JP4624046B2 - センシング装置 - Google Patents

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本発明は、物体から反射されてくる信号波により物体の検出を行うセンシング装置に関する。
近年、監視空間に侵入した侵入者等を検出するセキュリティシステムが広く使用されている。このようなセキュリティシステムで使用されるセンシング装置としては、特開2000−348265号公報に記載されているように、超音波やマイクロ波等の信号波を監視空間に送出し、監視空間に存在する物体によって反射された信号波を受信することによって、その受信波に基づいて侵入者を検出する方式が知られている。
このようなセンシング装置では、物体からの反射波のみを確実に検出するためには送信部から送信された送信波の波形と受信部で受信された受信波の波形とを一致させ、虚像による影響を減少させたい。しかしながら、監視空間を信号波が伝播する際の伝播特性等によって受信波にはひずみが生じており、送信波と受信波との波形は通常一致しない。
そこで、特開2001−153848号公報には、予め信号波の伝達関数を求めておき、受信波形を伝達関数に基づいてデコンボリューションすることによって受信波の波形から送信波の波形を復元する処理を行う技術が開示されている。
特開2000−348265号公報 特開2001−153848号公報
上記従来技術では、測定の対象物が金属内の欠陥であるので、センシング装置の送受信部と検出対象物である欠陥とが正対する位置で測定を行う構成となっている。ところが、監視空間に存在する侵入者を検出するセキュリティシステムで用いられるセンシング装置では、信号波を反射する侵入者と反射された信号波を受信する受信部とが正対していない場合が多い。信号波の伝達関数は、信号波が伝播する空間の環境や送信部及び受信部の周波数特性や指向特性等が角度依存性を有しているので、検出対象物と送受信部とが正対していることを仮定して取得した伝達関数を用いて、送受信部に正対しない検出対象物から反射された受信波をデコンボリューションしてもうまく波形を復元できない問題がある。
特に、広い空間を監視空間とする侵入者のセンシング装置では、同一の侵入者によって反射された反射波が多方向からの合成波として受信されるので受信波から送信波の波形を復元することが困難である。このため、侵入者の検出確度を十分なものすることができなかった。
本発明は、上記従来技術の問題を鑑み、侵入者の検出確度を高めたセンシング装置を提供することを目的とする。
本発明は、信号波を監視空間に送信する送信部と、前記監視空間から受信を行い受信信号として出力する受信部と、前記送信部及び前記受信部における送受信に対する複数の伝達関数を記憶する記憶部と、前記受信信号を前記複数の伝達関数に対しそれぞれの逆伝達関数にて演算して複数のデコンボリューション信号を生成するデコンボリューション処理と、前記複数のデコンボリューション信号を合成して合成信号を生成する波形合成処理と、前記合成信号に基づいて前記監視空間に存在する物体を検出する検出処理と、を行う信号処理部と、を備えることを特徴とするセンシング装置である。
ここで、前記信号処理部は、前記複数のデコンボリューション信号の同一時刻における最小振幅値を選択し、時間軸にて合成して1つの合成信号を生成することを特徴とする。すなわち、前記複数の伝達関数として、前記受信部における複数の受信角に対する伝達関数を用意しておき、受信角毎にデコンボリューション信号を生成し、同一時刻における複数の受信角に対するデコンボリューション信号の最小振幅値を選択し、各時刻の選択された信号を合成して合成信号を生成する。これによって、受信信号から、前記送信部及び前記受信部の周波数特性や指向特性によって生ずる歪やノイズ等の影響を取り除くことができる。
前記監視空間への侵入物体を検出する際には、前記合成信号に振幅が所定の閾値以上の信号が含まれるか否かを調査し、閾値以上の信号が存在する場合には侵入物体を示す信号として検出する。なお、侵入者を検出対象とする場合、閾値は検出対象である人間の大きさ、送信波に対する反射率により実験的に決定することが好適である。
