JP4620883B2 - 眼鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、サングラスを含む眼鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
サングラスや眼鏡において最も一般的な装着方法は、フレームやレンズに直接取付けられたつるを装着者の耳に掛けるものである。サングラスや眼鏡の装着時、例えばスポーツ中において、装着者の頭部に衝撃を受けることがあるが、その際つるが耳から外れて、容易にサングラスや眼鏡が脱落してしまうことがあった。
【0003】
このような事態を防止するために、つるに弾性を持たせ、装着者の頭部側面に対してつるを押圧する方法が存在している。その一例として、つるの途中に樹脂や金属を加工した弾性部を設ける方法や、つるの内部にばね等の弾性体を組み込む方法がある。これは、サングラスや眼鏡を装着していない状態では、つるの先端であり頭部側面に位置する部分同士の距離が、装着者の頭部が持つ幅よりも狭くなっており、サングラスや眼鏡を装着する際は、つるの先端を押し開くようにして頭部に装着する。これにより、頭部側面に対して押圧がなされ、脱落を防止するようになっている。
【0004】
しかし、前記の方法においては、ばね作用を適切な弾性力に設定するのが困難であったり、構造が複雑になるという欠点があった。
【0005】
また、眼鏡やサングラスにおいて、レンズを保持するためのフレームが、棒状となっているものが存在する。これは、左右2枚あるいは左右が連続する1枚の、縁の無いレンズを棒状のフレームの下側に取り付けたものである。このレンズの曲率は、光線の反射や透過や装着者の視力等、光学的な要因により決定される。
【0006】
一方、このフレームにおいて、平面視における曲率は、装着者の顔面の形状により最適な数値が決定されるため、前記の要因により決定されるレンズと、この要因により決定されるフレームについて、それぞれ最適な曲率が異なっている。しかし、従来の眼鏡やサングラスについては、その一方の曲率に他方の曲率をあわせて製作がなされていた。そのため、レンズの曲率を優先させて眼鏡やサングラスを製作した場合、フレームの曲率が顔面に合わず、具体的にはレンズと顔面との間の隙間が広い部分と狭い部分ができてしまい、デザイン上不満が残ることがあった。逆に、フレームの曲率を優先させて製作した場合、レンズについて光学的に最適な形状とならないものにせざるを得なかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明はこれらの点に鑑み、フレームとレンズとについて、それぞれ最適な曲率を同時に用いたサングラスや眼鏡を提供することを課題とする。また、つるを装着者の頭部側面に押圧することにより、頭部からの脱落を防止するための、最適なばね作用を持つ部分を有するサングラスや眼鏡を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、本願の請求項1に係る発明は、レンズ2と、このレンズ2を支持するフレーム1と、フレーム1の両端に取り付けられたつる3とを備えた眼鏡において、フレーム1とレンズ2が、フレーム1の下側に形成されたレンズ取付溝13とレンズ上辺21が嵌合することにより、取付けられるものであり、平面視において、フレーム内側面12の曲率よりもレンズ取付溝13の曲率が小さいことを特徴とする眼鏡を提供する。
【0009】
本願の請求項2に係る発明は、上記フレームの末端部分Aに弾力調整部4を設け、上記弾力調整部4のフレーム内外方向の厚みt4を、隣接するフレーム内外方向の厚みt1よりも小さく設定することにより、頭部側面に対して押圧するための、ばね作用を備えたことを特徴とする請求項1記載の眼鏡を提供する。
【0010】
本願の請求項3に係る発明は、フレーム内側面12とレンズ取付溝13との距離について、フレーム末端部分における距離d1よりも左右レンズ部のレンズ中央部分における距離d2の方が小さいことを特徴とする請求項1又は2記載の眼鏡を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本願発明の実施の一形態として、サングラスについて説明する。図1は、本願発明の実施の形態に係るサングラスの斜視図である。図2は、本願発明の実施の形態に係るサングラスのレンズを外した状態の底面図である。図3は、本願発明の実施の形態に係るサングラスのレンズ単体の斜視図である。
