JP4615074B2 - 吸引排出用液体容器。 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インク、マヨネーズ、ケチャップ、ソース等の高粘度の液体内容物を収納し、自吸式機械により内容物を吸引排出できるようにした吸引排出用液体容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インク、マヨネーズ、ケチャップ、ソース等の高粘度の液体を収納し、自吸式機械により内容物を吸引排出できるようにした従来の吸引排出方式による液体容器は、図の側断面図に示すように、ほぼ四角形箱状又は筒形状の密閉された容器であり、一側面に孔設した注出孔CA に接着等にて取り付けた注出口Dより内容物を排出可能又は充填・排出可能な柔軟な肉薄フィルム状の内側容器Aと、該内側容器Aの注出口Dを装通する孔設部CB を備え且つ該内側容器Aとほぼ同じ形状でその容器Aの外面を壁内面に密接する硬質の肉厚状の外側容器Bとからなり、前記外側容器Bとその容器Bの壁内面に非接着状態で密着する柔軟な肉薄状の内側容器Aとの二重壁面構造となっているものである。
【0003】
特に従来、硬質の肉厚状の外側容器は、段ボールや厚紙で作成した紙箱とし、主としてソースや醤油、酒などの液状食品、あるいは現像液などの薬液を収納する業務用容器として使われてきた。
【0004】
に示すように、上記液体容器内のインク、マヨネーズ、ケチャップ、ソース等の液体内容物Iは、肉薄の柔軟なプラスチックフィルムaにより形成された内側容器A内に充填収容されていて、その容器Aの外形面は外側容器Bによって密着状態で覆われている。
【0005】
使用前の上記液体容器は、注出口Dをキャップ(図示せず)にて施蓋されていて、このキャップを注出口Dより取り外し、この注出口Dをエアー吸引することにより生じる内側容器A内の負圧により、図10に示すように、肉薄の柔軟なプラスチックフィルムaにより形成されている内側容器Aの外面は、硬質の外側容器Bの壁内面より離反し、その内容積を縮小して内容物を注出口Dから排出できるようになっている。
【0006】
ところで、上記容器に収容された粘度が高い内容物、例えば、豚カツ用ソースや、謄写版やシルク印刷用のインク、マヨネーズなどの内容物は、単に重力だけでは容器内からスムーズには排出されず、注出口から容器内をエアー吸引することにより初めてスムーズに排出される。
【0007】
その場合、上記図に示すような吸引排出用の液体容器においては、図10に示すように内容物Iを注出口Dより吸引すると、内容物Iはa1 、a2 、a3、a4 というような順序で排出されるが、注出口Dの近傍の内容物が先に排出されて、粘度が高いために注出口Dの近傍の排出された内容物分の容積を埋めるために注出口Dの近傍の内側容器Aのフィルムaが引っ張られてa5 のように接近して注出口Dを閉塞したりして、吸引力が注出口Dから離れた所にまで及ばない場合がある。
【0008】
また、近年、量産する上記のような容器は、生産だけでなく、その廃棄処理をも含めて検討する必要が出てきた。特にプラスチック容器は、その内容物の保護及び簡便性に優れるが故に利用されてきたが、内容物の排出後の廃棄処理において、容器の容量が小さくなり難いということから問題となっている。特に、▲1▼容量が大きく、嵩張り、輸送、保管にコストが掛かる、▲2▼廃棄しても微生物に分解されないで、いつまでも同じ形状や大きさで残る、▲3▼焼却しようとすると、燃焼カロリーが大きく、焼却炉を傷め易い等の問題があり、社会問題化しつつある。
これらの点も考慮すると省資源の容器であることも必要な品質である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、吸引排出用の液体容器において、高粘度の内容物を収納しても内容物の吸引排出時に内側容器Aを構成する柔軟なフィルムが注出口Dの口元を塞がないようにすることにあり、これによって内容物の残留量を最小限に小さくすることにあり、特に高粘度の内容物を充填しても、内容物の吸引排出時にフィルムが注出口の口元を塞がないようにして、容器内の内容物の残留量を2%以下に小さくして確実に排出できるようにすることにあり、しかも再現性よく安定して確実に内容物を排出できるようにすることにあり、また上記のような必要な品質を確保することにある。
