JP3157411B2 - ハニカムコアおよびその製造方法 - Google Patents

ハニカムコアおよびその製造方法

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JP3157411B2 JP07074295A JP7074295A JP3157411B2 JP 3157411 B2 JP3157411 B2 JP 3157411B2 JP 07074295 A JP07074295 A JP 07074295A JP 7074295 A JP7074295 A JP 7074295A JP 3157411 B2 JP3157411 B2 JP 3157411B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハニカムコアおよびそ
の製造方法に関する。すなわち、中空柱状のセルの平面
的集合体よりなり、各種の構造材等として広く使用され
るハニカムコア、およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図7は従来のハニカムコアを示し、
(1)図は斜視図、(2)図は拡大した正面図であり、
図8は、その展張法による製造方法の各工程を示す斜視
説明図、図9は、コルゲート法による製造方法の各工程
を示す正面説明図である。これらの図面にも示したよう
に、ハニカムコア1は、セル壁2にて区画形成された中
空柱状のセル3の平面的集合体よりなると共に、セル壁
2そしてセル3の断面形状は、従来すべて、正六角形状
や台形状その他の均一形状よりなっていた。つまり従来
のハニカムコア1は、そのセル3が正六角形状その他の
形状よりなると共に、すべてのセル3が同一の均一形状
よりなっていた。
【0003】又、このようなハニカムコア1は、いわゆ
る展張法やコルゲート法にて製造されていた。まず、展
張法について述べておくと、図8の(a)図は母材シー
ト4を準備した工程を、(b)図は切断した工程を、
(c)図は接着剤等の接合材5を配設した工程を、
(d)図は重積した工程を、(e)図は展張した工程を
それぞれ示す。同図にも示したように、この展張法によ
る製造方法では、母材シート4に所定の幅と間隔で平行
に接合材5を塗布等により配設した後、母材シート4を
複数枚、重積して加熱することにより相互間を接合して
から、所定幅寸法毎に切断して重積方向に展張し、もっ
てハニカムコア1を製造していた。次に、コルゲート法
について述べておくと、図9の(a)図は母材シート4
を準備した工程を、(b)図は折曲加工する工程を、
(c)図は得られた波板6を、(e)図は波板6を積
層,接合する工程を示す。同図にも示したように、この
コルゲート法による製造方法では、母材シート4を、波
形の凹凸が所定ピッチと高さで直線的かつ平行に折曲形
成された波板6に折曲加工した後、所定長さ毎に切断し
た波板6を複数枚、接着剤等の接合材5を介装しつつ全
体的に空間が存したブロック状に積層すると共に、加熱
により接合し、もってハニカムコア1を製造していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来例にあっては、次の問題が指摘されていた。第1
に、ハニカムコア1は重量比強度に優れ、軽量であると
共に高い剛性・強度を備えてなるという特性が一般的に
知られているが、特に強いセル軸方向の圧縮強度が要求
される場合は、セル3のサイズをより小さくする(ハニ
カムコア1の密度を上げる)必要があった。つまり従来
のハニカムコア1は、セル3のサイズが大きくなるにつ
れ圧縮強度が大きく低下する、という問題があった。す
なわち、ハニカムコア1において強度を保つ部分・応力
が作用する部分は、セル壁2中特に2重接合構造よりな
る部分(つまり接着剤等の接合材5でセル壁2間が接合
されている接合構造部分)であるが、従来のハニカムコ
ア1にあっては、このようなセル壁2の接合構造部分が
比較的少ないことに起因して、セル3のサイズが大きく
なると圧縮強度が大きく低下していた。なおこの間の事
情は、ハニカムコア1が展張法で製造されようとコルゲ
ート法で製造されようと、変わりはない。
【0005】第2に、これに対し圧縮強度の向上を図る
べく、ハニカムコア1のセル3のサイズを小さくする
と、製造面において多くの問題が発生するようになる。
