JP4618426B2 - フラットディスプレイ用板ガラスの選別方法及び製造方法 - Google Patents

フラットディスプレイ用板ガラスの選別方法及び製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、フラットパネルディスプレイの構成部材として利用されるフラットパネルディスプレイ用板ガラスに関する。
フラットパネルディスプレイ装置は、液晶やプラズマ等の各種表示方式の進歩に伴い、その画質の向上と表示画面の拡大が急速に進んできた。このため、このような技術革新の中で、フラットパネルディスプレイを構成する板ガラスについても、種々の改良、改善が行われ、さらにそれを上回る高い要求が求められ続けてきた。フラットパネルディスプレイ用板ガラスに関わる技術として重要とされることは、電子部品としての機能を実現するために要求されるガラス材質の改良、そしてフラットパネルディスプレイの性能に大きく影響する外観品位の向上である。ガラス材質と外観品位は、互いに依存する部分もあるが、特に板ガラスの外観品位は、その透光面を通して動画や高精細な画像等を観察することになるため、高度な製品品位が要求されてきた。例えば液晶用途で利用される代表的なTFT用板ガラスであれば、その表面の傷や汚れは10000ルクスの照明下の目視検査で認められない品位が求められる。また板ガラスの反り、うねり等の表面精度に関しても、高い品位が求められる場合が多い。
このように、液晶用基板用途で利用される板ガラスは、高い表面精度が求められることから特許文献1にあるように板ガラス表面の研磨加工処理が施されてきたが、溶融ガラスから板ガラスを直接成形する各種技術の高度化によって、無研磨の板ガラスがそのまま利用されることが多くなった。そして、板ガラスの泡や異物等の内部欠陥についても特許文献2や特許文献3にあるように、板ガラスの材質や原料構成等を変更することによって大いに改善されてきている。
特開2000−127009号公報 特開2003−137591号公報 特開2004−91244号公報
これまでにフラットパネルディスプレイ用板ガラスに対して行われてきた改善は、ディスプレイの画質向上や高精細化といったフラットパネルディスプレイの性能が、わずかでも向上するようなものを採用するといった方針で行われてきた。そして、このような考え方に従い、板ガラスに求められる高い要求品位を実現するために多くの時間が費やされてきた。このため、フラットパネルディスプレイに使用される板ガラス品位は、板ガラスの特定の寸法や機能、そして清浄度等について、フラットパネルディスプレイとして必要充分な品位をはるかに越えたものとなる場合もあり、その一方でこのような過剰ともいえる品質がフラットパネルディスプレイ用板ガラスの市場への供給に不足をもたらす原因の一つともなっている。
例えば、TFT(薄膜トランジスタ)を使用する液晶ディスプレイの製造工程は、薄板の無アルカリガラス基板上にアモルファスシリコン、絶縁体、半導体等の各種の薄膜層を形成してパターン加工を施し、TFTや液晶駆動用の表示電極、配線を形成するTFT工程(TFTアレイ工程、基板プロセスともいう)、TFT基板とカラーフィルター基板を位置合わせして積層させ、その間隙に液晶を注入するパネル工程(セル工程ともいう)、パネル周辺に駆動IC等の集積半導体回路を接続してバックライトを配設するモジュール工程(実装プロセスともいう)等からなる。このような一連の工程のうち特にTFTアレイ工程は、LSIの基板材料として使用されるシリコン単結晶が利用された各種製造工程と類似するものがある。このため半導体の量産工程で基材として使用されるシリコン単結晶に求められるような品位を板ガラスに対しても求めるという安易な発想が生まれる。しかし、ディスプレイ用板ガラスとシリコン単結晶基板の決定的な違いは、その外形寸法の違い、すなわち容積の差であって、この違いに基づいて発生する帯電現象などの問題を克服し、1枚の板ガラスを要求品位に見合うまで、物理的な各種機能を付与し、表面精度や清浄度を向上させ、しかも各種の内部欠陥の要求品位をクリアしていくために要されるエネルギーは膨大なもので、過度な対応が必要となる。
フラットパネルディスプレイ用板ガラスの内部欠陥としては、泡、異物等があるが、現実には微小な内部欠陥がガラス中に存在する場合であっても、フラットパネルディスプレイの画像を遮るようなものや、フラットパネルディスプレイの素子を駆動するためにガラス基板上に形成された配線構造を断線させることによってフラットパネルディスプレイ装置が正常に動作しなくなるといった重大な問題の原因となるものでなければ、許容されるものも存在する。しかし、これまでは、許容可能か否かに関わらず、とにかく識別可能となる内部欠陥については、その全てを廃棄の対象とすることで、厳しい規格を満足できるものだけがフラットパネルディスプレイ用板ガラスの製品として供給されてきた。
