JP4625644B2 - フタロシアニン化合物及びその中間体の製造方法並びにその中間体化合物 - Google Patents
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Description
即ち、本発明の第一の目的は、合成中間体のニトロフタロニトリルを経由することなく目的とするフタロシアニン化合物の製造方法を提供することである。
なお、本発明は下記[1]〜[10]に係るものであるが、その他の事項についても参考のために記載した。
[1]
下記の反応(a)〜(e)を経由することを特徴とする一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物の製造方法。
(a)下記一般式(II)で表されるメルカプト化合物と下記一般式(III)で表される置換フタルイミド化合物を反応させ、一般式(IV)で表される置換フタルイミド化合物とし、
(b)該化合物(IV)を酸化剤と反応させることにより一般式(V)で表される化合物とし、
(c)該化合物(V)をアンモニアと反応させることにより一般式(VI)で表される置換フタルジアミド化合物とし、
(e)該化合物(VI)を脱水剤と反応させることにより一般式(VII)で表される置換フタロニトリル化合物とし、又は該化合物(VI)を脱水剤と反応させることにより得られる一般式(VII)で表される置換フタロニトリル化合物の置換基部分を類似の誘導体に化学的な置換基変換した一般式(VIII)とし、
上記一般式(V)、一般式(VI)、一般式(VII)及び一般式(VIII)中のmは上記一般式(I)中のmと同義である。
上記一般式(VII)中、Rは−SO2Clで置換された総炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基である。上記一般式(VII)中のnは、上記一般式(IV)中のnと同義である。
上記一般式(VIII)中、Lは総炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキレン基を表す。Zは、置換スルファモイル基又はスルホ基を表す。Zがスルホ基の場合には、そのカウンターカチオンの少なくとも1つはリチウムイオンである。nは1〜4の整数を表す。
(e)該化合物(VII)及び該化合物(VIII)から選ばれる少なくとも1種類の該置換フタロニトリル化合物を一般式(IX)で表される金属誘導体とを反応させて一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物を得る。
前記置換スルファモイルが有する置換基は、以下のいずれかの基である。
上記一般式(I)中、MがCu、Zn、Ni、Pb、Sn、FeまたはAlであることを特徴とする[1]に記載のフタロシアニン化合物の製造方法。
[3]
上記一般式(I)が、下記一般式(X)で表わされることを特徴とする[1]又は[2]に記載のフタロシアニン化合物の製造方法。
[4]
酸化剤が過酸化水素(H2O2)であることを特徴とする[1]に記載のフタロシアニン化合物の製造方法。
[5]
脱水剤がオキシ塩化リンであることを特徴とする[1]に記載のフタロシアニン化合物の製造方法。
[6]
前記一般式(III)で表される置換フタルイミドが4−ニトロフタルイミドである[1]〜[5]のいずれかに記載のフタロシアニン化合物の製造方法。
[7]
一般式(IV)で表される置換フタルイミド化合物。
一般式(IV)中、Aは水素原子、Na原子又はK原子を表す。Rはスルホ基を置換基として有する総炭素原子数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基であり、該スルホ基のカウンターカチオンがナトリウムイオンである。nは1〜4の整数を表す。
[8]
一般式(V)で表される置換フタルイミド化合物。
[9]
一般式(VI)で表される置換フタルジアミド化合物。
[10]
一般式(VII)又は一般式(VIII)で表される置換フタロニトリル化合物。
(a)下記一般式(II)で表されるメルカプト化合物と下記一般式(III)で表される置換フタルイミド化合物を反応させ、一般式(IV)で表される置換フタルイミド化合物とし、
<9> 一般式(IV)で表される置換フタルイミド化合物。
但し、式中Rで表される基はイオン性親水性基を置換基として有する。
[フタロシアニン化合物の製造方法、該製造方法により得られた置換フタルイミド化合物、置換フタル酸ジアミド化合物、置換フタロニトリル化合物、フタロシアニン化合物]
本発明のフタロシアニン化合物の製造方法は、溶解性基又はその前駆体を予め導入したフタルイミド化合物を合成し、溶解性基又はその前駆体を予め導入したフタル酸ジアミド化合物へ誘導後、引き続き溶解性基又はその前駆体を予め導入したフタロニトリル化合物へと誘導し、金属誘導体とを反応させてフタロシアニン化合物を製造する方法である。
