JP4618920B2 - 熱処理装置用ヒータの結線方法及び熱処理装置 - Google Patents
熱処理装置用ヒータの結線方法及び熱処理装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱処理装置用ヒータの結線方法及び熱処理装置に関し、詳しくは、複数のヒータエレメントから構成されたヒータにより、被処理体、例えば、半導体ウエハを熱処理する熱処理装置に用いられる熱処理装置用ヒータの結線方法及び熱処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造工程においては、被処理体、例えば、半導体ウエハの成膜処理、酸化処理等の各種の処理を行うために、熱処理装置が用いられている。熱処理装置は、半導体ウエハを収容する反応室を囲むように、ヒータと断熱体とを有する加熱部材が設けられ、ヒータにより反応室を所定の温度に加熱して、半導体ウエハに各種の処理を行うものである。
【0003】
熱処理装置のヒータには、例えば、複数のヒータエレメントから構成されたものが用いられ、各ヒータエレメントは反応室を囲むように配置されている。このようなヒータエレメントとしては、例えば、すべてのヒータエレメントを並列に結線したものや、隣接する所定数のヒータエレメントを直列に接続した複数の回路を形成し、当該回路を並列に結線して配線構造を単純化したものが用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、複数のヒータエレメントから構成されたヒータでは、一部のヒータエレメントが断線すると、反応室内の一部のみが加熱されなくなり、反応室内を均一に加熱することができなくなってしまう。特に、隣接する所定数のヒータエレメントを直列に接続した複数の回路を形成した場合には、同じ回路を構成する隣接した複数のヒータエレメントも同時に加熱されなくなり、さらに、反応室内を均一に加熱することができなくなってしまう。このため、一部のヒータエレメントの断線により、被処理体を均一に熱処理することができなくなってしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、一部のヒータエレメントが断線しても、被処理体を均一に熱処理することができる熱処理装置用ヒータの結線方法及び熱処理装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の第1の観点にかかる熱処理装置用ヒータの結線方法は、被処理体を収容する反応室を覆うように設けられた断熱体と、前記断熱体と前記反応室との間に該反応室を囲むように設けられた複数のヒータエレメントから構成されたヒータとを備え、前記反応室内を加熱して、該反応室に収容された被処理体を熱処理する熱処理装置に用いられる熱処理装置用ヒータの結線方法であって、前記ヒータエレメントを、前記反応室の外周を等配するように、該反応室の周方向に均等に配置し、該均等に配置したヒータエレメントを直列に接続した回路を複数形成し、当該複数形成した回路を並列に結線する、ことを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、ヒータエレメントを反応室の外周を等配するように、反応室の周方向に均等に配置し、均等に配置したヒータエレメントを直列に接続した回路を複数形成し、複数形成した回路を並列に結線している。このため、一部のヒータエレメントが断線すると、断線したヒータエレメントが含まれる回路を構成するヒータエレメントが加熱されなくなる。この加熱されないヒータエレメントは、その周方向の均等な位置に設けられているので、これらのヒータエレメントが加熱しなくても、反応室内がほぼ均一に加熱される。したがって、一部のヒータエレメントが断線しても、被処理体が均一に熱処理される。
【0008】
前記ヒータエレメントの周方向に沿って所定数おきに配置されたヒータエレメントを直列に接続して複数の回路を形成することが好ましい。ヒータエレメントの周方向に沿って所定数おきに配置されたヒータエレメントを直列に接続して複数の回路を形成することにより、ヒータエレメントの周方向の均等な位置に設けられた所定数のヒータエレメントを直列に接続した複数の回路が形成される。
【0009】
前記回路を複数のグループに分け、各グループの回路を並列に結線することが好ましい。さらに、前記グループ分けした回路を構成するヒータエレメントのうち、各グループのヒータエレメントが、その周方向に沿って所定数おきに配置されるように、複数のグループに分けて結線することが好ましい。このように、回路を複数のグループに分けて結線することにより、一部のヒータエレメントが断線しても、反応室内がさらに均一に加熱される。このグループは独立して回路に電力を供給可能に配線することが好ましい。
【0010】
