JP2003040859A - 4−フタロニトリル誘導体の製造方法 - Google Patents
4−フタロニトリル誘導体の製造方法Info
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Abstract
率で得ること(合成すること)ができる製造方法を提供
すること。 【解決手段】本発明の4−フタロニトリル誘導体の製造
方法は、下記化5に示すように、アルカリ存在下で、式
(III)の4−ブロモフタロニトリルと、式(I)で示
されるベンジルメルカプタン誘導体とを反応させること
により、式(II)で示される4−フタロニトリル誘導体
を得るものである。なお、式(I)、式(II)中、R
は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。
また、4−ブロモフタロニトリルは、4−ブロモ無水フ
タル酸から得られたものであるのが好ましい。 【化5】
Description
ル誘導体の製造方法に関するものである。
報記録媒体における記録材料等としてフタロシアニン化
合物が、広く用いられている。
ロニトリル誘導体、無水フタル酸誘導体や1,3−ジイ
ミノイソインドリン誘導体等を用いて、その合成(製
造)が行なわれている。
は、例えば、近赤外線吸収能、各種有機溶媒への溶解
性、耐候性等の特性を向上させる観点から、フタロシア
ニン骨格のベンゼン環に対して置換基を導入することが
行なわれている。この場合、フタロニトリルや無水フタ
ル酸のベンゼン環に対して置換基を導入しておき、かか
るフタロニトリル誘導体や無水フタル酸誘導体を用い
て、対応するフタロシアニン化合物が合成されている。
タル酸誘導体を合成する場合には、例えば、フタロニト
リルのニトロ化体を出発物質として使用し、アミノ基の
ジアゾ化反応等を経由して置換基を導入する方法や、無
水フタル酸を濃硫酸によりスルホン化体とし、かかる無
水フタル酸のスルホン化体を経由する方法等が用いられ
ている。
体を出発物質(合成中間体)とする製造方法では、製造
工程数が多く、目的とする置換基を位置選択的に導入す
ることが容易ではなく、収率も低い。また、無水フタル
酸のスルホン化体を経由する製造方法では、濃硫酸によ
るスルホン化の工程において、位置選択的にスルホン基
を導入することができず、すなわち、異性体が混在して
しまい、純度が低くなる。したがって、最終的に得られ
るフタロシアニン化合物も、収率が低かったり、異性体
の混合物となってしまったりする。
混在した場合、分子同士の積層が効率よくなされず、特
に、近赤外線吸収能の向上を図ることができないという
問題がある。
アニン化合物の前記特性(特に、近赤外線吸収能)を向
上させるためには、フタロシアニン骨格の対称的な位置
に置換基を導入するのが有効であると考え、種々の検討
を重ねた結果、特に、4−フタロニトリル誘導体から得
られたフタロシアニン化合物が、近赤外線吸収能、各種
有機溶媒への溶解性および耐候性に優れることを見い出
した。
造方法では、4−フタロニトリル誘導体、すなわち、位
置選択的に置換基を有するフタロニトリル誘導体を、合
成(製造)することが極めて困難である。
体を、容易かつ高い収率で得ること(合成すること)が
できる製造方法を提供することにある。
(1)〜(9)の本発明により達成される。
タロニトリルと、下記式(I)で示されるベンジルメル
カプタン誘導体とを反応させ、下記式(II)で示される
4−フタロニトリル誘導体を得ることを特徴とする4−
フタロニトリル誘導体の製造方法。
1〜4のアルキル基を表す。]
と、前記ベンジルメルカプタン誘導体との反応温度は、
30〜120℃である上記(1)に記載の4−フタロニ
トリル誘導体の製造方法。
と、前記ベンジルメルカプタン誘導体との反応時間は、
0.5〜8時間である上記(1)または(2)に記載の
4−フタロニトリル誘導体の製造方法。
炭酸ナトリウム、水素化ナトリウム、ピリジン、1,8
−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、
1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネンの
うちの少なくとも1種である上記(1)ないし(3)の
いずれかに記載の4−フタロニトリル誘導体の製造方
法。
ンジルメルカプタン誘導体1モルに対して、1〜10モ
