JP2007112452A - 注出補助部材およびその注出補助部材を袋の注出口部に貼着した注出口部付き袋 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】注出補助部材を、プラスチックの単層又は2層以上の積層シートでテープ状に形成し、該シートの袋の注出口部に貼着される側の面は熱接着性樹脂の層で形成し、又、該シートには、長手方向に沿って少なくとも一本の筋状の凸部又は凹部を、該シートの袋の注出口部に貼着される面と反対側の面に突出又は窪むように、又は該シートの全層を型付けするように設けて構成する。また、前記注出補助部材を袋の注出口部の少なくとも片面のフィルムの内面に貼着して注出口部付き袋を構成する。
【選択図】図1
Description
しかし、このような注出口部付き袋は、安価で生産性に優れる点では好ましいが、注出口部の開口性や開口部の保形性が悪く、内容物注出の途中などで注出口部が閉塞しやすく、内容物の注出適性の点では劣る問題があった。
具体例として、例えば、(1)袋の注出口部のフィルム材料に流路を形成するための溝状の窪みを設け、その溝状の窪みにプラスチック製などの小管を固定して、流路が潰れるのを防止すると共に、前記小管を通して中味を空にできるようにした袋がある(特許文献1参照)。
また、(2)パウチの上部の一部に注出口部を設け、その注出口部の内面に、装着時は偏平な形状で、使用時に筒状に起こして注出口部を開口できる補強部材を装着した詰め替え用パウチがある(特許文献2参照)。
しかし、このような袋でも、その製造の際、注出口部のフィルム材料に深絞り成形などで溝状の窪みを設け、その中に前記小管を挿入してスポット溶接などで固定しているので、製造の工程数が増し、製造装置が複雑になると同時に生産速度も抑制される。また、前記小管は、円筒状で硬さがあり、その外径が5mm程度以上は必要となるため、袋の注出口部のみが嵩張り、空袋の取り扱いや保管が厄介になるほか、内容物を充填する際の充填シール機における空袋の供給装置についても特別な装置が必要となり、全体として設備費の増大と生産速度の抑制などコストアップの要因が多く、更に品質面においても小管が硬いため、その端部で袋のフィルム材料が傷つけられやすいという問題があった。
しかし、このような詰め替え用パウチでも、製造後、保存日数が数カ月以上の長期になると、徐々に補強部材の起こしトルクが高くなり、使用時に注出口部を角筒状に起こしにくくなる問題があり、必ずしも満足できるものではなかった。
即ち、請求項1に記載した発明は、袋の注出口部に貼着して用いるテープ状の注出補助部材であって、該注出補助部材が、プラスチックの単層シートまたは2層以上の積層シートで形成され、該シートの袋の注出口部に貼着される側の面が熱接着性樹脂の層で形成されると共に、該シートには、その長手方向に沿って、少なくとも一本の筋状の凸部または凹部が、該シートの袋の注出口部に貼着される側の面と反対側の面に突出または窪むように、または、該シートの全層を型付けするように設けられていることを特徴とする注出補助部材からなる。
従って、注出補助部材に、その長手方向に沿って設けられる筋状の凸部または凹部は、一本でもよいが、複数本を所定の間隔で、或いは隣接させて平行に設けることが更に好ましい。また、前記筋状の凸部または凹部を、例えば、一本のように少ない本数で設ける場合、その位置は特に限定はされず、注出補助部材の幅方向の中心部でもよく、端寄りの位置でも構わない。更に、前記筋状の凸部または凹部は、注出補助部材の長手方向に連続していることが好ましいが、部分的には分断されていても構わない。
このような注出補助部材は、袋の注出口部の片面のフィルムの内側のみに貼着してもよいが、両面のフィルムの内側に貼着することが更に好ましい。
請求項3に記載した発明は、前記注出補助部材が着色されていることを特徴とする請求項1または2に記載の注出補助部材からなる。
前記袋の形式は、特に限定はされず、例えば、三方シール形式、四方シール形式、ピロー形式などの平パウチ形式の袋のほか、スタンディングパウチ形式の袋などいずれの形式の袋でもよい。
請求項5に記載した発明は、前記注出口部の開封位置に開封手段が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の注出口部付き袋からなる。
