JP4894341B2 - 注出口部付き袋の製造方法 - Google Patents

注出口部付き袋の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4894341B2
JP4894341B2 JP2006115902A JP2006115902A JP4894341B2 JP 4894341 B2 JP4894341 B2 JP 4894341B2 JP 2006115902 A JP2006115902 A JP 2006115902A JP 2006115902 A JP2006115902 A JP 2006115902A JP 4894341 B2 JP4894341 B2 JP 4894341B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spout
bag
cylindrical body
layer
laminated film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006115902A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007284136A (ja
Inventor
和佳子 吉村
康司 大塚
安典 本澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2006115902A priority Critical patent/JP4894341B2/ja
Publication of JP2007284136A publication Critical patent/JP2007284136A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4894341B2 publication Critical patent/JP4894341B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、注出口部付き袋の製造方法に関し、更に詳しくは、積層フィルム製の袋の一端に狭い幅の注出口部がヒートシールパターンにより設けられた注出口部付き袋の分野において、注出口部の積層フィルムに、簡単な加工を施すことにより、注出口部の開口性とその保形性を向上させ、袋に充填された内容物を容易に注出できるようにした注出口部付き袋の製造方法に関する。
従来、液状などの流動性を有する内容物を密封包装し、内容物を使用する際に、ボトルなどの他の容器に移し替えて使用するような詰め替え用の容器としては、内容物の他の容器への移し替えを容易に且つ安全に行えると同時に、安価で空容器が嵩張らず使用後の廃棄処理なども容易に行えることが望ましく、簡単なものでは、例えば、積層フィルムをヒートシールして形成した平袋や自立袋などの袋の周縁の一部に、外周をヒートシールしてなる狭い幅の注出口部を設けた袋が使用されてきた。
しかし、このような注出口部付き袋は、安価で生産性に優れる点では好ましいが、注出口部の開口性や開口部の保形性が悪く、内容物注出の途中などで注出口部が閉塞しやすく、内容物の注出適性の点では劣る問題があった。
このような問題を解決するために種々改善策が研究され、注出口部の開口性や開口部の保形性など、内容物の注出適性を改善した袋が提案されている。
具体例として、例えば、(1)袋の注出口部のフィルム材料に流路を形成するための溝状の窪みを設け、その溝状の窪みにプラスチック製などの小管を固定して、流路が潰れるのを防止すると共に、前記小管を通して中味を空にできるようにした袋がある(特許文献1参照)。
また、(2)パウチの上部の一部に注出口部を設け、その注出口部の内面に、装着時は偏平な形状で、使用時に筒状に起こして注出口部を開口できる補強部材を装着した詰め替え用パウチがある(特許文献2参照)。
特開平5−132069号公報(第2頁〜第3頁、図1) 特開平11−79195号公報(第2頁〜第7頁、図1、図3)
前記(1)に記載された発明の袋によれば、注出口部のフィルム材料に、流路として溝状の窪みを設け、その窪みにプラスチックの成形体などによる小管を固定しているので、小管は硬さがあり、確実に流路が潰されるのを防止できると共に、その小管を通して袋に充填された内容物を注出することができる。
しかし、このような袋でも、その製造の際、注出口部のフィルム材料に深絞り成形などで溝状の窪みを設け、その中に前記小管を挿入してスポット溶接などで固定しているので、製造の工程数が増し、製造装置が複雑になると同時に生産速度も抑制される。また、前記小管は硬さがあるため、その端部で袋のフィルム材料が傷つけられやすいという問題があった。
また、前記(2)に記載された発明の詰め替え用パウチによれば、パウチの上部の一部に注出口部を設け、その注出口部の内面に、装着時は偏平な形状で、使用時に筒状に起こして注出口部を開口できる補強部材を装着しているので、その補強部材を、プラスチック等の剛性シートを用いて、図3のA−1、B−1、C−1に示したように加工することにより、この状態では偏平であり、この補強部材を注出口部の内面に所定の部分で貼着しておいて、使用時に、例えば両側から中心部に向けて押圧することにより、それぞれ図3のA−2、B−2、C−2に示したように角形に起こされ、注出口部を保形性よく角筒状に開口させることのできる詰め替え用パウチとすることができる。
しかし、このような詰め替え用パウチでも、製造後、保存日数が数カ月以上の長期になると、徐々に補強部材の起こしトルクが高くなり、使用時に注出口部を角筒状に起こしにくくなる問題があり、必ずしも満足できるものではなかった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その課題は、液状などの流動性を有する内容物を密封包装し、内容物を使用する際には、ボトルなどの他の容器に移し替えて使用される積層フィルム製の注出口部付き袋の分野において、袋の注出口部の積層フィルムに簡単な加工を施すことにより、注出口部の開口性とその保形性を確実に向上させることができると共に、注出口部のフィルム材料を傷つけるようなことがなく、また、注出口部の開口性が経時的に低下するようなこともなく、袋に充填された内容物の注出を安定して且つ確実に容易にできる注出口部付き袋を生産性よく提供することである。
上記の課題は、以下の本発明により解決することができる。
即ち、請求項1に記載した発明は、積層フィルム製の袋の一端に狭い幅の注出口部がヒートシールパターンにより設けられ、該注出口部の内面に、該注出口部の開口を保持するための筒状体をその一部で熱接着されてなる注出口部付き袋の製造方法であって、弾性を有し且つ少なくともその外面層が熱接着性樹脂で形成された前記筒状体の周面の一箇所を長さ方向に直線状に切り裂き、その切り裂き部に治具を挿入して前記筒状体を両側に開き、開かれた前記筒状体を、前記注出口部の両面の積層フィルムのうち一方の積層フィルムの内面に、前記注出口部の中心線に合わせて両者を重ね合わせ、重ね合わせた部分をパターン状に熱接着した後、治具を取り除いて、開かれた前記筒状体を元の筒状に復元させ、前記筒状体をその一部で前記注出口部の内面に熱接着することを特徴とする注出口部付き袋の製造方法からなる。
