JP4615762B2 - 移動体検知システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気センサによって移動体の接近距離を検知する移動体検知システムに関し、特に、危険区域や進入禁止区域を監視する場所などで使用され、車両などの移動体が特定の区域内に接近したり進入したりしたか否かを検知・監視する移動体検知システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、磁気に感応する金属部分を有したり磁束を発生する物体を敷設した車両などの移動体を検知する金属探知システム、つまり移動体検知システムが広く知られている。ここでは、移動体を車両として、車両の進入状態を検知する車両検知システムについて述べることにする。図5は、従来から用いられている車両検知システムの概略構成図である。この車両検知システムは、磁束を発生する車両21があるエリア内に進入すると、車両21からの磁気を検知装置22の磁気センサ(図示せず)が検知し、その検知情報が有線によって管理所23へ送信される。管理所23においては、車両の検知情報が変換装置24によってアナログ/デジタル変換された後、パソコン25によって所定の演算処理が行われてパソコン25上の画面に表示される。これにより、管理所23において、車両21が所定のエリアに侵入したか否かの侵入状況を確認することができる。
【0003】
図6は、図5に示す検知装置の内部構成を示すブロック図である。この検知装置22は、磁気センサ32とアンプ33からなるセンサブロック31と、コンパレータ35とCPU36からなる信号処理ブロック34と、送信ブロック37を構成する増幅回路38とによって構成されている。このような検知装置22において、センサブロック31の磁気センサ32が車両からの磁気を検出すると、その検出値はアンプ33によって増幅される。さらに、増幅された検出信号は、信号処理ブロック34のコンパレータ35によってあるレベル以上であるかどうかが比較されCPU36によって演算処理される。ここで磁気の検出信号があるレベル以上であることは、車両が所定のエリア内にあることを意味する。そして、CPU36によって演算処理されたデータは送信ブロック37の増幅回路38によって増幅された後、有線によって管理所23ヘ出力される。これによって、管理所23では、どのエリアに車両等が進入したかをパソコンの画面などによって確認することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような従来の車両検知システムでは、磁気センサが、1軸方向の磁束を検知するセンサ、つまり、所定の直線方向(例えば、車両の走行方向と平行な方向)における磁束を検知するセンサであるので、磁気を発生する車両が所定のエリア内に進入したか否かを検知することはできるが、車両がどのくらい近づいているのかなどの距離的な接近度合いを測ることはできない。すなわち、車両が危険区域や進入禁止区域に近付いてくるときに、事前に接近距離を観測することができないので、車両がこれらの区域内に入ることを未然に防止することはできない。つまり、車両の走行方向の1軸のみを検知する磁気センサでは、車両の接近距離を正確に測定することができない。
【0005】
尚、特開平11−23209号公報などに、車両に水平磁気センサと垂直磁気センサとを備えていて、車両の走行方向と車両の垂直方向の2軸の磁束によって、地下に埋設されている磁性体の種別を弁別して検知する磁気センサが開示されている。この技術は、路面に対して垂直方向のみに磁束を出す磁気標識体と、あらゆる方向に磁束を出す継ぎ手鋼管などの磁性体構造物とが走行路に埋設されているとき、車両に搭載されている水平、垂直の2軸を検知する磁気センサによって磁気標識体と継ぎ手鋼管とを識別するセンサに関するものであり、車両が磁気標識体の真上を通過したとき垂直磁気センサはピーク値を示すが、水平磁気センサの値はゼロである。一方、車両が継ぎ手鋼管などの上を通過するときは、水平磁気センサ、垂直磁気センサ共に接近距離に応じた磁束の変化を示す。このような特性の相違を利用すれば、車両が磁気標識体の上を通過したのか、継ぎ手鋼管などの磁性体構造物の上を通過したかを識別することができる。しかし、この公報に開示された2軸検知の磁気センサ(つまり、水平磁気センサと垂直磁気センサ)の技術をもって車両の接近距離の測定に応用することはできない。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の方向の磁束を検知する磁気センサを用いることによって、車両の接近距離を正確に検出できるようにし、車両が所定のエリアに近付いてきたことを監視できるような移動体検知システムを提供することにある。また、本発明の別な目的は、磁気センサの消費電力を低く抑えた移動体検知システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の移動体検知システムは、移動体を磁気センサによって検知する移動体検知システムであって、前記移動体の走行方向に平行な方向において前記移動体の接近を検知する第1の磁気センサと、前記移動体の走行方向に垂直な方向において前記移動体の接近を検知する第2の磁気センサと、前記第1の磁気センサと前記第2の磁気センサとの検出値に基づいて、前記移動体の接近距離を算出する算出手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