前記開封手段としては、印刷による切り取り線や、文字、記号などの開封を指示する表示のほか、ノッチ、ハーフカット線などがあり、これらの何れかを単独で使用してもよいが、例えば、印刷による切り取り線とノッチとハーフカット線など、複数を組み合わせて用いることが更に好ましい。
前記スタンディングパウチ形式の袋自体は、既に周知であるが、袋の底部を前後の壁面フィルムの下部の間に底面フィルムを内側に折り返して挿入してなるガセット部を有する形式で形成し、内側に折り込まれた底面フィルムの両側の下端近傍には半円形などの底面フィルム切り欠き部を設けておいて、前記ガセット部を内側が両側から中央部にかけて湾曲線状などに凹状となる船底形のシールパターンの底部シール部でヒートシールして形成し、袋の胴部は、前後の壁面フィルムの両側の端縁部を所定幅の側部シール部でヒートシールして形成するものである。
請求項7に記載した発明は、少なくとも前記注出口部に外側に膨らむエンボス部が設けられ、該エンボス部の内側の面に前記注出補助部材が貼着されていることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の注出口部付き袋からなる。
(1)テープ状の注出補助部材が、プラスチックの単層シートまたは2層以上の積層シートで形成され、該シートの袋の注出口部に貼着される側の面が熱接着性樹脂の層で形成されているので、この注出補助部材を袋の注出口部の内面に貼着する際には、前記熱接着性樹脂の層を袋の積層フィルムの内面のシーラント層の樹脂と熱接着可能な樹脂で形成することにより、ヒートシールなどの熱接着方式で貼着できるため、強固に且つ生産性よく貼着することができる。
(2)前記注出補助部材を2層以上の積層シートで形成した場合は、袋の注出口部に貼着される側の面と反対側の面を、前記熱接着性樹脂の層よりも融点の高い樹脂の層で形成することにより、注出補助部材を袋の注出口部に熱接着する際、より高い温度での熱接着が可能となり、注出補助部材の貼着速度を高めることができる。
(3)前記注出補助部材のシートには、その長手方向に沿って、少なくとも一本の筋状の凸部または凹部が、該シートの袋の注出口部に貼着される側の面と反対側の面に突出または窪むように、または、該シートの全層を型付けするように設けられているので、この注出補助部材を、その長手方向と袋の注出口部の方向とを合わせて、袋の注出口部の内面にスポットシールなどで部分的に熱接着することにより、注出口部の両面のフィルムの間には確実に空隙部が形成され、両面のフィルム同士の密着がなくなり注出口部の開口性を向上できる。
また、前記注出補助部材は、長手方向の剛性は前記筋状の凸部または凹部のリブ効果により高められるが、幅方向の剛性は低いため、注出口部を筒状に開口させた時、その筒状の開口部に沿って容易に樋状に湾曲して開口部の保形性を向上させ、内容物の注出を一層容易にすることができる。
(4)更に、前記注出補助部材は、その長手方向の剛性が前記筋状の凸部または凹部により高められているので、これを袋の注出口部に貼着する際、注出口部の先端側の開封位置から袋の内部側に向けて、注出口部の基部よりも更に10〜30mm程度袋の内部側に伸びる長さに注出補助部材を貼着することにより、袋に充填された内容物を注出する際、注出口部がその基部近辺で折れ曲がって、注出口部が閉塞されることも防止することができる。
また、前記注出口部を該袋の上部の一方のコーナー部に設けているので、内容物の注出操作を容易にできると同時に、袋の上部のうち、注出口部を設けていない部分を内容物の充填口に使用できるので、内容物の充填も容易に行うことができる。
図1は、本発明の注出補助部材の一実施例の構成を示す拡大図であり、(イ)は、模式平面図で、(ロ)〜(ト)は、それぞれ(イ)のA−A線の模式断面図で、異なる断面形状の例を示す図である。
図2は、本発明の注出補助部材の別の実施例の構成を示す拡大図であり、(イ)は、模式平面図で、(ロ)〜(ホ)は、それぞれ(イ)のA−A線の模式断面図で、異なる断面形状の例を示す図である。
図3は、本発明の注出補助部材の更に別の実施例の構成を示す拡大図であり、(イ)は、模式平面図で、(ロ)〜(ホ)は、それぞれ(イ)のA−A線の模式断面図で、異なる断面形状の例を示す図である。
