JP4622467B2 - 微分スペクトル測定装置及びそれを用いた測定方法、並びに測定装置 - Google Patents

微分スペクトル測定装置及びそれを用いた測定方法、並びに測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、光の強度変化から微分スペクトルを測定する微分スペクトル測定装置と測定方法に関するものである。
MEMS(Micro Electro Mechanical System)アクチュエータを有する回折格子を用いた分光器がある。
図7に示すように、分光器70は、レンズやミラー、フィルタ等の光学素子74と、回折格子73と、スリット76、検出器77、信号処理装置78及び変調器79とを備える。回折格子73は、基板71上に多数のプレート72が直線状に配置されてなる。プレート72は静電アクチュエータで上下に動かすことができ、プレート72を動かすことで、回折格子73に入射した光の波長を掃引できる。分光した光は、スリット76を通過して検出器77で検出され、信号処理装置78において処理される。このとき、回折格子73と検出器77には変調器79が接続されているので、波長多重光(白色光)は回折格子73によって分光され、その各光信号を変調することができる(特許文献1参照)。
米国特許第5905571号明細書
ところで、図8は、従来の分析装置においてSO3 ガス中を透過させたサンプル光の吸収スペクトルを表したものであり、図9は波長230nmにおける受光強度をSO3 ガスの濃度毎にプロットした検量線である。
ガスの吸収スペクトルは、吸収したガスの種類によって吸収波長バンドが異なり、吸収濃度によって受光強度が異なる。
しかし、図9に示すように、受光強度を測定し、ガス濃度を算出する際、受光強度の変化率に対してガス濃度変化率が大きく、受光強度の誤差によりガス濃度が大きく変化してしまう。また、光源より出射される光の強度によっても受光強度は変化してしてしまい、測定誤差の要因となる。
そこで、図10に示すように、図8の吸光スペクトルを波長で一次微分し、微分スペクトルでガスの濃度を算出することで、光強度の変動や大きさに関係なく、波長間の変化分からガス濃度を求めている。したがって、受光強度の変動や大きさに関係なく正確なガス濃度を測定することができるが、ガス濃度がゼロ(光源からの出射光を直接検出)の場合でも、微分スペクトルが波長によって相応の値をもつ。例えば、図11に示す波長230nmの検量線において、ガス濃度がゼロのとき、一次微分値が112となっている。これは、ガス濃度がゼロのとき、微分値がゼロではないので、分解能が小さくなったり、受光強度による誤差を大きくする原因となる。
すなわち、従来の分光器で測定される光では、光源より出射される光のスペクトルが検出されるスペクトルの形状に反映されており、それにより算出される微分スペクトルは、光源より出射された光のスペクトル変化の影響による誤差を含んでいるという問題点がある。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、光源のスペクトルの影響を低減して高精度な微分スペクトルを得ることができる微分スペクトル測定装置とそれを用いた測定方法、並びに測定装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、光源から出射され、測定対象により光吸収を受けた光の吸光スペクトルを波長で一次微分した微分スペクトルを測定する微分スペクトル測定装置であって、
上記微分スペクトル測定装置は、
上記光を複数の光路に分岐させる光分岐手段と、
上記光分岐手段で分岐された各分岐光がそれぞれ照射され、各分岐光を反射し、所定の波長バンドごとに分光する回折格子と、
上記回折格子で分光された各分岐光を反射、偏向させるMEMS型プログラマブル回折格子からなる複数の光反射偏向手段と、
上記光反射偏向手段に設けられ、光反射偏向手段の反射面を回転駆動させて、上記回折格子で分光された各分岐光の同じ波長の光がそれぞれ別々の角度で反射されるようにするための駆動手段と、
上記複数の光反射偏向手段で反射、偏向された各分岐光を波長バンドごとに通過/遮断するアパチャと、
上記複数の光反射偏向手段と上記アパチャにより波長バンドごとに光の強度が調節されると共に交互に通過/遮断された各分岐光の波長バンドごとの光の強度差に基づいたスペクトルを交互に検出し、上記光の微分スペクトルを出力するアレイ光検出器とを備えてなり、
上記複数の光反射偏向手段のそれぞれは、測定対象を透過しない光又は劣化していない測定対象から反射された光の微分スペクトルが、どの波長バンドにおいても0となるように偏向量が予め調整される微分スペクトル測定装置である。
請求項2の発明は、光源から出射され、測定対象により光吸収を受けた光の吸光スペクトルを波長で一次微分した微分スペクトルを検出し、該微分スペクトルに予め作成しておいた検量線となるスペクトルと同じ重みの重み付けを行うことで、測定対象の濃度又は劣化度を測定する測定装置であって、
上記測定装置は、
上記光を複数の光路に分岐させる光分岐手段と、
上記光分岐手段で分岐された各分岐光がそれぞれ照射され、各分岐光を反射し、所定の波長バンドごとに分光する回折格子と、
上記回折格子で分光された各分岐光を反射、偏向させるMEMS型プログラマブル回折格子からなる複数の光反射偏向手段と、
上記光反射偏向手段に設けられ、光反射偏向手段の反射面を回転駆動させて、上記回折格子で分光された各分岐光の同じ波長の光がそれぞれ別々の角度で反射されるようにするための駆動手段と、