なお、本発明の実施の形態においては、磁束を発生する移動体の接近距離を磁気センサによって検知し、検知された接近距離の情報を無線で受信して表示させる移動体検知システムであって、磁気センサは、移動体の走行方向に平行な磁束を検知する水平磁気センサと、移動体の走行方向に垂直な磁束を検知する垂直磁気センサとから成り、水平磁気センサが検知した磁束の値と垂直磁気センサが検知した磁束の値との絶対値ベクトル和に基づいて、移動体の接近距離を算出して表示させることを特徴とする移動体検知システムが開示されている。
【0009】
本発明の移動体検知システムによれば、車両の走行方向と平行な方向の磁束を検知する第1の磁気センサ(水平磁気センサ)と、車両の走行方向と垂直な方向の磁束を検知する第2の磁気センサ(垂直磁気センサ)とを用いて、両者の磁束をベクトル演算することにより、車両の接近距離を正確に求めることができる。これによって、車両が特定区域へ進入する前に未然に侵入状況を監視することができる。また、車両の接近情報は無線によって管理者のパソコンなどの画面に表示されるので、無線の伝搬する場所ならどのような場所でも使用することができる。
【0010】
尚、磁気センサによる磁束の検出を上記のようにX軸とY軸の二次元測定ではなく、磁気センサの検出軸をX軸、Y軸、 Z軸の3軸にすれば、車両や三次元空間を飛行する物体の接近距離をより正確に検出して、特定区域への侵入状況を判定することができる。
【0011】
また、本発明は、前記移動体が発する振動によって前記移動体の接近状態を検知する振動センサを備え、前記振動センサの検出値に基づいて、前記第1の磁気センサと前記第2の磁気センサとを作動させることを特徴とする。
【0012】
実施の形態においては、移動体が発する振動によって移動体の接近状態を検知する振動センサを備え、この振動センサが所定レベル以上の振動値を検出したとき、水平磁気センサと垂直磁気センサとを作動させることを特徴とする移動体検知システムが開示されている。
【0013】
本発明の移動体検知システムによれば、予め、消費電力の少ない振動センサのみに電力を供給して車両の接近状況を監視している。そして、振動センサが検出した振動値が所定のレベルより大きくなったとき、つまり車両が所定の距離より近付いてきたとき、始めて、二次電池から消費電力の大きい水平磁気センサと垂直磁気センサへ電力を供給してこれらの磁気センサを駆動させて、車両の接近距離を正確に測定している。これによって、二次電池の消費電力を低く抑えながら正確に車両の接近距離を検出することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明における移動体検知システムを車両検知システムに適用して、その実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明における車両検知システムの概略構成図である。この車両検知システムは、磁束を発生する車両1があるエリアに近付くと、車両1からの磁気を検知装置2の磁気センサ(図示せず)が検知し、その検知情報が無線によってアンテナ5へ送信され、管理所3にて受信される。このとき、検知装置2は、車両1の走行方向に平行な磁束を検知する水平磁気センサと、車両1の走行方向に垂直な磁束を検知する垂直磁気センサとを備えているので、両者の磁束の絶対値ベクトル和によって検知装置2から車両1までの距離を算出することができ、その距離情報を無線にて管理所3へ送信する。
【0015】
すなわち、検知装置2から車両1までの距離情報は、検知装置2から無線によってアンテナ5に送信され、管理所3の無線装置4によって受信された後、パソコン6によって所定の演算処理が行われてパソコン6上の画面に表示される。これによって、車両1がエリアにどの程度の距離まで近付いたかを管理所3において確認することができる。
【0016】
このとき、如何なる場所においても車両1の進入検知ができるようにするため、磁気センサの組み込まれている検知装置2は、管理所3へ無線電波を送信するためにの無線機能を備えると共に、外部電源のない場所でも動作するように二次電池を組み込んでいる。したがって、検知装置2は、管理所3へ無線が届く範囲内であればどこにでも設置することができる。
【0017】