図4、図5は、それぞれ本発明の注出補助部材を袋の注出口部に貼着した注出口部付き袋の一実施例の構成を示す模式平面図である。
また、図6の(イ)、(ロ)は、それぞれ本発明の注出補助部材を袋の注出口部に貼着する際の異なる貼着形状の例を示す要部の模式平面図である。
図7の(イ)、(ロ)は、それぞれ図6の(イ)のA−A線の拡大模式断面図であり、注出補助部材の注出口部への貼着例を示す図である。
尚、図1に示した注出補助部材50a では、いずれも筋状の凸部または凹部が幅方向の中央部にその長手方向に沿って設けられた形状で示したが、中央部に限定されるものではなく、端よりの位置であっても構わない。
(ロ)に示した注出補助部材は、図において下側の面を袋の注出口部の内面に貼着される面として、その反対側の面に筋状の凸部51を突出するように設けると共に、注出補助部材全体を単層シートで形成して構成したものである。この場合は、注出補助部材全体を熱接着性樹脂で形成することができる。
このような構成を採ることにより、注出補助部材(テープ状シート)の長手方向の剛性が筋状の凸部51により高められると同時に、テープ状シートの筋状の凸部51以外の部分の厚みを比較的薄くすることにより、幅方向の剛性は低くすることができる。従って、この注出補助部材を袋の注出口部の内面に貼着することにより、注出口部の両面のフィルムの密着を防止できると共に、注出口部をその先端側で開封した時、注出補助部材を容易に樋状に湾曲させて注出口部を筒状に開口させることができ、且つ、開口された注出口部はその保形性が高められ、注出口部の折れ曲がりなどによる閉塞も防止することができる。
(ハ)に示した注出補助部材は、前記(ロ)に示した注出補助部材の構成において、テープ状シートをa層とb層の2層の積層シートに変更して構成したものであり、図において下側の、袋の注出口部の内面に貼着される側の面は、b層として、熱接着性樹脂の層で形成し、その反対側の面は、a層として、b層に用いた熱接着性樹脂とは異なる樹脂で形成することができる。特に、a層を、b層に用いた熱接着性樹脂よりも融点の高い樹脂で形成することにより、注出補助部材を袋の注出口部に貼着する際に、より高温短時間での熱接着が可能となり、注出補助部材の取り付けを一層高速化できる。
尚、上記構成において、a層とb層の接着性が不十分な場合には、図には示していないが、両者の間に接着性樹脂などによる接着性向上層を設けることができる。この点は、以下の図1の(ホ)、(ト)、および図2の(ハ)、(ホ)、図3の(ハ)、(ホ)に示した注出補助部材についても同様である。
このような構成を採った場合、前記(ロ)、(ハ)に示した構成と比較して、長手方向の剛性を高める効果は低下するが、シートの厚みを増すことにより補うことができる。また、筋状の凹部52により、これが貼着された注出口部の内面に空隙部を形成し、両面のフィルムの密着を防止する効果は十分に得られると共に、筋状の凹部52は折り曲げ線としても作用するので、これが貼着された注出口部を筒状に保形性よく開口させる効果は十分に得られる。
(ホ)に示した注出補助部材は、前記(ニ)に示した注出補助部材の構成において、テープ状シートをa層とb層の2層の積層シートに変更して構成したものである。
a層とb層の形成樹脂に関しては、前記(ハ)に示した注出補助部材で説明した内容と同様であるため、説明を省略する。
(ヘ)に示した注出補助部材は、前記(ロ)に示した注出補助部材の構成において、
袋の注出口部の内面に貼着される側と反対側の面に突出するように設けた筋状の凸部51を、テープ状シートの全層をエンボスするように型付けして構成したものである。
このような構成を採ることにより、前記(ロ)に示した注出補助部材で説明した作用効果と同様な作用効果が得られると共に、更に、筋状の凸部51の背面側が凹溝状に窪んでいるので、その分、樹脂の使用量を少なくでき、省資源とコスト低減が可能となる。
(ト)に示した注出補助部材は、前記(ヘ)に示した注出補助部材の構成において、テープ状シートを、前記(ハ)に示した注出補助部材と同様に、a層とb層の2層の積層シートに変更して構成したものである。
