JP4624267B2 - スラスト軸受 - Google Patents

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この発明は、二つの部材間に介在して、スラスト荷重を支持する、スラスト軸受に関する。
この種のスラスト軸受として、特許文献1あるいは特許文献2に示すものが知られている。
この特許文献1に示すスラスト軸受について、図6〜図10を用いて説明する。
図6のスラスト軸受1は、最も外側に同一の軌道輪2,3を設けるとともに、その内側に同一の保持器4,5を設け、さらにその内側に一枚の中間輪6を設け、これら軌道輪2,3,保持器4,5および中間輪6を重ね合わせてなる。これら軌道輪2,3、保持器4,5、中間輪6は、ほぼ同一の内径及び外径を有するリング状の部材であり、その内径に軸孔2a〜6aを形成している。
上記軌道輪2,3には、ピン孔2b,3bが、円周方向に均等間隔で4つ形成され、また、上記中間輪6にも、ピン孔6bが、円周方向に均等間隔で4つ形成されている。ただし、中間輪6に形成されたピン孔6bは、長孔からなり、スラスト軸受1が荷重を受ける方向と直交する方向(長手方向)に長さを有している。
また、上記保持器4,5には、ピン孔4b,5bが円周方向において対向する位置に2つ形成されている。このピン孔4b,5bは、上記中間輪6に形成したピン孔6bと同一形状であり、保持器4,5と中間輪6とを重ね合わせたとき、対向するいずれか2つのピン孔6bと、ピン孔4b,5bとが、ぴったり重なるように位置している。
また、図7に示すように、保持器4(5)には、矩形のころ保持孔4c(5c)が、複数円周方向に配列されている。このころ保持孔4c(5c)は、長辺を互いに平行にして配置するとともに、円柱形状のころ7を収容している。なお、ころ保持孔4c(5c)にころ7を嵌め込むと、ころ7の円周表面が、保持器4(5)の表面から突出するとともに、ころ7が転動可能に保持されるが、この構造については、後で詳しく説明する。なお、ピン孔4b(5b)は、ころ7の転動軸心、すなわち、ころ保持孔4c(5c)の長辺と直交する方向に長さを有するように形成されている。
そして、図6に示すように、上記軌道輪2,3を最も外側にして、その内側に保持器4,5、さらにその内側に中間輪6を位置させて挟み込み、軌道輪2,3の外側から、ピン孔2b,3bにガイドピン8を挿入する。このとき、ガイドピン8によって、図6に示すような相対位置関係が保たれるように、軌道輪2,3、保持器4,5、中間輪6を、次のように重ね合わせる。
まず、中間輪6の上方において、一方の保持器4のピン孔4bを、中間輪6のピン孔6bのうち、対向するいずれか2つのピン孔6bにぴったりと合わせる。そして、中間輪6の下方において、他方の保持器5のピン孔5bを、中間輪6のピン孔6bのうち、対向するいずれか2つのピン孔6bにぴったりと合わせる。ただし、一方の保持器4と、他方の保持器5とは、円周方向に互いに90度ずらしている。
したがって、中間輪6を中心にして、上下方それぞれに設けた保持器4,5における、ころ7の転動軸心は、互いに直交するとともに、ピン孔4b,5bは、中間輪6のピン孔6bに対して、互いに異なる位置に合わさることになる。
そして、保持器4,5が、中間輪6を挟んだ状態で、その上下方向から、軌道輪2,3を重ね合わせる。このとき、軌道輪2,3における、対向するいずれか2つのピン孔2b,3bと、保持器4,5のピン孔4b,5bとを一致させ、ピン孔4b,5bと一致するピン孔2b,3bにガイドピン8を挿入する。なお、ガイドピン8の外径は、ピン孔2b,3bにぴったりと嵌る寸法関係を維持するとともに、ピン孔4b,5b,6bのうち、長手方向に直交する方向の内径とほぼ等しい寸法関係を維持している。
したがって、軌道輪2,3、保持器4,5、中間輪6を、ガイドピン8を介して重ね合わせた状態では、軌道輪2がピン孔4b,6bの長手方向への余裕分だけスライドすることができ、軌道輪3がピン孔5b,6bの長手方向への余裕分だけスライドすることができる。
