JP4619551B2 - 書き換え可能な情報表示部を有する非接触icカード - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示の繰り返し書き換えができる情報表示部を有する非接触ICカードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報記録カードは資源問題、環境問題、セキュリティー性の点で効果的な非接触ICカードが注目されている。非接触ICカードは、磁気記録カードとは異なり、アンテナを介しての情報の伝達が可能であり、定期券等へ利用した場合、自動改札機通過時に要する時間を低減することが可能となる。
【0003】
このICカードには、内部情報やメッセージ等の情報を表示する視覚的な情報の伝達手段としての表示部を設けることが求められている。ICカードは、磁気カードと異なり、再利用性、長期繰り返し使用性が高く、その表示部にも繰り返し耐久性、保存性が求められる。また、さらには、耐改ざん性も要求される。
【0004】
このような目的に応用可能な表示媒体としては、特開昭54−119377号公報、特開昭55−154198号公報に開示されているような高分子母剤に有機低分子化合物を分散し、加える熱の制御によって光の散乱、透過を制御して表示を行う可逆性感熱表示媒体、特開昭60−180887号公報、特開昭62−116192号公報に開示されているような複数の高分子をブレンドした膜からなり、熱によって相分離をコントロールして表示を行うものがあり、これらは、光透過状態と光散乱状態を可逆的に繰り返すものであり、反射膜上に表示記録層を形成し、正反射部、拡散反射部のコントラスト差によって表示を行う。
【0005】
メモリー性のある液晶材料を使用するものとしては、特開平5−301489号に開示されているような製膜性能を有する高分子物質と液晶物質を含有する高分子物質・液晶物質による複合膜からなる書き換え可能なカードは、導電層上に高分子物質と液晶物質を含有する高分子物質・液晶物質による複合膜を形成し、熱および電界により印字消去を行う。
【0006】
高分子液晶を使用するものとしては、特開昭63−191673号公報に開示されている、加える熱の制御によって液晶ドメインの状態による光の散乱、等方性液体状態による透過を制御して表示を行う可逆性表示媒体があり、反射膜上に表示記録層を形成し正反射部、拡散反射部のコントラスト差によって表示を行う。
【0007】
また、特開昭59−10930号公報には、高分子液晶への熱と電界または熱の印加時における配向の違いを利用する情報記録媒体が開示されており、特開平2−219861号公報には、強誘電性高分子液晶を利用し応答速度を向上させた液晶表示媒体が開示されており、特開平4−110925号公報、特開平6−265861号公報には、高分子液晶にネマチック液晶を添加しスメクチック相を形成することにより応答速度を向上させた液晶表示媒体が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述したような繰り返し使用可能な表示媒体には、導電層、金属反射層が必要であり、これを非接触ICカードの表示部として用いた場合、次のような問題が生じていた。
【0009】
まず、非接触ICカードがその読み取り書き込み装置と通信を行う際に、それらの導電層または反射層とICカードのシールド層やアンテナ部やICチップ等との間の静電容量によるコンデンサ効果が生じ、このため外部との通信が阻害されるという問題があった。
【0010】
また、非接触ICカードがその読み取り書き込み装置と通信を行う際に、それらの導電層または金属反射層には、読み取り書き込み装置が非接触ICカードに送信する電波が作る磁界によって渦電流が流れ、この渦電流が作る磁界は非接触ICカードが読み取り書き込み装置から受ける電波を打ち消す作用をするため通信が阻害されるという問題があった。
【0011】
このような渦電流の発生について理解し易くするため、添付図面の図29は、前述したような光の透過、散乱を利用した表示媒体または高分子液晶を利用した表示媒体の断面図を模式的に示している。この図29に示されるように、非接触ICカードの基材1には、情報表示部2が設けられており、この情報表示部2は、導電性金属反射層3と、高分子液晶層または光の透過散乱を利用した情報表示層4とからなっている。このように、光の散乱、透過を制御する表示媒体では、表示の視認性を向上させるためにアルミ蒸着等の金属反射層3上に表示記録層4を形成することが好ましい。しかしながら、この金属反射層3には、読み取り書き込み装置が非接触ICカードに送信する電波が作る磁界によって、図30に示すように渦電流5が流れてしまう。この渦電流5が作る磁界は、非接触ICカードが読み取り書き込み装置から受ける電波を打ち消す作用をしてしまうため、通信が阻害されてしまうのである。また、高分子液晶を使用した表示媒体では、液晶表示媒体に電界を加えるための導電層上に表示記録層を形成する必要があり、このような導電層にも、通信時に同様にして渦電流が流れ、通信が阻害される原因となってしまう。
【0012】