【0010】
本発明の請求項1に係る発明は、多角形筒状体又は円形筒状体の筒状体側壁面フィルムの両端部に前壁面フィルムと後壁面フィルムとを備え、その前壁面フィルムに注出口が取り付けられ、内容物を密封充填・排出可能にした柔軟な内側容器と、該内側容器とほぼ同じ形状であって多角形筒状体又は円形筒状体の筒状体側壁面の一端部に前壁面を備え、その前壁面に前記内側容器の注出口を装通する孔設部を備え、前記内側容器の外面を内面に密接して収納する硬質の外側容器とからなり、前記内側容器の前壁面が外側容器の前壁面の内面外周部付近に接着され、前記内側容器の後壁面には、前記外側容器の筒状体内周面に沿うように平行移動可能な硬質の摺動後壁板が取り付けられており、前記摺動後壁板は、該後壁板が平行移動の際に、前記筒状体内周面に接して摺動する摺動面を備えた吸引排出用液体容器であって、前記内側容器と外側容器との互いの密接界面が、外側容器の摺動後壁板側から前壁面側に向かって序々にその接着力が大きくなる接着層により剥離可能に接着していることを特徴とする吸引排出用液体容器である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の吸引排出用液体容器を実施の形態に従って以下に詳細に説明すれば、図1(a)〜(b)は、本発明容器の一例を示す説明図であり、図1(a)は、この容器を構成する柔軟な内側容器Aの外観斜視図、図1(b)は、内側容器Aの外側面を密着状態で被覆し、且つ該容器Aの外側面の一部を壁内面に接着固定する硬質の外側容器Bの斜視図である。
【0015】
図1(a)に示す内側容器Aは、図示するように直方体、立方体など略四角形箱形状、又はその他の多角形筒状体又は円形筒状体又は楕円形筒状体のそれぞれ対向する筒状体両端部に平坦な側面部を備えて閉塞された箱形状の柔軟なプラスチックフィルムaにより形成され、後壁面フィルムa1 、筒状体の側壁面フィルムa2 、a2 、a2 、a2 、前壁面フィルムa3 により構成され、液体を密閉状態で収容可能な柔軟な内側容器であり、例えば、ポリアマイド/エチレン酢酸ビニル共重合体の鹸化物/変性ポリエチレン/ポリエチレン等のような、油脂や水分等に対してバリア性を付与した柔軟な(軟質の)プラスチックフィルムaで作成され、この内側容器Aの一側面に孔設した孔設部CA の外周に熱融着などにより接着して取り付けた注出口Dを備える。また、この注出口Dはブロー成形やインジェクション・ブロー成形などにより内側容器Aと一体に成形してもよい。
【0016】
内側容器Aの全体形状は、図示するように直方体、立方体など略四角形箱状であり、又はその他の多角形筒状体又は円形筒状体又は楕円形筒状体のそれぞれ対向する筒状体両端部に平坦な側面部を備えて閉塞された箱状である。
【0017】
図1(b)に示す外側容器Bは、硬質の箱状容器であり、その形状は、上記内側容器Aの外形面を密着するように覆う形状であって、内側容器Aの全ての外形面若しくは少なくともその筒状部分の四側壁面の外形面に沿って密着する形状の構造を持つものであれば特に限定されるものではなく、図示するように、該容器Aと略同じ形状の直方体、立方体など略四角形箱状であり、又はその他の多角形筒状体又は円形筒状体又は楕円形筒状体のそれぞれ対向する筒状体両端部に平坦な側面部を備えて閉塞された箱状である。
【0018】
図1(b)は、箱状の外側容器Bの一例を示す全体斜視図であり、例えば材質が厚紙など硬質材料で作成されていて、図示するように、平行折目を介して四つの各側壁面11、12、13、14を連設して四角形筒状体に形成され、該筒状体の両端開口部のうち一端開口部は、前記内側容器Aの注出口Dに対応する位置に注出口Dを装通する孔設部CB が貫設された前壁面15(一端開口部を施蓋する蓋材又は側壁面11、12、13、14のいずれかに連設された蓋板やフラップ板)により閉塞されており、他端開口部側は、筒状体内面に沿って摺動しながら平行移動可能な厚紙など硬質材料で作成さた摺動後壁板16により閉塞している。なお、筒状体の摺動後壁板16の後方における前記他端開口部は、後壁面17(側壁面11、12、13、14のいずれかに連設された蓋板やフラップ板又は一端開口部を施蓋する蓋材)により閉塞していていてもよいし、後壁面17を省略して開口する筒状部としてもよい。
