JP4620796B1 - 食事用具 - Google Patents

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Abstract


【課題】 食事用具の柄部について、簡便に曲げることができ、かつ曲げた状態を保持可能であって、自由度の高い変形が可能な食事用具を提供する。






【解決手段】スプーン、フォーク等の食事用具で、掬い、突き刺し、切り分け等、食物に接して作用する作用部と、その作用部に連接する連結部と、その連結部に連接する柄部とからなる食事用具において、前記柄部は一本の部材からなり、前記柄部の端部又は中途部を前記連結部に保持してループを形成し、前記柄部は折り曲げ容易な可撓性を有し、かつ曲げた状態を保持可能な線状材料よりなることを特徴とする。





【選択図】 図1

Description

この発明は、上肢に障害を有する人や高齢者、幼児等、食事用具使用に困難を有する人に扱いやすく、また、非障害者にも扱いやすいよう工夫された、スプーン、フォーク等の食事用具に関するものである。
従来、一般的なスプーン、フォーク等の食事用具は、掬い、切り分け、突き刺し等、食品に接して作用する作用部と、その作用部に連接する連結部と、その連結部に連接する柄部とから構成され、柄部の形状は概ね直線状の細長く扁平な棒状である。
しかし、上肢に障害を有する人や、高齢者、幼児等においては、上述のような、一般的なスプーン、フォーク等の食事用具の使用は困難となりやすい。
ここで、以下、スプーン、フォーク等の食事用具を簡略に食事用具と表現し、上肢に障害を有する人や高齢者、幼児等、食事用具の使用に困難を有する人を、簡略に障害者と表現する。
従来、障害者の食事において、課題とされてきたこととして、食事用具を把持し続けること、および、食事用具の作用部の向きを調節することがあげられる。
食事用具の把持については、把持しやすい柄部の形状が工夫されてきた。また、食事用具の作用部の向きの調節については、掬う等の操作や口元へ運ぶことを行いやすい食事用具の作用部の向きの角度になるよう、柄部や柄部周辺を曲げる工夫がなされてきた。
このような工夫は、従来、食事用具を個人にあわせて加工することによって作成されてきたが、その方法は、非特許文献1に開示されるように、柄部に挿し込み式のスポンジ素材を用いる等の手軽な方法から、柄部に熱可塑性樹脂や石塑粘土をつける、万力で曲げる等、手間がかかる方法も多い。
現在では、障害者に扱いやすく工夫された食事用具が数多く市販品として存在するようになり、市販品から選択することが一般的となっている。また、食事用具の形状を使用者にあわせて簡便に調節できるものも提案されており、その中でも、柄部や柄部周辺を使用者にあわせて曲げることができるものは、食事用具を把持し続けること、および、食事用具の作用部の向きを調節することの両方を支援できる。
例えば、周知されている食事用具として、柄部の材質が形状記憶ポリマーである食事用具があり、加熱により、曲げ加工ができる。あらかじめ成形された柄部は数種類の形状があり、適切なものを選んだ上で、使用者にあわせて変形が可能である(品名:ウィル・ワン等、株式会社青芳製作所)。
特許文献1は、間隔をおいて対向する一対の金属線材を主体に柄部が構成されている。曲げることができるとともに、やや幅のある柄部は握りやすく、握る方向もわかりやすい。特許文献2は、可橈性を有する心材に弾性部材を外装した構成を柄部等に用いている。柄部を折り曲げて角度調節でき、柄部表面は弾性部材により、把持したときフィットしやすいと考えられる。特許文献3は、線状芯材を可橈性材料でくるんだ線材を補助部材として連結固定するものであり、曲げるだけで手や腕への着脱可能で、作用部の向きの角度調整もできるとされる。
これらは、総じて、身体への接触部を増やす食事用具の柄部形状が可能なため、柄部が身体に固定され、把持しやすくなり、また、作用部の向きの角度を調節できるため、操作の困難を補うことができる。
しかし、これら、障害者に扱いやすい食事用具の形状は、非障害者にとってはかえって扱いづらいことが多い。食事用具の形状と把持方法および操作方法は密接に関連しているものであり、使用者にとって適切な組み合わせであることが必要である。
ここで、把握の分類について触れる。非特許文献2に開示されるように、把握の分類において、スプーンの例は中間把握系の三面把握に分類されている。三面把握でスプーンを把持する様子は図24に示したとおりである。図24において、スプーンと身体との接触部位を説明すると、第1固定が、中指DIP関節周辺の橈側面801すなわち中指の一番指先側の関節周辺の親指側、および示指基節の橈側面802すなわち人差し指の付け根の節の親指側、および母指の指腹803すなわち親指の指腹であり、これに加え、示指末端804すなわち人差し指末端が、スプーンの柄部805を支えている。
一方、障害者においては、三面把握で、前述のような一般的な食事用具の柄部形状である、細長く扁平な棒状の柄部を把持することは困難となりやすい。そのため、図25に示すように、手指806と手掌807で包み込むような把持方法で、柄部808の形状はやや太めの棒状を用いる例が多くみられる。このような、身体との接触部位が手指および手掌で、棒状物体を把握する手の型は、前記の非特許文献2に開示される把握の分類では、握力把握系に相当し、手の中にしっかり物を固定する際に現れる型である。
実登3012863号公報 実公3122734号公報 特開2005−176959号公報
三石京子,石王里美,三石敬之,中島雪彦.スプーンを使用した自助具.作業療法ジャーナル.2003,37(3),p.233−238 鎌倉矩子,田中繁.PT・OT学生のための運動学実習〜生体力学から動作学まで〜.三輪書店,1994,p.133−137