また、前記信号処理部は、前記デコンボリューション信号に基づいて、前記送信部からの送信又は前記受信部での受信を妨げる障害物の検出を行うことも好適である。
前記デコンボリューション信号の各々に振幅が所定の振幅正常判定値を超えている信号が含まれているか否かを調べ、前記デコンボリューション信号のいずれにも振幅が振幅正常判定値を超える信号が含まれていない場合には前記送信部又は前記受信部のいずれか一方に覆いなどが被せられていると判定する。また、前記デコンボリューション信号の各々に振幅値が所定の振幅異常判定値を超えており、かつ、その状態が所定の時間異常判定値を超えて続いている信号が含まれているか否かを調べ、前記デコンボリューション信号のいずれかに振幅値が所定の振幅異常判定値を超えており、かつ、その状態が所定の時間異常判定値を超えて続いている信号が含まれている場合、前記送信部及び前記受信部の全体に覆いなどが被せられていると判定する。
本発明によれば、セキュリティシステムにおいて侵入者を検出する確度を高めることができる。特に、広い監視角を監視対象とする場合において検出確度を高くすることができる。
本発明の実施の形態におけるセンシング装置100は、図1に示すように、送信部10、受信部12、制御部14、記憶部16、信号処理部18及び出力部20を含んで構成される。本実施の形態におけるセンシング装置100は、信号波の送受信装置を備えたコンピュータに以下の処理を可能とするプログラムを搭載することによって実現することができる。
なお、本実施の形態では、信号波として超音波を用いた例を示すが本発明の適用範囲はこれに限定されるものでない。例えば、マイクロ波、ミリ波等の電磁波を用いた場合にも本発明の概念を適用することができる。
送信部10は、超音波を発振する超音波素子、増幅器、デジタル/アナログ(D/A)変換器を含んで構成される。送信部10は、後述する記憶部16に予め記憶させてある信号波の波形データを、一定の時間間隔でデジタル/アナログ変換し、増幅器で増幅する。増幅された信号波は、超音波素子から超音波として監視空間に送信される。
信号波の波形データは、パルス波とすることが好適である。パルス幅が短く、かつ、立ち上がりが鋭い、急峻なパルス波を用いることが好ましい。このようなパルス波を用いることによって、侵入物体で反射された反射波を明確に検知することができ、高い距離分解能をもって物体を検出できる。
なお、送信の繰り返し周期は、監視対象とする空間の範囲により決定される。例えば、センシング装置から10mの距離までの空間を監視対象とする場合には、音波が往復で20mを伝播するのに必要な時間(0.06秒)以上の間隔で信号を繰り返し送信する。
このような理想的なパルス波を送信するためには、超音波素子として周波数特性が広帯域で平坦な素子を必要とする。しかしながら、実際の超音波素子は理想的なパルス波を送信するために十分な帯域特性を有しておらず、送信される信号波は理想的なパルス波の波形から歪んだものとなる。本実施の形態では、この波形の歪みを後述のデコンボリューション処理で補正する。
受信部12は、超音波を受信する受信素子、増幅器、アナログ/デジタル(A/D)変換器を含んで構成される。図6に示すように、受信部12は、送信部10の近傍に配置され各々監視空間に対して向けられる。送信部10から送信された超音波は、監視空間に存在する物体によって反射され、反射波として受信素子に到達する。受信素子は、この反射波を受信し、増幅器へ出力する。受信された反射波は、増幅器で増幅された後に、A/D変換器でデジタル信号に変換されて信号処理部18へ受信信号として出力される。このとき、制御部14は、信号波の送信タイミングに同期するように反射波の受信タイミングを制御する。
送信部10と同様に、受信部12における受信素子は理想的なパルス波を受信するために十分な帯域特性を有していない。従って、反射波の受信時においても波形に歪みが生ずる。本実施の形態では、受信部12における波形の歪みも後述のデコンボリューション処理で補正する。
制御部14は、送信部10から一定の繰り返し周期で信号波を送信するように制御を行うと共に、受信部12において信号波の送信タイミングに同期させて反射波を受信するように制御を行う。制御部14は、コンピュータの中央処理装置(CPU)に相当し、記憶部16に予め格納及び保持された制御プログラムを適宜読み出して実行することによって制御を行う。