い。
例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシ基、アミノ基、アルキルオキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−メタンスルホニルエトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシカルバモイルフェノキシ、3−メトキシカルバモイル)、アシルアミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド)、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルブチルアミノ)、アニリノ基(例えば、フェニルアミノ、2−クロロアニリノ、ウレイド基(例えば、フェニルウレイド、メチルウレイド、N,N−ジブチルウレイド)、スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、2−フェノキシエチルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ)、アルキルオキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オクタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル)、ハロゲン化スルホニル基(例えば、クロロスルホニル)、ハロゲン化カルボニル基(例えば、クロロカルボニル)、アルキルオキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル)、ヘテロ環オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アゾ基(例えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾ)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N−メチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ)、シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ)、イミド基(例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ヘテロ環チオ基(例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ)、スルフィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフィニル)、ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル)、アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル)、イオン性親水性基(例えば、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基および4級アンモニウム基)が挙げられる。
(イ)R1、R2、R3及びR4は、同一または異なっていてもよく、置換もしくは無置換の総炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数2〜20のアルケニル基、置換もしくは無置換の総炭素数2〜12のアルキニル基、置換もしくは無置換の総炭素数7〜20のアラルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数C6〜20のアリール基、置換もしくは無置換の総炭素数4〜20ヘテロ環基が好ましく、その中でも置換もしくは無置換の総炭素数1〜12アルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、置換もしくは無置換の総炭素数4〜12のへテロ環基が好ましく、その中でも、特に溶解性の理由から、総炭素原子数1〜8の直鎖アルキル基及びまたは分岐のアルキル基が好ましく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)、更に、イオン性親水性基及びまたは水酸基を置換基として有する置換アルキル基が最も好ましい。
(イ)R1、R2、R3及びR4は、同一または異なっていてもよく、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、置換もしくは無置換の総炭素数4〜12のヘテロ環基が好ましく、その中でも、特に溶解性の理由から、総炭素原子数1〜8の直鎖アルキル基及びまたは分岐のアルキル基が好ましく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)、更に、イオン性親水性基及びまたは水酸基を置換基として有する置換アルキル基が最も好ましい。