【0012】
このサングラスは、図1に示すように、フレーム1とレンズ2とつる3とからなる。フレーム1は、湾曲した棒状のものであり、断面は偏平な略長方形や楕円形となっている。このフレーム1は、顔面の持つ曲面に合わせた形状となっており、複合した曲率からなる曲線が用いられている。また、図2に示すように、フレーム外側面11とフレーム内側面12との形状は、必ずしも平行であることを要するものではなく、フレーム内側面12を顔面に合わせた形状として、フレーム外側面11については、外側に膨らませる等自由な形状として良い。また、フレーム1の下側の面には、レンズ2を嵌合するためのレンズ取付溝13が設けられている。このレンズ取付溝13は、連続した溝である必要はなく、断続的に設けられた溝であっても良い。また、レンズ取付溝13の断面形状についても、長方形や三角形や半円形等、種々の形状で実施して良い。
【0013】
レンズ2は、着色されたポリカーボネート等のプラスチック材料を加工したものであり、レンズ2の曲面は円筒面あるいは球面あるいはそれらの曲面を組み合わせたものである。レンズ2の形状の例を図3(A)及び(B)に示す。図3(A)が、左右の連続する1枚の材料でレンズ2を形成したものであり、図3(B)が、左右2枚の別々の材料でレンズ2を形成したものである。図2に示すように、湾曲する棒状のフレーム1に対して縁の無いレンズ2が取り付けられるが、平面視(即ち、レンズ取付溝13の形成されている水平面)に関して、フレーム内側面12の曲率よりもレンズ取付溝13の曲率が小さく設定されている。その結果、レンズ2の曲率と同じようにフレーム内側面12の曲率を設定していた従来の場合、フレーム1と顔面との間の隙間が大きくなることが避けられなかったが、本願発明ではこのような問題を解決できる。言い換えれば、フレーム内側面12とレンズ取付溝13との距離について、フレーム末端部分における距離d1よりも左右レンズ部のレンズ中央部分における距離d2の方を小さくすることによって、フレームと顔面との間の隙間を小さくできるものである。本願発明の実施の形態においては、フレーム1においてサングラス装着時に鼻の上部に位置する、フレーム1の下側中央から逆Y形の鼻当部14が図1に示すように形成されており、レンズ2の裏側つまり顔面側に接着される。なお、この鼻当部14の形態は、図1に示すものに限られるものではなく、フレーム1に形成せずに、レンズ2に直接形成する等、種々の形態に変更し得る。なお、このレンズ2はサングラスの場合、度付きのものとしても良いし、そうでなくても良い。
【0014】
つる3は、サングラス装着者の耳に掛けられる部分であり、前記鼻当部14とともに、サングラスを顔面に保持するために必要な部分である。本願発明の実施の形態においては、ストレートテンプルと呼ばれる、図1に示すような耳掛け部分が通常の眼鏡のように大きく湾曲していない実質的に直線形状のものとなっている。このつる3の形態においても、図1に示すものに限られるものではなく、通常の眼鏡のような形状とする等、種々の形態に変更して良い。
【0015】
フレーム1やつる3の材質は、本願発明の実施の形態においては、プラスチックを用いているが、アルミやチタンやマグネシウム等の金属、カーボン繊維やガラス繊維を組み込んだ複合材料、あるいは木や竹等の自然素材を用いたものとしても良い。
【0016】
図2に示すように、フレーム末端部分の所定位置Aに設けられる弾力調整部4は、フレーム1の所定範囲についてフレーム内側面12をそのまま残して、フレーム外側面11をカットし、フレーム1の内外方向の厚みt4を、隣接するフレーム1の内外方向の厚みt1よりも小さくしたものである。本願発明の実施の形態においては、フレームの上下方向についてはカットを行っていないが、デザイン上の効果のためにカットを行い、弾力調整部4の断面を上下方向,内外方向ともに細くしても良い。フレーム1の内外方向の厚みt4を小さくし、弾力調整部4における断面積を適切なものに調整することにより、装着者の頭部側面に対して、押圧するための適度なばね作用を弾力調整部4に持たせることができ、装着中のサングラスの脱落やずれを起こしにくくすることができる。
【0017】
