以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
ここで、図1から図3では、ミシン針131が上下動を行う方向をY軸方向と定義し、これと直交する前後方向をX軸方向と定義し、Y軸方向とX軸方向の両方に直交する左右方向をZ軸方向と定義する。
差動送りミシン1の機械的構成について図1から図3を用いて説明する。差動送りミシン1は、いせ込み縫いの縫製動作を行う縫製駆動部2を具備する。縫製駆動部2は、上布を送る上送り機構部3と、下布を送る下送り機構部4と、上布及び下布を縫製する運針機構部5等を有している。
上送り機構部3は、上送りモータ11(図4に図示)と、その上送りモータ11の回転運動がプーリ等を介し伝達されて駆動される上送りベルト110等により構成されている。そして、上送りベルト110が上送りモータ11によって駆動されることによって、図2におけるX軸方向に沿う矢印Aの方向に上布が送られる。
下送り機構部4は、下送りモータ12(図4に図示)と、その下送りモータ12の回転運動がプーリ等を介し伝達されて駆動される下送りベルト120等により構成されている。そして、下送りベルト120が下送りモータ12によって駆動されることによって、図2におけるX軸方向に沿う矢印Aの方向に下布が送られる。
運針機構部5は、下送りベルト120の上方において上下動可能とされた針棒130と、針棒130に着脱自在に備えられたミシン針131と、ミシンモータ13(図3、図4に図示)と、ミシンモータ13によって回転される主軸と、その主軸と針棒130との間に連結されて主軸の回転運動を針棒130の上下の往復運動に変換する変換機構と、を具備する。そして、運針機構部5は、ミシンモータ13により主軸及び変換機構を介して針棒130を往復運動させ、ミシン針131に供給されるミシン糸をミシン針131によって上布及び下布に縫い付けるものである。
運針機構部5は、ミシンモータ13の回転速度の変更によってミシン針131の上下動周期を変更可能とされている。上送り機構部3は、上送りモータ11の回転速度の変更によって一針当たりの上布の送り量を変更可能とされている。下送り機構部4は、下送りモータ12の回転速度の変更によって下布の送り量を変更可能とされている。上送り機構部3による一針当たりの送り量が下送り機構部4による一針当たりの送り量と異なることによって、上布の送り量と下布の送り量に差が生じるが、一針当たりの上布と下布の送り量の差をいせ込み量といい、上布の送り量を下布の送り量より多くすればするほどいせ込み量を多くすることができる。ここで、一針当たりとは、運針機構部5によってミシン針131が一往復だけ上下動する周期をいう。なお、以下では、一針当たりの上布の送り量を上送り量といい、一針当たりの下布の送り量を下送り量という。
この差動送りミシン1は、縫製駆動部2により上送り量と下送り量との間に差を設けることによっていせ込みを行いつつ縫製を行うミシンであって、例えば、下布としての身頃生地に対し、上布としての袖生地をいせ込んで縫いつける縫製等に使用される。この差動送りミシン1は、一連の縫製を複数の縫製ステップに分けて行うが、縫製ステップ毎に縫製長さ、いせ込み量、下送り量を設定し得るようになっている。ここで、縫製長さとは、或る縫製ステップの縫い始めからその縫製ステップの縫い終りまでの下布の送り量である。また、いせ込み量と下送り量の和が、上送り量となる。
また、この差動送りミシン1は、ミシン針131に供給される糸を挟み込んで糸に張力を付与する糸挟持部と、糸挟持部の駆動源である糸張力ソレノイド(図4に図示)とを備える。糸張力ソレノイド14は糸狭持部に与える推力を調整するものであり、糸張力ソレノイド14によって推力が糸挟持部に与えられることで、糸挟持部に挟持された糸に張力が加わり、糸張力ソレノイド14によって推力が調整されることによって、糸に加わる張力が調整される。また、この差動送りミシン1は、縫製終了後(全ての縫製ステップの終了後)に糸を切断する糸切り装置を備える。
差動送りミシン1の電気的構成について説明する。図4に示すように、差動送りミシン1は、制御部10と、制御部10の駆動制御信号によって上送りモータ11を駆動する駆動回路11aと、制御部10の駆動制御信号によって下送りモータ12を駆動する駆動回路12aと、制御部10の駆動制御信号によってミシンモータ13を駆動する駆動回路13aと、制御部10の駆動制御信号によって糸張力ソレノイド14を駆動する駆動回路14aと、差動送りミシン1を操作するためのミシン起動ペダル15と、ミシン起動ペダル15が操作されたことに基づく駆動入力信号を制御部10に送る入力回路15aと、差動送りミシン1を操作する補助ペダル17と、その補助ペダル17が操作されたことに基づく駆動入力信号を制御部10に送る入力回路17aと、差動送りミシン1を操作するステップ切替スイッチ18と、そのステップ切替スイッチ18が操作されたことに基づく駆動入力信号を制御部10に送る入力回路18aと、タッチパネル付表示装置である操作パネル16と、を具備する。
