JP4615393B2 - 帯状光源用導光体の製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、LEDは点状光源であり、指向性があるため、単独ではスポット照明としてのみの使用に制限されていた。一方、照明用途では、蛍光灯のように均一な輝度分布を有する線状光源、棒状光源、または面状光源などの帯状光源が求められている。
また、配光設計の自由度を高めるために、正面方向の輝度を高める(指向性を持たせる)場合には、通常、導光体に、主反射面の導光体の主光軸に対する頂角が45度程度をなすように、断面三角形のV溝が形成される。通常、V溝を有する導光体は、射出成形により製造されるため、V溝の主反射面における導光体の主光軸に対する頂角は45度以上の角度を持つ場合がほとんどである。
上記の帯状光源用導光体の製造方法において、前記第1工程において、帯状の透明部材に対して複数の前記刃をまとめて押し込み、複数の前記刃を帯状の透明部材からまとめて離間させ、離間させたまま前記帯状光源用導光体の長手方向に沿って特定距離移動させる第2の工程をさらに含むことが好ましい。
上記の帯状光源用導光体の製造方法において、前記第1工程と前記第2工程を繰り返すことが好ましい。
上記の帯状光源用導光体の製造方法において、前記透明部材は、ポリカーボネート樹脂から構成されており、前記第1工程において、前記透明部材および/または前記刃を160〜250℃程度で加熱することが好ましい。
図1は、本発明に係る帯状光源用導光体および帯状光源の第一の実施形態を示す断面図である。
図1中、符号10は帯状光源用導光体、11は帯状の透明部材(以下、「帯状透明部材」と略す。)、12は反射溝、20は帯状光源、21は発光ダイオードをそれぞれ示している。
この実施形態では、複数の反射溝12が、帯状透明部材11の主光軸方向(長手方向)に沿って、所定の間隔をおいて配置されている。
反射溝12の主反射面12aの傾斜角度が40度未満では、帯状光源用導光体10の光軸と略垂直方向に反射する光の量が低下し、結果として輝度が低下する。一方、反射溝12の主反射面12aの傾斜角度が60度を超えると、全反射条件から外れる光の割合が多くなり、反射溝12における光の反射効率が低下する。特に、反射溝12の主反射面12aの傾斜角度が48度以上、53度以下の範囲では、帯状光源用導光体10の光軸と略垂直方向の輝度がほぼ最大となるとともに、指向性も高く、反射効率も低下しないので、帯状光源用導光体10全体として、性能のバランスが良いから好ましい。
(1)反射溝12の深さ(帯状透明部材11の裏面11bから頂角12bの頂点までの長さ)を、帯状透明部材11の端面11c側、すなわち、帯状光源用導光体10の入射面から、帯状光源用導光体10の光軸(長手方向)に沿って少しずつ高くする方法。
(2)反射溝12を設ける間隔(ピッチ)を、帯状光源用導光体10の入射面から、帯状光源用導光体10の光軸(長手方向)に沿って少しずつ小さくする方法。
(3)帯状透明部材11の厚みまたは断面積を、帯状光源用導光体10の入射面から、帯状光源用導光体10の光軸(長手方向)に沿って少しずつ小さくする方法。
(4)上記の(1)〜(3)の方法を組み合わせた方法。
この実施形態の帯状光源20は、帯状光源用導光体10と、帯状光源用導光体10の端面(帯状透明部材11の端面11c)から光を入射可能に結合された光源21とから概略構成されている。
このようにすれば、帯状光源用導光体10を全域に渡って、光の伝播に使用することができるので、帯状光源用導光体10の表面全域から発光させることができる。
帯状光源を用いる場合、例えば、図3に示すように、帯状光源用導光体10の入射面(帯状透明部材11の端面11c)に、帯状光源用導光体22の表面(帯状光源用導光体22を伝播する光が発する面)を対向させる。この状態で、帯状光源用導光体22の入射面から光を入射すれば、帯状光源用導光体22を伝播する光が反射溝23で反射し、その反射光が帯状光源用導光体10に、その入射面全域から入射するので、帯状光源用導光体10を全域に渡って、光の伝播に使用することができるから、帯状光源用導光体10の表面全域から発光させることができる。
この実施形態の帯状照明装置は、帯状光源20、電源、制御装置などを備えてなるものである。
この実施形態の帯状照明装置は、帯状光源20を用いてなるものであるから、照明効率の部分的な劣化が少なく、効率的に対象物に明かりを照らすことができる。
次に、図4を参照して、本発明に係る帯状光源用導光体の製造方法の一例を説明する。
この実施形態の帯状光源用導光体の製造方法では、まず、加工機30の架台31に、帯状透明部材11を、その裏面11b(加工面)を上向きにして載置した後、固定する。
次いで、頂角の角度が5度以上、30度以下の三角形状をなし、刃面が鏡面加工された複数の刃32を所定の間隔(ピッチ)、所定の角度、所定の高さにて、ホルダ33に固定する。このホルダ33はヒータ(図示略)に接続されており、このヒータにより刃32を所定温度に加熱することができるようになっている。
次いで、帯状透明部材11および刃32の両方、あるいは、帯状透明部材11または刃32のいずれか一方を、ヒータにより所定温度に加熱し、帯状透明部材11の裏面11bに刃32を所定量押し込むことにより、帯状透明部材11に断面形状が三角形の反射溝12を形成する。
図5は、本発明に係る帯状光源用導光体および帯状光源の第二の実施形態を示す断面図である。
図5中、符号40は帯状光源用導光体、41は帯状透明部材、42は反射溝、43は反射シート、50は帯状光源をそれぞれ示している。
以下、
以下、図1および図4を参照して、実施例を説明する。
図1に示した構成の帯状光源用導光体10を作製した。