そして一方ではこのような過度な品位を実現したため、板ガラスの製品歩留まりが著しく低下し、市場からの要求に応えるだけの大量の板ガラスを潤沢に供給することができないという問題が発生した。また、識別可能な欠陥を有する全ての板ガラスを廃棄するために行う検査や大量に発生する板ガラスの廃棄処理作業には、多大な労力を要し、製造に要する人的資産を効率的に運用するという観点からも支障の生じる状態であった。
本発明者は、係る事態に鑑み、各種のフラットパネルディスプレイ装置に用いられる板ガラスとして実使用上充分な機能と性能を有し、かつ、歩留まりの良いフラットパネルディスプレイ用板ガラス及びその選別方法並びに製造方法を提供することを課題とする。
すなわち、本発明のフラットパネルディスプレイ用板ガラスの選別方法は、可視光線に対して透過性を有する内部欠陥が存在する板ガラスの内部欠陥を検査し、良否を選別する方法であって、内部欠陥の最大寸法が30μm以上の板ガラスについて、内部欠陥の位置に対応する透光面一部領域の透光面に対する最大深さ又は最大高さが0.1μmを超える板ガラスを不良品とし、それ以外の板ガラスを良品として選別することを特徴とする。
板ガラスの内部欠陥としては、ガラスを高温に溶融し製造する際に発生する未溶解残留原料、溶融ガラスが滞留する耐火容器の炉壁等から発生する白金等の金属や耐火物等の難溶性異物、あるいはガラス化反応において原料等から発生する気体によって生じる泡、さらにノット、脈理等と呼称される異質組成を有するガラス等がある。本願発明で選別の対象とする板ガラスは、泡のような可視光線に対して透過性を有する内部欠陥が存在する板ガラスである。また、「内部欠陥」には、板ガラスの表面や端面等に存在するクラックや欠け、キズ等の表面損傷は含まれない。すなわち、本明細書で言う「内部欠陥」は、板ガラスの内部に存在する欠陥のみを意味する。
本発明者は、フラットパネルディスプレイ用途の板ガラスについて、長年に亘る研究の結果、板ガラスが画像表示装置であるフラットパネルディスプレイに搭載された状態で明瞭に識別されるような内部欠陥は、フラットパネルディスプレイの画素を遮るようなものであることを認識するに至った。このような内部欠陥は、1つの画素を全て遮るものではなくとも、その画素の輝度を大きく低減するような影響を及ぼす場合には問題となる。しかし、このような場合を除外すれば、内部欠陥は製品の性能を低減しないことになる。このような内部欠陥は板ガラスの状態での単純な目視検査によっては認識できない場合もある。
そして、板ガラス製造工程における不良品を調査していく中で、その内部欠陥の性状を特定し、いわゆる「製品性能を低減しない内部欠陥」のみとすることによって、従前は過度な品位で製造されていたフラットパネルディスプレイ用板ガラスを、顧客の要求する品位を充分に満足できるものとし、しかも板ガラスの製品歩留まりを向上させることが可能となることを本発明者は発見した。
すなわち、板ガラスの内部欠陥が、最大寸法30μm以上であり、その内部欠陥が複数の画素を遮るものであっても、内部欠陥そのものが屈折率、透過率についてガラスと同等と見なせるものである場合や、画素を遮らない場合等には、内部欠陥として認識されることはなくなる。そして、その場合には、板ガラスの状態での目視検査でも認識されない。一方、例えば液晶用途等の板ガラスの内部欠陥検査では、エッジライトを使用して、内部欠陥での散乱光を検出して検査を行う場合もあり、このように様々な方向からの光線を利用して検査を行う場合には、過度な検査を行っていることになりがちで、本来は製品の性能を低減しないような内部欠陥であっても、不良品とされてしまうことがある。しかし、本発明の選別方法で良否を判断するならば、例えば透過光での検査を行うことにより、本来の製品の使用状況に近い状態での評価を行うこととなり、製品性能を低減しないもののみを採用することが可能となる。
内部欠陥そのものが可視光線を透過する場合、光線を妨げるのは内部欠陥とガラスとの界面であり、板ガラス透光面側から観察すると曲線形状と認められる界面のみとなる。
そして、前記のような現象を調査する中で、30μm以上の寸法を有する内部欠陥が存在し、しかも内部欠陥個所に最も近い板ガラスの透光面一部領域が、内部欠陥に起因して凸形状に隆起している場合、あるいは凹状に窪んでいる場合には、ディスプレイとして組み立てられた後に、内部欠陥の認識率が高くなることを見いだした。そして、その透光面一部領域の凸形状の隆起や凹形状の窪み箇所について、その最大寸法(最大高さ、最大深さ)を接触、非接触式の表面粗さ計等のガラス表面検査方法によって計測すると、いずれも透光面に対して0.1μmを越えることが判明した。
すなわち、本発明のフラットパネルディスプレイ用板ガラスの選別方法は、可視光線に対して透過性を有する内部欠陥が存在し、内部欠陥の最大寸法30μm以上の板ガラスについて、その内部欠陥の位置に対応する(その内部欠陥に最も近い)透光面一部領域が、透光面に対して0.1μmを超える最大高さを有する凸形状の隆起になっている板ガラス、または、透光面に対して0.1μmを超える最大深さを有する凹形状の窪みになっている板ガラスを不良品とし、それ以外の板ガラスを良品として選別する。
