JP4621570B2 - パイル締結構造およびそれに使用する締結具 - Google Patents

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Description

本発明は、建築・土木分野において、建屋等の上部構造体を支持することを主たる目的として地中に配設されるパイルの、各パイプ間を締結するための、パイル締結構造と、これらパイルを含む円形のパイプ間の締結構造に好適な締結具に関する。
建設現場、あるいは土木現場では、地盤の強化等のため、建屋等の上部構造体が作られる地盤には、所定長さの鋼管あるいはコンクリート管(この明細書および請求の範囲において、「パイプ」ともいう)を、順次締結した土中用のパイルが配設される。この土中へのパイルの配設は、スクリューパイルによるねじ込み、あるいは、打ち込み装置によるパイルの打設、又は穿設した穴内へのパイルの挿入等によっておこなわれる。
前記土中へのパイルの配設の場合、以下のような技術的課題があった。以下、ねじ込みの場合を例に挙げて説明すると、一般にねじ込み(打ち込み)深さに対して、パイルを構成する既製パイプの長さ寸法が短いことから、現場で複数のパイプを長手方向に順次締結することによって所望長さの1本のパイルにしながら、ねじ込むことが一般におこなわれている。
そして、従来、前記ねじ込み工法において使用されるスクリューパイルを構成するパイプの締結端部同士の締結は、他の工法のパイルと異なり、回転トルクの伝達に起因して、締結部分に非常に大きな「ねじり応力」と「剪断応力」が作用することから、しかも場合によって衝撃力を伴って前記応力が作用することから、これら耐ねじり応力と耐剪断応力および耐衝撃力に優れた「溶接」によっておこなわれるか、あるいは一方のパイプの外周と他方のパイプの内周にねじを形成して、ねじで螺着することによっておこなわれている。
しかしながら、前者の場合には、現場溶接による溶接部の信頼性の不安定さと、作業が天候等に左右されること、および、そのパイルのねじ込み作業工期を通じて、溶接の熟練工をその現場に張りつけておかなければならない事等、作業性と経済性に問題がある。一方、後者の場合には、機械加工によって、パイプの端部にねじを形成するため、価格的に高価になり、バブル崩壊以降、経費の節減が求められていることから、不適であった。また、螺合部分の肉厚が約1/2になってしまうため、この部分での強度不足が生じる可能性がある。
ところで、パイプ間の締結に関して、本発明者が実験したところ、角形のパイプの場合、パイプ端部のフランジ部と締結用金具とを挟着・固定するためのボルトは、角になる四隅部分に配設すると、強固に挟着がおこなわれるが、前記のようなスクリューパイルような円形のパイプの場合、角がないため、特に締結用金具の周方向の中央部位にボルトを配置すると、強固に挟着・締結することができないということが判明した。
このような状況に鑑みて、本出願人は、作業性の点で優れ、且つ締結強度の点、特にパイルに要求される締結面(当接面)でのねじり強度の点で優れ、また当接面での剪断強度の点で優れ、さらに、経済性の点でも優れた、パイル締結構造とそれに使用する締結具を提供した(特許文献1参照)。
前記パイル締結構造および締結具は、上述のパイルを構成するパイプが円形であるような場合に締結具として好適であり、パイル以外の円形パイプの締結具としても使用できる。
なお、本明細書で、締結金具,被締結用金具は、便宜上「・・・金具」と表現しているが、材質的には金属製のものに限定されるものでなく、セメント、プラスティックあるいはセラミック等の他の材質のものを含む広い概念で使用している。
特開2002−194735号公報
ところで、前記パイル締結構造および締結具は、前述のように、それ以前のもの比べると優れた作用効果を奏するものであった。
しかしながら、土中へパイルをねじ込もうとする際に、地盤の状況によっては、締結具の被締結用金具の当接面に形成された凹部と凸部の係合部分が、回転時の衝撃によって、耐えられない場合が、稀にではあるが、生ずる場合がある。
本願発明は、このような現況に鑑みおこなわれたもので、回転時の大きな回転トルクおよび衝撃等にも対応し得るパイル締結構造および締結具を提供することを目的とする。