本発明の目的は、前述したような問題点を解消しうるような、書き換え可能な情報表示部を有する非接触ICカードを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の一つの観点によれば、ICチップ部に結合されたアンテナ部と、導電層または金属反射層を有する書き換え可能な情報表示部とを備えた非接触ICカードにおいて、該導電層または金属反射層の面積を該カードの面積の50%以下とする。
【0014】
本発明の一つの実施の形態によれば、前記アンテナ部は、該カードの周辺にそって延在するようにして形成されたアンテナコイルを備えており、前記導電層または金属反射層は、該カードの長辺方向または短辺方向の中心線を境界とするいずれか一方の面内に設けられる。
【0015】
本発明の別の観点によれば、ICチップ部に結合されたアンテナ部と、 導電層または金属反射層を有する書き換え可能な情報表示部とを備えた非接触ICカードにおいて、前記導電層または金属反射層を2つ以上の領域に分割し、且つ該領域の各々の面積が該カードの面積の50%以下となるようにする。
【0016】
本発明の一つの実施の形態によれば、前記各領域は、接続部にて相互に接続されている。
【0017】
本発明の別の実施の形態によれば、前記導電層または金属反射層は、前記アンテナ部と重ならない位置に形成される。
【0018】
本発明のさらに別の実施の形態によれば、前記導電層または金属反射層は、前記ICチップ部と重ならない位置に形成される。
【0019】
本発明のさらに別の実施の形態によれば、前記情報表示部は、液晶材料からなる液晶記録層を有する。
【0020】
本発明のさらに別の実施の形態によれば、前記情報表示部は、液晶型可逆情報表示媒体からなり、該液晶型可逆情報表示媒体は、主成分が室温でガラス状態を示す液晶性組成物と二色性色素からなる記録層を有し、前記液晶性組成物は、熱の印加により等方性液体状態または液晶ドメイン状態を示し、且つ熱と電界の印加によりホメオトロピック配向状態を示すものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面の図1から図28に基づいて、本発明の実施の態様および実施例について、本発明をより詳細に説明する。
【0022】
本発明者は、非接触ICカードに設ける情報表示部に存在する導電層、導電性金属反射層等による外部装置との通信の阻害の問題を解明するため、次のような種々な実験を行ってみた。
【0023】
図1は、典型的な非接触ICカードの構成を示すための概略平面図であり、この図1に示すように、非接触ICカード10は、カード基材11に、ICチップ12と、このICチップ12に結合されたアンテナ13とを埋設して有している。本発明者は、図2の側面図に示すように、このようなICカード10の基材11の上面にアルミ蒸着膜20を形成したものと、図3の側面図に示すように、ICカード10の基材11の下面にアルミ蒸着膜20を形成したものと、の2種類のICカードを作製し、これらICカードの下方にカードリーダー30を設置してICカードとの読み取り通信を行い、その通信効率の測定を行った。
【0024】
これらの測定結果について説明するに、先ず、アルミ(Al)蒸着膜20を、図4の平面図に示すような蒸着面積から、図5の平面図に示すような蒸着面積へというように、長手方向に徐々に減少させるようにして付与した東京磁気印刷(株)製の非接触ICカード10を用いて読み取り可能距離の測定を行った。ここで、読み取り可能距離とは、図2および図3のカードリーダー30の設置状態において、非接触ICカード10の記録情報を読み取ることができる非接触ICカード10とカードリーダー30との間の最大垂直距離(通信距離)を意味している。その結果を図6の表1と図7のグラフにまとめて示す。これら表およびグラフにおいて、「上部」とは、図2に示したような配置における測定によるものを意味し、「下部」とは、図3に示したような配置における測定によるものを意味している。なお、導電層面積比はアルミ蒸着膜が無いときを0%とし、通信可能距離はアルミ蒸着膜が無いときの通信可能距離を100%とした相対値で示す。図7より、アルミ蒸着膜の面積がカード面積の50%の場合、通信距離がアルミ蒸着膜を付与していない非接触ICカードと同程度であり、アルミ蒸着膜による電磁シールド効果が低減されていることがわかる。
【0025】
次に、アルミ蒸着膜20を、図4の平面図に示すような蒸着面積から、図5の平面図に示すような蒸着面積へというように、幅手方向に徐々に減少させるようにして付与した東京磁気印刷(株)製の非接触ICカード10を用いて読み取り可能距離の測定を行った。その結果を図8の表2と図9のグラフにまとめて示す。このような通信距離の測定結果によれば、アルミ蒸着膜の面積がカード面積の50%の場合、通信距離がアルミ蒸着膜を付与していない非接触ICカードと同程度であり、アルミ蒸着膜による電磁シールド効果が低減されていることがわかる。
【0026】
次に、アルミ蒸着膜20を、図10、図11、図5、図12および図13の平面図に示すように付与した東京磁気印刷(株)製の非接触ICカード10を用いて読み取り可能距離の測定を行った。その結果を図16の表3にまとめて示す。このような通信距離の測定結果によれば、図5、図12、図13の場合、アンテナ部13の露出面積に従い通信距離は無蒸着ICカードに近づくが、全面を露出した図5の場合でも5%以上の距離の低下があることがわかる。また、図10と図11の場合、通信距離の低下はみられないことがわかる。