さらに、上記の基準に加え、内部欠陥の位置に対応する透光面一部領域から該内部欠陥に至るまでの距離が0.01μm未満であることを、不良品の選別基準としても良い。
ここで、「内部欠陥の位置に対応する透光面一部領域から該内部欠陥に至るまでの距離」は、内部欠陥に最も近い透光面一部領域から透光面に対して垂直な方向に進んで内部欠陥に至るまでの最短距離(垂直最短距離)を意味している。
この透光面一部領域から内部欠陥に至る垂直最短距離は、板ガラスに存在する内部欠陥の性状や、板ガラスの組成、さらに板ガラスの成形方法等によっても影響を受けるが、上記垂直最短距離が大きい程、透光面一部領域の表面形状の変化に及ぼす影響は小さくなる。
ここで、上記の内部欠陥は例えば泡、すなわち何らかの気体を含む気泡あるいは何も気体を含まない真空気泡である。何らかの気体を含む気泡の場合、その気体の種類としては、酸素、二酸化炭素、一酸化炭素、ノックス(NOX)、窒素、塩素、ブロム、水素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノン、水蒸気、ソックス(SOX)、亜硫酸ガス等がある。また、真空気泡である場合には、気泡内壁に気泡生成時の成分が何らかの状態で固体として析出したものとなっている場合がある。
上記の内部欠陥を構成する泡は、その泡表面の形態が曲率半径に変動の少ない球形状に近い形状のもの、一方向に伸張した形状となるもの、さらに一方向に伸張しつつその伸張方向に垂直な断面が扁平状態となっているもの、多様な形態のものがある。ただ、ディスプレイに表示された画像について、隣り合った画素に同じ小さい曲率の泡の外表面位置が重なるような状態となるよりも、隣り合った画素に重なる泡外表面の曲率の大きさは、異なるものである方がよく、このような観点からは、泡表面の形態は球形状に近いものよりも、一方向に伸張した形態であるものの方が好ましい。
泡のような内部欠陥は、可視光に対して透過性を有するものである。
また、本発明で対象とするフラットパネルディスプレイ用板ガラスは、その両面に透光面を有し、透光面は、両面合計で20×105mm2以上の面積を有することが好ましい。より好ましい形態は、片面の透光面が、それぞれ、10×105mm2以上の面積を有するものである。
このような面積を有する板ガラスとしては、例えば1000mm×1200mm、1100mm×1250mm、1370mm×1670mm、1500mm×1800mmといったような透光面の縦横寸法を有する板ガラスが該当する。この板ガラスの厚み寸法は、0.7mm以下であることが好ましい。
また、本発明で対象とするフラットパネルディスプレイ用板ガラスは、例えば、親板ガラスから2枚以上に分割されて作製されたものである。親板ガラスは、元板、マザーガラス、母材等とも呼称される。
親板ガラスの寸法については、特に限定されるものではない。また、この親板ガラス1枚から製造されるディスプレイデバイスの寸法や品種等についても特に限定はされない。従って、1枚の親板ガラスから異なる寸法のディスプレイデバイスを製造してもよいし、また同じ寸法を有するディスプレイデバイスを製造してもよい。
本発明で対象とするフラットパネルディスプレイ用板ガラスは、液晶表示装置に好適である。
液晶素子の違いや画像表示方式の違い等には関係なく、例えば、液晶としてネマティック液晶、スメクティック液晶、コレステリック液晶等の種別には関係なく用いることができ、画像表示方式についてもSTNやTFT等の違いによらず用いることができる。
また、本発明で対象とするフラットパネルディスプレイ用板ガラスは、TFT表示装置にも好適である。
TFT表示装置は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor)方式による液晶表示ディスプレイであり、TFT表示装置であれば、半導体材料として多結晶Siを使用したものであれ、アモルファスSiを使用したものであれ用いることができる。
また、本発明で対象とするフラットパネルディスプレイ用板ガラスは、無機または有機ELディスプレイにも好適である。
ここで、無機または有機ELディスプレイは、電圧をかけると発光する無機または有機の物質をガラス基板に蒸着し、このような発光体を発光させることのできる電圧を印加することによって、低電圧印加での発光を可能とするディスプレイである。無機ELディスプレイとしては、硫化亜鉛等の発光体を使用したものがあり、また無機ELディスプレイとしては、ジアミン類等の発光体を使用したものがある。
また、本発明で対象とするフラットパネルディスプレイ用板ガラスは、フィールドエミッションディスプレイにも好適である。