【0019】
前記各側壁面11、12、13、14による四角形筒状体の内周面と摺動後壁板16の外周面との相対摺動面間の離間距離(摺動クリアランス)は、内側容器Aに使用される柔軟フィルムaが折り返されるため、その柔軟フィルムaの厚さに対して少なくとも2倍の距離を設定する。
【0020】
内側容器Aに取り付けた注出口Dは、図1(a)に示すように筒状部1とフランジ部2を備え、通常のプラスチックボトル容器の注出口ように、0.6〜2.0mm程度の肉厚のポリエチレン等で作成されており、柔軟な内側容器Aを形成するフィルムaの一側面に孔設した孔設部CA の周縁部にフランジ部2を重ね合わせ密着し、その密着部分における筒状部1に近接する部分が接着若しくは熱融着にてリング状に取り付け固定され、図1(b)に示す外側容器Bの一壁面に孔設した孔設部CB 内に外側に向かって注出口Dの先端部を向けて装通されて、その孔設部CB の周縁部を、前記孔設部CA 周縁部とフランジ部2とのリング状接着部分の外周のリング状非接着部分に装填して重ね合わせ、その重ね合わせ部分の孔設部CB 周縁部とフランジ部2とを接着若しくは熱融着して取り付け固定されている。
【0021】
本発明の容器は、図1(a)の柔軟な内側容器Aを、図1(b)の硬質の外側容器B内に密着状態で、且つ内側容器Aと外側容器Bの摺動後壁板16との互いの密着面の略全面若しくは少なくともその周囲の密着面、及び内側容器Aと外側容器Bの前壁面15との密着内面における周囲面が互いに接着した状態で組み立てられるものである。なお、その組み立て順序は本発明においては特に限定されるものではない。 また、必要応じて、前記内側容器Aと外側容器Bの前壁面15との密着内面の略全面又はその注出口Dの周辺近傍以外の密着内面が互いに接着した状態で組み立てられていてもよい。
【0022】
また、上記本発明の容器は、図1(a)に示す柔軟な内側容器Aを図1(b)の硬質の外側容器B内に密着状態で、上記の様に互いに接着した状態で組み立てられるものであるが、前記内側容器と外側容器との互いの密接界面が、外側容器の摺動後壁板側から前壁面側に向かって序々にその接着力が大きくなる接着層により剥離可能に接着して組み立てられるものである。
【0023】
図2(a)〜(b)は、組み立てられた本発明の容器であり、図2(a)に示すように、内側容器A内には液状内容物が注出口Dから充填されて、注出口DにはキャップCが施蓋されており、本発明の容器から液状内容物を注出する際は、図2(b)に示すように注出口DよりキャップCを取り外し、注出口Dにエアー吸引注出用の接続管Eを取り付けて吸引することにより内側容器A内の液状内容物を注出する。
【0024】
図2(b)に示すように、内側容器A内の液状内容物が吸引により注出されるにつれて、内側容器Aと全面的に接着している摺動後壁板16は、筒状体を成形する側壁面11、12、13、14内面に沿って注出口D方向に向かって平行に摺動移動して、柔軟な内側容器Aの内容積は減少する。なお、外側容器B内面に対して摺動する摺動後壁板16の摺動面16aの幅(又は摺動後壁板16の板厚)は、内側容器Aの後壁面フィルムa1 を接着固定している面の幅(面の縦横方向の幅のうち広幅)の10%程度の幅に設定することにより、摺動後壁板16が移動する際に傾かずに円滑に摺動移動できる。
【0025】
図3(a)は内容物Iを充填した状態、吸引排出前の状態を示す本発明容器の側断面図であり、図3(b)はそのM部分の拡大側断面図である。
また、図4(a)は内容物Iを吸引排出している途中の状態を示す本発明容器の側断面図を示し、図4(b)はそのM部分の拡大側断面図である。
また、図4(a)は内容物Iを排出終了した状態を示す本発明容器の側断面図を示し、図4(b)はそのM部分の拡大側断面図である。
【0026】
まず、図3(a)に示すように、本発明容器の注出口Dにエア吸引用の接続管Eを接続して、内側容器A内の液体内容物Iの吸引を開始する。図3(b)中、a1 は硬質の摺動後壁板16に接着している内側容器Aを構成するフィルム、a2 は硬質の外側容器Bの筒状体の内面に密着している内側容器Aを構成するフィルムである。
【0027】
