JP4614433B2 - 曲面出隅材及びこれを用いた出隅部施工構造 - Google Patents
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Description
しかし、上記出隅材は、その角部に多少の面取り部を設けているものの、突出した角張った外観は否めず、柔らかく、緩やかな外観を表出することができない。
特に、無目地処理を施すことにより大壁の外観を表出した建物の出隅部においては、曲面を大きく形成して、全体として広がり感を有する外観を得ることが望まれている。
しかし、この化粧枠においては、各種寸法について特に規定しておらず、充分な広がり感や、柔らかく緩やかな外観を表出することは困難である。
該曲面出隅材は、窯業系材料からなると共に、水平断面において、中心角が略直角となる円弧形状に形成された曲面形成部と、該曲面形成部の左右端からそれぞれ延設された平板状の一対の平面形成部とからなり、
上記平面形成部は11〜15mmの厚みを有し、
上記曲面形成部は、意匠面の曲率半径が47〜70mmであり、
一方の上記平面形成部の裏側面から他方の上記平面形成部の側端面までの垂線方向距離が80〜100mmであることを特徴とする曲面出隅材にある(請求項1)。
上記曲面出隅材は、上記曲面形成部を有するため、柔らかく、緩やかな外観を表出することができる。
また、上記曲面出隅材は、上記平面形成部を有するため、曲面出隅材を建物の構造躯体に容易に固定することができる。
上記曲面出隅材は、窯業系材料からなると共に、水平断面において、中心角が略直角となる円弧形状に形成された曲面形成部と、該曲面形成部の左右端からそれぞれ延設された平板状の平面形成部とからなり、上記平面形成部は11〜15mmの厚みを有し、上記曲面形成部は、意匠面の曲率半径が47〜70mmであり、一方の上記平面形成部の裏側面から他方の上記平面形成部の側端面までの垂線方向距離が80〜100mmであり、
上記曲面出隅材の左右には、一対の上記平面形成部の側端面に突き合せ接合した状態で、平板状の外壁板をそれぞれ配設してあり、
上記曲面出隅材と上記外壁板との突き合せ部分の意匠面側には、弾性目地処理材を被覆し、該弾性目地処理材の内部には、該弾性目地処理材が貫通可能な多数の穴を有する多穴シートを配置し、上記弾性目地処理材の表面には弾性塗材を被覆して、無目地処理を施してなることを特徴とする出隅部施工構造にある(請求項3)。
上記出隅部施工構造においては、上記曲面出隅材を出隅部に配設してなる。そのため、上記第1の発明(請求項1)において述べたごとく、出隅部において、充分な広がり感や、柔らかく緩やかな外観を表出することができる。
特に、上記曲面出隅材と上記外壁板との突き合せ部分の意匠面側には、上記のごとく無目地処理を施して大壁を構築してなるため、上記曲面出隅材を配設することにより、全体として、充分な広がり感を表出することができる。
また、上記「中心角が略直角」とは、上記中心角が例えば85〜95°の範囲にあることをいう。
また、上記胴縁の厚みは、例えば15〜18mmとすることが好ましい。この場合には、曲面出隅材の裏面側の通気性並びに適正な釘打ち代を充分確保することができる。
この場合には、上記曲面形成部の強度を向上させることができ、耐久性に優れた曲面出隅材を得ることができる。
この場合には、上記構造躯体の一部を構成すると共に出隅部に配された縦柱と、上記曲面形成部との間の隙間を充分に確保して、両者の干渉を防ぐと共に曲面出隅材の裏側の通気性を確保することができる。
また、上記曲面形成部の厚みは、8.0mm以上であることが好ましい。即ち、上記切欠部を設ける場合には、最も薄くなる切欠部の形成部分を8.0mmとすることが好ましい。これにより、曲面出隅材の強度を確保することができる。
本発明の実施例にかかる曲面出隅材及びこれを用いた出隅部施工構造につき、図1〜図4を用いて説明する。
