がある。
【0004】一方、低い製造コストで製造出来るものと
してTN液晶を用いたパッシヴマトリクス駆動方式の表
示パネルが知られているが、この表示パネルでは走査線
数(N)が増大するに従って、1画面(1フレーム)を
走査する間に1つの選択点に有効な電界が印加されてい
る時間(デューティー比)が1/Nの割合で減少し、こ
のためクロストークが発生し、しかも高コントラストの
画像とならない等の欠点を有している上、前記デューテ
ィー比が低くなると、電圧変調によって各画素の諧調を
制御することが困難になる等の問題があり、特に高密度
配線数の表示パネルには適していない。
【0005】以上述べた従来技術の問題点に鑑み、本発
明の目的は広い面積にわたって高密度画素を有する表示
パネルを簡易に作成し、また駆動するに適した液晶素子
(光学変調素子)、特に諧調制御に適した液晶素子を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】上記の目的は、
以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、少
なくとも、相対向する第1の電極及び第2の電極と、各
電極上に形成した第1及び第2の液晶配向層と、該第1
の液晶配向層と第2の液晶配向層との間に配置した強誘
電性液晶とを有する画素を2次元状に配列した液晶素子
であり、前記強誘電性液晶を配向させる前記第1の液晶
配向層及び/又は第2の液晶配向層の表面に少なくとも
1種の有機シラン化合物をその最大膜厚が100Å以下
になるように、各画素内に部分的に或いは不均一な膜厚
で全面的に堆積させたことを特徴とする液晶素子であ
る。
【0007】本発明に用いられる強誘電性液晶は、少な
くとも2つの安定状態を有するものであり、その中でも
カイラルスメクチック液晶が好ましく、その内、カイラ
ルスメクチックC相(SmC* ),H相(SmH* ),
I相(SmI* ),F相(SmF* )やG相(SmG
* )の液晶が最適である。以下、係る強誘電性液晶につ
いて簡単に説明する。
【0008】強誘電性液晶については、R.B.Mey
erらの“Ferroelectric Liquid
Crystals”(Le Journal de
Physique Lettre誌,第36巻L−69
頁,1975年),N.A.Clark及びS.T.L
agerwallの“SubmicrosecondB
istable Electro−Optic Swi
tching inLiquid Crystals”
(Applied Physics Letters
誌,第36巻第11号899頁,1980年),福田敦
夫,竹添秀男共著“強誘電性液晶の構造と物性”(コロ
ナ社,1990年)等に記載されており、本発明ではこ
れらに開示された強誘電性液晶を用いることができる。
【0009】より具体的には、本発明に用いられる強誘
電性液晶化合物の例としては、デシルオキシベンジリデ
ン−p−アミノ−(2−メチル)−ブチルシンナメート
(DOBAMBC),ヘキシルオキシベンジリデン−p
−アミノ−(2−クロロ)−プロピルシンナメート(H
OBACPC)及び4−(2−メチル)−ブチル−o−
レゾルシリデン−4’−オクチルアニリン(MBRA
8)等が挙げられる。これらの材料を用いて液晶素子を
構成する場合、液晶化合物がSmC* ,SmH*,Sm
* ,SmF* ,SmG* となるような温度状態に保持
するため、必要に応じて素子をヒーターが埋め込まれた
銅ブロック等により保持することが出来る。
【0010】図1は強誘電性液晶セルの例を模式的に描
いたものである。図中、11と12はIn23 ,Sn
2 やITO(Indium Tin Oxide)等
の透明電極が形成された透明基板(ガラス基板)であ
り、その間に液晶分子層15がガラス基板面に垂直にな
るように配向させたSmC* 相の液晶が封入されてい
る。太線13が液晶分子を表しており、この液晶分子1
3は、その分子長軸に直交する方向に双極子モーメント
(P⊥)14を有している。基板11と12上の電極間
に一定の閾値以上の電圧を印加すると、液晶分子13の
螺旋構造がほどけ、双極子モーメント14は全て電界方
向に向くように液晶分子13の配向方向を変えることが
できる。液晶分子13は細長い形状を有しており、その
長軸方向と短軸方向で屈折率異方性を示し、従って例え
ばガラス基板面の上下に互いにクロスニコルの位置関係
に配置した偏光子を設ければ、電圧印加極性によって透
過光強度が変化する液晶光学変調素子となることは容易
に理解される。更に液晶セルの厚さを充分に薄くした場
合(例えば1μm)には、図2に示すように電界を印加
していない状態でも液晶分子の螺旋構造がほどけ(非螺
旋構造)、その双極子モーメント(P又はP’)は、上
向き21又は下向き22の何れかの配向状態をとる。こ
のような液晶セルに、一定の閾値以上の極性の異なる電
界EまたはE’を付与すると、双極子モーメントは電界
EまたはE’の電界ベクトルに対応して、上向き21又
は下向き22と向きを変え、それに応じて液晶分子は第
1の安定状態23(明状態)か或いは第2の安定状態2
4(暗状態)のいずれか一方に配向する。
【0011】このような強誘電性液晶を光学変調素子と
して用いることの利点は2つある。第1に応答速度が極
めて速いこと、第2に液晶分子の配向状態が双安定性を
有することである。第2の点を図2によって説明する
と、電界Eを印加すると液晶分子は第1の安定状態23
に配向するが、この状態は電界を切っても保持される。
また逆向きの電界E’を印加すると、液晶分子は第2の
安定状態24に配向し、やはり電界を切ってもその状態
が保持される。即ち、各安定状態はメモリー機能を有し
ている。以上述べた応答速度の速さと双安定性を有効に
実現するためには、液晶セルはできるだけ薄い方が好ま
しく、一般的には0.5〜20μm、特に1〜5μmが
適している。この種の強誘電性液晶を用いたマトリクス
電極構造を有する液晶−電気光学素子は、例えばN.