【0027】
また、アルミ蒸着膜20を、図14の平面図に示すように、アルミ蒸着膜20を非接触ICカード10の長手方向の中心線にそって2つ折りにした片方の面に付与する場合でも、アンテナ部の一部分がそのアルミ蒸着膜によって覆われるにもかかわらず、アルミ蒸着膜による電磁波シールド効果が低減されることもわかった。同様に、アルミ蒸着膜20を、図15の平面図に示すように、アルミ蒸着膜20を非接触ICカード10の幅手方向の中心線にそって2つ折りにした片方の面に付与する場合でも、アンテナ部の一部分がそのアルミ蒸着膜によって覆われるにもかかわらず、アルミ蒸着膜による電磁波シールド効果が低減されることもわかった。
【0028】
これらの結果、非接触ICカードに導電層または金属反射層を設ける場合において、非接触ICカードの長手方向もしくは幅手方向の半面、またはアンテナ部を避けた長手方向もしくは幅手方向の半面に限定して設けることにより、その非接触ICカードの通信距離に影響を与えないようにすることができることがわかる。したがって、このような導電層または金属反射層を有する情報表示部を非接触ICカードに設ける場合にも、同様に制限された場所に設けることにより、その非接触ICカードの通信距離に影響を与えないようにすることができることがわかる。
【0029】
次に、前述したような実験結果に基づいて、導電性金属反射層を有する書き換え可能な情報表示部を非接触ICカードに設けた実施例について説明する。
【0030】
図17は、本発明の一実施例としての導電性金属反射層を有する書き換え可能な情報表示部の面積をカード面積の50%以下にした非接触ICカードを示す概略平面図である。この図17に略示されるように、この実施例の非接触ICカード10は、ICチップ12およびアンテナ13を基材11内に埋設して有しており、且つ導電性金属反射層を含む情報表示部40を基材11の面に設けてなっている。この実施例では、情報表示部40は、基材11の面のほぼ左側半分で且つアンテナ13を避けた場所に設けられている。
【0031】
図17に示す構成において、情報表示部40が占める面積を変化させたとき、すなわち、カード面積に対する導電性金属反射層(情報表示部が含む)の面積を変化させたときの非接触ICカードと読み取り書き込み装置間の通信可能距離を測定してみた結果を、図18のグラフにまとめて示す。なお、このグラフにおいては、通信可能距離は、金属反射層がないときの通信可能距離を100%とした相対値で示している。図18のグラフからわかるように、金属反射層の面積をカード面積の50%以下にすると、通信距離は、金属反射層が無い場合と比較して90%以上を確保できる。
【0032】
なお、本発明で用いられる情報表示部における金属反射層としては、光を反射するものであればどのようなものでもよく、例えば、アルミニウム、クロム、ニッケル、コバルト、銅、銀、金、錫、亜鉛、黄銅、ステンレススチール等の金属等を利用できる。また、導電層は、導電性を有するものであれば良く、例えば、カーボンブラック等の導電性有機材料による層、アルミニウム、クロム、ニッケル、コバルト、銅、銀、金、錫、亜鉛、黄銅、ステンレススチール等の金属およびそれらの酸化物、窒化物、さらには、ZnOx、In−Sn−Ox等の透明導電層を利用できる。
【0033】
金属反射層または導電層の形成方法としては、蒸着層、スパッタリング層、無電界メッキ層、溶射メッキ層、さらには箔層として、また、上記導電性材料を粉体とし、これを樹脂に分散させた塗工剤を利用して一般的なコーティング法による塗工層の形成も可能である。これらの層は、PET、PET−G、PVC、ABC等の樹脂基材上に通常0.01〜50μm程度の厚さに形成される。
【0034】
図17に例示したような情報表示部を有する非接触ICカードの製造方法の一例について以下説明する。先ず、前述したような導電性の金属反射層上に高分子液晶層または加える熱の制御により光の散乱、透過を制御して表示を行う材料を付与して可逆性感熱表示層を可逆性印字層として形成した可逆性印字層シートを作製する。次いで、図19に平面図にて例示するようなインレットシートを作製する。このインレットシート50は、アンテナ13を形成したアンテナ基板に非接触IC12を実装してなるものである。アンテナ基板としては、PET、PET−G、PVC、ABC等の樹脂基材上に銀、銅またはそれらの合金等の金属粉末、カーボン粉末等の導電性粉末をバインダに分散してなる導電ペーストでアンテナコイル13を形成したもの、または銅等の金属箔で形成したもの、ワイヤーを巻いたアンテナコイル13等を付与したものが使用できる。このアンテナ基板に、例えば、ISO/IEC−14443の仕様に規定される非接触ICカード用チップ12を実装して非接触ICカードインレット50を得ることができる。このインレットシート50に、前述した可逆性印字層シートを、ホットメルト接着剤等を用いて貼り合わせ、所定の外形寸法に打ち抜き、または断裁し、図17に例示したような書き換え可能な情報表示部を有する非接触ICカードを得ることができる。
【0035】
なお、インレットシートおよび可逆印字層を付与したシートにPVC、PET−G、ABS等の熱可塑性樹脂を用いた場合には、ホットメルト接着剤を用いずに熱融着によってラミネートする方法で製造することも可能である。