本例の曲面出隅材1は、図1に示すごとく、無目地処理を施すことにより大壁の外観を表出した建物の出隅部に配されると共に、曲面状の角部を有する。
曲面出隅材1は、窯業系材料からなると共に、水平断面において、中心角が略直角となる円弧形状に形成された曲面形成部11と、該曲面形成部11の左右端からそれぞれ延設された平板状の一対の平面形成部12とからなる。
上記曲面形成部11は、意匠面111の曲率半径Rが50mmである。
一方の平面形成部12の裏側面126から他方の平面形成部12の側端面122までの垂線方向距離Aが90mmである。
上記垂直方向距離Aは、上記一方の平面形成部12の裏側面126を含む平面と、上記他方の平面形成部12の側端面122との最短距離に相当する。
また、曲面出隅材1は、左右対称形状を有している。ただし、本発明は、左右対称形状の曲面出隅材に限られるものではない。
該出隅部施工構造2は、図1に示すごとく、建物の構造躯体の一部を構成すると共に出隅部に配された縦柱31に、胴縁32を介して曲面出隅材1を固定してなる。
曲面出隅材1の左右には、一対の平面形成部12の側端面122に突き合せ接合した状態で、平板状の外壁板4をそれぞれ配設してある。
弾性塗材53は、曲面出隅材1及び外壁板4の意匠面の全域に連続して塗布されている。
このようにすることにより、曲面出隅材1と外壁板4との継ぎ目の目立たない、大壁を構築している。
図3、図4に示すごとく、突き合せ部分22を構成する曲面出隅材1の側端面122及び外壁板4の側端面42の意匠面側の角部には、斜面状の面取り部123、43が形成されている。これにより、弾性目地処理材51を充填するためのポケット部23が形成される。上記面取り部123、43は、1〜10mm程度の幅及び深さを有する。
また、斜面状の面取り部123、43の代わりに、段部形状の切欠を形成して、深さ1〜5mm、幅5〜30mm程度の箱型形状のポケット部を形成することもできる。
このポケット部23の深さや幅は、目地割れや肉痩せを防ぐように設定される。
また、多穴シート52としては、例えば、ラッセル編みポリエステルクロス、縦横編みガラス繊維等の緩衝、補強用クロス等を使用することができる。
また、弾性塗材53としては、例えば、アクリル系、シリコンアクリル系等の塗材を用いることができる。
また、曲面出隅材1の裏側面116と縦柱31の角部311との間の出隅背面隙間eは、5.9mmである。
また、上記曲面形成部11の裏側面116の曲率半径rは、r=R−t=37mmである。ここで、Rは上述のごとく曲面形成部11の意匠面111の曲率半径であり、tは平面形成部12の厚みである。本例においては、この厚みtは、曲面形成部11の厚みでもある。
上記曲面出隅材1は、上記曲面形成部11を有するため、柔らかく、緩やかな外観を表出することができる。
また、上記曲面出隅材1は、上記平面形成部12を有するため、曲面出隅材1を建物の構造躯体(縦柱31)に容易に固定することができる。
本例は、図5に示すごとく、曲面形成部11に、上記平面形成部12よりも厚みの大きい肉厚部112を設けた曲面出隅材1及びこれを用いた出隅部施工構造2の例である。
上記肉厚部112は、曲面形成部11の裏側面116を平面状とすることにより形成してある。そして、肉厚部112の肉厚は、最も厚みのある部分において、16.6mmである。
該切欠部117を形成することにより、縦柱31の角部311と曲面形成部11との間の隙間、即ち出隅背面隙間eを6.0mmとしている。
その他は、実施例1と同様である。
また、曲面形成部11の裏側面116に切欠部117を設けることにより、縦柱31と曲面形成部11との間の隙間(出隅背面隙間e)を充分に確保して、両者の干渉を防ぐと共に曲面出隅材1の裏側の通気性を確保することができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、図6に示すごとく、曲面形成部11の意匠面111の曲率半径Rを70mmと大きくした曲面出隅材1及びこれを用いた出隅部施工構造2の例である。