ルである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の4
−フタロニトリル誘導体の製造方法。
は、4−ブロモ無水フタル酸から得られたものである上
記(1)ないし(5)のいずれかに記載の4−フタロニ
トリル誘導体の製造方法。
は、4−ブロモ無水フタル酸とアミド化合物とを反応さ
せ、4−ブロモフタルイミドを得、次いで、前記4−ブ
ロモフタルイミドとアンモニアとを反応させ、4−ブロ
モフタルアミドを得、その後、前記4−ブロモフタルア
ミドを脱水剤で処理することにより得られたものである
上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の4−フタロ
ニトリル誘導体の製造方法。
ドである上記(7)に記載の4−フタロニトリル誘導体
の製造方法。
酸化リン、オキシ塩化リン、ポリリン酸エステル、トリ
フェニルホスフィン、ホスゲンのうちの少なくとも1種
である上記(7)または(8)に記載の4−フタロニト
リル誘導体の製造方法。
に、本発明者は、種々の検討を重ねた結果、4−ハロゲ
ン化フタロニトリルを出発物質として用いることによ
り、4−フタロニトリル誘導体を容易かつ高い収率で合
成できることを見い出した。
でも、ブロモ基を導入したもの(4−ブロモフタロニト
リル)は、極めて反応性の高いフルオロ基やクロル基を
導入したもの、あるいは、極めて反応性の低いヨード基
を導入したものに比べて、合成反応を制御しやすく、他
の官能基(例えば、アルキル基、アミノ基、水酸基等)
への変換、エーテル結合の生成等、すなわち、4−フタ
ロニトリル誘導体の合成(フタロニトリル誘導体への誘
導)を、容易かつ高い収率で行なうことができることを
見い出し、本発明を完成するに至った。
の製造方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
例えば、下記化5に示すように、アルカリ存在下で、式
(III)の4−ブロモフタロニトリルと、式(I)のベ
ンジルメルカプタン誘導体とを反応させることにより合
成(製造)される。
タロニトリルを用意する。ここで、4−ブロモフタロニ
トリルの製造方法の一例について説明する。
ば、4−ブロモ無水フタル酸から、下記化6のスキーム
に従って製造することができる。
ニトリルを、容易かつ高い収率で製造することができ
る。
無水フタル酸を用意する。この4−ブロモ無水フタル酸
は、比較的容易かつ安価に入手可能な化合物である。こ
のため、4−ブロモ無水フタル酸を用いることにより、
4−ブロモフタロニトリル、延いては、4−フタロニト
リル誘導体も比較的安価に製造することができる。
ル酸と、アミド化合物とを反応させることにより、式
(V)の4−ブロモフタルイミドを得る。
ブロモ無水フタル酸をアンモニア気流中で加熱する方法
により合成してもよいが、かかる方法では、アンモニア
ガスを用いるため、その操作が極めて煩雑となるばかり
でなく、安全に操作を進めるのに細心の注意を払わなけ
ればならない。これに比べ、アミド化合物を用いること
により、後述するように、アミド化合物自体を反応溶媒
として用いたり、アミド化合物を反応溶媒に添加(溶
解)するだけで足りるので、その操作を、より容易かつ
安全に行なうことができるという利点がある。
ば、ホルムアミド、尿素、炭酸アンモニウム等が挙げら
れ、これらの中でも、特に、ホルムアミドを用いるのが
好ましい。
自体を反応溶媒として用いることができる。すなわち、
ホルムアミド中に4−ブロモ無水フタル酸を添加(溶
解)して、これらを反応させることができる。これによ
り、別途、反応溶媒を用いる必要がないので、4−ブロ
モフタロニトリルの合成(製造)における手間とコスト
の低減を図ることができるという利点がある。
されないが、4−ブロモ無水フタル酸1モルに対して、
例えば、1〜10モル程度とするのが好ましく、1.5
〜3モル程度とするのがより好ましい。アミド化合物の
使用量が少なすぎると、アミド化合物の種類等によって
は、未反応の4−ブロモ無水フタル酸が多く残存する場
合がある。一方、アミド化合物の使用量を、前記上限値
を超えて多くしても、それ以上、4−ブロモフタルイミ
ドの収量の増大が見込めず、アミド化合物が無駄になる
場合がある。
ねさせる場合には、前記範囲を超えた過剰量を用いるよ
うにすればよい。
(常温で液体のアミド化合物)を用いることができる