【0036】
図20は、本発明の別の実施例としての非接触ICカードを示す概略平面図である。この実施例では、ひとつの情報表示面積40A、40Bがカード面積の50%以下となるように、導電層、金属反射層を有する情報表示部を複数に分割して設けるようにしている。図20の例は、2つの領域に分割しているが、この数は2つに限定するものではなく、さらに多数に分割したものであってもよい。
【0037】
さらにまた、前述したように表示領域を複数に分割して付与するということは、必ずしもそれら分割した表示領域の各導電層、金属反射層が電気的に絶縁されている必要はなく、図21に示すように、カード中央部の接続部41を介して各領域40Aおよび40Bが導通している構造であってもよい。
【0038】
このように導電性の印字表示領域を分割することによって、通信を妨げる渦電流は、各領域毎に分割して発生するようになり、通信に有害なカード外周を周回する渦電流の発生を防止できる。
【0039】
図22は、本発明のさらに別の実施例の非接触ICカードを示す概略平面図である。この実施例は、カード10の短辺方向中心線6を境界とする、いずれか一方の面に導電層、金属反射層を有する情報表示部40Cを設け、カード中心を周回する渦電流を防ぐようにしたものである。
【0040】
図23は、図22の情報表示部40Cと同一面積の導電性情報表示部40Dを、非接触ICカード10の中心に配置したものを例示している。そして、図22の非接触ICカードの通信距離測定結果と、図23の非接触ICカードの通信距離測定結果とを、図24の表4にまとめて示している。これらの結果より、導電性情報表示領域の面積が同一であっても、カード中心部を避けて配置することが、電磁波シールド効果を低減する上で、より効果的であることがわかる。
【0041】
さらに好ましくは、図17に例示したような実施例の如く、導電性情報表示領域40をアンテナ13やICチップ12と重ならないように配置することによって、導電性領域とアンテナおよびICチップとの静電結合による干渉を防ぐことができ、通信の安定化をはかることができる。また、ICチップ部は、表面が凸状になることがあるため、印字消去のときのサーマルヘッドや熱ローラーや電界印加装置等の接触エネルギー印加装置との接触が悪くなり印字消去ムラが生じてしまうような不都合が生じてしまうのを防ぐ意味でも、ICチップ部を避けて情報表示部を設けることは好ましい。
【0042】
次に、本発明による非接触ICカードの情報表示部として利用して好ましい液晶型可逆情報表示媒体の例について説明する。
【0043】
図25は、本発明の非接触ICカードの情報表示部として使用されうる液晶型可逆情報表示媒体の積層構造を模型的に示す断面図である。この図25に示すように、この実施例の情報表示媒体は、基材62と、導電層63と、液晶記録層64と、保護層65とを備える。
【0044】
基材62には、携帯に要する剛性を具備するシート、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等のアクリル樹脂系フィルム、更には、ポリスチレンフィルム、アクロニトリル・ブタジェン・スチレン共重合体、三酢酸セルロースフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム等の厚さ25〜1000μm程度のものが使用される。さらに、これらの他に、アート紙、コート紙、上質紙等の一般的な紙類、合成紙、金属箔、セラミックシート等も使用可能である。
【0045】
導電性を有する基材62としては、例えば、アルミニウム、クロム、ニッケル、コバルト、銅、銀、金、錫、亜鉛、黄銅、ステンレススチール等の金属箔やカーボンブラック等の導電性有機材料、アルミニウム、クロム、ニッケル、コバルト、銅、銀、金、錫、亜鉛、ステンレススチール等の金属およびそれらの酸化物、窒化物、さらには、ZnOx、In-Sn-Ox等の導電性材料をポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチレン等のアクリル樹脂系フィルム、更には、ポリスチレンフィルム、アクロニトリル・ブタジェン・スチレン共重合体、三酢酸セルロースフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミド等に練り込んで形成した導電性フィルムが使用可能である。
【0046】
また、基材シートの表面に形成される導電層63は、文字通り導電性を有するものであれば任意のものでよく、例えば、カーボンブラック等の導電性有機材料による層、アルミニウム、クロム、ニッケル、コバルト、銅、銀、金、錫、亜鉛、黄銅、ステンレススチール等の金属およびそれらの酸化物、窒化物、さらには、ZnOx、In-Sn-Ox等の透明導電層、蒸着層、スパッタリング層、無電界メッキ層、溶射メッキ層、さらには箔層として、また、前述の導電性材料を粉体とし、これを樹脂に分散させた塗工剤を利用しても一般的なコーティング法による塗工層の形成も可能である。これらの層は、基材上に通常0.01〜50μm程度の厚さに形成される。なお、基材シートの表面の導電性層を真空蒸着またはスパッタリング等によって形成する場合には、その導電性層の均一性を計る目的で、基材シートの表面にアンカーコート層を形成した後に、導電性層を形成するのが好ましい。また、導電層として金属光沢を有するものを利用する場合には、その導電層が高コントラスト画像を形成するための反射層としての作用も果たす。さらに、導電層を反射層としても利用する場合、表面が鏡面状態では正反射成分が強く視野角が狭くなるため、導電層表面を適度に粗くすることが好ましい。導電層の表面粗さは、基材シートに添加するフィラーの量や、基材シートの表面にアンカーコート層を形成するときの塗工液に添加するフィラーの量による調整も可能である。
