JP4617254B2 - 残存錫めっき層の測定方法およびフレキシブルプリント配線基板端子部或いはフレキシブルフラットケーブル端子部の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コネクタと嵌合して使用するフレキシブルプリント配線基板或いはフレキシブルフラットケーブル端子部の残存錫或いは鉛を含まない錫合金めっき層の厚さの測定方法、またこの測定方法を用いて製造した、ウイスカーの発生が殆どなく接触抵抗に優れたフレキシブルプリント配線基板およびフレキシブルフラットケーブルの端子部に関するものである。
電子機器等に用いられるフレキシブルプリント配線基板(以下FPC)やフレキシブルフラットケーブル(以下FFC)は、多くが銅や銅合金を配線として使用している。そして、これ等を他の配線基板等と電気的に接続する場合にコネクタ接続も多く行われている。このようなコネクタ接続する場合には、配線とコネクタの接触抵抗を低くして導通不良をなくすために、銅配線端子に表面処理が通常行われている。例えば、金、錫−鉛合金等による電解めっき処理である。しかしながら、金めっきはコスト的に高くなる問題があり、また鉛を含む合金によるめっき処理では、鉛が溶出して環境を汚染する問題が指摘されており、鉛フリー化も望まれている。このために、純錫めっきや鉛を含まない錫合金系のめっきが検討されている。しかし純錫めっきや鉛を含まない錫合金めっきの場合には、銅配線端子部をコネクタと嵌合して使用すると、コネクタのピンによって押付けられた箇所の周辺のめっき皮膜から、ウイスカーと称する髭状の結晶が急速に発生してくることが確認されている。このような現象は、純錫めっきや鉛を含まない錫系合金めっきに於いて顕著であることも判ってきた。さらに実験によると、めっき皮膜を塑性変形させた後にも一定以上の圧力が係っている時に起こる現象であることが確認された。このようなウイスカーの成長は、銅配線間等での短絡を生じて電子機器等のトラブルに繋がり好ましくない。
このため、ウイスカー等の問題を解決する技術が特許文献1に見られる。すなわち、少なくとも表面がCuまたはCu合金からなる基体表面に、CuSn(ε相)とCuSn(η相)とがこの順序で積層されてなる中間層を介して、いずれもCu含有量が0.1〜3重量%である厚み1〜20μmの含CuSn層または含CuSn合金層が形成されており、この材料は、いずれもCuイオンを0.2〜50ppm含有するSnめっき浴またはSn合金めっき浴の中で、少なくとも表面がCuまたはCu合金からなる基体に電気めっきを行って製造されるとしている。そしてウイスカーの発生防止はリフロー処理することによって略防止できるとしているが、前記リフロー処理のみでは、自然発生するウイスカーに対しては抑制効果が見られるが、コネクタ嵌合によって発生するウイスカーに対しては、必ずしも十分に効果があるとは言えないことが判ってきた。また、特許文献2には、銅または銅合金の微細パターン上にスズメッキを施す場合にショートの原因になるスズメッキホイスカーを抑制する方法が開示されている。すなわち、銅または銅合金の微細パターン上にスズメッキを施すに際し、まず厚さ0.15μm以上のスズメッキを施し、ついで加熱処理して該純スズ層を全て銅素地とのCu−Sn拡散層とし、その上にスズメッキを施し、純スズメッキ層を0.15〜0.8μmとするスズメッキホイスカーの抑制方法である。しかしながら、この抑制方法ではスズメッキ工程を2回行うことになるので、工程が複雑になると共に製造コスト等が問題となる。そこで、これ等の問題点を解決する技術が求められていた。このため、本発明者等により残存錫或いは鉛を含まない錫合金めっき層の厚さの検討がなされ、コネクタと嵌合されるFPC或いはFFCの端子部に於いては、熱処理された後の銅或いは銅合金配線上形成された残存錫或いは鉛を含まない錫合金のめっき層の厚さは0.2〜1.6μm程度とすることが良いことが判った。しかしながら、前記残存錫或いは鉛を含まない錫合金めっき層の厚さの測定は電子顕微鏡等によって測定できるが、測定のための試料造り等に大変な手間が係る問題があった。そこで、比較的簡単な残存錫或いは鉛を含まない錫合金めっき層の厚さの測定方法を検討した。
特開平11−343594号公報 特許第3014814号公報