すなわち、ハニカムコア1のセル3が小さいと、その分
だけより多くのセル壁2が用いられるが、これに対応し
その製造に際しては、展張法であるとコルゲート法であ
るを問わず、母材シート4の重積,積層枚数が多く厚く
なるので、その加熱に時間がかかり多くの熱量を要する
と共に、精度高く切断しにくく不良も多くなり、コスト
アップも指摘される等、ハニカムコア1の製造面に種々
の問題が生じるようになる。
【0006】本発明は、このような実情に鑑み、上記従
来例の問題点を解決すべくなされたものであって、六角
形のセルの周囲に平行四辺形のセルを集合せしめた単位
形態よりなり、平行四辺形のセルの1対のセル壁が2重
接合構造よりなると共に、六角形のセルの1対のセル壁
が、この2重接合構造の直線延長部に接合されるように
したことにより、第1に、圧縮強度が向上し、第2に、
もってセルサイズを小さくする必要もなく、第3に、し
かも簡単容易に製造できる、ハニカムコアおよびその製
造方法を提案することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成する本発
明の技術的手段は、次のとおりである。まず、請求項1
については次のとおり。すなわちこのハニカムコアは、
セル壁にて区画形成された中空柱状のセルの平面的集合
体であって、断面形状が六角形の該セルを中心に、断面
形状が平行四辺形の該セルが、その周囲に集合せしめら
れた単位形態よりなる。そして該単位形態において、平
行四辺形の各該セルを形成する対向する1対の該セル壁
が、2重接合構造よりなると共に、六角形の該セルを形
成する対向する1対の該セル壁が、このような2重接合
構造の該セル壁の直線延長部に接合されている。
【0008】次に、請求項2については次のとおり。す
なわち、このハニカムコアの製造方法は、母材シート
に、所定の各幅と間隔で平行に接合材を配設した後、該
母材シートを複数枚、重積して加熱することにより相互
間を接合してから重積方向に展張し、もってハニカムコ
アを製造する方法に関する。そして該接合材の配設幅
が、各該母材シート毎に順次交互に広いものと狭いもの
に設定され、かつ、広い配設幅の該接合材が配設された
該母材シートは、更に相互間が該接合材が1ピッチずつ
ずれた位置関係とされ、又、狭い配設幅の該接合材が配
設された該母材シートは、該接合材が、他の該母材シー
トの広い配設幅の該接合材の中央や該接合材間の間隔の
中央に、対向位置している。
【0009】更に、請求項3については次のとおり。す
なわち、このハニカムコアの製造方法は、母材シート
を、波形の凹凸が所定ピッチと高さで直線的かつ連続的
に折曲形成された波板に折曲加工した後、該波板を複数
枚、全体的に空間が存したブロック状に積層すると共に
接合し、もってハニカムコアを製造する方法に関する。
そして該波板は、凸部に比し凹部の方が長く設定され、
かつ、積層時に交互つまり1つ置きに反転されると共
に、反転された方の該波板は、反転されなかった該波板
に対し半ピッチずつずらした位置関係とされ、このよう
な各該波板間の当接箇所がすべて接合されてなる。
【0010】
【作用】本発明は、このような手段よりなるので、次の
ように作用する。このハニカムコアは、六角形のセルを
中心に周囲に平行四辺形のセルを集合せしめた、単位形
態よりなり、平行四辺形の各セルの1対のセル壁が、2
重接合構造よりなると共に、六角形のセルの1対のセル
壁が、この2重接合構造の一方の直線延長部に接合され
ている。
【0011】そこで第1に、このハニカムコアは、主に
その強度を保ち応力が作用するセル壁の接合構造部分が
多いと共に、2重接合構造のみならず4重接合構造も用
いられ、更に接着剤等の接合材の硬化強度も相まって、
セル軸方向の圧縮強度が大きく向上してなる。第2に、
そこで圧縮強度の向上のため、ハニカムコアのセルサイ
ズを小さくするケースも減少するので、製造に際し母材
シートの重積,積層枚数が多く,厚くなり、加熱に多く
の時間と熱量を要し精度高く切断しにくく不良も多い、
等々の問題発生は回避される。第3に、しかもこのハニ
カムコアは、請求項2のように、母材シートへの接合材
の配設幅を交互に広いものと狭いものに設定し、所定の
位置関係で重積することにより、これまでの展張法を利
用するか、又は請求項3のように、凸部に比し凹部の方
が長く設定された波板を用い、所定の位置関係で積層す