一般式(I)または(X)で表されるフタロシアニン化合物の具体例としては、特開2002−249677号公報に記載の化合物(特に表2〜表8)を挙げることができる。
(イ)Rは、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、置換もしくは無置換の総炭素数4〜12のヘテロ環基が好ましく、その中でも、特に溶解性の理由から、総炭素原子数1〜8の直鎖アルキル基及びまたは分岐のアルキル基が好ましく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)、更に、イオン性親水性基(スルホ基、カルボキシル基)及びまたは水酸基を置換基として有する置換アルキル基が最も好ましい。
(イ)Rは、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、置換もしくは無置換の総炭素数4〜12のヘテロ環基が好ましく、その中でも、特に溶解性の理由から、総炭素原子数1〜8の直鎖アルキル基及びまたは分岐のアルキル基が好ましく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)、更に、イオン性親水性基(スルホ基、カルボキシル基)及びまたは水酸基を置換基として有する置換アルキル基が好ましく、スルホ基、カルボキシル基を置換基として有する置換アルキル基が最も好ましい。
。
(イ)Rは、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、置換もしくは無置換の総炭素数4〜12のヘテロ環基が好ましく、その中でも、特に溶解性の理由から、総炭素原子数1〜8の直鎖アルキル基及びまたは分岐のアルキル基が好ましく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)、更に、イオン性親水性基(スルホ基、カルボキシル基)及びまたは水酸基を置換基として有する置換アルキル基が最も好ましい。
(イ)Rは、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、置換もしくは無置換の総炭素数4〜12のヘテロ環基が好ましく、その中でも、特に溶解性の理由から、総炭素原子数1〜8の直鎖アルキル基及びまたは分岐のアルキル基が好ましく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)、更に、イオン性親水性基(スルホ基、カルボキシル基)及びまたは水酸基を置換基として有する置換アルキル基が最も好ましい。
(イ)Rは、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、置換もしくは無置換の総炭素数4〜12のヘテロ環基が好ましく、その中でも、特に置換基部分を類似の誘導体に化学的な置換基変換した可能な理由から、ハロゲン化スルホニル(−SO2Cl)置換アルキル基、ハロゲン化カルボニル(−COCl)置換アルキル基が特に好ましい。
1)加水分解により、スルホ置換アルキル基、スルホ置換アリール基、カルボキシル置換アルキル基、カルボキシル置換アリール基への誘導化が挙げられる。特に置換基であるカルボキシル基、スルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。対イオンの中でもアルカリ金属塩が好ましく、特にスルホ基の場合のリチウム塩(−SO3Li)は溶解性を高めるため特に好ましい。
(イ)Lは、Lは置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキレン基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のフェニレン基、置換もしくは無置換の総炭素数10〜20のナフチレン基、置換もしくは無置換の総炭素数4〜12の2価のヘテロ環基が好ましく、その中でも、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキレン基、置換もしくは無置換の総炭素数6〜18のフェニレン基が好ましく、特に、置換もしくは無置換の総炭素数1〜12のアルキレン基が好ましい。更に詳しくは、総炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖アルキレン基が好ましく、特に総炭素数1〜8の直鎖または分岐鎖アルキレン基が好ましく、その中でも総炭素数2〜6の直鎖または分岐鎖アルキレン基が好ましい。
本発明の代表的なフタロシアニン化合物は、例えば下記合成ル−トから誘導することができる。以下に示した合成例の具体例としては、特開2002−249677号公報の表2〜8に記載のフタロシアニン化合物も合成することができる。以下の実施例において、λmaxは吸収極大波長であり、εmaxは吸収極大波長におけるモル吸光係数を意味する。