上記光の波長バンドごとの光の強度差に基づいたスペクトルに、予め作成しておいた検量線となるスペクトルと同じ重みの重み付けを行うべく、上記複数の光反射偏向手段での各分岐光の反射率の制御を波長バンドごとに行う演算手段と、
上記複数の光反射偏向手段で反射、偏向された各分岐光を波長バンドごとに通過/遮断するアパチャと、
上記アパチャを交互に通過/遮断された各分岐光を集光する集光手段と、
集光された各分岐光の光量の総和を交互に検出し、上記測定対象の濃度又は劣化度を出力する光検出器
とを備える微分スペクトル測定装置である。
請求項3の発明は、上記駆動手段が、所定の波長バンドごとに分光された光の光路面に対して水平方向に上記反射面を回転駆動するか、又は所定の波長バンドごとに分光された光の光路面に対して垂直方向に上記反射面を回転駆動するか、或いは所定の波長バンドごとに分光された光の光路面に対して水平方向かつ垂直方向に上記反射面を回転駆動する請求項1記載の微分スペクトル測定装置である。
請求項4の発明は、上記駆動手段が、所定の波長バンドごとに分光された光の光路面に対して水平方向に上記反射面を回転駆動するか、又は所定の波長バンドごとに分光された光の光路面に対して垂直方向に上記反射面を回転駆動するか、或いは所定の波長バンドごとに分光された光の光路面に対して水平方向かつ垂直方向に上記反射面を回転駆動する請求項2記載の測定装置である。
請求項5の発明は、光源から出射され、測定対象により光吸収を受けた光の吸光スペクトルを波長で一次微分した微分スペクトルを測定する微分スペクトル測定装置であって、 上記微分スペクトル測定装置は、
上記光を複数の光路に分岐させる光分岐手段と、
上記光分岐手段で分岐された複数の分岐光の光路の偏向角を調節して、上記光分岐手段で分岐された各分岐光の光路の偏向角をそれぞれ異ならせるための偏向手段と、
上記光分岐手段で分岐された各分岐光がそれぞれ照射され、各分岐光を反射し、所定の波長バンドごとに分光する回折格子と、
上記回折格子で分光された各分岐光を反射、偏向させるMEMS型プログラマブル回折格子からなる複数の光反射偏向手段と、
上記複数の光反射偏向手段で反射、偏向された各分岐光を波長バンドごとに通過/遮断するアパチャと、
上記複数の光反射偏向手段と上記アパチャにより波長バンドごとに光の強度が調節されると共に交互に通過/遮断された各分岐光の波長バンドごとの光の強度差に基づいたスペクトルを交互に検出し、上記光の微分スペクトルを出力するアレイ光検出器とを備えてなり、
上記複数の光反射偏向手段のそれぞれは、測定対象を透過しない光又は劣化していない測定対象から反射された光の微分スペクトルが、どの波長バンドにおいても0となるように偏向量が予め調整される微分スペクトル測定装置である。
請求項6の発明は、光源から出射され、測定対象により光吸収を受けた光の吸光スペクトルを波長で一次微分した微分スペクトルを検出し、該微分スペクトルに予め作成しておいた検量線となるスペクトルと同じ重みの重み付けを行うことで、測定対象の濃度又は劣化度を測定する測定装置であって、
上記度測定装置は、
上記光を複数の光路に分岐させる光分岐手段と、
上記光分岐手段で分岐された複数の分岐光の光路の偏向角を調節して、上記光分岐手段で分岐された各分岐光の光路の偏向角をそれぞれ異ならせるための偏向手段と、
上記光分岐手段で分岐された各分岐光がそれぞれ照射され、各分岐光を反射し、所定の波長バンドごとに分光する回折格子と、
上記回折格子で分光された各分岐光を反射、偏向させるMEMS型プログラマブル回折格子からなる複数の光反射偏向手段と、
上記光の波長バンドごとの光の強度差に基づいたスペクトルに、予め作成しておいた検量線となるスペクトルと同じ重みの重み付けを行うべく、上記複数の光反射偏向手段での各分岐光の反射率の制御を波長バンドごとに行う演算手段と、
上記複数の光反射偏向手段で反射、偏向された各分岐光を波長バンドごとに通過/遮断するアパチャと、
上記アパチャを交互に通過/遮断された各分岐光を集光する集光手段と、
集光された各分岐光の光量の総和を交互に検出し、上記測定対象の濃度又は劣化度を出力する光検出器
とを備える測定装置である。
請求項7の発明は、上記偏向手段を、上記回折格子の前段又は後段に設けた請求項5記載の微分スペクトル測定装置である。
請求項8の発明は、上記偏向手段を、上記回折格子の前段又は後段に設けた請求項6記の測定装置である。
請求項9の発明は、上記偏向手段偏向手段を回転駆動させる駆動手段を有する請求項5または7記載の微分スペクトル測定装置である。
請求項10の発明は、上記偏向手段が、偏向手段を回転駆動させる駆動手段を有する請求項6または8記の測定装置である。
請求項11の発明は、上記偏向手段がプリズムである請求項5、7、9いずれかに記載の微分スペクトル測定装置である。
請求項12の発明は、上記偏向手段がプリズムである請求項6、8、10いずれかに記載の測定装置である。
請求項13の発明は、請求項1、3、5、7、9、11いずれかに記載の微分スペクトル測定装置を用い、光源から出射され、濃度又は劣化度が既知である複数の測定対象によりそれぞれ光吸収を受けた透過光又は反射光である各光の微分スペクトルをそれぞれ検出し、各微分スペクトルと各濃度又は各劣化度の関係を示す検量線を予め作成しておき、しかる後、光源から出射され、濃度又は劣化度が未知である測定すべき測定対象により光吸収を受けた光の微分スペクトルを検出し、該微分スペクトルと予め作成しておいた上記検量線を基に上記測定すべき測定対象の濃度又は劣化度を測定する測定方法である。
