JP4616524B2 - 電気部品装着システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気部品(電子部品を含む)を回路基板に装着する電気部品装着システム、および、電気部品を回路基板に装着する工程を含む電気回路の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気部品装着システムは、定位置に保持された回路基板に電気部品を装着する装置であり、主に、(A)電気部品が装着される回路基板を保持する基板保持装置と、(B)部品供給領域において所定の電気部品を取得して部品装着領域においてその電気部品を回路基板表面に装着する装着ヘッドを備えた装着ユニットと、(C)その装着ユニットを、回路基板に平行な一平面に沿って、部品供給領域の所定位置と部品装着領域の所定位置との間で移動させる移動装置とから構成される形式ものが多く採用されるに至っている。
【0003】
そのような形式の電気部品装着システムにおける装着ユニットの移動装置の1つとして、例えば、いわゆるXYスライドタイプ(XYロボットタイプ)の移動装置を挙げることができる。このXYスライドタイプの移動装置は、一般に、主に、(A)長尺のXスライドと、(B)そのXスライドを回路基板に平行な一平面に沿って長手方向に直角な方向に移動させるXスライド移動装置と、(C)Xスライド上に設けられたYスライドと、(D)そのYスライドをXスライドに沿って移動させるYスライド移動装置から構成され、Yスライドに上記装着ユニットを取付けることにより、回路基板に平行な一平面に沿ってその装着ユニットを移動可能にしている。通常、電気回路を組み立てる作業は、1つの回路基板に多種多数の電気部品が装着されることによって完了する。したがって、例えば、上記XYスライドタイプの移動装置を含む電気部品装着システムによって電気回路の組み立てを行う場合、1つの電気回路の組立完了までに、部品供給領域と部品装着領域との間を装着ユニットが何回も往復移動させられ、電気部品の組立作業は、装着効率の悪いものとなっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果】
電気部品の装着効率を向上させるため、例えば上記XYスライドタイプの電気部品装着システムの場合、装着ユニットを2つ搭載するいわゆるツインユニットタイプ(ツインヘッドタイプ)の装着装置を構成することもできる。このツインユニットタイプの装着装置は、例えば、同じガイドレールに沿って移動する2つのXスライドを有し、それぞれのXスライドにYスライドを設け、それぞれのYスライドに装着ユニットを取付けた構造のものが考えられる。この構造のものは、部品供給領域を回路基板の両側に分散させ、一方の部品供給領域から一方のXスライドに設けられた装着ユニットに電気部品を取得させ、他方の部品供給領域から他方のXスライドに設けられた装着ユニットに電気部品を取得させることで、両者が交互に部品装着領域において回路基板表面に電気部品を装着可能となる。つまり、一方の装着ユニットが部品供給領域において電気部品取得している時に、他方の装着ユニットが部品装着領域において電気部品を装着できることで、ある程度の装着効率の向上が見込まれる。
【0005】
ところが、上記ツインユニットタイプの装着装置のように、部品供給領域と部品装着領域との間を一平面に沿って装着ユニットが移動する装着装置において装着ユニットを2つ設けた場合、2つの装着ユニットが互いに干渉し合うため、両者が同時に部品装着領域に位置することが困難であり、2つの装着ユニットの移動のタイミングを同期させなければならない。したがって、いずれかの装着ユニットが移動待ちの状態にあることが多く、さらなる装着効率の向上が期待できない。また、部品供給領域を部品装着領域の両側に配置しなけばならないことは、電気部品装着システムと電気部品供給装置とを含めた電気回路組立システム全体の大型化に繋がり、スペース効率を悪化させる一因となる。
【0006】
電気回路の需要が益々高まる中、装着効率、スペース効率等を始めとする電気回路組立作業における作業効率を改善することが切望されているという実情に鑑み、本発明は、作業効率の良好な電気回路組立作業が実現できる電気部品装着システム、および、電気回路組立作業における作業効率の良好な電気回路製造方法を得ることを課題としてなされたものである。そして、本発明によって、下記各態様の電気部品装着システムおよび電気回路製造方法が得られる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下の各項に記載のものに限定されると解釈されるべきではない。また、一つの項に複数の事項が記載されている場合、それら複数の事項を常に一緒に採用しなければならないわけではない。一部の事項のみを選択して採用することも可能である。
【0007】
以下の各項において、(1)項と(6)項とを合わせたものが請求項1に相当し、請求項1に(7)項を組み合わせたものが請求項2に、請求項2に(13)項および(14)項を組み合わせたものが請求項3に、請求項3に(24)項および(25)項を組み合わせたものが請求項4に、請求項2ないし請求項4のいずれかに(8)項を組み合わせたものが請求項5に、請求項1ないし請求項5のいずれかに(3)項および(4)項を組み合わせたものが請求項6に相当する。
【0008】
(1)電気部品が装着される少なくとも1つの回路基板を保持する基板保持装置と、
前記電気部品が供給される部品供給領域において電気部品を取得保持し、部品装着領域において前記基板保持装置に保持された前記回路基板の表面にその電気部品を装着する装着ヘッドを、それぞれ1つ以上備えた少なくとも1つの第1装着ユニットおよび少なくとも1つの第2装着ユニットと、
前記第1装着ユニットおよび前記第2装着ユニットのそれぞれを、前記部品供給領域と前記部品装着領域とにわたって、両者が互いに干渉することなく前記部品供給領域側と前記部品装着領域側とに位置が入れ替わり可能な移動経路で移動させる装着ユニット移動装置と
を含む電気部品装着システム。
【0009】
つまり、本項記載の態様の電気部品装着システムは、電気部品を取得保持,装着する装着ヘッドを備えた複数の装着ユニットを装備した電気部品装着システムであり、区別された第1装着ユニットと第2装着ユニットとの2種の装着ユニットが、相互に干渉し合うことなく、部品供給領域と部品装着領域との間を行き来できるようにしたものである。複数の装着ユニットを有する電気部品装着システムであるが、それらの装着ユニットの移動に際しての制約が少ないことから、本態様の電気部品装着システムは、装着効率の高い装置となる。
【0010】
本発明の電気部品装着システムが作業対象とする電気回路は、特に限定されるものではなく、例えばプリント基板等の回路基板に多種、多数の電気部品が実装されてなる電気回路であれば、種々のものが対象となり得る。また、実装の対象となる電気部品も特に限定されるものではなく、本発明の電気部品装着システムでは、抵抗,コンデンサ等のチップ型電気部品,フラットパッケージ型電気部品,コネクタ,ターミナル(端子)等、リード線を有するあるいは有さない種々の電気部品が対象となり得る。
【0011】
電気部品装着システムにおいては、上記電気部品は、例えば、部品供給装置から供給される。その場合、部品供給装置は、本発明の電気部品装着システムに併設されるものでもよく、本発明の電気部品装着システムの一部を構成するものであってもよい。それらの場合の部品供給装置は、その供給方式等が限定されるものではなく、供給する電気部品に応じて、様々なタイプのものを用いることができる。例えば、比較的小型の電気部品を供給するものとして、テーピングフィーダ,バルクフィーダ等のフィーダ型部品供給装置を採用することができる。また、例えば、比較的大型の電気部品を供給するものとして、トレイ型部品供給装置をも採用することができる。いずれのタイプの部品供給装置を用いる場合であっても、それらの部品供給位置が電気部品が装着される回路基板の傍らに位置するように、それらの部品供給装置を配設すればよい。
【0012】
基板保持装置は、電気部品の一連の装着作業の間、回路基板を所定の位置に保持するものであればよく、その手段を特に限定するものではない。例えば、電気部品の被装着面を上方に向けて保持する場合であれば、下方から被装着面の反対側の面を支持する支持装置を設け、その支持装置に固定すればよい。また、例えば、電気部品装着システムが、装着における定位置まで回路基板を搬入するないしその定位置から回路基板を搬出する搬送装置を有する場合、その搬送装置と連動させることもできる。本発明の電気部品装着システムは、単独にて電気回路の組立てを行わせる態様で使用することもでき、また、他の電気部品装着システム,クリームはんだ印刷装置,リフロー炉等とともに並設されて電気回路製造ラインの一部を構成する態様で使用することもできる。他の装置と連動させる場合には、特に、装置間を繋ぐ基板コンベア等の上記搬送装置との連動が有効である。なお、基板保持装置は、必ずしも一定の位置に固定保持する機能だけを果たすものある必要はなく、例えば、保持した回路基板の位置ずれを補正する,電気部品の装着位置等に応じて一平面に沿って移動させる等のための移動装置等が設けられたものであってもよい。
【0013】
本発明の電気部品装着システムにおける装着ヘッドは、電気部品を取得、保持しかつ離脱させて回路器基板の表面に装着する機能を有する。装着ヘッドは、例えば、電気部品を保持する部品保持部と、その部品保持部を保持する軸部とを含んで構成され、軸部において、軸線方向に移動可能にかつその軸線回りに回転可能で状態で、装着ユニットに支持される態様のものとすることができる。そのような態様の装着ヘッドの場合、回路基板の被装着面が上方に向く態様の電気部品装着システムにおいては、上記軸部はその軸線方向が上下方向となるように、かつ、軸部の下側に部品保持部が位置するように装着ユニットに支持されればよい。そのような態様の装着ヘッドの場合、その部品保持部は、具体的な保持機構が特に限定されるものではないが、例えば、吸着ノズルを採用し、その先端に負圧によって電気部品を吸着保持させることができる。また、電気部品を挟持するチャックを採用することも可能である。吸着ノズル等の部品保持部は、保持する電気部品のサイズ,形状等に応じ、取り替え可能なものすることができ、あるいは、複数の保持具を有してそれらの保持具を交換可能なものとすることもできる。上記態様の装着ヘッドを採用する場合、装着ユニットは、他に、例えば、装着ヘッドを軸線方向に移動させるための装着ヘッド軸方向移動装置,軸線回りに回転させるための装着ヘッド回転装置等を設けることができる。例えば、上記装着ヘッド軸方向移動装置によって、装着ヘッドが、部品取得時および部品装着時において前進(下降)し、装着ユニットが移動するときには、後退(上昇)し、また、電気部品の厚みに応じてその前進位置が調整可能に動作するように、装着ユニットを構成することもできる。また、例えば、上記装着ヘッド回転装置によって、電気部品の装着方位,保持された電気部品の回転方向の位置ずれ量等に応じて、装着ヘッドを回転させるように、装着ユニットを構成することもできる。つまり、装着ユニットは、装着ヘッドとその装着ヘッドと共同する装置等の種々の装置とがユニット化されたものを意味する。
【0014】
ここで、部品供給領域とは、上記部品供給装置における部品供給位置にある電気部品を取得保持する時点において、上記装着ユニットが位置する領域をいい、部品供給領域とは、上記基板保持装置に保持された回路基板に上記装着ヘッドが保持した電気部品を装着する時点において、上記装着ユニットが位置する領域をいう。例えば、回路基板の被装着表面を上方に向けて保持させ、その上方から下方に向かって装着ヘッドが電気部品を装着する場合においては、部品装着領域は、回路基板の上方の空間となる。同様に、部品供給装置の上方から下方に向かって装着ヘッドが電気部品を取得する場合は、部品供給領域は、部品供給装置における部品供給位置の上方の空間となる。その場合、例えば、複数のフィーダがそれぞれフィーダの供給位置が略一直線上に並ぶように整列させされたフィーダ型部品供給装置を採用するときには、その部品供給装置に相応する部品供給領域は、比較的幅の狭い空間となり、前述のトレイ型部品供給装置を採用するときには、部品トレイの表面に相当する比較的幅の広い空間となる。なお、部品供給領域と部品装着領域との位置関係は、部品供給装置と基板保持装置との位置関係に依存することになるが、これについては後述する。
【0015】
本項に記載の装着システムにおける装着ユニット移動装置は、前述したように、2種の装着ユニット、つまり、第1装着ユニットと第2装着ユニットのそれぞれを、部品供給領域と部品装着領域とにわたって移動させるものである。装着ユニット移動装置の具体的な構成は、特に限定されるものではないが、両領域ともある広さを持っているため、その広さをカバーできる移動装置であることを要する。上述および後に詳しく説明するXYスライドタイプの移動装置を始めとして、種々のタイプの移動装置を採用することができる。具体的な態様については、後述する。また、装着ユニット移動装置は、上記第1装着ユニットと上記第2装着ユニットとをそれぞれ個別に移動させ得るものであればよく、例えば、後に詳しく説明するように、XYスライドタイプの移動装置を2つ設け、2種の装着ユニットの各々を上記2つの移動装置の各々で移動させるものであってもよく、また、例えば、Xスライドを2つ有するXYスライドタイプの移動装置を1つ設け、2つのXスライドの各々に沿って、上記2種の装着ユニットを移動させるというような、明確には2つの移動装置に区別できない態様の移動装置であってもよい。
【0016】
また、上記各種態様の装着ユニット移動装置は、第1装着ユニットと第2装着ユニットとのそれぞれを、両者が互いに干渉することなく部品供給領域側と部品装着領域側とに位置が入れ替わり可能な移動経路で移動させるものであることを要する。例えば、一方の装着ユニットが部品供給領域で電気部品を取得している時点で、他方の装着ユニットが部品装着領域で電気部品を装着している場合を想定する。この場合、次の時点では、電気部品を保持したその一方の装着ユニットが部品供給領域へ移動させられ、電気部品を装着し終えた他方の装着ユニットが部品供給領域に移動させられようとする。電気部品装着システムが、いくつの部品供給領域を有しているかに関わらず、上述の装着ユニットの動作において、同じ部品供給領域が動作の対象となる場合は、2種の装着ユニットのそれぞれの移動において、相互に干渉が生じ得る。本項に記載の電気部品装着システムにおいては、この相互の干渉を防止すべく、それぞれの装着ユニットが、部品供給領域側と部品装着領域側とに位置が入れ替わり可能な移動経路で、それぞれ移動させられる。この入れ替わり可能な移動経路を実現するための装着ユニットの具体的な態様については、後の項においてに詳しく説明するため、ここでは説明を省略する。
【0017】
(2)前記部品供給領域が前記部品装着領域の両側に設けられた(1)項に記載の電気部品装着システム。
(3)前記部品供給領域が前記部品装着領域の片側に設けられた(1)項に記載の電気部品装着システム。
これら2つの項は、部品供給領域の数、部品供給領域と部品装着領域との位置関係に関するものである。本発明の電気部品装着システムは、部品供給領域の数が限定されるものではなく、例えば、部品装着領域の四方等に部品供給領域が存在するものであってもよい。本装置が製造ラインに組み込まれることが多く、その場合、回路基板が搬送されるための通路が設けられることに鑑みれば、回路基板が保持される基板保持装置の一方向の両側には、部品供給装置が配設されないことが好ましい。したがって、その場合、部品装着領域を挟んだ両側の少なくとも一方に部品供給領域が存在することが望ましく、上記2つの態様が採用できる。
【0018】
部品供給領域が前記部品装着領域の両側に設けられた態様では、多くの部品供給装置を配設でき、組立られる電気部品の種類を多くすることができるという利点を有する。また、例えば、2種の装着ユニットのうちの一方が主に一方側の部品供給装置から部品を取得し、他方が主に他方側の部品供給装置から部品を取得するといった装着作業をも実行させることができ、作業形態の多様化、吸着ノズル等の装着ヘッドの保持部の交換のためのロスタイムの減少化等が図れるというメリットがある。これに対し、部品供給領域が部品装着領域の片側に設けられた態様では、大きなスペースを占有する部品供給装置を少なくして、作業スペースの減少化が図ることができるというメリットがある。