このような構成を採ることにより、前記(ヘ)に示した注出補助部材で説明した作用効果に加えて、テープ状シートがa層とb層の2層の積層シートで形成されているので、a層とb層の樹脂を前記(ハ)に示した注出補助部材と同様に、b層を熱接着性樹脂の層で形成し、その反対側の面のa層を、b層に用いた熱接着性樹脂よりも融点の高い樹脂で形成することにより、注出補助部材を袋の注出口部に貼着する際に、より高温短時間での熱接着が可能となり、注出補助部材の取り付けを一層高速化できるようになる。
尚、図2の(ロ)〜(ホ)では、いずれも二本の筋状の凸部51が設けられた構成を示したが、それぞれを筋状の凹部に置き換えた構成としてもよい。
(ロ)に示した注出補助部材は、図において下側の面を袋の注出口部の内面に貼着される面として、その反対側の面に二本の筋状の凸部51を適宜の間隔を開けて突出するように設けると共に、注出補助部材全体を単層シートで形成して構成したものである。この場合、注出補助部材は、全体を熱接着性樹脂で形成することができる。
このような構成を採ることにより、例えば、図1の(ロ)に示した注出補助部材と同様な作用効果が得られると共に、更に、筋状の凸部51が一本追加して設けられた構成となっているので、そのリブ効果が増し、注出補助部材の長手方向の剛性を一層高めることができる。
(ハ)に示した注出補助部材は、前記(ロ)に示した注出補助部材の構成において、テープ状シートをa層とb層の2層の積層シートで形成したものである。
このような構成を採ることにより、前記(ロ)に示した注出補助部材で説明した作用効果に加えて、a層とb層の形成樹脂を図1の(ハ)に示した注出補助部材で説明したように構成することにより、注出補助部材を袋の注出口部に貼着する際に、より高温短時間での熱接着が可能となり、注出補助部材の取り付けを一層高速化できる。
このような構成を採ることにより、前記(ロ)に示した注出補助部材で説明した作用効果と同様な作用効果が得られると共に、更に、筋状の凸部51の背面側が凹溝状に窪んでいるので、その分、樹脂の使用量を少なくでき、省資源とコスト低減が可能となり、また、筋状の凸部51が折り曲げ線としても作用するので、これが貼着された注出口部を筒状に開口させる際、一層容易に開口できるようになる。
(ホ)に示した注出補助部材は、前記(ニ)に示した注出補助部材の構成において、テープ状シートをa層とb層の2層の積層シートで形成したものである。
このような構成を採ることにより、前記(ニ)に示した注出補助部材で説明した作用効果に加えて、a層とb層の形成樹脂を図1の(ハ)に示した注出補助部材で説明したように構成することにより、注出補助部材を袋の注出口部に貼着する際に、より高温短時間での熱接着が可能となり、注出補助部材の取り付けを一層高速化できる。
即ち、(ロ)に示した注出補助部材は、テープ状シート全体を熱接着性樹脂の単層で形成すると共に、図において下側の面を袋の注出口部に貼着される面としてその反対側の面に、テープ状シートの長手方向に沿って、3本以上、多数の筋状の凸部51(図では5本の筋状の凸部51)を所定のピッチで配列して設けて構成したものである。
このような構成を採ることにより、テープ状シートの長手方向の剛性が一層高められると同時に、幅方向には折り曲げやすくなる。従って、この注出補助部材を袋の注出口部に貼着することにより、注出口部を容易に筒状に保形性よく開口できるようになり、また、注出口部の折れ曲がり等による閉塞も防止することができる。
(ハ)に示した注出補助部材は、前記(ロ)に示した注出補助部材の構成において、テープ状シートをa層とb層の2層の積層構成に変更して構成したものである。この場合も、a層とb層の形成樹脂を、図1の(ハ)に示した注出補助部材で説明したように構成することにより、注出補助部材を袋の注出口部に貼着する際に、高温短時間で熱接着できるようになるので、注出補助部材の袋の注出口部への取り付けを一層高速化できる。
(ニ)に示した注出補助部材は、テープ状シート全体を熱接着性樹脂の単層で形成すると共に、テープ状シートの長手方向に沿って、3本以上、多数の筋状の凸部51(図では7本の筋状の凸部51)をシート全層をエンボスするように型付けして設けて構成したものであり、この場合、テープ状シート全体が波板状に成形された構成である。
このような構成を採った場合も、テープ状シートの長手方向の剛性を高め、且つ、幅方向には剛性を低くして樋状に湾曲しやすくすることができる。