本発明において、袋の形式は、特に限定はされず、例えば、三方シール形式、四方シール形式、ピロー形式などの平パウチ形式の袋のほか、スタンディングパウチ形式の袋などいずれの形式の袋でもよい。
前記筒状体は、円筒状のほか、断面が矩形などの四角形、六角形、八角形などの角筒状であってもよい。このような筒状体は、プラスチックの単体、または2層以上の積層体で形成することができる。
只、前記筒状体を注出口部の内面に熱接着する際には、該筒状体の周面の一箇所を長さ方向に直線状に切り裂き、その切り裂き部に治具を挿入して該筒状体を両側に開き、開かれた筒状体を、該注出口部の一方の積層フィルムの内面に、該注出口部の中心線に合わせて両者を重ね合わせ、重ね合わせた部分をパターン状に熱接着した後、治具を取り除いて、開かれた筒状体を元の筒状に復元させる方法で、該注出口部の内面に熱接着することから、前記筒状体は、前記元の筒状に復元するための弾性を有すると共に、前記切り裂きを容易にし、また、該筒状体を注出口部の内面に熱接着した後、その端部で注出口部の積層フィルムを傷つけることをなくすためには適度の柔軟性を有することが必要であり、更に、該筒状体の少なくとも外面層は、注出口部の積層フィルムの最内層のシーラント層と熱接着可能な熱接着性樹脂であることが必要である。
このような熱接着性樹脂としては、ポリオレフィン系の熱接着性樹脂を好適に使用することができる。
従って、前記筒状体を、プラスチックの単体で形成する場合は、その全体をポリオレフィン系の熱接着性樹脂で形成すればよく、プラスチックの2層以上の積層体で形成する場合は、少なくともその最外層をポリオレフィン系の熱接着性樹脂で形成すればよい。
前記筒状体の長さは、注出口部の先端側の開封位置から注出口部の基部近辺までの長さでもよいが、それよりも短くすることができ、例えば、注出口部の開封位置から注出口部の基部までの長さの1/2〜2/3程度の長さに設けてもよい。このように筒状体の長さを短く設けた場合でも、筒状体自体は保形性に優れているので、注出口部の開口性とその保形性は良好に維持することができる。
そして、このように筒状体を短くすることにより、その使用量を削減できると同時に、筒状体を長さ方向に切り裂いて、両側に開き、注出口部の積層フィルムの内面に熱接着する際の操作性も向上させることができる。
請求項2に記載した発明は、前記筒状体が、多層共押し出しチューブ成形法により形成され、袋の前記注出口部に熱接着される最外層が熱接着性樹脂で形成され、最内層が前記最外層の熱接着性樹脂よりも融点の高い熱接着性樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1記載の注出口部付き袋の製造方法からなる。
請求項3に記載した発明は、前記注出口部の両面の積層フィルムに外側に膨らむエンボス部を設け、該エンボス部の内部に嵌まり込むように前記筒状体をその一部で熱接着することを特徴とする請求項1または2に記載の注出口部付き袋の製造方法からなる。
請求項4に記載した発明は、前記注出口部の開封位置に易開封性手段を設けることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の注出口部付き袋の製造方法からなる。
前記易開封性手段としては、印刷による切り取り線や、文字、記号などの開封を指示する表示のほか、ノッチ、ハーフカット線などがあり、これらの何れかを単独で使用してもよいが、例えば、印刷による切り取り線とノッチとハーフカット線など、複数を組み合わせて用いることが更に好ましい。
請求項5に記載した発明は、前記袋が、スタンディングパウチ形式の袋で、前記注出口部が該袋の上部の一方のコーナー部に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の注出口部付き袋の製造方法からなる。
前記スタンディングパウチ自体は、既に周知であるが、袋の底部を前後の壁面フィルムの下部の間に底面フィルムを内側に折り返して挿入してなるガセット部を有する形式で形成し、内側に折り込まれた底面フィルムの両側の下端近傍には半円形などの底面フィルム切り欠き部を設けておいて、前記ガセット部を内側が両側から中央部にかけて湾曲線状などに凹状となる船底形のシールパターンの底部シール部でヒートシールして形成し、袋の胴部は、前後の壁面フィルムの両側の端縁部を所定幅の側部シール部でヒートシールして形成するものである。
請求項1に記載した発明によれば、積層フィルム製の袋の一端に狭い幅の注出口部がヒートシールパターンにより設けられ、該注出口部の内面に、該注出口部の開口を保持するための筒状体をその一部で熱接着されてなる注出口部付き袋の製造方法であって、弾性を有し且つ少なくともその外面層が熱接着性樹脂で形成された前記筒状体の周面の一箇所を長さ方向に直線状に切り裂き、その切り裂き部に治具を挿入して前記筒状体を両側に開き、開かれた前記筒状体を、前記注出口部の両面の積層フィルムのうち一方の積層フィルムの内面に、前記注出口部の中心線に合わせて両者を重ね合わせ、重ね合わせた部分をパターン状に熱接着した後、治具を取り除いて、開かれた前記筒状体を元の筒状に復元させる方法で、前記筒状体をその一部で前記注出口部の内面に熱接着することとしており、以下に列挙するような作用効果を得ることができる。
(1)袋自体は積層フィルムで形成されているので、その積層構成の選定により、密封性のほか、各種の強度、内容物の保存性など、袋に必要とされる各種の性能を優れたものにすることができる。
(2)袋の注出口部の内面には、注出口部の開口を保持するための前記筒状体がその一部で熱接着されているので、袋に充填された内容物を取り出す際には、注出口部の先端部をその開封位置で切り取って開封するだけで、注出口部が自動的に筒状に保形性よく開口し、液状の内容物が充填されている場合でも、注出の途中で注出口部が閉塞することがなく、最後までスムーズに注出することができる。
(3)前記筒状体は、その厚みを適宜に調節でき、且つ材質も熱接着性樹脂が主体であり、熱接着性を有するポリオレフィン系樹脂から選択できるので、弾性と適度の柔軟性を有しており、袋の積層フィルムを傷つけることがない。
(4)また、前記筒状体は、注出口部の積層フィルムの内面に熱接着する際に、一旦その周面の一箇所を長さ方向に直線状に切り裂いて両側に開き、注出口部の一方の積層フィルムの内面に、その一部でパターン状に熱接着した後、その弾性により元の筒状に復元させたものであり、それ以上変形することもないので、注出口部の開口性が経時的に悪くなることもない。
(5)更に、前記筒状体は、その長さを注出口部の先端側の開封位置から注出口部の基部までの長さよりも短くすることも可能であり、それにより筒状体の使用量を少なくすることができコストメリットが得られると同時に、筒状体の注出口部の積層フィルムへの取り付け操作も容易になり注出口部付き袋の生産性を向上できる。