ることにより、これまでのコルゲート法を利用し、簡単
容易に製造可能である。
【0012】
【実施例】以下本発明を、図面に示すその実施例に基づ
いて、詳細に説明する。図1,図2,図3は、本発明に
係るハニカムコアの実施例を示し、図1は正面図、図2
はその要部を拡大した正面図、図3は、変形例の要部を
拡大した正面図である。図4は、本発明の製造方法の展
張法による実施例の説明に供し、(1)図は、母材シー
トを重積した工程の拡大した正面説明図、(2)図は、
各種の展張角度の例を示す拡大した正面説明図である。
図5,図6は、本発明の製造方法のコルゲート法による
実施例の説明に供し、図5の(1)図は波板の正面図、
(2)図は複数枚の波板の正面図である。図6の(1)
図は、積層されると共に接合される直前の各波板の正面
図、(2)図および(3)図は、波板の各種態様を示す
要部を拡大した正面図であり、(2)図はその1例を、
(3)図は他の例を示す。
【0013】まず、展張法による製造方法について説明
する。この展張法による製造方法では、まず、その従来
例について前述したところに準じ(図8を参照)、母材
シート4に、所定の各幅と間隔で平行に接着剤等の接合
材5を、塗布等により配設した後、このような母材シー
ト4を複数枚、重積して加熱することにより相互間を接
合してから重積方向に展張し、もってハニカムコア7を
製造する。
【0014】まず、このような展張法による製造方法一
般について、更に詳述する(図8も参照)。母材シート
4としては、アルミニウム箔,その他の金属箔や、セル
ロース繊維シート,セルロース繊維と有機繊維の混抄シ
ート,セルロース繊維と無機繊維や無機材の混抄シー
ト,その他パルプを含む複合シートや、有機繊維シー
ト、各種の熱可塑性プラスチックのフィルムシート、繊
維強化プラスチック(FRP)シート、その他各種材質
のシートが用いられる。なお繊維強化プラスチック(F
RP)シートとしては、ガラス繊維,ケブラー繊維,カ
ーボン繊維,これらの複合繊維,その他各種の繊維と、
フェノール樹脂その他の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂と
を、付着,含浸,混入等により組み合わせたものが代表
的である。又、接合材5としては、熱可塑性樹脂や熱硬
化性樹脂製の接着剤が代表的であるが、これによらず、
はんだを含むろう材を用いることも可能である。
【0015】そして、このような母材シート4や接合材
5を用い、まず各母材シート4に対し、後述する所定の
各幅と間隔で平行に、接合材5を塗布等により配設す
る。そして、このような配設工程の後、接合材5が配設
された複数枚の母材シート4を、必要に応じ予備加熱す
るか常温のまま、後述する位置関係等のもとに上下に重
積してから、加熱により接合材5を溶融硬化させて相互
間を接合する。それから、このような重積,接合工程の
後、この母材シート4のブロック体を所定幅寸法毎に切
断した後、上下の重積方向に引張る展張工程を辿ること
により、後述の図1,図2,図3に示したごとく、母材
シート4にてセル壁8が形成され所定のハニカムコア7
が製造される。
【0016】さてここで、この展張法によるハニカムコ
ア7の製造方法では、図4の(1)図に示したように、
まず、接合材5の配設工程において、接合材5の配設
幅つまり塗布幅が、各母材シート4毎に順次交互に広い
配設幅Aのものと、狭い配設幅Bのものに設定される。
そして、次に重積工程において、広い配設幅Aの接合
材5が塗布された各母材シート4は、更に相互間が、広
い配設幅Aの接合材5が1ピッチずつずれた位置関係で
重積される。これと共に、狭い配設幅Bの接合材5が
塗布された各母材シート4は、その狭い配設幅Bの接合
材5が、他の母材シート4の広い配設幅Aの接合材5の
中央や、広い配設幅Aの接合材5間の間隔の中央に、対
向位置している。それから、展張工程において、接合
されていた母材シート4は、図4の(2)図に示したよ
うに、60度,90度,120度等の適宜角度αにて、
セル壁8を形成すべく展張される(なおこの角度αが小
さいほど後述するセルが偏平形状となる)。なお、上
述したの接合材5の配設工程おける接合材5の配設幅
に関し、広い配設幅Aと狭い配設幅Bとの比が、例えば
5対1に設定されていたが、これによらず3対1、その
他の比率にも適宜設定可能である。さて、上述した,