しかし、障害の状況は多様である。太めで円筒形の柄部の形状は、障害者向け食事用具として広く知られているが、三面把握を用いて把持した場合は、人差し指と中指との間隔が広く必要になり、かえって把持しにくい。また、前記の太めで円筒形の柄部を手指と手掌で包み込むようにもつ握力把握にした場合、把持は容易になるが、操作は三面把握の場合と同じ方法では困難であり、肩や肘を大きく動かしたり、手首の動かし方を変更する等の操作方法の工夫が必要となる。操作方法の工夫で対応できない場合は、作用部の向きの角度の変更や、柄部の長さの変更等、さらに食事用具の工夫が必要となりがちである。ところが、新しい食事用具の形状や操作方法に混乱してしまう人も多い。
このような状況は、高齢者等、徐々に機能が低下する人によくみられ、適する食事用具を得ることが困難となっている。障害の状況は変化していくものであり、食事用具は、非障害者にも使用でき、障害を生じても使用していけるものであることが望ましい。そのためには、柄部の形状は、多様に変形可能で、かつ、使用状況にあわせて変形できることが望ましい。
前述した形状記憶ポリマーを用いた柄は、使用者にあう柄部形状を得やすいものであるが、あらかじめ選ぶ柄部の形状によって得られる変形形状も異なるという制限があり、また、形状記憶の性質上、微調整がやや困難である。また、柄部表面に弾性がないという点では、フィット感に欠け、持続した把持に不利である。変形には温度調節が必要で煩雑であり、衛生管理上では、熱湯消毒や食器乾燥機使用等ができない点が不便である。
特許文献1は、対向する線材の間隔は保持されており、変形できる内容は、やや幅広の細長い面を曲げる、捻るというものになる。装着する弾性部材の形状によって、柄部の太さや断面形状を変更することが可能であるが、基本的には1本の棒状の柄部を曲げてできる形状といえる。
特許文献2では、作用部の向きを変えるよう曲げる変形が主であり、柄部の形状は概ね保持したままとなる。特許文献3では、線条心材は補助柄部として、巻きつけての装着と緩めての取り外しを行うことを想定しており、微妙な角度調整等が必要な場合は、装着のたびに調整することになり、煩雑と考えられる。
また、変形可能であるということは、変形する作業にかかる労力や時間も重要である。変形の作業は使用者に仮合わせしての評価と同時進行であり、通常、何度か繰り返すことが多い。時間がかかれば、使用者、作業を行う支援者ともに負担となるため、簡便に調節できることが望ましい。
以上では、食事用具の柄部を中心にとりあげてきた。しかし、食事用具を使った食事動作全体について改めて考えた場合、把持と操作の問題だけでなく、例えば、口中への取り込みにも困難を抱える等、さらに複合した障害の状況が存在し、市販品では対応困難な例も少なくない。前述した、食事用具をさらに加工して個別に作成する方法は、今後も重要といえる。
食事用具を個別に加工して作成する場合、材料となる食事用具の選定は、作用部が使用者に適することを優先して選び、加工は柄部に行う例が多い。これは、作用部の加工は一般には困難という要因もあるが、柄部は適する形状や素材等の個人差が大きいため、個別に加工することによって適する食事用具を得やすい利点がある。
しかし、例えば、柄部に樹脂系や粘土系のグリップ材料をつけて成形する場合、柄部が直線状であると、グリップ材料がずれたり、柄部とグリップ材料との間に隙間ができやすいという問題がある。また、材料となる食事用具の柄部形状と、グリップ材料で作成する形状との差が大きいほど、成形に手間がかかりやすい。また、作用部の向きの角度を変える加工の場合、作成後もさらに角度の微調整が必要になることが多い。そのため、加工しやすさを考慮した食事用具が存在することが望ましい。
また、食事用具の選択や加工において、適する食事用具の詳細を検討するのは容易ではない。作業療法士等の専門職に相談し、候補となる食事用具を試用して決定することが推奨されるが、多種類の食事用具を揃えた環境は限られていることもあり、効率よく、具体的な検討を行える評価用の食事用具が存在することが望ましい。
前述の課題を解決するために、次のような食事用具を発明した。
請求項1の食事用具においては、スプーン、フォーク等の食事用具で、掬い、突き刺し、切り分け等、食物に接して作用する作用部と、その作用部に連接する連結部と、その連結部に連接する柄部とからなる食事用具において、前記柄部は一本の部材からなり、前記柄部の両端部又は一端部と中途部を前記連結部に保持してループを形成し、前記柄部は折り曲げ容易な可撓性を有し、かつ曲げた状態を保持可能な線状材料よりなることを特徴とする食事用具である。
請求項2の食事用具においては、前記柄部は前記線状材料の一部又は全部の周囲を、弾性を有する被覆材料で被覆した表面を形成することを特徴とする請求項1に記載の食事用具である。
請求項3の食事用具においては、前記柄部の表面の一部又は全部に凹凸状部を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の食事用具である。
請求項4の食事用具においては、前記連結部は前記柄部を着脱可能に保持することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の食事用具である。
請求項5の食事用具においては、前記連結部は前記作用部を着脱可能に保持することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の食事用具である。
請求項1の食事用具においては、柄部が折り曲げ容易な可撓性を有し、かつ曲げた状態を保持可能な線状材料よりなるため、前記柄部を簡便に曲げ加工でき、食事用具の把持を支援できる。
同じく、前記柄部を曲げ加工できることにより、作用部の向きの角度を調節できるため、食事用具の作用部の向きの調節を支援できる。
前記柄部が一本の部材からなり、前記柄部の両端部又は一端部と中途部を前記連結部に保持してループを形成していることは、ループで囲まれる部分の狭さや広さによって、身体との接触範囲を調節できるため、使用者にあった固定性と操作性のバランスをとりやすい。
同じく、前記柄部がループを形成していることは、身体との接触範囲を広くとりうる構造でありながら、軽量であり、筋力の弱い人や疲労しやすい人にも扱いやすい。
同じく、前記柄部がループを形成していることは、身体への接触部位を、ループで囲まれる面にできるため、柄部の転がりが防止される等、安定性にすぐれ、把持するときの位置や方向もわかりやすい。
