JP4615077B2 - ろう付けサンドイッチパネル及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、ろう付けサンドイッチパネル及びその製造方法に係り、特にアルミニウム材質のコアの両側にアルミニウム材質の面板がそれぞれ一体的にろう付けされてなるサンドイッチパネルと、その有利な製造方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】
近年、アルミニウム材質の2枚の面板間にアルミニウム材質のコアを挟み、それら2枚の面板とコアとを一体的にろう付けしてなるサンドイッチパネルが開発され、その軽量性や高強度特性に着目して、構造材用、意匠材用、断熱材用、防音材用等、幅広い用途で使用されている。そして、そのようなサンドイッチパネルの中でも、特に、アルミニウム材質のセルをハニカム状に設けてなるハニカムコアの両側に、アルミニウム面板をろう付け接合せしめてなる、所謂、ハニカムパネルは、ハニカムコアが、セルの高さ方向において、2枚の面板を垂直に支持するため、圧縮強度や曲げ強度が高く、しかも剛性の異方性も少ないことから、建材や鉄道車両、自動車等の車両において、構造材や強度部材等として、好適に用いられてきている。
【0003】
ところで、このようなハニカムパネルの如きサンドイッチパネルには、通常、パネルと同じ厚さか、それよりも薄い板状乃至はブロック状の埋込部材が、パネル同士の組付けや他部材の取付けを確実に行うための補助部材として、パネル内に埋め込まれた状態で、面板に接合されて、固定されている。即ち、サンドイッチパネルにおいては、面板に接合、固定された埋込部材に対して、ビスやボルト・ナット等の連結部材が螺合乃至は挿通されるねじ穴や貫通孔等が設けられ、それらの連結部材により直接に、或いはこの連結部材にて固定された台座等の所定の取付部材を介して、パネル同士が組み付けられ、または各種の部材や部品等が取り付けられるように構成されている。そして、そのようなパネル同士の組付けや、各種の部材、部品の取付け等を行うことによって、大型パネルや、構造体、強度部材等の所望のパネル製品が製作されるようになっているのである。
【0004】
ところが、従来のサンドイッチパネルにあっては、一般に、パネルの所定部位に貫通孔や適当な深さの収容穴を穿設し、埋込部材を、それらの貫通孔や収容穴の中に収容せしめた状態下で、面板に対して溶接により接合するといった、完成されたサンドイッチパネルに対する後加工によって、所定の埋込部材が、パネルに固定されていた。そのために、大型パネルやパネル製品の製作に際して、サンドイッチパネルの製造工程や、サンドイッチパネルの組付工程、所定の部材や部品の取付工程等とは別の、埋込部材をパネルに固定するための余分な工程が必須となり、それによって、目的とする大型パネルやパネル製品の製作性が低下し、また、製作コストが高騰する等といった問題が惹起され、更には、埋込部材が溶接にて面板に接合されるために、溶接の熱により、面板に歪みが生じて、パネルの面精度が著しく低下することさえもあったのである。しかも、かかる従来のサンドイッチパネルでは、埋込部材が、前記パネルに穿設した収容孔の内周面のみにおいて面板と接合されることになるところから、それら埋込部材と面板との接合強度を十分に確保するために、比較的に大きな埋込部材が用いられており、その結果、パネル全体の重量が大きなものとなってしまうといった問題もあったのである。
【0005】
尤も、埋込部材を、ハニカムコアの内部に配置した状態下で、2枚の面板間に挟み、且つそれら2枚の面板に対して一体的にろう付け接合することによって、埋込部材が、パネルの製造と同時に、パネル内に固定されてなるハニカムパネルもある。しかしながら、よく知られているように、そのような従来のハニカムパネルにあっては、アルミニウム材質の平板を連続的に屈曲変形せしめる等して、コルゲート成形して得られた帯状のハニカム形成材を、2枚の面板間において、ハニカム構造を与えるように並べて組み付けることにより、ハニカムコアが形成されているため、このハニカムコアの内部に埋込部材を配置する際には、帯状のハニカム形成材と埋込部材とが重なり合わないように、埋込部材の配設位置を確かめながら、帯状のハニカム形成材の幾つかのものを手作業で切断するといった面倒で手間のかかる作業にて、ハニカム形成材の長さを調節しなければならなかった。それ故、かかるハニカムパネルにあっても、その製造作業における作業性が著しく低いものとなっており、従って、大型パネルや所望のパネル製品の製作性や製作コストの点において、前述した、後加工により埋込部材が固定されてなるサンドイッチパネルと同様な問題が存していたのである。
【0006】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その課題とするところは、パネル同士の組付けや他部材の取付け等を行うための連結部材や取付部材等が取り付けられる埋込部材が、面板に対して容易に且つ安価に接合、固定されてなり、それによって、大型のパネルや所望のパネル製品が、優れた製作性と経済性とをもって有利に製作され得るサンドイッチパネルを提供することにあり、また、そのような埋込部材の面板に対する接合強度を十分に確保しつつ、パネル全体の重量の軽量化が有利に図られ得ると共に、かかる埋込部材の接合に伴う面板の熱歪みの発生等が効果的に防止され得るサンドイッチパネルの新規な構造を提供することにある。更に、本発明にあっては、そのような優れた特徴を有するサンドイッチパネルを有利に製造する方法を提供することをも、その解決課題とするものである。