,,,のもとに、前述した展張法を実施するこ
とにより、後述する所定のハニカムコア7が製造され
る。(なお接合材5の塗布,配設は、図示例のように各
母材シート4の片面について実施してもよいが、これに
よらず、1枚おきの母材シート4の両面に実施して、そ
の間にこれを実施しない母材シート4を介装し、このよ
うな各母材シート4を重積するようにしても、結果的に
図示例と同様となる。)展張法による製造方法は、この
ようになっている。
【0017】次に、コルゲート法による製造方法につい
て説明する。このコルゲート法による製造方法では、ま
ず、その従来例について前述したところに準じ(図9を
参照)、母材シート4を、波形の凹凸が所定ピッチと高
さで直線的かつ連続的に折曲形成された波板6に折曲加
工した後、所定長さ毎に切断した波板6を複数枚、接着
剤等の接合材5を介装しつつ全体的に空間が存したブロ
ック状に積層すると共に、加熱により接合し、もってハ
ニカムコア7を製造する。
【0018】まず、このようなコルゲート法による製造
方法一般について、更に詳述する(図9も参照)。用い
られる母材シート4や、接着剤等の接合材5について
は、展張法について前述したところに準じ、各種材質の
ものが選択使用される。そして、まずこのような母材シ
ート4を、ギヤ,ラック,その他のプレス機構等を用い
たコルゲート成形装置Gを用いて、波板6に折曲加工す
る。波板6は、後述するところにより、波形の凹凸が所
定ピッチと高さで、短手方向に直線的で平行かつ長手方
向に連続的に折曲加工されてなる。それから、このよう
な折曲加工工程にて得られた波板6を所定長さ毎に切断
した後、複数枚の波板6を、接着剤等の接合材5を介装
しつつ後述する位置関係等により積層することにより、
全体的に空間が存した積層ブロック状とすると共に、加
熱により接合材5を溶融硬化させて相互間を接合する。
このような積層,接合工程を辿ることにより、波板6に
てセル壁8が形成され所定のハニカムコア7が製造され
る。
【0019】さてここで、このコルゲート法によるハニ
カムコア7の製造方法では、まず、図5の(1)図に
示したように、折曲加工工程において波板6は、凸部9
に比し凹部10の方が長く設定される。すなわち、波板
6の凹凸を形成する凸部9の頂壁に比し凹部10の底壁
の方を長く、例えば図示例のように図6の(2)図にも
示したように、凸部9の頂壁の長さLを1とした場合
に、凹部10の底壁の長さLを5の割合に設定したり、
更に図6の(3)図に示したように、凸部9の頂壁の長
さLを1とした場合に、凹部10の底壁の長さLを3の
割合に設定する。なお図中αは、凹部10から凸部9へ
の立設傾斜した角度を示し、この角度は例えば60度,
45度等に設定される。
【0020】それから、図5の(2)図に示したよう
に準備された複数枚の波板6は、図6の(1)図に示し
たように、積層工程において交互つまり1つ置きに反転
されると共に、反転された方の波板6は、反転されなか
った波板6に対し半ピッチずつずらした位置関係とされ
る。すなわち積層工程において、準備された複数枚の波
板6は、1つ置きに上下が反転されると共に、反転され
た各波板6は横方向に波の半ピッチずつずらされ、反転
された各波板6の凸部9が、反転されなかった各波板6
の凹部10の中央に位置決めされる。しかる後、接合
工程において、このような各波板6間の当接箇所がすべ
て接合される。つまり、反転された各波板6と反転され
なかった各波板6間が、相互間で当接した凸部9の頂壁
や凹部10の底壁間にて、介装された接着剤等の接合材
5を用いて、加熱,接合される。さて、上述した,
,のもとに、前述したコルゲート法を実施すること
により、後述する所定のハニカムコア7が製造される。
コルゲート法による製造方法は、このようになってい
る。
【0021】次に、このハニカムコア7について述べ
る。上述した図4更には図8に示した展張法による製造
方法や、図5,図6更には図9に示したコルゲート法に
よる製造方法により、図1,図2,図3に示したハニカ
ムコア7が製造される。そしてこのハニカムコア7は、
図1に示したように、セル壁8にて区画形成された中空
柱状のセル11,12の平面的集合体であって、断面形
状が六角形のセル11を中心に、断面形状が平行四辺形
のセル12が、その周囲に集合せしめられた単位形態よ
りなる。そしてこの各単位形態において、図2や図3に