(ホ)に示した注出補助部材は、前記(ニ)に示した注出補助部材の構成において、テープ状シートをa層とb層の2層の積層構成に変更して構成したものである。この場合も、a層とb層の形成樹脂を、図1の(ハ)に示した注出補助部材で説明したように構成することにより、注出補助部材を袋の注出口部に貼着する際に、高温短時間で熱接着できるので、注出補助部材の袋の注出口部への取り付けを一層高速化できる。
また、本発明の注出補助部材は、特に限定はされないが、プラスチックの単層または多層の異形押し出し成形法などにより生産性よく製造することができる。
また、注出補助部材を2層以上の多層で形成する場合の具体例として、2層で形成する場合は、例えば、袋の注出口部に熱接着される側の面を低密度ポリエチレンの層で形成し、もう一方の面を中密度ポリエチレンの層で形成することができる。また、3層で形成する場合は、例えば、袋の注出口部に熱接着される側の面を低密度ポリエチレンの層で形成し、その反対側の面をポリプロピレンの層で形成し、中間層は両者の接着性を向上させるプロピレン共重合体などの接着性樹脂の層で形成することができる。
注出補助部材を多層で形成した場合は、それを前記品質管理の目的で着色する場合でも、いずれか一層を着色すればよいので全層を着色するよりもコストアップを抑制することができる。着色する色は、光学的に検知できる色であれば特に限定はされず、青色、赤色などを好適に使用することができる。
また、注出補助部材の厚みは、特に限定はされないが、筋状の凸部を設ける場合と筋状の凹部を設ける場合とで異なり、筋状の凸部を設ける場合は、凸部以外の部分は0.15〜0.4mm程度の厚みとし、凸部の高さは0.5〜2mm程度とすることが好ましい。筋状の凹部を設ける場合は、全体の厚みを0.3〜1.3mm程度とし、凹部の深さは0.2〜1.1mm程度とすることが好ましい。
図4に示した注出口部付き袋100 は、前後の壁面の積層フィルム1、1′の上下左右四方の端縁部をヒートシールしてなる四方シール形式の袋において、左右の端縁部を側部シール部6a、6bでヒートシールし、上部の中央部に狭い幅の注出口部10を、その外周および基部の両外側を注出口部シール部7でヒートシールして形成し、その両側に切り欠き部9a、9bを設けて上方に突出する形状に設けると共に、注出口部10の先端側の開封位置に開封手段として、ハーフカット線11とその両側の端部にノッチ12a 、12b を設け、更に、注出口部10の積層フィルム1、1′の内側の面に、注出口部10の中心線Cに沿って、その開封位置、即ち、ハーフカット線11から袋100 の中心部に向けて、注出口部の基部を示す線Bを10〜30mm程度越える長さに、注出補助部材50を注出補助部材貼着部53a 、53b に示すようなパターンで部分的に貼着して構成したものある。
尚、袋100 の下部の端縁部は、下部シール部13でヒートシールされるが、この部分は内容物の充填口に使用するため、内容物の充填前は未シールの開口部とし、内容物の充填後にヒートシールするものである。
上記注出補助部材50としては、前記図1〜図3に示した構成の注出補助部材のうち、いずれの構成の注出補助部材を用いてもよい。また、注出口部の両面の積層フィルムに注出補助部材を貼着する場合は、同一構成の注出補助部材を用いてもよいが、異なる構成のものを組み合わせて用いてもよい。
また、注出補助部材50を注出口部10の積層フィルム1、1′の内側の面に熱接着する際の貼着パターンは、できるだけ注出補助部材50に設けた筋状の凸部51または凹部52を潰さないパターンであることが好ましく、例えば、図4に示したように、スポット状の注出補助部材貼着部53a 、53b を複数箇所に設けて貼着することが好ましい。また、注出補助部材貼着部53a 、53b を設ける位置についても、図示したように、注出口部10の開封位置、即ち、ハーフカット線11に近い部分を除いた領域に設けることが好ましい。これは、ハーフカット線11に近い部分に注出補助部材貼着部53a 、53b を設けると、仮に、注出補助部材50の貼着位置が注出口部10の先端側にずれて、注出補助部材50とハーフカット線11とが交差した場合、ハーフカット線11による開封が注出補助部材50に邪魔されて開封が難しくなるが、ハーフカット線11に近い部分を除いた領域で貼着することにより、注出補助部材50とハーフカット線11とが交差したとしても、数mm程度であれば問題なくハーフカット線11で引き裂いて注出口部10を開封できるためである。