前記課題は、本第1の発明にかかるパイル締結構造によって、解決することができる。つまり、
本第1の発明にかかるパイル締結構造は、対峙・当接する締結端部において内方に突設し、端面である当接面から離間した側の面が、内周端側で薄肉になるテーパ状に形成されたフランジ部を該締結端部に有し、土中埋設用パイルを構成する締結しようとする二つの円形パイプ間の対峙する各締結端部に一体的に形成される被締結用金具と、
断面コ形の凹部の対峙する内面に、前記被締結用金具のフランジ部のテーパに対応するテーパ面を有し、二つの前記被締結用金具をそれらの締結端部同士を対峙・当接させた状態においてそれらのフランジ部を前記コ形の凹部によって挟着する、締結用金具と、
前記二つの被締結用金具のフランジ部を対峙・当接させた状態において、締結用金具のコ形の凹部で、当接したフランジ部を挟着・固定するボルトとを具備し、
前記ボルトが、前記被締結金具の当接面を、該当接面の径方向に貫通するよう配置され、このボルトによって前記締結用金具を被締結用金具側に引きつけて、二つの被締結用金具のフランジ部を挟着・固定するよう構成されたパイル締結構造であって、
前記対峙・当接する各被締結用金具のそれぞれの当接面に、対峙・当接させた状態で一体の空間が形成されるような凹部が対応して形成され、
締結に際して、前記凹部に、実質上前記空間に対応した形の係合体を配して、前記一対の被締結用金具を前記締結金具と前記ボルトとによって締結するよう構成したことを特徴とする。
しかして、本第1の発明(請求項1記載の発明)にかかるパイル締結構造によれば、本発明の前提事項として記載している構成によって、パイルあるいはパイルの一部を構成する二つのパイプの端部に一体的に形成されている各被締結用金具の当接面同士を当接させれば、これら二つの被締結用金具のフランジ部のテーパ状になった面が外側になった、両テーパ状の内周方への突起が形成され、この突起にテーパ面を備えた締結用金具のコ形の凹部が概ね嵌められる。そして、この状態で、ボルトを径方向に貫通させて、前記被締結用金具と締結用金具を挟着すれば、被締結用金具のフランジ部によって形成される両テーパ状の突起への、締結用金具のテーパ面を備えた凹部の強固な「くさび作用」による嵌着が完了し、その結果、対峙する被締結用金具間が締結用金具によって強固に締結されて、パイルあるいはパイルの一部を形成する二つのパイプ間を強固に締結することができ、パイプと同等以上の曲げ強度と剪断強度を具備する、耐震性能の高い優れたパイル締結構造となる。
そして、そのような作用効果に加えて、本発明特有の作用効果として、前述のように、二つの被締結用金具の当接面に形成された凹部からなる一体の空間に、係合体を配置することによって、二つの被締結用金具間には、この係合体を介して、回転方向において大きな応力(回転トルク)を伝達することができる。しかも、かかる場合、前記係合体が、被締結用金具とは別の部材によって構成されているため、回転トルクに起因して、大きな剪断力等が作用するこの係合体を、使用条件に合わせて、適宜許容剪断応力の高い材質のもので構成すれば、厳しい条件のもとでもその条件に合致させて、問題なく使用することが可能となる。
前記第1の発明にかかるパイル締結構造において、前記凹部が円筒状の凹部であり、前記係合体が該凹部の二倍の高さを有する円柱体であると、作用する回転トルクに起因して、係合体とそれに接触する凹部の当接面に圧縮力が作用するが、この応力(圧縮応力)の当接面での分布状態は、被締結用金具の肉厚の中央部で大きく外面方あるいは内面方に行くに従って小さくなるため、被締結用金具が破損するような状況を回避することができる。また、従来のものに比べて、係合体とそれに接触する凹部の当接面との接触面積を可及的大きくすることができ、しかも作用する応力分布が滑らかに変化するため、大きな回転トルクを伝達することができ、従って、被締結用金具が破損するような状況も回避できる。
さらに、前記構成の場合、前記凹部も係合体も、円加工となるため、機械加工がやり易い構成となり、凹部(前記空間)と係合体との寸法差をより少なくすることが可能となり、かかる場合には、回転当初等に発生する衝撃力により強い構成となる。
