JP2006138766A - 分光分析方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 試料による吸収以外の損失を補正し、正確な吸収スペクトルを得ることができる分光分析方法を提供する。
【解決手段】 光源から出射された光の一部を試料に照射してその試料で光吸収させて出射した光をサンプル光L1とし、光源から出射された他方の光を光吸収させずに出射された状態のままのレファレンス光L2とし、各光L1,L2を所定の波長バンド毎に分光し、分光された各光L1,L2を反射させ、反射された各光の波長バンドごとのスペクトルをそれぞれ検出し、波長バンドごとにサンプル光L1とレファレンス光L2の光強度差を出力する分光分析方法であって、サンプル光L1の、分光された光の所定の波長バンド光を遮断し、遮断された波長バンドの光強度とレファレンス光L2の光強度との差をレファレンス光強度として求める。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光の吸収を利用した分光分析方法に関するものである。
光源からのレファレンス光と試料を通過したサンプル光を交互に受光することで、レファレンス光とサンプル光の強度差を出力した差分吸収法を利用したチョッピングシステムがある。
例えば、セル内のガス濃度を測定するチョッピングシステムとして、図7に示す装置が挙げられる。この装置70は、主に、光源であるランプ71、測定用のガスが充填されたサンプルセル72、比較対照用の参照セル73、回折格子74、検出器75で構成される。ランプ71から出射された光Lは、ハーフミラー76で透過光L1と反射光L2に分岐される。透過光L1は、サンプルセル72、チョッパー77、ハーフミラー78、回折格子74を介して検出器75で検出される。また、反射光L2は、ミラー79、参照セル73、チョッパー77、ミラー80、ハーフミラー78、回折格子74を介して検出器75で検出される。サンプルセル72内のガスに吸光された光L1と、ガスに全く吸光されていない光L2は、メカニカルに回転するチョッパー77でそれぞれチョッピングされ、各光L1,L2は交互に検出器65で検出される。
特開2001−188040号公報
ところで、屋外のコンクリート面に光を照射し、その反射光を分析して劣化箇所を診断するような反射型の分光分析を行う場合、コンクリート面等の試料の表面状態による反射率の変化が誤差要因となって正確な分光分析ができないといった問題点がある。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、試料の光吸収以外による損失を補正し、正確な吸収スペクトルを得ることができる分光分析方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、光源から出射された光の一部を試料に照射してその試料で光吸収させて出射した光をサンプル光とし、光源から出射された他方の光を試料の吸収をさせずに出射された状態のままのレファレンス光とし、各光を所定の波長バンド毎に分光し、分光された各光の光強度を調整し、光強度が調整された各光の波長バンドごとのスペクトルをそれぞれ検出し、波長バンドごとにサンプル光とレファレンス光の光強度差を出力する分光分析方法であって、サンプル光の、分光された光の所定の波長バンド光を遮断し、遮断された波長バンドの光強度とレファレンス光の光強度との差をレファレンス光強度として求める分光分析方法である。
請求項2の発明は、光源から出射された光の一部を試料に照射してその試料で光吸収させて出射した光をサンプル光とし、光源から出射された他方の光を試料の光吸収をさせずに出射された状態のままのレファレンス光とし、各光を所定の波長バンド毎に分光し、分光された各光の光強度を調整し、光強度が調整された各光の波長バンドごとのスペクトルをそれぞれ検出し、波長バンドごとにサンプル光とレファレンス光の光強度差を出力する分光分析方法であって、レファレンス光の、分光された光の所定の波長バンドの光を遮断し、遮断された波長バンドの光強度とサンプル光の光強度との差をサンプル光強度として求める分光分析方法である。
請求項3の発明は、遮断された波長バンドの光強度が0である分光分析方法である。