【0019】
(4)前記第1装着ユニットと前記第2装着ユニットとの一方が前記部品装着領域に位置するときに、前記第1装着ユニットと前記第2装着ユニットとの他方が前記部品供給領域に位置してその他方が備える前記装着ヘッドが前記電気部品を取得するように、前記装着ユニット移動装置を制御する装着ユニット存在領域制御装置を含む(3)項に記載の電気部品装着システム。
例えば、作業スペースの減少化を目的として、部品供給装置が基板保持装置の片側に配設される態様を採用する場合、それぞれの装着ユニットの存在領域を制御して、一方の装着ユニットが電気部品を取得し、そのときに他方の装着ユニットが電気部品を装着するようにし、それを交互に繰り返す態様の電気部品装着システムとすることができる。この態様の場合、本発明の部品供給装置がそれぞれの装着ユニットの入れ替わりにおいて干渉が生じないことから、同じ時間内に、装着ユニットが1つの場合の殆ど2倍の数の電気部品を装着できる。したがって、上記態様では、省スペースかつ高装着効率の電気部品供給装置となる。なお、装着ユニット存在領域制御装置は、装着ユニット移動装置を制御する装着ユニット移動制御装置がコンピュータ等を備えた制御装置であれば、その装着ユニット移動制御装置にそのような制御を担わせることができる。
【0020】
(5)前記基板保持装置が、前記部品供給領域と前記部品装着領域とが並ぶ方向に前記回路基板を2つ以上並べて保持可能なものである(2)項ないし(4)項のいずれかに記載の電気部品装着システム。
本項に記載の電気部品装着システムは、基板保持装置が2つのステージを有する態様である。例えば、電気部品装着システムを電気回路製造ライン内に配置する場合、片方のステージで1つの回路基板について装着作業を行っている最中に、もう1つのステージに次の回路基板を待機させる、あるいは、待機させるだけでなくさらにその回路基板の保持位置の認識等の準備作業を行わせる等といった作業形態を採択できる。また、2つの回路基板に対して同時に装着作業を行う作業形態をも採択できる。その場合、装着ユニットの入れ替わり時点での相互の干渉がないことから、例えば、一方の装着ユニットが一方の回路基板に対して、他方の装着ユニットが他方の回路基板に対して装着を行なう形態を、容易に実現できる。本項に記載の電気部品装着システムでは、以上のような様々な作業形態の選択が可能であり、作業のフレキシビリティの向上、作業効率の向上等が図られることになる。
【0021】
(6)前記装着ユニット移動装置が、少なくとも前記第1装着ユニットと前記第2装着ユニットとが入れ替わる時点において、前記第1装着ユニットおよび前記第2装着ユニットのそれぞれを、前記回路基板の表面に平行な一平面である基準平面からの離間距離の異なるそれぞれの移動経路で移動させるものである(1)項ないし(5)項のいずれかに記載の電気部品装着システム。
本項に記載の態様は、装着ユニットの入れ替わり時点での相互干渉を防止するための装着ユニット移動装置の1つの態様に関する。例えば、被装着面を上方に向けて回路基板を保持する場合、回路基板の上方空間を装着ユニットが移動する。この場合、高さを違えて入れ替わるようにそれぞれの装着ユニットを移動させるものが本項に記載する装着ユニット移動装置である。かかる態様では、それぞれの装着ユニットの干渉防止が容易に行うことができ、実用的である。具体的な態様については、後述するため、ここでは省略する。
【0022】
(7)前記装着ユニット移動装置が、
前記第1装着ユニットを、前記基準平面に平行な前記部品供給領域と前記部品装着領域とにわたる一平面である第1平面に沿って移動させることができる第1装着ユニット移動装置と、
前記第2装着ユニットを、前記基準平面に平行な前記部品供給領域と前記部品装着領域とにわたる一平面であって前記基準平面からの離間距離が前記第1平面と異なる第2平面に沿って移動させることができる第2装着ユニット移動装置と
を含む(6)項に記載の電気部品装着システム。
【0023】
基準平面からの離間距離の異なるそれぞれの移動経路で移動させる場合、それぞれの装着ユニットの入れ替わる時点のみにおいて移動経路を異ならせることも可能であり、また、その時点の位置を含む部品供給領域と部品装着領域とにわたる領域の一部において移動経路を異ならせることも可能である。さらに、部品供給領域と部品装着領域とにわたる領域のすべての領域において、基準平面からの離間距離の異なる移動経路を移動させることも可能である。本項に記載の電気部品装着システムは、そのすべての領域において離間距離の異なる移動経路を移動させることのできる装着ユニット移動装置を備えた1つの態様である。
【0024】
つまり、本項に記載の態様は、例えば、後に詳しく説明するXYスライドタイプの移動装置のような、装着ユニットを1つの平面に沿って移動させることのできる平面移動装置を2つを設け、それぞれの移動平面を異ならせるように配置し、それぞれの平面移動装置に装着ユニットをそれぞれ設ける態様である。一平面を移動させる移動装置は、その機構が比較的単純であり、実用的である。また、部品供給領域と部品装着領域とにわたる領域のいずれにおいても、装着ユニットの相互干渉が防止できるため、電気部品の取得,装着のタイミング,それぞれの装着ユニットの移動開始,終了のタイミング等の自由度が高く、一層の装着作業の多様化から、装着効率の向上が図れる。
【0025】
なお、装着ユニットを一平面に沿って移動させる平面移動装置は、後述するXYスライドタイプの移動装置を始めとして、他の種々のタイプの移動装置を採用できる。例えば、(A)1点において回動可能に設けられた長尺のガイドレールと、(B)そのガイドレールをその1点を中心に一平面に沿って回動させる回動装置と、(C)そのガイドレールに移動可能に設けられたスライドと、(D)そのスライドをそのガイドレールにそって移動させるスライド移動装置とを含むタイプの平面移動装置等を採用することも可能である。なお、平面移動装置をさらに1つ以上設け、第3装着ユニットを始めとする他のグループの装着ユニットを、上記2つの平面移動装置の移動平面と異なる平面で移動させる態様を除外するものではない。つまり、本発明の電気部品装着システムは、そのように、3種以上の装着ユニットを有する態様のものを除外するものではない。
【0026】
(8)前記部品供給領域での前記電気部品の取得時と前記部品装着領域での前記電気部品の装着時との少なくとも一方において、前記第1装着ユニットおよび前記第2装着ユニットのそれぞれと前記基準平面との離間距離の差を消滅させる離間距離差消滅装置を含む(7)項に記載の電気部品装着システム。
基準平面からの離間距離の異なる2つの平面の各々に沿って装着ユニットの各々を移動させる場合、電気部品の取得の時点および装着の時点で、部品供給装置および回路基板から装着ユニットまでの距離が異なることになる。例えば、その距離の長い方の装着ユニットにおいて、装着ヘッドの部品供給装置および回路基板への接近移動距離が長くなる。したがって、それぞれの装着ユニットにおいて、異なる装着ヘッドを装備させる,異なる制御が必要となる等の、システムの煩雑化,複雑化を伴う。本項に記載の電気部品装着システムでは、上記離間距離差を消滅させることで、システム自体の単純化を図れることになる。なお、部品供給領域と部品装着領域との両領域における離間距離差を消滅させる態様がより望ましく、そのような態様であれば、装着ユニットの共通化を図ることが可能になり、電気部品装着システムの一層の単純化が図れることになる。
【0027】
(9)前記離間距離差消滅装置が、前記離間距離の差を消滅させるべく、前記第1装着ユニットと前記第2装着ユニットとの少なくとも一方を移動させる装着ユニット離間距離差消滅移動装置を含む(8)項に記載の電気部品装着システム。
上記離間距離差の消滅の具体的な手段は、特に、限定されるものではない。例えば、本項に記載の態様のように、装着ユニットを移動させる装置が簡便な1つの手段となる。第1装着ユニットおよび第2装着ユニットの両者を移動させるものであってもよいが、いずれか一方を移動させるほうが、より安価な装着システムを実現できる。
【0028】
なお、電気部品の取得,装着時の離間距離差を消滅させるということは、裏を返せば、移動の際に離間距離差を設けることであり、消滅させる離間距離差を大きくすれば、移動の際の離間距離差が大きくなり、両装着ユニットの入れ替わりがより確実になる。つまり、装着ユニット離間距離差消滅移動装置を、装着ユニットの位置の入れ替わりの時点において、両装着ユニットの離間距離差を拡大させる、あるいは発生させるという機能を有する装着ユニット離間距離差拡大移動装置あるいは装着ユニット離間距離差発生移動装置として把握することもできる。したがって、それぞれの装着ユニットが同一平面を移動させ、入れ替わり時にこの装着ユニット離間距離差消滅移動装置を利用して離間距離差を設けるようにすれば、それぞれの装着ユニットを、入れ替わり時点においてのみ離間距離差の異なる移動経路で移動させる態様の装着ユニット移動装置、つまり(6)項に記載の装着ユニット移動装置の一態様を実現させることができる。この一態様の具体的なものについては後述する。
【0029】
(10)前記装着ユニット離間距離差消滅移動装置が、前記第1装着ユニットと前記第2装着ユニットとの前記少なくとも一方を、前記基準平面に略直角な方向に平行移動させる装着ユニット平行移動装置を含む(9)項に記載の電気部品装着システム。
(11)前記装着ユニット離間距離差消滅移動装置が、前記第1装着ユニットと前記第2装着ユニットとの前記少なくとも一方を前記基準平面に略平行な回転軸線まわりに回転移動させる装着ユニット回転移動装置を含む(9)項または(10)項に記載の電気部品装着システム。
上記装着ユニット離間距離差消滅移動装置のより具体的な態様として、この2つの項の態様を採用することができる。例えば、被装着面を上方に向けて保持する場合においては、(10)項に記載の態様では、例えば、高いほうに位置する側の装着ユニットを、電気部品の取得時,装着時に下降させる方式を例示できる。また、(11)項に記載の態様では、例えば、高い側を移動する装着ユニットを跳ね上げた状態で移動させ、取得時,装着時に装着ヘッドが鉛直になるように戻す方式を例示できる。なお、平行移動と回転移動との両者を行う態様をも採用可能である。
【0030】
(12)前記離間距離差消滅装置が、少なくとも前記電気部品の装着時において前記離間距離の差を消滅させるものであり、その離間距離差を消滅させるべく、前記第1装着ユニットによる装着時と前記第2装着ユニットによる装着時との少なくとも一方において、前記回路基板を前記基準平面に略直角な方向に移動させる基板直角方向移動装置を含む(8)項ないし(11)項のいずれかに記載の電気部品装着システム。
電気部品の装着時において上記離間距離の差を消滅させる場合は、装着ユニットを移動させるだけでなく、回路基板を移動させるものであってもよい。先の項と同様、被装着面を上方に向けて保持する場合においては、基板保持装置に保持された回路基板を昇降させる方式を採用することができる。その場合、基板直角方向移動装置は、基板保持装置に含まれるものであってもよく、基板保持装置を昇降させるものであってもよい。なお、部品供給領域において同様に作用する装置として、部品供給位置を上記直角な方向に移動させる装置、例えば、部品供給装置自体を昇降させる装置を含むように、離間距離差消滅装置を構成することも可能である。
【0031】
(13)前記第1装着ユニット移動装置と前記第2装着ユニット移動装置との少なくとも一方が、
前記基準平面に平行な一方向に延びるXスライドと、
その一方向と交差しかつ前記基準平面と平行な方向であるXスライド移動方向に、前記Xスライドを移動させるXスライド移動装置と、
前記第1装着ユニット移動装置と前記第2装着ユニット移動装置との前記一方によって移動させられる前記第1装着ユニットと前記第2装着ユニットとの一方が設けられたYスライドと、
そのYスライドを前記Xスライドに沿って移動させるYスライド移動装置と
を含む(7)項ないし(12)項のいずれか記載の電気部品装着システム。
(14)前記第1装着ユニット移動装置が、
前記基準平面に平行な一方向に延びる第1Xスライドと、
その一方向と交差しかつ前記基準平面と平行な方向である第1Xスライド移動方向に、前記第1Xスライドを移動させる第1Xスライド移動装置と、
前記第1装着ユニットが設けられた第1Yスライドと、
その第1Yスライドを前記第1Xスライドに沿って移動させる第1Yスライド移動装置とを含み、
前記第2装着ユニット移動装置が、
前記基準平面に平行な一方向に延びる第2Xスライドと、
その一方向と交差しかつ前記基準平面と平行な方向である第2Xスライド移動方向に、前記第2Xスライドを移動させる第2Xスライド移動装置と、
前記第2装着ユニットが設けられた第2Yスライドと、
その第2Yスライドを前記第2Xスライドに沿って移動させる第2Yスライド移動装置とを含む(13)項に記載の電気部品装着システム。
【0032】
上記2つの項に記載の態様は、XYスライドタイプの移動装置(以下、「XYスライド装置」と略す)によって、装着ユニットを移動させる態様である。XYスライド装置は、装着ユニットの移動面内における移動経路の自由度が高く、実用的であり、本発明の電気部品装着システムにおいて、装着ユニットの移動装置として好適である。特に、一平面に沿って移動させる場合に、単純な構成の装置となる。(13)項は、第1装着ユニットと第2装着ユニットとの少なくともいずれかをXYスライド装置によって移動させる態様に関するものであり、(14)項は、その態様の一部の態様であって、両方の装着ユニットをXYスライド装置で移動させる態様に関するものである。なお、以下に掲げる一連の項においては、XYスライド装置の限定について、両方の装着ユニットをXYスライド装置で移動させる場合の態様において説明するものであるが、これら各項に記載の技術的特徴は、一方の装着ユニットをXYスライド装置によって移動させる場合の態様においても、そのXYスライド装置の限定として採用し得る。
【0033】
XYスライド装置は、装着ユニットを一平面に沿って移動させるものにのみ限定されるわけではない。例えば、Xスライドの移動方向およびYスライドの移動方向の両者に直角な方向(Z軸方向)に、XYスライド装置自体を移動させる装置あるいはXスライドを移動させる装置を併設して、装着ユニットを3次元的に移動させる態様とすることができる。また、両者の装着ユニットを移動させるそれぞれの移動装置にXYスライド装置を採用し、それらのXYスライド装置の少なくとも一方を上記3次元方向に移動させることが可能な態様の装置とすれば、部品供給領域および部品装着領域においてそれぞれの装着ユニットを同一平面に沿って移動させ、その中間の領域において基準平面から異なる離間距離の移動経路でそれぞれの装着ユニットを移動させて、それぞれの装着ユニットの前述した入れ替わり時点での干渉を防止することも可能である。つまり、上記Z軸方向への移動装置は、(9)項に関する説明において示した装着ユニット離間距離差発生移動装置として機能するものであり、2つのXYスライド装置自体の干渉が回避される限り、前述した(6)項に記載の装着ユニット移動装置の一態様を実現させることができる。さらにまた、それぞれの装着ユニットをそれぞれのXYスライド装置で移動させる場合において、それぞれのXスライドの移動方向を同じとし、上記中間領域において少なくとも一方のXスライド軌道を曲げる等することによって、上記離間距離差を発生させて、前述したそれぞれの装着ユニットの入れ替わり時点での干渉を防止することが可能である。したがって、この態様によっても、(6)項に記載の態様を実現させることが可能となる。
【0034】
なお、XYスライド装置の変形態様として、例えば、1つのXYスライド装置において同一平面内を移動するXスライドを2つ設け、一方のXスライドが部品供給領域をカバーするように移動し、他方のXスライドが部品装着領域をカバーするように移動し、中間領域において一方のXスライドから他方へ、他方のXスライドから一方へそれぞれの装着ヘッドが乗り替わるような構成のXYスライド装置を採用することもできる。このような装着ユニット移動装置を採用すれば、(1)項で説明したところの、部品供給領域側と部品装着領域側とに位置が入れ替わり可能な移動経路でそれぞれの装着ユニットを移動させる一態様、詳しくは、同一平面に沿った移動経路における入れ替わり態様が実現される。