前記第1の発明にかかるパイル締結構造において、前記凹部を形成する壁部(内周壁部)が、被締結用金具の外周部と内周部において非連続となり、前記係合体が被締結用金具の外周面方および内周面方に一部露出していると、結合完了後にも、係合体が配置されている状態を目視にて確認することができる構成となる。また、凹部が円筒状の凹部であり、係合体が円柱体である場合には、係合体の当接面の面積をより大きくできるとともに、対応する被締結用金具の当接面の面積も、被締結用金具の肉厚の寸法によって定まるのでなく、より大きな寸法となる凹部の内周壁の円筒状の部分円筒面となり、従って、単位面積あたりの圧縮応力あるいは剪断応力を小さくすることが可能となる。また、円筒状となる当接面での応力分布の変化状態も、よりなめらかなものとすることができる。
前記第1の発明にかかるパイル締結構造において、前記凹部が、被締結用金具の当接面の仮想の中心に対して対向して少なくとも1対設けられていると、作用する回転トルクに対して均等に応力を受けることができる点で好ましい構成となる。また、必要に応じて、1対に代えて、2対あるいはそれ以上設けても良いことは言うまでもない。
また、前記課題を解決すべく、本第2の発明にかかる締結具は、以下のような構成を具備している。つまり、
本第2の発明にかかる締結具は、対峙・当接する締結端部において内方に突設し、端面である当接面から離間した側の面が、内周端側で薄肉になるテーパ状に形成されたフランジ部を該締結端部に有し、土中埋設用パイルを構成する締結しようとする二つの円形パイプ間の対峙する各締結端部に一体的に形成される被締結用金具と、
断面コ形の凹部の対峙する内面に、前記被締結用金具のフランジ部のテーパに対応するテーパ面を有し、二つの前記被締結用金具をそれらの締結端部同士を対峙・当接させた状態においてそれらのフランジ部を前記コ形の凹部によって挟着する、締結用金具と、
前記二つの被締結用金具のフランジ部を対峙・当接させた状態において、締結用金具のコ形の凹部で、当接したフランジ部を挟着・固定するボルトとを具備し、
前記ボルトが、前記被締結金具の当接面を、該当接面の径方向に貫通するよう配置され、このボルトによって前記締結用金具を被締結用金具側に引きつけて、二つの被締結用金具のフランジ部を挟着・固定するよう構成した、締結具であって、
前記対峙・当接する各被締結用金具のそれぞれの当接面に、対峙・当接させた状態で一体の空間が形成されるような凹部が対応して形成され、
締結に際して、前記凹部に、実質上前記空間に対応した形の係合体を配して、前記一対の被締結用金具を前記締結金具と前記ボルトとによって締結するよう構成したことを特徴とする。
しかして、本第2の発明(請求項5記載の発明)にかかるパイル締結構造によれば、本発明の前提事項として記載している構成によって、二つの被締結用金具を当接させると、これら二つの被締結用金具のフランジ部のテーパ状になった面が外側になった両テーパ状の内周方への突起が形成され、この突起が、テーパ面を備えた締結用金具のコ形の凹部によって概ね嵌着される。そして、この概ね嵌着された状態から前記被締結用金具と前記締結用金具を、当接した当接面に形成される前記貫通孔にボルトを配して螺着すれば、該嵌着が完了し、対峙する被締結用金具間が締結用金具によって「くさび作用」によって強固に締結される。しかも、当接面にボルトが配置されるため、パイプの締結部分において、締結しようとするパイプ以上の剪断強度およびねじり強度を有する。その結果、例えば、パイルのねじ込み工法において施工時に作用する回転トルクを、地中部のパイル先端まで有効に伝達することが可能となる。
特に、本第2の発明特有の構成によって、前記第1の発明と同様に、前述の如く、二つの被締結用金具の当接面に形成された凹部からなる一体の空間に、係合体を配置することによって、二つの被締結用金具間には、この係合体を介して、回転方向において大きな応力(回転トルク)を伝達することができる。しかも、かかる場合、前記係合体が、被締結用金具とは別の部材によって構成されているため、回転トルクに起因して、大きな剪断力等が作用するこの係合体を、使用条件に合わせて、適宜許容剪断応力の高い材質のもので構成すれば、厳しい条件のもとでもその条件に合致させて、問題なく使用することが可能となる。