内側容器A内の液体内容物Iの吸引を開始すると、図4(a)に示すように、内側容器A内は負圧になって、内容物Iは注出口Dよりエア吸引用の接続管Eを通って外方に排出され、内側容器Aは内容積の縮少を開始し、内側容器Aを構成するフィルムaのうち、図4(b)に示す硬質の外側容器Bの摺動後壁板16に接着しているフィルムa1 は、内側容器Aの内容積縮少力(生じる負圧力)によって摺動後壁板16を平行移動させ、折り返し部bにて二つ折りに重なった状態で摺動後壁板16の平行移動を継続する。
【0028】
そして、図5(a)に示すように、容器A内にほとんど内容物Iが無くなった状態で、摺動後壁板16は外側容器Bの前壁面15内面に略平行になって注出口Dの内端部(リブ3)に当接して摺動後壁板16の動きは止まり、側壁面11、12、13、14のそれぞれ内面、前壁面15内面、及び摺動後壁板16面に接着して形状を保持しているフィルムaによって、注出口Dの方向への内容物Iの排出経路を確保しつつ、ほとんどの内容物が吸引排出される。
【0029】
この時、容器内の注出口Dの口元に接するのは、硬質の摺動後壁板16によって接着支持された変形し難いフィルムa1 やその近傍部分のフィルムaであるため、フィルムaが複雑に(皺などが生じて)変形せず、注出口Dの口元を塞ぐことを回避でき、またたとえ注出口Dの内端部に容器内側に向かって突出するリブ3が無くても注出口Dを塞ぎ難くすることができる。
【0030】
前記フィルムaが折り返され、摺動後壁板16が注出口Dの方向に向かって移動した際には、フィルムaの折り返し部bは、摺動後壁板16の後方に位置するように、フィルムaと外側容器B内面とは、その間の接着力が前壁面15方向に向かって大きく(摺動後壁板16方向に向かって小さく)なるように剥離可能に接着されている。即ち、フィルムaは、外側容器Bの内面の注出口Dより一番離れた所から剥離し易くしておくものであり、注出口Dの近傍ではフィルムaが剥がれないように剥離強度差(接着強度差)を付けてある。
【0031】
その接着力は、凝集破壊性の異なる各種接着性樹脂材料や剥離性樹脂材料を使用し、また、それらのいずれか一種若しくは数種を適宜な配合比にて組み合わせたものを使用して調整できる。また、例えば三角形状、台形状の両面粘着テープや接着層を施したり、あるいは三角形状や台形状の接着層の無い領域を設けたりしてもよい。また、三角形状や台形状に細かい網点が集合したり分散する接着層領域を施してもよい。
【0032】
本発明の容器においては、少なくとも上記剥離強度差(接着強度差)は、摺動後壁板16の平行移動に追従して移動するフィルムaの折り返し部bが移動を開始する位置から摺動後壁板16の最終停止により停止する位置までの間の領域に設ける必要があるが、それ以外の領域では、内側容器Aのフィルムaは外側容器B内面に対して全面的に又はその角隅部などに部分的に、易剥離可能(又は易剥離不可)に接着されていてもよい。
【0033】
内側容器Aと外側容器Bの剥離可能性は、必要部分のみ接着層を二層構成として層間剥離により良好なピーラブル性を付与してもよいし、また、外側容器B内面の表層のみ剥離するようにしてもよいし、また、単層の接着層の凝集破壊による剥離でもよい。
【0034】
このように、本発明の容器は、内側容器Aと外側容器Bの摺動後壁板16との互いの密着面の略全面、及び必要応じて内側容器Aと外側容器Bの前壁面15との密着内面の略全面又は注出口Dの周辺近傍だけでなく、内側容器Aと外側容器Bの筒状体を構成する各側壁面11、12、13、14との互いの密着内面(密接界面)の領域が、その内側容器Aと外側容器Bのそれぞれ後面部から前面部側に向かって、即ち摺動後壁板16から前壁面15の方向に向かって、序々にその接着力が大きくなるように接着層により剥離可能に接着されているものである。
【0035】
以上のことを、さらに具体的に示すと、例えば、図6は、その一例を示す本発明容器の側断面図であり、内側容器Aと外側容器Bの筒状体を構成する各側壁面11、12、13、14との互いの密着内面(密接界面)において、摺動後壁板16の幅を底辺として頂角が前壁面15の方向に向かう二等辺三角形状(楔状)部分を除く斜線で示す領域dが、剥離可能な接着層(接着剤層)により接着されていて、これによって、摺動後壁板16から前壁面15の方向に向かって序々にその接着力が大きくなるようになっている。なお、接着層に替えて剥離層(シリコン樹脂、パラフィンなどの剥離剤層)を設ける場合には、前記斜線で示す領域d以外の領域に設けるものである。