本発明によれば、高精度な微分スペクトルが得られるといった優れた効果を発揮する。
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1は本発明に係る微分スペクトル測定装置の好適な第1の実施の形態を示した概略図である。
図1に示すように、微分スペクトル測定装置(以下、測定装置)10は、筐体11内に、光伝搬方向上流側から順に光分岐手段12,回折格子13,光反射手段14,アパチャ16,屈折手段17、アレイ光検出器18を備える。
測定装置10は、測定対象に光を透過或いは反射させ、測定装置10に導入される光Lを出射する光源を有しており、例えば測定装置10の外部に設けられる。光源から出射される光としては、広帯域のスペクトルを有する光であればよく、特に限定するものではない。光源としては、装置コストが安価なランプが好ましいが、LEDやレーザ発振手段を用いてもよい。
測定装置10には、測定装置10に光Lを導入する光ガイド部材19を接続してもよい。光ガイド部材19は、光源より出射し、測定対象とする試料によって光吸収を受けた光Lを測定装置10に導入する部材である。光ガイド部材19としては、慣用の光ファイバ等が適用される。
光分岐手段12は、測定装置10に導入された光Lを複数の光路に分岐させるものである。本実施の形態では光分岐手段12としてハーフミラーを光Lの光路中に設け、光Lを、ハーフミラー12を透過する光L1と、ハーフミラー12で反射する光L2の2つの光路に分岐させるようにした。ハーフミラー12の図中下側には2つの光路を平行にするためのミラー21が設けられている。光分岐手段12として、光ガイド部材19に接続して導波路型の光カプラを設けてもよい。
回折格子13には、光分岐手段12により2つの光路に分けられた光L1,L2が照射され、反射される。反射された各光L1,L2は、所定の波長バンドごとに分光される。
光反射手段14は、回折格子13で分光された各光L1,L2が照射され、反射、好ましくは反射、偏向する部材である。光反射手段14は、分岐された光路の数と同じ数だけ設けられる。本実施の形態では、光反射手段14を、光L1,L2を別々に反射させるべく2つ(図1中では14a,14bの2つ)設けた。
この光反射手段(光反射偏向手段)14は、例えばミラー部材、好ましくは分光された各光L1,L2を所定の波長バンドごとに掃引、変調するプログラマブル回折格子とされる。また、プログラマブル回折格子が、MEMSアクチュエータを有することがより好ましい。
さらに、光反射偏向手段14には、光反射偏向手段14の反射面を回転駆動させる駆動手段15が設けられる。本実施の形態では、駆動手段15は光反射偏向手段14と別体に設けられる本体部15aと、光反射偏向手段14に設けられるアクチュエータ(図示せず)とで構成され、本体部15aとアクチュエータは電気的に接続されている。駆動手段15は、光反射偏向手段14の少なくとも反射面を駆動させるものであればよいが、光反射偏向手段14全体を駆動させてもよい。駆動手段15は、光L1(またはL2)が分光された各光の光路からなる光路面に対して水平方向に、換言すれば回折格子13による光の回折方向に水平に光反射偏向手段14を回転駆動させる。
本実施の形態の特徴は図中上側に配設された光反射偏向手段14aと図中下側に配設された光反射偏向手段14bの角度を異ならせ、回折格子13でそれぞれ分光された光L1、L2の同じ波長の光が、光反射偏向手段14a,14bでそれぞれ別々の角度で反射されるようにすることにあり、駆動装置15で、光反射偏向手段14aの角度を調節することができる。
また、駆動手段15を2つの光反射偏向手段14a,14bに接続し、光反射偏向手段14a,14bを両方とも回転駆動可能としてもよい。測定装置10において、各部材の配置に応じて、光反射偏向手段14を光L1(L2)の分光された光の光路面に垂直に回転駆動させるよう駆動手段15を設けてもよい。さらには、光反射偏向手段14を分光された光の光路面に水平かつ垂直に回転駆動可能とする駆動手段15を設けてもよい。
アパチャ16は、偏向された各光L1,L2の通過/断遮を行う遮光絞りである。偏向された各光L1,L2が、遮断体16aに照射されると伝搬遮断となる。また、偏向された各光L1,L2が、隣接する遮断体16a間の開口部に向けて照射されると通過となる。遮断体16aの形状は、特に限定するものではなく、矩形状の他に、円形状であってもよい。開口部は、遮断体16a自体に設けた溝(スリット)であってもよい。
屈折手段17(例えば、プルーフプリズム)には、アパチャ16を通過した各光L1,L2が照射され、各光L1,L2の波長バンドごとのスペクトルが、アレイ光検出器18に達するように屈折させる。屈折手段17としては、アパチャ16を通過した各光L1,L2を、アレイ検出素子18の位置に屈折させることができるものであれば特に限定するものではなく、プリズムの他に、円筒レンズ(シリンドリカルレンズ)などが挙げられる。
アレイ光検出器18は、プリズム17によって屈折された各光L1、L2を検出し、光L1及び光L2の光強度の差を出力する光検出素子を複数アレイ状に配置されてなるものである。アレイ光検出器18には、演算手段(図示せず)が電気的に接続されており、アレイ光検出器18の出力に基づいて、演算手段が測定対象の測定値(例えば、ガス濃度)の演算を行う。