【0007】
【解決手段】
そして、本発明にあっては、かかる課題の解決のために、互いに対向位置せしめられたアルミニウム材質の2枚の面板間に、アルミニウム材質のコアが少なくとも配置され、且つ少なくとも、それら2枚の面板とコアとが一体的にろう付けされてなるろう付けサンドイッチパネルにおいて、前記コアが、波形形状が一方向に向かって連続的に形成された波板状を呈するアルミニウム成形体の一体物からなる波形コアにて構成され、且つかかる波形コアの2枚が、該波形形状の高さ方向において、前記2枚の面板間に挟まれると共に、該波形形状の形成方向が互いに直交するように互いに積層配置された状態下で、それら2枚の面板と2枚の波形コアとが相互に一体的にろう付けされている一方、該2枚の波形コアのうちの何れか一方が、穴部または切欠部を有し、該穴部または切欠部に対応した大きさの板状乃至はブロック状を呈するアルミニウム材質の埋込部材が、該穴部または切欠部内に埋め込まれて配置された状態下で、前記2枚の面板におけるそれぞれの対向面のうち、該穴部または切欠部を有する波形コアがろう付けされる面板の対向面に対して、一体的にろう付けされて、構成されていることを特徴とするろう付けサンドイッチパネルを、その要旨とするものである。
【0008】
このように、本発明に従うろう付けサンドイッチパネルにあっては、ビスやボルト・ナット等の適当な連結部材が螺合乃至は挿通されるねじ穴や貫通孔が形成可能で、且つ所定の取付部材等が固定可能な埋込部材が、アルミニウム成形体の一体物からなるコアに設けられた穴部または切欠部内に埋め込まれて、配置された状態下で、2枚の面板の少なくとも一方のものに対して一体的にろう付けされて、構成されているところから、2枚の面板間に、複数の帯状のハニカム形成材を並べて組み付けることにより形成されたコアを有する従来のハニカムパネルとは異なって、埋込部材をコアの内部に配置する際に、帯状のハニカム形成材の幾つかのものを手作業で切断して、長さを調節するといった手間のかかる作業を行う必要がなく、また、埋込部材が後加工にて固定されてなる従来のサンドイッチパネルとも異なって、穿設加工や溶接加工等を含む、面倒で且つ余分な費用のかかる後加工を行う必要も皆無ならしめられており、それによって、埋込部材が、面板に対して、手間なく、簡単に、しかも、低コストで、接合、固定されている。また、かかるろう付けサンドイッチパネルでは、後加工における溶接加工が省かれているため、溶接の熱による面板の歪みの発生も全くなく、それによって、パネルの面精度が、効果的に高められ得るのである。
【0009】
さらに、かかるろう付けサンドイッチパネルにおいては、埋込部材が、2枚の面板におけるそれぞれの対向面のうちの少なくとも一方の面に対してろう付けされていることから、前述の如き後加工で面板に形成される穴の内周面のみにおいて、埋込部材が面板に対してろう付け接合される従来のサンドイッチパネルに比して、埋込部材と面板との接合面積が飛躍的に増大せしめられており、そのため、例え、埋込部材の大きさを小さく為したとしても、それら埋込部材と面板との接合強度が十分に確保され得るのである。
【0010】
従って、本発明に従うろう付けサンドイッチパネルにあっては、パネル同士の組付けや他部材の取付け等を行うための連結部材や取付部材等が取り付けられる埋込部材が、面板に対して、容易に且つ安価に接合、固定されて、構成され得ており、それによって、大型パネルや所望のパネル製品が、優れた作業性と経済性とをもって、極めて有利に製作することが可能となっているのであり、また、面板の歪み等のない、高い面精度が具備せしめられ得ていると共に、十分な接合強度を確保した上での軽量化の達成が有利に可能ならしめられており、以て、従来品には見られない極めて高い品質と性能が発揮され得るのである。
【0011】
また、かかる本発明に従うろう付けサンドイッチパネルにおいては、面板とコアは勿論、埋込部材もアルミニウム材質にて構成されているところから、機械強度、耐久性、耐熱性(耐火性)、耐薬品性、及び加工性の何れの点においても優れており、しかも、容易にリサイクルが可能であるといった利点もある。
【0014】
さらに、本発明に従うろう付けサンドイッチパネルの望ましい態様に一つによれば、前記2枚の面板が湾曲面形状を有して構成される一方、前記埋込部材における該2枚の面板の少なくとも一方のものとのろう付け面が、該2枚の面板の形状に対応した湾曲面形状とされる。これにより、全体形状が湾曲形状とされた、所謂曲面パネルが、上述の如き優れた特徴をもって、極めて有利に構成され得るのである。
【0015】
本発明に従うろう付けサンドイッチパネルによれば、前記コアが、波形形状が一方向に向かって連続的に形成された波板状を呈するアルミニウム成形体の一体物からなる波形コアにて構成され、且つかかる波形コアの2枚が、該波形形状の高さ方向において、前記2枚の面板間に挟まれるように配置された状態下で、それら2枚の面板と2枚の波形コアとが相互に一体的にろう付けされて、構成される。
【0016】
このような構成を有するろう付けサンドイッチパネルにあっては、低い高さでの成形が困難なハニカムコアが2枚の面板間に挟まれてなる従来のハニカムパネルとは異なり、コアが、低い高さでも容易に成形可能な波板状の波形コアにて構成されることとなり、それによって、パネル全体の薄肉化が有利に達成され得、以て、軽量化が効果的に図られ得ると共に、従来のハニカムパネルでは厚過ぎて適用が困難であった用途や部材に対しても、極めて有利に適用され得ることとなる。