ここで、フィールドエミッションディスプレイは、ディスプレイの表示原理が、ガラス基板上に微小な電極が画素と同じ数だけ格子状に並び、その各々の平面電子放出源(エミッター)から数mm離れて向かい合って配設されたガラス基板上の蛍光体に向けて電子を発射し、放出された電子が蛍光体に衝突することで発光するCRT(ブラウン管)と同様の原理による平面表示装置である。また電子放出源には様々な方式があるが、従来から開発されているスピント型と言われるタイプの他、近年ではSED(Surface−conduction Electron−emitter Display)などの新しいタイプがある。
そして、この用途でのフラットパネルディスプレイ用板ガラスは、フィールドエミッションディスプレイに使用される2枚の板ガラスの内、画像等の情報を透過し、フィールドエミッションディスプレイとして組み立てられた時に装置の前面を構成する板ガラスを対象とするものである。
また、本発明によって良品として選別されたフラットパネルディスプレイ用板ガラスは、内部欠陥を含む部分で波長450nm〜650nmの可視光線に対して90%以上の直線内部透過率を有することが好ましい。また、特に液晶ディスプレイに用いる板ガラスでは、内部欠陥を含む部分で波長400nm〜800nmの可視光線に対して90%以上の直線内部透過率を有することが望ましい。これは液晶ディスプレイがバックライトなどの外部光源の光を利用して表示するディスプレイであり、光の利用効率が低いことによる。
ここで、直線内部透過率は、例えば板ガラスを計測可能な20mm角の矩形形状に切断して試料片とし、ダブルビーム分光光度計のリファレンス側に薄膜状のリファレンスガラス(測定を行うフラットディスプレイ用板ガラスと同じ組成のガラス)を使用し、上記試料片の内部欠陥存が存在する箇所を含む1〜5mm角相当の板厚領域について、波長450.0nmから波長650.0nm、もしくは400から800nmの範囲の光を用いて走査速度0.3nm/secで測定して求めることができる。むろん、試料とする板ガラスは、その透光面に薄膜等の被覆処理がなされていないものを使用する。
また、本発明で対象とするフラットパネルディスプレイ用板ガラスは、SiO2 95質量%以下、Al23 5質量%以上を含有する珪酸塩ガラスであることが好ましい。
また、本発明で対象とするフラットパネルディスプレイ用板ガラスは、無アルカリガラスであることが好ましい。
ここで、無アルカリガラスとは、ガラス組成中のアルカリ金属元素であるナトリウム、カリウム、リチウムといった元素が酸化物換算で0.1質量%以下となるものである。本発明のフラットパネルディスプレイ用板ガラスは、その用途から必要とされるガラス組成を採用することが可能であり、例えば薄膜トランジスタ(TFT)で画素を駆動するTFT液晶ディスプレイでは、ガラス中に含有するアルカリ成分が液晶ディスプレイの機能を阻害する危険があり、板ガラスの組成としてアルカリ金属元素を含有しない組成、すなわち無アルカリガラス組成とすることで、所望の機能を実現することが可能となる。
本発明で対象とするフラットパネルディスプレイ用板ガラスは、上記に加え、アルカリ土類元素を酸化物換算で5質量%以上含有するものであることが好ましい。また、アルカリ土類金属元素の含有量はアルミナの含有量に対して10質量%以上低くないことが好ましい。このような組成とすることによって、ガラスの化学的な耐久性を維持することができるので、例えば液晶ディスプレイを製造する工程中で使用される酸、フッ酸、アルカリなどの様々な薬液に対して高い耐久性を持ち、また長時間の高湿度環境下等での使用においても支障の生じにくいガラス材質とすることが可能となる。
本発明で対象とするフラットパネルディスプレイ用板ガラスは、上記に加え、As23を0.1質量%以下含有することが好ましい。これは、環境上必要とされるものであって、板ガラスの利用環境や再利用等の処理工程において重要となるものである。
以上のような観点から、例えば本発明で対象とするフラットパネルディスプレイ用板ガラスは、質量%表示でSiO2 45〜75%、Al23 6〜20%、RO 7〜30%(RO=MgO+CaO+ZnO+SrO+BaO)といったような組成を有するガラス材質とすることが好適である。
また、本発明で対象とするフラットパネルディスプレイ用板ガラスは、高い透過率を実現するために、ガラス組成中のFe23やCr23といった遷移金属酸化物の含有量を低く抑えるのが好ましく、具体的には遷移金属酸化物を500ppm以下、より好ましくは300ppm以下、更に好ましくは200ppm以下の含有量とすることが好適である。
さらに、本発明で対象とするフラットパネルディスプレイ用板ガラスは、軽量であることが好ましいため、その密度は2.6g/cm3以下であることが好ましい。そして、外力に対する変形について注目すれば、そのヤング率を密度で除した値が28GPa/g・cm-3以上であることが好ましい。
また、本発明で対象とするフラットパネルディスプレイ用板ガラスは、延伸成形法によって作製されたものであることが好ましい。
