JP6183770B2 - 注出口付き包装袋 - Google Patents

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Description

本発明は、液体や粘体などの流動性を有する内容物を収納して販売するための包装袋の技術分野に属し、詳しくは、積層フィルムからなる包装袋の一端に開封手段を備える注出口を設けたタイプの注出口付き包装袋に関するものである。
従来、この種の注出口付き包装袋としては、袋の一端に開封手段を備える狭い幅の注出口を設けたものが多く用いられている。そして、最近では、その注出口を構成する積層フィルムに流路を形成するための溝状の窪みを設け、その窪みに注出補助部材としてプラスチック製などからなる円筒状の小管をスポット溶接などで固定し、この小管によって流路の確保および潰れを防止するようにしたものも知られている。
特開平5−132069号公報
上記の注出口付き包装袋は、小管を固定する前に、予め積層フィルムに溝状の窪みを設ける必要があるため、製造工程数が増えて製造装置が複雑になることから、製造の速度が抑制され生産性が悪くなるという問題があった。また、小管が硬い材質で円筒形状をしているため、包装袋の製造工程における成形型(シール型)でのシール位置がずれるなどした際、小管を固定した包装袋の表面及び裏面を構成する積層フィルムが緊張して破損したり、或いは緩んで皺を生じるなど製造上の不都合があった。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、生産性が良好であるとともに、内容物の注出性を向上させた注出口付き包装袋を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明の注出口付き包装袋は、積層フィルムからなる包装袋の上部に開封手段を有する注出口部が設けられ、その注出口部を開封して形成する注出口の内側に位置して積層フィルムの内面側に注出補助部材が取り付けられており、開封後に注出補助部材を介して注出口から内容物を注出する注出口付き包装袋であって、注出補助部材は、長手方向に開放部を有する樋状の弾性部材からなり、少なくとも開放部と対向する部位である底部の外側に長手方向と交差する向きで形成され切れ目を有することを特徴としている。
そして、上記の注出口付き包装袋において、注出補助部材は、底部が薄肉であるようにしてもよい。また、底部から側方に突き出た長手方向の突出片を有し、切れ目がその突出片を貫通するように延設されているようにしてもよい。
本発明によれば、長手方向に開放部を有する樋状の弾性部材からなり、少なくとも開放部と対向する部位である底部の外側長手方向と交差する向きで形成された切れ目を有する注出補助部材を用いたので、包装袋の表裏を構成する積層フィルムの内面に注出補助部材を取り付けるに際し、注出補助部材がその弾性と切れ目とにより変形して積層フィルムに掛かる引張力や外力を軽減させることができ、積層フィルムの損傷や皺の発生を防止することできる。また、注出補助部材にはそれ自体に弾性があるので、注出経路の開口性と保形性が維持され、内容物の注出性を向上することができる。
そして、注出口付き包装袋の製造工程においては、長尺の注出補助部材を巻取から繰り出し、その繰り出した注出補助部材をローラー上で所定の長さに切断してから包装袋の注出口部に取り付けることになるが、注出補助部材は開放部と対向する部位である底部の外側から長手方向と交差する向きで形成された切れ目を有しているため、注出補助部材を搬送するときに捻じれを防止できることから、注出補助部材を速く搬送することができ、生産性を向上させることができる。
そして、注出補助部材の底部を薄肉とすることにより、注出補助部材がより弾性変形しやすくなり、取り付ける際における積層フィルムの損傷や皺の発生をより少なくすることができる。
また、注出補助部材がその底部から側方に突き出た長手方向の突出片を有することにより、製造工程においてその突出片をローラーに接触させることで、一定の姿勢を保ったままでローラー上を搬送することができ、ローラー上での注出補助部材の搬送速度を低下させることなく所定の長さに迅速に切断できる結果、注出口付き包装袋の生産速度をより上げることができ、生産効率をさらに向上させることができる。