【0017】
また、本発明に従うろう付けサンドイッチパネルにおいては、前記2枚の面板間に、前記2枚の波形コアが、該2枚の面板の対向方向に積層された状態で、前記波形形状の形成方向が互いに直交するように配置され、且つそれら2枚の面板と2枚の波形コアとが相互に一体的にろう付けされることとなる。これによって、パネルの曲げ剛性及び曲げ強度の異方性が、効果的に解消され得る。
【0019】
そして、本発明にあっては、また、上述の如き本発明に従うろう付けサンドイッチパネルを製造するに際して、波形形状が一方向に向かって連続的に形成された波板状を呈する、穴部または切欠部を有するアルミニウム成形体の一体物からなるアルミニウム材質の波形コアと、波形形状が一方向に向かって連続的に形成された波板状を呈する、穴部または切欠部を有しないアルミニウム成形体の一体物からなるアルミニウム材質の波形コアとを用い、それら2枚の波形コアを、該波形形状の形成方向が互いに直交するように互いに積層すると共に、該2枚の波形コアのうちの一方が有する前記穴部または切欠部内に、それら穴部または切欠部に対応した大きさの板状乃至はブロック状を呈するアルミニウム材質の埋込部材を埋め込んで配置する一方、該2枚の波形コアの積層方向の両側に、アルミニウム材質の面板をそれぞれ1枚ずつ対向させて配置し、更に該2枚の波形コアが、該波形形状の高さ方向において、前記2枚の面板間に挟まれるように配置せしめられた後、ろう付け加熱することにより、少なくとも、それら2枚の面板と2枚の波形コアとを一体的にろう付けすると共に、該埋込部材を、該2枚の面板におけるそれぞれの対向面のうち、該穴部または切欠部を有する波形コアがろう付けされる面板の対向面に対して、一体的にろう付けするようにしたことを特徴とするろう付けサンドイッチパネルの製造方法をも、その要旨とするものである。
【0020】
このような、本発明に従うろう付けサンドイッチパネルの製造方法にあっては、従来の製造方法とは異なって、2枚の面板間に、埋込部材を配置する際に、複数の帯状のハニカム形成材を、埋込部材と重なり合わないように、手作業で所望の長さに切断するような手間のかかる作業を行う必要がなく、また、埋込部材を面板に接合する際に、面板とコアとのろう付け接合とは別に、面倒で余分な費用のかかる後加工での溶接加工を行う必要も全くなく、単に、埋込部材を、アルミニウム成形体の一体物からなるコアに設けられた穴部または切欠部内に配置した状態下で、該コアの両側に位置する2枚面板のそれぞれの対向面のうちの少なくとも一方の面にろう付けするだけで、埋込部材が、面板に対して、手間なく、簡単に、しかも、低コストで、接合、固定され得るのである。
【0021】
しかも、かかる本発明手法においては、埋込部材の接合、固定に際して、埋込部材の面板への溶接加工が何等行われることがないため、そのような溶接による面板の熱歪みが生ずるようなこともなく、また、埋込部材が、2枚の面板に対して、それぞれの対向面にろう付けされるところから、埋込部材と面板との接合面積が有利に広く為され得、それによって、埋込部材が多少小さくされても、それら埋込部材と面板との接合強度が、十分に確保され得るのである。
【0022】
従って、このような本発明に従うろう付けサンドイッチパネルの製造方法によれば、パネル同士の組付けや他部材の取付け等を行うための連結部材や取付部材等が取り付けられる埋込部材が面板に接合、固定されたサンドイッチパネルが、面板の歪み等のない、高い面精度と優れた軽量性と十分な接合強度とをもって、極めて容易に且つ安価に製造され得ることとなるのである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明に係るろう付けサンドイッチパネルとその製造方法に構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
【0024】
先ず、図1には、ろう付けサンドイッチパネルの一参考例が分解して示されており、また、図2には、そのようなサンドイッチパネルの断面図が示されている。それらの図からも明らかなように、サンドイッチパネル10は、矩形の平板形状を呈し、互いに上下方向に対向配置された、2枚の面板12,14を有している。なお、それら上下2枚の面板12,14は、何れも、アルミニウム若しくはその合金から形成されたアルミニウム材質のものにて構成されている。そして、そのような2枚の面板12,14間に、波板状を呈する波形コア16と二つの埋込部材18,20とが、それぞれ挟まれて、配置され、且つかかる2枚の面板12,14に対して一体的にろう付け接合されているのである。
【0025】
より具体的には、2枚の面板12,14間に位置する波形コア16は、アルミニウム若しくはその合金からなる矩形の板材を、波板状に成形して得られた、アルミニウム材質の一体構造をもって形成されている。即ち、波形コア16は、湾曲した凹凸部(山部と谷部)が交互に配置されてなる形態の波形形状乃至はコルゲート形状が一方向に向かって連続的に形成された、波板状を呈する矩形のアルミニウム成形体の一体物にて構成されているのである。また、かかる波形コア16においては、その波形形状を与える凸部(山部)の一つ一つが、頂点部位を湾曲面形状となした略三角形状とされている。そして、ここでは、そのような波形コア16の幅方向の中央部における長さ方向の一方側の部位に、矩形の穴部22が、厚さ方向に貫通して形成されており、更に、該長さ方向の他方側の端部には、該端部部位を矩形形状をもって部分的に除去してなる切欠部24が、設けられている。