よって本発明が解決しようとする課題は、コネクタと嵌合して使用するフレキシブルプリント配線基板或いはフレキシブルフラットケーブル端子部の残存錫或いは鉛を含まない錫合金めっき層の厚さを、比較的簡単に求められる測定方法を提供すること。また、この測定方法を適用して製造することによって、ウイスカーの発生が殆どなく接触抵抗に優れたフレキシブルプリント配線基板およびフレキシブルフラットケーブルの端子部を提供することにある。
前記解決しようとする課題は、請求項1に記載されるように、コネクタと嵌合して使用するフレキシブルプリント配線基板端子部(以下、FPC端末部)或いはフレキシブルフラットケーブル端子部(以下、FFC端末部)の残存錫或いは鉛を含まない錫合金めっき層の厚さを求める測定方法であって、熱処理されることにより銅或いは銅合金配線上に純錫或いは鉛を含まない錫合金層と銅および錫を含む金属間化合物拡散層が形成されたフレキシブルプリント配線基板端子部或いはフレキシブルフラットケーブル端子部の錫付着量(測定値A)を測定し、ついで、前記純錫或いは鉛を含まない錫合金層を化学的または電気化学的に除去した後、錫付着量(測定値B)を測定し、つぎに、測定値Aから測定値Bを差引くことによって溶解除去された純錫或いは鉛を含まない錫合金量を求め、この溶解除去された純錫或いは鉛を含まない錫合金量を純錫層の厚さに換算して、熱処理後の残存錫或いは鉛を含まない錫合金めっき層の厚さを求めるFPC端子部或いはFFC端子部の残存錫めっき層の厚さの測定方法とすることによって、解決される。
また、請求項2に記載されるように、コネクタと嵌合して使用するFPC端子部或いはFFC端子部の残存錫或いは鉛を含まない錫合金めっき層の厚さの測定方法を用いたフレキシブルプリント配線基板端子部或いはフレキシブルフラットケーブル端子部の製造方法であって、熱処理されることにより銅或いは銅合金配線上に純錫或いは鉛を含まない錫合金層と銅および錫を含む金属間化合物拡散層が形成されたFPC端子部或いはFFC端子部の錫付着量(測定値A)を測定し、ついで、前記純錫或いは鉛を含まない錫合金層を化学的または電気化学的に除去した後、錫付着量(測定値B)を測定し、つぎに、測定値Aから測定値Bを差引くことによって溶解除去された錫或いは鉛を含まない錫合金量を求め、この溶解除去された錫或いは鉛を含まない錫合金量を純錫層の厚さに換算して求めた熱処理後の残存錫或いは鉛を含まない錫合金めっき層の厚さ、0.2〜1.6μmとしたことを特徴とするFPC端子部或いはFFC端子部の製造方法とすることによって、解決される。
以上のような本発明によれば、熱処理されることにより銅或いは銅合金配線上に純錫或いは鉛を含まない錫合金層と銅および錫を含む金属間化合物拡散層が形成されたFPC端子部或いはFFC端子部の錫付着量(測定値A)をまず測定し、ついで、前記純錫或いは鉛を含まない錫合金層を化学的または電気化学的に除去した後、錫付着量(測定値B)を測定し、つぎに、測定値Aから測定値Bを差引くことによって、溶解除去された純錫或いは鉛を含まない錫合金量を求め、この溶解除去された純錫或いは鉛を含まない錫合金量を純錫層の厚さに換算することによって、熱処理後の残存錫或いは鉛を含まない錫合金めっき層の厚さを求める、FPC端子部或いはFFC端子部の残存錫めっき層の厚さの測定方法としたので、比較的簡単に残存錫或いは鉛を含まない錫合金めっき層(以下、残存錫めっき層)の厚さを測定することができ、目的とする厚さの残存錫めっき層を管理することができる。また、このような測定方法とすることにより、製品の管理が十分に行われ品質向上に役立つことになる。
また、残存錫或いは鉛を含まない錫合金めっき層の厚さを0.2〜1.6μmのFPC端子部或いはFFC端子部としたので、ウイスカーの発生をより抑制することができる。得られたFPC端子部やFFC端子部は、発生したウイスカーの最大長を50μm以下とすることができ、コネクタと嵌合してもウイスカーによる短絡事故を生じることがない。また、前記端子部は接触抵抗が50mΩ未満のものであり、さらに、鉛による環境汚染の問題も生じない効果がある。