同じく、前記柄部がループを形成していることは、使用方法として、ループの内側に手を挿し通し、食事用具の落下を防ぐことが可能である。
同じく、前記柄部がループを形成していることは、ループを折り曲げ、2本の並行する棒状に近い形状が可能であり、長年、箸を使用していた人にとってなじみやすい柄部形状である。
同じく、前記柄部がループを形成していることは、柄部を変形する作業において、容易にねじれた形状に変形できる等、短時間で簡便な作業が可能となるため、使用者、支援者双方の負担を軽減できる。これは、日常の食事用具使用場面においても、必要時に身近な支援者による調節を行いやすくなるため、状態変化のある使用者にも対応が可能であり、利便性が高い。
請求項2の食事用具においては、前記柄部が前記線状材料の一部又は全部の周囲を、弾性を有する被覆材料で被覆した表面を形成することにより、把持したときのフィット感を高め、安定して食事用具を把持できる。
同じく、前記柄部が前記線状材料の一部又は全部の周囲を、弾性を有する被覆材料で被覆した表面を形成することにより、前記柄部を連結部に保持する際、安定して保持できる。
請求項3の食事用具においては、前記柄部の表面の一部又は全部に凹凸状部を設けたことにより、すべりどめとして機能させることができ、食事用具を把持したときに手がすべりにくく、安定して把持できる。
同じく、前記柄部の表面の一部又は全部に凹凸状部を設けたことは、すべりどめとして機能させることができ、前記柄部を変形して前記柄部同士が接する部分が生じた場合、すべりにくいため、変形した前記柄部の形状を保持しやすくなる。
同じく、前記柄部の表面の一部又は全部に凹凸状部を設けたことは、すべりどめとして機能させることができ、前記柄部を連結部に安定して保持できる。
同じく、前記柄部の表面の一部または全部に凹凸状部を設けたことは、すべりどめとして機能させることができ、前記柄部に他のグリップ材料をとりつける場合、すべりにくいため、安定して固定できる。
請求項4の食事用具においては、前記連結部は前記柄部を着脱可能に保持することにより、柄部の変形が容易となる。
同じく、前記連結部は前記柄部を着脱可能に保持することにより、柄部の変形作業中に生じる前記被覆材料の捩れを解消でき、変形が容易となる。
同じく、前記連結部は前記柄部を着脱可能に保持することにより、前記柄部のループの長さを使用者にあわせて調節可能にすることができる。
請求項5の食事用具においては、前記連結部は前記作用部を着脱可能に保持するため、前記柄部を用いた食事用具において、前記作用部との組み合わせを変更することが可能であり、多様な食事用具の形成が可能となる。
本発明による実施例1の形態を示す平面図である。 図1A−A線における矢視断面図である。 図1B−B線における矢視断面図である。 同実施例の変形例を示す平面図である。 同実施例の変形例および利用時形態を示す斜視図である。 同実施例の変形例および利用時形態を示す斜視図である。 同実施例の変形例および応用例を示す斜視図である。 本発明による実施例2の形態を示す平面図である。 図8C−C線における矢視断面図である。 同実施例におけるキャップの説明図である。 同実施例における、柄部の一方の端部を連結部に着脱する過程を示す斜視図である。 同実施例における、柄部の一方の端部を連結部に着脱する過程を示す斜視図である。 同実施例における、柄部の一方の端部を連結部に着脱する過程を示す斜視図である。 同実施例における、柄部の一方の端部を連結部に着脱する過程を示す斜視図である。 同実施例の変形例を示す斜視図である。 同実施例の利用時形態を示す斜視図である。 同実施例の利用時形態を示す斜視図である。 本発明による実施例3の形態を示す斜視図である。 同実施例における、柄部の一方の端部および作用部を連結部から外した状態を示す斜視図である。 本発明による実施例4の形態を示す平面図である。 図20D−D線における矢視断面図である。 同実施例の加工例を示す斜視図である。 同実施例の加工例の利用時形態を示す斜視図である。 三面把握の参考図である。 握力把握の参考図である。
本発明の実施の形態を図で説明する。
本発明の第1の実施例の形態を図1〜図3により説明する。図1は、本発明の実施の形態をスプーンに適用した例を示す平面図、図2は、図1A−A線における矢視断面図、図3は、図1B−B線における矢視断面図である。
図1において、食事用具1は、頭部40に首部30が連接され、その首部30に連結部20が連接され、その連結部20に柄部10がループ状をなして連接されている。本実施例において、符号40で示される頭部および符号30で示される首部30は、便宜上設けたものであり、概念としては、符号40と符号30が作用部を構成している。
連結部20と首部30とは、連結部20の首部保持部21に首部30の柄部側端31を挿入して固定している。連結部20と柄部10とは、連結部20の柄部保持部22、23に柄部10の端部100、101を挿入して固定している。連結部20のA−A矢視断面図は図2に示すとおりである。
なお、連結部20の形状および構造については上記に限らない。連結部20が柄部10を保持する方法が他の方法でもよいし、着脱可能でもよく、保持する位置が柄部10の中途部でもかまわない。連結部20が首部30を保持する方法が他の方法でもよく、着脱可能でもかまわない。
柄部10のB−B矢視断面図は、図3に示すように、折り曲げ容易な可撓性を有し、かつ曲げた状態を保持可能な線状材料11の周囲を、弾性を有する被覆材料12で被覆して形成され、その断面形状は、線条材料11はほぼ正円形、被覆材料12はほぼ正円形をなしている。前記断面形状については、この他に、多角形や円形等、特に限定しない。
また、柄部10の被覆材料12の表面には、小さな凸状部13を間隔をおいて全体に設け、すべりどめとした。凸状部の他、凹状部としてもよいし、例えば、凸状部と凹状部を波状に連続して設ける等、凹凸状部の形状や範囲は限定しない。また、凸状部および凹状部なしとしてもよい。
