JP2010007111A - 銅或いは銅合金平角導体及びフレキシブルフラットケーブル - Google Patents

銅或いは銅合金平角導体及びフレキシブルフラットケーブル Download PDF

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【課題】純錫めっき或いは錫合金めっきが施された銅又は銅合金の平角導体を熱処理しても、耐食性並びに挿抜耐久性に優れると共に、コネクタ嵌合した後もウイスカーの発生を抑制したFFC用のめっきCu平角導体を提供することにある。具体的には、発生するウイスカーの最大長を50μm以下とすることにある。
【解決手段】少なくとも端子部が形成されるCu平角導体上には、パラジウムの含有率が3〜25質量%のSnPd合金めっき層、その上に純Snめっき層或いはSn系合金めっき層が形成され、前記めっき層の合計厚さが0.5〜2.0μmで且つ純Snめっき層或いはSn系合金めっき層の厚さが0.3〜1.0μmであるめっきCu平角導体とすることによって、解決される。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐食性並びに挿抜耐久性に優れると共に、コネクタ嵌合部分でのウイスカーの発生を抑制した純錫や錫合金のめっき層を有する銅或いは銅合金平角導体並びにそれを用いたフレキシブルフラットケーブルに関するものである。
電子機器等の小型化や軽量化に伴い、搭載される配線材料も小型化が進んでいる。このため限られたスペースに収まると共にその可とう性も要求される。例えば、平角状の導体を複数本平面状に並べ、これをテープ状の絶縁体材料によって両側からラミネートしたフレキシブルフラットケーブル(以下、FFC)が使用されている。このFFCは、端末部を口出し加工してプリント配線基板等に接続配線されるが、接触抵抗を小さくしたり、半田付性を向上させるため、前記平角導体端子部には錫―鉛合金めっき(以下、SnPb合金めっき)や金めっき(以下、Auめっき)が施される。しかしながら、Auめっきは高価なためコストアップとなる問題がある。また、SnPb合金めっきはめっき層にPbを含んでいるため、Pbの溶出による環境問題が指摘されている。このため、Pbを含有しない純錫めっき(以下、Snめっき)や錫―ビスマス合金めっき(以下、SnBi合金めっき)、錫―銀合金めっき(以下、SnAg合金めっき)、錫―亜鉛合金めっき(以下、SnZn合金めっき)等の錫系合金めっき(以下、Sn系合金めっき)が検討されている。しかしながら、これ等の平角導体を用いたFFCは、コネクタと嵌合して長期に使用するとウイスカーと称する針状結晶が成長してくることが知られている。このようなウイスカーの成長は、銅配線間等での短絡を生じて電子機器等のトラブルに繋がり好ましくない。特に、銅系の導体に純Snめっきを形成し、ついで熱処理を施すような場合には、銅原子がSnめっき中に拡散して行き、銅と錫の金属間化合物を形成する。この金属間化合物は、錫とは結晶構造が異なるため、格子間距離に歪ができて圧縮応力が生じる。そして、この圧縮応力がウイスカー発生の駆動力となって、ウイスカーが発生し易くなる。
このため、特許文献1に記載されるような錫系合金めっきが検討されている。すなわち、
導電基体上に、Bi、Cu、Ag、Znの少なくとも1種を0.1〜15重量%含有するSn合金メッキを形成し、その上層に、Znメッキ、Agメッキ、SnZn合金メッキ、SnAg合金メッキ又はSnBi合金メッキを形成することを提案している。このように2層めっき構造とすることによって耐ウイスカー性が向上するとは思われるが、これがアニール処理された場合には錫と銅との金属間化合物が成長するので、ウイスカー発生の駆動力となる内部応力が生じることが避けられない。
特開2007−46150号公報
よって本発明が解決しようとする課題は、純錫めっき或いは錫合金めっきが施された銅又は銅合金の平角導体(以下、めっきCu平角導体)を熱処理しても、耐食性並びに挿抜耐久性に優れると共に、コネクタ嵌合した後もウイスカーの発生を抑制したFFC用のめっきCu平角導体を提供することにある。具体的には、発生するウイスカーの最大長を50μm以下とすることにある。さらに、前記のめっきCu平角導体を用いることによって、耐食性並びに挿抜耐久性に優れると共に、コネクタと長期間嵌合して使用してもウイスカーの発生を抑制して、銅配線間等での短絡等がない電気的特性に優れた端子部を形成したFFCを提供することにある。