記憶部16は、送信部10から送信される信号波の波形データ、制御部14で実行される制御プログラム、信号処理部18で実行される処理プログラム等のセンシング装置の処理で必要とされる電子情報を格納及び保持する。このとき、信号波の波形データを記憶する代わりに、波形データを生成するためのパラメータを記憶しても良い。この場合、送信部10にパラメータから波形を生成する波形生成部を備える必要がある。
さらに、記憶部16は、様々な受信角から到来する信号波に対する伝達関数を記憶する。伝達関数は、受信角毎の関数として複数記憶される。記憶された伝達関数は、後述するデコンボリューション処理によって読み出されて利用される。
信号処理部18は、伝達関数設定部18a、合成部18b及び判定部18cから構成さる。伝達関数設定部18aは、侵入物体の検出処理に先立って、受信角毎の伝達関数を計測し、それらの伝達関数を受信角毎の関数として記憶部16に格納及び保持させる。合成部18bでは、記憶部16に受信角毎に記憶されている複数の伝達関数を用いて、受信部12で受信された反射波の波形に対して後述するデコンボリューション処理を行い、その最適な信号波形を生成する。判定部18cでは、合成部18bで生成された信号波形を用いて、侵入物体の検出処理や送信部10又は受信部12に覆い(カバー)等の障害物が付けられていないか障害の検出処理を行う。この処理結果は、出力部20に出力される。信号処理部18は、コンピュータの中央処理装置(CPU)に相当し、記憶部16に予め格納及び保持された処理プログラムを適宜読み出して実行することによって処理を行う。
出力部20は、信号処理部18から処理結果を受けて、侵入物体が存在することを示す警報信号や、送信部10又は受信部12に障害物が設置されていることを示すアラーム信号等を出力する。
<伝達関数設定処理>
以下、センシング処理に先立って伝達関数設定部18aで行われる伝達関数の設定処理について説明する。伝達関数設定処理では、反射波を受信する際の受信角毎の伝達関数を計測し、その伝達関数を記憶部16に記憶させる。
伝達関数設定時には、送信部10と受信部12とを対向させて、なるべく外来ノイズが少ない環境下において伝達関数の計測を行うことが好ましい。送信部10と受信部12とを、送信された信号波が平面波とみなせる程度離れた距離に設置して伝達関数を計測する。このとき、送信される信号波は実際にセンシングで使用されるパルス波を用いることが好ましい。また、パルス波の代わりにパルス波を時間的に引き延ばし信号(時間引き延ばしパルス)などの断続的で広帯域な信号を使用しても良い。なお、外来ノイズによる計測への影響を小さくするためには、計測は多数回(例えば、100回)行い、その計測結果を平均化して伝達関数を求めることが好ましい。
送信部10に入力される信号をf、受信部12から出力される信号をgとすると、信号fと信号gとのフーリエ変換後のF,Gの周波数空間での関係は伝達関数Hを用いてF・H=Gと表すことができる。従って、伝達関数Hは、H=G/Fで求めることができる。ここで、信号F,G及び伝達関数Hは各々複素関数で表される。以後、大文字のF,G,Hは、周波数領域の複素関数を表す。
送信部10と受信部12との距離を変更せず、受信部12の受信素子の正対方向に対する送信部10の設置する角度を変えて、それぞれの受信角θに対する伝達関数H(θ)を計測及び記憶する。計測及び記録を行う受信角θは任意に設定することができるが、伝達関数の数が多いほど侵入物体の検出精度を向上させることができる。ただし、伝達関数の数を多くするとデコンボリューション処理に要する演算量が増加するので、両者のバランスによって伝達関数を計測・記憶する受信角θの数を決定することが好ましい。例えば、監視領域を受信部12の受信素子の正対方向に対して±45°とした場合には、実用的な検出精度を実現するためには少なくとも等間隔に3つ以上の受信角θについて伝達関数H(θ)を計測・記憶することが好ましい。