【0026】
また、かかる波形コア16と共に、2枚の面板12,14間に配置される二つの埋込部材18,20は、それぞれ、波形コア16の波形形状の高さと略同一寸法の厚さを有する、アルミニウム若しくはその合金からなる矩形の平板より形成されている。更に、それら二つの埋込部材18,20にあっては、そのうちの一方の埋込部材18が、波形コア16に形成された穴部22よりも僅かに小さく、該穴部22に嵌め込まれ得る大きさとされている一方、他方の埋込部材20が、波形コア16に設けられた矩形の切欠部24よりも僅かに小さく、該切欠部24に嵌込み可能な大きさとされている。このように、ここでは、二つの埋込部材18,20が、波形コア16の穴部22及び切欠部24にそれぞれ対応した大きさを有するアルミニウム材質の板状体にて、構成されているのである。
【0027】
そして、このような二つの埋込部材18,20のうちの一方の埋込部材18が、波形コア16の穴部22内に、また、他方の埋込部材20が、波形コア16の切欠部24内に、それぞれ、埋め込まれる(嵌め込まれる)ようにして配され、また、それら二つの埋込部材18,20が埋め込まれてなる波形コア16が、波形形状の高さ方向において、前記上下2枚の面板12,14間に挟まれて、位置せしめられている。更に、そのような配置状態下で、波形コア16が、その上下の端部(波形形状の上下の頂点部位)において、2枚の面板12,14の互いの対向面のそれぞれに、一体的にろう付けされていると共に、二つの埋込部材18,20も、それぞれの上下の端面において、各面板12,14の対向面に対して、一体的にろう付けされている。これにより、サンドイッチパネル10が、2枚の面板12,14と波形コア16と二つの埋込部材18,20とからなり、全体として、中空のサンドイッチ構造を有するアルミニウム製若しくはアルミニウム合金製の一体品として、構成されているのである。
【0028】
而して、ここでは、特に、そのようなサンドイッチパネル10の前記一方の埋込部材18の配設部位において、ねじ穴26が、上面板12を貫通し、且つ該埋込部材18を所定深さ螺刻して、形成されており、また、他方の埋込部材20の配設部位においては、貫通孔28が、上下2枚の面板12,14と該埋込部材20とを、それぞれ上下方向に貫通して、形成されている。
【0029】
かくして、かかるサンドイッチパネル10にあっては、それらのねじ孔26や貫通孔28に、図示しないビスやボルト・ナット等の連結部材が螺合乃至は挿通されて、固定されるようになっており、それらの連結部材により、直接に、或いは、この連結部材にて固定された台座等の所定の取付部材を介して、他のサンドイッチパネル10が組み付けられ、或いはサンドイッチパネル10以外の各種の部材や部品等が取り付けられるように構成されている。そして、そのような他のサンドイッチパネル10の組付けや、各種の部材または部品等の取付け等を行うことによって、1枚の大面積の大型パネルや、構造体、強度部材等の所望のパネル製品が製作されるようになっているのである。
【0030】
ところで、このような構造とされたサンドイッチパネル10は、例えば、以下の如き方法に従って、製造されることとなる。
【0031】
すなわち、先ず、穴部22と切欠部24とを有する波形コア16を準備するのであるが、この波形コア16は、例えば、アルミニウム若しくはその合金からなる板材を、プレス成形等の所定の成形加工操作により、頂点部位が湾曲面形状とされた略三角形状を呈する波形形状が、一方向に向かって連続的に形成されてなる波板状に成形加工した後、この成形体に対して打ち抜き加工、切断加工等を施して、穴部22と切欠部24を形成することにより得られる。
【0032】
なお、所定の成形加工操作により、上述の如き波板状の成形体を複数枚成形した後、その成形された複数枚の成形体を重ね合わせ、そして、その状態で、複数枚の成形体のそれぞれに対して、NCエンドミル加工機等にて切断加工を施すことにより、穴部22と切欠部24とを同時に形成するようにしても良い。そうすれば、複数の波形コア16が、一挙に得られ、それによって、目的とするサンドイッチパネル10の生産性を効果的に高めることが出来る。また、この波形コア16を与えるアルミニウム若しくはその合金からなる板材としては、有利には、片面若しくは両面にろう材がクラッドされたアルミニウム合金製のブレージングシートが、用いられる。それによって、上下2枚の面板12,14との、後述するろう付け接合が、効率的に実施され得ることとなる。
【0033】
次いで、かかる波形コア16の穴部22と切欠部24内に、二つの埋込部材18,20を、それぞれ、埋め込むようにして、収容、配置せしめる。これら二つの埋込部材18,20には、例えば、アルミニウム材質の板材、中実或いは中空の押出形材、鋳物、鋳造品等が適宜に用いられるが、有利には、片面若しくは両面にろう材がクラッドされたアルミニウム合金製のブレージングシートが用いられる。これによって、後述する各埋込部材18,20と上下2枚の面板12,14とのろう付け接合が、効率的に実施され得るのである。
【0034】
その後、二つの埋込部材18,20が穴部22と切欠部24内に配置された波形コア16の上側と下側に、該波形コア16の波形形状の高さ方向において、それら波形コア16と二つの埋込部材18,20とを上下から挟み、且つ各埋込部材18,20と波形コア16のそれぞれの上下の端部に接触するように、上面板12と下面板14とを配置して、組み付ける。これにより、波形コア16と二つの埋込部材18,20と上下の面板12,14とからなる組付体を形成する。