A.Clark及びS.T.Lagerwallによ
り、米国特許第4,367,924号明細書にて提案さ
れている。
【0012】次に本発明における液晶光学素子の詳細を
図3の素子断面図を用いて説明する。
【0013】31は一方の基板であり、透明であればど
のような材料を用いてもよいが、通常ガラス或いはプラ
スチックが用いられる。この基板31上に第1の電極3
2及び第1の液晶配向層33が積層される。第1の電極
32としては透明電極であれば何でもよく、その形成方
法も限定されるものではなく、例えばスパッタリング法
によって形成されたITO(厚さ300nm)等が用い
られる。
【0014】第1の液晶配向層33としては種々の有機
ポリマー材料、例えば、ポリパラフェニレン及びその誘
導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリビニルアルコ
ール、ポリアミド、ポリアミック酸、ポリイミド、ポリ
イミド−アミド等を用いることができる。またこれらを
適宜混合して用いても良い。これらの有機ポリマー材料
を第1の電極32上に形成する方法としては、ディップ
(浸漬)法、スピンコート法、ラングミュア・ブロジェ
ット(LB)法等の湿式法の他、蒸着法等を利用するこ
とができる。ポリイミド又はポリイミド−アミドを用い
る場合には、先ずその前駆体であるポリアミック酸膜を
形成した後、これを加熱焼成、若しくは化学処理して脱
水イミド環化することにより、所望のポリイミド膜又は
ポリイミド−アミド膜を得る。通常、液晶の一軸配向性
や基板面に対する液晶分子の分子軸の傾き(プレチルト
角)等を制御する配向規制力を該液晶配向層に持たせる
為に、上述の様にして形成した有機ポリマー膜の表面を
ラビング処理する。また本発明では、斜方蒸着したSi
O等の無機絶縁膜を第1の液晶配向層33として用いる
ことも可能である。
【0015】以上と全く同様にして他方の基板34上
に、第2の電極35と第2の液晶配向層36が作成され
る。図3には示していないが、第1の電極32及び第2
の電極35の表面平滑性を向上させて液晶配向への影響
を低減させたり、第1の液晶配向層33及び第2の液晶
配向層36の電気的或いは機械的耐久性を補うこと等を
目的として、上記第1の電極32及び第1の液晶配向層
33との間及び、第2の電極35及び第2の液晶配向層
36との間に、適当な厚さの絶縁層、例えば厚さ20n
mのTa25 、を挟持させてもよい。第1及び第2の
液晶配向層(33及び36)との間に強誘電性液晶37
が挟持され、その厚さ、即ち第1及び第2の液晶配向層
の間の間隔は、スペーサー38を用いて制御されてい
る。以上述べた構成に関して、本発明はなんら限定を加
えるものではなく、従来公知の様々な手法を利用するこ
とが出来る。
【0016】本発明においては、上記第1の液晶配向層
33及び/又は第2の液晶配向層36上に1種または複
数種の有機シラン化合物が各画素内に部分的に或いは不
均一な膜厚で全面に堆積される。この時の様子を模式的
に示したのが図4であり、図4(a)及び図4(b)は
堆積させた有機シラン化合物が1種の場合の一形態、図
4(c)及び図4(d)は有機シラン化合物が2種の場
合の一形態を示したものである。この時液晶分子の一軸
配向性は液晶配向層33及び36によってもたらされる
ので、有機シラン化合物の堆積層41及び42の厚さは
十分に薄いことが必要であり、具体的には100Å以下
であり、好ましくは単分子層になっていることが望まし
い。この様な構造を作り込むことによって、例えば後述
する電気パルス信号を用いた諧調制御を安定に行うこと
が可能となる。その機構は現在明確ではないが、諧調性
を出すためには、各画素内の強誘電性液晶の配向状態に
関して、適当な電圧を印加した時に明状態と暗状態から
なる2相共存状態を安定に保持せしめることが必要であ
る。本発明の液晶素子においては、液晶配向層表面が少
なくとも2種以上の組成で構成されており、このことが
安定な諧調性に寄与しているものと思われる。より具体
的には、画素43上の表面エネルギーに関して、微視的
に見れば、少なくとも2つの状態が各画素内に形成され
ている訳であり、この様な状態が、画素内において明状
態と暗状態を同時に作り出す為の核またはトリガーとな
っていると考えられる。例えば図4(a)又は図4
(b)では、液晶配向層33(又は36)が露出してい
る第1の表面エネルギーを有する領域44と、これとは
異なる表面エネルギーを有する有機シラン化合物の堆積
層41から成る、第2の表面エネルギーを有する領域4
5とが併在する。これら各領域の各々の表面エネルギー
は、少なくとも同一基板上の画素間においては相等し
い。勿論、各領域の各々の表面エネルギーは全画素(両
基板上の全画素)間で相等しくしてもよく、更には、図
4(c)のように第3の表面エネルギーを有する領域4
6が、各画素43内に存在しても良い。第1の表面エネ
ルギーを有する領域44と第2の表面エネルギーを有す
る領域45との表面エネルギーの差は、第2の表面エネ
ルギーを有する領域45の一つ当りの大きさや、各画素
43内における数や面積的に占める割合等に依存するの
で一概には言えないが、水との接触角で表すと、10〜