前記ヒータエレメントは、例えば、抵抗発熱体をセラミック中に封入した加熱部材が用いられる。そして、前記抵抗発熱体には炭素素材が用いられ、前記セラミックには石英が用いられる。
【0011】
この発明の第2の観点にかかる熱処理装置は、被処理体を収容する反応室を囲むように設けられた断熱体と、前記断熱体と前記反応室との間に該反応室を囲むように配置された複数のヒータエレメントから構成されたヒータとを備え、前記反応室内を加熱して、該反応室に収容された被処理体を熱処理する熱処理装置であって、前記ヒータエレメントは、前記反応室の外周を等配するように、該反応室の周方向に均等に配置され、該均等に配置されたヒータエレメントが直列に接続された回路が複数形成され、当該複数形成された回路は並列に結線されている、ことを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、ヒータエレメントは、反応室の外周を等配するように、反応室の周方向に均等に配置され、均等に配置されたヒータエレメントが直列に接続された回路が複数形成され、当該複数形成された回路は並列に結線されているので、一部のヒータエレメントが断線しても、反応室内をほぼ均一に加熱でき、被処理体を均一に熱処理することができる。
【0013】
前記回路は、前記ヒータエレメントの周方向に沿って所定数おきに配置されたヒータエレメントに直列に接続されていることが好ましい。この場合、ヒータエレメントの周方向の均等な位置に設けられた所定数のヒータエレメントを直列に接続した複数の回路が形成される。
【0014】
前記回路は複数のグループに分けられ、各グループの回路は並列に結線されていることが好ましい。さらに、前記グループは、各グループのヒータエレメントが、その周方向に沿って所定数おきに配置されるように分けられていることが好ましい。この場合、一部のヒータエレメントが断線しても、反応室内がさらに均一に加熱される。前記各グループは、独立して回路に電力を供給可能に配線されていることが好ましい。
【0015】
前記ヒータエレメントとしては、例えば、抵抗発熱体をセラミック中に封入した加熱部材がある。前記抵抗発熱体としては、例えば、炭素素材があり、前記セラミックとしては、例えば、石英がある。
【0016】
前記被処理体を回転可能な回転機構をさらに備えることが好ましい。この場合、熱処理中に回転機構により被処理体を回転させることができ、被処理体をさらに均一に熱処理することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態にかかる熱処理装置用ヒータの結線方法及び熱処理装置について、図1に示すバッチ式縦型熱処理装置を用いた場合を例に説明する。
【0018】
図1に示すように、熱処理装置1は、長手方向が垂直方向に向けられた略円筒状の反応管2を備えている。反応管2は、内管3と、内管3を覆うとともに内管3と所定の間隔を有するように形成された有天井の外管4とから構成された二重管構造を有する。内管3及び外管4は、耐熱材料、例えば、石英により形成されている。
【0019】
外管4の下方には、筒状に形成されたステンレス鋼(SUS)からなるマニホールド5が配置されている。マニホールド5は、外管4の下端と気密に接続されている。また、内管3は、マニホールド5の内壁から突出するとともに、マニホールド5と一体に形成された支持リング6に支持されている。
【0020】
マニホールド5の下方には蓋体7が配置され、ボートエレベータ8により蓋体7は上下動可能に構成されている。そして、ボートエレベータ8により蓋体7が上昇すると、マニホールド5の下方側が閉鎖される。
【0021】
蓋体7には、蓋体7を貫通するとともに、モータMにより回転する回転軸9が形成されている。回転軸9上には、回転可能なターンテーブル10が形成されている。ターンテーブル10上には、保温ユニット11を介して、例えば、石英からなるウエハボート12が載置されている。ウエハボート12には、被処理体、例えば、半導体ウエハWが垂直方向に所定の間隔をおいて複数枚収容される。そして、モータMにより回転軸9が回転することによりターンテーブル10、保温ユニット11を介してウエハボート12が回転され、ウエハボート12の回転により半導体ウエハWが回転される。
【0022】
マニホールド5の側面には、複数の処理ガス導入管13が挿通されている。なお、図1では処理ガス導入管13を一つだけ描いている。処理ガス導入管13は内管3内を臨むように配設されている。例えば、図1に示すように、支持リング6より下方(内管3の下方)のマニホールド5の側面から処理ガス導入管13が挿通され、処理ガス導入管13の先端が内管3(上方)に向けて曲折りされている。そして、図示しないガス供給源から供給された処理ガスが処理ガス導入管13を通って内管3内に導入される。
【0023】