制御部10は、マイコンであるMPU(Micro Processor Unit)10aと、ROM(Read Only Memory)10bと、RAM(Random Access Memory)10cと、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)10dと、を備えており、図3に示された電装ボックス20内に配設されている。
ROM10bには差動送りミシン1の制御プログラムが格納されている。RAM10cは、ワークエリアをMPU10aに提供するメモリである。EEPROM10dには、縫製に係る各種データがバックアップされる。MPU10aは、ROM10bに格納された制御プログラムに従って処理を行う。
制御部10がMPU10aの演算処理により上送りモータ11、下送りモータ12及びミシンモータ13を駆動することによって、ミシン針131が上下動しながら上送りベルト110によって上布が送られ且つ下送りベルト120によって下布が送られる。これにより、縫製駆動部2がいせ込み縫いの縫製動作を行う。
また、制御部10がミシンモータ13の回転速度を制御することによってミシン針131の上下動周期が制御され、制御部10が上送りモータ11の回転速度を制御することによって上送り量が制御され、制御部10が下送りモータ12の回転速度を制御することによって下送り量が制御される。このように制御部10が上送りモータ11、下送りモータ12及びミシンモータ13の回転速度を制御することによって、いせ込み量が制御される。なお、制御部10は、上送り量、下送り量及びいせ込み量を連続的(アナログ的)に変更できず、最小単位ずつ段階的(デジタル的)に変更し得る。ここでは、最小単位を0.1mmとしている。
ミシン起動ペダル15は、作業者が差動送りミシン1を操作するための操作ペダルである。ミシン起動ペダル15は、起動ペダル15が操作された動きを電気信号に変換する入力回路15aを介し、作業者によるペダルの踏み込み量に応じた駆動入力信号を制御部10に出力するものである。制御部10は、ミシン起動ペダル15が踏まれ始めると上送りモータ11、下送りモータ12及びミシンモータ13を作動させ、ミシン起動ペダル15の踏み込み量に応じた回転速度で上送りモータ11、下送りモータ12及びミシンモータ13を駆動し、ミシン起動ペダル15の踏み込みが解除されると上送りモータ11、下送りモータ12及びミシンモータ13を停止させる。
補助ペダル17は、作業者が差動送りミシン1におけるいせ込み量の設定値を変更するためのペダル部である。補助ペダル17は、補助ペダル17が操作された動きを電気信号に変換する入力回路17aを介し、作業者による踏み込み量に応じた駆動入力信号を制御部10に出力するものである。補助ペダル17から制御部10に駆動入力信号が入力されることによって、制御部10が補助ペダル17の踏み込み量に応じていせ込み量の設定値を変更する。
この補助ペダル17は、所定の軸を軸線とする揺動が可能に備えられている。そして、補助ペダル17は、前踏みによる揺動によりプラスの値のいせ込み量変更値、後踏みによる揺動によりマイナスの値のいせ込み量変更値を制御部10に出力するようになっている。なお、補助ペダル17によるいせ込み量の変更に関する技術は、従来周知の技術であるので、ここでは詳述しない。
ステップ切替スイッチ18は、差動送りミシン1による一連の縫製中の縫製ステップを次の縫製ステップに切り替えるためのスイッチであり、作業者が膝で操作することができるようになっている。ステップ切替スイッチ18は、切替スイッチ18が操作された動きを駆動入力信号に変換する入力回路18aを介して制御部10に出力するものである。制御部10は、ステップ切替スイッチ18から駆動入力信号を入力すると縫製ステップを次の縫製ステップに切り替える。
操作パネル16は、表示手段としての液晶ディスプレイなどの表示装置と、表示装置の表示面に設けられた入力手段としてのタッチパネルとから構成されている。表示装置は、制御部10から出力される種々の縫製情報(例えば、縫製ステップ毎に設定された縫製長さ、下送り量及びいせ込み量、縫製ステップを図形で示す区間図形等)や各種アイコンボタン等を表示する。タッチパネルは、電磁誘導式、磁気歪式、感圧式等の座標読み取り原理でタッチ指示された座標を検出し、検出した座標を位置信号として制御部10に出力する。すなわち操作パネル16は各種情報やデータ等を表示するとともに、操作パネル16における表示装置に表示された各種スイッチの位置情報と、タッチパネルにおいてタッチ指示により検出された座標の位置情報とを対応させることにより入力された入力指示を制御部10に出力する。
