JP4625676B2 - 荷重変換器 - Google Patents

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この発明は、荷重変換器に関し、特に、バッチャープラント用タンクやトラックスケールなどに複数配置され、操作キーや表示手段を有しない荷重変換器であって、一種の計量監視用センサーとして用いられる荷重変換器に関するものである。
従来、例えば、コンクリートのバッチャープラントでは、コンクリートの構成材料を複数のタンクに収容して、配合比に応じて、必要量の構成材料をタンクから落下させている。
各タンクには、対称位置に複数の荷重変換器が配置され、落下供給した材料は、荷重変換器の集計量として求められ、この計量値は、離れた場所に設けられる監視室で確認しながら、タンクの開閉を遠隔制御している。
このような用途に用いられる荷重変換器は、例えば、特許文献1に開示されているが、従来の荷重変換器には、以下に説明する技術的な課題があった。
特開2002−202183号公報
すなわち、従来の荷重変換器では、単に、荷重受台とロードセルとケーブル接続端子とで構成されており、外乱に対する誤差は、例えば、500kgの基準分銅を、ロードセル台に搭載して、監視室で校正作業を行っていた。
しかしながら、このような分銅を用いる校正作業は、基準分銅が重く、これを搭載する作業は、危険な高所が多く、しかも、荷重変換器を設置している複数箇所で、定期的に行うことになるので、その改善が要請されていた。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、設置位置での分銅による校正作業を省略することができる荷重変換器を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、固定側に取付けられる下側固定部と、測定対象物側に配置される上側固定部と、前記上側固定部と下側固定部との間に介装されるロードセルユニットとを備え、前記ロードセルユニットは、前記測定対象物の重量が垂直方向から印加される起歪体を有し、前記起歪体に印加された荷重を電気信号に変換して出力する荷重変換器において、前記起歪体に嵌着固定されるケースに設けられ、前記ロードセルユニットの取付状態における水平の視認確認を可能にする水準器と、前記荷重変換器の設置位置における重力誤差を補正する重力加速度補正部とを備えた荷重変換器であって、前記水準器は、前記ケースの外側面に固定された角型取り付けブラケットの角部または上面側に設置され、前記重力加速度補正部は、前記ロードセルユニットのブリッジ回路の入力側または出力側に介装された可変抵抗器と、前記可変抵抗器の抵抗値設定用つまみとを備え、前記抵抗値設定用つまみを前記取り付けブラケットの側面側に設置するようにした
この種の荷重変換器の外乱要因は、ロードセルユニットが水平に設置されているか否か、すなわち、起歪体に荷重が垂直方向から正確に加えられているか否か、および、同ユニットの設置場所での重力荷重の大きさの変動であるが、本発明にかかる荷重変換器によれば、下側固定部またはロードセルユニットのいずれか一方に設けられ、当該ロードセルユニットの取付状態における水平の視認確認を可能にする水準器と、荷重変換器の設置位置における重力誤差を補正する重力加速度補正部を備えていて、水準器によりロードセルユニットの水平を確認し、重力加速度補正部で重力誤差を補正することができるので、重量が重い基準分銅を高所作業で搭載することなく、校正することができる。
本発明にかかる荷重変換器によれば、重量が重い基準分銅を危険な高所作業により搭載することなく、校正することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1から図3は、本発明にかかる荷重変換器の実施例1を示している。これらの図に示した荷重変換器10は、下側固定部12と、上側固定部14と、ロードセルユニット16とを備えている。
下側固定部12は、固定側の基台18に固定設置されるものであって、基台にボルトにより固定される平板状の下側固定板20と、この下側固定板20の上面に固定される下側耐圧板22とを備え、下側耐圧板22の上面には、後述する起歪体34の下部が挿入される凹部23が設けられている。
上側固定部14は、測定対象物24側に配置されるものであって、測定対象物24にボルトナットにより固定される上側固定板26と、この上側固定板26の下面に固定される上側耐圧板28とを備え、上側耐圧板28の下面には、上記起歪体34の上部が挿入される凹部30が設けられている。