示したように、平行四辺形の各セル12を形成する対向
する1対のセル壁8が、2重接合構造Cよりなると共
に、六角形のセル11を形成する対向する1対のセル壁
8が、このような2重接合構造Cの一方のセル壁8の直
線延長部Dに接合され、もって4重接合構造Eを形成し
ている。
【0022】このようなハニカムコア7について、更に
詳述する。このハニカムコア7は、前述した母材シート
4や波板6をセル壁8とし、各々独立空間に区画された
中空柱状のセル11,12の平面的集合体よりなる。そ
してその各単位形態は、1個の断面形状が六角形のセル
11を中心に、その左右に各々2個計4個の断面形状が
菱形等平行四辺形のセル12が、集合せしめられたもの
よりなり、1つの単位形態は、1個の断面形状が六角形
のセル11を備えるが、断面形状が平行四辺形のセル1
2については、他の周囲の単位形態のものを相互に兼用
した態様よりなる。
【0023】そして、この1つの単位形態において、平
行四辺形の各セル12を形成する対向する1対のセル壁
8、図面上では左右ではなく上下のセル壁8は、それぞ
れ、2枚が接合材5にて接合された2重接合構造Cより
なる。そして、この1つの単位形態において、このよう
な上下2個の平行四辺形のセル12を形成する上下の2
重接合構造Cのセル壁8の直線延長部D、つまり左右の
平行四辺形のセル12の上下の2重接合構造Cのセル壁
8間の直線延長部Dに、六角形のセル11の上下のセル
壁8が接合されている。すなわち、六角形のセル11を
形成する対向する上下1対のセル壁8が、上述した2重
接合構造Cのセル壁8の直線延長部Dに接合材5にて接
合され、もって、この部分では対応する他の単位形態の
六角形のセル11のセル壁8と共に、4重接合構造Eを
形成している。なお、図1や図2に示したハニカムコア
7では、セル壁8の4重接合構造E部分と他の部分と
が、1対2の長さ割合となっているのに対し、図3に示
した変形例のハニカムコア7では、各セル壁8が同じ割
合となっている。
【0024】このハニカムコア7は、このようなセル1
1,12の平面的集合体よりなる。そしてこのハニカム
コア7も、一般のものと同様に、重量比強度に優れ、軽
量であると共に高い剛性・強度を備え、又、整流効果,
平面精度,保温性,遮音性にも優れ、単位容積当りの表
面積が大である等々の特性が知られているが、このハニ
カムコア7は、特に重量比強度に優れ、セル軸方向の圧
縮強度が向上してなる。もってこのハニカムコア7は、
これらの特性を生かし、建築用,構築用,建具用の構造
材、各種容器,箱,コンテナ等の構造材、航空機,宇宙
機器,通信機器等の構造材、その他各種の構造材等とし
て、種々の用途に広く使用される。
【0025】図10は、このようなハニカムコア7の使
用例の1例を示したものであり、(1)図は桁材として
の使用例の正面図、(2)図は枕木としての使用例の正
面図、(3)図は梁としての使用例の斜視図、(4)図
は枠としての使用例の正面図である。まず図10の
(1)図では、パレット本体13下に付設される桁材と
して、ハニカムコア7が使用されており、その間隔間に
フォークリフト等のフォーク爪が挿入される。図10の
(2)図では、中央のロールやドラム14の移動防止用
の枕木として、ハニカムコア7が使用されており、ロー
ルやドラム14を左右から挟み付けるように不動部上に
固定されており、図中15は、ハニカムコア7の開口端
面に接合された表面板である。図10の(3)図では、
建築用,構築用の梁として使用される、ハニカムコア7
が示されている。図10の(4)図では、建具用の例え
ばドア16の枠として使用される、ハニカムコア7が示
されている。
【0026】本発明は、以上説明したようになってい
る。そこで以下のようになる。このハニカムコア7は、
断面形状が六角形のセル11を中心に、周囲に断面形状
が平行四辺形のセル12を集合せしめた単位形態よりな
る(図1参照)。そして各単位形態において、断面形状
が平行四辺形の各セル12の1対のセル壁8が、2重接
合構造Cよりなると共に、断面形状が六角形のセル11
の1対のセル壁8が、このような2重接合構造Cの一方
の直線延長部Dに接合され、この部分は4重接合構造E
となっている(図2,図3参照)。さてそこで、このハ
ニカムコア7およびその製造方法によると、次の第1,
第2,第3のようになる。