【0035】
それぞれの装着ユニットが上記離間距離の異なる2つの平面に沿ってそれぞれ移動する2つのXYスライド装置を同一方向に配設し、Xスライド移動方向の両端部において、Xスライドがそれら2平面の間を移動可能なリフト装置を設ければ、Xスライドがループ軌道を移動するタイプの装着ユニット移動装置が実現される。このようなループ軌道にそってそれぞれの装着ユニットを同一方向に周回移動させる装着ユニット移動装置は、明確に区分された2つの移動装置から構成されるものではないが、それぞれの装着ユニットの入れ替わりの時点において、基準平面からの離間距離の異なる移動経路でそれぞれの装着ユニットを移動させることができる装置の1つであり、かかる態様の移動装置によっても、(6)項に記載の電気部品装着システムの一態様が得られることになる。なお、この場合、第1装着ユニット,第2装着ユニットの他に、他の装着ユニットを同一軌道で同一方向に周回させるものであってもよい。
【0036】
(15)前記第1Xスライド移動方向と前記第2Xスライド移動方向とが略同じ方向である(14)項に記載の電気部品装着システム。
(16)前記部品供給領域が前記部品装着領域の両側に設けられ、その部品供給領域とその部品装着領域とが並ぶ方向が、前記第1Xスライド移動方向および前記第2Xスライド移動方向と略同じ方向である(15)項に記載の電気部品装着システム。
(17)前記部品供給領域が前記部品装着領域の片側に設けられ、その部品供給領域とその部品装着領域とが並ぶ方向が、前記第1Xスライド移動方向および前記第2Xスライド移動方向と略同じ方向である(15)項に記載の電気部品装着システム。
(18)前記基板保持装置が、前記部品供給領域と前記部品装着領域とが並ぶ方向に前記回路基板を2つ以上並べて保持可能なものである(16)項または(17)項に記載の電気部品装着システム。
【0037】
上記一連の項に掲げる態様は、第1装着ユニットと第2装着ユニットとをそれぞれのXYスライド装置で移動させる場合において、それらのXYスライド装置の配設方向に関するものである。(15)項は、Xスライドの移動方向を統一させる態様であり、例えば、同じ方向にXYスライド装置を配設すれば、前述した様々な態様が可能となる他、それぞれの装置の制御を同様のものとすることができる等、電気部品装着システムの単純化が図れる。また、(16)項ないし(18)項は、その場合において、部品供給領域と部品装着領域との並ぶ方向とXスライドの移動方向を同じにする態様であり、Xスライドが部品供給領域と部品装着領域とにわたる領域をカバーするように移動するものである。この態様では、電気部品の取得時,装着時において、一方の装着ユニットが他方の装着ユニットが設けられたXスライドと干渉することが少なく、装着効率の向上が図れる。なお、(16)項ないし(18)項の態様では、前述した(2)項ないし(5)項の技術的特徴による実益をも享受することができる。
【0038】
(19)前記第1装着ユニットと前記第2装着ユニットとの少なくとも一方が設けられた前記第1Yスライドおよび前記第2Yスライドの少なくとも一方に、
前記部品供給領域での前記電気部品の取得時と前記部品装着領域での前記電気部品の装着時との少なくとも一方において、前記第1装着ユニットおよび前記第2装着ユニットのそれぞれと前記基準平面との離間距離の差を消滅させるべく、前記第1装着ユニットと前記第2装着ユニットとの前記少なくとも一方を移動させる装着ユニット離間距離差消滅移動装置が配設された(14)項ないし(18)項のいずれかに記載の電気部品装着システム。
(20)前記装着ユニット離間距離差消滅移動装置が、前記第1装着ユニットと前記第2装着ユニットとの前記少なくとも一方を、前記基準平面に略直角な方向に平行移動させる装着ユニット平行移動装置を含む(19)項に記載の電気部品装着システム。
(21)前記装着ユニット離間距離差消滅移動装置が、前記第1装着ユニットと前記第2装着ユニットとの前記少なくとも一方を前記基準平面に略平行な回転軸線まわりに回転移動させる装着ユニット回転移動装置を含む(19)項または(20)項に記載の電気部品装着システム。
【0039】
上記一連の項に記載の態様は、XYスライド装置を採用した場合における装着ユニット離間距離差消滅移動装置の配設に関するものである。Yスライドにかかる装置を配設すれば、それぞれの装着ユニットの構造の共通化,それぞれのXYスライド装置の構造の共通化が図れる等のメリットがある。なお、こられのそれぞれの項の態様では、前述した(9)項ないし(11)項のそれぞれの技術的特徴によるメリットをも享受することができる。
【0040】
(22)前記第1Xスライド移動装置が、
前記第1Xスライド移動方向に延びる1つの第1Xガイドレールと、
前記第1Xスライドをそれの一方の端部近傍において支持し、前記第1Xガイドレールに沿って移動させられる第1Xスライド支持装置とを含み、
前記第2Xスライド移動装置が、
前記第2Xスライド移動方向に延びる1つの第2Xガイドレールと、
前記第2Xスライドをそれの一方の端部近傍において支持し、前記第2Xガイドレールに沿って移動させられる第2Xスライド支持装置とを含む(14)項ないし(21)項のいずれかに記載の電気部品装着システム。
(23)前記第1Xスライド移動装置が、
前記第1Xスライド移動方向に延びる2つの第1Xガイドレールと、
前記第1Xスライドをそれの両方の端部近傍においてそれぞれ支持し、前記2つの第1Xガイドレールのそれぞれに沿って移動させられる2つの第1Xスライド支持装置とを含み、
前記第2Xスライド移動装置が、
前記第2Xスライド移動方向に延びる2つの第2Xガイドレールと、
前記第2Xスライドをそれの両方の端部近傍においてそれぞれ支持し、前記2つの第2Xガイドレールのそれぞれに沿って移動させられる2つの第2Xスライド支持装置とを含む(14)項ないし(21)項のいずれかに記載の電気部品装着システム。
【0041】
上記2つの項は、XYスライド装置の機構に関する態様であり、詳しくは、Xスライドの支持形態に関するものである。(22)項に記載の態様は、例えば、Xスライドが1つの支持装置によって支持され、その支持装置が1本のガイドレールに沿って移動させられることで、Xスライドが移動させられるタイプのものであり、いわゆる片支持タイプのXスライドを搭載するXYスライド装置である。(23)項に記載の態様は、例えば、Xスライドがその両端部においてそれぞれ2つの支持装置によって支持され、その支持装置が1本のガイドレールに沿って移動させられることで、Xスライドが移動させられるタイプのものであり、いわゆる両支持タイプのXスライドを搭載するXYスライド装置である。片支持タイプの装置では、装置が単純化される、設置スペースが小さくできるといったメリットがある。両支持タイプの装置では、Xスライドのブレがなく、装着位置において高精度な電気部品装着が可能であるというメリットがある。上記2つの態様は、電気部品装着システムの仕様,目的等に応じて選択すればよい。なお、上記2つの項は、第1装着ユニットと第2装着ユニットのそれぞれを移動させる2つのXYスライド装置の両者ともが、片支持タイプのもの、あるいは両支持タイプのものであるが、一方を両支持タイプのものとし、他方を片支持タイプのものとして、装着ユニット移動装置を構成することもできる。
【0042】
(24)前記第1装着ユニットおよび前記第2装着ユニットがそれぞれ2以上設けられており、
前記第1装着ユニット移動装置が、前記第1Yスライドを複数有し、それら第1Yスライドの各々に前記複数の第1装着ユニットの各々が設けられ、前記第1Yスライド移動装置が、それら複数の第1Yスライドを前記第1Xスライドに沿って個別に移動させるものであり、
前記第2装着ユニット移動装置が、前記第2Yスライドを複数有し、それら第2Yスライドの各々に前記複数の第2装着ユニットの各々が設けられ、前記第2Yスライド移動装置が、それら複数の第2Yスライドを前記第2Xスライドに沿って個別に移動させるものである(14)項ないし(23)項のいずれかに記載の電気部品装着システム。
【0043】
本項に記載の電気部品装着システムは、それぞれの装着ユニットが複数設けられたもの、詳しくは、2つのXスライドのそれぞれに複数の装着ユニットが設けられた態様のものである。例えば、Xスライドが部品供給領域に位置するとき、複数の装着ユニットが設けられたそれぞれのYスライドが個別に移動し、それぞれの装着ユニットが部品供給位置のあるところまで移動させられ、略同時に、複数の電気部品の取得が可能となる(Xスライドの長手方向と部品供給位置の並ぶ方向が一致する場合)。また、Xスライドが部品装着位置にあるときには、複数の電気部品の同時装着は、Xスライドの長手方向の一線上にあるものに限られる(単に、Xスライドが平行移動だけさせられる場合)という制限があって困難であるが、装着ユニットの部品供給領域と部品装着領域とにわたる移動の回数を減少させることができ、その分だけ装着作業の時間が短縮される。したがって、第1装着ユニットと第2装着ユニットとの両者をそれぞれ複数備えた本項の態様では、より装着効率の高い電気部品の装着が可能となる。なお、本発明の電気部品装着システムでは、第1装着ユニットと第2装着ユニットとの両者をそれぞれ複数にするだけでなく、いずれか一方の装着ユニットのみ複数設ける態様をも採用し得る。
【0044】
(25)前記第1Xスライド移動装置が、前記第1Xスライドを、前記第1Xスライド移動方向に直角でありかつ前記基準平面に平行な直線に対して傾斜させることができるものであり、
前記第2Xスライド移動装置が、前記第2Xスライドを、前記第2Xスライド移動方向に直角でありかつ前記基準平面に平行な直線に対して傾斜させることができるものである(24)項に記載の電気部品装着システム。
【0045】
前述したように、Xスライドが単に平行移動だけさせられるタイプのXYスライド装置では、YスライドがXスライドに沿って移動するため、1つのXスライドに設けられた複数の装着ユニットは、例えばXスライドの長手方向の一直線上に位置する。したがって、その直線に平行な直線上にない複数の部品装着位置には、複数の装着ユニットを有していても、電気部品を同時に装着する機会は少ない。これに対し、本項に記載の態様のXYスライド装置では、Xスライドが単に平行移動させられるだけでなく、移動方向に直角な直線に対して傾斜可能であるため、1つのXスライドに設けられた複数の装着ユニットによる同時装着の機会が大幅に拡大することになる。特に、1つのXスライドに2つの装着ユニットが設けられた場合は、それら装着ユニットの各々は、それらが干渉しない限り、任意の2つの装着位置にそれぞれ同時に位置することが可能であり、殆どの場合において、任意の2つの位置に電気部品を略同時に装着できることになる。したがって、本項に記載の態様の電気部品装着システムは、装着効率の高いものとなる。なお、必ずしも2つのXYスライド装置の両方のXスライドが傾斜可能な態様でなければならないわけでなく、一方のXYスライド装置のXスライドのみが傾斜可能な態様で装着ユニット移動装置を構成することができる。また、その場合、その一方のXYスライド装置に、以下の一連の項に記載のXスライドの傾斜に関する技術的特徴を具備させることができる。
【0046】
(26)前記第1Xスライド移動装置が、
前記第1Xスライド移動方向に延びる2つの第1Xガイドレールと、
前記第1Xスライドをそれの両方の端部近傍においてそれぞれ回動可能に支持し、前記2つの第1Xガイドレールのそれぞれに沿って移動させられる2つの第1Xスライド回動支持装置と、
前記第1Xスライドの前記傾斜に応じて、前記第1Xスライドの前記2つの第1Xスライド回動支持装置によって支持される2つの被支持部の間隔の変化を許容する第1Xスライド被支持部間隔変化許容装置と
を含み、かつ、
前記第2Xスライド移動装置が、
前記第2Xスライド移動方向に延びる2つの第2Xガイドレールと、
前記第2Xスライドをそれの両方の端部においてそれぞれ回動可能に支持し、前記2つの第2Xガイドレールのそれぞれに沿って移動させられる2つの第2Xスライド回動支持装置と、
前記第2Xスライドの前記傾斜に応じて、前記第2Xスライドの前記2つの第2Xスライド回動支持装置によって支持される2つの被支持部の間隔の変化を許容する第2Xスライド被支持部間隔変化許容装置と
を含む(25)項に記載の電気部品装着システム。
【0047】
本項に記載の態様は、両方の端部近傍で支持される両支持タイプのXスライドの傾斜手段の限定に関する。このタイプでは、支持装置によってXスライドの端部が固定されている場合、そのXスライドを傾斜させることができない。また、支持装置がそれぞれのXガイドレールに沿って移動するため、Xスライドが傾斜する場合、それぞれの支持装置の間の距離が変化することになる。そこで、Xスライドが回動可能な支持装置によって両端部を支持するという手段を採用し、さらに、支持装置の間隔の変化(厳密には回動中心間の距離の変化)に対応するための手段として、2つの回動支持装置によって支持されるXスライドの2つの被支持部の間隔の変化を許容する装置を設けている。
【0048】
Xスライド被支持部間隔変化許容装置の具体的な1つの態様として、Xスライドの2つのXスライド回動支持装置に支持される中間部の伸縮を許容するXスライド伸縮許容装置を含む態様を採用することができる。つまり、この態様は、被支持部間のXスライドの長さを変更させ得る装置を含むものであり、その長さの変更によって、上記支持装置の間隔の変化に対応させるものである。またもう1つの態様として、Xスライドの延びる方向における一方の回動支持装置とXスライドとの相対移動を許容するXスライド相対移動許容装置を含む態様を採用することができる。つまり、この態様は、例えば、被支持部においてXスライドと回動支持装置とを摺動させる等して、Xスライドの被支持点位置を変更させることによって、上記支持装置の間隔の変化に対応させるものである。これらの手段を採用することにより、本項に記載の部品装着システムは、両支持タイプのXスライドであっても、1つのXスライドに設けられた複数の装着ユニットで、複数の任意の装着位置に電気部品を略同時に装着できる。
【0049】
(27)前記装着ヘッドに保持した前記電気部品の、前記第1Xスライドおよび前記第2Xスライドの前記傾斜に応じた傾斜を修正する電気部品傾斜修正装置を含む(25)項または(26)項に記載の電気部品装着システム。
Xスライドを傾斜させると、そのXスライドに設けられた装着ユニットが傾斜し、装着ヘッドに保持された電気部品も傾斜する。つまり、電気部品の装着方位が、設定された方位からずれることになる。装着ユニットの傾斜によって傾斜した電子部品を所定の装着方位にまで修正できる本項に記載の電気部品装着システムは、装着方位が予め決定されている電子部品であっても、同時装着が可能になる。
【0050】
(28)前記電気部品傾斜修正装置が、前記電気部品の傾斜を修正すべく、その電気部品を保持する装着ヘッドを回転させる装着ヘッド修正回転装置を含む(27)項に記載の電気部品装着システム。
上述した電気部品傾斜修正装置は、その具体的な手段が特に限定されるものではない。例えば、装着ユニットを傾斜角度に応じた角度だけ回転させるようなものでもよく、また、部品供給位置等において、装着ヘッドが取得する前に電気部品を回転させるようなものであってもよい。本項に記載の態様では、装着ヘッドを回転させて、電気部品の傾斜修正を行う。装着ユニットが、電気部品の取得時等における位置ずれ,回路基板の保持位置のずれ等を補正するために、装着ヘッドを回転させる補正装置((30)項に記載の装着ヘッド位置補正装置の一態様に該当する)を有する場合、その補正装置に本電気部品傾斜修正装置を兼ねさせることができ、電気部品装着システムの簡素化が可能となる。
【0051】
(29)前記第1装着ユニットと前記第2装着ユニットとの少なくとも一方が、前記装着ヘッドを2つ以上備えた(1)項ないし(28)項のいずれかに記載の電気部品装着システム。
装着ユニットが備える装着ヘッドの数は、特に限定されるものではなく、1つの装着ユニットに1つの装着ヘッドを有する態様であってもよい。本項に記載の電気部品装着システムでは、1つの装着ユニットに複数の装着ヘッドが備えられており、1つの装着ユニットで複数の電気部品の装着が可能となる。したがって、本項に記載の態様の電気部品装着システムは、装着効率の高い電気部品組立作業が行えることになる。