請求項4の発明は、光源から出射された光の一部を試料に照射してその試料で光吸収させて出射した光をサンプル光とし、光源から出射された他方の光を光吸収させずに出射された状態のままのレファレンス光とし、サンプル光及びレファレンス光をそれぞれ所定の波長バンドごとに分光する回折格子と、可動反射素子を有し、その各可動反射素子を移動させて分光された各光を反射させる光反射偏向手段と、反射された各光の波長バンドごとのスペクトルを交互に検出し、サンプル光とレファレンス光のスペクトルの差を出力するアレイ光検出器とを備えるマルチチャンネル分光器を用い、サンプル光とレファレンス光の光強度の差を出力すると共に、少なくとも一つの可動反射素子を光強度が0となる位置に移動させ、その可動反射素子を反射して検出される光強度とレファレンス光強度との差をレファレンス光強度として出力する分光分析方法である。
請求項5の発明は、光源から出射された光の一部を試料に照射してその試料で光吸収させて出射した光をサンプル光とし、光源から出射された他方の光を光吸収させずに出射された状態のままのレファレンス光とし、サンプル光及びレファレンス光をそれぞれ所定の波長バンドごとに分光する回折格子と、可動反射素子を有し、その各可動反射素子を移動させて分光された各光を反射させる光反射偏向手段と、反射された各光の波長バンドごとのスペクトルを交互に検出し、サンプル光とレファレンス光のスペクトルの差を出力するアレイ光検出器とを備えるマルチチャンネル分光器を用い、サンプル光とレファレンス光の光強度の差を出力すると共に、少なくとも一つの可動反射素子を光強度が0となる位置に移動させ、その可動反射素子を反射して検出される光強度とサンプル光強度との差をサンプル光強度として出力する分光分析方法である。
請求項6の発明は、光反射偏向手段の両端の可動回折素子を移動させて光強度の差を求める分光分析方法である。
請求項7の発明は、光反射偏向手段の中間の可動回折素子を一つ以上移動させて光強度の差を求める分光分析方法である。
本発明によれば、誤差要因に基づく光損失を補正し、正確な吸収スペクトルを得ることができるといった優れた効果を発揮する。
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
図4は、分光分析装置(マルチチャンネル分光器)40の概略図である。
図4に示すように、マルチチャンネル分光器40は、筐体41内に、光の伝搬方向上流側から順に回折格子42、光反射偏向手段(光反射手段)43、アパチャ44、屈折手段45、アレイ光検出器46を備える。
分光器40は、試料表面に光を照射すると共に、レファレンス光として分光器40に光を入射させる光源を有しており、例えば、分光器40の外部に設けられる。アレイ光検出器46には、検出された光のスペクトル等を演算する演算装置(図示せず)が電気的に接続されている。
回折格子42には、光源から出射し、試料表面で反射されて分光器40に導入されるサンプル光L1が照射され、反射される。また、回折格子42には、光源から直接分光器40に導入されるレファレンス光L2が照射され、反射される。反射された各光L1,L2は、所定の波長バンドごとに分光される。
光反射偏向手段43には、回折格子42で分光された各光L1,L2が照射され、反射、偏向される。この光反射偏向手段43は、分光された各光L1,L2を所定の波長バンドごとに掃引、変調するプログラマブル回折格子であることが好ましい。また、プログラマブル回折格子が、MEMSアクチュエータを有することがより好ましい。さらに、光反射偏向手段43は、サンプル光L1とレファレンス光L2を別々に反射、偏向させるべく、光ガイド部材の経路数と同数(図3中では43a,43bの2つ)設けることが好ましい。
アパチャ44は、偏向された各光L1,L2の通過/遮断を行う遮光絞りである。偏向された各光L1,L2が、遮断体44aに照射されると伝搬遮断となる。また、偏向された各光L1,L2が、隣接する遮断体44a間の開口部に向けて照射されると通過となる。遮断体44aの形状は、特に限定するものではなく、矩形状の他に、円形状であってもよい。開口部は、遮断体44a自体に設けた溝(スリット)であってもよい。