頭部40および首部30の形状については特に限定しない。頭部40がフォークやナイフでもよく、スプーンの形状が図1に例示した形状と異なっていてもよい。首部30が曲がっている等、図1に例示した形状と異なっていてもよい。
素材について、本例では、柄部10の線条材料11はチタンとした。チタンの他には、チタン合金、ステンレス、ニッケル合金、アルミニウム、アルミ合金等、可橈性を有し、比較的軽量で、折れにくいタイプの使用が望ましい。
柄部10の線条材料11を覆う被覆材料12はシリコンとした。シリコンの他、エラストマー樹脂等、弾性があり、強度が充分なタイプの使用が望ましい。
頭部40、首部30の素材はチタン、連結部20の素材はポリプロピレン樹脂としたが、前記の他、チタン合金、ステンレス、ニッケル合金、アルミニウム、アルミ合金等の金属材料、シリコン等の樹脂材料等、強度が十分で、比較的軽量のものが望ましい。
サイズは、柄部10の線条材料11は直径2mm〜4mm程度、柄部10の被覆材料12の直径は5mm〜10mm程度、ループ状の柄部10の長さ、すなわち柄部10のうち連結部20に保持されていない部分を示す一方の境界110からもう一方の境界111までの長さである符号110―111は30cm〜65cm程度が望ましいが、この例に限定するものではない。
連結部20のサイズは、幅15mm〜30mm程度、長さ20mm〜40mm程度、厚さ7mm〜20mm程度が望ましいが、この例に限定するものではない。連結部20のサイズは、柄部10および首部30を保持でき、食事使用中に邪魔にならない程度のサイズであることが望ましい。
頭部40および首部30のサイズは特に限定しない。本例では、頭部40は、長さ3cm〜6cm程度、幅2cm〜3cm5mm程度、首部30は、長さ1cm〜5cm程度、幅3mm〜2cm5mm程度、厚さ1mm〜5mm程度としたが、この例に限定するものではない。
以上の構造よりなる本発明による食事用具は、柄部10がループ状であり、前記柄部10は、折り曲げ容易な可撓性を有し、かつ曲げた状態を保持可能な線状材料11よりなるため、自由に変形可能であると同時に、変形した形状を安定して保持しやすい。変形の作業も簡便である。柄部10の被覆材料12は弾性をもち、凸状部13によりすべりどめ機能を有し、安定して把持しやすい。
次に、実施例1の使用例を、図4〜図7により説明する。なお、図4〜図7は、実施例1において、柄部10のループの長さ、すなわち符号110―111を35cm程度とした例を示している。
図4は、実施例1における変形例を示したものである。柄部10をなすループの概ね中点102を折り曲げ、向かい合う2辺、すなわち符号110―102の一辺と111―102の一辺が概ね接するように変形している。
前記の柄部10の変形形状は、一般の食事用具の柄部に近い扁平で細長い形状でありながら、弾性を有する被覆材料12により、手にフィットしやすく、安定して把持できる。また、柄部10の表面の凸状部13により、把持したとき手がすべりにくい。
そのため、図4の例は、一般の食事用具ではすべりやすいと感じる人など、軽度の困難を補うことができる。また、非障害者にも違和感なく使用できる形状である。
図5は、実施例1における変形例および利用形態を示したものである。柄部10をなすループの概ね中点102を折り曲げ、向かい合う2辺、すなわち符号110−102の一辺と111−102の一辺との間隔103をやや開き、また、人差し指付け根付近の接触部120、121、および中指の接触部122、および親指の接触部123、124、および人差し指末端の接触部125、薬指の接触部126を,手の形に沿うように曲げて変形している。
ループで形成されるやや幅広の柄部10の形状は、把持するときの位置や方向がわかりやすく、柄部10が転がることもなく、安定して把持が可能である。
前記図4の例が困難となった人であっても、図5の例では、柄部10と手との接触範囲をやや広げた形状により、三面把握の手の型のままで安定した把持が可能となり、操作方法も大きく変更することなく、食事動作ができる。
また、柄部10と手との接触部120〜126は、箸を把持する際の接触部と概ね同じであり、図5の例の柄部10の形状は、長年、箸を使いなれた人にはなじみやすい感触の形状である。認知症等、新しい食事用具や操作方法で混乱が増す場合にも、図5の例は受け入れられる可能性があり、有用である。
図6は、実施例1における変形例および利用形態を示したものである。変形は、柄部10をなすループの概ね中点102を折り曲げ、向かい合う2辺、すなわち符号110−102の一辺と111−102の一辺の間隔103を手指が挿し通せる程度とし、頭部40の向きの角度調節部127をひねりながら曲げて変形している。
柄部10のループの内側に手指を挿し通す形状により、スプーンの落下を防ぎながら把持が可能である。
また、変形の作業は簡便に可能であり、特に、ループ状の柄部10は捻りながら曲げることが容易であるため、角度調節部127の微調節も容易である。そのため、食事用具の作用部の向きの調節を簡便に支援できる。これは、状態変化のある使用者の場合であっても、必要時に身近な支援者による調節を行いやすくなるため、利便性が高い。
図7は、図6の応用例を示している。柄部10に着脱可能なボール状のグリップ14を取り付け、握りこみ部分を太くした例である。柄部10の表面の凸状部13がすべりどめとなるため、グリップ14を固定しやすい。このように、本実施例の食事用具を、他のグリップ材料と併用することで、さらに使用の幅を広げることができる。
本発明の第2の実施例の形態を図8〜図14により説明する。なお、実施例2は、実施例1とは連結部の構造が異なる例である。本実施例においては、実施例1と同一の構成要素には同一符号を付して、その構成の説明は省略する。
図8は、本発明の実施の形態をスプーンに適用した例を示す平面図、図9は、図8C−C線における矢視断面図、図10はキャップの説明図、図11〜図14は、柄部の一方の端部を連結部に着脱する過程を示す斜視図である。
図8において、食事用具2は、頭部40に首部30が連接され、その首部30に連結部200が連接され、その連結部200に柄部10がループ状をなして連接されている。なお、連結部200は、後述するように、ストッパー210およびキャップ220および本体230およびカバー240よりなる。