ここで、延伸成形法とは、高温状態の溶融ガラスを所望の成形方法で成形する際にロール等の耐熱装置を介して延伸力をガラスに印加することによって、所定の表面精度、板厚、板面積を実現する方法である。延伸成形方法としては、例えば、スロットダウンドロー成形法、オーバーフローダウンドロー成形法、ロールアウト成形法、フロート成形法等がある。
また、本発明のフラットパネルディスプレイ用板ガラスの製造方法は、溶融ガラスを延伸成形法によって板状に成形して透光面を有する親板ガラスを得る成形工程と、前記親板ガラスの内部欠陥を検査する検査工程と、前記内部欠陥を検査した親板ガラスを切断して2枚以上の板ガラスを得る切断工程とを含み、前記検査工程で可視光線に対して透過性を有する内部欠陥が存在する板ガラスの前記内部欠陥を検査し、前記内部欠陥の最大寸法が30μm以上の板ガラスについて、前記内部欠陥の位置に対応する透光面一部領域の前記透光面に対する最大深さ又は最大高さが0.1μmを超える不良部分が検知された場合、前記切断工程で該不良部分を除外するように前記親板ガラスを切断することを特徴とする。
ここで、成形工程での延伸成形法は、前記したように、高温状態の溶融ガラスに延伸力を加えて熱間成形を行い、所望の板厚であって必要とされる機能を実現することのできる板ガラス形状へと成形する方法である。検査工程は、例えば、板ガラス中の内部欠陥位置のマッピング機能を併せ持ち、その内部欠陥の寸法等の情報をデジタル情報として記録することができる電子機器等を備えた装置を用いて実行することができ、あるいは、製造熟練者による目視検査等を活用することによるアナログ的な方法を採用して実行することができる。また、検査工程は、成形工程時の板ガラスについて実行しても良いし、成形工程後に室温まで冷却した板ガラスについて実行しても良い。
切断工程は、内部欠陥の最大寸法が30μm以上であり、かつ、内部欠陥の位置に対応する透光面一部領域の透光面に対する最大深さ又は最大高さが0.1μmを超える不良部分が検査工程で検知された場合、この検査工程から得られた情報に基づいて、該不良部分を除外するように親板ガラスを切断する工程である。例えば、切断工程は、検査工程で不良と検知された部分を避けて、必要とされる形状、寸法を満たす板ガラスを最も無駄なく多枚数得ることができるように、得るべき板ガラス面積に対応した複数領域を親板ガラスから選択し、この選択した複数領域の輪郭に沿って親板ガラスを切断することにより実行する。
上記の切断工程で、親板ガラスから所要枚数の板ガラスを切断すると、選択されなかった領域が親板ガラスに残る。この残りの親板ガラスはそのまま破棄することもできるが、ガラス材料の有効利用のため、この残りの親板ガラスからサイズの小さい板ガラスを得ることもできる。これは、上記の切断工程を繰り返すことによって実行することができる。すなわち、検査工程で不良と検知された部分を避けて、必要とされる形状、寸法を満たす板ガラスを最も無駄なく多枚数得ることができるように、得るべき板ガラス面積に対応した複数領域を残りの親板ガラスから選択し、この選択した複数領域の輪郭に沿って残りの親板ガラスを切断することによって、最初の板ガラスよりも小さいサイズの板ガラスを得ることができる。そして、この切断工程をさらに繰り返すと、より小さいサイズの板ガラスを得ることができる。尚、検査工程は、最初の板ガラスの製造工程でのみ実行し、その検知情報を後の繰り返し切断工程で用いても良いし、後の繰り返し切断工程で得られる板ガラスに固有の要求特性に応じて、内部欠陥に関する許容基準値を変えて、後の繰り返し切断工程を実行する前に、その都度実行しても良い。
切断工程における切断加工方法は、特に限定されず、例えば、メカニカルスクライブやレーザースクライブ等の方法を採用してもよく、またダイヤモンド砥石等を備えた切断装置や各種の切削加工機を使用してもよい。また、これらの複数の切断加工方法を併用してもよい。
成形工程での延伸成形法としては、オーバーフローダウンドロー法を採用することができる。
オーバーフローダウンドロー法は、溶融状態のガラスを耐熱製の樋構造物から溢れさせ、溢れた溶融ガラスを樋構造物より下方に延伸成形して板ガラスを製造する方法である。
ここで、樋構造物の構造や材質は、板ガラスの寸法や表面精度を所望の状態とし、フラットパネルディスプレイ用途で使用できる品位を実現することができるものであれば、特に限定されない。また、下方への延伸成形を行うために板ガラスに対してどのような方法で力を引加するものであってもよい。例えば、充分に大きい幅を有する耐熱製ロールを板ガラスに接触させた状態で回転させて延伸する方法を採用しても良いし、複数の対になった耐熱製ロールを板ガラスの端面近傍のみに接触させて延伸する方法を採用しても良い。
また、検査工程における親板ガラスの内部欠陥の検査は、可視光線、レーザー光線、電子線、超音波のいずれか1以上を親板ガラスに照射することにより行うことができる。