具体的には、図6に示すように、軌道輪2は、保持器4あるいは中間輪6に対して、保持器4に保持されるころ7の転動方向(X方向)に、ピン孔4b,6bの長手方向への余裕分だけスライド可能となる。また、軌道輪3は、保持器5あるいは中間輪6に対して、保持器5に保持されるころ7の転動方向(Y方向)に、ピン孔5b,6bの長手方向への余裕分だけスライド可能となる。このとき、中間輪6の上方に設けた軌道輪2がスライド可能なX方向と、中間輪6の下方に設けた軌道輪3がスライド可能なY方向とは、直交することとなり、軌道輪2,3は互いに直交する方向にスライド可能となる。
上記の構成にしたスラスト軸受1では、軌道輪2,3、保持器4,5、中間輪6を重ね合わせた際に、軌道輪2の上方に突出するガイドピン8の突出部分を、相互に偏心回転運動を行う、図示しない一方の部材に植え込む。また、軌道輪3の下方に突出するガイドピン8の突出部分を、相互に偏心回転運動を行う、図示しない他方の部材に植え込む。
このように、相互に偏心回転運動を行う二つの部材の間に、スラスト軸受1を挟んで位置させれば、次のようにして、両部材の偏心回転運動をスムーズに支持することができる。
例えば、ガイドピン8を介して軌道輪2に固定した一方の図示しない部材がX方向に移動すると、軌道輪2が、保持器4の表面を、ころ7を転動させながらX方向にスライドする。このとき、中間輪6、保持器5、軌道輪3は、ガイドピン8によって、X方向への動きを規制されている。したがって、軌道輪2に固定した一方の部材は、軌道輪2とともにX方向にスライドし、軌道輪3に固定した他方の図示しない部材はいずれの方向にも移動しない。
一方、軌道輪2に固定した一方の部材がY方向に移動すると、ガイドピン8によって、軌道輪2、保持器4、中間輪6が一体となり、中間輪6が、保持器5の表面を、ころ7を転動させながらY方向にスライドする。
このように、軌道輪2に固定した一方の部材がX方向にスライドする場合、一方の部材と軌道輪2とが一体となって、他方の部材に対して相対移動する。また、軌道輪2に固定した一方の部材がY方向にスライドする場合、一方の部材と、軌道輪2、保持器4、中間輪6とが一体となって、他方の部材に対して相対移動することとなる。したがって、二つの部材の間に、このスラスト軸受1を介在させれば、両部材の相対移動可能な範囲は、X方向とY方向の合成範囲となり、両部材の偏心回転運動を支持することが可能となる。
特開2002−242939 特開2002−242940
この従来のスラスト軸受1における保持器4(5)は、図8に示すように、内蓋9と外蓋10とで構成されている。内蓋9及び外蓋10は鋼板プレス成型により、荷重方向に立ち上がった同心状のリムを持つ、コの字状断面を有する。そして、内蓋9のリムの外側に、外蓋10のリムを被せて、内蓋9と外蓋10とを入れ子状に重ね合わせ、内蓋9に被さった外蓋10の端縁をかしめることにより両者を一体に結合している。このとき、内蓋9と外蓋10との間には、中空のスペースが形成される。
そして、図9に示すように、保持器4(5)に形成するころ保持孔4c(5c)の短辺S1を、ころ7の直径よりも小さくすることで、内蓋9及び外蓋10が、ころ7を中空のスペース内から脱落しないように保持している。
しかし、上記の構成にした保持器4(5)では、ころ7が転動すると、ころ保持孔4c(5c)の長辺S2と、ころ7の外周面とが接触するため、ころ7表面の油膜を拭き取ってしまう。このように、ころ7表面の油膜が拭き取られると、焼き付きが生じて短寿命となってしまう。
また、内蓋9に外蓋10を被せて、両者を一体に結合して形成するため、例えば、内蓋9に形成するころ保持孔4c(5c)と、外蓋10に形成するころ保持孔4c(5c)との寸法関係や結合位置をぴったりと合わせなければ、ころ7がスムーズに転動しなくなってしまう。このように、保持器4(5)は、内蓋9及び外蓋10の寸法管理が非常に難しく、しかも、内蓋9と外蓋10とを結合させる作業が、非常に手間のかかるものであり、その結果、製造コストが高くなるという問題があった。