以下に本発明を詳細に説明する。請求項1に記載される発明は、コネクタと嵌合して使用するFPC端末部或いはFFC端末部の残存錫めっき層の厚さを求める測定方法であって、熱処理されることにより銅或いは銅合金配線上に純錫或いは鉛を含まない錫合金層と銅および錫を含む金属間化合物拡散層が形成されたFPC端子部或いはFFC端子部の錫付着量(測定値A)を測定し、ついで、前記純錫或いは鉛を含まない錫合金層を化学的または電気化学的に除去した後、錫付着量(測定値B)を測定し、つぎに、測定値Aから測定値Bを差引くことによって溶解除去された純錫或いは鉛を含まない錫合金量を求め、この溶解除去された純錫或いは鉛を含まない錫合金量を純錫層の厚さに換算して、熱処理後の残存錫めっき層の厚さを求める、FPC端子部或いはFFC端子部の残存錫めっき層の厚さの測定方法である。このような測定方法によれば、コネクタと嵌合して使用するFPC端子部或いはFFC端子部の残存錫めっき層の厚さを比較的簡単に求めることができ、また、この方法を用いることによって製品の管理を十分に行え品質向上に役立つことになる。
すなわち、コネクタと嵌合して使用するFPC端子部或いはFFC端子部の残存錫めっき層の厚さを求める測定方法として、まず、熱処理されることにより銅或いは銅合金配線上に純錫或いは鉛を含まない錫合金層と銅および錫を含む金属間化合物拡散層が形成された段階のFPC端子部或いはFFC端子部の錫付着量(測定値A)を測定する。この段階では、純錫層の錫付着量および銅および錫を含む金属間化合物拡散層中の錫付着量としての、錫の合計付着量(測定値A)が測定されることになる。ついで、前記純錫或いは鉛を含まない錫合金めっき層を化学的または電気化学的に除去した後の錫付着量(測定値B)を測定する。ここでは、銅および錫を含む金属間化合物拡散層中の錫が錫付着量(測定値B)として測定されることになる。そして、測定値Aから測定値Bを差引くことによって、前記溶解除去された純錫或いは鉛を含まない錫合金めっき層の錫付着量が求められ、この値を錫層の厚さに換算することによって、熱処理後の残存錫めっき層の厚さとするものである。このような計算ができるのは、錫付着量の測定を特定面積範囲で行うので厚さに換算できることになる。なお、前記測定値AおよびBをそれぞれの錫層の厚さに換算し、その差を残存錫めっき層の厚さとしても良い。例えば、蛍光X線膜厚計のような膜厚を直接表示できる測定器を使用することによって、残存錫層の厚さを直接測定できることになり便利である。そして、このように製品とされたFPCやFFC端子部の残存錫めっき層の厚さを、比較的簡単に測定することができるので製品管理に適用することができる。
また、前述の純錫或いは鉛を含まない錫合金層を化学的または電気化学的に除去する方法としては、極力銅および錫を含む金属間化合物拡散層に影響を与えない除去方法が適用される。これは、銅および錫を含む金属間化合物拡散層まで除去してしまうと、残存錫めっき層の厚さが厚く測定されることになり好ましくないためである。そのため、塩酸系の溶液に浸漬する方法、電解質溶液中で錫のみが溶解する電位より卑な電位領域でアノード溶解する方法が実用的である。具体的には、5mol/L(リットル)程度の塩酸水溶液等が使用される。
つぎに、請求項1に記載される、FPC端子部或いはFFC端子部の残存錫めっき層の厚さの測定方法を用いて製造したFPC端子部或いはFFC端子部について説明する。すなわち、請求項2に記載されるように、コネクタと嵌合して使用するFPC端子部或いはFFC端子部の残存錫めっき層の厚さを、熱処理されることにより銅或いは銅合金配線上に純錫或いは鉛を含まない錫合金層と銅および錫を含む金属間化合物拡散層が形成されたFPC端子部或いはFFC端子部の錫付着量(測定値A)を測定し、ついで、前記純錫或いは鉛を含まない錫合金層を化学的または電気化学的に除去した後、錫付着量(測定値B)を測定し、つぎに、測定値Aから測定値Bを差引くことによって溶解除去された錫或いは鉛を含まない錫合金量を求め、この溶解除去された錫或いは鉛を含まない錫合金量を純錫層の厚さに換算して求めた熱処理後の残存錫めっき層の厚さが、0.2〜1.6μmとなるようにしたFPC端子部或いはFFC端子部である。