例えば、可視光線、レーザー光線、電子線、超音波のいずれか1以上を親板ガラスの一方の透光面に照射することで、その面から入射し、他方の透光面から射出する様にし、射出した光線または音波のエネルギー、あるいは散乱した光線を計測することで、内部欠陥を検知することができる。具体的には、射出又散乱した光線を受光する受光素子として固体撮像素子を用いることができる。尚、検査工程は、上記以外の検査方法の併用を妨げるものではない。また、検査工程は板ガラスの温度が室温以上で行うのが好ましい。また、検査工程は、内部欠陥の位置(分布)を板ガラスの面方向で特定するもの、面方向と板厚方向の双方向で特定するものであってもよく、さらに、面方向の位置決定方法と板厚方向の位置決定方法とで異なる決定方法を採用したものであってもよい。
本発明によれば、各種のフラットパネルディスプレイ装置に用いられる板ガラスとして実用上充分な機能と性能を有し、かつ、歩留まりの良いフラットパネルディスプレイ用板ガラスを提供することができる。
以下に本発明のフラットパネルディスプレイ用板ガラスの選別方法によって得られたフラットパネルディスプレイ用板ガラス、及びその製造方法について、実施例に基づいて説明する。
本実施例のフラットパネルディスプレイ用板ガラスの外観を図1に示す。また図2には、板ガラスの透光表面近傍についての拡大図を示す。本実施例のフラットパネルディスプレイ用板ガラス1は、1370mm×1670mmの透光面2を両面に有し、その板厚が0.7mmの矩形状の外観を有し、板ガラス1の反りが300mmの寸法に対して0.45mm以下であり、5mmから20mm以下の周期の凹凸として認められるうねりは0.2μmより小さく、面内の板厚公差が300mmの測定長に対して0.1mm以下である。また、稜線4には、0.2mmの面取り加工が施されている。この板ガラス1のガラス材質は酸化物換算の質量%表示で表すと、SiO2 60%、Al23 15%、B23 10%、RO(R=Mg+Ca+Sr+Ba+Zn) 14%、Sb23 1%の無アルカリガラス組成であって、アルカリ成分の含有量は酸化物換算で0.05%以下であり、この板ガラスの密度は2.49g/cm3である。また、この板ガラスの熱的な性質として歪点は、660℃、高温粘度102.5dPa・sに相当する温度は1570℃である。
この板ガラス1には、内部欠陥として最大寸法Lが120μmの気泡欠陥Kが1個、板ガラス1の端面3からの距離Wが20mm、一方の透光表面2から0.4mmの深さHの位置に、端面3と透光面2の両方に対して平行方向に伸張した様相で存在している。泡のガス組成は、二酸化炭素25質量%、窒素73質量%、酸素2質量%である。そして、この泡の存在する箇所の最近傍の板ガラス透光面(透光面一部領域)の表面性状を評価するために、レーザー計測装置によって透光面一部領域の凹凸についての計測を行ったところ、その透光面に対する最大高さTは0.01μmであって、問題のない状態にあることが判明した。
この板ガラス1は液晶用途や無機または有機ELディスプレイ用途で利用されるものであるが、この板ガラスの性能を評価するため、液晶パネルの製造ラインにて液晶パネルの製造工程を使用し、パネルを組み立てて評価を実施したところ、従来製品同様の評価結果となり、画像等の表示性能について問題の認められない品位であることが判明した。
そして、さらにこの板ガラスの内部欠陥存在箇所について、その透過率を評価するため、一旦パネルとして組み立てた板ガラスを解体し、内部欠陥に相当する箇所の周囲を含め1辺20mmの矩形状の板ガラス試料片を作成した。その試料片の内部欠陥存在箇所を含有する1〜5mm角相当の透光表面矩形領域について、波長450.0nmから波長650.0nmの範囲を、ダブルビーム分光光度計のリファレンス側に0.7mmの厚みのリファレンスガラスを使用し、走査速度0.3nm/secの計測条件で測定を行った。このリファレンスガラスにはFe23などの可視域の透過率を低下させる恐れがある不純物が極めて少ないものを用い、その内部透過率がほぼ100%であることをこのガラスの透過率と屈折率からあらかじめ確認した。その結果、波長450.0nmから波長650.0nmの波長範囲については、95%以上の透過率を示すものであることを確認することができた。
[比較例]
図3に、比較例である板ガラスの透光表面近傍の拡大図を示す。図3に示す比較例の板ガラス10も実施例と同様にフラットパネルディスプレイ用途のものであるが、図3に示すように、最大寸法が40μmの内部欠陥Kが1個、板ガラス10の端面からの距離W(図2参照)が40mm、一方の透光面2から0.008μmの深さHの位置に、端面3と透光面2の両方に対して平行方向に伸張した様相で存在している。そして、この板ガラス10の内部欠陥Kに対応する透光面一部領域の透光面に対する最大高さTを実施例と同様のレーザー計測装置によって同様の条件で計測すると、Tの値は0.3μmであった。