前記解決しようとする課題は、請求項1に記載するように、少なくとも端子部が形成されるCu平角導体上に、パラジウムの含有率が3〜25質量%のSnPd合金めっき層、その上に純Snめっき層或いはSn系合金めっき層が形成され、前記めっき層の合計厚さが0.5〜2.0μmで且つ純Snめっき層或いはSn系合金めっき層の厚さが0.3〜1.0μmであるめっきCu平角導体とすることによって、解決される。
また、請求項2に記載するように、前記Sn系合金めっきが、SnBi合金めっき、SnAg合金めっき、SnZn合金めっきから選ばれる1種であるめっきCu平角導体とすることによって、より好ましく解決される。
さらに、請求項3に記載するように、請求項1又は2のいずれかに記載されるめっきCu平角導体の複数本が、必要な間隔で接着剤付絶縁テープによってラミネートされて平行に配置され、且つ端子部が形成されているFFCとすることによって、解決される。
以上のような本発明によれば、少なくとも端子部が形成されるCu平角導体上に、パラジウムの含有率が3〜25質量%のSnPd合金めっき層、その上に純Snめっき層或いはSn系合金めっき層が形成され、前記めっき層の合計厚さが0.5〜2.0μmで且つ純Snめっき層或いはSn系合金めっき層の厚さが0.3〜1.0μmのめっきCu平角導体としたので、通電アニール等の熱処理を施しても、Cu平角導体からの銅の拡散をSnPd合金めっき層が抑制するので、錫―銅合金層や金属化合物相の生成がない。このため、ウイスカー成長の駆動力となるめっき皮膜の圧縮応力が減少し、耐ウイスカー性が改善される。また、ウイスカーが発生したとしてもその最大長さは50μm以下のものであるから、短絡等を生じない電気的特性に優れたFFC用のめっきCu平角導体が得られる。そして、さらに耐食性並びに挿抜特性に優れためっきCu平角導体である。
このため、SnPd合金めっき層上に、純Snめっき層或いはSn系合金めっき層、特にSnBi合金めっき、SnAg合金めっき、SnZn合金の1種を形成しても確実にウイスカーの発生を防止でき、めっきの種類の幅が広がり種々の用途に対応できるSn合金めっきCu平角導体とすることができる。
そして、前記の純Sn或いはSn系合金めっきCu平角導体の複数本を用い、必要な間隔で接着剤付絶縁テープによってラミネートされて平行に配置し、端子部を形成したFFCとすることによって、コネクタと長期に渡って嵌合して使用しても発生するウイスカーの最大長を50μm以下に抑えられるので、銅配線間等で短絡等が生じることがない電気的特性に優れた小型のFFCが得られると共に、耐食性並びに挿抜耐久性にも優れたFFCである。
以下に本発明の実施の形態を説明する。本発明は、少なくとも端子部が形成されるCu平角導体上に、パラジウムの含有率が3〜25質量%のSnPd合金めっき層が形成され、さらにその上に純Snめっき層或いはSn系合金めっき層を有する構造で、且つ前記めっき層の合計厚さが0.5〜2.0μmであると共に、純Snめっき層或いはSn系合金めっき層の厚さが0.3〜1.0μmとなるように構成しためっきCu平角導体であって、FFC用の導体として使用できる。以下に詳細に説明する。
FFC用に使用する純Snめっき或いはSn系合金めっきが施されたCu平角導体は、通常Φ0.1〜0.2mm程度に伸線された銅丸線にSnめっき等を施した後、圧延加工を行うことによって0.03〜0.1mmの厚さに圧延され、通電アニール等の熱処理を施すことによって製造されている。しかし、このような熱処理によって、めっきCu平角導体の表面から順次、CuSn金属間化合物相、CuSn金属間化合物相が成長する。この金属間化合物の形成は体積膨張によってめっき層に圧縮応力が生じる。この圧縮応力がウイスカー発生の駆動力となっていることが確認された。さらに、前記金属間化合物相は凹凸状に成長するため、表面に残留させる純Snめっき層やSn系合金めっき層の厚さにバラツキを生じさせることになる。この状態を、図1(b)に模式的に示した。符号1はCu平角導体、2はCuSn金属間化合物相、3はCuSn金属間化合物相、4は純Snめっき層の断面である。