なお、上記の問題点を解決すべく、特許文献2に示すように、保持器4(5)の代わりに、1枚の厚手の樹脂からなる保持器を使用したものがある。図10に示すように、この保持器11には、ころ保持孔11aを設けるとともに、ころ保持孔11aの中ほどに凹み11bを形成している。そして、この凹み11bにころ7を転動自在に嵌め込む。
この保持器11を用いれば、上記したように、内蓋9及び外蓋10のように、2つの部材を重ね合わせる必要がなく、寸法管理が容易になり、製造コストを低減させることができる。
しかし、このスラスト軸受においては、樹脂製の保持器11が、金属製のころ7を介して荷重を受けるため、どうしても耐久性が劣ってしまう。また、保持器11を厚くすることで、強度を確保することができるが、保持器11を厚くすると、その分、潤滑剤を保有する面積は少なくなり、潤滑性能が悪くなってしまうという問題があった。
この発明の目的は、容易に製造することができ、製造コストを低減しながらも、耐久性及び潤滑性のよいスラスト軸受を提供することである。
この発明は、平坦面のリング状部材でなる一対の保持プレート間にリング状部材でなる中間プレートを介在させ、一方の保持プレートは中間プレートに対してX方向に移動可能に設け、他方の保持プレートは中間プレートに対して上記X方向に交差する方向に移動可能に設けるとともに、これら保持プレートにはころの長辺を互いに平行にして円周方向にころを配列して、そのころを回転自在に組み込むためのころ保持孔を形成し、このころ保持孔は、そのころ保持孔に組み込んだころが、上記保持プレートの移動方向に直交する方向に軸線を一致させる関係を保ち、しかも、上記ころ保持孔に直交する凹部を形成して、ころ保持孔にころの軸方向両端側を保持する一方のころ保持部と、この一方のころ保持部よりも軸方向内側でころを保持する他方のころ保持部とを設けるとともに、これら両保持部間に段差を保って、上記一方の保持部を上側保持部とし、上記他方の保持部を下側保持部としてなり、このころ保持孔でころを回転自在に保持する構成にしたスラスト軸受を前提とする。
そして、上記の構成を前提として、第1の発明は、上記保持プレートには、上記凹部の両端に連続するとともに、上記ころ保持孔と平行にした逃げ孔を形成し、これら逃げ孔のうち、2つの凹部に連続する逃げ孔を複数備えた点に特徴を有する。
第2の発明は、上記保持プレートの移動方向に直交する方向のころ保持孔の断面形状は、中央に凹みが形成され、この凹みの両側に平坦面が形成される形状にするとともに、上記ころ保持孔は、上記平坦面に対応する縁を上側保持部とし、上記凹みの底に対応する縁を下側保持部とした点に特徴を有する。
第1及び第2の発明によれば、保持プレートが一枚の板状部材からなり、上側保持部と下側保持部とでころを保持するので、従来のように2枚の部材を結合させなくても、ころを正確に案内することができる。したがって、部品点数を削減するとともに、組み付けが容易となり、その分製造コストを低減することができる。
また、保持プレートには、ころ保持孔の移動方向両側あるいは片側に、逃げ孔を設けたので、プレス成型の際にプレートに応力が作用しても、逃げ孔が、保持プレート表面の歪みを吸収することができる。このように、プレス成型によって保持プレートを製造することができるので、安価に保持プレートを量産することができ、製造コストを一層低減することができる。
しかも、逃げ孔を形成した分、保持プレートを軽量化することができるので、ころが転動する際における保持プレートの抵抗を低減することができる。
そのうえ、逃げ孔に潤滑剤を含ませておけば、一層潤滑性を高めることができ、耐久性を向上させることができる。
この発明の実施形態について、図1ないし図5を用いて説明する。なお、この実施形態では、従来のスラスト軸受における保持器4(5)と同様の役割を担う保持プレートに最大の特徴を有し、その他の構成は従来と同様である。したがって、従来のスラスト軸受と同様の構成要素については、同じ符合を付して説明するが、ここでは、従来と同様の構成についても、再度詳しく説明することとする。