ロードセルユニット16は、上側固定部14と下側固定部12との間に介装されるものであって、ケース32と、起歪体34と、基板36と、水準器取り付けブラケット38とを備えている。
ケース32は、起歪体34の上下端部が上下方向に突出するように、起歪体34に嵌着固定され、一端外側面に水準器取り付けブラケット38が突設固定されている。起歪体34の長手軸は、水準器取り付けブラケット38の水平軸と直交するように設けられている。
起歪体34は、側面に複数の歪みゲージ42が二次元方向指向するように固設され、上下端側が上および下耐圧板28,22にそれぞれ設けられた凹部23,30に挿入されて、凹部23,30と密に嵌合し、上下端縁は、各凹部23,30の底面に当接していて、測定対象物24の荷重が軸方向に加えられるようになっている。
基板36は、ケース32内に設置され、温度補償抵抗42や出力調整抵抗44,ゼロ点補償抵抗45などが搭載され、電源供給線と出力導出線とを含んだケーブル線46が接続されている。
水準器取り付けブラケット38は、図2にその詳細を示すように、ケース32の一側面に突設された概略角型のものであって、前面の角部と側面の角部とにそれぞれ水準器48が設置されている。また、一側面側には、重力加速度補正部50の可変抵抗器Rvの抵抗値設定用つまみ52が外表面に露出するように設けられている。
以上の構成を備えた荷重変換器10は、図3に回路構成を示すように、起歪体34に印加される荷重を電気信号に変換して外部に出力することになる。図3に示した回路では、外部からケーブル線46を介して、直流電圧が電源端子に加えられる。なお、ケーブル線46は、ケース32に対して、水準器取り付けブラケット38が突設された側と、対向する反対側の面に取着されていて、ケース32の重量バランスが取れるように配慮されている。
電源端子には、スパン温度補償抵抗42と出力調整抵抗44が直列接続されているとともに、出力調整抵抗44間には、固定抵抗Rと可変抵抗器Rvとで構成された重力加速度補正部50が並列接続されている。
一方、起歪体34に配置されている歪みゲージ40は、図3にR1〜R4で示すように、ブリッジ回路に組み込まれ、ブリッジ回路の対向する一方の頂点側が出力端子に接続され、対向する他方の頂点間には、出力調整抵抗44を介して、電源電圧が印加される、なお、出力端子側には、ブリッジ回路の抵抗R3,R4に、ゼロ補償抵抗46が直列接続される。
以上のように構成された荷重変換器10では、従来のこの種の装置と同様に、例えば、バッチャープラントのタンクの対称位置に複数が配置され、落下供給した材料は、荷重変換器10の集計量として求められ、この計量値は、離れた場所に設けられる監視室で確認し、タンクの開閉を遠隔制御することになる。
この場合、本実施例の荷重変換器10を設置する際には、特に、ロードセルユニット16の設置が以下のようにして行われる。ロードセルユニット16の設置に当たっては、起歪体34の姿勢が正確に鉛直方向を指向している必要があり、このためには、ケース32に取付けられている水準器48により、二次元方向の水平を確認しながら、上および下側固定板26,20を測定対象物24および基台18に固定する。
なお、この場合、ロードセルユニット16の起歪体34は、ケース32の水平方向に対して、長手方向の軸が正確に直交するように、嵌着支持されているので、ケース32に取り付けられている水準器48で水平方向を確認することは、間接的に起歪体34の軸を垂直方向にあわせることにもなる。
次に、重力加速度補正部50の調整を行う。この場合、重力加速度補正部50は、可変抵抗器Rvを有していて、その抵抗値を設定するつまみ52が外部に露出しているので、このつまみ52の操作により、可変抵抗器Rvの抵抗値を設定して重力加速度の補正を行う。このような補正を行う場合には、重力加速度の大きさは、地球上の緯度によって特定されるので、緯度に対応した抵抗値となる個所にメモリを刻設しておき、荷重変換器10の設置場所の緯度に対応するメモリに合わせることで簡単に行える。
さて、以上のように構成した荷重変換器10によれば、この種の荷重変換器10の外乱要因は、ロードセルユニット16が鉛直状態に設置されているか否か、および、同ユニット16の設置場所での重力荷重の大きさの変動であるが、本実施例にかかる荷重変換器10によれば、ロードセルユニット16に設けられ、当該ロードセルユニット16の取付状態における水平の視認確認を可能にする水準器48と、荷重変換器10の設置位置における重力誤差を補正する重力加速度補正部50を備えいて、水準器48によりロードセルユニット16の水平を確認し、重力加速度補正部50で重力誤差を補正することができるので、重量が重い基準分銅を高所作業で搭載することなく、校正することができる。