次いで、上記したような板ガラス1の選別方法と製造方法について説明する。まず、実施例1のガラス材質と同じ組成となるように予め均一に調合した所定のガラス原料を耐火構造よりなるガラス溶融炉内において、高温状態に加熱することによってガラス化し、溶融ガラス中の不均質部位を公知の均質化装置を使用して均質な状態とする。次いで、この溶融ガラスを延伸成形法の一種であるオーバーフローダウンドロー法により連続的に成形を行う工程に導入して、耐火性の樋構造物より溶融ガラスを溢れさせた後、耐熱性ローラーを備えた成形装置によって下方に延伸成形を行う。この後、成形された親板ガラスは、次のような選別方法によって、良品と不良品の選別を行う。まず、熟練検査者による検査工程において、熟練者の感応検査、可視光線の板ガラスへの照射による拡大画像の異物寸法計測、レーザー計測等を併用することによって親板ガラス中の内部欠陥個所のマッピングが行われ、親板ガラス中の内部欠陥位置と内部欠陥寸法の値がLANに接続された工程管理プログラムの情報端末装置に入力される。マッピング箇所は、予め碁盤の目状に区分けされたモニター中に異物種と異物サイズを入力していくことによって、異物位置を特定していくものである。この値は、次の加工工程においてどのような切断を行うかを決めるために利用される。
試験的におこなった際に得られた計測結果は、次のようなものであった。内部欠陥はいずれも気泡としての特徴を示すものであって、その計測値は、15枚の板ガラス1(1500mm×1800mm、0.7mm厚)について、最大泡径の寸法が120μmから300μmの範囲にあるもので、その個数は少ないもので2個、多いもので5個であった。また、いずれの内部欠陥についても、実施例1と同様の方法によって、この泡の存在する箇所についてその最近傍の板ガラス1の透光面2に関する表面性状を評価するために、レーザー計測装置によって透光面2の泡位置、すなわち内部欠陥位置を透光面に垂直投影した場合に、最短距離にある透光面位置について、その表面の凹凸の計測を行ったところ、いずれについても表面の凹凸に影響するものではなく、透光面2の表面の凹凸は0.01μm〜0.03μmであった。またこの透光面に対する内部欠陥箇所までの深さ、すなわち距離は、0.05μmから1.8μmまでの範囲に全体数の6割が存在しており、残りの4割は1.8μmより深い位置に存在していた。こうしていずれの内部欠陥についても、その深さは、本発明のフラットパネルディスプレイ用板ガラスとして支障のないものであることが判明した。
そして、マーキングデータと対応する工程管理番号を付与された母材である親板ガラスは、加工工程において、マーキングデータの情報に基づいて、スクライブ−分断および端面加工によって精密切断され、1枚の親板ガラスから20インチのa−Si(アモルファス(非晶質)シリコン)・TFT−LCDとして利用されるフラットパネルディスプレイ用板ガラス1として、15面の板ガラス1が得られた。このとき、マーキングデータの情報に基づいての切断が行われたため、板ガラス1の内部欠陥数は内部欠陥箇所が複数の板ガラス1に均等に分散されたものとなり、結果として1枚の板ガラス1に存在する内部欠陥数は偏りのないものとなっていた。
こうして最終工程で異物付着等を除去するための洗浄を行い、複数の板ガラス1を1つのラック中に集積積層状態に保持できる梱包箱内に収納して、パネル組み立てメーカーに搬送されて20インチの液晶パネルとして組み立てられた。このような一連の工程によって製造された液晶表示パネルをパネル組み立てメーカーで評価したところ、従来のパネルと遜色なく使用することのできる製品となっていることが判明した。
さらに、フィールドエミッションディスプレイの装置前面ガラス板として使用することができるSiO2 95質量%以下、Al23 5質量%以上の組成を有するガラス材質について、実施例2と類似した方法によって薄板ガラスの切断を行い、評価を行った。次いでその選別方法、製造方法及びその結果について示す。
酸化物換算の質量%表記でSiO2 50〜65%、Al23 2〜15%、MgO 0〜4%、CaO 0〜2.9%、SrO 2〜13%、BaO 2〜13%、MgO+CaO+SrO+BaO 17〜27%、Li2O 0〜1%、Na2O 2〜10%、K2O 2〜13%、Li2O+Na2O+K2O 7〜15%、ZrO2 1〜9%、TiO2 0〜5%に該当する組成となるように、予め均一に調合した所定のガラス原料を耐火構造よりなるガラス溶融槽内において、高温状態に加熱することによってガラス化し、溶融ガラス中の不均質部位を公知の均質化装置を使用して均質な状態とする。
次いで、この溶融ガラスを連続的にスズ浴を備えた加熱炉を有する設備を使用し、フロート法により成形を行う工程に導入して、耐熱性ローラーで延伸成形を行う。この後、成形された親板ガラスは、熟練検査者による選別方法やレーザー計測等を採用し、検査工程において前記したと同様の検査を行い板ガラスの良否判定が行われ、親板ガラス中の内部欠陥個所のマッピングを行い、所定のデータとして情報端末に保存される。そしてこの値は、次の加工工程においてどのような切断を行うかを決定するため使用される。