図1のスラスト軸受12は、最も外側に同一の軌道輪2,3を設けるとともに、その内側に同一の保持プレート13,14を設け、さらにその内側に一枚の中間プレート15を設け、これら軌道輪2,3,保持プレート13,14および中間プレート15を重ね合わせてなる。これら軌道輪2,3、保持プレート13,14、中間プレート15は、ほぼ同一の内径及び外径を有するリング状の部材であり、その内径に軸孔2a,3a、13a,14a、15aをそれぞれ形成している。
上記軌道輪2,3には、ピン孔2b,3bが、円周方向に均等間隔で4つ形成され、また、上記中間プレート15にも、ピン孔15bが、円周方向に均等間隔で4つ形成されている。ただし、中間プレート15に形成されたピン孔15bは長孔からなり、スラスト軸受12が荷重を受ける軸方向と直交する半径方向に長さを有している。
また、上記保持プレート13(14)には、ピン孔13b(14b)が円周方向において対向する位置に2つ形成されている。このピン孔13b(14b)は、上記中間プレート15に形成したピン孔15bと同一形状であって、半径方向に長さを有している。そして、保持プレート13(14)と中間プレート15とを重ね合わせたとき、対向するいずれか2つのピン孔15bと、ピン孔13b(14b)とが、ぴったり重なるように位置している。
そして、上記軌道輪2,3を最も外側にして、その内側に保持プレート13,14、さらにその内側に中間プレート15を位置させて挟み込み、軌道輪2,3の外側から、ピン孔2b,3bにガイドピン8を挿入する。このとき、ガイドピン8によって、図1に示すような相対位置関係が保たれるように、軌道輪2,3、保持プレート13,14、中間プレート15を、次のように重ね合わせる。
まず、中間プレート15の上方において、一方の保持プレート13のピン孔13bを、中間プレート15のピン孔15bのうち、対向するいずれか2つのピン孔15bにぴったりと合わせる。そして、中間プレート15の下方において、他方の保持プレート14のピン孔14bを、中間プレート15のピン孔15bのうち、対向するいずれか2つのピン孔15bにぴったりと合わせる。ただし、一方の保持プレート13と、他方の保持プレート14とは、円周方向に互いに90度ずらしている。したがって、保持プレート13のピン孔13bと、保持プレート14のピン孔14bとは、中間プレート15のピン孔15bに対して、互いに異なる位置に合わさることになる。
そして、保持プレート13,14が、中間プレート15を挟んだ状態で、その両側から、軌道輪2,3を重ね合わせる。このとき、軌道輪2,3における、対向するいずれか2つのピン孔2b,3bと、保持プレート13,14のピン孔13b,14bとを一致させるとともに、一致させたピン孔2b,3bにガイドピン8を挿入する。なお、ガイドピン8の外径は、ピン孔2b,3bにぴったりと嵌る寸法関係を維持するとともに、ピン孔13b,14b,15bのうち、長手方向に直交する方向の内径とほぼ等しい寸法関係を維持している。
したがって、軌道輪2,3、保持プレート13,14、中間プレート15を、重ね合わせた状態では、軌道輪2が、ピン孔13b,15bの長手方向への余裕分だけスライドすることができ、軌道輪3が、ピン孔14b,15bの長手方向への余裕分だけスライドすることができる。
具体的には、図1に示すように、軌道輪2は、保持プレート13あるいは中間プレート15に対してX方向に、ピン孔13b,15bの長手方向への余裕分だけスライド可能となる。また、軌道輪3は、保持プレート14あるいは中間プレート15に対してY方向に、ピン孔14b,15bの長手方向への余裕分だけスライド可能となる。このとき、中間プレート15の一方に設けた軌道輪2がスライド可能なX方向と、中間プレート15の他方に設けた軌道輪3がスライド可能なY方向とは、直交することとなり、軌道輪2,3は互いに直交する方向にスライド可能となる。
