JP4624540B2 - 量子半導体装置、波長多重化光信号受信装置、光メモリ装置 - Google Patents

量子半導体装置、波長多重化光信号受信装置、光メモリ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は一般に半導体装置に係り、特に量子半導体装置に関する。
【0002】
光通信技術では、光ファイバ中を伝送される光信号を検出するのにPINフォトダイオードなどの光検出器が使われているが、近年のトラヒックの増大に伴い、さらに高速で低消費電力、高感度の光検出器が要求されるようになっている。特に最近では増大する光トラヒックに対応するために、複数の波長の光信号成分を共通の光ファイバを介して伝送する波長多重光通信技術が使われ始めている。かかる波長多重光通信技術においては、異なった波長に対してチューニングが可能な光検出器が求められている。
【0003】
また、情報処理の分野においては処理データ量の増大に伴い、高速で大容量のメモリが必要となるが、これを半導体メモリ装置で実現しようとすると、必要な高集積密度に対応して配線パターンが非常に複雑になり、歩留りの低下等、様々な問題が生じると考えられる。これに対し、微弱光で書き込みが可能な光半導体メモリは、前記半導体メモリ装置の問題点を解消できる手段として期待されている。
【0004】
【従来の技術】
従来より、光検出にはpn接合を有するフォトダイオードあるいはpin接合を有するフォトダイオードが一般的に使われている。
【0005】
図1は典型的な従来のpn接合フォトダイオード10の構成を示す。
【0006】
図1を参照するに、フォトダイオード10はn型InP基板11上に構成されており、前記基板11上に形成されたn型InPバッファ層12と、n型InGaAs光吸収層13と、前記光吸収層13中に形成されたp型InGaAs領域13Aとを含み、前記光吸収層13上には前記p型領域13Aに対応して電極14が、また前記InP基板11の下主面上には光学窓となる開口部16Aを形成されたリング状電極16が形成される。さらに前記吸収層13の露出表面はSiN等のパッシベーション膜15により保護される。pin接合を有するフォトダイオードも類似した構成を有する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図1のフォトダイオード10はプレーナ型の構造であり、光電流を十分なS/N比で検出するためには実質的な受光面積にわたり光照射を受ける必要がある。すなわち、図1のフォトダイオード10をはじめとするプレーナ型のフォトダイオードは感度が低いという問題点を有している。
【0008】
図1のフォトダイオード10においては、p型領域13Aの面積を縮小することにより光電流の検出に要する光照射強度を減少させることができるはずであるが、かかる受光面積の縮小にはフォトリソグラフィー工程に伴う制約があり、このためプレーナ型のフォトダイオードでは検出感度が低くなるという問題点を回避できない。
【0009】
また、情報処理の分野においては近年の処理データ量の急増に伴い、高速で大容量のメモリ装置が必要とされている。従来より高速大容量メモリ装置としてはDRAMやSRAM等の高集積密度半導体メモリ装置が使われているが、今日の半導体メモリ装置では莫大な素子間を電気的に接続するために非常に複雑な配線パターンを使っており、これに伴い多層配線構造等の工程数を要する技術を使わざるを得ない状況が発生している。しかし、将来必要になるさらに大容量のメモリ装置では、このような従来の半導体メモリ装置を使った場合には信号の遅延や歩留りの低下等、様々な問題が生じると考えられる。このため、大量の情報を高速に搬送できる光信号により直接に書き込みが可能な半導体光メモリ装置が望まれている。
【0010】
これに対し従来より、例えば特開平8−32046号公報に記載されているように、量子ドットに特徴的な離散的エネルギ準位を利用した光電子集積素子が提案されている。前記提案によれば、プレーナ型構造中に多数の量子ドットを形成し、波長多重化光信号の光検出や光変調、あるいは出力を行う。
【0011】
しかし、かかる従来の量子ドットを使った光信号処理装置では、個々の量子ドットを、対応する光信号成分の波長に同調するように形成する必要があるが、従来のパターニング技術により、所望の量子ドットを制御性良く、しかも歩留り良く形成することは困難である。またアレイを構成する多数の量子ドットを、それぞれのサイズに形成することは困難である。
【0012】
そこで本発明は、上記の課題を解決した新規で有用な量子半導体装置を提供することを概略的課題とする。
【0013】
本発明のより具体的な課題は、量子ドットを備えた量子半導体装置において、量子ドットのエネルギ準位を自在に制御できる構成を有する量子半導体装置を提供することにある。
【0014】
本発明の他の課題は、量子ドットを備えた量子半導体装置において、量子ドットのエネルギ準位を自在に制御することにより、入射光のエネルギスペクトルを分析するスペクトルアナライザを提供することにある。
【0015】