このように、残存錫めっき層の厚さを0.2〜1.6μmとするのは、熱処理後における残存錫めっき層の厚さが0.2μm未満では、コネクタと嵌合した場合に接触抵抗が大きくなって十分な導通が確保できず、また、1.6μmを超えるとコネクタと嵌合した場合に、ウイスカーの発生度合い(発生率や長さ)が大きくなり、特にウイスカーの最大長が50μm以下となるように制御できなくなるためである。実験結果から残存錫めっき層の厚さが0.2〜1.6μmの場合には、ウイスカーの最大長を50μm以下とすることができることを確認した。また、FPCやFFC端子部に於いてコネクタと嵌合しても、隣接した端子間で短絡を生じることがないことも判った。さらに、前記の端子部は接触抵抗が50mΩ未満であり、鉛による環境汚染の問題も生じないものである。そして、得られるFPCやFFC端子部の残存錫めっき層の厚さが0.2〜1.6μmの範囲となるようにするためには、FPC端子部或いはFFC端子部を製造している最中に抜取り試験等を実施し、その結果によって、特に熱処理条件を調整することによって前記残存錫めっき層の厚さに調整することができる。
さらに、FPC端子部やFFC端子部の銅或いは銅合金配線上に形成される純錫或いは鉛を含まない錫合金の初期めっき層の厚さを、0.5μm以上とするのが良いことも確認された。すなわち、銅或いは銅合金配線上に最初に形成する純錫或いは鉛を含まない錫合金のめっき層を、0.5μm以上となるように電解めっきによって形成し、ついで熱処理を施すことによって残存錫めっき層の厚さを前記厚さ範囲に調整し易くできる。また、前述の初期純錫或いは鉛を含まない錫合金めっき層の熱処理条件としては、FPCの構成材料やめっき層の種類によって、一番好ましい条件を選定して行われる。例えば、140〜180℃で数時間或いは前記純錫または鉛を含まない錫合金の融点付近の温度で数秒〜数十秒とすることによって、実用的な製造方法とすることができる。このような熱処理条件とすることによって、前述した銅或いは銅合金配線上に銅および錫を含む金属間化合物拡散層が形成され、かつ前記錫めっき層の残存厚さを0.2〜1.6μmとしたFPC端子部が得られる。さらに、FPC絶縁材料等にダメージを与えることもない。またFFC端子部の場合には、純錫または鉛を含まない錫合金の融点以上で0.05〜数秒とするのが実際の製法からは好ましいが、場合によっては融点以下で長時間の熱処理を行ってもよく、またこれらの熱処理条件を組み合わせて行っても良い。
なお、前述の鉛を含まない錫合金は、錫銅合金、錫銀合金、錫ビスマス合金等から選ぶことによって、鉛フリーで、良好な半田付け性等の特性を有するFPC端子部或いはFFC端子部とすることができる。具体的には、銅を0.2〜3質量%含有する錫銅合金、銀を0.5〜5質量%含有する錫銀合金、ビスマスを0.5〜4質量%含有する錫ビスマス合金から選択することが好ましい。
表1に記載した実施例並びに比較例によって、本発明の効果を確認した。すなわち、0.5mmピッチ(配線幅が0.3mm、配線間距離が0.2mm)の銅配線20本のFPC端子部に純Snを種々の厚さにめっきし、ついで、オーブンを用いて所定の熱処理を施した。その後、残存錫めっき層を蛍光X線膜厚計により測定した。錫は純錫めっき層と金属間化合物の拡散層に含まれるが、両者に含まれる錫量が錫単層の厚さとして換算されて表示されるので、ここではこの値を測定値Aとした。ついで、5mol/L(リットル)の塩酸水溶液に20分間浸漬して、純錫めっき層を除去した。ついでこの試料について、蛍光X線膜厚計により錫量を測定した。ここで測定される錫量は、金属間化合物拡散層中の錫量であるが、錫単層の厚さとして換算されて表示されるので、この値を測定値Bとした。そして、測定値Aから測定値Bを差引くことによって、残存錫めっき層の厚さとした。つぎに、前述の測定を行った試料の位置の断面を研磨し、SEM(走査型電子顕微鏡)によって観察を行い残存錫めっき層の厚さを直接測定した。以上のようにして、計算した残存錫めっき層の厚さと実測した残存錫めっき層の厚さを比較した。
また、前記の測定を行った試料と同ロットの試料をZIF型コネクタに嵌合し、室温雰囲気中に1000時間保持した。その後、コネクタから取外してFPC端子部のウイスカーの発生状態をSEMにより500倍以上に拡大して観察した。結果は、発生したウイスカーの最大長が30μm以下の場合を◎印で、発生したウイスカーの最大長が50μm以下の場合は〇印で、また最大長が50μmを超えるウイスカーが見られる場合は×印で表示した。さらに、接触抵抗をZIF型コネクタと嵌合した状態で測定した。結果は、接触抵抗値が50m・Ω未満のものは〇印で、50m・Ω以上の場合は×印で表示した。結果を表1に示した。
Figure 0004617254