この場合、本実施例では、水準器48は、重力加速度補正部50とともにロードセルユニット16に一体に設けられ、しかも、これらが同じブラケット38に配置されているので、1箇所での作業により簡単に行える。
また、本実施例の場合、重力加速度補正部50は、ロードセルユニット16の電源側に介装された可変抵抗器Rvと、可変抵抗器Rvの抵抗値設定用つまみ52とを備え、抵抗値設定用つまみ52をロードセルユニット16の外表面側にあって、ブラケット38に配設して、外表面に露出設置しているので、つまみ52をメモリに合わせることだけで、重力加速度の補正を簡単に行うことができる。
図4は、本発明にかかる荷重変換器の実施例2を示しており、上記実施例と同一もしくは相当する部分には、同一符号を付してその説明を省略するとともに、以下にその特徴点についてのみ説明する。
同図は、荷重変換器の要部であるロードセルユニット16aの外観図であり、本実施例の場合には、上記実施例と同様に、起歪体34aは、上下端の一部がケース32aの上下方向に突出している。
ケース32aの対向する面には、水準器取り付け用ブラケット38aとケーブル線46aとが配置されている。水準器取り付け用ブラケット38aの一側面側には、重力加速度補正部の抵抗値設定用のつまみ52aが設けられるとともに、上面には、水準器48aが配置されている。
本実施例の水準器48aは、1つで二次元平面の水平が視認確認することが可能なものである。以上のように構成された実施例2の荷重変換器においても、水準器48aによりロードセルユニット16aの水平状態を確認して、取り付けることができるので、実施例1と同等の作用効果が得られる。
図5は、本発明にかかる荷重変換器の実施例3を示しており、上記実施例と同一もしくは相当する部分には、同一符号を付してその説明を省略するとともに、以下にその特徴点についてのみ説明する。
同図に示した実施例3は、図3に示した、重力加速度補正部50fの変形例であり、この実施例の場合には、重力加速度補正部50fの可変抵抗器を電源に対して直列に接続している。
このように構成した重力加速度補正部50fを用いても、上記各実施例と同等の作用効果がえられる。なお、図3および図5に示した例では、重力加速度補正部の可変抵抗をロードセルのブリッジ回路の電源供給側である入力側に配置した場合を例示したが、これをブリッジ回路の出力側に配置してもよい。
本発明にかかる荷重変換器によれば、面倒な校正作業が簡単に行えるので、バッチャープラント用タンクやトラックスケールなどに有効に活用することができる。
本発明にかかる荷重変換器の実施例1を示す側面図である。 図1に示した荷重変換器に用いるロードセルユニットの外観斜視図である。 図1に示した荷重変換器の電気系統の回路図である。 本発明にかかる荷重変換器の実施例2に用いるロードセルユニットの外観斜視図である。 本発明にかかる荷重変換器の実施例3に用いる電気系統の回路図である。
符号の説明
10 荷重変換器
12 下側固定部
14 上側固定部
16 ロードセルユニット
18 基台
20 下側固定板
22 下側耐圧板
24 測定対象物
26 上側固定板
28 上側耐圧板
34 起歪体
48 水準器
50 重力加速度補正部

Claims (1)

  1. 固定側に取付けられる下側固定部と、測定対象物側に配置される上側固定部と、前記上側固定部と下側固定部との間に介装されるロードセルユニットとを備え、前記ロードセルユニットは、前記測定対象物の重量が垂直方向から印加される起歪体を有し、前記起歪体に印加された荷重を電気信号に変換して出力する荷重変換器において、
    前記起歪体に嵌着固定されるケースに設けられ、前記ロードセルユニットの取付状態における水平の視認確認を可能にする水準器と、前記荷重変換器の設置位置における重力誤差を補正する重力加速度補正部とを備えた荷重変換器であって、
    前記水準器は、前記ケースの外側面に固定された角型取り付けブラケットの角部または上面側に設置され、
    前記重力加速度補正部は、前記ロードセルユニットのブリッジ回路の入力側または出力側に介装された可変抵抗器と、前記可変抵抗器の抵抗値設定用つまみとを備え、前記抵抗値設定用つまみを前記取り付けブラケットの側面側に設置することを特徴とする荷重変換器。
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