請求項2に記載した発明によれば、請求項1に記載した発明の注出口部付き袋の製造方法の構成において、前記筒状体が、多層共押し出しチューブ成形法により形成され、袋の前記注出口部に熱接着される最外層が熱接着性樹脂で形成され、最内層が前記最外層の熱接着性樹脂よりも融点の高い熱接着性樹脂で形成され構成としているので、請求項1に記載した発明の作用効果に加えて、前記筒状体を長さ方向に切り裂いて両側に開き、注出口部の一方の積層フィルムの内面に、その一部でパターン状に熱接着する際に、より高温、短時間での熱接着が可能となり、前記筒状体の取り付け工程を高速化でき、注出口部付き袋の生産性を向上できる。
請求項3に記載した発明によれば、請求項1または2に記載した発明の注出口部付き袋の製造方法の構成において、前記注出口部の両面の積層フィルムに外側に膨らむエンボス部を設け、該エンボス部の内部に嵌まり込むように前記筒状体をその一部で熱接着する構成としているので、請求項1または2に記載した発明の作用効果に加えて、前記筒状体を注出口部の一方の積層フィルムの内面に熱接着する際に、その位置決めが容易になり、位置ズレなどによる不良品の発生を防止することができる。
また、前記筒状体を袋の注出口部の両面の積層フィルムの内側に、その一部でパターン状に熱接着して、封入する場合、通常は、注出口部の一方の積層フィルムの内面に、前記筒状体を注出口部の中心線に合わせてその一部でパターン状に熱接着した後、その上に、もう一方の積層フィルムを被せて注出口部の外周を注出口部シール部でパターン状にヒートシールして注出口部を形成するが、筒状体は立体形状であるため、注出口部の外周をヒートシールする際、その膨らみ分だけ周囲の積層フィルムが引っ張られ、筒状体の径が大きい場合は、注出口部シール部にしわが発生し外観が損なわれるようになる。この点、前記のように注出口部の両面の積層フィルムに外側に膨らむエンボス部を設けて、そのエンボス部の内部に嵌まり込むように前記筒状体をその一部で熱接着することにより、筒状体の周囲の積層フィルムが引っ張られることがなくなるので、注出口部シール部にしわが発生することも防止できる。
請求項4に記載した発明によれば、請求項1乃至3のいずれかに記載した発明の注出口部付き袋の製造方法の構成において、前記注出口部の開封位置に易開封性手段を設ける構成としているので、請求項1乃至3のいずれかに記載した発明の作用効果に加えて、この注出口部付き袋に充填された内容物を使用する際、注出口部の開封位置に設けられた易開封性手段を利用して、正しい位置で容易に注出口部を開封することができる。
請求項5に記載した発明によれば、請求項1乃至4のいずれかに記載した発明の注出口部付き袋の製造方法の構成において、前記袋が、スタンディングパウチ形式の袋で、前記注出口部が該袋の上部の一方のコーナー部に設けられた構成前記袋が、スタンディングパウチ形式の袋で、前記注出口部が該袋の上部の一方のコーナー部に設けられた構成としているので、請求項1乃至4のいずれかに記載した発明の作用効果に加えて、袋に優れた自立性が付与され、その取り扱いが容易になると共に、外観にも優れ、内容物をコンパクトに包装することができる。
また、前記注出口部を該袋の上部の一方のコーナー部に設けているので、内容物の注出操作を容易にできると同時に、袋の上部のうち、注出口部を設けていない部分を内容物の充填口に使用できるので、比較的広い幅の充填口とすることができ、内容物の充填も容易に行うことができる。
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。但し、本発明は、その要旨を超えない限り、これらの図面に限定されるものではない。
図1の(イ)、(ロ)は、それぞれ本発明の注出口部付き袋の製造方法による注出口部付き袋の注出口部の内面に、その一部で熱接着して用いる筒状体の一例の構成を示す拡大斜視図である。
図2の(イ)〜(ヘ)は、本発明の注出口部付き袋の製造方法において、注出口部の一方の積層フィルムの内面に筒状体をその一部でパターン状に熱接着し、次いで、その上にもう一方の積層フィルムを被せ、注出口部の外周をヒートシールして注出口部を筒状に形成する際の手順の一例を説明する要部の断面図である。
図3、図4は、それぞれ本発明の注出口部付き袋の製造方法による注出口部付き袋の構成を示す模式正面図である。図5は、図3に示した注出口部付き袋の注出口部のA−A線模式拡大断面図であり、注出口部の断面形状の一例を示す図である。
図6は、図4に示した注出口部付き袋の注出口部のA−A線模式拡大断面図であり、注出口部の断面形状の一例を示す図である。
図1の(イ)に示した筒状体20a は、断面が円形の円筒状であり、その全体を袋の積層フィルムの内面のシーラント層に熱接着性を有する熱接着性樹脂の層21単独で形成したものである。
図1の(ロ)に示した筒状体20b は、その外形は前記(イ)に示した筒状体20a と同様に断面が円形の円筒状であるが、筒状体20b を2層構成として、その外面層を前記熱接着性樹脂の層21で形成し、内面層は、前記熱接着性樹脂の層21よりも融点の高い樹脂の層22で形成して構成したものである。
また、前記外面層と内面層との接着性が不十分な場合は、両者の間に中間層として、両者の接着性を向上させる接着性樹脂層を設けて3層構成とすることもできる。
前記図1の(イ)、(ロ)に示した筒状体20a 、20b は、いずれも断面が円形の円筒状で示したが、筒状体であれば特に限定はされず、先にも説明したように、断面が矩形などの四角形、六角形、八角形などの角筒状であってもよい。
前記図1の(イ)、(ロ)に示した筒状体20a 、20b の層構成において、少なくともその外面層を形成する熱接着性樹脂の層21は、この面を袋の注出口部の積層フィルムの内面に対向させてその一部で熱接着するため、袋の積層フィルムの内面のシーラント層と熱接着性を有することが必要である。
この熱接着性樹脂の層21に使用する熱接着性樹脂としては、袋の積層フィルムの内面のシーラント層の樹脂に合わせて、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンのほか、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、アイオノマーなどのエチレン系共重合体、ポリプロピレン、プロピレン系共重合体、或いは、これらのブレンド樹脂などのポリオレフィン系樹脂の中から適宜選択して使用することができる。
図1の(ロ)に示した筒状体20b のように、筒状体を2層構成とした場合、或いは3層構成などの多層構成とした場合、その内面層(最内層)となる前記熱接着性樹脂の層21よりも融点の高い樹脂の層22に使用する樹脂としては、前記熱接着性樹脂の層21に選択した樹脂よりも融点の高い樹脂であれば特に限定はされず、前記熱接着性樹脂の層21に使用する樹脂として挙げた各種のポリオレフィン系樹脂の中から適宜選択できるほか、更に範囲を広げて、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、各種ナイロンなどのポリアミド、4−メチルペンテン−1樹脂、ポリカーボネートなども適宜選択して使用することができる。
また、前記熱接着性樹脂の層21と熱接着性樹脂の層21よりも融点の高い樹脂の層22との間に、両者の接着性を向上させるために接着性樹脂層を中間層として設ける場合は、その中間層の接着性樹脂としては、例えば、押し出しラミネートなどに使用されるポリエチレン系またはポリプロピレン系などの接着性樹脂〔例えば、官能基を導入したポリオレフィン系樹脂、アドマー(商品名)など〕を使用することができる。