【0052】
1つの装着ユニットに複数の装着ヘッドを備える具体的な態様は、特に限定されるものではない。装着ヘッドの配置については、例えば、それぞれの装着ヘッドを基準平面に直角な状態で直線的に一列に配置するあるいは複数の列に配置する態様を採用できる。この態様の場合、例えば、それぞれのフィーダの部品供給位置が一直線に沿って配列するようなフィーダ型部品供給装置を用い、例えば、そのフィーダのピッチと装着ヘッドのピッチを整合させる等すれば、部品供給領域において、1つの装着ユニットに備えられた複数ヘッドによる複数個の電気部品の同時取得が可能になる。
【0053】
また、複数の装着ヘッドを、基準平面に直角な状態で円筒面に沿って配置する態様であってもよい。この場合、その円筒面の中心軸線回りにそれら装着ヘッドを周回させて任意の回転位置で装着ヘッドの部品装着を可能にすれば、例えば、1つのXスライドに2つの装着ユニットが設けられて、それらの装着ユニットのそれぞれに備えられたそれぞれの装着ヘッドによる部品の同時装着を行う場合、装着位置の間隔が小さな状態での電気部品の同時装着における制約を小さなものとすることができる。つまり、2つの装着ユニットの近接は制限された状態であるため、装着ヘッドが固定されている場合、それぞれの装着ユニットが備えるそれぞれの装着ヘッドの組み合わせによっては、接近する装着位置における同時装着が行えない。これに対し、上記のように装着ヘッドが回転可能な場合、いずれの装着ヘッドの組み合わせにおいても、接近する装着位置における同時装着が可能となる。
【0054】
さらにまた、複数の装着ヘッドを、基準平面に直角な状態で円筒面に沿って配置する態様では、その円筒面の中心軸線回りにそれぞれの装着ヘッドを回転させて、装着ユニットの定位置において、1つの装着ヘッドが電気部品を取得,装着するインデックスタイプの装着ユニットを構成することも可能である。インデックスタイプの装着ユニットとする場合は、例えば、基準平面に平行な軸線まわりに複数の装着ヘッドを放射状に配置し、それらをその軸線まわりに回転させる態様、円錐周面に沿って複数の装着ヘッドを配置し、いずれかの装着ヘッドが基準平面と直角な状態となるようにその円錐の中心軸線を傾け、その中心軸線まわりに複数の装着ヘッドを周回させる態様等、様々の態様をも採用することができる。インデックスタイプの装着ユニットの場合、その装着ユニットにおける定位置で装着ヘッドが電気部品を取得,装着することから、装着ユニットの移動制御が簡単なものとなる。
【0055】
(30)前記部品供給領域と前記部品装着領域との間に配設されて前記装着ヘッドに保持された前記電気部品を認識する認識装置と、
その認識装置の認識データからその電気部品のそれを保持する前記装着ヘッドに対する位置ずれ量を取得する位置ずれ量取得装置と、
取得された前記位置ずれ量に応じて、その装着ヘッドの位置を補正する装着ヘッド位置補正装置と
を含む(1)項ないし(29)項のいずれかに記載の電気部品装着システム。
部品供給領域において電気部品を取得保持する場合、装着ヘッドの中心と電気部品の中心との位置ずれが生じる場合も多い、また、回転位置における位置ずれ(装着方位におけるずれ)が生じる場合も多い。これらの位置ずれは、装着における電気部品の位置ずれとなるため、これを補正することが望ましい。本項に記載の態様は、この位置ずれ防止,抑制するための手段に関するものであり、本項の態様によれば、装着された電気部品の位置ずれの少ない電気部品装着システムが得られる。
【0056】
保持された電気部品を認識する認識装置には、CCDカメラ,ラインスキャンカメラ等の撮像装置、超音波等による位置認識装置等を用いることができる。また、位置ずれ量取得装置は、コンピュータ等を利用した画像データ処理装置、種々の位置データを解析処理する装置等を用いることができる。部品供給領域と部品装着領域の間に認識装置を配設すれば、部品供給領域から部品装着領域への移動の間に位置ずれを検出することができ、実用的な電気部品装着システムとなる。中心位置のずれに対しては、例えば、装着ユニット移動装置がその位置ずれ量を消滅させるように制御される場合は、その装着ユニット移動装置とその制御装置が装着ヘッド位置補正装置として機能することになる。また、回転位置における位置ずれに対しては、例えば、装着ヘッドを回転させる回転装置を装着ユニットが備え、その回転装置が位置ずれ量を消滅させるように制御される場合は、その回転装置と制御装置が装着ヘッド位置補正装置として機能することになる。
【0057】
(31)部品供給領域において供給される電気部品を装着ヘッドに取得保持させ、部品装着領域において基板保持装置に保持された回路基板の表面にその電気部品を装着する電気回路組立工程と、
前記電気部品が装着された前記回路基板にはんだ付けを行うはんだ付け工程と
を含む電気回路製造方法であって、
前記電気回路組立工程が、前記装着ヘッドをそれぞれ少なくとも1つ以上備えた第1装着ユニットおよび第2装着ユニットを、前記部品供給領域と前記部品装着領域とにわたって、両者が互いに干渉することなく前記部品供給領域側と前記部品装着領域側とに位置が入れ替わり可能な移動経路で移動させて行うことを特徴とする電気回路製造方法。
【0058】
本項に記載の電気回路製造方法は、その電気回路組立工程において、電気部品を取得保持,装着する装着ヘッドを備えた複数の装着ユニットにより電気部品の装着を行うものであり、詳しくは、区別された第1装着ユニットと第2装着ユニットとの2種の装着ユニットが、相互に干渉し合うことなく、部品供給領域と部品装着領域との間を行き来させて電気部品の装着を行うものである。装着ユニットの移動に対して制約が少なく、装着効率の高い電気回路の組立が行える。その結果、本発明の電気回路製造方法は、作業効率が向上させられた製造方法となる。なお、前述した電気部品装着システムに関する各項に記載の技術的特徴については、本項に記載の製造方法の電気回路組立工程に採り入れることができる。
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のいくつかの実施形態について、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、以下の実施形態の他、前記〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
【0059】
〈第1実施形態〉
第1実施形態の電気部品装着システムの主要部を示す図として、図1に平面図を、図2に正面断面図を、図3に左側面断面図を、それぞれ掲げる。本実施形態の電気部品装着システムは、主に、電気部品が装着される回路基板10を保持する基板保持装置12と、電気部品の取得保持,装着を行う装着ヘッド13を備えた2種の装着ユニット14,16(2つの第1装着ユニット14および2つの第2装着ユニット16(詳しく図示していない))と、2つのXYスライド装置を含む装着ユニット移動装置18とから構成され、その他、部品供給装置20を位置決めして支承する部品供給装置支承装置となる支承テーブル22、装着ヘッド13に保持された電気部品(詳しくは、電気部品の保持姿勢)を認識する認識装置としての2つの電気部品撮像装置24(CCDカメラを含む),本電気部品装着システムの様々な制御を行うための図示していない制御装置、各装置等が配設され本装着システムの基体となるフレーム26(一部が図示されている)、外装パネル等の図示していない外装部品等を含んで構成される。以下に、それぞれの構成要素について、順に説明する。なお、説明の便宜上、基板保持装置12に保持された回路基板10の表面に平行な平面を基準平面(仮想面である)とし、その基準平面に平行な方向であって図1における左右方向をX軸方向と、上下方向をY軸方向とし、X軸方向およびY軸方向と直角な方向つまり基準平面に直角方向をZ軸方向とする。
【0060】
基板保持装置12は、複数(本装着システムでは2つ)の回路基板10をX軸方向に並べて保持することが可能なものであり、1つの回路基板10を保持する部分であって部品供給装置20に近い側に位置する第1保持部40と、1つの回路基板10を保持するもう1つの部分であって部品供給装置20から遠い側に位置する第2保持部42との2つの保持部を含んで構成される。2つの保持部40,42は、略同じ構造をなしており、それぞれが、本装着システムに回路基板10を搬入する基板搬入装置としての搬入コンベア44、および、本装着システムから回路基板10を搬出する基板搬出装置である搬出コンベア46に繋がるように配設されている。そして、保持部40,42の各々は、回路基板10を、その被装着面を上方に向けて水平に保持する。
【0061】
基板保持装置12の保持部40,42の構造(厳密には、第1保持部40と第2保持部との一方の構造)を図4に示す。保持部40(42)は、主に、フレーム26に固定された保持部基体50と、1対の基板ガイドレール52と、回路基板10を下方から支持するための昇降支持装置54とを含んで構成される。基板ガイドレール52は、無端の巻掛体であるコンベアベルト56を有し、このコンベアベルト56は、搬送モータを駆動源とする図示しないベルト駆動装置によって周回させられることにより、搬入コンベア44側から搬出コンベア46側に回路基板10を搬送する。昇降支持装置54は、昇降ベース58と、昇降ベース58の上面の端部に設けられた挟持部材60および回路基板10の被装着面の反対面の中央部を下方から支持する複数の支持部材62と、保持部基体50に固定され昇降ベース58を下方から持ち上げ可能な流体圧アクチュエータとして機能するエアシリンダ64と、昇降ベース58の昇降をガイドする昇降ガイド66とを含んで構成される。コンベアベルト56によって定位置まで搬送された回路基板10は、その位置で昇降支持装置54によって持ち上げられ、支持部材62によって水平に保たれつつ、挟持部材60と基板ガイドレール52の上部である基板挟持部68との間で挟持されることで、保持部40(42)に保持固定される。なお、詳しくは図示していないが、1対の基板ガイドレール52の間隔は、回路基板10の幅に応じて調整可能になっており、また、挟持部材60の間隔もそれに応じて調整可能になっている。さらに、支持部材62についてもその支持位置の変更が可能となっている。
【0062】
本電気部品装着システムに併設される部品供給装置20は、フィーダ型部品供給装置であり、テーピングフィーダ80が、複数個並列に整列して構成される。テーピングフィーダ80は、複数の電気部品を等間隔で収容するテープをリールから順次送り出し、所定の位置において、それら電気部品を1つずつ供給する。テーピングフィーダ80の構造、フィーダ型部品供給装置の構造については、特に限定されるものではなく、例えば、特開平10−112598号公報等に示すものを用いればよいため、ここでは説明を省略する。部品供給装置20を支承する支承テーブル22は、詳しく図示しないが、フレーム26に固定され、部品供給装置20を着脱可能にかつ自らの所定位置に固定保持可能な構造となっている。本装着システムでは、部品供給装置20が支承テーブル22に固定された状態において、それぞれのフィーダ80の部品供給位置82は、図1に示すように、Y軸方向に延びる一直線状に並ぶものとなる。
【0063】
それぞれ2つずつ設けられた第1装着ユニット14および第2装着ユニット16は、電気部品を取得保持,装着するための装着ヘッド13を備える。本装着システムでは、第1装着ユニット14,第2装着ユニット16の両者ともに、2以上、詳しくは8つの装着ヘッド13を備えている。言い換えれば、すべての装着ユニット14,16が複数の装着ヘッド13を備えている。いずれの装着ヘッド13も基準平面に直角な状態で、一直線上に並ぶ4つ装着ヘッド13が2列になって配置されている。第1装着ユニット14と第2装着ユニット16とは、略同じ構造をなしているため、以下の装着ユニットの説明は、第1装着ユニット14についてのみ行う。
【0064】
第1装着ユニット14の正面一部断面図を、図5に示す。第1装着ユニットに備えられる装着ヘッド13は、電気部品を保持する部品保持部である吸着ノズル100と、吸着ノズル100を保持する軸部であるヘッド軸102とを含んで構成される。吸着ノズル100は、負圧により電気部品を吸着するものであり、ヘッド軸102の下端部に設けられたアダプタ104により、ヘッド軸102に着脱可能に保持されている。また、ヘッド軸102は、Z軸方向に貫通した通路106を有する円筒状部材であり、この通路106は吸着ノズル100の先端まで通じており、この通路を通じて負圧が供給される。ヘッド軸102の上端部は、図示していない継手が接続されており、他に配管類,ホース類,電磁方向切換弁108(図9のブロック図参照)等を介して、通路106が図示しない負圧源に繋がっている。通路106への負圧の供給,遮断は、その電磁方向切換弁108の切換えにより行い、負圧を供給することにより吸着ノズル100は電気部品110を取得し、負圧が供給され続けている間部品を保持し、保持した状態から負圧を遮断するあるいは正圧を供給することにより電気部品110を離脱させ、保持していた電気部品を回路基板の被装着面に装着する。
【0065】
装着ヘッド13は、ヘッド軸102において、軸受装置122によって、Z軸方向に移動可能かつ自らの軸線まわりに回転可能に装着ユニット本体120に保持される。詳しくは、軸受装置122のアウターレース124は、装着ユニット本体120に固定されており、インナーレース126がアウターレース124に対して回転可能かつ軸方向に移動不能であり、また、図示は省略するが、ヘッド軸102とインナーレース126との係合する部分は、ボールスプライン機構を構成しており、ヘッド軸102はインナーレース126に対して回転不能にかつ軸方向に回転可能となっていることで、装着ヘッド13は、Z軸方向に移動可能かつ自らの軸線まわりに回転可能となっている。
【0066】
第1装着ユニット14は、装着ヘッド軸方向移動装置130備える。装着ヘッド軸方向移動装置130は、装着ヘッド軸方向移動モータ132を含んで構成される。装着ヘッド軸方向移動モータ132は、本装着システムではリニアモータであり、コイルを有する円筒形の固定子134と、ヘッド軸102に一体的に取り付けられた永久磁石を有する可動子136とを含み、装着ヘッド13をZ軸方向に移動させる。また装着ヘッド13の 第1装着ユニット14に対するZ軸方向における位置は、図示を省略する装着ヘッド軸方向位置検出器としてのエンコーダによって検出される構造となっている。装着ヘッド13は、この装着ヘッド軸方向移動装置130によって、電気部品110を取得するときおよび装着するときには、所定距離だけ下降移動させられ、取得後および装着後にはその所定距離だけ上昇移動させられる。この場合の装着ヘッド13のZ軸方向の移動距離は、第1装着ユニット14と回路基板10の表面あるいは部品供給位置82とのZ軸方向の離間距離,保持する電気部品110の厚さ等のデータを基に、制御装置によって演算され、決定される。
【0067】
また、第1装着ユニット14は、装着ヘッド回転装置140を備える。装着ヘッド回転装置140は、主に、装着ヘッド回転モータ142と、その駆動軸に取付けられたピニオン144と、軸受装置122のインナーレース126の下端部に固定されてピニオン144と噛合するギヤ146とから構成される。装着ヘッド回転モータ142の回転は、ピニオン144とギヤ146とによって、インナーレース126に伝達され、ヘッド軸102においてインナーレース126に対して回転不能に支持された装着ヘッド13が回転させられる。装着ヘッド13の回転位置は、図示を省略する装着ヘッド回転位置検出器としてのエンコーダによって把握される。装着ヘッド回転装置140による装着ヘッド13の回転は、例えば、保持する電気部品の回転方向における位置ずれを補正する等の目的で行われる。
【0068】
さらに、第1装着ユニット14は、回路基板10の基板保持装置12による保持位置のズレを検出する目的で、回路基板10の表面に施された基準マークを認識する基板基準マーク認識装置としての基準マーク撮像装置150を備える。本装着システムにおいては、基準マーク撮像装置150は、CCDカメラ152を始め、撮像のための図示されていない光源等を含んで構成される。回路基板10が基板保持装置12に保持された状態において、部品装着作業前に、第1装着ユニット14が基板基準マークの上方まで移動させられ、基準マーク撮像装置150により、基板基準マークが撮像される。制御装置において、画像データを基にデータ処理を行い、回路基板10の保持位置のズレが検出され、そのズレを補正した正規の部品装着位置に第1装着ユニット14および第2装着ユニットが移動させられて、電気部品の装着が行われる。なお、前述したように、第2装着ユニット16は、第1装着ユニット14と略同じ構成を採用するため、上記第1装着ユニット14に関する説明は、そのまま第2装着ユニット16についても当てはまるものである。