他、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ブロモベ
ンゼンのような芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサンのようなエーテル類等が挙げられ、これ
らのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いるこ
とができる。
により適宜設定され、特に限定されないが、例えば、6
0〜200℃程度とするのが好ましく、90〜160℃
程度とするのがより好ましい。このような温度範囲にお
いて、4−ブロモフタルイミドの収量を増大させること
ができる。
量、反応温度等により若干異なるが、通常、1〜8時間
程度とするのが好ましく、2〜6時間程度とするのがよ
り好ましい。このような時間範囲において、4−ブロモ
フタルイミドの収量を増大させることができる。
ミドと、アンモニアとを反応させることにより、式(V
I)の4−ブロモフタルアミドを得る。
解したアンモニア溶液に、4−ブロモフタルイミドを添
加しつつ、これらを反応させる。
ば、蒸留水、イオン交換水、超純水、RO水のような各
種水、メタノール、エタノール、プロパノールのような
アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エ
チル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシドのような各種有機溶媒等が挙げら
れ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて
用いることができる。
れないが、4−ブロモフタルイミド1モルに対して、例
えば、5〜50モル程度とするのが好ましく、10〜2
0モル程度とするのがより好ましい。アンモニアの使用
量が少なすぎると、未反応の4−ブロモフタルイミドが
多く残存する場合がある。一方、アンモニアの使用量
を、前記上限値を超えて多くしても、それ以上、4−ブ
ロモフタルアミドの収量の増大が見込めない。
例えば、−10〜60℃程度とするのが好ましく、0〜
20℃程度とするのがより好ましい。このような温度範
囲において、4−ブロモフタルアミドの収量を増大させ
ることができる。
反応温度等により若干異なるが、通常、1〜24時間程
度とするのが好ましく、3〜10時間程度とするのがよ
り好ましい。このような時間範囲において、4−ブロモ
フタルアミドの収量を増大させることができる。
ミドを、脱水剤で処理することにより、式(III)の4
−ブロモフタロニトリルを得る。
ル、五酸化リン、オキシ塩化リン、ポリリン酸エステ
ル、トリフェニルホスフィン、ホスゲン、無水酢酸、ベ
ンゼンスルホニルクロリド等が挙げられ、これらの中で
も、特に、塩化チオニル、五酸化リン、オキシ塩化リ
ン、ポリリン酸エステル、トリフェニルホスフィン、ホ
スゲンのうちの少なくとも1種を用いるのが好ましい。
これらの脱水剤を用いることにより、比較的温和な条件
下で、収率よく反応を行なうことができるという利点が
ある。
いが、4−ブロモフタルアミド1モルに対して、例え
ば、1〜10モル程度とするのが好ましく、2〜4モル
程度とするのがより好ましい。脱水剤の使用量が少なす
ぎると、未反応の4−ブロモフタルアミドが多く残存す
る場合がある。一方、アンモニアの使用量を、前記上限
値を超えて多くしても、それ以上、4−ブロモフタロニ
トリルの収量の増大が見込めず、脱水剤が無駄になる場
合がある。
は、前記範囲を超えた過剰量を用いて、脱水剤自体に反
応溶媒を兼ねさせることもできる。
の脱水剤を用いることができる他、例えば、塩化メチレ
ン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,
2,2−テトラクロロエタンのようなハロゲン化炭化水
素類、n−ヘキサン、石油エーテル、トルエン、ベンゼ
ン、キシレンのような炭化水素類、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン
類、酢酸エチル、酢酸メチルのようなエステル類、ジエ
チルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロ
フラン、ジオキサンのようなエーテル類、アセトニトリ