【0047】
この導電層63は、情報記録媒体の基材62の全面に形成されていても、あるいは、部分的に形成されていてもよい。
【0048】
透明な導電層63の場合には、基材シートの色が透過して見えるため、基材シートとして乳白ポリエチレンテレフタレートフィルム、もしくは基材62に白色塗工剤を塗布したものを利用することで、白地に二色性色素色の表示が可能になる。また、有色または反射性を示す導電層3の場合、導電層3上に白色塗工剤を塗布したものを利用することで、白地に二色性色素色の表示が可能になる。
【0049】
透明な導電層63を用いる場合には、基材に透明度の高いシートを用い、シートの裏面に空気層を介して反射層または白色層を形成することで、二色性色素による地肌部分の発色を低減することが可能である。同様に、透明な導電層63を用いる場合には、この導電層63と基材62の上面との間に空気層を形成し、基材62の上面に反射層または白色層を形成するようにしても、同様の効果を得ることができる。
【0050】
次に、液晶記録層64について説明する。図26、図27および図28は、液晶記録層の構成主成分の相状態をそれぞれ示した図である。これら図において、参照符号64aは、高分子液晶の主鎖を示し、参照符号64bは、高分子液晶のメソゲンを示し、参照符号64cは、低分子液晶を示し、参照符号64dは、二色性色素を示している。ここで利用可能な高分子液晶は、高分子骨格の側鎖に屈曲性基を介して液晶性を発現できる分子(メソゲン)を化学的に付与したものであり、液晶相温度で電界により配向変化可能であり、液晶相温度以下でガラス状態を示し、液晶相の固定化ができるものである。側鎖型高分子液晶は、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレンに屈曲鎖を介して結合したモノマーの付加重合やポリ[オキシ(メチルシリレン)]等のポリシロキサン骨格ポリマーへのビニル置換メソゲンモノマーとの付加反応によって合成可能である。重合反応の場合、共重合も可能であり架橋部位や多種メソゲン基を導入することも可能である。Tgや液晶相温度は、重合度、メソゲン種、スペーサーの長さ、共重合するメソゲン種や割合によって変化するが、ここでは、Tgが室温以上であるものが使用可能である。また、ここで用いられる高分子液晶のメソゲンは、電界応答性のあるものが好ましく、液晶相としてネマチック相、スメクチック相、コレステリック相のいずれの相状態を示すものでも使用できる。
【0051】
低分子液晶64cは、高分子液晶との混合状態で液晶相の粘度を低下させ、応答速度を改善する目的で使用される。本発明で利用可能な低分子液晶は、高分子液晶との相溶性が良いものが好ましく、側鎖型高分子液晶の側鎖部と類似骨格を有するものが更に好ましい。低分子液晶の添加量は、高分子液晶との相溶性によって影響を受けるが、高分子液晶と混合し室温でガラス状態を形成できればよく、好ましくは30%以下である。
【0052】
二色性色素64dは、高分子液晶の側鎖分子または低分子液晶に保持され、且つ側鎖分子または低分子液晶の配向と同様の配向状態をとり、液晶組成物と同様に光学的な機能を果たす。二色性色素は、アゾ系、アントラキノン系のいずれでもよく、単一成分のみに限らず、多成分の混合により色調を調整することも可能である。このような二色性色素としては、例えば、三井化学(株)から市販されているM-361、SI-484、M-141、M-484、M-34、SI-497、M-403、S-409、M-412、S-428、日本感光色素(株)から市販されているNKX-1366、G-202、G-205、G-206、G-207、G-232、G-239、G-241、G-254、G-256、G-289、G-470、G-471、G-472、昭和化工(株)から市販されているKRD-201、KRD-901、KRD-902、KPD-503、KPD-906、KBD-401、KBD-701、KKD-602、KKD-604等を利用しうる。
【0053】
高分子液晶または高分子液晶と低分子液晶を混合した液晶組成物は、凝集力が高く、濡れ性が低い。このため、弗素系界面活性剤を添加することで凝集力を低下させ導電層上への濡れ性を向上させることが可能である。このような弗素系界面活性剤としては、例えば、住友3M(株)製、フロラードFC-430、フロラードFC-431、大日本インキ化学工業(株)製メガファックF-110、F-116、F-120、F-150、F-160、F-171、F-172、F-173、F-177、F-178A、F-178K、F-179、F-183、F-184、F-191、F-812、F-833等が挙げられる。弗素系界面活性剤の添加量が増加すると、塗料が泡立ち易くなり、上下層との密着も低下する。このため弗素系界面活性剤の添加量は、液晶高分子に対して5重量%以下が好ましい。