上記の構成にしたスラスト軸受12において、軌道輪2,3及び中間プレート15が、保持プレート13,14に対してスムーズにスライドすることができるように、保持プレート13,14には、ころ7を転動自在に設けている。
図2に示すように、保持プレート13(14)には、ころ7を保持するためのころ保持孔13c(14c)が、その長辺を互いに平行にして、複数円周方向に配列されている。
また、保持プレート13(14)の移動方向であって、ころ保持孔13c(14c)の両側には、細いスリッド形状の逃げ孔16が配列されている。この逃げ孔16も、その長辺を互いに平行にしているが、逃げ孔16の短辺は、ころ保持孔13c(14c)の短辺よりも小さく形成されている。
なお、図2中、ピン孔13b(14b)から円周方向に90度ずらした位置にある孔13d(14d)は、ピン逃げ孔であり、保持プレート13(14)が中間プレート15を挟んだ状態で、その反対側から挿入されたピン8を逃がすためのものである。
そして、隣り合う逃げ孔16の間には、凹部17が設けられている。この凹部17は、その一端を、隣り合う一方の逃げ孔16に連通させ、その他端を、隣り合う他方の逃げ孔16に連通させている。
したがって、上記ころ保持孔13c(14c)は、凹部17を横切るように形成されることとなり、ころ保持孔13c(14c)の長辺、及び逃げ孔16の長辺と、凹部17とが、直交することとなる。
なお、隣り合う逃げ孔とは、ころ7の転動方向、すなわち保持プレート13(14)の移動方向に連続する位置にあるものをいう。
上記のように形成したころ保持孔13c(14c)に、ころ7が保持される状態を示したのが図3である。図3は、図2における点線部分を略拡大して示したものである。
保持プレート13(14)は、その表面を平坦面13e(14e)とし、平坦面13e(14e)の半径方向中ほどに、上記したように、凹部17が位置している。この凹部17は、平坦面13e(14e)から連続するとともに、斜めに傾斜する傾斜部17aと、傾斜部17aから連続するとともに、平坦面13e(14e)よりも低く位置する底部17bとからなる。
このように形成される凹部17は、隣り合う逃げ孔16に両端を連通しており、その真ん中にころ保持孔13c(14c)が直交するように設けられている。そして、このころ保持孔13c(14c)に、ころ7が転動自在に保持されるために、ころ7ところ保持孔13c(14c)との寸法関係が、図4に示すようになる。
つまり、平坦面13e(14e)における、ころ保持孔13c(14c)の開口径S1は、ころ7の直径S0よりも小さい。また、底部17bにおける、ころ保持孔13c(14c)の開口径S2は、上記S1と同じ大きさであり、ころ7の直径S0よりも小さい。そして、傾斜部17aにおける、ころ保持孔13c(14c)の開口径S3は、ころ7の直径S0よりも大きい。
したがって、ころ7をころ保持孔13c(14c)に嵌め込むと、ころ7の転動軸心より上方においては、平坦面13e(14e)に対応するころ保持孔13c(14c)の縁が、ころ7の外周面に接触する。また、ころ7の転動軸心より下方においては、底部17bに対応するころ保持孔13c(14c)の縁が、ころ7の外周面に接触する。このように、平坦面13e(14e)に対応するころ保持孔13c(14c)の縁が上側保持部となり、底部17bに対応するころ保持孔13c(14c)の縁が下側保持部となって、ころ7をころ保持孔13c(14c)内に保持することとなる。しかも、傾斜部17aの開口径S3は、ころ7の直径よりも大きいので、ころ7がころ保持孔13c(14c)内で転動することができる。
次にこの実施形態におけるスラスト軸受12の作用を説明する。
軌道輪2,3、保持プレート13,14、中間プレート15を、ガイドピン8を介して図1のように重ね合わせ、相互に偏心回転運動を行う部材間に介在させる。このとき、軌道輪2,3よりも外側に突出するガイドピン8を相互に偏心回転運動を行う部材にそれぞれ植え込んで固定する。