操作パネル16の表示装置に表示される表示画面によって、縫製ステップ毎に縫製長さ、下送り量及びいせ込み量を最小単位ずつ段階的に設定することができる。一例として、図5、図6に示すような画面が制御部10によって操作パネル16の表示装置に表示される。図5に示すように、画面の中央部には、略円形の袖形状を燃した表示図形30が表示される。表示図形30は、8つの縫製ステップに対応して8つの区間図形31〜38に分けられた状態で表示される。表示図形30の最下部が袖下に対応し、表示図形30の最上部が袖山とに対応している。そして、最下部から縫製を開始し、区間図形が半時計回りに区間図形31から区間図形38の順に表示されており、区間図形31〜区間図形38の中には数値が表示されている。区間図形31〜区間図形38内の数値はそれぞれの縫製ステップにおけるいせ込み量の設定値を表している。区間図形31〜区間図形38のいせ込み量がそれぞれ「2」、「3」、「6」、「12」、「0」、「13」、「7」、「1」と設定されている状態を示している。いせ込み量の単位をミリメートルとした場合に、いせ込み量の10倍の値が画面に表示される。例えば、いせ込み量が0.1mmの場合には、画面では数値として「1」が表示される。なお、いせ込み量は、下送り量に対する上送り量の超過量、つまり、上送り量と下送り量の差である。
また、区間図形31〜区間図形38のうち選択された区間図形は、選択されていない他の区間図形と識別できるように、グレーで表示されている。図5では、区間図形31に対応する縫製ステップが選択されている。
また、作業者は、操作パネル16に表示されるいせ込み量設定部39の何れかのボタンをタッチ操作することで、タッチしたボタンに割り当てられたいせ込み量を、選択した区間図形の縫製ステップにおけるいせ込み量として設定することができる。設定されたいせ込み量は、図5に示すように区間図形31〜区間図形38内に表示され、更に制御部10によってEEPROM10dに格納される。縫製ステップの順番をnとした場合、n番目の縫製ステップにおいて設定されたいせ込み量を設定いせ込み量Inと表す。なお、各縫製ステップのおけるいせ込み量を操作パネル16によって設定するのではなく、予めROM10b又はEEPROM10dに記憶させても良い。
区間図形31〜38の周方向における長さは、各縫製ステップの縫製長さに応じた比率で表示されている。表示図形30の上には、縫製長さ表示欄40が表示されている。縫製長さ表示欄40では、区間図形31〜区間図形38のうち選択された区間図形の縫製ステップにおける縫製長さが分子に表示され、区間図形31〜区間図形38の縫製ステップにおける縫製長さの総和が分母に表示されている。図5の例では、区間図形31の縫製ステップにおける縫製長さが35.2mmと設定され、区間図形31〜区間図形38の縫製ステップにおける縫製長さの総和が358.0mmと設定されている。n番目の縫製ステップにおいて設定された縫製長さを設定縫製長さDnと表す。なお、各縫製ステップにおける縫製長さは、操作パネル16によって設定してEEPROM10dに記憶させても良いし、予めROM10b又はEEPROM10dに記憶させても良い。
図5の画面の右上には、パターン詳細ボタン41が表示されている。また、作業者がパターン詳細ボタン41をタッチ操作することによって、図6のようなパターン詳細設定画面が制御部10によって操作パネル16に表示される。図6の画面においては、選択した区間図形の縫製ステップにおける下送り量を設定することができ、下送り量表示部42には下送り量が表示されている。下送り量表示部42の右には増加ボタン43と減少ボタン44が表示されているが、作業者が増加ボタン43をタッチ操作するごとに、下送り量表示部42に表示される下送り量が最小単位ずつ増加し、作業者が減少ボタン44をタッチ操作するごとに下送り量表示部42に表示される下送り量が最小単位ずつ減少する。そして、作業者が決定ボタン45をタッチ操作することによって、下送り量表示部42に表示される下送り量が設定され、更に設定された下送り量が制御部10によってEEPROM10dに格納され、図5の画面に戻る。これにより、選択した区間図形の縫製ステップにおける下送り量を設定することができる。n番目の縫製ステップにおいて設定された下送り量を設定下送り量Pnと表す。なお、各縫製ステップにおける下送り量は、予めROM10b又はEEPROM10dに記憶させても良い。
図5の画面の左下には、準備ボタン46が表示されている。作業者が準備ボタン46をタッチ操作することによって、差動送りミシン1が縫製を行え得るようになる。
制御部10の機能について説明する。
制御部10は、ミシン起動ペダル15の操作に基づいた駆動制御信号を駆動回路13aに送ることによってミシンモータ13の回転速度を制御する機能を有する。
制御部10は、ミシンモータ13の回転速度に合わせて上送りモータ11及び下送りモータ12の回転速度を制御する機能を有する。n番目の縫製ステップにおける下送りモータ12の回転速度の制御において、制御部10は、設定下送り量Pnで下布が下送りベルト120により送られるように下送りモータ13の回転速度を制御する機能を有する。n番目の縫製ステップにおける上送りモータ11の回転速度の制御において、制御部10は、設定下送り量Pnと設定いせ込み量Inとの和となる上送り量で上布が上送りベルト110により送られるように上送りモータ11の回転速度を制御する機能を有する。