なお、伝達関数Hを計測する際には、受信部12を固定して送信部10を移動させて受信角θを変更しても良いし、送信部10を固定して受信部12を移動させて受信角θを変更しても良い。また、伝達関数Hの設定処理は、センシング装置を設置した実際の監視空間で行うことが好ましいが、監視空間の環境が予め想定できる場合等は工場等で予め計測された伝達関数Hを記憶部16に記憶させて用いても良い。
<合成信号生成処理>
次に、合成部18bで行われる受信波形の合成信号生成処理について説明を行う。合成部18bでの合成信号生成処理は、デコンボリューション処理と波形合成処理とを含んでなる。
デコンボリューション処理は、送信部10や受信部12の周波数特性により生ずる歪みや監視空間の環境によって生ずる歪み等の影響を受けた反射波を元の鋭いパルス波に近づけるように補正する処理である。具体的には、受信部12で受信された受信信号Yに対して、伝達関数の逆伝達関数Y・H-1を演算することによって補正を行うことができる。
本実施の形態では、図2のフローチャートに示すように、上記伝達関数設定処理において計測・記憶しておいた受信角θ毎の伝達関数H(θ)の各々についてデコンボリューション処理を行う。ステップS2−1では、カウンタiを1に初期設定する。ステップS2−2ではi番目の受信角θiに対する伝達関数H(θi)を記憶部16から読み出し、ステップS2−3では受信信号Yを1/H(θi)で畳み込む演算を行う。ステップS2−4では、記憶部16に記憶されている総ての伝達関数H(θi)について畳み込み演算が終了したか否かを判断し、総ての伝達関数H(θi)について演算が終了していなければステップS2−5でカウンタiを1だけ増加してステップS2−2から処理を繰り返し、総ての伝達関数H(θi)について演算が終了していれば処理を終了する。
例えば、3つの受信角θ1,θ2,θ3についてそれぞれ伝達関数H(θ1),H(θ2),H(θ3)が取得されていたとすると、受信信号Yに対して逆関数1/H(θ1),1/H(θ2),1/H(θ3)を用いてそれぞれ乗算を行ってデコンボリューション信号D1,D2,D3を求める。
このように受信信号Yに対して複数の受信角θに対する伝達関数H(θ)を用いてデコンボリューション処理を行うのは、伝達関数H(θ)は送信部10及び受信部12の指向特性が無指向性ではないので、反射波の到来角度(方向)毎に伝達関数が異なるからである。例えば、反射波が受信部12の受信素子の正対する方向から到達する場合の伝達関数を用いて、正対方向に対して受信角θがずれた方向から到来した反射波に対してデコンボリューション処理を行ったとしても歪み等の補正を正しく行うことができないからである。
波形合成処理では、図3のフローチャートに示すように、デコンボリューション処理によって得られたデコンボリューション信号Dを時間領域に逆フーリエ変換した信号dの各々について各時刻における振幅の絶対値の最小値を選択して合成信号を生成する。すなわち、ステップS3−1においてサンプリング時刻t=0に初期設定し、ステップS3−2において各デコンボリューション信号dのサンプリング時刻tにおける振幅値を求め、ステップS3−3において抽出された振幅値の絶対値のうち最小値を選択する。ステップS3−4では、総てのサンプリング時刻tについて最小値を選択したか否かが判断され、総てのサンプリング時刻tについて選択処理が終了していない場合にはステップS3−5においてサンプリング時刻tを1だけ増加させてステップS3−2からの処理を繰り返し、総てのサンプリング時刻tについて選択処理が終了した場合には選択した信号値をサンプリング時刻t毎に並べて合成信号として出力する。これによって、図4に示すように、各デコンボリューション信号dから合成信号が生成される。
例えば、上記のように、3つの受信角θ1,θ2,θ3に対する伝達関数H(θ1),H(θ2),H(θ3)を用いてデコンボリューション信号D1,D2,D3が求められている場合、各々逆フーリエ変換して時間領域の信号に戻し、各サンプリング時刻tにおけるデコンボリューション信号d1,d2,d3の振幅のうち最小値を合成信号の振幅値として選択する。
これは、実在の物体からの反射波はどの受信角θに対する伝達関数H(θ)を用いてデコンボリューション処理を行っても大きな振幅を有する信号として残るが、反射波に含まれるノイズ等の成分は実際の反射波の到来角θαとは異なる受信角θ≠θαに対する伝達関数(θ≠θα)を用いてデコンボリューション処理を行った場合にのみ現れ、到来角θαとほぼ一致する受信角θ≒θαに対する伝達関数(θ≒θα)を用いてデコンボリューション処理を行った場合には現れないことを利用して、実在する物体で反射された信号のみを抽出する処理である。