本発明に係る注出口付き包装袋の一例を示す平面図である。 開封した注出口から内容物を注出する状態を示す説明図である。 図1の注出口付き包装袋におけるX−X線断面図である。 注出補助部材の斜視図である。 図4に示す注出補助部材を二層構造の樹脂で形成した場合を示す断面図である。 包装袋本体を構成する一方の積層フィルムに注出補助部材を取り付ける工程を示す説明図である。 包装袋本体を構成する他方の積層フィルムとの間に注出補助部材を挟んで注出口シール部を形成する工程の説明図である。 包装袋本体を構成する他方の積層フィルムにも注出補助部材を融着する工程を示す説明図である。 図8に続く工程を示す説明図である。 図4に示す注出補助部材の変形例を示す側面図である。 突出片を有する注出補助部材を示す斜視図である。 図10に示す注出補助部材を取付け状態で示す断面図である。 図10に示す注出補助部材をローラー上で搬送する状態を示す説明図である。 図10に示す注出補助部材の変形例を示す側面図である。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示す注出口付き包装袋Aは、積層フィルムからなるいわゆるスタンディングパウチであり、例えば、化粧水、乳液などの化粧品、あるいはジュース、醤油、酢、油などの食用品(あるいは、医薬品や工業品であってもよい)をはじめとする液状などの流動性を有する内容物を収容するのに用いられる。
この注出口付き包装袋Aは、胴部を形成する2枚の積層フィルム1の間に2つ折りした底面用の積層フィルム2を組み合わせて製造される。すなわち、底面用の積層フィルム2を2つ折りしたガゼット形式の底部には、その両側下端近傍に半円状の切欠2aが設けられており、胴部を形成する2枚の積層フィルム1の間に2つ折りした底面用の積層フィルム2を挟み込み、舟底形の底部シール部3でヒートシールするとともに、左右端縁に沿った胴部シール部4でヒートシールすることで製袋されている。
この注出口付き包装袋Aにおける一方の側辺と上辺のコーナー部には、周囲がヒートシールされた斜め上方を向く注出口部10が形成されている。すなわち、上辺と左辺の両側に切欠部11,12を設けてその周辺に注出口シール部13を設けることで注出口部10が突出状態で形成されている。さらに、注出口部10の先端寄りのところには、複数のハーフカット線からなるハーフカット線部14とその一方の端部に位置するノッチ15とからなる開封手段が設けられ、その開封手段より先端側には注出口シール部13により摘み部が形成されている。なお、袋上部のうち注出口部10を設けていない部分は上部シール部5でヒートシールするが、この部分は内容物の充填口であるため、内容物の充填前は未シールの開口部とし、内容物の充填後にヒートシールするものである。
包装袋本体に用いる積層フィルムとしては、主にプラスチックを主体とする基材フィルム層にシーラント層を積層した積層フィルムが用いられるが、充填する内容物の種類、内容物充填後の加熱処理の有無などの使用条件、あるいは、水蒸気その他のガスバリヤー性、遮光性、各種の機械的強度などの必要とされる性能に応じてさらに上述の基材フィルム層とシーラント層の間などに水蒸気その他のガスバリヤー層や、遮光層、強度向上層などを積層した構成の積層フィルムを使用することができる。なお、基材フィルム層や水蒸気その他のガスバリヤー層、遮光層、強度向上層、シーラント層などは、それぞれ単独の層で形成してもよいが、複数の層を積層して形成してもよい。
基材フィルム層としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルの二軸延伸フィルムのほか、ナイロン6、ナイロン6,6、MXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)などのポリアミドの二軸延伸フィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルムなどを好適に使用することができる。そして、これらは単独で使用することもできるし、複数を組み合わせて積層して使用することもできる。
ガスバリヤー層としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリルニトリル(PAN)などのフィルムのほか、アルミニウム箔(AL)、あるいは、シリカ、アルミナ、アルミニウムなどの蒸着層やPVDCの塗膜層を設けた二軸延伸ナイロンフィルム(ONyフィルム)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)などを使用することができる。そして、これらのうち、アルミニウム箔またはアルミニウム蒸着層を設けたフィルムは、不透明であるため遮光層を兼ねることもできる。
強度向上層としては、基材フィルムのいずれかを適宜追加積層してもよく、二軸延伸高密度ポリエチレンフィルムなどを防湿層を兼ねて積層することもできる。
そして、基材フィルム層と、ガスバリヤー層、遮光層、強度向上層との積層には、公知のドライラミネーション法または押出しラミネーション法(サンドイッチラミネーション法)を用いることができる。
また、シーラント層としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L・LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、アイオノマーのほか、ポリプロピレンまたはその共重合体などを使用することができる。