図5に示した注出口部付き袋200 は、その胴部と底部をスタンディングパウチ形式に形成したものであり、底部が、前後の壁面の積層フィルム1、1′の下部の間に底面フィルムを内側に折り返して底面フィルム折り返し部2まで挿入してなるガセット部4を有する形式で形成され、内側に折り込まれた底面フィルムの両側下端近傍には、半円形の底面フィルム切り欠き部3a、3bが設けられ、ガセット部4が、内側が両側から中央部にかけて湾曲線状に凹状となる船底形の底部シール部5でヒートシールされて形成され、胴部が、前後の壁面の積層フィルム1、1′の左右の端縁部を側部シール部6a、6bでヒートシールして形成されると共に、袋200 の上部の一方のコーナー部(図において左側のコーナー部)には、その先端部および両側の側部を注出口部シール部7でヒートシールしてなる先細り形状で斜め外側上方を向く狭い幅の注出口部10が、その両側に切り欠き部9a、9bが設けられて突出する形状に設けられている。
また、注出口部10の先端側の開封位置には、開封手段として、ハーフカット線11とその上側の端部にノッチ12a が設けられ、更に、注出口部10の積層フィルム1、1′の内側の面に、注出口部の中心線Cに沿って、その開封位置、即ち、ハーフカット線11から袋200 の中心部に向けて、注出口部の基部を示す線Bを10〜30mm程度越える長さに注出補助部材50を注出補助部材貼着部53a 、53b に示されるパターン(4箇所のスポット状のパターン)で部分的に貼着して構成したものである。
尚、袋200 の上部のうち、注出口部10を設けていない部分は、上部シール部8でヒートシールされるが、この部分は内容物の充填口に使用するため、内容物の充填前は未シールの開口部とし、内容物の充填後にヒートシールするものである。
このようなハーフカット線を設ける方法は、レーザー光照射による方法がその深さを安定できると共に、複数のハーフカット線を任意のパターンで容易に設けられる点で好ましい。
このような構成を採ることにより、注出補助部材50を注出口部10の積層フィルム1、1′の内側の面に貼着する際に、その位置ずれを防止することができる。
このような構成を採った場合、注出口部付き袋200bに充填された内容物を注出する際、注出口部10の基部近辺で注出口部10が折れ曲がって注出口部10が閉塞するのを防止する効果は得にくくなるが、注出口部10を筒状に容易に且つ保形性よく開口させる効果は充分に得られるので、基本的な内容物の注出適性の向上効果は充分に得ることができる。
図7の(イ)は、注出口部10の両面の積層フィルム1、1′のうち、特に、片面の積層フィルム1のみに外側に膨らむエンボス部Sを注出補助部材と略同形状に設け、その内側に前記図1の(ロ)に示した構成の注出補助部材50a を挿入して貼着した例を示す図である。
この場合、図示したA−A線の断面部では、注出補助部材50a は、積層フィルム1の内側の面に貼着されておらず、エンボス部Sの内部に収納された状態である。
このように注出口部付き袋200a〔図6の(イ)参照〕の注出口部10に注出補助部材50a を貼着することにより、注出口部10の両面の積層フィルム1、1′の間には注出補助部材50a により確実に空隙部が形成されるので、袋200aに充填された内容物を注出する際、注出口部10の先端部をハーフカット線11に沿って引き裂いて開封することにより、自動的に注出口部10が開口し、次いで、両側の注出口部シール部7を中心部に向けて両側から押圧することにより、注出口部10を筒状に容易に開口させることができる。この時、注出補助部材50a は、外側に樋状に湾曲するので、筒状に開口した注出口部10の保形性も向上され、最後までスムーズに内容物を注出することができる。
この場合も、図示したA−A線の断面部では、両側の注出補助部材50a は、積層フィルム1、1′の内側の面に貼着されておらず、それぞれエンボス部Sの内部に収納された状態である。