軌道輪2は、保持プレート13あるいは中間プレート15に対して、ころ7の転動方向(X方向)に、ピン孔13b,15bの長手方向への余裕分だけスライド可能となる。また、軌道輪3は、保持プレート14あるいは中間プレート15に対して、ころ7の転動方向(Y方向)に、ピン孔14b,15bの長手方向への余裕分だけスライド可能となる。このとき、X方向とY方向とは、直交することとなり、軌道輪2,3は互いに直交する方向にスライド可能となる。
そして、軌道輪2に固定した一方の図示しない部材がX方向に移動すると、軌道輪2が、保持プレート13の表面を、ころ7を転動させながらX方向にスライドする。このとき、中間プレート15、保持プレート14、軌道輪3は、ガイドピン8によって、X方向への動きを規制されている。したがって、軌道輪2に固定した一方の部材は、軌道輪2とともにX方向にスライドし、軌道輪3に固定した他方の図示しない部材はいずれの方向にも移動しない。
一方、軌道輪2に固定した一方の部材がY方向に移動すると、ガイドピン8によって、軌道輪2、保持プレート13、中間プレート15が一体となり、中間プレート15が、保持プレート14の表面を、ころ7を転動させながらY方向にスライドする。
このように、軌道輪2に固定した一方の部材がX方向にスライドする場合、一方の部材と軌道輪2とが一体となって、他方の部材に対して相対移動する。また、軌道輪2に固定した一方の部材がY方向にスライドする場合、一方の部材と、軌道輪2、保持プレート13、中間プレート15とが一体となって、他方の部材に対して相対移動することとなる。したがって、二つの部材の間に、このスラスト軸受12を介在させれば、両部材の相対移動可能な範囲は、X方向とY方向の合成となり、両部材の偏心回転運動を支持することが可能となる。
しかも、図5にも示すように、この実施形態においては、ころ7が、転動している際に接触するのは、傾斜部17aの中点付近の転動体案内部18となる寸法関係を維持している。
したがって、この実施形態においては、ころ7が転動する際に、ころ7の外周面と、ころ保持孔13c(14c)の転動体案内部18の平面とが接触するので、ころ7の油膜を拭き取ることがない。
なお、この実施形態においては、軌道輪2,3を設けたが、軌道輪2,3を設けずに、直接相互に偏心回転運動を行う部材をガイドピン8に取り付けてもよい。
また、この実施形態では、スラスト軸受12を、相互に偏心回転運動を行う部材に介在させた場合について説明したが、このスラスト軸受12を利用できるのは、相互に偏心回転運動を行う場合に限らず、円周方向に相互移動する部材間に介在させてもよい。
この実施形態におけるスラスト軸受によれば、保持プレート13(14)が一枚の板状部材からなり、上側保持部と下側保持部とでころ7を保持するので、従来のように2枚の部材を結合させなくても、ころ7を正確に案内することができる。したがって、部品点数を削減するとともに、組み付けが容易となり、その分製造コストを低減することができる。
また、保持プレート13(14)によれば、ころ7が転動する際に、ころ7の外周面と、ころ保持孔13c(14c)の転動体案内部18の平面とが接触するので、ころ7の油膜を拭き取ることがない。したがって、焼き付きが生じにくく、耐久性が非常に高い。
しかも、保持プレート13(14)は、プレス成型することができる。本来ならば、一枚の保持プレート13(14)上に、ころ保持孔13c(14c)や、凹部17を多数設けているため、プレス成型すると、表面が撓んだり、歪んだりして、プレス成型することができない。なぜなら、保持プレート13(14)は、厳密な寸法管理がなされなければならないが、加工の際に表面が撓んだり、歪んだりすると、ころ保持孔11aを正確に形成できなくなる。そして、ころ保持孔11aの寸法が正確に形成できないと、ころ7がスムーズに転動できなくなり、軸受としての機能を発揮できなくなるからである。