【0035】
なお、ここで用いられる二つの埋込部材18,20や波形コア16が、ブレージングシートではない、単なるアルミニウム若しくはその合金のシート乃至は部材にて構成されている場合には、上下の面板12,14として、前記組付体の形成により、それら二つの埋込部材18,20と波形コア16に接触せしめられる面に対して、ろう材がクラッドされたアルミニウム合金製のブレージングシートにて形成されたものが、有利に用いられる。それによって、前記組付体のろう付け接合が、効率的に実施され得ることとなる。また、このような組付体の形成に際しては、二つの埋込部材18,20と波形コア16と上下の面板12,14の全部が、または、二つの埋込部材18,20と波形コア16の何方か一方が、ブレージングシートではない、単なるアルミニウム若しくはその合金シート乃至は部材にて構成されている場合、上下の面板12,14と、二つの埋込部材18,20及び波形コア16との間に、両面にろう材がクラッドされたアルミニウム合金製のブレージングシート、或いは、ろう材の薄板が、介装、配置せしめられることとなる。
【0036】
そして、上述の如くして形成された組付体を、従来と同様に、必要に応じて、所定の成形装置内にセットする等して、一定の圧力を加えた状態下で、例えば、加熱炉内に収容し、そこで加熱する。それによって、二つの埋込部材18,20と波形コア16と上下の面板12,14にクラッドされたろう材や、上下の面板12,14と、二つの埋込部材18,20及び波形コア16との間に位置せしめられたろう材の薄板や、ブレージングシートにおけるろう材を加熱、溶融せしめると共に、上下の面板12,14と、二つの埋込部材18,20及び波形コア16との間や、二つの埋込部材18,20と波形コア16との間に流れ込ませて、二つの埋込部材18,20と波形コア16とを、それぞれ、上下の端部乃至は端面において、上下の面板12,14の各対向面に対して、一体的にろう付け接合する。
【0037】
さらに、その後、かかるろう付け接合された組付体に対して、公知の方法により、上面板12を貫通し且つ波形コア16の穴部22内に埋込固定された埋込部材18に所定深さで入り込むねじ孔26を螺刻する一方、上下2枚の面板12,14と波形コア16の切欠部24内に埋込固定された埋込部材20とを、それぞれ上下方向に貫通するように、貫通孔28を形成する。かくして、二つの埋込部材18,20が、上下の面板18,20に対して、ろう付けにより、一体的に接合固定されると共に、それら二つの埋込部材18,20の配設部位に、ねじ孔26と貫通孔28とがそれぞれ設けられてなる、目的とするろう付けサンドイッチパネル10が得られるのである。
【0038】
このように、本参考例では、パネル同士を組み付けたり、所定の部品や部材を取り付けるための連結部材が螺合乃至は挿通可能なねじ穴26や貫通孔28が形成される二つの埋込部材18,20が、波板状の一体構造を有する波形コア16に設けられた穴部22と切欠部24とに収容、配置され、かかる波形コア16と共に、上下の面板12,14に対して一体的にろう付けされたものであるところから、従来のハニカムパネルやサンドイッチパネルとは異なって、埋込部材18,20を上下の面板12,14間に配置する際に、帯状のハニカム形成材の幾つかのものを手作業で切断して、長さを調節するといった手間のかかる作業や、2枚の面板間にコアがろう付けされてなるパネルに穴を穿設し、この穴内に埋込部材を配置して、溶接により2枚の面板に接合するといった面倒で且つ余分な費用のかかる作業を何等行う必要がなく、それによって、埋込部材18,20が、上下の面板12,14に対して、手間なく、簡単に、しかも、低コストで、接合、固定され得ることとなる。そして、その結果として、パネル同士を組み付け、或いは所定の部品や部材を取り付けてなる大型パネルや所望のパネル製品が、優れた作業性と経済性とをもって、極めて有利に作製することが可能となっているのである。
【0039】
また、本参考例においては、埋込部材18,20の上下の面板12,14に対する接合、固定に際して、溶接加工が何等行われないため、溶接加工による面板12,14の熱歪みが生ずるようなことがなく、それによって、かかる溶接加工により埋込部材を面板に接合、固定する従来のサンドイッチパネルに比して、サンドイッチパネル10の面精度が、効果的に高められ得ることとなる。
【0040】
さらに、本参考例にあっては、埋込部材18,20が、その上下の端面において、上下の面板12,14におけるそれぞれの対向面に対して、一体的にろう付けされているところから、パネルに穴を穿設し、この穴内に埋込部材を配置して、かかる穴の内周面のみにおいて、埋込部材を面板に溶接する場合に比して、埋込部材18,20と上下の面板12,14との接合面積が飛躍的に増大せしめられており、それ故に、埋込部材18,20が、多少、小さくとも、それら埋込部材18,20と上下の面板12,14との接合強度が十分に確保され得ることとなる。従って、このような参考例によれば、埋込部材18,20と上下の面板12,14との接合強度を十分に確保した上で、サンドイッチパネル10の軽量化が効果的に図られ得るのである。
【0041】