また、マニホールド5の側面には排気管14が接続されている。排気管14は支持リング6より上方に接続され、反応管2内の内管3と外管4との間に形成された空間に連通する。そして、反応管2内の排ガスが、内管3と外管4との間の空間、排気管14を通って熱処理装置1外に排出される。また、排気管14は、図示しない真空ポンプ等からなる排気ユニットに接続され、排気ユニットにより反応管2内の圧力が所定の圧力に設定される。
【0024】
反応管2の周囲には、反応管2を覆うように、ステンレス鋼(SUS)からなる断熱体15が設けられている。断熱体15は、反応管2より大径の有天井の筒状に形成されている。なお、断熱体15の内部には、図示しない冷媒流路としての冷却水路が設けられ、冷却水路に冷却水を供給することにより、放熱を防止することができる。
【0025】
反応管2と断熱体15との間には、ヒータとしてのヒータエレメント16が複数個配置されている。図2にヒータエレメント16の配置例を示す。図2に示すように、各ヒータエレメント16は、反応管2を囲むように配置されている。また、各ヒータエレメント16は、反応管2の外周面から一定の間隔を有するように配置されている。さらに、各ヒータエレメント16は、反応管2の外周を等配するように配置されている。
【0026】
図3にヒータエレメント16の概略図を示す。図3に示すように、ヒータエレメント16は、抵抗発熱体16aと、封止部材16bとを備えている。抵抗発熱体16aは、例えば、線状で可撓性のある高純度のカーボンワイヤから構成されている。このカーボンワイヤは、例えば、線径10μm前後のカーボン部材であるカーボンファイバーの複数の束を編み込むことにより形成される。封止部材16bはセラミックからなり、抵抗発熱体16aを封止する。本実施の形態では、カーボンワイヤを、外径が十数mmの透明な石英管の中に封入している。抵抗発熱体16aの両端は、電極部材17に接続されている。電極部材17は、その端部が封止部材16bに封止され、この電極部材17を介して抵抗発熱体16aが封止部材16bに封入されている。
【0027】
電極部材17は外部のケーブル18に接続されている。図4に、ヒータエレメント16とケーブル18との接続状態を示す。図4に示すように、ヒータエレメント16に接続された電極部材17は、ケーブル18の芯線18aに接続されている。電極部材17と芯線18aとは、例えば、ロウ付けまたは圧着により接続されている。そして、各ヒータエレメント16に接続されたケーブル18が電源19に接続され、電源19からケーブル18、電極部材17を介して抵抗発熱体16aに電力が供給され、ヒータエレメント16が加熱される。
【0028】
本実施の形態では、ヒータは、60個のヒータエレメント16から構成され、20個のヒータエレメント16からなる3つのグループに分けられている。各グループは5つの回路に分けて並列に接続されている。このため、本実施の形態では、15個の回路が並列に接続されている。そして、各回路は、4個のヒータエレメント16が直列に接続されている。以下、ヒータエレメント16の結線方法について説明する。図5にヒータエレメント16が熱処理装置1に配置された状態を示し、図6〜図8に各グループのヒータエレメント16が直列に接続された回路図を示す。図6は、第1グループのヒータエレメントの回路図を示し、図7は、第2グループのヒータエレメントの回路図を示し、図8は、第3グループのヒータエレメントの回路図を示している。
【0029】
図6に示すように、第1グループの回路(1)は、ヒータエレメント(H−1)、ヒータエレメント(H−16)、ヒータエレメント(H−31)、ヒータエレメント(H−46)が直列に接続されている。また、第1グループの回路(2)は、ヒータエレメント(H−4)、ヒータエレメント(H−19)、ヒータエレメント(H−34)、ヒータエレメント(H−49)が直列に接続されている。このように、各回路を構成するヒータエレメントは、ヒータエレメント16の周方向に沿って15個おきに配置された4個のヒータエレメント16から構成されている。この回路を構成する各ヒータエレメントは、図5に示すように、ヒータエレメント16が配置された円周上において、90度の角度を有する位置のヒータエレメント16から構成され、ヒータエレメント16の周方向の均等な位置に設けられた4つのヒータエレメント16から構成されている。第1グループの回路(3)、回路(4)、回路(5)も同様の関係を有する4つのヒータエレメント16から構成され、さらに、第2グループの回路(1)〜回路(5)、第3グループの回路(1)〜回路(5)も同様の関係を有する4つのヒータエレメント16から構成されている。
【0030】