このシーラント層の積層には、上記の樹脂をフィルム状に製膜してドライラミネーション法または押出しラミネーション法で積層する方法、あるいは、上記の樹脂を押出しコートして積層する方法などを採ることができる。ただし、内容物がシーラント層に浸透しやすいものの場合は、ドライラミネーション法で積層することが好ましい。
充填済みの注出口付き包装袋Aから内容物を注出するには、ノッチ15を起点としてハーフカット線部14に沿って注出口部10を構成する積層フィルム1を破断し、注出口部10におけるハーフカット線部14よりも上側を切り取って注出口10aを開封し、図2に示すように、この注出口10aから内容物を注出する。
注出口付き包装袋Aから内容物を注出するには、注出口部10を開封して注出口10aを形成するが、その注出口10aの内側に位置して積層フィルム1の内面側に注出補助部材20が熱融着などの手段で取り付けられており、この注出補助部材20を介して注出口10aから内容物を注出するようになっている。
注出補助部材20は、図3及び図4に示すように、長手方向に開放部21を有する樋状の弾性部材からなる。そして、図4から分かるように、注出補助部材20は、開放部21と対向する部位である底部22の外側から長手方向と交差する向きで形成された切れ目αを有している。
この切れ目αは5〜25mmの間隔で少なくとも一つ以上設けるようにする。例えば、注出口10aの幅が17mmの場合、注出補助部材20の外径を7.5〜8.0mm、注出補助部材20の長手方向の長さを25mmとすることができ、切れ目を1〜4個形成することができる。
そして、注出口付き包装袋Aの製造工程においては、長尺の注出補助部材20を巻取から繰り出し、その繰り出した注出補助部材20をローラー上で所定の長さに切断してから包装袋の注出口部10に取り付けることになるが、その製造工程での搬送時に注出補助部材20の捻じれを防止するためには、切れ目αは開放部21と対向する側の外面から樋状体の略半分まで形成することが好ましい。
注出補助部材20は弾性を有するが、その弾性は材質や厚みで決まるものであり、積層フィルム1の剛性より低くなるように適宜設計する。注出補助部材20の弾性が積層フィルム1の剛性より高いと、積層フィルム1が損傷し、場合によっては裂けてしまうからである。
注出補助部材20の材質としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂を用いることができる。特に、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、あるいは、低密度ポリエチレンと直鎖状低密度ポリエチレンとのブレンド樹脂を用いるのが好ましい。
注出補助部材20の積層フィルム1に対する取付け方法は特に限定されるものではないが、生産性や高温高湿度下でも接着性が安定していることから、ヒートシールにより熱融着する方法が好ましい。その場合、注出補助部材20は、包装袋本体を形成する積層フィルム1のシーラント層とヒートシールできる材質とする。
注出補助部材20は、単一の樹脂で形成してもよいが、図5に示すような、外側層20aと内側層20bとからなる二層構造の樹脂で形成してもよい。このタイプの注出補助部材20としては、例えば、外側層20aの樹脂を、密度が0.915前後で融点が100度前後の低密度ポリプロピレンとし、内側層20bの樹脂を、密度が0.930前後で融点が130度前後の高密度ポリプロピレンとする組合せを挙げることができる。このような二層構造の注出補助部材20は、内側層20bの方が外側層20aよりも融点が高いので、注出補助部材20を積層フィルム1にヒートシールしたときに、内側層20bは溶融しにくいため、注出口10aが閉塞しにくくなり、注出口10aの開口性及び保形性を向上させることができる。
次に、図6〜9を参照しながら、図4に示す注出補助部材20を図3のように表裏の積層フィルム1の間に取り付ける方法の一例を以下に説明する。
注出補助部材20は、長尺状のものが巻取となった状態で供給され、巻取から順次繰り出された後、ローラーの間を通るようにして長さ方向に搬送され、その搬送中に図4の取付けサイズに順次切断される。そして、取付けサイズに切断された注出補助部材20は、まず、底部22の外面が包装袋を構成する一方の積層フィルム1の所定位置に取り付けられる。
具体的には、図6に示すように、注出補助部材20の開放部21から凸型の成形金型31を挿入した状態で、凹型の成形金型32における凹部に向けて、注出補助部材20の底部22を積層フィルム1とともに押圧する。これにより、注出補助部材20は少なくともその底部22の外面のところで熱プレス成形により表裏の積層フィルム1の一方に対し溶着されて取り付けられる。
そして、図7に示すように、表裏の積層フィルム1同士をフラットな下金型42と上金型41の間に挟んでヒートシールし、注出口シール部13を形成する。このとき、注出補助部材20には長手方向に開放部21があるので、注出補助部材20が弾性変形して積層フィルム1に掛かる引張力や外力を軽減させることができ、積層フィルム1の損傷や皺の発生を防止することができる。また、注出補助部材20は、その径が小さくなるように弾性変形させた状態で取り付けることができ、これより取付け後は常に広がろうとする力が働き、注出経路の開口性と保形性が維持されることになる。これにより図3に示すように、包装袋本体を構成する表裏の積層フィルム1の間に注出補助部材20を取り付けることができる。