【0069】
装着ユニット移動装置18は、主に、2つの第1装着ユニット14を部品供給領域と部品装着領域とにわたって移動させる第1装着ユニット移動装置200と、2つの第2装着ユニット16を、部品供給領域と部品装着領域とにわたって移動させる第2装着ユニット移動装置210とを含んで構成される。第1装着ユニット移動装置200,第2装着ユニット移動装置210ともに、いわゆるXYスライド装置であり、第1装着ユニット移動装置200は、第1Xスライド220と、第1Xスライド220を移動させる第1Xスライド移動装置と、2つの第1装着ユニット14の各々が設けられる2つの第1Yスライド224と、第1Yスライド224を第1Xスライド220に沿って移動させる第1Yスライド移動装置とを含んで構成され、同様に、第2装着ユニット移動装置210は、第2Xスライド230と、第2Xスライド230を移動させる第2Xスライド移動装置と、第2装着ユニット16の各々が設けられる2つの第2Yスライド234と、第2Yスライド234を第2Xスライド230に沿って移動させる第2Yスライド移動装置とを含んで構成される。
【0070】
第1装着ユニット移動装置200および第2装着ユニット移動装置210は、それぞれ、第1装着ユニット14および第2装着ユニット16を、基準平面と平行な2つの一平面である第1平面240および第2平面242(いずれも仮想面である。図2において、240,242は第1平面と第2平面との位置関係を示す。)のそれぞれに沿って移動させることができる。これら第1平面240と第2平面242とは、回路基板10の表面から異なる高さで、かつ、装着ユニット14,16の入れ替わりにおいて相互に干渉しないように両者が互いに充分に離間した2つの平面であり、これらに沿って第1装着ユニット14および第2装着ユニット16がそれぞれ移動するため、部品供給領域と部品装着領域とにわたる移動において第1装着ユニット14と第2装着ユニット16とが互いに干渉しない。すなわち、装着ユニット移動装置18によれば、第1装着ユニット14および第2装着ユニット16のそれぞれを、部品供給領域と部品装着領域とにわたって、両者が互いに干渉することなく部品供給領域側と部品装着領域側とに位置が入れ替わり可能な移動経路で移動させることができる。
【0071】
また、本装着システムでは、第1装着ユニット移動装置200と第2装着ヘッド移動装置210とは、Xスライド220,230の移動方向が同じ、つまり、第1Xスライド220の移動方向である第1Xスライド移動方向と、第2Xスライド230の移動方向である第2Xスライド移動方向とが、ともにX軸方向である。そして、その方向は、部品供給装置20と基板保持装置12とが並ぶ方向、つまり、部品供給領域と部品装着領域とが並ぶ方向と一致し、また、基板保持装置12において回路基板10が並ぶ方向とも一致している。
【0072】
第1装着ユニット移動装置200および第2装着ユニット移動装置210は、両者とも、両端部において支持される両支持タイプのXスライドを搭載するXYスライド装置である。また、2つのXスライド220,230とも、それぞれのXスライド移動方向に直角でありかつ基準平面に平行な直線に対して傾斜可能、つまり、それらの長手方向がY軸方向に対して傾斜可能である。そのため、第1Xスライド220は、その両端部近傍において、2つの第1Xスライド支持装置、詳しくは第1Xスライド回動支持装置250によって、基準平面に平行な平面に沿って回動可能に支持され、同様に、第2Xスライド230は、その両端部近傍において、2つの第2Xスライド支持装置、詳しくは第2Xスライド回動支持装置252によって、基準平面に平行な平面に沿って回動可能に支持される。また、第1装着ユニット移動装置200および第2装着ユニット移動装置210は、それぞれ、2本の第1Xガイドレール254および2本の第2Xガイドレール256を有する。第1Xガイドレール254および第2Xガイドレール256は、フレーム26に設けられ、それぞれの2本が部品供給領域および部品装着領域つまり部品供給装置20および回路基板保持装置12を挟んで向かい合い、それぞれのXスライド220,230の移動方向であるX軸方向に延びている。上記2つの第1Xスライド回動支持装置250の各々は、2本の第1Xガイドレール254の各々に沿って移動させられ、2つの第2Xスライド回動支持装置252の各々は、2本の第2Xガイドレール256の各々に沿って移動させられる。
【0073】
図6に、第1Xスライド回動支持装置250とその周辺を拡大して示し、図7に、第2Xスライド回動支持装置252とその周辺を拡大して示す。なお、図6は、図1におけるA−A視(一部切欠き断面)であり、図7は、図1におけるB−B視である。第1Xスライド回動支持装置250は、断面形状がL字状をなす支持部材260と、支持部材260のフランジ面に取付けられたスライド部材262と、スライド部材262の上部に取付けられたナット部材264と、支持部材260から上方に向かって立設された回動軸部材264とを含んで構成される。同様に、第2Xスライド回動支持装置256は、断面形状がL字状をなす支持部材270と、支持部材270のフランジ面に取付けられたスライド部材272と、スライド部材272の下部に取付けられたナット部材と、支持部材270から下方に向かって立設された回動軸部材276とを含んで構成される。第1Xスライド回動支持装置250は、第1スライド220を下方から支持し、逆に、第2Xスライド回動支持装置252は、第2Xスライド230を上方から支持する。いずれのXスライド回動支持装置250,252も、回動軸部材266,276を、Xスライド220,230の端部であって略円筒状をなす被支持部280,282に挿通して支持するものであり、図6に示すように、回動軸部材266,276の外周面と被保持部280,282との間には2つのアンギュラ軸受284が介装されており、軸方向にナット286により締結することで、それぞれのXスライド220,230を回動可能にかつ軸方向に移動不能に支持する。また、それぞれのスライド部材262,272は、ベアリングを介して、それぞれのXガイドレール254,256に取付けられている。それぞれのナット部材264,274は、Xガイドレール254,256に平行に設けられた送りねじ288に螺合し、これらナット部材264,274と送りねじ288とはボールねじ機構を構成する。図示を省略する第1Xスライド移動モータ290あるいは第2Xスライド移動モータ292(図9参照)により送りねじ288が回転させられることで、それぞれのXスライド回動支持装置250,252がそれぞれのXガイドレール254,256に沿って移動させられ、それぞれのXスライド220,230は、X軸方向に移動させられる。なお、それぞれのXスライド回動支持装置250,252の位置は、Xスライド回動支持装置位置検出器としてのエンコーダにより検出される。
【0074】
以上のような構造をなすことから、上記第1Xスライド移動装置は、1対の移動装置部を含んで構成され、それぞれの移動装置部は、それぞれ1つずつの第1Xガイドレール254と、送りねじ288と、第1Xスライド移動モータ290と、第1Xスライド回動支持装置250とを含んで構成される。同様に、上記第2Xスライド移動装置は、1対の移動装置部を含んで構成され、それぞれの移動装置部は、それぞれ1つずつの第2Xガイドレール256と、送りねじ288と、第2Xスライド移動モータ292と、第1Xスライド回動支持装置252とを含んで構成される。
【0075】
Xスライド220,230は、2つの本体部を含んで構成されている。詳しくは、第1Xスライド220は、その略全長にわたる長さの第1Xスライド第1本体部310と、比較的長さの短い第1Xスライド第2本体部312との2つの本体部を含み、それら本体部310,312は一方の端部近傍においてそれぞれ第1Xスライド回動移動装置250に支持され、支持されない他端部において互いにスライド可能に連結されている。同様に、第2Xスライド230は、その略全長にわたる長さの第2Xスライド第1本体部314と、比較的長さの短い第2Xスライド第2本体部316との2つの本体部を含み、それら本体部314,316は一方の端部近傍においてそれぞれ第2Xスライド回動移動装置252に支持され、支持されない他端部において互いにスライド可能に連結されている。図6には、第1Xスライドにおける上記連結の部分をも示してあり、この図に基づいてその連結部分を説明すれば、第1本体部310(314)は、2本の伸縮レール318が取付けられ、第2本体部312(316)には伸縮スライド320が取付けられており、それらが、ベアリングを介して係合し、伸縮スライド320が伸縮レール318に沿って移動可能な構造となっている。この構造により、Xスライド220,230は、その長さが伸縮可能となる。
【0076】
本装着システムでは、1つのXスライド220,230を支持する2つのXスライド回動支持装置250,252がそれぞれ単独で移動させられることにより、そのXスライド220,230がY軸方向に平行な直線に対して傾斜させられる。ところが、Xスライド220,230が傾斜に応じ、Xスライド220,230の被支持部間の間隔、つまり、2つのXスライド回動支持装置250,252の回動中心間距離(回動軸部材266,276の中心間距離)が変化する。本装着システムでは、Xスライド220,230が上述の構造をなすことにより長さが伸縮し、その回動中心間距離の変化に対応可能であり、その結果、Xスライド220,230が傾斜可能となる。つまり、本装着システムは、2つのXスライド回動支持装置250,252に支持されるXスライド220,230の中間部の伸縮を許容するXスライド伸縮許容装置(第1Xスライド伸縮許容装置322および第2Xスライド伸縮許容装置324)を含むものであり、これらXスライド伸縮許容装置322,324は、Xスライド被支持部間隔変化許容装置として機能するものである。すなわち、第1Xスライド伸縮許容装置322は、第1Xスライド第1本体部310,第1Xスライド第2本体部312,伸縮レール318,伸縮スライド320等を含んで構成され、第2Xスライド伸縮許容装置324は、第2Xスライド第1本体部314,第2Xスライド第2本体部316,伸縮レール318,伸縮スライド320等を含んで構成される。
【0077】
本装着システムでは、第1装着ユニット14および第2装着ユニット16ともに、それぞれ2以上、詳しくは2つずつ設けられており、また、第1装着ユニット移動装置200は、複数、詳しくは2つの第1Yスライド224を、第2装着ユニット移動装置210は、複数、詳しくは2つの第2Yスライド234を、それぞれ有している。そして、2つの第1装着ユニット14の各々は、2つの第1Yスライド224の各々に、2つの第2装着ユニット16の各々は、2つの第2Yスライド234の各々に、それぞれ設けられており、第1Yスライド224の各々は、第1Yスライド移動装置によって個別に移動させられ、第2Yスライド234の各々は、第2Yスライド移動装置によって個別に移動させられる。
【0078】
図6には、第1Xスライド220に沿って移動可能なYスライド224とYスライド移動装置についても拡大して示してあり、この図をも参照して説明すれば、第1Yスライド224は、第1装着ユニット14が取付けられる装着ユニット取付部材340と、スライド部材342とを含んで構成される。第1Xスライド220には、その長手方向に延びる2本の第1Yガイドレール344が設けられており、スライド部材342はベアリングを介して第1Yガイドレール344と係合することで、第1Yスライド224が第1Xスライド220に沿って移動可能な構造となっている。スライド部材342と第1Xスライド220との間には、2つの第1Yスライド224のそれぞれを移動させる駆動源となる2つの第1Yスライド移動モータ346が設けられている。本装着システムにおいて、第2Yスライド移動モータ346は、リニアモータであり、詳しく図示しないが、永久磁石を有する固定子(2つのリニアモータのものが共通である)が第1Xスライド220の側に、コイルを有する可動子がスライド部材342の側に、それぞれ設けられている。また、第1Yスライド224の位置は、Yスライド位置検出器としてのエンコーダによって検出される。なお、上記構造から、すなわち、第1Yスライド移動装置は、第1Yガイドレール344,スライド部材342,Yスライド移動モータ346等を含んで構成される。
【0079】
図8に、第2Yスライド234とその周辺を拡大して示す(図2におけるC−C視)。この図をもさらに参照して説明すれば、第2Yスライド234は、第2装着ユニット16が取付けられる装着ユニット取付部材350と、スライド部材352と、さらに、装着ユニット取付部材350とスライド部材352との間に配設された装着ユニット平行移動装置354とを含んで構成される。装着ユニット平行移動装置354は、第1Yスライド224にはないものであり、詳しくは後する。他の構成は、第1Yスライド224のものと同様であり、同様に説明すれば、第2Xスライド230には、その長手方向に延びる2本の第2Yガイドレール356が設けられており、スライド部材352はベアリングを介して第2Yガイドレール356と係合することで、第2Yスライド234が第2Xスライド230に沿って移動可能な構造となっている。スライド部材352と第2Xスライド230との間には、2つの第1Yスライド234のそれぞれを移動させる駆動源となる2つの第2Yスライド移動モータ358が設けられている(図8では隠れている)。第2Yスライド移動モータ358は、第1Yスライド移動モータ346と同様の構造を有するリニアモータであり、またYスライド位置検出器についても同様であることから、これらの説明は省略する。上記構成から、すなわち、第2Yスライド移動装置は、第2Yガイドレール356,スライド部材352,Yスライド移動モータ358等を含んで構成される。
【0080】
装着ユニット取付部材350とスライド部材352との間に配設された装着ユニット平行移動装置354は、第2装着ユニット16(装着ユニット取付部材350)をZ軸方向に移動、つまり昇降させる装置である。スライド部材352に取付けられる基材360と、基材360に設けられた2つの昇降ガイドレール362と、ベアリングを介して昇降ガイドレール362と係合してそれに沿って移動する昇降スライド部材364と、基材360と昇降スライド部材364との間に配設される装着ユニット昇降モータ366とを含んで構成される。装着ユニット昇降モータ366もリニアモータであり、永久磁石を有する固定子が基材360の側に、コイルを有する可動子が昇降スライド部材364の側に、それぞれ設けられている。装着ユニット平行移動装置354による第2装着ユニット16の昇降において、上昇端および下降端は、図示しないストッパによって決定される。上昇端おいて、第2装着ユニット16は、前述した第2平面242に沿って移動可能に位置し、下降端おいて、前述した第1平面240に沿って移動可能に位置する。この装着ユニット平行移動装置354は、部品供給領域での電気部品の取得時と部品装着領域での電気部品の装着時との少なくとも一方において、第1装着ユニット14および第2装着ユニット16のそれぞれと基準平面との離間距離の差を消滅させる離間距離差消滅装置の一態様であり、詳しくは、そのために装着ユニットを移動させる装着ユニット離間距離差消滅移動装置の一態様である。部品供給領域と部品装着領域の両者において、上記離間距離差を消滅させることができ、第1装着ユニット14と第2装着ユニット16との共通化が等が図れる。
【0081】