70°程度である。
【0017】以上の構成において、有機シラン化合物の
堆積層の厚さは100Å以下と非常に薄いので、下地の
液晶配向層(33又は36)によって規制される液晶分
子の一軸配向性を損なうことなく、電圧印加時の駆動特
性を変えることができる。尚、再現性の良い諧調性を液
晶素子全面(全画素)にわたり確保するために、有機シ
ラン化合物の堆積層41,42は画素43内中、均一に
分布していることが望まれる。
【0018】次に、液晶配向層表面に有機シラン化合物
の堆積層を形成する方法について述べる。本発明では、
下記一般式(1)
【0019】
【化2】 で示される有機シラン化合物が用いられる。ここで、R
2,R3,R4に関して、R2=R3=R4=Cl又は
R2=R3=R4=OCH3 又はR2=R3=R4=O
25 又はR2=Cl,R3=R4=OCH3 又はR
2=Cl,R3=R4=OC25 又はR2=Cl,R
3=R4=CH3 又はR2=R3=Cl,R4=OCH
3 又はR2=R3=Cl,R4=OC25 又はR2=
R3=Cl,R4=CH3 の内、いずれかの組み合せか
ら選ばれ、R1に関して、C65(フェニル基)又は
CH265 (ベンジル基)又はCn(2n+1)(n=
整数であり、かつ2≦n≦26)又は炭素数1以上26
以下のアルキル基もしくはアルコキシル基が置換された
フェニル基又はベンジル基の内、いずれかである。係る
有機シラン化合物を液晶配向層表面に部分的に吸着させ
たり、或は、部分的もしくは全面的に堆積させた後、こ
れにエネルギー線を照射し、部分選択的に除去或いは変
質することで、有機シラン化合物の堆積層を、液晶配向
層表面に形成することができる。係る領域の表面エネル
ギーの大きさは、前記一般式(1)で示される有機シラ
ン化合物の分子構造に依存するのは当然であるが、特に
R1部の構造に依存している。一般にR1部に適当な長
さのアルキル基、もしくはアルコキシル基が置換されて
いる時、表面エネルギーを小さくすることが可能であっ
て、水との接触角(θH2O )で表すと、概ね、80〜1
10°にできる。また、R1部にアルキル基又はアルコ
キシル基が置換されていないフェニル基が含まれると、
θH2O は50〜70°であり、R1部にアルキル基又は
アルコキシル基が含まれ、その末端がSH,OH,NH
2 ,NH(CH2m NH2 (m=整数であり、かつ1
≦m≦10),CO2 H,CO2 CH3 のいずれかであ
るか、或は、これらの置換基が、アルキル基又はアルコ
キシル基が置換されていない、フェニル基又はベンジル
基に置換されると、θH2O を40°以下にすることがで
きる。また、各置換基の水素原子の一部、又は全てを弗
素置換することにより、置換前と較べて、表面エネルギ
ーを低減することができる。また、R1部のアルキル基
又はアルコキシル基の炭素−炭素結合の一部が、不飽和
であると表面エネルギーが若干増加することがある。
【0020】この有機シラン化合物を液晶配向層上に部
分的に堆積させる手法としては、以下述べる4つの手法
がある。
【0021】第1の手法は、前記有機シラン化合物を液
晶配向層上に気相吸着するものであり、該有機シラン化
合物の蒸気に液晶配向層を暴露すれば良い。この時、暴
露する時間を適宜調節することで吸着量を制御すること
ができる。係る手法を用いた場合、例えば図4(a)ま
たは図4(b)において、有機シラン化合物の堆積層4
1を画素43上に均一に分散し、所望の位置に選択的に
これを作り込むことは困難であり、また、各領域の大き
さ(径)を任意の大きさに制御することも難しい。尚、
用いる有機シラン化合物は一種に限定される必要はな
く、必要に応じて2種類以上の有機シラン化合物を、同
時に或は、順次吸着させても良い。また、係る気相吸着
は液晶注入以前であれば、液晶素子を組み立てる前(上
下基板を貼りあわせる前)に行っても、組み立後に行っ
てもどちらでも構わない。
【0022】第2の手法は、有機シラン化合物の希薄溶
液、例えば、エタノール、メタノール、イソプロピルア
ルコール等の溶媒に濃度1%になるように溶解させたも
のに、液晶配向層表面を浸漬するなどして、前記有機シ
ラン化合物を液相吸着させるものである。この場合も、
前記第1の手法と同様に、浸漬時間を調整したり、有機
シラン化合物溶液の濃度を調節することにより、吸着量
を制御することが出来る。係る手法を用いた場合、前記
第1の手法と同じく、図4(a)又は図4(b)におい
て、有機シラン化合物の堆積層41を画素43上に均一
に分散し、所望の位置に選択的にこれを作り込むことは
困難であり、また、各領域の大きさ(径)を任意の大き
さに制御することも難しい。尚、用いる有機シラン化合
物は一種に限定される必要はなく、必要に応じて2種類
以上の有機シラン化合物を、同時に或は、順次吸着させ
ても良い。以上の第1或は第2の手法を用いる場合にお
いて、前記有機シラン化合物を液晶配向層表面に吸着せ
しめた後、これを一旦適当な溶媒、例えばエタノール,
メタノール,トルエン,クロロホルム,イソプロピルア
ルコール等で洗浄し、過剰に付着した吸着物を除去して
も良い。この場合、ソックスレー抽出器を用いて洗浄を
行うことが特に好ましいが、溶媒に浸漬するだけでも良