このようにして注出補助部材20を表裏の積層フィルム1の一方に固定するだけでもよいが、注出補助部材20の取付け状態を強化する場合には、次のようにして他方の積層フィルム1にも融着するとよい。
すなわち、図6の工程と図7の工程の間、或いは、図7に示す工程に代えて、図8及び図9に示すように、対向面にそれぞれ断面が円弧形状の凹部を設けた下金型52と上金型51を使用し、表裏の積層フィルム1の間に注出補助部材20を押し付けた状態でヒートシールすればよい。この場合、下金型52と上金型51の温度はどちらも170〜220℃程度にする。これにより、注出補助部材20は表裏の積層フィルム1の間に取り付けられる。
このような注出補助部材20の取付け時において、注出補助部材20には長手方向に開放部21があるので、注出補助部材20が弾性変形して積層フィルム1に掛かる引張力や外力を軽減させることができ、積層フィルム1の損傷や皺の発生を防止することできる。また、注出補助部材20は、その径が小さくなるように弾性変形させた状態で取り付けることができ、これにより取付け後は常に広がろうとする力が働き、注出経路の開口性と保形性が維持されることになる。
注出補助部材20の積層フィルム1への取付け方法は、特に限定されるものではないが、生産性や高温高湿度下でも接着性が安定していることから、上記したヒートシールによる方法にて取り付けるのが好ましい。その場合、注出補助部材20は、積層フィルム1のシーラント層とヒートシールできるものを採用する。
図10(a)〜(c)は図4に示す注出補助部材の変形例である。なお、これらの注出補助部材20も、図5に示したのと同様に、二層構造の樹脂で形成することができる。
図10(a)に示す注出補助部材20は、略半円形で開放部21を広くしてあり、底部22を薄肉としている。図10(b)に示す注出補助部材20は、略円形でその上部に開放部21を設けてあり、底部22は薄肉としている。図10(c)の注出補助部材20は、略楕円形でその上部に開放部21を設けてあり、底部22は薄肉としている。
このように、図10(a)〜(c)に示す注出補助部材20は、底部22の厚みを小さくして薄肉としているので、底部22を中心としてその両側が左右に弾性変形しやすくなり、積層フィルム1に掛かる引張力や外力がより軽減されることから、注出補助部材20を積層フィルム1に取り付ける際に、積層フィルム1の損傷や皺の発生を防止することができる。また、薄肉とした底部22はその外面を凹状あるいは図示のように平坦状にしてもよいが、外面を平坦にした場合は、注出補助部材20を積層フィルム1の対して確実に取り付けることができる。
図11は突出片を有する注出補助部材の斜視図であり、この注出補助部材20は、図4に示す注出補助部材20において、底部22から側方に突き出た長手方向の突出片23を有するようにしたものである。そして、開放部21からそれと対向する部位である底部22に向けて徐々に厚みが増加する断面形状をしている。このような突出片23を有する注出補助部材20は、突出片23を一体成形したものであってもよいし、別個に成形した突出片23を溶着してもよく、その製造方法は特に限定されない。
すなわち、この注出補助部材20は、長手方向に開放部21を有する樋状の弾性部材からなり、開放部21と対向する部位である底部22の外側から長手方向と交差する向きで形成された切れ目αを有するとともに、底部22の両側から側方に向かう水平で平坦な突出片23が長手方向に設けられ、切れ目αがその突出片23を貫通するように延設されている。また、底部22が図示の如く薄肉に形成されている。
そして、図12に示すように、各突出片23の開放部21と対向する側の面で積層フィルム1に融着して取り付けられる。この取付け方法については、前記したのと同様である。なお、取付け強度を勘案して、注出補助部材20の底部の外面とも融着するようにしてもよい。
図11の注出補助部材20を積層フィルム1へ取り付けるに際しては、前記したのと同様に、注出補助部材20は、長尺状のものが巻取となった状態で供給され、巻取から順次繰り出された後、図13に示すように、ローラーRの間を通るようにして長さ方向に搬送され、その搬送中に取付けサイズに順次切断される。このとき、注出補助部材20には底部22の両側から側方に向かう突出片23を長手方向に設けてあるので、その突出片23をローラーRに当接させることで、一定の姿勢を保ったままでローラーR上を搬送することができる。
この突出片23を有する注出補助部材20の各部のサイズは、一方の突出片23から他方の突出片23までの距離を7.5〜8.0mm、最も肉厚が厚い部分の厚みを0.7〜1.0mm、薄肉にした底部22の厚みを0.3〜0.5mm、突出片23の厚みを0.3〜0.5mm、開放部21の間隔を2〜6mmとすることができる。
