JP2010020093A - 液晶装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の液晶装置の製造方法は、対向する一対の基板間に挟持された液晶層を備え、少なくとも一方の前記基板と前記液晶層との間に配向膜が設けられた液晶装置の製造方法である。一方の基板に無機配向膜15を形成する工程と、無機配向膜15の表面を1未満の所定の被覆率でランダムに覆う第1有機膜を第1シランカップリング剤により形成する第1被覆工程と、第1被覆工程の後に、表面において第1有機膜に覆われていない部分を覆う第2有機膜を第1シランカップリング剤と炭素数が異なる第2シランカップリング剤により形成する第2被覆工程と、を有する。第1有機膜と第2有機膜と無機配向膜からなる配向膜13を形成する。
【選択図】図2
Description
特許文献1のように、無機配向膜にシランカップリング剤による表面処理を行うと、撥水性以外にも耐光性や配向性等の特性も変化する。このような特性変化は、主として無機配向膜の表面に結合するアルキル基の炭素数に依存しており、シランカップリング剤の種類を決定すると配向膜の特性が規定されてしまう。したがって、所望の特性を得るためには適切なシランカップリング剤を選択する必要があり、選択するための調査や試験に多大な労力を要してしまう。また、炭素数は自然数であるので配向膜の特性を連続的に変化させることは困難であり、特性を細かく制御することができないという不都合もある。
このようにすれば、有機膜の一部を除去して被覆率を制御する場合よりも除去処理を省くことができ、工数が減ることにより生産性が高くなる。
このようにすれば、紫外線を照射することにより、第1シランカップリング剤の有機基と無機配向膜側との結合が切れて有機膜が除去される。また、照射強度及び紫外線の照射時間のうちの少なくとも一方を制御すれば、除去量を高精度に制御することができ、所定の被覆率の第1有機膜を形成することができる。
このようにすれば、オゾン雰囲気に曝露されることにより第1シランカップリング剤の有機基と無機配向膜側との結合が切れて、有機膜が除去される。また、オゾン雰囲気のガス濃度及びオゾン雰囲気に曝露する時間のうちの少なくとも一方を制御すれば、除去量を高精度に制御することができ、所定の被覆率の第1有機膜を形成することができる。
このようにすれば、プラズマ雰囲気に曝露されることにより第1シランカップリング剤の有機基と無機配向膜側との結合が切れて、有機膜が除去される。また、プラズマ雰囲気のプラズマ密度及びプラズマ雰囲気に曝露する時間のうちの少なくとも一方を制御すれば、除去量を高精度に制御することができ、所定の被覆率の第1有機膜を形成することができる。
液相法で反応させることにより、気相法で反応させる場合よりもシンプルな構成の処理装置によって第1シランカップリング剤を反応させることができ、イニシャルコストを下げることができる。また、気相法で反応させる場合よりも生産性を高めることもできる。また、第1シランカップリング剤が高沸点であり常温で液体である場合に、気相法で反応させる場合に比べて気化させることなくこれを良好に反応させることができる。このように、高沸点の第1シランカップリング剤を選択した場合にも前記した本発明の効果を得ることができ、第1シランカップリング剤の選択自由度が高くなる。
このようにすれば、第1シランカップリング剤が低沸点であり常温で気体である場合に、液相法で反応させる場合に比べて液化させることや溶液にすることなくこれを良好に反応させることができる。このように、低沸点の第1シランカップリング剤を選択した場合にも前記した本発明の効果を得ることができ、第1シランカップリング剤の選択自由度が高くなる。
第1配向膜13及び第2配向膜22は、液晶層30の液晶分子の配向を制御するものであり、詳細については後述する。
しかしながら、本例の第1配向膜13は、各々の第1アルキル基161aと第2アルキル基162aとの比率が制御されることにより特性が高精度に制御されており、所望の特性になっている。
このように、液晶装置1にあっては、デバイスの用途に応じて第1配向膜13及び第2配向膜22の特性が高精度に制御されていることにより、高性能なデバイスを構成可能な良好な液晶装置になっている。