筒状体20a 、20b の外径、肉厚、長さなどは、これを熱接着する袋の注出口部の形状と寸法により、適宜に決めればよい。
只、肉厚に関しては、0.2〜1.2mm程度の範囲が好ましく、0.3〜1.0mmの範囲が更に好ましい。また、長さに関しては、先にも説明したように、注出口部の先端側の開封位置から注出口部の基部近辺までの長さ、または、それよりも短く、注出口部の開封位置から注出口部の基部までの長さの1/2〜2/3程度の長さに設けることができる。
前記筒状体の肉厚が0.2mm未満の場合は、筒状体の剛性が不足し、注出口部を筒状に開口させた時の保形性の向上効果が少なくなるため好ましない。また、筒状体の肉厚が1.2mmを超える場合は、筒状に開口させた注出口部の保形性の向上効果は既に十分でありその必要性がなく、むしろ熱接着に時間が掛かり生産性が低下し、材料費を含めて製造コストがアップするため好ましくない。
このような筒状体20a 、20b は、単層または多層共押し出しチューブ成形法により、容易に製造することができる。通常は、筒状体20a 、20b を所定の外径と肉厚で長尺の巻き取り状に作製しておいて、袋の注出口部の内面に熱接着する際に、袋の製袋機に付設した筒状体取り付け装置で必要な長さにカットして、製袋とインラインで取り付けることが生産性に優れる点で好ましい。
また、筒状体20a 、20b は、品質管理の目的で着色することができる。筒状体20a 、20b を着色することにより、それを袋の注出口部の内面に熱接着した後、その接着の位置不良などを光学的手段により検知し、不良品の除去を自動的に行うことも可能となるので、注出口部付き袋の筒状体の取り付けに係る品質管理を一層確実に行えるようになる。
筒状体を着色する方法は、例えば、筒状体を成形する際に、樹脂に着色剤を練り込む方法が簡便であり、着色する色は、光学的に検知できる色であれば特に限定はされず、例えば、青色、赤色などを好適に使用することができる。
前記筒状体を2層以上の積層体で形成する場合の具体例として、2層で形成する場合は、例えば、袋の注出口部に熱接着される側の熱接着性樹脂の層21を低密度ポリエチレンまたはエチレン系共重合体などで形成し、熱接着性樹脂の層21よりも融点の高い樹脂の層22を中密度ポリエチレンまたは高密度ポリエチレンなどの層などで形成することができる。
また、3層で形成する場合は、例えば、多層共押し出し成形法を採り、袋の注出口部に熱接着される側の熱接着性樹脂の層21を低密度ポリエチレンまたはエチレン系共重合体などで形成し、その反対側の熱接着性樹脂の層21よりも融点の高い樹脂の層22をポリプロピレンなどの層で形成し、中間層は両者の接着性を向上させるポリプロピレン系などの接着性樹脂の層で形成することができる。
図2の(イ)〜(ヘ)は、本発明の注出口部付き袋の製造方法において、注出口部の両面の積層フィルムのうち、一方の積層フィルムの内面に筒状体をその一部でパターン状に熱接着し、次いで、その上にもう一方の積層フィルムを被せ、注出口部の外周を注出口部シール部で両面の積層フィルムをヒートシールして注出口部を筒状に形成する際の手順の一例を説明する要部の断面図である。
図2の(イ)は、巻き取りから引き出され、所定の長さにカットされた筒状体20を示す断面図であり、筒状体20は、断面が円形の筒状、即ち円筒状であり、この後、その周面の一箇所、例えば、切り裂き位置23で長さ方向に直線状に切り裂かれるものである。
筒状体20の層構成は、前記図1で説明したように、図1の(イ)に示した1層構成の筒状体20a 、(ロ)に示した2層構成の筒状体20b のほか、3層構成の筒状体(図示せず)などいずれの構成であってもよい。
図2の(ロ)は、前記(イ)に示した筒状体20を切り裂き位置23で長さ方向に直線状に切り裂くと共に、その切り裂き部に幅開け用治具24、24を挿入して筒状体20を両側に開いた状態を示す断面図である。
図2の(ハ)は、前記(ロ)で両側に開かれた筒状体20を、袋の注出口部の両面の積層フィルム1、1′のうち、一方の積層フィルム1′の内面の所定の位置に配置し、筒状体20と積層フィルム1′との接する部分を、熱接着装置に設けられたシールヘッド25と受け部26とで、筒状体20の長さ方向に沿って線状または複数のスポットなどのパターン状に加熱加圧して熱接着する状態を示す断面図である。
次に、図2の(ニ)は、前記(ハ)に示した方法で、積層フィルム1′の内面の所定の位置に接着部14でパターン状に熱接着された筒状体20から、シールヘッド25と受け部26、および幅開け用治具24、24を取り除いて筒状体20をフリーな状態とし、筒状体20をその弾性により元の筒状に近い状態に復元させた状態を示す断面図である。
図2の(ホ)は、前記(ニ)に示した筒状体20の上に注出口部のもう一方の積層フィルム1を被せた状態を示す断面図である。
そして、図2の(ヘ)は、前記(ホ)に示したように、注出口部の一方の積層フィルム1′の内面の所定の位置に筒状体20が接着部14でパターン状に熱接着され、その筒状体20の上に、もう一方の積層フィルム1が被せられた後、筒状体20の外周で対向する積層フィルム1、1′の内面同士を注出口部シール部7でヒートシールして、注出口部を筒状に形成した状態を示す断面図である。
図3は、本発明の注出口部付き袋の製造方法による注出口部付き袋の第1の実施例の構成を示す模式正面図である。
図3に示した注出口部付き袋100は、スタンディングパウチ形式の袋を利用して作製したものであり、袋の底部を、前後の壁面の積層フィルム1、1′の下部の間に底面の積層フィルムを内側に折り返して底面フィルム折り返し部2まで挿入してなるガセット部4を有する形式で形成し、内側に折り込まれた底面の積層フィルムの両側下端近傍には、この場合、半円形の底面フィルム切り欠き部3a 、3b を設け、ガセット部4を、内側が両側から中央部にかけて湾曲線状に凹状となる船底形の底部シール部5でヒートシールして形成し、袋の胴部は、前後の壁面の積層フィルム1、1′の両側の端縁部を側部シール部6a 、6b でヒートシールして形成すると共に、袋100の上部の一方のコーナー部(図において左側のコーナー部)には、その外周を注出口部シール部7でヒートシールしてなる斜め外側上方を向く狭い幅の注出口部10が、その両側に切り欠き部9a 、9b を設けて突出する形状に設けられている。
また、注出口部10の前後の積層フィルム1、1′のうち、背面側の積層フィルム1′の内面に(図5参照)、筒状体20を、予め注出口部10の中心線Cに沿って、その先端側の開封位置から注出口部10の基部(注出口部の基部を示す線B参照)よりも3〜5mm程度短い長さに、前記図2で説明した方法で、パターン状に熱接着すると共に、注出口部10の先端側の開封位置には、易開封性手段として、ハーフカット線11とその上側の端部にノッチ12を設けて構成したものである。
尚、袋100の上部のうち、注出口部10を設けていない部分は、上部シール部8でヒートシールするが、この部分は、内容物の充填口に使用するため、内容物の充填前は未シールの開口部とし、内容物の充填後にヒートシールするものである。
前記注出口部10は、図では先細り形状で示したが、両側が平行な注出口部シール部7でヒートシールされた形状でもよい。