まず、加工機30の架台31に、縦横5mm、長さ500mmのアクリル板からなる帯状透明部材11を、その裏面11b(加工面)を上向きにして載置した後、水平に固定した。
次いで、頂角の角度が20度、刃面を鏡面仕上げした刃32を10枚、ピッチを5mm、架台31の長手方向に対する傾斜角度を60度とし、同じ高さでホルダ33に固定した。
次いで、ヒータにより刃32を180℃に加熱し、この刃32を帯状透明部材11に角度60度、0.5mm/secの速度にて、所定の深さに押し込んだ後、刃32を帯状透明部材11から離間させた。
次いで、ホルダ33を帯状透明部材11の長手方向に沿って50mm移動させ、再び、刃32を帯状透明部材11に押し込んだ。
このような刃32の押し込みと移動を繰り返して、刃32(ホルダ33)の移動毎に、帯状透明部材11に対する刃32の押し込み量を少しずつ大きくし、帯状透明部材11の長手方向に沿って400mmの長さに反射溝12を形成し、帯状光源用導光体10を得た。
全ての反射溝12を形成するために要した時間(加工時間)は、40秒であった。
得られた帯状光源用導光体10の反射溝12の初期の深さは0.05mm、最終的な深さは1.5mmであった。また、反射溝12のピッチは5mm、反射溝12の主反射面12aの帯状透明部材11の主光軸に対する傾斜角度は50度、反射溝12の頂角の角度は20度であった。
帯状光源用導光体10の入射面から、砲弾型LED(豊田合成株式会社製、E1L33−AW0A−03、白色 、φ3)により光を入射し、照度計(コニカミノルタ株式会社製、T−10)を用いて、帯状光源用導光体10の照度分布および指向性を調べた。
その結果、帯状光源用導光体10の平均照度は3.3lux、照度ムラは±12%であった。なお、照度分布の測定は、帯状光源用導光体10の直下、かつ、帯状光源用導光体10から100mm離れた位置において、帯状光源用導光体10から出射された光の照度を測定することにより行った。なお、この照度分布の測定では、帯状光源用導光体10の両端面から50mmの領域をそれぞれ測定対象から除外した。
また、帯状光源用導光体10の指向性は、帯状透明部材11の主光軸と垂直方向断面で40度、平行方向断面で32度であった。なお、指向性の調査では、光源から2mの距離における照度の角度分布を測定した。
まず、ダイヤモンドバイト切削法により、横5mm、長さ500mmのアクリル板からなる帯状透明部材の長手方向に沿って400mmの長さに反射溝を形成し、帯状光源用導光体を得た。
得られた帯状光源用導光体の反射溝の深さは0.05mm〜1mm、ピッチは5mm、主反射面の帯状透明部材の主光軸に対する傾斜角度は50度、頂角の角度は100度であった。
また、全ての反射溝を形成するために要した時間(加工時間)は、3分40秒であった。
実施例と同様にして、得られた帯状光源用導光体の照度分布および指向性を調べた。
その結果、帯状光源用導光体の平均照度は2.7lux、照度ムラは±14%であった。
また、帯状光源用導光体の指向性は、帯状透明部材の主光軸と垂直方向断面で44度、平行方向断面で42度であった。
Claims (9)
- 帯状の透明部材と、該透明部材の主光軸に沿って裏面側に配置され、前記透明部材の端面側から入射して伝播した光を、前記透明部材の表面側または裏面側に反射する複数のプリズム状の反射溝とを備え、前記反射溝の断面形状が略三角形であり、前記反射溝の頂角の角度が5度以上、30度以下である帯状光源用導光体の製造方法であって、
頂角の角度が5度以上、30度以下の三角形状をなすとともに、刃面が鏡面加工された刃を用いて、前記透明部材および/または前記刃を加熱し、前記透明部材の裏面に前記刃を押し込むことにより、前記透明部材に断面形状が三角形の反射溝を形成する第1工程を少なくとも含むことを特徴とする帯状光源用導光体の製造方法。 - 前記反射溝の主反射面の帯状の透明部材の主光軸に対する傾斜角度を40度以上、60度以下であることを特徴とする請求項1に記載の帯状光源用導光体の製造方法。
- 前記第1工程において、帯状の透明部材の裏面に対して、傾斜角度40度以上、60度以下で前記刃を押し込むことを特徴とする請求項1に記載の帯状光源用導光体の製造方法。
- 前記第1工程において、帯状の透明部材に対して複数の前記刃をまとめて押し込み、
複数の前記刃を帯状の透明部材からまとめて離間させ、離間させたまま前記帯状光源用導光体の長手方向に沿って特定距離移動させる第2の工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の帯状光源用導光体の製造方法。 - 前記第1工程と前記第2工程を繰り返すことを特徴とする請求項4に記載の帯状光源用導光体の製造方法。
- 前記透明部材は、アクリル樹脂から構成されており、
前記第1工程において、前記透明部材および/または前記刃を140〜200℃程度で加熱することを特徴とする請求項1に記載の帯状光源用導光体の製造方法。 - 前記透明部材は、ポリカーボネート樹脂から構成されており、
前記第1工程において、前記透明部材および/または前記刃を160〜250℃程度で加熱することを特徴とする請求項1に記載の帯状光源用導光体の製造方法。 - 前記帯状光源用導光体は、前記透明部材の裏面側に配置され、前記反射溝にて裏面側に反射した光を前記透明部材の表面側に反射する反射シートをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の帯状光源用導光体の製造方法。
- 前記透明部材は、入射面が凸状をなしていることを特徴とする請求項1に記載の帯状光源用導光体の製造方法。
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