次に、本実施の形態に係る微分スペクトル測定装置10を用いた測定方法を添付図面に基づいて説明する。
本実施の形態では測定対象ガス(SO3 ガス)の充填されたガスセル内に光を透過させ、透過した光Lを測定装置10に導入して微分スペクトルを求める方法について説明する。
測定対象ガスが充填されたセルの一端側から入射光I0を入射させることで、入射光I0が吸光され、出射光I1としてガスセルから出射される。
ガスの吸収スペクトルは、吸収したガスの種類によって吸収波長バンドが異なり、吸収濃度によって受光強度が異なる。この時、入射光I0と出射光I1との間には、
I1(λ)=I0(λ)×T(λ)
ここで、T(λ)は透過率
の関係が成り立つ。この関係を利用して、波長バンドに依存して光Lの透過率が異なることから、出射光I1の波長バンド間の光強度差(変化率)から吸収濃度を求めることができる。
測定対象ガス中を透過して光ガイド部材19より測定装置10に入射した光Lは、光分岐手段12により2つの経路に分岐される。ハーフミラー12を透過した光L1は、回折格子13に入射し、ハーフミラー12で反射した光L2はミラー21で反射して光L1と略平行に回折格子13に入射する。
光L1は、試料の種類に依存した波長バンドの光強度が減衰されており、固定された回折格子13で反射される。同様に、光L2もまた、固定された回折格子13で反射される。この時、光L1と光L2は、回折格子13の別々の位置(図1中では上段と下段)で反射されるので、互いに干渉されることはない。回折格子13によって、光は波長バンドごとのスペクトルに分光される。
分光された光L1と光L2は、それぞれ上下二段に配置された2つの光反射偏向手段(MEMS(Micro Electro Mechanical System)アクチュエータを有するプログラマブル回折格子(以下、MEMS型プログラマブル回折格子と記す))14a,14bで反射、偏向される。MEMS型プログラマブル回折格子14a,14bにおける各MEMSアクチュエータ(以下、MEMS1,MEMS2と記す)に到達した各光L1,L2は、所定の角度範囲で高速で反射、偏向され、交互にアパチャ16へと向かう。この反射、偏向によって、各光L1,L2の光強度が調整される。
例えば、図2(a)に示すように、MEMS1(又はMEMS2)は、基板21上に静止電極22a…22n(図2(a)中では22aのみ図示)が設けられ、各静止電極22a…22nと離間して可動反射素子である移動電極23a…23n(図2(a)中では23aのみ図示)を設けたものである。各移動電極23a…23nは、各静止電極22a…22nに対して当接、離間自在(図2(a)中では上下方向移動自在)に設けられる。また、各移動電極23a…23nは、基板21に設けられる脚部24a,24bと、電極本体部(ミラー部)25と、一端が脚部24a,24bに固定して設けられ、他端が電極本体部25を吊設するフレキシブル接続部26a,26bとを有している。フレキシブル接続部26a,26bの厚さD1は、電極本体部25の厚さD2よりも薄く形成しておくことで、フレキシブル接続部26a,26bは自在に屈曲される。電極本体部25は剛直で、屈曲しない。各静止電極22a…22nは、それぞれが制御手段(例えば、コンピュータ(図示せず))の各アドレスに独立して接続されている。
各静止電極22a…22nと各移動電極23a…23n間の電圧(電位差)を、制御手段によりそれぞれ制御することで、各移動電極23a…23nを独立させて駆動させることができる。その結果、各静止電極22a…22nと各移動電極23a…23n間の離間距離H1…Hn(図2(a)中ではH1のみ図示)を、それぞれ無段階に自在に調節することができる。電圧と離間距離H1…Hnとの関係は予め検量線を作成しておき、この検量線に基づいて、離間距離H1…Hnを調節する。このように、静止電極と移動電極の各離間距離H1…Hnを、それぞれ無段階に自在に調節することで、アパチャ16を通過する光の強度を波長バンドごとに調節することができる。また、MEMS1,MEMS2の各移動電極23a…23nの制御は、高速で、かつ、制御手段によって同期させて交互に行われる。
具体的には、図2(b)に示すように、全ての移動電極23a…23nを動かして、静止電極22a…22nに当接させることで(全OFF時)、アパチャ16において、所定の波長バンドの光(図2(b)中では光29a〜29c)が全て遮断される。また、図2(c)に示すように、全ての移動電極23a…23nを静止電極22a…22nと離間させたままとすることで(全ON時)、所定の波長バンドの光(図2(c)中では光29a〜29c)がアパチャ16間を通過する。また、図2(d)に示すように、移動電極23a…23nの一部を静止電極22a…22nと当接又は近接させ、残部の移動電極23a…23nを動かさず、離間させたままとすることで(光強度調整時)、離間又は近接させた静止電極と対応したある波長バンドの光(図2(d)中では光29b,29c)だけが、光強度を調整されてアパチャ16を通過する。当接させた静止電極と対応したある波長バンドの光(図2(d)中では光29a)は、アパチャ16で遮断される。
分光された各光L1,L2は、波長によって回折角が異なるので、分光された各波長バンドの光はMEMSの各ミラー部にそれぞれ異なる角度で入反射する。MEMS1とMEMS2とが平行に上下に揃って配置されていれば、同じ波長バンドの光は同じ角度で光反射手段14を出射する。