また、制御部10は、補助ペダル17が操作されて揺動された揺動量に基づきいせ込み量を変更する機能を有する。いせ込み量が変更されたことに伴い、ミシン各部は変更されたいせ込み量に関する縫製を実行するようになる。
また、制御部10は、ステップ切替スイッチ18が操作されたことに伴う駆動入力信号に基づき、縫製中の縫製ステップを次の縫製ステップに切り替える機能を有する。縫製ステップが切り替えられたことに伴い、ミシン各部は切り替えられた縫製ステップにおける設定下送り量Pn+1及び設定いせ込み量In+1で縫製を実行するようになる。
また、制御部10は、ミシン針131が一回上下動する度に残り縫製長さを算出し、残り縫製長さが設定下送り量Pnよりも小さくなった場合に次の縫製ステップに切り替える機能を有する。残り縫製長さとは、各縫製ステップにおいて縫製すべき残りの長さであり、ミシン針131が一回上下動する毎に設定下送り量Dnだけ減っていく変数である。例えば、残り縫製長さは、設定縫製長さDnと繰越長さBnの和から、n番目の縫製ステップの開始時から縫い上げた実行縫製長さを減算することで求められる。つまり、n番目の縫製ステップの開始時からミシン針131を上下動した回数を針数とした場合、実行縫製長さは、「実行縫製長さ」=「設定下送り量Dn」×「針数」の式によって算出され、残り縫製長さは、「残り縫製長さ」=「設定縫製長さDn」+「繰越長さBn」−「実行縫製長さ」の式によって算出される。ここで、nが2以上の場合、繰越長さBnは、前回の縫製ステップから繰り越した縫い余りであって、前回の縫製ステップにおいて最後にミシン針131が上下動した時の残り縫製長さであり、設定縫製長さDn-1と繰越長さBn-1の和を設定下送り量Pn-1で除算するときの余りである(0≦Bn<Pn-1)。但し、最初の縫製ステップ(n=1)の場合、繰越長さB1がゼロであり、更に、前回の縫製ステップからステップ切替スイッチ18によって手動でn番目の縫製ステップに切り替えられた場合、繰越長さBnがゼロとされる。
次に、差動送りミシン1の動作について図7のフローチャートを用いて説明する。
まず、差動送りミシン1の主電源がONにされたことに基づき、制御部10が初期化動作を行う(ステップSA1)。そして、制御部10は、ROM10b又はEEPROM10dに記憶されている各縫製ステップにおける初期の設定下送り量、設定縫製長さ、設定いせ込み量に基づく編集画面(例えば、図5)を操作パネル16に表示する(ステップSA3)。
次に、制御部10は、準備ボタン46がタッチ操作されたか否かを判断する(ステップSA5)。準備ボタン46がタッチ操作されずに(ステップSA5:No)、図5の編集画面が表示されている場合に、作業者が操作パネル16にタッチ操作することで各縫製ステップの設定下送り量、設定いせ込み量、設定縫製長さが変更された場合、制御部10は、その変更した設定下送り量、設定いせ込み量、設定縫製長さをEEPROM10dに記憶する。一方、準備ボタン46がタッチ操作されると、制御部10の処理がステップSA7に移行する(ステップSA5:YES)。
ステップSA7では、制御部10は、最初の縫製ステップ(つまり、n←1)における設定下送り量Pn、設定いせ込み量In、設定縫製長さDnを読み込み、RAM10cに一時記憶する。更に制御部10はRAM10cの記憶領域に残り縫製長さを一時記憶するが、ステップSA7の時点では縫製が行われておらず、最初の縫製ステップにおいては繰越長さBnがゼロであるので、制御部10は設定縫製長さDnを変数としての残り縫製長さとしてRAM10cに記憶する。
次に、制御部10はミシン起動ペダル15が踏まれたか否かを判定し(ステップSA9)、ミシン起動ペダル15が踏まれていない場合には制御部10の処理が再びステップSA9に戻り、ミシン起動ペダル15が踏まれた場合には制御部10の処理がステップSA11に移行する。ステップSA1からステップSA9までは、差動送りミシン1が縫製動作を行う前の待機状態における処理である。
ステップSA11においては、制御部10は、上送りモータ11、下送りモータ12及びミシンモータ13を作動させ、ミシン起動ペダル15の踏み込み量に応じた回転速度で上送りモータ11、下送りモータ12及びミシンモータ13を駆動する。ここで、制御部10は、ミシンモータ13の回転速度に合わせて上送りモータ11及び下送りモータ12の回転速度を制御するが、制御部10は、設定下送り量Pnで下布が下送りベルト120により送られるように下送りモータ13の回転速度を制御すとともに、設定下送り量Pnと設定いせ込み量Inとの和となる上送り量で上布が上送りベルト110により送られるように上送りモータ11の回転速度を制御する。これにより縫製駆動部2によっていせ込み縫いが開始し、制御部10の処理がステップSA13に移行するが、以下の制御部10の処理はミシン針131が一回だけ上下動する間における処理である。