図7の(ロ)に示したように注出補助部材50a を袋200aの注出口部10に貼着することにより、注出口部10の両面の積層フィルム1、1′に注出補助部材50a が貼着されているので、注出口部10の両面の積層フィルム1、1′の間には、前記図7の(イ)の場合よりも更に大きな空隙部が形成され、注出口部10をハーフカット線11で開封することにより、自動的に一層大きく注出口部10が開口する。そして、両側の注出口部シール部7を両側から中心部に向けて押圧することにより、両側の注出補助部材50a が、それぞれ外側に樋状に湾曲するので、注出口部10を円筒状に容易に開口させることができ、また、円筒状に開口した注出口部10の保形性も一層優れたものになり、最後まで一層スムーズに内容物を注出できるようになる。
上記基材フィルム層や水蒸気その他のガスバリヤー層、遮光層、強度向上層、シーラント層などは、それぞれを単独の層で形成してもよいが、複数の層を積層して形成してもよい。
これらは単独で使用してもよく、また、複数を組み合わせて積層して使用することもできる。
これらのうち、アルミニウム箔またはアルミニウム蒸着層を設けたフィルムは、不透明であるため遮光層を兼ねることもできる。
前記強度向上層としては、前記基材フィルムのいずれかを適宜追加して積層してもよく、二軸延伸高密度ポリエチレンフィルムなどを防湿層を兼ねて積層することもできる。
前記基材フィルム層とガスバリヤー層、遮光層、強度向上層との積層には、公知のドライラミネーション法または押し出しラミネーション法(サンドイッチラミネーション法)を用いることができる。
シーラント層の積層は、上記の樹脂をフィルム状に製膜し、ドライラミネーション法または押し出しラミネーション法で積層する方法、或いは、上記の樹脂を押し出しコートして積層する方法などを採ることができる。只、内容物がシーラント層に浸透しやすいものの場合は、ドライラミネーション法で積層することが好ましい。
本発明の注出口部付き袋は、先にも説明したように、袋の一端に注出口部を設け、その注出口部に本発明の注出補助部材を貼着したことを特徴とするものであり、袋自体の形式は特に限定はされず、例えば、三方シール形式、四方シール形式などの平パウチ形式の袋のほか、スタンディングパウチ形式の袋など、いずれの形式の袋でもよい。
従って、基本的には採用した形式の袋の製袋機を利用して、これに注出口部を設けるためのヒートシール装置、注出口部の両側に切り欠き部やノッチを設けるための打ち抜き装置、注出口部に前記エンボス部を設けるためのエンボス装置、そして、注出補助部材を貼着するための貼着装置、ハーフカット線を設けるためのレーザー光照射装置などを適宜追加付設することにより、その製袋機を使用して容易に製造することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
(1)壁面用積層フィルム1,1′の構成
(外側)二軸延伸ナイロンフィルム(以下、ONフィルムと記載する)(厚み15μm)/接着剤/アルミニウム蒸着(蒸着厚み400Å)二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、アルミ蒸着PETフィルムと記載する)(厚み12μm)/接着剤/直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(以下、L・LDPEフィルムと記載する)(厚み130μm)
(2)底面用積層フィルムの構成
(外側)ONフィルム(厚み15μm)/接着剤/アルミ蒸着PETフィルム(厚み12μm)/接着剤/L・LDPEフィルム(厚み100μm)
上記各フィルムの貼り合わせは、いずれもドライラミネーション法で行ったものであり、各フィルムの間の接着剤は、ドライラミネート用の二液硬化型ポリウレタン系接着剤を使用したものである。
(3)注出補助部材の構成と寸法
注出補助部材は、図1の(イ)、(ハ)に示した構成で全幅が15mm、テープ状シートの袋の注出口部に貼着される側のb層は、低密度ポリエチレン(厚み120μm)で形成し、その反対側のa層は、中密度ポリエチレン(厚み120μm)で形成し、a層の表面に設けた筋状の凸部51は、幅と高さがいずれも1.4mmとなるように形成した。
上記注出補助部材は、異形共押し出し成形法で作製したものである。
(4)注出口部付き袋の寸法
袋の寸法は、全幅が130mmで、全長が190mm、底部のガセット部4の折り込み長さは38mmとした。
注出口部10は、図示した形状で、その開封位置、即ち、ハーフカット線11を設けた位置の全幅が26mm、ハーフカット線11から注出口部の基部を示す線Bまでの長さが約20mm、そして、注出口部10の先細り角度は21°とした。