窒素気流下、4−ニトロフタルイミド(東京化成)288.2gを1442mLのDMSO(ジメチルスルホキシド)に溶解し、内温20℃で攪拌しているところへ、333gの3−メルカプト−プロパン−スルホン酸ナトリウム(85%)を添加した。続いて、内温50℃で攪拌しているところへ、173.8gの無水炭酸ナトリウムを徐々に加えた。反応液を攪拌しながら、70℃まで加温し、同温度で1時間撹拌した。40℃まで冷却した後、反応液をヌッチェでろ過し、ろ液を2885mLのメタノールにあけて晶析し、引き続き室温で30分間撹拌して、更にイソプロパノール1442mLを注入し、撹拌しながら内温10℃まで冷却した。析出した粗結晶をヌッチェでろ過し、メタノール962mLで洗浄し、乾燥して化合物1の粗結晶を、503.4gを得た。1H-NMR(DMSO
-d6),δ値TMS基準:1.89〜1.99(2H,m);2.51〜2.65(2H,t);3.24〜3.50(2H,t);7.64〜7.76(3H,m);11.29〜11.41(1H,s)
485.0gの化合物1を48.5mLの酢酸と1500mLのH2Oの混合液に添加し、内温25℃で攪拌しているところへ、15gNa2WO4・2H2Oを添加した後、内温45℃まで昇温し溶解した。引き続き、374mLの過酸化水素水(30%)を発熱に注意しながら徐々に滴下した。内温50℃で60分間撹拌した後に、内温50℃の反応液に亜硫酸ナトリウム88.2g/400mLの水溶液を滴下し、同温度で532mLのイソプロパノールを滴下した後、10℃まで冷却した後、引き続き同温度にて30分間撹拌した後に、析出した結晶をヌッチェでろ過し、525mLのイソプロパノールで洗浄した後、乾燥して、462.6gの化合物2を得た。1H-NMR(DMSO-d6),δ値TMS基準:1.25〜1.89(2H,m);2.48〜2.52(2H,t);3.5
9〜3.65(2H,t);8.04〜8.11(1H,d);8.20(1H,s)8.29〜8.33(1H,d);11.59〜11.90(1H,s)
300gの化合物2を900mLのDMF(ジメチルホルムアミド)に添加し、内温20℃で攪拌しているところへ、NH3ガスを90分間吹き込み、引き続き同温度で3時間撹拌した。次に、反応液を内温20℃以下で減圧下(<400mmHg)撹拌しながら、溶存している残存NH3ガスを留去した。(化合物2+NH3⇒化合物3の反応液)
300gの化合物2を3000mLのアセトニトリルに添加し、内温20℃で攪拌しているところへ、NH3ガスを2時間間吹き込み、引き続き同温度で10時間撹拌した後に、析出した結晶をヌッチェでろ過し、30000mLのアセトニトリルで洗浄した後、乾燥して、297.6gの化合物3を得た。1H-NMR(DMSO-d6),δ値TMS基準:1.77〜1.88(2H,m);2.49〜2.54(2H,t);3.49〜3.54(2H,t);7.55(1H,s);7.69〜7.71(1H,d);7.94〜8.17(3H,m)
600mLのDMF(ジメチルホルムアミド)に内温5℃で、315.1mLのPOCl3を内温15℃以下を保ちながら滴下した。引き続き、POCl3/DMF溶液中に、内温10℃以下を保ちながら上記合成例3−1(化合物2+NH3⇒化合物3)の反応液を滴下し、内温17℃で引き続き1時間撹拌した。次に、4500mLのH2Oへ反応混合物を内温35℃以下を保ちながら滴下して、化合物4を晶析させた。引き続く、内温30℃で30分撹拌した後、析出した粗結晶をヌッチェでろ過し、4200mLのH2Oで洗浄後、2700mLのイソプロパノールで洗浄後風乾し、234.6gの化合物を得た。1H-NMR(DMSO-d6),δ値TMS基準:1.81〜1.91(2H,m);2.49〜2.54(2H,t);3.62〜3.74(2H,t);8.07〜8.16(1H,d);8.36〜8.49(1H,d);8.66〜8.67(2H,s)
860mLのDMF(ジメチルホルムアミド)に内温5℃で、200mLのPOCl3を内温15℃以下を保ちながら滴下した。引き続き、POCl3/DMF溶液中に、内温10℃以下を保ちながら、200gの合成例3−2で得た化合物3を分割添加し、内温20℃で引き続き1時間撹拌した。次に、2700mLのH2Oへ反応混合物を内温35℃以下を保ちながら滴下して、化合物4を晶析させた。引き続く、内温30℃で30分撹拌した後、析出した粗結晶をヌッチェでろ過し、4200mLのH2Oで洗浄後、2700mLのイソプロパノールで洗浄後風乾し、153gの化合物4を得た。得られた結晶は、上記合成例4−1で得られた結晶と同一であり、純度も同様であった。