また、前記筒状体20は、図1で説明したように、単層の筒状体20a 、2層構成の筒状体20b のほか、3層構成の筒状体など、いずれの構成の筒状体を用いてもよい。
前記ハーフカット線11は、3本の平行なハーフカット線で示したが、特に限定はされず、1本、或いは、2本でもよく、また、開封時に引き裂きラインが中心のハーフカット線から外れた時の対策として、中心のハーフカット線の両側に各1本〜各3本など複数のハーフカット線を平行に、または中心のハーフカット線に収斂する形状に、或いは、複数の平行なハーフカット線とこれに斜めに交差する斜め方向のハーフカット線とを組み合わせた形状など、任意の形状に設けることができる。
このようなハーフカット線を設ける方法は、レーザー光照射による方法が、凹凸面に対しても安定した深さに設けられると共に、複数のハーフカット線を任意の形状に容易に設けられる点で好ましい。
図4は、本発明の注出口部付き袋の製造方法による注出口部付き袋の第2の実施例の構成を示す模式正面図である。
図4に示した注出口部付き袋200は、前記図3に示した注出口部付き袋100の構成において、注出口部10の両面の積層フィルム1、1′の前記筒状体20がその一部で熱接着される位置に、予め筒状体20の外形よりも一回り大きい寸法の外側に膨らむエンボス部15a 、15b (図6も参照)を設けておいて、そのエンボス部15a 、15b の内部に筒状体20が嵌め込まれるように配置して、背面側の積層フィルム1′の内面にその一部(図6に示した接着部14)で熱接着したほかは、総て図3に示した注出口部付き袋100と同様に形成して構成したものである。
図5は、前記図3に示した注出口部付き袋の注出口部のA−A線模式拡大断面図であり、注出口部の断面形状の一例を示す図である。
即ち、図5に示した注出口部の断面は、図3に示した注出口部付き袋100において、注出口部10の背面側の積層フィルム1′の内面に、図1に示したような円筒形の筒状体20を注出口部10の中心線Cに沿って、図2に示したような方法で接着部14で線状などのパターン状に熱接着した後、その上に前面側の積層フィルム1を被せて、筒状体20の外周(図5では両側の端縁部)を注出口部シール部7でヒートシールして、注出口部10をその断面が円形状となる円筒状に形成したものである。
このような注出口部の膨らみ形状は、注出口部に熱接着する筒状体の形状を変えることにより、上記円筒状のほか、楕円筒状、四角形、六角形、八角形などの角筒状など任意の筒状に形成することができる。
図6は、前記図4に示した注出口部付き袋の注出口部のA−A線模式拡大断面図であり、注出口部の断面形状の一例を示す図である。
図6に示した注出口部の断面は、図4に示した注出口部付き袋200において、注出口部10の背面側の積層フィルム1′の内面に、図1に示したような円筒形の筒状体20を注出口部10の中心線Cに沿って、図2に示したような方法で接着部14で線状などのパターン状に熱接着する際に、両面の積層フィルム1、1′の前記筒状体20がその一部で熱接着される位置に、予め筒状体20の外形よりも一回り大きい寸法の外側に膨らむエンボス部15a 、15b を設けておいて、そのエンボス部15a 、15b の内部に筒状体20が嵌め込まれるように配置して、背面側の積層フィルム1′の内面に接着部14でパターン状に熱接着した後、その上に前面側の積層フィルム1を被せて、筒状体20の外周(図6では両側の端縁部)を注出口部シール部7でヒートシールして、注出口部10をその断面が円形状となる円筒状に形成したものである。
この場合も、注出口部の膨らみ形状は、注出口部に熱接着する筒状体の形状を変えることにより、上記円筒状のほか、楕円筒状、四角形、六角形、八角形などの角筒状など任意の筒状に形成することができる。
次に、本発明の注出口部付き袋の製造方法による注出口部付き袋に用いる積層フィルムについて説明する。
本発明の注出口部付き袋の製造方法による注出口部付き袋に用いる積層フィルムは、主にプラスチックを主体とする積層フィルムが用いられ、簡単な構成では、基材フィルム層にシーラント層を積層した構成の積層フィルムが用いられるが、袋に充填される内容物や、内容物充填後の加熱処理の有無などの使用条件、或いは、水蒸気その他のガスバリヤー性、遮光性、各種の機械的強度など必要とされる性能に応じて、更に上記基材フィルム層とシーラント層との間などに水蒸気その他のガスバリヤー層や、遮光層、強度向上層などを積層した構成の積層フィルムを使用することができる。
上記基材フィルム層や水蒸気その他のガスバリヤー層、遮光層、強度向上層、シーラント層などは、それぞれを単独の層で形成してもよいが、複数の層を積層して形成してもよい。
前記基材フィルム層には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルの二軸延伸フィルムのほか、ナイロン6、ナイロン66、MXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)などのポリアミドの二軸延伸フィルム、そして、二軸延伸ポリプロピレンフィルムなどを好適に使用することができる。
これらは単独で使用してもよく、また、複数を組み合わせて積層して使用することもできる。
前記ガスバリヤー層としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリロニトリル(PAN)などのフィルムのほか、アルミニウム箔、或いは、シリカ、アルミナ、アルミニウムなどの蒸着層やPVDC、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリル酸(PAA)などの塗膜層を設けた二軸延伸ナイロンフィルム(ONフィルム)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)などを使用することができる。
これらのうち、アルミニウム箔またはアルミニウム蒸着層を設けたフィルムは、不透明であるため遮光層を兼ねることもできる。
前記強度向上層としては、前記基材フィルムのいずれかを適宜追加積層してもよく、二軸延伸高密度ポリエチレンフィルムなどを防湿層を兼ねて積層することもできる。
前記基材フィルム層と、ガスバリヤー層、遮光層、強度向上層との積層には、公知のドライラミネーション法または押し出しラミネーション法(サンドイッチラミネーション法)を用いることができる。
前記シーラント層には、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L・LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)のほか、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、アイオノマーなどのエチレン系共重合体、ポリプロピレン、プロピレン系共重合体などを使用することができる。
シーラント層の積層は、上記の樹脂をフィルム状に製膜し、ドライラミネーション法または押し出しラミネーション法で積層する方法、或いは、上記の樹脂を押し出しコートして積層する方法などを採ることができる。但し、内容物がシーラント層に浸透しやすいものの場合は、ドライラミネーション法で積層することが好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