屈折手段45(例えば、プルーフプリズム)には、アパチャ44を通過した各光L1,L2が照射され、各光L1,L2の波長バンドごとのスペクトルが、アレイ光検出器46に達するように屈折させる。屈折手段45としては、アパチャ44を通過した各光L1,L2を、アレイ光検出器46の位置に屈折させることができるものであれば特に限定するものではなく、プリズムの他に、円筒レンズ(シリンドリカルレンズ)などが挙げられる。
アレイ光検出器46は、複数の光検出素子を備え、プリズム45によって屈折された各スペクトルを検出し、サンプル光L1とレファレンス光L2のスペクトルの差を出力するものである。アレイ光検出器46には、ACアンプを介して演算装置が電気的に接続されており、演算装置はアレイ光検出器46の出力値を記憶、演算する装置である。
光源は、試料表面に光を照射する部材であり、光源から出射される光としては、広帯域のスペクトルを有する光であればよく、特に限定するものではない。ここで、光源としては、装置コストが安価なランプが好ましい。
分光器40にサンプルL1光を導入する第一ガイド部材47を接続してもよい。第一光ガイド部材は、光源から出射した光を試料表面に照射し、反射させてなるサンプル光を分光器40に導入する部材である。また、分光器40にレファレンス光L2を導入する第2光ガイド部材48を接続してもよい。第2光ガイド部材は、光源から出射された光をレファレンス光L2として分光器40に直接導入するために用いられる。第1及び第2光ガイド部材47,48としては、慣用の光ファイバなどが適用される。
次に、分光器40を用いた分光分析方法について説明する。
試料表面に光強度I0 の光Lを照射し、反射させることで、光Lの一部の波長バンドが吸光され、光強度I1のサンプル光L1として出射される。
この時、入射光Lとサンプル光L1との間には、
L1(λ)=L(λ)×T(λ) (1)
ここで、T(λ)は試料の表面反射率、λは波長
の関係が成り立つ。光強度が減衰された波長バンドから材質が、光減衰の程度からその濃度、温度等の値がわかる。
サンプル光L1は、試料の材質に依存した波長バンドの光強度が減衰されており、固定された回折格子42で反射される。同様に、レファレンス光L2もまた、固定された回折格子42で反射される。この時、サンプル光L1とレファレンス光L2は、回折格子42の別々の位置(図4中では上段と下段)で反射されるので、互いに干渉されることはない。回折格子42によって、光は波長バンドごとのスペクトルに分光される。
分光されたサンプル光L1とレファレンス光L2は、上下二段に配置された2つの光反射偏向手段(MEMS(Micro Electro Mechanical System)アクチュエータを有するプログラマブル回折格子(以下、MEMS型プログラマブル回折格子と記す))43a,43bで反射、偏向される。MEMS型プログラマブル回折格子43a,43bにおける各MEMSアクチュエータ(以下、MEMS1,MEMS2と記す)に到達した各光L1,L2は、所定の角度範囲で高速で反射、偏向され、交互にアパチャ44へと向かう。この反射、偏向によって、各光L1,L2の光強度が調整される。
例えば、図5(a)に示すように、MEMS1(又はMEMS2)は、基板51上に静止電極52a…52n(図5(a)中では52aのみ図示)が設けられ、各静止電極52a…52nと離間して可動反射素子である移動電極53a…53n(図5(a)中では53aのみ図示)を設けたものである。各移動電極53a…53nは、各静止電極52a…52nに対して当接、離間自在(図5(a)中では上下方向移動自在)に設けられる。また、各移動電極(ミラー部)53a…53nは、基板51に設けられる脚部54a,54bと、電極本体部55と、一端が脚部54a,54bに固定して設けられ、他端が電極本体部55を吊設するフレキシブル接続部56a,56bとを有している。フレキシブル接続部56a,56bの厚さD1は、電極本体部55の厚さD2よりも薄く形成しておくことで、フレキシブル接続部56a,56bは自在に屈曲される。電極本体部55は剛直で、屈曲しない。各静止電極52a…52nは、それぞれが制御手段(例えば、コンピュータ(図示せず))の各アドレスに独立して接続されている。