ル、プロピオニトリルのようなニトリル類、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン
酸トリアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジ
メトキシエタン、N−メチルピロリドン、1,3−ジメ
チル−2−イミダゾリジノン等の各種有機溶媒が挙げら
れ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて
用いることができる。
例えば、−10〜60℃程度とするのが好ましく、0〜
20℃程度とするのがより好ましい。このような温度範
囲において、4−ブロモフタロニトリルの収量を増大さ
せることができる。
に保つようにしてもよいし、必要に応じて変化させるよ
うにしてもよい。
温度等により若干異なるが、通常、0.5〜8時間程度
とするのが好ましく、1〜5時間程度とするのがより好
ましい。このような時間範囲において、4−ブロモフタ
ロニトリルの収量を増大させることができる。
ロモフタロニトリルと、式(I)のベンジルメルカプタ
ン誘導体とを反応させることにより、式(II)の4−フ
タロニトリル誘導体を得る。
タン誘導体において、置換基Rは、水素原子または炭素
数1〜4のアルキル基を表す。
は、直鎖状、分枝状、環状のいずれであってもよい。
基Rは、ベンゼン環の2〜6位のいずれに導入されてい
てもよいが、特に、4位に導入されているのが好まし
い。すなわち、この場合、式(I)のベンジルメルカプ
タン誘導体としては、4−ベンジルメルカプタン誘導体
であるのが好ましい。
を促進させるために添加されるものであり、例えば、炭
酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸
水素ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、
水酸化カルシウム、水素化ナトリウム、水素化リチウ
ム、水素化カルシウム、水素化アルミニウムリチウムの
ような無機塩基、トリエチルアミン、トリプロピルアミ
ン、トリブチルアミン、ピリジン、ピペリジン、ジアミ
ノエタン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミ
ノペンタン、ジアミノヘキサン、ジアミノオクタン、ト
リエタノールアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,
4,0]−7−ウンデセン(DBU)、1,5−ジアザ
ビシクロ[4,3,0]−5−ノネン(DBN)のよう
な有機塩基等が挙げられ、これらの中でも、特に、炭酸
カリウム、炭酸ナトリウム、水素化ナトリウム、ピリジ
ン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウン
デセン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−
ノネンを用いるのが好ましい。また、これらのアルカリ
は、1種または2種以上を組み合わせて用いることがで
きる。
ないが、ベンジルメルカプタン誘導体1モルに対して、
例えば、1〜10モル程度とするのが好ましく、1〜5
モル程度とするのがより好ましい。このようなアルカリ
の使用量範囲において、4−ブロモフタロニトリルとベ
ンジルメルカプタン誘導体とを、より効率よく反応させ
ることができる。
る場合には、前記範囲を超えた過剰量を用いて、アルカ
リ自体に反応溶媒を兼ねさせることもできる。
用いることができる他、例えば、塩化メチレン、クロロ
ホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テ
トラクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類、n−
ヘキサン、石油エーテル、トルエン、ベンゼン、キシレ
ンのような炭化水素類、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エ
チル、酢酸メチルのようなエステル類、ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサンのようなエーテル類、アセトニトリル、プロピ
オニトリルのようなニトリル類、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリア
ミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメトキシ
エタン、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2
−イミダゾリジノン等の各種有機溶媒が挙げられ、これ
らのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いるこ
とができる。
例えば、30〜120℃程度とするのが好ましく、60
〜90℃程度とするのがより好ましい。このような温度
範囲において、4−フタロニトリル誘導体の収量を増大
させることができる。
応温度等により若干異なるが、通常、0.5〜8時間程
度とするのが好ましく、1〜5時間程度とするのがより
好ましい。このような時間範囲において、4−フタロニ
トリル誘導体の収量を増大させることができる。
て、4−フタロニトリル誘導体が合成(製造)される。
および[1]においては、それぞれ、例えば、抽出、洗
浄、再結晶等の後処理操作により、各化合物の精製およ
び/または単離を行なうようにしてもよい。また、前記
各工程[0−2]〜[0−4]において得られた各化合
物(合成物)は、このような後処理操作を、必要に応じ
て省略し、そのまま次工程に供するようにしてもよい。
ロニトリル誘導体は、フタロシアニン化合物の原材料と
して有用な化合物である。また、4−フタロニトリル誘
導体の用途は、これに止まらず、例えば、医薬品、液晶
等の各種化合物の原材料としても極めて有用な化合物で
ある。
の製造方法の実施形態に基づいて説明したが、本発明
は、これに限定されるものではない。
の工程を追加するようにしてもよい。
の製造方法は、例えば3−フタロニトリル誘導体、複数
の位置に置換基を有するフタロニトリル誘導体等の合成
にも適用することができる。
る。
にして得た。
0.8g(0.4mol)を、ホルムアミド450g
(10mol)に加え、120〜130℃に保って3時
間攪拌した。
後、この反応液にメタノールを400mL加え、析出し
た結晶を濾別した。
した後、一晩風乾させた。これにより、76.9gの4
−ブロモフタルイミドの白色結晶を得た(mp235〜
236℃)。
イミド76.9g(0.34mol)を冷却して−5〜
0℃に保ちながら、28%アンモニア水溶液400mL
に少量ずつ加えた。その後、室温下で一晩(8時間)攪
拌した。
留水、メタノールの順で洗浄した後、減圧下で赤外線ラ
ンプを用いて乾燥させた。
ルアミドの白色固体を得た(mp209〜210℃(d
ec.))。
ったジメチルホルムアミド(DMF)360mLに、塩
化チオニル91.2g(0.77mol)を30分かけ
て滴下し、同温度で1時間攪拌した。
ミド74.5g(0.31mol)を冷却して、0〜5
℃に保ちながら、少量ずつ加えた。その後、5〜10℃
に保って1時間攪拌し、さらに室温下で2時間攪拌し
た。
した結晶を濾別し、蒸留水で洗浄した後、室温下で風乾
した。
キサンからの再結晶操作を行なった。
ロニトリルの白色結晶を得た(mp139〜143
℃)。
33.5g(0.16mol)をジメチルホルムアミド
(DMF)325mLに溶解した。
8g(0.32mol)、および、下記式(I−1)
[式(I−1)中、R1=H]のベンジルメルカプタン
20.1g(0.16mol)を加えた。
て3時間攪拌した後、室温まで冷却した。
結晶を濾別し、この結晶を蒸留水で洗浄した後、50℃
で送風乾燥した。さらに、得られた結晶に対して、トル
エンからの再結晶操作を行った。
1)中、R1=H]の4−ベンジルチオフタロニトリル
34.3gを白色結晶として得た(mp139.5〜1
41℃)。
4−ブロモフタロニトリルからの収率は、84%であっ
た。
条件を、以下に示すように変更した以外は、前記実施例
1と同様にして、4−ベンジルチオフタロニトリルを合
成した。
ロニトリルのジメチルホルムアミド(DMF)溶液に、
炭酸カリウムおよびベンジルメルカプタンを加え、この
混合物を加熱し、40〜50℃で6時間攪拌した。
4−ブロモフタロニトリルからの収率は、75%であっ
た。
酸カリウムの使用量を、11.2g(0.08mol)
に変更した以外は、前記実施例1と同様にして、4−ベ
ンジルチオフタロニトリルを合成した。
4−ブロモフタロニトリルからの収率は、68%であっ
た。
酸カリウムに代わり、水素化ナトリウム4.8g(0.