そして、この締結具は、前記第1の発明に好適な締結具となる。
前記第2の発明にかかるパイル締結構造において、前記凹部が円筒状の凹部であり、前記係合体が該凹部の略二倍の高さを有する円柱体であると、作用する回転トルクに起因して、係合体とそれに接触する凹部の当接面に圧縮力が作用するが、この応力(圧縮応力)の当接面での分布状態は、被締結用金具の肉厚の中央部で大きく外面方あるいは内面方に行くに従って小さくなるため、被締結用金具が破損するような状況を回避することができる。また、従来のものに比べて、係合体とそれに接触する凹部の当接面との接触面積を可及的大きくすることができ、しかも作用する応力分布が滑らかに変化するため、大きな回転トルクを伝達することができ、従って、被締結用金具が破損するような状況も回避できる。
さらに、前記構成の場合、前記凹部も係合体も、円加工となるため、機械加工が回転工具を使用しての加工とできるため、やり易い構成となり、凹部(前記空間)と係合体との寸法差(寸法精度)をより少なくすることが可能となり、かかる場合には、回転当初等に発生する衝撃力に対してより強い構成となる。
前記第2の発明にかかるパイル締結構造において、前記対峙する一対の被締結具の当接面の間に、該当接面同士が当接した状態において当接部に断面円形状の貫通孔が形成されるべく、各当接面に断面半円形状の溝を径方向に形成するとともに、前記貫通孔に対応する断面円形の孔を締結用金具に形成すると、前記ボルトを被締結用金具と締結金具との間に挿通しテーパ面を利用(くさび作用を利用)する構成として、上下二つの被締結用金具のテーパ状の面を均等に締めつけるのに好ましい構成となる。
しかして、前述のように構成された本第1の発明にかかるパイル締結構造および第2の発明にかかる締結具によれば、回転時の大きな回転トルクの伝達および衝撃等にも対応し得るパイル締結構造および締結具を提供することができる。
[実施例1]
以下、本願発明の実施例にかかるパイル締結構造とその構造に使用する締結具について図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は本発明の1の実施例にかかるパイル締結構造の締結具の構成を示す平面図、図2は図1のII−II矢視方向からの側面図、図3は図1、図2に示す締結構造における回転トルクを伝達する凹部と係合体の部分の構成を示す図1のIII−III矢視断面図、図4は図2の一点鎖線で示す部分の部分拡大側面図、図5は図1に示す被締結用金具の当接面の部分平面図である。
図1、図2あるいは図3において、1は締結用金具、2は被締結用金具、3は締結用金具1と被締結用金具2とを螺着する頭付のボルト、4はボルト3に螺着するナット、Aは締結しようとする一方の円形パイプ(パイル用円形鋼管)、Bは締結しようとするもう一方の円形パイプ(パイル用円形鋼管)である。
図2、図3に図示するように、締結しようとする一方の円形パイプAの締結側の端部には前記被締結用金具2が工場等で予め溶接(図2、図3において符号「10」の部分参照) により固着されている。また、締結しようとするもう一方の円形パイプBの締結側の端部には前記被締結用金具2と物理的に同じ構成の被締結用金具2が同様に溶接(図2、図3において符号「10」の部分参照) により固着されている。そして、長手方向の締結端部が対峙(対向)するよう配設された二つの円形パイプA,Bの該締結端部は、そこに固着されているそれぞれの前記被締結用金具2が、締結用金具1により挟着・固着されることにより、強固に両方のパイプが締結される。
前記被締結用金具2は、側断面図的には図3に図示するように、平面的には、図1に図示するように、外周が円形パイプAあるいは円形パイプBの外周に一致する大きさ(寸法)を有する円形のリング形状を有しており、図3に図示するように、締結しようとする端部の内周方にフランジ部2aが周設され、このフランジ部2aの当接面2bから離間した側の面2cが内周端2d側で徐々に薄肉になるテーパ状に形成されている。そして、前記当接面2bは、円形パイプAあるいは円形パイプBの長手方向(接続しようとする方向)に直交する平面となっている。そして、この当接面2bには、当接面2bを上方から見て、リング状の中心(当接面の仮想中心O2) から径方向に放射状に、ボルト3の断面に寸法的に略等しい(正確にはやや大きい)断面半円形状の溝2f(図1、図5参照)が複数 (この実施例では、等配分的に4箇所)形成されている。