本発明のさらに他の課題は、波長多重化光信号中の選択された光信号成分を検出できる波長多重通信用光信号受信装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を、一の導電型を有する第1の半導体層と、前記第1の半導体層上に形成された第2の半導体層と、前記第2の半導体層上に形成され、前記第1の半導体層と同じ導電型を有する第3の半導体層と、前記第3の半導体層中に、前記第2の半導体層中に侵入するように形成され、前記第2の半導体層中、前記第1の半導体層と前記第2の半導体層との界面近傍に、前記界面から離間して位置する頂点と、前記頂点において収斂する複数のファセット面とにより画成された多角錐ピットと、前記多角錐ピット中において、前記複数のファセット面を連続的に覆う、前記第1の半導体層と同じ導電型のチャネル層と、前記多角錐ピット中において、前記チャネル層を覆うように形成された第1のバリア層と、前記多角錐ピット中において、前記第1のバリア層を覆うように形成されたホール蓄積層と、前記多角錐ピット中において、前記ホール蓄積層を覆うように形成された第2のバリア層と、前記多角錐ピット中において、前記第2のバリア層を覆うように形成されたキャップ層と、前記第3の半導体層上に形成された第1の電極と、前記第1の半導体層上に形成された、制御電圧印加用の第2の電極と、前記第2の半導体層上にショットキーコンタクトするように形成された第3の電極とを備え、前記ホール蓄積層に量子ドットが形成されていることを特徴とする光検出用の量子半導体装置により、解決する。
【0017】
本発明によれば、前記ホール蓄積層中に、前記多角錐ピットの頂点に対応してキャリアを3次元的に閉じ込める量子ドットが形成されるが、前記第の電極に制御電圧を印加することによりショットキーコンタクトに伴う空乏層の広がりが変化し、その結果量子ドットのサイズ、従って量子準位を任意に変化させることができる。
【0018】
本発明において、前記第の電極は、前記第3の半導体層中に、前記第2の半導体層を露出するように形成されたコンタクトホール中に形成するのが好ましい。また前記第の電極は、各々前記第2の半導体層にショットキーコンタクトする、複数のショットキー電極より構成することができる。前記複数のショットキー電極は、前記多角錐ピットに対して対称性をもって形成するのが好ましい。前記第1の半導体層は(111)B面を主面とするn型化合物半導体基板よりなり、前記第2の半導体層は前記化合物半導体基板上にエピタキシャルに形成された非ドープ化合物半導体層よりなり、前記第3の半導体層は前記第2の半導体層上にエピタキシャルに形成されたn型化合物半導体層よりなり、前記チャネル層は前記第3の半導体層と、前記ファセット面において電気的に接続されるのが好ましい。前記ファセット面は(111)A面よりなり、前記多角錐ピットは、前記(111)A面により画成された正四面体形状を有するのが好ましい。また前記チャネル層は前記第1の半導体層と同じ導電型の半導体層よりなり、前記第1および第2のバリア層は前記チャネル層よりも実質的に大きいバンドギャップを有する非ドープ半導体層よりなるのが好ましい。さらに前記キャップ層上には、光学的に透明なパターンを光学窓として形成するのが好ましい。その際、前記第2の電極に別の光学窓を形成してもよい。
【0019】
さらに、前記量子半導体装置を使い、これに前記第の電極に制御電圧を供給する電圧源を組み合わせることにより、スペクトルアナライザを構成することが可能である。前記スペクトルアナライザにおいては、前記電圧源は、前記制御電圧を掃引する。さらに、前記量子半導体装置を使い、これに前記第の電極に制御電圧を供給する電圧源を組み合わせることにより、波長多重化光信号受信装置を構成することが可能である。また、前記量子半導体装置を使い、さらに前記量子半導体装置に対応して、前記量子半導体装置を通過した入力光を検出する光検出器を設けることにより、波長多重化光信号受信装置を構成することも可能である。
【0020】
本発明はまた、前記請求項1〜のいずれか一項に記載の量子半導体装置を基板上に複数個配列することにより量子半導体アレイを形成し、前記量子半導体アレイ中の各々の量子半導体装置について、前記第の電極に制御電圧を電圧源より供給することにより、波長多重化光信号受信装置を構成することが可能である。その際、前記複数の量子半導体装置として前記第2の電極中に光学窓を有するものを使い、さらに前記複数の量子半導体装置の各々に対応して、前記量子半導体装置を通過した入力光を検出する光検出器を設けるように構成してもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
[第1実施例]
図2(A),(B)は、本発明の第1実施例による光検出器40の構成を示す、それぞれ断面図および平面図である。
【0022】
図2(A)を参照するに、光検出器40は(111)B面を主面とするn型GaAs基板21上に構成されており、前記GaAs基板21上に形成された、Seによりキャリア密度が約5×1018cm−3にドープされた厚さが約0.1μmのnGaAs層22と、前記n型GaAs層22上に形成された厚さが約0.3μmの非ドープGaAs層23と、前記非ドープGaAs層23上に形成された、Seによりキャリア密度が約5×1018cm−3にドープされた厚さが約0.1μmのnGaAs層24とを含み、前記GaAs層24中には(111)A面よりなるファセット面25Aで画成された正四面体形状のエッチピット25が、前記ファセット面25Aが収斂するエッチピットの頂点25Bが前記非ドープGaAs層23中、前記GaAs層23とその下のGaAs層22との界面近傍に位置するように形成される。
【0023】
前記エッチピット25中においては、前記ファセット面25A上に、Seにより1×1018cm−3のキャリア密度にドープされたn型InGaAsよりなるチャネル層26が、前記エッチピット25の頂点25Bをも含めて前記ファセット面25Aを連続的に覆うように、典型的には15nmの厚さに形成されており、前記チャネル層26上には非ドープAlGaAsよりなる第1のバリア層41が、典型的には20nmの厚さに形成されている。