連結部200が首部30を保持する方法は、図8,12に示すように、連結部200の本体230の首部保持部231に首部30の柄部側端31を挿入して固定している。
連結部200が柄部10を保持する方法について、図8,11、12に示すように、連結部200の本体230の柄部保持部232に、柄部10の一方の端部100を挿入して固定している。
柄部のもう一方の端部101は、連結部200に着脱可能に保持されており、その保持方法を説明すると、まず、図11に示すように、柄部端部101を、連結部200のキャップ220の柄部側端221より首部側端222に挿し通し、次に連結部200のストッパー210の柄部側端211より穴底212まで柄部端部101を挿入する。
次に、柄部端部101を挿入したストッパー210を、図9、12に示すように、キャップ220内の段部223まで押し込み、固定する。
図9に示すように、キャップ220の内径224は、首部側端222から段部223に近づくにつれ、狭くなっている。また、図10に示すように、ストッパー210には切り込み部214が設けられ、ストッパー210の柄部側端211は、切り込み部214が狭まるように撓むことができる。
柄部端部101を挿入したストッパー210をキャップ220内に押し込むと、キャップ内径224が狭まるにつれて、ストッパー内径215が狭まり、同時にストッパー210の凸部213が、柄部10に押しつけられる。柄部10の表面は被覆材料12により弾性があり、凸状部13もあるため、すべりどめとなり、柄部端部101はストッパー210およびキャップ220内に安定して保持される。その外観は図12に示すとおりである。
次に、前記の柄部端部101およびストッパー210を押し込んだキャップ220を、連結部200の本体230の凸部233にキャップ220の凹部225が嵌るように取り付ける。その様子の外観は図13に示すとおりである。
次に、連結部200のカバー240を、上述したキャップ220を取り付けた本体230に、本体230の溝234とカバー240の凸部241が嵌るようにして挿入し、本体230の微小凸部235が、カバー240の微小凹部242に嵌るようにして固定する。その様子の外観は図14に示すとおりである。
カバー240を本体230に固定することにより、柄部端部101を挿入したストッパー210およびキャップ220も外れないように固定でき、柄部端部101は、食事使用中や柄部10の変形作業中、様々な方向から力が加わっても連結部200から外れないように保持できる。また、柄部端部101を連結部200から外す方法は、前記保持方法と逆の順に行えばよい。
柄部端部101を連結部200から外した状態においては、柄部10をペンチ等で切断して短く調節することもでき、再度、柄部10と連結部200を前記保持方法で固定することにより、使用可能となる。
なお、連結部200の構造および形状については、前記に限らない。連結部200と柄部10の端部100,101の両方が着脱可能あるいは着脱不可能でもよく、保持する位置が柄部10の中途部でもかまわない。保持する方法が他の方法でもかまわない。また、連結部200と首部30が着脱可能でもよく、保持する方法が、他の方法でもかまわない。柄部10の長さの調節方法が他の方法でもよく、長さ調節不可能でもかまわない。ただし、食事使用中は連結部200が柄部10および首部30を保持し、柄部10がループ状をなすものとする。
素材について、連結部200の素材はポリプロピレン樹脂とした。ポリプロピレン樹脂の他、シリコン等の樹脂材料、チタン、チタン合金、ステンレス、ニッケル合金、アルミニウム、アルミ合金等の金属材料等、強度が十分で、比較的軽量のものが望ましい。
サイズは、連結部200は、幅15mm〜30mm程度、長さ20〜40mm程度、厚さ7〜25mm程度が望ましいが、この例に限定するものではない。連結部200のサイズは、柄部10および首部30を保持でき、食事使用中に邪魔にならない程度のサイズであることが望ましい。
以上の構造よりなる本発明による食事用具は、柄部10の一方の端部101が連結部200に着脱可能に保持されるため、柄部端部101を外せば、複雑な変形を行いやすく、また、曲げ加工中に生じる被覆材料12の捩れも解消できる。また、柄部10を切断して再度連結部200に柄部端部101を保持可能なため、柄部10のループの長さ、すなわち符号110−111を、使用者に適した長さに調節することができる。
次に、実施例2の使用例を図15〜図17により、説明する。なお、図15〜図17は、実施例2において、柄部10のループの長さ、すなわち符号110―111を65cm程度とした例を示している。
図15は、実施例2における変形例であり、図16は、図15の利用形態である。柄部10の変形は、手掌内に握りこむ部分を小ループ2個、すなわち符号130、131で形成したことにより、立体的な握り部とすることができ、握り具合や親指の位置にあわせて形を調節しやすい。
また、人差し指付け根付近の接触部132、133が手の形に沿うよう変形しており、さらに、間隔134を広くしたことで、身体への接触範囲を広くとった柄部形状が可能である。
また、柄部10の表面に設けられた凸状部13により、手はすべりにくく、柄部10同士の接触部もすべりにくいため、変形した柄部10の形状も保持されやすくなり、安定した把持が可能である。
また、角度調節部135を捻りながら曲げることで、頭部40の向きの角度を変更可能であり、食事用具の作用部の向きの調節を支援できる。簡便に柄部10の変形が行えるため、使用者に状態変化がある場合でも、身近な支援者により、調節が可能である。
図15、16の例では、身体への接触範囲を広くとった構造でありながら、軽量であり、また、変形した柄部10の形状を崩すことなく、装着や取り外しができる。装着時に身体にフィットさせる微調整が必要になった場合も、作業は簡便に可能である。
図17は実施例2における変形例および利用形態を示したものである。柄部10の変形は、ループ2か所、すなわち符号136、137を作り、手指を挿し通す空間としている。