また、図5及び図6に示すように、第1グループのヒータエレメントは、回路(1)のヒータエレメント(H−1)、回路(2)のヒータエレメント(H−4)、回路(3)のヒータエレメント(H−7)のように、ヒータエレメント16の周方向に沿って2個おきに配置された20個のヒータエレメント16から構成されている。図5及び図7に示すように、第2グループのヒータエレメントは、回路(1)のヒータエレメント(H−2)、回路(2)のヒータエレメント(H−5)、回路(3)のヒータエレメント(H−8)のように、ヒータエレメント16の周方向に沿って2個おきに配置された20個のヒータエレメント16から構成されている。図5及び図8に示すように、第3グループのヒータエレメントは、回路(1)のヒータエレメント(H−3)、回路(2)のヒータエレメント(H−6)、回路(3)のヒータエレメント(H−9)のように、ヒータエレメント16の周方向に沿って2個おきに配置された20個のヒータエレメント16から構成されている。このように、3つにグループ分けした回路を構成するヒータエレメント16が、ヒータエレメント16の周方向に沿って2個おき(均等)に配置されるように、3個のグループに分けて結線されている。各グループは電源19に並列に接続されている場合の他、各グループ毎に独立して電力を供給可能に配線してもよい。
【0031】
ボートエレベータ8、モータM、処理ガス導入管13、電源19には、図示しない制御部が接続されている。制御部は、マイクロプロセッサ、プロセスコントローラ等から構成され、熱処理装置1の各部の温度、圧力等を測定し、測定データに基づいて、上記各部に制御信号等を出力して、熱処理装置1の各部を制御する。
【0032】
次に、以上のように構成された熱処理装置1を用いて、半導体ウエハWの熱処理について説明する。
【0033】
まず、ボートエレベータ8により蓋体7が下げられた状態で、半導体ウエハWをウエハボート12に所定枚数収容する。次に、ボートエレベータ8を上昇させることにより、半導体ウエハWを反応管2(内管3)内にロードする。続いて、ヒータエレメント16により、反応管2内を所定の温度に昇温するとともに、排気管14に接続された図示しない排気ユニットにより反応管2内の圧力を所定の圧力に設定する。
【0034】
ここで、例えば、回路(1)のヒータエレメント(H−1)が断線した場合、、ヒータエレメント(H−1)が加熱されなくなるとともに、同じ回路(1)内のヒータエレメント(H−16)、ヒータエレメント(H−31)、ヒータエレメント(H−46)も加熱されなくなる。この状態を図9に示す。なお、図9中、ヒータエレメント(H−1)、ヒータエレメント(H−16)、ヒータエレメント(H−31)、ヒータエレメント(H−46)の位置が分かりやすいように塗りつぶしてある。
【0035】
図9に示すように、ヒータエレメント(H−1)、ヒータエレメント(H−16)、ヒータエレメント(H−31)、ヒータエレメント(H−46)は、ヒータエレメント16の周方向の均等な位置に設けられており、これらが加熱されなくとも反応管2内の温度はほぼ均一な状態に保つことができる。
【0036】
反応管2が所定の圧力及び温度で安定すると、処理ガス導入管13から処理ガスを供給して所定の熱処理を行う。また、熱処理中はモータMによりウエハボート12を回転させる。ここで、熱処理中にウエハボート12を回転させているので、半導体ウエハWをさらに均一に加熱することができ、半導体ウエハWを均一に熱処理することができる。そして、所定の熱処理が行われると、処理ガス導入管13からの処理ガスの供給を停止する。最後に、反応管2内を所定の温度に降温するとともに、反応管2内を常圧に戻し、ウエハボート12(半導体ウエハW)を反応管2からアンロードする。
【0037】
本発明の効果を確認するため、図9に示すように、図6に示した回路(1)に電力を供給しない状態、すなわち、ヒータエレメント(H−1)、ヒータエレメント(H−16)、ヒータエレメント(H−31)、ヒータエレメント(H−46)を加熱しない状態の反応管2内に半導体ウエハWを収容した後、半導体ウエハWを所定の温度に加熱し、この半導体ウエハWの温度を測定した。そして、すべてのヒータエレメント(H−1〜H−60)が加熱された状態の反応管2内で半導体ウエハWを所定の温度に加熱した場合の半導体ウエハWの温度と比較した。この結果、両方法により加熱された半導体ウエハWは、ほぼ同じ温度であり、両者の温度差は1℃未満であった。
【0038】
また、例えば、図6に示した回路(2)に電力を供給しない状態、すなわち、ヒータエレメント(H−4)、ヒータエレメント(H−19)、ヒータエレメント(H−34)、ヒータエレメント(H−49)を加熱しない状態の反応管2内で半導体ウエハWを所定の温度に加熱した場合のように、異なる回路が断線したことを想定したものについて、同様に、すべてのヒータエレメント(H−1〜H−60)が加熱された状態の反応管2内で半導体ウエハWを所定の温度に加熱した場合の半導体ウエハWの温度と比較した。この結果、半導体ウエハWは、ほぼ同じ温度であり、両者の温度差は1℃未満であった。
【0039】