しかし、この実施形態においては、ころ保持孔13c(14c)及び凹部17の両側に、逃げ孔16を設けたので、逃げ孔16が、プレス成型の際における、保持プレート13c(14c)表面の撓みや歪みを吸収することができる。このように、逃げ孔16が、撓みや歪みを吸収するので、保持プレート13(14)をプレス成型によって製造することができる。つまり、逃げ孔16は、プレス成型時に生じる撓みや歪みを吸収するものであり、したがって、逃げ孔16は、円形の孔からなる形状であってもよい。また、凹部17の端部を連通する位置に逃げ孔16を設けることで、凹部17をプレスする際の撓みや歪みを容易に吸収することができ、表面の撓みや歪みを確実に防止することができる。しかも、ころ7を配置する際に逃げ孔16が邪魔にならないので、ころ7を必要な数だけ配置することができる。
逃げ孔16は、スラスト軸受12の用途や、必要とされる耐久性等に応じて設計することができるが、いずれにしても、逃げ孔16を設けることで、保持プレート13(14)のプレス成型が可能となり、この保持プレート13(14)を安価に量産することができ、製造コストを一層低減することができる。
しかも、逃げ孔を形成した分、保持プレートを軽量化することができるので、ころが転動する際における保持プレートの抵抗を低減することができる。
そのうえ、逃げ孔16に潤滑剤を含ませることができ、一層潤滑性能を高められるとともに、耐久性を向上させることができる。
この実施形態におけるスラスト軸受を示す図である。 保持プレートの俯瞰図である。 図2における点線部分を拡大した斜視図である。 ころところ保持孔との寸法関係を示した図であり、(a)は図2における部分俯瞰図、(b)は図2におけるIV(b)-IV(b)線断面図である。 ころ保持孔におけるころの転動を示す図である。 従来のスラスト軸受を示す図である。 従来のスラスト軸受における一の保持器の俯瞰図である。 図7におけるVIII-VIII線断面図であり、一の保持器を示す図である。 従来のころところ保持孔との寸法関係を示した俯瞰図である。 図7におけるX−X線断面図であり、他の保持器を示す図である。
符号の説明
7 ころ
13,14 保持プレート
13c,14c ころ保持孔
13e,14e 平坦面
15 中間プレート
16 逃げ孔
17 凹部
17b 底部

Claims (2)

  1. 平坦面のリング状部材でなる一対の保持プレート間にリング状部材でなる中間プレートを介在させ、一方の保持プレートは中間プレートに対してX方向に移動可能に設け、他方の保持プレートは中間プレートに対して上記X方向に交差する方向に移動可能に設けるとともに、これら保持プレートにはころの長辺を互いに平行にして円周方向にころを配列して、そのころを回転自在に組み込むためのころ保持孔を形成し、このころ保持孔は、そのころ保持孔に組み込んだころが、上記保持プレートの移動方向に直交する方向に軸線を一致させる関係を保ち、しかも、上記ころ保持孔に直交する凹部を形成して、ころ保持孔にころの軸方向両端側を保持する一方のころ保持部と、この一方のころ保持部よりも軸方向内側でころを保持する他方のころ保持部とを設けるとともに、これら両保持部間に段差を保って、上記一方の保持部を上側保持部とし、上記他方の保持部を下側保持部としてなり、このころ保持孔でころを回転自在に保持する構成にしたスラスト軸受において、上記保持プレートには、上記凹部の両端に連続するとともに、上記ころ保持孔と平行にした逃げ孔を形成し、これら逃げ孔のうち、2つの凹部に連続する逃げ孔を複数備えたスラスト軸受。
  2. 上記保持プレートの移動方向に直交する方向のころ保持孔の断面形状は、中央に凹みが形成され、この凹みの両側に平坦面が形成される形状にするとともに、上記ころ保持孔は、上記平坦面に対応する縁を上側保持部とし、上記凹みの底に対応する縁を下側保持部とした請求項1記載のスラスト軸受。
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