い。その後、通常120℃程度で加熱乾燥を行って、溶
媒を完全に除去する。以上の操作により、有機シラン化
合物の堆積層を単分子膜にすることができる。
【0023】第3の手法は図5に模式的に示すように、
前記第1或は第2の手法を用いて液晶配向層51表面に
有機シラン化合物の吸着層52を形成した後、部分選択
的に電子線、X線、紫外線、遠紫外線或はイオン線等の
エネルギー線53を照射し、被照射部54の有機シラン
化合物を除去(脱着)或は、変質させることにより、任
意の形状を有する有機シラン化合物の堆積層55を形成
するものである。図5では被照射部54の有機シラン化
合物が完全に除去されず、変質層56が残った場合を模
式的に示しているが、完全に脱着された場合には、下地
の液晶配向層51表面が露出していることはいうまでも
ない。この場合、予め形成しておく有機シラン化合物の
吸着層52は、液晶配向層表面上の画素全面を被覆する
ものであっても、部分的に被覆するものであってもどち
らでもよいが、最終的に得られる有機シラン化合物の堆
積層の形状をより高度に制御する為には、前者の方が好
ましい。係る第3の手法を用いれば、有機シラン化合物
の堆積層55の位置、形状等は、用いるマスク57の形
状を以って自由に制御することができる。またマスク5
7を用いなくとも、エネルギー線源のビーム径を調節し
た上で、画素43上、所望のパターンに従ってこれを走
査することによって、有機シラン化合物の堆積層55を
形成しても良い。いずれにせよ、本手法を用いれば有機
シラン化合物の堆積層55を、その位置及び形状に関し
て、極めて制御性よく作り込むことが可能である。上記
マスク57を用いて有機シラン化合物の堆積層55を作
成する場合、その大きさは0.1μm径以上、通常は1
μm径以上になる。一方、直接ビーム描画を行う場合に
は用いる線源にもよるが、0.1μm径以下の大きさに
することも可能である。更に、本手法によれば有機シラ
ン化合物の堆積層55の形状に関して、図5に一例とし
て示した、円状に抜けた物に限らず他の形状、例えば多
角形や、図6に示すストライプ状、図7に示すグリッド
状のもの等、任意のものを作成することが可能である。
また画素43内における位置や、数についても任意に制
御可能である。
【0024】第4の手法は、前記第3の手法によって、
有機シラン化合物の堆積層55を作成した後、水、水蒸
気又は第2の有機シラン化合物を被照射部54上に部分
選択的に吸着させるものである。例えば、最初に用いる
有機シラン化合物がフェニルトリクロロシラン(前記一
般式(1)において、R1=C65 ,R2=R3=R
4=Cl)とすると、遠紫外線等の照射により、被照射
部位のフェニル基が遊離し、この時、水が存在すると水
酸基に置換される。また第2の有機シラン化合物が存在
すると、係る第2の有機シラン化合物が前記被照射部分
に選択的に化学吸着される。上述の反応については、C
harles S.Dulceyらによる詳しい記述が
ある(Nature(London)誌第252巻4月
26日号551頁(1991年))。エネルギー線によ
る被照射部位へ作用させる水、水蒸気もしくは第2の有
機シラン化合物は、前記エネルギー線照射を行う時、同
時に作用させても、後に作用させてもよいが、できる限
り速やかに作用させる方が望ましい。また作用させる方
法としては、気相吸着、液相吸着いずれでも構わない
が、第2の有機シラン化合物を作用させる場合には、暴
露時間等にもよるが、被照射部以外の領域、即ち、第1
の有機シラン化合物の堆積層55上にも物理吸着してし
まう可能性があり、作用させた後に、第2の手法で説明
したように、有機溶媒を用いて、余剰の第2の有機シラ
ン化合物を溶解除去することが望ましい。また、第2の
有機シラン化合物は、前記一般式(1)中、R2,R
3,R4部の構造に関して、好ましくは、R2=Cl,
R3=R4=OCH3 又はR2=Cl,R3=R4=O
25 であり、より好ましくはR2=Cl,R3=R
4=CH3 である。これは、第2の有機シラン化合物の
ポリマー化(ポリシロキサン化)を防ぎ、係る分子を所
望の位置(エネルギー線被照射部)にのみ吸着させるた
めである。尚、係る手法を用いる場合、被照射部54に
変質層56が存在すれば、図8に示すような構造にな
り、そうでなく被照射部54の有機シラン化合物が完全
に脱着すれば、図4(d)の如き構造が得られる。
【0025】以上述べてきた4つの手法のいずれかを用
いることにより、画素内に、有機シラン化合物の堆積層
を部分的に或いは不均一な膜厚で全面的に作り込むこと
が可能となる。係る処理は液晶素子の相対向する第1及
び第2の液晶配向層(図3の33及び36)の両方に施
すことが原則であるが、いずれか一方にのみ、これを行
っても良い。
【0026】本発明においては、前記4つの手法のいず
れかにより液晶配向層表面上に有機シラン化合物の堆積
部を形成することにより、各画素内に点状,線状或いは
格子状等からなる領域と、それ以外の背景領域が形成さ
れるが、前記点状の径,線状の幅,格子を構成する線の
線幅は諧調制御を行う上では、1nm〜50μm程度で
あるのが好ましい。
【0027】また、上述の処理(液晶配向層上に有機シ