ステップSA13においては制御部10が監視処理を行う。図8は監視処理のフローチャートであるが、まず制御部10はステップ切替スイッチ18が操作されたか否かを判定する(ステップSB1)。ステップ切替スイッチ18が操作されない場合には、制御部10の処理がステップSA15に移行し、ステップ切替スイッチ18が操作された場合には、制御部10の処理がステップSB3に移行する。ステップSB3においては、制御部10は縫製ステップの順番をカウントアップすることで(n←n+1)、縫製ステップを次の縫製ステップに切り替える。そして、制御部10は、新たな縫製ステップにおける設定下送り量Pn、設定いせ込み量In、設定縫製長さDnを読み込み、その縫製ステップに繰り越す繰越長さBnをゼロとし、繰越長さBnと設定縫製長さDnの和(繰越長さBnがゼロであるので、和は設定縫製長さDnである。)を残り縫製長さとしてRAM10cに記憶する(ステップSB5)。その後、制御部10の処理はステップSA15に移行する。
ステップSA15において制御部10はミシン針131が一回分上下動したか否かを判定し、ミシン針131が一回分上下動した場合には、制御部10の処理がステップSA17に移行し、ミシン針131が一回分上下動していない場合には、制御部10の処理がステップSA27に移行する。
ステップSA17において、制御部10は残り縫製長さが設定下送り量Pn以上であるか否かを判定する。残り縫製長さが設定下送り量Pnより小さい場合には、制御部10の処理がステップSA23に移行する。一方、残り縫製長さが設定下送り量Pn以上である場合には、制御部10が残り縫製長さから設定下送り量Pnを減算することで新たな残り縫製長さを求め、RAM10cの記憶領域をその新たな残り縫製長さに書き換える(ステップSA19)。そして、再び、制御部10は残り縫製長さが設定下送り量Pn以上であるか否かを判定し(ステップSA21)、残り縫製長さが設定下送り量Pnより小さい場合には、制御部10の処理がステップSA23に移行し、残り縫製長さが設定下送り量Pn以上である場合には、制御部10の処理がステップSA27に移行する。なお、ステップSA21において残り縫製長さが設定下送り量Pn以上であると判定された場合、その残り縫製長さは、繰越長さBnと設定縫製長さDnとの和を設定送り量Pnで除算したときの余りに等しい。
ステップSA23において、制御部10は縫製ステップの順番をカウントアップすることで(n←n+1)、縫製ステップを次の縫製ステップに切り替える。そして、制御部10は、新たな縫製ステップにおける設定下送り量Pn、設定いせ込み量In、設定縫製長さDnを読み込み、前回の縫製ステップにおいてRAM10cに記憶された残り縫製長さを繰り越しにより繰越長さBnとし、繰越長さBnと設定縫製長さDnの和を新たな残り縫製長さとしてRAM10cの書き換えをする(ステップSA25)。その後、制御部10の処理はステップSA27に移行する。
ステップSA27において、制御部10はミシン起動ペダル15が踏まれているか否かを判定し、ミシン起動ペダル15が踏まれている場合には制御部10の処理が再びステップSA13に戻り、ミシン起動ペダル15が踏まれていない場合には制御部10が上送りモータ11、下送りモータ12及びミシンモータ13を停止する(ステップSA29)。上送りモータ11、下送りモータ12及びミシンモータ13の停止後、制御部10は監視処理を行う(ステップSA31)。ステップSA31における監視処理はステップSA13における監視処理と同じであり、制御部10は図8に示されたサブルーチンを実行後に糸切りがされた否かを判定する(ステップSA33)。ここで、最後の縫製ステップが終了した場合には、糸切り装置によって糸切りが行われ、制御部10の処理がステップSA35に移行し、最後の縫製ステップが終了していない場合には、制御部10の処理がステップSA9に戻る。
ステップSA35において制御部10が初期化動作を行い、その後制御部10は、最初の縫製ステップ(つまり、n←1)における設定下送り量Pn、設定いせ込み量In、設定縫製長さDnを読み込み、RAM10cに一時記憶する。更に制御部10はRAM10cの記憶領域に残り縫製長さを一時記憶するが、最初の縫製ステップにおいては繰越長さBnがゼロであるので、制御部10は設定縫製長さDnを残り縫製長さとしてRAM10cに記憶する。そして、制御部10の処理がステップSA9に戻る。
以上のように本実施形態によれば、n番目の縫製ステップでは設定下送り量Pnが一針当たりの下送り量としていせ込み縫いが行われて、残り縫製長さが設定下送り量Pn以下になると(ステップSA21:No)、次の縫製ステップに切り替わり、その残り縫製長さ(繰越長さBnと設定縫製長さDnとの和を設定下送り量Pnで除算したときの余りに等しい)が繰越長さBn+1として次の縫製ステップに繰り越される。そのため、次の縫製ステップの開始時には、残り縫製長さが設定縫製長さDn+1と繰越長さBn+1との和とされて(ステップSA25)、いせ込み縫いが行われる。このように、n番目の縫製ステップにおける縫いの余りが繰越長さBn+1として次の縫製ステップに繰り越される。そのため、各縫製ステップの余り分が累積していくことが防止され、より正確な縫製ステップの切り替えが行え、綺麗ないせ込み縫いが施される。