【0054】
高分子液晶または液晶高分子と低分子液晶を混合した液晶組成物は、液晶層温度以下では流動性が低いが、液晶相温度では粘度が低下し流動性が高くなる。この流動性を抑制することを目的として液晶高分子にフィラーや高分子物質が加えられる。また、フィラーや樹脂の添加は、上下層との密着を良好にする効果がある。
【0055】
ここに用いるフィラーとしては、有機材料、無機材料、有機−無機共重合体、または、これらの複合物が挙げられ、具体的には、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、シリカやアルミナや炭酸カルシウムの表面を有機高分子で被覆したコア−シェル型粒子、有機高分子の存在下で金属アルコキシドの重縮合で得られる有機無機複合粒子、ポリスチレン、スチレン−ブタジェンゴム、ポリメタクリル酸メチル、ポリ酢酸ビニル、ポリ(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリ(スチレン−アクリル酸ブチル)、ポリスチレン/ポリ(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)複合体、ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)、セルロース等が挙げられる。好ましい粒子の屈折率は、下地層の材質により異なる。導電層として金属を用いた場合、表面が鏡面であれば、高分子液晶と屈折率が大きく違うものが好ましく、表面を粗くしてマット調にしてあれば、高分子液晶と同程度のものが好ましい。前述のフィラーの粒子径は、液晶記録層の膜厚よりも大きい場合は、膜の平滑性の面から好ましくなく、粒子径の上限としては、15μmである。フィラーの添加量は、フィラーの粒径によっても異なるが、添加量が増加すると記録層中の高分子液晶、色素、低分子成分等の割合が低下するため、コントラストが低下する。このため、添加量としては、20重量%以下であることが好ましい。
【0056】
フィラーとして、無機系紫外線吸収剤粒子を使用すると、液晶層に紫外線吸収能を付加することが可能であり、液晶層もしくは中間層に紫外線硬化型樹脂を使用した場合の二色性色素の劣化を低減できる。このような無機系紫外線吸収剤粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムやこれらの粒子の表面を有機高分子で被覆したコア−シェル型粒子が挙げられる。また、液晶記録層への粒子の添加は、記録層の地肌色の調整にも効果があり、粒子径や混合比によって液晶記録層を透過型と白濁型にすることができる。好ましい粒子の屈折率は、下地層の材質により異なる。導電層として金属を用いた場合、表面が鏡面であれば、高分子液晶と屈折率が大きく違うものが好ましく、表面を粗くしてマット調にしてあれば、高分子液晶と同程度のものが好ましい。前述のフィラーの粒子径は、液晶記録層の膜厚よりも大きい場合は膜の平滑性の面から好ましくなく、粒子径の上限としては、15μmである。無機系紫外線吸収剤粒子の添加量は、無機系紫外線吸収剤粒子の粒径によっても異なるが、添加量が増加すると、記録層中の項分子液晶、色素、低分子成分等の割合が低下するため、コントラストが低下する。このため、添加量としては、20重量%以下であることが好ましい。
【0057】
また、添加高分子物質としては、モノマー、オリゴマーの状態で高分子液晶と相溶性を有するものが好ましく使用できる。このような樹脂材料としては紫外線硬化型が好ましい。紫外線硬化樹脂としては、例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルが挙げられ、モノマー、オリゴマーの状態で、例えばジペンタエリストリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、イソシアヌール酸(エチレンオキサイド変性)、トリアクリレート、ジペンタエリストリトールテトラアクリレート、トリアクリレート、ジペンタエリストリトールペンタアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート等の多官能性モノマー或いは多官能性ウレタン系、エステル系オリゴマー、更にノニルフェノール変性アクリレート、N-ビニル-2-ピロリドン、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート等の単官能性モノマー或いはオリゴマー等が挙げられる。
【0058】
紫外線硬化樹脂を硬化するために必要な光重合開始剤としては、例えば2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタール、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパ-1-オン等が挙げられる。
【0059】
高分子液晶に対する高分子物質の使用割合は20重量%以下である。高分子物質の添加量を増加していくと、高分子液晶と高分子物質が相分離を生じ表示のコントラストが低下する。また、二色性色素が高分子物質部にも相溶するため地肌濃度の増加によるコントラストの低下が大きくなる。このため、高分子物質の添加量は20%以下が好ましい。