本実施の形態における合成信号生成処理によれば、受信信号の到来方向に関する情報がなくとも実在の物体からの反射波のみを含む信号を得ることができる。さらに、複数の受信角θからの反射波を同時に受信した場合においても実在の物体からの反射波を正しく残すことができる。さらに、受信角θが保持する伝達関数H(θ)のいずれかに一致する場合に最も精度が高くなるが、受信角θが保持する伝達関数H(θ)と一致しない場合においても複数のデコンボリューション信号dから最もノイズが少ない値を選択して合成信号を生成することができる。
<判定処理>
次に、判定部18cにおいて行われる判定処理について説明する。判定処理は、侵入物体検出処理と画策検出処理とを含んでなる。侵入物体検出処理では、合成部18bにおいて得られた合成信号に基づいて監視空間に侵入物体が存在するか否かが判断される。画策検出処理では、合成部18bにおいて得られたデコンボリューション信号に基づいて、侵入者等が送信部10又は受信部12に覆い(カバー)等の障害物を設置してセンシングを妨害しようとする画策が行われているか否かが判断される。
侵入物体検出処理では、合成信号に振幅が所定の閾値以上の信号が含まれるか否かを調査し、閾値以上の信号を侵入物体を示す信号として抽出する。なお、侵入者を検出するセキュリティシステムの場合、閾値は検出対象である人間の大きさ、送信波に対する反射率により実験的に決定することができる。また、送信波として超音波を用いる場合には、距離減衰を考慮した補正を行うことも好適である。
次に、前回のフレームにおいて抽出された信号から求められる侵入物体までの距離と今回のフレームにおいて抽出された信号から求められる侵入物体までの距離から物体の移動量(移動距離)と移動速度を算出する。ここで、フレーム間隔は、送信部から送信される送信波(パルス波)の送信間隔に対応する。移動速度が予め設定された範囲内である場合には侵入者であると判定し、侵入者が検出されたことを示す検出信号を出力部に送信する。人間が現実的に移動可能な速度の範囲を移動速度が超えている場合、侵入物体は人間ではないと判定する。なお、侵入物体の検出には、既存の侵入者検出処理を応用することができる。
画策検出処理では、図5のフローチャートに示すように、デコンボリューション信号dの波形の振幅や時間長が異常判定値を超えているか否かを調べ、異常判定値を超えている場合には画策行為が行われたものと判定する。
従来のセンシング装置では、送信部10と受信部12とが接近する配置である場合、図6(a)に示すように、受信された信号に送信部10から受信部12に直接回り込んだ信号波が含まれる問題があり、この直接波による影響を避けるために受信信号の先頭部分をカットして侵入物体の検出処理を行っていた。しかしながら、このような処理では、送信部10と受信部12との近傍に存在する侵入物体を検出することができなくなる問題があった。また、送信部10又は受信部12がカバーで覆われる等の画策行為が行われていることを検出することもできなかった。
そこで、本実施の形態では、受信信号に直接波や画策行為による波形のような伝達関数の特性を反映していない信号が含まれている場合に、伝達関数を用いてデコンボリューション処理を行うと得られる波形が大きく発振したものとなることを利用して画策行為の検出を行う。逆に、デコンボリューション処理後の波形が明らかに正常状態のときよりも小さい場合には、送信部10又は受信部12のいずれかが覆い(カバー)等で覆われて信号が受信できなくなっていると判断する。