【0024】
前記第1のバリア層41上には非ドープGaInAsよりなるホール蓄積層42が、約10nmの厚さに形成され、さらに前記ホール蓄積層42上には、前記バリア層41と同様にCによりp型にドープされたAlGaAsよりなる第2のバリア層43が約20nmの厚さに形成される。さらに前記第2のバリア層43上にはn+型GaAsよりなるキャップ層44が約10nmの厚さに形成される。
【0025】
さらに本実施例では、前記GaAs層24上には、前記エッチピット25中において前記キャップ層44を露出する円形の開口部29Aを有するSiO2膜29が形成されており、前記SiO2膜29上には、前記キャップ層44を覆うように、ITO(In23・TiO2)よりなる透明電極パターン45が、光学窓を兼ねて形成されている。
【0026】
後で説明するように、前記n型GaAs膜24を覆うSiO2膜29は前記エッチピット25をウェットエッチング法により形成する際にマスクとして使われたSiO2膜であり、さらに前記GaAs膜24の表面を露出する開口部29Bが形成され、前記開口部29Bに対応して前記GaAs膜24とオーミックコンタクトするドレイン電極31が形成されている。
【0027】
図2(B)の平面図よりわかるように、前記ドレイン電極31は、前記正四面体エッチピット25の底面を構成する正三角形の各辺に対応して3つ形成されている。さらに、前記GaAs基板21の底面には、ソース電極32が形成されている。
【0028】
さらに本実施例の光検出器40では図2(B)の平面図よりわかるように、前記正四面体エッチピット25の各辺に対応して、図2(A)に示すように前記非ドープGaAs層23を露出するコンタクトホール29Bが、前記SiO2膜29およびその下のn+型GaAs層24中に形成されており、前記コンタクトホール29Bの各々には、前記露出されたGaAs層23に対してショットキーコンタクトするAlあるいはW等のショットキー電極31Aが形成される。
【0029】
ところで、図2(A),(B)の光検出器40では、前記ホール蓄積層42中、前記エッチピット25の頂部25B近傍の領域にInが濃集し、その結果前記In濃集領域において量子ドット42Aが形成される。かかるエッチピットにおけるInの濃集の現象、およびこれに伴う量子ドットの形成については、例えば米国特許5,656,821号公報を参照。
【0030】
図3は、本実施例の半導体光検出器40のバンド構造図を示す。ただし図3のバンド構造図は、図2(A)の断面図において、前記頂点26を含むように前記基板21に垂直に引いたラインに沿ったバンド構造図である。
【0031】
図3を参照するに、本実施例では前記n型InGaAsチャネル層26に隣接してp型AlGaAsバリア層41が、またn型GaAsキャップ層44に隣接してバリア層43が形成されているため、前記チャネル層26とバリア層42の界面、および前記キャップ層44と前記バリア層43の界面に形成されるpn接合に伴って、前記バリア層41および43の伝導帯Ecおよび価電子帯Evが、前記チャネル層26の伝導帯Ecおよび価電子帯Evに対して高エネルギ側にシフトしたバンド構造が得られる。
【0032】
さらに前記バリア層41およびバリア層43の間に挟持されたホール蓄積層42中には、前記エッチピット25の頂点25B近傍の領域42Aにおいて量子準位Leおよび量子準位Lhにより特徴付けられる量子ドットが形成され、前記光学窓45を介して入射する入射光により、前記量子ドットにおいては電子ホール対e,hが光励起される。
【0033】
そこで前記ドレイン電極31とソース電極32との間に適当なバイアス電圧を印加しておくと、光励起された電子eは直ちに前記バリア層41を乗り越えてチャネル層26に落ち、前記頂点25Bから前記n+型GaAs層22までの間、前記非ドープGaAs層23中を熱励起により通過し、さらに前記基板21を通って電極32により吸収される。そこで、前記ドレイン電極31とソース電極32との間において前記光励起電子に起因する光電流を検出することにより、入射光の検出が可能になる。すなわち、図2(A),(B)の構成40は、光検出器として機能する。
【0034】
ところで、図2(A),(B)の光検出器40では、前記ショットキー電極31Aに制御電圧を印加することにより、前記ショットキー電極とコンタクトする前記GaAs層23の表面において形成される空乏領域の広がりを、図2(A)中に矢印で示したように制御することが可能になる。空乏領域においてはキャリアが排除されるため、かかる空乏領域の広がりを制御することにより前記量子ドット42Aの実効的な大きさの制御が可能になる。すなわち、前記ショットキー電極31Aに印加される電圧を、前記量子ドット42Aの実効的な大きさ、従って量子準位Le,Lhが、検出したい入射光の波長に同調するように制御することにより、複数の波長の光信号が多重化されて伝送される波長多重化光信号中から、所望のチャネルの光信号成分のみを抽出して検出することが可能になる。
【0035】
その際、前記ショットキー電極31Aを、前記正四面体状のエッチピット25に対して対称的に配設することにより、前記量子ドット42Aの大きさを対称性を維持しつつ変化させることができ、量子準位Le,Lhのスプリットを抑制することができる。一方、このように対称性をもって形成された複数のショットキー電極31Aにそれぞれ異なった制御電圧を印加することにより、必要に応じて前記量子ドット42Aの量子準位Le,Lhを複数の準位にスプリットさせることも可能である。