各静止電極52a…52nと各移動電極53a…53n間の電圧(電位差)を、制御手段によりそれぞれ制御することで、各移動電極53a…53nを独立させて駆動させることができる。その結果、各静止電極52a…52nと各移動電極53a…53n間の離間距離H1…Hn(図4(a)中ではH1のみ図示)を、それぞれ無段階に自在に調節することができる。電圧と離間距離H1…Hnとの関係は予め検量線を作成しておき、この検量線に基づいて、離間距離H1…Hnを調節する。このように、静止電極と移動電極の各離間距離H1…Hnを、それぞれ無段階に自在に調節することで、アパチャ44を通過する光の強度を波長バンドごとに調節することができる。また、MEMS1,MEMS2の各移動電極53a…53nの制御は、高速で、かつ、制御手段によって同期させて交互に行われる。
具体的には、図5(b)に示すように、全ての移動電極53a…53nを動かして、静止電極52a…52nに当接させることで(全OFF時)、アパチャ44において、所定の波長バンドの光(図5(b)中では光59a〜59c)が全て遮断される。また、図5(c)に示すように、全ての移動電極53a…53nを静止電極52a…52nから離間させたままとすることで(全ON時)、所定の波長バンドの光(図5(c)中では光59a〜59c)がアパチャ44間を通過する。また、図5(d)に示すように、移動電極53a…53nの一部を静止電極52a…52nと当接又は近接させ、残部の移動電極53a…53nを動かさず、離間させたままとすることで(光強度調整時)、離間又は近接させた静止電極と対応したある波長バンドの光(図5(d)中では光59b,59c)だけが、光強度を調整されてアパチャ44を通過する。当接させた静止電極と対応したある波長バンドの光(図5(d)中では光59a)は、アパチャ44で遮断される。
アパチャ44,44を通過した各光L1,L2は、屈折手段45に照射される。屈折手段45に入射した各光L1,L2は、それぞれ屈折させられ、波長バンドごとのスペクトルがアレイ光検出器46に達するように出射される。
屈折手段45を通過した各光L1,L2は、図4に示したように、アレイ光検出器46で受光される。アレイ検出器46は、水平に配列、配置された光検出素子を有しており、各光検出素子で各波長バンドごとのスペクトルがそれぞれ受光される。各光検出素子で、プリズム45によって屈折された各光L1,L2の各スペクトルが交互に検出され、サンプル光L1とレファレンス光L2の各波長ごとのスペクトルの差(差分スペクトル)がそれぞれAC出力される。図4中では、光検出器46から出力δIが出力される。このAC出力は、各波長ごとのスペクトルの吸収度合いに比例している。
上述した分光分析方法は、サンプル光L1とレファレンス光L2の光強度差を求め、その光強度差ΔIと、予め作成された検量線とから吸収された試料の濃度等を測定している。
しかしながら、試料としてコンクリート面に光を照射し、その反射光を分光分析してコンクリート劣化診断を行う等の反射型の分光分析に、上述の分光方法を用いたとき、試料の表面状態に依存する表面反射率T(λ)の変化も誤差要因となっている。この原因としては、試料表面の凹凸による光散乱や試料表面に付着した汚れによる減光などが考えられる。
さらに、表面状態による反射率の変化と共に、光源から直接分光器40へ導入されるレファレンス光L2と、計測される試料で反射して分光器40へ導入されるサンプル光L1とで伝搬距離が大きく異なってしまうため、光の伝搬経路の違いも無視できない誤差要因となっている。
以下、これら試料による光吸収以外の原因による損失を吸収外損失と称する。
図1に示すように、上述の分光分析方法ではサンプル光L1側のMEMS1をすべてON状態にセットしていた。ここで、実際には波長毎に光強度を変調するため、ミラー部の位置は波長毎に異なるが、ミラー部の位置を一律ON状態にしたとする。また、図中では静止電極52を省略した。
このとき、図1(b)に示すように、レファレンス光L2とサンプル光L1の差ΔIがアレイ光検出器46で検出され、分布線11はサンプル光L1の、分布線12はレファレンス光L2の波長−光強度分布をそれぞれ表している。波長λにおける光強度差ΔIは、I0とI1の差が0になるように光反射偏向手段43のミラー部53を調整してランプの光強度変動による誤差のない光強度差を表しているが、実際はサンプル光L1は、吸収外損失ΔI0 だけ減光している。
そこで、本実施の形態の分光分析方法は、吸収外損失ΔI0 を補正して精度の高い表面反射率が得られるように、MEMSを動作させることに特徴がある。