100gの化合物4を400mLのアセトンに内温35℃で添加して溶解し、引き続き45mLのH2O注入して、撹拌しながら内温20℃まで冷却した。次に、49mLのピリジンを内温が40℃を超えない速度で滴下し、引き続き内温を55℃まで昇温して、同温度で2時間撹拌した。次に、同温度で34gの塩化リチウム/750mLのイソプロパノール溶液を滴下し、引き続き同温度で1時間撹拌した後、室温まで徐冷した。析出した結晶をヌッチェでろ過し、1000mLのイソプロパノールで洗浄し、乾燥後86.5gの化合物5を得た。1H-NMR(DMSO-d6),δ値TMS基準:1.81〜1.91(2H,m);2.29〜2.54(2H,t);3.62〜3.672H,t);8.07〜8.16(1H,d);8.30〜8.36(1H,d);8.66(1H,s)
100gの化合物4を400mLのアセトニトリルに内温25℃で添加して溶解した後、内温30℃で45.1gのイソプロパノールアミンを滴下し、引き続き、同温度で1時間撹拌した。次に、内温度で1200mLの温水(70℃)を反応液に注入した後、内温を70℃まで昇温して、同温度で1時間撹拌した。内温25℃まで撹拌しながら徐冷した後に、析出した結晶をヌッチェでろ過し、1000mLの水で洗浄し、乾燥して91.4gの化合物6を得た。1H-NMR(DMSO-d6),δ値TMS基準:1.01〜1.03(3H,d);1.91〜1.95(2H,m);2.79〜2.83(2H,t);3.10〜3.15(2H,t);3.62〜3.86(3H,m);4.62〜4.71(1H,d);7.12〜7.16(1H,t);8.08〜8.17(1H,d);8.37〜8.47(1H,d);8.68(1H,s)
100gの化合物4を400mLのアセトニトリルに内温25℃で添加して溶解した後、内温30℃で70.4gのイソプロピルオキシプロピルアミンを滴下し、引き続き、同温度で1時間撹拌した。次に、内温度で1200mLの温水(70℃)を反応液に注入した後、内温を70℃まで昇温して、同温度で1時間撹拌した。内温25℃まで撹拌しながら徐冷した後に、析出した結晶をヌッチェでろ過し、1000mLの水で洗浄し、乾燥して116.4gの化合物7を得た。1H-NMR(DMSO-d6),δ値TMS基準:1.06〜1.08(6H,d);1.58〜1.63(2H,t);1.91〜1.94(2H,m);2.91〜2.93(2H,dd);3.07〜3.09(2H,t);3.33〜3.38(2H,m);3.47〜3.49(1H,m);3.63〜3.68(2H,t);7.12〜7.16(1H,t);8.36〜8.40(1H,d);8.43〜8.47(1H,d);8.68〜8.70(1H,s)
29.48gの化合物5を2.6mLの酢酸と35mLのエチレングリコール混合液に懸濁させた後内温50℃に昇温し、引き続き6.04gの酢酸リチウム、3.24gの塩化第二銅(無水)を添加し、内温を85℃まで加温した。同温度で3時間攪拌後、内温90℃まで昇温し、19.7mLの濃塩酸を滴下した。続いて、同温度で1時間撹拌した後、内温を60℃まで冷却し、4.49gの塩化リチウムを加え、同温度で210mLのイソプロパノールを滴下し晶析した。次に、内温を30℃まで冷却後、晶析物をろ過し、200mLのイソプロパノールで洗浄を行った。乾燥した28.77gの粗結晶を115mLのイオン交換水に溶解後、50℃で2.5N−LiOHaq.をpH10.5になるまで添加した。引き続き、同温度で水溶液をゴミ取りろ過し、ろ液を内温90℃まで昇温し、同温度で30分攪拌後、330mLのイソプロパノールを滴下して晶析した。懸濁液を室温まで冷却後、析出物を吸引ろ過し、300mLのイソプロパノールで洗浄を行い、80℃で30時間乾燥した。収量 27.33 g 収率 85.5 %。同定は以下の方法で行った。質量分析法:FAB−MS(NEGA 1343)、元素分析(実測値C, 36.69; H, 3.27; N, 7.79;計算値C44H36CuLi4N8O20S4・5H2OとしてC, 36.83; H, 3.23; N, 7.81)、溶液吸収:λmax=628.9nm,ε71000(H2O)。
30.52gの化合物5と11.83gの化合物6を3.6mLの酢酸と100mLのエチレングリコール混合溶液に内温110℃で溶解させた。引き続き、内温50℃に冷却後、8.34gの酢酸リチウム、4.47gの塩化第二銅(無水)を添加し、内温を85℃まで加温した。同温度で3時間攪拌後、内温90℃まで昇温し、27.8mLの濃塩酸を滴下した。続いて、同温度で1時間撹拌した後、内温を60℃まで冷却し、6.2gの塩化リチウムを加え、同温度で300mLのイソプロパノールを滴下し晶析した。次に、内温を30℃まで冷却後、晶析物をろ過し、300mLのイソプロパノールで洗浄を行った。乾燥した35.29gの粗結晶を140mLのイオン交換水に溶解後、50℃で2.5N−LiOHaq.をpH10.5になるまで添加した。引き続き、同温度で水溶液をゴミ取りろ過し、ろ液を内温90℃まで昇温し、同温度で30分攪拌後、400mLのイソプロパノールを滴下して晶析した。懸濁液を室温まで冷却後、析出物を吸引ろ過し、300mLのイソプロパノールで洗浄を行い、80℃で30時間乾燥した。収量33.75 g 収率 76.5 %。同定は以下の方法で行った。質量分析法:FAB−MS(NEGA 1395)、元素分析(実測値C, 39.02; H,3.40; N, 8.72;計算値C47H44CuLi3N9O20S8・3H2OとしてC,38.94; H, 3.48; N,8.69)、溶液吸収:λmax=624.7nm,ε57000(H2O)。