また、本参考例においては、上下の面板12,14と波形コア16と埋込部材18,20の全てが、アルミニウム若しくはその合金にて構成されているところから、機械強度、耐久性、耐熱性(耐火性)、耐薬品性、及び加工性の何れの点においても優れ、しかも、容易にリサイクルが可能であるといった特徴が発揮される。
【0042】
さらに、本参考例にあっては、波形コア16が、凹凸部(山部と谷部)の頂点部位が湾曲面形状とされた略三角形状を呈する波形形状を一方向に向かって連続的に形成しただけの比較的単純な波板状を有して構成されていることから、各波形形状の高さを低くして、波形コア16の全体の高さを、従来のハニカムパネルのハニカムコアよりも低く為すことが容易となっており、しかも、そのような波形コア16が、波形形状の高さ方向において、上下の面板12,14間に挟まれて、ろう付け接合されていることから、サンドイッチパネル10全体を容易に薄肉化することが出来、それによって、軽量化が効果的に図られ得ると共に、従来のハニカムパネルでは、厚過ぎて、適用が困難であった用途や部材に対しても、極めて有利に適用され得ることとなるのである。
【0043】
そして、図3には、本発明に従う構造を有するろう付けサンドイッチパネルの一実施形態が分解して示されており、また、図4には、そのようなサンドイッチパネルの断面図が示されている。なお、それら図3及び図4に示される実施形態と、後述する図5及び図6に示される、図1及び図2に示された第一の参考例とは別の参考例に関しては、かかる第一の参考例と同様な構造とされた部材及び部位について、図中、それぞれ、図1及び図2と同一の符号を付すことにより、その詳細な説明は省略した。
【0044】
すなわち、図3及び図4には、上下の面板12,14間において、2枚の波形コア16a,16bが、該上下の面板12,14の対向方向、つまり上下方向に積層されて、配置されてなる構造の例が示されている。そこでは、2枚の波形コア16a,16bのうちの上側に位置する上側波形コア16aのみに、穴部22と切欠部24とが、設けられており、その下側に位置する下側波形コア16bには、そのような穴部22や切欠部24が何等設けられていない。そして、そのような上側及び下側波形コア16a,16bが、それぞれの波形形状の形成方向、換言すれば、波形形状の山部と谷部とが連続する方向が互いに直交するようにして、互いに重ね合わされて、配置されている。また、それら上側及び下側波形コア16a,16bにあっては、上側波形コア16aの穴部22内と切欠部24内とに、二つの埋込部材18,20が、それぞれ埋め込まれる(嵌め込まれる)ようにして配され、更に、それぞれの波形形状の高さ方向において、上下2枚の面板12,14間に挟まれて、位置せしめられている。
【0045】
そして、そのような配置状態下で、その積層された上側及び下側波形コア16a,16bが相互に一体的にろう付け接合されていると共に、上側波形コア16aが、その上側端部(波形形状における山部の頂点部位)において、上面板12の下面に対して一体的にろう付けされ、更に、下側波形コア16bが、その下側端部(波形形状における谷部の底部部位)において、下面板14の上面に対して一体的にろう付けされている。また、二つの埋込部材18,20は、その上側端面において、上面板12の下面に一体的にろう付けされていると共に、下側端面において、下側に位置する波形コア16bの上側端部(波形形状における山部の頂点部位)に対して、一体的にろう付けされている。なお、ここでは、上側波形コア16aの穴部22内に配置されて、固定された埋込部材18の配設部位に対して、ねじ穴26が、上面板12を貫通し且つ該埋込部材18に所定深さ入り込んだ形態において、螺刻されており、また、切欠部24内に配置されて、固定された埋込部材20の配設部位に対して、貫通孔28が、上面板12と該埋込部材20のみを上下方向に貫通して、形成されている。
【0046】
このような本実施形態においても、埋込部材18,20が、波板状の一体構造を有する上側波形コア16aに設けられた穴部22と切欠部24とに収容、配置され、かかる上側波形コア16aと共に、上面板12に対して一体的にろう付けされていることから、それによって得られる前述の如き優れた特徴が効果的に発揮され得るのである。
【0047】
また、本実施形態においては、上下の面板12,14間に、上側及び下側の2枚の波形コア16a,16bが、波形形状の形成方向が互いに直交するように積層配置された形態で、互いに一体的にろう付けされていると共に、上下の面板12,14に対して、それぞれ、一体的にろう付けされていることから、サンドイッチパネル10の曲げ剛性及び曲げ強度の異方性が効果的に解消され得る特徴も、発揮されることとなる。
【0048】
さらに、かかる本実施形態にあっては、埋込部材18,20が、上面板12のみに対してろう付けされているところから、埋込部材18,20を、下面板14にろう付けする必要がなく、その分だけ、ろう付け作業が容易となっている。しかも、そのように、埋込部材18,20が、上面板12のみにろう付けされるようになっているため、2枚の波形コア16a,16bの使用によって、間隔が広げられた上下の面板12,14間の隙間の寸法に拘わらず、埋込部材18,20の厚さが、かかる隙間の寸法よりも小さく為されており、それによって、2枚の波形コア16a,16bの使用に伴う重量の増大を可及的に抑制することが可能となっていると共に、下側波形コア16bに対して、埋込部材18,20を収容するための孔等を設ける必要が解消されて、所望のパネル設計が出来るようになっている。
【0049】