本実施の形態では、駆動手段15により光反射偏向手段(MEMS1)14aの反射面を回折方向に水平に駆動させてMEMS1の角度を調節し、MEMS1とMEMS2の反射面に角度差をもたせて配置する。具体的には、上側のMEMS1で反射する波長バンドの光と、下側のMEMS2で反射する波長バンドの光とで、異なる波長バンドの光が同じ反射角で出射するようにする。
さらに、MEMS1とMEMS2において、隣接するミラー部で反射する波長の光が同じ反射角で出射されるのが好ましい。すなわち、MEMS1の一つのミラー部23nで反射した波長バンドの光は、MEMS2では、そのミラー部23nに隣接したミラー部23n+1で反射されるのが好ましい。具体的には、MEMS1のミラー部23aで反射した光と、MEMS2のミラー部23bで反射した光がアレイ光検出器18中の同じ光検出素子に集光される向きに、MEMS1のミラー部23bで反射した光と、MEMS2のミラー部23cで反射した光が同じ光検出素子に集光される向きになるようにMEMS1の反射面の角度が調節される。
アパチャ16を通過した各光L1,L2は、屈折手段17に照射される。屈折手段17に入射した各光L1,L2は、それぞれ屈折させられ、波長バンドごとのスペクトルがアレイ光検出器18に達するように出射される。
屈折手段17を通過した各光L1,L2は、図1に示したように、アレイ光検出器18で受光される。アレイ光検出器18は、水平に配置された光検出素子を有しており、各光検出素子で各波長バンドごとのスペクトルがそれぞれ受光される。各光検出素子で、プリズム17によって屈折された各光L1,L2の各光強度が交互に検出され、光L1と光L2の各波長バンド間ごとの光強度の差がそれぞれAC出力される。図1中では、アレイ光検出器18から出力δIが出力される。
最後に、出力δIと、予め既知であるガス濃度の検量線とからガスセル内のガス濃度が測定される。
このとき、出力δIとして一つの光検出素子から出力される光強度差は光L1と光L2とで波長の異なる光の強度差である。
詳細には、アレイ光検出器18中のある光検出素子では、光L1の波長λ1の光強度と、光L2の波長λ2の光強度の差が出力され、それに隣接する光検出素子では、光L1の波長λ2の光強度と光L2の波長λ3の光強度との差が出力される。光L1と光L2は試料を透過した光Lが光分岐手段12によって分岐された同じ光であり、各光検出素子から出力される光強度差は、試料を透過した光Lの波長間の光強度差を表している。
本実施の形態では、測定対象ガスを透過した光Lを測定装置10に導入する前に、光源より出射した光を直接測定装置10へ導入し、上述のようにMEMS1の向きを調整した後、アレイ光検出器18から出力される光強度差が0となるようにMEMS1,MEMS2のミラー部23をそれぞれ調整した。
この後、測定対象ガスを透過した光Lを測定装置10に導入して測定した波長−光強度分布(微分スペクトル)を図3に示す。図3において、分布線30,31,32,33、34,35はそれぞれガス濃度が0,10,20,30,40,50ppmの微分スペクトルを示している。
図3に示すように、測定される光Lの吸収濃度が0ppmのときはどの波長バンドにおいても一次微分値が0を示している。これは、光源から直接測定装置10に導入された光の微分スペクトルの波長依存性を無依存化していることになる。そのため、例えば図4に示すように、波長230nmにおける一次微分値と濃度の関係を示す検量線は、ゼロを通る直線で表される正比例の関係を有する。
図4を濃度測定の検量線とし、未知の濃度のガスを収容したセルを通過した光の微分スペクトルを検出し、その微分スペクトルにおけるガス吸収のある波長バンドの一次微分値と、図4の検量線からセル内のガスの濃度を求めることができる。
一般に光源のスペクトルが小さくなると、その微分スペクトルも小さくなってくる。図11に示した検量線のように光吸収のないときに一次微分値がある(検量線が嵩上げされている)と、検出される光の光強度が小さくなったときに微分値も小さくなり、誤差の影響が大きくなってしまう。
本実施の形態の微分スペクトル測定方法では、測定対象ガスの濃度が0の時の一次微分値を常に0としているので、受光強度の大きさや光源のスペクトルの変化に影響されない。よって、受光感度による誤差の影響を受けない精度の高い微分スペクトルを得ることができ、これにより正確なガス濃度を算出することができる。
特に、本実施の形態の微分スペクトル測定方法では、光源より出射される光のスペクトルを無依存化できるので、複雑なスペクトルを有するランプ等を光源として用いる際により効果を発揮する。
また、溶媒中に溶けた溶質の種類や濃度を計測する装置としても用いることができる。この際、溶媒によって光強度が変化する影響を除去でき、測定対象である溶質による吸収の差分のみが強調されて微分スペクトルが出力されるので、高感度の計測をすることができる。
本実施の形態の微分スペクトル測定装置は、説明してきたガス濃度測定装置等の測定光透過型の測定装置や、コンクリートにランプ光を入射し、その反射光を測定してコンクリートの劣化部分を診断するコンクリート劣化診断装置等の測定光反射型の測定装置に広く用いることができる。
次に、本発明の第2の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
本発明の第2の好適一実施の形態に係るスペクトル測定装置の斜視概略図を図5に示す。尚、図1と同様の部材には同じ符号を付しており、これらの部材については説明を省略する。