また、二次電池の消耗を少なくするために、検知装置2全体の消費電流を小さくする必要があるので、検知装置2は、磁気センサと振動センサ(つまり、加速度を検知するセンサ)とを併用した検知方式を採用している。すなわち、振動センサは、地表を伝搬する表面振動などを機械的に検知するセンサであり、電波を送受信するセンサのような電気信号の送受信機能は不要となる。したがって、振動センサは信号を送受信するための電力が要らなくなるので、磁気センサなどに比べて消費電力が小さくて済む。このように、磁気センサよりも消費電流の小さい振動センサを用いて車両の接近状況を常に監視し、振動センサが振動を検知した段階で(つまり、車両がある程度接近した段階で)磁気センサを作動させることにより、検知装置2を低消費電流化することができる。
【0018】
尚、振動センサを用いて車両の接近状態を検知する技術は、例えば、特開平6−281400号公報などに開示されている。この技術は、振動センサが、車両などから地表を伝搬する表面振動を検知して車両などが目標物に未来会合することを予測するものである。また、振動センサにより低消費電流化されることも報告されている。しかし、本発明のように、振動センサと磁気センサとを併用して低消費電流化しながら車両の接近距離を検知する技術に展開することはできない。
【0019】
図2は、図1に示す検知装置の内部構成を示すブロック図である。この検知装置2は、車両の接近情報を検知するセンサブロック7と、センサブロック7からの接近情報を信号処理する信号処理ブロック14と、信号処理ブロック14から受信した接近情報を無線によって管理所3へ送信するための送信ブロック17と、検知装置2の各部分に電力を供給する電源ブロック19とによって構成されている。
【0020】
センサブロック7は、車両の走行方向と平行な方向(以下、X軸とする)の磁束を検知する水平磁気センサ8及び水平磁気センサ8の信号を増幅するアンプ9と、車両の走行方向と垂直な方向(以下、Y軸とする)の磁束を検知する垂直磁気センサ10及び垂直磁気センサ10の信号を増幅するアンプ11と、車両から地表を伝搬してくる表面振動を検知する振動センサ12及び振動センサ12の信号を増幅するアンプ13とによって構成されている。また、信号処理ブロック14は、水平磁気センサ8や垂直磁気センサ10や振動センサ12からの信号をアナログ/デジタル変換するA/Dコンバータ15と、A/Dコンバータ15からの信号を演算処理するCPU16とによって構成されている、さらに、送信ブロック17は、CPU16から受信した車両の距離情報を無線信号にしてアンテナ5を通して管理所3へ無線電波を送信するためのTx回路18を備えている。
【0021】
さらに、本発明の検知装置2は、外部から電源を取り込むことのできない場所においても設置できるように、電源ブロック19に二次電池20を備えている。二次電池20は、センサブロック7と信号処理ブロック14と送信ブロック17へ電力を供給しているが、センサブロック7内の各装置のうち、常に電力を供給しているのは、消費電力の少ない振動センサ12とそのアンプ13のみであり、水平磁気センサ8及びそのアンプ9と垂直磁気センサ10及びそのアンプ11へは、車両が所定の距離以内に接近してきたときにのみ、振動センサ12の検出信号に基づいて、電力を供給することができるようになっている。したがって、二次電池20の消費電力は低く押さえられるように構成されている。尚、特に図示していないが、二次電池20は必要に応じて外部電源から適宜充電できるようになっている。
【0022】
次に、図2に示すように構成された検知装置2の動作について説明する。検知装置2は、無線によって管理所3へ電波を送信できると共に二次電池20を備えているので、管理所3に無線が届く所であれば何処でも設置することができる。そして、設置された検知装置2は、二次電池20によって、振動センサ12及びそのアンプ13と信号処理ブロック14とTx回路18とに電力が供給されている。今、車両が検知装置2に接近して振動センサ12が地表の振動を検知すると、この振動信号はアンプ13によって増幅され、A/Dコンバータ15によってアナログ信号からデジタル信号に変換されてCPU16によって所定の演算処理が行われる。さらに、演算処理された信号はCPU16からTx回路18に送信され、Tx回路18が、アンテナ5を通して、車両の接近情報を無線によって管理所3へ送信する。
【0023】
ここで、振動センサ12の振動レベルが所定の値より大きいとき、つまり、車両の接近距離が所定の距離より近いときは、二次電池20から水平磁気センサ8及びそのアンプ9と垂直磁気センサ10及びそのアンプ11へ電力が供給される。これによって、水平磁気センサ8と垂直磁気センサ10が動作を開始し、車両からの水平方向の磁束(X軸磁束)及び垂直方向の磁束(Y軸磁束)の検出が開始される。つまり、従来は、磁気センサは磁束の検出を1軸(X軸)のみで行なっており、車両が接近していることは検知できたが、車両がどのくらいの距離まで近づいているのかは分からなかつた。ところが、この実施の形態の検知装置2では、磁気センサの磁束検出をX軸、Y軸の2軸で行っているので、車両の接近距離を測定することができる。
【0024】