図2を参照して本実施の形態の分光分析方法を説明する。
図2(a)に示すように、本実施の形態では、サンプル光を反射させるMEMS1の両端のミラー部53−1,53−nをオフ状態(非伝達状態)に設定し、そのミラー部53−1,53−nで反射する波長の光を検出させないようにした。
このとき、図2(b)に示すように、波長−光強度分布はサンプル光L1が分布線21,レファレンス光L2が分布線22のようになる。サンプル光L1の光強度は、遮断された波長λa及びλnにおいて0となっている。即ち、光検出素子からAC出力される光強度差がI0 に相当し、光源より出射されるレファレンス光の光強度の値を測定することができる。
また、波長λa にごく近くの波長(波長λb )との光強度差、すなわち、I0 を測定するミラー部53−1の隣りのミラー部53−2で反射して検出される光強度差ΔI0 を補正値とし、レファレンス光強度I0 から光強度差ΔI0 を減算するとサンプル光L1の光強度I1 の値を求めることができる。
ここで、レファレンス光強度I0 が波長に関係なく一定とすると、例えば、ある波長バンドλk において、レファレンス光強度I0 と、AC出力される光強度差ΔI0kから、補正されたサンプル光強度I1kが求められる。上述の(1)式の関係から、求められたサンプル光強度I1k((1)式中のサンプル光L1)とレファレンス光強度I0 ((1)式中の入射光L)とから、正確な表面反射率T(λk)を求めることができる。
よって、本実施の形態の分析方法を用いて測定される試料の吸収スペクトルは、誤差の非常に少ないものであり、この吸収スペクトルと、予め作成された検量線とから、正確な試料の濃度等の計測値を求めることができる。
また、分布線22が傾きを有する場合、すなわち、波長λa のレファレンス光強度と波長λn のレファレンス光強度とが異なる場合においても、波長λk における反射率T(λk )を求めることができる。具体的には、分布線22からλk におけるレファレンス光強度の値を推定することができる。
また、本実施の形態では、ミラー部53が静止電極52側にあるとき、光がアパチャ44で遮断される(OFF)ようにしたが、光反射偏向手段43とアパチャ44との位置関係をずらして、ミラー部53が静止電極52側にあるとき、光がアパチャ44を通過する(ON)ように設定してもよい。
本実施の形態の分光分析方法は、コンクリート劣化診断の他に、プラスチック等の材料判別、岩石の判別、或いは紙を判別しての品質管理等、試料に光を照射し、その反射光を分析する反射型の分光分析に用いることができる。
また、ガスの種類や濃度を分析することを目的として、そのガスを試料とし、試料をセル等に封入し、光源から出射し、セルを透過した光をサンプル光として導入する等の透過型の分光分析にも用いることができる。その際の効果は、光が透過するセルの窓の汚れや、光路の妨害等による減光があった場合でも、吸収外損失を補正して正確なガス濃度等を測定することができることにある。
次に分光分析方法の変形例について説明する。
図2を用いて説明した分光分析方法は、サンプル光L1を反射、偏向するMEMS1のミラー部53−1,53−nをオフ状態にして、光検出素子から出力される光強度差をレファレンス光強度I0 とした方法であるが、これより説明する変形例は、レファレンス光L2を反射、偏向するMEMS2のミラー部を図2(a)のように移動させた方法である。
このとき、図3に示すように、分布線31はサンプル光L1の、分布線32はレファレンス光L2の波長−光強度分布をそれぞれ示している。この変形例では、MEMS2の両端のミラー部をオフ状態にしているので、両端のミラー部で反射されて検出されるサンプル光L1とレファレンス光L2との光強度差(波長λa またはλn に対応)は、レファレンス光L2の光強度が0であるので、サンプル光強度I1 として出力される。
波長λa にごく近くの波長(波長λb )との光強度差、すなわち、I0 を測定するミラー部53−1の隣りのミラー部53−2で反射して検出される光強度差ΔI0 を補正値とし、レファレンス光強度I0 から光強度差ΔI0 を加算するとレファレンス光の光強度I0 の値を求めることができる。
次に、他の実施の形態の分光分析方法について説明する。