【0027】第1に、ハニカムコア7において、主に強
度を保つ部分・応力が作用する部分は、セル壁8中特
に、セル壁8間が接着剤等の接合材5にて接合された接
合構造部分である。そして、このハニカムコア7にあっ
ては、前述した図7のこの種従来例のハニカムコア1に
比し、まず、このようなセル壁8の接合構造部分がよ
り多いと共に、しかも、2重接合構造Cのみならず4
重接合構造Eも用いられており、更に、接合用の接着
剤等の接合材5の硬化強度の量的増加も相まって、セル
壁8の上述した接合構造部分が、量および質の両面から
一段と充実している。従ってこのハニカムコア7は、セ
ル軸方向の圧縮強度がより強くなっており、強い圧縮強
度が要求される場合において、前述したこの種従来例の
ハニカムコア1のようにセル3のサイズを小さくするこ
となく、セル11,12のサイズはそのままでも、十分
に対応可能なケースが増加する。
【0028】第2に、もって圧縮強度の向上のため、ハ
ニカムコア7のセル11,12のサイズを小さくする
(ハニカムコア7の密度を上げる)ケースも減少する。
従って、前述したこの種従来例のハニカムコア1のよう
に、圧縮強度の向上のためセル3のサイズを小さくした
結果、その製造に際し(図8や図9も参照)、母材シー
ト4の重積,積層枚数が多く,厚くなり、加熱に多くの
時間と熱量を要したり、精度高く切断しにくく不良も多
くなる、等々の製造面における問題発生は回避される。
【0029】第3に、しかもこのハニカムコア7は、従
来よりの展張法やコルゲート法を利用しつつ、簡単容易
に製造可能である。すなわち、まず母材シート4への接
合材5の塗布幅たる配設幅を、順次交互に広いものAと
狭いものBに設定し、かつ、広い配設幅Aの接合材5間
が1ピッチずつずれる位置関係となると共に、狭い配設
幅Bの接合材5が広い配設幅Aの接合材5の中央等に対
応位置すべく、各母材シート4を重積することにより
(図4参照)、従来よりの展張法を利用し(図8参
照)、簡単容易に製造可能である。更に、凸部9に比し
凹部10の方が長く設定された波板6を用い(図5参
照)、その積層時に、1つ置きに反転すると共に半ピッ
チずつずらすことにより(図6の(1)図参照)、従来
よりのコルゲート法を利用し、簡単容易に製造可能であ
る(図9参照)。
【0030】
【発明の効果】本発明に係るハニカムコアおよびその製
造方法は、以上説明したように、六角形のセルの周囲に
平行四辺形のセルを集合せしめた単位形態よりなり、平
行四辺形のセルの1対のセル壁が2重接合構造よりなる
と共に、六角形のセルの1対のセル壁が、このような2
重接合構造の直線延長部に接合されるようにしたことに
より、次の効果を発揮する。
【0031】第1に、圧縮強度が向上する。すなわち、
このハニカムコアは圧縮強度が強く、前述したこの種従
来例のハニカムコアと比較すると、同一セルサイズの場
合は圧縮強度がより強く、又、同一圧縮強度の場合はセ
ルサイズをより大きくできる。このようにこのハニカム
コアは、重量比強度に極めて優れ、軽量であると共に高
い剛性・強度を備えるという特性に一段と優れている。
【0032】第2に、そこでセルサイズを小さくする必
要も少なくなる。すなわち、このハニカムコアは上述し
たように圧縮強度が向上してなるので、圧縮強度の向上
のためセルサイズを小さくし(ハニカムコアの密度を上
げ)、もって製造面において多くの問題が生じることも
回避される。すなわち、前述したこの種従来例のハニカ
ムコアのように、圧縮強度の向上のためセルサイズを小
さくした結果、製造に際し、母材シートの重積,積層枚
数が多く,厚くなり、その加熱に多くの時間と熱量を要
したり精度高く切断しにくく不良も多くなりコストアッ
プを招く、等々の製造面における問題発生は回避され
る。
【0033】第3に、しかも簡単容易に製造される。す
なわちこのハニカムコアは、従来よりの展張法やコルゲ
ート法を利用し、簡単容易に製造可能である。このよう
に、この種従来例に存した問題点が一掃される等、本発
明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るハニカムコアの実施例の正面図で
ある。
【図2】同実施例の要部を拡大した正面図である。
【図3】同実施例の変形例の要部を拡大した正面図であ
る。
【図4】本発明に係るハニカムコアの製造方法の展張法
による実施例の説明に供し、(1)図は、母材シートを