表1の実施例1〜6に示されるように、コネクタと嵌合して使用するFPC端子部或いはFFC端子部の残存錫めっき層の厚さを求める測定方法として、熱処理されることにより銅或いは銅合金配線上に純錫或いは鉛を含まない錫合金層と銅および錫を含む金属間化合物拡散層が形成されたFPC端子部或いはFFC端子部の錫付着量(測定値A)をまず測定し、ついで、前記純錫或いは鉛を含まない錫合金層を化学的または電気化学的に除去した後、錫付着量(測定値B)を測定し、つぎに、測定値Aから測定値Bを差引くことによって、溶解除去された純錫或いは鉛を含まない錫合金量を求め、この溶解除去された純錫或いは鉛を含まない錫合金量を純錫層の厚さに換算することによって、熱処理後の残存錫或いは鉛を含まない錫合金めっき層の厚さを求める、FPC端子部或いはFFC端子部の残存錫めっき層の厚さを求めることによって、残存錫めっき層の厚さを測定することが可能であることが判る。また、その方法を用いて作製したFPC端末部は、ウイスカーの最大長が50μm以下の耐ウイスカー性を有するものであった。(実施例5よび6)さらに、残存錫めっき層の厚さが1.0μm未満とした場合には、ウイスカーの最大長が30μm以下とより優れたものであった。(実施例1〜4)また、接触抵抗は全てのものが50mΩ未満と合格した。
これに対して、比較例1〜3示されるFPC端子部では、比較例1のように残存錫めっき層の厚さが0.13μmのように薄くなると接触抵抗が不合格となる。また、比較例2および3のように、残存錫めっき層の厚さが1.73μmおよび2.35μmのように厚くなると耐ウイスカー性が不合格となることが判る。
本発明のような残存錫めっき層の厚さ測定方法によれば、比較的簡単に残存錫めっき層の厚さを測定でき、実用的である。またその測定方法を用いて、残存錫めっき層の厚さを0.2〜1.6μmとしたFPC端子部或いはFFC端子部は、コネクタと嵌合して長期間使用しても、発生するウイスカーは極めて微小なもので短絡を生じることがないので、種々の電子機器類に対して有用なものである。

Claims (2)

  1. コネクタと嵌合して使用するフレキシブルプリント配線基板端子部或いはフレキシブルフラットケーブル端子部の残存錫或いは鉛を含まない錫合金めっき層の厚さを求める測定方法であって、熱処理されることにより銅或いは銅合金配線上に純錫或いは鉛を含まない錫合金層と銅および錫を含む金属間化合物拡散層が形成されたフレキシブルプリント配線基板端子部或いはフレキシブルフラットケーブル端子部の錫付着量(測定値A)を測定し、ついで、前記純錫或いは鉛を含まない錫合金層を化学的または電気化学的に除去した後、錫付着量(測定値B)を測定し、つぎに、測定値Aから測定値Bを差引くことによって溶解除去された純錫或いは鉛を含まない錫合金量を求め、この溶解除去された純錫或いは鉛を含まない錫合金量を純錫層の厚さに換算して、熱処理後の残存錫或いは鉛を含まない錫合金めっき層の厚さを求めること特徴とするフレキシブルプリント配線基板端子部或いはフレキシブルフラットケーブル端子部の残存錫めっき層の厚さの測定方法。
  2. コネクタと嵌合して使用するフレキシブルプリント配線基板端子部或いはフレキシブルフラットケーブル端子部の残存錫或いは鉛を含まない錫合金めっき層の厚さの測定方法を用いたフレキシブルプリント配線基板端子部或いはフレキシブルフラットケーブル端子部の製造方法であって、熱処理されることにより銅或いは銅合金配線上に純錫或いは鉛を含まない錫合金層と銅および錫を含む金属間化合物拡散層が形成されたフレキシブルプリント配線基板端子部或いはフレキシブルフラットケーブル端子部の錫付着量(測定値A)を測定し、ついで、前記純錫或いは鉛を含まない錫合金層を化学的または電気化学的に除去した後、錫付着量(測定値B)を測定し、つぎに、測定値Aから測定値Bを差引くことによって溶解除去された錫或いは鉛を含まない錫合金量を求め、この溶解除去された錫或いは鉛を含まない錫合金量を純錫層の厚さに換算して求めた熱処理後の残存錫或いは鉛を含まない錫合金めっき層の厚さ、0.2〜1.6μmとしたことを特徴とするフレキシブルプリント配線基板端子部或いはフレキシブルフラットケーブル端子部の製造方法
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