また、この実施例にかかる被締結用金具2の場合、図1に図示するように、前記当接面2bの前記溝2fと溝2fとの間の4箇所のうちの前記仮想中心O2に対して対向する2箇所、つまり、180度の間隔をおいて、平面視において円形で立体的には円筒状の凹部2kがそれぞれ形成されている。この凹部2kの前記円筒状の径の寸法D2が、被締結用金具2の肉厚より大きくなっていることから、この凹部2kの外周方の壁面および内周方の壁面が非連続、つまり周方向で凹部2kの壁部が一部切り欠かれて開口2j(図2〜図5参照)が形成されている。
そして、この円筒状の凹部2kは、二つの被締結用金具2の当接面2bが当接した状態でこれらの当接面2bの各凹部2kは、一つの円筒状の空間Gを形成する。そして、この円筒状の空間Gには、前記二つの被締結用金具2が締結される際には、当該空間Gに略合致した寸法、正確には、前記空間Gより若干小さい寸法の、円柱状の係合体Fがそれぞれ配置される。
ところで、前記凹部2kは、それぞれの当接面2bに180度毎に2箇所形成されているが、90度毎に4箇所形成されてもよく、かかる場合には、前記係合体Fもその凹部2k(空間G)の数に合わせて、4つ配置されることになる。
また、前記締結用金具1は、平面的には、図1に図示するように、前記被締結用金具2の内周面の形状に略一致する如き部分円弧を外周面に具備した肉厚の部分円筒リング状の形状を有し、また、側断面的には、図3に図示するように、コ形(逆コ形も含む)になるように上下方向の中央部に凹部1Aを外周面に有する。この凹部1Aの対峙する内面1d,1e は、前記被締結用金具2の前記テーパ状の面2cのテーパ角に等しいテーパ角を有するテーパ面によって、構成されている。つまり、前記凹部1Aは、図3に図示するように、二つの前記被締結用金具2を互いの当接面2bで当接させた状態(図3参照)において、該被締結用金具2の二つのフランジ部2aからなる両テーパ状の突起Cを挟着するような形状になる寸法に構成され、従って、挟持した状態において凹部1Aの奥行寸法が挟持される突起Cの寸法 (図3において突起Cの左右方向の寸法)よりやや大きくなって、所謂「ふところ」M(図3参照)が形成されるように構成されている。
また、この締結用金具1は、ボルト3によって被締結用金具2に挟着させる前の状態では、平面的に見ると、該締結用金具1の外周面の曲率半径R1は、図1に図示するように、前記被締結用金具2のフランジ部2aの内周面の曲率半径R2に比べて、やや大きく、つまり、締結用金具1を被締結用金具2にぴったり挟着させた状態で、前記対応するテーパ状の面2cに前記凹部1Aが径方向において重なり合うような寸法に構成されている。
また、この締結用金具1の周方向の中央位置であって上下方向の中央位置には、図3に図示するように、前記ボルト3を挿通させるための貫通穴1Hが形成されており、また、この締結用金具1の内周面1Bの前記貫通穴1H周辺は、図1に図示する前記ボルト3の頭3hの当接面3Eが面接触するように、フラットな部分1Lが形成されている。
そして、本実施例の場合には、前記締結用金具1および被締結用金具2は、溶接可能な鋳物製(金属製)で、鋳造により製造されたものを使用している。しかし、前記締結用金具1および被締結用金具2は、鍛造品であってもよく、あるいは機械加工により製造されたものであってもよい。
また、この実施例の場合、前記係合体Fは、材質的には機械的強度の大きな一般炭素鋼が使用されているが、これに限定されるものでなく、例えば、工具鋼であっても、あるいはステンレス鋼であっても、その他の合金等であってもよい。
しかして、上述のように構成された締結用金具1と被締結用金具2は、締結しようとする円形パイプA,Bの端面に溶接により予め工場等で固着されることができ、現場において、以下のように締結することができる。即ち、まず、一方の円形パイプBの端面に固着された被締結用金具2の前記フランジ部2aに、図1に図示するように、該フランジ部2aの内周方に、前記締結用金具1を複数個、この実施例では4個、ボルト3とナット4によって、軽く仮止めする。つまり、締結用金具1が被締結用金具2に対して、内径側に移動可能な状態に仮止めする。また、この当接面2bの前記凹部1Aには、前記係合体Fを配置する。