また、n番目の縫製ステップでは設定下送り量Pnで一様に下布を送っているので、綺麗ないせ込み縫いを施すことができる。
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明を適用した第2実施形態における差動送りミシンについて説明する。第2実施形態の差動送りミシンについては第1実施形態における差動送りミシン1の各部と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
制御部10の機能について説明する。
制御部10は、n番目の縫製ステップにおいてミシン針131を回数Sn(但し、Snはゼロ以上の整数。)を算出する機能を有する。ここで、回数Snは、設定縫製長さDnを設定下送り量Pnで除算して得た商の整数部分である。
また、制御部10は、設定縫製長さDnを設定下送り量Pnで除算したときの余りを算出する機能を有する。そして、各縫製ステップにおいてその縫製ステップの開始時からミシン針131が上下動する回数をmとした場合(但し、mは1以上Sn以下の整数である。)、得た余りを各針周期の配分量Fmに分け、配分量Fmを設定下送り量Pnに加算する機能を有する。なお、制御部10は、上送り量、下送り量及びいせ込み量の最小単位と等しい最小単位ずつ段階的に配分量Fmを設定し得る。ここでは、最小単位を0.1mmとしている。
また、制御部10は、ミシン起動ペダル15の操作に基づいた駆動制御信号を駆動回路13aに送ることによってミシンモータ13の回転速度を制御する機能を有する。
また、制御部10は、ミシンモータ13の回転速度に合わせて上送りモータ11及び下送りモータ12の回転速度を制御する機能を有する。n番目の縫製ステップにおける下送りモータ12の回転速度の制御において、ミシン針131がm回目に上下動する際に、制御部10は、設定下送り量Pnと配分量Fmとの和で下布が下送りベルト120により送られるように下送りモータ12の回転速度を制御する機能を有する。n番目の縫製ステップにおける上送りモータ11の回転速度の制御において、ミシン針131がm回目に上下動する際に、制御部10は、設定下送り量Pnと設定いせ込み量Inと配分量Fmとの和となる上送り量で上布が上送りベルト110により送られるように上送りモータ11の回転速度を制御する機能を有する。
また、制御部10は、n番目の縫製ステップが行われている際に設定縫製長さDnだけのいせ込み縫いが縫製駆動部2によって行われたら、ステップ切替フラグをRAM10cにセットする機能を有する。
第2実施形態における差動送りミシンの動作について図9のフローチャートを用いて説明する。
まず、差動送りミシンの主電源がONにされたことに基づき、制御部10が初期化動作を行う(ステップSC1)。そして、制御部10は、ROM10b又はEEPROM10dに記憶されている各縫製ステップにおける初期の設定下送り量、設定縫製長さ、設定いせ込み量に基づく編集画面(例えば、図5)を操作パネル16に表示する(ステップSC3)。
次に、制御部10は、準備ボタン46がタッチ操作されたか否かを判断する(ステップSC5)。準備ボタン46がタッチ操作されずに(ステップSC5:No)、図5の編集画面が表示されている場合に、作業者が操作パネル16にタッチ操作することで各縫製ステップについて設定下送り量、設定いせ込み量、設定縫製長さが変更された場合、制御部10は、その変更した設定下送り量、設定いせ込み量、設定縫製長さをEEPROM10dに記憶する。一方、準備ボタン46がタッチ操作されると、制御部10の処理がステップSC7に移行する。
ステップSC7では、制御部10は、縫製ステップを最初の縫製ステップとする(n←1)。そして、制御部10は、配分作成処理を行う(ステップSC9)。図10は配分作成処理のフローチャートであるが、まず制御部10はn番目の縫製ステップにおける設定下送り量Pn、設定いせ込み量In、設定縫製長さDnを読み込み、RAM10cに一時記憶する(ステップSD1)。次に、制御部10は、設定縫製長さDnを設定下送り量Pnで除算して得た商の整数部分をn番目の縫製ステップの回数Snとして求め、RAM10cに一時記憶する(ステップSD3)。そして、制御部10は、読み出した設定縫製長さDnを残り縫製長さとしてRAM10cにセットする(ステップSD5)。
次に、制御部10は、設定縫製長さDnを設定下送り量Pnで除算したときの余りを算出し、それをRAM10cに一時記憶する(ステップSD7)。次に、制御部10は、1回目からSn回目の配分量F1〜配分量FSnをゼロとしてRAM10cに記憶し、カウンタとしてのmを”1”にセットする(ステップSD9)。