ラン化合物の堆積層を形成する処理)は、液晶配向層の
ラビング処理前に行っても、その後に行ってもどちらで
も構わないが、その後の液晶配向の再現性の観点から、
ラビング前に行う方が好ましい。尚、液晶配向層として
ポリイミド膜を用いる場合には、その前駆体であるポリ
アミック酸の状態で、上述の処理を行ってもよい。
【0028】次に、本発明の液晶素子を用いて諧調制御
を行う際に、図3に示したような素子の第1の電極32
と第2の電極35との間に印加される電圧パルスの代表
的例を、図9〜図11に示す。印加パルス幅(図9参
照)、印加パルス数(図10参照)、又は印加パルス電
圧値(図11参照)を選択することにより、諧調制御を
得ることが出来る。即ち、図9〜図11の(a)〜
(d)のパルス印加に対応して、画素内の液晶は図12
に模式的に示す様に部分的に反転する。例えば図9
(a)又は図10(a)に示す電圧パルスを2つの電極
32,35の間に印加すると、画素43内の有機シラン
化合物の堆積層かそれ以外の領域の何れかの一部を中心
として、係る領域上、或は、その近接部の液晶が反転を
開始し、反転核121を形成すると共に、その反転核が
拡がり、反転領域122を形成し始める。ここで電圧印
加を中止すれば、強誘電性液晶は双安定性を有するの
で、このままの状態が保持(メモリ)される。次に図9
又は図10の(b)〜(d)に示す電圧パルスを印加す
ると、上記反転領域122が拡がり、その状態はメモリ
される(図12の(b)〜(d)に対応)。尚、この過
程において図には示していないが、新たな反転核が発生
することもある。また、図11に示す印加電圧値(波高
値)を変える方法によれば、図11(a)に示すパルス
により、前記反転核121の形成が行なわれ、図11
(b)〜(d)に示す様に、順次印加電圧値を大きくす
ると、強誘電性液晶の応答性が良くなるため、反転領域
122が大きくなる。この場合、パルス印加時間が長す
ぎると、画素全面で強誘電性液晶が反転してしまうの
で、パルス幅は適当に調節する。
【0029】
【実施例】以下本発明の実施例について述べる。
【0030】実施例1 ガラス基板上に透明電極としてITOを反応性スパッタ
により厚さ120nmに形成した後、液晶配向層として
SiOを斜法蒸着法により厚さ20nm(カラム長30
nm)に形成した。この時、画素は2次元状に50×5
0個配置され、各画素の大きさは200μm角であっ
た。係る液晶配向層付き基板2枚を、ヘプタデカフルオ
ロ−1H,1H,2H,2H−デシル−トリクロロシラ
ンのトルエン溶液(濃度1mg/ml)に2分間浸漬し
た後、該基板を清浄なトルエンを用いて洗浄し、引き続
き120℃で10分間加熱乾燥した。次に、平均粒径
1.5μmのアルミナビーズを一方の基板上に散布した
後、SiOのカラム方向(蒸着方向)が互いに平行にな
るように2枚の基板を重ねあわせて液晶セルを作成し
た。
【0031】このセル内にチツソ(株)社製の強誘電性
スメクチック液晶であるCS−1014(商品名)を主
成分とするブレンド液晶を等方相下で真空注入してか
ら、0.5℃/hの速度で30℃まで除冷し、図3に示
すような構造を有する本発明の液晶素子を作成した。係
る素子に対して、図11に示した印加パルス電圧値制御
法(印加パルス幅=500μsec)により駆動したと
ころ、図13に示す様に、印加電圧値によって該液晶素
子の透過率、即ち諧調を制御出来ることが確かめられ
た。図13の関係は、各画素間で極めてよい一致(透過
率のばらつき10%以内)を示した。
【0032】尚、SiO2 基板に対して、同様にしてヘ
プタデカフルオロ−1H,1H,2H,2H−デシル−
トリクロロシランのトルエン溶液(濃度1mg/ml)
に2,5及び10分間浸漬した後、該基板を清浄なトル
エンを用いて洗浄し、引き続き120℃で10分間加熱
乾燥して形成した吸着層の厚さをエリプソメーターを用
いて測定したところ、10分間浸漬したものでは、全面
に渡って均一に14Åであった。一方、浸漬時間がこれ
以下(2及び5分)の場合、最大膜厚は14Åであった
が、膜厚は一定せず、一様な膜が形成されているとは考
えられなかった。このことから、液晶配向層上において
も吸着層は部分的に堆積しているものと考えられる。
【0033】比較例1 SiOによる液晶配向層付きガラス基板を、ヘプタデカ
フルオロ−1H,1H,2H,2H−デシル−トリクロ
ロシランのトルエン溶液に浸漬するのを省略した以外
は、実施例1と全く同様にして作成した液晶素子を、実
施例1と全く同様の信号パルスを用いて駆動したとこ
ろ、各画素において諧調制御可能ではあったが、一定の
印加パルスを各画素間に加えた際の透過率に関して、画
素間で大きなばらつき(最大15%)が認められた。
【0034】実施例2 液晶配向層上の各画素内に、有機シラン化合物からなる
堆積層を形成するのに、以下に述べる方法を用いた他
は、実施例1と全く同様にして液晶素子を作成した。
【0035】SiOからなる液晶配向層付きの基板2枚
を、トリデカフルオロ−1H,1H,2H,2H−オク
チル−トリメトキシシランの飽和蒸気で満たした密閉容
器に1時間放置し、表面エネルギーの互いに異なる領域
を画素内に作り込んだ。