そこで、図1(b)における符号2、3で示した凹凸状に生成するCu金属間化合物の生成を抑えることによって、純Snめっき層は圧縮応力が生じない均一な厚さの層とすることができ、ウイスカーの発生も抑制できるのではないかと考え検討を重ねた。その結果、特定量のパラジウム(Pd)を含有するSnPd合金めっき層をCu平角導体上に設けることによって、Cu平角導体から純Snめっき層へのCuの熱拡散を抑えることが可能であることが確認された。このSnPdめっき層は、通常はCu平角導体の全面に施されるが、少なくとも純Sn、Sn系合金めっきが施されることになる端子部が形成される部分のみに施せば良い。このようにCuの拡散を抑制できることにより、金属間化合物の生成を防止しその上に形成する純SnやSn系合金のめっき層を均一な厚さとすることができ、ウイスカーの発生も抑制される。例え発生しても極めて長さが短いウイスカーのため、配線回路での短絡等を生じることがない。具体的には、ウイスカーの最大長が50μm以下である。この状態を図1(a)に示した。図面から明らかな如く、SnPd合金めっき層5をCu平角導体1上に形成することによって、Cu金属間化合物相の生成は殆ど見られず純Snめっき層4が均一に形成されていることが判る。なお、前記SnPd合金めっきは、パラジウム含有量を3〜25質量%とすることが好ましいことも確認された。これは、パラジウム含有量が3質量%未満であると、パラジウムによる金属間化合物の抑制効果が殆どなく、また、25質量%を超えるとSnPd合金めっき層にクラックが生じ易くなると共に、コスト的にも問題があるので好ましくないためである。
さらに、前記のめっき層の合計厚さが0.5〜2.0μmであると共に、純Snめっき層或いはSn系合金めっき層の厚さが0.3〜1.0μmとなるように構成することが好ましいことが確認された。すなわち、めっき層(熱処理後の純Snめっき層或いはSn系合金めっき層、SnPd合金めっき層の合計厚さ)の厚さを上記の範囲としないと、ウイスカーの最大長が大きくなったり、耐食性や挿抜特性が問題になるためである。また、純Sn或いはSn系合金めっき層の厚さを0.3〜1.0μmとするのは、ウイスカーの供給源となる錫原子の量をコントロールすることによって、ウイスカーの発生をより抑制するためであり、さらには、耐食性並びに挿抜耐久性に優れためっきCu平角導体とするためである。なお、純Sn或いはSn系合金めっき層は、通常前記めっきの融点以上の温度で、0.05〜数秒間加熱することによって得ることができる。さらには、Snめっきの融点以下の温度で長時間加熱することによっても良いし、両者の加熱処理を組合せて行っても良い。そして、このようなめっきCu平角導体を用い端子部を形成したFFCとすれば、コネクタと嵌合して長期間使用しても銅配線間等での短絡等が生じることがない優れたFFCが得られる。
そして、前記Sn系合金めっきは、SnBi合金、SnAg合金、SnZn合金から選択して使用できる。また、Bi、Ag、Znの含有量は、それぞれの合金中に0.1〜3質量%程度とするのが良い。本発明のようにSnPd合金めっき層をCu平角導体上に施すので、前記のSn系合金めっきを問題なく使用することができる。なお、このめっき層はCu平角導体の全面に施す必要はなく、基本的には少なくとも端子部を形成する部分に施せば良い。このようにして得られためっきCu平角導体は、コネクタと長期間嵌合して使用しても銅配線間等での短絡等が生じることがない程度のウイスカーの発生に抑制され、また、耐食性並びに挿抜耐久性に優れためっきCu平角導体となる。このように、純Snめっきだけではなく、用途によってSn系合金めっきを選択できるCu平角導体を提供できることになる。
そして、上述した純SnめっきやSn系合金めっきが施されためっきCu平角導体の複数本を、必要な間隔で接着剤付絶縁テープによってラミネートして平行に配置し、ついで端子部を形成したFFCとすることによって、前記端子部とコネクタとを嵌合して長期に使用してもウイスカーの発生が抑制され、具体的にはウイスカーの最大長を50μm以下に抑制することによって、銅配線間等での短絡を生じることがなくなる。発生するウイスカーの最大長を50μm以下に抑制することができると共に、純Sn或いはSn系合金めっき層は均一性に優れているので、耐食性並びに挿抜特性に優れためっきCu平角導体である。なお、前記耐食性は硫化水素腐食ガス試験に合格するものであり、また挿抜特性は、めっきCu平角導体の端子部とコネクタとの押抜操作を30回行っても接触抵抗の低下が少ない特性である。このようなめっきCu平角導体を使用することにより、小型の電子機器類にも十分に対応できるFFCが得られる。なお、通常のFFCについて簡単に説明すると、例えば純SnめっきCu平角導体を数本〜数十本所定の間隔で平行に並べ、ポリエチレンテレフタレート(以下、PET)やポリイミド樹脂(以下、PI)等の絶縁フィルムで両側からラミネートして被覆し、適所で切断し少なくとも一方の端部がコネクタ(例えば、ZIF型コネクタ)と接続する端末部となるように切削して形成することによって製造されたものである。