次に、制御部10は、RAM10cに記憶した余りがゼロであるか否かを判定する(ステップSD11)。余りがゼロでない場合(ステップSD11:No)、制御部10は、余りから最小単位を減算することで新たな余りを求めて、RAM10cの記憶領域をその新たな余りに書き換える(ステップSD13)。次に、制御部10は、配分量Fmに最小単位を加算することで新たな配分量Fmを求めて、RAM10cの記憶領域をその新たな余りに書き換える(ステップSD15)。次に、制御部10は、mが回数Snであるか否かを判定する(ステップSD17)。mが回数Snでない場合に、制御部10はmを1だけインクリメントし(ステップSD19)、制御部10の処理がステップSD11に戻り、mが回数Snである場合に、制御部10はmを”1”にセットし(ステップSD21)、制御部10の処理がステップSD11に戻る。
このように、ステップSD11、ステップSD13、ステップSD15、ステップSD17、ステップSD19の処理サイクルが繰り返されることによって、余りが最小単位ずつ減算されるとともに、1回目の配分量F1から順に最小単位だけ加算される。そして、ステップSD11、ステップSD13、ステップSD15、ステップSD17、ステップSD19の処理サイクルがSn回繰り返されて、Sn回目の配分量FSnに最小単位が加算されても、余りがゼロとならなかったら、ステップSD17及びステップSD21の処理によって再び1回目の配分量F1から順に最小単位だけ加算される。これにより、設定縫製長さDnを設定下送り量Pnで除算したときの余りが、1回目の配分量F1からSn回目の配分量FSnとして配分される。
以上のステップSD11〜ステップSD21の処理サイクルによって余りがゼロとなったら(ステップSD11:Yes)、制御部10がカウンタとしてのmを”1”にセットし(ステップSD23)、配分作成処理が終了し、制御部10の処理がステップSC11に移行する。
ステップSC11において制御部10はミシン起動ペダル15が踏まれた否かを判定し、ミシン起動ペダル15が踏まれていない場合には、制御部10の処理が再びステップSC11に戻り(ステップSC11:No)、ミシン起動ペダル15が踏まれた場合には、制御部10の処理がステップSA13に移行する(ステップSC11:Yes)。ステップSC1からステップSC11までは、差動送りミシンが縫製動作を行う前の待機状態における処理である。
ステップSC13においては、制御部10は、上送りモータ11、下送りモータ12及びミシンモータ13を作動させ、ミシン起動ペダル15の踏み込み量に応じた回転速度で上送りモータ11、下送りモータ12及びミシンモータ13を駆動する。ここで、制御部10はミシンモータ13の回転速度に合わせて上送りモータ11及び下送りモータ12の回転速度を制御するが、ミシン針131がm回目に上下動する際に制御部10は設定下送り量Pnと配分量Fmとの和で下布が下送りベルト120により送られるように下送りモータ12の回転速度を制御するとともに、設定下送り量Pnと設定いせ込み量Inと配分量Fmとの和となる上送り量で上布が上送りベルト110により送られるように上送りモータ11の回転速度を制御する。これにより縫製駆動部2によっていせ込み縫いが行われるが、以下の制御部10の処理はミシン針131が一回だけ上下動する間における処理である。
ステップSC15においては制御部10が監視処理を行う。図11は監視処理のフローチャートであるが、まず制御部10はステップ切替スイッチ18が操作されたか否かを判定する(ステップSE1)。ステップ切替スイッチ18が操作されない場合には、制御部10の処理がステップSE3に移行し(ステップSE1:No)、ステップ切替スイッチ18が操作された場合には、制御部10の処理がステップSE7に移行する(ステップSE1:Yes)。
ステップSE3において、制御部10はRAM10cの記憶領域にステップ切替フラグがセットされているか否かを判定する。ステップ切替フラグがセットされていない場合には(ステップSE3:No)、制御部10の処理はステップSC17に移行する。一方、ステップ切替フラグがセットされている場合には(ステップSE3)、ステップ切替フラグをリセットし(ステップSE5)、制御部10の処理はステップSE7に移行する。ステップSE7においては、制御部10は縫製ステップの順番をカウントアップすることで(n←n+1)、縫製ステップを次の縫製ステップに切り替える。そして、制御部10は、配分作成処理を行う(ステップSE9)。ステップSE9における配分作成処理はステップSC9における配分作成処理と同じであり、ステップSE9における配分作成処理中に制御部10は新たな縫製ステップにおける設定下送り量Pn、設定いせ込み量In、設定縫製長さDnを読み込み、新たな縫製ステップにおける1回目の配分量F1〜Sn回目の配分量FSnを生成する。ステップSE9の配分作成処理後、制御部10の処理はステップSC17に移行する。
ステップSC17において制御部10はミシン針131が一回分上下動したか否かを判定し、ミシン針131が一回分上下動した場合には、制御部10の処理がステップSC19に移行し、ミシン針131が一回分上下動していない場合には、制御部10の処理がステップSC29に移行する。