【0036】係る基板を用いて液晶セルを組み立て、実
施例1と同様にして液晶を注入して作成した液晶素子を
実施例1と全く同様の信号パルスを用いて駆動したとこ
ろ、画素間でのばらつきの少ない(透過率のばらつき1
0%以内)、再現性のよい諧調制御が可能であった。
【0037】尚、実施例1と同じく、SiO2 基板に対
して上記トリデカフルオロ−1H,1H,2H,2H−
オクチル−トリメトキシシランの飽和蒸気で満たした密
閉容器に1及び5時間放置して形成した吸着層の厚さを
エリプソメーターを用いて測定したところ、5時間浸漬
したものでは、全面に渡って均一に17Åであった。一
方、浸漬時間がこれ以下(1時間)の場合、最大膜厚は
17Åであったが、膜厚は一定せず、一様な膜が形成さ
れているとは考えられなかった。このことから、液晶配
向層上においても吸着層は部分的に堆積しているものと
考えられる。
【0038】実施例3 液晶配向層上の各画素内に、有機シラン化合物からなる
堆積層を部分的に形成するのに、以下に述べる方法を用
いた他は、実施例2と全く同様にして液晶素子を作成し
た。
【0039】SiOからなる液晶配向層付きの基板2枚
を用いて液晶セルを組み立てた後、空セル(液晶非注
入)の状態で、トリデカフルオロ−1H,1H,2H,
2H−オクチル−トリメトキシシランの飽和蒸気で満た
した密閉容器に1時間放置し、表面エネルギーの互いに
異なる領域を画素内に作り込んだ。
【0040】係る液晶セルに、実施例1と同様にして液
晶を注入して作成した液晶素子を、実施例1と全く同様
の信号パルスを用いて駆動したところ、画素間でのばら
つきの少ない(透過率のばらつき10%以内)、再現性
のよい諧調制御が可能であった。
【0041】実施例4 液晶配向層上の各画素内に、有機シラン化合物からなる
堆積層を部分的に形成するのに、以下に述べる方法を用
いた他は、実施例1と全く同様にして液晶素子を作成し
た。
【0042】液晶配向層付きの基板2枚を、p−オクタ
デシルオキシ−フェニル−トリクロロシランのクロロホ
ルム溶液(濃度3mg/ml)に10分間浸漬した後、
清浄なクロロホルム溶液を用いてこれを洗浄し、つい
で、120℃で10分間加熱乾燥した。係る基板表面に
マスクを介してAr−Fエキシマレーザ(波長193n
m)を照射した。この時、被照射部の形状は、各画素
(200μm角)内に、20μm径のスポットを16個
(縦横各40μmピッチ)並べたものとした。
【0043】次に、係る基板を純水中に約1分間浸漬
し、さらに120℃で10分間加熱乾燥して、液晶配向
層上の各画素内に、有機シラン化合物からなる堆積層を
部分的に作り込んだ。
【0044】係る基板を用いて液晶セルを組み立て、実
施例1と同様にして液晶を注入して作成した液晶素子を
実施例1と全く同様の信号パルスを用いて駆動したとこ
ろ、画素間でのばらつきの少ない、再現性のよい諧調制
御(透過率のばらつき6%以内)が可能であった。
【0045】実施例5 液晶配向層上の各画素内に、有機シラン化合物からなる
堆積層を部分的に形成するのに、以下に述べる方法を用
いた他は、実施例1と全く同様にして液晶素子を作成し
た。
【0046】実施例3と同様にして、液晶配向層付きの
基板2枚を、p−オクタデシルオキシ−フェニル−トリ
クロロシランのクロロホルム溶液(濃度2mg/ml)
に10分間浸漬した後、清浄なクロロホルム溶液を用い
てこれを洗浄し、ついで、120℃で10分間加熱乾燥
した。係る吸着層の厚さは7Åで均一であった(SiO
2 上、エリプソメーターによる結果)。係る基板表面に
マスクを介してAr−Fエキシマレーザ(波長193n
m)を照射した。この時の被照射部の形状は、各画素
(200μm角)内に、20μm径のスポットを16個
(縦横各40μmピッチ)並べたものとした。
【0047】次に係る基板を、(3−アミノプロピル)
−1,1−ジメチルクロロシランのトルエン溶液(濃度
1mg/ml)中に3分間浸漬し、清浄なトルエンで洗
浄後、120℃で10分間加熱乾燥して、液晶配向層上
の各画素内に、2種の有機シラン化合物からなる堆積層
を各々部分的に作り込んだ。
【0048】係る基板を用いて液晶セルを組み立て、実
施例1と同様にして液晶を注入して作成した液晶素子を
実施例1と全く同様の信号パルスを用いて駆動したとこ
ろ、画素間でのばらつきの少ない、再現性のよい諧調制
御(透過率のばらつき6%以内)が可能であった。
【0049】実施例6 液晶配向層として、SiO斜方蒸着膜の代わりに以下に
述べるポリイミド・ラビング膜を用いた他は、実施例2
と全く同様にして液晶素子を作成した。
【0050】ITOによる透明電極付きの基板上に、厚
さ50nmのTa25 膜を絶縁層としてスパッタ法に
より形成した後、係る絶縁層上に、式(2)に示すポリ
アミック酸をスピンコート法により、厚さ20nmにな
るように堆積させた。
【0051】
【化3】 係る基板を、トリデカフルオロ−1H,1H,2H,2
H−オクチル−トリクロロシランの飽和蒸気で満たした
密閉容器に3時間放置し、前記有機シラン化合物からな
る堆積層を画素内に作り込んだ。
【0052】その後、300℃,60分の条件で係る基
板を加熱焼成し、前記ポリアミック酸を脱水イミド環化