【0060】
液晶記録層の形成は上記諸成分からなる塗布溶液を調製し導電性を有する基体または導電層上に形成する。液晶記録層における塗布溶液の固形分濃度は20〜60重量%とするとよく、硬化に際して、樹脂の種類、濃度、塗布層温度、紫外線照射条件等の硬化条件を適宜に設定すること必要がある。塗布様式としては、例えば、ブレードコート法、リバースコート法、グラビアコート法、シルク印刷など均一に塗布できるものであれば利用できる。液晶記録層の膜厚は解像性に影響を与えるので乾燥後膜厚1〜50μm、好ましくは3〜10μmとするとよく、高解像性を維持しつつ、動作電圧も低くすることができる。膜厚が薄すぎると情報記録部のコントラストが低く、また、厚すぎると動作電圧が高くなるので好ましくない。
【0061】
また、液晶記録層中に添加される二色性色素は紫外線により分解し機能が失われることもあるので紫外線吸収層を液晶記録層上に形成することで二色性色素の分解を抑制することも可能である。紫外線吸収層は有機系紫外線吸収剤または無機系紫外線吸収剤と高分子物質からなり、有機系紫外線吸収剤または無機系紫外線吸収剤を同時に用いてもよい。有機系紫外線吸収剤はベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、修酸アニリド系、シアノアクリレート系、トリアジン系のいずれでも良く、液体でも固体のものでもよい。例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-5-スルホベンゾフェノン、2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-tert-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3'.,5'-ジ-tert-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3'-tert-ブチル-5'-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3',5'-ジ-tert-ブチルブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3',5'-ジ-tert-アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-{2'-ヒドロキシ-3'-(3",4",5",6"-テトラヒドロフタルイミドメチル)-5'-メチルフェニル}ベンゾトリアゾール、2,2-メチレンビス{4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノールなどがあり、無機系紫外線吸収剤粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムやこれらの粒子の表面を有機高分子で被覆したコア─シェル型粒子が挙げらるれる。
【0062】
また、有機系紫外線吸収剤としては高分子の側鎖に紫外線吸収能を有する分子を導入したもの、例えば(株)日本触媒製 ユーダブルUV、大塚化学(株)製 PUVA、一方社油脂工業(株)製 ULS-935LH、ULS-1935LH等が市販されている。これらの側鎖型高分子紫外線吸収剤はマイグレーションや染み出しがなく、長期間の使用に優れているため屋外使用用途には好ましい。
【0063】
また、紫外線吸収層に用いる高分子物質は、低分子または高分子紫外線吸収剤と相溶するものであれば良い。無機系紫外線吸収剤の場合、分散が可能であれば良く、分散剤を添加して分散性の改善をすることも可能である。
【0064】
保護層65は液晶記録層の保護を計るものであり、堅牢性に優れた作用を具備することが必要である。この保護層は、例えば、シリコン樹脂や分子中に重合性不飽和結合またはエポキシ基を有するプレポリマー、オリゴマー、および単量体等による混合樹脂組成物等によるコーティング剤により、通常、厚さ0.5〜10μm程度で形成される。保護層には紫外線吸収能を付加してもよく無機系紫外線吸収剤粒子を分散してもよい。
【0065】
【発明の効果】
本発明の書き換え可能な情報表示部を有する非接触ICカードは、ICカードの特性に影響を与えずに、不必要な情報を消去し、必要な情報を表示することが可能となり、定期券や入場券等に応用して効果のあるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】典型的な非接触ICカードの構成を示すための概略平面図である。
【図2】アルミ蒸着膜を上面に形成した非接触ICカードとカードリーダーとの関係を説明するための概略側面図である。
【図3】アルミ蒸着膜を下面に形成した非接触ICカードとカードリーダーとの関係を説明するための概略側面図である。
【図4】アルミ蒸着膜を全面に形成した非接触ICカードの概略平面図である。
【図5】アルミ蒸着膜をアンテナ部を避けてその内部全面に形成した非接触ICカードの概略平面図である。
【図6】長手方向に徐々に面積を変えてアルミ蒸着膜を形成した非接触ICカードの通信可能距離の測定結果をまとめて示す表1を示す図である。