【0036】
また、図2(A),(B)の光検出器40では、前記光励起されたホールhは光検出の後、前記量子ドット42A中に安定に保持され蓄積される。すなわち、本実施例の半導体光検出器40は、前記光学窓45を介して情報を光書き込みする光メモリ装置としても機能することが可能である。
【0037】
かかる光書き込みがなされた場合、前記光検出器40では量子ドット42A中へのホールhの蓄積に伴い、前記量子ドット42Aの伝導帯Ecおよび価電子帯Evが低エネルギ側にシフトする。これに伴い、前記ホール蓄積層42を介して前記量子ドット42Aと熱平衡の関係にあるチャネル層26の伝導帯Ecおよび価電子帯Evも低エネルギ側にシフトする。その結果、前記チャネル層26中においてキャリア密度が増大し、前記ドレイン電極31とソース電極32との間に通電した場合に観測される電流値が増大する。換言すると、本実施例の光検出器40では、先に説明した光検出の後、前記ドレイン電極31とソース電極32との間の電流を検出することにより、量子ドット42A中に保持されている情報を読み出すことも可能である。
【0038】
さらに、本実施例の光検出器40では、前記光学窓45をITOなどの透明導電パターンとしておくことにより、前記光学窓45を介して保持されている情報を消去することが可能になる。すなわち、前記光学窓45を構成する透明電極パターンの電位を上昇させ、前記ホール蓄積層42、特に量子ドット42Aに電子を、前記キャップ層44の伝導帯Ecを介して注入する。注入された電子は、蓄積されているホールと再結合し、その結果、情報の消去がなされる。かかる消去を行うことにより、前記光検出器40は初期状態に復帰し、次の光検出に備える。
【0039】
図4は、前記光検出器40において前記制御電極31Aに制御電圧を印加することにより、前記量子ドット42Aのサイズを入射光の波長に対して同調させ、その状態で前記光学窓45を介して1pWおよび1nWのパワーの光パルスを照射した場合に前記電極31と電極32との間で検出される光電流を示す。
【0040】
図4を参照するに、入射光ビームの強度が1pWの場合には実質的な光電流の変化は見られないが、入射光ビームの強度が1nWになった場合には、光パルスの照射に伴って光電流の値が階段状に増大しているのがわかる。かかる階段状の光電流の変化は入射光ビームが遮断されても保持され、前記量子ドット42A中にホールが保持されていることを示す。すなわち図4の結果は、前記光検出器40は光メモリとしても機能することを示す。
【0041】
図4において、各階段の立ち上がりに見られる光ビーム照射に伴う光電流の一時的増大は、前記入射光が前記チャネル層26において電子ホール対の励起を生じた結果であり、本実施例の半導体光メモリ装置40が、高速かつ高感度光検出器として機能することを実証している。
【0042】
次に、本実施例の半導体光検出器40の製造工程を、図5(A)〜(C)および図6(D),(E)を参照しながら説明する。ただし、先に説明した部分には同一の参照符号を付し,説明を省略する。
【0043】
図5(A),(B)を参照するに、前記GaAs基板21上にはGaAs層22〜24が積層されており、前記GaAs層22〜24中に、頂点25Bが非ドープGaAs層23中においてn+型GaAs層22近傍に位置するように、ファセット25Aで画成された正四面体形状のエッチピット25が、開口部29Aを有するSiO2膜29をマスクに形成される。
【0044】
次に図5(C)の工程において、前記エッチピット中に前記チャネル層26がMOVPE法により15nmの厚さに形成され、さらに前記チャネル層26上に前記バリア層41、ホール蓄積層42、バリア層43およびキャップ層44が、いずれもMOVPE法により、それぞれ20nm、20nm、10nmおよび10nmの厚さに形成する。ただし前記チャネル層26は先にも説明したようにInGaAsよりなり、1×1018cm-3の濃度のSeによりn型にドープされている。これに対し前記バリア層41,43はCによりp型にドープされたAlGaAsよりなり、一方キャップ層44はGaAsよりなり、1×1018cm-3の濃度のSeによりn型にドープされている。
【0045】
図5(C)の工程では、さらに前記SiO2膜29中に前記ドレイン電極31に対応して開口部が形成され、リフトオフ工程により、前記GaAs層24にオーミックコンタクトするように、ドレイン電極31が形成される。
【0046】
さらに図6(D)の工程においては、前記SiO2膜29中に前記コンタクトホール29Bが、前記n+型GaAs層24を貫通して前記非ドープGaAs層23を露出するように形成され、前記コンタクトホール29Bにおいて前記露出したGaAs層23においてショットキーコンタクトするようにショットキー電極31Aがリフトオフ法により形成される。さらに図6(E)の工程において前記キャップ層44上にITO膜をパターニングすることにより、前記導電性光学窓45が形成される。
[第2実施例]
図7は、図2(A),(B)の光検出器40を使った本発明の第2実施例による光多重化信号の受信装置100の構成を示す。
【0047】
図7を参照するに、前記受信装置100においては前記光検出器40に対して波長がλ1,λ2,・・・の光信号成分を含む波長多重化光信号が、入射光として入来する。前記光検出器40は前記ドレイン電極31およびソース電極32に間に電流検出器102を介して接続された直流バイアス電源101によりバイアスされ、さらに前記ショットキー電極31Aには、電極31Aと32との間に接続された可変直流電圧源105により、制御電圧が印加される。