また、図5及び図6には、参考例として、上下の面板12,14間に積層された上側及び下側の2枚の波形コア16a,16bの間に、中間板30が挟まれて配置されてなる構造が示されている。そこでは、上側及び下側の波形コア16a,16bの間に挟まれた中間板30が、上下の面板12,14と同じ大きさの薄肉矩形形状を有しており、アルミニウム若しくはその合金からなるアルミニウム材質のものにて構成されている。なお、この中間板30としては、必要に応じて、片面または両面にろう材がクラッドされたブレージングシートからなるものが、使用される。
【0050】
さらに、かかる中間板30を間に挟む上側及び下側の波形コア16a,16bには、穴部22a,22bと切欠部24a,24bとが、それぞれ形成されており、また、中間板30にも、それら上側及び下側の波形コア16a,16bの穴部22a,22b及び切欠部24a,24bと同じ大きさで、且つ同一形状の穴部32と切欠部34とが、それぞれ設けられている。
【0051】
そして、それら上側及び下側波形コア16a,16bと中間板30とが、下から、下側波形コア16b、中間板30、上側波形コア16aの順番で、それらに設けられた穴部22b,32,22aと切欠部24b,34,24aとが、それぞれ対応して、各々、一つの穴部36と一つの切欠部38とを形成するように、積層されて、配置されている。また、そのようにして形成された一つの穴部36内と一つの切欠部38内には、二つの埋込部材18,20が、それぞれ埋め込まれる(嵌め込まれる)ようにして、配されている。なお、ここでも、上側波形コア16aと下側波形コア16bは、それぞれの波形形状の形成方向が互いに直交するように位置せしめられている。また、ここでは、埋込部材18,20は、上側及び下側波形コア16a,16bと中間板30の積層体の合計高さと略同一の高さをもって、構成されている。
【0052】
また、上述の如くして積層された上側及び下側波形コア16a,16b、中間板30及び埋込部材18,20は、上側及び下側波形コア16a,16bにおける波形形状の高さ方向において、上下の面板12,14間に挟まれて、配置されており、そして、そのような配置状態下で、相互に、更には上下の面板12,14に対して、一体的にろう付けされているのである。
【0053】
すなわち、上側及び下側波形コア16a,16bは、中間板30を介して互いに一体的にろう付けされていると共に、上側波形コア16aが、その上側端部において、上面板12の下面に対して一体的にろう付けされ、且つ、下側波形コア16bが、その下側端部(波形形状における谷部の底部部位)において、下面板14の上面に対して一体的にろう付けされている。また、二つの埋込部材18,20は、その上下の端面において、上面板12と下面板14に対して、それぞれ一体的にろう付けされている。なお、ここでは、前記一つの穴部36内に配置されて、固定される埋込部材18の配設部位において、ねじ穴26が、上面板12を貫通し且つ埋込部材18に所定深さ入り込んだ形態において、螺刻されており、また、前記一つの切欠部38内に配置されて、固定される埋込部材20の配設部位においては、貫通孔28が、上面板12と埋込部材20と、更には下面板14とを上下方向に貫通して、形成されている。
【0054】
このような参考例のものにあっても、埋込部材18,20が、波板状の一体構造を有する上側及び下側波形コア16a,16bに設けられた穴部22a,22bと切欠部24a,24bとに収容、配置され、それらの上側及び下側波形コア16a,16bと共に、上面板12に対して一体的にろう付けされているところから、それによって得られる前述の如き優れた特徴が、効果的に発揮され得ることとなるのである。
【0055】
また、本参考例においては、上下の面板12,14間に積層された上側及び下側の2枚の波形コア16a,16bの間に、アルミニウム材質の中間板30が挟まれて配置され、且つ、それら上側及び下側波形コア16a,16bに対して一体的にろう付けされているところから、中間板30が曲げ変形に対する補強板として効果的に機能することとなり、それによって、より高い曲げ剛性と曲げ強度が得られる利点がある。更に、そのような中間板30は、アルミニウム材質にて構成されているために、上下の面板12,14、上側及び下側波形コア16a,16b及び埋込部材18,20がアルミニウム材質にて構成されていることによって得られる利点が、かかる中間板30の配設によって損なわれるようなこともないのである。
【0064】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これらはあくまでも例示に過ぎないのであって、本発明は、かかる実施形態のものに限定して解釈されるものではない。
【0065】
例えば、前記実施形態では、波形コア16に、埋込部材18,20が収容、配置される穴部22と切欠部24とが、何れも矩形状とされていたが、それらの形状は、何等これに限定されるものではない。
【0066】
また、前記実施形態では、埋込部材18,20が、アルミニウム材質の板状体にて構成されていたが、かかる埋込部材18,20は、それが埋め込まれて配置される穴部22と切欠部24の形状や大きさに応じて、適宜に変更され得るものであり、従って、場合によっては、埋込部材18,20を、アルミニウム材質の板材やブロック体にて構成しても良いのである。そして、そのような埋込部材18,20を与えるアルミニウム材質の板材やブロック体には、例えば、アルミニウム合金製のブジージングシートの他、アルミニウム材質の中実或いは中空の押出形材や鋳物、鋳造品等が使用され得るのである。