上述したように、本装着システムでは、第1装着ユニット14および第2装着ユニット16を2つずつ備え、それらが設けられる2つのYスライド224,234がそれぞれ個別に移動させられ、さらに、それらが移動するXスライド220,230が任意傾きに傾斜可能であることから、部品装着領域において、2つの装着ユニット14,16が、任意の2つの部品装着位置の上方に位置することができ、2つの装着ヘッド13によって略同時に電気部品を装着することが可能である。Xスライド220,230が傾斜する場合、その傾斜に応じて装着ヘッド13が保持する電気部品の装着方位も傾斜するが、その傾斜は、前述した装着ヘッド回転装置140を後述する制御装置によってコントロールし、その装着ヘッド13を回転させることによって、修正することが可能である。したがって、本装着システムは、電気部品傾斜修正装置の一態様としての装着ヘッド修正回転装置を含むものであり、その装着ヘッド修正回転装置は、装着ヘッド回転装置140,制御装置を含んで構成される。
【0082】
次に、本電気部品装着システムの制御装置を説明する。図9に制御装置のブロック図、詳しくは、本発明に関連が深い部分のブロック図を示す。制御装置400は、PU402,ROM404,RAM406,入出力インターフェース408,それらを接続するバス等から構成されるコンピュータ410を主体とするものである。入出力インターフェース408には、各種アクチュエータを駆動させる駆動回路412、基準マーク撮像装置150,電気部品撮像装置24からの画像データ(認識データ)を処理するための画像処理回路414等が接続され、これらが制御装置400を構成する。また、制御装置400のコンピュータ410には、テンキー,アルファベットキー,ファンクションキーを備えてデータや指令等の入力に用いられる入力装置416、制御状況等を表示する表示装置であるモニター等も接続される。さらに、図示を省略するが、コンピュータ410には、上述した各種位置検出器としてのエンコーダ等からの検出データ等も入力され、これらの検出データに基づいて、各種アクチュエータが制御される。駆動回路412に接続されるアクチュエータは、前述したものであり、例えば図示するような、電磁方向切換弁108,装着ヘッド軸方向移動モータ132,装着ヘッド回転モータ142,第1Xスライド移動モータ290,第2Xスライド移動モータ292,第1Yスライド移動モータ346,第2Yスライド移動モータ358,装着ユニット昇降モータ366等が含まれる。
【0083】
次に、本電気部品装着システムによる電気回路組立作業について説明する。予め、電気部品が装着される回路基板10は、搬入コンベア44によって、基板保持装置12の第1保持部40または第2保持部42(先に組立作業が行われていない側の保持部)に搬入され、昇降支持装置54が作動して、定位置に保持され、その状態で、先行する回路基板10への部品装着の完了まで待機する。先行する回路基板10の部品装着が完了後に、待機していた回路基板10に対する部品装着作業を開始する。まず、回路基板10の保持位置のずれ検出する。検出は、回路基板10に施された基準マークを撮像し、その画像データを画像処理することによって得られる。2つの第1装着ユニット14あるいは2つの第2装着ユニット16の一方を基準マークの位置の上方に移動させ、それらが備える基準マーク撮像装置150により行う。基準マークは、回路基板10の被装着面の2箇所(対角線上の離れた位置)に施されており、2つの装着ユニットのそれぞれの基準マーク撮像装置150により、略同時に行うことができる。基準マークの撮像による画像データは、画像処理回路414によって処理され、回路基板10のX軸方向,Y軸方向およびXY平面内における回転方向(θ軸方向と定義する)の位置ずれ量として取得される。
【0084】
例えば、第1装着ユニット14により回路基板10の位置ずれを検出するものとすれば、第1装着ユニット14は、次いで、第1装着ユニット移動装置200によって、部品供給領域に移動させられる。このとき、第2装着ユニット16はすでに部品の保持等が完了しており、第1装着ユニットの移動と同時に、第2装着ユニット移動装置210によって部品供給領域から部品装着領域に移動させられる。2つの第2装着ユニット16の両者とも、装着ユニット平行移動装置354によって上昇させられており、第1装着ユニット14と第2装着ユニット16とが部品供給領域側と部品装着領域側とに入れ替わる際に、両者が相互に干渉することはない。つまり、第1装着ユニット14は、前述した第1平面240に沿って移動し、第2装着ユニット16は、第2平面242に沿って移動するため、互いに干渉せずに、領域を入れ替わることが可能なのである。
【0085】
第1装着ユニット14は、部品供給領域に到着して、部品供給装置20から電気部品を取得する。このとき、第1装着ユニット14が設けられた第1Xスライド220は、Y軸方向に沿って延びるように位置し、つまりY軸方向に対して傾斜させられていないため、第1装着ユニット14は、部品供給位置82が並ぶ直線状を移動可能である。また、2つの第1装着ユニット14は、それぞれが8つの装着ヘッド13を有しており、8つまでの電気部品の取得が可能である。所定の装着ヘッド13が所定の部品供給位置の上方へ位置するように第1装着ユニット14移動させ、その位置において、その装着ヘッド13を装着ヘッド軸方向移動装置130で下降させ、電磁方向切換弁108を作動させ、吸着ノズル100に負圧を供給して電気部品を吸着することで、電気部品の吸着が行われる。吸着後、その装着ヘッド13を装着ヘッド軸方向移動装置130で上昇させ、その装着ヘッド13による電気部品の取得が完了する。順次、異なる装着ヘッド13による電気部品の取得を行い(場合によっては複数の装着ヘッドでの複数部品の同時取得も可能である)、1つの第1装着ユニット14による取得作業が完了する。2つの第1装着ユニット14は、第1Xスライド220に沿って、それぞれ個別に移動させられ、2つの第1装着ユニット14による電気部品の取得作業は、略同時に行われる。なお、一連の取得作業において、いずれの第1装着ユニット14のいずれの装着ヘッド13に、どの電気部品を保持させるかについては、プログラムによって決定され、制御装置400は、それに従って第1装着ユニット14の動作を制御する。
【0086】
次いで、電気部品を保持した第1装着ユニット14は、電気部品撮像装置24の上方へ移動させられ、順次、装着ヘッド13に保持された電気部品の姿勢が認識される。詳しくは、電気部品撮像装置24による撮像データは、画像処理回路414によって処理され、装着ヘッド13の軸心からのX軸方向およびY軸方向における位置ずれ、および、θ軸方向の位置ずれとして取得される。つまり、本装着システムでは、画像処理回路414およびコンピュータ410の一部が、電気部品についての位置ずれ量取得装置を構成することになる。なお、本装着システムでは、2つの電気部品撮像装置24を備え、それぞれが、2つの第1装着ユニット14のそれぞれが保持する電気部品を認識する。
【0087】
第1装着ユニット14に関する上記一連の動作の間、第2装着ユニット16は、部品装着装着領域において、電気部品の装着作業を行う。まず、部品領域に到達した2つの第2装着ユニット16は、それぞれ、装着ユニット平行移動装置354によって下降させられる。これにより、以下の装着作業においては、第2装着ユニット16は、第1平面240に沿って移動する。装着作業では、一方の第2装着ユニット16の予定された1つの装着ヘッド13が保持する電気部品の装着と、他方の第2装着ユニット16の予定された1つの装着ヘッド13が保持する電気部品の装着とが、略同時に行われる。第2装着ユニット移動装置210は、第2Xスライド230の両端を支持する2つの第2Xスライド回動支持装置252の各々が、個別に移動させられ、かつ、2つの第2装着ヘッド16が設けられた2つの第2Yスライド234の各々が、個別に移動させられるようになっており、こられの個別の動作を制御装置400によって制御することで、予定された2つの装着ヘッド13が任意の2箇所の部品装着位置の上方に位置するように、それぞれの第2装着ユニット16が移動させられる。
【0088】
図10に、2つの第2装着ユニットにより2つの電気部品が同時に装着される様子を模式的に示す。例えば、まず、図10における●の2箇所の装着位置に予定された最初の2つの装着ヘッド13を位置させ、その位置で、所定の電気部品の装着が行われる。次いで、他の2箇所の位置(例えば、△,□,○の位置)に、予定された次の装着ヘッド13が位置するように、2つの第2装着ユニット16を移動させ、その位置で、次の所定の電気部品の装着を行う。以下、順に繰り返して、1回の装着作業におけるすべての電気部品の装着を完了させる。この装着作業は、1つの直線上に任意に設定した2つの部品装着位置に電気部品を略同時に装着する工程を繰り返して行うものである。しかも、各工程におけるそれらの直線どうしが互いに平行でない場合においても、同時装着の工程を繰り返すことが可能である。言い換えれば、ここに説明した電気回路組立作業は、回路基板10の表面の任意に設定した複数の部品装着位置の各々に、電気部品を略同時に装着する電気部品同時装着工程を含むものであり、またその電気部品同時装着工程は、第1直線上に任意に設定した2つの部品装着位置に電気部品を略同時に装着する工程と、その第1直線と平行でない第2直線上に任意に設定した2つの前記部品装着位置に電気部品を略同時に装着する工程とを含むものであるといえる。また、本装着システムは、上記装着作業において、2つの第2装着ユニット16の各々に備えられた1つずつの装着ヘッド13が、部品装着領域において、任意に設定した2つの部品装着位置の各々に、電気部品を略同時に装着可能なように制御される。つまり、上記装着作業において、制御装置400は、そのような動作が可能なように第2装着ユニット移動装置210を制御する同時装着制御装置としての機能をも有する。
【0089】
図10において、例えば、●の2箇所の装着位置に電気部品を装着する場合、その装着位置を結ぶ直線は、Y軸方向に対してωだけ傾斜する。大まかに言えば、第2Xスライドの傾斜に応じて傾斜することになる。つまり、その場合、装着ヘッド13に保持された電気部品は、回路基板10に対して、ωだけ回転させられた状態、つまり傾斜させられた状態となる。この電気部品の傾斜は、前述したように、この傾斜角ωは、2つの第2Xスライド回動支持装置252の各々の位置,第2Yスライド234の各々の位置,2つの第2装着ユニット16のそれぞれにおいて装着する装着ヘッド13によって決定される。これらの位置等は、制御装置400によって把握されており、傾斜角ωは、コンピュータ410の演算によって求められる。このωの値に基づいて制御装置400は指令を発し、その傾斜を修正すべく、装着ヘッド回転装置140はそれぞれの装着ヘッド13を回転させる。このような動作により、本装着システムでは、傾斜した直線上の2箇所の部品装着位置に、略同時に2つの電気部品を適正方位にて装着が可能である。したがって、本装着システムにおいて、制御装置400の一部および装着ヘッド回転装置140は、装着ヘッド修正回転装置として機能することになる。
【0090】
前述した回路基板10の位置ずれ量および既に認識取得されている電気部品の位置ずれ量は、第2装着ユニット16による装着作業において補正される。詳しくは、制御装置400から第2装着ユニット移動装置210の各アクチュエータへの指令は、X軸方向およびY軸方向のそれら位置ずれ量を加味した指令であり、また、装着ヘッド回転装置140への指令は、θ軸方向のそれら位置ずれ量を加味した指令であり、こららの指令により、回路基板10に対する位置ずれが補正された正規装着位置、正規装着方位での装着が可能になる。したがって、本装着システムにおいて、制御装置400の一部および各アクチュエータの一部は、装着ヘッド位置補正装置として機能することになる。
【0091】
装着作業が終了した第2装着ユニット16は、装着ユニット平行移動装置354により上昇させられ、第2平面242に移行させられる。第2装着ユニット16による装着作業の間、前述したように、第1装着ユニット14は部品取得作業等を行っている。第1装着ユニット14による上記作業と第2装着ユニット16による上記作業がともに完了した時点で、今度は逆に、第1装着ユニット16が部品装着領域側に、第2装着ユニット16が部品供給領域側に移動させられる。この際、第1装着ユニット14は第1平面240に沿って、第2装着ユニット16は第2平面に沿って、それぞれ移動させられることにより、入れ替わりにおける相互干渉は発生しない。次いで、前述した電気部品の取得,電気部品の撮像認識等の一連の作業が第2装着ユニットによって、電気部品の装着の一連の作業が第1装着ユニットによって、それぞれ行われる。こららの一連の動作を繰り返し、すべての電気部品の装着が完了する。
【0092】
図11に、装着ユニットからみた動作,作業のフローチャートを示す。この図から理解できるように、本装着システムでは、1つの部品供給領域と1つの部品供給領域との間で、装着ユニットが干渉なく入れ替わることが可能であるため、第1装着ユニット14と第2装着ユニット16との一方が部品装着領域に位置するときに、他方が部品供給領域に位置してその他方が備える装着ヘッド13が電気部品の取得を行うことができ、電気部品の装着効率が高いものといえる。装着ユニットがそのような動作を行うように装着ユニット移動装置18を制御する制御装置400は、装着ユニット存在領域制御装置としての機能を有するものであるといえる。
【0093】
本電気部品装着システムにおいて、電気部品の装着が完了した回路基板10は、搬出コンベア46によって、次のシステムへ搬送される。次のシステムは、他の電気部品を装着する別の装着システムであるの場合もあり、この場合は、すべての電気部品がで完了した時点で、電気回路組立工程が終了することになる。また、本装着システムで電気回路組立工程が終了する場合は、次のシステムは、電気部品が装着された回路基板にはんだ付けを行うはんだ付けシステムとなり、このはんだ付けシステムを通過してはんだ付け工程が完了する。
【0094】
〈第1実施形態における変形態様〉
以下に、上記第1実施形態の電気部品装着システムにおいて採用可能な変形態様について説明する。図12に、基板保持装置の変形態様、詳しくはそれの1つの保持部を示す。前述の基板保持装置12は、それ自身が昇降するものではない(図4参照)。これに対して、本態様の基板保持装置450は、保持部452自体が昇降するものである。本基板保持装置450の保持部452は、主に、保持部基体454と、保持部基体454に上架された1対の基板ガイドレール456と、回路基板10を下方から支持するための昇降支持装置458と、図示しないフレーム26に固定されて保持部基体454を昇降させる保持部基体昇降装置460とを含んで構成される。保持部基体454,基板ガイドレール456,昇降支持装置458については、その構造および機能が前述の基板保持装置のものと同様であるため、ここでの説明は省略する。保持部基体昇降装置460は、保持基体454の両側に設けられて保持部基体454の昇降が前述の基準平面に直角となるようにガイドする昇降ガイド462と、図示しない基端部がフレームに固定されて先端部が保持部基体454を下方から押上げるアクチュエータとしてのエア式昇降シリンダ464とを含んで構成される。昇降ガイド462の各々は、昇端ストッパ部466および降端ストッパ部468を有し、これらに保持部基体454が当接することによって、保持部基体454の昇降ストロークにおける上昇端および下降端が規制される。昇降ストロークの長さは、前述した第1平面240と第2平面242との離間距離差に等しいものとなっている。回路基板10を保持した状態で、保持部基体昇降装置460を作動させれば、回路基板は10その表面に直角な方向に上記昇降ストロークだけ上下移動させられる。第1装着ユニット14による電気部品の装着時には回路基板10を下降端に位置させ、第2装着ユニット16による電気部品の装着時には回路基板10を上昇端に位置させるように保持部基体昇降装置460を制御すれば、本基板保持装置450は、部品装着領域における装着ユニットの離間距離差を消滅させる離間距離差消滅装置、詳しくはその一態様である基板直角方向移動装置として機能する。
【0095】