ステップSC19において、制御部10が残り縫製長さから設定下送り量Pnと配分量Fmの和を減算することで新たな残り縫製長さを求め、RAM10cの記憶領域をその新たな残り縫製長さに書き換える。そして、制御部10は残り縫製長さがゼロであるか否かを判定し(ステップSC23)、残り縫製長さがゼロである場合には、制御部10の処理がステップSC25に移行し、残り縫製長さがゼロでない場合には、制御部10の処理がステップSC29に移行する。なお、一針当たりの下送り量が設定下送り量Pnと配分量Fmとの和とされているから、残り縫製長さがゼロである場合には、設定縫製長さDnだけのいせ込み縫いが完了したことになる。
ステップSC25において、制御部10はRAM10cにステップ切替フラグをセットする。そして、制御部10が監視処理を行う(ステップSC27)。ステップSC27における監視処理はステップSC15における監視処理と同じであり、ステップ切替フラグがセットされているので、ステップSC27における監視処理では制御部10はステップ切替フラグをリセットし(ステップSE5)、縫製ステップの順番をカウントアップすることで(n←n+1)、縫製ステップを次の縫製ステップに切り替える(ステップSE7)。ステップSC27の監視処理後、制御部10の処理がステップSC29に移行する。
ステップSC29において、制御部10はミシン起動ペダル15が踏まれているか否かを判定し、ミシン起動ペダル15が踏まれている場合には制御部10の処理が再びステップSC15に戻り、ミシン起動ペダル15が踏まれていない場合には制御部10が上送りモータ11、下送りモータ12及びミシンモータ13を停止する(ステップSC31)。上送りモータ11、下送りモータ12及びミシンモータ13の停止後、制御部10は監視処理を行う(ステップSC33)。ステップSC33における監視処理はステップSC15における監視処理と同じであり、制御部10は図11に示されたサブルーチンを実行後に糸切りがされた否かを判定する(ステップSC35)。ここで、最後の縫製ステップが終了した場合には、糸切り装置によって糸切りが行われ、制御部10の処理がステップSC37に移行し(ステップSC35:Yes)、最後の縫製ステップが終了していない場合には、制御部10の処理がステップSC11に戻る(ステップSC35:No)。
ステップSC37において制御部10が初期化動作を行い、その後制御部10は縫製ステップを最初の縫製ステップにし(ステップSC39)、制御部10の処理がステップSC9に戻る。
以上のように本実施形態によれば、n番目の縫製ステップでは設定縫製長さDnだけのいせ込み縫いが縫製駆動部2によって行われる。ここで、設定縫製長さDnを設定下送り量Pnで除算したときの余りが1回目の配分量F1からSn回目の配分量FSnに分けられ、m回目にミシン針131が上下動する際には設定下送り量Pnと配分量Fmとの和が一針の下送り量としたいせ込み縫いが行われる。そのため、設定縫製長さDnだけいせ込み縫いが行われると、余りが無くなる。従って、各縫製ステップの余り分が累積していくことが防止され、より正確な縫製ステップの切り替えが行え、綺麗ないせ込み縫いが施される。
また、設定縫製長さDnを設定下送り量Pnで除算したときの余りが1回目の配分量F1からSn回目の配分量FSnに最小単位ずつ分けられので、n番目の縫製ステップ内における一針当たりの下送り量をほぼ一様にすることができる。そのため、綺麗ないせ込み縫いを施すことができる。
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明を適用した第3実施形態における差動送りミシンについて説明する。第3実施形態の差動送りミシンについては第1実施形態における差動送りミシン1の各部と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
第3実施形態の差動送りミシンの制御部10は、第1実施形態の差動送りミシン1の制御部10の機能と、第2実施形態の差動送りミシンの制御部10の機能とを併せもったものである。
操作パネル16は、第1実施形態の差動送りミシン1の制御部10と同様の処理を行う第1モードと、第2実施形態の差動送りミシン1の制御部10と同様の処理を行う第2モードとの何れかを選択するための選択手段として機能する。
そして、差動送りミシンの主電源がONにされて起動した後に、作業者が操作パネル16をタッチ操作することで第1モードを選択した場合には、制御部10は図7、図8のフローチャートに示されたような処理を行う。一方、作業者が操作パネル16をタッチ操作することで第2モードを選択した場合には、制御部10は図9、図10、図11に示されたような処理を行う。また、第1モードと第2モードの何れかに選択することができることによって、縫製状況に応じた対応が可能となり、縫製品質の改善が図られる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更を行っても良い。
上記実施形態では、一針当たりの送り量の基準を下送り量として説明を行ったが、一針当たりの送り量の基準を上送り量としても良い。その場合には、下送り量は上送り量からいせ込み量を差し引いた値となる。