41.35gの化合物7を2.86mLの酢酸と165.4mLのエチレングリコールに懸濁させた後、内温75℃に昇温し、引き続き3.30gの酢酸リチウム、3.36gの塩化第二銅(無水)を添加し、内温を95℃まで加温した。同温度で3時間攪拌後、内温25℃まで冷却し、165mLの1NHClに注入して晶析した。次に、同温度で30分撹拌した後、晶析物をろ過し、400mLのH2Oで洗浄を行った。乾燥した39.3gの粗結晶を240mLのアセトニトリルに内温70℃で溶解後、引き続き、同温度で溶液をゴミ取りろ過し、ろ液を内温25℃まで冷却し、53mLのイソプロパノールと160mLのH2Oの混合液を滴下して晶析した。析出物を吸引ろ過し、75mLのイソプロパノールと75mLのH2O混合溶媒で洗浄を行い、80℃で30時間乾燥した。収量38.13g 収率 88.8 %。同定は以下の方法で行った。質量分析法:FAB−MS(NEGA 1715)、元素分析(実測値C, 47.28; H,5.48; N, 9.70;計算値C68H92CuN12O20S8・1H2OとしてC, 47.06;H, 5.46; N, 9.68)、溶液吸収:λmax=598.3nm,ε36800(酢酸エチル)。
Claims (10)
- 下記の反応(a)〜(e)を経由することを特徴とする一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物の製造方法。
(a)下記一般式(II)で表されるメルカプト化合物と下記一般式(III)で表される置換フタルイミド化合物を反応させ、一般式(IV)で表される置換フタルイミド化合物とし、
上記一般式(II)中、Rは、スルホ基を置換基として有する総炭素原子数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基であり、該スルホ基のカウンターカチオンの少なくとも1つはナトリウムイオンである。Mは、水素原子または金属原子を表す。
(b)該化合物(IV)を酸化剤と反応させることにより一般式(V)で表される化合物とし、
(c)該化合物(V)をアンモニアと反応させることにより一般式(VI)で表される置換フタルジアミド化合物とし、
(e)該化合物(VI)を脱水剤と反応させることにより一般式(VII)で表される置換フタロニトリル化合物とし、又は該化合物(VI)を脱水剤と反応させることにより得られる一般式(VII)で表される置換フタロニトリル化合物の置換基部分を類似の誘導体に化学的な置換基変換した一般式(VIII)とし、
上記一般式(V)、一般式(VI)、一般式(VII)及び一般式(VIII)中のmは上記一般式(I)中のmと同義である。
上記一般式(VII)中、Rは−SO2Clで置換された総炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基である。上記一般式(VII)中のnは、上記一般式(IV)中のnと同義である。
上記一般式(VIII)中、Lは総炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキレン基を表す。Zは、置換スルファモイル基又はスルホ基を表す。Zがスルホ基の場合には、そのカウンターカチオンの少なくとも1つはリチウムイオンである。nは1〜4の整数を表す。
(e)該化合物(VII)及び該化合物(VIII)から選ばれる少なくとも1種類の該置換フタロニトリル化合物を一般式(IX)で表される金属誘導体とを反応させて一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物を得る。
前記置換スルファモイルが有する置換基は、以下のいずれかの基である。
- 上記一般式(I)中、MがCu、Zn、Ni、Pb、Sn、FeまたはAlであることを特徴とする請求項1に記載のフタロシアニン化合物の製造方法。
- 酸化剤が過酸化水素(H2O2)であることを特徴とする請求項1に記載のフタロシアニン化合物の製造方法。
- 脱水剤がオキシ塩化リンであることを特徴とする請求項1に記載のフタロシアニン化合物の製造方法。
- 前記一般式(III)で表される置換フタルイミドが4−ニトロフタルイミドである請求項1〜5のいずれかに記載のフタロシアニン化合物の製造方法。
- 一般式(VII)又は一般式(VIII)で表される置換フタロニトリル化合物。
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