また、図5(A)及び(B)の説明図に示すように、フレーム末端部分に弾力調整部4を設けた場合、弾力調整部4からつる3を経由して装着者の頭部側面まで至る距離L1 について、弾力調整部4bをつるの中間に設けた場合の距離L2と比較すると、長くとることができる。これにより、頭部側面への押圧力Pを同一に設定する場合、図5(A)に示す、つる3の弾力調整部4における移動角度D1 の方が、図5(B)に示す移動角度D2より小さくできることより、弾力調整部4に掛かる力を小さくすることができる。
【0018】
また、この弾力調整部4について、図2に示すように、本願発明の実施の形態においては、対向する弾力調整部端面部分41からフレーム1の形状に合わせて湾曲させた円筒形の突起部42が形成されている。この部分は、単に装飾機能のみを持たせる部分としても良いが、この対向する突起部同士の間に、図4(A)に示すように弾力性のある樹脂4aや、図4(B)に示すようにばね4bを取り付けて、前記の弾力調整部4に対して、そのばね作用の調整等の緩衝作用を持たせるものとしても良い。この弾力調整部4においては、ここに説明した形状に限られるものではなく、例えば、フレーム1の内部のみをくり抜いて、断面積を調整したり、突起部42を多角形断面にする等、種々に変更して実施できる。
【0019】
また、フレーム1とレンズ2とつる3の詳細な形状は、図1等に示したものに限られるものではなく、デザイン上の効果を考えて、様々な形状にて実施して良い。
【0020】
【発明の効果】
本願第1及び第2の発明においては、フレーム末端部分に弾力調整部を設けることで、つるをサングラス装着者の頭部側面に押しつけることができ、サングラスの脱落を防止することができる。また、本願第3及び第4の発明においては、フレームとレンズとについて、それぞれ最適な曲率を用いたサングラスを提供することができ、デザイン的にも光学的にも優れるサングラスとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施の形態に係るサングラスの斜視図である。
【図2】本願発明の実施の形態に係るサングラスのレンズを外した状態の底面図である。
【図3】本願発明の実施の形態に係るサングラスのレンズ単体の斜視図であり、(A)はレンズが一体のもので、(B)はレンズが別々のものである。
【図4】(A)及び(B)とも本願発明の他の実施の形態に係るサングラスの要部拡大図である。
【図5】(A)は本願発明の実施の形態に係るつるの動きを示す説明図で、(B)は従来のつるを示す説明図である。
【符号の説明】
1 フレーム
12 フレーム内側面
13 レンズ取付溝
d1 フレーム末端部分の距離
d2 左右レンズ部のレンズ中央部分における距離
t1 フレーム内外方向の厚み
t4 フレーム内外方向の厚み(弾力調整部)
2 レンズ
21 レンズ上辺
3 つる
4 弾力調整部
A (フレーム末端部分)所定位置
Claims (3)
- レンズ(2)と、このレンズ(2)を支持するフレーム(1)と、フレーム(1)の両端に取り付けられたつる(3)とを備えた眼鏡において、フレーム(1)とレンズ(2)が、フレーム(1)の下側に形成されたレンズ取付溝(13)とレンズ上辺(21)が嵌合することにより、取付けられるものであり、平面視において、フレーム内側面(12)の曲率よりもレンズ取付溝(13)の曲率が小さいことを特徴とする眼鏡。
- 上記フレームの末端部分に弾力調整部(4)を設け、
上記弾力調整部(4)のフレーム内外方向の厚み(t4)を、隣接するフレーム内外方向の厚み(t1)よりも小さく設定することにより、頭部側面に対して押圧するための、ばね作用を備えたことを特徴とする請求項1記載の眼鏡。 - フレーム内側面(12)とレンズ取付溝(13)との距離について、フレーム末端部分における距離(d1)よりも左右レンズ部のレンズ中央部分における距離(d2)の方が小さいことを特徴とする請求項1又は2記載の眼鏡。
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JPH0655122U (ja) * | 1992-12-28 | 1994-07-26 | 株式会社敷島 | 眼鏡フレーム |
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2001
- 2001-02-23 JP JP2001048196A patent/JP4620883B2/ja not_active Expired - Fee Related
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