このため、本発明のヒータの結線方法により結線されているヒータエレメント16を用いることにより、すべてのヒータエレメント(H−1〜H−60)が加熱された場合とほぼ同様に加熱できることを確認した。このように、一部のヒータエレメントが断線しても、半導体ウエハWを均一に熱処理できることが確認できた。
【0040】
さらに、この結果は、半導体ウエハWを回転させずに加熱した結果であり、熱処理中に半導体ウエハWを回転させることにより、さらに両者の温度差を小さくすることができる。
【0041】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ヒータエレメント16の周方向の均等な位置に設けられた4個のヒータエレメント16が直列に接続されているので、一部のヒータエレメントが断線しても反応管2内の温度はほぼ均一な状態に保つことができる。このため、一部のヒータエレメントが断線しても、半導体ウエハWを均一に熱処理することができる。
【0042】
本実施の形態によれば、各回路を構成するヒータエレメント16が、ヒータエレメント16の周方向に沿って2個おきに配置されるように、3つのグループに分けて結線しているので、一部のヒータエレメントが断線しても、半導体ウエハWをさらに均一に熱処理することができる。
【0043】
本実施の形態によれば、熱処理中にウエハボート12を回転させているので、半導体ウエハWをさらに均一に加熱することができ、半導体ウエハWをさらに均一に熱処理することができる。
【0044】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な他の実施の形態について説明する。
【0045】
上記実施の形態では、各回路を3つのグループに分けて結線した場合を例に本発明を説明したが、例えば、各回路をグループ分けせずにすべての回路を並列に接続してもよい。この場合にも、一部のヒータエレメントが断線しても、半導体ウエハWを均一に熱処理することができる。
【0046】
上記実施の形態では、ヒータが60個のヒータエレメント16から構成されている場合を例に本発明を説明したが、ヒータエレメント16の数はこれに限定されるものではなく、例えば、90個のヒータエレメント16から構成されていてもよい。このように、ヒータエレメント16が多いほど、本発明の結線方法により結線された熱処理装置1の反応管2内の温度は均一な状態に保つことができる。また、グループの数、回路数についても任意の数に分けることが可能である。
【0047】
図10に示すように、断熱体15の天井の下方側に、反応管2と対向するように、面状の第1サブヒータ20を設けてもよい。この場合、反応管2内の均一に加熱されにくい反応管2上部を所定の温度に加熱することができ、反応管2内をさらに均一に加熱することができる。このため、被処理体をさらに均一に熱処理することができる。また、断熱体15の下部にヒータエレメント16より短い第2サブヒータ21を設けてもよい。この場合、反応管2下部を所定の温度に加熱することができ、被処理体をさらに均一に熱処理することができる。
【0048】
上記実施の形態では、直管構造のヒータエレメント16の場合を例に本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、U字管であってもよい。
【0049】
上記実施の形態では、ヒータエレメント16の抵抗発熱体16aがカーボンワイヤから構成されている場合を例に本発明を説明したが、抵抗発熱体16aはカーボンワイヤ以外の線状で可撓性のある高純度の抵抗発熱体であってもよい。
【0050】
上記実施の形態では、断熱体15がステンレス鋼(SUS)から構成されている場合を例に本発明を説明したが、断熱体15にアルミナ、シリカ等により形成してもよく、断熱体15の内壁をアルミナ、シリカ等でコーティングしたものであってもよい。また、断熱体15の内部に冷却水路が設けられていなくてもよい。
【0051】
上記実施の形態では、排気管14がマニホールド5の側面に接続されている場合を例に本発明を説明したが、例えば、排気管14を反応管2の上部に接続した、いわゆる上引きの熱処理装置であってもよい。
【0052】
本実施の形態では、熱処理装置として、反応管2が内管3と外管4とから構成された二重管構造のバッチ式縦型熱処理装置の場合を例に本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、単管構造の熱処理装置に適用することも可能である。また、被処理体は半導体ウエハWに限定されるものではなく、例えばLCD用のガラス基板等にも適用することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、一部のヒータエレメントが断線しても、被処理体を均一に熱処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の熱処理装置の概略図である。