二つのループ136,137の間隔138を広くとることにより、前記実施例1における図6の例に比べて、図17の例は固定性に優れ、手指が曲がりにくい等、握ることが困難な人にも適する。また、角度調節部139を捻りながら曲げており、食事用具の作用部の向きの調節も支援できる。
このように、図16,17に示した例は、柄部10が長めであることを生かし、食事用具の身体への固定性を優先した形状が可能であるため、比較的障害が重度な人に有用である。また、柄部10を複雑な形状に変形する作業において、柄部端部101が着脱可能になっていることは、形状を整えやすく、また、被覆材料12の捻じれを解消できるため、変形作業が容易である。
また、柄部10の長さ、すなわち符号110−111の調整ができることは、使用者の手の大きさや利用形態にあわせて短く調節することもでき、本実施例は、子どもや大人、障害の状況等を限定せず、幅広く利用が可能である。
本発明の第3の実施例の形態を図18,19により説明する。なお、図18は、本発明の実施例3の形態をスプーンに適用した例を示す斜視図であり、図19は、柄部の一方の端部および作用部を連結部から外した状態を示す斜視図である。
図18において、食事用具3は、頭部400に首部300が連接され、その首部300に連結部500が連接され、その連結部500に柄部10がループ状をなして連接されている。なお、本実施例において、符号400で示される頭部および符号300で示される首部は、便宜上設けたものであり、概念としては、符号400と符号300が作用部を構成している。また、本実施例においては、実施例1と同一の構成要素には同一符号を付して、その構成の説明は省略する。
図18,19において、連結部500は、クリップ状の上部510および下部530を、本体520の嵌め込み部501に連結してなり、上部510のつまみ513と下部530のつまみ533の間には、ばね502を取り付けている。上部510の首部保持部511と、本体520の首部保持部521の間の挟み込み部分、および本体520の凹部522と下部530の凹部532の間の挟み込み部分は、ばね502の力によって閉じており、つまみ513、533を近づけるように力を加えると、開くようになっている。
連結部500の凹部522、532の間には、ループ状をなす柄部10の一方の端部101又は中途部112を嵌め込んで挟み、着脱可能に保持することができる。柄部10は弾性のある被覆材料12で覆われており、凸状部13もすべりどめとして機能するため、柄部10を連結部500の凹部522,532の間に挟んで保持した際、柄部10は安定して保持される。なお、符号112で示される中途部は、その箇所を例示するものであり、図示される箇所に限定するものではない。
また、柄部のもう一方の端部100は、連結部500の本体520の柄部保持部523に挿入して固定されている。
また、着脱可能な柄部端部101が身体に触れてけがをしないように、柄部端部101には保護キャップ503を取り付けている。
柄部10のうち、端部101から連結部500に保持される柄部10の中途部112までの部分が長い場合は、連結部500付近に小さく丸める等、使用中に邪魔にならないようにするか、または、ペンチ等で切断し、切断してできた柄部端部101に保護キャップ503を装着して使用してもよい。
また、連結部500が柄部10を保持する方法は、前記に限らず、他の方法でもかまわない。柄部端部100、101の両方が着脱可能あるいは着脱不可能でもよく、柄部10を保持する位置が中途部でもかまわない。
連結部500の首部保持部511、521は、表面に凹凸をつけたすべりどめ機能をもち、首部保持部511、521の間に、首部300の柄部側端301または中途部302を挟んで保持し、着脱可能に保持することができる。なお、符号302で示される中途部は、その箇所を例示するものであり、図示される箇所に限定するものではない。
連結部500が首部300を着脱可能に保持する方法は前記に限らず、他の方法でもよいし、着脱不可能でもかまわない。連結部500の構造および形状も本例に限定するものではない。
連結部500について、素材はポリプロピレン樹脂を主体とし、首部保持部511,521はエラストマー樹脂、ばね502にはステンレスを用いている。連結部500の素材は前記の他、シリコン等の樹脂材料、チタン、チタン合金、ステンレス、ニッケル合金、アルミニウム、アルミ合金等の金属材料等、強度が十分で、比較的軽量のものが望ましい。
連結部500のサイズは、幅25mm〜40mm程度、長さ25mm〜40mm程度、厚さ15〜30mm程度が望ましいが、この例に限定するものではない。
保護キャップ503について、素材はシリコンを用いている。この他、エラストマー樹脂等、弾性があり、強度が充分なものが望ましい。
保護キャップ503のサイズは長さ2cm〜5cm程度、内径5mm〜10mm程度が望ましいが、この例に限定するものではない。食事等の使用中に、柄部端部101から保護キャップ503が外れない程度のサイズであることが必要である。
連結部500に保持する首部300およびその首部に連接する頭部400については、スプーンやフォーク等の食事用具であればよく、形状、素材、サイズ等、特に限定しない。
頭部400の形状がフォークやナイフでもよいし、スプーンの形状が図18,19に例示した形状と異なっていてもかまわない。首部300の形状が曲がっている等、図18,19に例示した形状と異なっていてもかまわない。
首部300および頭部400の素材は、本例ではチタンとしたが、樹脂材料、金属材料等、特に限定しない。サイズは、本例では、頭部400は、長さ3cm〜6cm程度、幅2cm〜3cm5mm程度、首部300は、長さ5cm〜12cm程度、幅3mm〜2cm5mm程度、厚さ1mm〜5mm程度としたが、この例に限定するものではない。
以上の構造よりなる実施例3の食事用具は、連結部500が柄部の一方の端部101又は中途部112を着脱可能に保持することにより、柄部10を切断することなく、柄部の長さ、すなわち符号110−111を調節可能であり、柄部10を着脱する方法も非常に簡単である。そのため、柄部10の変形の自由度は、実施例2よりもさらに高くなり、変形の作業もより簡便になる。