【0068】
更にまた、前記実施形態では、ろう付けサンドイッチパネルのうち、平らな面板を有する、所謂平面パネル及びその製造方法に対して、本発明を適用したものの具体例を示したが、単純な湾曲面形状、若しくは部分的に曲率が異なる複合曲面形状の面板を有する、所謂曲面パネル及びその製造方法に対しても、本発明は、有利に適用され得るものである。なお、そのような曲面パネル及びその製造方法に対して本発明を適用する場合には、埋込部材として、曲面形状を有する2枚の面板の少なくとも一方のものとのろう付け面が、該面板の形状に対応した曲面形状とされたものが、好適に用いられることとなる。
【0069】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることが、理解されるべきである。
【0070】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明に従うろう付けサンドイッチパネルにあっては、パネル同士の組付けや他部材の取付け等を行うための連結部材や取付部材等が取り付けられる埋込部材が、面板に対して、容易に且つ安価に接合、固定されて、構成され得るのであり、それによって、大型パネルや所望のパネル製品が、優れた作業性と経済性とをもって、極めて有利に製作することが可能となっているのである。加えて、面板の歪み等のない、高い面精度が具備せしめられ得ていると共に、十分な接合強度を確保した上での軽量化の達成が有利に可能ならしめられており、以て、従来品には見られない極めて高い品質、性能が発揮され得る特徴も有しているのである。
【0071】
また、本発明に従うろう付けサンドイッチパネルの製造方法によれば、パネル同士の組付けや他部材の取付け等を行うための連結部材や取付部材等が取り付けられる埋込部材が面板に接合、固定されたサンドイッチパネルが、面板の歪み等のない、高い面精度と優れた軽量性と十分な接合強度とをもって、極めて容易に且つ安価に製造され得ることとなるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ろう付けサンドイッチパネルの一つの参考例を示す分解斜視説明図である。
【図2】 図1に示されるろう付けサンドイッチパネルの縦断面説明図である。
【図3】 本発明に従うろう付けサンドイッチパネルの一例を示す図1に対応する図である。
【図4】 図3に示されるろう付けサンドイッチパネルの縦断面説明図である。
【図5】 ろう付けサンドイッチパネルの別の参考例を示す図1に対応する図である。
【図6】 図5に示されるろう付けサンドイッチパネルの縦断面説明図である。
Claims (3)
- 互いに対向位置せしめられたアルミニウム材質の2枚の面板間に、アルミニウム材質のコアが少なくとも配置され、且つ少なくとも、それら2枚の面板とコアとが一体的にろう付けされてなるろう付けサンドイッチパネルにして、
前記コアが、波形形状が一方向に向かって連続的に形成された波板状を呈するアルミニウム成形体の一体物からなる波形コアにて構成され、且つかかる波形コアの2枚が、該波形形状の高さ方向において、前記2枚の面板間に挟まれると共に、該波形形状の形成方向が互いに直交するように互いに積層配置された状態下で、それら2枚の面板と2枚の波形コアとが相互に一体的にろう付けされている一方、該2枚の波形コアのうちの何れか一方が、穴部または切欠部を有し、該穴部または切欠部に対応した大きさの板状乃至はブロック状を呈するアルミニウム材質の埋込部材が、該穴部または切欠部内に埋め込まれて配置された状態下で、前記2枚の面板におけるそれぞれの対向面のうち、該穴部または切欠部を有する波形コアがろう付けされる面板の対向面に対して、一体的にろう付けされて、構成されていることを特徴とするろう付けサンドイッチパネル。 - 前記2枚の面板が湾曲面形状を有して構成される一方、前記埋込部材における該面板とのろう付け面が、該面板の形状に対応した湾曲面形状とされている請求項1に記載のろう付けサンドイッチパネル。
- 請求項1又は請求項2に記載のろう付けサンドイッチパネルを製造する方法にして、
波形形状が一方向に向かって連続的に形成された波板状を呈する、穴部または切欠部を有するアルミニウム成形体の一体物からなるアルミニウム材質の波形コアと、波形形状が一方向に向かって連続的に形成された波板状を呈する、穴部または切欠部を有しないアルミニウム成形体の一体物からなるアルミニウム材質の波形コアとを用い、それら2枚の波形コアを、該波形形状の形成方向が互いに直交するように互いに積層すると共に、該2枚の波形コアのうちの一方が有する前記穴部または切欠部内に、それら穴部または切欠部に対応した大きさの板状乃至はブロック状を呈するアルミニウム材質の埋込部材を埋め込んで配置する一方、該2枚の波形コアの積層方向の両側に、アルミニウム材質の面板をそれぞれ1枚ずつ対向させて配置し、更に該2枚の波形コアが、該波形形状の高さ方向において、前記2枚の面板間に挟まれるように配置せしめられた後、ろう付け加熱することにより、少なくとも、それら2枚の面板と2枚の波形コアとを一体的にろう付けすると共に、該埋込部材を、該2枚の面板におけるそれぞれの対向面のうち、該穴部または切欠部を有する波形コアがろう付けされる面板の対向面に対して、一体的にろう付けするようにしたことを特徴とするろう付けサンドイッチパネルの製造方法。
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