20mol)を用いた以外は、前記実施例1と同様にし
て、4−ベンジルチオフタロニトリルを合成した。
4−ブロモフタロニトリルからの収率は、82%であっ
た。
り、前記式(I−1)[式(I−1)中、R1=CH3]
の4−メチルベンジルメルカプタンを用いた以外は、前
記実施例1と同様にして、前記式(II−1)[式(II−
1)中、R1=CH3]の4−(4−メチルベンジルチ
オ)フタロニトリルを白色結晶として得た(mp148
〜149℃)。
タロニトリルの4−ブロモフタロニトリルからの収率
は、80%であった。
酸を用いて、前記実施例1と同様にして、4−クロロフ
タロニトリルを合成した。
いて、前記実施例1と同様にして、4−ベンジルチオフ
タロニトリルを得た。
4−クロロフタロニトリルからの収率は、52%であ
り、反応生成物中には、4−ベンジルチオフタロニトリ
ルの他に、構造不明の茶褐色の副生成物が混在してい
た。
酸を用いて、前記実施例1と同様にして、4−ヨードフ
タロニトリルを合成した。
いて、前記実施例1と同様にして、4−ベンジルチオフ
タロニトリルを得た。
4−ヨードフタロニトリルからの収率は、45%であっ
た。
−ブロモフタロニトリルを出発物質として用いるので、
位置選択的に置換基が導入された4−フタロニトリル誘
導体を、容易かつ高い収率で製造することができる。
応温度や反応時間を、適宜選択することにより、4−フ
タロニトリル誘導体の収率をより向上させることができ
る。
−ブロモ無水フタル酸から合成(製造)することによ
り、前記効果をさらに向上させることができる。
Claims (9)
- 【請求項1】 アルカリ存在下で、4−ブロモフタロニ
トリルと、下記式(I)で示されるベンジルメルカプタ
ン誘導体とを反応させ、下記式(II)で示される4−フ
タロニトリル誘導体を得ることを特徴とする4−フタロ
ニトリル誘導体の製造方法。 【化1】 【化2】 [式(I)、式(II)中、Rは、水素原子または炭素数
1〜4のアルキル基を表す。] - 【請求項2】 前記4−ブロモフタロニトリルと、前記
ベンジルメルカプタン誘導体との反応温度は、30〜1
20℃である請求項1に記載の4−フタロニトリル誘導
体の製造方法。 - 【請求項3】 前記4−ブロモフタロニトリルと、前記
ベンジルメルカプタン誘導体との反応時間は、0.5〜
8時間である請求項1または2に記載の4−フタロニト
リル誘導体の製造方法。 - 【請求項4】 前記アルカリは、炭酸カリウム、炭酸ナ
トリウム、水素化ナトリウム、ピリジン、1,8−ジア
ザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−
ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネンのうちの少
なくとも1種である請求項1ないし3のいずれかに記載
の4−フタロニトリル誘導体の製造方法。 - 【請求項5】 前記アルカリの使用量は、前記ベンジル
メルカプタン誘導体1モルに対して、1〜10モルであ
る請求項1ないし4のいずれかに記載の4−フタロニト
リル誘導体の製造方法。 - 【請求項6】 前記4−ブロモフタロニトリルは、4−
ブロモ無水フタル酸から得られたものである請求項1な
いし5のいずれかに記載の4−フタロニトリル誘導体の
製造方法。 - 【請求項7】 前記4−ブロモフタロニトリルは、4−
ブロモ無水フタル酸とアミド化合物とを反応させ、4−
ブロモフタルイミドを得、次いで、前記4−ブロモフタ
ルイミドとアンモニアとを反応させ、4−ブロモフタル
アミドを得、その後、前記4−ブロモフタルアミドを脱
水剤で処理することにより得られたものである請求項1
ないし6のいずれかに記載の4−フタロニトリル誘導体
の製造方法。 - 【請求項8】 前記アミド化合物は、ホルムアミドであ
る請求項7に記載の4−フタロニトリル誘導体の製造方
法。 - 【請求項9】 前記脱水剤は、塩化チオニル、五酸化リ
ン、オキシ塩化リン、ポリリン酸エステル、トリフェニ
ルホスフィン、ホスゲンのうちの少なくとも1種である
請求項7または8に記載の4−フタロニトリル誘導体の
製造方法。
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