また、連結部500が首部300を着脱可能に保持することにより、首部300およびその首部に連接する頭部400、すなわち作用部の形状やサイズ、素材を異なるものに簡便に交換可能である。
実施例3の用途としては、医療・福祉等の分野において、個人に適した食事用具の概要を捉えるための評価用として有用である。特に、簡便に柄部10の変形の作業を行うことができ、作用部すなわち首部300およびその首部300に連接する頭部400の交換も可能であるため、使用者の意向や状態を確認しながら、短時間で適した食事用具のモデルができることとなる。
変形させた食事用具のモデルをもとにすることで、本発明による食事用具に限らず、数多く存在する市販の食事用具からの選択を行いやすくなる。また、市販の食事用具に適するものがなく、個別に加工して食事用具を作成する場合にも、前記の変形させた食事用具のモデルをみて作成することができ、使用者、作成者の負担を大幅に軽減できる。
このような活用方法は、直接には、食事用具についての相談を受ける立場にある医療・福祉職、販売店等に関わりが深いものであるが、使用者がより良い情報を得て食事用具を決定できることにつながるため、有意義である。
本発明の第4の実施例の形態を説明する。
図20は、本発明の実施の形態をフォークに適用した例を示す平面図である。図20において、食事用具4は、頭部41に首部30が連接され、その首部30に連結部600が連接され、その連結部600に柄部700がループ状をなして連接されている。なお、本実施例において、符号41で示される頭部および符号30で示される首部30は、便宜上設けたものであり、概念としては、符号41と符号30が作用部を構成している。
柄部700は1本の線状材料703よりなり、柄部700の端部701、702を連結部600に固定してループを形成している。
なお、連結部600の構造および形状については、本実施例に限らない。連結部600が柄部700を保持する方法が本例と異なる方法でもよく、柄部端部701、702の一方あるいは両方が着脱可能でもよく、保持する位置が柄部700の中途部でもかまわない。連結部600が首部30を保持する方法が本例と異なる方法でもよく、着脱可能でもかまわない。
柄部700のD−D矢視断面図は、図21に示すように、ほぼ正円形をなしているが、この他に、多角形や円形等、特に限定しない。
また、柄部700の線状材料703の表面は、凹状部704を螺旋状に全体に設け、すべりどめとした。この他、凸状部としてもよいし、凹状部および凸状部なしとしてもよく、凹凸状部の形状や範囲は限定しない。
頭部41および首部30の構造および形状については特に限定しない。頭部41がスプーンやナイフでもよく、フォークの形状が図20に例示した形状と異なっていてもかまわない。首部30が曲がっている等、図20に例示した形状と異なっていてもかまわない。
素材について、この例では、柄部700の線条材料703をチタンとした他、連結部600および首部30および頭部41いずれもチタンとした。
線状材料703は、チタンの他には、チタン合金、ステンレス、ニッケル合金、アルミニウム、アルミ合金等、可橈性を有し、比較的軽量で、折れにくいタイプの使用が望ましい。
連結部600および首部30および頭部41の素材は、チタンの他、チタン合金、ステンレス、ニッケル合金、アルミニウム、アルミ合金等の金属材料、シリコン、ポリプロピレン樹脂等の樹脂材料等、強度が十分で、比較的軽量のものが望ましい。
サイズは、柄部700の線状材料703の直径2mm〜6mm程度、ループ状の柄部700の長さ、すなわち符号701−702は30cm〜65cm程度が望ましいが、この例に限定するものではない。連結部600の長さは20mm〜30mm程度、幅8mm〜15mm程度が望ましいが、この例に限定するものではない。頭部41、首部30のサイズは、特に限定しない。本例では、頭部41は、長さ3cm〜6cm程度、幅2cm〜3cm5mm程度、首部30は、長さ1cm〜5cm程度、幅3mm〜2cm5mm程度、厚さ1mm〜5mm程度としたが、この例に限定するものではない。
以上の構造よりなる本発明による食事用具4は、柄部700がループ状であり、前記柄部700は折り曲げ容易な可撓性を有し、かつ曲げた状態を保持可能な線状材料703よりなるため、柄部700は自由度の高い変形が可能であり、変形の作業も簡便である。また、柄部700の表面は凹状部704があるため、すべりにくい。
本実施例の用途としては、食事用具を個別に加工する場合の材料として有用である。柄部700を変形させるとともに、他のグリップ材料を組み合わせることにより、個人に適した柄部を作成することができる。
組み合わせるグリップ材料は、着脱可能な、例えば、巻きつけたり、挟み込むタイプのスポンジ状のグリップを用いることもできる。また、変形した柄部700の形状を固定するようなグリップ材料、例えば熱可塑性樹脂や石塑粘土で覆って使用することもでき、その場合、直線状の柄部に比べ、変形させた柄部700は、グリップ材料がずれにくいという利点がある。
また、柄部700の表面に凹状部704があり、すべりどめとなるため、組み合わせるグリップ材料を固定しやすくなる。本実施例を用いることで、食事用具を個人にあわせて加工することが容易となる。
次に、実施例4の使用例を、図22、23により説明する。図22は本実施例による食事用具4を加工して食事用具5を作成した例であり、図23は図22の利用形態である。
図22において、食事用具5は、頭部41に首部30が連接され、その首部30に連結部600が連接され、その連結部600に柄部710が連接されている。
食事用具5の作成は、まず、食事用具4の柄部700の線状材料703を変形し、使用者に合う形状の食事用具5の骨組みとなるように変形しておく。本例では、手掌内に握りこむ部分を小ループ706で形成し、人差し指付け根付近の接触部707,708を手に沿うような形状とし、頭部41の向きの角度調節部709を捻りながら曲げて変形している。