つまり、水平方向の磁束(X軸磁束)はアンプ9で増幅され、垂直方向の磁束(Y軸磁束)はアンプ11で増幅されて、それぞれ、A/Dコンバータ15に送信されてデジタル信号に変換された後、CPU16によってベクトル演算されて車両の接近距離が求められる。ここで、水平磁気センサ8の検出したX軸磁束の大きさをBxとし、垂直磁気センサ10の検出したY軸磁束の大きさをByとして、それぞれの磁束の値の絶対値ベクトル和をBzとすると、絶対値ベクトル和Bzは次の式(1)のようになる。
【0025】
Bz=(Bx2+By2)1/2 (1)
【0026】
CPU16が、式(1)で求められた磁束の絶対値ベクトル和により、車両と磁気センサ(つまり検知装置2)の間の距離を算出して、この距離情報を無線ブロック17のTx回路18に送信すると、この距離情報は無線によって管理所3へ送信されるので、管理所3のパソコンなどのディスプレイでは車両の接近距離を数m単位で表示することができる。
【0027】
尚、初期設定として、本実施の形態では、予め車両の接近距離と、その車両が発する磁束によって磁気センサが検出する磁束検出値との相関関係を測定して、それそれの距離による磁束検出値をパラメータとして設定しておくようにしている。図3は、図2の検出装置が検出する磁束検出値と車両の接近距離との相関関係を示すグラフである。図3において、横軸は車両の接近距離(つまり、車両と検知装置との間の距離)をメートル単位で示し、縦軸は磁束検出値をマイクロテスラ(Wb/m2)単位で示している。このグラフは、水平磁気センサ8の検出したX軸磁束の大きさBxと、垂直磁気センサ10の検出したY軸磁束の大きさByと、それぞれの磁束の値Bx、Byの絶対値ベクトル和の大きさBzとを示している。
【0028】
図3のグラフから、例えば、水平磁気センサ8によって検出されたX軸磁束の大きさをBxと、垂直磁気センサ10によって検出されたY軸磁束の大きさByとから演算された絶対値ベクトル和Bzが4テスラのときは車両の接近距離は約3.25mであり、絶対値ベクトル和Bzが8テスラのときは車両の接近距離は約2m、絶対値ベクトル和Bzが10テスラであれば車両は約0.5m以内に接近してきていると判定することができる。
【0029】
図4は、図2に示す検知装置の検出動作の流れを示すフローチャートである。先ず、電源ブロック19により二次電池20の電源が投入されると(ステップS1)、この電源は振動センサ12の検出系統にのみ供給されるので振動センサ12の駆動が開始される(ステップS2)。そして、車両が接近してきて振動センサ12が地表を伝搬する振動を検出すると(ステップS3)、その振動値は予め設定した設定レベル以上か否かが判定される(ステップS4)。ここで、振動値が設定レベル以下であれば(ステップS4,N)、未だ車両はそれ程接近していないので、振動値が設定レベルになるまで判定を継続する。
【0030】
一方、振動値が設定レベル以上であれば(ステップS4,Y)、このとき始めて、二次電池20から水平磁気センサ8の系統及び垂直磁気センサ10の系統へ電力が供給される。これによって、水平磁気センサ8及び垂直磁気センサ10が駆動され(ステップS5)、車両から発する磁気によって水平磁束(X軸磁束)Bx及び垂直磁束(Y軸磁束)Byが検出される(ステップS6)。そして、水平磁束(X軸磁束)Bxと垂直磁束(Y軸磁束)Byとによって磁束の絶対値ベクトル和Bzが演算され、図3に示すような車両の距離と磁束検出値との特性テーブルによって、車両の接近距離(車両と検知装置との間の距離)が求められる。
【0031】
そして、磁束検出値より求められた車両の接近距離が、予め定められた基準値以内か否かが判定される(ステップS7)。ここで、車両の接近距離が所定値以内であれば(ステップS7,Y)、その車両は危険区域や進入禁止区域に近付いてきているので、車両の接近距離の情報が管理所へ無線によって送信される(ステップS8)。これによって、管理者は、管理所のパソコンなどに表示された距離情報によって、車両が危険区域や進入禁止区域に侵入する前にその動向を事前にキャッチして適切な処置を行うことができる。尚、ステップS7において、磁束検出値より求められた車両の接近距離が、予め定められた基準値以内でなければ、再度、振動センサ12に振動があるか否かを判断し(ステップS9)、振動がなければ(ステップS9,N)、車両は未だ所定の距離まで近付いていないので振動の検知を継続する。一方、振動センサ12で振動が検知されれば(ステップS9,Y)、再び、ステップS7で車両の接近距離は基準値以内か否かの判定を行う。
【0032】
このように、本発明の車両検知システムによれば、磁束を発生する車両などの接近を検知する検知装置は、車両の走行方向と平行な方向(X軸)の磁束を検知する水平磁気センサと、車両の走行方向と垂直な方向(Y軸)の磁束を検知する垂直磁気センサとを備えている。そして、これらの磁気センサが検出したX軸とY軸の2軸の磁束検出値によって磁束の絶対値ベクトル和が演算される。さらに、磁束の絶対値ベクトル和から車両の接近距離が求められる。このようにして求められた車両の距離情報は無線信号によって管理所に送信され、パソコンなどの画面に表示される。これによって、管理者は車両の侵入状況を監視して特定区域への侵入を未然に防止することができる。