図3に示した構成の注出口部付き袋100を作製することとし、以下の構成の積層フィルム1、1′と筒状体20を用いて、以下の寸法で注出口部付き袋を作製して実施例1の注出口部付き袋とした。
(1)壁面の積層フィルム1,1′の構成
(外側)二軸延伸ナイロンフィルム(以下、ONフィルムと記載する)(厚み15μm)/接着剤/アルミニウム蒸着(蒸着厚み400Å)二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、アルミ蒸着PETフィルムと記載する)(厚み12μm)/接着剤/直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(以下、L・LDPEフィルムと記載する)(厚み120μm)
(2)底面の積層フィルムの構成
(外側)ONフィルム(厚み15μm)/接着剤/アルミ蒸着PETフィルム(厚み12μm)/接着剤/L・LDPEフィルム(厚み90μm)
上記各フィルムの貼り合わせは、いずれもドライラミネーション法で行ったものであり、各フィルムの間の接着剤は、ドライラミネート用の二液硬化型ポリウレタン系接着剤を使用したものである。
(3)筒状体20の構成と寸法
筒状体20の構成は、図1の(ロ)に示した2層構成とし、袋の積層フィルムの内面に熱接着される外側の熱接着性樹脂の層21は、低密度ポリエチレン層(厚み130μm)とし、内側の前記熱接着性樹脂の層21よりも融点の高い樹脂の層22は、中密度ポリエチレン層(厚み150μm)として総厚みが280μmとなるように形成した。
筒状体20の寸法は、外径が10mmで、長さは30mmとした。
(4)注出口部付き袋100の寸法、及び注出口部10への筒状体20の取り付け位置
袋100の寸法は、全幅が135mmで、全長が225mm、底部のガセット部4の折り込み長さは37mmとした。
注出口部10は、図示した形状で、長さはハーフカット線11を設けた位置から注出口部の基部を示す線Bまでの長さが35mm、ハーフカット線11を設けた位置の全幅が26mmで、両側のヒートシール部を除く内側の幅は16mmとし、注出口部10の先細り角度は、略30°となるように設けた。
筒状体20の注出口部10への取り付け位置は、注出口部10の先端側は、ハーフカット線11よりも1mm程度内側に離した位置とし、そこから袋の内部に向けて注出口部の中心線Cに沿うように30mmの長さに、注出口部10の背面側の積層フィルム1′の内面に、図2に示した方法で、2mm幅の線状のパターンで熱接着した。因みに、筒状体20は、注出口部の基部を示す線Bまでよりも4mm程度短い長さである。
注出口部10の開封位置に設けるハーフカット線11は、中心のハーフカット線の両側に各3本の平行なハーフカット線をそれぞれ0.7mm間隔で設け、更に、この平行なハーフカット線と斜めに交差する斜め方向のハーフカット線2本をX字状に設けて形成し、また、ハーフカット線11の上側の端部には、V字形のノッチ12を設けた。
注出口部付き袋100を以上のように作製して実施例1の注出口部付き袋とした。
図4に示した構成の注出口部付き袋200を作製することとし、前記実施例1の注出口部付き袋の構成において、
注出口部10の背面側の積層フィルム1′の内面に前記筒状体20を線状のパターンで熱接着する前に、両面の積層フィルム1、1′の前記筒状体20がその一部で熱接着される位置に、予め筒状体20の外形よりも一回り大きい寸法の外側に膨らむエンボス部15a 、15b (図6も参照)を設けておいて、そのエンボス部15a 、15b の内部に筒状体20が嵌め込まれるように配置して、筒状体20をその一部で(線状のパターンで)熱接着したほかは、総て実施例1と同様に作製して実施例2の注出口部付き袋とした。
(試験およびその結果)
以上のように作製した実施例1、2の注出口部付き袋の注出適性を評価するため、それぞれの注出口部付き袋に、未シールの上部シール部8から内容物として液体洗剤約400mlを充填した後、上部シール部8をヒートシールして袋を密封した。
上記のように作製した実施例1、2の注出口部付き袋による包装体は、いずれも安定した自立性を有し、外観もよく取り扱い性にも優れていた。
次に、各包装体に充填された液体洗剤の注出適性試験を行うため、各包装体の注出口部10の先端部を摘んでノッチ12を始点としてハーフカット線11に沿って引き裂いたところ、いずれもハーフカット線11に沿ってきれいに引き裂いて注出口部10を開封することができた。
そして、注出口部10の開封と同時にいずれの包装体も、自動的に注出口部10が円筒状に保形性よく開口した。
次いで、開口させた注出口部10を別に用意したボトルの口部(口部の内径は26mm)に差し込んで、充填された液体洗剤の注出を行ったところ、いずれの包装体も注出の途中で注出口部10が閉塞するようなこともなく、最後までスムーズに液体洗剤を注出することができ、注出適性に優れていた。
本発明の注出口部付き袋の製造方法による注出口部付き袋は、例えば、浴室、洗面所、台所などで使用される各種家庭用液体洗剤のほか、シャンプー、コンディショナー、ボディーソープ、そして、液体調味料、食用油、各種の飲料など、液状の内容物を密封包装し、内容物を使用する際に、ボトルなどの他の容器に移し替えて使用するような詰め替え用の包装袋として特に適しているが、用途に関しては特に制限はない。
(イ)、(ロ)は、それぞれ本発明の注出口部付き袋の製造方法による注出口部付き袋の注出口部の内面に、その一部で熱接着して用いる筒状体の一例の構成を示す拡大斜視図である。 (イ)〜(ヘ)は、本発明の注出口部付き袋の製造方法において、注出口部の一方の積層フィルムの内面に筒状体をその一部でパターン状に熱接着し、次いで、その上にもう一方の積層フィルムを被せ、注出口部の外周をヒートシールして注出口部を筒状に形成する際の手順の一例を説明する要部の断面図である。 本発明の注出口部付き袋の製造方法による注出口部付き袋の第1の実施例の構成を示す模式正面図である。 本発明の注出口部付き袋の製造方法による注出口部付き袋の第2の実施例の構成を示す模式正面図である。 図3に示した注出口部付き袋の注出口部のA−A線模式拡大断面図であり、注出口部の断面形状の一例を示す図である。 図4に示した注出口部付き袋の注出口部のA−A線模式拡大断面図であり、注出口部の断面形状の一例を示す図である。
符号の説明
1、1′ 壁面の積層フィルム
2 底面フィルム折り返し部
3a 、3b 底面フィルム切り欠き部
4 ガセット部
5 底部シール部
6a 、6b 側部シール部
7 注出口部シール部
8 上部シール部
9a 、9b 切り欠き部
10 注出口部
11 ハーフカット線
12 ノッチ
13 下部シール部
14 接着部
15a 、15b エンボス部
20、20a 、20b 筒状体
21 熱接着性樹脂の層
22 熱接着性樹脂の層(21)よりも融点の高い樹脂の層
23 切り裂き位置
24 幅開け用治具
25 シールヘッド
26 受け部
B 注出口部の基部を示す線
C 注出口部の中心線
100、200 注出口部付き袋