この状態において、前記円形パイプBの被締結用金具2の当接面2bを、円形パイプAの被締結用金具2の当接面2bに、前記係合体Fが該円形パイプBの凹部1Aに挿置されるように、当接させる。
この際、上述のように締結用金具1が被締結用金具2に仮止めされて移動可能なことから、円形パイプBの被締結用金具2が締結具1と干渉しないように、二つの被締結用金具2の当接面2bを当接させる。次に、前記二つの円形パイプA,Bの互いの当接面2bが当接した状態で、前記ナット4を締めつけてゆくと、図2あるいは図3に図示するように、締結具1の凹部1Aが、当接した二つの被締結用金具2の各フランジ部2aからなる両テーパ状の突起Cに挟着してゆき、結果的に、テーパ面による「くさび作用」によって、締結用金具1によって二つの被締結用金具2が強固に締結される。なお、図1、図2において、5は平ワッシャである。
そして、このように締結された締結部分では、上述のように、二つの当接面2bにボルト3が貫通していることから、この当接面2bに、回転トルクの伝達に起因して、ねじり応力および剪断力が作用した場合には、このボルト3およびボルト3と接触する溝2f部分にも作用する。
そして、この発明にかかる実施例の場合、前記係合体Fと凹部2kの内周面との間にも、前記ねじり応力および剪断力が作用することから、大きな耐ねじり力と剪断力が得られることになる。
前述のように、前記係合体Fと凹部2kの内周面との間に作用する回転トルクに起因して、係合体Fとそれに接触する凹部2kの当接面に圧縮力が作用するが、この応力(圧縮応力)の当接面での分布状態は、被締結用金具2の肉厚の中央部で大きく外面方あるいは内面方に行くに従って小さくなるため、被締結用金具2が破損するような状況を回避することができる。また、従来のもののように圧縮力を伝達する面がフラットのものに比べて、係合体Fとそれに接触する凹部2kの当接面との接触面積を可及的大きくすることができ、しかも作用する応力分布が滑らかに変化するため、大きな回転トルクを伝達することができる。
また、前記凹部2kも係合体Fも、円加工となるため、機械加工がやり易い構成となり、従って、前記凹部2k(前記空間G)と係合体Fとの寸法差(精度)をより少なくすることが可能となり、かかる場合には、回転当初等に発生する衝撃力により強い構成となる。また、円筒加工であるため、安価に且つ汎用の加工工具によって簡単に加工を実施することが可能となる。
また、二つの被締結用金具2を締結用金具1とボルト3によって締結が完了すると、あるいはその締結の過程において、前述のように、凹部2kの外周の開口2jから内部に配置されている前記係合体Fを視認することができる。
従って、仮に、凹部2k(空間G)に係合体Fを配置し忘れるようなことがあっても、簡単にチェックできることになる。
前述のように、本願発明の実施例にかかるパイル締結構造によれば、作業性の点で優れ、且つ締結強度の点、特に当接面でのねじり強度の点で優れ、また剪断強度の点で優れ、さらに、経済性の点でも優れた、パイル締結構造を実現できる。
また、本発明にかかる締結具によれば、前記パイル締結構造に最適な締結具となり、安価に且つ無用な精度が要求されない、且つ、締結作業が容易な締結具となる。
本願発明にかかるパイル締結構造およびその締結構造に用いられる締結具は、建設現場、あるいは土木現場で地盤の強化等のために打ち込まれるパイルの締結等に用いることができる。
本発明の1の実施例にかかるパイル締結構造の締結具の部分の構成を示す平面図である。 図1のII−II矢視方向からの側面図である。 図1、図2に示す締結構造における回転トルクを伝達する凹部と係合体の部分の構成を示す図1のIII−III矢視断面図である。 図2の一点鎖線で示す部分の部分拡大側面図である。 図1に示す被締結用金具の当接面の部分平面図である。
符号の説明
1…締結用金具
1A…凹部
1d,1e…内面
2…被締結用金具
2a…フランジ部
2b…当接面
2k…凹部
3…ボルト
A、B…円形パイプ