以下に実施例及び比較例を記載して、本発明の効果を述べる。Φ0.8mmの軟銅丸線に電解めっき法によりSnPd合金(Pd含有量が3〜25質量%)めっき層を形成した。ついでこの上に、表1に記載するような純Snめっき層、Bi含有量が1質量%のSnBi合金めっき層、Ag含有量が1質量%のSnAg合金めっき層及びZn含有量が1質量%のSnZn合金めっき層のそれぞれを施した。このめっき軟銅丸線を伸線加工によりΦ0.12mmまで伸線し、ついで圧延加工並びに通電アニールを施し、熱処理が施された厚さが0.035mmのめっきCu平角導体とした。同様に、SnPd合金めっきを施さない場合、並びにSnPd合金のPd含有量を変えためっきCu平角導体も作製した。
つぎに、得られたそれぞれのめっきCu平角導体の断面を鏡面研磨した後、生成された各めっき層の厚さ並びにSnCu化合物層の有無を調べた。また、前記のめっきCu平角導体20本を並列に並べポリエステルフィルムでラミネートし、端部のポリエステルフィルムを除去して端子部に加工し、ついで端子部を形成してFFCとした。このFFCについて、耐ウイスカー性、耐食性及び押抜特性を測定して評価した。
耐ウイスカー性は、前記めっきCu平角導体の端子部にコネクタ(JST社製のZIFタイプで、Snリフロー処理が施されたものである。)を嵌合し、常温常湿下で500時間保持した後、端子部の表面をSEM(走査型電子顕微鏡)によって観察して発生したウイスカーの最大長さを測定した。ウイスカーの最大長が50μm以下の場合を合格として〇印で、50μmを超え100μmまでの場合を△印で、100μmを超えている場合には×印で記載した。
また、耐食性として、前記めっきCu平角導体の端子部にAu/Niめっき(Auの厚さが0.3μm、Niの厚さが3.0μm)を施したJST社製のノンZIFコネクタを嵌合し、硫化水素10PPM、湿度85%の雰囲気中に48時間放置して腐食ガス試験を実施した。この試料についてテスターによる接触抵抗を測定し、試験前の接触抵抗値に対して接触抵抗値の増加率が20%未満のものを合格として○印で、20%以上増加したものを不合格として×印で示した。
さらに、前記端子部とコネクタとの押抜特性を調べた。前記めっきCu平角導体の端子部とコネクタ(JST社製のZIFタイプで、Snリフロー処理が施されたもの)による挿入と引抜き操作を30回行った後の端子部について、テスターによる接触抵抗を測定し、試験前の接触抵抗値に対して接触抵抗値の増加率が20%未満のものを合格として○印で、20%以上増加したものを不合格として×印で示した。結果を表1に示した。
Figure 2010007111
表1に示した実施例1〜13から明らかなように、Cu平角導体上にパラジウムの含有率が3〜25質量%のSnPd合金めっき層、その上に純Snめっき層或いはSn系合金めっき層が形成され、前記めっき層の合計厚さが0.5〜2.0μmで且つ純Snめっき層或いはSn系合金めっき層の厚さを0.3〜1.0μmとしためっきCu平角導体は、SnCu化合物層の生成が見られず、また、前記めっきCu平角導体の複数本をラミネートし、さらに端子部を形成したFFCは、耐ウイスカー性、耐食性及び押抜特性のすべてに合格するものであった。これに対して、比較例1〜13に示した、前記の本発明範囲を外れる場合には、SnCu化合物層の発生、耐ウイスカー性、耐食性及び押抜特性のいずれかの項目が不合格であった。