Claims (5)

  1. 積層フィルム製の袋の一端に狭い幅の注出口部がヒートシールパターンにより設けられ、該注出口部の内面に、該注出口部の開口を保持するための筒状体をその一部で熱接着されてなる注出口部付き袋の製造方法であって、弾性を有し且つ少なくともその外面層が熱接着性樹脂で形成された前記筒状体の周面の一箇所を長さ方向に直線状に切り裂き、その切り裂き部に治具を挿入して前記筒状体を両側に開き、開かれた前記筒状体を、前記注出口部の両面の積層フィルムのうち一方の積層フィルムの内面に、前記注出口部の中心線に合わせて両者を重ね合わせ、重ね合わせた部分をパターン状に熱接着した後、治具を取り除いて、開かれた前記筒状体を元の筒状に復元させ、前記筒状体をその一部で前記注出口部の内面に熱接着することを特徴とする注出口部付き袋の製造方法
  2. 前記筒状体が、多層共押し出しチューブ成形法により形成され、袋の前記注出口部に熱接着される最外層が熱接着性樹脂で形成され、最内層が前記最外層の熱接着性樹脂よりも融点の高い熱接着性樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1記載の注出口部付き袋の製造方法
  3. 前記注出口部の両面の積層フィルムに外側に膨らむエンボス部を設け、該エンボス部の内部に嵌まり込むように前記筒状体をその一部で熱接着することを特徴とする請求項1または2に記載の注出口部付き袋の製造方法
  4. 前記注出口部の開封位置に易開封性手段を設けることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の注出口部付き袋の製造方法
  5. 前記袋が、スタンディングパウチ形式の袋で、前記注出口部が該袋の上部の一方のコーナー部に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の注出口部付き袋の製造方法
JP2006115902A 2006-04-19 2006-04-19 注出口部付き袋の製造方法 Active JP4894341B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006115902A JP4894341B2 (ja) 2006-04-19 2006-04-19 注出口部付き袋の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006115902A JP4894341B2 (ja) 2006-04-19 2006-04-19 注出口部付き袋の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007284136A JP2007284136A (ja) 2007-11-01
JP4894341B2 true JP4894341B2 (ja) 2012-03-14