【図2】本発明の実施の形態のヒータエレメントの配置を示す模式図である。
【図3】本発明の実施の形態のヒータエレメントの模式図である。
【図4】本発明の実施の形態のヒータエレメントとケーブルとの接続状態を示す模式図である。
【図5】本発明の実施の形態のヒータエレメントの配置を示す模式図である。
【図6】本発明の実施の形態の第1グループのヒータエレメントの回路図である。
【図7】本発明の実施の形態の第2グループのヒータエレメントの回路図である。
【図8】本発明の実施の形態の第3グループのヒータエレメントの回路図である。
【図9】本発明の実施の形態のヒータエレメントの一部が断線した状態を示す図ある。
【図10】他の実施の形態の熱処理装置の概略図である。
【符号の説明】
1 熱処理装置
2 反応管
3 内管
4 外管
9 回転軸
10 ターンテーブル
15 断熱体
16 ヒータエレメント
18 ケーブル
H−1〜H−60 ヒータエレメント
M モータ
W 半導体ウエハ
Claims (15)
- 被処理体を収容する反応室を覆うように設けられた断熱体と、
前記断熱体と前記反応室との間に該反応室を囲むように設けられた複数のヒータエレメントから構成されたヒータとを備え、
前記反応室内を加熱して、該反応室に収容された被処理体を熱処理する熱処理装置に用いられる熱処理装置用ヒータの結線方法であって、
前記ヒータエレメントを、前記反応室の外周を等配するように、該反応室の周方向に均等に配置し、該均等に配置したヒータエレメントを直列に接続した回路を複数形成し、当該複数形成した回路を並列に結線する、ことを特徴とする熱処理装置用ヒータの結線方法。 - 前記ヒータエレメントの周方向に沿って所定数おきに配置されたヒータエレメントを直列に接続して複数の回路を形成する、ことを特徴とする請求項1に記載の熱処理装置用ヒータの結線方法。
- 前記回路を複数のグループに分け、各グループの回路を並列に結線する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の熱処理装置用ヒータの結線方法。
- 前記グループ分けした回路を構成するヒータエレメントのうち、各グループのヒータエレメントが、その周方向に沿って所定数おきに配置されるように、複数のグループに分けて結線する、ことを特徴とする請求項3に記載の熱処理装置用ヒータの結線方法。
- 前記各グループの回路に独立して電力を供給可能に配線する、ことを特徴とする請求項3または4に記載の熱処理装置用ヒータの結線方法。
- 前記ヒータエレメントに抵抗発熱体をセラミック中に封入した加熱部材を用いる、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の熱処理装置用ヒータの結線方法。
- 前記抵抗発熱体に炭素素材を用い、前記セラミックに石英を用いる、ことを特徴とする請求項6に記載の熱処理装置用ヒータの結線方法。
- 被処理体を収容する反応室を囲むように設けられた断熱体と、
前記断熱体と前記反応室との間に該反応室を囲むように配置された複数のヒータエレメントから構成されたヒータとを備え、
前記反応室内を加熱して、該反応室に収容された被処理体を熱処理する熱処理装置であって、
前記ヒータエレメントは、前記反応室の外周を等配するように、該反応室の周方向に均等に配置され、該均等に配置されたヒータエレメントが直列に接続された回路が複数形成され、当該複数形成された回路は並列に結線されている、ことを特徴とする熱処理装置。 - 前記回路は、前記ヒータエレメントの周方向に沿って所定数おきに配置されたヒータエレメントに直列に接続されている、ことを特徴とする請求項8に記載の熱処理装置。
- 前記回路は複数のグループに分けられ、各グループの回路は並列に結線されている、ことを特徴とする請求項8または9に記載の熱処理装置。
- 前記グループは、各グループのヒータエレメントが、その周方向に沿って所定数おきに配置されるように分けられている、ことを特徴とする請求項10に記載の熱処理装置。
- 前記各グループは、独立して回路に電力を供給可能に配線されている、ことを特徴とする請求項10または11に記載の熱処理装置。
- 前記ヒータエレメントは、抵抗発熱体をセラミック中に封入した加熱部材である、ことを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項に記載の熱処理装置。
- 前記抵抗発熱体は炭素素材であり、前記セラミックは石英である、ことを特徴とする請求項13に記載の熱処理装置。
- 前記被処理体を回転可能な回転機構をさらに備える、ことを特徴とする請求項8乃至14のいずれか1項に記載の熱処理装置。
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