【0037】
は、その他の例を示す本発明容器の側断面図であり、内側容器Aと外側容器Bの筒状体を構成する各側壁面11、12、13、14との互いの密着内面(密接界面)において、摺動後壁板16から前壁面15の方向に向かって序々に高密度となる細かい網点により形成された斜線で示す領域dが、剥離可能な接着層により接着されていて、これによって摺動後壁板16から前壁面15の方向に向かって序々にその接着力が大きくなるようになっている。
【0038】
(a)は本発明に係る容器の側断面図、図9(b)はそのM部分の拡大側断面図であって、本発明に係る容器における後壁面17の例えば中央部など一部領域に孔設部18を設けたものであり、これは摺動後壁板16と後壁面17との間に開放部として孔設部18を設けたものであり、摺動後壁板16が移動する際に円滑に摺動移動できるようにするためのものである。
【0039】
また、図(b)に示すように、上記本発明に係る容器においては、筒状体を構成する各側壁面11、12、13、14と摺動後壁板16との密着面における内側容器Aのフィルムa2 は、摺動後壁板16が摺動移動を開始する前(内容物の注出前)において、既にそのフィルム折り返し部bにて折り返されていて、各側壁面11、12、13、14の内面と摺動後壁板16の側面との摺動面内に二枚重ねの状態になっている構造であってもよい。
【0040】
このようにすることにより摺動後壁板16の移動開始前から予め折り返し部bが形成されているため、摺動後壁板16の移動開始によるフィルムaの折り返しの不安定さや不確実性を解消することがでる。但し、この方式であると、摺動後壁板16がさらに後方に移動して筒状体の外に離脱する恐れがあるため、後方に後壁面17(補助壁面)を設けて離脱を防止するものである。
【0041】
本発明の容器は、主として粘度の高い液体、例えば、インク、チョコレート、マヨネーズ、ケチャップ、液体洗剤、衣料柔軟剤、ペンキ、接着剤、蜂蜜などのようなものを収納し、基本的には、この容器からエアー吸引等によって機械的に内容物を抜き取って使用することを対象にしている。
【0042】
外側容器Bの材質は、剛性の高い厚紙でもよいし、硬質の高密度ポリエチレンやポリプロピレン単体でも良いし、その他の剛性のある肉厚体であってもよい。
【0043】
また、内側容器Aに使用するプラスチックフィルムaとしては、ポリエチレン/ポリアマイド/エチレン酢酸ビニル共重合体鹸化物/ポリエチレン、ポリアマイド/変性ポリエチレン/ポリエチレン、エチレンー酢酸ビニル共重合体鹸化物/変性ポリエチレン/ポリエチレン、ポリアマイド/エチレンー酢酸ビニル共重合体鹸化物/変性ポリエチレン/ポリエチレンなどの共押し出しフィルムや、接着剤で各種フィルムを貼り合わせたフィルム、油脂分や水分など内容物のバリア性に富んだ構成のフィルム、注出口Dや外側容器Bの内面に接着し易い構成のフィルムが考えられる。なお、変性ポリエチレンとしては無水マレイン酸変性等が考えられる。
【0044】
容器の注出口Dには、例えばポリエチレン製を使用する。勿論、バリヤ性が必要な場合には、サンドイッチ成形の多層射出成形品を使用しても良いし、共押し出し品のシート成形注出口でも良い。
【0045】
液体内容物Iを充填、排出するには、注出口Dの口元の直ぐ下に設けた鍔で支えて行い、本発明では、鍔は円形、6角形、5角形、4角形などの形状を取る。
鍔で吸引又は排出のノズルの位置決めや支えるために用いられる。
【0046】
本発明の容器は、液体内容物Iの充填前に、予めプラスチックフィルムaを用いて液体内容物Iを充填収納可能な密封箱状の柔軟な内側容器Aの形成や、そのためのフィルムaの加熱加圧シール加工や背シール加工、その内側容器Aを構成するフィルムaに対する注出口Dの融着による取り付けや、その内側容器Aと硬質の外側容器Bとの接着などの組み立てを行うものであるが、外側容器Bの最終的な組み立てや、内側容器Aと摺動後壁板16との接着などについては、その順序は本発明においては特に限定されないが、充填直前や充填後に行うことが好ましい。即ち、その方が空の容器の輸送や在庫をする場合に、内側容器A、外側容器Bを平らにできるので嵩ばりにくく、輸送コストや倉庫代が抑えられるためである。