図14(a)〜(c)は突出片を有する注出補助部材の変形例である。なお、これらの注出補助部材20も、突出片23を一体成形したものであってもよいし、別個に成形した突出片23を溶着してもよく、その製造方法は特に限定されない。
図14(a)に示す注出補助部材20は、搬送が安定する範囲で短くした突出片23を設けており、底部22を薄肉としている。図14(b)に示す注出補助部材20は、注出口シール部13からはみ出さない範囲で長くした突出片23を設けており、底部22を薄肉としている。図14(c)の注出補助部材20は、注出口シール部13からはみ出さない範囲で長くした突出片23を片方だけに設けており、底部22を薄肉としている。
このように、図14(a)〜(c)に示す注出補助部材20は、底部22の側方に突き出た長手方向の突出片23を有し、切れ目αがその突出片23を貫通するように延設されているので、突出片23がローラーに当接することにより製造工程におけるローラー上の搬送が良好に行われる。また、底部22の厚みを小さくして薄肉としているので、底部22を中心としてその両側が左右に弾性変形しやすくなり、積層フィルム1に掛かる引張力や外力がより軽減されることから、積層フィルム1の損傷や皺の発生を防止することができる。
(実施例)
胴部を形成する積層フィルム1として、外側から順に二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、アルミニウム箔、二軸延伸ナイロンフィルム、直鎖状低密度ポリエチレンフィルムを積層した積層フィルムを使用した。また、底面用の積層フィルム2として、外側から順にナイロン、ナイロン、接着性樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンを共押出しした積層フィルムを使用した。なお、底面用の積層フィルム2のナイロンはナイロン6であり、共押出しフィルムは無延伸フィルムである。
そして、注出補助部材20の底部22の開放部21と対向する側の面を表裏の積層フィルム1の一方に取り付け、図7に示すように、注出補助部材20の上から表裏の積層フィルム1の他方を重ね合わせ、表裏の積層フィルム1同士をフラットな下金型42と上金型41の間に挟んでヒートシールして注出口シール部13を形成した。
さらに、表裏の積層フィルム1の間に、内面を外側にして2つ折りした底面用の積層フィルム2を挿入し、表裏の積層フィルム1の内面と底面用の積層フィルム2の内面をヒートシールして底部シール部3を形成するとともに、表裏の積層フィルム1の内面同士をヒートシールして胴部シール部4を形成し、図1に示す注出口付き包装袋Aを作製した。このとき、2つ折りした底面用の積層フィルム2の外面同士が接着することなく、底部シール部3を形成することができた。
以上、本発明を実施するための形態について詳細に説明してきたが、本発明による注出口付き包装袋は、上記の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは当然のことである。
例えば、本発明の注出口付き包装袋は、上述したようなスタンディングパウチのほか、3方シール袋、四方シール袋など公知の平パウチであってもよく、注出口部の位置についても、袋の上端部右側や上端部左側もしくは上端部中央などでもよく、さらには注出口部の形状も限定されるものではない。
A 注出口付き包装袋
R ローラー
1,2 積層フィルム
2a 切欠
3 底部シール部
4 胴部シール部
5 上部シール部
10 注出口部
10a 注出口
11,12 切欠部
13 注出口シール部
14 ハーフカット線部
15 ノッチ
20 注出補助部材
21 開放部
22 底部
23 突出片
31,32,41,42,51,52 成形金型

Claims (3)

  1. 積層フィルムからなる包装袋の上部に開封手段を有する注出口部が設けられ、その注出口部を開封して形成する注出口の内側に位置して積層フィルムの内面側に注出補助部材が取り付けられており、開封後に注出補助部材を介して注出口から内容物を注出する注出口付き包装袋であって、注出補助部材は、長手方向に開放部を有する樋状の弾性部材からなり、少なくとも開放部と対向する部位である底部の外側に長手方向と交差する向きで形成され切れ目を有することを特徴とする注出口付き包装袋。
  2. 注出補助部材は、底部が薄肉であることを特徴とする請求項1に記載の注出口付き包装袋。
  3. 注出補助部材は、底部から側方に突き出た長手方向の突出片を有し、切れ目がその突出片を貫通するように延設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の注出口付き包装袋。
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