このような検査工程で得られた計測結果は、以下のようなものであった。まず内部欠陥種として泡欠陥の存在を認めた。また、試験を行ったのは、親板ガラスから6枚のフィールドエミッションディスプレイ用板ガラスを採取するような品種であったが、1枚の板ガラス中に存在する内部欠陥は、最大泡径の寸法が300μmから500μmの範囲にあり、その個数は少ないもので1個、多いもので15個であった。また、いずれの内部欠陥についても、実施例1、実施例2と同様の方法によって、この泡の存在する箇所について、その最近傍の板ガラス1の透光面2の表面性状を評価するために、レーザー計測装置によって透光面2の表面の凹凸についての計測を行ったところ、いずれについても表面の凹凸に影響するものではなく、透光面2の表面の凹凸は0.01μm〜0.04μmであった。またこの内部欠陥箇所までの透光面に対する深さ、すなわち距離は、0.03μmから2.1μmまでの範囲に全体数の3割が存在しており、残りの7割は2.1μmより深い位置に存在していた。こうしていずれの内部欠陥についても、その深さは、本発明のフラットパネルディスプレイ用板ガラスとして支障のないものであることが判明した。
次いでマーキングデータと対応する親板ガラスは、加工工程でマーキングデータの情報に基づき、公知の所定の加工方法によって精密切断され、1枚の親板ガラスから前述したように6枚のフィールドエミッションディスプレイ用板ガラス1が得られた。また、マーキングデータの情報に基づいての切断が行われ、板ガラス1の内部欠陥数は内部欠陥箇所が複数の板ガラス1にほぼ均等に分散されたものとなっていた。
こうして最終工程で異物付着等を除去するための洗浄をおこない、複数の板ガラス1を1つのラック中に集積積層状態に保持できる梱包箱内に収納し、パネル組み立てメーカーに搬送されてフィールドエミッションディスプレイパネルとして組み立てられた。このような一連の工程によって製造されたフィールドエミッションディスプレイパネルをパネル組み立てメーカーで評価したところ、従来のパネルと遜色なく使用することのできる製品となっていることが判明した。
以上のように、本発明のフラットパネルディスプレイ用板ガラスに関する技術は、非常に応用範囲の広いものであって、フラットパネルディスプレイ用途以外にも、画像入力装置を構成する固体撮像素子用のカバーガラスの製造方法やEL表示窓の加工技術への応用も可能なものである。また、本発明の製造方法は、画像表示用途ばかりでなく、耐熱製板ガラスや放射性遮蔽用途の板ガラス等の加工技術へも採用することが可能なものである。
実施例に係るフラットパネルディスプレイ用板ガラスを示す斜視図である。 フラットパネルディスプレイ用板ガラスの透光面近傍の説明図であり、図2(A)は部分斜視図、図2(B)は部分断面図を表す。 比較例に係るフラットパネルディスプレイ用板ガラスの透光面近傍の部分断面図である。
符号の説明
1、10 フラットパネルディスプレイ用板ガラス
2 透光面
3 端面
4 稜線
K 内部欠陥
L 最大寸法
H 透光表面から内部欠陥までの距離
T 内部欠陥に対応する透光面一部領域の透光面に対する最大高さ
W 端面から内部欠陥までの距離

Claims (5)

  1. 可視光線に対して透過性を有する内部欠陥が存在する板ガラスの前記内部欠陥を検査し、良否を選別する方法であって、
    前記内部欠陥の最大寸法が30μm以上の板ガラスについて、前記内部欠陥の位置に対応する透光面一部領域の透光面に対する最大深さ又は最大高さが0.1μmを超える板ガラスを不良品とし、それ以外の板ガラスを良品として選別することを特徴とするフラットパネルディスプレイ用板ガラスの選別方法。
  2. 溶融ガラスを延伸成形法によって板状に成形して透光面を有する親板ガラスを得る成形工程と、前記親板ガラスの内部欠陥を検査する検査工程と、前記内部欠陥を検査した親板ガラスを切断して2枚以上の板ガラスを得る切断工程とを含み、
    前記検査工程で可視光線に対して透過性を有する内部欠陥が存在する板ガラスの前記内部欠陥を検査し、前記内部欠陥の最大寸法が30μm以上の板ガラスについて、前記内部欠陥の位置に対応する透光面一部領域の前記透光面に対する最大深さ又は最大高さが0.1μmを超える不良部分が検知された場合、前記切断工程で該不良部分を除外するように前記親板ガラスを切断することを特徴とするフラットパネルディスプレイ用板ガラスの製造方法。
  3. 前記延伸成形法がオーバーフローダウンドロー法であることを特徴とする請求項に記載のフラットパネルディスプレイ用板ガラスの製造方法。
  4. 前記検査工程は、可視光線、レーザー光線、電子線、超音波のいずれか1以上を前記親板ガラスに照射することにより行うことを特徴とする請求項に記載のフラットパネルディスプレイ用板ガラスの製造方法。
  5. 前記切断工程を経て残った親板ガラスに対して、前記切断工程を少なくとも1回繰り返して、より小さいサイズの板ガラスを得ることを特徴とする請求項に記載のフラットパネルディスプレイ用板ガラスの製造方法。
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