次に、変形した線状材料703のうち、角度調節部709の一部を除いて、グリップ材料705で覆い、使用者が把持する手の形に沿うように成形して、食事用具5の柄部710の形状を整えている。
本例のグリップ材料705の素材は、市販の熱可塑性樹脂とした。熱可塑性樹脂は、現状の医療・福祉等の現場で手軽に入手、使用できる素材であるため、本例で用いたが、食器乾燥機使用等ができない欠点がある。使用者、作成する支援者の状況に応じて、適切な素材を使用すればよく、本例に限定するものではない。
このようにして作成した食事用具5は、把持する手の型は三面把握と同様でありながら、柄部710と手の接触面は概ね最大限に設けられており、安定して把持できる。また、前記実施例2における図16の例に比べ、柄部710の大部分が固定されていることによって、握りこむ力が非常に強い人にも適する食事用具となっている。さらに、角度調節部709の一部はグリップ材料705で覆っていないため、使用状況に応じて、頭部41の向きの角度の微調節が可能である。
加工について、一般の細長い棒状の柄部の食事用具を材料として加工する場合に比べ、食事用具4を材料として加工する本例では、ループ状の柄部700の線状材料703の変形の自由度が高く、作業が簡便であるため、使用者にあわせた基本的な骨組みを短時間で作ることが可能であり、その骨組みがあることにより、グリップ材料705をつけて食事用具5の柄部710の形状に成形することが容易である。
グリップ材料705をつける際は、変形した食事用具4の柄部700の線状材料703および凹状部704によって、グリップ材料705を付着させやすいため、加工の作業は容易である。
また、グリップ材料705をつける範囲や素材等の工夫により、食事用具の微調整が後からでも可能なように作成することもできる。
これは、食事用具を個別に加工して作成する場合にかかる労力や時間を大幅に軽減することになり、市販品では対応が困難な障害者であっても、適した食事用具を得ることが容易となるため、有意義である。
以上、実施例1〜4においては、使用者が主に障害者と想定した例を示したが、本発明は障害の有無に関わらず、使用が可能であり、前記実施形態に限らない。例えば、曲げた柄部を食器の縁に掛けて、料理の中に食事用具の柄部が落下することを防ぐ等の生活を便利にする使用方法や、曲がる柄部の形状を活かしたデザイン的な使用を楽しむこともできる。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、使用者にあわせて自由に変形し、自由な使用方法が可能である。
本発明による食事用具は、製造については食器産業、販売については食器販売や福祉用具販売の産業、食事用具の個人への適合評価や作成等については医療、福祉等の分野、利用については障害の有無に関わらず一般消費者で利用が見込まれる。
1…食事用具、2…食事用具、3…食事用具、4…食事用具、5…食事用具、10…柄部、11…線状材料、12…被覆材料、13…凸状部、14…グリップ、20…連結部、21…首部保持部、22…柄部保持部、23…柄部保持部、30…首部、31…柄部側端、40… 頭部、41…頭部、100…端部、101…端部、102…中点、103…間隔、110…境界、111…境界、112…中途部、120…接触部、121…接触部、122…接触部、123…接触部、124…接触部、125…接触部、126…接触部、127…角度調節部、130…小ループ、131…小ループ、132…接触部、133…接触部、134…間隔、135…角度調節部、136…ループ、137…ループ、138…間隔、139…角度調節部、200…連結部、210…ストッパー、211…柄部側端、212…穴底、213…凸部、214…切り込み部、215…内径、220…キャップ、221…柄部側端、222…首部側端、223…段部、224…内径、225…凹部、230…本体、231…首部保持部、232…柄部保持部、233…凸部、234…溝、235…微小凸部、240…カバー、241…凸部、242…微小凹部、300…首部、301…柄部側端、302…中途部、400…頭部、500…連結部、501…嵌め込み部、502…ばね 、503…保護キャップ、510…上部、511…首部保持部、513…つまみ、520…本体、521…首部保持部、522…凹部、523…柄部保持部、530…下部、532…凹部、533…つまみ、600…連結部、700…柄部、701…端部、702…端部、703…線状材料、704…凹状部、705…グリップ材料、706…小ループ、707…接触部、708…接触部、709…角度調節部、710…柄部、801…中指DIP関節周辺の橈側面、802…示指基節の橈側面、803…母指の指腹、804…示指末端、805…柄部、806…手指、807…手掌、808…柄部

Claims (5)

  1. スプーン、フォーク等の食事用具で、掬い、突き刺し、切り分け等、食物に接して作用する作用部と、その作用部に連接する連結部と、その連結部に連接する柄部とからなる食事用具において、前記柄部は一本の部材からなり、前記柄部の両端部又は一端部と中途部を前記連結部に保持してループを形成し、前記柄部は折り曲げ容易な可撓性を有し、かつ曲げた状態を保持可能な線状材料よりなることを特徴とする食事用具。
  2. 前記柄部は前記線状材料の一部又は全部の周囲を、弾性を有する被覆材料で被覆した表面を形成することを特徴とする請求項1に記載の食事用具。
  3. 前記柄部の表面の一部又は全部に凹凸状部を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の食事用具。
  4. 前記連結部は前記柄部を着脱可能に保持することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の食事用具。
  5. 前記連結部は前記作用部を着脱可能に保持することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の食事用具。




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