図5に示すように、本実施の形態に係るスペクトル測定装置50の基本的な構成は、図1に示した微分スペクトル測定装置10と同じである。本実施の形態の測定装置50が、前実施の形態の測定装置10と異なる点は、2つの光反射手段14a,14bを平行に固定して配置し、光L1の光路上(図中上側の光路)において回折格子13と光反射偏向手段14aとの間に偏向手段53を設けた点である。
偏向手段53としては、光路を偏向することができるものであれば特に限定されず、本実施の形態ではプラスチック等で形成されたプリズムを用いた。
偏向手段53には、分光された光の光路の偏向角を調節するために、偏向手段53を回転駆動させる駆動手段を設けてもよい。
本実施の形態では偏向手段53を回折格子13より後段の光路上に、詳細には回折格子13と光反射偏向手段14aとの間に配置したが、回折格子13の前段(上流)の光路上に偏向手段53を配設してもよい。或いは光反射偏向手段14aより後(下流)の光路上に配設してもよい。
測定装置50では、分光された光L1の光路がプリズム53により変化させられているので、光L1は、分光された光L2と異なる光路(角度)でMEMS1,2にそれぞれ入射する。よって、MEMS1,MEMS2において、上下に揃うミラー部23では異なる波長の光が入反射し、アレイ光検出器18の一つの光検出素子では交互に異なる波長の光が検出される。
本実施の形態の微分スペクトル装置50においても、前実施の形態と同様な作用効果が得られる。
次に、本発明の第3の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
本発明の第3の好適一実施の形態に係る測定装置の斜視概略図を図6に示す。尚、図1と同様の部材には同じ符号を付しており、これらの部材については説明を省略する。
図6に示すように、本実施の形態に係る測定装置60の基本的な構成は、図1に示した微分スペクトル測定装置10と同じである。本実施の形態の測定装置60が、前実施の形態の測定装置10と異なる点は、アパチャ16と屈折手段17との間に第2回折格子(集光手段)61を設け、検出手段として光検出器62を設け、各MEMS型プログラマブル回折格子14a,14bに制御演算手段63を接続した点である。
第2回折格子61としては、回折格子13と同じものが使用可能である。回折格子61により、各波長バンドごとのスペクトルに分光された各光L1,L2が、単一光に集光される。また、集光手段として、第2回折格子61の代わりに積分球を用いてもよい。
光検出器62としては、アレイ型の光検出器である必要はなく、シングル型の光検出器で十分である。
制御演算手段63は、各MEMS型プログラマブル回折格子14a,14bの制御手段としての機能と、図1に示したアレイ光検出器18に接続された演算手段としての機能を併せ持つものである。制御手段としての機能部と演算手段としての機能部は、一体に設けてもよく、又はそれぞれ別体に設けてもよい。
次に、本実施の形態に係る測定装置60を用いた濃度の測定方法を添付図面に基づいて説明する。
本実施の形態に係る測定装置60を用いた濃度の測定方法は、基本的に前実施の形態に係る測定装置10を用いた微分スペクトル測定方法と同じであるが、光Lの一次微分値から濃度を演算する手法が異なる。
図6に示したように、先ず、試料を通過した光Lは、ハーフミラー12で2つの光路に分岐され、固定された回折格子13に入射し、反射される。回折格子13によって、光L1,L2は波長バンドごとのスペクトルに分光される。
分光された光L1,L2は、上下二段に配置された2つのMEMS型プログラマブル回折格子14a,14bで反射、偏向される。MEMS型プログラマブル回折格子14a,14bにおけるMEMS1,MEMS2に到達した各光L1,L2は、所定の角度範囲で高速で反射、偏向される。
予め作成しておいた濃度算出用のスペクトルb(重みスペクトルや、回帰ベクトルなど)と光検出器62からの出力δIとの積を、全ての波長バンドで計算し、その総和を求めることで、分析対象ガスのガス濃度yが求まる。濃度算出用のスペクトルbは、測定対象ガスの種類ごとに、演算装置のメモリに記憶、保存されている。濃度yは以下の(1)式で表される。
y=δI(δλ)・b
=δI(δλ1)b1+δI(δλ2)b2+…
…+δI(δλn)bn (1)
MEMS1,MEMS2における反射、偏向は、(1)式の演算結果に基づいてなされる。即ち、光反射偏向手段14であるMEMSで、(1)式の演算を光学的に行う。具体的には、MEMS1で反射した光の波長λと、それに対応したMEMS2で反射した光の波長λ2との光強度差δI(δλ)(一次微分値)が、濃度参照用のスペクトルbと同じ割合となるように、MEMS1及びMEMS2の各移動電極23a…23nを調節して光の反射率を制御し、分光された光L1,L2を、各波長バンドごとに反射率を変えて反射、偏向させる。言い換えると、MEMS1,MEMS2において、分光された光L1と光L2の反射率の制御を波長バンドごとに行って、光L1,L2の波長バンド間ごとの微分スペクトルに、予め作製しておいた濃度算出用スペクトルbと同じ重みの重み付けを行い、この状態で分光された光L1,L2を反射、偏向させる。
MEMS1,MEMS2において、所定の角度範囲で高速で反射、偏向された各光L1,L2は、交互にアパチャ16へと向かう。アパチャ16間を交互に通過した各光L1,L2は、第2回折格子61で集光される。この集光によって、各光L1,L2の全波長バンド間の微分スペクトルがまとめられる(足し合わされる)。
その後、集光された各光L1,L2は、それぞれ屈折手段17で屈折させられ、波長バンドごとのスペクトルが光検出器62に達するように出射される。