より詳細に説明する。実施例1、2、12及び13に示したように、Pd含有量が3〜25質量%のSnPd合金めっき層上に、純Snめっき層が0.30〜1.00μmで、合計のめっき層厚さが0.50〜2.00μmの範囲のものは、SnCu化合物層の発生がなく、耐ウイスカー性、耐食性及び押抜特性のすべての項目に合格するものである。さらに、実施例3、4及び9に示したように、Pd含有量が3〜25質量%のSnPd合金めっき層上に、SnBi合金めっき層が0.30〜1.00μmで、合計のめっき層厚さが0.50〜2.00μmの範囲のものは、SnCu化合物層の発生がなく、耐ウイスカー性、耐食性及び押抜特性のすべての項目に合格するものである。実施例5、6及び10に示したように、Pd含有量が3〜25質量%のSnPd合金めっき層上に、SnAg合金めっき層が0.30〜1.00μmで、合計のめっき層厚さが0.50〜2.00μmの範囲のものは、SnCu化合物層の発生がなく、耐ウイスカー性、耐食性及び押抜特性のすべての項目に合格するものである。実施例7、8及び11に示したように、Pd含有量が3〜25質量%のSnPd合金めっき層上に、SnZn合金めっき層が0.30〜1.00μmで、合計のめっき層厚さが0.50〜2.00μmの範囲のものは、SnCu化合物層の発生がなく、耐ウイスカー性、耐食性及び押抜特性のすべての項目に合格するものである。
これに対して、比較例1及び2に示すように、SnPd合金めっきをCu平角導体上に施さないものは、純Sn或いはSnBi合金めっきのいずれにもSnCu化合物層の発生見られ、このため発生するウイスカーの最大長が50μmを超えるものが観測された。(△印で示した)また、比較例3及び4に示したとおり、Cu平角導体上に施すSnPd合金めっきに用いるSnPd合金は、Pd含有量が2.8質量%では、下地Cuの熱拡散抑制効果が不十分であり、また、Pd含有量が27質量%ではコネクタの挿抜特性が不十分であった。
比較例5に示すように、純Snめっき層の厚さが0.19μm、また、比較例7のように0.28μmと薄すぎると耐食性や挿抜特性が低下する。逆に比較例6のように、純Snめっき層の厚さが1.37μmと厚くなりすぎると、最大長が100μmを超えるウイスカーが発生して耐ウイスカー性が悪くなる。(×印で示した)また、比較例8及び9のように、めっき層がSnBi合金めっきの場合においても、SnBi合金めっき層の厚さが0.24μmのように薄い場合は、耐食性や挿抜特性が悪く、また、1.28μmのように厚すぎると、耐ウイスカー性が悪くなる。(×印で示した)さらに、比較例10及び11のように、めっき層がSnAg合金めっきの場合においても、SnAg合金めっき層の厚さが0.24μmのように薄い場合は、耐食性や挿抜特性が悪くなり、また、1.28μmのように厚く、合計のめっき層の厚さも2.01μmと厚くなると、耐ウイスカー性が悪くなる。(×印で示した)また、比較例12及び13のように、めっき層がSnZn合金めっきの場合においても、SnZn合金めっき層の厚さが0.24μmのように薄い場合は、耐食性や挿抜特性が悪く、また、1.28μmのように厚すぎると、耐ウイスカー性が悪くなって好ましくない。(×印で示した)
本発明の純Sn或いはSn系めっきCu平角導体は、特にコネクタと長期間嵌合して使用してもウイスカーの発生を十分抑制し、銅配線間等での短絡等が生じることがない電気的特性に優れたものであるから、特に小型の電子機器類用のFFCとして有用なものである。
図面はCu平角導体のめっき層の断面を示す模式図で、(a)は本発明のめっきCu平角導体、(b)は従来のめっきCu平角導体の場合を示す。
符号の説明
1 Cu平角導体
2、3 Cu金属間化合物相
4 純Snめっき層
5 SnPd合金めっき層

Claims (3)

  1. 少なくとも端子部が形成される銅又は銅合金の平角導体上に、パラジウムの含有率が3〜25質量%の錫―パラジウム合金めっき層、その上に純錫めっき層或いは錫系合金めっき層が形成され、前記めっき層の合計厚さが0.5〜2.0μmで且つ純錫めっき層或いは錫系合金めっき層の厚さが0.3〜1.0μmであることを特徴とする銅又は銅合金からなる平角導体。
  2. 前記錫系合金めっきが、錫―ビスマス合金めっき、錫―銀合金めっき、錫―亜鉛合金めっきから選ばれる1種であることを特徴とする請求項1に記載の銅又は銅合金からなる平角導体。
  3. 請求項1又は2のいずれかに記載される銅又は銅合金平角導体の複数本が、必要な間隔で接着剤付絶縁テープによってラミネートされて平行に配置され、且つ端子部が形成されていることを特徴とするフレキシブルフラットケーブル。
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JP2017082337A (ja) * 2016-12-22 2017-05-18 株式会社オートネットワーク技術研究所 端子金具

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