せしめた。次に液晶配向層表面をラビング処理(押し込
み量0.4mm,1000rpm,速度12mm/se
c)した。以上の様にして作成した基板2枚を用いて、
実施例1に類似した液晶素子を作成した。尚、2つの液
晶配向層のラビング方向が反平行になるように組み合わ
せた。
【0053】係る基板を用いて液晶セルを組み立て、実
施例1と同様にして液晶を注入して作成した液晶素子を
実施例1と全く同様の信号パルスを用いて駆動したとこ
ろ、画素間でのばらつきの少ない(透過率のばらつき1
0%以内)、再現性のよい諧調制御が可能であった。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高密度画素の表示パネル又は光シャッタアレイに適した
光学変調素子を提供することができ、更には、係る素子
に印加するパルス信号のパルス幅または波高値を変化さ
せることにより、諧調制御可能な強誘電性液晶表示素子
を提供することができる。またその際問題となる、各画
素間での諧調特性のばらつきを一定ならしめることが極
めて容易であるため、高品位な諧調表示素子を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いた強誘電性液晶の特性を説明する
図である。
【図2】本発明で用いた強誘電性液晶の特性を説明する
図である。
【図3】本発明の液晶素子を模式的に表した断面図であ
る。
【図4】本発明の液晶素子の画素の一例を示す平面図及
び断面図である。
【図5】本発明の液晶素子において、画素内の液晶配向
層上に有機シラン化合物の堆積層を部分選択的に作成す
る方法の一例を示す図である。
【図6】本発明の液晶素子において、画素内の液晶配向
層上の有機シラン化合物の堆積パターンの一例を示す平
面図である。
【図7】本発明の液晶素子において、画素内の液晶配向
層上の有機シラン化合物の堆積パターンの一例を示す平
面図である。
【図8】本発明の液晶素子の画素の一例を示す平面図及
び断面図である。
【図9】本発明の液晶素子に印加したパルス信号の具体
例を表す波形を示す図である。
【図10】本発明の液晶素子に印加したパルス信号の具
体例を表す波形を示す図である。
【図11】本発明の液晶素子に印加したパルス信号の具
体例を表す波形を示す図である。
【図12】画素の反転状態を模式的に表した説明図であ
る。
【図13】本発明の液晶素子の印加電圧値と透過率との
関係を示す一実施例である。
【符号の説明】
11 透明基板 12 透明基板 13 液晶分子 14 双極子モーメント 15 液晶分子層 21 上向きの双極子モーメント 22 下向きの双極子モーメント 23 液晶分子(第1の安定状態) 24 液晶分子(第2の安定状態) 31 基板 32 第1の電極 33 第1の液晶配向層 34 基板 35 第2の電極 36 第2の液晶配向層 37 強誘電性液晶 38 スペーサー 41 第1の有機シラン化合物からなる堆積層 42 第2の有機シラン化合物からなる堆積層 43 画素 44 第1の表面エネルギーを有する領域 45 第2の表面エネルギーを有する領域 51 液晶配向層 52 有機シラン化合物吸着層 53 エネルギー線 54 被照射部(表面エネルギー改変部) 55 有機シラン化合物堆積層 56 変質層 57 マスク 121 反転核 122 反転領域

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、相対向する第1の電極及び
    第2の電極と、各電極上に形成した第1及び第2の液晶
    配向層と、該第1の液晶配向層と第2の液晶配向層との
    間に配置した強誘電性液晶とを有する画素を2次元状に
    配列した液晶素子において、前記第1の液晶配向層及び
    /又は第2の液晶配向層の表面に少なくとも1種の有機
    シラン化合物をその最大膜厚が100Å以下となるよう
    に、各画素内に部分的に或いは不均一な膜厚で全面的に
    堆積させたことを特徴とする液晶素子。
  2. 【請求項2】 前記有機シラン化合物を前記液晶配向層
    表面に気相吸着により堆積させたことを特徴とする請求
    項1記載の液晶素子。
  3. 【請求項3】 前記有機シラン化合物を前記液晶配向層
    表面に液相吸着により堆積させたことを特徴とする請求
    項1記載の液晶素子。
  4. 【請求項4】 前記有機シラン化合物の堆積層が単分子
    膜であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載
    の液晶素子。
  5. 【請求項5】 前記有機シラン化合物を前記液晶配向層
    表面に気相もしくは液相吸着せしめた後に、該液晶配向
    層表面を溶媒で洗浄し過剰に堆積している有機シラン化
    合物を溶解除去せしめ、該吸着層を単分子層としたこと
    を特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の液晶素子。
  6. 【請求項6】 前記有機シラン化合物の堆積層に部分選
    択的にエネルギー線を照射し、被照射部の有機シラン化
    合物を除去或いは変質させたことを特徴とする請求項1