前実施の形態の分光分析方法は、MEMS1において両端のミラー部53−1,53−nのみをオフ状態にして計測した方法であったが、本実施の形態の分光分析方法は、両端のミラー部53−1,53−nの他に、中間のミラー部53−2〜53−(n−1)を一つ以上オフ状態に移動させて行う方法である。
このとき、移動させるミラー部は、隣接するミラー部同士をオフ状態にしないことが望ましい。なぜなら、上述のように、補正値とする光強度差ΔI0 は、誤差を最小限にするため、波長が略同じ光の光強度を比較するのが望ましく、オフ状態にしたミラー部と、その隣りでオン状態にあるミラー部での反射光の光強度差ΔI0 を比較して得ているためである。
例えば、図6(a)では、ミラー部53−1,53−3,53−5,53−m,53−nをオフ状態にした。このとき、図6(b)に示すように、サンプル光L1のスペクトルは分布線61のようになり、レファレンス光L2のスペクトルは分布線62のようになる。サンプル光L1ではオフ状態に設定されたミラー部53−1,53−3,53−5,53−m,53−nで反射した波長λ1,λ3,λ5,λm,λn の光において出力が0、すなわち、それぞれ検出される光強度差がレファレンス光の光強度I0となる。測定されたレファレンス光強度I0 と、各々すぐ隣りのプレートでの光強度差とから補正されたサンプル光強度をそれぞれ求めることができる(例えば、波長λm においてはI0 と光強度差ΔI0mからサンプル光強度I1mを求められる)。
本実施の形態においても、レファレンス光強度を求めた波長のすぐ隣の波長の光強度差と比較して吸収外損失の補正を行い、サンプル光L1の光強度を求めることができる。さらに、本実施の形態では、複数の波長バンドでレファレンス光強度をそれぞれ測定しているので、波長バンド毎に補正値を決定することができる。従って、試料の光吸収以外による損失が波長依存性を有する場合や、光源より出射する光の光強度が波長依存性を有する場合でも、精度の高いサンプル光強度I1を求めることができ、正確な表面反射率を測定することができる。
さらに、図6(a),図6(b)に示した分光分析方法においても、図3に示したように、レファレンス光L2側で光強度を0にして、複数の波長のサンプル光L1の光強度を求めてもよい。
本実施の形態では、光反射偏向手段43とアパチャ44を用いて、分光された各光L1、L2の光強度を調整したが、分光させた各光L1、L2を透過型の光強度調整手段に入射させて、各光の光強度を調整するようにしてもよい。
図8に示すように、分析装置80は、光反射偏向手段43とアパチャ44の代わりに、透過型の光強度調整手段81が設けられたものである。透過型の光強度調整手段81は、透過率可変である複数のセルが一列に配置された光強度調整手段本体82a,82bと、各セルの透過率を制御する制御手段83とを備える。例えば、各セルは液晶等の透過率可変な媒体で構成される。
回折格子42で分光された各光L1,L2は、制御手段83で各セルの透過率が設定された光調整手段本体82a,82bに入射し、各波長バンド毎に光強度が調整されて出射し、屈折手段45に入射する。
そこで、セルの透過率を0とすれば、そのセルに入射した光は遮断されるので、上述したように所定の波長バンドの光を遮断することにより、吸収外損失ΔI0 を補正することができる。
(a)は、光反射偏向手段の概略断面図であり、(b)は、分光分析方法で得られるスペクトルを説明するレファレンス光及びサンプル光の波長−光強度分布図である。 (a)は、本実施の形態の分光分析方法を説明する光反射偏向手段の断面概略図であり、(b)は、本実施の形態の分光分析方法を用いて得られるスペクトルを説明する波長−光強度分布図である。 図2に示す分光分析方法の変形例を用いて得られるスペクトルを説明する波長−光強度分布図である。 本実施の形態の分光分析方法に用いる分析装置を示す概略図である。 (a)は、光反射偏向手段の断面図を示す図である。(b)は、可動回折素子が全てOFFのときの光反射手段を示す概略断面図である。(c)は、可動回折素子が全てONのときの光反射手段を示す概略断面図である。(d)は、波長毎に変調するときの光反射手段を示す概略断面図である。 (a)は、他の実施の形態の分光分析方法を説明する光反射偏向手段の概略断面図であり、(b)は、他の実施の形態の分光分析方法を用いて得られるスペクトルを説明するレファレンス光及びサンプル光の波長−光強度分布図である。 従来のチョッピングシステムを説明する模式図である。 本実施の形態の分光分析方法に用いる分析装置の変形例を示す概略図である。