重積した工程の拡大した正面説明図、(2)図は、各種
の展張角度の例を示す拡大した正面説明図である。
【図5】本発明に係るハニカムコアの製造方法のコルゲ
ート法による実施例の説明に供し、(1)図は、波板の
正面図、(2)図は、複数枚の波板の正面図である。
【図6】同実施例の説明に供し、(1)図は、積層され
ると共に接合される直前の各波板の正面図、(2)図お
よび(3)図は、波板の各種態様を示す要部を拡大した
正面図であり、(2)図はその1例を、(3)図は他の
例を示す。
【図7】従来のハニカムコアを示し、(1)図は斜視
図、(2)図は拡大した正面図である。
【図8】従来の展張法によるハニカムコアの製造方法の
説明に供する斜視説明図であり、(a)図は、母材シー
トを準備した工程を、(b)図は、切断した工程を、
(c)図は、接合材を配設した工程を、(d)図は、重
積した工程を、(e)図は、展張した工程をそれぞれ示
す。
【図9】従来のコルゲート法によるハニカムコアの製造
方法の説明に供する正面説明図であり、(a)図は、母
材シートを準備した工程を、(b)図は、折曲加工する
工程を、(c)図は、得られた波板を、(e)図は、波
板を積層,接合する工程を示す。
【図10】ハニカムコアの構造材としての各種使用例を
示し、(1)図は、桁材としての使用例の正面図、
(2)図は、枕木としての使用例の正面図、(3)図
は、梁としての使用例の斜視図、(4)図は、枠として
の使用例の正面図である。
【符号の説明】
1 ハニカムコア(従来例のもの) 2 セル壁(従来例のもの) 3 セル(従来例のもの) 4 母材シート 5 接合材 6 波板 7 ハニカムコア(本発明のもの) 8 セル壁(本発明のもの) 9 凸部 10 凹部 11 セル(本発明のもの) 12 セル(本発明のもの) 13 パレット本体 14 ロールやドラム 15 表面板 16 ドア A 広い配設幅 B 狭い配設幅 C 2重接合構造 D 直線延長部 E 4重接合構造 G コルゲート成形装置 L 長さ α 角度

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セル壁にて区画形成された中空柱状のセ
    ルの平面的集合体であって、断面形状が六角形の該セル
    を中心に、断面形状が平行四辺形の該セルが、その周囲
    に集合せしめられた単位形態よりなり、 該単位形態において、平行四辺形の各該セルを形成する
    対向する1対の該セル壁が、2重接合構造よりなると共
    に、六角形の該セルを形成する対向する1対の該セル壁
    が、このような2重接合構造の該セル壁の直線延長部に
    接合されていること、を特徴とするハニカムコア。
  2. 【請求項2】 母材シートに、所定の各幅と間隔で平行
    に接合材を配設した後、該母材シートを複数枚、重積し
    て加熱することにより相互間を接合してから重積方向に
    展張し、もってハニカムコアを製造する方法において、 該接合材の配設幅が、各該母材シート毎に順次交互に広
    いものと狭いものに設定され、かつ、広い配設幅の該接
    合材が配設された該母材シートは、更に相互間が該接合
    材が1ピッチずつずれた位置関係とされ、又、狭い配設
    幅の該接合材が配設された該母材シートは、該接合材
    が、他の該母材シートの広い配設幅の該接合材の中央や
    該接合材間の間隔の中央に、対向位置していること、を
    特徴とする請求項1記載のハニカムコアの製造方法。
  3. 【請求項3】 母材シートを、波形の凹凸が所定ピッチ
    と高さで直線的かつ連続的に折曲形成された波板に折曲
    加工した後、該波板を複数枚、全体的に空間が存したブ
    ロック状に積層すると共に接合し、もってハニカムコア
    を製造する方法において、 該波板は、凸部に比し凹部の方が長く設定され、かつ、
    積層時に交互つまり1つ置きに反転されると共に、反転
    された方の該波板は、反転されなかった該波板に対し半
    ピッチずつずらした位置関係とされ、このような各該波
    板間の当接箇所がすべて接合されていること、を特徴と
    する請求項1記載のハニカムコアの製造方法。
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