また、胴縁32の厚みsは18mm、平面形成部12の厚みtは12mmとしている。曲面形成部11の厚みも上記厚みtと同じく12mmである。
また、一方の平面形成部12の裏側面126から他方の平面形成部12の側端面122までの垂線方向距離Aは100mmである。
また、切欠部117の形成部分における曲面形成部11の厚みu(最も薄い部分の厚み)は8.4mmとなる。
その他は、実施例1と同様である。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、図7に示すごとく、曲面形成部11の意匠面111の曲率半径Rを80mmと更に大きくした曲面出隅材9及びこれを用いた出隅部施工構造8の例である。
また、一方の平面形成部12の裏側面126から他方の平面形成部12の側端面122までの垂線方向距離Aは110mmである。
また、切欠部117の形成部分における曲面形成部11の厚みu(最も薄い部分の厚み)は4.3mmとなる。
その他は、実施例1と同様である。
逆に、厚みuを8mm以上とするためには、切欠部117を大きく形成することができず、結果として出隅背面隙間eを充分に確保することができない。
11 曲面形成部
111 意匠面
116 裏側面
117 意匠面
12 平面形成部
122 側端面
126 裏側面
2 出隅部施工構造
22 突き合せ部分
31 縦柱
32 胴縁
4 外壁板
51 弾性目地処理材
52 多穴シート
53 弾性塗材
Claims (4)
- 無目地処理を施すことにより大壁の外観を表出した建物の出隅部に配されると共に、曲面状の角部を有する曲面出隅材であって、
該曲面出隅材は、窯業系材料からなると共に、水平断面において、中心角が略直角となる円弧形状に形成された曲面形成部と、該曲面形成部の左右端からそれぞれ延設された平板状の一対の平面形成部とからなり、
上記平面形成部は11〜15mmの厚みを有し、
上記曲面形成部は、意匠面の曲率半径が47〜70mmであり、
一方の上記平面形成部の裏側面から他方の上記平面形成部の側端面までの垂線方向距離が80〜100mmであり、
上記曲面形成部は、上記平面形成部よりも厚みの大きい肉厚部を有することを特徴とする曲面出隅材。 - 請求項1において、上記曲面形成部は、略中央部分における裏側面に、切欠部を上下方向に連続形成してなることを特徴とする曲面出隅材。
- 建物の構造躯体の一部を構成すると共に出隅部に配された縦柱に、胴縁を介して曲面出隅材を固定してなる出隅部施工構造であって、
上記曲面出隅材は、窯業系材料からなると共に、水平断面において、中心角が略直角となる円弧形状に形成された曲面形成部と、該曲面形成部の左右端からそれぞれ延設された平板状の平面形成部とからなり、上記平面形成部は11〜15mmの厚みを有し、上記曲面形成部は、意匠面の曲率半径が47〜70mmで、上記平面形成部よりも厚みの大きい肉厚部を有し、一方の上記平面形成部の裏側面から他方の上記平面形成部の側端面までの垂線方向距離が80〜100mmであり、
上記曲面出隅材の左右には、一対の上記平面形成部の側端面に突き合せ接合した状態で、平板状の外壁板をそれぞれ配設してあり、
上記曲面出隅材と上記外壁板との突き合せ部分の意匠面側には、弾性目地処理材を被覆し、該弾性目地処理材の内部には、該弾性目地処理材が貫通可能な多数の穴を有する多穴シートを配置し、上記弾性目地処理材の表面には弾性塗材を被覆して、無目地処理を施してなることを特徴とする出隅部施工構造。 - 請求項3において、上記曲面出隅材における上記曲面形成部は、略中央部分における裏側面に、切欠部を上下方向に連続形成してなることを特徴とする出隅部施工構造。
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