【0048】
そこで図7の受信装置100では、前記制御電圧の値を制御して前記量子ドット42Aの実効的な大きさを、波長がλ1,λ2,・・・の光信号成分を含む波長多重化光信号中の所望の光信号成分の波長に同調させることにより、前記所望の光信号成分を前記電流検出器102により検出することが可能になる。
【0049】
前記電流検出器102は出力信号を信号処理回路102Aに供給し、前記信号処理回路102Aは前記電流検出器102の出力信号から前記光信号成分に対応する電気信号を抽出する。また前記信号処理回路102Aは前記電流検出器102の出力信号からクロック信号を抽出し、抽出したクロック信号によりリセットスイッチ104を制御する。前記リセットスイッチはリセット電源103が形成するリセット電圧の前記透明電極パターン45への印加を制御し、オンすることにより、前記透明電極パターン45を介して前記量子ドット42A中に電子を注入し、前記量子ドット42A中に生じているホールの蓄積を解消する。
【0050】
かかる構成により、波長多重化された入射光信号中の任意の光信号成分を、高速で検出することが可能になる。
【0051】
図7の構成において、前記リセット電源103およびリセットスイッチ104は、信号処理回路102Aからのクロック信号により駆動されるパルス発生器により実現することも可能である。
【0052】
また図7の構成は、そのままで前記量子ドット42Aを記録媒体とする光メモリ装置としても使うことができる。
[第3実施例]
図8(A),(B)は、図2(A),(B)の光検出器40を使った本発明の第3実施例によるスペクトルアナライザ110の構成を示す。ただし図3(A),(B)中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0053】
図8(A)を参照するに、前記基板21上には多数の多角錐ピット25が形成されており、前記各々の多角錐ピット25上には先に図2(A),(B)で説明した光出器40が形成され、その結果前記基板21上には光検出アレイが形成されている。
【0054】
前記複数の光検出器40は図8(B)に示すように、前記光多重信号受信機100と同様に直流バイアス電源101により共通にバイアスされ、光電流が電流検出器102により検出される。また前記複数の光検出器40の制御電極31Aには、前記可変直流電源106により制御電圧が共通に印加され、前記透明電極パターン45にはリセット電源103により、リセットスイッチ104を介してリセット電圧が共通に印加される。
【0055】
さらに図8(B)の構成では、前記スペクトルアナライザ110はコントローラ107を含み、前記コントローラ107はスペクトル測定に先立って前記リセットスイッチ104を制御し、前記光検出器40を初期化する。
【0056】
さらに前記コントローラ107は前記可変直流電圧源106を制御して制御電圧を掃引させ、同時に前記信号処理回路102Aを制御する。その結果、前記信号処理回路102Aは図8(A)のアレイ中において光電流を生成した光検出器40の数(Non)を、各制御電圧、したがって波長エネルギ毎に各光検出器40の電流検出器102の出力信号に基づいてカウントし、全検出器の数(Ntot)に対する比(Non/Ntot)の形で出力する。すなわち、前記信号処理回路102Aの出力端子には、例えば図9で示すような入射光のエネルギスペクトルを表す出力信号が得られる。
[第4実施例]
図10は、本発明の第4実施例による多波長受光装置120の構成を示す。ただし先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0057】
図10を参照するに、本実施例では図2(A),(B)の光検出器40において前記ソース電極32を透明電極32Aに置き換えた構造40Aを可変波長フィルタとして使い、前記可変波長フィルタに対して先に図1で説明したフォトダイオード10を協働させる。前記可変波長フィルタ40Aも、先に図8(A)で説明したように基板21上に多数配列されてアレイを形成する。
【0058】
図10の多波長受光装置120では図11に詳細に示すように、前記可変波長フィルタ40Aにおいて前記ドレイン電極31および前記バイアス電源101が省略されており、ソース電極32Aと制御電極31Aとの間に接続された前記可変直流電圧源105により前記制御電極31Aに制御電圧を印加することにより、前記量子ドット42Aが所望の波長、例えば波長λ1に同調される。また、前記透明電極パターン45Aには前記直流電圧源104のリセット電圧が、リセットスイッチ104を介して印加される。
【0059】
かかる構成の可変波長フィルタ40Aに波長λ1の光信号が入来すると電子ホール対が光励起され、量子ドット42Aには吸収飽和が生じる。この状態は光励起されたホールが量子ドット42Aに保持されることにより持続し、その結果、その後で入来する波長がλ1の光は吸収されることなく前記可変波長フィルタ40Aを通過する。
【0060】
そこで図10の多波長受光装置120では、前記波長λ1の光信号の入射の後、白色の弱いモニタ光を前記可変波長フィルタ40Aに照射し、前記可変波長フィルタ40Aを通過する光を前記可変波長フィルタ40Aの背後に配設したフォトダイオード10により検出することにより、前記波長λ1の光信号を選択的に検出することが可能になる。
【0061】