図2(a)〜(d)は、本実施形態の液晶装置の製造方法を模式的に示す工程図である。まず、図2(a)に示すように、透明基板10A上に素子形成層11、画素電極12をこの順に形成した後、画素電極12上に無機配向膜15を形成し、次いで無機配向膜15の表面を洗浄処理する。素子形成層11、画素電極12については、公知の形成材料や形成方法を用いて形成すればよい。無機配向膜15については、例えば斜方スパッタリング法や斜方蒸着法等によりシリコン酸化物を成膜することにより形成すればよい。
R1YX1 aR2 (3−a)…(1)
例えばシリル基を含むものとしては、シラノール基(−Si(OH)3)、トリクロロシリル基(−SiCl3)、トリエトキシシリル基(−Si(OCH2CH3)3)、トリメトキシシリル基(−Si(OCH3)3)等を挙げることができる。
第1、2シランカップリング剤の具体例としては、本願の出願人による特開2006−35066号公報の段落0023に記載されているものが挙げられる。
そして、第1配向膜13、第2配向膜22が内側になるように、素子基板10と対向基板20とを貼り合わせるとともに、素子基板10と対向基板20との間に液晶層30を封止すること等により、図1に示した液晶装置1が得られる。
Claims (8)
- 対向する一対の基板間に挟持された液晶層を備え、少なくとも一方の前記基板と前記液晶層との間に配向膜が設けられた液晶装置の製造方法であって、
前記一方の基板に無機配向膜を形成する工程と、
前記無機配向膜の表面を1未満の所定の被覆率でランダムに覆う第1有機膜を第1シランカップリング剤により形成する第1被覆工程と、
前記第1被覆工程の後に、前記表面において前記第1有機膜に覆われていない部分を覆う第2有機膜を前記第1シランカップリング剤と炭素数が異なる第2シランカップリング剤により形成する第2被覆工程と、を有し、
前記第1有機膜と前記第2有機膜と前記無機配向膜からなる配向膜を形成することを特徴とする液晶装置の製造方法。 - 前記第1被覆工程は、前記表面に前記第1シランカップリング剤を反応させる表面処理と、前記表面処理により形成された有機膜の一部を除去することにより前記第1有機膜を形成する除去処理と、を含み、
前記除去処理の処理条件を制御することにより前記有機膜の除去量を制御して、前記有機膜を前記所定の被覆率にすることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置の製造方法。 - 前記第1被覆工程では、前記無機配向膜の表面に前記第1シランカップリング剤を反応させる反応条件を制御することにより、前記第1有機膜を前記所定の被覆率にすることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置の製造方法。
- 前記除去処理では、前記有機膜に紫外線を照射することにより該有機膜の一部を除去し、前記紫外線の照射強度及び前記紫外線の照射時間のうちの少なくとも一方を制御することにより、前記除去量を制御することを特徴とする請求項2に記載の液晶装置の製造方法。
- 前記除去処理では、前記有機膜をオゾン雰囲気に曝露することにより該有機膜の一部を除去し、前記オゾン雰囲気のガス濃度及び前記オゾン雰囲気に曝露する時間のうちの少なくとも一方を制御することにより、前記除去量を制御することを特徴とする請求項2に記載の液晶装置の製造方法。
- 前記除去処理では、前記有機膜をプラズマ雰囲気に曝露することにより該有機膜の一部を除去し、前記プラズマ雰囲気のプラズマ密度及び前記プラズマ雰囲気に曝露する時間のうちの少なくとも一方を制御することにより、前記除去量を制御することを特徴とする請求項2に記載の液晶装置の製造方法。
- 前記第1被覆工程では、前記表面に前記第1シランカップリング剤を液相法で反応させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の液晶装置の製造方法。
- 前記第1被覆工程では、前記表面に前記第1シランカップリング剤を気相法で反応させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の液晶装置の製造方法。
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