上記実施形態の装着システムにおいては、装着ユニット離間距離差消滅装置として、第2装着ユニット16を基準平面に直角な方向に移動させる装着ユニット平行移動装置354を採用する(図2および図8参照)。これに代えて、装着ユニットを基準平面に略平行な回転軸線まわりに回転移動させる装着ユニット回転移動装置を採用することができる。図13に、第2装着ユニット16を回転移動させる装着ユニット回転移動装置を示す。装着ユニット回転移動装置470は、第2Yスライド234のスライド部材352に取付けられた回動基材472と、上部において回動基材472に回転可能に支持され下部において第2装着ユニット16が取付けられる装着ユニット取付部材474と、基端部が回動基材472の下部に回転可能に取付けられ先端部が装着ユニット取付部材474に回転可能に取付けられたアクチュエータとしてのエア式回動シリンダ476とを含んで構成される。回動基材472と装着ユニット取付部材474とがそれらの上部を支点に相対回転するヒンジ機構を構成しており、回動シリンダ476を作動させることにより装着ユニット取付部材474が回動する。回動端の一方において、装着ユニット取付部材474は、回動基材472の下部に設けられたストッパ部材478に当接して基準平面に対して直立した状態となり、その状態において、第2装着ユニット16が第1平面に位置する。また、回動端の他方において(図13における2点鎖線の状態)、装着ユニット取付部材474は傾斜させられ、図示を省略するが、第2装着ユニット16は跳ね上げられた格好となり、その下部は第2平面を超えて基準平面から離間する。電気部品の取得および装着時に第2装着ユニット16を第1平面に位置させ、第1装着ユニット14との入れ替わり移動において第2装着ユニット16を跳ね上げるように制御すれば、この装着ユニット回転移動装置470を採用する電気部品装着システムにおいても、入れ替わり時の装着ユニットは相互に干渉することはない。
【0096】
上記実施形態の部品装着システムでは、Xスライド被支持部間隔変化許容装置として、Xスライド伸縮許容装置322,324(図3参照)を採用する。このXスライド伸縮装置の代わりに、Xスライドの支持点位置を変更させることにより、Xスライド回動支持装置250,252とXスライド220,230とのXスライド220,230の延びる方向における相対移動を許容するXスライド相対移動許容装置を採用することも可能である。図14に、Xスライド相対移動許容装置として機能する第1Xスライド回動支持装置とその周辺を、模式的に示す。この第1Xスライド回動支持装置480は、支持部材482と、支持部材482のフランジ面に取付けられて第1Xガイドレール254に沿ってスライドするスライド部材484と、支持部材482に立設した回転軸486を中心に回動可能に設けられた回動部材488とを含んで構成される。回動部材488は、回転軸486に軸支される回動部490と、第1Xスライド220を、それに付設されたスライドレール492においてスライド可能に保持するスライド保持部494とを含んで構成される。第1Xスライド回動支持装置480は、図示は省略する移動装置によって、Xガイドレール254に沿って移動させられる。なお、Xスライド220の他端部は、前に説明した第1Xスライド回動支持装置250(Xスライド220の長手方向の相対移動は許容されない)に保持されている。第1Xスライド回動支持装置480の移動に伴って第1Xスライド220が傾斜させられる場合には、スライドレール492はスライド保持部494に対して相対的にスライドすることで、第1Xスライド220の被支持点位置が変更可能となる。それにより、第1Xスライド220の傾斜が可能になる。
【0097】
前述のXスライド伸縮許容装置では、Xスライドの長手方向における中間部分で伸縮させるため、その伸縮する部分に無理な力がかかり易い。これに対し、回動中心から被支持点位置までの距離が短く一定している本態様のXスライド回動支持装置、つまりXスライド相対移動許容装置としての機能を有するXスライド回動支持装置では、Xスライドに作用する力が小さいというメリットがある。逆に、傾斜が少ない場合にXスライドが回動支持装置の外側にはみ出すことになり、Y軸方向に幅広いスペースを要するというデメリットもある。長所と短所とを比較考量して、採択すればよい。なお、上記説明は第1Xスライドについて行ったが、本態様のXスライド回動支持装置は、第2Xスライドの側についても採用可能である。
【0098】
次に、装着ユニットに関する変形態様について説明する。上記実施形態において、装着ユニット14,16は、それぞれ複数(8つ)の装着ヘッド13を備えている。そしてそれらは、4つを1列とした2列に並んでおり、いずれの装着ヘッド13もX軸方向およびY軸方向については移動不能である。例えば、2つの第1装着ユニット14で、2箇所の電気部品装着位置に同時に部品装着する場合を考える。この様子を図15(a)に模式的に示す。2つの第1装着ユニット14の各々は、2つの第1Yスライド224の各々に設けられており、両者が1つの第1Xスライド220に沿って移動する。そのため2つの第1装着ユニット14は、両者が干渉しない位置にまでしか接近できない。電気部品を同時装着する場合、図に示すAの2つの装着ヘッド13によって行われる時には、両者の距離は近く、したがって、接近した2箇所の装着位置に電気部品を同時装着できる。しかし、常に、接近した装着ヘッド13による同時装着が行われるわけでなく、図に示すBの2つの装着ヘッド13で行うときには、接近した2箇所の装着位置に同時装着できないことになる。このことは、同時装着における1つの制約となる。
【0099】
上記制約を解消するのが、本変形態様である。変形態様の装着ユニットによる同時装着の様子を、図15(b)に模式的に示す。本図に示す装着ユニットは、円筒型の装着ユニット498であり、2つのそれぞれが2つの第1Yスライド224のそれぞれに設けられる。それぞれの円筒型装着ユニット498は、装着ヘッド13を8つ備える。それぞれの装着ヘッド13は、その軸線が基準平面に直角になるように配設され、基準平面に直角な軸を有する円筒周面に沿って8等配の位置に配設されている。機構の詳細については省略するが、円筒型装着ユニット498は、装着ヘッド周回装置を有しており、これら装着ヘッド13は、その円筒の中心軸線の周りに回転可能であり、任意の回転位置で停止するよう制御される。したがって、同時装着を行う装着ヘッドが図のDの位置にそれぞれ位置するものであっても、それぞれが回転させられることにより、図のCの位置に位置することが可能であり、接近した2つの装着位置に同時に電気部品を装着することが可能となる。なお、装着ヘッド13の上記回転によっても、保持する電気部品の方位が変化するが、その変化した方位を修正すべく、制御装置の指令により、それぞれの装着ヘッド13はそれぞれの装着ヘッド回転装置140(図5参照)で回転させられ、正規の方位で電気部品が装着される。なお、第1装着ユニット14の側について説明したが、第2装着ユニット16の側についてもこの態様は採用可能である。
【0100】
〈第2実施形態〉
第2実施形態の電気部品装着システムの主要部を示す図として、図16に、平面図を、図17に正面断面図を、図18に左側面断面図を、それぞれ掲げる。本実施形態の電気部品装着システムは、主に、電気部品が装着される回路基板500を保持する基板保持装置502と、電気部品の取得保持,装着を行う装着ヘッド504を備えた2種の装着ユニット506,508(1つの第1装着ユニット506および1つの第2装着ユニット508(詳しく図示していない))と、2つのXYスライド装置を含む装着ユニット移動装置510とから構成され、その他、部品供給装置512を位置決めして支承する部品供給装置支承装置となる支承テーブル514、装着ヘッド504に保持された電気部品(詳しくは、電気部品の保持姿勢)を認識する認識装置としての電気部品撮像装置516(CCDカメラを含む),本電気部品装着システムの様々な制御を行うための図示していない制御装置、各装置等が配設され本装着システムの基体となるフレーム518(一部が図示されている)、外装パネル等の図示していない外装部品等を含んで構成される。以下に、それぞれの構成要素について、順に説明する。なお、説明の便宜上、基板保持装置502に保持された回路基板500の表面に平行な平面を基準平面(仮想面である)とし、その基準平面に平行な方向であって図16における左右方向をX軸方向と、上下方向をY軸方向とし、X軸方向およびY軸方と直角な方向つまり基準平面に直角方向をZ軸方向とする。
【0101】
基板保持装置502は、複数(本装着システムでは2つ)の回路基板500をX軸方向に並べて保持することが可能なものであり、1つの回路基板500を保持する部分である2つの保持部530を含んで構成される。2つの保持部530は、略同じ構造をなしており、それぞれが、本装着システムに回路基板500を搬入する基板搬入装置,基板搬出装置としての搬入コンベア,搬出コンベアに繋がるように配設されている。そして、保持部530の各々は、回路基板500を、その被装着面を上方に向けて水平に保持する。基板保持装置502のそれぞれの保持部530の構造および機能については、前述の第1実施形態のものと同様であるため、ここでの説明は省略する。また、本電気部品装着システムに併設される部品供給装置512は、フィーダ型部品供給装置であり、テーピングフィーダが、複数個並列に整列して構成される。部品供給装置512の構造および機能は、前述の第1実施形態のものと同様であるため、説明を省略する。部品供給装置512を支承する支承テーブル514は、詳しく図示しないが、フレーム518に固定され、部品供給装置512を着脱可能にかつ自らの所定位置に固定保持可能な構造となっている。本装着システムでは、部品供給装置512が支承テーブル514に固定された状態において、それぞれのフィーダの部品供給位置は、Y軸方向に延びる一直線状に並ぶものとなる。
【0102】
それぞれ1つずつ設けられた第1装着ユニット506および第2装着ユニット508は、電気部品を取得保持,装着するための装着ヘッド504を備える。本装着システムでは、第1装着ユニット506,第2装着ユニット508の両者ともに、4つの装着ヘッド504を備えている。いずれの装着ヘッド504も基準平面に直角な状態で、Y軸方向に一列に並んで等間隔に配置されている。装着ヘッド504は、その下端部が電気部品を保持する部品保持部となり、その部分に吸着ノズルを有する。吸着ノズルに負圧を供給することにより電気部品を吸着し、負圧を遮断あるいは正圧を供給することにより電気部品を離脱させて装着する。する。また、装着ヘッド504は、概して軸状であり、自らの軸線方向(Z軸方向)に移動可能に、かつ、その軸線を中心に回転可能に装着ユニット506,508に配設されている。装着ユニット506,508は、それぞれの装着ヘッド504をZ軸方向に移動させるそれぞれの装着ヘッド軸方向移動装置を備え、この装置により、電気部品の取得および装着の際に、装着ヘッド504が昇降させられる。また、装着ユニット506,508は、それぞれの装着ヘッド504をその軸線回りに回転させるそれぞれの装着ヘッド回転装置を備え、この装置により、電気部品の装着方位の調整の際、装着ヘッド504が回転させられる。さらに、基板保持装置502に保持された回路基板500の位置ずれを検出する目的で、回路基板500の表面に施された基準マークを認識する基板基準マーク認識装置としての基準マーク撮像装置をも備える。第1装着ユニット506,第2装着ユニット508および装着ヘッド504の構造および機能は、前述の第1実施形態のものと同様の構造および機能となっているため、その詳細についての説明は省略する。なお、後に詳しく説明するが、本実施形態の装着システムでは、前述した装着ユニット離間距離差消滅移動装置を備えておらず、第2装着ユニット508が保持する装着ヘッド504は、第1装着ユニット506が保持する装着ヘッド504よりも長く、かつ、のZ軸方向の移動量つまり昇降ストロークが離間距離差の分だけ長くなっている。
【0103】
装着ユニット移動装置510は、主に、第1装着ユニット506を、部品供給領域と部品装着領域とにわたって移動させる第1装着ユニット移動装置540と、第2装着ユニット508を、部品供給領域と部品装着領域とにわたって移動させる第2装着ユニット移動装置542とを含んで構成される。第1装着ユニット移動装置540,第2装着ユニット移動装置542ともに、いわゆるXYスライド装置であり、第1装着ユニット移動装置540は、第1Xスライド550と、第1Xスライド550を移動させる第1Xスライド移動装置と、第1装着ユニット506が設けらる第1Yスライド554と、第1Yスライド554を第1Xスライド550に沿って移動させる第1Yスライド移動装置とを含んで構成され、同様に、第2装着ユニット移動装置542は、第2Xスライド560と、第2Xスライド560を移動させる第2Xスライド移動装置と、第2装着ユニット508が設けられる第2Yスライド564と、第2Yスライド564を第2Xスライド560に沿って移動させる第2Yスライド移動装置とを含んで構成される。
【0104】
第1装着ユニット移動装置540および第2装着ユニット移動装置542は、それぞれ、第1装着ユニット506および第2装着ユニット508を、基準平面と平行な2つの一平面である第1平面570および第2平面572(いずれも仮想面である。図18において、570,572は第1平面と第2平面との位置関係を示す。)のそれぞれに沿って移動させることがでる。この第1平面570と第2平面572とは、回路基板500の表面から異なる高さでかつ両者が互いに充分に離間した2つの平面であり、これらに沿って第1装着ユニット506および第2装着ユニット508がそれぞれ移動するため、部品供給領域と部品装着領域とにわたる移動において第1装着ユニット506と第2装着ユニット508とが互いに干渉しない。すなわち、装着ユニット移動装置510によれば、第1装着ユニット506および第2装着ユニット508のそれぞれを、部品供給領域と部品装着領域とにわたって、両者が互いに干渉することなく部品供給領域側と部品装着領域側とに位置が入れ替わり可能な移動経路で移動させることができる。
【0105】
また、本装着システムでは、第1装着ユニット移動装置540と第2装着ヘッド移動装置と542は、Xスライド550,560の移動方向が同じ、つまり、第1Xスライド550の移動方向である第1Xスライド移動方向と、第2Xスライド560の移動方向である第2Xスライド移動方向とが、ともにX軸方向である。そして、その方向は、部品供給装置512と基板保持装置502とが並ぶ方向、つまり、部品供給領域と部品装着領域とが並ぶ方向と一致し、また、基板保持装置512において回路基板500が並ぶ方向とも一致している。
【0106】
第1装着ユニット移動装置540および第2装着ユニット移動装置542は、両者とも、一端部において支持される片支持タイプのXスライドを搭載するXYスライド装置である。したがって、第1装着ユニット移動装置540における第1Xスライド移動装置は、第1Xスライド移動方向(X軸方向)に延びる1つの第1Xガイドレール580と、第1Xスライド550をそれの一方の端部近傍において支持し、第1Xガイドレール580に沿って移動させられる第1Xスライド支持装置582とを含み、また、第2装着ユニット移動装置542における第2Xスライド移動装置は、第2Xスライド移動方向(X軸方向)に延びる1つの第2Xガイドレール590と、第2Xスライド560をそれの一方の端部近傍において支持し、第2Xガイドレール590に沿って移動させられる第2Xスライド支持装置592とを含んで構成される。 第1Xガイドレール580および第2Xガイドレール590は、部品供給領域および部品装着領域つまり部品供給装置512および回路基板保持装置502の同じ片側において、フレーム518に設けられている。第1Xスライド支持装置582および第2Xスライド支持装置592のそれぞれが、第1Xガイドレール580および第2Xガイドレール590のそれぞれに沿って移動させられることで、第1Xスライド550および第2Xスライド560がX軸方向に平行移動させられる。それぞれのXスライド支持装置582,592は、ベアリングを介して、それぞれのXガイドレール580,590に係合しており、それぞれの第1Xスライド支持装置582,592は、Xスライドモータ600とその駆動を伝達するタイミングベルト602により移動させられる。また、それぞれのXスライド支持装置582,592の位置は、Xスライド支持装置位置検出器としてのエンコーダにより検出される。以上のような構造をなすことから、第1Xスライド移動装置は、第1Xガイドレール580,第1Xスライド支持装置582,Xスライドモータ600,タイミングベルト602等から構成され、同様に、第2Xスライド移動装置は、第2Xガイドレール590,第1Xスライド支持装置592,Xスライドモータ600,タイミングベルト602等から構成される。
【0107】