図10に示すように前記フォトダイオード10はバイアス電源101Aを含むバイアス回路により逆バイアスが印加され、前記バイアス回路中に含まれる電流検出器102Bの出力が信号処理回路102Aで処理されて出力される。
【0062】
図10の多波長受光装置100では、前記可変波長フィルタ40Aへの波長λ1の光信号の入射は1ビットの情報の光書き込みと同じであり、また前記モニタ光を照射して行う光検出は前記書き込まれた1ビット情報の光読み出しと同じである。従って、図10の多波長受光装置100は、光メモリとしても使うことができる。
【0063】
前記多波長受光装置100を光メモリとして使う場合には、前記透明電極パターン45Aに前記リセットスイッチ104を介して電源103より消去電圧を印加することにより、前記書き込まれた情報を消去することが可能である。先にも説明した通り、前記電源103およびリセットスイッチ104は、パルス発生器により置き換えることも可能である。
【0064】
図11は、図10の可変波長フィルタ40Aの構成を示す。
【0065】
図11よりわかるように、前記可変波長フィルタ40Aは図2(A),(B)の光検出器40と同様な構成を有するが、先にも説明したようにソース電極32が透明電極32Aに置き換えられ、さらに図2(A),(B)のドレイン電極31が省略されている。これに伴い、前記SiO2膜29中に開口部29Aは形成されない。
[第5実施例]
図12は、図10の波長多重化光信号受信装置に前記制御電圧源105および信号処理回路102Aを制御する制御回路107を追加して、先に図8(A),(B)で説明したようなスペクトルアナライザ140を構成した例を示す。
【0066】
図12を参照するに、前記制御回路107は前記制御電圧源105を制御して前記制御電極31Aに印加される制御電圧を掃引させる。その結果前記信号処理回路102Aは先に図9で説明したようなスペクトルパターンに対応する出力信号を形成する。
【0067】
本実施例のその他の特徴は先に説明した通りであり、説明を省略する。
[変形例]
図13は、前記光検出器40において前記透明電極パターン45を省略した、本発明一変形例による光検出器40Bの構成を示す。かかる光検出器40Bにおいては、前記量子ドット42A中に蓄積したホールの電気的な消去はできないが、十分な時間をかければ蓄積したホールは熱的に励起された電子と再結合し、消滅する。
【0068】
同様に、図14は図11(A)の可変波長フィルタ41Aにおいて、前記透明電極パターン45を省略した、本発明一変形例による可変波長フィルタ40Cの構成を示す。先の光検出器40Bと同様に、可変波長フィルタ40Cにおいても量子ドット42A中に蓄積したホールを電気的に消去することはできないが、十分な時間をかければ蓄積したホールは電子と再結合して消滅する。
【0069】
以上本発明を好ましい実施例について説明したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の要旨内において様々な変形・変更が可能である。
(付記)
(付記1) 一の導電型を有する第1の半導体層と、
前記第1の半導体層上に形成された第2の半導体層と、
前記第2の半導体層上に形成され、前記第1の半導体層と同じ導電型を有する第3の半導体層と、
前記第3の半導体層中に、前記第2の半導体層中に侵入するように形成され、前記第2の半導体層中、前記第1の半導体層と前記第2の半導体層との界面近傍に、前記界面から離間して位置する頂点と、前記頂点において収斂する複数のファセット面とにより画成された多角錐ピットと、
前記多角錐ピット中において、前記複数のファセット面を連続的に覆う、前記第1の半導体層と同じ導電型のチャネル層と、
前記多角錐ピット中において、前記チャネル層を覆うように形成された第1のバリア層と、
前記多角錐ピット中において、前記第1のバリア層を覆うように形成されたホール蓄積層と、
前記多角錐ピット中において、前記ホール蓄積層を覆うように形成された第2のバリア層と、
前記多角錐ピット中において、前記第2のバリア層を覆うように形成されたキャップ層と、
前記第1の半導体層上に形成された第1の電極と、
前記第2の半導体層上にショットキーコンタクトするように形成された第2の電極とを備えたことを特徴とする量子半導体装置。
(付記2) 前記第2の電極は、前記第3の半導体層中に、前記第2の半導体層を露出するように形成されたコンタクトホール中に形成されることを特徴とする付記1記載の量子半導体装置。
【0070】
(付記3) 前記第2の電極は、各々前記第2の半導体層にショットキーコンタクトする、複数のショットキー電極よりなることを特徴とする付記1または2記載の量子半導体装置。
(付記4) 前記複数のショットキー電極は、前記多角錐ピットに対して対称性をもって形成されていることを特徴とする付記1〜3のうち、いずれか一項記載の量子半導体装置。
(付記5) 前記第1の半導体層は(111)B面を主面とするn型化合物半導体基板よりなり、前記第2の半導体層は前記化合物半導体基板上にエピタキシャルに形成された非ドープ化合物半導体層よりなり、前記第3の半導体層は前記第2の半導体層上にエピタキシャルに形成されたn型化合物半導体層よりなり、前記チャネル層は前記第3の半導体層と、前記ファセット面において電気的に接続されることを特徴とする付記1〜4のうち、いずれか一項記載の量子半導体装置。
【0071】
(付記6) 前記ファセット面は(111)A面よりなり、前記多角錐ピットは、前記(111)A面により画成された正四面体形状を有することを特徴とする付記1〜5のうち、いずれか一項記載の量子半導体装置。
【0072】