Family

ID=38756281

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006115902A Active JP4894341B2 (ja) 2006-04-19 2006-04-19 注出口部付き袋の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4894341B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5899618B2 (ja) * 2010-10-15 2016-04-06 大日本印刷株式会社 注出口付包装袋及び注出口付包装袋の製造方法
JP5710952B2 (ja) * 2010-12-07 2015-04-30 シーアイ化成株式会社 袋体の注ぎ口構造及び袋体
JP5983917B2 (ja) * 2012-04-02 2016-09-06 大日本印刷株式会社 注出口付き包装袋
JP6183770B2 (ja) * 2012-04-05 2017-08-23 大日本印刷株式会社 注出口付き包装袋
JP6155798B2 (ja) * 2013-04-23 2017-07-05 凸版印刷株式会社 詰替え容器およびその製造方法
JP6287050B2 (ja) * 2013-10-23 2018-03-07 凸版印刷株式会社 開口維持部材付き包装袋

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1149192A (ja) * 1997-08-01 1999-02-23 Maruto Sangyo Kk テープ式ジッパー及びジッパー袋
JPH1179195A (ja) * 1997-09-04 1999-03-23 Dainippon Printing Co Ltd 詰め替え用パウチ
JP2000238800A (ja) * 1999-02-19 2000-09-05 Shigeo Kai 液体密封収納袋の開封構造
JP2003267404A (ja) * 2002-03-19 2003-09-25 Toppan Printing Co Ltd 注出口付包装容器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007284136A (ja) 2007-11-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4638789B2 (ja) 注出口部付き袋
ES2381131T3 (es) Método para unir una boquilla a una bolsa de lámina flexible
US8002468B2 (en) Bag with pouring spout
JP4894341B2 (ja) 注出口部付き袋の製造方法
JP4826324B2 (ja) 注出口部付き袋
JP5365224B2 (ja) 詰め替えパウチ
JPH1179195A (ja) 詰め替え用パウチ
JP4629414B2 (ja) 注出補助部材およびその注出補助部材を袋の注出口部に貼着した注出口部付き袋
JP4894317B2 (ja) 注出口部付き袋
KR102435928B1 (ko) 자립형 백 및 이의 제조방법
JP4998125B2 (ja) 注出口部付き自立袋
JP2007246157A (ja) 自立袋
JP2011020735A (ja) 詰替え容器
JP2009029514A (ja) パウチ容器
JP5035540B2 (ja) 注出口部付き袋
JP5332250B2 (ja) 注出口部付き自立袋及びその製造方法
JP2013212851A (ja) 注出口付き包装袋
JP4752558B2 (ja) 注出口部付き袋
JP5071650B2 (ja) 注出口部付き自立袋
JP4108847B2 (ja) 詰め替え用自立袋
JP5644066B2 (ja) 詰替え容器
JP2005170396A (ja) 包装袋、その製造方法及び部材の溶着方法
JP4601785B2 (ja) カートリッジ式袋
JP2007112452A (ja) 注出補助部材およびその注出補助部材を袋の注出口部に貼着した注出口部付き袋
JP2003026189A (ja) 自立袋

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090325

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110726

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110830

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111031

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111129

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111212

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4894341

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150106

Year of fee payment: 3