【0033】
また、本発明の車両検知システムによれば、検知装置が消費電力の少ない振動センサを備えていて、予め、この振動センサのみに電力を供給して車両の接近状況を地上を伝搬する振動によって検出している。そして、振動センサの検出した振動値が所定の値より大きくなったとき、つまり車両が所定の距離より近付いてきたとき、始めて、二次電池から消費電力の大きい水平磁気センサと垂直磁気センサへ電力を供給してこれらの磁気センサを駆動させて、正確に車両の接近距離を測定している。これによって、二次電池の消費電力を低く抑えながら正確に車両の接近距離を検出することができる。また、振動センサや各磁気センサが検出した測定データは無線によって管理所へ送信され、送信されたデータによってパソコンが車両の接近距離情報を算出して表示するので、本発明の車両検知システムは、電波の送受信できる地域ならどのような場所でも使用することができる。
【0034】
以上述べた実施の形態は本発明を説明するための一例であり、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲で種々の変形が可能である。例えば、上記の実施の形態のように磁気センサによってX軸とY軸の2軸によって磁束を検知するのではなく、さらに、磁気センサの検出軸をX軸、Y軸、 Z軸の3軸にすれば、車両や三次元空間を飛行する物体の接近距離をより正確に検出して、特定区域への侵入状況を判定することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の車両検知システムによれば、車両の走行方向と平行な方向の磁束を検知する水平磁気センサと、車両の走行方向と垂直な方向の磁束を検知する垂直磁気センサとを用いて、車両の接近距離を正確に求めることができる。これによって、車両が特定区域へ侵入する前に未然に侵入状況を監視することができる。また、車両の接近情報は無線によって管理者のパソコンなどの画面に表示されるので、無線の伝搬する場所ならどのような場所でも本発明の車両検知システムを適用することができる。
【0036】
さらに、本発明の車両検知システムは、消費電量の少ない振動センサを備えて、予め、この振動センサのみの動作によって車両の接近状態を監視し、車両が接近してきたら消費電力の比較的大きい水平磁気センサと垂直磁気センサとを動作させて、正確に車両の接近距離を算出している。これによって、二次電池の消費電力を低く抑えることができるので、比較的長時間に亘って車両検知システムを連続使用することができる。例えば、本発明の車両検知システムを、立ち入り禁止区域の境界線に沿って一定間隔で配備すれば、国境付近や機密区域の不審車両の検出などに適用して不審車両の侵入を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における車両検知システムの概略構成図である。
【図2】図1に示す検知装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】図2の検出装置が検出する磁束検出値と車両の接近距離との相関関係を示すグラフである。
【図4】図2に示す検知装置の検出動作の流れを示すフローチャートである。
【図5】従来から用いられている車両検知システムの概略構成図である。
【図6】図5に示す検知装置の内部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1、21 車両、2、22 検知装置、3、23 管理所、4 無線装置、5アンテナ、6、25 パソコン、7、31 センサブロック、8 水平磁気センサ、9、11、13、33 アンプ、10 垂直磁気センサ、12 振動センサ、14、34 信号処理ブロック、15 A/Dコンバータ、16、36 CPU、17、37 送信ブロック、18 Tx回路、19 電源ブロック、20二次電池、24 変換装置、32 磁気センサ、35 コンパレータ、38 増幅回路。
Claims (1)
- 移動体を磁気センサによって検知する移動体検知システムであって、
前記移動体の走行方向に平行な方向において前記移動体の接近を検知する第1の磁気センサと、
前記移動体の走行方向に垂直な方向において前記移動体の接近を検知する第2の磁気センサと、
前記第1の磁気センサと前記第2の磁気センサとの検出値に基づいて、前記移動体の接近距離を算出する算出手段と、
前記移動体が発する振動によって前記移動体の接近状態を検知する振動センサを備え、
前記振動センサの検出値に基づいて、前記第1の磁気センサと前記第2の磁気センサとを作動させることを特徴とする移動体検知システム。
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