ステップS5−1では、各デコンボリューション信号dに振幅が所定の振幅正常判定値を超えている信号が含まれているか否かを調べる。デコンボリューション信号dのいずれにも振幅が振幅正常判定値を超える信号が含まれていない場合、図6(c)に示すように、送信部10又は受信部12のいずれか一方に覆いなどが被せられていると判定し、出力部20へ画策検出信号を送信する。ステップS5−2では、各デコンボリューション信号dに振幅値が所定の振幅異常判定値を超えており、かつ、その状態が所定の時間異常判定値を超えて続いている信号が含まれているか否かを調べる。デコンボリューション信号dのいずれかに振幅値が所定の振幅異常判定値を超えており、かつ、その状態が所定の時間異常判定値を超えて続いている信号が含まれている場合、図6(b)に示すように、送信部10及び受信部12の全体に覆いなどが被せられていると判定し、出力部20へ画策検出信号を送信する。ステップS5−1及び5−2のいずれにおいても異常が検出されなかった場合には正常状態であるとして処理を終了する。
以上のように、本実施の形態によれば、セキュリティシステムにおいて侵入物体を検出する確度を高めることができる。特に、広い監視角を監視対象とする場合において、複数の受信角に対する伝達関数を用いてデコンボリューション処理を行うことによって、物体からの反射波のみをより確実に検出することを可能とする。さらに、侵入者等が送信部10又は受信部12を覆う等の画策行為を行ったことを検出することができる。その結果、セキュリティシステムの信頼性を高めることができる。
なお、本実施の形態では、送信部10又は受信部12に単一素子を用いた場合について説明を行ったが、素子をアレイ状に並べた送信部10又は受信部12を用いた場合にも本発明を適用することができる。
図7は、複数の素子をアレイ状とした送信部10又は受信部12を用いた場合の波形合成を示す。送信部10又は受信部12をアレイ状とすることにより、監視空間を距離と角度の2次元で監視することができる。この場合も、上記実施の形態と同様に、距離と角度の両方のパラメータにおいて、複数のデコンボリューション信号dの振幅から最小値を選択することによって波形を合成することができる。
なお、このようにアレイ状のレーダ又はソナー等を用いた場合、距離および角度の像を結像する結像処理が必要となるが、遅延和(遅延加算)処理等の既存の方法を適用することができるので説明は省略する。また、アレイ状とする場合は、複数の素子に対する複数の角度毎の伝達関数を用意しておく必要がある。
本発明の実施の形態におけるセンシング装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態における受信信号に対するデコンボリューション処理のフローチャートを示す図である。 本発明の実施の形態における波形合成処理のフローチャートを示す図である。 本発明の実施の形態における波形合成処理を説明する図である。 本発明の実施の形態における画策検出処理のフローチャートを示す図である。 本発明の実施の形態における画策行為の検出処理を説明する図である。 本発明の実施の形態における波形合成処理の別例を説明する図である。
符号の説明
10 送信部、12 受信部、14 制御部、16 記憶部、18 信号処理部、18a 伝達関数設定部、18b 合成部、18c 判定部、20 出力部、100 センシング装置。

Claims (3)

  1. 信号波を監視空間に送信する送信部と、
    前記監視空間から受信を行い受信信号として出力する受信部と、
    前記送信部及び前記受信部における送受信に対する複数の伝達関数を記憶する記憶部と、
    前記受信信号を前記複数の伝達関数に対しそれぞれの逆伝達関数にて演算して複数のデコンボリューション信号を生成するデコンボリューション処理と、
    前記複数のデコンボリューション信号の同一時刻における最小振幅値を選択し時間軸にて合成して合成信号を生成する波形合成処理と、
    前記合成信号に基づいて前記監視空間に存在する物体を検出する検出処理と、を行う信号処理部と、
    を備えることを特徴とするセンシング装置。
  2. 請求項に記載のセンシング装置において、
    前記複数の伝達関数は、前記受信部における複数の受信角に対する伝達関数であることを特徴とするセンシング装置。
  3. 請求項1又は2に記載のセンシング装置において、
    前記信号処理部は、前記デコンボリューション信号に基づいて、前記送信部からの送信又は前記受信部での受信を妨げる障害物の検出を行うことを特徴とするセンシング装置。
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