符号の説明
40 分光分析装置
42 回折格子
43 光反射偏向手段
44 アパチャ
45 屈折手段
46 アレイ光検出器

Claims (7)

  1. 光源から出射された光の一部を試料に照射してその試料で光吸収させて出射した光をサンプル光とし、光源から出射された他方の光を試料の光吸収をさせずに出射された状態のままのレファレンス光とし、
    各光を所定の波長バンド毎に分光し、
    分光された各光の光強度を調整し、
    光強度が調整された各光の波長バンドごとのスペクトルをそれぞれ検出し、波長バンドごとにサンプル光とレファレンス光の光強度差を出力する分光分析方法であって、
    上記サンプル光の、分光された光の所定の波長バンド光を遮断し、遮断された波長バンドの光強度と上記レファレンス光の光強度との差をレファレンス光強度として求めることを特徴とする分光分析方法。
  2. 光源から出射された光の一部を試料に照射してその試料で光吸収させて出射した光をサンプル光とし、光源から出射された他方の光を試料の光吸収をさせずに出射された状態のままのレファレンス光とし、
    各光を所定の波長バンド毎に分光し、
    分光された各光の光強度を調整し、
    光強度が調整された各光の波長バンドごとのスペクトルをそれぞれ検出し、波長バンドごとにサンプル光とレファレンス光の光強度差を出力する分光分析方法であって、
    上記レファレンス光の、分光された光の所定の波長バンドの光を遮断し、遮断された波長バンドの光強度と上記サンプル光の光強度との差をサンプル光強度として求めることを特徴とする分光分析方法。
  3. 遮断された波長バンドの光強度が0である請求項1または2記載の分光分析方法。
  4. 光源から出射された光の一部を試料に照射してその試料で光吸収させて出射した光をサンプル光とし、光源から出射された他方の光を光吸収させずに出射された状態のままのレファレンス光とし、
    上記サンプル光及び上記レファレンス光をそれぞれ所定の波長バンドごとに分光する回折格子と、
    可動反射素子を有し、その各可動反射素子を移動させて分光された各光を反射させる光反射偏向手段と、
    光強度が調整された各光の波長バンドごとのスペクトルを交互に検出し、サンプル光とレファレンス光のスペクトルの差を出力するアレイ光検出器と
    を備えるマルチチャンネル分光器を用い、
    上記サンプル光と上記レファレンス光の光強度の差を出力すると共に、少なくとも一つの可動反射素子を光強度が0となる位置に移動させ、その可動反射素子を反射して検出される光強度と上記レファレンス光強度との差をレファレンス光強度として出力することを特徴とする分光分析方法。
  5. 光源から出射された光の一部を試料に照射してその試料で光吸収させて出射した光をサンプル光とし、光源から出射された他方の光を光吸収させずに出射された状態のままのレファレンス光とし、
    上記サンプル光及び上記レファレンス光をそれぞれ所定の波長バンドごとに分光する回折格子と、
    可動反射素子を有し、その各可動反射素子を移動させて分光された各光を反射させる光反射偏向手段と、
    反射された各光の波長バンドごとのスペクトルを交互に検出し、サンプル光とレファレンス光のスペクトルの差を出力するアレイ光検出器と
    を備えるマルチチャンネル分光器を用い、
    上記サンプル光と上記レファレンス光の光強度の差を出力すると共に、少なくとも一つの可動反射素子を光強度が0となる位置に移動させ、その可動反射素子を反射して検出される光強度と上記サンプル光強度との差をサンプル光強度として出力することを特徴とする分光分析方法。
  6. 上記光反射偏向手段の両端の可動回折素子を移動させて光強度の差を求める請求項4または5記載の分光分析方法。
  7. 上記光反射偏向手段の中間の可動回折素子を一つ以上移動させて光強度の差を求める請求項4から6いずれかに記載の分光分析方法。
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