F…係合体
G…空間

Claims (7)

  1. 対峙・当接する締結端部において内方に突設し、端面である当接面から離間した側の面が、内周端側で薄肉になるテーパ状に形成されたフランジ部を該締結端部に有し、土中埋設用パイルを構成する締結しようとする二つの円形パイプ間の対峙する各締結端部に一体的に形成される被締結用金具と、
    断面コ形の凹部の対峙する内面に、前記被締結用金具のフランジ部のテーパに対応するテーパ面を有し、二つの前記被締結用金具をそれらの締結端部同士を対峙・当接させた状態においてそれらのフランジ部を前記コ形の凹部によって挟着する、締結用金具と、
    前記二つの被締結用金具のフランジ部を対峙・当接させた状態において、締結用金具のコ形の凹部で、当接したフランジ部を挟着・固定するボルトとを具備し、
    前記ボルトが、前記被締結金具の当接面を、該当接面の径方向に貫通するよう配置され、このボルトによって前記締結用金具を被締結用金具側に引きつけて、二つの被締結用金具のフランジ部を挟着・固定するよう構成されたパイル締結構造であって、
    前記対峙・当接する各被締結用金具のそれぞれの当接面に、対峙・当接させた状態で一体の空間が形成されるような凹部が対応して形成され、
    締結に際して、前記凹部に、実質上前記空間に対応した形の係合体を配して、前記一対の被締結用金具を前記締結金具と前記ボルトとによって締結するよう構成したことを特徴とするパイル締結構造。
  2. 前記凹部が円筒状の凹部であり、前記係合体が該凹部の二倍の高さを有する円柱体であることを特徴とする請求項1記載のパイル締結構造。
  3. 前記凹部を形成する壁部が、被締結用金具の外周部と内周部において非連続となり、前記係合体が被締結用金具の外周面方および内周面方に一部露出していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のパイル締結構造。
  4. 前記凹部が、被締結用金具の当接面の中心に対して対抗して少なくとも1対設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1の項に記載のパイル締結構造。
  5. 対峙・当接する締結端部において内方に突設し、端面である当接面から離間した側の面が、内周端側で薄肉になるテーパ状に形成されたフランジ部を該締結端部に有し、土中埋設用パイルを構成する締結しようとする二つの円形パイプ間の対峙する各締結端部に一体的に形成される被締結用金具と、
    断面コ形の凹部の対峙する内面に、前記被締結用金具のフランジ部のテーパに対応するテーパ面を有し、二つの前記被締結用金具をそれらの締結端部同士を対峙・当接させた状態においてそれらのフランジ部を前記コ形の凹部によって挟着する、締結用金具と、
    前記二つの被締結用金具のフランジ部を対峙・当接させた状態において、締結用金具のコ形の凹部で、当接したフランジ部を挟着・固定するボルトとを具備し、
    前記ボルトが、前記被締結金具の当接面を、該当接面の径方向に貫通するよう配置され、このボルトによって前記締結用金具を被締結用金具側に引きつけて、二つの被締結用金具のフランジ部を挟着・固定するよう構成した、締結具であって、
    前記対峙・当接する各被締結用金具のそれぞれの当接面に、対峙・当接させた状態で一体の空間が形成されるような凹部が対応して形成され、
    締結に際して、前記凹部に、実質上前記空間に対応した形の係合体を配して、前記一対の被締結用金具を前記締結金具と前記ボルトとによって締結するよう構成したことを特徴とする締結具。
  6. 前記凹部が円筒状の凹部であり、前記係合体が該凹部の略二倍の高さを有する円柱体であることを特徴とする請求項5記載の締結具。
  7. 前記対峙する一対の被締結具の当接面の間に、該当接面同士が当接した状態において当接部に断面円形状の貫通孔が形成されるべく、各当接面に断面半円形状の溝を径方向に形成するとともに、前記貫通孔に対応する断面円形の孔を締結用金具に形成したことを特徴とする請求項5又は6記載の締結具。
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