前記注出補助部材の注出口部10への貼着長さは、注出口部10の開封位置、即ち、ハーフカット線11から注出口部の基部を示す線Bを更に15mm超える位置までの長さで全長は35mmとした。
また、前記注出補助部材の注出口部10への貼着は、注出口部10の両面の積層フィルム1、1′のうち、片面の積層フィルム1のみに行った。
尚、ハーフカット線11は、レーザー光照射により中心のハーフカット線の両側にこれと平行に各2本、合計5本のハーフカット線を近接させて設けた。
以上のように作製した実施例1、2、3の注出口部付き袋の注出適性を評価するため、それぞれの注出口部付き袋に、未シールの上部シール部8から内容物として液体シャンプーを約400ml充填した後、上部シール部8をヒートシールして袋を密封した。
上記のように作製した実施例1、2、3の注出口部付き袋による包装体は、いずれも安定した自立性を有し、外観もよく取り扱い性にも優れていた。
また、各包装体に充填された液体シャンプーの注出適性試験を行うため、先ず、各包装体の注出口部10の先端部を摘んでノッチ12a を始点としてハーフカット線11に沿って引き裂いたところ、いずれもハーフカット線11に沿ってきれいに引き裂いて注出口部10を開封することができた。この時、ハーフカット線11に沿って注出補助部材の切断端部が存在していたため、これが引き裂きのガイドとなって引き裂き方向のずれ防止にも寄与したものと推定される。
特に、実施例2および実施例3の包装体は、注出口部10の両面の積層フィルム1、1′に注出補助部材が貼着されているので、筒状に開口した開口部の保形性が特に優れており、安定した筒状の開口部を形成できた。
2 底面フィルム折り返し部
3a 、3b 底面フィルム切り欠き部
4 ガセット部
5 底部シール部
6a 、6b 側部シール部
7 注出口部シール部
8 上部シール部
9a 、9b 切り欠き部
10 注出口部
11 ハーフカット線
12a 、12b ノッチ
13 下部シール部
50、50a 、50b 、50c 注出補助部材
51 筋状の凸部
52 筋状の凹部
53a 、53b 注出補助部材貼着部
B 注出口部の基部を示す線
C 注出口部の中心線
S エンボス部
100、200、200a 、200b 注出口部付き袋
Claims (7)
- 袋の注出口部に貼着して用いるテープ状の注出補助部材であって、該注出補助部材が、プラスチックの単層シートまたは2層以上の積層シートで形成され、該シートの袋の注出口部に貼着される側の面が熱接着性樹脂の層で形成されると共に、該シートには、その長手方向に沿って、少なくとも一本の筋状の凸部または凹部が、該シートの袋の注出口部に貼着される側の面と反対側の面に突出または窪むように、または、該シートの全層を型付けするように設けられていることを特徴とする注出補助部材。
- 前記注出補助部材が、長尺の巻き取り状に形成され、該注出補助部材を袋の注出口部に貼着する際に、適宜の長さに切断され、その一部をパターン状にヒートシールして貼着されることを特徴とする請求項1記載の注出補助部材。
- 前記注出補助部材が着色されていることを特徴とする請求項1または2に記載の注出補助部材。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の注出補助部材が、積層フィルム製の袋の一端に設けられた注出口部に貼着されていることを特徴とする注出口部付き袋。
- 前記注出口部の開封位置に開封手段が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の注出口部付き袋。
- 前記袋が、スタンディングパウチ形式の袋で、前記注出口部が該袋の上部の一方のコーナー部に設けられていることを特徴とする請求項4または5に記載の注出口部付き袋。
- 少なくとも前記注出口部に外側に膨らむエンボス部が設けられ、該エンボス部の内側の面に前記注出補助部材が貼着されていることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の注出口部付き袋。
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