    〜5いずれかに記載の液晶素子。
  7. 【請求項7】 前記有機シラン化合物の堆積層に部分選
    択的にエネルギー線を照射し、被照射部の有機シラン化
    合物を除去或いは変質させると同時に、或いはその後
    に、水、水蒸気又は第2の有機シラン化合物を前記液晶
    配向層表面に接触させることにより、これらの接触物質
    を前記被照射部位に選択的に反応或いは吸着せしめたこ
    とを特徴とする請求項6記載の液晶素子。
  8. 【請求項8】 前記液晶配向層表面上に形成された有機
    シラン化合物の堆積部により、各画素内に、少なくとも
    1個の点状の領域と、それ以外の背景領域が形成されて
    いることを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載の液
    晶素子。
  9. 【請求項9】 前記点状の領域の径が1nm〜50μm
    であることを特徴とする請求項8記載の液晶素子。
  10. 【請求項10】 前記液晶配向層表面上に形成された有
    機シラン化合物の堆積部により、各画素内に少なくとも
    1個の線状領域と、それ以外の背景領域が形成されてい
    ることを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載の液晶
    素子。
  11. 【請求項11】 前記線状の領域の線幅が1nm〜50
    μmであることを特徴とする請求項10記載の液晶素
    子。
  12. 【請求項12】 前記液晶配向層表面上に形成された有
    機シラン化合物の堆積部により、各画素内に格子状の領
    域とそれ以外の背景領域が形成されていることを特徴と
    する請求項1〜7いずれかに記載の液晶素子。
  13. 【請求項13】 前記格子状の領域の格子を構成する線
    の線幅が1nm〜50μmであることを特徴とする請求
    項12記載の液晶素子。
  14. 【請求項14】 前記有機シラン化合物が下記一般式
    (1)、 【化1】 で示され、R2,R3,R4に関して、R2=R3=R
    4=Cl又はR2=R3=R4=OCH3 又はR2=R
    3=R4=OC25 又はR2=Cl,R3=R4=O
    CH3 又はR2=Cl,R3=R4=OC25 又はR
    2=Cl,R3=R4=CH3 又はR2=R3=Cl,
    R4=OCH3 又はR2=R3=Cl,R4=OC2
    5 又はR2=R3=Cl,R4=CH3 の内、いずれか
    の組み合せから選ばれ、R1に関して、C65 (フェ
    ニル基)又はCH265 (ベンジル基)又はCn
    (2n+1)(n=整数であり、かつ2≦n≦26)又は炭素
    数1以上26以下のアルキル基もしくはアルコキシル基
    が置換されたフェニル基又はベンジル基の内、いずれか
    であることを特徴とする請求項1〜13いずれかに記載
    の液晶素子。
  15. 【請求項15】 前記一般式(1)で示される有機シラ
    ン化合物の水素原子の一部又は全てが弗素置換されてい
    ることを特徴とする請求項14記載の液晶素子。
  16. 【請求項16】 前記一般式(1)で示される有機シラ
    ン化合物のR1部のアルキル基又はアルコキシル基の炭
    素−炭素結合の一部が、不飽和であることを特徴とする
    請求項14記載の液晶素子。
  17. 【請求項17】 前記一般式(1)で示される有機シラ
    ン化合物のR1の末端が、SH基,OH基,NH2 基,
    NH(CH2m NH2 基(m=整数であり、かつ1≦
    m≦10),CO2 H基,CO2 CH3 基の内いずれか
    で置換されていることを特徴とする請求項14記載の液
    晶素子。
  18. 【請求項18】 前記液晶配向層の材料がSiOもしく
    は有機ポリマーであることを特徴とする請求項1〜17
    いずれかに記載の液晶素子。
  19. 【請求項19】 前記有機ポリマーがポリイミドである
    ことを特徴とする請求項18記載の液晶素子。
  20. 【請求項20】 請求項19記載の液晶素子において、
    前記ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸層を前記
    電極上に形成した後、前記有機シラン化合物を係るポリ
    アミック酸層表面上に堆積させ、次にこれを加熱、焼成
    することにより、有機シラン化合物を含むポリイミド膜
    を形成したことを特徴とする請求項19記載の液晶素
    子。
  21. 【請求項21】 前記液晶配向層に前記有機シラン化合
    物を堆積せしめた後に、係る液晶配向層表面をラビング
    処理したことを特徴とする請求項1〜20いずれかに記
    載の液晶素子。
  22. 【請求項22】 前記強誘電性液晶がカイラルスメクチ
    ック液晶である請求項1〜21いずれかに記載の液晶素
    子。
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