【0047】
また、本発明の容器を廃棄する時には、上記プラスチックフィルムaによる内側容器Aから外側容器Bを剥がすことも容易であり、且つ容器全体としてプラスチックの使用量も少なく作製でき、またその処理がし易いものである。
【0048】
本発明の吸引注出用液体容器は、注出口部分を塞がずに、確実にフィルム体である内側容器が外側容器内にて装填され、かつ、内側容器(フィルム)と外側容器内面とは、その間の接着力が前壁面方向に向かって大きく(摺動後壁板方向に向かって小さく)なるように剥離可能に接着された構造であるので、内側容器(フィルム)は、外側容器の内面の注出口より一番離れた所から剥離し易く、注出口の近傍は剥がれ易い。
よって、内容物の排出を確実に実施でき、フィルム体による内側容器が吸引され、摺動後壁板の平行な摺動移動により注出口部を塞がないで折り畳まれ、空容器の運搬及び内容物の排出後の容器保管や搬送に場所を取らない吸引排出用液体容器が得られ、自動充填機や自動吸引注出機に十分使用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の容器における内側容器の一例を示す外観斜視図、(b)は本発明の容器における外側容器の一例を示す展開斜視図。
【図2】(a)は内側容器を外側容器内に装填して組み立てた状態を示す本発明容器の外観斜視図、(b)は容器から液体内容物を吸引注出する状態を示す本発明容器の外観斜視図。
【図3】(a)は本発明容器の一例を示す側断面図であり、液体内容物を吸引注出する前の状態を示し、(b)はその部分拡大側断面図。
【図4】本発明容器の一例を示す側断面図であり、液体内容物を吸引注出途中の状態を示し、(b)はその部分拡大側断面図。
【図5】本発明の容器の一例を示す側断面図であり、液体内容物を吸引注出し終えた状態を示し、(b)はその部分拡大側断面図。
【図6】本発明容器における内側容器と外側容器との剥離可能な接着領域の一例を示す側断面図。
【図】本発明容器における内側容器と外側容器との剥離可能な接着領域のその他の例を示す側断面図。
【図】(a)は本発明容器のその他の例を示す側断面図、(b)はその部分拡大側断面図。
【図】従来の吸引注出用液体容器を示す側断面図であり、液体内容物を吸引注出する前の状態を示す。
【図10】従来の吸引注出用液体容器を示す側断面図であり、液体内容物を吸引注出した状態を示す。
【符号の説明】
a…柔軟フィルム a1 …後壁面フィルム a2 …側壁面フィルム
a3 …前壁面フィルム
A…内側容器 B…外側容器 CA 、CB …孔設部 D…注出口 I…内容物
1…筒状部 2…フランジ部 3、4、5、6…側壁面
11、12、13、14…側壁面 15…前壁面 16…摺動後壁板
16a…摺動面 17…後壁面 18…孔設部

Claims (1)

  1. 多角形筒状体又は円形筒状体の筒状体側壁面フィルムの両端部に前壁面フィルムと後壁面フィルムとを備え、その前壁面フィルムに注出口が取り付けられ、内容物を密封充填・排出可能にした柔軟な内側容器と、該内側容器とほぼ同じ形状であって多角形筒状体又は円形筒状体の筒状体側壁面の一端部に前壁面を備え、その前壁面に前記内側容器の注出口を装通する孔設部を備え、前記内側容器の外面を内面に密接して収納する硬質の外側容器とからなり、前記内側容器の前壁面が外側容器の前壁面の内面外周部付近に接着され、前記内側容器の後壁面には、前記外側容器の筒状体内周面に沿うように平行移動可能な硬質の摺動後壁板が取り付けられており、前記摺動後壁板は、該後壁板が平行移動の際に、前記筒状体内周面に接して摺動する摺動面を備えた吸引排出用液体容器であって、前記内側容器と外側容器との互いの密接界面が、外側容器の摺動後壁板側から前壁面側に向かって序々にその接着力が大きくなる接着層により剥離可能に接着していることを特徴とする吸引排出用液体容器。
JP07791399A 1999-03-23 1999-03-23 吸引排出用液体容器。 Expired - Fee Related JP4615074B2 (ja)

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