第1Yスライド554および第2Yスライド564は、それぞれ第1Xスライド550および第2Xスライド560にそって移動させられる。それぞれのXスライド550,560には、それぞれY軸方向に延びる第1Yガイドレール610および第2Yガイドレール612が設けられており、Yスライド554,564は、それぞれのYガイドレール610,612に、ベアリングを介して係合している。Xスライド550,560には、それぞれYガイドレール610,612に平行に送りねじ614が設けられており、Yスライド554,564には、送りねじ614に螺合するナット616が固定されている(送りねじ614とナット616とは螺合してボールねじとして機能する)。Xスライド550,560には、それぞれYスライドモータ618が設けられており、このYスライドモータ618の回転がタイミングベルト620によって送りねじ614に伝達されることで、Yスライド554,564は、それぞれのXスライド550,560に沿って移動させられる。また、Yスライド554,564のそれぞれの位置は、Yスライド位置検出器としてのエンコーダによって検出される。かかる構造から、第1Yスライド移動装置は、第1Yガイドレール610,送りねじ614,ナット616,Yスライドモータ618,タイミングベルト620等から構成され、同様に、第2Yスライド移動装置は、第2Yガイドレール612,送りねじ614,ナット616,Yスライドモータ618,タイミングベルト620等から構成される。
【0108】
本実施形態の電気部品装着システムは、前述した第1実施形態の電気部品装着システムと比較して、装着ユニットがそれぞれ1つずつしかないこと、Xスライドが傾斜しないこと、Xスライドが片支持タイプのXYスライド装置を採用すること、装着ユニット離間距離差消滅装置を備えていないこと等の点で、単純な装置であるといえる。かかる電気部品装着システムにおいても、装着ユニットを部品供給領域側と部品装着領域側とに入れ替えて部品装着作業を行うことが可能で、装着効率の高い電気部品の組立てを省スペースにて行うことができる。なお、本装着システムの制御装置の構成については、前述の第1実施形態の装着システムのものと同様であり、また、実際の装着作業のフローにについても同様であることから、これらの説明は省略する。
【0109】
〈その他の実施形態〉
以下に、その他の実施形態の電気部品装着システムについて説明する。図19に、その一例となる電気部品装着システムの各装置の構成を概念的に示す。本実施形態の電気部品装着システムは、主に、回路基板700を保持する2つの保持部を有する基板保持装置702と、電気部品の取得保持,装着を行う装着ヘッドを備えた2種の装着ユニット704,706(1つの第1装着ユニット704および1つの第2装着ユニット706)と、2つのXYスライド装置を含む装着ユニット移動装置710とを含んで構成される。本装着システムでは、部品供給装置712,714は、基板保持装置702の両側、詳しくは、X軸方向の両側にそれぞれ併設される。したがって、部品供給領域は部品装着領域の両側に存在する。部品供給装置712はフィーダ型部品供給装置であり、部品供給装置714はトレイ型部品供給装置である。
【0110】
装着ユニット移動装置710は、第1装着ユニット704を、2つの部品供給領域および部品装着領域にわたって移動させる第1装着ユニット移動装置720と、第2装着ユニット706を、2つの部品供給領域および部品装着領域にわたって移動させる第2装着ユニット移動装置722とを含んで構成される。第1装着ユニット移動装置720,第2装着ユニット移動装置722ともに、XYスライド装置であり、第1装着ユニット移動装置720は、第1Xスライド730と、第1Xスライド550を移動させる第1Xスライド移動装置と、第1装着ユニット704が設けらる第1Yスライド734と、第1Yスライド734を第1Xスライド730に沿って移動させる第1Yスライド移動装置とを含み、さらに第1Xスライド730をZ軸方向に昇降移動させる第1Xスライド昇降装置738を含んでで構成される。第2装着ユニット移動装置722は、第2Xスライド740と、第2Xスライド740を移動させる第2Xスライド移動装置と、第2装着ユニット706が設けられる第2Yスライド744と、第2Yスライド744を第2Xスライド740に沿って移動させる第2Yスライド移動装置とを含み、さらに第2Xスライド740をZ軸方向に昇降移動させる第2Xスライド昇降装置748を含んでで構成される。
【0111】
また、本装着システムでは、第1装着ユニット移動装置720と第2装着ヘッド移動装置と722は、Xスライド730,740の移動方向が同じ、つまり、第1Xスライド730の移動方向である第1Xスライド移動方向と、第2Xスライド740の移動方向である第2Xスライド移動方向とが、ともにX軸方向である。そして、その方向は、部品供給装置712,714と基板保持装置702とが並ぶ方向、つまり、2つの部品供給領域と部品装着領域とが並ぶ方向と一致し、また、基板保持装置702において回路基板700が並ぶ方向とも一致している。第1装着ユニット移動装置720および第2装着ユニット移動装置722は、両者とも、一端部において支持される片支持タイプのXスライドを搭載するXYスライド装置である。それぞれの装着ユニット移動装置720、722のXガイドレール、詳しくは第1Xガイドレール750,第2Xガイドレールは、2つの部品供給領域と部品装着領域のY軸方向における両側に、Z軸方向において同じ高さつまり基準平面から同じ離間距離の位置に、互いに平行に配設されている。
【0112】
2つの装着ユニット704,706ともに、部品供給領域と部品装着領域との間の移動は、同じ平面に沿って行われる。両者が入れ替わるときには、第1Xスライド昇降装置738と第2Xスライド昇降装置748との一方が作動し、第1Xスライド730または第2Xスライド740が上昇させられることで第1装着ユニット704または第2装着ユニット706が上昇させられ、両者の干渉は生じないように制御される。なお、Xスライド昇降装置738,748に代え、第1Xガイドレール750,第2Xガイドレール752を昇降させる、つまり、第1ユニット移動装置720,第2装着ユニット移動装置722自体をZ軸方向に移動させる第1装着ユニット移動装置昇降装置,第2装着ユニット移動装置昇降装置を設け、それにより、入れ替わり時において第1装着ユニット704あるいは第2装着ユニット706の移動経路を変更させることも可能である(図の破線矢印)。これらの昇降装置は、前述の装着ユニット離間距離差発生装置として機能するものであり、また、見方を変えれば離間距離差消滅装置として機能するものである。装着ユニット704,706,それらが備える装着ヘッドの構成、装着ユニット移動装置710が備える各装置の構成は、前述の第1実施形態,その変形態様,第2実施形態のものに従えばよく、ここでの説明は省略する。また、制御装置を始めとする他の装置の構成についても同様であり、ここでの説明は省略する。
【0113】
本装着システムによる部品装着作業は、前述の実施形態と同様、2つの装着ユニットが互いに一方の部品供給領域と部品装着領域との間を入れ替わるようにして行うことができる。この他、部品供給領域を2つ有するため、一方の装着ユニットが一方の部品供給装置から電気部品を取得し、他方が他方から所得する態様での部品装着作業を行うこともでき、部品装着作業の自由度が拡大する。また、2つの回路基板700に対して部品装着を行う等、いろいろな態様での部品装着作業が可能である。さらにまた、第1装着ユニット704と第2装着ユニット706との昇降が、作業状況に応じて任意に選択できるように制御すれば、さらなる作業形態の多様化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の電気部品装着システムの主要部を示す平面図である。
【図2】第1実施形態の電気部品装着システムの主要部を示す正面断面図である。
【図3】第1実施形態の電気部品装着システムの主要部を示す左側面図である。
【図4】第1実施形態の電気部品装着システムを構成する基板保持装置の2つの保持部のうちの一方の構造を示す正面図である。
【図5】第1実施形態の電気部品装着システムを構成する第1装着ユニットを示す正面一部断面図である。
【図6】第1実施形態の電気部品装着システムの第1Xスライド回動支持装置とその周辺、第1Xスライド伸縮装置、第1Yスライドと第1Yスライド移動装置等を拡大して示す図である(図1におけるA−A視(一部切欠き断面))。
【図7】第1実施形態の電気部品装着システムの第2Xスライド回動支持装置とその周辺を拡大して示す図である(図1におけるB−B視)。
【図8】第1実施形態の電気部品装着システムの第2Yスライドとその周辺を拡大して示す図である(図2におけるC−C視)。
【図9】第1実施形態の電気部品装着システムの制御装置を示すブロック図である。
【図10】第1実施形態の電気部品装着システムにおいて、2つの第2装着ユニットによって2つの電気部品を同時に装着する様子を示す模式図である。
【図11】第1実施形態の電気部品装着システムによる電気回路組立工程における装着ユニットからみた動作,作業の流れを示すフローチャートである。
【図12】第1実施形態の電気部品装着システムにおいて採用可能な基板保持装置の変形態様であって、その2つの保持部のうちの一方の構造を示す正面図である。
【図13】第1実施形態の電気部品装着システムにおいて採用可能な装着ユニット離間距離差消滅移動装置であって、第2装着ユニットを回転移動させる装着ユニット回転移動装置を示す正面図である。
【図14】第1実施形態の電気部品装着システムにおいて採用可能な別の第1Xスライド回動支持装置であって、Xスライド相対移動許容装置として機能する第1Xスライド回動支持装置とその周辺を示す拡大平面図である。
【図15】第1実施形態の電気部品装着システムの装着ユニットによる電気部品の同時装着の様子と、変形態様の装着ユニットによる電気部品の同時装着の様子とを模式的に示す平面図である。
【図16】第2実施形態の電気部品装着システムの主要部を示す平面図である。
【図17】第2実施形態の電気部品装着システムの主要部を示す正面断面図である。
【図18】第2実施形態の電気部品装着システムの主要部を示す左側面図である。
【図19】その他の実施形態の一例となる電気部品装着システムの各装置の構成を概念的に示す斜視図である。
【符号の説明】
10:回路基板 12:基板保持装置 13:装着ヘッド 14:第1装着ユニット 16:第2装着ユニット 18:装着ユニット移動装置 20:部品供給装置 200:第1装着ユニット移動装置 210:第2装着ユニット移動装置 220:第1Xスライド 224:第1Yスライド 230:第1Xスライド 224:第2Yスライド 354:装着ユニット平行移動装置 400:制御装置
500:回路基板 502:基板保持装置 504:装着ヘッド 506:第1装着ユニット 508:第2装着ユニット 510:装着ユニット移動装置 512:部品供給装置 540:第1装着ユニット移動装置 542:第2装着ユニット移動装置 550:第1Xスライド 554:第1Yスライド 560:第2Xスライド 564:第2Yスライド
700:回路基板 702:基板保持装置 704:第1装着ユニット 706:第2装着ユニット 710:装着ユニット移動装置 712,714部品供給装置 720:第1装着ユニット移動装置 722:第2装着ユニット移動装置 730:第1Xスライド 734:第1Yスライド 738:第1Xスライド昇降装置 740:第2Xスライド 744:第2Yスライド 748:第2Xスライド昇降装置

Claims (6)

  1. 電気部品が装着される少なくとも1つの回路基板を保持する基板保持装置と、
    前記電気部品が供給される部品供給領域において電気部品を取得保持し、部品装着領域において前記基板保持装置に保持された前記回路基板の表面にその電気部品を装着する装着ヘッドを、それぞれ1つ以上備えた少なくとも1つの第1装着ユニットおよび少なくとも1つの第2装着ユニットと、
    前記第1装着ユニットおよび前記第2装着ユニットのそれぞれを、前記部品供給領域と前記部品装着領域とにわたって、両者が互いに干渉することなく前記部品供給領域側と前記部品装着領域側とに位置が入れ替わり可能な移動経路で移動させる装着ユニット移動装置と
    を含み、
    前記装着ユニット移動装置が、少なくとも前記第1装着ユニットと前記第2装着ユニットとが入れ替わる時点において、前記第1装着ユニットおよび前記第2装着ユニットのそれぞれを、前記回路基板の表面に平行な一平面である基準平面からの離間距離の異なるそれぞれの移動経路で移動させるものであることを特徴とする電気部品装着システム。
  2. 前記装着ユニット移動装置が、
    前記第1装着ユニットを、前記基準平面に平行な前記部品供給領域と前記部品装着領域とにわたる一平面である第1平面に沿って移動させることができる第1装着ユニット移動装置と、
    前記第2装着ユニットを、前記基準平面に平行な前記部品供給領域と前記部品装着領域とにわたる一平面であって前記基準平面からの離間距離が前記第1平面と異なる第2平面に沿って移動させることができる第2装着ユニット移動装置と
    を含む請求項1に記載の電気部品装着システム。
  3. 前記第1装着ユニット移動装置が、
    前記基準平面に平行な一方向に延びる第1Xスライドと、
    その一方向と交差しかつ前記基準平面と平行な方向である第1Xスライド移動方向に、前記第1Xスライドを移動させる第1Xスライド移動装置と、
    前記第1装着ユニットが設けられた第1Yスライドと、
    その第1Yスライドを前記第1Xスライドに沿って移動させる第1Yスライド移動装置とを含み、
    前記第2装着ユニット移動装置が、
    前記基準平面に平行な一方向に延びる第2Xスライドと、
    その一方向と交差しかつ前記基準平面と平行な方向である第2Xスライド移動方向に、前記第2Xスライドを移動させる第2Xスライド移動装置と、
    前記第2装着ユニットが設けられた第2Yスライドと、
    その第2Yスライドを前記第2Xスライドに沿って移動させる第2Yスライド移動装置とを含む請求項2に記載の電気部品装着システム。
  4. 前記第1装着ユニットおよび前記第2装着ユニットがそれぞれ2以上設けられており、
    前記第1装着ユニット移動装置が、前記第1Yスライドを複数有し、それら第1Yスライドの各々に前記複数の第1装着ユニットの各々が設けられ、前記第1Yスライド移動装置が、それら複数の第1Yスライドを前記第1Xスライドに沿って個別に移動させるものであり、前記第1Xスライド移動装置が、前記第1Xスライドを、前記第1Xスライド移動方向に直角でありかつ前記基準平面に平行な直線に対して傾斜させることができるものであり、
    前記第2装着ユニット移動装置が、前記第2Yスライドを複数有し、それら第2Yスライドの各々に前記複数の第2装着ユニットの各々が設けられ、前記第2Yスライド移動装置が、それら複数の第2Yスライドを前記第2Xスライドに沿って個別に移動させるものであり、前記第2Xスライド移動装置が、前記第2Xスライドを、前記第2Xスライド移動方向に直角でありかつ前記基準平面に平行な直線に対して傾斜させることができるものである請求項3に記載の電気部品装着システム。
  5. 前記部品供給領域での前記電気部品の取得時と前記部品装着領域での前記電気部品の装着時との少なくとも一方において、前記第1装着ユニットおよび前記第2装着ユニットのそれぞれと前記基準平面との離間距離の差を消滅させる離間距離差消滅装置を含む請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の電気部品装着システム。
  6. 前記部品供給領域が前記部品装着領域の片側に設けられ、
    前記第1装着ユニットと前記第2装着ユニットとの一方が前記部品装着領域に位置するときに、前記第1装着ユニットと前記第2装着ユニットとの他方が前記部品供給領域に位置してその他方が備える前記装着ヘッドが前記電気部品を取得するように、前記装着ユニット移動装置を制御する装着ユニット存在領域制御装置を含む請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の電気部品装着システム。
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