【図7】長手方向に徐々に面積を変えてアルミ蒸着膜を形成した非接触ICカードの通信可能距離の測定結果をまとめて示すグラフを示す図である。
【図8】幅手方向に徐々に面積を変えてアルミ蒸着膜を形成した非接触ICカードの通信可能距離の測定結果をまとめて示す表2を示す図である。
【図9】幅手方向に徐々に面積を変えてアルミ蒸着膜を形成した非接触ICカードの通信可能距離の測定結果をまとめて示すグラフを示す図である。
【図10】幅手方向において半面で且つアンテナ部を避けてアルミ蒸着膜を形成した非接触ICカードを示す概略平面図である。
【図11】長手方向において半面で且つアンテナ部を避けてアルミ蒸着膜を形成した非接触ICカードを示す概略平面図である。
【図12】長手方向のアンテナ部を避けてアルミ蒸着膜を形成した非接触ICカードを示す概略平面図である。
【図13】幅手方向のアンテナ部を避けてアルミ蒸着膜を形成した非接触ICカードを示す概略平面図である。
【図14】長手方向において半面で且つアンテナ部を避けずにアルミ蒸着膜を形成した非接触ICカードを示す概略平面図である。
【図15】幅手方向において半面で且つアンテナ部を避けずにアルミ蒸着膜を形成した非接触ICカードを示す概略平面図である。
【図16】図10、図11、図5、図12および図13の非接触ICカードの通信可能距離を測定した結果をまとめて示す表3を示す図である。
【図17】本発明の一実施例としての導電性金属反射層を有する書き換え可能な情報表示部の面積をカード面積の50%以下にした非接触ICカードを示す概略平面図である。
【図18】図17の構成の非接触ICカードにおいて導電性金属反射層の面積を種々変えた場合における通信可能距離を測定した結果をまとめて示すグラフを示す図である。
【図19】アンテナ基板にICチップを実装したインレットシートを示す平面図である。
【図20】本発明の別の実施例としての非接触ICカードを示す概略平面図である。
【図21】本発明のさらに別の実施例としての非接触ICカードを示す概略平面図である。
【図22】本発明のさらに別の実施例の非接触ICカードを示す概略平面図である。
【図23】図22の非接触ICカードの情報表示部と同一面積の情報表示部をカード中心に配置した非接触ICカードを示す概略平面図である。
【図24】図22の非接触ICカードの通信距離測定結果と図23の非接触ICカードの通信距離測定結果とをまとめて示す表4を示す図である。
【図25】本発明の非接触ICカードの情報表示部として使用されうる液晶型可逆情報表示媒体の積層構造を模型的に示す断面図である。
【図26】図25の液晶型可逆情報表示媒体の液晶記録層の構成成分の相状態を示す図である。
【図27】液晶型可逆情報表示媒体の液晶記録層の構成成分の相状態を示す図である。
【図28】液晶型可逆情報表示媒体の液晶記録層の構成成分の相状態を示す図である。
【図29】光の透過、散乱を利用した表示媒体または高分子液晶を利用した表示媒体の断面図を模式的に示す図である。
【図30】非接触ICカードのアルミ蒸着膜等の金属反射層に流れる渦電流の影響について説明するための図である。
【符号の説明】
10 非接触ICカード
11カード基材
12 ICチップ
13 アンテナ
20 アルミ蒸着膜
30 カードリーダー
40 情報表示部
40A 情報表示領域
40B 情報表示領域
40C 情報表示部
41 接続部
Claims (6)
- ICチップ部に結合されたアンテナ部と、導電層または金属反射層を有する書き換え可能な情報表示部とを備えた非接触ICカードにおいて、該導電層または金属反射層の面積を該カードの面積の50%以下とし、
前記情報表示部は、高分子骨格の側鎖に屈曲性基を介して液晶性を発現できる分子を化学的に付与した側鎖型高分子液晶と、該側鎖型高分子液晶の側鎖部と類似骨格を有する低分子液晶と、二色性色素と、弗素系界面活性剤とを含む液晶性組成物からなる液晶記録層を有し、
前記液晶性組成物は、熱の印加により等方性液体状態または液晶ドメイン状態を示し、且つ熱と電界の印加によりホメオトロピック配向状態を示すものである
ことを特徴とする非接触ICカード。 - 前記アンテナ部は、該カードの周辺にそって延在するようにして形成されたアンテナコイルを備えており、前記導電層または金属反射層は、該カードの長辺方向または短辺方向の中心線を境界とするいずれか一方の面内に設けられる請求項1に記載の非接触ICカード。
- ICチップ部に結合されたアンテナ部と、
導電層または金属反射層を有する書き換え可能な情報表示部とを備えた非接触ICカードにおいて、前記導電層または金属反射層を2つ以上の領域に分割し、且つ該領域の各々の面積が該カードの面積の50%以下となるようにしたことを特徴とする非接触ICカード。 - 前記各領域は、接続部にて相互に接続されている請求項3に記載の非接触ICカード。
- 前記導電層または金属反射層は、前記アンテナ部と重ならない位置に形成された請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の非接触ICカード。
- 前記導電層または金属反射層は、前記ICチップ部と重ならない位置に形成された請求項1から5のうちのいずれか1項に記載の非接触ICカード。
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