屈折手段17を通過した各光L1,L2は、交互に光検出器で受光される。光検出器62でそれぞれ受光、検出されるのは、各光L1,L2の全波長バンドにおいて、各波長バンド間の光の変化の総和である。よって、検出器からの出力が、そのまま分析対象ガスの濃度に対応している。
本実施の形態に係る測定装置60では、前実施の形態に係る微分スペクトル測定装置10のように、アレイ光検出器18から多量のデータを演算手段に転送し、それらのデータを演算手段で演算する必要がないため、より高速度な測定が可能となる。
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。
本実施の形態に係る測定装置の基本的な構成は、図6に示した測定装置60と同じである。本実施の形態の測定装置が、前実施の形態の測定装置60と異なる点は、2つの光反射手段14a,14bを平行に固定して配置し、光L1の光路上(図中上側の光路)において回折格子13と光反射偏向手段14aとの間に偏向手段53を設けた点である。
本実施の形態の測定装置では、分光された光L1の光路が偏向手段53により変化させられているので、光L1は、分光された光L2と異なる光路(角度)でMEMS1,2入射する。よって、MEMS1,MEMS2において、上下に揃うミラー部23で異なる波長の光がそれぞれ入射する。
本実施の形態の測定装置及び測定方法においても前実施の形態と同様な作用効果が得られる。
本実施の形態の微分スペクトル測定装置を示す概略図である。 (a)は、光反射偏向手段の断面図である。(b)は、可動回折素子が全てOFFのときの光反射手段を示す概略断面図である。(c)は、可動回折素子が全てONのときの光反射手段を示す概略断面図である。(d)は、波長毎に変調するときの光反射手段を示す概略断面図である。 図1の微分スペクトル測定装置で測定されたSO3ガスの吸収スペクトルの一次微分スペクトルである。 図2の微分スペクトルにおける波長230nmのときの一次微分値をガス濃度毎にプロットした検量線である。 第2の実施の形態の微分スペクトル測定装置を示す概略図である。 第3の実施の形態の測定装置を示す概略図である。 従来の分光器を示す模式図である。 従来のマルチチャンネル分光器で測定されたSO3ガスの吸収スペクトルを示す図である。 図8の吸収スペクトルにおける波長230nmのときの受光強度をガス濃度毎にプロットした検量線である。 図8の吸収スペクトルを一次微分した微分スペクトルを示す図である。 図10の微分スペクトルにおける波長230nmのときの一次微分値をガス濃度毎にプロットした検量線である。
符号の説明
10 微分スペクトル測定装置
12 光分岐手段
13 回折格子
14 光反射偏向手段(光反射手段)
15 駆動手段
16 アパチャ
18 アレイ光検出器
53 偏向手段

Claims (13)

  1. 光源から出射され、測定対象により光吸収を受けた光の吸光スペクトルを波長で一次微分した微分スペクトルを測定する微分スペクトル測定装置であって、
    上記微分スペクトル測定装置は、
    上記光を複数の光路に分岐させる光分岐手段と、
    上記光分岐手段で分岐された各分岐光がそれぞれ照射され、各分岐光を反射し、所定の波長バンドごとに分光する回折格子と、
    上記回折格子で分光された各分岐光を反射、偏向させるMEMS型プログラマブル回折格子からなる複数の光反射偏向手段と、
    上記光反射偏向手段に設けられ、光反射偏向手段の反射面を回転駆動させて、上記回折格子で分光された各分岐光の同じ波長の光がそれぞれ別々の角度で反射されるようにするための駆動手段と、
    上記複数の光反射偏向手段で反射、偏向された各分岐光を波長バンドごとに通過/遮断するアパチャと、
    上記複数の光反射偏向手段と上記アパチャにより波長バンドごとに光の強度が調節されると共に交互に通過/遮断された各分岐光の波長バンドごとの光の強度差に基づいたスペクトルを交互に検出し、上記光の微分スペクトルを出力するアレイ光検出器とを備えてなり、
    上記複数の光反射偏向手段のそれぞれは、測定対象を透過しない光又は劣化していない測定対象から反射された光の微分スペクトルが、どの波長バンドにおいても0となるように偏向量が予め調整されることを特徴とする微分スペクトル測定装置。
  2. 光源から出射され、測定対象により光吸収を受けた光の吸光スペクトルを波長で一次微分した微分スペクトルを検出し、該微分スペクトルに予め作成しておいた検量線となるスペクトルと同じ重みの重み付けを行うことで、測定対象の濃度又は劣化度を測定する測定装置であって、
    上記測定装置は、
    上記光を複数の光路に分岐させる光分岐手段と、
    上記光分岐手段で分岐された各分岐光がそれぞれ照射され、各分岐光を反射し、所定の波長バンドごとに分光する回折格子と、
    上記回折格子で分光された各分岐光を反射、偏向させるMEMS型プログラマブル回折格子からなる複数の光反射偏向手段と、
    上記光反射偏向手段に設けられ、光反射偏向手段の反射面を回転駆動させて、上記回折格子で分光された各分岐光の同じ波長の光がそれぞれ別々の角度で反射されるようにするための駆動手段と、
    上記光の波長バンドごとの光の強度差に基づいたスペクトルに、予め作成しておいた検量線となるスペクトルと同じ重みの重み付けを行うべく、上記複数の光反射偏向手段での各分岐光の反射率の制御を波長バンドごとに行う演算手段と、