(付記7) 前記チャネル層は前記第1の半導体層と同じ導電型の半導体層よりなり、前記第1および第2のバリア層は前記チャネル層よりも実質的に大きいバンドギャップを有する非ドープ半導体層よりなることを特徴とする付記1〜6のうち、いずれか一項記載の量子半導体装置。
【0073】
(付記8) さらに前記キャップ層上には、光学的に透明なパターンが光学窓として形成されていることを特徴とする付記1〜7のうち、いずれか一項記載の量子半導体装置。
【0074】
(付記9) 前記光学的に透明なパターンは、透明導電膜よりなることを特徴とする付記8記載の量子半導体装置。
【0075】
(付記10) さらに、前記第3の半導体層上に形成された第3の電極を有することを特徴とする付記1〜9のうち、いずれか一項記載の量子半導体装置。
(付記11) 前記第2の電極は別の光学窓を形成することを特徴とする付記1〜9のうち、いずれか一項記載の量子半導体装置。
(付記12) 付記10記載の量子半導体装置と、
前記前記第1の電極と前記第3の電極との間に接続されたバイアス電圧源と、
前記第1の電極と前記第3の電極との間に前記バイアス電圧源に直列に接続された電流検出回路と、
前記第2の電極に制御電圧を供給する制御電圧源と、
前記制御電圧源を制御して、前記制御電圧を掃引させるコントローラとを備えたことを特徴とするスペクトルアナライザ。
【0076】
(付記13) 前記量子半導体装置は、基板上において他の同一構成の量子半導体装置と共にアレイを形成することを特徴とする付記12記載のスペクトルアナライザ。
【0077】
(付記14) さらに前記透明導電膜にリセット電圧を印加するリセット回路を有することを特徴とする付記12または13記載のスペクトルアナライザ。
【0078】
(付記15) 付記10記載の量子半導体装置と、
前記前記第1の電極と前記第3の電極との間に接続されたバイアス電圧源と、
前記第1の電極と前記第3の電極との間に前記バイアス電圧源に直列に接続された電流検出回路と、
前記第2の電極に制御電圧を供給する制御電圧源とを備えたことを特徴とする波長多重化光信号受信装置。
(付記16) 前記量子半導体装置は、基板上において他の同一構成の量子半導体装置と共にアレイを形成することを特徴とする付記15記載の波長多重化光信号受信装置。
【0079】
(付記17) さらに前記透明導電膜にリセット電圧を印加するリセット回路を有することを特徴とする付記15または16記載の波長多重光信号受信装置。
【0080】
(付記18) 付記10記載の量子半導体装置と、
前記前記第1の電極と前記第3の電極との間に接続されたバイアス電圧源と、
前記第1の電極と前記第3の電極との間に前記バイアス電圧源に直列に接続された電流検出回路と、
前記第2の電極に制御電圧を供給する制御電圧源とを備えたことを特徴とする光メモリ装置。
(付記19) 前記量子半導体装置は、基板上において他の同一構成の量子半導体装置と共にアレイを形成することを特徴とする付記18記載の光メモリ装置。
【0081】
(付記20) さらに前記透明導電膜に消去電圧を印加する消去回路を有することを特徴とする付記18または19記載の光メモリ装置。
【0082】
(付記21) 付記11に記載の量子半導体装置と、
前記量子半導体装置を通過した入力光を検出する光検出器と、
前記第3の電極に制御電圧を印加する制御電圧源と、
前記制御電圧源を制御して前記制御電圧を掃引させるコントローラとを備えたことを特徴とするスペクトルアナライザ。
【0083】
(付記22) 前記量子半導体装置は、基板上において他の同一構成の量子半導体装置と共にアレイを形成することを特徴とする付記21記載のスペクトルアナライザ。
【0084】
(付記23) さらに前記透明導電膜にリセット電圧を印加するリセット回路を有することを特徴とする付記21または22記載のスペクトルアナライザ。
【0085】
(付記24) 付記11に記載の量子半導体装置と、
前記量子半導体装置を通過した入力光を検出する光検出器と、
前記第3の電極に制御電圧を印加する制御電圧源とを備えたことを特徴とする波長多重化光信号受信装置。
(付記25) 前記量子半導体装置は、基板上において他の同一構成の量子半導体装置と共にアレイを形成することを特徴とする付記24記載の波長多重化光信号受信装置。
【0086】
(付記26) さらに前記透明導電膜にリセット電圧を印加するリセット回路を有することを特徴とする付記25または26記載の波長多重化光信号受信装置。
【0087】
(付記27) 付記11に記載の量子半導体装置と、
前記量子半導体装置を通過した入力光を検出する光検出器と、
前記第3の電極に制御電圧を印加する制御電圧源とを備えたことを特徴とする光メモリ装置。
(付記28) 前記量子半導体装置は、基板上において他の同一構成の量子半導体装置と共にアレイを形成することを特徴とする付記27記載の光メモリ装置。
【0088】
(付記29) さらに前記透明導電膜に消去電圧を印加する消去回路を有することを特徴とする付記27または28記載の光メモリ装置。
【0089】
【発明の効果】
本発明によれば、エッチピットの頂点に形成される量子ドットの実効的な大きさを、制御電極により形成された空乏領域の広がりを制御することにより制御でき、量子ドットのエネルギを所望の光波長に同調させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のフォトダイオードの構成を示す図である。
【図2】(A),(B)は、本発明の第1実施例による光検出器の構成を示す図である。
【図3】図2の光検出器の原理を説明するバンド構造図である。
【図4】図2の光検出器の光検出効果を示す図である。
【図5】(A)〜(C)は、図2の光検出器の製造工程を示す図(その1)である。
【図6】(D)〜(E)は、図2の光検出器の製造工程を示す図(その2)である。
【図7】本発明の第2実施例による波長多重化光信号受信装置/光メモリ装置の構成を示す図である。
【図8】(A),(B)は、本発明の第3実施例によるスペクトルアナライザの構成を示す図である。
【図9】図8のスペクトルアナライザの出力例を示す図である。
【図10】本発明の第4実施例による波長多重化光信号受信装置/光メモリ装置の構成を示す図である。
【図11】(A),(B)は、図10の構成で使われる可変波長光フィルタの構成を示す図である。
【図12】本発明の第5実施例によるスペクトルアナライザの構成を示す図である。
【図13】本発明の一変形例による光検出器の構成を示す図である。
【図14】本発明の一変形例による可変波長光フィルタの構成を示す図である。
【符号の説明】
10 フォトダイオード
11,21 基板
12 バッファ層
13 光吸収層
13A p型領域
14,16 電極
15 絶縁膜
16A 開口部
22,24 n型半導体層
23 非ドープ半導体層
25 エッチピット
25A ファセット面
25B エッチピット頂点
26 チャネル層
29 絶縁膜マスク
29A マスク開口部
29B コンタクトホール
31A 制御電極
32 ソース電極
32A 透明ソース電極
40,40B 光検出器
40A,40C 可変波長フィルタ
41,43 p型バリア層
42 ホール蓄積層
42A 量子ドット
44 n+型キャップ層
45 透明電極
100,130 波長多重光信号受信機/光メモリ装置
101 バイアス電圧源
102,102B 電流検出器
102A 信号処理回路
103 リセット電圧源
104 リセットスイッチ
105 制御電圧源
106 掃引電圧源
107 制御装置
110,140 スペクトルアナライザ

Claims (9)

  1. 一の導電型を有する第1の半導体層と、
    前記第1の半導体層上に形成された第2の半導体層と、
    前記第2の半導体層上に形成され、前記第1の半導体層と同じ導電型を有する第3の半導体層と、
    前記第3の半導体層中に、前記第2の半導体層中に侵入するように形成され、前記第2の半導体層中、前記第1の半導体層と前記第2の半導体層との界面近傍に、前記界面から離間して位置する頂点と、前記頂点において収斂する複数のファセット面とにより画成された多角錐ピットと、
    前記多角錐ピット中において、前記複数のファセット面を連続的に覆う、前記第1の半導体層と同じ導電型のチャネル層と、
    前記多角錐ピット中において、前記チャネル層を覆うように形成された第1のバリア層と、
    前記多角錐ピット中において、前記第1のバリア層を覆うように形成されたホール蓄積層と、
    前記多角錐ピット中において、前記ホール蓄積層を覆うように形成された第2のバリア層と、
    前記多角錐ピット中において、前記第2のバリア層を覆うように形成されたキャップ層と、
    前記第1の半導体層上に形成された第1の電極と、
    前記第2の半導体層上にショットキーコンタクトするように形成された、制御電圧印加用の第2の電極とを備え、
    前記ホール蓄積層に量子ドットが形成されていることを特徴とする光検出用の量子半導体装置。
  2. 前記第2の電極は、各々前記第2の半導体層にショットキーコンタクトする、複数のショットキー電極よりなることを特徴とする請求項1記載の光検出用の量子半導体装置。
  3. 前記複数のショットキー電極は、前記多角錐ピットに対して対称性をもって形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の光検出用の量子半導体装置。
  4. さらに、前記第3の半導体層上に形成された第3の電極を有することを特徴とする請求項1〜3のうち、いずれか一項記載の光検出用の量子半導体装置。
  5. 前記第2の電極は別の光学窓を形成することを特徴とする請求項1〜3のうち、いずれか一項記載の光検出用の量子半導体装置。
  6. 請求項記載の光検出用の量子半導体装置と、
    記第1の電極と前記第3の電極との間に接続されたバイアス電圧源と、
    前記第1の電極と前記第3の電極との間に前記バイアス電圧源に直列に接続された電流検出回路と、
    前記第2の電極に制御電圧を供給する制御電圧源とを備えたことを特徴とする波長多重化光信号受信装置。
  7. 請求項記載の光検出用の量子半導体装置と、
    記第1の電極と前記第3の電極との間に接続されたバイアス電圧源と、
    前記第1の電極と前記第3の電極との間に前記バイアス電圧源に直列に接続された電流検出回路と、
    前記第2の電極に制御電圧を供給する制御電圧源とを備えたことを特徴とする光メモリ装置。
  8. 請求項4に記載の光検出用の量子半導体装置と、
    前記量子半導体装置を通過した入力光を検出する光検出器と、
    前記第の電極に制御電圧を印加する制御電圧源とを備えたことを特徴とする波長多重化光信号受信装置。
  9. 請求項4に記載の光検出用の量子半導体装置と、
    前記量子半導体装置を通過した入力光を検出する光検出器と、
    前記第の電極に制御電圧を印加する制御電圧源とを備えたことを特徴とする光メモリ装置。
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