    上記複数の光反射偏向手段で反射、偏向された各分岐光を波長バンドごとに通過/遮断するアパチャと、
    上記アパチャを交互に通過/遮断された各分岐光を集光する集光手段と、
    集光された各分岐光の光量の総和を交互に検出し、上記測定対象の濃度又は劣化度を出力する光検出器
    とを備えることを特徴とする測定装置。
  3. 上記駆動手段が、所定の波長バンドごとに分光された光の光路面に対して水平方向に上記反射面を回転駆動するか、又は所定の波長バンドごとに分光された光の光路面に対して垂直方向に上記反射面を回転駆動するか、或いは所定の波長バンドごとに分光された光の光路面に対して水平方向かつ垂直方向に上記反射面を回転駆動する請求項1記載の微分スペクトル測定装置。
  4. 上記駆動手段が、所定の波長バンドごとに分光された光の光路面に対して水平方向に上記反射面を回転駆動するか、又は所定の波長バンドごとに分光された光の光路面に対して垂直方向に上記反射面を回転駆動するか、或いは所定の波長バンドごとに分光された光の光路面に対して水平方向かつ垂直方向に上記反射面を回転駆動する請求項2記載の測定装置。
  5. 光源から出射され、測定対象により光吸収を受けた光の吸光スペクトルを波長で一次微分した微分スペクトルを測定する微分スペクトル測定装置であって、
    上記微分スペクトル測定装置は、
    上記光を複数の光路に分岐させる光分岐手段と、
    上記光分岐手段で分岐された複数の分岐光の光路の偏向角を調節して、上記光分岐手段で分岐された各分岐光の光路の偏向角をそれぞれ異ならせるための偏向手段と、
    上記光分岐手段で分岐された各分岐光がそれぞれ照射され、各分岐光を反射し、所定の波長バンドごとに分光する回折格子と、
    上記回折格子で分光された各分岐光を反射、偏向させるMEMS型プログラマブル回折格子からなる複数の光反射偏向手段と、
    上記複数の光反射偏向手段で反射、偏向された各分岐光を波長バンドごとに通過/遮断するアパチャと、
    上記複数の光反射偏向手段と上記アパチャにより波長バンドごとに光の強度が調節されると共に交互に通過/遮断された各分岐光の波長バンドごとの光の強度差に基づいたスペクトルを交互に検出し、上記光の微分スペクトルを出力するアレイ光検出器とを備えてなり、
    上記複数の光反射偏向手段のそれぞれは、測定対象を透過しない光又は劣化していない測定対象から反射された光の微分スペクトルが、どの波長バンドにおいても0となるように偏向量が予め調整されることを特徴とする微分スペクトル測定装置。
  6. 光源から出射され、測定対象により光吸収を受けた光の吸光スペクトルを波長で一次微分した微分スペクトルを検出し、該微分スペクトルに予め作成しておいた検量線となるスペクトルと同じ重みの重み付けを行うことで、測定対象の濃度又は劣化度を測定する測定装置であって、
    上記度測定装置は、
    上記光を複数の光路に分岐させる光分岐手段と、
    上記光分岐手段で分岐された複数の分岐光の光路の偏向角を調節して、上記光分岐手段で分岐された各分岐光の光路の偏向角をそれぞれ異ならせるための偏向手段と、
    上記光分岐手段で分岐された各分岐光がそれぞれ照射され、各分岐光を反射し、所定の波長バンドごとに分光する回折格子と、
    上記回折格子で分光された各分岐光を反射、偏向させるMEMS型プログラマブル回折格子からなる複数の光反射偏向手段と、
    上記光の波長バンドごとの光の強度差に基づいたスペクトルに、予め作成しておいた検量線となるスペクトルと同じ重みの重み付けを行うべく、上記複数の光反射偏向手段での各分岐光の反射率の制御を波長バンドごとに行う演算手段と、
    上記複数の光反射偏向手段で反射、偏向された各分岐光を波長バンドごとに通過/遮断するアパチャと、
    上記アパチャを交互に通過/遮断された各分岐光を集光する集光手段と、
    集光された各分岐光の光量の総和を交互に検出し、上記測定対象の濃度又は劣化度を出力する光検出器
    とを備えることを特徴とする測定装置。
  7. 上記偏向手段を、上記回折格子の前段又は後段に設けた請求項5記載の微分スペクトル測定装置。
  8. 上記偏向手段を、上記回折格子の前段又は後段に設けた請求項6記載の測定装置。
  9. 上記偏向手段が、偏向手段を回転駆動させる駆動手段を有する請求項5または7記載の微分スペクトル測定装置。
  10. 上記偏向手段が、偏向手段を回転駆動させる駆動手段を有する請求項6または8記載の測定装置。
  11. 上記偏向手段がプリズムである請求項5、7、9いずれかに記載の微分スペクトル測定装置。
  12. 上記偏向手段がプリズムである請求項6、8、10いずれかに記載の測定装置。
  13. 請求項1、3、5、7、9、11いずれかに記載の微分スペクトル測定装置を用い、光源から出射され、濃度又は劣化度が既知である複数の測定対象によりそれぞれ光吸収を受けた透過光又は反射光である各光の微分スペクトルをそれぞれ検出し、各微分スペクトルと各濃度又は各劣化度の関係を示す検量線を予め作成しておき、しかる後、光源から出射され、濃度又は劣化度が未知である測定すべき測定対象により光吸収を受けた光の微分スペクトルを検出し、該微分スペクトルと予め作成しておいた上記検量線を基に上記測定すべき測定対象の濃度又は劣化度を測定する測定方法。
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